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K 3824

:2012

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  試薬 

2

5

  器具 

2

6

  装置 

2

7

  準備 

4

7.1

  エンドトキシン液の準備  

4

7.2

  装置の洗浄及び殺菌  

4

8

  試験操作  

4

9

  計算 

4

10

  試験の報告事項  

5

附属書 A(参考)入手可能な精製エンドトキシン  

6

附属書 B(規定)エンドトキシン濃度の測定方法  

7

附属書 C(規定)装置の洗浄及び殺菌  

8


K 3824

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人膜分

離技術振興協会(AMST)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規

格である。

これによって,JIS K 3824:1990 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

3824

:2012

限外ろ過モジュールの

エンドトキシン阻止性能試験方法

Testing methods for determining endotoxin rejection of ultrafiltration modules

序文 

この規格は,1990 年に制定され,今日に至っている。今回,その後の使用状況及び測定方法の進歩に対

応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点では制定されていない。

適用範囲 

この規格は,エンドトキシン(細菌内毒素)として S 型の大腸菌(Escherichia coli O111 等)由来のエン

ドトキシン試験液を用いて,限外ろ過モジュールのエンドトキシン阻止性能を試験する方法について規定

する。

注記  この試験に用いるエンドトキシン阻止性能試験装置(以下,装置という。)は,JIS K 3823 に規

定する細菌阻止性能試験にも使用できる。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7411

  一般用ガラス製棒状温度計

JIS B 7505-1

  アネロイド型圧力計−第 1 部:ブルドン管圧力計

JIS B 7551

  フロート形面積流量計

JIS K 0101

  工業用水試験方法

JIS K 3802

  膜用語

JIS K 3823

  限外ろ過モジュールの細菌阻止性能試験方法

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 3802 及び JIS K 3823 によるほか,次による。

3.1  

エンドトキシン阻止性能 

限外ろ過膜によってエンドトキシンを除去する性能を示す値(箇条 参照)


2

K 3824

:2012

   

3.2  

濃厚エンドトキシン液 

エンドトキシン濃度 10

4

 EU/ml

以上の液。

3.3  

試験エンドトキシン液 

濃厚エンドトキシン液を水で希釈して得たエンドトキシン濃度約 10

2

 EU/ml

で,試験に用いる液。

試薬 

試薬は,次による。

4.1

水  JIS K 0101 の 2.(12)(水)に規定する蒸留水,イオン交換を行った後,試験を行う限外ろ過モジ

ュールの膜と同等若しくはより小さい孔径の膜でろ過した水,又は日本薬局方で定めるエンドトキシン試

験用水。

4.2

エンドトキシン標準品  日本薬局方標準品のエンドトキシン標準品,又は日本薬局方標準品で力価

を評定したエンドトキシン標準品を用いる。

注記  日本薬局方標準品のエンドトキシン標準品は,一般財団法人医薬品医療機器レギュラトリーサ

イエンス財団が製造・頒布している。

4.3

精製エンドトキシン  S 型の大腸菌(Escherichia coli O111 等)からフェノール−水抽出法(Westphal

の方法)によって精製されたもの(

附属書 参照)又はこの方法以上に精製されたもの。

注記  “フェノール−水抽出”は,“フェノール抽出”と表記することもある。

4.4

ライセート試薬  日本薬局方エンドトキシン試験法に記載のカブトガニの血球抽出成分から調製さ

れた試薬。

器具 

器具は,次による。

5.1

フラスコ類  JIS R 3503 に規定するもの。

5.2

乾熱滅菌器  温度を 250  ℃に調節できるもの。

5.3

高圧蒸気滅菌器  温度を 121  ℃以上に加熱でき,器内絶対圧力 210 kPa 以上の飽和水蒸気中で用い

ることができるもの。

5.4

ピンセット  金属製であって,先端が平らなもの。

装置 

装置は,次による。

6.1

装置の構成及び部品  装置の構成部品は,ステンレス鋼,プラスチックなどのさびが発生しにくい

材料を用いる。

また,装置は,洗浄,清掃及び滅菌が容易で,配管内に液だまりが生じにくい構造とし,外部からの雑

菌が混入せず,試験液が外部に漏れない構造とする。装置の構成例を,

図 に示す。

なお,モジュールヘの供給水量を調節するため,及び測定条件を一定に保つために,バイパスラインを

設けてもよい。

6.2

計装部品及びバルブ類  装置は,タンク,ポンプ及び限外ろ過モジュール,それらをつなぐ配管,

圧力計・温度計・流量計などの計装部品,及び圧力調節を行うバルブ類で構成し,次による。


3

K 3824

:2012

a)

タンク  タンクの容量は,液を循環して使用できる程度の大きさがあればよい。蓋付き構造であって,

底部が円すい形又は鏡形のもの。ポンプ吸入口につなぐ排水口は,タンク底部に付いたものが望まし

い。

b)

ポンプ  試験に用いる限外ろ過モジュールに必要な圧力及び流量を供給することができるもの。

なお,必要水量及び必要圧力は,限外ろ過モジュール製造業者の推奨条件による。

c)

配管及びバルブ類  常用運転圧力に耐える設計仕様のもの。

d)

圧力計  JIS B 7505-1 に規定する圧力計であり,適切な測定レンジをもつダイヤフラム式圧力計,又

はそれと同等以上の性能をもち,圧力測定の際に液体が直接圧力計内部に浸入しないもの。

e)

温度計  JIS B 7411 に規定する温度計,又はこれと同等の性能をもつもの。

f)

流量計  JIS B 7551 に規定する流量計のうち,最小目盛が最大想定流量の 10 分の 1∼100 分の 1 のも

ので,最大測定流量が測定する流量の 1.5∼2 倍程度の流量計又はそれと同等以上の性能をもつもの。

図 1−装置の構成例 



タンク

TI

PI

PI

PI

温度計

バイパス弁

モジュール入口弁

ポンプ

モジュール出口圧力計

モジュール入口圧力計

モジュール出口流量計

透過水流量計

透過水圧力計

サンプリング弁

モジュール入口流量計

透過水弁

モジュール出口弁

バイパスライン


4

K 3824

:2012

   

準備 

7.1 

エンドトキシン液の準備 

試験に用いる濃厚エンドトキシン液は,次の方法によって調製し,準備する。

精製エンドトキシンを目標値 10

4

 EU/ml

以上となるように調製し,その一部を取り,

附属書 によって

エンドトキシン濃度を測定し,確認する。

7.2 

装置の洗浄及び殺菌 

装置の洗浄及び殺菌は,

附属書 による。

試験操作 

試験操作は,次による。

a)

タンクに 4.1 の水を入れる。

b)

ポンプを運転して,試験条件を次のとおりに調節し,圧力,温度及び流量を記録する。

1)

モジュール入口水温は,20∼30  ℃の範囲とする。

2)

平均膜差圧は,次の式によって算出する。

p

o

i

mtm

2

)

(

P

P

P

P

ここに,

P

mtm

平均膜差圧(kPa)

P

i

モジュール入口圧力(kPa)

P

o

モジュール出口圧力(kPa)

P

p

透過水圧力(kPa)

3)

回収率は,次の式によって算出し,50 %以下にする。

100

i

p

×

Q

Q

R

ここに,

R

回収率(%)

Q

p

透過水の流量(m

3

/h

,L/min 等)

Q

i

モジュールの入口流量(m

3

/h

,L/min 等)

c)

透過水約 10 m1 を空試験用に採取する。採取に用いる容器は,乾熱滅菌(250  ℃で 30 分以上)等に

よってエンドトキシンフリーとしたものを用いる。

d)

濃厚エンドトキシン液をタンクに添加し,タンク中の水と均一に混合したものを試験エンドトキシン

液とする。

なお,濃厚エンドトキシン液の添加量は,試験エンドトキシン液中のエンドトキシン濃度が

10

2

 EU/ml

程度となるように濃厚エンドトキシン液の濃度に応じて,適宜調製する。

e)

装置を 10 分運転経過後,タンク内試験液及び透過水を採取する。

f)

c)

e)で得られた試料は,それぞれ直ちに

附属書 によりエンドトキシン濃度を測定する。採取後,

直ちに測定ができない場合は,試料を 2∼6  ℃に保存し,6 時間以内に測定を実施する。市販のエンド

トキシン安定化剤入り採取管に採取する場合には,製造業者の指示に従う。

なお,空試験でエンドトキシンが 0.01 EU/ml 以上検出された場合は,試験全体を無効とする。

計算 

エンドトキシン阻止性能は,次の式によって算出する。


5

K 3824

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G

F

E

10

log

ここに,

E

エンドトキシン阻止性能(無次元)

F

試験液中[箇条

8 e)

参照]のエンドトキシン濃度(EU/ml)

G

透過水中[箇条

8 e)

参照]のエンドトキシン濃度(EU/ml)

G

がライセート試薬の検出感度以下であった場合は,に検出感度値を用いて,E≧log

10

  F/G

と表示す

る。

10 

試験の報告事項 

試験の報告事項は,次による。

a)

試験を行った限外ろ過モジュール

1)

製造業者による形状・形式

2)

製造業者による品番

3)

製造業者名

4)

製造番号

b)

試験条件

1)

圧力(モジュール入口,モジュール出口,透過水及び平均膜差圧)

2)

試験エンドトキシン液の温度

3)

流量(モジュール入口,モジュール出口及び透過水)

c)

エンドトキシン試験の結果

空試験,試験液及び透過水のエンドトキシン濃度。

d)

エンドトキシン阻止性能


6

K 3824

:2012

   

附属書 A

(参考)

入手可能な精製エンドトキシン

2011

年 2 月時点で入手可能な,S 型の大腸菌(Escherichia coli O111 等)からフェノール−水抽出法

(Westphal の方法)によって精製されたエンドトキシンを,

表 A.1

に示す。

表 A.1

S

型の大腸菌(Escherichia coli O111 等)からフェノール−水抽出法(Westphal の方法)によって

精製されたエンドトキシンの製品名及び供給者名 

製品名

供給者名

Lipopolysaccharides from Escherichia coli O111:B4

Product Number L2630

SIGMA

リポポリサッカリド,大腸菌 O111 由来(フェノール抽出品)

Lipopolysaccharide, from E. coli O111 (by phenol extraction)

和光純薬工業株式会社


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K 3824

:2012

附属書 B

(規定)

エンドトキシン濃度の測定方法

B.1 

エンドトキシン濃度測定 

エンドトキシン濃度測定は,次による。

エンドトキシン濃度は,カブトガニの血球抽出成分から調製されたライセート試薬を用いた,日本薬局

方におけるエンドトキシン試験法によって,エンドトキシン標準品を用いて作成した検量線から求める。

また,エンドトキシン試験は,日本薬局方に記載の比濁法又は比色法によって行う。


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K 3824

:2012

   

附属書 C

(規定)

装置の洗浄及び殺菌

C.1 

洗浄 

装置の洗浄は,次による。

a)

装置にダミーモジュールを取り付ける。

b)

タンクに洗浄水としての水を入れる。

c)

ポンプを運転して,全ての配管の中を洗浄する。装置の材質及びその汚れに応じ,酸,アルカリ,酸

化剤などの洗浄剤を用いることができる。この場合,タンクに洗浄剤を入れ,

b)

で入れた水と混合し,

洗浄液とする。必要に応じてタンクの中の洗浄液を交換する。

洗浄液が希薄で汚れによって消費され,洗浄液としての効果がなくなる場合は,洗浄液の濃度を分

析して消費量分を補充するか,又は新しく洗浄液を作り直すとよい。

d)

汚れが出てこなくなるまで洗浄を繰り返し,新しい水を用いて,すすぎ洗いをする。

e)

系内の水を抜いた後,ダミーモジュールを,試験をする限外ろ過モジュールに交換する。

f)

タンクに

4.1

の水を入れる。

g)

透過水弁を閉じてポンプを運転し,膜の一次側を約 30 分間洗浄する。次に,透過水弁を開き,モジュ

ール出口弁を調節し,膜の二次側を約 30 分間洗浄する。

h)

新しい水を用いてすすぎ洗いをする。

なお,洗浄剤を使用した場合には,洗浄剤が残留していないことを確認する。

C.2 

殺菌 

装置及びモジュールの殺菌には,殺菌剤,熱水による方法があり,次による。

なお,装置及びモジュールの洗浄において,洗浄剤が殺菌剤としての効果も併せもつ場合には,洗浄と

殺菌とを同時に実施したとみなしてよい。

a)

殺菌剤による場合

  殺菌剤をタンクに準備し,ポンプによって膜の一次側及び二次側を殺菌する。殺

菌後,殺菌剤が残留していないことを確認する。

なお,殺菌剤の種類と条件については,製造業者が取扱説明書などで推奨するものに従う。

注記 1

一般に殺菌剤として推奨されているものには,次亜塩素酸ナトリウム,

JIS K 1463

に規定

する過酸化水素などがある。

b)

熱水による場合

  熱水をタンクに準備し,ポンプによって膜の一次側及び二次側を殺菌する。殺菌時

間は 60 分間程度とする。

なお,熱水処理条件については,製造業者が取扱説明書などで推奨するものに従う。

注記 2

高圧蒸気による滅菌方法もある。

参考文献  JIS K 1463

  過酸化水素