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日本工業規格

JIS

 K

3363

-1990

合成洗剤の生分解度試験方法

Testing Method for Biodegradability of Synthetic Detergent

1.

適用範囲  この規格は,合成洗剤中のアニオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤の生分解度を試験

する方法について規定する。

備考  この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,従来単位であって規格値である。

2.

用語の意味  この規格で用いる界面活性剤の用語は,次のとおりとする。

(1)

アニオン界面活性剤  主成分が直鎖形アルキルベンゼンスルホン酸塩 (LAS) ,分岐鎖形アルキルベ

ンゼンスルホン酸塩 (ABS) ,アルキル硫酸塩,アルキルエトキシ硫酸塩,アルキルスルホン酸塩(ア

ルカンスルホン酸塩,パラフィンスルホン酸塩)

,アルケニルスルホン酸塩(アルファオレフィンスル

ホン酸塩)などから成るものをいう。

(2)

非イオン界面活性剤  ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル,ポリオキシエチレンアルキ

ルエーテル,脂肪酸ポリオキシエチレングリコールエステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸

エステル,ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル,アルカノール脂肪酸アミドをいう。

3.

試料採取方法  JIS K 3362(合成洗剤試験方法)の 4.試料採取方法による。

4.

一般事項  試験に共通する一般事項は,JIS K 0050(化学分析方法通則)による。

5.

生分解度試験方法

5.1

要旨  合成洗剤でじゅん(馴)化培養した活性汚泥を分解生物源とし,この活性汚泥を試料中で振

とう培養し,6.に規定する定量法によってアニオン界面活性剤又は 7.に規定する定量法によって非イオン

界面活性剤の濃度を求め,試料の生分解度を試験する方法である。

5.2

試薬及び材料  試薬及び材料は,次のとおりとする。

(a)

塩化アンモニウム  JIS K 8116[塩化アンモニウム(試薬)]に規定するもの。

(b)

りん酸水素二カリウム  JIS K 9017[りん酸水素二カリウム(試薬)]に規定するもの。

(c)

硫酸マグネシウム  JIS K 8995[硫酸マグネシウム(試薬)]に規定するもの。

(d)

塩化カリウム  JIS K 8121[塩化カリウム(試薬)]に規定するもの。

(e)

硫酸鉄(II)  JIS K 8978[硫酸第鉄(試薬)]に規定するもの。

(f)

酵母エキス  市販のもの。

(g)

ドデセン−1LAS(直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)  ドデセン−1 から誘導された直

鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム。生分解度 99%以上,化学式量 348. 5,純分 95%以上の

もの。


2

K 3363-1990

(h)

ポリオキシエチレン−n−ドデシルエーテル  エチレンオキシドの付加モル数 7mol,生分解度 99%

以上,化学式量 494.6,純分 98%以上のもの。これを標準非イオン界面活性剤として用いる。

(i)

ラウリル硫酸ナトリウム  平均分子量 288.6±2,純分 95%以上のものをエタノール(99.5)で再結晶し

て精製したもの。

平均分子量,純分については,6.7 の標準アニオン界面活性剤の平均分子量と純度の測定によって

求める。

これを標準アニオン界面活性剤として用いる。

参考1.  (g)(h)の品質についての試験方法は,日本油化学協会が定めたものがある。

2.

(i)

のラウリル硫酸ナトリウムは,化学式量 288.6,純分 98%以上の市販品がある。

(j)

活性汚泥  主として家庭廃水を処理している活性汚泥方式下水処理場からの返送汚泥で,JIS K 

0102

(工場排水試験方法)の 14.1 によって求めた懸濁物質濃度が 10 000∼20 000mg/になるように

調整したものを,採取後 5 時間以内に使用する。

5.3

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(1)

振とう培養機  振幅 5∼10cm,毎分 100∼130 回の往復式の振とう機又は毎分 150∼200 回の回転式振

とう機。

(2)

振とう培養フラスコ  容量 1l。綿栓をして 170℃に 1∼2 時間保って,滅菌したもの。

5.4

準備  準備は,次のとおり行う。

(1)

基礎培養基の調製  基礎培養基の調製は,表 の試薬を用いて行う。

表 1  基礎培養基の試薬

試薬

質量

1l

塩化アンモニウム 3.0g

りん酸水素二カリウム 1.0g

硫酸マグネシウム 0.25g

塩化カリウム 0.25g

硫酸鉄(II) 0.002g

酵母エキス 0.3g

ただし,酵母エキスは使用直前に添加する。

なお,酵母エキスを加えた培養基を 8 時間以上経過後使用する場合には,あらかじめ高圧滅菌(0.11

∼0.13MPa {1.1∼1.3kgf/cm

2

}

,122∼125℃で 20 分間)処理する。

(2)

基礎培養基への試験用洗剤の添加  (1)の基礎培養基 500ml を含むフラスコ 1に,界面活性剤として約

30mg/l

になるように試験用洗剤を添加する。

試験条件の確認のため,別にドデセン−1LAS 又はポリオキシエチレン−n−ドデシルエーテルを同

様に約 30mg/添加した対照用フラスコ及び基礎培養基だけを入れた空試験用フラスコを準備する。

(3)

活性汚泥の接種  (2)の各フラスコに活性汚泥を基礎培養基 100ml ごとに 1ml の割合で接種する。

(4)

培養  活性汚泥を接種した各フラスコを振とう培養機に載せて 25±3℃で振とうして培養する。

(5)

じゅん(馴)化

(a)  (2)

によって調製した試験用洗剤フラスコ,対照用フラスコ及び空試験用フラスコについて(3)によっ

て接種し,(4)の条件で 72 時間のじゅん化培養を行う。

(b)

次に,(2)によって別に調製した各フラスコにそれぞれ(a)のじゅん化培養液を基礎培養基 100ml ごと

に 1ml の割合で接種し,(4)の条件で更に 72 時間培養を行う。


3

K 3363-1990

5.5

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)  5.4(2)

によって新たに調製した各フラスコにそれぞれ 5.4(5)(b)のじゅん化培養液を基礎培養基 100ml

ごとに 1ml の割合で接種し,5.4(4)の条件で 8 日間振とう培養する。

(b)

生分解度を求めるために,培養開始時と 7 日後及び 8 日後に,各フラスコの内容物を一部採取する。

この採取した試料溶液は,6.に規定する定量法によってアニオン界面活性剤又は 7.に規定する定量

法によって非イオン界面活性剤の濃度を求める。

(c)

直ちに定量を行わない場合には,アニオン界面活性剤の場合に限り,試料溶液 100ml に対して 1ml

の割合でホルマリンを添加して保存することができる。

5.6

計算  空試験用フラスコから採取した試料溶液の分析値を他の試験用フラスコについて得られた分

析値から差し引いて界面活性剤の濃度を求め,その濃度の差から,生分解度は,次の式によって小数点以

下 1 けたまで算出してその 7 日後と 8 日後の値を平均し,JIS Z 8401(数値の丸め方)によって丸める。

生分解度は,7 日後と 8 日後との分解度の平均値で示す。

(

) (

)

100

0

0

0

0

×

B

S

B

S

B

S

D

x

x

ここに,

D

:  日後の生分解度 (%)

S

0

:  試験開始時のドデセン−1LAS,ポリオキシエチレン−n−ド

デシルエーテル又は試験用界面活性剤の濃度 (mg/l)。

  この濃度は 6.又は 7.によって求める。

B

0

:  空試験値 (mg/l)

S

x

:  日後のドデセン−1LAS,ポリオキシエチレン−n−ドデシ

ルエーテル又は試験用界面活性剤の濃度 (mg/l)。

  この濃度は 6.又は 7.によって求める。

B

x

:  日後の空試験値 (mg/l)

5.7

試験結果の確認  ドデセン−1LAS の生分解度が 97.5%以下の場合,又はポリオキシエチレン−n

ドデシルエーテルの生分解度が 95%以下の場合又は 7 日後と 8 日後の生分解度の差が 2.0%以上の場合は,

その試験は無効とする。

6.

アニオン界面活性剤の定量

6.1

要旨  アニオン界面活性剤とメチレンブルーとが作る複合体をクロロホルムで抽出し,吸光光度法

によってアニオン界面活性剤を定量する。

備考  チオシアン酸塩,たん白質,その他の生体起源物質などが存在する場合,アニオン界面活性剤

として検出され,高い値を示すことがある。

6.2

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

アルカリ性ほう酸ナトリウム溶液  JIS K 8866[四ほう酸ナトリウム(ほう砂)(試薬)]に規定す

る四ほう酸ナトリウムを用いて調製した 0.05mol/l (N/20)  溶液と JIS K 8576[水酸化ナトリウム(試

薬)

]に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製した 0.1mol/l (N/10)  溶液を等量混合する。

(b)

メチレンブルー溶液  JIS K 8897[メチレンブルー(2 水塩,3 水塩,4 水塩)(試薬)〕に規定する

いずれかのメチレンブルー0.25g を水 1に溶かす。

(c)

クロロホルム  JIS K 8322[クロロホルム(試薬)]に規定するクロロホルムを JIS K 8897 に規定す

るメチレンブルーを用いて調製した溶液 (1w/v%) で洗い,JIS K 8410[酸化カルシウム(生石灰)

(試薬)

]に規定する酸化カルシウム又は JIS K 8123[塩化カルシウム(無水)

(試薬)

]に規定する

塩化カルシウム(無水)を加えて蒸留し,JIS K 8987[硫酸ナトリウム(無水)

(試薬)

]に規定す


4

K 3363-1990

る硫酸ナトリウム(無水)を用いて脱水する。蒸留後 3 日以内のものを使用する。

(d)

硫酸 (0.5mol/l)    JIS K 8951[硫酸(試薬)]に規定する硫酸を用いて調製したもの。

(e)

アニオン界面活性剤標準液 (0.01 mg/ml)   ラウリル硫酸ナトリウムの純分換算として 1.00 g を全

量フラスコ 1 000 ml に取り,水を標線まで加える。その 10 ml を全量ピペットを用いて全量フラス

コ 1 000 ml に取り,水を標線まで加える。

6.3

装置  装置は,光電分光光度計とする。

6.4

試料溶液  5.5(b)で採取した試料溶液の分析に当たって,6.5 でアニオン界面活性剤を定量するのに

用いる試料溶液量は,10∼100

µg のアニオン界面活性剤を含むように一定量(全量 100 ml 以下)を取る。

このとき,空試験からの試料溶液量は,他の試料溶液量と同量を取る。

6.5

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

分液漏斗 250 ml (A)  には,水 50 ml とアルカリ性ほう酸ナトリウム溶液 10 ml 及びメチレンブルー

溶液 5 ml を入れ,分液漏斗 250 m1 (B)  には,水 100 ml,アルカリ性ほう酸ナトリウム溶液 10 ml

及びメチレンブルー溶液 5 ml を入れる。

(b)

それぞれにクロロホルム 10 ml を加え,30 秒間激しく振り混ぜた後,分液し,クロロホルム層は捨

てる。

(c)

さらに,それぞれの分液漏斗にクロロホルム 2∼3 ml を加えて静かに振り混ぜて水層を洗い,クロ

ロホルム層は捨てる。

(d)

  (b)

(c)の操作をもう一度繰り返して行う。このとき,水層が活栓部分に入らないように注意し,分

液漏斗の脚部は乾いているようにする。

(e)

抽出を終えた後,分液漏斗 (B) に硫酸 (0.5 mol/l) 3 ml を加える。

(f)

分液漏斗 (A) に試料溶液を加え,更に,クロロホルム 15 ml を加えて,毎秒 2 回程度の割合で 1 分

間振り混ぜた後,静置して 2 層に分け,分液漏斗を振り回しガラス壁に付いているクロロホルムを

落とし,2 分間静置し,クロロホルム層を分液漏斗 (B) に移す。

(g)

分液漏斗 (B) を毎秒約 2 回の割合で 1 分間振り混ぜ,2 分間静置した後クロロホルムで潤した脱脂

綿を詰めた漏斗を通じて,クロロホルム層を全量フラスコ 50 ml に移す。

(h)

クロロホルム 15 ml を分液漏斗 (A) の水層に加え,(f)と同様に抽出操作を繰り返して,クロロホル

ム層を分液漏斗 (B) に移して,(g)の操作を行う。

(i)

全クロロホルム層を集めた全量フラスコに,クロロホルムを加えて 50ml にする。

(j)

クロロホルム層を 10 mm ガラスセル(

1

)

に移し,3 時間以内にクロロホルムを対照液として波長 650

nm

における吸光度を測定する。

なお,吸光度が 0.1 以下のときは,50 mm ガラスセルを用いて測定する。

(k)

あらかじめアニオン界面活性剤標準液を用いて作成した 10 mm 又は 50 mm のガラスセルについて

の検量線から,相当するセルを用いたときの吸光度をラウリル硫酸ナトリウムの量に換算して mg/l

で表示する。

(

1

)

ガラスセルの誤差が大きくなったときは,薄い硫酸に浸し,蒸留水で洗い,更にアセトン,

次にクロロホルムで洗って乾燥する。

6.6

検量線の作成  ラウリル硫酸ナトリウムの 0∼150

µg を含むようにアニオン界面活性剤標準液 (0.01

mg/ml)

の適当量を段階式に数個の全量フラスコ 50 ml に取り,6.5 によって吸光度を測定する。

なお,約 40

µg 以下の場合には 10 mm 及び 50 mm ガラスセルで吸光度を測定し,それ以上の場合には,

10mm

ガラスセルで吸光度を測定して検量線を作成する。


5

K 3363-1990

6.7

標準アニオン界面活性剤の平均分子量と純度の測定

6.7.1

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

ラウリル硫酸ナトリウム  5.2(i)による。

(b)

  0.5 mol/l (1N) 

硫酸  水 1に JIS K 8951 に規定する硫酸 30 ml をかき混ぜながら徐々に加えたもの。

(c)

エタノール(99.5)    JIS K 8101〔エタノール(99.5)  [エチルアルコール(99.5)](試薬)〕に規定する

もの。

(d)

エタノール(95)    JIS K 8102〔エタノール(95) [エチルアルコール(95)](試薬)〕に規定するもの。

(e)

フェノールフタレイン溶液 (1 w/v%)   JIS K 8799[フェノールフタレイン(試薬)]に規定するフ

ェノールフタレイン 1g を JIS K 8102 に規定するエタノールに溶かして 100 ml にしたもの。

(f)

  1 mol/l (1N) 

水酸化ナトリウム溶液  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 47 g を水に溶解して

1l

としたもの。

(g)

石油エーテル  JIS K 8593[石油エーテル(試薬)〕に規定する石油エーテルを 30∼60℃で留出した

もの。

(h)

硫酸ナトリウム(無水)  JIS K 8987 に規定するもの。

6.7.2

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

三角フラスコ  冷却器付きで 300 ml のもの。

(b)

全量ピペット  25 ml

(c)

分液漏斗  300 ml

(d)

ガスクロマトグラフ装置

6.7.3

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

ラウリル硫酸ナトリウム約 5 g を三角フラスコ 300 ml に 0.1 mg まで量り取り,全量ピペットを用い

て,0.5 mol/l (1N)  硫酸 25 ml を加える。

(b)

冷却器を付けて水浴上で加温する。このとき,泡立ちに注意し,ときどき三角フラスコを静かに振

り動かし,内容液が透明になった後,砂浴上で 2 時間加熱還流する。

(c)

冷却後,冷却器の上部からエタノール(95)約 30 ml を注いで内壁を洗い,

次に,

適量の水で洗った後,

冷却器を外し,水を加えて液量を約 100 ml とする。

(d)

フェノールフタレイン溶液 (1 w/v%) 数滴を加えて,1 mol/l (1N)  水酸化ナトリウム溶液で滴定する。

同時に空試験を行う。

6.7.4

計算  純度は,次の式によって算出する。

(

)

100

1000

×

×

×

×

S

M

f

B

A

P

ここに,

P

:  純度 (%)

A

:  滴定に用いた 1 mol/l (1N)  水酸化ナトリウム溶液の量 (ml)

B

:  空試験に用いた 1 mo1/l (1N)  水酸化ナトリウム溶液の量 (m1)

f

: 1

mol/l (1N)

水酸化ナトリウム溶液のファクター

M

:  ラウリル硫酸ナトリウムの化学式量

S

:  試料の質量 (g)

備考  ラウリル硫酸ナトリウムの化学式量  ラウリル硫酸ナトリウムの滴定後の液 50ml を分液漏斗

300 ml

に移し,エタノール(95)と水の容量比 2 : 1 の混液 100 ml を加え,石油エーテル 50ml ず

つで 2 回抽出し,高級アルコールを分離する。石油エーテル溶液を合わせ,水 50ml ずつで 2

回洗浄し,硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後,石油エーテルを除去し,ガスクロマトグラ


6

K 3363-1990

フ分析の試料とする。ガスクロマトグラフ分析は,JIS K 0114(ガスクロマトグラフ分析のた

めの通則)によって最適条件,例えばクロモソルブ W にシリコーン SE−30 の 10 %のものを用

い,カラム槽温度 180℃,キャリヤーガス窒素又はヘリウムで測定を行い,試料中の高級アル

コールの各成分 (w/w%) から,その平均分子量を求める。求めた値に 102(SONa−H の化学式

量)を加え,ラウリル硫酸ナトリウムの化学式量とする。

7.

非イオン界面活性剤の定量  非イオン界面活性剤の定量は,吸光光度法による。ただし,アルカノー

ル脂肪酸アミドについては,泡容量測定法による。

なお,アニオン界面活性剤が共存する合成洗剤について試験する場合は,あらかじめ JIS K 3362 の 5.5

非イオン界面活性剤の定性及び定量に規定する方法に従って,非イオン界面活性剤を分離し(

2

)

,かつその

成分を確認する。

(

2

)

分離が不完全なときは,そのデータは無効になる。

7.1

吸光光度法

7.1.1

要旨  非イオン界面活性剤とコバルトチオシアン酸アンモニウムとが作る複合体をベンゼンで抽

出し,吸光光度法によって非イオン界面活性剤を定量する。

備考  この試験方法は,非イオン界面活性剤の親水基が多様であり,親水基(この場合はポリオキシ

エチレン系)のポリオキシエチレンの鎖長が多様であり,試料の非イオン界面活性剤の生分解

度を標準のポリオキシエチレン−n−ドデシルエーテルの検量線を用いて求めるため,この値は

非イオン界面活性剤の真の値ではない。

7.1.2

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

コバルトチオシアン酸アンモニウム溶液  JIS K 9000[チオシアン酸アンモニウム(試薬)]に規定

するチオシアン酸アンモニウム 620 g と JIS K 8552[硝酸コバルト(II)六水和物(試薬)

]に規定す

る硝酸コバルト(II)六水和物 280 g を水に溶かして 1 l とし,JIS K 8858[ベンゼン(試薬)

]に規定

するベンゼン 200ml で 2 回抽出をして洗浄したもの。

(b)

塩化ナトリウム  JIS K 8150[塩化ナトリウム(試薬)]に規定するもの。

(c)

ベンゼン  JIS K 8858 に規定するもの。

7.1.3

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

分光光度計

(b)

石英セル  10 mm 又は 50 mm のもの。

(c)

分液漏斗  300 ml のもの。

7.1.4

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

分液漏斗 300 ml に 5.5(b)の試料溶液 100 ml(非イオン界面活性剤成分として 0∼3 000

µg を含む。)

を入れ,コバルトチオシアン酸アンモニウム溶液 15 ml と塩化ナトリウム 35.5 g を加え 1 分間振と

うする。

(b)

 15

分間放置後,全量ピペットを用いてベンゼン 25 ml を加えて,更に 1 分間振とうする。

(c)

  2

層に分離した後水層を除き,ベンゼン層をガラスウールを通して全量フラスコ 25 ml に移す(

3

)

(d)

ベンゼン層を 10 mm 石英セルに取り,波長 322 nm の吸光度を測定する。

なお,吸光度が 0.1 以下のときは,50 mm 石英セルを用いる。

(e)

  7.1.5

によって作成した検量線から非イオン界面活性剤の濃度を求める。

(f)

このとき,空試験からの試料溶液量は,他の試料溶液量と同一容量を取る。


7

K 3363-1990

(

3

)

新たにベンゼンを補ってはならない。

7.1.5

検量線の作成  非イオン界面活性剤を 0∼4 000

µg 含むように全量フラスコ 100 ml に段階的に数個

取り,水を加えて 100 ml とし,7.1.4 によって操作して,それぞれの吸光度を測定し,検量線を作成する。

7.2

泡容量測定法

7.2.1

要旨  試験管中の試料液を一定条件で振り混ぜ,生じた泡の容量によって非イオン界面活性剤を定

量する。

7.2.2

器具  有栓形試験管  JIS R 3505(ガラス製化学用体積計)の付表 メスシリンダー(2)有栓形の容

量 100ml のもの。

7.2.3

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

  5.5(b)

の試料液 50 ml を有栓形試験管に取り,50 回(毎秒約 2 回)上下に大きく振り混ぜて,30 秒

間静置した後の泡容量を測定する。

(b)

  (a)

の操作を 2 回行い,2 回の測定の平均値をとり,7.2.4 によって作成した検量線から非イオン界面

活性剤濃度を求める。

7.2.4

検量線の作成  測定日ごとに,定量する試験液と同じ経歴の空試験液を用いて,濃度既知の各供試

非イオン界面活性剤溶液を希釈して,7.2.3 によって泡容量を測定する。このときの希釈率は 10 倍とする。

例えば,検量線の 10 mg/溶液の測定を行う場合には,100 mg/の非イオン界面活性剤溶液 5 ml に空試験

液 45 ml を加えて測定する。

引用規格: 

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0102

  工場排水試験方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析のための通則

JIS K 3362

  合成洗剤試験方法

JIS K 8101

  エタノール(99.5)  [エチルアルコール(99.5)]

(試薬)

JIS K 8102

  エタノール(95)  [エチルアルコール(95)]

(試薬)

JIS K 8116

  塩化アンモニウム(試薬)

JIS K 8121

  塩化カリウム(試薬)

JIS K 8123

  塩化カルシウム(無水)

(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8322

  クロロホルム(試薬)

JIS K 8410

  酸化カルシウム(生石灰)

(試薬)

JIS K 8552

  硝酸コバルト(II)六水和物(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8593

  石油エーテル(試薬)

JIS K 8799

  フェノールフタレイン(試薬)

JIS K 8858

  ベンゼン(試薬)

JIS K 8866

  四ほう酸ナトリウム(ほう砂)

(試薬)

JIS K 8897

  メチレンブルー(2 水塩,3 水塩,4 水塩)

(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8978

  硫酸第一鉄(試薬)

JIS K 8987

  硫酸ナトリウム(無水)

(試薬)


8

K 3363-1990

JIS K 8995

  硫酸マグネシウム(試薬)

JIS K 9000

  チオシアン酸アンモニウム(試薬)

JIS K 9017

  りん酸水素二カリウム(試薬)

JIS R 3505

  ガラス製化学用体積計

JIS Z 8401

  数値の丸め方

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

本委員会

分科会

(委員長)

早  野  茂  夫

職業訓練大学校

阿  部  巳喜雄

通商産業省基礎産業局

内  山  壽  紀

厚生省生活衛生局

須  藤  和  義

通商産業省通商産業検査所

細  川  幹  夫

工業技術院標準部

田  坂  勝  芳

工業技術院標準部

川  松      清

通商産業省産業政策局

天  野  立  爾

国民生活センター商品テスト部

吉  岡  初  子

主婦連合会

長  見  萬里野

日本消費者協会

湯  村  崇  男

日本化学繊維協会

吉  田  一  郎

日本界面活性剤工業会

(分科会主査)

永  山  升  三

ライオン株式会社家庭科学研究所

崔      文  雄

花王株式会社栃木県第二研究所

森  川  重  義

ニッサン石鹼株式会社技術部

自  休  秀  剛

平野油脂株式会社総務部

吉  森  勝  茂

P

&G. F. E. Inc.  研究開発本部

(事務局)

松  隈  義  則

日本石鹼洗剤工業会