>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 3702:2008

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人バイオインダストリー協会(JBA)及

び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


 
K 3702:2008

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.  適用範囲

1

2.  引用規格

1

3.  定義

1

4.  一般原則

2

5.  希釈液

2

5.1  基本材料

2

5.2  一般用途の希釈液

2

5.3  特定用途の希釈液

3

5.4  希釈液の分注及び滅菌

3

6.  装置及びガラス器具

3

6.1  オーブン及びオートクレーブ

3

6.2  ホモジナイザー

3

6.3  かき混ぜ機

3

6.4  フラスコ又は瓶

3

6.5  試験管

3

6.6  吐出式メスピペット

3

6.7  pH 

3

6.8  はかり

3

7.  試料の採取

3

8.  試料の調製

3

9.  試料懸濁液及び希釈系列の調製手順

3

9.1  試料及び試料懸濁液

3

9.2  希釈系列

4

9.3  作業時間

4

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

5


日本工業規格

JIS

 K

3702

:2008

培地の試験方法−

試料懸濁液及び希釈系列の調製方法

Test methods for Culture media Preparation of initial suspension and

decimal dilutions

序文  この規格は,1999 年に第 1 版として発行された ISO 6887-1:1999,Microbiology of food and animal

feeding stuffs−Preparation of test samples,initial suspension and decimal dilutions for microbiological examination

−Part 1: General rules for the preparation of the initial suspension and decimal dilutions を翻訳し,技術的内容を

変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1.  適用範囲  この規格は,微生物の検出を目的とする培地試験に用いる試料懸濁液及び希釈系列の調製

方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 6887-1:1999,Microbiology of food and animal feeding stuffs−Preparation of test samples, initial

suspension and decimal dilutions for microbiological examination−Part 1: General rules for the

preparation of the initial suspension and decimal dilutions (MOD)

2.  引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 3701  培地の試験方法−通則

備考  ISO 7218:1996,Microbiology of food and animal feeding stuffs−General rules for microbiological

examinations 及び AMENDMENT 1:2001 からの引用事項は,この規格の該当事項と同等であ

る。

JIS K 8008  生化学試薬通則

JIS K 8150  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 9007  りん酸二水素カリウム(試薬)

JIS K 9019  りん酸水素二ナトリウム・12 水(試薬)

JIS Z 8802  pH 測定方法

3.  定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。



K 3702:2008

3.1

試料  微生物が含まれる液体,固体並びに液体及び固体の混合物。

3.2

試料懸濁液(次希釈試料液)  試料を 9 倍容の希釈液(5.2 又は 5.3)と混合した懸濁液,溶液又は

乳濁液。

備考1.  大粒子が沈降していても差し支えない。

2.  5.及び 9.1 の備考1.及び備考2.を参照。

3.3

希釈系列  試料懸濁液(3.2)を 9 倍容の希釈液(5.2 又は 5.3)と混合した懸濁液又は溶液,並びに

この希釈及び混合を繰り返した懸濁液又は溶液。

3.4

精製水  JIS K 8008 の 3.2(水)に規定する A2 の水。

備考  これを超える品質のものを使用することに関しては制限しない。

3.5

コロニー  培地に生育した同一種類の細菌及び動植物細胞の塊。

4.  一般原則  試料中に存在する微生物の分布が一様となるように,試料懸濁液(3.2)を調製する。

必要であれば,単位体積あたりの微生物数を減少させ,微生物の増加の有無(試験管又は容器の場合)

の観察を容易にするために,又はコロニーの計数(プレートの場合)を容易にするために,個別の規格に

よって希釈系列(3.3)を調製する。

備考  計数を実施する時間に制約がある場合,又は微生物数が多いことが予測される場合,JIS K 3702

によって計算することができるならば,必要な希釈系列だけ(二つの連続する希釈系列以上)に

接種してもよい。

5.  希釈液   
5.1

基本材料  試験結果の再現性向上のため,希釈液の調製に用いる基本成分又は調製済み試薬は,乾

燥状態のものを用いる。製造業者の取扱説明書には厳密に従う。試薬は,成分が明らかで微生物試験に適

したものを用いる。

5.2

一般用途の希釈液

5.2.1

ペプトン添加生理食塩水

5.2.1.1  組成  ペプトン添加生理食塩水(5.2.1)の組成は,表 による。

  1  ペプトン添加生理食塩水の組成

カゼインペプトン 1.0

g

塩化ナトリウム  (JIS K 8150) 8.5

g

精製水

1 000 mL

5.2.1.2  調製  各成分を精製水で溶解する。必要に応じて加温し溶解する。滅菌後 25  ℃で pH 7.0±0.2 に

なるように滅菌前に pH 調節を行う。

5.2.2

緩衝ペプトン水

5.2.2.1  組成  緩衝ペプトン水(5.2.2)の組成は,表 による。

  2  緩衝ペプトン水の組成

ミートペプトン 10. g

塩化ナトリウム  (JIS K 8150) 5.0

g

りん酸水素二ナトリウム・12 水  (JIS K 9019) 9.0

g

りん酸二水素カリウム  (JIS K 9007) 1.5

g

精製水

1 000 mL


3

K 3702:2008

5.2.2.2  調製  各成分を精製水で溶解する。必要に応じて加熱して溶かす。滅菌後 25  ℃で pH 7.0±0.2 に

なるように滅菌前に pH 調節を行う。

5.3

特定用途の希釈液  個別の規格を参照。

備考  個別の規格がない場合には,当事者間で合意を得ることが望ましい。

5.4

希釈液の分注及び滅菌  適切な容量のフラスコ(6.4)に,試料懸濁液の調製に必要な量の希釈液(5.2

又は 5.3)を分注する。10 倍段階希釈試料系列を調製するために,滅菌後の液量が 9 mL となるように,希

釈液(5.2 又は 5.3)を試験管(6.5)又はフラスコ(6.4)に分注する。滅菌後の最終液量の計量の不確かさ

は,±2  %を超えてはならない。

備考  別々の培地を用いて複数種の微生物を計測する場合は,すべての希釈液又は一部の希釈液を 9

mL よりも多く分注してもよい。フラスコ(6.4)及び試験管(6.5)の大きさもそれに応じて決

める。

試験管又はフラスコに栓をする。オートクレーブを用いて 121  ℃で 15 分間加熱し滅菌する。

6.  装置及びガラス器具  通常の微生物試験用機器(JIS K 3701 参照)は,次による。 
6.1

オーブン及びオートクレーブ  JIS K 37015.10 及び 5.5)参照。

6.2

ホモジナイザー  JIS K 37015.3)参照。

6.3

かき混ぜ機  JIS K 37015.15)参照。

6.4

フラスコ又は瓶  適切な容量のフラスコ又はスクリューキャップ付き瓶。

6.5

試験管  適切な容量の試験管。

6.6

吐出式メスピペット  呼び容量が 1 mL 及び 10 mL で,それぞれ 0.1 mL 及び 0.5 mL の目盛付きのも

の。

6.7

pH 計  JIS Z 8802 に規定する形式Ⅲ(目盛が 0.01,25  ℃における精度が±0.1 pH のもの。)。

6.8

はかり  0.01 g 単位でひょう量可能なもの。

7.  試料の採取  試料の採取は,この規格では規定しない。

備考  特定の規格が存在しない場合には,当事者間で合意を得ることが望ましい。

8.  試料の調製  試料の調製は,この規格では規定しない。

備考  特定の規格が存在しない場合には,当事者間で合意を得ることが望ましい。

9.  試料懸濁液及び希釈系列の調製手順   
9.1

試料及び試料懸濁液  計量の不確かさ±5  %の範囲で,試料の質量 m(g)又は体積 V(mL)(特に

断らない限り,10 g 以上又は 10 mL 以上とする。

)をはかりとり,滅菌済みの容器又は袋に入れる(8.参

照)

。9×m(g)又は 9×V(mL)の希釈液を加える。計量の不確かさは,質量及び体積共に±5  %以内と

する。

備考  1.  試料懸濁液が高粘性又は高濃度の場合は,希釈液を更に加えてもよい。

     2.  試料懸濁液が低粘性又は低濃度の場合は,希釈液量を減らして希釈倍数を下げてもよい(

1

)。

注(

1

)  試料中の高濃度成分が微生物の増殖を阻害することがある。使用した希釈液の量を試験報告書

に記載する。



K 3702:2008

急激な温度変化による微生物への損傷を防止するため,

以下の操作中は希釈液の温度を室温程度とする。

ただし,特定の製品の場合は,この限りではない。

JIS K 3701 に従い,混合液を均質化する。

大粒子を沈降させる必要がある場合は,最大 15 分間静置する。同等の効果がある  ろ過装置を用いても

よい。

胞子菌の計数をする場合は,最初の試料懸濁液を調製直後に加熱処理し(例えば 80  ℃で 10 分間)

,急

冷する。

9.2

希釈系列  滅菌済みで適温の希釈液 9 mL の入った試験管に,計量の不確かさ±5  %(

2

)以内で試料懸

濁液 1 mL をピペットで移し入れる。

注(

2

)  一般的なピペットの精度を考慮して,計量の不確かさを±5  %とした。

備考  さらに,大量の試料液が必要な場合は,9 倍容の滅菌済み希釈液の入った試験管に計量の不確

かさ±5  %以内で 1 倍容の試料懸濁液(1 mL を超える。

)を加えてもよい。

精度を確保するため,ピペットで試料懸濁液を吸うときには,液中に 1 cm 以上差し込んではならない。

試料懸濁液を含むピペットと滅菌済み希釈液とを接触させない。

5∼10 秒間よくかき混ぜ,10

-2

希釈試料液を得る。できれば  かき混ぜ機(6.3)を用いる。

微生物の数が適切な値となるまで,10

-2

希釈試料液及び更に希釈した液を用いてこの操作を繰り返し,

10

-3

,10

-4

などの希釈試料液を調製する(4.を参照)

。希釈操作ごとに別の滅菌済みピペットを用いる。

9.3

作業時間  試料懸濁液の調製(9.1)から次の希釈系列の調製開始までの時間は最大で 30 分間とし,

培地への接種までの時間は,最大で 45 分間とする。

備考  試験室内の気温が極端に高い場合は,これらの時間を短縮する。


5

K 3702

2008

5

K 3702

2008

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 3702:2008  培地の試験方法−試料懸濁液及び希釈系列の調製方法

ISO 6887-1:1999  食品及び動物用飼料の微生物試験−微生物試験用試料,試
料懸濁液及び 10 倍段階希釈列の調製  第 1 部:試料懸濁液及び 10 倍段階希
釈列の調製

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線

項目

番号

内容

(Ⅱ)  国際
規格番号

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

1.適用範

微 生 物 の 検 出 を 目 的と す

る 培 地 試 験 に 用 い る試 料
懸 濁 液 及 び 希 釈 系 列の 調
製方法について規定。

ISO 7218

1

JIS とほぼ同じ。

MOD/削除

培地試験に限定。

工業標準化法の対象にならない試験を

削除。

JIS K 3701 

ISO 7218 

IDT

JIS か ら の 引 用 事項
は,ISO 規格の該当事

項と同等である。

2.引用規

JIS K 8008 
JIS K 8150 
JIS K 9007 
JIS K 9019 
JIS Z 8802 

2

MOD/追加

JIS として必要な規格
を追加。 

3.定義

用語の定義を規定。

3

JIS とほぼ同じ。

MOD/追加
MOD/削除

3 用語を追加し,1 用
語を削除。

JIS として必要な用語を規定。

4.一般原

試 料 懸 濁 液 調 製 の 一般 原
則について規定。

4

JIS と同じ。

IDT

5.希釈液  希釈液(基本材料,一般用

途の希釈液,特殊用途の希

釈 液 並 び に 希 釈 液 の分 注
及び減菌)について規定。

5

JIS とほぼ同じ。

MOD/変更

5.2(一般用途の希釈
液)の表 1 及び表 2 に

記載の物 質名称 を変
更し,必要な JIS を追
加。 

誤解を招きやすい表記方法であるので
変更。

技術的差異はない。


6

K 3702

2008

6

K 3702

2008

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線

項目

番号

内容

(Ⅱ)  国際
規格番号

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

6.装置及
びガラス

器具

装置及びガラス器具(オー
ブ ン 及 び オ ー ト ク レー プ

など)について規定。

6

JIS とほぼ同じ。

MOD/追加

必要な JIS を追加

実質的な技術的差異なし

7.試料の
採取

試 料 の 採 取 に 当 た って の

準拠規格を規定。

7

JIS と同じ。

IDT

8.試料の
調製

試 料 の 調 製 に 当 た って の

準拠規格を規定。

8

JIS と同じ。

IDT

9.試料懸
濁液及び
希釈系列
の調製手

試 料 懸 濁 液 及 び 希 釈系 列

の調製手順(試料及び試料
懸濁液,希釈系列並びに作
業時間)について規定。

9

JIS と同じ。

IDT

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 
 
備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

      ―  IDT……………… 技術的差異がない。

        ―  MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。 
2.  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 
    ―  MOD……………  国際規格を修正している。