>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 3800

:2009

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本空気

清浄協会(JACA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,

工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 3800:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS K 3800

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)枯草菌芽胞の調製法及び定量法

附属書 2(参考)キャビネットの設置及び排気に対する注意

附属書 3(参考)ホルムアルデヒドくん蒸による除染方法

附属書 4(参考)クラスⅠ及びクラスⅢバイオハザード対策用キャビネットの基本構造

附属書 5(規定)バイオハザード対策用クラスⅡキャビネット(タイプ A,タイプ B1,タイプ B2 及

びタイプ B3)

附属書 5A(規定)枯草菌芽胞の調製法及び定量法

附属書 5B(参考)ホルムアルデヒドくん蒸による除染方法


K 3800

:2009  目次

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  バイオハザード対策用キャビネットの分類

3

4.1

  バイオハザード対策用キャビネット

3

4.2

  クラスⅡキャビネットの分類

4

5.

  要求性能

7

5.1

  密閉度

7

5.2

  HEPA フィルタの透過率

7

5.3

  送風機の性能

7

5.4

  気流バランス

7

5.5

  風速・風量

8

5.6

  気流方向

8

5.7

  騒音

9

5.8

  照度

9

5.9

  振動

9

5.10

  安定度・強度

9

5.11

  シンクの容量及び漏水量

9

5.12

  絶縁抵抗

9

5.13

  耐電圧

9

6.

  構造

9

6.1

  清掃及び除染に対する考慮

9

6.2

  作業台及び作業空間の隅部

10

6.3

  溶接

10

6.4

  ねじの使用方法

10

6.5

  送風機

10

6.6

  電気部品及び配線

11

6.7

  HEPA フィルタのモニタ

11

6.8

  前面パネル

11

6.9

  送風機のインターロック

11

6.10

  タイプ キャビネットのダクト

11

6.11

  タイプ キャビネットのダクト

11

6.12

  シンク

11

6.13

  ガス,真空配管などのコック

11


K 3800

:2009  目次

(3)

ページ

6.14

  上流側エアロゾル濃度測定口

12

6.15

  据付け

12

6.16

  高さ及び奥行き

12

7.

  材料

12

7.1

  基本事項

12

7.2

  内部作業面

12

7.3

  外部表面

12

7.4

  前面パネル

12

7.5

  HEPA フィルタのセパレータ

12

7.6

  ガスケット及びシール材

12

7.7

  消音材

12

8.

  試験方法

12

8.1

  密閉度試験

12

8.2

  HEPA フィルタの透過率試験

13

8.3

  気流バランス試験

15

8.4

  吹出し風速試験

22

8.5

  流入風速試験

24

8.6

  流入風速代替測定法

25

8.7

  間口 1 m 当たりの排気風量

29

8.8

  風量直接測定器の要求性能の適合性を確認する方法

30

8.9

  気流方向試験

30

8.10

  騒音レベル試験

31

8.11

  照度試験

31

8.12

  振動試験

31

8.13

  安定度試験

32

8.14

  シンクからの漏水試験

34

8.15

  送風機の性能試験

34

8.16

  絶縁抵抗試験

34

8.17

  耐電圧試験

35

9.

  検査

35

10.

  表示・取扱説明書

36

10.1

  仕様銘板

36

10.2

  配線図

36

10.3

  取扱説明書

36

附属書 1(規定)枯草菌芽胞の調製法及び定量法

37

附属書 2(参考)キャビネットの設置及び排気に対する注意

39

附属書 3(参考)ホルムアルデヒドくん蒸による除染方法

43

附属書 4(参考)クラスⅠ及びクラスⅢバイオハザード対策用キャビネットの基本構造

45


K 3800

:2009  目次

(4)

ページ

附属書 5(規定)バイオハザード対策用クラスⅡキャビネット(タイプ A,タイプ B1,タイプ B2 及びタ

イプ B3

46

附属書 5A(規定)枯草菌芽胞の調製法及び定量法

73

附属書 5B(参考)ホルムアルデヒドくん蒸による除染方法

75


日本工業規格

JIS

 K

3800

:2009

バイオハザード対策用クラス II キャビネット

Class II biological safety cabinets

序文  この規格は,2007 年に発行された NSF/ANSI 49,Class II (Laminar Flow) Biosafety Cabinetry を基に,

技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,バイオハザード対策用クラスⅡキャビネット(以下,キャビネットという。)

(

1

)の性能,構造,材料及び試験方法について規定する。ここでキャビネットに本体の一部となる排気ダク

トがある場合には,排気ダクト及び外付け排気送風機を含む。

なお,従来規定していたバイオハザード対策用クラスⅡキャビネット(タイプ A,タイプ B1,タイプ

B2 及びタイプ B3)を附属書 に規定する。ただし,これらのキャビネットを規定した附属書 は,平成
22 年 10 月 20 日で廃止する。

注(

1

)  ここでいうキャビネットは,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規

則(平成 10 年厚生省令第 99 号)の規定に基づき厚生労働大臣が定める安全キャビネットであ

る。ここでキャビネットに本体の一部となる排気ダクトがある場合には,排気ダクト及び外付

け排気送風機を含む。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補は適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最

新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 8330

  送風機の試験及び検査方法

JIS C 1102-6:1997

  直動式指示電気計器  第 6 部:オーム計(インピーダンス計)及びコンダクタンス

計に対する要求事項

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS C 1509-1

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様

JIS C 1509-2

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 2 部:型式評価試験

JIS C 1609-1

  照度計  第 1 部:一般計量器

JIS G 4304

  熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS G 4305

  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS T 7322

  医療用高圧蒸気滅菌器

JIS T 7324

  医療用小型高圧蒸気滅菌器

JIS T 8202

  一般用風速計


2

K 3800

:2009

JIS Z 2331

  ヘリウム漏れ試験方法

JIS Z 8122

  コンタミネーションコントロール用語

JIS Z 8731

  環境騒音の表示・測定方法

NSF/ANSI 49:2007

,Class II (Laminar Flow) Biosafety Cabinetry

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8122 によるほか,次による。

a)

前面パネル  キャビネット前面の透明なパネル(図 参照)。

b)

前面開口部  キャビネット前面の作業用開口部(図 参照)。

c)

作業台  キャビネット内の作業に用いるテーブル(図 参照)。

d)

内部作業面  作業台を除いたキャビネットの内壁面(図 参照)。

図 1  キャビネットの部分及び名称

e)

作業空間  前面パネル・作業台・整流板及び内部作業面に囲まれた空間。

f)

間口  作業空間両側面の距離。

g)

整流板  吹出し気流を均一にする目的で設置した通気性をもつじゃま板。

h)

汚染プリナム  作業空間で発生した汚染エアロゾルを含む気流が到達する空間。

備考  正圧又は負圧の場合があり,安全性に影響する。

i)

流入風量  前面開口部からキャビネットに流入する風量。

j)

吹出し風量  作業空間に上部から供給される清浄空気風量。

k)

総風量  流入風量と吹出し風量との和。

l)

送風機  タイプ A1,タイプ A2 及びタイプ B1 キャビネットは,前面開口部からの吸気,作業空間へ

の空気供給及びキャビネットからの排気を共通の送風機で行う。全排気形のタイプ B2 キャビネット

では,作業空間への空気供給を一つの送風機で行い,前面開口部からの吸気及び作業空間からの排気

は,別の送風機(排気送風機)で行う。ただし,密閉ダクト接続による排気システムに接続するキャ


3

K 3800

:2009

ビネットの排気システムは,キャビネットに内蔵又は隣接して配置されている送風機及び排気ダクト

の最遠位部に配置される外付け送風機の 2 台を組み合わせて構成される。

m)

循環気率  循環形キャビネットの場合,全風量(排気風量+循環風量)に対する循環風量の割合。

備考  揮発性物質及びガス状物質の希釈は,循環気率が小さいほど速い。

n)

検査  キャビネットの,この規格への適合性を調べ,合否を判定すること。各要求事項についての適

合性を調べ,合否を判定することを試験という。

備考  検査は,検査機関の指定する場所で行う形式検査,工場で行う出荷時の受渡検査及び使用場所

で行う現場検査(設置後検査及び維持管理検査)がある(9.  参照)

o)

検査機関  キャビネットの,この規格への適合性を検査する能力・体制を備えた機関。

参考  国内の上記機関としては,社団法人日本空気清浄協会のバイオハザード対策専門委員会がある。

p)

換算係数  真の風量又は風速を求めるために風量又は風速の測定値に乗じる係数。検査機関によって

承認された値を用いる。

q)

形式検査済機種  形式検査に適合した機種。

r)

設定風速値  キャビネットの形式検査に向けて,製造業者が設定する風速の値(流入風速及び吹出し

風速の設定風速値)

s)

選定風速値  キャビネットの形式検査によって,この規格に適合すると判定されたキャビネットにつ

いて,適合範囲の風速値の中で,製造業者が選定した流入風速及び吹出し風速の値。

t)

作業室  キャビネットを置いて作業する場所。

u)

除染  当該病原体などを完全に除去する操作。不特定の病原体などを対象とするときは滅菌と同じ。

参考  滅菌とは,すべての生物を完全に除去する操作をいう。これに対して,消毒とは,混在する病

原微生物を害にならない程度まで少なくすることをいう。

4.

バイオハザード対策用キャビネットの分類

4.1

バイオハザード対策用キャビネット  バイオハザード対策用キャビネットは,基本構造によって,

クラスⅠ,クラスⅡ及びクラスⅢに分類する。

なお,参考としてクラスⅠ及びクラスⅢバイオハザード対策キャビネットの基本構造を,

附属書 に記

載する。

クラスⅡキャビネットは,病原体などの取扱いで,作業空間に清浄空気を必要とする場合に用いる。前

面開口部と排気口があり,前面開口部からの流入気流が汚染エアロゾルの外部への漏出を防ぐと同時に,

作業空間上部から HEPA フィルタでろ過した清浄な吹出し空気を作業空間に供給する。汚染した排気空気

は,HEPA フィルタで清浄化後キャビネット外に放出する(4.2 参照)

警告 1.  作業室の出入り口,換気などに由来する気流が前面開口部付近に及ぶとクラスⅡキャビネッ

トの作業者の安全性・試料保護・相互汚染防止効果を妨げる。また,クラスⅡキャビネット

の周囲は,人の動線から遠ざけなければならない。

2.

生物学的目的の作業で,毒物及びラジオアイソトープを併用する場合には,その目的で設計

製作されたクラスⅡキャビネットを用いる。

参考  クリーンベンチは,クラスⅡキャビネットとは対照的に,作業空間に清浄空気を送り,取り扱

う試料の汚染を防ぐためだけの機器であり,

作業者の安全性を目的とした機器ではない。外観,

空気の流れ及び構造は比較的似ているが,クラスⅡキャビネットを必要とする作業にクリーン

ベンチを用いてはならない。


4

K 3800

:2009

4.2

クラス II キャビネットの分類  (

2

)  クラスⅡキャビネットは,作業の目的別にタイプ A1,タイプ A2,

タイプ B1 及びタイプ B2 の 4 タイプとする。分類は,

表 による。構造及び特徴は,図 に記載する。

注(

2

)  クラスⅡキャビネットの分類は,今回の改正で大きく変化する。改正前のクラスⅡタイプ B3

キャビネットはタイプ A2 となる。タイプ B キャビネットの本来の目的は,循環気率をできる

だけ小さくし,キャビネット内のガス状有害物質を速やかに希釈することにあり,最初に循環

気率 50 %のタイプ B1 キャビネット,

次に循環気率 0 %のタイプ B2 キャビネットが設計された。

タイプ A2 キャビネット(旧タイプ B3 キャビネット)は,前面開口部からの流入気流の平均流

速が 0.50 m/s 以上あるものの,循環気率が約 70 %と高く,希釈速度が遅いのでタイプ B に入れ

ず,タイプ A2 とする。

4.2.1

タイプ A1 キャビネット  タイプ A1 キャビネットは,生物材料を取り扱う作業に適するほか,不

揮発性の有害物質(

3

)を少量取り扱う作業にも適する。タイプ A キャビネットは,HEPA フィルタで汚染空

気を清浄化後,通常,作業室内に排気する(

4

)。

少量のガス状又は揮発性有害物質を取り扱う必要がある場合は,開放式接続ダクトを通して室外に排気

する(

4

)(

5

)(

6

)。タイプ A1 キャビネットは,その構造上古典形(

7

),改良形及び負圧形の 3 種類に分類する。

注(

3

)  放射性障害防止法に基づく管理区域に設置するキャビネットについては,有害物質に放射性同

位元素をもつ化合物を含む。

(

4

)  規定を超えて作業環境を悪化させる揮発性物質・ガス状物質で HEPA フィルタに捕集されない

ものは,室内に排気してはならない。ホルムアルデヒドくん蒸したときは,排気を室外にとり,

キャビネットを運転してから前面を開放するなどしてホルムアルデヒドガスが室内に残留しな

いようにする(

附属書 参照)。

備考  ここにかかわる規定としては,労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号),悪臭防止法(昭和

46 年法律第 91 号),大気汚染防止法(昭和 43 年法律第 97 号)などがある。

(

5

)  ここでいう少量とは,室内換気で対処し得る微量より多く,室外排気した循環気量 70 %のキャ

ビネット内で安全に取り扱える程度をいう。循環気量 50 %以下のキャビネットを必要とする量

を相当量という。ガスマスクを必要とする,爆発のおそれがあるなど大量の場合は,クラスⅡ

キャビネットを用いてはならない。一時的な発生量と恒常的な発生量とに分けて考え,必要な

排気量を判断すべきである。通常の使用目的の範囲では,ここでいう少量を超えることはほと

んどないと考えられる。

なお,ガスを恒常的に発生させた場合のキャビネット内の定常濃度は,発生平均濃度に対し

て,タイプ A1 及び A2 キャビネットでは約 3 倍,タイプ B1 キャビネットでは約 2 倍になると

計算される。

(

6

)  室外排気では,外気の風向,他機器の運転,休止などによって排気量が 10 %以上変動してはな

らない。詳細については,6.96.11 及び

附属書 を参照。

(

7

)  正圧汚染プリナムが負圧プリナムに囲まれていない古典形キャビネット(図 2A 及び表 参照)

は,室外排気しても,プリナムの密閉が破れると,汚染エアロゾルが積極的に作業室に放出さ

れるため,ガス状又は揮発性の有害物質の取扱いに用いてはならない。

なお,不揮発性でも有害物質は,扱ってはならない。


5

K 3800

:2009

4.2.2

タイプ A2 キャビネット  タイプ A2 キャビネット(改正前のタイプ B3 キャビネット)は,生物

材料及び少量の不揮発性有害物質(

3

)(

5

)を取り扱う作業に適する。タイプ A2 キャビネットは,通常作業室

内に排気する。少量のガス状又は揮発性有害物質の取扱いによって作業室の作業環境が規定(

4

)を超える場

合は,開放式接続ダクトによる室外排気を行う(

5

)(

6

)。

4.2.3

タイプ キャビネット  タイプ B キャビネットは,生物材料に加え,HEPA フィルタに捕集できな

いガス状又は揮発性の有害物質(

4

)を相当量取り扱うためのキャビネット(図 の E及び表 参照)で

ある(

5

)。タイプ B キャビネットは,必ず密閉式接続によってダクトに接続し,室外に排気する(

5

)(

6

)。タイ

プ B1 キャビネット(

図 2E 参照)の循環気率は約 50 %,タイプ B2 キャビネット(図 2F 参照)の循環気

率は 0 %である。

表 1  クラスⅡキャビネットの分類(タイプ A1A2B1 及び B2)と風速・風量に係る要求性能の比較

項目

タイプ A1

タイプ A2

タイプ B1

タイプ B2

使用目的

生物材料及び不揮発性有害物質(

3

)の取扱い

少量の揮発性物質・ガスの取扱いを含む(

4

)

生物材料及び相当量の揮発性有害
物質(

4

)の取扱い

排気

室内排気(

4

)。少量の揮発性有害物質・ガスの使用には

開放式接続ダクトによる室外排気(

5

)(

6

)

密閉式接続ダクトによる室外排気
(

5

) (

6

)

送風機の作用と位
置(

図 参照)

A  (押込み・汚染区域) 
B,C  (押込み・汚染区域) 
D  (吸込み・清浄区域)

B,C  (押込み・汚染
区域) 
D (吸込み・清浄区
域)

E (押込み・汚染
区域)

F  (吸込み・
清浄区域)

汚染プリナム

図 参照)

A  (正圧で外壁に接する)(

7

)

B,C  (正圧だが周囲は負圧) 
D  (すべて負圧)

B,C (正圧だが周囲
は負圧) 
D  (すべて負圧)

E (正圧だが周囲
は負圧) 

F  (すべて負
圧)

循環気率(

8

)

約 70 %

約 70 %

約 50 %

0 %

前面パネル

開放固定形又は可動形(

9

)。

前面開口部

特に指定しない(

10

)。

作業空間への平均

吹出し風速(

11

)

a)

選定風速値(

12

)±0.025 m/s の範囲になければならない。

b)

各測定点又は各領域内の各測定点の測定値は,平均吹出し風速±20 %又は平均吹出し
風速±0.08 m/s のいずれか大きい方の範囲になければならない。

0.40 m/s 以上 0.50

m/s 以上

前面開口部平均流
入風速(

11

)

選定風速値(

12

)±0.025 m/s の範囲になければならない。

間口 1 m 当たりの

平均排気風量(

11

)

0.066 m

2

/s 以上 0.100

m

2

/s 以上

注(

8

)  循環気率[3. m)参照]は概略値で,形式によって異なる。循環気率は低くなるほど,HEPA フィルタに捕

集されない物質の希釈が速やかになるが,空調に対する負荷も増大する。

(

9

)  前面パネルは,上からちょうつがい(蝶番)でつ(吊)るものと,上下にスライドするものとがあるが,

これ自体はタイプ A,B の分類には関係しない。

(

10

)  前面開口部の高さは,200∼250 mm のものが多い。

(

11

)  平均流入風速,平均吹出し風速及び間口 1 m 当たりの排気風量の算出方法については,8.48.5 及び 8.7

を参照。

(

12

)  9.の形式検査に適合する前の形式検査機種については,設定風速値とする。


6

K 3800

:2009

図 2  クラス II キャビネットの構造及び特徴の例


7

K 3800

:2009

参考  タイプ B1 キャビネットは,米国国立がん(癌)研究所  (National Cancer Institute)  で開発された。作業空

間後壁から吸い込む空気は循環に回らず,HEPA フィルタ(外付け)と外付け排気送風機とを通して吹出

し風量の約 1/2 を直接排気する。最初の設計では,のように送風機は作業台の下にあり(清浄区域に存
在し,吸込み形)

,側面のプリナムを通して排気する方式(汚染プリナムはすべて負圧)だったが,最近

のタイプ B1 キャビネット(E)は,背面のプリナムが二重構造になっており,送風機(汚染区域に存在し,

押込み形)は上部に設置されている。のタイプ B2(全排気形)では,すべての気流は,HEPA フィル
タを通して直接排気する。

図 2  クラス II キャビネットの構造及び特徴の例(続き)

5.

要求性能  8.に基づき性能検査を行ったとき,5.15.13 に示すすべての条件に適合しなければならな

い。製造業者によってオプションとして提供されるすべてのキャビネット内着脱可能部品は,吹出し風速

の選定風速値を計測する以外の試験には,装着して試験を行わなければならない。

5.1

密閉度  8.1 の試験を行ったとき,5.1.15.1.4 のいずれかによる。ただし,負圧プリナムに囲まれて

いない正圧汚染プリナムをもつキャビネット(

図 2A 参照)は,5.1.3 又は 5.1.4 による。

5.1.1

8.1.1

の正圧維持法の試験を行ったとき,30 分後の内圧低下は 10 %以内とする。

備考  計算上検出できる最少空気漏れ量は,3×10

1

 cm

3

/s 程度に相当する。

5.1.2

8.1.2

の石けん法の試験を行ったとき,漏れによる石けんの発泡があってはならない。

備考  大きな漏れを見逃すことはあるが,計算上検出できる最少空気漏れ量は,1×10

2

 cm

3

/s 程度に

相当する。

5.1.3

8.1.3

のヘリウムガス法の試験を行ったとき,漏れ量が 1×10

5

 cm

3

/s 以下。

備考  用いるヘリウムガス濃度が 15 %なので,計算上検出できる最少空気漏れ量は,7×10

4

 cm

3

/s

程度となる。

5.1.4

8.1.4

の六ふっ化硫黄  (SF

6

)ガス法の試験を行ったとき,漏れ量が 5×10

7

 cm

3

/s 以下。

備考  大気圧 100 kPa に対して,用いる六ふっ化硫黄ガス分圧は 500 Pa なので,計算上検出できる最

少空気漏れ量は,1×10

4

 cm

3

/s 程度となる。

5.2

HEPA

フィルタの透過率

5.2.1

HEPA

フィルタ  次のものを用いる。

a)

定格風量で粒径が 0.3

μm の粒子に対して 99.97 %以上の粒子捕集率をもち,かつ,初期圧力損失が 245

Pa 以下の性能をもつエアフィルタ。

b)

走査試験によってフィルタのすべての箇所における最大透過率が 0.01 %を超えないことを確認したも

の。

参考 HEPA フィルタとは,high efficiency particulate air filter の略語である。

5.2.2

走査試験  8.2 の試験を行ったとき,キャビネットに組み込まれた HEPA フィルタの最大透過率は,

次による。

a)

走査試験が可能な構造のキャビネットは,フィルタのすべての箇所において 0.01 %以下とする。

b)

走査試験ができない構造のキャビネットは,0.005 %以下とする。

5.3

送風機の性能  キャビネットの負圧側気流を妨げ 8.15 の試験を行ったとき,試験負圧を初期正圧の

25 %以上上昇させたときの総風量の低下が,送風機の回転制御をせずに 25 %以内でなければならない。

5.4

気流バランス  キャビネット内で発生した汚染エアロゾルの作業室内への漏出,作業室内に存在す

るエアロゾルのキャビネット内への混入及び作業台上の気流の乱れが十分に少ないことを確認するために,

8.3

の作業者の安全性試験,試料保護試験及び試料間の相互汚染防止試験を行う。


8

K 3800

:2009

形式検査済機種と同等に製作されたキャビネットの工場検査及び現場検査では,吹出し風速及び流入風

速が,8.4 及び 8.5 の試験で,5.5 に適合すれば,気流バランスは,8.3 の試験で 5.4 に適合したものとみな

す。

5.4.1

作業者の安全性試験  8.3.2 b)及び 8.3.2 i)のキャビネット運転条件下で 8.3.2 の試験を行ったとき,

次の各項について連続 3 回適合しなければならない。

a) 6

台のインピンジャの捕集液から得られるコロニ数の合計が試験ごとに 10 個以下。

備考  コロニとは,平板上に培養した細菌の集落をいい,生菌 1 個に由来する。

b)

試験開始後 15 分間に捕集する 2 台のスリットサンプラのコロニ数の合計は,試験ごとに 5 個以下。

c)

陽性対照寒天平板のコロニ数は,300 個以上。

5.4.2

試料保護試験  8.3.3 b)及び 8.3.3 h)  のキャビネット運転条件下で 8.3.3 の試験を行ったとき,次の

各項について連続 3 回適合しなければならない。

a)

試験した寒天平板に捕集されるコロニ数の合計は,試験ごとに 5 個以下。

b)

陽性対照寒天平板のコロニ数は,300 個以上。

5.4.3

試料間の相互汚染防止試験  8.3.4 の試験を行ったとき,次の項目について左右それぞれ連続 3 回

適合しなければならない。

−  側面から平板の中心が 360 mm 以上離れた位置の寒天平板に捕集されるコロニ数の合計は,試験ごと

に 2 個以下。

5.5

風速・風量

5.5.1

吹出し風速  8.4 の試験を行ったとき,次に適合しなければならない。

a)

吹出し風速が一定になるよう設計されたキャビネットの場合  平均吹出し風速は,選定風速値(

12

)  ±

0.025 m/s の範囲になければならない。各点の測定値は,平均吹出し風速±20 %又は平均吹出し風速±

0.08 m/s のいずれか大きい方の範囲内になければならない。

b)

前面開口部から後壁に向かって吹出し風速にこう配ができるように設計されたキャビネットの場合

各領域の平均吹出し風速は,選定風速値(

12

)±0.025 m/s の範囲になければならない。各領域内の各点の

測定値は,各領域の平均吹出し風速±20 %又は各領域の平均吹出し風速±0.08 m/s のいずれか大きい

方の値の範囲内になければならない。

5.5.2

流入風速  8.5 の試験を行ったとき,前面開口部からの平均流入風速は,次に適合しなければならな

い。

なお,形式検査のときの測定方法は,8.5.3[流入風量直接測定法(DIM)]又は 8.5.4[ダクト内の排気風

量測定法]による。その後の量産キャビネットの検査については,流入風量直接測定で得た平均流入風速

を再現できる平均流入風速代替測定法(8.6 に適合する)を用いてもよい。

a)

タイプ A1 キャビネットは 0.40 m/s 以上,

タイプ A2,

タイプ B1 及びタイプ B2 キャビネットは 0.50 m/s

以上。

b)

選定風速値(

12

)±0.025 m/s の範囲になければならない。

5.5.3

間口 1 m 当たりの排気風量  8.7 の間口 1 m 当たりの排気風量は,タイプ A1 キャビネットは 0.066

m

2

/s 以上,タイプ A2,タイプ B1 及びタイプ B2 キャビネットは 0.100 m

2

/s 以上でなければならない。

5.6

気流方向  気流方向は,次による。

a)

8.9 a)

の試験を行ったとき,煙は滑らかに下に流れなければならない。煙の流れない部位又は上向きに

流れる部位があってはならない。

b)  8.9 b)

の試験を行ったとき,煙は滑らかに下に流れなければならない。煙の流れない部位又は上向きに


9

K 3800

:2009

流れる部位があってはならない。煙がキャビネットから漏出してはならない。

c)

8.9 c)

の試験を行ったとき,一度キャビネット内に入った煙はキャビネットから漏出してはならない。

また,作業空間に漏入してはならない。

d)  8.9 d)

の試験を行ったとき,キャビネット外に煙が漏出してはならない。また,吹出し気流に乱れを生

じるような内向きの流入気流があってはならない。

5.7

騒音  (

13

)  8.10 の試験を行ったとき,騒音レベルは 67 dB(A)以下でなければならない。暗騒音が 57

db(A)を超える場合には,製造業者の用意した校正曲線に従って補正する。校正曲線がない場合には,表 2

によって補正する。

注(

13

)  5.75.9 の騒音,照度,振動の出荷前検査値は製作台数 10 台ごとに測定し,保存する。

表 2  騒音測定値の補正

運転時騒音と暗騒音との差 [dB(A)]

測定値から差し引く値 [dB(A)]

0∼2

暗騒音を低くし,再測定する。

3 3

4∼5 2

6∼10 1

    > 10

0

5.8

照度  (

13

)  8.11 の試験を行ったとき,平均照度は 650 lx 以上,個別の値は 430 lx 以上でなければなら

ない。ただし,受渡当事者間の協定がある場合にはこの限りではない。

5.9

振動  (

13

)  8.12 の試験を行ったとき,作業台の 3 方向  (XYZ)  に対する振動変位は 5

μm RMS 以下

でなければならない。

参考  RMS (root mean square)  は,振動正弦波の面積平均値で,次の式による。

RMS 値=0.707×PEAK 値

ここに, PEAK 値:

正弦波の高さ(片側)

5.10

安定度・強度

5.10.1

転倒及び傾き  8.13.1 及び 8.13.4 の試験を行ったとき,後部の脚部の床からのもち上がりは 1.6 mm

以下でなければならない。

5.10.2

ねじれ  8.13.2 の試験を行ったとき,前面上端の前方向及び横方向の変位は 1.6 mm 以下でなけれ

ばならない。

5.10.3

作業台のひずみ  8.13.3 の試験を行ったとき,作業台に恒久的ひずみが残ってはならない。

5.11

シンクの容量及び漏水量  シンクの容量は 4 L 以上とし,8.14 の試験を行ったとき,1 時間放置後,

目視で確認できる漏水があってはならない。

5.12

絶縁抵抗  絶縁抵抗は,8.16 の試験を行ったとき,1 M

Ω 以上でなければならない。

なお,使用している電子装置を破損するおそれがある場合は,この部分を除いて試験してもよい。

5.13

耐電圧  耐電圧は,8.17 の試験を行ったとき,1 分間異常があってはならない。

なお,使用している電子装置を破損するおそれがある場合は,この部分を除いて試験してもよい。

6.

構造

6.1

清掃及び除染に対する考慮  液体,その飛まつなどによって汚染する可能性がある表面は,工具を用

いないで清掃できる構造とする。ホルムアルデヒドくん蒸による除染(

附属書 参照)が本体を移動せず

に可能な構造とする。前面開口部・排気口などは,金属板,プラスチックシート,粘着テープなどで密閉


10

K 3800

:2009

できる構造とする。

単位  mm

単位  mm

図 3  作業台及び作業空間の隅部

図 4  静圧タップ(一例)

単位  mm

図 5  吹出し側静圧タップの位置

図 6  吸込み側静圧タップの位置

6.2

作業台及び作業空間の隅部  平面が 110°未満の交差角でできる作業台及び作業空間の隅部は,丸み

をつけ,平滑で凹凸がない構造とする。内側半径は,2 平面のなす隅部では 3 mm 以上,3 平面のなす隅部

では 6 mm 以上とする(

図 参照)。また,可能な限り一枚板で加工し,ほこりが蓄積しにくい構造とする。

6.3

溶接  溶接部は,平滑とする。

6.4

ねじの使用方法  突き出るねじは,作業台及び内部作業面に用いてはならない。

備考  突き出したねじが,作業者の腕及び手,器具に当たると作業の危険性が増大する。

6.5

送風機  送風機は,次による。

a)

形式検査に供するキャビネットには,送風機の静圧を測定するための静圧タップ(

図 4)を設ける。

吹出し側の静圧タップは,HEPA フィルタの上流側に配置する(

図 参照)。吸込み側の静圧タップは,

送風機の吸込み口の中心で,吸込み口半径分外側に配置する(

図 参照)。送風機の吸込み口が複数あ


11

K 3800

:2009

る場合,幾つかの測定口を連結してもよい。測定値に動圧の影響がないよう,測定口の配置に注意す

る。

b)

給気と排気に別の送風機を用いる場合は,次による。

1)

いずれかの送風機(遠隔地にある外付け排気送風機を含む。

)が停止したときは,警報を鳴らす。

2)

排気送風機が停止した場合,インターロックによって給気送風機を停止させる。

3)

給気送風機が停止した場合,排気送風機は運転を継続する。

c)

速度調節器を設置する場合は,選定風速値(

12

)に固定できるものとする。速度調節器は,キャビネット

の外部表面に出してはならない。誤操作を防止するため,例えば,

“さわるな!”の表示をする。

6.6

電気部品及び配線  電気部品及びその配線は,次による。

a)

送風機及び機能上必要な配線以外は,汚染プリナムに設置してはならない。

b)

汚染プリナムとそれ以外を結ぶ配線用貫通部は,シールする。

c)

すべてのコンセント回路は,送風機の回路と独立させて,ヒューズ又は回路遮断器を備えなければな

らない。作業空間に設置するコンセントは防滴形とする。

d)

単相の配電線は 3 しん(芯)とし,接地線はキャビネットの外装板につなぐ。

e)

照明灯,ソケット,スイッチ及び安定器は,汚染プリナム外に設置し,容易に保守点検できなければ

ならない。照明灯は,照明が作業者の目に直接照射したり反射しない位置に,設置する。

f)

照明灯及び殺菌灯を用いる場合は,同時に点灯しないように電気回路を設定する。

備考  キャビネットに殺菌灯を付けることは望ましくない。ただし,顧客から依頼のあるときはその

限りでない。

6.7

HEPA

フィルタのモニタ  HEPA フィルタの圧力損失を表示する差圧計を設置することが望ましい。

6.8

前面パネル  上下にスライドするタイプでは,指定された前面開口部の高さ位置に固定する器具又

は警報装置を備えなければならない。

6.9

送風機のインターロック  吹出し送風機が別に存在するキャビネットでは,キャビネットの送風機

又は外付け排気送風機が止まったときには,

吹出し送風機も自動的に止まるようなインターロックを備え,

また,同時に警報が鳴らなければならない。吹出し送風機が止まったときには,排気送風機は運転を続け,

警報が鳴らなければならない。

6.10

タイプ キャビネットのダクト  タイプ B キャビネットに用いる密閉接続ダクトの排気は,外付け

排気送風機による。外付け排気送風機が定格排気風量の 80 %以下になった場合は,15 秒以内に警報が鳴

り,キャビネットの送風機は,この警報と同時に停止しなければならない。

6.11

タイプ キャビネットのダクト  タイプ A キャビネットの排気を開放式接続ダクトで排気する場合

には,外付け排気送風機及びキャビネットの送風機運転のアルゴリズムは,6.10 による。

6.12

シンク  シンクは容易に清掃が行える構造でなければならない。排水口は,8.1 の密閉度試験を行う

ために密閉できる構造とし,ホースなどを連結できるものとする。

備考  排水バルブには,密閉バルブを備えることが望ましい。

6.13

ガス,真空配管などのコック  ガス,真空配管などのコックを取り付ける場合には,コックを内部

作業面側面の中央から後方に配置し,その配管の先端は,ホースなどに連結できなければならない。


12

K 3800

:2009

6.14

上流側エアロゾル濃度測定口  HEPA フィルタの上流側に,上流側エアロゾルサンプル口を設置しな

ければならない。サンプル口の部位は,エアロゾルが十分にかくはんされる送風機の吹出し側が望ましい

が,この部位は正圧汚染区域に属するので,サンプル口からの漏れが起こらないように十分注意しなけれ

ばならない。上流側エアロゾルサンプル口に接続し,キャビネットの表面に設置する上流側エアロゾル採

取口の止め栓には,例えば,

“汚染の可能性あり,開放前に除染すること”の表示をしなければならない。

6.15

据付け  清しき(拭)が容易なように,据付けは,次のいずれかによる。

a)

床とキャビネットとの最下面の間隔は 80 mm 以上とする。

b)  a)

の間隔が 80 mm 未満の場合には,床又は台に密着シールを施す。

6.16

高さ及び奥行き  照明灯の容器,排気フィルタの収容箱及び防護装置,調節可能な脚部など,取り

外し可能な部品を除いたキャビネットの高さ及び奥行きは,2.0×0.9 m 以内とする。 

7.

材料

7.1

基本事項  用いる材料は,難燃性,ガス及び消毒薬への耐腐食性,耐摩耗性並びに耐湿性をもつもの

とする。清掃・管理・維持に当たって必要な部位に,ばり及び鋭利な突出部があってはならない。

7.2

内部作業面  内部作業面に用いる材料は,JIS G 4304 若しくは JIS G 4305 に規定する 300 番台のステ

ンレス鋼又はこれと同等の性能をもつものとし,表面は平滑なものとする。

7.3

外部表面  外部表面に用いる材料は,耐摩耗性・耐腐食性にすぐれたもので,ひび割れを起こしに

くく,安定したものとする。表面は平滑なものとする。

7.4

前面パネル  前面パネルに用いる材料は,透明,不燃性で,破損しにくく,かつ,消毒・除染によ

って変質しないものとする。

なお,ガラスを用いる場合には,合せガラス又は強化ガラスとし,厚さは 5 mm 以上とする。

7.5

HEPA

フィルタのセパレータ  セパレータ付 HEPA フィルタのセパレータは不燃性とする。

7.6

ガスケット及びシール材  ガスケット及びシール材は,8.1 の密閉度試験に影響を与えるガスを発生

しないものとする。用いる材料は非硬化性のものとし,ガス,液体などによって変質しにくいものとする。

ガスケット及びシール材によって構造強度を支えてはならない。

7.7

消音材  消音材料は非硬化性で,多孔質でないものとし,汚染プリナムに用いてはならない。

8.

試験方法

8.1

密閉度試験  密閉度試験は,8.1.18.1.28.1.3 又は 8.1.4 のいずれかの方法による。ただし,負圧

プリナムに囲まれていない正圧汚染プリナムをもつキャビネット(

図 2A 参照)に対しては,8.1.3 又は 8.1.4

によって試験する。必要に応じて,取り外しできるパネルを取り外してから試験する。

8.1.1

正圧維持法  キャビネットの前面開口部及び排気口を密閉し,圧縮空気を用いてキャビネット内を

500 Pa に加圧し,圧縮空気導入バルブを閉鎖する。30 分経過後の圧力減少を測定する。用いる差圧計は,

5 Pa の変化を識別できる精度をもつものとする。

なお,温度変化による圧力変化に注意する。

8.1.2

石けん法  キャビネットの前面開口部及び排気口を密閉し,圧縮空気を用いてキャビネット内を

500 Pa に加圧した状態を維持し,次による。

a)

検査部位  キャビネットのプレナム外板を構成するすべての溶接部及び接合部など漏えいのおそれが

ある箇所について,石けん水又は市販の発泡漏れ検出剤を塗付又は噴霧し,発泡の有無を確認する。

プレナム及びプレナム外板を貫通する線及び管の接合部位は,特に注意して検査する。


13

K 3800

:2009

b)

石けん水としては,中性洗剤を 10 倍希釈して用いるとよい。

8.1.3

ヘリウムガス法  ヘリウムガス法は,次による。

a)

ヘリウムガス検出器(リークディテクタ)は,JIS Z 2331 に規定するもので,自動ゼロ補正回路を内

蔵したものを用いる。検出器は,1×10

5

 cm

3

/s の漏れ量を測定できる感度とする。

b)

検査室内は禁煙とし,換気を十分に行って,残留ヘリウムガスを排除する。室内の空気の動きを最小

限にする。

c)

8.1.1

の正圧維持法を行う。適合すれば,圧力を開放する。適合しない場合には,8.1.2 の石けん法によ

って 5.1.2 に適合するまで試験を繰り返す。

なお,持続的に加圧を必要とするような条件で,ヘリウムガス法試験を行ってはならない。

d)

純粋ヘリウムガスを,よくかくはん(攪拌)しながら,ヘリウム濃度が 15 %になるまで,キャビネッ

ト内に導入する。さらに,500 Pa まで加圧する。持続的漏れを無視できる条件では,最後の 500 Pa 加

圧は,空気で行ってよい。

なお,次の方法でもよい。すなわち,キャビネット内容量の 15 %になるヘリウムガスを入れた風船

をキャビネットに入れ,キャビネットを密閉する。次いで風船を破り,更にキャビネット内圧を 500 Pa

に加圧する。

e)

送風機を 30 秒間運転し,ヘリウムガス濃度を均一化する。

f)

ヘリウムガス検出器を 1×10

5

 cm

3

/s の漏れ量を測定できる感度に調整し,漏れを調べる。ヘリウムガ

ス検出器の検出管の先端を,8.1.2 a)に示す検査部位について,検査部位から 5∼15 mm の位置に保っ

て,25 mm/s 以下の速さで走査し,漏れを調べる。

8.1.4

六ふっ化硫黄(SF

6

)ガス法  六ふっ化硫黄(SF

6

)ガス法は,次による。

a) SF

6

ガス検出器は,自動ゼロ補正回路を内蔵したものを用いる。検出器は,1×10

7

cm

3

/s の漏れ量を

測定できる感度とする。

検出器は,

校正した標準漏れ器を使って製造業者の指定する方法で校正する。

参考 SF

6

ガス検出には,ハロゲンガス検出器を用いる。イオントラック社  [Ion Track Inc. (ITI)]  リ

ークメータなどがある。

b)

検査室内は禁煙とし,換気を十分に行って残留 SF

6

ガスを排除する。室内の空気の動きを最小限にす

る。

c)

8.1.1

の正圧維持法を行う。適合すれば,圧を開放する。適合しない場合には,8.1.2 の石けん法によっ

て 5.1.2 に適合するまで試験を繰り返す。

なお,持続的に加圧を必要とするような条件で,SF

6

ガス法検査を行ってはならない。

d)

測定は,密閉したキャビネット内に SF

6

ガスを導入し,500 Pa に加圧した後,ガス導入バルブを閉め

る。ハロゲンガス検出器の検出管の先端を,キャビネット表面のすべての溶接部,接合部,外板を貫

通する線及び管の接合不良箇所など漏えいのおそれがある箇所などから 5∼15 mm の位置に保って,

25 mm/s 以下の速さで走査し,漏れを調べる。

8.2

HEPA

フィルタの透過率試験

8.2.1

エアロゾル供給  HEPA フィルタ上流側に,粒子数中位径約 0.3

μm のエアロゾルを,時間的にも位

置的にも均一に供給する。供給するエアロゾル濃度は,下流側の濃度測定に十分な量とする。

a)

エアロゾルは多分散ポリアルファオレフィン (PAO)粒子とする。同等のエアロゾルを発生するセバシ

ン酸ジ(2-エチルヘキシル)

,ポリエチレングリコール,鉱物油などを用いてもよい。鉱物油は,次の

性質をもつものとする。

・15  ℃の密度: 0.869 kg/L,融点: 25 ℃及び発火点(密閉時)

: 144 ℃


14

K 3800

:2009

・40  ℃の動粘度: 14.3 cSt,100  ℃の動粘度: 3.10 cSt 及び  非硫黄化残基 99 %

参考 1. PAO としては Durasyn 164, Emery 3004 などがある。

2.

従来,フタル酸ジオクチル(DOP)を標準としていたが,発がん性,環境ホルモンなどの問題

から PAO を標準とした。

b)

エアロゾル供給には,ラスキンノズル(

図 参照)を備えた多分散 PAO エアロゾル発生器(図 参照)

を用い,圧力 140 kPa の圧縮空気で運転する。ラスキンノズルの空気噴出口は,液面の下 25 mm 以内

とする。

この発生器は,多分散 PAO エアロゾル(質量中位径約 0.5  μm,粒子数中位径約 0.3  μm)を発生す

る。

備考  総風量 0.064 m

3

/s (3.8 m

3

/min,230 m

3

/h)に対しておよそ 1 本のラスキンノズルが必要である。

単位  mm

単位  mm

図 7  ラスキンノズル

図 8  多分散 PAO エアロゾル発生器

8.2.2

エアロゾル相対濃度計  相対濃度計は,次による。

a)

線形目盛又は対数目盛の表示があるもの。

b)

吸引量 28.3 L/min 以上で,多分散 PAO 粒子 1×10

3

μg/L 以下の検出感度をもち,最大 80∼120  μg/L


15

K 3800

:2009

の濃度を測定できるもの。

c)

検出管吸引口の直径は,25 mm 以下。

8.2.3

測定方法  HEPA フィルタ透過率の測定方法は,次による。

a)

キャビネットを選定風速値(

12

)±0.025 m/s で運転する。

b) HEPA

フィルタの上流側にエアロゾルを供給する。

c)

エアロゾル測定口を通して HEPA フィルタ上流側のエアロゾル濃度を測定する。線形目盛の相対濃度

計では,100 %になるよう調整する。対数目盛の相対濃度計では,取扱説明書の校正曲線を用い,HEPA

フィルタ上流側のエアロゾル濃度を,1 目盛の読みを与えるために必要な濃度の 10

4

倍以上に調整する。

d) HEPA

フィルタ下流側のろ材全面,フィルタの継目及びフィルタの枠について,検出管の走査域が重

なり合うように走査(

図 参照)し,エアロゾル濃度を測定する。検出管の吸引口は,フィルタ表面

から 25 mm 以内に保ち,走査の移動速度は 5 cm/s 以下とする。

e)

線形目盛のエアロゾル相対濃度計を用いた場合,HEPA フィルタの透過率は,直読できる。対数目盛

のエアロゾル相対濃度計を用いた場合,HEPA フィルタの透過率は,式(1)によって算出する。

100

u

d

×

C

C

P

 (1)

ここに,

P

: HEPA フィルタの透過率 (%)

C

d

下流側 PAO 濃度  (μg/L)

C

u

上流側 PAO 濃度  (μg/L)

f)

走査試験が不可能なキャビネットの HEPA フィルタの検査は,次による。

HEPA フィルタ上流側,下流側のエアロゾル濃度を正しく評価できるよう,エアロゾルを均一に供

給する。下流側の測定位置は,HEPA フィルタによってろ過された気流が他の気流と混ざる手前の位

置とする。HEPA フィルタの透過率は,式(1)によって算出する。

図 9  HEPA フィルタの走査方法

8.3

気流バランス試験  気流バランス試験は,キャビネット内で発生した汚染エアロゾルの作業室内へ

の漏出,作業室内に存在するエアロゾルのキャビネット内への混入及び作業台上の気流の乱れが,十分に

少ないことを確認するために行う。作業者の安全性試験,試料保護試験及び試料間の相互汚染防止試験か

らなる。


16

K 3800

:2009

8.3.1

試薬及び器具  試薬及び器具は,次による。

a)

細菌芽胞  細菌芽胞は,枯草菌  (Bacillus subtilis var. niger; B. subtilis)  芽胞を用いる。調製法及び定量

法は,

附属書 による。

b)

水  JIS K 0557 に規定する化学分析用の水 A2 又は A3 を用いる。

c)

希釈液  希釈液は,b)の水を e)の高圧蒸気滅菌器で 20 分間滅菌したものを用いる。

d)

培地  培地はトリプトソイ寒天培地,トリプトソイ液体培地又は枯草菌の増殖がこれと同等の培地を

用いる。

参考  トリプトソイ寒天培地には BBL 社 Trypticase Soy Agar などがある。よく似た製品名でも製造業

者によって得られるコロニ数は 10 倍以上異なるので注意する。

e)

高圧蒸気滅菌器  JIS T 7322 又は JIS T 7324 に規定するもので,121  ℃に加熱でき,196 kPa の器内圧

力で使えるもの。

f)

滅菌ペトリ皿  直径 90∼100 mm 及び 150 mm の 2 種類の滅菌ペトリ皿を用いる。

g)

寒天平板  寒天平板は,d)培地と f)滅菌ペトリ皿で調製したものを用いる。

h)

インピンジャ  インピンジャ(図 10 参照)は滅菌し,希釈液約 20 mL を入れ,吸引流量 12.5 L/min

で用いる。

単位  mm

図 10  インピンジャの一例


17

K 3800

:2009

i)

スリットサンプラ  スリットサンプラは,吸引流量 28.3 L/min で,30 分間に 1 回転するものに,寒天

平板をセットして用いる。

j)

ネブライザ  ネブライザは,コリソン 6-jet ネブライザ(図 11 参照)を用いる。ゲージ圧 40 kPa で噴

霧したときの噴霧量が 0.2±0.04 mL/min のもの。水滴を噴出するのは適切でない。

作業者の安全性試験,試料保護試験には,吹出し口内径 14 mm(吹出し風速 0.8∼1.0 m/s に相当)

のネブライザを用いる(

14

)。試料間相互汚染防止試験には,作業台と作業空間側面がふさがっているキ

ャビネットでは吹出し口内径 14 mm,作業台と作業空間側面がふさがっていないキャビネットでは吹

出し口内径 12 mm(吹出し風速 1.6∼2.0 m/s に相当)のネブライザを用いる。

吹出し口内径がこれより大きいネブライザを使ったときは,その根拠となる規格(例えば,

NSF/ANSI 49:2007

)を検査報告書,仕様書,取扱説明書,カタログなどに明記するものとする(

15

)。

注(

14

)  ネブライザの吹出し風量の簡易測定法は,次のとおりである。

ネブライザを空で動作させる。風速計で吹出し口中心部の風速を測定する。辺縁部風速は,摩

擦抵抗によって中心部風速より遅い。吹出し風量は,式(2)で計算する。

Q

b

π  (R – r)

2

 V

× 0.06 (2)

ここに,

Q

b

:  ネブライザの吹出し風量 (L/min)

R

:  ネブライザ吹出し口の内部半径 (mm)

r

:  摩擦抵抗による内部半径の補正(mm)。通常 1.1 を用いる。

V

:  吹出し口中央で測定したネブライザの吹出し風速 (m/s)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


18

K 3800

:2009

単位  mm

図 11  コリソン 6-jet ネブライザ

注(

15

)  ネブライザの平均吹出し風速は,検査結果に大きな影響を与える。平均吹出し風速が遅い場合,

エアカーテンに逆らって噴霧する力が少ないため,試験の精度は大きく低下する。

k)

試験用円筒  作業者の腕のモデルとなる試験用円筒は,直径 60∼70 mm の端を閉じたステンレス鋼又

はアルミニウム製とする。円筒の長手方向の一端を作業空間背面に接して置いたとき,他端は本体前

面から 150 mm 以上外へ出る長さがなければならない。

8.3.2

作業者の安全性試験  作業者の安全性試験は,次による。

a)

試験用円筒の設置  試験用円筒は,作業空間両側面の中央,作業台面から 65±5 mm 上方で,一端は

作業空間背面に接し,

他端はキャビネット本体前面から 150 mm 以上出るように設置する

図 12 参照)。

b)

キャビネットの運転条件  キャビネットを選定風速値(

12

)で運転する。

c)

ネブライザの設置  ネブライザに適切量(約 20 mL)の枯草菌芽胞液(5∼8×10

8

cfu/mL) (

16

)を入れ,

作業空間に設置する。吹出し口の位置は,作業空間両側面の中央,前面開口部上端の高さで,前面パ

ネルの 100±10 mm 内側とする。噴霧方向は作業台に平行に,前面パネル下端に対向させる(

図 12 

照)


19

K 3800

:2009

注(

16

) cfu はコロニ形成単位を表し,colony forming unit の略である。

d)

インピンジャ及びスリットサンプラの設置  各インピンジャの吸引口は,前面パネルから 50±5 mm

外側に置く。2 台は試験用円筒上端と同じ高さで,試験用円筒の中心から 150±10 mm 両側に振り分

けて置く。他の 2 台は試験用円筒下端から 25±5 mm 下の高さで,50±5 mm 振り分けて置く(

図 12 

照)。残りの 2 台は,作業台の上 360±10 mm の高さで,300±10 mm 振り分けて置く。

2 台のスリットサンプラは,吸引口の中心をキャビネットの中央から 400±10 mm(作業空間間口が

900 mm 以下のキャビネットでは作業空間側面から 50±5 mm)の位置で,左右対照に置く。各スリッ

トサンプラの吸引口の中心は,キャビネットの前端から 150±10 mm 手前,作業台と同一水平面上(±

10 mm)とする(図 12 参照)。

e)

陽性対照寒天平板の設置  陽性対照用として,1 枚の寒天平板を試験用円筒の真下で,作業台前部吸

気口の上に置く。吸気を妨げないため,適切な高さの支持具を用いる(

図 12 参照)。

単位  mm

図 12  作業者の安全性試験

f)

噴霧及び捕集  試験の時間経過及び操作手順は,表 による。

ネブライザは,噴霧量が 0.2±0.02 mL/min となる圧力で作動させる。


20

K 3800

:2009

表 3  時間経過及び手順

経過時間(分)

操作手順

0.0

スリットサンプラ始動

4.5

ネブライザ始動

5.0

インピンジャ始動

10.0

インピンジャ終了

10.5

ネブライザ終了

15.0

スリットサンプラ終了

g)

培養  6 台のインピンジャの内容液を孔径 0.22

μm 又は孔径 0.45 μm のメンブレンフィルタでろ過し,

フィルタを寒天平板上に気泡ができないように置く。フィルタを載せた寒天平板,スリットサンプラ

の寒天平板及び陽性対照寒天平板を 37±1  ℃で 24∼28 時間培養し,コロニ数を計数する。培養が陰

性の場合は,更に 24 時間培養する。

h)

試験は,3 回行う。

i)

次の二つの条件下で上記の試験を繰り返す。

1)

吹出し風速を選定風速値(

12

)の+0.05±0.01 m/s,  流入風速を選定風速値(

12

)の−0.05±0.01 m/s にセッ

トする。

2)

吹出し風速,  流入風速ともに選定風速値(

12

)の−0.05±0.01 m/s にセットする。

8.3.3

試料保護試験  試料保護試験は,次による。

a)

試験用円筒の設置  8.3.2 a)によって試験用円筒を設置する。

b)

キャビネットの運転条件  キャビネットを選定風速値(

12

)で運転する。

c)

寒天平板の設置  寒天平板は,作業空間両側面の中央から,左右方向に 350 mm 以上作業台に敷きつ

める(

図 13 参照)。陽性対照寒天平板は,8.3.2 e)による。

d)

ネブライザの設置  ネブライザに適切量(約 20 mL)の枯草菌芽胞液(5∼8×10

6

 cfu/mL)を入れる。ネ

ブライザの吹出し口は,

作業空間両側面の中央,

前面パネルの下端の高さで,

前面パネルの 100±10 mm

外側に置く。噴霧方向は,作業台と平行に,前面パネル下端に対向させる(

図 13 参照)。


21

K 3800

:2009

単位  mm

図 13  試料保護試験

e)

噴霧方法  ネブライザを噴霧量が 0.2±0.02 mL/min となる圧力で 5 分間作動させ,噴霧終了後キャビ

ネットを 3 分間運転する。

f)

培養  寒天平板,陽性対照寒天平板を 37±1  ℃で 24∼28 時間培養し,コロニ数を計数する。培養が

陰性の場合は,更に 24 時間培養する。

g)

試験は,3 回繰り返す。

h)

次の条件下で試験を繰り返す。吹出し風速を選定風速値(

12

)の−0.05±0.01 m/s,  流入風速を選定風速値

(

12

)の+0.05±0.01 m/s にセットする。

8.3.4

試料間の相互汚染防止試験  試料間の相互汚染防止試験は,次による。

a)

キャビネットの運転条件  キャビネットを選定風速値(

12

)で運転する。

b)

寒天平板の設置  寒天平板を作業台上に並べる。最左(右)端の寒天平板の中心は作業空間左(右)

側面から 355 mm の位置とし,その右(左)側に更に 2 列(場所がなければ,1 列)の寒天平板を敷

き詰める(

図 14 参照)。陽性対照寒天平板として,ネブライザの吹出し口直下及びその右(左)側に

2 枚の寒天平板を置く。

単位  mm


22

K 3800

:2009

図 14  試料間の相互汚染防止試験

c)

ネブライザの設置  ネブライザに適切量(約 20 mL)の枯草菌芽胞液 (5∼8×10

4

 cfu/mL) を入れる。

ネブライザの吹出し口は作業空間左(右)側面から 100±10 mm,作業台の 100±20 mm 上で,かつ,

吹出し流の前後吸込み口への振分け位置に置く。噴霧方向は相対する作業空間右(左)側面に対向さ

せる(

図 14 参照)。

d)

噴霧方法  ネブライザを噴霧量が 0.2±0.02 mL/min となる圧力で 5 分間作動させ,噴霧終了後キャビ

ネットを 3 分間運転する。

e)

培養  8.3.3 f)による。

f)

試験は,3 回繰り返す。

8.4

吹出し風速試験

8.4.1

概要  この試験は,5.4 に適合するすべてのキャビネットについて,前面パネルの下端から 100 mm

上の高さでの吹出し風速を測定するものである(

17

)。キャビネット内の撤去できる部品を撤去した後,選定

風速(

12

)に調節し,8.4.3 に規定する格子の頂点で風速を測定し,記録する。8.4.3 に規定する各領域(領域

分けしていないキャビネットでは全体を 1 領域とする。

)について,平均値を計算する。

注(

17

)  測定点の格子の高さが改正され,前面パネルの下端の高さから,100 mm 上に上がった。

8.4.2

風速計

a)

風速計は

JIS T 8202 に規定する一般用風速計又はそれと同等の精度をもつ風速計で,指示値±0.015

m/s 又は指示値±3 %のいずれか大きい方以内の指示精度をもつもの(

18

)。

注(

18

)  プローブには,指向性の高いものと低いものがあり,キャビネットの製造業者が指定したプロ

ーブを用いる。

b)

風速計は,製造業者の指定する方法で校正する(

19

)。


23

K 3800

:2009

注(

19

)  風速計の校正は,8.6 に示すように,ダクト又は風洞を使い,NIST (National Institute of Standards

and Technology)の指定する追跡可能な校正方法で行う。NIST の指定する追跡可能な校正方法と

は,物理的に決定される測定器を使った,校正を必要としない測定器に基づく校正法である。

ピトー管による動圧と流速の関係は,物理学的に規定される。このような一次測定器は,校正

の必要がない。

c)

気圧及び温度が通常測定器を用いる範囲にない場合は,その校正法を製造業者によるマニュアルによ

るか又は製造業者に問い合わせる。

8.4.3

測定点

a)

測定点の高さ  前面パネルの下端から 100 mm 上の高さの平面上とする(

17

)。

b)

吹出し風速が均一になるように設定されたキャビネットの場合  次の方法によって規定される複数の

測定点で測定する(

図 15 参照)。

1)

キャビネットの運転に必す(須)でないオプション部品は,測定点の決定以前に取り除く。

2)

内側面及び前面パネルから 150 mm の周囲領域は除外する。

3) 150

mm 角を超えない範囲で,最大の等間隔格子を設定し,その頂点を測定点とする。ただし,最

少測定点数は,奥行き方向 3,横幅方向 7 とする。

c)

前面開口部から後壁に向かって吹出し風速にこう配ができるように設計された(前後方向に領域分け

された)キャビネットの場合  次の方法によって規定される複数の測定点で測定する。

1)

キャビネットの運転に必す(須)でないオプション部品は,測定点の決定以前に取り除く。

2)

製造業者は,領域の境界,各領域の測定点数及び各領域内の等間隔測定点の決定方法を,取扱説明

書に示す。

単位  mm

図 15  吹出し風速試験


24

K 3800

:2009

8.4.4

測定方法

a)

前面パネル  前面パネルを製造業者の指定した高さにセットする。

b)

プローブの固定  風速計のプローブは,スタンド又はクランプを使って気流に影響を与えない方法で

測定点に正確に固定する。

c)

キャビネットを選定風速値で運転する。

風速は変動するので,

安定した時期の標準値を風速値とする。

d)

各測定値の平均を平均吹出し風速(単位 m/s)とする。

8.4.5

結果の報告  報告する測定値は,各測定点の測定値及びその平均値とする。

8.5

流入風速試験

8.5.1

概要  この試験は,前面開口部からの平均流入風速を算出するものである。

a)

タイプ A1,タイプ A2 及びタイプ B1 キャビネット(単体として試験する場合)では,8.5.3 によって

排気風量を測定し,前面開口部面積で除して,平均流入風速を算出する方法を基準とする。

b)

密閉式ダクト接続をするタイプ B2 キャビネットの排気風量は,8.5.4 によって測定する。8.6.6 d)によ

って測定した平均吹出し風速と吹出し風速測定断面の面積とから計算される吹き出し風量を,排気風

量から差し引いて流入風量とする。さらに,前面開口部面積で除して平均流入風速とする。

c)

この規格の形式検査に適合し,選定風速値の確定した機種については,製造業者の指定する適切な風

速代替測定法及び代替計算法 8.6 によって平均流入風速を算出することができる。このとき使用する

風速代替測定法及び換算係数は,8.6 の規定をすべて満足しなければならない(

20

)。

注(

20

)  代替測定法及び換算係数は,8.5.4 に適合することが検査機関によって承認された方法である

ことを,キャビネットの仕様書,取扱説明書などに記載しなければならない。

8.5.2

測定器  流入風速試験には,次のいずれかの測定器を用いる。

a)

風量直接測定器  風量の測定には,直読式の風量直接測定器を用いる。測定器の精度は,指示値±3 %

若しくは指示値±2×10

3

 m

3

/s のいずれか大きい方以内,又は 8.8 によって要求性能が保証されたもの。

b)

風速計  風速の測定には,一般用風速計で 8.4.2 に適合するもの,又はピトー(Pitot)管で JIS B 8330 

適合するものを用いる。

8.5.3

流入風量直接測定法(基準)

a)

キャビネットの排気口に風量直接測定器の捕集フードをテープで固定する。必要に応じて捕集フード

とキャビネット及び捕集フードと測定器とのすき間をテープでふさぐ。測定時に,測定器の吸気口周

辺で吸気の妨げになることをしない。

b)

キャビネットを選定風速値(

12

)で運転する。

c)

風量を 5 回以上測定し,平均値を平均風量とする。原理上,排気風量と流入風量は等しいので,求め

た値は,流入風量と同等である。

d)

平均流入風量(Q

i

) (m

3

/s)から,平均流入風速(V

i

) (m/s)を式(3)で計算する。

f

i

i

S

Q

V

 (3)

ここに,

V

i

平均流入風速 (m/s)

Q

i

平均流入風量 (m

3

/s)

S

f

前面開口面積 (m

2

)

8.5.4

ダクト内の排気風量測定法(密閉接続方式のダクトにつないだキャビネット)  ダクト断面の形状

によって,次のいずれかの方法でダクト内排気風速を測定し,その平均値を平均排気風速 V

e

(m/s)とする。

平均排気風速にダクト面積を乗じて排気風量とする。


25

K 3800

:2009

a)

キャビネットを選定風速値(

12

)で運転する。

b)

次によって,円形断面又は角形断面のダクト内の風速を測定する。

1)

断面が円形の排気ダクト  フィルタ,エルボ,断面の変更など,気流の障害部位からダクト直径の

5 倍以上下流の位置で,互いに 90

°をなす角度位置に測定口を二つあける。風速計のプローブ(可能

な場合にはピトー管)を測定口に入れ,風速を測定する。それぞれの測定点は,代表する断面積が

等しいように設定する(

図 16 参照)。

2)

断面が角形の排気ダクト  フィルタ,エルボ,断面の変更など,気流の障害部位からダクト長径の

2 倍以上下流の位置で,長辺を 4∼6 等分し,それぞれの中央の位置に測定口をあける。風速計のプ

ローブ(可能な場合にはピトー管)を測定口に入れ,風速を測定する。それぞれの測定点は,代表

する断面積が等しいように設定する(

図 17 参照)。

c)

ダクト内の静圧は,キャビネットとダクトとの接続部から,ダクト径(断面が円形でない場合は長径

又は長辺)の約 2 倍下流の地点において測定する。

図 16  円形断面ダクトの風速測定箇所 

図 17  角形断面ダクトの風速測定箇所 

d)

排気風量(m

3

/s)を式(4)によって計算する。報告には,各測定点の位置,各測定点における排気風速測

定値(m/s)

,各測定点の平均排気風速(m/s),静圧(Pa) (

20

),ダクト断面形状(円形又は角形),ダクト断

面積(m

2

)及び排気風量(m

3

/s)を記載する。

e

e

e

S

V

Q

×

 (4)

ここに,

Q

e

排気風量 (m

3

/s)

V

e

平均排気風速(m/s)

S

e

ダクト断面積 (m

2

)

円形 S

e

 

=π  d

2

 / 4 又は角形 S

e

 

=  X  ×  Y

e)

ダクト内静圧は,ほぼ 0 でなければならない。

8.6

流入風速代替測定法  流入風速代替測定法は,次による。

8.6.1

風速代替測定法及び換算係数  製造業者は,風速代替測定法,計算法及び換算係数を指定すること

ができる。代替測定法は,10 回以上繰り返し,その測定結果が直接測定法の測定結果と差がないことを証

明しなければならない(

20

)。

8.6.2

前面開口部の開口面積を絞るフードを付けて風量直接測定器で流入風量を代替測定する方法

a)

キャビネットの前面開口部の中央に流入風量直接測定器の開口面積を絞った捕集フードをテープで固

定する。必要に応じて捕集フードとキャビネット及び捕集フードと測定器のすき間をテープでふさぐ。

b)

捕集フードで風量を 5 回測定し,平均流入風量を計算する。


26

K 3800

:2009

c)

この方法では,送風機の性能によって,開口面積を絞る遮へい板の抵抗の影響を受け,実際の流入風

量が変化することがある。あらかじめ,基準となるキャビネットを用いて求め,検査機関が承認した

換算係数 K

q

(

21

)を用いて,式(5)によって真の平均流入風量 Q

c

 (m

3

/s)を求める。

q

t

c

K

Q

Q

×

 (5)

ここに,

Q

c

真の平均流入風量 (m

3

/s)

Q

t

流入風量測定値 (m

3

/s)

K

q

換算係数

注(

21

)  大文字を用いる K

q

は,検査機関が承認後の換算係数を表し,検査機関が承認する前の換算係数

には k

q

を用いる。

8.6.3

タイプ A1 及び A2 キャビネットについて風速計を用い,排気風速によって流入風速を決定する代

替測定方法

a)

検査するキャビネットの排気口からの高さ 100 mm の面で,排気口周囲から 100 mm を除いた区域に

ついて,100 mm 以内の等分割格子の各交点の排気風速を測定する(

図 18 参照)。この平均値を平均

排気風速 V

e

 (m/s)とする。

b)

排気風量 Q

e

 (m

3

/s)は,式(6)によって平均排気風速 V

e

 (m/s),有効排気口断面積 S

e

 (m

2

)及び換算係数(

21

)

の積で求める。

q

e

e

e

K

S

V

Q

×

×

 (6)

ここに,

Q

e

排気風量 (m

3

/s)

V

e

平均排気風速 (m/s)

S

e

有効排気口断面積 (m

2

)

K

q

 

換算係数

c)

有効排気口断面積は,製造業者が選定する。有効排気口断面積は,実寸を使用することができる。又

は,あらかじめ,形式検査に合格した基準となるキャビネットを用いて,8.5.3 又は 8.5.4 で求めた排

気風量及びここで求めた平均排気風速を利用し,式(6)の換算係数を 1.00 とする有効排気口面積を決定

し,これを用いて検査するキャビネットの排気風量を計算してもよい。

d)

キャビネットの構造上排気風量と流入風量は等しいので,平均流入風速 V

i

 (m/s)は,排気風量 Q

e

 (m

3

/s)

を前面開口部面積 S

f

 (m

2

)で除して式(7)で求める。

f

e

i

S

Q

V

 (7)

ここに,

V

i

平均流入風速 (m/s)

Q

e

排気風量 (m

3

/s)

S

f

前面開口部面積 (m

2

)

e)

報告には,それぞれの排気風速値,平均排気風速,有効排気口面積,排気風量,前面開口部面積及び

計算された平均流入風速,更には,これらの根拠及び計算方法を記載する。

単位  mm


27

K 3800

:2009

図 18  流入風速試験(排気風量から計算)

8.6.4

タイプ A1,タイプ A2 及びタイプ B2 キャビネットについて,平均流入風速を測定するのに前面開

口部面積を通常より小さくして熱線風速計で測定する代替測定方法

a)

選定流入風速値 V

c

 (m/s)及び通常の前面開口部面積 S

f

 (m

2

)から式(8)によって流入風量 Q

i

 (m

3

/s)を計算

する。

f

c

i

S

V

Q

×

 (8)

ここに,

Q

i

流入風量 (m

3

/s)

V

c

選定流入風速 (m/s)

S

f

前面開口部面積 (m

2

)

b)

形式検査に合格した基準となるキャビネットについて,製造業者は,前面開口部を制限する高さと幅

とを選定し,これらの積で規定される制限前面開口部面積 S

r

 (m

2

)を設定する。

c)

流入風量 Q

i

 (m

3

/s)を制限時の前面開口部面積 S

r

 (m

2

)で除して,式(9)によって前面開口部制限時の平均

流入風速選定値 V

r

 (m/s)を計算する。

r

i

r

S

Q

V

 (9)

ここに,

V

r

前面開口部制限時の平均流入風速選定値 (m/s)

Q

i

流入風量 (m

3

/s)

S

r

制限時の前面開口部面積 (m

2

)

d)

製造業者が指定する方法で前面開口部の高さ及び幅を制限する。

e)

8.4.2

に適合する風速計を用いて,制限した開口部の複数の測定点(個)で風速 V

p

 (m/s)を測定する。

測定点は製造業者が選定する。幅 30 cm 以内の間隔で設ける測定点数は,2 か所以上とする。式(10)

によって開口部制限時平均流入風速 V

t

 (m/s)を計算する。


28

K 3800

:2009

p

t

1

V

n

V

 (10)

ここに,

V

t

開口部制限時平均流入風速 (m/s)

n

測定点の数

V

p

開口部制限時各測定点の風速 (m/s)

f)

風速換算係数 c

v

は,開口部制限時の平均流入風速選定値 V

r

 (m/s)を開口部制限時平均流入風速 V

t

 (m/s)

で除して式(11)によって求める(

20

)。風速換算係数 c

v

は,検査機関の承認によって,承認換算係数 C

v

とする。

t

r

v

V

V

c

(11)

ここに,

c

v

風速換算係数

V

r

開口部制限時平均流入風速選定値 (m/s)

V

t

開口部制限時平均流入風速 (m/s)

g)

次に,検査するキャビネットの前面開口部制限時の風速 V

p

 (m/s) を測定し,式(10)によって開口部制

限時平均流入風速 V

t

 (m/s)を計算する。検査機関によって承認された承認換算係数 C

v

 (

20

)を用いて,検

査キャビネットの前面開口部平均流入風速 V

i

 (m/s)を式(12)によって求める。

t

v

i

V

C

V

×

 (12)

ここに,

V

i

前面開口部平均流入風速 (m/s)

C

v

検査機関によって承認された承認換算係数

V

t

制限時の平均流入風速(m/s)

h)

報告には,制限寸法,各測定点の風速,平均風速,風速換算係数,平均流入風速,これらの根拠及び

測定方法を記載する。

8.6.5

タイプ B1 キャビネットについて,熱線風速計を用い,前面開口部の流入風速を測定して平均流入

風速を代替計算する方法

a)

前面パネルを製造業者の指定する高さ にセットする。

b)

前面開口平面において,前面開口部の高さ(

図 19 の 参照)の上及び下から 1/4 の高さについて,複

数の測定点で熱線風速計を用いて風速を測定する。測定点は,作業空間両側面から 100 mm を除いた

部分について,100 mm 以内の等分割に配置する。測定時は,部屋の気流の影響を受けないよう配慮

する。

c)

各測定点の測定値(V

p

)から(図 19 参照),式(10)に従い平均値を算出し,式(12)によって,検査機関によ

って承認された承認換算係数 C

v

 (

20

)を乗じて,代替法による平均流入風速 V

i

 (m/s)

とする。

d)

報告には,前面パネルの指定高さ,個々の風速測定値,平均風速,検査機関によって承認された承認

換算係数 C

v

 (

20

),計算された平均流入風速,これらの根拠及び測定方法を記載する。

単位  mm


29

K 3800

:2009

単位  mm

図 19  タイプ B1 キャビネットの前面開口部における流入風速の測定箇所(代替法の一例)

8.6.6

タイプ B2 キャビネットについて,熱線風速計又はピトー管(可能な場合)を用いて平均流入風速

を計算する代替方法

a)

キャビネットの送風機を(外付け排気送風機のある場合には,外付け排気送風機も)運転する。

b)

前面パネルを製造業者の指定する高さにセットする。

c)

総排気風量を 8.5.4 に示した方法,又は検査機関の承認した方法で測定する。

d)

吹出し HEPA フィルタの 150 mm 下の平面について,等間隔に設定した 100 mm 以内の格子の各頂点

で風速計を用いて吹出し風速を測定する。側面から 50 mm は除外する。風速測定のプローブは,スタ

ンド,クランプなどで固定する。式(13)によって吹出し風速(m/s)及び測定平面の断面積 S

w

 (m

2

)から,

吹出し風量 Q

d

 (m

3

/s)を計算する。

( )

W

d

d

1

S

V

n

Q

×

 (13)

ここに,

Q

d

: 平均吹出し風量 (m

3

/s)

n

: 測定点の数

V

d

: 各測定点の吹出し風速 (m/s)

S

w

: 測定平面の断面積 (m

2

)

e)

総排気風量 Q

t

 (m

3

/s) (

22

)から吹出し風量 Q

d

 (m

3

/s)を差し引いて,流入風量 Q

i

 (m

3

/s)を,式(14)で計算す

る。

Q

i

Q

t

Q

d

 (14)

ここに,

Q

i

流入風量 (m

3

/s)

Q

t

総排気風量 (m

3

/s)

Q

d

吹出し風量 (m

3

/s)

注(

22

)  総排気風量は,8.5.4 タイプ B キャビネットの排気ダクトの風量測定法によって求める。

f)

式(15)によって,流入風量 Q

i

 (m

3

/s)を前面開口部面積 S

f

 (m

2

)で除して,平均流入風速 V

i

 (m/s)を求める。

f

i

i

S

Q

V

 (15)

ここに,

V

i

平均流入風速 (m/s)

Q

i

流入風量 (m

3

/s)

S

f

前面開口部面積 (m

2

)

g)

報告するデータは,個々の排気風速値,平均排気風速値,排気ダクト断面積,排気風量,個々の吹出

し風速値,平均吹出し風量,前面開口部面積,平均流入風量及び平均流入風速とする。同時に,これ

らの根拠及び測定方法も記載する。

8.7

間口 1 m 当たりの排気風量  8.5 又は 8.6 で求めた排気風量 Q

e

 (m

3

/s)

及び間口 (m)から,式(16)によ

って間口 1 m 当たりの排気風量 Q

w

 (m

2

/s)を算出する。


30

K 3800

:2009

W

Q

Q

e

w

 (16)

Q

w

間口 1 m 当たりの排気風量 (m

2

/s)

Q

e

排気風量 (m

3

/s)

W

間口 (m)

参考  大部分のキャビネットでは,前面開口部の横幅が間口と同じなので,本項目は自動的に適合す

る。本項目は,前面開口部の横幅が間口より小さなキャビネットで問題となる。

8.8

風量直接測定器の要求性能の適合性を確認する方法

8.8.1

風洞を使う方法  風洞を使い,NIST の指定する追跡可能な校正方法(

19

)によって,風量直接測定器

の基本的部分(捕集フードのある装置の場合は,フードを取り除いた状態)又は熱線風速計自身を校正す

る。

参考  風量直接測定器の例として,Alnor 社 (EBT721),ダルトン(TSI)社 (8375),カノマックス社(TAB

Master,KA-C100),Shortridge 社 (CFM-88)などがある。

8.8.2

タイプ B2 キャビネットを使う方法

a)

検定に供する風量直接測定器を,8.6.2 a)によって,タイプ B2 キャビネットの前面開口部に接続する。

b)

キャビネットの排気をオリフィス,ベンチュリなど NIST の追跡可能な風量測定計器を取り付けた校

正ダクトに接続する(

19

)。

c)

キャビネットの送風機を運転する。吹出し送風機を停止し,吹出し気流の流入口をふさぐ。

d)

前面パネル可動式の場合は,前面パネルの周囲のすき間を密閉する。

e)

風量直接測定器の最大使用風量及び最小使用風量をカバーする少なくとも 3 点の風量で,風量直接測

定器の測定値及び校正ダクトの測定値をそれぞれ 5 回以上測定する。両者の測定値の誤差が 2 %を超

えてはならない。

8.8.3

タイプ A1 又はタイプ A2 キャビネットを使う方法

a)

検定に供する風量直接測定器を,8.6.2 a)によって,タイプ A1 又はタイプ A2 キャビネットの前面開

口部に密閉接続する。

b)

キャビネットの排気をフードを介して NIST の追跡可能な風量測定計器を取り付けた校正ダクトに接

続する(

19

)。この際,キャビネットの排気フィルタの開口断面積は,検定する風量直接測定器の捕集フ

ードの断面積より大きくなければならない。

参考  8.8.1 の Shortridge 社測定器の捕集フードの断面は 36×36 cm である。

c)

キャビネットの前面パネルが可動式の場合は,前面パネルの周囲のすき間を密閉する。

d)

キャビネットの送風機を運転する。要求性能に適合しているかどうかは,8.8.2 e)による。

e)

この校正法は,検査に用いたキャビネットと同じ大きさか,小さいものに有効である。したがって,

大きなキャビネット(例えば,1.8 m モデル)を検査に使うのがよい。

8.9

気流方向試験  気流方向試験は,気流追跡用発煙管又は同等品を用い,煙の流れる状態を目視によ

って判定する。発煙管の走査は,次による。

a)

前面パネル下端から 100±10 mm 上の高さ,作業空間の吹出し流の前後吸込み口への気流振分け位置

で,作業空間左(右)側面から右(左)側面まで走査する。

b)

前面パネルの 20∼30 mm 内側,前面パネル下端の高さから 150±20 mm 上で,作業空間左(右)側面

から右(左)側面まで走査する。

c)

前面開口部の全周について,前面開口部外側 30∼40 mm の位置を走査する。特に,角及び垂直縁に注


31

K 3800

:2009

意する。

d)

前面可動形のキャビネットでは,前面パネル側縁のレール又は上縁のワイパ部から少量の漏れを生じ

ることがあるので注意する。前面パネル内側の上縁・側縁全体を走査する。

8.10

騒音レベル試験  キャビネットを選定風速値(

12

)で運転し,照明を点灯する。JIS C 1509-1 及び JIS C 

1509-2

に規定する騒音計によって,JIS Z 8731 に従って測定する。聴感補正回路 A 特性を用いる。測定位

置は,キャビネット両側面の中央,キャビネットの 300±10 mm 前方で,作業台の上 380±10 mm の高さ

とする(

図 20 参照)。暗騒音の測定には,キャビネットの送風機及び照明を切り,外付け排気送風機があ

る場合は,外付け排気送風機は運転しておく。

単位  mm

図 20  騒音レベル試験

8.11

照度試験  キャビネットを選定風速値(

12

)で運転し,送風機及び照明器の温度が安定した後,作業台

直上の照度を JIS C 1609-1 に規定する照度計によって測定する。作業空間後面と前面パネルとの中央で,

作業空間側面から 150 mm を除いた部分につき,300 mm 以内の等分割の点を測定点とする(

図 21 参照)。

8.12

振動試験  キャビネットを選定風速値(

12

)で運転する。振動周波数 10∼250 Hz において,振幅 5

μm 

RMS 以下を有効に測定できる振動計を用いる。検出器を作業台の中央に固定し,軸方向(左右),

方向(前後)

軸方向(上下)の振幅を測定する(

図 22 参照)。送風機運転時と停止時との振幅の差を作

業台振幅とする。停止時の振幅は 2

μm RMS 以下とする。


32

K 3800

:2009

単位  mm

図 21  照度試験 

図 22  振動試験 

8.13

  安定度試験

8.13.1

転倒試験  転倒は,次によって試験する。

a)

前面脚部を動かないように固定する。

b)

後部上端に対して前方向に 440 N の力を水平方向に加え,背面脚部が床からもち上がる高さを計測す

る(

図 23 参照)。

8.13.2

ねじれ試験  ねじれは,次によって試験する。

a)

キャビネットを床又は基盤に固定する。

b)

背面上端又は側面上端に 1 100 N の力を加え,前方又は横方向のねじれ変位を測定する(

図 24 参照)。

8.13.3

作業台のひずみ試験  作業台のひずみは,次によって試験する。

a)

作業台中点から床までの寸法を 0.1 mm の単位で測定する(

図 25 参照)。

b)

作業台の中央に質量 23 kg の試験用おもり(平面的大きさ:25×25 cm)を置く(

図 25 参照)。

c)

試験用おもりを取り除いて,作業台中点から床までの寸法を 0.1 mm の単位で測る。a)と c)との差を求

め,恒久的ひずみ値とする。

8.13.4

傾き試験  傾きは,次によって試験する。

a)

前面開口部下端の中央に質量 113 kg の試験用おもりを置く(

図 26 参照)。

b)

背面脚部が床からもち上がる高さを測る。


33

K 3800

:2009

単位  mm

図 23  転倒試験

単位  mm

図 24  ねじれ試験


34

K 3800

:2009

単位  mm

図 25  ひずみ試験 

図 26  傾き試験 

8.14

シンクからの漏水試験  シンクに水を満たし,1 時間経過後に目視によって漏水がないことを確認す

る。

8.15

送風機の性能試験  送風機の性能は,次によって試験する。

a)

6.5 a)

に基づき静圧タップを設ける。正圧は吹出し側の静圧タップ,負圧は吸込み側の静圧タップによ

って測定する。

b)

キャビネットを選定風速値(

12

)で運転する。

c)

初期正圧(PP

i

)と初期負圧(NP

i

)を記録し,送風機の製造業者が提出する性能データによって送風機の総

風量(m

3

/s)を計算する。

d)

キャビネットの負圧側気流を妨げ,試験負圧(NP

t

)を初期正圧(PP

i

)の 25 %以上,上昇させる(タイプ

A1,A2 及び B1 では,作業台前部吸気口,タイプ B2 キャビネットでは,吹出し送風機吸込み口など

を利用する。

。吸気用 HEPA フィルタが負圧領域にある場合は,初期正圧は,吸気用 HEPA フィルタ

の圧力損失とする。

i

i

4

1

t

PP

NP

NP

+

ここに,

NP

t

試験負圧

NP

i

初期負圧

PP

i

初期正圧

e)

気流を妨げたときの試験正圧及び試験負圧を測定,記録し,製造業者が提出する送風機の性能データ

によって送風機の総風量を計算する。

f)

初期及び気流を妨げたときの正圧,負圧及び総風量を記録する。

8.16

絶縁抵抗試験  絶縁抵抗は,JIS C 1302 に規定する 500 V 絶縁抵抗計によって,充電部と非充電部

との間の絶縁抵抗を測定する。


35

K 3800

:2009

8.17

耐電圧試験  耐電圧試験は,充電部と非充電部との間に,定格電圧が 150 V 以下のものは 1 000 V,

定格電圧が,150 V を超えるものは 1 500 V で,周波数 50 Hz 又は 60 Hz の交流電圧を連続して 1 分間加え

る。

9.

検査  検査は,形式検査,受渡全数検査及び現場全数検査に区分し,表 による。形式検査とは,あ

る機種を代表する 1 台のサンプルに対して試験し,この規格に示されたすべての項目について満足してい

るかどうかを試験し,合否を判定するために行う検査をいう。受渡検査とは,3. q)の形式検査済機種キャ

ビネットについて特定の項目の試験を行い,適合しているかどうかを判定する工場出荷時の検査をいう。

さらに現場検査とは,使用場所での性能を保証するため,特定の項目について試験する検査をいい,搬入

後,使用開始前に行う設置後検査及び使用開始後,定期的又は部品交換後などに行う維持・管理検査を含

む。

表 4  クラス II キャビネットの形式検査・受渡検査・現場検査

現場検査

項目

要求 
性能

試験 
方法

形式 
検査

受渡検査

設置後

維持・管理

密閉度

5.1

8.1

推奨(

23

)

注(

24

)

HEPA フィルタの透過率

5.2

8.2

送風機の性能

5.3

8.15

気流バランス

作業者の安全性

5.4.1

8.3.2

オ プ シ ョ ン
(

23

)

オ プ シ ョ ン
(

23

)

オプション(

23

)

試料保護

5.4.2

8.3.3

オ プ シ ョ ン
(

23

)

オ プ シ ョ ン
(

23

)

オプション(

23

)

試料間の相互汚染防止

5.4.3

8.3.4

オ プ シ ョ ン
(

23

)

オ プ シ ョ ン
(

23

)

オプション(

23

)

風速・風量

吹出し風速

5.5.1

8.4

流入風速

5.5.2

8.5

間口 1 m 当たり排気風量

5.5.3

8.7

気流方向

5.6

8.9

オ プ シ ョ ン
(

23

)

オ プ シ ョ ン
(

23

)

オプション(

23

)

騒音

5.7

8.10

照度

5.8

8.11

振動

5.9

8.12

安定度・強度

転倒及び傾き

5.10.1

8.13.1 

8.13.4

ねじれ

5.10.2

8.13.2

作業台のひずみ

5.10.3

8.13.3

シンクの容量及び漏水量

5.11

8.14

絶縁抵抗

5.12

8.16

耐電圧

5.13

8.17

注(

23

)  “推奨”の検査は行うことが望ましく,省略すると不都合が起きやすい。“オプション”の検査は,こ

の規格に適合したキャビネットを改造した場合,又は作業室の気流が特殊な場合などを除けば行う必要
がない。

注(

24

)  数年ごとに 1 回以上が望ましい。毎年検査するかどうかはオプションである(

23

)。しかし,密閉度に関

係するプレナムを開けた後の検査は,必す(須)である。


36

K 3800

:2009

10.

表示・取扱説明書

10.1 

仕様銘板  キャビネットには,仕様銘板を見やすいところに取り付け,次の事項を記載する。

a)

製造業者名及び所在地

b)

キャビネットのタイプ

c)

形式

d)

製造番号(製造番号によっては製造年月が分からない場合,製造年月を付記する)

e)

規格の名称,規格番号及び公示西暦年

f)

定格電圧・消費電力・相数・周波数

g) HEPA

フィルタの外形寸法 (mm)

h)

選定風速値(吹出し風速・流入風速)

10.2

配線図  電気の配線図は,工具を用いることなしに容易に見える位置に備える。

10.3

取扱説明書  取扱説明書には,少なくとも次の事項を記載する。

a)

設置法,管理維持に必要な周囲スペース,搬入に必要な外寸

b)

使用法

c)

管理・維持法

d)

風速試験の方法

e)

気流・風速(選定風速値及び出荷時検査測定値)

f)

タイプ B キャビネットでは循環気率

g)

必要に応じて流入風量代替測定法,代替法による平均流入風速測定値[8.6 参照]

h)

検査・除染用の密閉方法

i)

コーキング材などに悪影響を与える物質の使用警告

関連規格  JIS Z 8901  試験用粉体及び試験用粒子


37

K 3800

:2009

附属書 1(規定)枯草菌芽胞の調製法及び定量法

1.

適用範囲  この附属書は,気流バランス試験に用いる枯草菌芽胞の調製法及び定量法について規定す

る。 

2.

試薬及び培地

a)

希釈液  本体の 8.3.1 c)  による。

b)

枯草菌  本体の 8.3.1 a)  による。

c)

培地  本体の 8.3.1 d)  による。

d)

ペトリ皿  直径 90∼100 mm の滅菌ペトリ皿を用いる。

e)

ネブライザ  ネブライザはコリソン 6-jet ネブライザ[本体の 8.3.1 j)  参照]を用いる。

f)

はかり  最大ひょう量 300 g 以上,最小目盛 0.01 g のもの。

g)

寒天平板  d)  のペトリ皿に作製した本体の 8.3.1 g)  の寒天平板を用いる。

3.

枯草菌芽胞の調製

3.1

枯草菌培養  トリプトソイ寒天培地に枯草菌を植え,37±1  ℃で 3 日以上培養する。染色・検鏡に

よって芽胞形成率が 90 %以上であることを確認する。芽胞形成が悪い場合には更に培養を続けるか,室

温又は冷蔵庫に放置する。

参考  寒天は,厚く作った方が,収量が高くなる。植える細菌数は,24 時間後に検出されるコロニが

3 mm 間隔程度になるよう薄目にまいた方が,収量が高くなる。

3.2

芽胞液の調製  3.1 で培養した寒天培地上の芽胞を希釈液に懸濁して回収する。芽胞液の調製は,次

による。

a)

寒天平板上の芽胞は乾いているため,希釈液を寒天上に加え,コンラージ棒で芽胞を浮遊させ,採取

する。このとき寒天にきずをつけないように注意する。

b)

懸濁液の中に寒天の塊がある場合は,軽く遠心分離(1 000 rpm, 2∼3 分)して,除く。

c)

得られた芽胞懸濁液に適当量の希釈液を加え,遠心分離(3 000 rpm, 30 分)によって,2∼3 回洗浄す

る。

d)

芽胞を適当量の希釈液に懸濁し,24 G 又はより細い注射針を通し,寒天の小さな塊を除去する。

備考  省略するとネブライザのノズルが詰まる。

e)

得られた芽胞懸濁液の菌数を,4.  によって測定する。

備考  芽胞懸濁液は,室温で 1 か月以上安定に保存できる。

4.

枯草菌芽胞定量

4.1

芽胞液中の芽胞の定量  3.2 の芽胞液を希釈率 10

d 

(10 の累乗とする。

)で希釈した芽胞液 0.1 mL を

表面の乾いた直径 90∼100 mm の 枚の寒天平板上にコンラージ棒で広げる。24∼48 時間培養後,コロニ

数を数え,寒天平板数及び希釈率(10

)から芽胞濃度を算出する。

+

×

×

1

i

0

10

1

d

N

n

N

 (1)

ここに,

N

0

芽胞濃度 (cfu/mL)


38

K 3800

:2009

n

各希釈段階の寒天平板数

N

i

各寒天平板のコロニ数

d

10 倍段階希釈率の累乗数

4.2

噴霧した芽胞量の測定  噴霧前後のネブライザの質量を 0.01 g のけたまで測定し,その質量差から,

密度 1.000 g/mL として噴霧量 (mL) を求める。ネブライザの液量によって噴霧量や噴霧前後の芽胞濃度に

変化があることがあるので,あらかじめネブライザ液量の使用範囲を決めておく。噴霧した芽胞量は,次

の式によって算出する。

N = N

0

×   (2)

ここに,

N

噴霧された芽胞量 (cfu)

N

0

ネブライザに入れた芽胞濃度 (cfu/mL)

W

噴霧量 (mL)

噴霧前後の芽胞濃度の変化は少ないので,ネブライザ内液量及び芽胞濃度が適切な範囲では,単位時間

当たりの噴霧量は一定である。ただし,芽胞濃度が変化する場合があるので,同じ芽胞液を繰り返し用い

る場合には,噴霧による芽胞濃度の変化をあらかじめ調べておく。


39

K 3800

:2009

附属書 2(参考)キャビネットの設置及び排気に対する注意

序文  この附属書は,キャビネットの設置及び排気に対する注意を記載するもので,規定の一部ではない。

1.

配置

1.1

人の動線及び入口への配慮  キャビネットは,作業室内の動線から離れたところ,作業室への入口

からの流入気流によって前面開口部の気流バランスを障害しないところに配置する

附属書 図 参照)。

1.2

窓及び空調による気流への配慮  作業室に窓がある場合は,常時閉めておく。空調装置のアネモな

どからの流入気流が前面開口部,排気フィルタなどに吹き付けるような場所に,キャビネットを置いては

ならない(

附属書 図 参照)。

附属書 図 1  キャビネットの配置

1.3

キャビネットの周囲  スペースがあれば,キャビネットの両側及び背面に 30 cm の空間を残して配

置する。スペースがない場合にも,最低両側に 8 cm ずつ,背面には 4 cm のスペースを確保する。コンセ

ントは,キャビネットを動かさずに抜き差しできるように配置する。

2.

タイプ A1 及びタイプ A2 キャビネットの排気

2.1

標準(室内排気)  タイプ A1 及びタイプ A2 キャビネットは,作業室内に排気するように設計され

ているので,通常は室内排気とする。室外排気の必要はない。排気口と天井との間に少なくとも 8 cm のす

き間が必要である。このすき間が 8 cm 未満であると,排気に障害が起こり,キャビネットへの流入空気量

が減って,前面開口部の気流バランスが保てない。キャビネットへの流入気流を計測するために,熱線風

速計で排気風速を測るには,排気口と天井との間の間隔は少なくとも 30 cm 必要である。

2.1.1

室外に排気する場合  タイプ A1 及びタイプ A2 キャビネットは,通常,密閉式接続をしない。キ

ャノピなどによる開放式ダクト接続が望ましい。個々に設計されたキャノピは,本体(5.58.4 及び 8.5

参照)に指定された方法で,適切な風速が得られることを検査し,確認しなければならない。排気系は,

100 %排気システムでなければならない。すなわち,排気の一部を建物の他の部分に再循環するシステム

であってはならない。


40

K 3800

:2009

開放式ダクト接続は,キャビネットの排気量を一定に保つ方法で,次による(

附属書 図 参照)。

a)

キャビネットとダクトとの間に吸込み用の空間を設ける。

b)

ダクトからの排気はキャビネットの排気量の 150 %を確保する。キャビネットの排気風量は,常に選

定風速値の±10 %に保たれなければならない。

(1) HEPA フィルタ又は排気口枠とキャノピのすき間 (25

∼30 mm)

(2) HEPA フィルタ又は排気口枠とキャノピの重なり (50

mm)

(3) 100 mm

(4) 450 mm

(5)  取り外し可能ダクト(1.3 m 幅のキャビネットでは

φ200,1.8 m 幅のキャビネットでは φ250)

(6)  垂直ダクト

(7)  水平ダクト (8)

風量調節ダンパ

(9)  ピトー管・差圧計 (10)

キャノピと上部ダクトとの重なり。接続はダクトテー
プなどで密閉

(11) キャノピ(上部ダクトとの接続は密閉) (12)

取り外しダクト(上部ダクトとの接続は密閉)

(13) HEPA フィルタ又は排気口枠と取り外しダクトのす

き間 (25∼30 mm)

附属書 図 2  開放式ダクト接続の例  

2.1.2

キャビネットの排気系は,HEPA フィルタの走査検査が可能なように設置することが望ましい(本

体の 8.2.3 参照)

2.1.3

適切に設計し配置したキャノピの場合は,仮にキャノピ以降の排気ダクトが完全に詰まったとして

もタイプ A1 及びタイプ A2 キャビネットの前面開口部を通過する流入流量は適切に保たれるはずである。

それぞれのキャビネットに対するキャノピの性能は,キャノピの製作者又は使用者によってあらかじめ確

かめておく必要がある。

2.1.4

粒子を形成しないガス状の有害物質をキャノピシステムを介して排気する場合には,タイプ B1 及

びタイプ B2 キャビネットの排気システムに指定するものと同じ警報装置を備えなければならない(本体

の 6.10 参照)

2.1.5

タイプ A1 及びタイプ A2 キャビネットが密閉式ダクト接続によって室外に排気されている場合は,

キャノピなどによる開放ダクト接続システムに変更することが望ましい。

3.

タイプ B1 及びタイプ B2 キャビネット


41

K 3800

:2009

3.1

室外排気が必す  タイプ B1 及びタイプ B2 キャビネットは,作業室外に排気する。排気は,建物の

他の部分に再利用されないように設計する。

3.2

排気システム  排気システムには,漏れのないダクト,キャビネットの排気風量の調節に用いるダ

ンパ,除染のときにキャビネットを密閉するためキャビネット近くに設置するダンパ及び排気システムの

最後部に配置する外付け排気送風機を含む。

a)

外付け排気送風機  外付け排気送風機は,キャビネットの製作者が要求する排気量を確保するだけで

なく,ダクトシステムによる圧損及び汚れた HEPA フィルタによる圧損(最低 500 Pa)を考慮して選

択する。HEPA フィルタの下流に活性炭フィルタを設置する場合には,フィルタの製造業者が指定す

る圧損に対処できる送風機を選択する。

b)

警報機  排気風速が確保できなくなったときに鳴動する警報機を設置する。この警報機を作動させる

スイッチは,排気 HEPA フィルタ直後の流量計,外付け排気送風機の吐出圧力計,その後に位置する

排気ダクトの風量計のいずれでもよい。

c)

独立性  タイプ B1 及びタイプ B2 キャビネットは,1 台ごとに独立した排気システムをもつことが望

ましい。

d)

キャビネットの排気システムを建屋の排気システムにつなぎ込んだ場合,使用しないときもキャビネ

ットの運転を停止してはならない。

3.3

省エネルギー設計の排気システム  タイプ B1 及びタイプ B2 キャビネット,ドラフト,フレキシブ

ル排気管,部屋の排気などの間に適切な差圧を設け,総排気風量を最少にすることなどによって,エネル

ギーコストを抑えられる可能性がある。近年,これらの“複雑な排気システム”を構築する計画が増えて

いる。しかし,キャビネットの排気システムは,いったん稼働を開始すれば,何十年にもわたって多くの

複雑な要因をクリアし,安全に運転できなければならない。これらの“複雑な排気システム”を使う場合

には,長年使用して行く上で,起こり得るすべての危険リスクに対して対応できる排気システムとしなけ

ればならない。さらに,危険リスクを回避するために“複雑な排気システム”に組み込まれた緊急時の異

常対応システムの感知器等の計器及びシーケンスのアルゴリズムについてきちんと安全性の評価をしてお

く必要がある。コスト削減の可能性はあるものの,キャビネットによって守るべき人の安全確保の重要性

を考えると,キャビネットの排気システムとしては,

“複雑な排気システム”を避け,より単純で安定な排

気システムが望ましい。

4.

屋上の排気システム  推奨できる屋上排気装置の例を附属書 図 に示す。

4.1

排気筒の高さ  キャビネットの排気に用いる屋上の排気筒は,他の空調・排気システムなどの吸気

口から建物内に再循環されることのないよう,排気口の位置を検討する必要がある。排気口の位置は,屋

上表面から最低 3 m の高さを確保しなければならない。周囲の建物に影響のある場合は更に高くする必要

がある。

4.2

排気の方向  排気筒の方向は,鉛直とする。排気が鉛直に立ち上がることを妨げるような雨よけそ

の他の障害物を構築してはならない。

4.3

降水対策  正常の排気量の排気が排出されている間は,降水が排気ダクトに入ってはならない。排

気システムが停止中に入った水を取り除くため,排気筒の底に水抜き穴(直径 2.5 cm)をあけておくこと

ができる。


42

K 3800

:2009

4.4

直結モータ  屋上に配置する外付け排気送風機は,ベルトの滑り及び切断による事故を防ぐため,

ベルト駆動でなく,モータに直結することが望ましい。直結モータのもう一つの利点は,モータが働いて

いないことを作業室内の警報に使うことができることである。ベルト駆動の場合,ベルト切断などのトラ

ブルが発生するとモータは動いているのに,

外付け排気送風機は動作していないということが起こり得る。

5.

電気  電圧の変動は,トライアック又はダイアックを用いた速度調節器を用いるキャビネットの気流

に変動を起こすことがある。これらのキャビネットでは,気流の変動を抑えるため,電圧の変動を少なく

する調整器を配置することが望ましい。

附属書 図 3  屋上に設置する外付け排気送風機及び排気筒の一例


43

K 3800

:2009

附属書 3(参考)ホルムアルデヒドくん蒸による除染方法

序文  この附属書は,キャビネット内部の微生物汚染を除くために行うホルムアルデヒドくん蒸について

記載するものであり,規定の一部ではない。

1.

  くん蒸の時期  キャビネットのホルムアルデヒドくん蒸は,次のいずれかの時期に行う。

a)

定期検査・保守点検の前

b) HEPA

フィルタ交換前

c)

キャビネットの移動前

d)

内部の大量汚染

e)

使用目的の変更

f)

その他必要な場合

2.

試薬及び器具  用いる試薬及び器具は,次による。

a)

水  本体の 8.3.1 b)による。

b)

パラホルムアルデヒド  純度が 95 %以上のもの。

c)

炭酸水素アンモニウム  純度が 95 %以上のもの。

d)

滅菌試験用の芽胞を含ませたろ紙

参考  ろ紙の市販品には,American Sterilizing Co.“Spordex”,栄研器材“滅菌テスパーG”などがあ

る。これらはオートクレーブ又は EOG 滅菌用である。ホルムアルデヒドくん蒸の場合は,試

験用ろ紙を外装袋から取り出して用いる。

e)

ホットプレート

f)

はかり

g)

キャビネットの密閉に必要な器具

3.

操作の一例

a)

キャビネットの内容積を算出する。

備考  間口 1.3 m のキャビネットの内容積は,約 1 m

3

である。

b)

キャビネットの適切な位置に,3 台のホットプレート及び滅菌試験用の芽胞を含ませたろ紙を配置す

る。3 台のホットプレートは外から電源を ON・OFF できるようにしておく。

c)

キャビネットの容積 1 m

3

当たり,パラホルムアルデヒド 10 g,炭酸水素アンモニウム(

1

) 18 g 及び水

10 mL を適切な容器にはかりとり,別々のホットプレートに載せる。

注(

1

)  炭酸水素アンモニウムはプラスチックフィルムなどで包んでおく。

d)

キャビネットを製造業者の指定する方法で密閉する。

e)

水を載せたホットプレートの電源を ON にする。蒸発して水がなくなったら OFF にする(

2

)。

注(

2

)  湿度を 50 %以上に高めるため。次の二つの意味がある。

1)

滅菌効果を高める。

2)

乾燥ホルムアルデヒドには爆発性がある。湿度を上げて爆発を防ぐ。

f)

パラホルムアルデヒドを載せたホットプレートの電源を ON にする。1/4,1/2,3/4 の量がなくなった


44

K 3800

:2009

ところで,それぞれ約 10 秒ずつキャビネットを運転する。

g)

パラホルムアルデヒドがなくなったらホットプレートの電源を OFF にし,12 時間以上放置する。た

だし,キャビネット内の温度は 24  ℃以上になるよう維持する。この条件で,ホルムアルデヒドガス

の漏れがなく,12 時間以上放置した場合は,滅菌保証レベルは,10

12

に到達すると計算される。実

際には,ホルムアルデヒドガスの吸着及び漏出の問題があるので,事前にホルムアルデヒドガス濃度

及び時間による除染の効果を確認しておくことが必要である。実験的には,滅菌開始 6 時間後のホル

ムアルデヒドガス濃度が 1 200 ppm あれば,高濃度用ホルムアルデヒド検知管及び試験用ろ紙で評価

した滅菌保証レベル (10

6

)  が達成できる。

h)

炭酸水素アンモニウムを載せたホットプレートの電源を入にする。炭酸水素アンモニウムが揮散した

ら切にし,約 10 分間放置する。

i)

排気を室外にとり,キャビネットを運転してから,キャビネットの前面開口部を開放する。

j)

試験用ろ紙を培養し,枯草菌のコロニが出現しないことによって,滅菌の完了を確認する。

試験用ろ紙の評価は,寒天平板上に載せ 7 日間の培養が必要である。必然的に,事後確認となるの

で,実際の現場に適用することは非現実的である。したがって,あらかじめ予備検査を数回以上行い,

検査員の滅菌操作技術を確認しておく必要がある。すなわち,高濃度用ホルムアルデヒド検知管で測

定した 6 時間放置後のホルムアルデヒドガス濃度を,1 200 ppm 以上残留させる滅菌技術に習熟して

いなければならない。

4.

  注意  除染における注意は,次による。

a)

試験用ろ紙によって滅菌の程度を確認し除染の効果判定を行う。

b)

ホルムアルデヒドガスは,乾燥状態では,爆発性がある。ホットプレートを用いるには,次の注意が必

要である。

1)

水を蒸発させ,キャビネット内の湿度を高めておく。

2)

防爆形のホットプレートが望ましい。

3)

やむを得ず家庭用のホットプレートを用いる場合には,温度調節器を最高にして,温度調節器から

の火花が飛ばないようにして用いる。

c)

ホルムアルデヒド及びアンモニアはともに有毒である。

1)

これらのガスは,コンタクトレンズと角膜との間に浸透し,失明事故を起こすおそれがあるので,

コンタクトレンズをはめたまま作業してはならない。

2)

防毒マスクを用意する。目・鼻・口を覆う一体形のマスクがよい。ホルムアルデヒド用及びアンモ

ニア用のカートリッジは形番(GMA 及び GMD)が異なるので注意する。

参考  防毒マスクには,ウルトラツインレスピレータ,MSA Japan などがある。


45

K 3800

:2009

附属書 4(参考)クラスⅠ及びクラスⅢバイオハザード対策用キャビネット

の基本構造

1.

クラス キャビネット  病原体などの取扱いで,作業空間に清浄空気を必要としない場合に用いる。

前面開口部及び排気口がある[

附属書 図 1 a)参照]。前面開口部からの流入気流が汚染エアロゾルの流出

を防ぎ,作業者の暴露防止を可能とする。排気は HEPA フィルタで処理後,キャビネット外に放出する。

備考  クラスⅠキャビネットは通常作業室外に排気するが,有害ガスを対象としない場合には,作業

室内に排気してもよい。クラスⅡキャビネットのように作業空間内への吹出し気流がないので,

平均流入風速が 0.4 m/s 以上あれば,前面開口部からの漏れはほとんどないとされる。詳しい検

査方法・仕様書及び規格は発行されていない。

クラスⅠキャビネットには,吸気送風機はなく,本体には排気送風機も付いていない場合がある。

附属書 図 1  クラス キャビネット  (A)  及びクラス III キャビネット  (B)  の基本構造

2.

クラス III キャビネット  高度の危険性をもつ病原体などの取扱いに用いる。クラスⅢキャビネット

は,開口部のない密閉形のキャビネットで,内部の負圧は少なくとも 120 Pa を維持する。作業用の手袋,

試料及び器具の出入れ用の高圧滅菌器又は浸し(漬)槽を装備する[

附属書 図 1 b)参照]。流入空気は

HEPA フィルタで処理し,排気は二重の HEPA フィルタで処理する。また,使用後の HEPA フィルタはホ

ルムアルデヒドくん蒸処理後焼却処理する。クラスⅢキャビネットには,吸気側 HEPA フィルタ及び吸気

送風機があるが,図示していない。さらに,室外に最終段階の HEPA フィルタ及び外付け排気送風機が必

要である。


46

K 3800

:2009

附属書 5(規定)バイオハザード対策用クラスⅡキャビネット

タイプ A,タイプ B1,タイプ B2 及びタイプ B3)

序文  この附属書は,JIS K 3800:2000 で規定していたバイオハザード対策用クラスⅡキャビネットのタイ

プ A,タイプ B1,タイプ B2 及びタイプ B3 について規定するものである。ただし,この附属書は,平成

22 年 10 月 20 日をもって廃止する。

なお,この

附属書 の中で用いる箇条,注,図及び表の番号は,附属書 の中のものを示す。

1.

適用範囲  この附属書は,バイオハザード対策用クラス II キャビネット(タイプ A 並びにタイプ B1,

タイプ B2 及びタイプ B3)(

1

)の性能,構造,材料及び試験方法について規定する。

注(

1

)  ここでいうクラス II キャビネットには,排気ダクトを含む。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この附属書に引用されることによって,この附属書の規定の一部を構

成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1102-2

  直動式指示電気計器  第 2 部:電流計及び電圧計に対する要求事項

JIS C 1102-3

  直動式指示電気計器  第 3 部:電力計及び無効電力計に対する要求事項

JIS K 1560

  1, 1, 1, 2-テトラフルオロエタン (HFC-134a)

図 1  クラス II キャビネットの部分及び名称

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8122 によるほか,次による。

a)

前面パネル  クラス II キャビネット前面の透明なパネル(図 参照)。

b)

前面開口部  クラス II キャビネット前面の作業用開口部(図 参照)。

c)

作業台  クラス II キャビネット内の作業に用いるテーブル(図 参照)。


47

K 3800

:2009

d)

内部作業面  作業台を除いたクラス II キャビネットの内壁面(図 参照)。

e)

作業空間  前面パネル・作業台・整流板及び内部作業面に囲まれた空間。

f)

間口  作業空間両側面の距離。

g)

整流板  吹出し気流を均一にする目的で設置した通気性をもつじゃま板。

h)

汚染プリナム  作業空間で発生した汚染エアロゾルを含む気流が到達する空間。

備考  正圧と負圧の場合があり,安全性に影響する。

i)

流入風量  前面開口部からクラス II キャビネットに流入する風量。

j)

吹出し風量  作業空間に供給される清浄空気風量。

k)

総風量  流入風量と吹出し風量の和。

l)

循環送風機  作業空間に空気を供給する送風機。

m)

循環気率  循環送風機を通過した空気量のうち,再び循環送風機に環流する空気の割合。

備考  揮発性物質及びガス状物質の希釈は,循環気率が小さいほど速い。

n)

検査  クラス II キャビネットの,この規格への適合性を調べること。各項目についての適合性を調べ

ることを試験という。

備考 1.  検査機関の指定する場所で行う形式検査,工場で行う出荷時の受渡検査及び使用場所で行う

現場検査(設置後検査・維持管理検査)がある(

表 1)。

2.

形式検査とは,ある機種を代表する 1 台のサンプルに対して試験し,この規格に示されたす

べての項目について満足しているかどうかを判定するために行う検査をいう。受渡検査とは,

o)

の形式検査済機種クラス II キャビネットについて特定の項目の試験を行い,満足している

かどうかを判定する工場出荷時の検査をいう。更に現場検査とは,使用場所での性能を保証

するため,特定の項目について試験する検査をいい,搬入後・使用開始前の設置後検査と,

一定の時期,部品交換後などに行う維持・管理検査を含む。

o)

形式検査済機種  形式検査に適合した機種。

p)

設定風速値  クラス II キャビネットの形式検査の際,製造業者が設定した風速の値。

q)

選定風速値  形式検査の際,この規格に適合したときの風速値の中で,製造業者が選定した値。

r)

除染  当該病原体などを完全に除去する操作。不特定の病原体などを対象とするときは滅菌と同じ。


48

K 3800

:2009

表 1  クラス II キャビネットの形式検査・受渡検査・設置後検査・維持管理検査

検査

作業者の安全性

全体の気密構

HEPA

フィルタ

試料保護

相互汚染

形式検査  ・  細菌芽胞による気

流バランス試験 
  (8.3) (

2

)

・  風速試験  (8.4
・  気流方向試験  (8.5)

密 閉 度 試 験
(8.1)

透過率試験
  (8.2)

・  細菌 芽胞によ る気流

バランス試験  (8.3) (

2

)

・  風速試験  (8.4
・  気流方向試験  (8.5)

・  細菌芽胞による気

流 バ ラ ン ス 試 験
(8.3) (

2

)

・  風速試験  (8.4
・  風向試験(視認)

受渡検査  ・  風速試験  (8.4)

・  気流方向試験

  (8.5)

・  細菌芽胞による気

流 バ ラ ン ス 試 験
8.3:オプション)
(

2

)

・  石けん法

  (8.1.2)

・  その他の密

閉 度 試 験
(オプショ
ン)

透過率試験
  (8.2)

・  風速試験  (8.4
・  気流方向試験:(8.5
・  細菌 芽胞によ る気流

バランス試験 
8.3:オプション)(2)

・  風速試験  (8.4
・  気流方向試験  (8.5)
・  細菌芽胞による気

流 バ ラ ン ス 試 験
8.3:オプション)
(

2

)

現場検査 
(設置後
検査・維
持管理検
査)

・  風速試験  (8.4
・  気流方向試験

8.5:オプション)

・  細菌芽胞による気

流 バ ラ ン ス 試 験
8.3:オプション)
(

2

)

・  該 当 せ ず

図 の A

の機種は,
石けん法)

透過率試験
  (8.2)

・  風速試験  (8.4
・  気流方向試験(8.5:オ

プション)

・  細菌 芽胞によ る気流

バランス試験 
8.3:オプション)(

2

)

・  風速試験  (8.4
・  気流方向試験

8.5:オプション)

・  細菌芽胞による気

流 バ ラ ン ス 試 験
8.3:オプション)
(

2

)

注(

2

)  特に危険な微生物や,エアロゾル感染の危険が特に高い微生物を扱うときには,更なる試験が必要な場合があ

る。

4.

バイオハザード対策用キャビネットの分類

4.1

バイオハザード対策用キャビネットは,基本構造によって,クラス I,クラス II,クラス III に分類

する。

a)

クラス キャビネット  病原体などの取扱いで,作業空間に清浄空気を必要としない場合に使用する。

前面開口部と排気口がある(

図 の A)。前面開口部からの流入気流が汚染エアロゾルの流出を防ぎ,

作業者の暴露防止を目的とする。排気は HEPA フィルタで処理後,キャビネット外に放出する。

b)

クラス II キャビネット  病原体などの取扱いで,作業空間に清浄空気を必要とする場合に使用する。

クラス I キャビネットと同様に前面開口部と排気口がある。前面開口部からの流入気流が汚染エアロ

ゾルの流出を防ぎ,同時に作業空間には HEPA フィルタでろ過した清浄空気を供給する。排気は HEPA

フィルタで処理後キャビネット外に放出する(4.2 参照)

参考  これに対して,クリーンベンチは,作業空間に清浄空気を送り,取り扱う試料の汚染を防ぐた

めの機器であり,作業者の安全性を目的とした機器ではない。外観,空気の流れ,構造が比較

的似ているため,クラス II キャビネットを必要とする作業にも,誤ってクリーンベンチを使用

する研究者があとを断たない。

c)

クラス III キャビネット  高度の危険性をもつ病原体などの取扱いに使用する。クラス III キャビネッ

トは,開口部のない密閉形のキャビネットである。作業用の手袋,試料及び器具の出入れ用の高圧滅

菌器又は浸し(漬)槽を装備する(

図 の B)。流入空気と排気の両方を HEPA フィルタで処理し,作

業空間は作業室に対して負圧である。


49

K 3800

:2009

図 2  クラス キャビネット  (A)  及びクラス III キャビネット  (B)  の基本構造

4.2

クラス II キャビネットの分類  クラス II キャビネットは,作業の目的別にタイプ A,タイプ B の 2

種類に分類する。

表 に使用目的,性能などの概略を示す。

a)

クラス II タイプ A キャビネットは,通常の生物材料及び不揮発性の有害物質(

3

)を少量取り扱う作業に

も適する。ガス状又は揮発性の有害物質の取扱いには適さない。クラス II タイプ A キャビネットは,

その構造上,古典形,改良形及び負圧形の 3 種類に分類する(

図 3,表 2,表 参照)。クラス II タイ

プ A キャビネットは,作業室内に排気できる(

4

)。

注(

3

)  放射性障害防止法に基づく管理区域に設置するクラス II キャビネットについては,有害物質に

放射性同位元素をもつ化合物を含む。

(

4

)  室内排気のときは,くん蒸後に排気できるような工夫をする。ダクトを通して室外排気をする

ときには,逆流がないようにする。製造業者は,逆流を防ぐための適切な方法を指示する。

備考 1.  正圧汚染プリナムが負圧プリナムに囲まれていない形のクラス II キャビネット(図 の A

表 2,表 参照)は,プリナムの密閉が破れると,汚染エアロゾルが積極的に作業室に放出

されるため好ましくない。

2.

図 の Bモデルは,気流の設定によってタイプ A,B のいずれかの仕様で使い分けるこ

とができる。

b)

クラス II タイプ B キャビネットは,HEPA フィルタに捕集されないガス状又は揮発性の有害物質(

3

)を

少量取り扱うためのクラス II キャビネットで,

前面開口部からの流入空気量が多く,

循環気率が低い。

クラス II タイプ B キャビネットは,その構造上タイプ B1,B2,B3 の 3 種類に分類する(

図 3,表 2

表 参照)。クラス II タイプ B キャビネットは,HEPA フィルタで捕集できないガス状又は揮発性の

有害物質(

3

)の取扱いを目的とするため,必ずダクトを接続し,室外に排気する。


50

K 3800

:2009

表 2  クラス II キャビネットのタイプ Aの比較

項目

タイプ A

タイプ B

使用目的

生物材料及び少量の不揮発性有害物質(

3

)の取

扱い。揮発性物質・ガスに不適

生物材料及び少量の有害物質(

3

)の取扱い

排気

室内排気又はダクトを接続した室外排気(

5

)

ダクトを接続した室外排気だけ

a)

ない

図 の D

a)

ない

図 の EFD

b)

負圧プリナムに囲ま
れる 

図 の BC

b)

負 圧 プ リ ナ ム に 囲
まれる 

図 の BC

正 圧 汚 染 プ リ
ナム

c)

外壁に接する 

図 の A

循環気率 50∼70 %

図 の AD

タイプ B1: 30

%

タイプ B2: 0

%

タイプ B3:50∼70 %

図 の E

図 の F

図 の BD

前面パネル

開放固定形又は垂直可動形(

6

)

前面開口部

特に指定しない(

7

)

前 面 開 口 部 平
均流入風速(

8

)

0.40 m/s 以上で,かつ,選定風速値(

9

)の±0.025

m/s 以内

0.50 m/s 以上で,かつ,選定風速値(

9

)の±0.025

m/s 以内

作 業 空 間 へ の
吹出し風速(

8

)

a)

選定風速値(

9

)の±0.025 m/s 以内

b)

各点(全測定点又は各領域内の測定点)(

9

)の測定値が平均値の±20 %以内

間口 1 m 当た
り の 平 均 排 気
風量(

8

)

0.070 m

3

/s 以上 0.100

m

3

/s 以上

注(

5

)  室内排気とした場合,HEPA フィルタに捕集されない物質は,作業環境にでてくるので十分注意する。また,

HEPA フィルタの維持・管理に注意する。

(

6

)  前面パネルは,上からちょうつがい(蝶番)でつるものと,上下にスライドするものがあるが,これ自体

はタイプ A,タイプ B の分類には関係しない。

(

7

)  前面開口部の高さは,200∼250 mm のものが多い。

(

8

)  平均流入風速,吹出し風速及び間口 1 m 当たりの平均排気風量の算出方法については,8.4 を参照。

(

9

)  形式検査に適合する前の形式検査機種については,設定風速値とする。

表 3  クラス II キャビネットの種類及び特徴

種類

呼び名

図 3

循環気率(

10

)

送風機の位置

プリナム

古典形

A 50

∼70 %

押込み・汚染区域

正圧で外壁に接する

改良形

B

C

50∼70 %

押込み・汚染区域

正圧だが周囲は負圧

タイプ A

負圧形

D 50

∼70 %

吸込み・清浄区域

すべて負圧

タイプ B1 NCI 形

E

30

% 吸込み・清浄区域

すべて負圧

タイプ B2

全排気形  F

0

% 吸込み・清浄区域

すべて負圧

改良形

B

C

50∼70 %

押込み・汚染区域

正圧だが周囲は負圧

タイプ B3

負圧形

D 50

∼70 %

吸込み・清浄区域

すべて負圧

注(

10

)  循環気率は概略値で,形式によって異なる。

備考  循環気率は低くなるほど,HEPA フィルタに捕集されない物質の希釈が速やかになる

が,空調に対する負荷も増大する。


51

K 3800

:2009

図 3  クラス II キャビネットの構造及び特徴の例

5.

性能

5.1

密閉度  8.1 の試験によって,a)∼d)のいずれかによる。

a)  8.1.1

の正圧維持法によって,30 分後の内圧低下が 10 %以内。

b)  8.1.2

の石けん法によって,漏れによる石けんの発泡を認めない。

c)

8.1.3

のハロゲンガス法によって,漏れ量が 1×10

5

 cm

3

/s 以下。

d)

負圧プリナムに囲まれていない正圧汚染プリナムをもつクラス II キャビネット(

図 の 参照)は,


52

K 3800

:2009

8.1.3

によるハロゲンガス法によって,漏れ量が 5×10

7

 cm

3

/s 以下とする。

5.2

HEPA

フィルタの透過率  8.2 の試験によって,HEPA フィルタの最大透過率は 0.01 %以下でなけれ

ばならない。

5.3

送風機の性能  8.12 の試験によって,20 %の静圧上昇による送風処理風量の低下は,回転制御せず

に 25 %以内でなければならない。

5.4

気流バランス  8.3 の作業者の安全性試験,試料保護試験及び試料間の相互汚染防止試験(

11

)によって,

クラス II キャビネット内で発生したエアロゾルはクラス II キャビネット外に漏出してはならない,外部の

汚染物は作業空間に流入してはならない,同時に作業空間内の相互汚染があってはならない。

注(

11

)  形式検査済機種として同等に製作されたクラス II キャビネットの受渡検査では,平均吹出し風

速及び平均流入風速が,8.4 の風速試験で 5.5 に適合すれば,8.3 の気流バランス試験で 5.4 に適

合したものとみなす。

5.4.1

作業者の安全性  8.3.2 b)及び 8.3.2 i)の条件下に 8.3.2 の試験を行い,次の各項について連続 5 回適

合しなければならない。

a) 6

台のインピンジャの捕集液から得られるコロニ数の合計が 10 個以下。

b)

試験開始後 30 分間に捕集するスリットサンプラのコロニ数の合計は,試験ごとに 5 個以下。

c)

陽性対照平板のコロニ数は,300 個以上。

5.4.2

試料保護  8.3.3 b)及び 8.3.3 h)の条件下に 8.3.3 の試験を行い,次の各項について連続 3 回適合しな

ければならない。

a)

寒天平板に捕集されるコロニ数の合計は,試験ごとに 5 個以下。

b)

陽性対照平板のコロニ数は,300 個以上。

5.4.3

試料間の相互汚染防止  8.3.4 の試験を行い,次の各項について左右それぞれ連続 3 回適合しなけ

ればならない。

側面から平板の中心が 360 mm 以上離れた位置の寒天平板に捕集されるコロニ数の合計は,試験ごとに

2 個以下。

5.5

風速

5.5.1

吹出し風速  8.4.2 の試験によって行い,次による。

a)

吹出し風速が一定になるよう設計されたクラス II キャビネットでは,各点の測定値が平均吹出し風速

の±20 %以内。平均吹出し風速は選定風速値(

9

)の±0.025 m/s 以内。

b)

前面開口部から後壁に向かって吹出し風速にこう配ができるように設計されたクラス II キャビネット

では各領域内の各点の測定値は各領域の平均吹出し風速の±20 %以内。各領域の平均吹出し風速は選

定風速値(

9

)の±0.025 m/s 以内。

5.5.2

流入風速  8.4.3 の試験によって行い,次による。

a)

全面開口部からの平均流入風速は,クラス II タイプ A キャビネットでは 0.40 m/s 以上,クラス II タイ

プ B キャビネットでは 0.50 m/s 以上。

b)

平均流入風速が選定風速値(

9

)の±0.025 m/s 以内。

5.5.3

間口当たり平均排気風量  8.4.4 の間口 1 m 当たりの平均排気風量は,クラス II タイプ A キャビネ

ットでは 0.070 m

3

/s 以上,クラス II タイプ B キャビネットでは 0.100 m

3

/s 以上とする。

5.6

気流方向  気流方向は,次による。

a)  8.5 a)

の試験によって,煙は滑らかに下に流れなければならない。煙の流れない部位又は上向きに流れ

る部位があってはならない。


53

K 3800

:2009

b)  8.5 b)

の試験によって,煙は滑らかに下に流れなければならない。煙の流れない部位又は上向きに流れ

る部位があってはならない。煙がクラス II キャビネットから漏出してはならない。

c)

8.5 c)

の試験によって,一度クラス II キャビネット内に入った煙はクラス II キャビネットから漏出し

てはならない。また,作業空間に漏入してはならない。

d)  8.5 d)

の試験によって,クラス II キャビネット外に煙が漏出してはならない。また,吹出し流に乱れ

を生じるような内向きの流入気流があってはならない。

5.7

温度上昇  8.6 の試験によって,室温とクラス II キャビネット内部の温度差は 4 時間連続運転後 8.5 

以内とする。

5.8

騒音  8.7 の試験によって,騒音レベルは 67 dB (A)  以下とする。

5.9

照度  8.8 の試験によって,平均照度は 750∼1 600 lx とする。ただし,使用者との事前協議がある場

合にはこの限りではない。

5.10

振動  8.9 の試験によって,作業台の 3 方向  (XYZ)  に対する振動変位は 5

μmRMS 以下とする。

参考  RMS (root mean square)  は,振動正弦波の面積平均値で,

RMS 値=0.707×PEAK 値

ここに, PEAK 値は,正弦波の高さ(片側)

として計算される。

5.11

安定度・強度

5.11.1

転倒及び傾き  8.10.1 及び 8.10.4 の試験によって,後部の脚部の床からのもち上がりは 1.6 mm 以

下とする。

5.11.2

ねじれ  8.10.2 の試験によって,前面上端の前方向及び横方向の変位は,1.6 mm 以下とする。

5.11.3

作業台のひずみ  8.10.3 の試験によって,作業台に恒久的ひずみが残らないこととする。

5.12

シンクの容量と漏水量  シンクの容量は 4 L 以上とする。8.11 の試験によって,1 時間放置後,目視

で確認できる漏水がないこととする。

5.13

漏れ電流・保護接地回路の抵抗  漏れ電流は 250

μA 以下,保護接地回路の抵抗は,0.15 Ω 以下とす

る。

6.

構造

6.1

清掃と除染に対する考慮  液体又はその飛まつなどによって汚染する可能性がある表面は,工具を

用いずに清掃できるものとする。ホルムアルデヒド除染(

附属書 5B 参照)が本体を移動せずに可能なも

のとする。前面開口部・排気口などは,金属板,プラスチックシート,粘着テープなどで密閉できる構造

とする。

6.2

作業台及び作業空間の隅部  平面が 110°未満の交差角でできる作業台及び作業空間の隅部は,丸み

をつけ,平滑で凹凸がないものとする。内側半径は,2 平面のなす隅部では 3 mm 以上,3 平面のなす隅部

では 6 mm 以上とする(

図 参照)。また,可能な限り一枚板で加工し,ほこりが蓄積しにくい構造とする。


54

K 3800

:2009

単位  mm

図 4  作業台及び作業空間の隅部

6.3

溶接  溶接部は,平滑とする。

6.4

ねじの使用方法  作業台及び内部作業面に突き出るねじを用いてはならない。

備考  作業者の腕及び手,器具に突出したねじがあたると作業の危険性が増大する。

6.5

送風機  送風機は,次による。

a)

検査機種のクラス II キャビネットには,送風機の静圧を測定するための測定口を設ける。吐出し側の

測定口は,HEPA フィルタの上流側に配置する(

図 参照)。吸込み側の測定口は,送風機の吸込み口

の中心,吸込み口半径分外側に配置する(

図 参照)。送風機の吸込み口が複数ある場合,幾つかの測

定口を連結してもよい。測定値に動圧の影響がないよう,測定口の配置に注意する。

図 5  吐出し側測定口の位置

図 6  吸込み側測定口の位置

b)

給気と排気に別の送風機を使用する場合は,インタロックし,いずれかの送風機が止まったときは警

報が鳴り,給気送風機が止まったときにも排気送風機は運転し続けるよう設置する。排気送風機が遠

隔地にある場合は,停止時に警報が鳴るよう設置する。

c)

速度調節器を設置する場合は,選定風速値(

9

)に固定できるものとする。また,速度調節器はクラス II

キャビネットの外部表面に出さず,

“さわるな!”などの表示をする。

6.6

電気部品及び配線  電気部品及びその配線は,次による。

a)

送風機及び機能上必要な配線以外は,汚染プリナムに設置してはならない。

b)

汚染プリナムとそれ以外を結ぶ配線用貫通部は,シールする。

c)

すべてのコンセント回路は,送風機の回路と独立させて,ヒューズ又は回路遮断器を備えなければな

らない。また,作業空間に設置するコンセントは防滴形とする。

d)

照明灯,ソケット,スイッチ及び安定器は,汚染プリナム外に設置し,容易に保守点検できるものと

する。また,照明灯は,作業者の目に直接照射したり,反射しない位置に設置する。

e)

照明灯と殺菌灯を用いる場合は,同時に,点灯しない電気回路を用いる。


55

K 3800

:2009

6.7

HEPA

フィルタのモニタ  HEPA フィルタの圧力損失を表示する差圧計を設置することが望ましい。

6.8

前面パネル  上下にスライドするタイプでは,指定された前面開口部の高さ位置に固定する器具又

は警報装置を備えなければならない。

6.9

シンク  シンクは容易に清掃が行える構造でなければならない。排水口は 8.1.1 の正圧維持試験を行

うために密閉できる構造とし,ホースなどを連結できるものとする。

備考  排水バルブには,密閉バルブを備えることが望ましい。

6.10

ガス,真空配管などのコック  ガス,真空配管などのコックを取り付ける場合には,コックを内部

作業面側面の中央から後方に配置し,その先端のパイプはホースなどに連結できなければならない。

6.11

エアロゾル測定口  HEPA フィルタの上流側にエアロゾル測定口を設置しなければならない。エアロ

ゾル測定口の開口部には“汚染の可能性あり,開放前に除染すること”などの表示をしなければならない。

測定部位は送風機の吹出し側が望ましいが,漏れに十分注意しなければならない。

6.12

据付け  清しき(拭)が容易なように,据付けは次のいずれかによる。

a)

床とクラス II キャビネットの最下面の間隔は 80 mm 以上。

b)  a)

の間隔が 80 mm 未満の場合には,床又は台に密着シールを施す。

7.

材料

7.1

基本事項  使用する材料は,難燃性,ガスや消毒薬への耐腐食性,耐摩耗性及び耐湿性をもつもの

とする。清掃・管理・維持に際し必要な部位に,バリや鋭利な突出部があってはならない。

7.2

内部作業面  内部作業面に使用する材料は,JIS G 4304 又は JIS G 4305 に規定する 300 番台のステ

ンレス鋼又はこれと同等以上の性能をもつものとし,表面は平滑なものとする。

7.3

外部表面  外部表面に使用する材料は,耐摩耗性・耐腐食性にすぐれたもので,ひび割れを起こし

にくく,安定したもの。表面は平滑なものとする。

7.4

前面パネル  前面パネルに使用する材料は,透明・不燃性,破損しにくく,かつ,消毒・除染によ

って変質しないものとする。

なお,ガラスを使用する場合は,合わせガラス又は強化ガラスとし,厚さは 5 mm 以上とする。

7.5

HEPA

フィルタのセパレータ  セパレータ付 HEPA フィルタのセパレータは不燃性とする。

7.6

ガスケット及びシール材  ガスケット及びシール材は,8.1 の密閉度試験に影響を与えるガスを発生

しないものとする。また,使用材料は非硬化性のものとし,ガス,液体などによって変質しにくいもの。

ガスケット及びシール材は構造強度と独立でなければならない。

7.7

消音材  消音材料は非硬化性で,多孔質でないものとし,汚染プリナムには使用してはならない。

8.

試験方法

8.1

密閉度試験  密閉度試験は,正圧維持法,石けん法又はハロゲンガス法のいずれかとする。ただし,

負圧プリナムに囲まれていない正圧汚染プリナムをもつクラス II キャビネット(

図 の 参照)に対して

は,ハロゲンガス法で試験する。

8.1.1

正圧維持法  クラス II キャビネットの前面開口部と排気口を密閉し,圧縮空気を用いてクラス II

キャビネット内を 500 Pa に加圧し,圧縮空気導入バルブを閉鎖する。30 分後の圧力減少を測定する。

なお,温度変化による圧力変化に注意して試験する。


56

K 3800

:2009

8.1.2

石けん法  クラス II キャビネットの前面開口部と排気口を密閉し,圧縮空気を用いてクラス II キ

ャビネット内を 500 Pa に加圧した状態を維持する。石けん水又は市販の発泡漏れ検出剤をクラス II キャビ

ネットのすべての溶接部,貫通部などに塗布又は噴霧し,発泡の有無を確認する。

備考  石けん水としては中性洗剤を 10 倍希釈して用いるとよい。

8.1.3

ハロゲンガス法  ハロゲンガス法は,次による。

なお,ここで用いるハロゲンガスは,JIS K 1560 に規定する 1, 1, 1, 2-テトラフルオロエタン (HFC-134a)

とする。

a)

ハロゲンガス検出器は,自動ゼロ補正回路を内蔵したものを使用する。検出器の感度は,負圧プリナ

ムに囲まれない正圧汚染プリナムをもつクラス II キャビネットに対しては 1×10

7

cm

3

/s,それ以外の

クラス II キャビネットに対しては 1×10

5

cm

3

/s とする。

b)

試験室内は禁煙とし,ハロゲンガスを排除する。室内の空気の動きを最小限にする。

c)

測定は,密閉したクラス II キャビネット内にハロゲンガスを導入し,500 Pa に加圧した後,ガス導入

バルブを閉める。ハロゲンガス検出器の検出管の先端を,クラス II キャビネット表面のすべての溶接

部,接合部,貫通部などから 5∼15 mm の位置に保って,25 mm/s 以下の速さで走査し,漏れ量を確

認する。

d)

負圧プリナムに囲まれない正圧汚染プリナムをもつクラス II キャビネットでは,正圧プリナムに対し

てハロゲンガス法を適用すれば,クラス II キャビネット全体に対しては他のクラス II キャビネットと

同様に試験してもよい。

8.2

HEPA

フィルタの透過率

8.2.1

エアロゾル負荷  HEPA フィルタ上流側に粒子中位径約 0.3

μm のエアロゾルを時間的にも位置的

にも均一に負荷する。負荷するエアロゾル濃度は,下流側の濃度測定に十分な量とする。

a)

エアロゾルは多分散 DOP 粒子とし,フタル酸ジオクチル (DOP) を用いて調製する。同等のエアロゾ

ルを発生する di (2-ethylhexyl) sebecate, polyethyleneglycol,鉱物油などを用いてもよい。

参考  鉱物油としては,次の性質をもっているもの。

a)

比重:15  ℃において 0.869 kg/L

b)

融点:25  ℃

c)

発火点(密閉時)

:144  ℃

d)

粘度:40  ℃において 14.3 cSt;100  ℃において 3.10 cSt

e)

非硫黄化残基:99 %

b)

エアロゾル負荷には,ラスキンノズル(

図 参照)を備えた多分散 DOP (dioctyl phthalate)  エアロゾル

発生器(

図 参照)を使用し,圧力 140 kPa の圧縮空気で運転する。ラスキンノズルの先端は,液面

の下 25 mm 以内とする。この発生器は,多分散 DOP エアロゾル(質量中位径約 0.5

μm,粒子数中位

径約 0.3

μm)を発生する。

備考  総風量 0.064 m

3

/s (3.8 m

3

/min, 230 m

3

/h)  に対しておよそ 1 本のラスキンノズルが必要である。

8.2.2

エアロゾル相対濃度計  相対濃度計は,次による。

a)

線形目盛又は対数目盛の表示があるものとする。

b)

吸引量 28.3 L/min 以上で,多分散 DOP 粒子 1×10

3

μg/L 以下の検出感度をもち,最大 80∼120  μg/L

の濃度を測定できるものとする。

c)

検出管吸引口の直径は,25 mm 以下とする。

8.2.3

測定方法  HEPA フィルタ透過率の測定方法は,次による。


57

K 3800

:2009

a)

クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)の±0.025 m/s 以内で運転する。

b) HEPA

フィルタの上流側にエアロゾルを供給する。

c)

エアロゾル測定口を通して HEPA フィルタ上流側のエアロゾル濃度を測定する。線形目盛の相対濃度

計では,100 %になるよう調整する。対数目盛の相対濃度計では,取扱説明書の校正曲線を用い,HEPA

フィルタ上流側のエアロゾル濃度を 1 目盛の読みを与えるのに必要な濃度の 10

4

倍以上に調整する。

単位  mm

単位  mm

図 7  ラスキンノズル

図 8  多分散 DOP エアロゾル発生器

図 9  HEPA フィルタの走査方法

d) HEPA

フィルタ下流側のろ材全面,フィルタの継目及びフィルタの枠について,検出管の走査域が重


58

K 3800

:2009

なり合うように走査(

図 参照)し,エアロゾル濃度を測定する。検出管の吸引口は,フィルタ表面

から 25 mm 以内に保ち,走査の移動速度は 5 cm/s 以下とする。

e)

線形目盛のエアロゾル相対濃度計を用いた場合,HEPA フィルタの透過率は,直読できる。線形目盛

のエアロゾル相対濃度計を用いた場合,HEPA フィルタの透過率は,次の式によって算出する。

100

u

d

×

=

C

C

P

ここに,  C

d

:  下流側 DOP 濃度  (

μg/L)

C

u

:  上流側 DOP 濃度  (

μg/L)

P

: HEPA フィルタの透過率 (%)

8.3

気流バランス試験  気流バランス試験は,作業者の安全性試験,試料保護試験及び試料間の相互汚

染防止試験を行う。

8.3.1

試薬及び器具  試薬及び器具は,次による。

a)

細菌  細菌は,枯草菌  (Bacillus subtilis var. niger ; B. subtils)  の芽胞を用いる。調製法及び定量法は,

附属書 5A による。

b)

水  JIS K 0557 に規定する化学分析用の水 A2 又は A3 を用いる。

c)

希釈液  希釈液は,b)の水を e)の高圧蒸気滅菌器で,20 分間滅菌したものを用いる。

d)

培地  培地はトリプトソイ寒天培地若しくはトリプトソイ液体培地又は枯草菌の増殖がこれと同等以

上の培地を用いる。

参考  トリプトソイ寒天培地には BBL 社 Trypticase Soy Agar などがある。製品によって得られるコロ

ニ数が非常に異なるので注意。

e)

高圧蒸気滅菌器  JIS T 7322 又は JIS T 7324 に規定するもので,121  ℃に加熱でき,196 kPa の器内圧

力で使用できるもの。

f)

滅菌ペトリ皿  直径 90∼100 mm と 150 mm の 2 種類の滅菌ペトリ皿を用いる。

g)

寒天平板  寒天平板は,d)培地と f)滅菌ペトリ皿で調製したものを用いる。

h)

インピンジャ  インピンジャ(図 10 参照)は滅菌し,希釈液 20 mL を入れ,吸引流量 12.5 L/min で

用いる。


59

K 3800

:2009

単位  mm

図 10  インピンジャの一例


60

K 3800

:2009

単位  mm

図 11  コリソン 6-jet ネブライザ

i)

スリットサンプラ  スリットサンプラは,吸引流量 28.3 L/min で,30 分間に 1 回転するものを用いる。

j)

ネブライザ  ネブライザは,コリソン 6-jet ネブライザ(図 11 参照)を使用する。噴霧量が 0.2±0.02

mL/min となる圧力で作動させる(通常は,約 140 kPa)。水滴を噴出するのは適当でない。

作業者の安全性試験,試料保護試験には,吹出し風速 0.8∼1.0 m/s(吹出し口内径 14 mm が相当)

のネブライザを使用する。試料間相互汚染防止試験には,作業台と作業空間側面がふさがっているク

ラス II キャビネットでは吹出し風速 0.8∼1.0 m/s,作業台と作業空間側面がふさがっていないクラス

II キャビネットでは吹出し風速 1.6∼2.0 m/s(吹出し口内径 12 mm が相当)のネブライザを使用する。

米国規格 National Sanitation Foundation Standard No.49 及びヨーロッパ規格 European Standard No. 

prEN 12469

に規定されている次の特性をもったネブライザの使用も可とする(

12

)(

13

)(

14

)。

1)

Bacillus subtilis var. niger

芽胞を 5 分間に 1∼8×10

8

個噴霧する。

2)

単離した芽胞を 94±6 %噴霧する。

3)

芽胞の噴霧風速が 0.50±0.05 m/s である。

注(

12

)  First et al.の試験によれば,ステンレス鋼性の 6-jet コリソンネブライザは,次の条件を満たすと

き 8.3.1 j)の条件を満足する芽胞を噴霧する。


61

K 3800

:2009

1)

ネブライザの瓶の直径は 5 cm,吹出し口の高さは 9 cm,吹出し口の内径は 23 mm とす

る。

2) 140

kPa の圧力で使用する。

3)

ネブライザ瓶の中に 55 mL の芽胞浮遊液を入れる。

4) 6-jet

噴霧ユニットの底面は,瓶の底から 1.8 cm の高さとする。

5)

ガラス瓶の内面にジェットによって作り出される輪が 6 個できる。ジェットがつまって

いないことを確認するため,輪の大きさと輪郭を頻繁に観察する必要がある。

注(

13

) 6-jet コリソンネブライザは,使用の度に再検査の必要はない。

(

14

)  ネブライザの吹出し風速の代替測定法は,次のとおりである。

ネブライザを空で動作させる。風速計で吹出し口中心部の風速を測定する。中心部風速は,

摩擦抵抗によって辺縁部風速より速い。平均吹出し風速は,次の式で計算する。

Q

b

π (Rr)

2

v

×0.06

ここに,  Q

b

:  ネブライザが吹出す風量 (L/min)

R

:  ネブライザ吹出し口の内部半径 (mm)

r

:  摩擦抵抗による内部半径の補正(1.1 mm を代入) (mm)

v

:  吹出し口中央で測定したネブライザの噴出風速 (m/s)

k)

試験用円筒  作業者の腕のモデルとなる試験用円筒は,直径 60∼70 mm の端をとじたステンレス鋼又

はアルミ製とする。円筒の長手方向の一端を作業空間背面に接しておいたとき,他端は本体前面から

150 mm 以上外へでる長さがなければならない。

8.3.2

作業者の安全性試験  作業者の安全性試験は,次による。

a)

試験用円筒の設置  試験用円筒は,作業空間両側面の中央,作業台面から 65±5 mm 上方で,一端は

作業空間背面に付け,

他端はクラス II キャビネット本体前面から 150 mm 以上でるように設置する

12

参照)

b)

クラス II キャビネットの運転条件  クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)で運転する。

c)

ネブライザの設置  ネブライザに適切量(約 20 mL)の枯草菌芽胞液 (5∼8×10

8

 cfu/mL) (

15

)を入れ,

作業空間に設置する。吹出し口の位置は,作業空間両側面の中央,前面開口部上端の高さで,前面パ

ネルの 100±10 mm 内側とする。

噴霧方向は作業台に平行,

前面パネル下端に対向させる

図 12 参照)。

注(

15

) cfu はコロニ形成単位を表し,colony forming unit の略である。

単位  mm


62

K 3800

:2009

図 12  作業者の安全性試験

d)

インピンジャとスリットサンプラの設置  各インピンジャの吸引口は,前面パネルから 50±5 mm 外

側に置く。2 台は試験用円筒上端と同じ高さで,試験用円筒の中心から 150±10 mm 両側に振り分け

て置く。他の 2 台は試験用円筒下端から 25±5 mm 下の高さで,50±5 mm 振り分けて置く(

図 12 

照)

。他の 2 台は,作業台の上 360 mm の高さで,300±10 mm 振り分けて置く。

2 台のスリットサンプラは,吸引口の中心をクラス II キャビネットの中央から 400±10 mm(作業空

間間口が 900 mm 以下のクラス II キャビネットでは作業空間側面から 50±5 mm)の位置で,左右対

照に置く。

各スリットサンプラの吸引口の中心はクラス II キャビネットの前端から 150±10 mm 手前,

作業台と同一水平面上  (±10 mm)  に置く(

図 12 参照)。

e)

陽性対照寒天平板の設置  陽性対照用として,1 枚の寒天平板を試験用円筒の真下,作業空間前吸気

グリルの上に置く。吸気を妨げないため,適切な高さの支持具を用いる(

図 12 参照)。

f)

噴霧及び捕集  試験の時間経過と手順は,表 による。

ネブライザは,噴霧量が 0.2±0.02 mL/min となる圧力で作動させる。


63

K 3800

:2009

表 4  時間経過及び手順

経過時間(分)

操作手順

0.0

スリットサンプラ始動

5.0

ネブライザ始動

6.0

インピンジャ始動

11.0

インピンジャ終了

11.5

ネブライザ終了

30.0

スリットサンプラ終了

g)

培養  4 台のインピンジャの内容液を孔径 0.22

μm 又は孔径 0.45 μm のメンブレンフィルタでろ過し,

フィルタを寒天平板上に気泡ができないように置く。フィルタを載せた寒天平板,スリットサンプラ

の寒天平板,陽性対照寒天平板を 37±1  ℃で 24∼28 時間培養し,コロニ数を計数する。培養が陰性

の場合,更に 24 時間培養する。

h)

検査は,5 回行う。

i)

次の 2 条件下で上記の検査を繰り返す。

1)

流入風速を選定風速値(

9

)の−0.05±0.01 m/s,吹出し風速を選定風速値(

9

)の+0.05±0.01 m/s にセッ

トする。

2)

流入風速,吹出し風速をともに選定風速値(

9

)の−0.05±0.01 m/s にセットする。

単位  mm

図 13  試料保護試験

8.3.3

試料保護試験  試料保護試験は,次による。

a)

試験用円筒の設置  試験用円筒を 8.3.2 a)によって設置する。

b)

クラス II キャビネットの運転条件  クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)で運転する。

c)

寒天平板の設置  寒天平板は,作業空間両側面の中央から,左右方向に 350 mm 以上作業台に敷きつ

める(

図 13 参照)。陽性対照平板は,8.3.2 e)による。


64

K 3800

:2009

d)

ネブライザの設置  ネブライザに適切量(約 20 mL)の枯草菌芽胞液 (5∼8×10

6

 cfu/mL) を入れる。

ネブライザの吹出し口は作業空間両側面の中央,前面パネルの下端の高さで,前面パネルの 100±10

mm 外側に置く。噴霧方向は作業台と平行に,前面パネル下端に対向させる(図 13 参照)。

e)

噴霧方法  ネブライザを噴霧量が 0.2±0.02 mL/min となる圧力で 5 分間作動させ,噴霧終了後クラス

II キャビネットを 5 分間運転する。

f)

培養  寒天平板,陽性対照寒天平板を 37±1  ℃で 24∼28 時間培養し,コロニ数を計数する。培養が

陰性の場合,更に 24 時間培養する。

g)

検査は,3 回繰り返す。

h)

次の条件下で検査を繰り返す。流入風速を選定風速値(

9

)の+0.05±0.01 m/s,吹出し風速を選定風速値

(

9

)の−0.05±0.01 m/s にセットする。

単位  mm

図 14  試料間の相互汚染防止試験

8.3.4

試料間の相互汚染防止試験  試料間の相互汚染防止試験は,次による。

a)

クラス II キャビネットの運転条件  クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)で運転する。

b)

寒天平板の設置  寒天平板を作業台上に並べる。最左(右)端の寒天平板の中心は作業空間左(右)

側面から 360 mm の位置とし,その右(左)側に更に 2 列(場所がなければ,1 列)の寒天平板を敷

き詰める(

図 14 参照)。陽性対照平板として,ネブライザの吹出し口直下とその右(左)側に 2 枚の

寒天平板を置く。

c)

ネブライザの設置  ネブライザに適切量(約 20 mL)の枯草菌芽胞液 (5∼8×10

4

 cfu/mL) を入れる。

ネブライザの吹出し口は作業空間左(右)側面から 100±10 mm,作業台の 100±20 mm 上で,かつ,

吹出し流の前後吸込み口への振り分け位置に置く。噴霧方向は相対する作業空間右(左)側面に対向

させる(

図 14 参照)。

d)

噴霧方法  ネブライザを噴霧量が 0.2±0.02 mL/min となる圧力で 5 分間作動させ,噴霧終了後クラス

II キャビネットを 5 分間運転する。

e)

培養  8.3.3 f)による。


65

K 3800

:2009

8.4

風速試験  風速試験は,次による。

8.4.1

風速計  風速計は,JIS T 8202 に規定する一般用風速計,又はそれ以上の精度をもつ測定器で指示

値の±0.01 m/s 又は±3 %の指示精度をもつもの。

8.4.2

吹出し風速試験  吹出し風速試験は,次による。

a)

クラス II キャビネットの運転条件  クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)で運転する。

単位  mm

図 15  吹出し風速試験

b)

風速計によって,前面パネル下端の高さにおける作業空間の吹出し風速を測定する。前面窓パネル及

び壁面から 150 mm を除く区域について,150 mm 以内の等分割格子の各交点で測定する(

図 15 参照)

(

16

)。間口が 1.1 m 以下のクラス II キャビネットについては壁面からの測定除外区域を 100 mm,格子

分割を 100 mm 以内とする。更に,間口が 0.76 m 未満のクラス II キャビネットについては,それぞれ

100 mm,75 mm とする。

注(

16

)  測定条件によって風速値は変動するので,安定した時期の標準値を風速値とするよう努める。

c)

前面開口部から後壁に向かって吹出し風速にこう配ができるように設計したクラス II キャビネットに

ついては,製造業者は吹出し風速が均一になるよう設計した領域を前面からの距離を取扱説明書で指

定する。指定した各領域の平均吹出し風速を測定する(

16

)。各領域とも特に指定しない限り,測定除外

範囲及び格子分割は b)に従う。

d)

各測定値の平均を平均吹出し風速(単位 m/s)とする。

8.4.3

流入風速試験  流入風速試験は,次による。

a)

クラス II キャビネットの運転条件  クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)で運転する。

b)

クラス II キャビネットの分類及び排気の方式によって,次のいずれかで試験する。

1)

流入風量と排気風量が等しいクラス II キャビネット(

17

)を単体で試験する場合(クラス II キャビネ

ット単体)は,c)によって試験する。開放方式によるダクト接続によって,排気を室外に放出する


66

K 3800

:2009

場合については,接続部分のダクトを外して単体とし,c)によって試験する。式(1)によって排気風

量を算出し,次に式(2)によって流入風速を算出する。ただし,条件から Q

e

Q

i

である。

注(

17

)  図 の Aに相当する。

Q

e

S

e

×V

e

 (1)

ここに,  Q

e

:  排気風量 (m

3

/s)

S

e

:  排気口面積又はダクト断面積 (m

2

)

V

e

:  平均排気風速 (m/s)

f

i

i

S

Q

V

=

 (2)

ここに,  Q

i

:  流入風量 (m

3

/s)

V

i

:  流入風速 (m/s)

S

f

:  前面開口面積 (m

2

)

2)

流入風量と排気風量が等しいクラス II キャビネット(

17

)を密閉式接続方法のダクトに接続し,室外に

排気する場合(室外排気クラス II キャビネット)は,d)によって試験する。式(1)によって排気風量

を算出し,次に式(2)によって流入風速を算出する。ただし,条件から Q

e

Q

i

である。

3)

流入風量と排気風量が等しいクラス II キャビネット(

17

)で排気口の形状又は設置条件が特殊なため

排気風速の測定が困難な場合は,他の適切な方法によって試験することができる。この場合には,

取扱説明書に,当該代替流入風量測定方法及び d)の方法で測定したときの換算曲線を附属させる。

この換算曲線を用いて,代替法による平均流入風速から流入風量を算出する。

e)

に代替法の一例を示す。

4)

流入風量と排気風量が異なるクラス II キャビネット(

18

)の場合(全排気形クラス II キャビネット)

は,d)によって排気風量,f)によって吹出し風量の試験を行い,式(3)によって流入風量を算出する。

注(

18

)  図 の に相当する。

Q

i

Q

e

Q

s

 (3)

ここに,

Q

i

:  流入風量 (m

3

/s)

Q

e

:  排気風量 (m

3

/s)

Q

s

:  吹出し風量 (m

3

/s)

単位  mm


67

K 3800

:2009

単位  mm

図 16  流入風速試験(排気風量から計算)

c)

クラス II キャビネット単体の試験方法  排気口からの高さ 100 mm の面で,排気口周囲から 100 mm

を除いた区域について,100 mm 以内の等分割格子の各交点の風速を測定する(

図 16 参照)。この平

均値を平均排気風速 V

e

(単位 m/s)とする。

d)

室外排気クラス II キャビネットの試験方法  密閉接続方式のダクトにつないだクラス II キャビネット

では,ダクト断面の形状によって次のいずれかの方法でダクト内排気風速を測定し,その平均値を平

均排気風速 V

e

(単位 m/s)とする。

1)

排気ダクトの断面が円形の場合  フィルタ,エルボ,断面の変更など,気流の障害部位からダクト

直径の 5 倍以上下流の位置で,互いに 90°をなす角度位置に測定口を二つあける。風速計の検出管

を測定口に入れ,風速を測定する(

図 17 参照)。

2)

排気ダクトの断面が角形の場合  フィルタ,エルボ,断面の変更など,気流の障害部位からダクト

直径の 5 倍以上下流の位置で,長辺を 4∼6 等分し,それぞれの中央の位置に測定口をあける。風速

計の検出管を測定口に入れ,風速を測定する(

図 18 参照)。

e)

代替法の一例  排気ファンとクラス II キャビネットのファンを運転する。前面開口部の高さ(図 19

の h)の上及び下から 1/4 の位置で,作業空間両側面から 150 mm を除いた部分について,150 mm 以

内の等分割で流入風速を風速計で測定し,その平均値を代替法による平均流入風速 V

i

(単位 m/s)と

する(

図 19 参照)。このとき部屋の気流の影響を受けないよう配慮する。


68

K 3800

:2009

図 17  円形断面ダクトの風速測定箇所

図 18  角形断面ダクトの風速測定箇所

単位  mm

図 19  流入風速の測定箇所(簡便法)

f)

吹出し風量の試験法  吹出し整流板の下 150 mm の高さで,壁面から 50 mm を除いた区域について,

100 mm 以内の等分割格子の交点について吹出し風速を測定し,その平均値を平均吹出し風速 V

s

(単

位 m/s)とする。次の式によって吹出し風量を算出する。

Q

s

V

s

×S

s

 (4)

ここに,  Q

s

:  吹出し風量 (m

3

/s)

V

s

:  平均吹出し風速 (m/s)

S

s

:  測定高さの断面積 (m

2

)

8.4.4

間口 1 m 当たりの平均排気風量  8.4.3 で求めた排気風量  (Q

e

)  と間口  (W)  から,次の式によって

間口 1 m 当たりの平均排気風量を算出する。

W

Q

Q

e

w

=

 (5)

ここに,

Q

w

間口 1 m 当たりの平均排気風量 (m

3

/s)

Q

e

排気風量 (m

3

/s)

W

1

間口 1 m に対する比

8.5

気流方向試験  気流方向試験は,気流追跡用発煙管又は同等品を使用し,煙の流れる状態を目視に

よって判定する。発煙管の走査は,次による。

a)

前面パネル下端から 100±10 mm 上の高さ,作業空間の吹出し流の前後吸込み口への気流振分け位置

で,作業空間左(右)側面から右(左)側面まで走査する。

b)

前面パネルの 20∼30 mm 内側,前面パネル下端の高さから 150±20 mm 上で,作業空間左(右)側面

から右(左)側面まで走査する。


69

K 3800

:2009

c)

前面開口部の全周について,前面開口部外側 30∼40 mm の位置を走査する。特に角や垂直縁に注意す

る。

d)

前面可動形のクラス II キャビネットでは,前面パネル側縁のレールや上縁のワイパ部から少量の漏れ

を生じることがあるので注意する。前面パネル内側の上縁・側縁全体を走査する。

8.6

温度上昇試験  2 個の温度計又は温度検出管を用いる。1 個を作業台の中心から 30 cm 上の位置でク

ラス II キャビネット内の温度を測定する。同時に他の 1 個は,開口部の上流 8 cm で周辺温度を測定する。

送風機と照明を作動させ,選定風速値(

9

)で運転する。4 時間経過後の両者の温度差を記録する。周囲温度

は 19∼28 ℃とする。

8.7

騒音レベル試験  クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)で運転し,JIS C 1509-1 及び JIS C 1509-2

に規定する騒音計によって,JIS Z 8731 に従って測定する。聴感補正回路 A 特性を用いる。測定位置はク

ラス II キャビネット両側面の中央,クラス II キャビネットの 300±10 mm 前方で,作業台の上 380±10 mm

の高さとする(

図 20 参照)。

8.8

照度試験  クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)で運転し,送風機と照明器の温度が安定した後,

作業台直上の照度を JIS C 1609 に規定する照度計によって測定する。

作業空間後面と前面パネルの中央で,

作業空間側面から 150 mm を除いた部分につき,300 mm 以内の等分割の点を測定点とする(

図 21 参照)。

8.9

振動試験  クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)で運転する。振動周波数 10∼250 Hz において,振

幅 5

μmRMS 以下を有効に測定できる振動計を使用する。検出器を作業台の中央に固定し,軸方向(左

右)

軸方向(前後)

軸方向(上下)の振幅を測定する(

図 22 参照)。送風機運転時と停止時の振幅

の差を作業台振幅とする。停止時の振幅は 2

μmRMS 以下とする。

単位  mm

図 20  騒音レベル試験


70

K 3800

:2009

単位  mm

図 21  照度試験

図 22  振動試験

単位  mm

図 23  転倒試験

8.10

安定度試験

8.10.1

転倒試験  転倒試験は,次による。

a)

前面脚部を動かないように固定する。

b)

後部上端に対して前方向に 440 N の力を水平方向に加え,背面脚部が床からもち上がる高さを計測す

る(

図 23 参照)。


71

K 3800

:2009

単位  mm

図 24  ねじれ試験

単位  mm

図 25  ひずみ試験

図 26  傾き試験

8.10.2

ねじれ試験  ねじれ試験は,次による。

a)

クラス II キャビネットを床又は基盤に固定する。

b)

背面上端又は側面上端に 1 100 N の力を加え,前方又は横方向のねじれ変位を測定する(

図 24 参照)。

8.10.3

作業台のひずみ  試験ひずみ試験は,次による。

a)

作業台中点から床までの寸法を 0.1 mm の単位で測定する(

図 25 参照)。


72

K 3800

:2009

b)

作業台の中央に質量 23 kg の試験用おもり(平面的大きさ:25×25 cm)を置く(

図 25 参照)。

c)

試験用おもりを取り除いて,作業台中点から床までの寸法を 0.1 mm の単位ではかる。a)と c)の差を求

め,恒久的ひずみ値とする。

8.10.4

傾き試験  傾き試験は,次による。

a)

前面開口部下端の中央に質量 113 kg の試験用おもりを置く(

図 26 参照)。

b)

背面脚部が床からもち上がる高さをはかる。

8.11

シンクの漏水度  シンクに水を満たし,1 時間経過後に目視によって漏水がないことを確認する。

8.12

送風機の性能  送風機の性能は,次による。

a)

クラス II キャビネットを選定風速値(

9

)で運転する。

b)

送風機の初期静圧を測定する。

c)

送風機の吐出しを妨げ,静圧を 20 %上昇させる。

d)

送風機の総風量を測定する。

8.13

漏れ電流,保護接地回路の抵抗  漏れ電流,保護接地回路の抵抗の試験は,次による。

a)

漏れ電流  通常の使用状態において,定格電圧に等しい電圧を加え,水などは人が触れるおそれのあ

る非充電金属部と大地との間に 1 k

Ω の抵抗を接続して流れる漏れ電流を JIS C 1102-2JIS C 1102-3

に規定する電流計の階級 1.0 級以上のもので測定する。

b)

保護接地回路の抵抗  作業台中央部と保護接地端子又は電源プラグの接地接点との間の抵抗を JIS C 

1302

に規定する絶縁抵抗計の 1.0 級以上のもので測定する。

9.

表示・取扱説明書

9.1

仕様銘板  仕様銘板を見やすいところに取り付け,次の事項を記載する。

a)

製造業者名,所在地

b)

クラス II キャビネットの種類

c)

形式

d)

製造番号(製造番号によっては製造年月が分からない場合,製造年月を付記する。

e)

日本工業規格の名称,施行年月日

f)

定格電圧・消費電力・相数・周波数

g) HEPA

フィルタの外形寸法 (mm)

h)

選定風速値(吹出し風速・流入風速)

9.2

配線図  配線図は工具を用いることなしに容易に見える位置に備える。

9.3

取扱説明書  取扱説明書には,次の事項を記載する。

a)

設置法,管理維持に必要な周囲スペース,搬入に必要な外寸

b)

使用法

c)

管理・維持法

d)

風速試験の方法

e)

気流・風速(選定風速値,出荷時検査測定値)

f)

クラス II タイプ B キャビネットでは循環気率

g)

必要に応じて代替流入風量測定方法,代替法による平均流入風速測定値[8.4.3 b)3)参照]

h)

検査・除染用の密閉方法

i)

コーキング材などに悪影響を与える物質の使用警告


73

K 3800

:2009

附属書 5A(規定)枯草菌芽胞の調製法及び定量法

1.

適用範囲  この附属書は,気流バランス試験に用いる枯草菌芽胞の調製法及び定量法について規定す

る。

2.

試薬及び培地

a)

希釈液  附属書 の 8.3.1 c)による。

b)

枯草菌  附属書 の 8.3.1 a)による。

c)

培地  附属書 の 8.3.1 d)による。

d)

ペトリ皿  直径 90∼100 mm の滅菌ペトリ皿を用いる。

e)

ネブライザ  ネブライザはコリソン 6-jet ネブライザ[附属書 の 8.3.1 j)参照]を使用する。

f)

天びん  最大ひょう量 300 g 以上,最小目盛 0.01 g のもの。

g)

寒天平板  d)のペトリ皿に作製した附属書 の 8.3.1 g)の寒天平板を用いる。

3.

枯草菌芽胞の調製

3.1

枯草菌培養  トリプトソイ寒天培地に枯草菌を植え,37±1 ℃で 3 日以上培養する。染色・検鏡によ

って芽胞形成率が 90 %以上であることを確認する。芽胞形成の悪い場合には更に培養を続けるか,低温に

放置する。

3.2

芽胞液の調製  3.1 で培養した寒天培地上の芽胞を希釈液に懸濁して回収する。凝集塊や寒天の塊は,

軽く遠心するか,24 G 又はこれより細い注射針を通すか,超音波処理するなどの方法で除く。芽胞懸濁液

は希釈液で 3 回洗浄し,一定濃度にして保存する。

備考  室温で 1 か月以上安定に保存できる。

4.

枯草菌芽胞定量

4.1

芽胞液中の芽胞の定量  3.2 の芽胞液の 10 倍段階希釈した芽胞液 0.1 mL を表面の乾いた直径 90∼

100 mm 寒天平板上にコンラージ棒で広げる。24∼48 時間培養後,コロニ数,当該希釈平板数及び希釈倍

  (10

d

)  から芽胞濃度を算出する。

+

×

×

=

1

i

0

10

1

d

N

n

N

 (1)

ここに,  N

0

:  芽胞濃度 (cfu/mL)

n

:  1 希釈段階に用いた寒天平板数

N

i

:  各平板のコロニ数

d

: 10 倍段階希釈率の累乗数

4.2

噴霧した芽胞量の推定  噴霧開始前・後のネブライザの質量を 0.01 g のけたまで測定し,その質量

差から噴霧量 (mL)  を求める。ネブライザの液量によって噴霧量や噴霧前後の芽胞濃度に変化があること

があるのであらかじめネブライザの液量の使用範囲を決めておく。噴霧芽胞量は,次の式によって算出す

る。

N

N

0

×W (2)

ここに,

N

:  噴霧された芽胞量 (cfu)

N

0

:  ネブライザに入れた芽胞濃度 (cfu/mL)


74

K 3800

:2009

W

:  噴霧量 (mL)

備考  適切な液量の範囲では,単位時間当たりの噴霧量は一定であり,噴霧前後の芽胞濃度の変化は

少ない。ただし,同じ芽胞液を繰り返し使用する場合には,芽胞濃度に注意が必要である。


75

K 3800

:2009

附属書 5B(参考)ホルムアルデヒドくん蒸による除染方法

序文  この附属書は,クラス II キャビネット内部の微生物汚染を除くために行うホルムアルデヒドくん蒸

について記述するものであり,規定の一部ではない。

1.

くん蒸の時期  クラス II キャビネットのホルムアルデヒドくん蒸は,次のいずれかの時期に行う。

a)

定期検査・保守点検の前

b) HEPA

フィルタ交換前

c)

クラス II キャビネットの移動前

d)

内部の大量汚染

e)

使用目的の変更

f)

その他必要な場合

2.

試薬及び器具  使用する試薬及び器具は,次による。

a)

水  附属書 の 8.3.1 b)による。

b)

パラホルムアルデヒド  純度が 95 %以上のもの。

c)

炭酸水素アンモニウム  純度が 95 %以上のもの。

d)

滅菌試験用の芽胞を含ませたろ紙

備考  ろ紙の市販品には,American Sterilizing Co. “Spordex”,栄研器材“滅菌テスパーG”などがある。

e)

ホットプレート

f)

天びん

g)

クラス II キャビネットの密閉に必要な器具

3.

操作の一例

a)

クラス II キャビネットの内容積を算出する。

備考  間口 1.3 m のクラス II キャビネットは,約 1 m

3

である。

b)

クラス II キャビネットの適当な位置に,3 台のホットプレートと滅菌試験用の芽胞を含ませたろ紙を

配置する。3 台のホットプレートは外から電源を入・切できるようにしておく。

c)

クラス II キャビネットの容積 1 m

3

当たり,

パラホルムアルデヒド 10 g,

炭酸水素アンモニウム(

1

)18 g,

及び水 10 mL を適当な容器にはかりとり,別々のホットプレートに載せる。

注(

1

)  炭酸水素アンモニウムはプラスチックフィルムなどで包んでおく。

d)

クラス II キャビネットを製造業者の指定する方法で密閉する。

e)

水を載せたホットプレートの電源を入にする。蒸発して水がなくなったら切にする(

2

)。

注(

2

)  湿度を 50 %以上に高めることは,二つの意味がある。

1)

滅菌効果を高める。

2)

乾燥ホルムアルデヒドには爆発性がある。湿度を上げて爆発を防ぐ。

f)

パラホルムアルデヒドを載せたホットプレートの電源を入にする。1/4,1/2,3/4 の量がなくなったと

ころで,それぞれ約 10 秒ずつクラス II キャビネットを運転する。

g)

パラホルムアルデヒドがなくなったらホットプレートの電源を切にし,24 時間放置する。ただし,ク


76

K 3800

:2009

ラス II キャビネット内の温度は 24  ℃以上になるよう維持する。

h)

炭酸水素アンモニウムを載せたホットプレートの電源を入にする。炭酸水素アンモニウムが揮散した

ら切にし,24 時間放置する。

i)

排気を室外にとり,クラス II キャビネットを運転してから,前面を開放する。

j)

試験用ろ紙を培養し,枯草菌のコロニが出現しないことによって,滅菌の完了を確認する。

4.

注意  除染における注意は,次による。

a)

試験用ろ紙による効果判定を行う。

b)

乾燥ホルムアルデヒドは爆発性がある。ホットプレートの使用には,次の注意が必要である。

1)

水を蒸発させ,クラス II キャビネット内の湿度を高めておく。

2)

防爆形のホットプレートが望ましい。

3)

やむを得ず家庭用のホットプレートを使用する場合には,温度調節器を最高にして,温度調節器か

らの火花が飛ばないようにして使用する。

c)

ホルムアルデヒド及びアンモニアはともに有毒である。

1)

これらのガスは,コンタクトレンズと角膜の間に浸透し,失明事故を起こすおそれがあるので,コ

ンタクトレンズをはめたまま作業してはならない。

2)

防毒マスクを用意する。目・鼻・口を覆う一体形のマスクがよい。ホルムアルデヒド用とアンモニ

ア用のカートリッジは形番(GMA と GMD)が異なるので注意する。

備考  防毒マスクには,ウルトラツインレスピレータ,MSA Japan などがある。