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K 3331

:2009

(1) 

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

2

4

  種類

2

5

  品質

3

6

  試料採取方法 

4

6.1

  ロット

4

6.2

  ロットの識別 

4

6.3

  製品容器の種類

4

6.4

  代表試料の採取及び調製 

4

6.5

  分析試料 

5

6.6

  採取器具及び試料容器 

5

6.7

  試料採取上の注意

5

7

  試験方法

6

7.1

  一般事項 

6

7.2

  酸価

6

7.3

  中和価

7

7.4

  けん化価 

8

7.5

  よう素価 

9

7.6

  融点

10

7.7

  タイター 

11

7.8

  色数(ハーゼン)

13

7.9

  色数(ガードナー)

13

7.10

  純度

15

8

  検査

17

9

  表示

17


K 3331

:2009

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本石鹸洗剤工業

会(JSDA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 3331:1995 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

3331

:2009

工業用硬化油・脂肪酸

Hardened oils and fatty acids for industrial use

適用範囲 

この規格は,動植物油脂から得られる工業用硬化油・脂肪酸について規定する。ただし,化粧品,医薬

品,食品添加物及び試薬として用いる硬化油・脂肪酸には,この規格を適用しない。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の試験室に精通していることを前提とする。この規

格は,その使用に関連して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。こ

の規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければなら

ない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7410

  石油類試験用ガラス製温度計

JIS B 7411

  一般用ガラス製棒状温度計

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 0211

  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0512

  水素

JIS K 1105

  アルゴン

JIS K 1107

  窒素

JIS K 2251

  原油及び石油製品−試料採取方法

JIS K 3211

  界面活性剤用語

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8101

  エタノール(99.5)(試薬)

JIS K 8102

  エタノール(95)(試薬)

JIS K 8103

  ジエチルエーテル(試薬)

JIS K 8129

  塩化コバルト(II)六水和物(試薬)

JIS K 8142

  塩化鉄(III)六水和物(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8153

  ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(試薬)

JIS K 8163

  ヘキサクロロ白金(IV)酸カリウム(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)


2

K 3331

:2009

   

JIS K 8322

  クロロホルム(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)

JIS K 8403

  三塩化よう素(試薬)

JIS K 8464

  シクロヘキサン(試薬)

JIS K 8517

  二クロム酸カリウム(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8659

  でんぷん(溶性)

(試薬)

JIS K 8680

  トルエン(試薬)

JIS K 8848

  ヘキサン(試薬)

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS K 8913

  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8920

  よう素(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8987

  硫酸ナトリウム(試薬)

JIS K 9705

  テトラヒドロフラン(試薬)

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505

  ガラス製体積計

JIS Z 8401

  数値の丸め方

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211 及び JIS K 3211 によるほか,次による。

3.1 

中和価 

脂肪酸 1 g を中和するのに必要な水酸化カリウムの mg 数。

3.2 

タイター 

脂肪酸が凝固するときの温度。

種類 

種類は,

表 のとおりとする。


3

K 3331

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表 1−種類 

分類

種類

注記

工業用硬化油

工業用硬化油  1 号

工業用硬化油  2 号

極度品

普通品

工業用脂肪酸

工業用脂肪酸  1 号 
工業用脂肪酸  2 号

ステアリン酸,オレイン酸などの混合系 
ラウリン酸系

工業用ステアリン酸

工業用ステアリン酸  1 号 
工業用ステアリン酸  2 号

工業用ステアリン酸  3 号

安定剤用など 
ゴム加工用など

その他用

工業用オレイン酸

工業用オレイン酸  1 号

工業用オレイン酸  2 号 
工業用オレイン酸  3 号

精製品

普通品 
リノール酸,リノレン酸などの混合系

単体脂肪酸

単体脂肪酸カプリル酸 
単体脂肪酸カプリン酸 
単体脂肪酸ラウリン酸

単体脂肪酸ミリスチン酸 
単体脂肪酸パルミチン酸 
単体脂肪酸ステアリン酸

単体脂肪酸ベヘン酸

品質

工業用硬化油・脂肪酸の品質は,箇条 によって試験し,

表 2,表 3,表 4,表 及び表 のとおりとす

る。

表 2−工業用硬化油 

表 3−工業用脂肪酸 

項目

1

2

項目

1

2

酸価

a)

5

以下

5

以下

中和価

a)

 195

∼212 254∼277

けん化価

a)

 175

∼200 175∼200

けん化価

a)

 197

∼214 258∼280

よう素価

b)

3

以下 50 以下

よう素価

b)

40

∼  75

    5

∼ 13

融点  ℃ 57 以上 57 以下

融点  ℃

25

∼ 50

 21

∼ 27

色数(ガードナー)

3

以下

5

以下

色数(ガードナー)

8

以下

6

以下

a)

必要に応じて KOH mg/g を使用することができ
る。慣用として mgKOH/g も用いられる。

b)

必要に応じて I g/100 g を使用することができ

る。慣用として I

2

 g/100 g

も用いられる。

a)

必要に応じて KOH mg/g を使用することができ
る。慣用として mgKOH/g も用いられる。

b)

必要に応じて I g/100 g を使用することができ

る。慣用として I

2

 g/100 g

も用いられる。

表 4−工業用ステアリン酸 

項目

1

2

3

中和価

a)

 195

∼215 186∼210 177∼210

けん化価

a)

 197

∼217 190∼215 182∼215

よう素価

b)

  2

以下 10 以下 10 以下

融点  ℃

57

以上 52 以上 50 以上

色数(ハーゼン) 200 以下

色数(ガードナー)

− 10 以下 15 以下

a)

必要に応じて KOH mg/g を使用することができる。慣用として mgKOH/g も用いられる。

b)

必要に応じて I g/100 g を使用することができる。慣用として I

2

 g/100 g

も用いられる。


4

K 3331

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表 5−工業用オレイン酸 

項目

1

2

3

中和価

a)

 188

∼206 188∼206 188∼206

けん化価

a)

 190

∼208 190∼208 190∼208

よう素価

b)

81

∼ 95

 81

∼ 97

 90

∼182

タイター  ℃

  9

以下 12 以下

色数(ハーゼン) 300 以下

− 300 以下

色数(ガードナー)

− 12 以下

3

以下

c)

a)

必要に応じて KOH mg/g を使用することができる。慣用として mgKOH/g も用いられる。

b)

必要に応じて I g/100 g を使用することができる。慣用として I

2

 g/100 g

も用いられる。

c)

ガードナー色測定法の場合

表 6−単体脂肪酸 

項目

カプリル酸

カプリン酸

ラウリン酸 ミリスチン酸 パルミチン酸  ステアリン酸  ベヘン酸

中和価

a)

 382

∼392 318∼328 275∼285 240∼250 214∼224 192∼206 160∼172

よう素価

b)

  1

以下

    1

以下

    1

以下

    1

以下

    1

以下

    2

以下

    3

以下

タイター  ℃

12

∼ 18

 29

∼ 33

 41

∼ 45

 50

∼ 55

 58

∼ 63

 63

∼ 69

 74

∼ 79

純度  %(質量分率)

95

以上

95

以上

95

以上

95

以上

95

以上

90

以上

80

以上

色数(ハーゼン) 150 以下 150 以下 120 以下 120 以下 120 以下 120 以下 120 以下

a)

必要に応じて KOH mg/g を使用することができる。慣用として mgKOH/g も用いられる。

b)

必要に応じて I g/100 g を使用することができる。慣用として I

2

 g/100 g

も用いられる。

試料採取方法 

6.1 

ロット 

1

ロットとは,同一品質とみなされる次の製品をいう。

同一バッチで生産したもの,同一タンク内のもの,又は同一タンクから充てんしたもので,かつ,同一

条件の下で貯蔵したもの。

6.2 

ロットの識別 

試料容器には,ロットの識別ができるように,容器ごとに試料採取年月日及びロット番号又はタンク番

号を記入する。

6.3 

製品容器の種類 

製品容器の種類は,次のとおりとする。

a)

小形容器  18 L 缶,ドラム缶,紙袋など

b)

大形容器  タンク,タンクローリーなど

6.4 

代表試料の採取及び調製 

試料の採取は製品 1 ロットごとに行い,代表試料は製品容器の種類によって,次の方法で採取する。

a)

小形容器  乱数さい,乱数表及びその他適切な方法によって,表 に示す個数をランダムに抜き取り,

各容器から試料を採取し,混合して代表試料とする。

表 7−小形容器の抜取個数 

容器数

a)

1

∼3 4∼64 65∼125

抜取個数

全数 4  5

a)

容器数が 126 個以上の場合は,JIS K 2251 による。

b)

大形容器  大形容器の場合は,次のとおりとする。


5

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1)

容器内から採取する場合は,

表 に示す箇所で採取し,混合して代表試料とする。

表 8−大形容器の試料採取箇所 

採取箇所

タンク類

上層,中層,下層(表面から深さ 15  %,50  %及び 85  %)の
位置から,各 1 試料計 3 試料を採取する。

タンクローリーなど

タンク内各槽の中層から各 1 試料を採取する。

2)

パイプラインから採取する場合は,移送液のラインから,その初期,中期及び後期において採取し,

混合して代表試料とする。

c)

代表試料の採取量  代表試料の採取量は,その必要に応じて 1 000 mL∼1 500 mL とする。

6.5 

分析試料 

代表試料をよく混合して均一にした後,その必要に応じて 2 個∼3 個に分け,試料容器に入れて気密に

し,分析試料とする。分析試料の量は,500 mL とする。

6.6 

採取器具及び試料容器 

採取器具及び試料容器は,次のとおりとする。

a)

採取器具  試料の採取器具は,小形容器,大形容器又は試料の状態によって,適宜,使用する。

材質は,ステンレス鋼又はほうけい酸ガラスとする。一例を

図 に示す。

単位  mm

 a)

b)

c)

d)

 a)

ポンプサンプラー  液体用−タンクなど

 b)

オイルシーフ  液体用−ドラムなど

 c)

トライヤー  粒状・フレーク用−紙袋など

 d)

スクリューサンプラー  固体用−ドラムなど

図 1−採取器具の一例 

b)

試料容器  試料容器は,ほうけい酸ガラス製,ポリエチレン製,ポリプロピレン製,ポリスチレン製

などの気密容器を試料の状態によって,適宜,使用する。

6.7 

試料採取上の注意 

固体及び半固体は,通常,加熱融解して均一とした後,採取する。加熱する温度は,酸価及び色の品質

の変化を防ぐため,融点より 20  ℃以上高くしてはならない。


6

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試験方法 

7.1 

一般事項 

試験において共通する一般事項は,JIS K 0050JIS R 3503JIS R 3505 及び JIS Z 8401 による。

7.2 

酸価 

7.2.1 

要旨 

試料 1 g 中に含有する遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムを mg 数として求める。

7.2.2 

装置及び器具

装置及び器具は,次のとおりとする。

a)

水浴又は加熱板

b)

三角フラスコ  300 mL

c)

ビュレット  25 mL

d)

メスシリンダー  100 mL

e)

全量ピペット  25 mL

7.2.3 

試薬 

試薬は,次のとおりとする。

a)  0.1 mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液

1)

  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 7.0 g を水 5 mL に

溶かし,JIS K 8102 に規定するエタノール (95) で希釈して 1 L とし,密栓して二酸化炭素を遮り,2

日間∼3 日間放置した後,その上澄み液をとりポリエチレン製の気密容器に保存する。

標定は,0.1 mol/L 塩酸 25 mL を全量ピペットを用いて三角フラスコにとり,指示薬としてフェノー

ルフタレイン溶液  (10 g/L) 2∼3 滴を加え,0.1 mol/L 水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し,中和に

要した量からファクターを求める。

b)  0.1 mol/L

塩酸  JIS K 8001 の JA.5.2 e) 4)(0.1 mol/L 塩酸)による。

c)

フェノールフタレイン溶液 (10 g/L)    JIS K 8001 の JA.4(指示薬)による。

d) 

溶剤  JIS K 8101 に規定するエタノール (99.5)  と混合する溶剤として,JIS K 8680 に規定するトルエ

ン,JIS K 9705 に規定するテトラヒドロフラン又は JIS K 8103 に規定するジエチルエーテルの 3 種類

の中から 1 種類を選択し,体積比 1:1 で混合し

2)

,調製する。これらは,使用直前に指示薬としてフ

ェノールフタレイン溶液  (10 g/L) 2∼3 滴を加え,0.1 mol/L 水酸化カリウムエタノール溶液で中和して

おく。

1)

 0.1

mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液の代わりに 0.1 mol/L 水酸化カリウム溶液を用いる

こともできる。この場合,滴定中に生じる濁りによって終点が判別しにくくなるので,フェ

ノールフタレイン溶液 (10 g/L) を増加し,1 mL∼2 mL とする。

2) 

溶剤に溶けにくい試料の場合には,エタノール (99.5) と混合する溶剤とを体積比 2:1,1:

1

及び 1:2 のいずれかで混合し,用いることができる。また,溶剤のエタノールを JIS K 8839

に規定する 2-プロパノールに代替することができる。ただし,2-プロパノール及びテトラヒ

ドロフランの混合系は,使用しない。

7.2.4 

操作 

操作は,次のとおり行う。

a)

試料約 10 g を三角フラスコ 300 mL に 0.1 g のけたまではかりとる。

b)

溶剤 100 mL 及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液  (10 g/L) 2∼3 滴を加え,試料が完全に溶け

るまで十分に振り混ぜる。固体試料の場合は,水浴又は加熱板上で加熱溶融した後,溶剤を加えて溶


7

K 3331

:2009

かす。

c) 0.1

mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し,指示薬の薄い紅色が 30 秒間続いたときを終点と

する

3)

3)

電位差滴定でも測定することができる。ただし,この場合,電位差滴定で測定したことを明

記する。電位差滴定方法の一般事項は,JIS K 0113 による。

7.2.5 

計算 

酸価は,次の式によって算出する。

S

f

C

A

611

.

5

×

×

=

ここに,

A

酸価

C

滴定に用いた 0.1 mol/L 水酸化カリウムエタノール溶液の
量 (mL)

f

0.1 mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液のファクター

S

試料の質量 (g)

5.611

0.1 mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液 1 mL に含まれる

水酸化カリウムの mg 数 (mg/mL)

7.3 

中和価 

7.3.1 

要旨 

試料 1 g を中和するのに必要な水酸化カリウムを mg 数として求める。

7.3.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次のとおりとする。

a)

水浴又は加熱板

b)

三角フラスコ  300 mL

c)

ビュレット  25 mL

d)

メスシリンダー  100 mL

e) 

全量ピペット  25 mL

7.3.3 

試薬 

試薬は,次のとおりとする。

a)  0.5 mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 33 g を水 25 mL に

溶かし,JIS K 8102 に規定するエタノール (95) で希釈して 1 L とし,密栓して二酸化炭素を遮り,2

日間∼3 日間放置した後,その上澄み液をとりポリエチレン製の気密容器に保存する。

標定は,0.5 mol/L 塩酸 25 mL を全量ピペットを用いて三角フラスコにとり,指示薬としてフェノー

ルフタレイン溶液  (10 g/L) 2∼3 滴を加え,0.5 mol/L 水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し,中和に

要した量からファクターを求める。

b) 0.5 

mol/L

塩酸  JIS K 8001 の JA.5.2 e) 2)(0.5 mol/L 塩酸)による。

c)

0.1 mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液  7.2.3 a)  による。

d)

フェノールフタレイン溶液 (10 g/L)   JIS K 8001 の JA.4(指示薬)による。

e)

中性エタノール  JIS K 8102 に規定するエタノール (95) にフェノールフタレイン溶液  (10 g/L) 2∼3

滴を加え 0.1 mol/L 水酸化カリウムエタノール溶液で中和し,二酸化炭素を遮り保存する。

7.3.4 

操作 

操作は,次のとおり行う。


8

K 3331

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a)

試料の採取量は,

表 によって三角フラスコ 300 mL に 1 mg のけたまではかりとる。

b)

中性エタノール 50 mL 及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液  (10 g/L) 2∼3 滴を加え,試料が完

全に溶けるまで十分に振り混ぜる。固体試料の場合は,水浴又は加熱板上で加熱溶融した後,中性エ

タノールを加えて溶かす。

c) 0.5

mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し,指示薬の薄い紅色が 30 秒間続いたときを終点と

する

3)

表 9−試料の採取量

中和価

試料の採取量 (g)

300

未満

300

以上

1.0

0.5

7.3.5 

計算 

中和価は,次の式によって算出する。

S

f

C

N

05

.

28

×

×

=

ここに,

N

中和価

C

滴定に用いた 0.5 mol/L 水酸化カリウムエタノール溶液の量 
(mL)

f

0.5 mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液のファクター

S

試料の質量 (g)

28.05

0.5 mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液 1 mL に含まれる水

酸化カリウムの mg 数 (mg/mL)

7.4 

けん化価 

7.4.1 

要旨 

試料 1 g を完全にけん化するのに必要な水酸化カリウムを mg 数として求める。

7.4.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次のとおりとする。

a)

水浴,砂浴又は加熱板

b)

けん化用三角フラスコ  耐アルカリ性平底フラスコ 200 mL∼300 mL

c)

空気冷却器  外径 6 mm∼8 mm,長さ 100 cm のガラス管又は還流冷却器で,いずれもけん化用三角フ

ラスコの口にすり合わせ接続できるもの。

d)

ビュレット  50 mL

e)

全量ピペット  25 mL

7.4.3 

試薬 

試薬は,次のとおりとする。

a)  0.5 mol/L

塩酸  JIS K 8001 の JA.5.2 e) 2)(0.5 mol/L 塩酸)による。

b)  0.5 mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液  7.3.3 a)  による。

c)

フェノールフタレイン溶液 (10 g/L)    JIS K 8001 の JA.4(指示薬)による。

7.4.4 

操作 

操作は,次のとおり行う。

a)

試料 1.5 g∼2.0 g

4)

をけん化用三角フラスコに 1 mg のけたまではかりとる。

4)

試料の採取量は,試料の滴定に必要な 0.5 mol/L 塩酸の体積が,空試験に必要な体積の 1/2 に

近い量となる。


9

K 3331

:2009

b) 0.5

mol/L

水酸化カリウムエタノール溶液 25 mL を全量ピペットを用いて加える。

c)

けん化用三角フラスコに空気冷却器を取り付け,ときどき内容物を振り混ぜながら 30 分間水浴,砂浴

又は加熱板上で穏やかに加熱して反応させる。加熱するときは,還流するエタノールの環が空気冷却

器の上端に達しないように加熱温度を調節する。

d)

反応が終わった後,直ちにけん化用三角フラスコを加熱源から取り外し,内容物が寒天状に固まらな

いうちに空気冷却器の上から少量の水を吹き付けてその内壁を洗浄した後,空気冷却器を外す。

e)

指示薬としてフェノールフタレイン溶液  (10 g/L) 1 mL を加え,0.5 mol/L 塩酸で滴定し,溶液の紅色

が消え,薄い紅色が 1 分間現れなくなったときを終点とする

3)

f)

全操作にわたって,空試験を同一条件で行う。

7.4.5 

計算 

けん化価は,次の式によって算出する。

(

)

S

f

C

B

K

05

.

28

×

×

=

ここに,

K

けん化価

B

空試験の滴定に用いた 0.5 mol/L 塩酸の量 (mL)

C

滴定に用いた 0.5 mol/L 塩酸の量 (mL)

f

0.5 mol/L

塩酸のファクター

S

試料の質量 (g)

28.05

0.5 mol/L

塩酸 1 mL に含まれる塩酸と当量の水酸化カリウ

ムの mg 数 (mg/mL)

7.5 

よう素価 

7.5.1 

要旨 

試料に一塩化よう素を作用させ,吸収される一塩化よう素の量をよう素に換算し試料 100 g に対するよ

う素の g 数として求める。

7.5.2 

器具 

器具は,次のとおりとする。

a)

共栓付き三角フラスコ  200 mL∼500 mL でけい(頚)部のやや長いもの。

b)

ビュレット  50 mL

c)

全量ピペット  25 mL

7.5.3 

試薬 

試薬は,次のとおりとする。

a)

シクロヘキサン  JIS K 8464 に規定するもの。

b)

一塩化よう素溶液(ウィイス液)

5)

  一塩化よう素溶液は,次の 1)  又は 2)  のいずれかの方法によっ

て調製する。

1)  JIS K 8403

に規定する三塩化よう素 7.9 g と JIS K 8920 に規定するよう素 8.9 g とを別々のフラスコ

に取り,それぞれに JIS K 8355 に規定する酢酸を加えて溶かした後,両液を混合して,酢酸で全量

を 1 L とする。

2)  JIS K 8920

に規定するよう素 13 g を JIS K 8355 に規定する酢酸 1 L に溶かしてよう素溶液を作り,

その 20 mL を正確にはかりとり 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して滴定量を求めておく。

そのよう素溶液に塩素を通じた後,その 20 mL を正確にはかりとり,よう化カリウム溶液 (100 g/L)

約 15 mL 及び水約 100 mL を加え,0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この場合,滴定


10

K 3331

:2009

   

量が最初の滴定量の 2 倍になるようにする。

5)

一塩化よう素溶液(ウィイス液)には市販品がある。

c)

よう化カリウム溶液 (100 g/L)  JIS K 8913 に規定するよう化カリウムを用いて調製する。

d)  0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液  JIS K 8001 の JA.5.2 t) 2)(0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液)に

よる。

e)

でんぷん溶液 (10 g/L)  JIS K 8659 に規定するでんぷん(溶性)1.0 g を少量の水に混合し,沸騰水 100

mL

に加えて数分間煮沸して透明にした後,冷却する。

7.5.4 

操作 

操作は,次のとおり行う。

a)

試料は,

表 10 に規定する採取量を,共栓付き三角フラスコに 0.1 mg のけたまではかりとる。

b)

シクロヘキサン約 10 mL を加え,試料を溶かす。

c)

一塩化よう素溶液 25 mL を全量ピペットを用いて加え,振り混ぜる。

d)

栓をして,常温で

表 10 に規定する作用時間,暗所に置く。

e)

よう化カリウム溶液 (100g/L) 約 20 mL 及び水約 100 mL を加える。

f) 0.1

mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液が薄い黄色になったとき,指示薬としてでんぷん溶

液 (10 g/L) 約 0.5 mL を加え,よう素でんぷんの青が消えるまで滴定する

3)

g)

全操作にわたって,空試験を同一条件で行う。

表 10−試料の採取量及び作用時間

よう素価

3

未満

3

以上∼

10

未満

10

以上∼

30

未満

30

以上∼

50

未満

50

以上∼

100

未満

100

以上∼

150

未満

150

以上∼

200

未満

試料採取量 (g)

5

∼3 3.0∼2.5 2.5∼0.6 0.60∼0.40

0.30

∼0.20

0.20

∼0.12 0.15∼0.10

作用時間

(min)

30 30 30 30 30 60 60

7.5.5 

計算 

よう素価は,次の式によって算出する。

(

)

S

f

C

B

I

100

69

012

.

0

×

×

×

=

ここに,

I

よう素価

B

空試験に用いた 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の量 
(mL)

C

滴定に用いた 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の量 
(mL)

f

0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

S

試料の質量 (g)

0.012 69

0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液 1 mL のよう素相当量

(g/mL)

7.6 

融点 

7.6.1 

要旨 

試料を毛細管に満たして加熱し,試料が毛細管中で上昇し始める温度(上昇融点)を求める。

7.6.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次のとおりとする。

a)

加熱装置


11

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b)

毛細管  内径 0.8 mm∼1.2 mm,外径 2 mm 以下,長さ 50 mm∼80 mm で,両端が開いているもの。

c)

温度計  JIS B 7410 に規定するもの,又は 0.1  ℃まで読み取れるもの。

d)

ビーカー  500 mL

e)

ろ紙  JIS P 3801 に規定するろ紙 2 種。

7.6.3 

操作 

操作は,次のとおり行う。

a)

試料は溶融した状態で,乾燥したろ紙でろ過し透明にする。

b)  2

本の毛細管の一端を溶融した試料に浸して,約 10 mm の高さまで試料を満たし,これを 10  ℃以下

に 24 時間又は氷上に 1 時間放置する。

c)

この毛細管 2 本を温度計の下部にゴム輪又は適切な方法で密着させ,これらの下端をそろえる。

d)

ビーカー500 mL に水を満たし,予想される融点より 15  ℃∼20  ℃低い温度に水温を調節した後,そ

の中に c)  で用意した温度計を浸し,その下端を水面下約 30 mm の深さに置く。

e)

ビーカーの水をかき混ぜながら,最初は 1 分間に 2  ℃ずつ上昇させ,予想される融点より約 10  ℃低

い温度に達した後は 1 分間に 0.5  ℃ずつ上昇するように加熱装置を用いて加熱する。

f)

試料が毛細管中で上昇するときの温度を読み取り,2 本の差が 0.3  ℃以内の場合,その平均値を融点

とする。差が 0.3  ℃を超えるときは,b)  の操作から測定を繰り返す。

7.7 

タイター 

7.7.1 

要旨 

乾燥した試料を冷却するときに液体が凝固する温度を求める。

7.7.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次のとおりとする。

a)

タイター測定装置  1)7)  の器具で組み立てた装置を図 に示す。

1)

浴槽  ビーカー2 000 mL

2)

広口瓶  450 mL,高さ 190 mm,けい(頚)部の内径 38 mm

3)

試験管  内径 25 mm,長さ 100 mm,底部から 57 mm のところに標線のあるもの。

4)

かき混ぜ棒  ステンレス鋼製,直径 2 mm∼3 mm,下端の輪の直径 19 mm

5)

温度計  JIS B 7411 に規定するもの。

6)

コルク栓

7)

タイター用温度計  JIS B 7410 に規定するもの,又は 0.1  ℃まで読み取れるもの。


12

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単位  mm

 A

:浴槽

 B

:広口瓶

 C

:試験管

 D

:かき混ぜ棒

 E

:温度計

 F

:コルク栓

 G

:タイター用温度計

図 2−タイター測定装置 

b)

ろ紙  JIS P 3801 に規定するろ紙 2 種。

7.7.3 

操作 

操作は,次のとおり行う。

a)

試料を乾燥ろ紙でろ過した後,130  ℃に加熱して微量の水分を除き,試験管の標線まで入れる。

b)

タイター用温度計を試験管の中央に差し込み,水銀球の下端が試験管の底部から約 10 mm 上になるよ

うにする。

c)

浴槽に水を入れ,水位を試料面より約 10 mm 高くし,浴槽の温度を予想するタイターの 15  ℃∼20  ℃

低い温度に調節した後,試料を入れた試験管を

図 のように組み立て,冷却する。

d)

試験管中の温度計が予想されるタイターより 10  ℃高い温度を示したときに,かき混ぜ棒を毎分 100

回の割合で上下に約 30 mm の間隔に動かして十分にかき混ぜる。

e)

温度変化が 30 秒間停止するか,又は 30 秒間以内に上昇を始めたときにかき混ぜをやめ,かき混ぜ棒

を液面上に引き上げて温度変化を観察する。温度が上昇し最高を示す点,又は一定時間静止した点を

タイターとする。

f)

測定は同一試料で 2 回行い,2 回の測定値の差が 0.2  ℃以内の場合は,その平均値をタイターとする。

0.2

℃を超えるときは,2 回の測定値の差が 0.2  ℃以下になるまで a)f)  の操作を繰り返す。

g)

タイターには,

図 又は図 の二つの形があり,グラフ上でその温度を求める。

図 

図 


13

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7.8 

色数(ハーゼン) 

7.8.1 

要旨 

試料を比色管に取り,ハーゼン比色液と比較して,色数(ハーゼン)を求める。

7.8.2 

器具 

器具は,次のとおりとする。

a)

比色管  共栓付き平底ガラス管。それぞれ内径 20 mm の同質,同形で内厚の等しいもの。かつ,底部

から 300 mm のところに標線のあるもの。

b)

白色板  JIS P 3801 に規定するろ紙 2 種。

7.8.3 

試薬 

試薬は,次のとおりとする。

a)

ヘキサクロロ白金 (IV) 酸六水和物  JIS K 8153 に規定するもの。

b)

ヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム  JIS K 8163 に規定するもの。

c)

塩化コバルト (II) 六水和物  JIS K 8129 に規定するもの。

d)

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

e)

ハーゼン比色液  ヘキサクロロ白金 (IV) 酸六水和物 2.65 g 又はヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム

2.49 g

及び塩化コバルト (II) 六水和物 2.00 g をそれぞれはかりとり,これに塩酸 200 mL を加えて溶

かした後,水を加えて 2 000 mL とし,これをハーゼン 500 の比色原液とする。ハーゼン 500 未満の比

色液は,

ハーゼン 500 の比色原液と水とを

表 11 によって混合して調製し,密栓して冷暗所に保存する。

この場合,調製後,1 年以上経過したハーゼン 500 の比色原液及び 1 か月以上経過したハーゼン 500

未満の比色液は用いてはならない。

表 11−ハーゼン比色液

ハーゼン比 
色液の番号

ハーゼン 500 の

比色原液量 (mL)

 (mL)

ハーゼン比 
色液の番号

ハーゼン 500 の

比色原液量 (mL)

(mL)

 0

 0

500

 70

 70

430

 5

 5

495

 80

 80

420

10

10

490

 90

 90

410

15 15  485

100 100  400

20 20  480

120 120  380

25 25  475

150 150  350

30 30  470

200 200  300

35 35  465

250 250  250

40 40  460

300 300  200

50 50  450

400 400  100

60

60

440

500

500

  0

7.8.4 

操作 

試料とハーゼン比色液とをそれぞれ比色管の標線まで入れ,白色板上に置き,拡散昼光の下で比色管の

上方から下方に透かして色を比較する。

7.8.5 

判定 

試料に最も近似したハーゼン比色液を選び,そのハーゼン比色液の番号で表す。

7.9 

色数(ガードナー) 

7.9.1 

要旨 

試料を比色管に取り,ガードナー比色液又はガードナー色ガラス

6)

と比較して,色数(ガードナー)を


14

K 3331

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求める。

6)

ガードナーの標準色ガラスセットとして,市販のもの。

7.9.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次のとおりとする。

a)

ガードナー色ガラス測定装置

7) 

7)

ガードナーの標準色ガラス測定用として,市販のもの。

b)

ガードナー・ホルト試験管  内径 10.65 mm±0.025 mm,外径 12.3 mm,長さ 114 mm±1 mm の平底ほ

うけい酸ガラス管で 2 本の標線を管の口から 5 mm 及び 13 mm の 2 か所に刻んだもの。

7.9.3 

試薬 

試薬は,次のとおりとする。

a)

塩酸 (117)    JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

b)

塩化鉄 (III) 溶液  JIS K 8142 に規定する塩化鉄 (III) 六水和物と塩酸 (1+17)  とを質量比 5:1.2 で

溶かして調製する。

この溶液の色調は JIS K 8951 に規定する硫酸 100 mL と JIS K 8517 に規定する二クロム酸カリウム

3 g

とを用いて新しく調製した溶液の色調に合わせるように,塩化鉄 (III) 六水和物と塩酸 (1+17)  と

の比率を増減する。

c)

塩化コバルト (II) 溶液  JIS K 8129 に規定する塩化コバルト (II) 六水和物と塩酸 (1+17)  とを質量

比 1:3 で溶かして調製する。

d)

ヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム  JIS K 8163 に規定するもの。

e) 0.1 

mol/L

塩酸  JIS K 8001 の JA.5.2 e) 4)(0.1 mol/L 塩酸)による。

f)

ガードナー比色液  表 12 によって調製してガードナー・ホルト試験管に入れて密栓する。

表 12−ガードナー比色液

ガードナー 
比色液の番号

0.1 mol/L

塩酸 1 000 mL 中のヘキサ

クロロ白金(IV)酸カリウム (g)

ガードナー 
比色液の番号

塩化鉄 (III)
溶液 (mL)

塩化コバルト (II) 
溶液 (mL)

塩酸 (1+17)

(mL)

1

0.550

 9

  3.8

 3.0

93.2

2

0.865

10

  5.1

 3.6

91.3

3

1.330

11

  7.5

 5.3

87.2

4

2.080

12

 10.8

 7.6

81.6

5 3.035 13

16.6

10.0

73.4

6 4.225 14

22.2

13.3

64.5

7 6.400 15

29.4

17.6

53.0

8 7.900 16

37.8

22.8

39.4

17

51.3

25.6

23.1

18

100.0

 0.0

 0.0

7.9.4

操作 

操作は,次のとおり行う。

a)

試料をガードナー・ホルト試験管に気泡が入らないように注意して入れる。

b)

試料とガードナー比色液とを平行に並べて,北側自然光によって色を比較する。また,ガードナー色

ガラスを用いる場合には,そのガードナー色ガラス測定装置に試料を入れて,色を比較する。


15

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7.9.5 

判定 

試料に最も近似したガードナー比色液,又はガードナー色ガラスを選び,そのガードナー比色液,又は

ガードナー色ガラスの番号で表す。

例  色数(ガードナー)5∼6 の場合には,次の 4 段階の表示ができる。

色数(ガードナー)5,5

,6

,6

7.10 

純度 

7.10.1 

要旨 

脂肪酸をメチルエステルとした後に,ガスクロマトグラフによって純度を求める。

7.10.2 

装置及び器具など 

装置及び器具は,次のとおりとする。

a)

ガスクロマトグラフ  JIS K 0114 に規定するもの。

1)

検出器  水素炎イオン化検出器又は熱伝導度検出器。

2) 

キャリヤーガス  JIS K 1107 に規定する窒素 2 級,JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級,純度 99.99

%(体積分率)

,酸素含有量 50 ppm(体積分率)以下及び水分含有量 10.7 ppm(体積分率)以下の

ヘリウムなどの不活性ガス。

3)

助燃ガス(検出器用ガス)  JIS K 0512 に規定する水素 3 級で有機物を含まないもの。空気又は酸

素は,有機物を含まないもの。

b)

カラム用管  ほうけい酸ガラス管又はステンレス鋼管で内径 3 mm∼4 mm,長さ 1 m∼3 m のもの。

c)

カラム充てん剤  シラン化処理したけい藻土又は適切な不活性のものであり,粒子の大きさが 150

μm

∼180

μm 又は 180 μm∼250 μm で,それぞれ±25 μm の範囲にあるもの。

固定相は極性をもつポリエステル系(例えば,こはく酸ポリジエチレングリコールエステル又はこ

はく酸ポリブタンジオールエステル,アジピン酸ポリエチレングリコールエステル)

,シアノシリコー

ン系などで,充てん剤に対して 5  %∼20  %の量を使用する。

d)

マイクロシリンジ  1

μL∼10 μL

e)

エステル化用フラスコ  平底フラスコ又は三角フラスコ。容量 50 mL で還流冷却器をすり合わせ接続

できるもの。

f)

還流冷却器  リービッヒ形 200 mm∼300 mm

g)

全量フラスコ  10 mL 及び 25 mL

h)

全量ピペット  1 mL

7.10.3 

試薬 

試薬は,次のとおりとする。

a)

三ふっ化ほう素メタノール溶液

8)

  JIS K 8891 に規定するメタノール 1 L をフラスコ 2000 mL に入れ

て質量をはかり,氷浴中で冷却する。フラスコを氷浴中に入れたまま三ふっ化ほう素をガラス管でメ

タノール中に徐々に吹き込み,

125 g

吸収させる。

この操作は,

ドラフトの中で行わなければならない。

8)

三ふっ化ほう素メタノール溶液には市販品がある。

b)

塩化ナトリウム溶液(飽和)  JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウムを用いて調製する。

c)

ヘキサン  JIS K 8848 に規定するもの。

d)

硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。

e)

メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

f)

クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。


16

K 3331

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g)

内標準物質溶液  内標準物質は,試料に含まれない飽和脂肪酸で純度が明らかなものを用いる。この

内標準物質約 125 mg を全量フラスコ 25 mL に 1 mg のけたまではかりとり,メタノールに溶かし,メ

タノールを標線まで加える。ただし,オクタン酸(カプリル酸)については,約 250 mg を全量フラ

スコ 10 mL に 1 mg のけたまではかりとり,メタノールに溶かし,メタノールを標線まで加える。ベ

ヘン酸の場合には,クロロホルムを用いる。

h)

比較脂肪酸溶液  比較脂肪酸は,測定しようとする脂肪酸と同一の脂肪酸で,内標準物質と同一の脂

肪酸を含まないものを用いる[純度が 95  %(質量分率)以上]

。この比較脂肪酸約 125 mg を全量フ

ラスコ 25 mL に 1 mg のけたまではかりとり,メタノールに溶かし,メタノールを標線まで加える。

ただし,オクタン酸(カプリル酸)については,約 250 mg を全量フラスコ 10 mL に 1 mg のけたまで

はかりとり,メタノールに溶かし,メタノールを標線まで加える。ベヘン酸の場合には,クロロホル

ムを用いる。

7.10.4 

試料溶液の調製 

試料約 125 mg を全量フラスコ 25 mL に 1 mg のけたまではかりとり,メタノールに溶かし,メタノール

を標線まで加える。ただし,オクタン酸(カプリル酸)については,約 250 mg を全量フラスコ 10 mL に 1

mg

のけたまではかりとり,メタノールに溶かし,メタノールを標線まで加える。ベヘン酸の場合には,

クロロホルムを用いる。

7.10.5 

メチルエステルの調製 

a)

オクタン酸(カプリル酸)  試料溶液及び内標準物質溶液各 1 mL を全量ピペットを用いてエステル

化用フラスコにとり,三ふっ化ほう素メタノール溶液 7 mL を加える。還流冷却器を付けて 2 分間沸

騰水浴中で還流した後,還流冷却器上部からヘキサン 5 mL を加え,更に 1 分間還流する。加熱を止

め,エステル化用フラスコを還流冷却器から外し,ヘキサン層がエステル化用フラスコの首に達する

まで塩化ナトリウム溶液(飽和)を加え,栓をして 20 回以上振とうする。1 分間放置後,ヘキサン層

を分離する。

水層にヘキサン 5 mL を加え,栓をして 20 回以上振とうし,1 分間放置後,ヘキサン層を分離する。

分離したヘキサン層を合わせ,硫酸ナトリウムを加えて脱水する。調製したメチルエステルは,でき

るだけ速く分析に用いる。

b) 

デカン酸(カプリン酸)∼ベヘン酸  試料溶液及び内標準物質溶液各 1 mL を全量ピペットを用いて

エステル化用フラスコにとり,三ふっ化ほう素メタノール溶液 7 mL を加える。還流冷却器を付けて 2

分間沸騰水浴中で還流した後,還流冷却器上部からヘキサン 5 mL を加え,更に 1 分間還流する。加

熱を止め,エステル化用フラスコを還流冷却器から外し,ヘキサン層がエステル化用フラスコの首に

達するまで塩化ナトリウム溶液(飽和)を加える。ヘキサン層の一部を試験管にとり,少量の硫酸ナ

トリウムを加えて脱水する。調製したメチルエステルは,できるだけ速く分析に用いる。

7.10.6 

操作 

操作は,JIS K 0114 の 8.1(装置の設置),8.2(安全)及び 9.(測定準備)によって行う。

カラム温度を,110  ℃∼210  ℃,試料導入部及び検出器をカラムより約 30  ℃高い温度に設定する。7.10.5

で調製したメチルエステル 1

μL∼3 μL をマイクロシリンジでとり,試料導入部から速やかに注入し,測定

を行う。

7.10.7 

補正係数 

比較脂肪酸溶液及び内標準物質溶液各 1 mL を全量ピペットを用いてエステル化用フラスコにとり,

7.10.5

によってメチルエステル化し,ガスクロマトグラフに注入する。


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K 3331

:2009

ガスクロマトグラムから比較脂肪酸及び内標準物質のピーク面積を求め,比較脂肪酸の内標準物質に対

する補正係数を次の式から算出する。

O

R

O

R

O

R

C

A

W

C

A

W

K

×

×

×

×

=

ここに,

K

補正係数

W

O

内標準物質の質量 (mg)

W

R

比較脂肪酸の質量 (mg)

A

O

内標準物質のピーク面積

A

R

比較脂肪酸のピーク面積

C

O

内標準物質の純度[%(質量分率)

C

R

比較脂肪酸の純度[%(質量分率)

なお,正確な値を必要としない場合は,補正係数を 1.00 とすることができる。

7.10.8 

定量 

7.10.5

で得られた試料を 7.10.6 と同一条件でガスクロマトグラフに注入し,測定脂肪酸及び内標準物質

のピーク面積を求め,次の式によって純度を算出する。

S

O

O

O

S

W

A

K

C

W

A

P

×

×

×

×

=

ここに,

P

純度  (%)

A

O

内標準物質のピーク面積

A

S

測定脂肪酸のピーク面積

W

O

内標準物質の質量 (mg)

W

S

試料の質量 (mg)

C

O

内標準物質の純度[%(質量分率)

K

補正係数

検査 

検査は,箇条 によって試験したとき,箇条 の規定に適合しなければならない。

表示 

工業用硬化油・脂肪酸には,容器ごとに,次の事項を表示しなければならない。ただし,大形容器の場

合には,送り状に記載してもよい。

a)

種類及び規格番号

b)

正味質量又は正味容量

c)

製造業者名又はその略号

d)

製造年月又はその略号

e)

製造番号又はロット番号


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K 3331

:2009

   

参考文献  [1]  JIS K 0113  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

[2]

  JIS K 8839  2-プロパノール(試薬)

[3]

  ISO 660:1996,Animal and vegetable fats and oils−Determination of acid value and acidity

[4]

  ISO 661:2003,Animal and vegetable fats and oils−Preparation of test sample

[5]

  ISO 935:1988,Animal and vegetable fats and oils−Determination of titre

[6]

  ISO 2211:1973,Liquid chemical products−Measurement of colour in Hazen units

(platinum-cobalt scale)

[7]

  ISO 3657:2002,Animal and vegetable fats and oils−Determination of saponification value

[8]

  ISO 3961:1996,Animal and vegetable fats and oils−Determination of iodine value

[9]

  ISO 5508:1990,Animal and vegetable fats and oils−Analysis by gas chromatography of methyl

esters of fatty acids

[10]

  ISO 5509:2000,Animal and vegetable fats and oils−Preparation of methyl esters of fatty acids