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K 2276

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,石油連盟 (PAJ) か

ら,

工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS K 2276 : 1994 は改正され,この規格に

置き換えられる。

今回の改正では,対応国際規格 ISO 3012 : 1999,Petroleum products−Determination of thiol (mercaptan)

sulfur in light and middle distillate fuels

−Potentiometric method,ISO 3013 : 1997,Petroleum products−Determi-

nation of the freezing point of aviation fuels

ISO 6249 : 1999,Petroleum products−Determination of thermal oxi-

dation stability of gas turbine fuels

−JFTOT method,ISO 6250 : 1997,Petroleum products−Determination of the

water reaction of aviation fuels

及び ISO 6297 : 1997,Petroleum products−Aviation and distillate fuels−Determi-

nation of electrical conductivity

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS K 2276

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  熱安定度試験器 (JFTOT)

附属書 B(規定)  JFTOT 加熱管の目視評価法

附属書 C(参考)  校正器及び熱電対の保守

附属書 1(規定)  水分離指数試験器検査に使用する標準油用基油の調製方法

附属書 2(規定)  水分離指数試験器(マイクロセパロメータ法)の標準油による検査方法

附属書 3(参考)  水分離指数試験方法(ウォータセパロメータ法)

附属書 3A(参考)  水分離指数試験器(ウォータセパロメータ法)の標準油による検査方法

附属書 4(参考)  爆発性試験方法

附属書 5(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表


K 2276

:2003

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

4.

  試験方法の種類

3

5.

  外観試験方法

4

6.

  酸化安定度試験方法(潜在残さ物法)

4

7.

  析出点試験方法

11

8.

  水溶解度試験方法

17

9.

  酸価試験方法

19

10.

  チオール(メルカプタン)硫黄分試験方法(電位差滴定法)

23

11.

  ドクター試験方法

28

12.

  ルミノメータ数試験方法

30

13.

  ナフタレン分試験方法(紫外吸分光光度法)

38

14.

  銀板腐食試験方法

40

15.

  熱安定度試験方法(JFTOT 法)

46

16.

  水分離指数試験方法(マイクロセパロメータ法)

51

17.

  微粒きょう雑物試験方法(試験室ろ過法)

55

18.

  導電率試験方法

58

19.

  水素含有量推定方法

62

20.

  過酸化物価試験方法

65

附属書 A(規定)熱安定度試験器(JFTOT

69

附属書 B(規定)JFTOT 加熱管の目視評価法

77

附属書 C(参考)校正器及び熱電対の保守

81

附属書 1(規定)水分離指数試験器検査に使用する標準油用基油の調製方法

82

附属書 2(規定)水分離指数試験器(マイクロセパロメータ法)の標準油用基油の調製方法

84

附属書 3(参考)水分離指数試験器(ウォータセパロメータ法)

86

附属書 3A(参考)水分離指数試験器(ウォータセパロメータ法)の標準油による検査方法

93

附属書 4(参考)爆発性試験方法

95

附属書 5(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

106

 


日本工業規格

JIS

 K

2276

:2003

石油製品―航空燃料油試験方法

Petroleum products

―Testing methods for aviation fuels

序文  この規格は,1999 に第 3 版として発行された ISO 3012 : 1999,Petroleum products−Determination of

thiol (mercaptan) sulfur in light and middle distillate fuels

−Potentiometric method,1997 年に第 2 版として発行

された ISO 3013 : 1997,Petroleum products−Determination of the freezing point of aviation fuels,1999 年に第

2

版として発行された ISO 6249 : 1999,Petroleum products−Determination of thermal oxidation stability of gas

turbine fuels

−JFTOT method,1997 年に第 2 版として発行された ISO 6250 : 1997,Petroleum products−

Determination of the water reaction of aviation fuels

及び 1997 年に第 2 版として発行された ISO 6297 : 1997,

Petroleum products

−Aviation and distillate fuels−Determination of electrical conductivity を基に,対応する部分

(この規格の 7.8.10.15.18.

附属書 A,附属書 B,附属書 C)については対応国際規格を翻訳し,

技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格がない規定項目(この規格

の 5.6.9.11.12.13.14.16.17.19.20.

附属書 1,附属書 2,附属書 3,附属書 3A,附属書

4

)を日本工業規格として追加している。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。変更の

一覧表をその説明を付けて,

付属書 5(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,航空ガソリン及び航空タービン燃料油を試験する方法について規定する。

備考1.  この規格は,危険な試薬,操作及び装置を使うことがあるが,安全な使用方法をすべてにわ

たって規定しているわけではないので,この試験方法の使用者は試験に先立って適切な安全

上及び健康上の禁止事項を決めておかなければならない。

2. 

この規格の対応国際規格を

表 に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

表 1  対応国際規格

試験方法

対応国際規格

析出点試験方法

ISO 3013 : 1997

Petroleum products

−Determination of the freezing point of aviation fuels (MOD)

水溶解度試験方法

ISO 6250 : 1997

Petroleum products

−Determination of the water reaction of aviation fuels (MOD)

チオール硫黄分試験方法 
(電位差滴定法)

ISO 3012 : 1999

Petroleum products

−Determination of thiol (mercaptan) sulfur in light and middle

distillate fuels

−Potentiometric method (MOD)

熱安定度試験方法(JFTOT

法)及び

附属書 ABC

ISO 6249 : 1999

Petroleum products

−Determination of thermal oxidation stability of gas turbine fuels−

JFTOT method (MOD)


2

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表 1  対応国際規格(続き)

試験方法

対応国際規格

導電率試験方法

ISO 6297 : 1997

Petroleum products

− Aviation and distillate fuels − Determination of electrical

conductivity (MOD)

2. 

引用規格  付表 に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構

成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

外観  透過光を利用して行う試料の肉眼による遊離水分,固形物の有無,透明さなどの観察結果。

b)

酸化安定度(潜在残さ物法)  試料の貯蔵中でのガム生成傾向の目安として用いられ,次の項目を求

める。

1)

沈殿量  規定の方法で酸化させた試料及びガム溶剤で試験容器を洗浄した洗液をろ過して得られる

残さ量。試料 100 mL 当たりの量 (mg/100 mL) で表す。

2)

不溶性ガム量  ガム溶剤に不溶な試験容器内付着物の量。試料 100 mL 当たりの量 (mg/100 mL) で

表す。

3)

可溶性ガム量  沈殿量を測定後,ろ液中の不揮発性残さの量。試料 100 mL 当たりの量 (mg/100 mL)

で表す。

4)

潜在ガム量  可溶性ガム量と不溶性ガム量との合計量。試料 100 mL 当たりの量 (mg/100 mL) で表

す。

5)

全潜在残さ量  沈殿量,不溶性ガム量及び可溶性ガム量の合計量。試料 100 mL 当たりの量 (mg/100

mL)

で表す。

c)

析出点  (freezing point)    試料を冷却した際,生成した炭化水素の結晶が,試料の温度を上昇させたと

き消える温度。

1)

結晶化点  (crystallization point)    試料を冷却した際に炭化水素の結晶が最初に形成される温度。

d)

水溶解度  試料とりん酸塩緩衝液を混合した場合の試料と水との相互溶解性の尺度。容量変化,試料

層と水層との界面状態及び分離状態を評価する。

e)

酸価  試料 1 g 中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの消費量。

mgKOH/g

で表す。

f)

チオール硫黄分  硝酸銀溶液を用いた電位差滴定法によって得られるチオール硫黄分。

質量%で表す。

g)

ドクター試験  チオール及び硫化水素の存在を判定する尺度。

h)

ルミノメータ数  試料を規定条件で燃焼させたとき,可視スペクトルの緑黄帯における,一定の輝き

に対する炎の温度を示す尺度。

i)

ナフタレン分  ナフタレン,アセナフテン及びこれらのアルキル誘導体の合計量。容量%又は質量%

で表す。

j)

銀板腐食  銀板の変色状態を,銀板腐食分類表によって比較した試料の腐食性の程度。変色番号で表

す。

k)

熱安定度  (JFTOT)    規定条件下における試料の熱安定度を評価する尺度。加熱管たい積物の生成及

び試験フィルタ前後の差圧によって,試料の熱安定性を評価する。


3

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1)

加熱管  (heater tube)    高温に温度調節したアルミニウム製の管で,試料はこの中をポンプによって

圧送する。加熱管は電気抵抗によって加熱し,温度は加熱管内部に取り付けられた熱電対によって

調整する。

備考  最も大切な試験面積は,加熱管両肩間の長さ 60 mm の細い部分である。加熱管への試料の入口

は 0 mm の位置にあり,試料の出口は 60 mm の位置にある。

2)

加熱管たい積物 (decomposition product)   加熱管の細い部分の比較的小さな面積,一般には試料入

口から 30∼50 mm の位置にたい積した酸化生成物及び試験フィルタに補そくされた酸化生成物。

l)

水分離指数  界面活性物質の存在によって,生成した乳化水を試料から凝集によって分離する場合の,

分離しやすさを示す数値。

参考  試験方法には,ウォータセパロメータ法及びマイクロセパロメータ法がある。

m)

微粒きょう雑物  試料をメンブランフィルタでろ過し,洗浄・乾燥した後の残存量。試料 1 L 当たり

の量 (mg/L) で表す。

n)

導電率 (conductivity)   イオンの減損又は分極がない状態での,帯電していない燃料の抵抗率の逆数。

これは直流電圧が電極の間に印加された直後の電流値を pS/m で表したもの。

o)

水素含有量  試料中での水素の占める割合。回帰式又はノモグラムによって推定した値。質量%で表

す。

p)

過酸化物価  試料の初期酸化を評価するのに用いる数値。質量 ppm で表す。

4. 

試験方法の種類  試験方法の種類を,表 に示す。


4

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表 2  試験方法の種類

試験方法の名称

適用区分

箇条番号

外観試験方法

航空タービン燃料油

5.  

酸化安定度試験方法(潜在残さ物法)

航空ガソリン

6.  

析出点試験方法

航空ガソリン・航空タービン燃料油

7.  

水溶解度試験方法

航空ガソリン・航空タービン燃料油

8.  

酸価試験方法

航空タービン燃料油

9.  

チオール硫黄分試験方法(電位差滴定法)

航空タービン燃料油

10.  

ドクター試験方法

航空タービン燃料油

11.  

ルミノメータ数試験方法

航空タービン燃料油

12.  

ナフタレン分試験方法(紫外吸分光光度法)

航空タービン燃料油

13.  

銀板腐食試験方法

航空タービン燃料油

14.  

熱安定度試験方法(JFTOT 法)

航空タービン燃料油

15.  

水分離指数試験方法(マイクロセパロメータ法)

航空タービン燃料油

16.  

微粒きょう雑物試験方法(試験室ろ過法)

航空タービン燃料油

17.  

導電率試験方法

航空タービン燃料油

18.  

水素含有量推定方法

航空ガソリン・航空タービン燃料油

19.  

過酸化物価試験方法

航空タービン燃料油

20.  

熱安定度試験器 (JFTOT)

航空タービン燃料油

附属書 A(規定)

JFTOT

加熱管の目視評価法

航空タービン燃料油

附属書 B(規定)

校正器及び熱電対の保守

航空タービン燃料油

附属書 C(参考)

水分離指数試験器検査に使用する標準油基油の調製方法

航空タービン燃料油

附属書 1(規定)

水分離指数試験器(マイクロセパロメータ法)の標準油による
検査方法

航空タービン燃料油

附属書 2(規定)

水分離指数試験方法(ウォータセパロメータ法)

航空タービン燃料油

附属書 3(参考)

水分離指数試験器(ウォータセパロメータ法)の標準油による

検査方法

航空タービン燃料油

附 属 書 3A ( 参
考)

爆発性試験方法

航空タービン燃料油

附属書 4(参考)


5

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5.

外観試験方法

5.1 

試験の原理  試料約 900 mL を試験容器に採り,目視によって浮遊物及びもやの有無を観察する。ま

た,試料を渦巻かせ,目視で渦の下に固形物及び遊離水分の有無を観察する。

5.2 

試験器  試験器は,次による。

a)

試験容器  容量 1 L の無色透明なガラス製のものを用いる。

5.3 

試料採取方法及び調製方法  試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調

製方法,又はそれらに準じた方法によって採取及び調製する。

5.4 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)

試料約 900 mL を清浄な試験容器に採る。

備考  試料が無色透明な試料容器に採取されている場合は,試料を試験容器に移し替えずに,次の b)

及び c)  の試験を行う。

b)

試験容器を明るい方向に向けて,目視によって浮遊物及びもやの有無を観察する。

c)

試料を渦巻かせ,目視で渦の下に固形物及び遊離水分の有無を観察する。

d)

浮遊物,もや,固形物及び遊離水分が認められない場合は,

“清澄”又は“Clear&Bright”と報告する。

e)

浮遊物,もや,固形物及び遊離水分が認められた場合は,その旨を報告する。

5.5 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a)

試料名,採取場所及び採取年月日

b)

この規格の番号:JIS K 2276

c)

試験項目名又はその略称,及び 5.4 によって得られた結果

d)

特記事項

6. 

酸化安定度試験方法(潜在残さ物法)

6.1 

試験の原理  試料 100 mL をボンベに入れて酸素を 0.69 MPa で圧入し,100  ℃で規定時間酸化槽に

浸す。酸化された試料について沈殿量,不溶性ガム量及び可溶性ガム量を測定し,潜在ガム量,沈殿量及

び全潜在残さ量を求める。

備考  JIS K 2206 の規定時間は,16 時間である。

6.2 

試薬  試薬は,次による。

a)

水  JIS K 0557 に規定する A1 の水。

b)

ガム溶剤  JIS K 8680 に規定するトルエン及び JIS K 8034 に規定するアセトンを等容量に混合したも

の。

c)

ガラス器具洗浄剤  クロム酸混液と同等の洗浄力をもつ強酸化性の酸又はこれと同等の性能をもつ弱

アルカリ性又は中性の非イオン系の界面活性剤。

d)

酸素  JIS K 1101 に規定する酸素。

6.3 

酸化安定度試験器(潜在残さ物法)  図 に示す構造のもので次による。JIS K 2287 に用いられる

ものと基本的には同じである。ただし,ボンベは破裂板式安全弁を備えていることが望ましい  (

1

)

注(

1

)

破裂板式安全弁は間違って取り付けられないような機構に設計されたもので,ステンレス鋼製

とし,1.53 MPa±10 %の圧力で作動(破裂)するもの。破裂板には使用中に腐食を生じにくい

材質を用い,安全弁の先端には作動した際に放出されたガスが試験者を避けるように放出管を

取り付ける。


6

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なお,導管の中間にニードル弁などを取り付けると導管内面を完全に洗浄することが困難に

なるので,連結管取付口,ニードル弁,破裂板式安全弁などはコネクタを用いて導管頂部に取

り付けることが望ましい。

a)

ボンベ  図 に示す 形(安全弁なし)又は 形(安全弁付き)の構造のもので,100  ℃において

1.24 MPa

の圧力に 1 時間耐え,また,15∼25  ℃で 0.69 MPa の酸素を満たし,100  ℃±1  ℃に保った

水浴中にボンベを浸したときに漏れがあってはならない。

1)

ボンベ本体  図 に示すもので,ステンレス鋼 (SUS 304) 製とし,内面は洗浄しやすいように,ま

た,腐食を防ぐために表面粗さ 0.20∼0.40

µm になるまでよく磨いたもの。

2)

締付け金具  図 に示す形状,寸法の銅合金製のもの。

3)

ボンベのふた  図 に示す形状・寸法で,ボンベ本体と同じ材質とし,内面はボンベ本体の内面と

同様によく磨いたもの。ふたの中心には,導管が気密を保つように取り付けられる。

4)

導管及び心棒  図 及び図 に示す形状・寸法で,ボンベのふたと同じ材質のものとし,導管内面

及び心棒表面は洗浄しやすいように,また,腐食を防ぐためによく磨いたもの。導管には,ボンベ

を酸化槽に入れたときボンベ挿入孔のふたになる金属円板,連結管取付口,ニードル弁などを備え

る。

ニードル弁には,ボンベに酸素を導入するのを容易にするためにクイックカプラを取り付ける。

ニードル弁は酸素の微調整と完全閉止に適したもの。

5)  O

リング  JIS B 2401 に規定するもので,次の試験に合格したもの。

O

リング 1 個をボンベに入れ,同じ O リングを用いて密閉したボンベに 15∼25  ℃で 0.69 MPa の

酸素を満たし,100  ℃±1  ℃に保った水浴中にボンベを浸したとき,24 時間後の圧力低下が 0.014

MPa

以内でなければならない。O リングを用いない形式(B

形ボンベ)の場合のガスケットは,O

リングの試験に準じる。

b)

試験容器及びカバー  図 及び図 に示す形状・寸法で,JIS R 3503 に規定するほうけい酸ガラス−1

種製のもの。

備考  JIS K 2839 に規定する図 94 及び図 95 が,これに相当する。

c)

圧力計  少なくとも 1.38 MPa まで酸素圧力を測定できるブルドン管式又は記録式圧力計とする。0.69

∼1.38 MPa の間の半値,すなわち,0.345 MPa に相当する目盛間隔の長さが弧状部(直線的な記録計

では直線部)

で 25 mm 以上あり,

目量が 0.035 MPa 以下のもの。

また,

誤差は最大目盛の 1 % (0.014 MPa)

以下でなければならない。

圧力計は,直接又は連結管でボンベに接続する。

d)

連結管  図 に示す形状の銅管又は他の適切な耐ガス性及び耐圧のたわみ管で,導管と圧力計を連結

するもの。連結管内の容量は,導管の部分も含めて 30 mL 以下でなければならない。

e)

温度計  JIS B 7410 に規定する温度計番号 6 (GOS)  のもの。

備考  ガラス製温度計の代わりに,同じ温度範囲をもち,同等以上の正確さと精度で表示できる白金

抵抗式温度計などを用いてもよい。

f)

乾燥器  100∼150  ℃に保つことができる空気浴槽。

g)

試験容器ばさみ  ステンレス鋼製のもの。


7

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図 1  酸化安定度試験器(一例)

単位  mm

温度計

記録式圧力計

連結管

導管

ボンベ

電熱器

温度調節器

排水口

環流冷却器

浴液

酸化槽


8

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図 2  ボンベ

図 3  形ボンベ本体

図 4  形締付け金具

単位  mm

単位  mm

単位  mm

ボンベ本体

ボンベのふた

締付け金具

心棒

○リング

  (

又はガスケット)

導管

金属円板

ニードル弁

安全弁

A

形ボンベ(安全弁なし)

B

形ボンベ(安全弁付き)


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図 5  形ボンベのふた及び導管

図 6  形心棒

図 7  試験容器

図 8  カバー

単位  mm

単位  mm

単位  mm

単位  mm


10

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h)

ガラス製ろ過器  JIS R 3503 に規定するるつぼ形ガラスろ過器 1G4 とする。

i)

酸化槽  図 に示す構造・寸法のもので,容積はボンベ 1 個の場合 18 L とし,2 個以上のものではボ

ンベを 1 個増すごとに 8 L 以上を増す大きさとする。酸化槽のふたには,ボンベを入れたとき導管の

金属円板がふたになるような孔と温度計差込口とを備え,ボンベを酸化槽に入れたとき,ボンベのふ

たの位置が液面下少なくとも 50 mm に保持できる構造とする。別にボンベを入れないときに用いる補

助ふたを備える。

浴液の沸点が 99.5∼100.5  ℃の間にあるもの(例えば,水又はエチレングリコールと水の混合物)

を用いるときは,浴液を激しく沸騰させることができる加熱装置と還流冷却器とを備える。100.5  ℃

以上の沸点の,水以外の浴液を用いるときは,浴液の温度分布を 100  ℃±2  ℃以内に保てる適切なか

き混ぜ機と,浴温を±0.1  ℃に調節できる温度調節器を備える。

備考  液浴の代わりに電熱式の加熱体を用いることができる。これらの加熱体は液浴とは熱容量,加

熱速度及び伝熱係数が異なるから,試料の昇温速度及び試料温度が液浴と同等であることが証

明された場合にだけ液浴の代わりに用いてよい。

j)

冷却容器  ひょう量する前に試験容器を冷却するためのもので,デシケータ又は固くふたができる容

器。乾燥剤は使用しないほうがよい。

6.4 

試料の採取方法及び調製方法  試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次

試料の調製方法によるか,又はそれらに準じた方法によって採取及び調製する。

6.5 

試験の準備  試験の準備は,次による。

a)

試験容器は付着物を完全に取り除いた後,そのカバーとともにガラス器具洗浄剤に浸す。洗剤の種類

及び洗浄条件は各試験室で確立しておく。

次に試験容器ばさみで試験容器を洗浄液から取り出し(試験容器を取り扱うには常に試験容器ばさ

みを用いる。)

,水道水で洗ってから更に水で十分に洗って,100∼150  ℃の乾燥器中で少なくとも 1

時間乾燥後,乾燥剤を入れないデシケータ中で 2 時間以上放冷し,0.1 mg のけたまではかって質量を

記録する。

備考  経験によれば,航空ガソリンの不溶性ガムは無視できる量であることが分かっている。そのた

め,このような燃料油を試験するときは,試験容器とカバーはガム溶剤で処理した後,目視で

不溶性の跡が残っていなければ,試験容器の質量減をはかる必要はない。試験を繰り返す都度

試験容器の質量を記録しておく。

b)

ボンベ及びふたの内部をまずガム溶剤をしみ込ませたきれいな布で,次に,乾いたきれいな布でぬぐ

う。導管から心棒を取り外し,ガム溶剤でニードル弁及び導管内壁と心棒との間の環状すき間のすべ

てのガム分及び残存試料を注意深く洗い流してきれいにする。

ボンベ及び連結管類はすべて試験の都度,その開始前に完全に乾かしておく。

備考  前回の試験で揮発性の過酸化物がボンベ内に生成した場合には,それらが蓄積して潜在的に爆

発性の雰囲気となっている可能性があるから注意が必要である。

c)

温度調節器によって浴温を調節する酸化槽を用いる場合には,

浴温を 100  ℃±0.1  ℃に調節し,

以後,

試験が終わるまでこの温度を保つ。

d)

浴液を沸騰させて用いる酸化槽の場合には,水を用いるか,又は水にエチレングリコールのような高

沸点のものを加えて,浴温を 99.5∼100.5  ℃に調節する。


11

K 2276

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6.6 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)

ボンベ及び試料を 15∼25  ℃の温度にし,質量既知の試験容器をボンベ中に入れ,100 mL±1 mL の試

料を注入する。試験容器にカバーをし,ボンベのふたを閉め,酸素を 0.69∼0.70 MPa になるまで注入

する。次に,ニードル弁をわずかに開きガスを 1 分間に 0.34 MPa を超えないように静かに放出する。

この操作を繰り返して,初めに入った空気を追い出す。さらに,酸素を 0.69∼0.70 MPa になるまで入

れ,圧力計を見て漏れを調べる。このときに試料が酸素を溶解するために起こる初期の圧力低下(一

般には 0.04 MPa を超えない。

)は無視する。

その後の圧力低下の割合が 10 分間に 0.014 MPa を超えないときは,漏れがないものとして,そのま

ま試験を進める。

b)

試料及び酸素を入れたボンベを振り動かさないように注意して酸化槽に入れ,この時刻を試験開始の

時刻として記録する。ボンベを規定時間酸化槽中に静置する。試験開始時に浴温が 100.0  ℃以外のと

きには規定時間に

表 に示した補正係数を乗じて,ボンベを浸す時間を決める。

表 3  ボンベを浸す時間の補正係数

浴温  ℃

補正係数

浴温  ℃

補正係数

99.5 1.06 100.1 0.99

99.6 1.04 100.2 0.98

99.7 1.03 100.3 0.97

99.8 1.02 100.4 0.96

99.9 1.01 100.5 0.95

100.0 1.00

c) 100

℃で規定時間酸化した後,ボンベを酸化槽から取り出し,ニードル弁を閉じたまま 35  ℃より低

い水道水で速やかに室温程度まで冷却する。冷却後,1 分間に 0.34 MPa を超えないように圧力をゆっ

くり抜いてボンベのふたを外し,試験容器を取り出す。

d)

酸化された試料を質量既知のガラスろ過器でろ過し,ろ液を保存する。さらに,試験容器の内部を 10

mL

ずつのガム溶剤で 2 回洗い,残存ガム及び沈殿を除く。この際,各回の洗液は最初に用いたガラ

スろ過器でろ過し,先に保存したろ液に加えて十分にかき混ぜる。このろ液は,g)  の可溶性ガム量を

測定する場合には,保存する。

備考  試料は,試験前及び試験中に強い日光にさらしてはならない。

e)

沈殿量を求める場合は,ろ過後のガラスろ過器は 100∼150  ℃の乾燥器中で 1 時間乾燥した後,乾燥

剤を入れないデシケータ中で放冷し,0.1 mg のけたまではかる。質量の増加を沈殿量  (A)  として記録

する。

f)

不溶性ガムを求める場合は,試験容器を 100∼150  ℃で 1 時間乾燥し,乾燥剤を入れないデシケータ

中で放冷して 0.1 mg のけたまではかる。質量の増加を不溶性ガム量  (B)  として記録する。

g)  d)

で得たろ液は等量に二分し(両者の差は 2 mL 以内)

,それぞれの全量について JIS K 2261 によって

実在ガムを測定し,その合計量を可溶性ガム量  (C)  として記録する。

6.7 

結果  試験の結果は,次による。

a)

潜在ガム量  不溶性ガム量  (B)  と可溶性ガム量  (C)  の合計量を mg 単位で表し,JIS Z 8401 によって

丸めの幅を 1 に丸めて,試料 100 mL 当たりの量 (mg/100 mL) とする。

b)

沈殿量  沈殿量  (A)  を mg 単位で表し,JIS Z 8401 によって丸めの幅 1 に丸めて試料 100 mL 当たり

の量 (mg/100 mL) とする。


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K 2276

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c)

全潜在残さ量  沈殿量  (A),不溶性ガム量  (B)  及び可溶性ガム量  (C)  の合計量を mg 単位で表し,JIS 

Z 8401

によって丸めの幅 1 に丸めて試料 100 mL 当たりの量 (mg/100 mL) とする。

d)

試験時間  試験結果には,試験時間を付記する。

6.8 

精度  酸化安定度試験方法(潜在残さ物法)によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,

次のとおりである。この精度は,試験時間が 16 時間の場合に適用する。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が,同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を 2 回

試験したときの試験結果の差の許容差を

表 に示す。

b)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験したと

き,2 個の試験結果の差の許容差を

表 に示す。

表 4  酸化安定度(潜在残さ物法)の精度

単位 mg/100 mL

室内併行許容差

室間再現許容差

測定項目

範囲

航空ガソリン

航空ガソリン

                5

未満

2 3

  5

以上 10 未満

3 4

潜在ガム量

10

以上 20 未満

4 6

沈殿量

                2

未満

1 1

6.9 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a)

試料名,採取場所及び採取年月日

b)

この規格の番号:JIS K 2276

c)

試験項目名又はその略称,及び 6.7 によって得られた結果に試験時間を付記する。

d)

特記事項

7. 

析出点試験方法

7.1 

試験の原理  試料約 25 mL を,かき混ぜ棒,防湿器及び温度計を備えた二重壁の試験容器にはかり

採り,冷却剤を入れたジュワー瓶中に入れて,試料を激しくかき混ぜながら冷却する。結晶の析出が観察

されたならば,その温度を結晶化点として記録する。試験容器をジュワー瓶から取り出し,かき混ぜなが

ら試料の温度をゆっくり上昇させて,結晶が完全に消えたときの温度を析出点として記録する。

7.2 

試薬及び材料  試薬及び材料は,次による。

a)

冷却剤  1)  から 4)  に規定する液体の一つを 5)  と組み合わせて用いる。

液体窒素は,特に指定した条件だけで用いる。

1)

2-

プロパノール  JIS K 8839 に規定するもの又は工業用の無水 2-プロパノール

備考 2-プロパノールは冷却剤として特に推奨できる。

2)

エタノール  JIS K 8101 に規定するもの又は工業用の無水エタノール

3)

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。残さを残さないものならば工業用でもよい。

4)

メタノール  JIS K 8891 に規定するもの又は工業用の無水メタノール

5)

ドライアイス  工業用

警告  78  ℃の極低温になる。放出されたガスで窒息することがある。

備考  −70∼−80  ℃の範囲に冷却できるものであれば,冷凍機などによる冷却でもよい。

6)

液体窒素  工業用。航空ガソリンの析出点を試験するとき,若しくは航空タービン燃料の析出点が


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−65  ℃よりも低いときだけに用いる。

警告  −196  ℃の極低温になる。放出されたガスで窒息することがある。

b)

窒素又は乾燥空気  図 12 に示す A 形防湿器を使用するときに,防湿のために低湿度の窒素又は乾燥

空気を用いる。

c)

ガラスウール  JIS K 8251 に規定するもの。図 13 に示す B 形防湿器を使用するときに用いる。

d)

脱水剤  次にあげる脱水剤のいずれかを用いる。

1)

硫酸カルシウム  粒状無水硫酸カルシウム。B 形防湿器の乾燥剤として,若しくは A 形防湿器に用

いる窒素又は空気を乾燥するときに用いる。

2)

シリカゲル  粒度 1.7 mm のもの。B 形防湿器の乾燥剤として用い,若しくは A 形防湿器に用いる

窒素又は空気を乾燥するときに用いる。

7.3 

析出点試験器  試験器は図 に示す構造のもので,a)∼e)  からなる。

備考  自動試験器を用いてもよい。ただし,自動試験器によって得られた結果に疑義が生じた場合は,

この試験方法で得られた結果による。

図 9  析出点試験器(一例)

単位  mm


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a)

試験容器  図 10 に示すジュワー瓶に似た二重壁の銀めっきをしてないガラス製の容器。二重壁の間に

は大気圧の乾燥した窒素又は空気を封入する。試験容器の口は,温度計と防湿器を取り付けたコルク

栓でふさぐ。

b)

ジュワー瓶  図 11 に示す寸法の銀めっきをしてない真空フラスコ。7.2 a)  の冷却剤を十分入れること

ができ,かつ 7.3 a)  の試験容器を必要な深さに浸せきできる容量のあるもの。

備考1.  −70℃に冷却したとき,真空部に曇りを生じてはならない。

2.

前後に縦に幅約 30 mm の透明部分を残して銀めっきしたものでもよい。

3.

冷却に冷凍機を用いる場合は,ジュワー瓶に代わる機能をもつ冷却槽を用いてもよい。

c)

防湿器  図 12形)及び図 13形)に示すガラス製のもの。かき混ぜ中に試料に水分が入り込む

のを防ぐ機能をもっている。

備考  防湿器の代わりに図 15 に示すかき混ぜ棒保持器を用いてもよい。

d)

かき混ぜ棒  直径 1.6 mm の黄銅線製ステンレス鋼線製で,その先端を図 14 に示すように滑らかに,

らせん状に 3 回巻いたもの。

備考  かき混ぜ棒を電動で駆動する機構を備えたものを用いてもよい。

図 10  試験容器 

図 11  ジュワー瓶

e)

温度計  JIS B 7410 に規定する温度計番号 71 (FP)  のもの。あらかじめ JIS B 7410 の附属書(補正試

単位  mm

単位  mm


15

K 2276

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験方法)によって 0  ℃,−40  ℃,−60  ℃及び−75  ℃における誤差を求めておく。

参考  ジュワー瓶ふた,試験容器支持器,外筒などを使用する場合は,次によるとよい。

1)

ジュワー瓶ふた  参考図 に示す形状,寸法の合成樹脂又は金属製のもので,中央部に試験容

器差込孔,下部に試験容器支持器を備える。

2)

試験容器支持器  金属製で,下端の円板中央の孔で試験容器を受けて,試験容器を垂直に保持

できるもの。

3)

外筒  参考図 に示す形状,寸法の金属製のもので,ジュワー瓶を垂直に保持でき,前後の窓

から試験容器を観察できるもの。

7.4 

試験器の準備

a)

ガラス器具  すべてのガラス器具は使用前に清浄で乾燥した状態にしておく。

b)

防湿器  7.5 d)のかき混ぜ棒を次のようにして c)  の防湿器に組み込み,e)  の温度計とともにコルク

栓に取り付ける。

図 12  防湿器(形)及び接続例

図 13  防湿器(形)及び組立て例

単位  mm

単位  mm


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図 14  かき混ぜ棒

図 15  かき混ぜ棒保持器(一例)

参考図 1  ジュワー瓶ふた及び試験容器支持器(一例)

参考図 2  外筒(一例)

単位  mm

単位  mm

単位  mm

単位  mm


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1)  A

形防湿器  図 12 に示す C の部分をコルク栓に差し込んだのち,かき混ぜ棒を C から B,A に通

す。

窒素又は乾燥空気  (

2

) 

を導管 D につなぎ,

試験容器に取り付ける前に窒素又は乾燥空気を流し,

その後の試験中も流し続ける。

注(

2

)

空気は,7.2 d) 1)  又は 7.2 d) 2)の脱水剤を詰めた乾燥管を通すことによって十分に乾燥してか

ら用いる。

2)  B

形防湿器  図 13 に示すように 7.2 d)  1)  又は 2)  の脱水剤を B の上端部分まで詰めて C の部分を

コルク栓に差し込んだのち,かき混ぜ棒を C から B,A に通す。次に,ガラスウールを厚さ約 12 mm

に詰め,その上に再び脱水剤を A 上端まで詰める。

ガラスウールは 4 回試験するごとに取り替える。脱水剤は 3 か月間を超えない期間ごとに,又は

色が変わって効果がなくなったとき新しくする。

備考  図 15 のかき混ぜ棒保持器を用いる場合は,本体部分を垂直になるようにコルク栓に取り付けた

後,かき混ぜ棒を下から差し込み,かき混ぜ棒に幅約 10 mm の脱脂綿を均一に薄く巻き付けて

からアルコール 1 滴で湿らせ,締付けねじでめねじとのすき間に脱脂綿を押し込む。力を入れ

ないでかき混ぜ棒が滑らかに動く程度に締付け具合を加減する。

c)

ジュワー瓶  試験容器が図 に示すような浸せき深さを確保できるだけの冷却剤を入れる。

7.5 

試料の採取方法及び調製方法  試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次

試料の調製方法,又はそれらに準じた方法に従って採取及び調製する。

7.6 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)

試料 25±1 mL を清浄な乾燥した試験容器にはかり採る。温度計,防湿器(又はかき混ぜ棒保持器)

及びかき混ぜ棒を備えたコルク栓で試験容器に堅く栓をする。温度計の球部が試験容器の中心の底か

ら 10∼15 mm 上方にくるように温度計の位置を調節する。

b)

試験容器をクランプで挟み,冷却剤を入れたジュワー瓶の中に入れ込む  (

3

)

。試料の表面は,冷却剤の

液面下約 15∼20 mm にくるようにする。ドライアイスは,ジュワー瓶の冷却剤の液面が常にこの範囲

内にあるように,試験の間必要に応じて追加する。

警告  ドライアイスは,液体窒素には加えてはならない。

注(

3

)

参考図 に示すジュワー瓶ふた及び試験容器支持器を用いる場合は,試験容器の下端が試験容

器支持器の下端の円板中央孔に納まるまで試験容器を差し込む。

c)

観察するとき以外は,かき混ぜ棒を毎秒 1∼1.5 回の割合で上下しながら試料を連続的に上下にかき混

ぜる。このときかき混ぜ棒の環が試験容器の底と接触したり,試料の表面より出ないように注意しな

ければならない。

d)

冷却しながら,結晶が現れたかどうか試料を観察する  (

4

)

。約−10  ℃で曇りが現れ,更に温度を下げ

でも程度が大きくならないような曇りは無視する。これは水分によるものである。しかしこのような

曇りが現れたら,曇りが最初に現れた温度を 0.5  ℃単位で読み,その温度と様子を記録する。

結晶の生成が認められたら,かき混ぜを止め,その温度を 0.5  ℃単位で読み取り,実測結晶化点と

して記録する。

注(

4

)

結晶の生成及び消滅を観察するには,拡散した冷光源(蛍光灯など)を用いると便利である。

備考1.  水分による曇りが炭化水素の結晶の観察を妨げるような試料については,JIS K 8987 に規定

する硫酸ナトリウム(無水)で水分を除去した後,試験をやり直す。

2.

冷却剤の放出するガスのために結晶の出現を観察することが難しくなったときは,試験容器


18

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を 10 秒間を超えない範囲で冷却剤から出してもよい。もし,結晶が既に生成されていたなら

ば,その試料の温度を記録し,結晶が消滅する温度より 5  ℃高くなるまで試料の温度を上昇

させる。再び試験容器を冷却剤の中に戻し,冷却する。結晶化点は,その試料が先に記録し

た温度よりわずかに高くなったところで,試験容器を冷却剤から引き上げれば観察すること

ができる。

e)

実測結晶化点が決定されたならば,試験容器を冷却剤から引き上げ,かき混ぜを毎秒 1∼1.5 回の割合

で続けながら試料の温度を室温でゆっくり上昇させる。試料を観察し,結晶が完全に消えたとき,そ

の温度を 0.5  ℃まで読み取り,実測析出点として記録する。実測結晶化点と実測析出点の差が 3  ℃を

超える場合は,差が 3  ℃以内になるまで冷却,加熱を繰り返す。

7.7 

結果の表し方  実測析出点は温度計の誤差による補正を行う。実測析出点が二つの校正温度の間に

あるときは,比例配分で補正を行う。補正された析出点は 0.5  ℃の整数倍で表す。

7.8 

精度  この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次のとおりである。

備考1.  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

2.

この規格の精度の基礎となった試料グループに,航空ガソリンは含まれていない。

a)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を 2 回試

験したとき,その試験結果の差の許容差を

表 に示す。

b)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験して

求めた 2 個の試験結果の差の許容差を

表 示す。

表 5  精度

単位  ℃

室内併行許容差

室間再現許容差

0.8 2.3

7.9 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a)

試料名,採取場所及び採取年月日

b)

この規格の番号:JIS K 2276

c)

試験項目名又はその略称,及び 7.8 によって得られた試験結果

d)

特記事項

8. 

水溶解度試験方法

8.1 

試験の原理  室温で試料 80 mL とりん酸塩緩衝液 20 mL とを 2 分間振り混ぜ,水層(りん酸塩緩衝

液)の容量変化から水と結合する試料中の成分の量を求める。また,容量変化の読取り直後の試料層と水

層との界面状態及び分離状態を評価する。

8.2 

試薬  試薬は,次による。

a)

水  JIS K 0557 に規定する A1 のもの。

b)

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

c)

洗浄溶剤  JIS K 9701 に規定するヘプタン又は 60∼80  ℃の沸点範囲の石油系炭化水素。

d)

ガラス器具洗浄剤  強酸化性の酸又はこれと同等の性能をもつもの  (

5

)

注(

5

)

非イオン系の界面活性剤の中には清浄に必要な洗浄力をもつものがある。

e)

りん酸塩緩衝液  JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウム及び JIS K 9017 に規定するりん酸水素

二カリウムを 110  ℃で 3 時間加熱して水分を除去する。デシケータ中で放冷後,りん酸二水素カリウ


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ム 0.47 g とりん酸水素二カリウム 1.15 g とを水 100 mL に溶解したもの。

この溶液の pH は,約 7 である。

8.3 

水溶解度試験器  試験器は,次による。

a)

メスシリンダ  JIS R 3505 に規定する呼び容量 100 mL の有栓形のもので,目量 1 mL のもの。

b)

時計  120 秒±2 秒を測定できる機械式又は電子式のもの。

8.4 

試料採取方法及び調製方法  試料採取方法及び調製方法は,次による。

a)

試験用試料は JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法によるか,又はそれ

らに準じた方法によって採取及び調製する。

b)

採取した試料から,試験用試料として少なくとも 100 mL を抜き取り,透明で清浄な容器に移す。

c)

採取した試料はろ過してはならない。試料が微粒きょう雑物で汚染されている場合は微粒きょう雑物

が沈降するまで待ち,上澄み液を試験に用いる。

備考1.  試験結果は,試料採取容器からの微量の汚染物質の影響を受けやすいことが知られている。

そのために,使用する試料容器は清浄なものを使用しなければならない。

2. 

ろ過材料の中には,界面活性物質を除去してしまうものがある。この試験の目的は界面活性

物質の検出にあるため,ろ過してはならない。

8.5 

水溶解度試験器の準備  試験器の準備は,次による。

a)

メスシリンダ及び栓は,必要に応じてブラシでこすりながら,熱水で洗浄して,油膜を除く(

6

)

。次い

でガラス器具洗浄剤にメスシリンダ及び栓を浸した後,水道水,水及びりん酸塩緩衝液の順にすすい

で完全に水切りできるまで洗浄を行う。

注(

6

)

熱水で洗浄する代わりに,洗浄溶剤で洗浄し,アセトン,水道水の順にすすいで油膜を取り除

いてもよい。

b)

メスシリンダの内壁から水がきれいに除去できない場合は,メスシリンダを約 65℃に加熱したガラス

器具洗浄剤に約 30 分間浸した後,水道水,水及びりん酸塩緩衝液の順にすすいで完全に水切りができ

るまで洗浄を行う。

8.6 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)

室温でりん酸塩緩衝液 20 mL をメスシリンダに採り,その量を 0.5 mL 単位まで読み,記録する。次

に,室温の試料 80 mL を加えた後,メスシリンダに栓をする。

b)

メスシリンダを振幅 125∼250 mm,1 秒間に 2∼3 回往復で,2 分間上下に振り動かす  (

7

)

次いで,メスシリンダを振動のない場所に 5 分間静置した後,水層の容量を 0.5 mL 単位まで読み取

り,試験前後の容量変化を記録する。

注(

7

)

メスシリンダを渦巻状に振ってはならない。これは,生じた乳化層が破壊されるおそれがある

からである。

c)

容量変化を読み取った直後の試料層と水層の界面状態並びに試料層と水層の分離状態を観察する。

8.7 

結果  結果は,次による。

a)

容量変化  8.6 b)  で記録した水層容量の変化値を 0.5 mL 単位で表す。

b)

界面状態  8.6 c)  で記録した界面状態を表 の評価番号で表す。

なお,界面にかすがある場合の評価番号は“2 を超える”とする。

c)

分離状態  8.6 c)  で記録した分離状態を表 の評価番号で表す。


20

K 2276

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表 6  界面状態の評価

評価番号

界面状態

1

透明で清浄な状態。

 1b

小さい透明な泡の占める面積が界面の約 50 %以下で,小片,レース状又は膜
状のものがない状態。

2

小片,レース状又は膜状のものができている状態。

表 7  分離状態の評価

評価番号

分離状態  (

8

)

(1)

試料層に小さい気泡及び/又は水滴がなく,両層又は試料層の上部表面に乳化
物又は沈殿物が全くない状態。

(2)

試料層に小さい気泡又は水滴があるが,両層又は試料層の上部表面に乳化物
又は沈殿物が全くない状態。

(3)

両層又は試料層の上部表面に乳化物又は沈殿物がある状態,又は水層若しく
はメスシリンダ内壁に小滴がある状態。ただし,試料層の上の内壁にある小
滴は除く。

注(

8

)

試料層を白い背景で見た場合,見えなくなる程度のわずかな曇りは無視する。

8.8 

精度  精度は,規定しない。

備考1.  水層の容量変化は,航空ガソリンの水溶解度の尺度であり,水溶性成分の存在を定性的に示

しているため,精度として表すことはできない。

2.

界面状態の評価は,航空燃料油の水溶解度の尺度としての界面状態であり,定性的に示した

ものであるため,精度として表すことはできない。

8.9 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a)

試料名,試料採取場所及び試料採取年月日

b)

この規格の番号:JIS K 2276

c)

試験項目名又は略称及び 8.7 によって得られた結果。

参考  分離状態の評価番号は (1),(2)  のように報告する。

d)

特記事項

9. 

酸価試験方法

9.1 

試験の原理  試料をトルエン,2-プロパノール及び少量の水との混合溶剤に溶かし,p-ナフトールベ

ンゼインを指示薬として,室温で窒素を吹き込みながら水酸化カリウムの 2-プロパノール溶液を用いて滴

定し,酸価を求める。

備考  この方法は,0.001∼0.100 mgKOH/g の範囲の航空タービン燃料油の酸価の測定に適用する。

参考

酸価を全酸価と称することもある。

9.2 

試薬  試薬は,次による。

a)  2-

プロパノール  JIS K 8839 に規定するもの。

b)

水  JIS K 0557 に規定する A3 のもの。

c)

フェノールフタレイン溶液  JIS K 8799 に規定するフェノールフタレイン 0.10 g を JIS K 8101 に規定

するエタノール 50 mL 及び水 50 mL の混合液に溶解したもの。


21

K 2276

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d)  0.01 moL/L

水酸化カリウムの 2-プロパノール溶液  三角フラスコ 2 000 mL に 2-プロパノール約 1 L

を採り,これに JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 0.6 g を加え,沸騰水浴上で底に塊ができない

ようにかき混ぜながら,10∼15 分間静かに沸騰させた後,室温まで冷却する。

この溶液を大気と遮り,一夜(約 16 時間)放置した後,その上澄みを孔径 10 µm 四ふっ化エチレ

ン樹脂製メンブランフィルタで,できるだけ大気にさらさないようにろ過し,このろ液を,ソーダ石

灰などを満たした保護管を付けた瓶に保存する。この溶液の標定は,次の操作による  (

9

)

。溶液の濃度

変化が 0.2 moL/L 以上にならない間隔で時々標定し直す。

注(

9

)

有機溶剤類の体膨張係数は,比較的大きいので,0.01 moL/L 水酸化カリウムの 2-プロパノール

溶液による標定は,使用時の温度に近い温度で行う。

1)

JIS K 8005

に規定するフタル酸水素カリウムを 120  ℃で約 1 時間加熱し,

デシケータ中で放冷する。

その約 0.1 g を 0.1 mg のけたまではかり採り,少量の水に溶解し,全量フラスコ 1 000 mL に移し入

れ,水を標線まで加える。

2)

その 100 mL を全量ピペットを用いて滴定用フラスコに採り,指示薬としてフェノールフタレイン

溶液 6 滴を加え,0.01 moL/L 水酸化カリウムの 2-プロパノール溶液で溶液の色が無色から赤になる

まで滴定する。この操作を 2 回以上繰り返す。

3)

水 100 mL について 2)の操作によって空試験を行う。

4) 0.01

moL/L

水酸化カリウムの 2-プロパノール溶液のモル濃度を次の式によって算出し,JIS Z 8401

の規定によって丸めの幅を 0.000 1 に丸める。

)

(

23

.

204

100

b

V

W

N

×

×

=

ここに,

N

: 0.01

moL/L

水酸化カリウムの 2-プロパノール溶液のモル濃

度 (moL/L)

W

:  フタル酸水素カリウムのはかり採り量 (g)

V

:  終点までの滴定に要した 0.01 moL/L 水酸化カリウムの 2-プ

ロパノール溶液の量の平均値 (mL)

b

:  空試験における に相当する量 (mL)

a)

混合溶剤  JIS K 8680 に規定するトルエン  (

10

) 500 mL

及び水 5 mL を 2-プロパノール 495 mL を混合

したもの。

注(

10

)

トルエンの蒸気は有毒であるので吸入しないように注意する。特に眼に入ると危険である。

b)  p-

ナフトールベンゼイン指示薬溶液  JIS K 8693 に規定する p-ナフトールベンゼイン 1.0 g を混合溶剤

100 mL

に溶解したもの。

c)

窒素  JIS K 1107 に規定するもの。

9.3 

酸価試験器  試験器は,次の a)∼c)  からなる。

a)

ビュレット  材質は JIS R 3503 に規定するほうけい酸ガラス-2 以上製で,容量 25 mL,目量 0.1 mL

又は容量 10 mL,目量 0.05 mL のビュレット。容量 10 mL の寸法の一例を

図 16 に示す。

備考1.  JIS K 2839 に規定する図 99 のものがこれに相当する。また,容量 2 mL 以上,目量 0.01 mL

のビュレットを用いてもよい。

2. 

滴定液を 0.05 mL ずつ又はそれ以下の単位で,かつ,ガラス製ビュレットと同じ精度で加え

ることのできる自動ビュレットを用いてもよい。ただし,自動ビュレットによって得られた


22

K 2276

:2003

結果に疑義が生じた場合は,ガラス製ビュレットによって得られた結果による。

図 16  ビュレット 10 mL(一例)

b)

全量ピペット  容量 0.1 mL 及び 100 mL のもの。

c)

滴定用フラスコ  材質は JIS R 3503 に規定するほうけい酸ガラス-2 以上製で,容量 500 mL の三角フ

ラスコに窒素導入用ガラス管を備えたもの。

図 17 にその一例を示す。

備考  JIS K 2839 に規定する図 186 のものが,これに相当する。

図 17  滴定用フラスコ(一例)

単位  mm

単位  mm


23

K 2276

:2003

9.4 

試料採取方法及び調製方法  試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試

料の調製方法によるか,又はそれらに準じた方法によって採取及び調製する。

9.5 

滴定用フラスコの洗浄  滴定用フラスコは油などの汚れを落として清浄にするため,適切な溶剤(工

業ガソリン,JIS K 9703 に規定する 2, 2, 4-トリメチルペンタンなど)

JIS K 8034 に規定するアセトン,

水道水の順序で洗浄した後,更に洗浄剤  (

11

)

,水道水及び水の順で洗い,清浄にする。

注(

11

)

非イオン系の界面活性剤の中には,清浄に必要な洗浄力をもつものがある。

9.6 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)

試料 100 g±5 g を 0.5 g のけたまで滴定用フラスコにはかり採る。

b)

試料をはかり採った滴定用フラスコに混合溶剤 100 mL と指示薬として p-ナフトールベンゼイン溶液

0.1 mL

を加えて,JIS K 1107 に規定する高純度窒素 2 級以上のものを毎分 600∼800 mL の流量で 3 分

間吹き込む。

c)

窒素を吹き込みながら,試料溶液を 30  ℃以下の温度で 0.01 moL/L 水酸化カリウムの 2-プロパノール

溶液で滴定する  (

12

)

。終点に近づくにつれてだいだい色が緑褐色に変化する。終点は,緑又は緑褐色

を 15 秒間保つ最初の点とする。

注(

12

)

滴定は局所排気を施した場所で行う。

d)

空試験は,滴定用フラスコに混合溶剤 100 mL と p-ナフトールベンゼイン指示薬溶液 0.1 mL を加え,

0.01 moL/L

水酸化カリウムの 2-プロパノール溶液で滴定する  (

12

)

9.7 

計算方法及び精度  計算方法及び精度は,次による。

9.7.1 

計算方法  試料の酸価は次の式によって算出し,JIS Z 8401 の規定によって丸めの幅を 0.001 に丸

める。

W

N

C

B

A

1

.

56

)

(

×

×

=

ここに,

A

:  酸価 (mg KOH/g)

B

:  試料の滴定に要した 0.01 moL/L 水酸化カリウムの 2-プロパ

ノール溶液の量 (mL)

C

:  空試験の滴定に要した 0.01 moL/L 水酸化カリウムの 2-プロ

パノール溶液の量 (mL)

N

0.01 moL/L

水酸化カリウムの 2-プロパノール溶液のモル濃

度 (mol/L)

W

:  試料のはかり採り量 (g)

9.7.2 

精度  酸価試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次による。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間に同一試料を 2 回試験

したとき,その試験結果の差の許容差を

表 に示す。

b)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験した

とき,その 2 個の試験結果の差の許容差を

表 に示す。


24

K 2276

:2003

表 8  酸価の精度

単位 mg KOH/g

酸価

室内併行許容差

室間再現許容差

0.001

を超え 0.100 以下 0.013

2

A

 0.040

6

A

A

:試験結果の平均値(mg KOH/g)

参考  表 の許容差を算出したものを,参考図 に示す。

参考図 3  酸価の精度

9.8 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a)

試料名,採取場所及び採取年月日

b)

この規格の番号:JIS K 2276

c)

試験項目名又はその略称,及び 9.7.1 によって得られた結果

d)

特記事項

10. 

チオール(メルカプタン)硫黄分試験方法(電位差滴定法)

10.1 

試験の原理  試料をアルコール性酢酸ナトリウム滴定溶媒に溶かし,銀−硫化銀電極,ガラス電極

を用いて,硝酸銀 2-プロパノール溶液で電位差滴定を行う。この際,チオール(メルカプタン)は銀メル

カプチドとして沈殿するので,電位差滴定曲線から滴定終点を求めてチオール(メルカプタン)硫黄分を

定量する。

備考1.  この方法は,チオール硫黄分 0.000 3 質量%から 0.010 0 質量% (3∼100 mg/kg)  までを含む航

空タービン燃料油のチオール硫黄分を測定する方法で,硫化物,二硫化物,チオフェンなど

の有機硫黄化合物及び 0.000 5 質量%未満の元素硫黄が試料に含まれていても,測定を妨害し

ない。

2.

硫化水素を含む試料は,測定を妨害するので,10.6 c)  によって硫化水素を除去する。

3.

自動試験器を用いてもよい。ただし,自動試験器によって得られた試験結果に疑義が生じた


25

K 2276

:2003

場合は,この試験方法によって得られた結果による。

参考  この方法は,ガソリン,ナフサ,灯油及び軽油留分のチオール硫黄分の測定にも利用できる。

10.2 

試薬  試薬は,次による。

a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 のもの。

b)

炭酸水素ナトリウム溶液  JIS K 8622 に規定する炭酸水素ナトリウム 50 g±1 g を水 1 L に溶解したも

の。

c)

0.1 mol/L

よう化カリウム標準液  JIS K 8913 に規定するよう化カリウム 17.0 g±0.5 g を 0.01 g のけた

まではかり採り,全量フラスコ 1 000 mL に入れ 100 mL の水に溶かした後,標線まで 2-プロパノール

を入れる。モル濃度は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 の規定によって,丸めの幅 0.000 1 に丸め

る。

V

M

N

×

=

01

.

166

ここに,  N:  よう化カリウム標準液のモル濃度 (mol/L)  

M

:  よう化カリウムのはかり採り量 (g)

V

:  試薬調製量 (L)

d)  0.1 mol/L

硝酸銀 2-プロパノール溶液  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 17.0 g±0.5 g を水 100 mL に溶か

し,JIS K 8839 に規定する 2-プロパノール  (

13

) 

で 1 L に希釈する。

この溶液を褐色瓶に貯蔵し,0.000 5 mol/L 以上の経時変化を検出できるのに十分な頻度で標定  (

14

) 

する。

注(

13

)

過酸化物が存在すると測定値が低く出るので,活性アルミナのカラムを通して精製する。

(

14

)

トールビーカ 300 mL に水 100 mL を入れ,JIS K 8541 に規定する硝酸 6 滴を加え,5 分間沸騰

させて,窒素酸化物を除去する。放冷後,0.1 mol/L よう化カリウム標準液 5 mL をピペットで

採り,トールビーカに入れる。これを,0.1 mol/LAgNO

3

液を用いて,電位差滴定曲線の変曲点

から 0.1 mol/LAgNO

3

溶液のモル濃度を求める。

e)

0.01 mol/L

硝酸銀 2-プロパノール溶液  試験日ごとに 0.1 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール溶液 100 mL を

2-

プロパノール  (

13

)

で 1L に希釈し調製する。

f)

硫化ナトリウム溶液  JIS K 8949 に規定する硫化ナトリウム九水和物 30.5 g を水に溶かして 1 L に希

釈する。

なお,この溶液は,使用時に調製する。

g)

滴定溶媒  滴定溶媒は,次の酸性滴定溶媒又はアルカリ性滴定溶媒を用いる。

1)

酸性滴定溶媒  JIS K 8371 に規定する酢酸ナトリウム三水和物 2.7 g 又は,JIS K 8372 に規定する酢

酸ナトリウム 1.6 g を溶存酸素を含まない水 20 mL に溶かし,

2-

プロパノール  (

13

) 975 mL

中に注ぎ,

JIS K 8355

に規定する酢酸 4.6 mL を加え,大気を遮断して貯蔵する。この溶媒は,使用前に約 10

分間激しく JIS K 1107 に規定する窒素を通じて酸素を除いてから使用する。

2)

アルカリ性滴定溶媒  酢酸ナトリウム三水和物 2.7 g 又は,酢酸ナトリウム 1.6 g を溶存酸素を含ま

ない水 25 mL に溶かし,2-プロパノール  (

13

) 975 mL

中に注ぎ,大気を遮断して貯蔵する。この溶媒

は,使用前に約 10 分間激しく窒素を通じて酸素を除いてから使用する。

備考  低分子量のチオール類は,酸性滴定溶媒では捕そくしにくいのでガソリン中のチオールを測定

する場合は,アルカリ性滴定溶媒を用いるとよい。

h)

酢酸鉛紙  JIS K 8374 に規定する酢酸鉛三水和物の 5 質量%水溶液を,ろ紙に吸着させてから密閉容


26

K 2276

:2003

器内で乾燥したもの。

10.3 

試験器  試験器は次の a)∼g)  からなる。

a)

電位差計(以下,メータという。)  入力 9×10

12

A

未満で作動し,少なくとも±1 V の範囲では±2 mV

の感度をもつもの,又はこれと同等以上の性能をもつ電位差計。

b)

電極  参照電極と指示電極とからなり,参照電極は JIS Z 8805 に規定するもので,頑丈な鉛筆形のガ

ラス電極で,被覆したリード線で接地したもの。指示電極は直径 2 mm 以上の銀線を絶縁された支持

具に取り付けたもの。

備考  銀棒電極も指示電極として使用できる。

c)

滴定スタンド  電極及び電動かき混ぜ機のための保持台をもっているもので,接地されているもの。

メータと一体化しているものが望ましい。かき混ぜ器のモータを接続したり,切ったりした場合メー

タの読みに永続的なずれがないもの。

d)

ビュレット  容量 10 mL,目量 0.05 mL のもので,先端から約 120 mm 上方にストップコックが付い

ているもの。

備考  自動ビュレットを用いてもよい。

e)

トールビーカー  JIS R 3503 に規定する容量 300 mL のもの。

f)

かき混ぜ器  ガラス製プロペラ式又は電磁式のもの。

g)

研磨紙  JIS R 6253 に規定するアルミナ質研削材 P 1000 のもの。

10.4 

試験の準備  試験の準備は,次による。

a)

ガラス電極  各滴定の前後に柔らかい清浄な布で電極をぬぐい,水ですすぐ。電極を時々(連続して

使用しているときは少なくとも週 1 回の割合)強酸化性の酸性溶液  (

15

) 

で数秒間(5∼10 秒間)かき

混ぜ洗浄する。使用していないときは電極の下半分を水中に浸しておく。

注(

15

)

非クロム酸系の洗浄液を用いるのが望ましい。

b)

銀−硫化銀電極  試験日ごとに,次の方法で電極上に新しい硫化銀を生成させて使用する。清浄な銀

の表面が現れるまで研磨紙で磨く。電極を測定位置に置いて硫化ナトリウム溶液 8 mL を滴定溶媒 100

mL

中に加えた混合液に電極を浸し,かき混ぜながらビュレットから 0.1 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール

溶液 10 mL を 10∼15 分間を要して徐々に加える  (

16

)

。溶液から電極を取り出し,水で洗って柔らかい

清浄な布でぬぐう。測定と測定との間に 0.1 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール溶液 0.5 mL の入った滴定溶

媒 100 mL 中に少なくとも 5 分間電極を浸しておく。

注(

16

)

この操作によっても銀線上に一様な硫化銀被膜が生成しない場合は,更に 0.1 mol/L 硝酸銀 2-

プロパノール溶液 10 mL を 10∼15 分間を要して徐々に滴加する。

10.5 

試料の採取及び調製方法  試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取及び二次試料の調

製方法,又はそれに準じた方法による。

10.6 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)

硫化水素が存在しないことが分かっている試料の場合は,d)  に従って行う。

b)

硫化水素の存在が不明な試料に対しては,試料に酢酸鉛紙の小片の約

2

1

を浸し,酢酸鉛紙の変色状態

を観察する。酢酸鉛紙の蒸気層接触部分,又は試料中に浸した部分が変色しなかったら d)  に従って

試験を進める。黒又は褐色に変色したときは硫化水素が含まれているので,次の方法で硫化水素を除

去する。


27

K 2276

:2003

c)

試験に必要な量の 3∼4 倍量の試料と試料の

2

1

容量の炭酸水素ナトリウム溶液を分液漏斗に入れて激

しく振る。水溶液層を捨て b)  の操作で硫化水素の有無を調べ,硫化水素が認められれば,新しい炭

酸水素ナトリウム溶液を加え,同様の操作を硫化水素の存在が認められなくなるまで繰り返す。硫化

水素の存在が認められなくなった試料に 30∼50 mL の水を加え激しく振り,水層を捨てた後,d)  

従って試験を進める。

d)

滴定溶媒 100 mL を入れたトールビーカーに硫化水素を含まない試料 20∼50 mL をピペットではかり

採るか(

17

)

,又は相当する量を質量ではかり採り,直ちに滴定用支持台にトールビーカーを置き,両電

極約半分が浸るようにトールビーカー位置を調節して固定する。

ビュレットに 0.01 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール溶液を満たし,その先端がトールビーカー内液面下

約 25 mm になるような位置にビュレットを置く。次に,液が飛散しない程度で激しくかき混ぜるよう

にかき混ぜ機の速度を調節する。

注(

17

)

はかり採り時の温度における密度 (g/cm

3

)

を測定しておく。

e)

ビュレット及びメータの最初の読みを記録し 0.01 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール溶液を少量ずつ加えて,

一定の電位差を示すまで待ってから,ビュレット及びメータの読みを記録する。この際,電位差の変

化が毎分 6 mV を超えなければ電位差は一定であるとする。

0.01 mol/L

硝酸銀 2-プロパノール溶液を少量ずつ滴加したとき電位差の変化が小さい場合には,0.5

mL

ずつ加える。電位差の変化が 0.1 mL 当たり 6 mV を超えるようになったとき 0.01 mol/L 硝酸銀 2-

プロパノール溶液は 0.05 mL ずつ加える。滴定終点近くでは一定の電位差になるまで 5∼10 分間を要

する。一定の電位差になるまで待つことは重要ではあるが,大気中の酸素による硫黄化合物の酸化を

避けるため,できるだけ全滴定所要時間を短くする。

備考  新しく準備した電極では,電位差の読みがばらつくことがあるが,これは電極系が正常な状態

にないときに起こる可能性がある。しかし,この現象は通常連続して滴定するとなくなる。

f)

メータの読みが+350 mV(

18

)

を超えて,かつ,0.01 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール溶液 0.1 mL 当たりの

電位差の変化がほぼ一定になるまで滴定を続ける。滴定後の溶液を取り除き,両電極をまず 2-プロパ

ノールでよくすすぎ,清浄な乾燥した柔らかい布でぬぐう。同じ日に続いて試験を行う場合は,次の

測定に移るまで両電極を 0.1 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール溶液約 0.5 mL を入れた滴定溶媒 100 mL 中

に少なくとも 5 分間浸しておく。

注(

18

)

メータによっては,電位差の正負の記号が逆になるものがある。

g) 0.01

mol/L

硝酸銀 2-プロパノール溶液の滴定量に対応する電位差をプロットし,

図 18 に示すような滴

定曲線を作図して,その変曲部から滴定終点  (

19

) 

を求める。

注(

19

)

滴定終点は,JIS K 0113 に従って求める。すなわち,滴定曲線に対し,変曲部を含む傾斜 45 度

の 2 接線を引き,これに平行な二等分線が滴定曲線と交わる点を終点とする。


28

K 2276

:2003

図 18  滴定曲線(一例)

h)

チオールだけが試料に存在する場合は,

図 18 の左の曲線に示すように滴定曲線は−300∼−350 mV 付

近に平たん部をもち,急変後,約+300 mV を過ぎてから再び緩やかになる。この変曲部から滴定終点

を求める。

i)

元素硫黄とチオールが試料に共存する場合は,滴定溶媒中で元素硫黄とチオールとが当量で反応し,

滴定中に硫化銀が沈殿する。

試料中に元素硫黄と過剰のメルカプタンが共存する場合は約−550∼−350 mV の間に硫化銀の沈殿

を生じ,次いで,約+300 mV に達するまで銀メルカプチドの沈殿を生じる。これを

図 18 の中央の曲

線に示す。この場合は,硫化銀の生成は元素硫黄と当量のチオールに基づくので,銀メルカプチド沈

殿の終了による変曲部から滴定終点を求め,この終点に達するまでの全滴定量を計算に用いる。

また,チオールに対し元素硫黄が過剰に存在する試料の場合は,

図 18 の右の曲線に示すように約+

300 mV

に達するまで硫化銀の沈殿を生じる。この沈殿の終了による変曲部から滴定終点を求める。

j)

空試験は,試料を入れないで適切な滴定溶媒 100 mL について f)  から g)  の手順に従って試験する。

終点に至るまでに用いた 0.01 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール溶液の滴定量を記録する。

10.7 

計算方法及び精度

a)

計算方法  チオール(メルカプタン)硫黄分は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 の規定によって

丸めの幅 0.000 1 に丸める。

m

c

V

V

W

s

×

×

=

)

(

206

.

3

0

1

ここに,

W

s

チオール(メルカプタン)硫黄分(質量%)

V

1

滴定終点までに要した 0.01 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール
溶液の量 (mL)

V

0

空試験に要した 0.01 mol/L 硝酸銀 2-プロパノール溶液の
量 (mL)

c

滴定に用いた 0.01 mol/L AgNO

3

溶液のモル濃度 (mol/L)

m

試料のはかり採り量  (

20

) (g)

3.206

チオール(メルカプタン)対する硫黄のミリモル質量を
100

倍したもの。


29

K 2276

:2003

注(

20

)

試料を全量ピペットではかり採った場合は,試料の mL 数にはかり採った温度における密度

(g/cm

3

)

を乗じて求める。

b

) 

精度  この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次のとおりである。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

1

) 

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を 2 回

試験したときの試験結果の差の許容差を

表 及び図 19 に示す。

2

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験して

求めた 2 個の試験結果の差の許容差を

表 及び図 19 に示す。

表 9  チオール硫黄分の精度

単位  質量%

室内併行許容差

室間再現許容差

0.000 07

+0.027 S 0.000

31

+0.042 S

S :

試験結果の平均値

図 19  精度

10.8 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a

)

試料名,採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 10.7 によって得られた結果

d

)

特記事項

11. 

ドクター試験方法

11.1 

試験の原理  試料にドクター液を加えて振り混ぜた後,ドクター液層の色の変化を観察する。変色

していない場合には,更に粉末硫黄を添加し再度振り混ぜ,粉末硫黄の変色の程度を観察し,硫化水素,

チオール(メルカプタン)が試料中に存在するかどうかを判定する。チオール(メルカプタン)若しくは

硫化水素又は両者が存在する場合は,硫黄が変色するか,又は,液層が変色する。

参考 1.  この試験方法は,ガソリン,灯油及び類似の石油製品にも適用できる。


30

K 2276

:2003

2.

この試験方法は,ASTM D 4952 : 1997 を参考にして作成した。

11.2 

試薬  試薬は,次による。

a

)

水  JIS K 0557 に規定する A3 のもの。

b

)

ドクター液  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 125g を水に溶かして 1L とし JIS K 8090 に規定

する酸化鉛 (II) 60g を加えた後,これを 15 分間激しく振り混ぜるか又は 24 時間放置(その間ときど

き振り混ぜる。

)する。静置後上澄み液を傾斜するか又はサイホンで瓶に移してから,密栓をして保存

する。静置しても上澄み液が透明にならないときは,ろ紙でろ過する。また,使用するときにこの溶

液が完全に透明でない場合は,再度ろ過しなければならない。

c

)

粉末硫黄  JIS K 8088 に規定する硫黄を粉末にして密閉容器に入れ保存する。

11.3 

ドクター試験器

試験管  容量約 50 mL のほうけい酸ガラス-1 製共栓付き試験管で,底部から 5 mL ごとに 15 mL まで目盛

線を付けたもの。その一例を

図 20 に示す。

備考  JIS K 2839 に規定する図 187 のものが,これに相当する。

図 20  試験管(一例)

11.4 

試料の採取及び調製方法  試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取及び二次試料の調

製方法,又はそれに準じた方法による。

11.5 

試験の手順  ドクター試験方法の試験の手順は,次による。

a

)

試料 10 mL とドクター液 5 mL とを試験管に採り,15 秒間激しく振り混ぜた後,ドクター液層の変色

の程度  (

21

) 

を観察する。このときドクター液層が変色している場合には,b)  の操作は行わない。

注(

21

)

黒変している場合には,硫化水素,黄から褐色の場合にはチオールの存在を示す。

b

)

ドクター液層の変色が認められない場合には,試料とドクター液層の界面を覆う程度に少量の粉末硫

黄を加え  (

22

)

,再び 15 秒間激しく振り混ぜた後,静置し,2 分間以内にドクター液層と粉末硫黄の変

色の程度を観察する  (

23

)

注(

22

)

粉末硫黄を過剰に加えると着色沈殿物が硫黄で薄められ,判定を誤ることがあるから,粉末硫

黄は沈降しない程度に加える。

(

23

)

粉末硫黄が変色している場合には,チオールの存在を示す。

単位  mm


31

K 2276

:2003

11.6 

結果  ドクター試験方法の結果は,表 10 の変色の程度に従って陽性又は陰性と表す。

参考  陽性をポジティブ又はサワー,陰性をネガティブ又はスイートともいう。

表 10  ドクター試験の結果

変色の程度

判定

11.5 a)

でドクター液層が変色した場合。

11.5 b)

でドクター液層が変色しないで,粉末硫黄が全面にわたって変色した場合。

陽性

11.5 a)

でドクター液層が変色しない場合で,11.5 b)で粉末硫黄が明るい黄色を保っ

た場合(粉末硫黄がわずかに灰色に変色したり,黒のはん点を伴っている場合も含
む。

陰性

11.7 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a

)

試料名,採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 11.6 によって得られた結果

d

)

特記事項

12. 

ルミノメータ数試験方法

12.1 

試験の原理  ルミノメータ数は,ルミノメータランプ中で試料を燃焼させ,炎の真上に設置してあ

る熱電対で測定される温度と,光学フィルタを通して光電管又は,それに相当するものによって測定され

る炎の輝きとの関係を得ることによって求める。

すなわち,まずテトラリンを燃焼させ,その煙点における輝度計及び温度計の読みを記録し,これらを

基準とする。次に 2, 2, 4-トリメチルペンタン(イソオクタン)及び試料を順次燃焼させ,それぞれの輝度

計と温度計の読みとの関係をプロットし,基準点におけるそれぞれの輝度計の読みに対する温度計の読み

を求める。試料のルミノメータ数は,基準点に対応する試料の温度とテトラリンの温度との差を,基準点

に対応する 2, 2, 4-トリメチルペンタンの温度とテトラリンの温度との差で除して求める。

参考  航空タービン燃料油においては,飽和炭化水素分が多いほど,そして芳香族炭化水素が少ない

ほど,ルミノメータ数は大きく,燃焼性が良好である。

12.2 

試薬  試薬は,次による。

a

)  2, 2, 4-

トリメチルペンタン  JIS K 9703 に規定するもの。

b

)

テトラリン  表 11 に示す性状のもの。

表 11  テトラリンの性状

項目

規定値

密度 (20 ℃) 0.967∼0.977

屈折率

20

D

n

1.541

∼1.542

含量  % 98  以上

c

)

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

d

)

メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

e

)

トルエン  JIS K 8680 に規定するもの。

12.3 

ルミノメータ数試験器  試験器は,次による。

a

)

ルミノメータ数試験器  試験器は,ランプ,輝度計及び温度計で構成されており,その一例を図 21

に示す。また,試験器の系統図を

図 22 に,輝度計及び温度計の詳細図を図 23 に示す。


32

K 2276

:2003

図 21  ルミノメータ数試験器(一例)

参考  この試験器は,ASTM 及び CRC によって認定された USA Erdco Engineering 社製のものがある。

ランプ                    ⑦  試験器内温度測定用熱電対

温度計                    ⑧  試験容器

輝度計                    ⑨  炎の高さ調節用リング

輝度計スイッチ盤          ⑩  通気口

水平調節ねじ              ⑪  ランプのぞき穴

ランプ温度測定用熱電対    ⑫  扉


33

K 2276

:2003

図 22  ルミノメータ数試験器の系統図(一例)

温度測定

ランプ(側面)

ランプ(正面)

オレンジフィルタ(480∼700 nm)

通気口

光電管又はそれに相当するもの

熱電対

増幅器

温度計

輝度計


34

K 2276

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図 23  輝度計及び温度計(一例)

b

)

試験容器及び灯心  JIS K 2537 に規定するもの。

12.4 

試料の採取及び調製方法  試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取及び二次試料の調

製方法,又はそれに準じた方法による。

輝度計指針調節用ねじ      ⑦  STD 調節つまみ

輝度計ゼロ点粗調節つまみ  ⑧  温度計スイッチ

輝度計ゼロ点微調節つまみ  ⑨  温度目盛板

輝度計スイッチ            ⑩  温度測定用ダイヤル

検流計                    ⑪  テストボタン

検流計ゼロ点調節ねじ      ⑫  切替えスイッチ


35

K 2276

:2003

12.5 

試験器の準備  試験器の準備は,次による。

a

)

ランプの洗浄  試験ごとに灯心管ガイドの最上部及び内側を,小さなブラシを用いて,光学フィルタ

にしみを付けないように注意  (

24

) 

してアセトンで洗浄する。その際,あらかじめ光学フィルタを薄い

布などで保護するか,又は光学フィルタを外して洗浄する。ランプを元の位置に戻してから,標準燃

料油による確認を始める。

注(

24

)

光学フィルタにしみが付いた場合は,レンズ磨き布などで清浄にする。

b

)

灯心及び試験容器の準備

1

)

灯心を試験ごとにトルエン及びメタノールの等量混合液を用い,ソックスレー抽出器で 25 回以上還

流・抽出して洗浄した後,5 分問以上空気中に放置して乾燥し,更に 100∼110  ℃の乾燥器中で 30

分間加熱し  (

25

)

,デシケータ中に保存する。

注(

25

)

空気中での乾燥が不十分であると,乾燥器中で爆発するおそれがある。このため空気中での

乾燥を十分に行うか,防爆式の通風乾燥器を用いて爆発を防ぐ。

2

)

試験容器をアセトンでよく洗浄して乾燥する  (

26

)

注(

26

)

乾燥が不十分で,試料又はアセトンが残っていると,試験結果に影響を及ぼす。

3

)

洗浄及び乾燥した灯心を清浄にした試験容器の灯心管に差し込み,その上端から 6.5 mm 以上突き

出るように灯心を上げた後,その先端を回して灯心のねじれを直す。

4

)

灯心が灯心管の上端から 6.5 mm 水平に出るように,清浄で鋭利な刃物  (

27

) 

を用いて,灯心を切り

そろえる。この際,灯心に 2, 2, 4-トリメチルペンタン,テトラリン又は試料をしみ込ませておくと

切りそろえやすい。

注(

27

)

刃物によっては,さび止め剤を塗布してあるので,洗剤で洗い落として用いなければならな

い。

c

)

ランプの調節

1

)

炎の軸線を垂直にするため,炎の高さ調節用リングの上に水準器を置き,水平調節ねじによって水

準調節を行う。

2

)

ランプ温度測定用熱電対の測温接点を含む保護管が清浄であることを確認する。

3

)

ランプ温度測定用熱電対の測温接点を,ランプの中心線上に正確に設定する。このとき熱電対保護

管の底部は灯心管ガイドから 25.4 mm 上になる  (

28

)

注(

28

)

熱電対の位置を変えたり,取り替えた場合には,これらの位置を必ず確認する。

d

)

温度計の調節

1

)

試験器内温度測定用熱電対及びランプ温度測定用熱電対がそれぞれ所定の位置にあり,かつ,温度

計に正しく接続されていることを確認する。

2

)

機械的ゼロ点の調節:温度計スイッチを“OPERATE”にし,検流計ゼロ点調節ねじを回して,検流

計の指針を 0 目盛に合わせる  (

29

)

注(

29

)

ゼロ点の調節ができない場合は,温度計内の電池 (1.5 V) を取り替える。

3

)

電気的ゼロ点の調節:温度計スイッチを“STD”にし,STD 調節つまみを回して,検流計の指針を

0

目盛に合わせる  (

29

)

e

)

輝度計の調節

1

)

輝度計スイッチを“OFF”にし,輝度計指針調節用ねじによって,その指針を 0 目盛に合わせる。

2

)

輝度計スイッチを“ZERO”に切り換え,輝度計ゼロ点粗調節つまみ及び輝度計ゼロ点微調節つま


36

K 2276

:2003

みによって,再び,指針を 0 目盛に合わせる。

3

)

次に,輝度計スイッチを“A−BAT,1”及び“A−BAT,2”にしたとき,その指針が目盛板の“A”

点を,

“B−BAT,1”及び“B−BAT,2”にしたとき,その指針が目盛板の“B”点を,それぞれ超

えることを確認する(

30

)

注(

30

)

もし,超えない場合には電圧が低下しているので,電池(A 電池 1.5 V,B 電池 22.5 V)を取

り替える。B 電池を取り替える場合には,光電池箱の中にある電池 (135 V) も取り替える。

12.6 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)

試験器の安定化

1

)

テトラリン 20 mL を清浄で乾燥した試験容器に室温でとり,

これに灯心管をねじ込んで取り付ける。

2

)

テトラリンが灯心の上端までしみわたった後,試験容器をランプに取り付け,試験容器の通気管に

詰まりがないことを確認し,灯心に点火する  (

31

)

注(

31

)

炎が熱電対保護管から 3 mm 以内に近づかないようにし,温度計の読みが 538  ℃を超えない

ように注意する。

なお,すすが熱電対保護管に付着した場合は,火を消し,保護管を清浄にし,試験容器を

少し下げてから,再び点火する。

3

)

炎がすすを出さずに燃えていることをランプののぞき穴から確認し(

32

)

,このまま少なくとも 15 分

間燃焼させ,試験器を温める。

注(

32

)

通常,試験器はテトラリンを燃焼させ,炎の先端から極めてわずかなすすが現れ始める直前

の位置における輝度計の読みが 45∼55 となるように調節してある。もし,この範囲から外

れる場合には,読みが 45 となるように,増幅器の可変抵抗を調節する。

b

)

基準点の測定

1

)  a) 

の操作を行って,試験器が温まったならば,輝度計スイッチを“TEST”にし  (

33

)

,輝度計の読

みが約 30 になるまで試験容器を下げた後,再び輝度計スイッチを“ZERO”に,温度計スイッチを

“STD”にして,それぞれゼロ調節を行う。

注(

33

)

輝度計を安定させるため,スイッチを入れてから少なくとも 30 秒間は放置する。

2

)

再び輝度計スイッチを“TEST”に,温度計スイッチを“OPERATE”にし,温度測定用ダイヤルを

回して,検流計の指針を 0 目盛に合わせる。

3

)

扉を閉じて,少なくとも 5 分間保った後,温度測定用ダイヤルを回して検流計の指針を 0 目盛に合

わせてから,輝度計及び温度計の読みをそれぞれ記録する。

4

)

次いで,輝度計の読みが約 5 目盛上がるように灯心を上げ,5 分間放置後,前項と同様にして輝度

計及び温度計の読みをそれぞれ記録する。

このようにして,輝度計の読みが約 5 目盛ずつ上がるように操作し,合計 4 点の読みを記録する。

最後の点は,炎の先端から極めてわずかなすすが現れ始める直前の位置(煙点)まで灯心を上げて

測定する。この際,すすが熱電対保護管に付着しているのを明らかに判別できるような場合は,灯

心を下げて測定を止め,保護管を清浄にしてから測定をやり直す。

備考  測定結果を図 24 に示すように横軸に温度計の読み,縦軸に輝度計の読みをとってグラフ用紙に

記入し,最も高い点を通る直線を引いて,各点がほぼこの直線上にあることを確認する。これ

らが直線関係にない場合は,試験器の温まり方が不足か,試験器又は操作に問題があるので,

測定をやり直す。


37

K 2276

:2003

図 24  テトラリンによる基準点の測定結果(一例)

5

)  1)

4)  の操作を計 4 回繰り返す。各回の煙点における輝度計の読み及び温度計の読みを平均し,こ

れを基準点とする。

c

)

2, 2, 4

-

トリメチルペンタンの測定  2, 2, 4-トリメチルペンタン 20 mL を試験容器に採り,a)  及び b)  

同様の操作で試料の測定前後に各 1 回ずつ測定を行い  (

34

)

,測定値を記録する。この際,テトラリン

で求めた基準点の輝度計の読みを中心にして,上下各 2 点の計 4 点について測定する。

なお,各点の測定は,輝度計の読み間隔が約 10 目盛ずつ離れるように行う(

図 25 参照)。

注(

34

)

試料が 2 個以上の場合は,1 回目の測定を最初の試料の前に行い,2 回目の測定は試料について

その日の測定がすべて終わった後に行う。

図 25  2, 2, 4-トリメチルペンタンの測定結果(一例)

d

)

試料の測定  試料 20 mL を試験容器に採り,c)  と同様にテトラリンで求めた基準点の輝度計の読みを


38

K 2276

:2003

中心にして,上下各 2 点の計 4 点について測定を行い,測定値を記録する。

備考1.  ルミノメータ数の高い試料は,凝縮水の生成,ランプの空気漏れ及び基準点の設定誤差が結

果に特に大きな影響を与える。

なお,凝縮水の生成を防ぐには,あらかじめ試験器の安定化をゆっくり行うとよい。もし,

凝縮水が生成した場合は,水分がのぞき穴のガラスに付着したり,光学フィルタに付着して

輝度計の読みが不安定となったりするのでランプ室の扉を開けて試料を燃やして取り除く。

2.

ルミノメータ数の低い試料は,比較的低い輝度計の読みで,すすが出るので,すすが出ない

ように,ランプののぞき穴から炎の状態を確認しながら測定を行う。すすを出して燃えた場

合は,測定を中止して,光学フィルタ及び熱電対保護管を清浄にする。

12.7 

計算方法及び精度

12.7.1 

計算方法  計算方法は,次による。

a

)

横軸に温度計の読み,縦軸に輝度計の読みを取り,12.6 c)  で求めた 2, 2, 4-トリメチルペンタンの 2 回

の測定値をグラフ用紙に記入し(

図 25 参照),それぞれ最も適切な直線関係を求める。この図から基

準点の輝度計の読みに対応する温度計の読みをそれぞれ読み取り,それらの平均値を求め,これを基

準点の輝度計の読みに対応する 2, 2, 4-トリメチルペンタンの温度とする。

b

)  10.6 d) 

で求めた温度計の読みと輝度計の読みとの関係から,前項と同様にして,基準点の輝度計の読

みに対応する試料の温度を求める(

図 26 参照)。

図 26  試料の測定結果(一例)

c

)

ルミノメータ数は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 の規定によって丸めの幅 0.1 に丸める。

100

.

.

1

2

1

3

×

=

T

T

T

T

N

L

ここに,

L.N.

ルミノメータ数

T

1

基準点の温度  (℃)

T

2

基準点の輝度計の読みに対応する 2, 2, 4-トリメチルペンタ
ンの温度  (℃)

T

3

基準点の輝度計の読みに対応する試料の温度  (℃)


39

K 2276

:2003

12.7.2 

精度  このルミノメータ数試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次のとお

りである。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a

)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験装置で,引き統き短時間内に同一試料を 2 回

試験したときの試験結果の差の許容差を

表 12 に示す。

b

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験装置で,同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験し

たとき,2 個の試験結果の差の許容差を

表 12 に示す。

表 12  ルミノメータ数の精度

室内併行許容差

室間再現許容差

ルミノメータ数 6.1

8.8

12.8 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a

)

試料名,試料採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 12.7.1 によって得られた結果

d

)

特記事項

13. 

ナフタレン分試験方法(紫外吸分光光度法)

13.1 

試験の原理  試料を吸収スペクトル用溶剤で薄めた後,この溶液の波長 285 nm における吸光度を測

定してナフタレン分を算出する。

備考1.  この方法は JIS K 2254 の規定による終点が 315  ℃以下で,かつ,ナフタレン分が 5 容量%以

下の航空タービン燃料油のナフタレン分を測定する方法である。

2. 

飽和炭化水素類,オレフイン類,チオフェン類及びベンゼンのアルキル又はシクロアルキル

誘導体は測定の妨害とならないが,フェナントレン類,ジベンゾチオフェン類,ビフェニル

類,ベンゾチオフェン類及びアントラセン類は妨害し,測定値に誤差を与える。

13.2 

試薬  試薬は,次による。

a

)

吸収スペクトル用溶剤  吸収スペクトル用の 2,2, 4-トリメチルペンタン,又はシクロヘキサン。

備考  吸収スペクトル用 2, 2, 4-トリメチルペンタンの代わりに,JIS K 2280 に規定する 2, 2, 4-トリメ

チルペンタンを次のように精製して使用してもよい。粒径 75

µm のシリカゲルを充てんしたカ

ラム(内径 50.8∼76.2 mm,長さ 600∼900 mm)に 2, 2, 4-トリメチルペンタン 4∼5 L を通した

もので,240∼300 nm の波長領域において,水と対照した透過率が 90 %以上のものであれば使

用できる。精製した 2, 2, 4-トリメチルペンタンは,清浄な共栓付きガラス容器に入れ,保存す

る。

希釈剤の精製には新しいシリカゲルを使用するのが一般的であるが,次の処理によって活性

化したシリカゲルを用いてもよい。

2, 2, 4-

トリメチルペンタンの精製に使用したシリカゲルカラムにアセトン 500 mL を注ぎ,こ

れを流出させ,次いで減圧乾燥した後,400  ℃の乾燥器内に薄く広げて,白色になるまで加熱

する。活性化されたシリカゲルは密閉試験容器に入れて貯蔵する。

13.3 

ナフタレン分試験器  試験器は,次の a)∼d)  からなる。

a

)

分光光度計又は光電光度計  JIS K 0115 に規定する構造のもので,285 nm における吸光度を測定でき


40

K 2276

:2003

るもの。

b

)

吸収セル  石英製で光路長が 10.00 mm±0.05 mm のもの。

c

)

ピペット  JIS R 3505 に規定する全量ピペット 5 mL 及び 10 mL。

d

)

全量フラスコ  JIS R 3505 に規定する全量フラスコ 25 mL 及び 50 mL。

13.4 

試料採取方法及び調製方法  試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試

料の調製方法によるか,又はそれらに準じた方法によって採取及び調製する。

13.5 

試験の手順  試験の手順は,次によるが,吸収セルの取扱い及び洗浄,光度計の調整,吸光度の測

定は,JIS K 0115 に従い注意深く行わなければならない。

a

)

試料の調製  試料の調製は,次による。

1

)

一次希釈液  清浄で,乾燥した全量フラスコ 25 mL に吸収スペクトル用溶剤 10∼15 mL を加え,栓

をして,質量を 1 mg 単位まではかる。次に試料約 1 g を全量フラスコに加え,栓をして,再び質量

を 1 mg 単位まではかる。両者の差を試料はかり採り量とする。次いで,吸収スペクトル用溶剤を

標線まで満たし,よく振り混ぜる。

2

)

二次希釈液  一次希釈液 5.0 mL をピペットで全量フラスコ 50 mL にはかり採った後,吸収スペクト

ル用溶剤を標線まで満たし,よく振り混ぜる。

3

)

三次希釈液  二次希釈液 5.0 mL をピペットで全量フラスコ 50 mL にはかり採った後,吸収スペクト

ル用溶剤を標線まで満たし,よく振り混ぜる。

備考  試料は,285 nm における吸光度が 0.2∼0.8 の範囲に入るように希釈調製する。必要に応じて,

二次希釈液 10 mL を吸収スペクトル用溶剤で 25 mL に希釈して用いる。

b

)

吸光度の測定  吸光度の測定は,次による。

1

)

セル補正吸光度の測定  試料用吸収セル及び対照用吸収セルに吸収スペクトル用溶剤を満たし,285

nm

におけるセル補正吸光度を測定し,記録する。

2

)

試料吸光度の測定  よく洗って乾かした試料用吸収セルに三次希釈液を満たし,直ちにふたをした

後,285 nm における試料吸光度を測定し  (

35

)

,記録する。

注(

35

)

三次希釈液の吸光度が 0.2 未満のときは,0.2∼0.8 に入る希釈液を適宜用い,同様の操作を

行う。

13.6 

計算方法及び精度  計算方法及び精度は,次による。

13.6.1 

計算方法  ナフタレン分は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 の規定によって丸めの幅を 0.01

に丸め,容量%又は質量%で表す。

100

00

.

1

7

.

33

×

×

×

×

=

B

M

K

A

N

r

100

7

.

33

×

×

×

=

M

K

A

N

M

ここに,

N

r

:  ナフタレン分(容量%)

N

M

:  ナフタレン分(質量%)

A

:  補正吸光度(試料吸光度からセル補正吸光度を差し引いた値)

K

:  希釈係数[試料 1 g を薄めるのに用いた吸収スペクトル用溶剤

の量,

(L)

例えば,  一次希釈液の場合

K

=0.025

二次希釈液の場合

K

=0.25

三次希釈液の場合

K

=2.5

13.5 a

) 3

)の備考の希釈液の場合

K

=0.625


41

K 2276

:2003

M

試料はかり採り量 (g)

B

試料の 15  ℃における密度 (g/cm

3

)

33.7

C

10

∼C

13

のナフタレン誘導体の波長 285 nm における平均吸

光係数 (L/g・cm)

1.00

C

10

∼C

13

のナフタレン誘導体の 15  ℃における平均密度

(g/cm

3

)

13.6.2 

精度  ナフタレン分試験方法(紫外分光光度法)によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)

における精度は,次による。

備考  この精度を外れた場合は,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

参考  この精度は石油連盟の照合試験の結果から得られたものである。

a

)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き統き短時間内に同一試料を 2 回試

験したとき,その試験結果の差の許容差を

表 13 に示す。

表 13  ナフタレン分の室内併行精度

単位  容量%又は質量%

ナフタレン分

室内併行許容差

0.67

以下 0.05

0.67

を超え 3.0 以下 0.09x−0.01

x

:試験結果の平均値

a

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験した

とき,その 2 個の試験結果の差の許容差を

表 14 に示す。

表 14  ナフタレン分の室間再現精度

単位  容量%又は質量%

ナフタレン分

室間再現許容差

0.60

以下 0.11

0.60

を超え 3.0 以下 0.20x−0.01

x

:試験結果の平均値

13.7 

試験結果の報告  試験結果の報告は,次による。

a

)

試料の名称,採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称及び 13.6.1 によって得られた結果

d

)

特記事項

14. 

銀板腐食試験方法

14.1 

試験の原理  よく磨いた銀板を 250 mL の試料に完全に浸し,50  ℃±1  ℃の恒温水槽に 4 時間保っ

た後銀板を取り出し,洗浄してから銀板腐食分類表に従って,試料の腐食性を判定する。

14.2 

試薬及びその他  試薬及びその他は,次による。

a

)

銀板  純度 99.9 %以上で長さ 17∼19 mm,幅 12.5∼12.7 mm 及び厚さ 2.5∼3.0 mm のもの。銀板は繰

り返して使用してもよいが,取り除くことのできない深いきずのあるもの,表面に凹凸があるもの又

は角がすり減ったものは使用してはならない。

b

)

洗浄用溶剤  JIS K 2280 に規定する 2, 2, 4-トリメチルペンタン又は JIS K 9703 に規定する 2, 2, 4-トリ

メチルペンタン。

c

)

研磨材  JIS R 6251JIS R 6252 又は JIS R 6253 に規定する炭化けい素質(C 又は GC)の研磨材で,


42

K 2276

:2003

P150

∼P240 のもの。

d

)

研削材  品質は,JIS R 6111 に規定する炭化けい素質(C 又は GC)で,粒度は,JIS R 6001 に規定す

る F150 又は JIS R 6010 に規定する P150 のもの。

e

)

脱脂綿  日本薬局方のもの。

14.3 

銀板腐食試験器  試験器は,図 27 に示す構造・寸法のもので a)∼e)  の各部からなる。


43

K 2276

:2003

図 27  銀板腐食試験器(一例)

a

)

試験管  図 28 に示すもので,次の各部からなる。

備考  JIS K 2839 に規定する図 188 のものがこれに相当する。

1

)

試験容器  材質は JIS R 3503 に規定する褐色のほうけい酸ガラス-2 以上製  (

36

)

で,容量 350 mL の

単位  mm

電源スイッチ    ⑦  電動かき混ぜ機  ⑬  給排水分岐管

電動機スイッチ  ⑧  かき混ぜ機羽根  ⑭  給水接続口

電圧調節器      ⑨  加熱器          ⑮  給水調節弁

電流計          ⑩  試験管          ⑯  試験管挿入口

表示灯          ⑪  有孔板          ⑰  温度計

信号灯          ⑫  試験管受台      ⑱  温度調節用センサ


44

K 2276

:2003

容器。すり合わせ下部から約 25 mm の所に挿入深さ固定用の膨らみを付ける。

注(

36

)

遮光すれば透明ガラス製でもよい。

2

)

冷却器  材質は JIS R 3503 に規定するほうけい酸ガラス−1 製で,銀板支持器をつるすフックを付

け上部に冷却水の給・排水口を備える。

図 28  試験管(銀板腐食)

b

)

恒温水槽  図 27 に示すもので試験管を浴液中に浸没線まで浸し,浴温 50  ℃±1  ℃に保つことのでき

る温度調節器,電動かき混ぜ機などを備えたもの。

水槽には,冷却器中に循環させる冷却水の給排水分岐管  (

37

)

を備える。

注(

37

)

分岐管の給・排水口は,冷却器 1 個につき一組ごとに独立したものとする。

c

)

銀板支持器  銀板を保持し,試料中につるすもので図 29 にその詳細を示す。

その材質は,JIS R 3503 に規定するほうけい酸ガラス-2 以上製とする。銀板をつるしたとき銀板の

上端と冷却器下端との間隔は 25∼30 mm とする。

単位  mm


45

K 2276

:2003

備考  JIS K 2839 に規定する図 189 のものがこれに相当する。

図 29  銀板支持器

d

)

研磨用保持器  銀板を研磨するときに用いるもので,JIS K 2513 に規定するもの。

e

)

温度計  JIS B 7410 に規定する温度計番号 42 (SG)  とする。

14.4 

銀板腐食基準  銀板腐食基準における銀板の変色番号,変化の状態などを表 15 に示す。

表 15  銀板腐食分類表

変色 
番号

変色の程度

摘要

0

変色なし

ほんの少しつやがなくなっただけで,磨いたままに近い
状態

1

わずかに変色

銀の光沢がなくなった状態,又はかすかな褐色  (

38

)

2

中程度に変色

褐色  (

38

)

,又はくじゃく模様(青,青みがかった紫,濃

い麦わら色などの混じった多色模様)

3

わずかに黒変

表面に黒いはん点,又は均一な黒い析出物の薄い膜がで

きた状態

4

黒変

析出物の有無にかかわらず,ひどく黒くなった状態

注(

38

)

褐色の場合,変色番号 1 に相当するか,2 に相当するかを区別するには,15.2 

i)

表 17 に規定する色標準コード色板で判定する。判定基準は,色標準コー

ド番号 4 未満の場合を変色番号 1 とする。

参考  色標準コード色板は ASTM D 3241 に規定する“COLOR Standard”を用いると

よい。

14.5 

試験の準備  試験の準備は,次による。

a

)

銀板の研磨  銀板の研磨は,次による。

1

)

予備研磨  研磨材 P150∼P220 を用いて銀板の全表面のきずを取り除く。次いで研磨材 P240 を平板

単位  mm


46

K 2276

:2003

上に置き洗浄用溶剤で浸し,その上に銀板を置きろ紙で押さえて円運動をさせながら研磨する  (

39

)

このとき銀板を直接指で押さえてはならない。

予備研磨が終わった銀板は,洗浄用溶剤中に浸しておく。

注(

39

)

予備研磨は,機械で行ってもよい。

2

)

仕上げ研磨  銀板を洗浄用溶剤中から取り出し,ろ紙で挟み洗浄用溶剤をわずかに浸した脱脂綿に

研削材を付けてまず両端面を磨き,次に,両側面を磨き,更に新しい脱脂綿だけで強くこする。こ

の後は,銀板をステンレス鋼製のピンセットで取り扱い,直接指で触れてはならない。銀板を研磨

用保持器に固定し,脱脂綿に付けた研削材で銀板の両平面を長軸方向に平行に磨く(

40

)

。次に,脱脂

綿だけで強くこすって金属粉その他を取り除き,最後に新しい脱脂綿に汚れが付かなくなるまで全

表面を磨く。仕上げ研磨が終わった銀板は,1 分間以内に試験に供する。

注(

40

)

銀板の全表面を均一に磨くことが大切である。また,研磨用保持器を用いるのは均一に磨

くのを容易にするためである。

14.6 

試料採取方法及び調製方法  試料の採取及び調製は,次による。

a

)

試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法によるか,又はそ

れらに準じた方法によって採取及び調製する。

b

)

試験用試料は,清浄で乾燥した容量 300 mL 以上の褐色瓶を用い 5 %程度の空容積を残すように採取し

て気泡除去後,直ちに密閉し,冷暗所に置く。試料採取及び気泡除去中は,試料が直射日光又は散乱

光にさらされることを極力避けなければならない。試料室において試料受領後又は容器開封後は速や

かに試験を行う。

14.7 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)

試料 250 mL を清浄な試験容器に採る。もし,試料中に水分  (

41

)

が懸濁している場合は,ろ紙を用い

て暗所で直接に試料を試験容器中へろ過する方法で水分を除く。

注(

41

)

銀板に水が付くと銀板の変色程度が変わることがある。

b

)

銀板を仕上げ研磨後,1 分以内に銀板支持器に納め冷却器下端のガラス製フックにつるし,冷却器と

試験容器を接続して,銀板を試料に浸す。

c

)

あらかじめ 50  ℃±1  ℃に保った恒温水槽に試験管を浸没線まで浸し,温度 15∼25  ℃に調節した冷却

水を流量約 10 mL/min で冷却器に通して,4 時間保つ。2 個以上の試験を同時に行う場合は,冷却器へ

の給排水を各試験ごとに独立して行えるようにする。

備考  冷却水によって試料の対流が起こり試験中銀板と試料とを十分に接触させることができる。し

かし,冷却水の対流が 10 mL/min を超えると冷却効果が促進され試料温度の低下をきたす。

また,冷却水の流量を 10 mL/min より少なくしすぎると試料の対流が不十分となり,いずれ

の場合も試験結果に影響することが確かめられている。

d

) 4

時間経過後,銀板をステンレス鋼製ピンセットを用いて取り出し,洗浄用溶剤中ですすぐ。次に,

定量ろ紙で銀板の表面に付着した溶剤を吸い取り乾かす。この際銀板をこすってはならない。

14.8 

試験結果及び精度  試験結果及び精度は,次による。

14.8.1 

試験結果  銀板の外観を新しく磨いたものと比べて,ふちを含むすべての表面について観察し,試

料の腐食性を

表 15 の銀板腐食分類表に従って判定して変色番号で表す。

14.8.2 

精度  この銀板腐食試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次による。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a

)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を 2 回試


47

K 2276

:2003

験したとき,その試験結果の差の許容差を

表 16 に示す。

b

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験したと

き,その 2 回の試験結果の差の許容差を

表 16 に示す。

表 16  精度

単位  変色番号

室内併行許容差

室間再現許容差

0 1

14.9 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a

)

試料名,採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 14.8.1 によって得られた結果

d

)

特記事項

15. 

熱安定度試験方法(JFTOT 法)

15.1 

試験の原理  航空タービンエンジン内の燃料油系統で起こり得る状況と類似した条件におくことが

できる航空燃料油熱安定度試験器 (JFTOT) を用い,試料をポンプで加圧し,一定流量で加熱管を通し,

この後,試験フィルタで劣化生成物を捕そくする。このフィルタ前後の圧力差を連続して記録し,規定圧

力差を超えると規定試験時間前に試験器は停止する。規定試験時間終了時又は早期に試験器が停止した後,

加熱管のたい積物全体を色標準コード色板と比較して評価する(

附属書 参照)。

参考 JFTOT は,Jet Fuel Thermal Oxidation Tester の略である。

15.2 

試薬及び器具  試薬及び器具は,次による。

a

)

水  JIS K 0557 に規定する A3 又は A4 の水。型式 230 及び 240 の使用済み貯留槽に用いる。

b

)

混合溶剤  JIS K 8680 に規定するトルエン,JIS K 8034 に規定するアセトン及び JIS K 8839 に規定す

る 2-プロパノールを等容量ずつ混合したもの。

c

)

洗浄溶剤  JIS K 9701 に規定するヘプタン,純度 95 %以上の 2-メチルペンタン又は JIS K 9703 に規

定する 2, 2, 4-トリメチルペンタン。

d

)

乾燥剤  通気用空気の乾燥に用いるもので使用寿命の限界の分かるシリカゲル(青色)。

参考  シリカゲル(青色)は,徐々に色が青色から桃色に変わり,水の吸収能力がなくなることを示

す。

e

)

ろ紙  JIS P 3801 に規定する 2 種又は 3 種。

参考 8

µm の粒子が捕そくできるろ紙が適切である。

f

)

メンブレンフィルタ  直径約 25 mm で孔径 0.45

µm のセルロース混合エステルからできているもので

プレフィルタ部に用いる。

g

)

試験フィルタ  孔径 17

µm の半溶融ステンレス鋼製のもの。

h

)

ガラス製通気管  孔径 40∼60

µm のもので,約 1.5 L/min の流量の空気を流すことができるもの。

参考  ガラス製通気管は JFTOT の附属物である。ガラス製通気管の孔径は ASTM E 128 を用いて確認

できる。ASTM E 128 は,試験室用剛性多孔質フィルタの最大孔径と通気性に対する試験方法

である。

i

)

色標準コード色板  表 17 に示すコード番号で表示する。


48

K 2276

:2003

表 17  色標準コード色板のコード番号表

色標準コード番号

変色の程度

0

変色が認められない場合

1

変色していないが,かすかな曇りがある場合

2

わずかに変色している場合

3

淡黄褐色の場合

4

色標準コード番号 3 より濃く変色している場合

参考  色標準コード色板は,ASTM D 3241 に規定する“ASTM Color Standard”を用いると

よい。

15.3 

熱安定度試験器(JFTOT)  製造業者の取扱説明書に従い操作する。JFTOT の試験器構成,及び試

験並びに校正の手順の詳しい記述は

附属書 に示す。

参考  装置例として,USA ALCOR 社の五つの型式がある。それらの主な相違点を参考表 に示す。

参考表 1  JFTOT の型式

型式

加圧方法

ポンプ

圧力差測定

202

窒素

歯車

水銀マノメータ,記録なし

203

窒素

歯車

水銀マノメータ,グラフによる記録

215

窒素

歯車

トランスデューサ,印字による記録

230

油圧

シリンジ

トランスデューサ,表示

240

油圧

シリンジ

トランスデューサ,表示

15.4 

試料採取方法及び調製方法

a

)

試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法によ

る。

b

)

試料の量は,600 mL 以上とする。

c

)

試料容器は,ガラス瓶又はエポキシ樹脂で内面被覆した缶,若しくは四ふっ化エチレン樹脂 (PTFE) 容

器を用いる。

備考  試験結果は,試料採取の間及び試料容器からの微量の汚染に影響される。新しい容器を使用す

ることが望ましいが,使用済み容器を用いる場合は,この容器を混合溶剤でよく洗い,次に,

洗浄溶剤で洗った後,空気を吹き付けて乾燥する。

d

)

試料採取前にすべての試料容器及びふたは採取する試料で 3 回以上共洗いする。

e

)

試験は,試料採取後できるだけ早く行う。

15.5 

試験の準備  試験の準備は,次による。

15.5.1 

加熱管保持部の洗浄と加熱管の組立て

a

)

加熱管保持器の内壁を,混合溶剤に浸したポリアミド製ブラシを用いて洗浄する。

b

)

次の手順によって,試験に用いる加熱管について表面の欠陥及び管の直線性を点検する  (

42

)

注(

42

)

加熱管を取り扱う際は,注意深く扱い,加熱管の評価部に触れてはならない。加熱管の評価部

に触れたならば,その汚染がたい積物を生成する特性に影響を及ぼす可能性があるので,その

加熱管は使用しない。

1

)

附属書 の 5.  に示す目視評価器を用いて,図 A.1 に示す加熱管部の肩から 5∼55 mm の間を点検す

る。引っかききず,光沢のない箇所,磨いてない箇所などの欠陥が見られたなら,

図 B.1 と比較し,

その箇所の面積が 2.5 mm

2

以上ならばその加熱管は使用しない。これらの欠陥が 2.5 mm

2

より小さ

くても室内の光で判別できるなら,この加熱管も使用しない。


49

K 2276

:2003

2

)

加熱管の直線性は,加熱管を平面板上を転がして平面と中央部分のすき間が均一であるかを点検す

る。直線性のない加熱管は使用しない。

c

)

製造業者の取扱説明書及び

図 A.1 並びに図 A.2 に従い,図 30 の加熱管部を組み立てる  (

42

)

。この組立

てにおいては,次の新しい部品を用いる。

1

)

目視観察で点検した加熱管

2

)

試験フィルタ(着色した面を外側にして取り付ける。

3

) O

リング(3 個)

d

)

絶縁環はきずがつかないように注意し,加熱管の開口端が一番上にくるようにする。さらに,加熱管

の肩は試料出口孔の中心に合わせ,また,クランプ用ナットは指だけで締め付ける。加熱管は再使用

しない。

参考  アルミニウム合金材のマグネシウム成分は,通常の試験条件下では,加熱管の表面に移動する

ことが試験によって分かっている。表面のマグネシウムは,再使用した加熱管では,たい積物

の付着を減少させることがある。

図 30  加熱管部(一例)

15.5.2 

その他試験部品の洗浄及び組立て  その他試験部品の洗浄及び組立ては,次による。

参考  装置は前の試験が終わったとき,分解されていたものとする。

a

)

試料に触れる部品をよく検査し,洗浄溶剤を用いて洗浄する。欠陥のある又は疑わしいシール,特に

ピストンリップシール,及び貯留槽の上ぶた,ライン及びプレフィルタ部(

図 A.3 参照)の O リング

を交換する。

b

)  15.5.1

で組み立てた加熱管部を取り付ける。

c

)

新しいメンブレンフィルタを取り付けたプレフィルタ部を組み立てる。

d

)

熱電対位置指針を基準線に合わせて,熱電対の先端が上部固定バスの上面及び加熱管の上端と一致し

ていることを確認する。

参考  熱電対を挿入しないと加熱管試験部を過熱して装置をいためることがある。

e

) JFTOT

型式 230 及び 240 については,排液受けビーカー(

図 A.3 参照)が空であることを確認する。

15.6 

校正及び標準化  校正及び標準化は,附属書 及び附属書 の手順に従い,次の頻度で行う。

a

)

熱電対  附属書 の 10.によって,新しく取り付けた熱電対を校正し,その後,定期的に最大 50 回の

1

試料入口

2

冷却バス

3

熱電対

4

試験フィルタ

5

試料出口

6

加熱管試験部


50

K 2276

:2003

試験の後,又は少なくとも 6 か月に 1 回校正する。

b

)

圧力差セル  附属書 の 9.によって,1 年に 1 回又は新しいセルを取り付けたときに校正する。

c

)

通気用空気の乾燥器  乾燥剤は少なくとも 1 か月に 1 回は確認し,青から桃色に変わったらかなりの

水を吸収していることを示しているので交換する。

d

)

定量ポンプ  15.7.2 c)  及び 15.7.3 c)  に従い,各試験の間に 2 回流量を確認する。

e

)

フィルタバイパス弁(JFTOT 型式 203204 及び 215)  附属書 の 12.によって,最大 50 回の試験

の後,又は少なくとも 6 か月に 1 回は確認する。

15.7 

試験の手順  試験の手順は,次による。

15.7.1 

準備

a

) 15

∼32  ℃の試料 600 mL をろ紙でろ過し,貯留槽に受ける。ろ過した試料に空気を 1.5 L/min の流量

でガラス製通気管を通して 6 分間通気する。

b

)

試験は,通気が終了した後,1 時間以内に開始する。

c

)

貯留槽部を製造業者の取扱説明書に従って組み立て,15.5.2 c)  で組み立てたプレフィルタ部とを連結

する。

d

)

貯留槽を装置に装着し,加熱管部と連結する(

図 A.3 参照)。

e

) JFTOT

型式 230 及び 240 については,製造業者の取扱説明書に従い,水槽を組み立て,装置に取り付

ける。排液受けビーカーをドリップラインの下に置く。

f

)

ねじを締めたすべての接続部が,ゆるんでいないことを指で確認する。

g

) JFTOT

型式 202,203 及び 215 については,注意深く JIS K 1107 に規定する高純度窒素 2 級で加圧し,

漏れがないことを点検し,あれば修理する。ポンプに電源を入れ,冷却水が冷却部を通して循環して

いるか確認する。

h

) JFTOT

型式 230 及び 240 については,シリンジポンプの電源スイッチを入れ,漏れがないことを確認

し,あれば修理する。

i

) JFTOT

型式 215 については,圧力トランスデューサにつながるラインの空気を排出する。

j

)

系内の圧力を 3.5 MPa±0.1 MPa に調節する。

k

)

次の標準操作条件が守られているか確認する。

1

)

貯留槽に 450 mL 以上の試料があり,ライン中には最大 150 mL の試料がある。

2

)

熱電対は,位置指針計の 39 mm の位置に合わせる。

3

)

附属書 の 9.に従い,熱電対の補正値を考慮したうえで,加熱管の温度調節を規定温度にあらかじ

め設定する。この温度からのずれは,±2  ℃以内でなければならない。

備考  規定の試験温度は,通常 260  ℃である。

4

)

試料の流量は,JFTOT 型式 230,240 では,54 秒∼66 秒間に 3.0mL であることを確認する。JFTOT

型式 202,

203

及び 215 では,

ドリップラインで 9.0 秒±1.0 秒間に試料 20 滴であることを確認する。

試験中に送られる試料量は,450 mL±45 mL である(

図 A.3 の 7 及び 22 で観察する)。

5

)

試験時間を 150 分±2 分に設定する。

6

)

冷却水の流量は約 39 L/h 又は冷却水流量計のフロートを,緑色の印に合わせる。

7

) JFTOT

型式 202,203 及び 215 について,電圧の設定は 75∼100 の目盛に合わせる。

15.7.2 

試験器の始動

a

) JFTOT

型式 230 及び 240 については,試験器を始動し,いったん空気を系から排出する。規定の圧力

に到達したら試験器は自動運転となり,試験を開始する。その時点で排液受けビーカーをドリップラ


51

K 2276

:2003

インから外し,清浄なものと交換する。また,冷却水が循環していることを確認する。

b

) JFTOT

型式 202,203 及び 215 については,定常的なドリップ速度が観察されたら,加熱管スイッチ

を入れる。加熱管が規定温度に達したら,フィルタバイパス弁(

図 A.3 の 13 の“手動バイパス弁”又

は,16 の“4 方バイパス弁”のことを指す。以下,総称する場合は,

“フィルタバイパス弁”という。

を閉じ,フィルタ圧力差がゼロを示していることを確認する。

c

)

試料の流量が,15.7.1 k)  4)  に示した標準操作条件に合っていることを試験が始まってから 15 分間以

内に確認する。この確認方法は,JFTOT 型式 230 及び 240 については流量を測定し,また JFTOT 型式

202

,203 及び 215 については液滴の滴下時間を測定する。

15.7.3 

測定

a

)

圧力差を自動記録できない場合は,少なくとも 30 分間に 1 回はフィルタ前後の圧力差を記録する。

b

) 150

分間経過する前にフィルタの圧力差が 33.3 kPa に近づき,かつ試験の続行が,なお必要な場合に

は,JFTOT 型式 202,203 については,早期の停止を避けるため手動バイパス弁を開く。JFTOT 型式

215

,230 及び 240 については,4 方バイパス弁を開く。

c

)

15.7.2 c

) 

に従い,試験終了直前 15 分間以内に,試料の流量を再び確認する。

15.7.4 

加熱管の温度分布  加熱管の温度分布の点検が必要な場合は,附属書 の 3.によって実施する。

15.7.5 

試験器の停止

a

) JFTOT

型式 202 及び 203 については,加熱管のスイッチを切り,次いでポンプのスイッチを切る。窒

素加圧弁を閉じ,手動バイパス弁を開ける。次いで,注意深く窒素ブリード弁を開く。

b

) JFTOT

型式 215 については,ポンプのスイッチを切り,窒素加圧弁を閉じ,ゆっくりと 4 方バイパス

弁を開く。

c

) JFTOT

型式 230 及び 240 については,試験時間が終了すると自動的に加熱スイッチが切れる。試験時

間が終了したら,排液受けビーカーを取り除き,別の容器と交換する。ゆっくりと 4 方バイパス弁を

開く。

15.7.6 

試験器の分解

a

)

加熱管保持器から試料入口ラインを取り外し,漏れを防止するため直ちにキャップを取り付ける。

b

)

加熱管を加熱管保持器から引き出す。この際,中央の評価部分に手を触れてはならない。加熱管を手

で垂直に立て,溶剤で洗浄する。加熱管が乾燥したら,元の収納管に収め,識別マークを付け,120

分間以内に評価する。

c

) JFTOT

型式 202,203 及び 215 については,貯留槽を外す。メスシリンダを用いて試験の間ポンプで

送られてきたピストンの上にある試料の量を測定する。この試料の量が 15.7.1 k)  4)  に規定する 450

mL

±45 mL を超えたときは,再試験を行う。

d

) JFTOT

型式 230 及び 240 については,

試験の間ドリップラインを出る試料の量を測定し記録する  (

43

)

この試料の量が 15.7.1 k) 4)に規定する 450 mL±45 mL を超えたときは,再試験を行う。

注(

43

)

ドリップラインから出る試料の量は,試験の間にポンプによって送られてくる試料の量に等し

い。

e

)

製造業者の取扱説明書に従い,装置の他の部分を分解する。

15.7.7 

加熱管のたい積物評価  加熱管のたい積物評価は,附属書 の目視評価器によって行う。必要な

らば,加熱管は元の収納管に収める。

15.8 

結果  次の項目を記録する。


52

K 2276

:2003

a

)

試験温度  260  ℃。

b

)

加熱管たい積物の評価  15.7.7 で評価した結果。

c

)

試験フィルタ前後の圧力差  試験終了時におけるフィルタ前後の圧力差を kPa で表す。圧力差が 3.3

kPa

に達した場合には,その圧力差に達するのに要した時間。JFTOT 型式 202 及び 203 については,

記録した圧力差の最大値。

d

)

試験時間  150 分間。ただし,試験終了前にフィルタの圧力差が 33.3 kPa に達した場合には,それに

要した時間を分で表す。

なお,圧力降下の変動が大きいなどの理由で,規定の試験時間 150 分間以内で試験を終了させた場

合には,終了した時間を分で表す。

e

)

試験に要した試料の容量  JFTOT 型式 202,203 及び 215 では,浮動ピストンの上部の試料の容量。

JFTOT

型式 230 及び 240 では,排液受けビーカーの水の容量。

備考  加熱管の評価若しくは圧力の変化又はこれらの双方を用いて,規格に規定する試験温度におい

て,試料が試験に合格か不合格かを決定するために用いる。

15.9 

精度  精度については,規定しない。

15.10 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a

)

試料名,試料採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 15.8 によって得られた結果

d

)

特記事項

16. 

水分離指数試験方法(マイクロセパロメータ法)

16.1 

試験の原理  マイクロセパロメータを用いシリンジの中で試料 50 mL に水 50

µL を均一に乳化させ,

これをシリンジドライブに装着しコアレッサーセルに通して,水を沈降分離させた後,光を透過させ,そ

の透過した光の強さを濁度計の読みに変換してマイクロセパロメータ法(以下,MSEP 法という。

)による

水分離指数を求める。

なお,濁度計は乳化させる前の試料を透過した光の強さが示度 100 になるように調整しておく。

参考 MSEP は,Micro Separometer Rating の略である。

16.2 

試薬  試薬は,次による。

a

)

水  JIS K 0557 に規定する A3 のもの。

16.3 

試験器  試験器は,次による。

a

)

マイクロセパロメータ  この試験器は,乳化部,シリンジドライブ及び操作パネルからなり,これら

がケースに組み込まれ持ち運びできる。その一例を

図 31 に示す。

なお,マイクロセパロメータの検査方法は,

附属書 に示す。

参考  試験器は,ASTM によって認定された米国 Emcee Electronics 社製のものがあり,国内において

は Mark V Deluxe が使われている。


53

K 2276

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図 31  マイクロセパロメータ(Mark V Deluxe の一例)

b

)

備品類  備品類は,次による。

1

)

ワイヤーエイド  一方に輪のついた針金で,シリンジにプランジャを差し込むときに空気抜きとし

て用いる。

2

)

シリンジ  容量 50 mL のプラスチック製のもので,試験ごとに新しいものを用いる。

3

)

プラグ  プラスチック製でシリンジの先端に差し込み,試験ごとに新しいものを用いる。

4

)

コアレッサーセル  校正済みのアルミニウム製のもので,その内部にコアレッサーディスクが組み

込まれており,試験ごとに新しいものを用いる。

参考  コアレッサーセルの製造ロットが変わるごとに附属書 に従って,標準油によって検査を行う

とよい。

5

)

ハンドピペット及びピペットチップ  水 50

µL をはかり採るときに用いる。ピペットチップは試験

ごとに新しいものを用いる。

6

)

測定セル  外径 25 mm で,濁度計に正しく挿入できるように黒線がついており試験ごとに新しいも

のを用いる。

参考  シリンジ,プラグ,コアレッサーセル,ピペットチップ及び測定セルは,米国 Emcee Electronics

社から入手できる。

7

)

ビーカー  試料廃液を受けるために用いる。

16.4 

試験器の準備  試験器の準備は,次による。

a

)

温度が 18∼29  ℃で±3  ℃以上変化しない場所の清潔な実験台に試験器を置く。

b

)

ケースを開き,右側のパネル(

図 31⑨)を垂直に固定する。

c

)

新しいシリンジ,プラグ,コアレッサーセル,ピペットチップ及び測定セルを用意する。

参考  電源として内蔵バッテリを用いるときは試験前に 16 時間充電する。

なお,1 回の充電で約 25 回の試験ができる。

16.5 

試料の採取及び調製方法並びに試料の準備  試料の採取及び調製方法並びに試料の準備は,次によ

乳化部

シリンジドライブ

シリンジ

コアレッサーセル

測定セル

測定セル挿入口

濁度指示計

操作スイッチ及び表示ランプ

パネル

パネル支え


54

K 2276

:2003

る。

a

)

試料の採取及び調製方法  試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料調製方法,

又はそれに準じた方法によって採取及び調製する。

b

)

試料の準備  試料の温度が 18∼29  ℃内であることを確認する。この範囲を超えている場合は,試料

を試料容器  (

44

)

に入れたまま試験器のそばに静置して試験温度になるまで放置する。また,試料に微

少な固形異物が混入している場合は,静置して異物を沈降  (

45

)

させた後,試験に用いる  (

46

)

注(

44

)

清潔な金属缶で,エポキシコーティングのものが望ましい。エポキシコーティングしていない

金属缶は,しばしば水分離指数試験結果に影響する圧延油及びはんだ融剤が付着していること

がある。試料容器は,試験用の試料を採る前に同一試料で 2 回連続して洗浄することが望まし

い。

(

45

)

試料はろ紙などでろ過してはならない。試料をろ過すると,ろ紙に界面活性剤などが吸着され,

正しい水分離指数が得られないことがある。

(

46

)

コアレッサーセルが詰まった場合には,新しいものに替え,新しい試料で試験をやり直す。

16.6 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)

マイクロセパロメータの“ON”スイッチを押し,

“A”∼“G”スイッチが点滅するのを確認する。

b

)

試料の種類によって,次のスイッチを押す。

1

)

灯油形航空タービン燃料油(Jet A-1,Jet A,など)の場合は,

“A”スイッチを押す。

2

)

広沸点範囲形航空タービン燃料油(Jet B,JP-4 など)の場合は,

“B”スイッチを押す。

c

)

シリンジからプランジャを抜き取り,シリンジの先端にプラグを差し込み,試料約 50 mL を加える。

シリンジを乳化部に固定し,シリンジの筒を,かくはん器のシャフトと同心円状に合わせ,かつ,プ

ロペラに接触していないことを確認する。

“START”

スイッチを押し,

シリンジを約 30 秒間洗浄する。

備考  この間にシリンジドライブが上端まで移動する。

d

)

測定セルに試料 15∼20 mL を加えて濁度計の測定セル挿入口に入れ,挿入口の線に測定セルの黒線を

合わせる。

e

)

乳化部からシリンジを取り外し,試料を完全に捨て,試料をシリンジの 50 mL 目盛線まで正確に加え

る。

f

)

ハンドピペットの先にピペットチップを取り付け,次によって水 50

µL を正確に試料に加える。

1

)

ハンドピペットのプランジャを押した状態でピペットチップ先端を水面下に浸しハンドピペットの

プランジャを放す。

2

)

ピペットチップの外側に水滴が付かないようにハンドピペットをゆっくり水中から引き上げる。

3

)

ピペットチップ先端をシリンジの中心の油面下に浸し,プランジャを押して水 50

µL を正確に試料

に加える。

4

)

ハンドピペットのプランジャを押した状態でピペットチップ先端を油面から抜き取り,プランジャ

を放す。

g

)

シリンジを乳化部に固定し,

“START”スイッチを押すとマイクロセパロメータのシーケンスが自動

的に作動開始する。マイクロセパロメータのプログラム作動シーケンスを

参考表 に示す。


55

K 2276

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参考表 2  マイクロセパロメータのプログラム作動シーケンス

単位  秒

ステップ

A

スイッチの場合

B

スイッチの場合

試験の手順

パルス音 4

4

メータ 100 合わせ 10  10

h)

の操作

乳化 30

30

静置 30

30

i)

の操作

パルス音 4

4

メータ 100 確認 10

10

シリンジ降下 45

25

静置 56

56

j)

の操作

信号音 4

4

メータ読取り 10

10

k)

の操作

h)

警報音が 4 秒間鳴り,その後の 10 秒間に濁度計の示度を 100 に合わせる。その後かくはん機が作動し

乳化が始まる。

i

) 30

秒間の乳化後シリンジを乳化部から取り外し,ワイヤーエイドを用いてシリンジにプランジャを挿

入し,完全に空気が抜けたことを確認する。シリンジの先端のプラグを抜き取りコアレッサーセル  (

47

)

を取り付け,シリンジドライブに垂直に固定する。コアレッサーセルの下にビーカーを置く  (

48

)

注(

47

)

試料によっては静電気が蓄積して引火爆発の危険があるので,コアレッサーセルを試験器本体

に接地するのがよい。

(

48

)

シリンジを乳化部から取り外してビーカーを置くまでの操作を 30 秒間以内で完了する。

j

)

警報音が 4 秒間鳴ったら,その後の 10 秒間に濁度計の示度が 100 であることを確認する。示度が 100

よりずれている場合は,100 に合わせる。その後,シリンジドライブが降下する  (

49

)

。この間に測定

セルを測定セル挿入口から取り出し,濁度計の示度合わせに用いた試料を捨てる。

警報音が鳴り試料回収指示ランプ(C/S ランプ)が点灯したら測定セルに試料を回収し  (

50

)

,直ち

に濁度計に測定セルを挿入し,それぞれの白線と黒線を合わせる。

注(

49

)

シリンジドライブの下降時間は,灯油形航空タービン燃料油のときは 45±2 秒,広沸点範囲形

航空タービン燃料油のときは 25±1 秒にあらかじめ設定している。下降時間がこの設定値を超

えると,警報音が鳴り SYR ランプが点灯するので試験を中止し,試験器を調整して再試験する。

(

50

)

この操作によって試料 15 mL が回収される。

k

)

警報音が 4 秒間鳴り,その後警報音が再び 1 秒間鳴ったときに濁度指示計の示度を読み取り,これを

試料の MSEP 法水分離指数とする。

l

)

再び a)∼k)  の操作を行って,濁度指示計の示度を読み取る。

m

)

この k)  と l)  の値を平均し,JIS Z 8401 によって丸めの幅 1 に丸め,これを試料の MSEP 法水分離指

数とする。

16.7 

精度  MSEP 法水分離指数試験によって静電気防止剤を含まない灯油形航空タービン燃料油を測定

して得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次による。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a

)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を 2 回試

験したとき,試験結果の差の許容差を

図 32 に示す。

b

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験して求


56

K 2276

:2003

めた 2 個の試験結果の差の許容差を

図 32 に示す。

図 32  MSEP 法水分離指数の精度

16.8 

試験結果の報告  試験結果に,次の事項を記載する。

a

)

試料名,試料採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 16.6 m)  で得られた結果に“MSEP”を付記する。

d

)

特記事項

17. 

微粒きょう雑物試験方法(試験室ろ過法)

17.1 

試験の原理  微粒きょう雑物試験は,規定量の試料をあらかじめ質量をはかったメンブランフィル

タでろ過し,このフィルタを洗浄,乾燥した後,質量の増量をはかり,微粒きょう雑物を求める。

17.2 

試薬  試薬は,次による。

a

)

ろ過 2-プロパノール  JIS K 8839 に規定する 2-プロパノールを,試験直前に溶剤ろ過用フィルタでろ

過する  (

51

)

注(

51

)  17.3 g)

に規定する洗浄瓶を用いる場合は,このろ過操作を省略してもよい。

b

)

ろ過石油エーテル  JIS K 8593 に規定する石油エーテルを,試験直前に溶剤ろ過用フィルタでろ過す

る  (

50

)

c

)

水  JIS K 0557 に規定する A1 のもの。

d

)

洗剤  液状で水溶性のもの。

17.3 

試験器  試験器は,次による。

a

)

化学はかり  皿が金属製で,感量 0.1 mg 以下のもの。

b

)

乾燥器  90±5  ℃に保持できるもので,強制換気装置を備えていないもの。

c

)

ペトリ皿  直径約 125 mm のもので,内部にガラス製のフィルタ支持台を備えたもの(フィルタが底

にぴったりと付着しない構造のもの。

d

)

ピンセット  先端が平らでとがってなく刻み目がないもの。

e

)

減圧装置  真空ポンプ又はアスピレータ。

f

)

メンブランフィルタ(以下,フィルタという。)

1

)

試験用及びコントロール用フィルタ  直径 47 mm,孔径 0.8

µm で材質がセルロース混合エステルの


57

K 2276

:2003

もの  (

52

)

注(

52

)

マッチドウエイトフィルタ(試験用フィルタとコントロール用フィルタを組み合わせたもので,

両者の質量差が 0.1 mg 以内のもの。

)を用いると 17.6 b)∼e)  の操作を省略できる。

2

)

溶剤ろ過用フィルタ  孔径 0.45

µm のもの。

g

)

洗浄瓶  吹出管に溶剤ろ過用フィルタを取り付けて,溶剤をろ過できるようにしたもので,一例を図

33

に示す。

h

)

ろ過装置  上部漏斗,フィルタ保持台付き下部漏斗及び吸引瓶からなる。フィルタは上部漏斗とフィ

ルタ保持台付き下部漏斗との間に挟んで,金属製クランプで止め固定する。一例を

図 34 に示す。この

装置の金属部分はクランプで電気的に結合し,使用時には必ず接地しなければならない。

i

)

空気イオン化装置  この装置は,天びんでフィルタの質量をはかるときに静電気除去のために使用す

る。ただし,化学はかりの使用時には,空気イオン化装置を省略できる。

図 33  洗浄瓶(一例)

図 34  ろ過装置(一例)

j) 

プラスチックフィルム  ほこりを防ぐために用いるもので,塩化ビニリデン樹脂などのプラスチック

フィルム。

17.4 

試験の準備  試験の準備は,次による。

a

)

ろ過に用いるすべての器具,試料採取器,試料容器などは,次に示す手順によって清浄にする。

1

)

洗剤の入った温水(水道水)で洗う。

2

)

温水(水道水)ですすぎ,次に水の順によくすすいで清浄にする。

3

)

ろ過 2-プロパノール,ろ過石油エーテルの順によくすすいだ後乾燥する。

b

)

上部漏斗,下部漏斗及び吸引瓶を

図 34 に示すように組み立てた後,ろ過石油エーテルですすぎ,清浄

にしたプラスチックフィルムで上部漏斗の開口部を使用直前まで覆っておく。

c

)

試料容器の上部は,ろ過石油エーテルですすぎ,清浄にしたプラスチックフィルムで覆った後,ふた

をしておく。

17.5 

試料採取方法及び調製方法  試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試の調製

方法,又はそれらに準じた方法によって採取及び調製する。

a

)

試料採取器,試料容器及び試料容器のふたは,17.4 a)の操作によって清浄にしたものを用いる。

備考  一度,試料容器に採った試料は,別の試料容器に移し変えて試験してはならない。


58

K 2276

:2003

b

)

タンク,バージ船,タンク車及びローリーから試料を採取する場合は,JIS K 2251 によって上中下各

部の試料を採取して混合試料を調製するか,又は全層試料を採取する。ただし,いずれの場合も全試

料採取量は 3.8∼5 L とする。

備考  上記以外の場所から試料を採取する場合は,受渡当事者間の協定によって行う。

17.6 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)

試験用及びコントロール用フィルタをそれぞれ 1 枚ずつ用意する  (

52

)

備考  この両者の混同を避けるため,片方のフィルタに印を付けておくとよい。

b

)

清浄なペトリ皿に試験用及びコントロール用フィルタを,

ピンセットを使って並べた後,

ふたをする。

c

)

ペトリ皿のふたを少しずらして 90  ℃±5  ℃に保った乾燥器内で 30 分乾燥する。

d

)

ペトリ皿を乾燥器から取り出して化学はかりの近くに置き,試験室の温度及び湿度と平衡状態に達す

るまで放置(約 30 分間)する。この際,ペトリ皿のふたは少しずらしておくが,大気中のちりやほこ

りが入らないように注意する。

e

)

コントロール用及び試験用フィルタを 1 枚ごとに端をピンセットで持ってペトリ皿から取り出し,フ

ィルタの端が化学はかりの皿の外にはみださないようにしてそれぞれ質量を 0.1 mg のけたまではか

り,再びペトリ皿に戻す。

f

)

質量をはかったコントロール用フィルタをピンセットを使って下部漏斗のフィルタ保持台上に置き,

その上に質量をはかった試験用フィルタを重ね,次に,上部漏斗を取り付けてクランプで固定する。

上部漏斗の開口部を覆ったプラスチックフィルムは,ろ過の準備が完了するまでそのままにしておく。

g

) 3.8

∼5 L の試料が入った試料容器のふた付近を洗剤液で洗浄し,水道水ですすいだ後,ろ過 2-プロパ

ノールで清浄にする。

h

)

試料容器を約 30 秒間激しく振る。試料容器のふたを取り外し,容器のねじ山をろ過石油エーテルで湿

らせた布で外面のきょう雑物を取り除く。この際,石油エーテルが試料容器内に入らないように注意

する。

i

)

上部漏斗に試料を少量注ぎ込む。吸引瓶に連結した減圧装置を始動して吸引瓶を減圧にし,上部漏斗

内が空にならないように試料を注ぎながら試料の全量をろ過する  (

53

)

。試料を注ぎ込む際は,きょう

雑物が試料中に十分分散するように,その都度試料容器を揺り動かす。

注(

53

)

漏斗を空のまま吸引すると,大気中のちり及びほこりを吸引するおそれがあるので注意する。

j

)

試料のろ過が終わった後,減圧装置を止め,吸引瓶を大気圧に戻す。ろ過した試料の量をメスシリン

ダではかり記録する。

k

)

ろ過石油エーテル約 50 mL で空になった試料容器の内壁を洗い,その洗液を上部漏斗に移し,再び吸

引瓶を減圧してろ過する。この操作を 4 回繰り返す。

備考  試料中に凍結防止剤が添加されている場合,又は異常に高い試験結果が得られた場合は,l)  の

操作の前にフィルタ上の凍結防止剤を水で溶解して除去する。すなわち,k)  の操作の後,吸引

瓶を大気圧に戻し,溶剤ろ過用フィルタでろ過した水約 100 mL を上部漏斗に注いで,吸引瓶

を減圧しろ過する。

l

)

ろ過石油エーテルで上部漏斗の内側及び上部漏斗とフィルタ保持台との接続部の外周を洗った後,吸

引瓶を減圧にしたままでクランプを外し,上部漏斗を取り外す。フィルタの縁から中心に向かってろ

過石油エーテルを注意深く注ぐ。この際,きょう雑物がフィルタの表面から外側へ洗い落とされない

ように注意する。洗浄が終わってもフィルタに付着している石油エーテルを取り除くため数秒間減圧

のままにしておき,次に減圧装置を停止する。


59

K 2276

:2003

m

)

試験用及びコントロール用フィルタをピンセットを使ってフィルタ保持台から注意しながら取り外し,

ペトリ皿へ移してふたをする。

n

)  c)

e)  の操作に従って,試験用及びコントロール用フィルタを乾燥して質量をはかる。この際,フィ

ルタ上のきょう雑物をかき乱さないように注意する。

17.7 

計算方法  計算方法は,次による。

微粒きょう雑物は次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって丸めの幅 0.1 に丸める。

L

M

M

M

M

P

)

(

)

(

3

4

1

2

A

=

ここに,

P

A

:  微粒きょう雑物 (mg/L)

M

1

:  試験用フィルタの試験前の質量 (mg)

M

2

:  試験用フィルタの試験後の質量 (mg)

M

3

:  コントロール用フィルタの試験前の質量 (mg)

M

4

:  コントロール用フィルタの試験後の質量 (mg)

L

:  ろ過した試料の量 (L)

備考  マッチドウエイトフィルタを用いた場合は,

M

1

M

3

とみなし,次の式によって算出する。

L

M

M

P

)

(

4

2

A

=

17.8 

精度  精度は,次による。

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次による。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a

)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を 2 回試

験したとき,試験結果の差の許容差を

表 18 に示す。

b

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験して求

めた 2 個の試験結果の許容差を

表 18 に示す。

表 18  微粒きょう雑物の精度

単位  mg/L

微粒きょう雑物

室内併行許容差

室間再現許容差

0.3

∼1.1 0.853X 1.33X

X

:2 個の試験結果の平均値

17.9 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a

)

試料名,採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又は略称及び 17.7 によって得られた結果

d

)

特記事項

18. 

導電率試験方法

18.1 

試験の原理  試料に浸した二つの電極に電圧を印加し,流れた電流を導電率として表す。ポータブ

ル導電率計では,イオン減損から起こる誤差を避けるため,電流測定は,電圧印加とほぼ同時に行う。

備考1.  この方法は,静電気防止剤が添加された試料にも適用される。

2. 

試験室で測定した試験結果に疑義を生じたときは,タンク,タンク車,タンクローリーなど

(以下,タンクなどという。

)で直接測定した結果によって判定する。


60

K 2276

:2003

18.2 

試薬  試薬は,次による。

a

)  2-

プロパノール  JIS K 8839 に規定するもの。

b

)

トルエン  JIS K 8680 に規定するもの。

18.3 

導電率試験器  試験器は,次による。

a

)

ポータブル導電率計  電圧を印加直後に導電率が読み取れるもの。図 35 にその一例を示す。

図 35  ポータブル導電率計(一例)

参考

次のポータブル導電率計が適切である。

1) Emcee

Electronics

社製導電率計  1151A 型及び 1152 型(

図 35 参照)。

2) Maihak

社製導電率計  MLA 型。

b

)

温度計  タンクなどの油温の測定に適した構造のもので,目盛の誤差が 0.5  ℃以内のもの。

18.4 

試験の準備  導電率試験方法の試験の準備は,次による。

a

)

測定セル  (

54

)

に水が付着している場合は,2-プロパノール,トルエンの順で十分に洗い,空気を吹き

付けて乾燥する。

注(

54

)

高温多湿状態の下では,測定セルに水が結露しやすく,測定結果が高くなりやすい。この場合

は,測定場所の温度より 2  ℃∼5  ℃高い状態で測定セルを保存することによって,水の結露を

防止することができる。

b

)

試験器の校正は,使用機器の取扱説明書に従って行う。

c

)

試料が帯電してない状態であることを確認  (

55

)

する。

注(

55

)

例えば,タンクに試料を受け入れた後,測定を開始するまで 30 分間の間隔をおく。

18.5 

試料採取方法及び調製方法  タンクなどでの直接測定以外の試料の採取及び調製は,次による。

a

)

試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法によるか,又はそ

れらに準じた方法によって採取及び調製する。

測定セル

セル脱着部

ケーブル

ケーブルリール

導電率指示メータ

測定スイッチ

ハンドル

接地線


61

K 2276

:2003

b

)

試料容器は,内部をエポキシ樹脂で被覆したものを用いる。ただし,試料採取後短時間で測定する場

合は,ガラス製瓶でもよい。

備考  導電率の値は,光による測定値の低下を受けやすいので,褐色ガラス瓶又は遮光したものを用

いる。

c

)

試料容器は,2-プロパノール,トルエンの順で十分に洗浄し,空気を吹き付けて乾燥する。試料を入

れる前に少なくとも 3 回試料ですすぎ洗いする。

d

)

試験は,試料採取後できるだけ早く行う。

18.6 

試験の手順  試験の手順は,次の 18.6.1 又は 18.6.2 によって行う。

18.6.1 

タンクなどでの直接測定  タンクなどでの直接測定の試験の手順は,次による。

a

)

試験器の接地線をタンクなどの接地端子に接続し,接地バーを素手で握るか,除電ゲートなどで測定

者の人体電荷を除去する。

b

)

測定セルをタンクなどの底部や壁面に接触させないように注意しながら,試料中に十分に浸す。

c

)

コードを上下に動かし,測定セルを試料で共洗いした後,試験器の測定スイッチを押す。

d

)

メータの指示値を 3 秒間後に読み取り  (

56

)

,そのときの油温を 1  ℃のけたまで測定する。

注(

56

)

メータ指示値は,時間の経過とともに低下することがある。

18.6.2 

試験室などでの測定  タンクなどから 18.5 によって採取した試料を試験室などで測定する場合の

試験の手順は,次による。

a

)

試験容器及び測定セルは,試料で共洗いして用いる。

b

)

試料を試験容器に満たし  (

57

)

,測定セルを試料中に十分浸した後,18.6.1 c),d)  によって導電率を測

定する  (

58

)

備考  試験容器は,ガラス製又は四ふっ化エチレン (PTFE) 樹脂製円筒形平底のもので,測定セルを

十分に浸せる深さと直径をもつものを用いる。

注(

57

)

試験容器で測定する場合,測定セルは,少なくとも脱着部の位置まで試料に浸す。

(

58

)

試験室で測定する場合,測定は,タンクなどから試料採取後 24 時間以内に行う。

18.7 

結果  試料の導電率は,18.6.1 d)  及び 18.6.2 b)  で読み取った値を JIS Z 8401 によって丸めの幅を

10

に丸め,そのときの油温を併記する。

参考  試料の導電率は,温度によって変化し,その関係は試料及び静電気防止剤の種類によって異な

る。したがって,特定温度の導電率が必要のときは,あらかじめその試料の導電率と油温との

関係を求めておく。導電率と油温との関係の一例を

参考図 に示す。


62

K 2276

:2003

参考図 4  導電率と油温との関係図(一例)

18.8 

精度  この導電率試験方法によって,整数値で読み取った試験結果の許容差(確率 0.95)は,次の

とおりである。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a

)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験装置で,引き続き短時間内に同一試料を 2 回

試験したときの試験結果の差の許容差を

表 19 に示す。

b

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験装置で,同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験し

たとき,2 個の試験結果の差の許容差を

表 19 に示す。

表 19  導電率の精度  (

59

)  

単位  pS/m

導電率

室内併行許容差

室間再現許容差

20 1  4

30 2  6

50 3 10

70 4 13

100 5  17

200 10  32

300 14  45

500 21  69

700 29  92

1 000

39

125

1 500

55

177

注(

59

)

この導電率の精度は,室温で測定した値に適用する。


63

K 2276

:2003

18.9 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a

)  18.6.1

タンクなどでの直接測定の場合は,試料名,測定場所及び測定年月日。

又は 18.6.2 試験室などでの測定の場合は,試料名,試料採取場所及び採取年月日。

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 18.7 で得られた結果並びに油温を付記する。

d

)

特記事項

19. 

水素含有量推定方法

19.1 

推定方法の原理  航空ガソリン及び航空タービン燃料油の水素含有量は,密度,平均留出温度及び

芳香族分と相関がある。したがって,これら三つの試験結果から回帰式又はノモグラムによって水素含有

量を推定することができる。

参考1.  水素含有量は,総発熱量から真発熱量を求める際に必要である。発熱量の実測値は総発熱量

で得られるが,航空燃料の燃焼生成物はすべてガス状となるため,真発熱量が使用される。

2.

水素含有量を実測する方法としては,ASTM D 1018 : 1991 及び ASTM D 3701 : 1992 がある。

19.2 

密度,平均留出温度及び芳香族分の測定  水素含有量の推定に用いる密度,平均留出温度及び芳香

族分を,a)∼c)  によって求める。

a

)

試料の密度を,JIS K 2249 の規定に従って求める。

b

)

試料の 10 %,50 %及び 90 %点の留出温度を,JIS K 2254 の規定に従って測定する。これら 3 点の温

度を平均して,これを平均留出温度とする。

c

)

試料の芳香族分を,JIS K 2536 の規定に従って求める。

19.3 

推定の手順  水素含有量の推定は,19.3.1 又は 19.3.2 による。

19.3.1 

計算式によって計算する方法  次の計算式によって,試料の水素含有量を計算する。得られた結果

を,JIS Z 8401 によって丸めの幅 0.01 に丸める。

9 201.2 14.49

70.22

1 000

T

A

H

D

+

× −

×

=

×

    +0.026 52×A+0.000 129 8×A×T

    −0.013 47×T+2.003

ここに,  H:  水素含有量(質量%) 

D

:  20.2 a)で求めた,15  ℃における密度 (g/cm

3

)

T

:  20.2 b)で求めた,平均留出温度  (℃),

(蒸留試験による 10 %,

50 %

及び 90 %点の留出温度の平均値)

A

:  20.2 c)  で求めた,芳香族分(容量%)

参考1.  式は,燃料油について測定した芳香族分(容量%),平均留出温度 (° F) 及び API 度のデータ

から,最小 2 乗法によって求めた回帰式を,SI 単位に変換したものである。

2.

この計算方法は,水素含有量の実測を行わない場合に使用する。

参考表 に,相関関係の計

算に用いた各変数の範囲の概要を示す。これによれば,例えば,相関関係の計算に用いた全

燃料油の密度の平均値は 0.783 5 g/cm

3

であり,全試料の 2/3 は密度 0.733 2∼0.841 3 g/cm

3

範囲(平均値±1 標準偏差以内)にある。計算式中で使用する変数の値を平均値±1 標準偏差

以内とすれば,相関関係は非常によくなるが,平均値±2 標準偏差までは有効である。この

相関関係を使用すると,航空燃料油に似たその他の留出炭化水素にも適用可能であるが,そ


64

K 2276

:2003

の油種は限定される。

参考表 3  変数の平均値及び標準偏差

変数

平均値

標準偏差

芳香族分(容量%) 14.1

21.6

密度 (g/cm

3

@15

℃) 0.783

0.054

平均留出温度  (℃) 178

53

水素含有量(質量%) 14.1

1.3

3.

灯油形航空タービン燃料油についての計算例を,次に示す。

測定値

      a

) 15

℃における密度 (g/cm

3

)

D=0.805 9

      b

)

平均留出温度  (℃):T=205.0

[10 %

=178.0, 50 %=200.0, 90 %=237.0 ; T= (178.0+200.0+237.0) /3=205.0]

      c

)

芳香族分(容量%)

A=12.0

これらの測定値を計算式に代入して,

9 201.2 14.49 205.0 70.22 12.0

1 000 0.805 9

H

+

×

×

=

×

    +0.026 52×12.0+0.000 129 8×12.0×205.0

    −0.013 47×205.0+2.003

  =13.936 7

水素含有量の計算結果:13.94

19.3.2 

ノモグラムによって推定する方法  図 36 及び図 37 のノモグラムから F

1

  (H

2

)

及び F

2

  (H

2

)

の値を

求めて,それらを合計して水素含有量とする。

a

)

図 36 のノモグラムで,密度の軸から垂直に上方に向かい,芳香族分(容量%)の線との交点から水平

に左方に向かい,縦軸の交点から F

1

 (H

2

)

の値を小数点以下 2 けたまで読み取る。

b

)

図 37 のノモグラムで,密度の値から水平に右方へ向かい,芳香族分(容量%)の線との交点から垂直

に下方に向かい,平均留出温度(蒸留性状 10 %,50 %及び 90 %点の留出温度の平均値)の線の交点

から水平に右方に向かい,縦軸の交点から F

2

 (H

2

)

の値を小数点以下 2 けたまで読み取る。

c

)

F

1

 (H

2

)

と F

2

 (H

2

)

を加えた値を水素含有量(質量%)の推定値とする。

19.4 

精度  水素含有量推定方法によって得られた推定値の許容差(確率 0.95)は,次による。

備考   推定値が許容差を外れた場合は,19.2 a)  ∼c)  に示す 3 試験方法による試験結果のそれぞれに

ついて,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a

)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が,同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料につい

て芳香族分,密度及び蒸留性状をそれぞれ 2 回試験し,それらの試験結果によって算出した二つの水

素含有量の差の許容差を

表 20 に示す。

b

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料について芳香族分,密度及び

蒸留性状をそれぞれ 1 回ずつ試験し,それらの試験結果によって算出した二つの水素含有量の差の許

容差を

表 20 に示す。

表 20  水素含有量の精度

単位  質量%

室内併行許容差

室間再現許容差

0.03 0.10


65

K 2276

:2003

参考1.  回帰式は,ASTM において,331 種類の燃料油のデータに基づいて作られた。

燃料油の内訳は,航空燃料油(又は,それに近いもの。

)247 種類,及び純粋な炭化水素,

やや純度の高い市販の炭化水素及び米国空軍のテスト用に製造された特殊高温燃料 (HTF)

が 84 種類である。推定値の標準誤差は,全油種については 0.20 %,航空燃料油については

0.16 %

である。

2.

この計算方法の室内併行精度及び室間再現精度は,計算に用いたデータを求めた各試験方法

の室内併行精度の合計値及び室間再現精度の合計値に基づいたものである。

精度は,回帰直線からの原データのばらつきによる影響は含んでいない。したがって,個々

の推定値は,この項で示した精度より大きな誤差を生じる可能性がある。

19.5 

推定値の報告  推定値の報告は,次による。

a

)

試料の名称,採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称及び 19.3 によって得られた推定値

d

)

特記事項

図 36  F

1

(H

2

) 

を求めるノモグラム

参考1.  ノモグラムの基となる計算式を,次に示す。

F

1

 (H

2

)

=0.0631 7G−0.041 039A−0.000 496GA+10.56

ここに,  G: API 度 

A

:  芳香族分(容量%)

2.

*

を付した行は,API 度の数値を示す。


66

K 2276

:2003

図 37  F

(H

2

) 

を求めるノモグラム

参考1.  ノモグラムの基となる計算式を,次に示す。

F

2

 (H

2

)

=0.000 0721 3AV−0.000 056 84GA

ここに,

A

:  芳香族分(容量%)

G

: API 度

V

:  蒸留試験による 10 %,50 %及び 90 %点の留出温度の平均値

(

℃)

2.

*

を付した列は,API 度の数値を示す。

20. 

過酸化物価試験方法

20.1 

試験の原理  トルエンに溶解した一定量の試料をよう化カリウム溶液と混合し過酸化物を還元する。

遊離したよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,過酸化物価を mg/kg (ppm)  として算出する。

20.2 

試薬  試薬は,次による。

a

)

水  JIS K 0557 に規定する A1 のもの。

b

)

酢酸溶液  JIS K 8180 に規定する塩酸 4 mL を JIS K 8355 に規定する酢酸 996 mL と混合したもの。

c

)

トルエン  JIS K 8680 に規定するもの。


67

K 2276

:2003

備考  空試験におけるチオ硫酸ナトリウム溶液の消費量が少ないもの。

d

)

よう素酸カリウム溶液  JIS K 8005 に規定するよう素酸カリウム約 5 g を 120∼140  ℃で約 2 時間乾燥

後,ひょう量瓶に入れ,デシケータで放冷する。この約 1 g を 0.1 mg まで正しくはかり採り,水 250 mL

に溶解したもの。

e

)

よう化カリウム溶液  JIS K 8913 に規定するよう化カリウム 60 g を水 50 mL に溶解したもの。

備考1.  よう素酸塩が限度内のものを用いる。よう化カリウム 1 g を溶存酸素を含まない水 20 mL に

溶解し,でんぷん溶液 1 mL を加える。約 15  ℃に保ちながら 0.5 mL/L 硫酸 0.3 mL を加え,

振とうする。1 分間以内に青色を呈しないものは限度内である。

2. 

この溶液は不安定であるので使用の都度,調製する。

f

)

0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

1

)

調製  JIS K 8637 に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物 12.5 g と JIS K 8625 に規定する炭酸ナト

リウム 0.1 g を水 500 mL に溶解したもの。

2

)

標定  よう素酸カリウムによる標定は,次による。

    2.1

)

よう素酸カリウム溶液 25 mL をピペットで試験用フラスコに採り,次いで,よう化カリウム 2 g と

3 mol/L

硫酸 5 mL を加える。直ちに栓をしてフラスコを静かに振り混ぜて,よう化カリウムを溶解

した後,暗所に 5 分間静置する。この溶液を 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で溶液の色が微黄色

になるまで滴定し,次に,でんぷん溶液を加えて青色が消えるまで滴定する。

    2.2

)

水 25 mL について,2.1)  の操作によって空試験を行う。

    2.3

) 0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液のモル濃度は,次の式によって小数点以下 4 けたに丸める。

1

25/250

1 000

35.67 (

)

W

M

v

b

×

=

×

×

ここに,  M:  チオ硫酸ナトリウム溶液のモル濃度 (mol/L)  

W

:  よう素酸カリウムのはかり採り量 (g)

v

1

:  終点までに滴定に要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量 (mL)

b

:  空試験に要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量 (mL)

    2.4

) 0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液は使用の都度標定する。

備考1.  炭酸ナトリウムはチオ硫酸ナトリウム溶液の安定剤として加える。

2.

チオ硫酸ナトリウム溶液は調製後,徐々に分解し,ある程度まで分解が進むと安定する。使

用前に 2 日間以上静置したものを用いる。

3.

 0.1

mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液は市販品を用いてもよい。

g)

  0.005 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液  0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液を 20 倍に薄めたもの。

備考  使用の都度,調製する。また,調製後 12 時間以上経過したものは使用しない。

h

)

でんぷん溶液  JIS K 8659 に規定するでんぷん 1 g を水約 10 mL と混ぜ,次に,熱水 100 mL 中によく

かき混ぜながら加え,役 1 分間煮沸した後,放冷する。使用時に調製する。

i

)

窒素

20.3 

試験器  試験器は,次による。

a

)

窒素通気装置  試験用フラスコ内の空気を窒素と置換できるもの。装置の一例を図 38 に示す。

b

)

試験用フラスコ  250 mL のもの。

c

)

ビュレット  最小目盛が 0.05 mL の褐色 10 mL のもの。


68

K 2276

:2003

①試料用フラスコ 
②酢酸蒸気吸収用フラスコ

図 38  窒素通気装置(一例)

20.4 

試料採取方法及び調製方法  試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調

製方法,又はそれらに準じた方法によって採取及び調製する。

20.5 

試験の手順  試験の手順は,次による。

a

) 250

mL

試験用フラスコに窒素を約 3 分間通気する。

b

)

表 21 に従って,試料のはかり採り量を決める。

表 21  試料のはかり採り量

予期過酸化物価 (mg/kg)

試料のはかり採り量 (g)

0

∼ 10

50

±5

11

∼ 30

10

±1

31

∼ 50

5

±0.5

51

∼100 3±0.3

101

1

±0.1

c)

窒素を通気しながら試験用フラスコに試料を 0.01 g のけたまではかり採る  (

60

)

。試料のはかり採りは

ピペットなどを用いて行い,はかり採りは試料容器の質量差によって求める。

注(

60

)

はかり採りは試験用フラスコの栓をずらして行う。はかり採り後は,再度栓をする。

d

)

トルエン 25 mL を加え  (

60

)

,窒素を 1 分間激しく液中へ通気する。窒素を止めることなく,酢酸溶液

20 mL

を加える。速やかに窒素の流出速度が毎秒 1 泡になるように調節し,直ちによう化カリウム溶

液 2 mL を加え  (

60

)

,正確に 30 秒間激しく試験用フラスコを振り混ぜる。次いで,試験用フラスコを

5

分間静置する。

備考  過酸化物は酸性下で分解し,過酸化物価が小さくなる可能性があるため,よう化カリウム溶液

の添加は酢酸溶液を加えた後,直ちに行う。

e

)

試験用フラスコに水 100 mL を加え,窒素の通気を止める。溶液の色が微黄色になるまで 0.005 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,次いで,でんぷん溶液約 5 mL を加え,紫色が消えるまで滴定す

る。

備考1.  過酸化物価が小さい場合は最初にでんぷん溶液を加えた後,チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定

してもよい。

2.

でんぷんは酸性溶液では加水分解を起こし,青色を呈する反応が不鋭敏になるので滴定終点

間近で,でんぷん溶液を加え,すぐに滴定を終えるとよい。

3.

終点は再帰形であるので,30 秒間又はそれ以上青色が復色しない点とする。

f

)

試料を含まない空試験を a)∼e)  の手順で行う。

20.6 

計算方法  計算方法は,次による。


69

K 2276

:2003

試料の過酸化物価を次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって丸めの幅 1 に丸める。

PON

= [(ABM×1 000×8] /m

ここに,  PON

過酸化物価 (mg/kg)

A

試料の滴定に要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量 (mL)

B

空試験に要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量 (mL)

N

チオ硫酸ナトリウム溶液のモル濃度 (mol/L)

m

試料のはかり採り量 (g)

20.7 

精度  精度は,次による。

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次による。

ただし,過酸化物価が 0∼100 mg/kg の試料に適用する。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 によって処理する。

参考  この精度は,石油学会の照合試験結果を基に算出した。

a

)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短期間内に同一試料を 2 回試

験したときの試験結果の差の許容差を

表 22 に示す。

b

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験して求

めた 2 個の試験結果の差の許容差を

表 22 に示す。

表 22  過酸化物価の精度

室内併行許容差

室間再現許容差

0.9

+0.07X 1.4+0.34X

X

:試験結果の平均値 (mg/kg)

20.8 

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a

)

試料名,採取場所及び採取年月日

b

)

この規格番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 20.6 によって得られた結果

d

)

特記事項


70

K 2276

:2003

附属書 A(規定)熱安定度試験器 (JFTOT)

A.1

適用範囲  この附属書は,熱安定度試験器 (JFTOT) について規定する。

A.2

試験器  JFTOT のすべての型式は,ポンプによって試料を試験器系内の金属製の加熱管及び試験フィ

ルタを一度だけ通るように圧送する装置である。加熱管の温度,系内の圧力及びフィルタ前後の圧力低下

を調節並びに測定する手段も備えている。

A.3

試験の原理  試験には,ろ過及び通気した一定量の試料を用いる。試料はプレフィルタ部,次に,高

温に保った加熱試験管を通して一定の流量でポンプ圧送する。加熱管の通常の温度は,260  ℃であるが,

260

℃以上に加熱する場合もある。

備考  通気によって酸素で飽和された試料は,高温の加熱管で劣化し,眼で観察できる膜としてたい

積物を生成する。試料の劣化物質は下流に流れて試験フィルタに捕そくされることもある。試

料の酸化安定度は,試験フィルタ前後の圧力差の上昇及び試験終了時の加熱管の評価で行う。

A.4

燃料油系統

a

)

最初にろ過及び通気した試料を貯留槽に入れ,装置内を一度だけ 3.0 mL/min±10 %の流量で流し,使

用済み試料用の受器に落とす。流速は,試験フィルタ前後の圧力差が 3.3 kPa に達しても持続させる。

備考  フィルタの詰まりが激しい場合は,試験を完了させるために,試験フィルタの前にあるフィル

タバイパス弁を開ける[15.7.3. b)  を参照,以下,フィルタバイパス弁という]

。次に,加熱管

のたい積物を完全な試験の場合と同様に評価する。

b

)

チューブインシェル型熱交換器となっている加熱管試験部は,加熱管を保持し,加熱管に試料を流す

ものである。加熱管は,

図 A.1 に示すように加熱管保持器に正しく固定しなければならない。加熱管

は一貫した試験結果を得るために最も重要であり,すべての JFTOT 型式に共通の部品である。加熱管

試験部の組立図を

図 A.2 に示す。

備考  加熱管試験部にある先の広がった絶縁環は,一部の型式の試験器では用いられていない。これ

は絶縁環でふさぐへこみが加熱管保持器と一体になっている場合である。

c

)

貯留槽から出た試料は,加熱管部に入る前に,メンブレンフィルタでろ過しなければならない。加熱

管は加熱管試験部に O リングでシールされている。試験フィルタは孔径 17

µm の半溶融ステンレス鋼

でできている。

備考1.  このフィルタが詰まり,圧力差が増加した場合,通常 16.6 kPa で警報音が鳴る。必要ならば,

そのときフィルタバイパス弁を開ける。

2.

 JFTOT

型式 202,203 及び 215 は一つの貯留槽があり,浮動ピストンで新しい試料(底部)

と使用済み試料(上部)を分けている。型式 230 及び 240 は,新しい試料用の貯留槽及び使

用済み試料用の水槽がある。

3.

すべての型式において,試料の流速は液滴を目視で数えることによって計測できる。JFTOT

型式 230 及び 240 は,このほかに排液受けビーカーを用いて最も正確な測定方法と考えられ

る流速を計測することができる。

d

)

各型式の JFTOT について,三つの主要構成部系統図を

図 A.3 に示す。


71

K 2276

:2003

A.5

加熱及び温度調節システム

a

)

加熱管は,アルミニウム管全体を変圧器によって高電流及び低電圧の電流が流れて,電気抵抗によっ

て加熱される。加熱管は比較的質量のある水冷の通電性のバス (bus) に取り付けられており,このバ

スの温度上昇は,ほとんどない。

b

)

温度調節器は,指示計及び調節器の役目を果たしている。自動運転では,調節器は試験中の安定した

熱源となり,設定温度を保つため必要に応じて電力を変化させる。手動運転では,調節器は温度の指

示だけを行う。運転の温度範囲は,常温から最大約 350  ℃である。

c

)

温度調節のための熱電対は,精度を保つため校正する必要がある(

附属書 A.10 を参照)。熱電対の先

端位置は,自動調節の間,温度の読みが加熱管の最大値(最も高温の点)になるように,注意して決

めなければならない。基本的な加熱システムを

図 A.4 に示す。

備考  容易に熱電対の位置を決められる簡易装置を用いてもよい。

図 A.1  加熱管の固定位置


72

K 2276

:2003

図 A.2  加熱管試験部の組立て図

1.

加熱管                    5.試料出口

2.

ナット                    6.試験フィルタ

3.

絶縁環(セラミックス製)  7.加熱管保持器

4.

○リングシール            8.加熱管試料入口


73

K 2276

:2003

図 A.3  燃料油系統図


74

K 2276

:2003

図 A.4  加熱管及び温度調節系統図

A.6

冷却システム

a

) JFTOT

型式 202,203 及び 215 については,冷却水は試験室の水道水を用いて各冷却部を通して循環

させる。

b

) JFTOT

型式 230 及び 240 については,冷媒を内部循環するラジエータが備わっている。これらのシス

テムが万全に運転されているか確認する。冷媒には,配管を汚染するような塩などを含むものを用い

てはならない。

備考 JFTOT の通常の操作では,高温の加熱管からの伝熱による冷却部への熱を取り除くため多少の

冷却が必要になる。

A.7

加圧システム

a

) JFTOT

型式 202,203 及び 215 では,窒素,JFTOT 型式 230 及び 240 では,油圧によるピストンポン

プを用いて 3.5 MPa±0.1 MPa の圧力で運転する。

参考  ほとんどの試料は,大気圧下では,通常の JFTOT 試験の加熱管温度において沸騰する。これは

正確な温度調節を乱し,自然なたい積物生成を妨害する。

b

)

圧力計又は圧力トランスデューサは,系内の全圧力を測定し,モニタするために用いる。ガス加圧シ

ステムは,加圧後閉じたまま運転するが,油圧による加圧システムは,試験中に液体が一定状態で通

過できるリリーフ弁を装着している。リリーフ弁がどんな試料に対しても均一に作動するためには,

押出しセルを用いる。ここに使用済み試料が上部から入り,その分だけ水を底部から押し出し,リリ

ーフ弁を通って外に出る。

備考  水が出てきたら,リリーフ弁は正しく作動していることを表す。

1.

加熱管                    6.冷却水

2.

下部浮動冷却部            7.フィードバック調節系

3.

可動熱電対接続部          8.電源

4.

熱電対リード線            9.低電圧変圧器

5.

上部固定冷却部


75

K 2276

:2003

A.8

圧力差の測定

a

)

試験中の試験フィルタ前後の圧力差  (

p)

は,多くの場合,水銀マノメータにストリップチャート式

の圧力記録計の付いたものか,又は電子式の圧力トランスデューサ(

図 A.3 を参照)を用いて測定す

る。

備考  バイパス及び空気の排出は,これらの圧力差測定装置が正常に働くために必要である。

b

)

空気の排出は,時々セルチャンバーに捕そくされた空気又は窒素を取り除くために用いる。

c

)

マノメータの出力は,水銀柱の高さを読み取ることによって,また,トランスデューサの出力は,デ

ジタルの表示によってできる。

A.9

圧力差トランスデューサセルの校正

参考1.  トランスデューサシステムの校正は,内蔵されているので,通常,試験者は校正できない。

製造業者の校正によって,圧力差トランスデューサ (DPT) セルが水銀マノメータを使用す

るときと等しい読みであることを保証する。

2.

 DPT

セルが正常に作動することを確認するために,水銀/灯油マノメータを使って静的確認

を行う。その読みは動的実験との流速の差による偏り,及び水銀マノメータに対する偏りを

含むため,補正を行う。読みは相対的になるが,各 JFTOT では一致している。

a

) DPT

セルが正しい読みを示しているか否かを確認するために,取扱説明書を参照して,水準瓶,特別

の管継手などの校正キットを用いて次の点検を行う。

b

)

校正に用いる代表的な航空タービン燃料油を選び,その 10.0 mL をピペットで採り 1 mg のけたまで質

量を測定する。これによって kg/m

3

で表した 0.001 のけたまでの密度を決定する。燃料油の温度は,

DPT

を校正する作業温度の約 10  ℃以内とする。

c

)

校正キットの管継手を JFTOT トランスデューサ側に装着し,これに燃料油を充てんする。取扱説明書

に従って,トランスデューサシステムから空気を除く。

システムから空気を除き,残油を全部燃料油と置換するこのプロセスは,この校正手順に必要であ

る。

d

)

燃料油を含んだ水準瓶をトランスデューサ出口及び入口に装着し,管継手の上部と同じ水準に合わせ

る。トランスデューサの指示計を 0.0 に調節する。

e

)

圧力(約 400 mm)を出口に作るために,水準瓶を持ち上げる。流れを止めるために,入口にふたを

する。トランスデューサの指示値を読む。出口の上の燃料油高さを mm の単位で読む。

f

)

理論圧力差

p

th

は,次の式を用いて算出する。

p

th

ρ

 h/12 720

ここに,

p

th

水銀柱の高さをミリメートルで表した理論圧力差

ρ

燃料油の密度 (kg/m

3

)

h

出口上の燃料油高さ (mm)

g

)

結果がトランスデューサの読みの約 4 %以内に入らなかった場合,この点検は DPT セルの精度が変動

したことを表している。この場合は JFTOT に備え付けてあるメンテナンス説明書に示された電子式の

校正方法を実施するか,又はセルの点検を販売業者に依頼する。

参考  ここで使用するマノメータは,通常の場合のように水銀の上に空気があるのでなく燃料油があ

るため,偏りを含んでいる。これによって水銀柱で表された圧力の数値が変わるので,真値よ

り約 6 %高い結果が出ることになる。トランスデューサは,この誤差がないのでマノメータ型


76

K 2276

:2003

とトランスデューサ型で同じ読みを得るためには,6 %の偏りをトランスデューサに加える必

要がある。

h

)

圧力測定器を操作するときは,試験の開始時に実際の流量の条件下でゼロ合わせをしなければならな

い。

参考  燃料油が流れているとき,小さな圧力降下が系内に生じる。トランスデューサ及びマノメータ

を,試験開始時にゼロにすることは流量を補正することになる。

A.10

熱電対の校正方法

a

)

各 JFTOT 型式に対応した製造業者の取扱説明書を用い,既知の凝固点をもつ物質に対して熱電対を校

正する。校正器及び熱電対の保守については

附属書 を参照する。

備考  この規格の目的のためには,凝固点は融点に等しいとしている。

b

) JFTOT

型式 202,203 及び 215 については,純粋なすず(純度 99 %以上,凝固点 232  ℃)だけを用い

て校正する。溶融したすずに熱電対の先を浸し,次いで

図 A.5 を参照して,すずを冷却させることに

よって校正を行う。

備考  すずが凝固点を過ぎていくとき,温度の読みは瞬間的に止まる。この点がすずの既知の凝固点

を示さなければならない。

c

)

すずの既知の凝固点と指示された温度との差は,試験温度を設定するための補正値として用いる。

例 232 ℃の既知の凝固点をもったすずを用いる場合,指示された温度が 232  ℃を超えるならば,熱

電対の読みは,その温度差だけ高すぎることになる。補正を行うことによって同じ値だけ試験温

度を下げることになる。

d

) JFTOT

型式 230 及び 240 については,

同様の方法によって,

純粋なすず

(純度 99%以上,

凝固点 232  ℃)

純粋な鉛(純度 99.9 %以上,凝固点 327  ℃)及び氷(凝固点 0  ℃)の凝固点を用いて,校正する。

しかし,この場合の補正値は,内蔵されたコンピュータによって自動的に計算され補正ができる。

図 A.5  すずの凝固特性

A.11

試料通気システム  試料に,ガラス製通気管[本体 15.2 h)]を用いて,ろ過した乾燥空気を流量約

1.5 L/min

で 6 分間通気する。


77

K 2276

:2003

備考1.  試料中に空気が存在しなければ,正しい試験結果が得られない。

2.

この約 9 L の空気で,試料の空気飽和は 97 %になる。

A.12

フィルタバイパス弁の漏れ点検(JFTOT 型式 202203 及び 215

a

)

使用済みの試験フィルタを用い,速乾性の接着剤で上流側をふさぐ。

b

)

加熱管試験部に加熱管とともに試験フィルタを取り付ける。

c

)

フィルタバイパス弁を開放の位置にして,3.5 MPa±0.1 MPa の圧力で清浄なろ過した試料を循環させ

る。このときは,加熱管に加温をしない。

d

)

液滴検出窓から見て,規定の流速に達した後,フィルタバイパス弁を閉じ,ストップウォッチを用い

て液滴数を計測する。

e

)

弁の前後の圧力差が 13.3 kPa に達する時間を測定する。すぐにバイパス弁を開き,通常のように試料

を流す。

f

) 13.3

kPa

の圧力差に達する時間が 60 秒以内ならば,フィルタバイパス弁及び燃料油ポンプは性能の要

求水準を満たしていると考えてよい。

g

) 13.3

kPa

の圧力差に達する時間が 60 秒を超える場合は,フィルタバイパス弁が漏れているか又は試料

の定量ポンプが不十分であると考えられる。この場合は,ポンプ又はフィルタバイパス弁の交換が必

要であるか見極めるため,試料の定量ポンプの性能を点検する。

A.13

試料定量ポンプの点検(JFTOT 型式 202203 及び 215

a

)

孔をふさいだフィルタ及び使用済みの加熱管を取り付け,通常のように試料を流す。流れが安定した

らフィルタバイパス弁を調節し,3.3 kPa の安定した圧力差を維持する。

b

)

液滴検出窓から見てストップウォッチを用い,20 滴の滴下時間を測定する。

c

) 20

滴の試料に対する時間が 9.0 秒±1.0 秒であれば,試料ポンプは満足に作動しているとみてよい。10

秒を超えたポンプは交換する。

d

)

新しいポンプを設置した後,ポンプの点検を繰り返す。

e

)

流速の低い状態が続く場合は,試験フィルタ,定量ポンプ,貯留槽にいたるすべてのライン及び管継

手を混合溶剤で洗浄する。必要ならば,ラインを取り替え,ポンプ点検を繰り返す。


78

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附属書 B(規定)JFTOT 加熱管の目視評価法

B.1

適用範囲  この附属書は,熱安定度試験方法における JFTOT 加熱管の目視評価方法について規定する。

B.2

試験の意義  評価には,本体の 15.2 i)  で規定する色標準コード色板を用いる。さらに,B.3 の定義に

示す“くじゃく模様”及び“異常”で表示する基準がある。この評価基準によって,たい積物が外見上非

常に多いか又は異常なたい積物があるのか若しくはその双方を含むのかが分かる。

この試験によって,加熱管上の劣化した燃料油たい積物の状態を推定することができるため,この評価

法は,燃料油試料の熱安定度を判断するための一つの基準となる。

B.3

定義  この附属書 で用いる主な用語の定義は,次による。

a

)

加熱管評価  (tube rating)    色標準コード色板の“0”から“4 以上”までを 10 段階  (

1

)

に分けた加熱

管評価等級スケール,及び次の b)  の“くじゃく模様”並びに“異常”で表す。

注(

1

) 10

段階は,

“0”

“1 未満”

“1”

“2 未満”

“2”

“3 未満”

“3”

“4 未満”

“4”

“4 以上”で

表し,数値が高いほどたい積物の色は濃くなる。

b

)

くじゃく模様  (peacock)    多色でにじのような加熱管のたい積物。

備考  この種類のたい積物は,たい積物の厚さが可視光線の 1/4 の波長の倍数に等しいとき干渉現象

を起し,くじゃく模様を呈する。

c

)

異常  (abnormal)    くじゃく模様でも,また,色標準コード番号の色でもない加熱管のたい積物の色

(青色,灰色など)

B.4

試験の原理  加熱管を観察するために,目視評価器を用いる。加熱管は専用の加熱管用アダプタを用

いて目視評価器の中に置く。あらかじめ,新しい加熱管表面のきずの有無を,目視評価器の最適の光源状

態下で判断する。試験後の加熱管の色は,光源と拡大鏡を用いて,加熱管のすぐ後に差し込んだ色標準コ

ード色板と比較して,更に“くじゃく模様”及び“異常”を判定する。

B.5

目視評価器  加熱管を色標準コード色板と比較するための装置であり,図 B.1 に示す。これは,附属

書 B.7a)∼d)  で記述する内容に適合する装置である。


79

K 2276

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図 B.1  目視評価器(一例)

B.6

試験用加熱管  加熱管は注意深く取り扱い,加熱管評価部に触れてはならない。

備考  加熱管の中央部に触れると,加熱管及びたい積物の表面を汚染したりするおそれがある。

B.7

標準操作条件

a

)

目視評価器の内部は,光沢のない黒である。

b

)

目視評価器には,3 個の 30 W 白熱反射式電球を用いる。

c

)

電球一つは上に,二つは下にあり,各電球は加熱管用アダプタ及び色標準の方に向ける。

d

)

観察窓に合った 3 倍の拡大鏡を用いる。

B.8

標準化の手順

B.8.1

色標準コード色板  色標準コード色板は,退色するので暗所に保存する。

備考  連続的又は間欠的に光にさらされても,色標準の寿命は確立されていない。常時使用する色標

準と定期的に比較するため,別の色標準を暗所に保存して置くことが望ましい。

B.8.2

評価法

a

)

目視評価器(B.5 を参照)を用いて,加熱管試験部の 5∼55 mm の間を検査する。加熱管を評価すると

き,最も濃い色のたい積物が最も重要である。

b

)

たい積物の面積全体の平均の色ではなく,最も濃い均一のたい積物に対して評価を行う。

c

)

図 B.2 を参照して,たい積物の面積が 2.5 mm

2

以上なら,色標準コード色板で評価する。

d

)

幅が 0.8 mm 未満の線状のたい積物に対しては,線の長さにかかわらず無視する。

拡大鏡

加熱管用アダプタ

クランプ

ストッパ

案内棒

色標準挿入口

電源スイッチ


80

K 2276

:2003

e

)

加熱管の欠陥と考えられる点,線又は引っかききずは無視する。このような欠陥をできるだけ少なく

するため,使用前に加熱管をよく検査し,欠陥と考えられる加熱管は使用しない。

図 B.2  加熱管の評価部の一例

B.9

試験の手順  試験の手順は,次による。

B.9.1

準備

a

)

加熱管用アダプタのクランプに加熱管の上端をはめ込み,ストッパの方向に押し上げる。

b

)

加熱管用アダプタを案内棒に差し込み,電源スイッチを入れる。

c

)

色標準コード色板を目視評価器に差し込む。

d

)

アダプタを回転し,加熱管の最も濃い色のたい積物が付いた側面が見えるように固定する。

B.9.2

評価  加熱管を次によって,評価する。

a

)

色標準コード色板を用いて,次によって評価し,記録する。

1

)

たい積物の最も多い部分(色の濃い部分)と色標準コード色板を比較し,一致すればその色標準コ

ード番号を記録する。

2

)

隣り合っている二つの標準色の中間にあるときは数値の大きい方の色標準コード番号に“未満”を

付け,記録する。

b

)

色標準コード番号のいずれにも相当しないたい積物が認められた場合は,次によって評価し,記録す

る。

1

)

たい積物にくじゃく模様がある場合は,

“P”と記録する。

なお,たい積物の一部でも色標準コードに相当する部分があるときは,その色標準コード番号も

記録する。

2

)

たい積物に“異常”の色(青,灰色など)がある場合には,

“A”と記録する。

なお,たい積物の一部でも色標準コードに相当する部分があるときは,その色標準コード番号も

記録する。

c

)

評価した加熱管を取り除き,元の収納管に戻す。

B.10

精度  精度については,規定しない。

面積が 2.5mm

2

の形状別―例

a)

四角形

b)

円形

c)

線状(幅が 0.8mm 以上)


81

K 2276

:2003

B.11

試験結果の報告  B.9.2 で得られた結果を,報告する。

参考  加熱管の評価の例を次に示す。

1.  加熱管が,色標準コード番号の 2 及び 3 の間に最大のたい積物をもち,その他の色はも

たない。

評価結果の表示:    3 未満

2.    加熱管の最も濃い色のたい積物は,色標準 3 に相当するが,ほかにくじゃく模様のたい

積物もある。

評価結果の表示:    3P

3.  加熱管が色標準 1 に相当するたい積物をもち,かつ,異常なたい積物をもっている。

評価結果の表示:    1A


82

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附属書 C(参考)校正器及び熱電対の保守

序文  この附属書は,校正器と熱電対の保守について参考として記述するものであり,規格の一部ではな

い。

C.1

校正用金属の交換

a

)

温度校正用加熱管の受器の金属は,その量が最小量以下になったり又は汚染された場合は取り替える。

備考  溶融金属を冷却していくとき,温度が凝固点に達したとき 3 秒間以上静止しない場合は,金属

が汚染されている。

b

)

金属を取り除くためには,上部固定冷却部及び下部浮動冷却部に温度校正用加熱管を逆さにして取り

付ける。

c

)

金属を受けるために,受器の下に紙又は布を敷く。

d

)

温度校正用加熱管に通常の校正と同様に電源のスイッチを入れ,同時にすべての金属が落ちるまで受

器を軽くたたく。

e

)

温度校正用加熱管を真っすぐに立て,新しい金属を充てんする。1 回のすずの正しい分量は約 1.6 g±

0.5 g

,鉛の場合は約 5.5 g±1.0 g である。

C.2

熱電対の交換及び位置調節方法

a

) JFTOT

加熱管の温度を測定し,また,調節するために用いる熱電対は,絶縁環の摩耗及びその他の損

傷に対応するため,ときどき交換する。

b

)

簡単なプラグイン式でない熱電対の場合は,熱電対止め金具,支持クランプ及び加熱管温度調節器の

裏側にある熱電対接端子を緩め,熱電対を取り外す。

c

)

古い熱電対を取り外すために用いた手順を逆にして,新しい熱電対を取り付ける。ねじを元に戻し,

締め付ける。熱電対の六角ねじを締めるとき,熱電対の先端は上部固定冷却部の上面と一致させたう

えで,熱電対位置指針を基準線に合わせる。

d

)

実際の試験操作条件で,熱電対に適切な指標が付いているか確認する。

C.3

加熱管温度分布の測定方法  加熱管の温度分布が必要ならば,試験開始 1 時間経過後又は十分な圧力

差が生じる前に測定を行う。このほかは使用する JFTOT 型式に応じ,それぞれの製造業者の取扱説明書に

従う。


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K 2276

:2003

附属書 1(規定)水分離指数試験器検査に使用する標準油用基油の調製方法

1.

適用範囲  この附属書は,JIS K 2209 の灯油形航空タービン燃料油,又は広沸点範囲形航空タービン

燃料油を原料油とし,粒状酸性白土を詰めたろ過器に一定流量で通して,水分離指数が 100 の標準油用基

油を調製する方法について規定する。

参考1.  マイクロセパロメータには灯油形航空タービン燃料油又は広沸点範囲形航空タービン燃料油

を原料油として使用する。

2.

ウォータセパロメータには,灯油形航空タービン燃科油を原料油として使用する。

2.

原料油の採取  原料油の採取は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法又はそれに準じた方法に

よる。

3.

試薬  試薬は,次による。

a

)

酸性白土  粒度 250∼500

µm の焼成品で,使用前に乾燥したもの。

参考  粒度 250∼500

µm は,30∼60 メッシュに相当する。

4.

器具  器具は,次による。

a

)

ろ過器  内径約 60 mm,充てん部の長さ約 1 m のもので,下部に粗いろ過板を付け,底部に孔径約 4 mm

のふっ素樹脂製ストップコックを付けたもの。

b

)

サイホン  長さ約 1 m,内径 5∼10 mm のガラス管を用い,吸引側の長さを 380∼400 mm,吐出側の

長さを 450∼500 mm にし,U 字形に曲げる。吸引側の先端は 45 度の角度に切り,吐出側の先端は約

20 mm

だけ直角に曲げておく。

c

)

試料容器  容量約 20 L の缶を用いる。

d

)

受け器  容量約 20 L の缶で,内面をエポキシ樹脂で被覆したものを,ろ液(標準油用基油)専用にす

る。

e

)

漏斗  出口径 10∼20 mm のもの。

f

)

ガラスウール  JIS K 8251 に規定するもの。

5.

器具の準備  器具の準備は,次による。

a

)

メスシリンダに酸性白土 500 mL を軽くたたきながらはかり採る。

b

)

垂直に設置した清浄なろ過器頂部に漏斗を置き,ストップコックを全開する。酸性白土の入ったメス

シリンダを漏斗の中に素早く垂直に倒立し,酸性自土がろ過器内中央部に落下するように漏斗の位置

を調節する。漏斗を外し,ろ過器側面を軽くたたいて酸性白土層を均一にする。

c

)

こぶし大のガラスウールを酸性白土層上面に詰める。

6.

調製の手順  調製の手順は,次による。

a

)

原料油の入った試料容器の口の高さを,ろ過器頂部と同じ高さになるように設置し試料容器の口の反


84

K 2276

:2003

対側を 20∼30 mm 高くする。試料容器の口ぶたを取り,サイホンの吸引側を試料容器に,吐出側をろ

過器に入れる。

b

)

ろ過器の下にビーカー2L を置き,ストップコックを全開し,ろ過を始める。

備考  酸性白土層が均一であれば,原料油は水平に降下していくように見え,気泡も発生しない。原

料油の降下面が 45 度以上傾いていたり,気泡が多数発生する場合は,器具の準備からやり直す。

c

)

ろ液がビーカーに流出し始めたら,直ちにメスシリンダを用いて 1 分又は 2 分間隔で流量を測定し,

流量が 50∼55 mL/min になるようにストップコックを調節する。

d

)

ろ液が 1 L 以上流出したらビーカーを受け器に替え,ろ過器の出口が受け器の中へ約 10 mm 入るよう

にする。

備考  ろ液は引火のおそれがあるので,ろ過器出口と受け器の口との間をアルミニウムはくで囲い,

受け器を接地する。また,ろ過操作開始前に受け器及びろ過器を乾燥窒素雰囲気にしておく。

e

)

ろ過器の液面が酸性白土層上面と同じ高さになったとき,ストップコックを閉じ,受け器を外し,ふ

たをする。

備考 50∼55 mL/min でろ過すれば,6∼6.5 時間でろ液約 20 L が得られる。

f

)

ろ液を長期間保存する場合は,受け器に乾燥窒素を封入しておく。

7.

標準油用基油の判定  ろ液を次の a)  又は b)  によって試験し,結果が 97∼100 の範囲内にある場合は,

これを標準油用基油とする。この範囲を外れた場合は再試験する。

もし,再試験しても外れる場合は再度調製し直す。

a

)

マイクロセパロメータ用標準油用基油は,本体の 16.による。

b

)

ウォータセパロメータ用標準油用基油は,

附属書 による。


85

K 2276

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附属書 2(規定)水分離指数試験器(マイクロセパロメータ法)

の標準油による検査方法

1.

適用範囲  この附属書は,標準油を用いてマイクロセパロメータ(以下,MSEP という。)の性能を検

査する方法について規定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a

)

標準油用基油  灯油形航空タービン燃料油,又は広沸点範囲形航空タービン燃料油を附属書 によっ

て調製したもの。

b

)

分散剤  乾燥したスルホこはく酸ビス-2-エチルヘキシルナトリウム 100 mg を JIS K 8680 に規定する

トルエン 100 mL に完全に溶かしたもの。

c

)

注射器  容量 1 mL の注射筒に長さ 300 mm,内径 0.3 mm の注射針を付けたもの。

3.

検査の準備  本体の 16.4 によって行う。

4.

標準油の調製  標準油の調製方法は,次による。

a

)

標準油用基油 1 000 mL をはかり採り,試料容器に入れる。標準油用基油の種類  (

1

) 

に応じて

附属書 2

表 に従い分散剤を注射器で添加・混合し,24 時間放置後,試料を捨てる  (

2

)

注(

1

)

標準油用基油は,試料と同じ種類のものを用いる。

(

2

)

新しい試料容器は,その表面に分散剤が吸着し試験結果に誤差を生じるおそれがあるためであ

る。

b

)  a)

の試料容器に,再び標準油用基油 1 000 mL を正確にはかり採り,

附属書 表 に従い分散剤を注射

器で注入し混合する。

附属書   1  標準油の分散剤添加量及び水分離指数  (MSEP)

灯油形 
航空タービン燃料油の MSEP

広沸点範囲形 
航空タービン燃料油の MSEP

許容範囲

許容範囲

分散剤添加量

mL/L

標準値

最小値

最大値

標準値

最小値

最大値

0

99 97 100 99 93 100

0.2

89 82 94 88 83 93

0.4

80 69 88 81 76 86

0.6

72 59 83 74 69 79

0.8

65 51 77 69 64 74

1.0

− 64 59 69

1.2

− 60 55 65

5.

標準油による水分離指数の測定  調製した標準油を用いて本体の 16.5 の操作を行い標準油の水分離指

数を測定する。この操作を 2 回以上行う。


86

K 2276

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6.

検査の判定  6.の検査結果がいずれも附属書 表 の許容範囲内であれば,マイクロセパロメータは

正常な状態である。

7.

精度  MSEP 法水分離指数試験器で灯油形航空タービン燃料油の標準油を試験したときの試験結果の

許容差(確率 0.95)は,次による。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 によって処理する。

a)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一標準油を 2 回

試験したとき,試験結果の差の許容差を

附属書 図 に示す。

b)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で同一標準油をそれぞれ 1 回ずつ試験した

とき,2 個の試験結果の差の許容差を

附属書 図 に示す。

附属書   1  MSEP 法水分離指数の標準油精度

(灯油形航空タービン燃料油)


87

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附属書 3(参考)水分離指数試験方法(ウォータセパロメータ法)

序文  この附属書は,ウォータセパロメータ法によって水分離指数を求める方法を参考として述べるもの

で,規定の一部ではない。

1.

適用範囲  この附属書は,ウォータセパロメータ法によって JIS K 2209 航空タービン燃料の水分離指

数を求める方法について適用する。

2.

試験の原理  ウォータセパロメータを用い試料 2 L に水 2 mL を均一に乳化させ,これをコアレッサー

ディスクを内蔵したセルに通し,水を沈降分離させた後,光を透過させ,その透過した光の強さを濁度指

示計の読みに変換してウォータセパロメータ法(以下,WSIM 法という。

)による水分離指数を求める。

なお,濁度指示計は,乳化させる前の試料を透過した光の強さが示度 100 になるように調整しておく。

参考 WSIM は,Water Separation Index Modefied の略である。

3.

試薬  試薬は,次による。

a

)

洗浄用溶剤  界面活性剤が添加されてなく,水分離指数が 98∼100 を示す灯油又は附属書 に従って

調製した標準油用基油。

b

)  2-

プロパノール  JIS K 8839 に規定するもの。

c

)

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

4.

試験器  試験器は,次による。

a

)

ウォータセパロメータ  附属書 図 に示すもので,この試験器は,乳化調製弁,コアレッサーセル,

水分離室及び濁度指示計からなり,ウォータセパロメータの検査方法は

附属書 3A による。

なお,試験器の系統を

附属書 図 に示し,各部機能を 1)∼6)  に示す。

参考  この試験器は,ASTM 及び CRC によって認定された米国 Emcee Electronics 社製のものがある。


88

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附属書 図 1  ウォータセパロメータ(外観図)

附属書 図 2  ウォータセパロメータ(系統図)

タンク              ⑪  乳化調製弁

圧力計              ⑫  流量調製弁

流量計              ⑬  コアレッサーセル

濁度指示計          ⑭  水分離室

濁度計調節つまみ    ⑮  パージ弁

温度計              ⑯  冷却水出口

ポンプスイッチ      ⑰  冷却水入口

ヒューズ            ⑱  窒素ガス入口

電源スイッチ        ⑲  試料排出口

パイロットランプ    ⑳  電源コード


89

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1

)

ポンプ  (

1

)

及び流量調節弁  タンク内の試料は,自重でポンプ入口に流れポンプ出口の圧力は,過

剰な試料をタンクに還流する圧力調節器によって一定に維持される。圧力調節器から他の系への流

れは,流量調節弁によって制御される。

タンクに還流する試料は,ポンプを通過するときに熱せられているので,タンク内の試料温度を

一定 (24∼27  ℃)  に保つため,冷却用の水を通すコイルが設けられている。

注(

1

)

ポンプ能力は,流量調節弁,乳化調製弁及びパージ弁を閉じて還流量を測定したとき,圧力

計の指針が 100 目盛で 1 分間に 415±15 mL とする。

なお,これは定期的(例えば,試験を 100 回行うごと)に点検しなければならない。

2

)

乳化調製弁  この弁は,乳化液を調製する際及び流量調節弁を閉じているときだけ開く。この間,

圧力調節器は働かないから,圧力の調節は乳化調製弁を操作して行う。

3

)

コアレッサーセル及び水分離室  コアレッサーセルは,流量調節弁からの乳化液の水を一部凝集す

る。凝集した水は,次の水分離室で沈降分離する。

4

)

濁度計  試料は,水分離室から上方へ流れ濁度室に入る。ここで一定の強さの光が試料を通って,

光電池まで透過する。透過光の強さは,試料の水滴による散乱又は吸収割合に応じて変動し,電流

値に変換されてパネル前面の濁度指示計に表示される。

5

)

流量計  試料は,濁度室から流量計へ流れ,ここで流速が測定される。次に,試料排出口を通って

試験器外の排油受けへ流出する。

6

)

パージ弁  キャビネット左側面にあるパージ弁は,試験に際し,圧力計の系内を洗浄するときにだ

け開き,それ以外のときは閉じておく。

b

)

注射器  容量 2 mL の注射筒に長さ約 300 mm,内径 0.3 mm の注射針を付けたもの。

c

)

コアレッサーディスク  粗・密一組とするガラス繊維製コアレッサーディスクで,試験ごとに新しい

ものを用いる。

参考  このコアレッサーディスクには Emcee Electronics 社製のものがある。

5.

試験器の準備  試験器の準備は,次による。

a

)

流量計の補正  流量計の補正は,次による。

1

)

系内の残油を b3)  の操作に従って抜き取る。

2

)

乳化調製弁が閉じていることを確認した後,試料 250 mL をタンクに入れ,ポンプを始動して 1 分

間循環する。次いで,b3)  に従って系内の残油を抜き取る。

3

) 21

∼27  ℃の試料 600 mL をタンクに入れ,ポンプを始動し,乳化調製弁を閉じたままで 1 分間循環

する。

4

)

ジャンパーライン(プラスチック製チューブ,

附属書 図 参照)を接続し,乳化調製弁を開いて

圧力計の指針を 20∼30 目盛に調節する。次に流量調節弁を開き,試料を通して系内の空気を追い出

す。ジャンパーラインに大きな泡が見えなくなったら乳化調製弁を閉じ,引き続き系内の空気を追

い出す。

5

)

流量調節弁を調整し,流量計の読みを約 20 に合わせ,その読みを正確に記録する。直ちに試料排出

口にメスシリンダを置いて,試料 100 mL が流出する時間(秒)を測定する。同様にして,流量計

の読み値 16 及び 24 付近で流出時間を測定し,ポンプを止める。

6

)

試料  100 mL の流出時間に対する流量計の読みを方眼紙にプロットし,両者の間の直線関係を求め


90

K 2276

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る。

7

) 40

秒間で試料  100 mL が流出する流量計の読みを求める。

b

)

試験器の洗浄  試験終了後又は流量計補正後,次の順序で試験器を洗浄する  (

2

)

注(

2

)

試料によっては,タンク及び排油部分に静電気が起こって引火,爆発の危険がある。

引火,爆発を防ぐには,タンク及び排油部分を窒素で満たすとよい。試験器には,タンクの

静電気による危険防止のため,窒素の配管がある。

1

)  2-

プロパノールによる洗浄  この洗浄は,試験器に付着している水及び界面活性剤を取り除くため

に行う。

1.1

)  3)

に従って系内の残油を抜き取り,2-プロパノール約 200 mL をタンクに入れる。

さらに,洗浄瓶を用いて 2-プロパノール約 50 mL で,タンクの全内壁を洗い落とす。

1.2

)

すべてのバルブを閉じたままでポンプを始動し,

還流配管に 2-プロパノールを 2 分間循環させる。

1.3

)

圧力計の指針が 80 目盛になるまで乳化調製弁を開き,2-プロパノールを 2 分間循環させる。

1.4

)

乳化調製弁を閉じ,上昇した圧力計の指針が再び 80 目盛になるように,パージ弁を 5 秒間開く。

1.5

)

パージ弁を閉じ,ポンプを止めた後,3)  に従って系内の残油を抜き取る。この操作を更に 3 回(合

計 4 回)繰り返す。

2

)

洗浄用溶剤を用いる洗浄  この洗浄は,1)  の 2-プロパノールを取り除くために行う。洗浄用溶剤を

用いて,1)  と同じ操作を 4 回行い,系内を十分に洗浄し,3)  に従って系内の残油を抜き取る。た

だし,洗浄終了後試験器を停止させておく場合は,31.1)  の操作を行い,洗浄用溶剤がタンクから

ほぼ空になる程度まで排出し,流量調節弁を閉じ,流量調節弁までの系内を洗浄用溶剤で満たした

ままポンプを止める。ジャンパーラインを外し,水分離室の残油を抜き取り,試料排出口に減圧装

置を接続し,流量計などの出口配管の残油を排出する。

3

)

残油の抜取り  この操作は,試験器内の残油を取り除くために行うもので,試験終了時,各洗浄時

及び試験開始時ごとに残油を抜き取る。この際,圧力計系統内を排出系内の油で汚染しないように

次の手順に従って行う。

3.1

)

コアレッサーセルの代わりにジャンパーラインを付けた後,流量調節弁を全開し,ポンプを始動

する。

3.2

)

大きな泡がジャンパーラインに見え始めたとき,ポンプを止め  (

3

)

,ジャンパーラインを外し,水

分離室の残油を抜き取る。

注(

3

)

系内が空になった後もポンプを動かし続けると,ポンプが摩耗するおそれがあるから注意す

る。

3.3

)

試料排出口に減圧装置を接続して系内の残油を吸引排出し,次にパージ弁を全開し,圧力計洗浄

配管の残油を排出する。

3.4

)

系内が空になったならば(吸引開始後約 30 秒)

,水分離室の入口をふさぎ,ドレインコックを閉

じて,吸引が直接圧力計系統にかかるようにする。次いで,ポンプを 5 秒間動かし,更に残油を

排出する。

3.5

)

最後に乳化調製弁を 2 回開閉した後,すべての弁を閉じ,減圧装置を外す  (

4

)

注(

4

)

この後,系内を再び液で満たす場合は,ポンプを始動して直ちにパージ弁を開き,少量の

液を試料排出口から流出させて,圧力計洗浄配管の空気を追い出す。

c

)

コアレッサーセルの準備  コアレッサーセルを分解し,その各部にアセトンを注ぎながら洗浄した後,

十分に乾燥する。コアレッサーのねじ穴にアセトンが残っている場合は,減圧装置で吸引して除く。


91

K 2276

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新しいコアレッサーディスクを

附属書 図 のようにセルに入れて組み立て,これを試験器に組み込

む。

附属書 図 3  コアレッサーセル

6.

試料の採取及び準備  試料の採取及び準備は,次による。

a

)

試料採取及び調製  試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料採取方法及び二次試料調製方法,

又はそれに準じた方法による。

b

)

試料の準備  試料に微小な固形異物が混入している場合は,静置して異物を沈降させた後,試験に用

いる  (

5

)

なお,コアレッサーセルが詰まった場合には,そのコアレッサーディスクを捨て 5. c)  に従って準備

した新しいコアレッサーセルを用い,新しい試料で試験をやり直す。

注(

5

)

いかなる場合も,試料をろ紙などでろ過してはならない。試料をろ過すると,ろ紙に界面活性

剤などが吸着され正しい水分離指数が得られないことがある。

7.

試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)

試験器の暖機  電源スイッチを入れて 15 分間以上放置し,試験器を安定状態にする。

b

)

試験器の試料による洗浄及び調整  次によって行う。

1

)

試料 350±5 mL をタンクに入れてポンプを始動し,圧力計の指針が 80 目盛になるまで乳化調製弁

を開き,5 秒間循環する。

2

)

乳化調製弁を閉じ,流量調節弁を開いて系内を試料で満たす。流量調節弁を連続して数回開閉し,

系内の泡をできるだけ追い出す。

3

)

パージ弁を 3 秒間全開した後,閉じる。すべての弁を閉じて圧力計の指針が 100 目盛にならないと

きは,圧力調節器で 100 目盛に調整する。

4

)

流量計の読みが 5. a)  で補正した読み (100 mL/40 s) になるまで流量調節弁を開き,試料排出口にメ

スシリンダを置いて,試料 100 mL の流出時間が 40±0.8 秒であることを確認する  (

6

)

注(

6

)

流出時間が 40 秒±0.8 秒を外れている場合は,次の 5)  の操作の際に流量調節弁で調節し,再

び検査を行う。もし,それでも流出時間を調節できない場合は,コアレッサーディスクを捨

て,再び 5. a)  以降の操作を繰り返す。


92

K 2276

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5

)

試料 250±5 mL をタンクに入れて,2 回目の洗浄を行う。この間,濁度計調節つまみで濁度指示計

の読みを 100 に調整する  (

7

)

注(

7

)

電球の光が不安定になったり,濁度指示計の指示が不安定になった場合には,新しい電球と

取り替える。

なお,光源可変抵抗器又は電球のソケットの腐食が原因となるような場合もあるが,この

ときには研磨紙で接触部分を磨くとよい。

6

)

タンクがほぼ空になったときポンプを止め,流量調節弁を閉じる。

c

)

試料の乳化調製  試料の乳化調製は,次による。

1

)

試料 2 L をタンクに入れてポンプを始動し,圧力計の指針が 80 目盛になるまで乳化調製弁を開く。

2

)

注射器で水 2 mL を,タンク底にある配管の入口(

附属書 図 参照)に 60±15 秒間かけて均一の

速さで直接注入し,タンクにふたをする。

3

)

水の注入開始時刻を記録し,注入開始から 5 分間試料を循環させて混合する。この間,圧力計の指

針は 78∼82 目盛に保つ。

d

)

測定  c)  3)  を 5 分間継続後,直ちに乳化調製弁を閉じ,流量調節弁を開いて乳化試料を 150 mL/min

の流速で系内に流す。試料が 1.2 L 通過するまで 2 分間隔で濁度指示計の読みを 4 回記録する。

この操作の間,タンク内の試料温度を 24∼27  ℃に保つ  (

8

)

注(

8

)

冷却(又は加熱)の必要があれば,試験温度より少し低め(又は高め)の温度の水道水を用い,

極端な温度差にならないように注意する。

e

)

結果  コアレッサーセルに乳化試料を通し始めてから 8 分間後(4 回目)に得た濁度指示計の読みを

記録する。

8.

精度  WSIM 法水分離指数試験によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次による。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a

)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を 2 回試

験したとき,試験結果の差の許容差を

附属書 図 に示す。

b

)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験したと

き,2 個の試験結果の差の許容差を

附属書 図 に示す。

附属書 図 4  WSIM 法水分離指数の精度


93

K 2276

:2003

9.

試験結果の報告  試験結果に,次の事項を記載する。

a

)

試料名,試料採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 7. e)  で得られた結果に“WSIM”を付記する。

d

)

特記事項


94

K 2276

:2003

附属書 3A(参考)水分離指数試験器(ウォータセパロメータ法)

の標準油による検査方法

序文  この附属書は,ウォータセパロメータの性能を検査する方法を参考として述べるもので,規定の一

部ではない。

1.

適用範囲  この附属書は,標準油を用いてウォータセパロメータ(以下,WSIM 法という。)の性能を

検査する方法について適用する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a

)

標準油用基油  JIS K 2209 の灯油形航空タービン燃料油を,附属書 によって調製したもの。

b

)

分散剤  乾燥したスルホこはく酸ビス-2-エチルヘキシルナトリウム 100 mg を,JIS K 8680 に規定す

るトルエン 100 mL に完全に溶かしたもの。

c

)

注射器  容量 1 mL の注射筒に長さ 300 mm,内径 0.3 mm の注射針を付けたもの。

3.

検査の準備  附属書 の 5.7. b)までの操作を行い,次の項の操作に移る。

なお,この場合,

附属書 の 7. b)の試料は標準油用基油とする。

4.

標準油の調製  標準油の調製方法は,次による。

a

)

標準油用基油 2 500 mL を正確にはかり採り,試験器のタンクに入れる。ポンプを始動し,圧力計の指

針が 80 目盛になるまで乳化調製弁を開く。

なお,分散剤を添加する間,圧力計の指針を 78∼82 目盛の間に保つ。

b

)

附属書 3A 表 に従って,分散剤を注射器でタンクの底にある配管の入口(附属書 図 参照)に注

入する。

参考  他の容器で分散剤を混合してはならない。

附属書 3A 表 1  標準油の水分離指数及び分散剤の注入要領

標準油の水分離指数

(WSIM)

分散剤の注入要領

許容範囲

標準値

最小値

最大値

分散剤添加量

mL/L

分散剤注入量

mL/2 500 mL

分散剤注入時間

99 97  100

0

0

89 82  94

0.2

0.5

30

以上

80 69  88

0.4

1.0

60

以上

72 59  83

0.6

1.5

(

1

)

65 51  77

0.8

2.0

(

1

) 120

以上

注(

1

)

規定量の分散剤を添加するため,各試験につき 2 回に分けて注入する。

c

)

分散剤の注入開始時刻を記録し,注入開始から 15 分間,循環,混合して標準油とする。


95

K 2276

:2003

5.

標準油による洗浄  この操作は,試験器系内を標準油で標準化するために行うもので,次の手順に従

って厳密に行わなければならない。

a

)

乳化調製弁を閉じ,試料排出口にメスシリンダ 500 mL を置き,標準油が 250±5 mL 捕集されるまで

に,次の手順で 1 回目の洗浄を行う。

流量調節弁を開いて系内に標準油を流す。流量調節弁を数回開閉し,系内の気泡をできるだけ追い

出す。パージ弁を 3 秒間開いた後,閉じる。すべての弁を閉じても圧力計の指針が 100 目盛にならな

いときは,

圧力調節器で 100 目盛に調整する。

附属書 の 5. a)  で求めた流量計の読み  (100 mL/40 s)  に

流量調節弁を調節し,標準油の流出時間が 40±0.8 秒であることを確認する  (

2

)

。標準油が規定量捕集

されたら,直ちに流量調節弁を閉じる。

注(

2

)

流出時間が 40±0.8 秒を外れている場合,次の b)  の操作の際に流量調節弁を調節し,再検査を

行う。もし,それでも流出時間を調節できない場合は,再び 3.  検査の準備から操作を繰り返す。

b

)

流量調節弁を開き,標準油 250±5 mL による 2 回目の洗浄を行う。この間,濁度計調節つまみで濁度

指示計の読みを 100 に調節する。

6.

標準油による水分離指数の測定  タンク内の標準油 2 L をそのまま試料とし,附属書 の 7. d)以降

の操作を行い標準油の水分離指数を測定する。この操作を 2 回以上行う。

7.

検査の判定  6.  の検査結果がいずれも附属書 3A 表 の許容範囲内にあれば,ウォータセパロメータ

は正常な状態である。


96

K 2276

:2003

附属書 4(参考)爆発性試験方法

序文  この附属書 は,航空ガソリン及び航空タービン燃料油の爆発性を試験する方法を参考として示す

もので,規定の一部ではない。

1.

定義  この附属書 で用いる主な用語の定義は,次による。

a

)

爆発性  航空燃料が引火性混合気を生成する目安として用いられ,規定条件で発生する可燃性ガスの

濃度の,爆発下限界に対する割合。容量%で表す。

2.

試験の原理  52  ℃において,試料から発生する可燃性ガス及び空気の混合気を可燃性ガス検定器に通

し,混合気中の可燃性ガス濃度を爆発下限界に対する百分率で読み取り,試料の爆発性を求める。

なお,可燃性ガス検定器は,あらかじめ爆発下限界既知の炭化水素ガスで校正しておく。

3.

試薬  試薬は,次による。

a

)

炭化水素ガス  爆発下限界既知のもの。

参考  爆発下限界既知の炭化水素ガスには,次のものがある。

単位  容量%

炭化水素ガス

爆発下限界濃度

プロパン 2.1

ブタン 1.8

イソブタン 1.8

ペンタン 1.4

API Technical Data Book

−Petroleum Refining  Third Edition(1976).

CHAPTER 1

−General Data. 1Cl. Physical Constants of C

1

 to C

10

 Hydrocarbons.

  TABLE 1Cl.1−

Paraffins (US Units)

から引用。

4.

爆発性試験器  試験器は,附属書 図 に示すもので a)∼h)  からなる。

a

)

可燃性ガス検定器(以下,検定器という。)  熱線形のもので,可燃性ガスの濃度を爆発下限界に対す

る百分率で表した示度を備えたもの。

参考  検定器によっては,爆発下限界に対する百分率を% LEL(LEL は Lower Explosion Limit の略)

として表示したものもある。

b

)

ガス発生装置  附属書 図 に示すもので,次のものからなる。

1

)

温水容器  附属書 図 に示すもの。

2

)

試験容器  附属書 図 に示すもの。

なお,ゴム栓に差し込んだ温水導入管には短いゴム管をはめ,スクリューコックで締めておく。

3

)

温度計  JIS B 7410 に規定する温度計番号 35 (MP)  又は 42 (SG)  のもの。

c

)

熱水浴  試験容器を浸すことのできる適切な大きさで,水温を 65∼70  ℃に調節できるもの。

d

)

水浴  e)  の全量フラスコ及び 100 mL のメスシリンダを,浸すことのできる適切な深さのもの。

e

)

全量フラスコ  附属書 図 に示すもの。


97

K 2276

:2003

なお,ゴム栓に差し込んだ温水導入管及びガス排出管には短いゴム管をはめ,スクリューコックで

締めておく。

f

)

メスシリンダ  JIS R 3505 に規定するメスシリンダ 100 mL。

g

)

乾燥管  その一例を,附属書 図 に示す。

なお,乾燥管には JIS K 8124[塩化カルシウム(乾燥用)

(試薬)

]に規定する塩化カルシウムを入

れ,ガス排出管及び検定器に接統できるようにゴム管をはめておく。

h

)

空気送入器  ゴム製その他の適切なもの。

附属書 図 1  爆発性試験器(一例)

単位  mm


98

K 2276

:2003

附属書 図 2  温水容器

単位  mm

目盛


99

K 2276

:2003

附属書 図 3  試験容器

単位  mm

目盛


100

K 2276

:2003

附属書 図 4  全量フラスコ

単位  mm


101

K 2276

:2003

附属書 図 5  乾燥管(一例)

参考  図に示したものは一例であり,同一機能であれば別の形状・寸法でもよい。

5.

試料採取方法  試験用試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取及び二次試料の調製方法による

か,又はそれに準じた方法によって採取及び調製する。

採取後直ちに容量 2 L の試料瓶に移して,わずかに空間を残し密栓しておく。

6.

検定器の校正  検定器の校正は,次による。

a

)

爆発下限界の 50 %炭化水素ガスの調製  検定器の校正に先立ち,爆発下限界の 50%炭化水素ガスの

調製を行う。

1

)

炭化水素ガスと空気とを混合し,全量 2 L としたとき,爆発下限界の 50 %となる炭化水素ガスの量

を,次の式によって算出する。

V

=10×E

x

ここに,

V

:  全量 2 L としたときの爆発下限界の 50 %になる炭化水素の量

(mL)

E

x

:  炭化水素ガスの爆発下限界(容量%)

2

)

水約 500 mL を全量フラスコに入れ,ゴム栓などで口を閉じて水浴中に逆さに立てる。ゴム栓など

を外し,全量フラスコの標線を水浴の水面に合わせて保持器で垂直に保つ。

3

)

メスシリンダを水浴中に入れ,完全に水が入ったら逆さにして,1)  の炭化水素ガスの計算量に相当

するメスシリンダの目盛線が,水浴の水面と一致するように保持器で垂直に保つ。次いで,メスシ

リンダ中に炭化水素ガスを導入し,内部の水を置換して,メスシリンダ内の水面を水浴の水面と同

単位  mm


102

K 2276

:2003

一になるようにする。

4

)

メスシリンダを保持器から逆さのまま取り外し,その口を 2)  の全量フラスコの口に当てて,注意

しながらメスシリンダを倒し,メスシリンダ中のガスを完全に全量フラスコに移す  (

1

)

注(

1

)

全量フラスコには適切な漏斗を当てておくとよい。

5

)

空気送入器で空気を徐々に全量フラスコに導入し,全量フラスコ内の水面が水浴の水面とが標線で

同一になるようにする。

6

)

全量フラスコに 4. e)  のゴム栓を取り付けてから水浴中から取り出し,数回上下を逆さにする。

b

)

検定器の校正手順  a5)  で調製した爆発下限界 50 %炭化水素ガスを用いて行う。

1

)

温水容器に水を約 1/2 量入れ,4. b)  のゴム栓をした後,温水排出管を全量フラスコの温水導入管に

連結する。

2

)

全量フラスコのガス排出管を乾燥管の一端に,乾燥管の他端を検定器に連結する。

なお,検定器は前もって可燃性ガスを含まない空気を送っている状態で,指針をゼロに合わせて

おく。

3

)

空気送入器を温水容器の空気導入管に連結し,全量フラスコと乾燥管の中間のスクリューコックを

緩めて空気を徐々に圧入しながら,温水容器と全量フラスコの中間のスクリューコックを徐々に緩

め,温水容器中の水が 20 秒間に約 500 mL の均一な割合で流れるように調節する  (

2

)

。次いで,検

定器の示度が一定になったところを読み取り,記録する。

注(

2

)

空気送入器と温水容器の中間に空気流量調節器を設置し,温水容器からの水の流量を調節し

てもよい。

7.

試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)

試料瓶から試験容器に約 1/2 量の試料を移し,4. b)  のゴム栓をはめる。

なお,ガス排出管の通気孔はゴム栓の中に入れ,通気しない状態にしておく。次いで,65∼70  ℃に

保った熱水浴中に,試料の液面が熱水浴の液面より下にくるように試験容器を浸し,時々試験容器を

振り混ぜて試料温度が均一になるようにする。

試料温度が約 52  ℃になったら(約 5 分間かかる。

)試験容器を取り出し,5 分間激しく振とうする。

振とう中に試料温度が下がるので時々熱水浴中に戻し,試料温度を 52  ℃±1  ℃に保つようにする。

b

)

温水容器に約 52  ℃の温水を約 1/2 量入れ,試験容器の振とうが終わったら直ちに

附属書 図 のよ

うに両者を連結する。

c

)

試験容器のガス排出管を

附属書 図 のようにつなぎ,ガス排出管を押し下げて通気孔を試料ガス中

に出す。

なお,検定器はあらかじめ可燃性ガスを含まない空気を送っている状態で,指針をゼロに合わせて

おく。

d

)

温水容器に空気送入器で空気を徐々に送りながら,スクリューコックを徐々に緩めて,温水容器中の

温水が試験容器へ 20 秒間に約 500 mL の均一な割合で流れるように調節する  (

2

) (

3

)

検定器の示度が一定になったら試料ガスの送入を止め,その示度を記録する。

注(

3

)

検定器には,試料が液状で入らないように注意しなければならない。

8.

計算方法  爆発性は,次の式によって容量%で算出し,JIS Z 8401 の規定によって丸めの幅 1 に丸め

て試験結果とする。


103

K 2276

:2003

B

A

E

×

=

50

ここに,

E

爆発性

 (%)

A

検定器の校正を行ったときの検定器の示度

 (%)

B

試料の測定を行ったときの検定器の示度

 (%)

9.

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

a

)

試料名,採取場所及び採取年月日

b

)

この規格の番号:JIS K 2276

c

)

試験項目名又はその略称,及び 8.  によって得られた結果

d

)

特記事項

付表 1  引用規格

JIS B 2401

O

リング

JIS B 7410

  石油類試験用ガラス製温度計

JIS K 0113

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

JIS K 0115

  吸光光度分析通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

備考

ISO 3696 

: 1987

Water for analytical use

Specification and test methods

からの引用事項は,こ

の規格の該当事項と同等である。

JIS K 1101

  酸素

JIS K 1107

  高純度窒素

JIS K 2206

  航空ガソリン

JIS K 2209

  航空タービン燃料油

JIS K 2249

  原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表

備考

JIS K 2249 

: 1995

は,次の国際規格の各項目とそれぞれ同等である。

ISO 3675 

: 1998

Crude petoroleum and liquid petoroleum products

Laboratory determination of

density

Hydrometer method.

ISO 12185 

: 1996

Crude petoroleum and liquid petoroleum products

Determination of density

Oscillating U-tube method.

JIS K 2251

  原油及び石油製品−試料採取方法

備考

ISO 3170 

: 1988

Petroleum liquids

Manual sampling

からの引用事項は,この規格の該当事項

と同等である。

JIS K 2254

  石油製品−蒸留試験方法

JIS K 2261

  石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法

JIS K 2280

  石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法

JIS K 2287

  ガソリン−酸化安定度試験方法−誘導期間法

JIS K 2513

  石油製品−銅板腐食試験方法

JIS K 2536

  石油製品−成分試験方法

JIS K 2537

  石油製品−灯油及び航空タービン燃料油−煙点試験方法


104

K 2276

:2003

JIS K 2839

  石油類試験用ガラス器具

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8088

  硫黄(試薬)

JIS K 8090

  酸化鉛

 (II)

(試薬)

JIS K 8101

  エタノール

 (99.5)

(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8251

  ガラスウール(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)

JIS K 8371

  酢酸ナトリウム三水和物(試薬)

JIS K 8372

  酢酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8374

  酢酸鉛

 (II)

三水和物(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8593

  石油エーテル(試薬)

JIS K 8622

  炭酸水素ナトリウム(試薬)

JIS K 8625

  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8637

  チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)

JIS K 8659

  でんぷん(溶性)

(試薬)

JIS K 8680

  トルエン(試薬)

JIS K 8693

p-

ナフトールベンゼイン(試薬)

JIS K 8799

  フェノールフタレイン(試薬)

JIS K 8839

2-

プロパノール(試薬)

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS K 8913

  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8949

  硫化ナトリウム九水和物(試薬)

JIS K 8987

  硫酸ナトリウム(試薬)

JIS K 9007

  りん酸二水素カリウム(試薬)

JIS K 9017

  りん酸水素二カリウム(試薬)

JIS K 9701

  ヘプタン(試薬)

JIS K 9703

2, 2, 4-

トリメチルペンタン(試薬)

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505

  ガラス製体積計

備考

ISO 385-1 

: 1984

Laboratory glassware

Burettes

Part 1 : General requirements

からの引用事項

は,この規格の該当事項と同等である。

JIS R 6001

  研削といし用研磨材の粒度

JIS R 6010

  研磨布紙用研磨材の粒度


105

K 2276

:2003

JIS R 6111

  人造研削材

JIS R 6251

  研磨布

JIS R 6252

  研磨紙

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8402-6

測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第

6

部:精確さに関する値の実用的

な使い方

JIS Z 8805

pH

測定用ガラス電極


106

K 2276

:2003

附属書 5(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 2276 : 2001

  石油製品−航空燃料油試験方法

ISO 3012 : 1999

  石油製品−軽質及び中質留出燃料中のチオール(メルカプタン)硫黄の測定−電位差滴定方法

ISO 3013 : 1997

  石油製品−航空燃料油の析出点試験方法

ISO 6249 : 1999

  石油製品−航空燃料油の熱安定度試験方法−JFTOT 法

ISO 6250 : 1997

  石油製品−航空燃料油の水溶解度試験方法

ISO 6297 : 1997

  石油製品−航空燃料油の導電率試験方法

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V)  JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

(II)

国際規格
番号

項目
番号

内容

項目ごと
の評価

技術的差異の内容

1.

適用範囲

本体 1.で規定

ISO 3012

1

中質留出燃料中の
チオール(メルカ

プタン)硫黄の測
定−電位差滴定方

IDT

航空燃料油

ISO 3013

1

航空燃料油の析出
点試験方法

IDT

ISO 6249

1

航空燃料油の熱安
定度試験方法

IDT

ISO 6250

1

航空燃料油の水溶

解度試験方法

IDT

ISO 6297

1

航空燃料油の導電
率試験方法

IDT

2.

引用規格

本体 2.で規定 
引用する JIS を規定

ISO 3012

2

ISO 3170,   

ISO 3171

ISO 3696 

MOD /

追加  ISO にない項目を追加した。

ISO 3013

2

ISO 3170

ISO 

3171

を規定 

MOD /

追加  ISO にない項目を追加した。

106

K 2276 : 2003


107

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

(II)

国際規格 
番号

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

2.

引用規格

本体 2.で規定 
引用する JIS を規定

ISO 6250 

ISO 385-1

ISO 

3170

ISO 3171

ISO 

3675

ISO 3696

ISO 12185

を規定 

MOD /

追加 ISO に な い 項 目 を 追 加 し

た。

ISO 6297 

ISO 3171

ASTM D 

4057

を規定 

MOD /

追加 ISO に な い 項 目 を 追 加 し

た。

3.

定義

本体 3.で規定

ISO 3013 

3

MOD

/

追加 ISO に な い 項 目 を 追 加 し

た。

ISO 3012 

ISO 6249 

JIS

の様式によって追加

ISO 6250 

ISO 6297 

4.

試験方法の種類

MOD/

追加 ISO では規定していない。

5.

外観試験方法

MOD/

追加 ISO では規定していない。

5.1

試験の原理

試験の原理を規定

5.2

試験器

試験容器

5.3

試料採取方法及び

調製方法

JIS K 2251

を規定

5.4

試験の手順

試験の手順を規定

5.5

試験結果の報告

報告事項を規定

6.

酸化安定度試験方法

MOD/

追加 ISO では規定していない。

6.1

試験の原理

試験の原理を規定

6.2

試薬

水,ガム溶剤,洗浄剤,酸素

6.3

酸化安定度試験器  酸化安定度試験器を規定

6.4

試料の採取方法及

び調製方法

JIS K 2251

を規定

107

K 2276 : 2003


108

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

(II)

国際規格 
番号

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

6.5

試験の準備

試験の準備を規定

6.6

試験の手順

試験の手順を規定

6.7

結果

潜在ガム量,沈殿量,全潜在
残さ量報告

6.8

精度

精度を規定

6.9

試験結果の報告

報告事項を規定

7.

析出点試験方法

ISO 3013 

7.1

試験の原理

試験の原理を規定   4

JIS

に同じ IDT

7.2

試薬及び材料

冷却剤,窒素,ガラスウール,

脱水剤

 5

JIS

に同じ IDT

7.3

析出点試験器

試験容器,ジュワー瓶,かき
混ぜ棒,防湿器,温度計,自

動試験器

 6

JIS

に同じ,ただし

自 動 試験 器 を 許容

していない

MOD /

追加 JIS は自動試験器を許容し

ている。

利 用 者 の利 便 を 考 慮 し て 追 加し
た。

7.4

試験器の準備

準備方法を規定  7

JIS

に同じ IDT

7.5

試料の採取方法及

び調製方法

JIS K 2251

を規定   8

JIS

に同じ IDT

7.6

試験の手順

試験の手順を規定   9

JIS

に同じ IDT

7.7

結果の表し方

析出点を 0.5  ℃の整数倍で表

す。

 10

JIS

に同じ IDT

7.8

精度

精度を規定

11

JIS

に同じ IDT

7.9

試験結果の報告

報告事項を規定  12

JIS

に同じ IDT

8.

水溶解度試験方法

ISO 6250 

8.1

試験の原理

試料 80 mL と緩衝液 20 mL と

を振り混ぜ容量変化,界面状
態,分離状態を評価する

 3

JIS

に同じ IDT

8.2

試薬

水,アセトン,洗浄溶剤,ガ

ラス器具洗浄剤,りん酸塩緩
衝液

 4

JIS

に同じ IDT

8.3

水溶解度試験器

メスシリンダ,時計を規定

JIS

に同じ IDT

108

K 2276 : 2003


109

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

(II)

国際規格 
番号

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

8.4

試料採取方法及び

調製方法

試料採取方法及び調製方法を
規定

 6

JIS

に同じ IDT

8.5

水溶解度試験器の

準備

メスシリンダの洗浄方法を規

 7

JIS

に同じ IDT

8.6

試験の手順

試験の手順を規定   8

JIS

に同じ IDT

8.7

結果

容量変化,界面状態,分離状
態を報告

 9

JIS

に同じ IDT

8.8

精度

精度を規定できないことを明

 10

JIS

に同じ IDT

8.9

試験結果の報告

報告事項を規定  11

JIS

に同じ IDT

9

酸価試験方法

MOD/

追加 ISO では規定していない。

9.1

試験の原理

試験の原理を規定

9.2

試薬 2-プロパノール,水,フェノ

ールフタレイン指示薬,ほか

9.3

酸価試験器

ビュレット,全量ピペット,

滴定用フラスコ

9.4

試料採取方法及び

調製方法

JIS K 2251

を規定

9.5

滴定用フラスコの

洗浄

滴定用フラスコの洗浄方法を
規定

9.6

試験の手順

試験の手順を規定

9.7

計算方法及び精度  計算方法及び精度を規定

9.8

試験結果の報告

報告事項を規定

10.

チオール(メルカプ

タン)硫黄分試験方法
(電位差滴定法)

ISO 3012 

10.1

試験の原理

試験の原理及び適用油種

3

JIS

に同じ IDT

109

K 2276 : 2003


110

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

(II)

国際規格 
番号

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

10.2

試薬

炭酸水素ナトリウム溶液ほか
を規定

 4

JIS

規定試薬・溶液

の ほ かに 酸 性 硫酸

カ ド ミウ ム 溶 液を
規定

MOD /

削除 酸性硫酸カドミウム溶液に

よる試料油の前処理を削除

した。

カドミウム化合物は有害で,労働
安全衛生法施行令の“特定化学物

質等”に該当する。

10.3

試験器

電位差計,電極,滴定スタン
ド,ビュレット,トールビー
カー,かき混ぜ機

 5

JIS

に同じ IDT

10.4

試験の準備

ガラス電極の準備,銀−硫化
銀電極の準備

 7

JIS

に同じ IDT

10.5

試料の採取方法及

び調製方法

JIS K 2251

を規定   6

JIS

に同じ IDT

10.6

試験の手順

試験の前処理及び操作を規定  8

JIS

に同じ

酸性硫酸カドミウム溶液に
よる試料油の前処理を削除

した。

カドミウム化合物は有害で,労働
安全衛生法施行令の“特定化学物

質等”に該当する。

MOD/

追加 滴定終点について追加

滴定曲線から終点の求め方につい
て JIS 方式で追加

計算方法(計算式)

10

JIS

に同じ IDT

10.7

計算方法及び精度

結果の丸めの幅  11

室内併行精度

12

室間再現精度

10.8

試験結果の報告

報告事項を規定  13

JIS

に同じ IDT

11.

ドクター試験方法

MOD

/

追加 ISO では規定していない。

11.1

試験の原理

試験の原理を規定

11.2

試薬

水,ドクター液,粉末硫黄

11.3

ドクター試験器

試験管

11.4

試料の採取方法及

び調製方法

JIS K 2251

を規定

11.5

試験の手順

手順を規定

1

10

K 2276 : 2003


111

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

(II)

国際規格 
番号

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

11.6

結果

陰性又は陽性で表す

MOD/

追加 ISO では規定していない。

11.7

試験結果の報告

報告事項を規定

12.

ル ミ ノ メ ー タ 数試

験方法

MOD/

追加 ISO では規定していない。

12.1

試験の原理

試験の原理を規定

12.2

試薬

2, 2, 4 -

トリメチルペンタン,

テトラリン,アセトンほか

12.3

ルミノメータ数試

験器

ルミノメータ試験器を規定

12.4

試料の採取及び調

製方法

JIS K 2251

を規定

12.5

試験器の準備

ランプの洗浄,灯心などの準

12.6

試験の手順

手順を規定

12.7

計算方法及び精度  計算方法及び精度を規定

12.8

試験結果の報告

報告事項を規定

13.

ナ フ タ レ ン 分 試験

方法(紫外吸分光光度

法)

MOD/

追加 ISO では規定していない。

13.1

試験の原理

試験の原理を規定

13.2

試薬

吸収スペクトル用溶剤

13.3

ナフタレン分試験

ナフタレン分試験器を規定

13.4

試料採取方法及び

調製方法

JIS K 2251

を規定

13.5

試験の手順

手順を規定

13.6

計算方法及び精度  計算方法及び精度を規定

111

K 2276 :2003


112

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

(II)

国際規格 
番号

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

13.7

試験結果の報告

報告事項を規定

MOD/

追加 ISO では規定していない。

14.

銀板腐食試験方法

MOD

/

追加 ISO では規定していない。

14.1

試験の原理

試験の原理を規定

14.2

試薬及びその他

銀板,洗浄用溶剤,研磨材,
研削材

14.3

銀板腐食試験器

銀板腐食試験器を規定

14.4

銀板腐食基準

銀板腐食分類表

14.5

試験の準備

銀板の研磨

14.6

試料採取方法及び

調製方法

JIS K 2251

を規定

14.7

試験の手順

手順を規定

14.8

試験結果及び精度  試験結果及び精度を規定

14.9

試験結果の報告

報告事項を規定

15.

熱 安 定 度 試 験 方法

(JFTOT 法)

ISO 6249 

15.1

試験の原理

試料の熱安定度を JFTOT 法で
評価する

 4

JIS

に同じ IDT

15.2

試薬及び器具

水,混合溶剤,試験フィルタ,
ガラス製通気管,色標準コー
ド色板など

 5

JIS

に同じ IDT

15.3

熱安定度試験器 JFTOT 試験器

6

JIS

に同じ IDT

15.4

試料採取方法及び

調製方法

JIS K 2251

を規定   7

JIS

に同じ IDT

15.5

試験の準備

加熱管保持部の洗浄と加熱管
の組立てほか

 8

JIS

に同じ IDT

15.6

校正及び標準化

熱電対,差圧セル,定量ポン

プなど

 9

JIS

に同じ IDT

15.7

試験の手順

試験の手順を規定   10

JIS

に同じ IDT

1

12

K 2276 : 2003


113

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

(II)

国際規格 
番号

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

15.8

結果

加熱管たい積物の評価,試験
フィルタ前後の圧力差

 11

JIS

に同じ IDT

15.9

精度

精度は規定できないことを明

 12

JIS

に同じ IDT

15.10

試験結果の報告  報告事項を規定  13

JIS

に同じ IDT

16.

水 分 離 指 数 試 験方

法(マイクロセパロメ

ータ法)

MOD/

追加 ISO では規定していない。

16.1

試験の原理

試験の原理を規定

16.2

試薬

16.3

試験器

マイクロセパロメータ,備品

16.4

試験器の準備

試験器の準備を規定

16.5

試料の採取及び調

製方法並びに試料の準

JIS K 2251

を規定

16.6

試験の手順

試験の手順を規定

16.7

精度

精度を規定

16.8

試験結果の報告

報告事項を規定

17.

微 粒 き ょ う 雑 物試

験方法(試験室ろ過法)

MOD/

追加 ISO では規定していない。

17.1

試験の原理

試験の原理を規定

17.2

試薬

ろ過 2-プロパノール,ろ過石

油エーテル

17.3

試験器

ろ過装置,フィルタほか

17.4

試験の準備

試験の準備を規定

17.5

試料採取方法及び

調製方法

JIS K 2251

を規定

11
3

K 2276 : 2003


114

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

(II)

国際規格 
番号

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

17.6

試験の手順

試験の手順を規定

17.7

計算方法

計算方法を規定

17.8

精度

精度を規定

17.9

試験結果の報告

報告事項を規定

18.

導電率試験方法

ISO 6297 

18.1

試験の原理

試料に浸した電極に電圧を印

加し,流れた電流を導電率と
して表す。

 4

JIS

に同じ IDT

18.2

試薬 2-プロパノール,トルエン

JIS

に同じ IDT

18.3

導電率試験器

ポータブル導電率計

6

JIS

に同じ MOD/削除  ポータブル導電率計だけ採

用。 
設備中のインライン型は,

JIS

で採用せず。

インライン型は,国内では使用さ
れていないので採用せず。

18.4

試験の準備

測定セルの洗浄,試験器の校
正,試料が帯電していないこ

とを規定

 8

JIS

に同じ IDT

18.5

試料採取方法及び

調製方法

JIS K 2251

を規定   7

JIS

に同じ IDT

18.6

試験の手順

試験の手順を規定   8

JIS

に同じ,試験の

準 備 をこ の 項 で規

MOD/

削除  ポータブル導電率計だけ採

用し設備中のインライン型
は,JIS で採用せず。

インライン型は,国内では使用さ
れていないので採用せず。

18.7

結果

導電率と油温を報告

9

JIS

に同じ IDT

18.8

精度

精度を規定

10

JIS

に同じ IDT

18.9

試験結果の報告

報告事項を規定  11

JIS

に同じ IDT

19.

水 素 含 有 量 推 定方

MOD/

追加  ISO では規定していない。

19.1

推定方法の原理

推定方法の原理を規定

1

14

K 2276 : 2003


115

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (II)

国際規格 
番号

(III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

19.2

密度,平均留出温

度及び芳香族分の測定

密度,平均留出温度及び芳香
族分の測定方法を規定

19.3

推定の手順

推定の手順を規定

19.4

精度

精度を規定

19.5

推定値の報告

報告事項を規定

20.

過 酸 化 物 価 試 験方

MOD/

追加  ISO では規定していない。

20.1

試験の原理

試験の原理を規定

20.2

試薬

水,酢酸溶液,よう化カリウ

ム溶液ほか

20.3

試験器

窒素ガス通気装置ほか

20.4

試料採取方法及び

調製方法

JIS K 2251

を規定

20.5

試験の手順

試験の手順を規定

20.6

計算方法

計算方法を規定

20.7

精度

精度を規定

20.8

試験結果の報告

報告事項を規定

附属書 A(規定) JFTOT 試験器を規定

ISO 6249 

Annex

A

JIS

に同じ IDT

附属書 B(規定) JFTOT 加熱管の目視評価法を

規定

ISO 6249 

Annex

B

JIS

に同じ MOD/変更 目視評価器の電球の位置を

市販試験器の実態に合わせ
変更。

附属書 C(参考) JFTOT 校正器及び熱電対の保

守を参考

ISO 6249 

Annex

C

JIS

に同じ IDT

附属書 1(規定)

水分離指数試験器検査に使用

する標準油用基油の調製方法

 

MOD/

追加 ISO では規定していない。

11
5

K 2276 : 2003


116

K 2276

:2003

(I) JIS

の規定 (II)

国際規格 
番号

(III)

国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V) JIS

と国際規格との技術的差異

の差異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

附属書 2(規定)

水分離指数試験器(マイクロ
セパロメータ法)の標準油に

よる検査方法

 

MOD/

追加 ISO では規定していない。

附属書 3(参考)

水分離指数試験方法(ウォー

タセパロメータ法)

 

参考のため評価対象外

附属書 3A(参考)

水分離指数試験器(ウォータ

セパロメータ法)の標準油に
よる検査方法

 

参考のため評価対象外

附属書 4(参考)

爆発性試験方法

 

参考のため評価対象外

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3012 : 1999 ; MOD, ISO 3013 : 1997 ; MOD, ISO 6249 : 1999 ; MOD, ISO 6250 : 1997 ; MOD, ISO 6297 : 1997 ; MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− IDT・・・・・・・・・・・・・・・  技術的差異がない。

− MOD/削除・・・・・・・・・  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

− MOD/追加・・・・・・・・・  国際規格になり規定項目又は規定内容を追加している。

− MOD/変更・・・・・・・・・  国際規格の規定内容を変更している。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は次のとおりである。

− MOD・・・・・・・・・・・・・・ 国際規格を修正している。

1

16

K 2276 : 2003