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K 2280-2:2018  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験の原理 ······················································································································ 4 

5 試薬及び標準物質 ············································································································· 5 

6 器具及び装置 ··················································································································· 6 

7 試料の採取方法及び調製方法 ······························································································ 8 

8 試験用エンジン及び計測機器の基本設定並びに標準運転条件 ···················································· 8 

9 試験用エンジンの点検,適合性試験及び性能評価 ·································································· 14 

10 試験の手順 ··················································································································· 17 

11 計算方法 ······················································································································ 27 

12 結果の表し方 ················································································································ 28 

13 精度 ···························································································································· 28 

14 試験結果の報告 ············································································································· 29 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 31 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,石油連盟(PAJ)

から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経

て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 2280-2:2013は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 2280の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 2280-1 第1部:リサーチ法オクタン価 

JIS K 2280-2 第2部:モータ法オクタン価 

JIS K 2280-3 第3部:過給法オクタン価 

JIS K 2280-4 第4部:セタン価 

JIS K 2280-5 第5部:セタン指数 

日本工業規格          JIS 

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石油製品− 

オクタン価,セタン価及びセタン指数の求め方− 

第2部:モータ法オクタン価 

Petroleum products-Determination of octane number, cetane number and 

calculation of cetane index-Part 2: Motor octane number 

序文 

この規格は,2014年に第4版として発行されたISO 5163を基とし,国内の実情に合わせるため,技術

的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,火花点火式エンジン用燃料の0〜120の範囲のモータ法オクタン価を求める方法について規

定する。 

この規格は,質量分率4.0 %以下の酸素を含む酸素化合物混合燃料にも用いることができる。また,体

積分率25 %以下のエタノールを含むガソリン燃料にも用いることができる。 

注記1 実用的なオクタン価の測定範囲は,40〜120であり,通常行われる測定範囲は,80〜90であ

る。 

注記2 体積分率25 %のエタノールは,おおよそ質量分率9 %の酸素に相当するが,4〜9 %の酸素含

有ガソリンに適用できるのは,エタノールを含むガソリン燃料だけである。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 5163:2014,Petroleum products−Determination of knock characteristics of motor and aviation 

fuels−Motor method(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

警告 この規格は,危険な試薬,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用方法を全てに規

定しているわけではないので,この試験方法の使用者は,試験に先立って,適切な安全上及び

健康上の禁止事項を決めておかなければならない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

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JIS B 0108-1 往復動内燃機関−用語−第1部:機関設計及び運転用語 

JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 2249-1 原油及び石油製品−密度の求め方−第1部:振動法 

JIS K 2249-2 原油及び石油製品−密度の求め方−第2部:浮ひょう法 

JIS K 2249-3 原油及び石油製品−密度の求め方−第3部:ピクノメータ法 

JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法 

注記 対応国際規格:ISO 3170,Petroleum liquids−Manual sampling 

JIS K 8680 トルエン(試薬) 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

注記 対応国際規格:ISO 4787,Laboratory glassware−Volumetric instruments−Methods for testing of 

capacity and for use 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的

な使い方 

ISO 3171,Petroleum liquids−Automatic pipeline sampling 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0108-1によるほか,次による。 

3.1 

モータ法オクタン価(motor octane number:MON) 

この規格で規定する条件で調整したCFRエンジンで試験したとき,試料のノック強度を既知のオクタン

価の正標準燃料のノック強度と比較することによって得られるアンチノック性を表す尺度。 

注記 モータ法オクタン価は,一定速度で運転する単気筒,4サイクル,可変圧縮比,気化器付きの

CFRエンジンを用いて高速運転条件下の自動車エンジンにおける自動車ガソリンのアンチノッ

ク性の尺度を表す。また,モータ法オクタン価から換算して求める航空法オクタン価又は出力

価(希薄混合気の航空燃料評価)は,航空用ピストンエンジンにおける航空燃料のノック特性

の尺度を表す。 

CFRエンジンは,ASTM-CFR(American Society for Testing and Materials−Cooperative Fuel 

Research Committee)によって認可されたオクタン価試験専用のエンジンであり,製造業者は,

米国内の一社だけである。 

3.2 

シリンダ高さ(cylinder height) 

ダイヤル指示計又はデジタルカウンタによって示すピストン上死点(t.d.c.)とシリンダとの相対的な位

置。 

3.3 

ダイヤル指示計示度(dial indicator reading) 

シリンダ高さが高くなる(低圧縮比)と大きい値に,シリンダ高さが低くなる(高圧縮比)と小さい値

になるシリンダ高さの数値。ダイヤルゲージ示度ともいう。 

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3.4 

デジタルカウンタ示度(digital counter reading) 

シリンダ高さが高くなる(低圧縮比)と小さい値に,シリンダ高さが低くなる(高圧縮比)と大きい値

になるシリンダ高さの数値。 

3.5 

デトネーションメータ(detonation meter) 

デトネーションピックアップからの電気信号を受け取り,ノックメータに表示するための出力信号を与

えるノック信号調整装置。 

注記 メータには,アナログ・デトネーションメータとデジタル・デトネーションメータとがある。 

3.6 

デトネーションピックアップ(detonation pickup) 

エンジンシリンダに取り付け,燃焼室の圧力の変化度合いに比例して,デトネーションに対する電気信

号を発生するマグネトロン形の変換器。 

3.7 

ファイヤリング(firing) 

燃料を燃焼させながら試験用エンジンを運転する状態。 

3.8 

最高ノック強度の空燃比(fuel-air ratio for maximum knock intensity) 

各燃料に対して最高ノック強度を与える燃料に対する空気の混合割合。 

3.9 

ガイド表(guide tables) 

標準大気圧の下で運転した試験用エンジンの標準ノック強度におけるシリンダ高さ(圧縮比)とオクタ

ン価との関係を示した表。 

3.10 

ノック(knock) 

燃焼室において末端ガスの一部が自己点火することによって起こる,音,振動などの発生を伴う異常燃

焼。 

3.11 

ノック強度(knock intensity) 

ノックの強さ。 

注記 ノック強度の測定には,アナログ・デトネーションメータを用いる方法か,又はデジタル・デ

トネーションメータを使用したXCPデジタル技術を用いる方法がある。 

3.12 

標準ノック強度 

表5又は表6によって正標準燃料のオクタン価に対するデジタルカウンタ示度又はダイヤル指示計示度

を求め,表7又は表8によって標準大気圧に補正した示度となるようにシリンダ高さ(圧縮比)を調整し,

最高ノック強度の空燃比で試験を実施したときに得られるノック強度。 

アナログ・デトネーションメータを使用する場合は,ノックメータの読みが(50±2)を示すように調整

する。 

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3.13 

ノックメータ(knockmeter) 

デトネーションメータからのノック強度信号を表示する目盛を備えた表示計。 

注記 メータには,アナログメータ(ノック強度信号を0〜100の目盛で表示する。)とデジタルメー

タとがある。 

3.14 

希薄混合気の航空燃料評価(lean mixture aviation rating) 

希薄な空燃比条件にある航空用ピストンエンジンで用いられる燃料のアンチノック性の尺度。 

3.15 

モータリング(motoring) 

電動機だけを用いて試験用エンジンを運転する状態。 

3.16 

開き度(spread) 

デトネーションメータの感度。1オクタン価の差を示す正標準燃料のノックメータ示度の差。 

3.17 

酸素化合物(oxygenate) 

アルコール類,エーテル類などの酸素を含む有機化合物。 

3.18 

正標準燃料(primary reference fuels:PRF) 

オクタン価の尺度として用いる燃料。正標準燃料には,5.4に規定する2,2,4-トリメチルペンタン(以下,

イソオクタンという。),5.5に規定するn-ヘプタン(以下,ヘプタンという。),試験に供するオクタン価

に合わせイソオクタンとヘプタンとを混合した燃料及びイソオクタンと四エチル鉛とを混合した燃料があ

る。 

3.19 

トルエン系点検燃料(toluene standardization fuel blends:TSF) 

試験用エンジンの使用可否を判断するための適合性試験に用いる燃料。トルエン,ヘプタン及びイソオ

クタンのうち,二つ以上の混合液で,モータ法のオクタン価校正値及び規定の測定許容差をもつ。 

試験の原理 

モータ法オクタン価試験装置を規定の条件で運転し,試料の予期オクタン価に近い数種の正標準燃料の

ノック強度と試料のノック強度とを比較して求める。 

測定方法には,次の内挿−平衡燃料レベル法,内挿−動的燃料レベル法及び圧縮比法の3種類がある。

全ての方法が,自動車ガソリンのオクタン価の範囲において同等な精度をもっていて,特定のオクタン価

範囲での評価のために使うことができる。 

a) 内挿−平衡燃料レベル法 一定の圧縮比で,二つの正標準燃料のノックメータ示度の間に,試料のノ

ックメータ示度を挟み込み,試料のオクタン価を求める。 

b) 内挿−動的燃料レベル法 試料のオクタン価を求める手順は内挿−平衡燃料レベル法と同等であるが,

空燃比の調整にフォーリングレベルシステムを使用する方法[8.29 b) 参照]。 

c) 圧縮比法 正標準燃料を用いて,あらかじめ標準のシリンダ高さを設定し,この運転条件において試

料の標準ノック強度が得られるシリンダ高さから試料のオクタン価を求める方法。圧縮比法によって

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得られた試験結果に疑義が生じた場合は,内挿−平衡燃料レベル法又は内挿−動的燃料レベル法の結

果によって判定する。 

注記 ASTM D2700-12には,オクタン価の測定手順として,内挿OA法を加えて次の4種類の方法が

記載されている。いずれの方法も,通常のオクタン価範囲では,同等の精度をもつことから,

市販の自動車ガソリンのオクタン価測定に用いられている。 

− A法:内挿−平衡燃料レベル法 

− B法:内挿−動的燃料レベル法 

− C法:圧縮比法 

− D法:内挿OA法 

試薬及び標準物質 

試薬及び標準物質は,次による。 

5.1 

シリンダジャケット冷却液 JIS K 0557に規定するA3の水に不凍液,水処理剤などを加えたもの。 

気圧が低い試験室の場合は,冷却液の温度が100 ℃±1.5 ℃となるように市販のグリコールを主剤にした

不凍液を加えた水を用いる。水処理剤は,管内の腐食及び鉱物質スケールの付着を防ぐために用いる。冷

却液は,オーバーホール時に全量交換するのが望ましい。冷却液の廃棄については,薬品業者の推奨する

方法で処理する。 

5.2 

気化器冷却液 水,又は水と不凍液とを混合したもの。 

燃料が沸騰するのを防ぐために用いるもので,冷却液の温度を0.6〜10 ℃に調節する(8.30参照)。 

5.3 

エンジンクランク室の潤滑油 100 ℃の動粘度が9.3〜12.5 mm2/sであり,粘度指数が85以上のもの。 

粘度指数向上剤を含む潤滑油及びマルチグレード潤滑油を用いてはならない。 

注記 潤滑油は,JIS K 2215に規定する陸用3種3号で粘度指数が85以上のもの及びシングルグレー

ド並級モータ油30が相当する。 

5.4 

イソオクタン正標準燃料 表1に規定する品質のもの。これをオクタン価100の正標準燃料とする。 

5.5 

ヘプタン正標準燃料 表1に規定する品質のもの。これをオクタン価0の正標準燃料とする。 

表1−正標準燃料(イソオクタン及びヘプタン)の品質 

正標準燃料の種類 

鉛分 

g/L 

イソオクタン分 

体積分率% 

ヘプタン分 

体積分率% 

イソオクタン 

0.000 5以下 

99.75以上 

0.10以下 

ヘプタン 

0.000 5以下 

0.10以下 

99.75以上 

注記1 イソオクタン分及びヘプタン分の求め方は,ASTM D2268に記載されている。 
注記2 イソオクタン及びヘプタンの鉛分の求め方は,IP 224に記載されている。 

5.6 

四エチル鉛希釈溶液 航空燃料混合用四エチル鉛アンチノック剤を,キシレン体積分率70 %とヘプ

タン体積分率30 %とを混合した希釈剤に溶かしたもの。 

この希釈溶液は,四エチル鉛を質量分率18.23 %±0.05 %含み,比重15.6/15.6 ℃が0.957〜0.967の範囲

にあるものとする。希釈溶液の四エチル鉛を除く代表的な組成を,次に示す。 

二臭化エチレン(掃気剤)      質量分率10.6 % 

キシレン              質量分率52.5 % 

ヘプタン              質量分率17.8 % 

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染料,酸化防止剤,不活性剤     質量分率0.87 % 

警告 四エチル鉛は,有毒であり可燃性である。その取扱いについては,四アルキル鉛中毒予防規則

によって十分な安全対策をとらなければならない。 

5.7 

オクタン価100以下の正標準燃料 イソオクタン正標準燃料とヘプタン正標準燃料とを調合したも

の。 

オクタン価は,イソオクタンの体積分率(%)で表す。 

5.8 

オクタン価100を超える正標準燃料 イソオクタン400 mLに四エチル鉛希釈溶液をmL単位で加え

て調合したもの。 

注記1 この正標準燃料における四エチル鉛希釈溶液の添加量(mL)は,イソオクタン中の四エチル

鉛による混合オクタン価に示すイソオクタン3.785 L中の四エチル鉛の添加量(mL)に等し

い。 

注記2 イソオクタン中の四エチル鉛による混合オクタン価は,ASTM D2700-12のAnnex A3

(Reference Fuel Blending Tables)に記載されている。 

5.9 

トルエン 純度が質量分率99.5 %以上のものか,又はJIS K 8680に規定するトルエン。 

5.10 

日常点検燃料 低揮発性の安定した代表的な燃料のオクタン価測定値を統計的に分析し,自所で管

理値を設定したもの。 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。 

6.1 

オクタン価試験装置 オクタン価試験装置(CFR F-2)は,次の試験用エンジン及び計測機器からな

る。 

モータ法オクタン価試験装置の例を,図1に示す。 

注記 ある種の気体又は排気ガス,例えば,空調設備に用いられるハロゲン化物の冷媒が試験用エン

ジンの設置場所に存在する場合,オクタン価の測定値に影響を与えることがある。また,電圧

が変化するとオクタン価の測定値に影響を及ぼす可能性がある。ノックメータ示度が安定しな

い場合は,定電圧変圧器を用いるとよい。 

a) 試験用エンジン 試験用エンジンは,次の1)〜7) からなる。 

なお,フライホイールとベルトとで連結した電動機は,エンジン始動時には,駆動機の能力を備え,

燃焼運転中は,一定速度で動力を吸収する能力を備えているものとする。 

1) 単気筒エンジン 標準クランクケースをもつもの。 

2) 圧縮比可変シリンダ/クランプスリーブアセンブリ 

3) ジャケット冷却液システム 熱サイフォンによる再循環形のもの。 

4) 燃料タンク及び気化器ベンチュリ 燃料を一つのジェット通路を通して供給できるもの。一般的に,

弁の切替えができる燃料タンクシステムが用いられる。 

5) 吸入空気システム 温度及び湿度調節ができるもの。 

6) 計測機器制御装置 

7) 排気管 

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1  空気導入管 
2  吸入空気加熱器 
3  吸入空気調圧器 
4  吸入空気用温度計 
5  廃燃料タンク 
6  潤滑油のぞき窓 
7  点火時期指示盤 

 8 点火コイル 
 9 点火断続器 
10 オイルフィルタ 
11 排気サージタンク 
12 デトネーションメータ 
13 ノックメータ 
14 温度調節器 

15 デジタルカウンタ 
16 電動機(内部) 
17 吸入空気システム 
18 ジャケット冷却液システム 
19 圧縮比可変シリンダ 
20 排気管 
21 フライホイール 
22 デジタル・デトネーション

メータ 

A 計測機器制御装置 
B 燃料タンク, 

気化器, 
気化器ベンチュリ 

C 単気筒エンジン 

図1−モータ法オクタン価試験装置の例 

22 

21 

16 

20 

19 

18 

17 

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b) 計測機器 計測機器は,次の1) 及び2) からなる。 

1) 燃焼ノックの強度を測定し,表示するデトネーションピックアップ及びノックメータを含む電子式

デトネーション測定器。 

2) 温度計,圧力計及びその他の計測機器。 

注記 計測機器は,複数の製造業者から入手可能であるが,場合によっては,特定の寸法又は仕様基

準の選択が,ノック試験設備の適切な条件を設定するために重要となる。これらの機器につい

ては,ASTM D2700-12のAppendix X1(Auxiliary Equipment)に記載されている。 

6.2 

正標準燃料及びトルエン系点検燃料の分注器 呼び容量200〜500 mLで体積の許容誤差が±0.2 %の

校正済みのビュレット又は定量容器。正標準燃料及びトルエン系点検燃料の調製に用いる。ビュレットは,

液体を送り出すためのバルブ及び規定量を分注できる先端部からなる。先端部は,バルブを閉止したとき,

この先端部からの流出量が,0.5 mLを超えない寸法及び形状とする。また,分注器から液体を送り出す速

度は,毎分400 mLを超えてはならない。 

注記1 分注器に関する情報は,ASTM D2700-12のAppendix X2(Volumetric Reference Fuel Blending 

Apparatus and Procedures)に記載されている。 

注記2 ビュレット又は定量容器の校正方法は,JIS R 3505又はJIS K 0050を参照する。 

6.3 

正標準燃料の質量混合 容量基準で±0.2 %のブレンド誤差内となるならば,次の手順で,個々の成

分の質量測定によって正標準燃料を調製してもよい。 

a) JIS K 2249-1,JIS K 2249-2又はJIS K 2249-3に従って密度測定を行う。 

b) 必要となる混合成分の質量を計算し,正標準燃料の調製に用いる。 

6.4 

四エチル鉛希釈溶液の分注器 ビュレット,ピペットなど計量器で校正済みのもの。 

最大4 mLの四エチル鉛希釈液をイソオクタン400 mLの幾つかのバッチに分注できるもの。校正は,JIS 

R 3505に従って行う。 

6.5 

保守用専用工具 試験用エンジン及び計測機器を容易に,かつ,効率的に保守できる専用の工具及

び計器。 

注記 これらの工具及び計器のリスト並びに取扱説明書は,エンジン部品の製造業者などから入手で

きる。 

試料の採取方法及び調製方法 

試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法に

よって採取及び調製する。自動サンプリングの場合には,ISO 3171によってもよい。ただし,試料は,受

け取ったままの容器で,試験のために開栓するまでは,2〜10 ℃に冷却しておくとともに,試料の変質を

防ぐため,エンジン気化器の燃料タンクに注入するまで,光に当たらないように保管する。 

試験用エンジン及び計測機器の基本設定並びに標準運転条件 

8.1 

エンジン部品及び計測機器の組付け 

試験用エンジンは,オクタン価の試験結果に影響を与える気体及び排気ガスの影響を受けず,全ての付

帯設備をもつ場所に,適切な固定台に据え付けて設置する。 

なお,設置又は取付けに当たっては,遵法上の必要な諸手続を滞りなく行う。 

注記 試験用エンジン及び計測機器の据付け及び組立ての詳細は,ASTM D2700-12のAnnex A2

(Apparatus Assembly and Setting Instructions)に記載されている。 

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8.2 

エンジン回転数 

エンジン回転数の設定は,次による。 

a) エンジン回転数は,毎分(900±9)の回転に設定する。 

b) オクタン価測定時のエンジン回転数の最大変動値は,毎分9以内とする。 

c) ファイヤリング時のエンジン回転数は,モータリング時に比べて毎分3を超えてはならない。 

8.3 

バルブ開閉時期 

ピストンが上死点(t.d.c)にあるとき,フライホイール・ポインタがフライホイールの0°になるように

調整する。 

試験用エンジンは,クランク軸が2回転の間に,吸気・圧縮・燃焼・排気の4行程を行い,一連の燃焼

サイクルを完結する。吸気バルブは,吸気行程中の上死点後(a.t.d.c.)10.0°±2.5°で開き,圧縮行程中

の下死点後(a.b.d.c.)34°±2.5°で閉じなければならない。 

排気バルブは,燃焼行程中の下死点前(b.b.d.c.)40°±2.5°で開き,吸気行程中の上死点後(a.t.d.c.)

15°±2.5°で閉じなければならない。 

8.4 

バルブリフト 

吸気カムローブ及び排気カムローブ(カムの突出部)の輪郭線は,形は違っているが,基礎円からカム

ローブの頂部まで6.248〜6.350 mmの輪郭線高さがある。このため,バルブリフトは,6.045 mm±0.050 mm

にならなければならない。 

注記 バルブリフトを測定する手順は,ASTM D2700-12のAnnex A2(Apparatus Assembly and Setting 

Instructions)に記載されている。 

8.5 

吸気バルブのシュラウド(覆い) 

180°シュラウドは,流入する燃料−空気の混合気の方向を決め,燃焼室の乱流を高める。バルブステム

のピンは,バルブガイドのスロットとかみ合い,バルブが回転するのを防ぐ。シリンダにバルブを組み付

けるとき,ステムピンの方向は,シュラウドが燃焼室の点火プラグ側を向くようにバルブを取り付ける。 

8.6 

試験用エンジンの回転方向 

試験用エンジンの回転方向は,試験用エンジンを前面から見たとき,クランク軸が時計方向に回転する

ように設定する。 

8.7 

気化器ベンチュリ 

気化器ベンチュリは,表2に従って,試験場所の代表的な高度又は大気圧に対して,適切な気化器ベン

チュリ寸法を選ぶ。ベンチュリ寸法が変わる高度又は大気圧に近い場合は,トルエン系点検燃料を測定し

た結果の偏りが最小となるようなベンチュリ寸法を選ぶ。 

表2−試験場所の高度及び大気圧に対する気化器ベンチュリの寸法 

試験場所の高度 

大気圧 

kPa 

気化器ベンチュリの寸法 

mm 

海水面〜500 

105.0〜94.8 

14.3 

  500を超え1 000以下 

98.2〜88.0 

15.1 

1 000を超える 

91.4以下 

19.0 

8.8 

バルブクリアランス 

バルブクリアランスの設定は,次による。 

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K 2280-2:2018  

a) 組み立てた試験用エンジンが,運転前の冷機状態のとき,バルブステム(弁軸)とバルブロッカー半

球とのクリアランスを測定し,おおよそ次の値に設定すれば,通常用いる範囲内の“エンジン運転中

の温間のクリアランス”になる。 

吸気バルブ  0.10 mm 

排気バルブ  0.36 mm 

これらのクリアランス調整によって,吸気バルブ及び排気バルブは,試験用エンジンの暖機運転時

に適切なバルブの開閉時期を保つことができる。バルブロッカーの調節ねじによって長さを調節でき

るバルブプッシュロッドの取付けは,最終的なクリアランスの調整ができるように十分な間隔を確保

する。 

b) エンジン運転中(暖機運転中)の吸気バルブ及び排気バルブのクリアランスは,オクタン価100の正

標準燃料を用いて標準ノック強度状態で運転し,0.200 mm±0.025 mmに設定する。 

8.9 

潤滑油の圧力 

潤滑油の圧力は,172〜207 kPaに設定する。 

8.10 

潤滑油の温度 

潤滑油の温度は,57 ℃±8 ℃に設定する。 

8.11 

シリンダジャケット冷却液の温度 

シリンダジャケット冷却液の温度は,100 ℃±1.5 ℃に設定する。ただし,試験中の温度の変動は,±0.5 ℃

とする。 

8.12 

吸入空気温度 

吸入空気温度は,JIS B 7410に規定する温度計番号66(FRA)1) のもの又はこれと同等以上の性能をも

つ温度測定システムを用いて,38 ℃±2.8 ℃に設定する。 

注1) JIS B 7410に規定する温度計番号66(FRA)は,ASTM E1に規定する温度計番号83又は83F

に相当する。 

8.13 

吸入混合気温度 

吸入混合気温度は,次による。 

a) 吸入混合気温度を149 ℃±1 ℃に設定する。ただし,適切なトルエン系点検燃料(TSF)のオクタン価

に基づいて,使用に適したエンジン性能をもつかどうかの判定のために吸入混合気温度の調整が必要

な場合は,吸入混合気温度は,141〜163 ℃の間に入らなければならない。 

b) 設定した吸入混合気温度は,そのトルエン系点検燃料を用いて測定する運転期間中,適用しなければ

ならない。また,吸入混合気温度の変化は,調整の有無にかかわらず,測定中1 ℃を超えてはならな

い。 

c) 吸入混合気温度を測定するための温度測定システムは,JIS B 7410に規定する温度計番号69(FRM)2) 

と,同等の温度表示特性及び精度をもたなければならない。 

注2) JIS B 7410に規定する温度計番号69(FRM)は,ASTM E1に規定する温度計番号86又は86F

に相当する。 

8.14 

吸入空気湿度 

吸入空気湿度は,乾燥空気1 kgに対して,0.003 56〜0.007 12 kgの水分とし,氷塔などによって調整す

る。 

8.15 

シリンダジャケット冷却液の高さ 

エンジン運転中のシリンダジャケット冷却液の高さは,冷却液のコンデンサにある“LEVEL HOT”の印

11 

K 2280-2:2018  

の±10 mm以内になければならない。 

注記 組み立てた試験用エンジンが,運転前の冷機状態のときに,添加剤を添加した冷却液を加えて,

コンデンサのサイトグラス下部に,ちょうど見えるレベルになれば,エンジン運転中の“LEVEL 

HOT”を保つことができる。 

8.16 

エンジンクランク室の潤滑油の量 

エンジン運転中のエンジンクランク室の潤滑油の量は,サイトグラスのほぼ中間になければならない。 

注記 試験用エンジンが運転前の冷機状態のとき,クランク室のサイトグラスの上部近くまで潤滑油

を補充することによって運転中の潤滑油が適切な量になる。 

8.17 

クランク室の内圧 

クランク室の内圧は,大気圧よりも水柱圧で25〜150 mm低くなければならない。ただし,負圧度は,

水柱圧で255 mmを超えてはならない。測定方法は,脈動を極力少なくするため,緩衝オリフィスを通し

て,クランク室の開口部に圧力計を接続して測定する。 

8.18 

排気圧力 

排気サージタンクの排気圧力は,水柱圧で255 mmを超えてはならない。測定方法は,脈動をできるだ

け少なくするため,緩衝オリフィスを通して,排気サージタンク又は主排気スタックの開口部に圧力計を

接続して測定する。 

8.19 

排気及びクランク室通気管システムの共鳴 

排気及びクランク室の通気管システムは,内部容積をもち,かつ,ガスによる共鳴を起こさないような

長さにする。 

注記 共鳴が起きるかどうか判断するための手順は,ASTM D2700-12のAppendix X3(Operating 

Techniques−Adjustment of Variables)に記載されている。 

8.20 

ベルトの張力 

フライホイールを電動機に接続するベルトは,最初の慣らし運転の後に張り調整をしなければならない。

ベルトの張り具合は,試験用エンジンを止めて,フライホイールと電動機プーリとの中央で,2.25 kgのお

もりを一方のベルトからつり下げ,ベルトのたわみを約12.5 mmに調節する。 

8.21 

ロッカアームキャリヤサポートの基本設定 

バルブトレインが露出している場合は,各ロッカアームキャリヤサポートは,そのフォークの下側とシ

リンダの機械仕上げした表面との間隔が約31 mmになるようにシリンダに取り付ける。 

バルブトレインが封入されている場合は,各ロッカーアームキャリヤサポートは,バルブ・トレーの機

械仕上げした表面とフォークの下側との間隔が約19 mmになるようにシリンダに取り付ける。 

8.22 

ロッカアームキャリヤの基本設定 

ロッカアームキャリヤは,シリンダとクランプとの隙間を約16 mmに設定したとき,水平になっていな

ければならない。 

8.23 

ロッカアーム及びプッシュロッド長さの基本設定 

エンジンクランク軸及びフライホイールを圧縮行程の上死点(t.d.c.)に調節し,ロッカアームキャリヤ

を適切な高さにする。ロッカアームの調整ねじを中間に設定し,かつ,ロッカアームが水平になるように

プッシュロッドの長さを調整する。 

8.24 

点火時期の基本設定 

デジタル点火時期指示計又は目盛付きの点火四分儀が適切に校正されており,かつ,点火タイマの調節

機構を適切に設定している状態で,試験用エンジンを燃料燃焼によって稼働し,シリンダの高さをデジタ

12 

K 2280-2:2018  

ルカウンタ示度で264(大気圧補正なし)に設定するか,又は,ダイヤル指示計示度で0.825に設定する。

次いで,点火タイマを調整して,点火時期を圧縮工程の上死点前(b.t.d.c.)26°に設定する。 

8.25 

ロータベーンと点火タイマトランスデューサとの隙間の基本設定 

ロータベーンと点火タイマトランスデューサとの隙間の基本設定は,0.08〜0.13 mmとする。また,点

火断続器を用いる場合の隙間は,0.51 mm±0.13 mmとする。 

8.26 

点火時期コントロールアームの基本設定 

点火時期の基本設定に対するシリンダ高さは,点火コントロールアームの中心線が水平になるように点

火コントロールロッドの長さを調節する。点火コントロールアームを点火タイマに固定するねじを締め,

点火タイマを点火タイマブラケットに固定しているねじを緩める。これらを設定することで,点火時期は,

式(1)又は式(2)のいずれかに従って,試験用エンジンのシリンダ高さが変化するのに応じて,自動的に変わ

ることになる。 

S=29.582−(0.013 6×C) ······························································ (1) 

S=10.163+(19.19×I) ································································· (2) 

ここに, 

S: 点火時期(°) 

C: デジタルカウンタ示度 

I: ダイヤル指示計示度 

8.27 

点火プラグの隙間 

点火プラグの隙間は,0.51 mm±0.13 mmとする。 

8.28 

基準シリンダ高さの設定 

オクタン価100の正標準燃料を用い,標準ノック強度状態で試験用エンジンを十分に暖機運転をした後,

試験用エンジンを止める。点火が切れ,燃料が燃焼室に入らないことを確認する。校正済みの圧縮圧力計

をシリンダのデトネーションピックアップの孔に取り付け,試験用エンジンをモータリング状態で運転す

る。図2に示す代表的な大気圧及び選択したベンチュリに対して,基準圧縮圧力を生じるようにシリンダ

の高さを調節する。シリンダ高さを示す指示計を次のように設定する。 

デジタルカウンタ示度(大気圧補正をしない場合) : 930 

ダイヤル指示計示度 : 0.352 

注記 この規格に適用するシリンダ高さを決める詳細な手順は,ASTM D2700-12のAnnex A2

(Apparatus Assembly and Setting Instructions)に記載されている。 

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13 

K 2280-2:2018  

ここに, 

X1:大気圧(×3.386 4 kPa) 

Y1:圧縮圧力(×6.894 8 kPa) 

X2:大気圧(×0.133 322 kPa) 

Y2:圧縮圧力 kPa 

1 :19.0 mmベンチュリ( 88.0 kPa基準) 
2 :15.1 mmベンチュリ( 94.8 kPa基準) 
3 :14.3 mmベンチュリ(101.3 kPa基準) 
 

図2−シリンダ高さの設定のための実際の圧縮圧力 

8.29 

空燃比 

全ての試料及び正標準燃料について,空燃比(燃料に対する空気の混合割合)は,最高ノック強度にな

るように調整する。気化器のサイトグラスレベルをノック強度の尺度として用いる場合,サイトグラスの

燃料のレベルは,0.7〜1.7目盛に調整する。この条件は,気化器の水平ジェットの選び方によって異なる。 

空燃比を変える機構は,次による。 

a) 固定式水平ジェット可変燃料レベルシステム 燃料レベルの調整は燃料タンクを段階的に上げ下げ

して行う。適切な孔の寸法をもつ水平ジェットを選ぶことで,試料燃料が最大ノックとなる燃料レベ

ルが確立する。 

b) フォーリングレベルシステム 燃料は,最大ノック強度に必要なレベルよりも高いレベルまで満たし

た燃料タンクから,固定した孔又は調整可能な水平ジェットを通して供給される。エンジンがファイ

ヤリングのとき,燃料レベルは燃料が消費されるにつれて降下する。燃料レベルは,燃料タンク及び

サイトグラスの断面積によって決まり,一定の選択された速度で自動的に変化する。最大ノック強度

14 

K 2280-2:2018  

時の燃料レベルを記録する。燃料タンクは,リッチからリーンに一定の割合で空燃比を変えることが

できる機能が必要となる。気化器垂直ジェットで,最大ノック強度となる燃料レベルを確立する範囲

内で,気化器ベンチュリの中心線を基準にして0.7目盛から1.7目盛までの燃料の降下速度は一定とし,

断面積は3 830 mm2以上としなければならない。 

8.30 

気化器の冷却 

サイトグラス内の試料レベルの揺れ動き,試料油面の泡立ち及び不規則なエンジン燃焼が認められるよ

うな過度のガソリン気化がある場合には,気化器冷却液を循環して冷却する。 

注記 試料燃料から炭化水素蒸気が発生し試料油面に泡立ちが起こると,不規則なエンジンの作動,

不安定なノック強度示度などを起こす場合がある。この場合,通常はサイトグラス内に気泡が

形成されるか,又は燃料液面の異常な変動が現れる。 

8.31 

ノックメータ示度の許容範囲 

ノックメータ示度の許容範囲は,目盛が20〜80の範囲である。この範囲から外れた場合は,オクタン価

測定値に影響を及ぼすため用いてはならない。ただし,アナログ・ノックメータの場合は,ノック強度は

20未満及び80以上で非線形となることがある。 

なお,デジタル・ノックメータの動作範囲は,ノック強度示度0〜999である。 

8.32 

デトネーションメータの開き度及び時定数の設定 

デトネーションメータの開き度及び時定数の設定は,ノックメータの読取りの安定性を考慮しながら最

適化する。開き度は,オクタン価80〜100の試料を測定する場合,オクタン価90において1オクタン価当

たり12〜15になるように調整する。開き度は,オクタン価によって変化するため,オクタン価80未満及

び100を超える試料を測定する場合は,再度調整を行う。 

なお,デジタル・デトネーションメータの場合は,これら変数を一定にしておいてもよい。また,規定

値を使用してもよい。 

注記 デトネーションメータの設定手順は,ASTM D2700-12のAnnex A2(Apparatus Assembly and 

Setting Instructions)に記載されている。 

試験用エンジンの点検,適合性試験及び性能評価 

9.1 

一般事項 

試験用エンジンは,この試験方法で規定した試験用エンジン及び計測器の基本設定に従って運転する。 

警告 空調設備に用いられるハロゲン化物の冷媒など,試験用エンジンが設置された場所に存在する

特定の気体,蒸気などは,オクタン価測定値に重大な影響を与えることがある。過渡電圧,周

波数などの変化及びひずみも,オクタン価測定値に影響を及ぼしかねない。 

試験用エンジンは,暖機運転を行い,安定した状態であることを確認する。その後,10分間程度標準ノ

ック強度(ノック示度50)で運転する。 

注記 試験用エンジンの暖機は,通常,1時間程度で安定する。 

9.2 

試験用エンジンの点検 

試験用エンジンの点検は,次による。 

a) 次の1)〜4) に該当する場合,試料のオクタン価に近いトルエン系点検燃料のオクタン価を測定して,

試験用エンジンが正常な状態にあることを点検する。 

なお,このとき気化器の冷却は行わない。 

1) 試験用エンジンの運転を2時間を超えて停止したとき。 

15 

K 2280-2:2018  

2) 試験用エンジンがノックを起こさない条件で2時間を超えて運転したとき。 

3) トルエン系点検燃料のオクタン価を測定したときの大気圧から0.68 kPaを超える変化があったとき。 

4) 運転期間が12時間に達したとき。 

b) 内挿−平衡燃料レベル法及び内挿−動的燃料レベル法によってトルエン系点検燃料のオクタン価を測

定する場合は,トルエン系点検燃料のオクタン価校正値に対する標準ノック強度のガイド表に従い,

大気圧に補正したシリンダ高さを用いる。 

c) 圧縮比法によってトルエン系点検燃料のオクタン価を測定する場合の標準ノック強度は,整数に丸め

たオクタン価がトルエン系点検燃料のオクタン価に最も近い正標準燃料を用いて設定する。 

9.3 

オクタン価79.6〜94.7の場合の適合性試験 

オクタン価79.6〜94.7の場合の適合性試験は,次による。 

a) 表3に示すオクタン価の範囲から,運転期間中,試料のオクタン価測定に用いるトルエン系点検燃料

を選ぶ。 

b) 149 ℃の標準吸入混合気温度で,トルエン系点検燃料のオクタン価を測定する。トルエン系点検燃料

のオクタン価測定値が,表3の未調整の測定許容差内にある場合は,試験用エンジンは,正常な状態

にあると判断し,吸入混合気温度を調整する必要はないが,オクタン価測定値が表3のオクタン価校

正値から0.1を超える差がある場合には,必要に応じて吸入混合気温度を調整してもよい。 

次の二つの条件が満たされれば,前の運転期間に適用したものと,ほぼ同じ吸入混合気温度の調整

を行い,次の運転期間に対する適合性試験を始めてもよい。ただし,2回の運転期間の気圧変動は,

0.68 kPaを超えないことを確認する。 

1) 直近の運転期間中の適合性試験でエンジン校正のために吸入混合気温度を調整した。 

2) 適合性試験の間に保守を行っていない。 

c) トルエン系点検燃料のオクタン価が表3の未調整の測定許容差を超えた試験用エンジンは,吸入混合

気温度が141〜163 ℃の範囲で,温度調整することができる。調整後のトルエン系点検燃料のオクタン

価測定値が,オクタン価校正値の±0.1以内にあれば,試験用エンジンは,正常な状態にあると判断す

る。範囲外であれば,用いたトルエン系点検燃料のオクタン価範囲では,試料のオクタン価を測定す

ることはできない。トルエン系点検燃料を適正に測定できない原因を究明し,必要に応じて分解・整

備を行う。 

注記1 温度が高くなるとノック強度が増加し,オクタン価は低下する。 

注記2 アナログ・デトネーションメータを使用する場合は,トルエン系点検燃料における0.1のオ

クタン価の変化は,おおよそ1 ℃の吸入混合気温度の調節に相当する。 

注記3 デジタル・デトネーションメータを使用する場合は,トルエン系点検燃料における0.1のオ

クタン価の変化は,おおよそ0.5 ℃の吸入混合気温度の調節に相当する。 

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16 

K 2280-2:2018  

表3−トルエン系点検燃料のオクタン価,未調整の測定許容差,試料の適用オクタン価範囲 

オクタン価79.6〜94.7の場合 

トルエン系点検燃料の

オクタン価校正値 

未調整の 

測定許容差 

トルエン系点検燃料の組成 体積分率% 

試料の適用 

オクタン価範囲 

トルエン 

イソオクタン 

ヘプタン 

81.5 a) 

±0.3 

74 

 0 

26 

79.6〜83.5 

85.2 a) 

±0.3 

74 

 5 

21 

83.2〜87.1 

88.7 a) 

±0.3 

74 

10 

16 

86.8〜90.8 

92.6 b) 

±0.4 

74 

15 

11 

90.5〜94.7 

注a) TCD93 World Wide Programによって校正されたもの。 

b) ASTM National Exchange Groupによって1986年に校正されたもの。 

9.4 

オクタン価79.6未満及び94.7を超える場合の適合性試験 

オクタン価79.6未満及び94.7を超える場合の適合性試験は,次による。 

a) 表4に示すオクタン価範囲から,運転期間中,試料のオクタン価測定に用いるトルエン系点検燃料を

選ぶ。 

b) 149 ℃の標準吸入混合気温度で,トルエン系点検燃料のオクタン価を測定する。トルエン系点検燃料

のオクタン価測定値が,表4の測定許容差内にある場合,試験用エンジンは,正常な状態にあると判

断する。吸入混合気温度の調整は,これらのオクタン価測定の範囲では行ってはならない。トルエン

系点検燃料のオクタン価が,表4の測定許容差を超えている場合は,原因を究明し,必要に応じて分

解及び整備を行う。 

注記 試験用エンジンによっては,あるオクタン価のトルエン系点検燃料に対して,測定許容差を

外れることがある。この場合,運転記録を管理することで試験用エンジンの特性を把握でき

る。 

表4−トルエン系点検燃料のオクタン価,測定許容差,試料の適用オクタン価範囲 

オクタン価79.6未満及び94.7を超える場合 

トルエン系点検燃料の

オクタン価校正値 

測定許容差 

トルエン系点検燃料の組成 体積分率% 

試料の適用 

オクタン価範囲 

トルエン 

イソオクタン 

ヘプタン 

58.0 

±1.1 

50 

 0 

50 

62.3以下 

66.9 

±1.1 

58 

 0 

42 

62.2〜71.0 

74.8 

±1.0 

66 

 0 

34 

70.7〜76.7 

78.2 

±1.0 

70 

 0 

30 

76.4〜79.9 

96.6 

±1.2 

74 

20 

 6 

94.4〜98.4 

99.8 a) 

±0.9 

74 

24 

 2 

98.1〜100.0 

100.8 

±1.3 

74 

26 

 0 

100.0以上 

注a) ASTM National Exchange Groupによって1986年に校正されたもの。その他は,ASTM National Exchange 

Group及びInstitute of Petroleum(現Energy Institute)によって1988〜1989年に校正されたもの。 

9.5 

試験用エンジンの性能評価 

試験用エンジンの性能は,9.2〜9.4のトルエン系点検燃料によるオクタン価の測定値によって評価する。 

注記 日常点検燃料を用いて定期的に測定した結果及び管理図を記録することは,試験器及び試験者

の能力を確認する上で有効である。 

17 

K 2280-2:2018  

10 

試験の手順 

10.1 

一般事項 

試験用エンジンが,箇条8で規定した運転条件になっていることを確認する。また,箇条9に従って試

験用エンジンが正常な状態にあることを確認する。 

なお,吸入混合気温度の調整が必要な場合は,8.13に従って設定する。設定した吸入混合気温度は,そ

のトルエン系点検燃料に適用するオクタン価範囲の試料を測定する運転期間中,維持する。 

10.2 

内挿−平衡燃料レベル法の試験の手順 

10.2.1 

校正 

校正は,次による。 

a) 試料の予期オクタン価に近い正標準燃料を用いて,標準ノック強度を確定するため,試験用エンジン

及び計測機器を校正する。 

b) 選択した正標準燃料のオクタン価に対して,シリンダ高さを示すデジタルカウンタ示度又はダイヤル

指示計示度を表5又は表6から求め,表7又は表8を用いて大気圧補正した値に設定する。 

注記 シリンダ高さを決める詳細な手順は,ASTM D2700-12のAnnex A2(Apparatus Assembly and 

Setting Instructions)に記載されている。 

c) 選択した正標準燃料を用い,試験用エンジンを運転し,空燃比を変えてノックメータ示度が最高にな

る設定値を確定する。 

d) デトネーションメータのつまみ“METER READING”を調節し,ノックメータ示度を(50±2)の目

盛に合わせる。ただし,デジタル・デトネーションメータを使用する場合は,調節の必要はない。 

e) アナログ・デトネーションメータを使用する場合は,ノックメータの安定性が保たれた状態で,デト

ネーションメータの開き度が12〜15になっていることを確認する。 

f) 

試料のオクタン価が100よりも高い値を示した場合の標準ノック強度は,試料のオクタン価を挟む正

標準燃料を用いて確定する。適切な正標準燃料を選ぶためには,数回の試験を必要とするが,表9に

示す試料のオクタン価範囲に応じて選ぶとよい。デトネーションメータの開き度は,ノックメータ示

度の安定性が保たれた状態で,できるだけ大きく維持できるように調整する。ただし,デジタル・デ

トネーションメータを使用する場合は,調整の必要はない。 

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18 

K 2280-2:2018  

表5−標準大気圧101.3 kPaにおける標準ノック強度に関するガイド表 

−オクタン価に対するデジタルカウンタ示度(14.3 mmベンチュリ)− 

オクタン価 

0.0 

0.1 

0.2 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

0.9 

デジタルカウンタ示度a) 

40 
41 
42 
43 
44 

171 
176 
182 
189 
195 

171 
177 
183 
189 
196 

172 
178 
184 
190 
196 

172 
178 
185 
190 
197 

173 
179 
185 
191 
197 

174 
179 
186 
192 
198 

175 
180 
186 
192 
199 

175 
180 
187 
193 
199 

176 
181 
188 
194 
200 

176 
182 
188 
195 
201 

45 
46 
47 
48 
49 

202 
208 
214 
221 
228 

202 
209 
215 
222 
229 

203 
209 
216 
223 
230 

203 
210 
217 
224 
231 

204 
211 
218 
225 
232 

204 
212 
219 
226 
233 

205 
212 
219 
226 
233 

206 
213 
220 
227 
234 

207 
213 
220 
227 
234 

207 
214 
221 
228 
235 

50 
51 
52 
53 
54 

235 
244 
251 
259 
266 

236 
244 
252 
259 
267 

237 
245 
252 
260 
268 

238 
245 
253 
261 
269 

239 
246 
254 
262 
270 

240 
247 
255 
263 
271 

241 
248 
256 
264 
272 

242 
249 
257 
265 
273 

243 
250 
257 
265 
274 

243 
250 
258 
266 
274 

55 
56 
57 
58 
59 

275 
283 
292 
300 
308 

275 
283 
292 
301 
309 

276 
284 
293 
302 
310 

277 
285 
294 
303 
311 

278 
286 
295 
304 
312 

279 
287 
296 
305 
313 

280 
288 
297 
306 
314 

281 
289 
298 
306 
315 

282 
290 
299 
307 
316 

282 
291 
299 
307 
316 

60 
61 
62 
63 
64 

317 
327 
336 
345 
355 

318 
328 
337 
346 
356 

319 
329 
337 
347 
357 

320 
329 
338 
348 
357 

321 
330 
339 
349 
358 

322 
331 
340 
350 
359 

323 
332 
341 
351 
360 

324 
333 
342 
352 
361 

325 
334 
344 
353 
362 

326 
335 
344 
354 
363 

65 
66 
67 
68 
69 

364 
374 
384 
395 
406 

365 
375 
385 
396 
407 

366 
376 
386 
397 
408 

367 
377 
388 
398 
409 

368 
378 
389 
399 
410 

369 
379 
390 
400 
412 

370 
380 
391 
401 
413 

371 
381 
392 
402 
414 

372 
382 
393 
403 
415 

373 
383 
394 
405 
416 

70 
71 
72 
73 
74 

417 
429 
441 
454 
467 

419 
430 
443 
455 
468 

420 
431 
444 
457 
470 

421 
433 
445 
458 
471 

422 
434 
446 
460 
472 

423 
436 
447 
461 
474 

424 
437 
448 
462 
475 

426 
438 
450 
463 
477 

427 
439 
451 
464 
478 

428 
440 
453 
465 
479 

75 
76 
77 
78 
79 

481 
495 
509 
526 
542 

482 
496 
510 
527 
544 

484 
498 
512 
529 
546 

485 
499 
513 
531 
548 

486 
501 
515 
533 
550 

488 
502 
517 
534 
551 

489 
503 
519 
536 
553 

491 
505 
520 
537 
554 

492 
506 
522 
539 
556 

494 
508 
524 
540 
558 

background image

19 

K 2280-2:2018  

表5−標準大気圧101.3 kPaにおける標準ノック強度に関するガイド表(続き) 

−オクタン価に対するデジタルカウンタ示度(14.3 mmベンチュリ)− 

オクタン価 

0.0 

0.1 

0.2 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

0.9 

デジタルカウンタ示度a) 

80 
81 
82 
83 
84 

560 
577 
594 
612 
629 

562 
578 
596 
613 
631 

564 
580 
598 
615 
633 

565 
582 
599 
617 
635 

567 
584 
601 
619 
637 

568 
585 
603 
620 
639 

570 
587 
605 
622 
641 

571 
589 
606 
623 
643 

573 
591 
608 
625 
644 

575 
592 
610 
627 
646 

85 
86 
87 
88 
89 

648 
668 
688 
708 
728 

650 
670 
690 
709 
730 

652 
672 
692 
712 
732 

654 
674 
694 
714 
735 

656 
675 
695 
716 
736 

658 
677 
698 
718 
739 

660 
679 
699 
721 
740 

662 
681 
702 
722 
743 

664 
683 
704 
725 
745 

666 
685 
706 
726 
746 

90 
91 
92 
93 
94 

749 
769 
790 
809 
831 

750 
771 
791 
812 
832 

753 
773 
794 
814 
835 

754 
776 
795 
816 
836 

757 
777 
798 
818 
838 

759 
780 
800 
819 
840 

761 
781 
801 
822 
842 

763 
783 
804 
824 
845 

764 
785 
805 
826 
846 

767 
787 
808 
828 
849 

95 
96 
97 
98 
99 

850 
870 
890 
910 
928 

852 
873 
891 
911 
929 

855 
874 
894 
912 
931 

856 
876 
895 
915 
934 

859 
879 
897 
917 
935 

860 
880 
900 
918 
936 

863 
881 
901 
921 
939 

864 
884 
904 
922 
941 

866 
886 
905 
924 
942 

869 
888 
907 
926 
945 

100 
101 
102 
103 
104 

948 
960 
974 
987 
995 

949 
962 
976 
988 
997 

950 
963 
977 
988 
998 

952 
965 
979 
990 

1 000 

953 
966 
980 
991 

1 001 

955 
967 
980 
991 

1 003 

956 
969 
981 
993 

1 004 

957 
970 
983 
993 

1 005 

959 
972 
984 
994 

1 006 

960 
973 
986 
994 

1 007 

105 
106 
107 
108 
109 

1 008 
1 020 
1 031 
1 041 
1 049 

1 010 
1 021 
1 032 
1 041 
1 050 

1 011 

1 022 
1 033 
1 042 
1 051 

1 012 
1 024 
1 034 
1 043 
1 052 

1 014 
1 025 
1 035 
1 044 
1 053 

1 015 
1 026 
1 036 
1 045 
1 053 

1 016 
1 027 
1 037 
1 046 
1 054 

1 017 
1 028 
1 038 
1 046 
1 055 

1 018 
1 029 
1 039 
1 047 
1 056 

1 019 
1 030 
1 040 
1 048 
1 057 

110 
111 
112 
113 
114 

1 058 
1 066 
1 074 
1 083 
1 092 

1 058 
1 067 
1 075 
1 084 
1 093 

1 059 
1 068 
1 076 
1 084 
1 093 

1 060 
1 069 
1 077 
1 085 
1 094 

1 061 
1 069 
1 078 
1 086 
1 095 

1 062 
1 070 
1 079 
1 087 
1 096 

1 063 
1 071 
1 080 
1 088 
1 097 

1 063 
1 072 
1 080 
1 089 
1 097 

1 064 
1 073 
1 081 
1 090 
1 098 

1 065 
1 073 
1 082 
1 091 
1 099 

115 
116 
117 
118 
119 

1 100 
1 108 

1 117 

1 125 
1 132 

1 101 

1 110 
1 118 

1 125 
1 134 

1 101 

1 110 
1 118 

1 127 
1 134 

1 103 

1 111 

1 120 
1 128 
1 135 

1 103 

1 111 

1 120 
1 128 
1 136 

1 104 

1 112 

1 121 
1 129 
1 136 

1 105 

1 114 

1 122 
1 129 
1 138 

1 105 

1 114 

1 122 
1 131 
1 139 

1 107 

1 115 

1 124 
1 131 
1 141 

1 107 

1 115 

1 124 
1 132 
1 141 

120 

1 142 

1 142 

1 144 

1 145 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

注記 ダイヤル指示計示度=1.012−デジタルカウンタ示度/1 410 
注a) 標準ノック強度に対するデジタルカウンタ示度の許容差は,±20とする。 

background image

20 

K 2280-2:2018  

表6−標準大気圧101.3 kPaにおける標準ノック強度に関するガイド表 

−オクタン価に対するダイヤル指示計示度(14.3 mmベンチュリ)− 

オクタン価 

0.0 

0.1 

0.2 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

0.9 

ダイヤル指示計示度a) 

40 
41 
42 
43 
44 

0.891 
0.887 
0.883 
0.878 
0.874 

0.891 
0.886 
0.882 
0.878 
0.873 

0.890 
0.886 
0.882 
0.877 
0.873 

0.890 
0.886 
0.881 
0.877 
0.872 

0.889 
0.885 
0.881 
0.876 
0.872 

0.889 
0.885 
0.880 
0.876 
0.871 

0.888 
0.884 
0.880 
0.876 
0.871 

0.888 
0.884 
0.880 
0.875 
0.871 

0.887 
0.883 
0.879 
0.875 
0.870 

0.887 
0.883 
0.879 
0.874 
0.870 

45 
46 
47 
48 
49 

0.869 
0.864 
0.860 
0.855 
0.850 

0.869 
0.864 
0.859 
0.854 
0.849 

0.868 
0.864 
0.859 
0.854 
0.849 

0.868 
0.863 
0.858 
0.853 
0.848 

0.867 
0.863 
0.858 
0.853 
0.848 

0.867 
0.862 
0.857 
0.852 
0.847 

0.866 
0.862 
0.857 
0.852 
0.847 

0.866 
0.861 
0.856 
0.851 
0.846 

0.865 
0.861 
0.856 
0.851 
0.846 

0.865 
0.860 
0.855 
0.850 
0.845 

50 
51 
52 
53 
54 

0.845 
0.839 
0.834 
0.828 
0.823 

0.844 
0.839 
0.833 
0.828 
0.822 

0.844 
0.838 
0.833 
0.827 
0.822 

0.843 
0.838 
0.832 
0.827 
0.821 

0.842 
0.837 
0.832 
0.826 
0.820 

0.842 
0.837 
0.831 
0.826 
0.820 

0.841 
0.836 
0.831 
0.825 
0.819 

0.841 
0.836 
0.830 
0.824 
0.819 

0.840 
0.835 
0.830 
0.824 
0.818 

0.840 
0.835 
0.829 
0.823 
0.818 

55 
56 
57 
58 
59 

0.817 
0.811 
0.805 
0.799 
0.793 

0.817 
0.811 
0.805 
0.799 
0.793 

0.816 
0.810 
0.804 
0.798 
0.792 

0.815 
0.810 
0.804 
0.797 
0.791 

0.815 
0.809 
0.803 
0.797 
0.791 

0.814 
0.808 
0.802 
0.796 
0.790 

0.814 
0.808 
0.802 
0.795 
0.789 

0.813 
0.807 
0.801 
0.795 
0.789 

0.812 
0.806 
0.800 
0.794 
0.788 

0.812 
0.806 
0.800 
0.794 
0.788 

60 
61 
62 
63 
64 

0.787 
0.780 
0.774 
0.767 
0.760 

0.786 
0.780 
0.773 
0.767 
0.760 

0.786 
0.779 
0.773 
0.766 
0.759 

0.785 
0.779 
0.772 
0.765 
0.759 

0.784 
0.778 
0.771 
0.765 
0.758 

0.784 
0.777 
0.771 
0.764 
0.757 

0.783 
0.776 
0.770 
0.763 
0.756 

0.783 
0.776 
0.769 
0.763 
0.756 

0.782 
0.775 
0.769 
0.762 
0.755 

0.781 
0.775 
0.768 
0.761 
0.755 

65 
66 
67 
68 
69 

0.754 
0.747 
0.739 
0.732 
0.724 

0.753 
0.746 
0.739 
0.731 
0.723 

0.752 
0.745 
0.738 
0.730 
0.722 

0.752 
0.745 
0.737 
0.730 
0.722 

0.751 
0.744 
0.736 
0.729 
0.721 

0.750 
0.743 
0.736 
0.728 
0.720 

0.750 
0.742 
0.735 
0.727 
0.719 

0.749 
0.742 
0.734 
0.727 
0.718 

0.748 
0.741 
0.733 
0.726 
0.718 

0.748 
0.740 
0.733 
0.725 
0.717 

70 
71 
72 
73 
74 

0.716 
0.708 
0.699 
0.690 
0.681 

0.715 
0.707 
0.698 
0.689 
0.680 

0.714 
0.706 
0.697 
0.688 
0.679 

0.714 
0.705 
0.696 
0.687 
0.678 

0.713 
0.704 
0.696 
0.686 
0.677 

0.712 
0.703 
0.695 
0.685 
0.676 

0.711 
0.702 
0.694 
0.684 
0.675 

0.710 
0.702 
0.693 
0.683 
0.674 

0.709 
0.701 
0.692 
0.683 
0.673 

0.709 
0.700 
0.691 
0.682 
0.672 

75 
76 
77 
78 
79 

0.671 
0.661 
0.651 
0.639 
0.627 

0.670 
0.660 
0.650 
0.638 
0.626 

0.669 
0.659 
0.649 
0.637 
0.625 

0.668 
0.658 
0.648 
0.636 
0.624 

0.667 
0.657 
0.647 
0.634 
0.622 

0.666 
0.656 
0.645 
0.633 
0.621 

0.665 
0.655 
0.644 
0.632 
0.620 

0.664 
0.654 
0.643 
0.631 
0.619 

0.663 
0.653 
0.642 
0.630 
0.617 

0.662 
0.652 
0.640 
0.629 
0.616 

80 
81 
82 
83 
84 

0.615 
0.603 
0.591 
0.578 
0.566 

0.614 
0.602 
0.590 
0.577 
0.564 

0.612 
0.600 
0.588 
0.576 
0.563 

0.611 
0.599 
0.587 
0.575 
0.562 

0.610 
0.598 
0.586 
0.573 
0.560 

0.609 
0.597 
0.584 
0.572 
0.559 

0.608 
0.596 
0.583 
0.571 
0.558 

0.607 
0.594 
0.582 
0.570 
0.556 

0.605 
0.593 
0.581 
0.568 
0.555 

0.604 
0.592 
0.580 
0.567 
0.554 

background image

21 

K 2280-2:2018  

表6−標準大気圧101.3 kPaにおける標準ノック強度に関するガイド表(続き) 

−オクタン価に対するダイヤル指示計示度(14.3 mmベンチュリ)− 

オクタン価 

0.0 

0.1 

0.2 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

0.9 

ダイヤル指示計示度a) 

85 
86 
87 
88 
89 

0.552 
0.538 
0.524 
0.510 
0.496 

0.551 
0.537 
0.523 
0.509 
0.494 

0.549 
0.536 
0.521 
0.507 
0.493 

0.548 
0.534 
0.520 
0.506 
0.491 

0.546 
0.533 
0.519 
0.504 
0.490 

0.545 
0.532 
0.517 
0.503 
0.488 

0.544 
0.530 
0.516 
0.501 
0.487 

0.542 
0.529 
0.514 
0.500 
0.485 

0.541 
0.528 
0.513 
0.498 
0.484 

0.540 
0.526 
0.511 
0.497 
0.483 

90 
91 
92 
93 
94 

0.481 
0.467 
0.452 
0.438 
0.423 

0.480 
0.465 
0.451 
0.436 
0.422 

0.478 
0.464 
0.449 
0.435 
0.420 

0.477 
0.462 
0.448 
0.433 
0.419 

0.475 
0.461 
0.446 
0.432 
0.418 

0.474 
0.459 
0.445 
0.431 
0.416 

0.472 
0.458 
0.444 
0.429 
0.415 

0.471 
0.457 
0.442 
0.428 
0.413 

0.470 
0.455 
0.441 
0.426 
0.412 

0.468 
0.454 
0.439 
0.425 
0.410 

95 
96 
97 
98 
99 

0.409 
0.395 
0.381 
0.367 
0.354 

0.408 
0.393 
0.380 
0.366 
0.353 

0.406 
0.392 
0.378 
0.365 
0.352 

0.405 
0.391 
0.377 
0.363 
0.350 

0.403 
0.389 
0.376 
0.362 
0.349 

0.402 
0.388 
0.374 
0.361 
0.348 

0.400 
0.387 
0.373 
0.359 
0.346 

0.399 
0.385 
0.371 
0.358 
0.345 

0.398 
0.384 
0.370 
0.357 
0.344 

0.396 
0.382 
0.369 
0.355 
0.342 

100 
101 
102 
103 
104 

0.340 
0.331 
0.321 
0.312 
0.306 

0.339 
0.330 
0.320 
0.311 
0.305 

0.338 
0.329 
0.319 
0.311 
0.304 

0.337 
0.328 
0.318 
0.310 
0.303 

0.336 
0.327 
0.317 
0.309 
0.302 

0.335 
0.326 
0.317 
0.309 
0.301 

0.334 
0.325 
0.316 
0.308 
0.300 

0.333 
0.324 
0.315 
0.308 
0.299 

0.332 
0.323 
0.314 
0.307 
0.298 

0.331 
0.322 
0.313 
0.307 
0.298 

105 
106 
107 
108 
109 

0.297 
0.288 
0.281 
0.274 
0.268 

0.296 
0.288 
0.280 
0.274 
0.267 

0.295 
0.287 
0.280 
0.273 
0.267 

0.294 
0.286 
0.279 
0.272 
0.266 

0.293 
0.285 
0.278 
0.272 
0.265 

0.292 
0.284 
0.277 
0.271 
0.265 

0.291 
0.284 
0.277 
0.270 
0.264 

0.291 
0.283 
0.276 
0.270 
0.264 

0.290 
0.282 
0.275 
0.269 
0.263 

0.289 
0.282 
0.275 
0.269 
0.263 

110 
111 
112 
113 
114 

0.262 
0.256 
0.250 
0.244 
0.238 

0.262 
0.255 
0.249 
0.243 
0.237 

0.261 
0.255 
0.249 
0.243 
0.237 

0.260 
0.254 
0.248 
0.242 
0.236 

0.260 
0.254 
0.248 
0.242 
0.235 

0.259 
0.253 
0.247 
0.241 
0.235 

0.258 
0.253 
0.246 
0.240 
0.234 

0.258 
0.252 
0.246 
0.240 
0.234 

0.257 
0.251 
0.245 
0.239 
0.233 

0.257 
0.251 
0.245 
0.238 
0.232 

115 
116 
117 
118 
119 

0.232 
0.226 
0.220 
0.214 
0.209 

0.231 
0.225 
0.219 
0.214 
0.208 

0.231 
0.225 
0.219 
0.213 
0.208 

0.230 
0.224 
0.218 
0.212 
0.207 

0.230 
0.224 
0.218 
0.212 
0.206 

0.229 
0.223 
0.217 
0.211 
0.206 

0.228 
0.222 
0.216 
0.211 
0.205 

0.228 
0.222 
0.216 
0.210 
0.204 

0.227 
0.221 
0.215 
0.210 
0.203 

0.227 
0.221 
0.215 
0.209 
0.203 

120 

0.202 

0.202 

0.201 

0.200 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

注記 デジタルカウンタ示度=(1.012−ダイヤル指示計示度)×1 410 
注a) 標準ノック強度に対するダイヤル指示計示度の許容差は,±0.014とする。 

background image

22 

K 2280-2:2018  

表7−標準大気圧よりも低い場合の標準ノック強度を得るためのシリンダ高さの変更ガイド表 

大気圧kPa 

(×3.386 4 kPa) 

0.00 

(0.0) 

0.34 

(0.1) 

0.68 

(0.2) 

1.02 

(0.3) 

1.35 

(0.4) 

1.69 

(0.5) 

2.03 

(0.6) 

2.37 

(0.7) 

2.71 

(0.8) 

3.05 

(0.9) 

74.5 

DCC a) 

336 

331 

327 

323 

319 

314 

310 

306 

302 

296 

(22.0) DIC b) 

0.238 

0.235 

0.232 

0.229 

0.226 

0.223 

0.220 

0.217 

0.214 

0.211 

77.9 

DCC a) 

293 

289 

285 

281 

276 

272 

268 

264 

259 

255 

(23.0) DIC b) 

0.208 

0.205 

0.202 

0.199 

0.196 

0.193 

0.190 

0.187 

0.184 

0.181 

81.3 

DCC a) 

251 

247 

243 

238 

234 

230 

226 

221 

217 

213 

(24.0) DIC b) 

0.178 

0.175 

0.172 

0.169 

0.166 

0.163 

0.160 

0.157 

0.154 

0.151 

84.6 

DCC a) 

209 

204 

200 

196 

192 

188 

183 

179 

175 

171 

(25.0) DIC b) 

0.148 

0.145 

0.142 

0.139 

0.136 

0.133 

0.130 

0.127 

0.124 

0.121 

88.0 

DCC a) 

166 

162 

158 

154 

149 

145 

141 

137 

133 

128 

(26.0) DIC b) 

0.118 

0.115 

0.112 

0.109 

0.106 

0.103 

0.100 

0.097 

0.094 

0.091 

91.4 

DCC a) 

124 

120 

116 

111 

107 

103 

99 

94 

90 

86 

(27.0) DIC b) 

0.088 

0.085 

0.082 

0.079 

0.076 

0.073 

0.070 

0.067 

0.064 

0.061 

94.8 

DCC a) 

82 

78 

73 

69 

65 

61 

56 

52 

48 

44 

(28.0) DIC b) 

0.058 

0.055 

0.052 

0.049 

0.046 

0.043 

0.040 

0.037 

0.034 

0.031 

98.2 

DCC a) 

39 

35 

31 

27 

23 

18 

14 

10 

(29.0) DIC b) 

0.028 

0.025 

0.022 

0.019 

0.016 

0.013 

0.010 

0.007 

0.004 

0.001 

注記1 101.3 kPa未満の大気圧における標準ノック強度を得るためのシリンダ高さ(圧縮比)値は,表5のデジタ

ルカウンタ示度に,この表に示したデジタルカウンタ示度の補正値を加えるか,又は表6のダイヤル指示
計示度から,この表に示したダイヤル指示計示度の補正値を減じることで求められる。 

注記2 大気圧において測定したシリンダ高さ(圧縮比)値の,標準大気圧101.3 kPaのシリンダ高さ(圧縮比)値

への変換は,測定した試験用エンジンのデジタルカウンタ示度から,この表に示したデジタルカウンタ示
度の補正値を減じるか,又は測定した試験用エンジンのダイヤル指示計示度に,この表に示したダイヤル
指示計示度の補正値を加えることで行える。 

注記3 ボトムカウンタの読みを101.3 kPaに補正できるようにするためのデジタルカウンタ指示計の設定は,次の

手順で行える。 

a) 低部カウンタを開放するように指示計ドライブノブを定位置に置き,二つのデジタルカウンタ示度が,

この表に示した数値だけ相違するよう,エンジン圧縮比を変える。補正した後,指示計ドライブノブ
を1の位置に戻す。 

b) トップカウンタの読みは,101.3 kPaより少ない圧力値に対しては,ボトムの補正された読みよりも大

きくする。101.3 kPaより大きい圧力値に対しては,ボトムの補正された読みよりも小さくする。 

注a) DCC:デジタルカウンタ示度の補正値 

b) DIC:ダイヤル指示計示度の補正値 

background image

23 

K 2280-2:2018  

表8−標準大気圧よりも高い場合の標準ノック強度を得るためのシリンダ高さの変更ガイド表 

大気圧kPa 

(×3.386 4 kPa) 

0.00 

(0.0) 

0.34 

(0.1) 

0.68 

(0.2) 

1.02 

(0.3) 

1.35 

(0.4) 

1.69 

(0.5) 

2.03 

(0.6) 

2.37 

(0.7) 

2.71 

(0.8) 

3.05 

(0.9) 

101.6 

DCC a) 

11 

16 

20 

24 

28 

32 

37 

41 

(30.0) DIC b) 

0.002 

0.005 

0.008 

0.011 

0.014 

0.017 

0.020 

0.023 

0.026 

0.029 

注記1 101.3 kPaを超える大気圧における標準ノック強度を得るためのシリンダ高さ(圧縮比)は,表5のデジタ

ルカウンタ示度から,この表に示したデジタルカウンタ示度の補正値を減じるか,又は表6のダイヤル指
示計示度に,この表に示したダイヤル指示計示度の補正値を加えることで求められる。 

注記2 大気圧において測定したシリンダ高さ(圧縮比)値の,101.3 kPaのシリンダ高さ(圧縮比)値への変換は,

測定した試験用エンジンのデジタルカウンタ示度から,この表に示したデジタルカウンタ示度の補正値を
減じるか,又は測定した試験用エンジンのダイヤル指示計示度に,この表に示したダイヤル指示計示度の
補正値を加えることで行える。 

注記3 ボトムカウンタの読みを101.3 kPaに補正できるようにするためのデジタルカウンタ指示計の設定は,次の

手順で行える。 

a) 低部カウンタを開放するように指示計ドライブノブを定位置に置き,二つのデジタルカウンタ示度が,

この表に示した数値だけ相違するよう,エンジン圧縮比を変えることで行える。補正した後,指示計
ドライブノブを1の位置に戻す。 

b) トップカウンタの読みは,101.3 kPaより少ない圧力値に対しては,ボトムの補正された読みよりも大

きくする。101.3 kPaより大きい圧力値に対しては,ボトムの補正された読みよりも小さくする。 

注a) DCC:デジタルカウンタ示度の補正値 

b) DIC:ダイヤル指示計示度の補正値 

表9−内挿−平衡燃料レベル法及び内挿−動的燃料レベル法の正標準燃料の選び方 

試料のオクタン価範囲 

正標準燃料の選び方 

40.0〜 72.0 

オクタン価の差が4.0以下の2種類の正標準燃料を用いる。 

72.0〜 80.0 

オクタン価の差が2.4以下の2種類の正標準燃料を用いる。 

80.0〜100.0 

オクタン価の差が2.0以下の2種類の正標準燃料を用いる。 

100.0〜100.7 

オクタン価が100.0及び100.7の2種類の正標準燃料を用いる。 

100.7〜101.3 

オクタン価が100.7及び101.3の2種類の正標準燃料を用いる。 

101.3〜102.5 

オクタン価が101.3及び102.5の2種類の正標準燃料を用いる。 

102.5〜103.5 

オクタン価が102.5及び103.5の2種類の正標準燃料を用いる。 

103.5〜108.6 

四エチル鉛量が0.053 mL/L(0.2 mL/3.785 L)異なる2種類の正標準燃料を用いる。 

108.6〜115.5 

四エチル鉛量が0.132 mL/L(0.5 mL/3.785 L)異なる2種類の正標準燃料を用いる。 

115.5〜120.3 

四エチル鉛量が0.264 mL/L(1.0 mL/3.785 L)異なる2種類の正標準燃料を用いる。 

10.2.2 

試料の測定 

試料の測定は,次による。 

a) 試料を燃料タンクに導入し,燃料系統を置換する。必要に応じて燃料タンク及びサイトグラスも置換

するが,このときは,サイトグラスのドレイン弁を数回開閉し,燃料タンクとサイトグラスとをつな

ぐ燃料ラインに気泡が入っていないことを確認する。 

b) 試料を用いて試験用エンジンを運転し,燃料系統に気泡が入っていないことを確認する。 

c) ノックメータ示度が50付近を示すようにシリンダ高さを調整する。ただし,デジタル・デトネーショ

ンメータを使用する場合は,調整する必要はない。 

d) 最高のノック強度を示す燃料レベルを決定する。最高のノック強度となる燃料レベルが確認できたら,

そのレベルになるように燃料タンクの位置を調整する。 

注記 燃料レベルの決定方法としては,例えば,燃料レベル(燃料タンクを最初に下げ,次にノッ

24 

K 2280-2:2018  

クメータ示度が最高に達した後に下がり始めるまで,少量ずつ(サイトグラスの0.1目盛又

はそれ以下)段階的にレベルを増やしていく方法がある。 

e) 空燃比を調整し,ノックメータ示度が最高になるように調節する。次いで,必要に応じてシリンダ高

さを再調整し,最高のノックメータ示度が(50±2)の目盛を示すように調節する。ただし,デジタル・

デトネーションメータを使用する場合は,調整する必要はない。 

f) 

試料のノックメータ示度を記録する。 

10.2.3 

第一正標準燃料の測定 

第一正標準燃料の測定は,次による。 

a) 10.2.2で調整したシリンダ高さに基づき,試料の予期オクタン価に近いオクタン価をもつ第一正標準

燃料を選ぶ。 

b) 新しく調製した第一正標準燃料を用いて試験用エンジンを運転し,燃料系統に気泡がないことを確認

する。 

c) 10.2.2で調整したシリンダ高さを変えずに空燃比を調整し,第一正標準燃料に対するノックメータ示

度を決定する。 

d) 第一正標準燃料のノックメータ示度を記録する。 

10.2.4 

第二正標準燃料の測定 

第二正標準燃料の測定は,次による。 

a) 第二正標準燃料は,10.2.1 f) に従って,試料のノックメータ示度を第一正標準燃料と挟むように選ぶ。 

b) 新しく調製した第二正標準燃料を用いて試験用エンジンを運転し,燃料系統に気泡がないことを確認

する。 

c) 10.2.2で調整したシリンダ高さを変えずに空燃比を調整し,第二正標準燃料に対するノックメータ示

度を決定する。 

d) 第二正標準燃料のノックメータ示度を記録する。 

e) 試料のノックメータ示度を第二正標準燃料のノックメータ示度で挟むことができた場合には,試験を

続行する。挟めなかった場合は,内挿−平衡燃料レベル法の条件を満足するまで,新たな正標準燃料

を調製して試験を行う。 

10.2.5 

測定の繰返し 

測定の繰返しは,次による。 

a) シリンダ高さを変えずに試料を用いて試験用エンジンを運転する。続いて,第二正標準燃料,第一正

標準燃料の順で試験を繰り返し行い,2回目のノックメータ示度を得る。各燃料に対して,最高ノッ

クメータ示度に対する空燃比が用いられていることを確認し,ノックメータ示度が安定してからノッ

クメータ示度を記録する。 

b) 2回測定したノックメータ示度が,11.1 c) に示す三つの条件を満足しなかった場合は,3回目の試験

を繰り返し行い,ノックメータ示度を記録する。 

10.3 

内挿−動的燃料レベル法の試験の手順 

10.3.1 

一般事項 

校正は,10.2.1に示す手順で行う。 

10.3.2 

試料の測定 

試料の測定は,次による。 

a) 試料を燃料タンクに導入し,燃料系統を置換する。必要に応じて燃料タンク及びサイトグラスも置換

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25 

K 2280-2:2018  

するが,このときは,サイトグラスのドレイン弁を数回開閉し,燃料タンクとサイトグラスとをつな

ぐ燃料ラインに気泡が入っていないことを確認する。 

燃料レベルを0.7目盛より高くなるように合わせる。最大ノック強度が特定の燃料レベルで起きる

ことが分かっている場合は,通常採用するレベルよりも高いレベルに合わせる。 

b) 燃料タンクの前面のノブを回し,サイトグラスで燃料レベルが下がってくることを確認する。 

c) ノックメータの示度が約10目盛減ったときに,正標準燃料等の他の燃料に切り替え運転を継続する。 

注意深く燃料レベルが下がってくるのを監視し,エンジンに常に燃料が供給されており,運転温度

条件が満たされてノック状態が測定時間の大部分を占めていることを確認する。 

d) アナログ・ノックメータを使用する場合で,ノック強度の示度が20〜80の間を外れる場合は,シリン

ダ高さを調節して,エンジンの状態を標準のノック強度状態になるよう調節する。 

e) 燃料タンクに,空燃比がリッチ(高い燃料レベル)となるよう適切なサイトグラスレベルまで試料を

再び満たす。 

f) 

おおよそのシリンダ高さを設定した後,次の二点の最終的な調整を実施する。 

1) 最大ノック強度となるとき,サイトグラスの燃料のレベルは0.7〜1.7目盛の範囲に入る。 

2) 最大ノック強度の示度が,45〜55の目盛の範囲に入る。ただし,デジタル・デトネーションメータ

を使用する場合は,最大ノック強度の示度が45〜55の範囲に入る必要はない。 

g) 最大のノック強度の示度を記録する。 

10.3.3 

第一正標準燃料の測定 

第一正標準燃料の測定は,次による。 

a) 試料の予期オクタン価に近いオクタン価をもつ第一正標準燃料を選ぶ。 

b) 第一正標準燃料を未使用の燃料タンクに導入する。10.3.2 a) で示した方法で,燃料ライン,サイトグ

ラス及び燃料タンクを置換する。 

c) シリンダ高さを変えずに,燃料切替弁を切り替えて第一正標準燃料でエンジンを運転し,燃料レベル

が下がるにつれて起きる最大ノック強度の示度を記録する。 

最大ノック強度は,0.7〜1.7目盛の範囲内の燃料レベルで起きるようにする。 

d) 第一正標準燃料のノックメータ示度を記録する。 

10.3.4 

第二正標準燃料の測定 

第二正標準燃料の測定は,次による。 

a) 第二正標準燃料は,10.2.1 f) に従って,試料のノックメータ示度を第一正標準燃料と挟むように選ぶ。 

b) 新しく調製した第二正標準燃料を未使用の燃料タンクに導入する。10.3.2 a) で示した方法で,燃料ラ

イン,サイトグラス及び燃料タンクを置換する。 

c) シリンダ高さを変えずに,燃料切替弁を切り替えて第二正標準燃料でエンジンを運転し,燃料レベル

が下がるにつれて起きる最大ノック強度の示度を記録する。 

最大ノック強度は,0.7〜1.7目盛の範囲内の燃料レベルで起きるようにする。 

d) 試料のノックメータ示度を第二正標準燃料のノックメータ示度で挟むことができた場合には,試験を

続行する。挟めなかった場合は,内挿−動的燃料レベル法の条件を満足するまで,新たな正標準燃料

を調製して試験を行う。 

10.3.5 

測定の繰返し 

測定の繰返しは,次による。 

a) シリンダ高さを変えずに試料を用いて試験用エンジンを運転する。続いて,第二正標準燃料,第一正

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26 

K 2280-2:2018  

標準燃料の順で試験を繰り返し行い,2回目のノックメータ示度を得る。各燃料に対して,最高ノッ

クメータ示度に対する空燃比が用いられていることを確認し,ノックメータ示度が安定してからノッ

クメータ示度を記録する。 

b) 2回測定したノックメータ示度が,11.1 c) の三つの条件を満足しなかった場合は,10.3.2〜10.3.4の手

順を繰り返し3回目の試験を行い,ノックメータ示度を記録する。 

10.4 

圧縮比法の試験の手順 

10.1のスタートアップ及び試験用エンジンの適合性試験を行った後,圧縮比法の手順は,次による。 

a) 校正 校正は,次による。 

1) 測定する試料のオクタン価に近いオクタン価をもつ正標準燃料を用いて,試験用エンジンを校正し

て標準ノック強度を設定する。 

2) 選択した正標準燃料のオクタン価に対して,測定に用いるシリンダ高さを示すデジタルカウンタ示

度又はダイヤル指示計示度を表5又は表6から求め,表7又は表8を用いて大気圧補正した値に設

定する。 

注記 シリンダ高さを決める詳細な手順は,ASTM D2700-12のAnnex A2(Apparatus Assembly and 

Setting Instructions)に記載されている。 

3) 最大のノック強度を示す空燃比を決定し,次にデトネーションメータのつまみ“METER READING”

を調節してノックメータ示度が(50±2)の目盛を示すように設定する。ただし,デジタル・デトネ

ーションメータを使用する場合は,調節の必要はない。 

4) オクタン価90で1オクタン価当たりのノック強度が12〜15の目盛に設定したデトネーションメー

タの開き度の場合,オクタン価80〜100の範囲において適切に設定した開き度となっているため設

定を変更する必要はない。 

b) 試料の測定 試料の測定は,次による。 

1) 試料を燃料タンクに導入し,燃料系統を置換する。必要に応じて燃料タンク及びサイトグラスも置

換するが,このときは,サイトグラスのドレイン弁を数回開閉し,燃料タンクとサイトグラスとを

つなぐチューブに気泡が入っていないことを確認する。 

2) 試料を用いて運転する。試験用エンジンのノック強度が変化し,ノックメータ示度が非常に低くな

るか又は高くなった場合は,ノックメータ示度が再び中間値を示すようにシリンダ高さを適切な方

向に調整する。 

3) 試料に対してノックメータが中間値を示すようにシリンダ高さを調整する。 

4) 最大ノック強度を示す空燃比を決定するため,はじめに,燃料レベルを下げる。次にノックメータ

示度が最大に達した後,下がり始めるまで少しずつ(サイトグラスの目盛が0.1又はそれ以下)段

階的に空燃比を上げる。 

5) シリンダ高さを調節してノックメータ示度を(50±2)の目盛に調節する。ただし,デジタル・デト

ネーションメータを使用する場合は,調節の必要はない。 

6) 運転を継続し,必要に応じて適切なノック強度を得るため,シリンダ高さを微調整する。運転時間

は,空燃比の設定が終了した時点から測定して約5分以内とする。 

7) サイトグラスのドレインバルブを瞬間的に開けて空燃比を下げ,気泡を取り除く。ドレインバルブ

を閉じた後,ノックメータ示度が元の値に戻ることを確認する。ノックメータ示度が,±1の目盛

の範囲で戻らない場合は,該当する正標準燃料に対する標準ノック強度を得るため,シリンダ高さ

の再調整を行い,6) から繰り返す。 

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27 

K 2280-2:2018  

8) デジタルカウンタ示度又はダイヤル指示計示度を読み取り,表7又は表8によって大気圧補正した

値を記録する。 

9) 補正したデジタルカウンタ示度又はダイヤル指示計示度を表5又は表6によってオクタン価に変換

する。 

c) 標準ノック強度の点検 標準ノック強度の点検は,次による。 

1) 正標準燃料による運転を行い,このオクタン価に対する補正したデジタルカウンタ示度で標準ノッ

ク強度を点検する。ノックメータ示度が,最初の読取値の±3の目盛の範囲であればその値を記録

し,試料に戻る。ノックメータ示度が,±3の目盛の範囲を超えている場合は,試料のオクタン価

を再び測定する前に,標準ノック強度を設定し直さなければならない。 

2) 試料による運転を行い,ノックメータ示度が正標準燃料で設定した標準ノック強度の読取値の±2

の目盛の範囲内に入るようにシリンダ高さを調節し,大気圧補正したデジタルカウンタ示度又はダ

イヤル指示計示度を記録し,表5又は表6によってオクタン価に変換する。 

3) 繰り返し2回測定したオクタン価の差が0.3以内であれば,その平均値をオクタン価とする。 

d) 試料と正標準燃料とのオクタン価の差の点検 試料と正標準燃料とのオクタン価の差の点検は,次に

よる。 

1) 試料の平均オクタン価は,標準ノック強度を設定した正標準燃料のオクタン価から表10に示す最大

許容差内でなければならない。 

2) 試料と正標準燃料とのオクタン価の差が表10のオクタン価最大許容差を超える場合は,オクタン価

がこの最大許容差内にある新たな正標準燃料を用いて標準ノック強度を求める。その結果,試料の

オクタン価に対するシリンダ高さにおける新たな正標準燃料のノックメータ示度が(50±1)の目盛

の範囲内にある場合は,その前の測定結果を試料のオクタン価とする。範囲外の場合は,選択した

正標準燃料を用いて,試験用エンジンの校正から改めて行い,試料のオクタン価測定を行う。 

表10−試料のオクタン価と正標準燃料のオクタン価との最大許容差 

試料のオクタン価 

試料と正標準燃料とのオクタン価最大許容差 

90.0未満 

2.0 

90.0以上 100.0未満 

1.0 

  100.0以上 102.0未満 

0.7 

  102.0以上 105.0以下 

1.3 

105.0を超え 

2.0 

e) 同様なオクタン価試料の測定 同様なオクタン価試料の測定は,次による。 

1) オクタン価が似たような試料が幾つかある場合,適切な正標準燃料を用いて標準ノック強度を設定

して,各試料を測定してもよい。ただし,正標準燃料に対する標準ノック強度が最初の値の±1目

盛以内であることを確認する。 

2) いかなる場合も,4本目の試料を測定した後は,標準ノック強度を再設定しなければならない。 

11 

計算方法 

11.1 

内挿−平衡燃料レベル法及び内挿−動的燃料レベル法の計算 

内挿−平衡燃料レベル法及び内挿−動的燃料レベル法の計算方法は,次による。 

background image

28 

K 2280-2:2018  

a) 1回目のノックメータ示度から試料のオクタン価を,次の式によって算出する。 

(

)

L

H

K

K

K

K

L

M

×

+

=

H

L

S

L

 ························································· (3) 

ここに, 

M: 試料のモータ法オクタン価 

L: 低い正標準燃料のオクタン価 

H: 高い正標準燃料のオクタン価 

KS: 試料のノックメータ示度 

KL: 低い正標準燃料のノックメータ示度 

KH: 高い正標準燃料のノックメータ示度 

b) 2回目のノックメータ示度から式(3)によってオクタン価を算出する。 

c) 次の三つの条件に合えば,繰り返し行った2回のオクタン価の平均値を算出する。ただし,デジタル・

デトネーションメータを使用する場合は,2) の条件を満たす必要はない。 

1) 1回目及び2回目のオクタン価の差が,0.3以内である。 

2) 1回目及び2回目の試料のノックメータ示度の平均値が45〜55の間にある。 

3) 測定に用いた大気圧補正後のシリンダ高さが,オクタン価に対するデジタルカウンタ示度又はダイ

ヤル指示計示度で示すガイド表の数値(シリンダ高さ)に対して,デジタルカウンタ示度で±20以

内,又はダイヤル指示計示度で±0.014以内にある。 

d) 1回目及び2回目のオクタン価の差又はノックメータ示度の平均値がc) の条件に当てはまらない場合

は,試料,第一正標準燃料及び第二正標準燃料について3回目の測定を行い,ノックメータ示度を求

める。この結果,c) の条件を満足した場合,2回目及び3回目の平均値を試料のオクタン価とする。 

e) 測定時のシリンダ高さ(大気圧補正後)がガイド表の制限から外れた場合は,デトネーションメータ

の設定を再調整して適切な標準ノック強度を確定してから新たにオクタン価測定を行う。 

11.2 

圧縮比法の計算 

圧縮比法による試料のオクタン価は,10.4 c) 3) で求めた値を用いる。 

12 

結果の表し方 

オクタン価は,JIS Z 8401の規定によって,丸めの幅を表11に従って丸める。 

表11−オクタン価の丸め方 

オクタン価の範囲 

丸めの幅 

72.0未満 

72.0以上 103.5以下 

0.1 

 103.5を超え 

13 

精度 

13.1 

一般事項 

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,13.2,13.3及び13.4による。試験結

果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。精度は,大気圧94.6 kPa以上で測

定した結果に適用する。 

13.2 

室内併行精度 

同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験したとき,試験結果

の差の許容差は,表12による。 

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29 

K 2280-2:2018  

13.3 

室間再現精度 

異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求めた2個の試験結

果の差の許容差は,表12による。 

表12−モータ法オクタン価の精度(大気圧94.6 kPa以上で測定した場合) 

オクタン価の平均値 

室内併行許容差 

室間再現許容差 

80.0未満 

現在,データなし 

現在,データなし 

 80.0以上 

90.0以下 

0.2 

0.9 

 90.0を超え 102.0未満 

現在,データなし 

現在,データなし 

 102.0以上 

103.0以下 

0.6 

2.0 

103.0を超え 

現在,データなし 

現在,データなし 

13.4 

体積分率15 %〜25 %のエタノールを含むガソリン燃料の精度 

体積分率15 %〜25 %のエタノールを含むガソリン燃料の精度は,次による。 

− 室内併行許容差 0.4 

− 室間再現許容差 1.1 

14 

試験結果の報告 

14.1 

火花点火式エンジン用燃料 

火花点火式エンジン用燃料の試験結果には,次の事項を記載する。 

a) 試料名,採取場所及び採取年月日 

b) この規格の番号(JIS K 2280-2) 

c) 結果(箇条12の表し方による。) 

d) 試験年月日 

e) 特記事項 

14.2 

航空ピストンエンジン用燃料 

航空ピストンエンジン用燃料の試験結果には,次の事項を記載する。 

a) 試料名,採取場所及び採取年月日 

b) この規格の番号(JIS K 2280-2) 

c) 結果(箇条12の表し方による。) 

d) 航空法評価値 表13を用いてモータ法オクタン価の結果を変換したときの数値が,100以下の場合は,

航空法オクタン価として報告し,100を超える場合は,航空法出力価として報告する。 

e) 試験年月日 

f) 

特記事項 

background image

30 

K 2280-2:2018  

表13−モータ法オクタン価から航空法オクタン価又は航空法出力価への変換表 

オクタン価 

0.0 

0.2 

0.4 

0.6 

0.8 

90 

90.15 

90.37 

90.58 

90.79 

91.01 

91 

91.22 

91.43 

91.65 

91.86 

92.07 

92 

92.29 

92.50 

92.71 

92.92 

93.13 

93 

93.35 

93.56 

93.77 

93.98 

94.19 

94 

94.40 

94.61 

94.82 

95.04 

95.25 

95 

95.46 

95.67 

95.88 

96.09 

96.29 

96 

96.50 

96.71 

96.92 

97.13 

97.34 

97 

97.55 

97.76 

97.96 

98.17 

98.38 

98 

98.57 

98.74 

98.91 

99.08 

99.25 

99 

99.43 

99.60 

99.77 

99.95 

100.54 

100 

101.07 

101.60 

102.14 

102.67 

103.21 

101 

103.74 

104.27 

104.81 

105.34 

105.88 

102 

106.41 

106.94 

107.48 

108.01 

108.55 

103 

109.08 

109.61 

110.15 

110.68 

111.22 

104 

111.75 

112.28 

112.82 

113.35 

113.89 

105 

114.42 

114.95 

115.49 

116.02 

116.56 

106 

117.09 

117.62 

118.16 

118.69 

119.23 

107 

119.76 

120.29 

120.83 

121.36 

121.90 

108 

122.43 

122.96 

123.50 

124.03 

124.57 

109 

125.10 

125.63 

126.17 

126.70 

127.24 

110 

127.77 

128.30 

128.84 

129.37 

129.91 

注記 表中の太字線から上は,航空法オクタン価,太字線から下は,航空法出力価で表す。 

参考文献  

[1] JIS K 0050 化学分析方法通則 

[2] JIS K 2215 内燃機関用潤滑油 

[3] ISO 3696,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods 

[4] ASTM D2268,Standard Test Method for Analysis of High-Purity n-Heptane and Isooctane by Capillary Gas 

Chromatography 

[5] ASTM D2700-12,Standard Test Method for Motor Octane Number of Spark-Ignition Engine Fuel 

[6] ASTM E1,Standard Specification for ASTM Liquid-in-Glass Thermometers 

[7] IP 224,Determination of low lead content of light petroleum distillates by dithizone extraction and colorimetric 

determination 

[8] JPI-5R-5 リサーチ法及びモータ法オクタン価測定マニュアル(公益社団法人石油学会規格) 

background image

31 

K 2280-2:2018  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 2280-2:2018 石油製品−オクタン価,セタン価及びセタン指数の求め方−
第2部:モータ法オクタン価 

ISO 5163:2014,Petroleum products−Determination of knock characteristics of motor and 
aviation fuels−Motor method 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規 
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 

用語 

− 

− 

追加 

JISは,関連する用語についてJIS B 
0108-1を引用した。 

分かりやすくするために追加し
た。実質的な差異はない。 

3.12 標準ノック強
度 

− 

− 

追加 

JISは,標準ノック強度を追加した。 分かりやすくするために追加し

た。実質的な差異はない。 

3.19 トルエン系点
検燃料 

3.20 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,定義に点検燃料の用途を追
加した。 

分かりやすくするために追加し
た。実質的な差異はない。 

4 試験の原
理 

a) 内挿−平衡燃料
レベル法 
b) 内挿−動的燃料
レベル法 
c) 圧縮比法 

試験の共通原理だけを記
載。 

変更 
追加 

JISは,試験方法ごとに原理を記載
した。また,ISO規格では紹介だけ
で手順が規定されていない内挿−
動的燃料レベル法及び圧縮比法の
原理も追加した。 

分かりやすくするために,内挿−
平衡燃料レベル法と内挿−動的燃
料レベル法の手順を分けて記載す
るとともに,国内で普及している
圧縮比法を追加した。実質的な差
異はない。 

5 試薬及び
標準物質 

5.1 シリンダジャケ
ット冷却液 

5.1 

水の仕様にISO 3696を規
定。 

変更 

JISは,水の仕様にJIS K 0557を規
定した。 

国内の実情に合わせてJISを規定
した。実質的な差異はない。 

5.6 四エチル鉛希釈
溶液 

5.7 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,四アルキル鉛中毒予防規則
を追加した。 

国内法規を明記した。 

5.7 オクタン価100
以下の正標準燃料 

− 

− 

追加 

JISは,試薬の中に追加して記載し
た。 

分かりやすくするために追加し
た。実質的な差異はない。 

5.9 トルエン 

5.9 

純度,過酸化物価及び水
分の品質確認を規定。 

追加 

JISは,純度に加えてトルエンの
JISを規定した。 

国内の実情に合わせてJISを規定
した。実質的な差異はない。 

削除 

過酸化物価及び水分の品質確認を
削除した。 

国内の供給状況を考慮して削除し
た。実質的な差異はない。 

2

K

 2

2

8

0

-2

2

0

1

8

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32 

K 2280-2:2018  

(I)JISの規定 

(II) 
国際規 
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6 器具及び
装置 

6.2 正標準燃料及び
トルエン系点検燃
料の分注器 

6.3 

ビュレットの校正方法に
ISO 4787を規定。 

変更 

JISは,注記としてJIS R 3505又は
JIS K 0050を参照した。 

国内の実情を考慮した。 

6.3 正標準燃料の質
量混合 

6.4 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,密度の求め方として,JIS K 
2249-1,JIS K 2249-2及びJIS K 
2249-3を追加した。 

分かりやすくするために追加し
た。実質的な差異はない。 

8 試験用エ
ンジン及び
計測機器の
基本設定並
びに標準運
転条件 

8.3 バルブ開閉時期 

8.3 

JISにほぼ同じ。 

変更 

JISは,カム軸の下死点の調整幅を
上死点と同様に設定した。 

計測機器の調整方法を分かりやす
くするために追加した。実質的な
差異はない。 

8.12 吸入空気温度 

8.12 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,吸入空気温度の説明及び温
度計の記載を追加した。 

分かりやすくするために追加し
た。実質的な差異はない。 

8.25 ロータベーン
と点火タイマトラ
ンスデューサとの
隙間の基本設定 

8.25 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,点火断続器を用いる場合の
隙間を追加規定した。 

試験器の使用状況を考慮して追加
した。実質的な差異はない。 

8.29 空燃比 

8.29 

JISにほぼ同じ。 

変更 

JISは,容器断面積一定を,燃料降
下速度一定に変更した。 

分かりやすくするために変更し
た。実質的な差異はない。 

8.30 気化器の冷却 

8.30 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,冷却が必要な現象として,
不規則なエンジン燃焼を追加した。 

分かりやすくするために追加し
た。実質的な差異はない。 

8.32 デトネーショ
ンメータの開き度
及び時定数の設定 

8.32 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,1オクタン価当たりの開き
度を追加規定した。 

分かりやすくするために追加し
た。実質的な差異はない。 

9 試験用エ
ンジンの点
検,適合性
試験及び性
能評価 

9.1 一般事項 

9.1 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,暖機運転後に,標準ノック
強度で運転する手順を追加した。 

分かりやすくするために追加し
た。実質的な差異はない。 

9.2 試験用エンジン
の点検 

9.2 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,圧縮比法の標準ノック強度
の設定法を規定した。 

国内で普及している圧縮比法を追
加した。実質的な差異はない。 

9.3 オクタン価79.6
〜94.7の場合の適合
性試験 

9.3 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,気圧変動の許容差を規定し
た。 

分かりやすくするために追加し
た。実質的な差異はない。 

 
 

2

K

 2

2

8

0

-2

2

0

1

8

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33 

K 2280-2:2018  

(I)JISの規定 

(II) 
国際規 
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

10 試験の
手順 

10.1 一般事項 

10.1 

一般事項として,内挿−
平衡燃料レベル法,内挿
−動的燃料レベル法,圧
縮比法,及び内挿OA法の
四つの測定方法を記載。 

変更 

JISは,規定試験方法の列挙記載を
削除するとともに,10.2の試験用エ
ンジンの準備の内容を一般事項に
取り込んだ。 

箇条4と重複する内容であるため
削除した。また,利便性を考慮し
て準備を一般事項とした。 

10.2 

準備 

10.2.1 校正 

− 

− 

追加 

JISは,ノック強度に関するガイド
表を記載した。 

国内で普及しているガイド表を追
記した。実質的な技術的差異はな
い。 

10.3 内挿−動的燃
料レベル法の試験
の手順 

− 

内挿−動的燃料レベル法
を許容しているが,試験
手順の規定はない。 

追加 

JISは,内挿−動的燃料レベル法の
試験手順を規定した。 

分かりやすくするために,内挿−
動的燃料レベル法の試験手順を追
加した。 

10.4 圧縮比法の試
験の手順 

− 

圧縮比法を許容している
が,試験手順の規定はな
い。 

追加 

JISは,圧縮比法の試験手順を規定
した。 

一般に普及している圧縮比法の試
験手順を追加した。 

11 計算方
法 

11.1 内挿−平衡燃
料レベル法及び内
挿−動的燃料レベ
ル法の計算 

11 

JISにほぼ同じ。 

変更 

JISは,項目名を内挿−平衡燃料レ
ベル法及び内挿−動的燃料レベル
法とした。 

内挿−平衡燃料レベル法及び内挿
−動的燃料レベル法の計算方法は
同じである。 

11.2 圧縮比法の計
算 

− 

− 

追加 

JISは,圧縮比法の計算方法を追加
した。 

国内で普及している圧縮比法を追
加した。 

12 結果の
表し方 

数値の丸め方 

12 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,数値をJIS Z 8401によって
丸めることを規定した。 

JISの規格体系に合わせて追加し
た。 
実質的な差異はない。 

13 精度 

13.1 一般事項 

13.1 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,許容差を外れた場合の処理
方法をJIS Z 8402-6を引用して規
定した。 

JISの規格体系に合わせて追加し
た。 
実質的な技術的差異はない。 

− 

13.4 

94.6 kPaより低い大気圧
下の精度を規定。 

削除 

JISは,94.6 kPaより低い大気圧下
の精度を削除した。 

JISは,国内の状況に合わせ,94.6 
kPa以上の大気圧下の精度を規定
した。実質的な差異はない。 

2

K

 2

2

8

0

-2

2

0

1

8

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34 

K 2280-2:2018  

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 5163:2014,MOD 

関連する外国規格 

ASTM D 2700-12 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

K

 2

2

8

0

-2

2

0

1

8