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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K3803-1990 

除菌用空気ろ過デプスフィルタの 

エアロゾル捕集性能試験方法 

Testing Methods for Determining Aerosol Retention 

of Depthfilter for Air Sterilization 

1. 適用範囲 この規格は,空気除菌用のデプスタイプのフィルタ(以下,デプスフィルタという。)のう

ち,カートリッジ形,ディスク形及び充てん(填)塔形のフィルタのエアロゾル捕集性能を試験する方法

について規定する。 

引用規格: 

JIS B 7411 ガラス製棒状温度計(全浸没) 

JIS B 7505 ブルドン管圧力計 

JIS B 9921 光散乱式自動粒子計数器 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 3802 膜用語 

JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語 

JIS Z 8901 試験用ダスト 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS K 0211[分析化学用語(基礎部門)],JIS K 3802

(膜用語)及びJIS Z 8122(コンタミネーションコントロール用語)によるほか,次による。 

(1) デプスフィルタ 粒子を主にろ材内部で捕集するフィルタ。 

(2) 充てん塔形フィルタ ろ材としてガラス繊維又は微細粒子を密に充てんした塔形のフィルタ。 

3. 試験方法の概要 試験用デプスフィルタの上流側に,一定濃度以上のJIS Z 8901(試験用ダスト)に

規定する13種若しくは14種又はそれと同等のエアロゾルを供給し,粒子計数器を用いてフィルタの上流

側及び下流側で,粒子径0.3〜0.5μmの粒子数を測定し比較することによって,エアロゾル捕集性能を試験

する方法である。 

4. 試験に用いる機器 試験に用いる装置は,次の条件を満たすものを用いる。 

(1) 粒子計数器 JIS B 9921(光散乱式自動粒子計数器)によって定められた空気中の粒子濃度と粒子径

区分のための,記録計と表示機能をもつ光散乱式自動粒子計数器のうち,0.3〜0.5μmの粒子の識別及

び計数能力があるもの又はこれと同等以上のもの。 

(2) 捕集性試験装置 捕集性試験装置の各部の構造は,次による。図にその例を示す。 

(a) エアロゾル発生器 JIS Z 8901に規定されている試験用ダスト13種若しくは14種又はこれらと同

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K3803-1990  

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等のエアロゾルを安定した状態で発生し続けることが可能であること。 

(b) 混合室 エアロゾル発生器からのエアロゾルと,供給空気との均一な混合が得られる構造のもの。 

(c) 上流側粒子数測定孔 測定孔は,デプスフィルタの直前に設けること。 

(d) 下流パイプ,サンプリングチューブ さびなどによる発じんがないもの。 

(e) 送風機 試験条件を満足する空気を,安定して供給できる能力をもつこと。 

(f) 流量測定器 デプスフィルタの試験流量を±10%の精度で測定できるもの。 

(g) 温度計 JIS B 7411[ガラス製棒状温度計(全浸没)]に規定する温度計。 

(h) 圧力計 JIS B 7505(ブルドン管圧力計)に規定する圧力計。 

図 エアロゾル捕集性能試験装置(一例) 

5. 試験条件 試験条件は,次による。 

(1) デプスフィルタ入口粒子濃度 粒子径0.3〜0.5μmの範囲の粒子が1×105個/l以上であること。 

(2) 試験流速 デプスフィルタの定格流速とする(ただし,定格以下で試験する場合は,その流速及び対

定格比を明記する。)。 

(3) 測定温度 20〜35℃ 

(4) 測定室内湿度 90%以下 

6. 操作 操作は,次のとおり行う。 

(1) フィルタハウジングにカートリッジ,ディスク又は充てん材を漏れの起こらないようにセット又は充

てんする。 

(2) 粒子計数器が安定するまで暖機運転を行う。 

(3) 送風機(押込み式又は吸引式)を始動させ,試験流速とする。 

(4) ゾル発生器を始動させ,デプスフィルタ上流側の粒子数が,0.3〜0.5μmの粒径のものが1×105個/l

以上になるよう発生器を調整する。粒子計数器の測定限界以上となる場合は,サンプリングラインの

途中から清浄空気を入れて希釈して測定する。粒子数が定常状態に達したことを確認する。 

(5) すばやく測定点をデプスフィルタ下流側へ切り替えて,メータの読みが安定するまで静置した後,0.3

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〜0.5μmの粒子数を測定し,粒子数が定常状態に達したことを確認する。 

試験に当たっては,サンプリングチューブの口径及び長さなどに起因する測定時間の遅れを考慮す

ること。 

(6) 粒子捕集率は,次の式による。 

100

1

×

=

U

L

N

N

P

ここに, NL: 下流側の粒子数(個/l) 
 

NU: 上流側の粒子数(個/l) 

P: 粒子捕集率 (%) 

7. 記録 試験結果について,次の記録を行う。 

(1) フィルタの製造業者名 

(2) フィルタの種類(カタログ番号) 

(3) フィルタの製造番号 

(4) 試験者名 

(5) 試験日時 

(6) 測定時間 

(7) 試験条件 

(a) 試験流量(定格流量以下の場合は対定格比) 

(b) 試験流速(対定格比) 

(c) 試験圧力 上流側及び下流側 

(d) 温度 

(e) 湿度 

(8) 使用粒子計数器仕様 

(a) 製造業者名 

(b) 計数器の種類(カタログ番号) 

(9) 試験値 

(a) 上流側粒子数(個/l) 

(b) 下流側粒子数(個/l) 

(c) 捕集率 (%) 

(10) 製造業者基準捕集率 (%) 

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原案作成委員会 構成表 

(敬称略,順不同) 

氏名 

所属 

◎ 仲 川   勤 

明治大学 

神 沢 千代志 

工業技術院化学技術研究所 

増 田   優 

通商産業省基礎産業局 

細 川 幹 夫 

工業技術院標準部 

池 田 征 夫 

味の素株式会社 

広 瀬 幸 夫 

三菱油化株式会社 

堀 田 宗 浩 

三共株式会社 

島 田 政 幸 

合同酒精株式会社 

大 矢 英 男 

株式会社丸菱バイオエンジ 

○ 高 橋 典 秋 

エイコーフィルター株式会社 

○ 坂 口 一 郎 

株式会社ウルトラフィルター 

○ 桑 島 惣 一 

日本シューマッハー株式会社 

○ 原   芳 明 

伊藤忠産機株式会社 

○ 平 井 勤 二 

キュノ株式会社 

○ 志 賀 一 之 

財団法人バイオインダストリー協会 

松 本 満 男 

通商産業省基礎産業局 

(関係者) 

浦 野 四 郎 

工業技術院標準部 

飯 嶋 啓 子 

工業技術院標準部 

◎ 委員長  ○ 分科会メンバー