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K 2275-2

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

2

3

  試験の原理  

2

4

  試薬 

2

5

  試験器及び器具  

3

6

  試料の採取方法及び調製方法  

5

7

  試験の手順  

6

8

  計算方法  

8

9

  結果の表し方  

9

10

  精度  

9

11

  試験結果の報告  

10

附属書 A(規定)原油試料の取扱い  

11

附属書 B(規定)石油製品試料の取扱い  

13

附属書 JA(参考)試験方法の種類  

15

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

16


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,石油連盟(PAJ)から,工業標準原案を具し

て日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定し

た日本工業規格である。これによって,JIS K 2275:1996 は廃止され,その一部を分割して制定したこの規

格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS K 2275

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS K 2275-1

第 1 部:蒸留法

JIS K 2275-2

第 2 部:カールフィッシャー式容量滴定法

JIS K 2275-3

第 3 部:カールフィッシャー式電量滴定法

JIS K 2275-4

第 4 部:水素化物反応法


日本工業規格

JIS

 K

2275-2

:2015

原油及び石油製品−水分の求め方−

第 2 部:カールフィッシャー式容量滴定法

Crude petroleum and petroleum products-Determination of water-

Part 2: Potentiometric Karl Fischer titration method

序文 

この規格は,2000 年に第 1 版として発行された ISO 6296 及び 1997 年に第 1 版として発行された ISO 

10336

を基とし,国内の実情に合わせるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。

適用範囲 

この規格は,原油及び石油製品(ガソリン,灯油,軽油,A 重油,潤滑油基油など)に含まれる水分を

カールフィッシャー式容量滴定法によって求める方法について規定する。

この規格は,原油中に含まれているチオール及びスルフィドからの硫黄分が質量分率 0.005 %以下の場

合には,原油中の質量分率が 0.02∼2.00 %の水分に適用し,チオール及びスルフィドからの硫黄分が質量

分率 0.005 %を超え質量分率 0.05 %以下の場合には,原油中の質量分率が 0.05∼2.00 %の水分に適用する。

また,石油製品では,30∼1 000 mg/kg の水分の範囲に適用する。

なお,適用範囲から外れた試料も測定できるが,精度については適用しない。

注記 1  縮合,又は酸化還元反応に関連する一連の物質及び化合物が,カールフィッシャー式容量滴

定法の水分測定に妨害物質として働く可能性がある。原油においては,チオール及びスルフ

ィドが妨害物質として知られている。

石油製品では,硫化水素及びチオールが妨害物質として知られているが,硫黄分として質

量分率 0.003 %以下の場合は,30∼1 000 mg/kg の水分に対する影響は少ない。

注記 2  水分気化装置を用いて発生させた気化ガス中に妨害物質を含まない試料の場合は,水分気化

装置を用いて測定することができる。

注記 3  この規格群には,附属書 JA に示す試験方法がある。

注記 4  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 6296:2000

,Petroleum products−Determination of water−Potentiometric Karl Fischer titration

method

ISO 10336:1997

,Crude petroleum−Determination of water−Potentiometric Karl Fischer titration

method(全体評価:MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。


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警告  この規格は,危険な薬品,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用方法を全てに規

定しているわけではないので,この試験方法の使用者は,試験に先立って,適切な安全上及び

健康上の禁止事項を決めておかなければならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 2251

  原油及び石油製品−試料採取方法

注記  対応国際規格:ISO 3170,Petroleum liquids−Manual sampling(MOD)

JIS K 8271

  キシレン(試薬)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 6 部:精確さに関する値の実用的

な使い方

ISO 3171

,Petroleum liquids−Automatic pipeline sampling

試験の原理 

均質にした試料を外気と遮断した滴定フラスコ内で混合溶剤に溶かした後,水と定量的に反応するカー

ルフィッシャー試薬で滴定し,遊離よう素によって滴定系中の分極電圧が急激に変化する点を検出して滴

定終点とする。

試料中の水分は,カールフィッシャー試薬 1 mL と反応する水の mg 数(以下,力価という。

,滴定に要

したカールフィッシャー試薬量及び試料はかりとり量から求める。

注記  石油製品においては,試料が不透明で,水滴,又は微粒子(以下,パティキュレートという。)

がある場合は,試料を均質化して測定精度を向上させるために,一定量のジオクチルスルホこ

はく酸ナトリウム溶液を加えて乳化することがある。

試薬 

試薬は,次による。

4.1

容量滴定法カールフィッシャー試薬  市販されているカールフィッシャー試薬で,力価が 3∼5

mg/mL のもの。この試薬は遮光して冷暗所に保存する必要がある(以下,カールフィッシャー試薬という。)。

注記 1  カールフィッシャー試薬は,力価の異なるものが市販されているが,滴定フラスコの大きさ,

試料の予期水分によって選択して用いてもよい。

注記 2  カールフィッシャー試薬は,ピリジンを含むもの,ピリジンを含まないもの及びケトン類用

があるので,試料の特性によって使い分けることができる。

注記 3  カールフィッシャー試薬は,JIS K 0113 によって調製することもできる。

4.2

滴定用混合溶剤  滴定に用いるカールフィッシャー試薬に対応した市販品を用いる(以下,混合溶

剤という。

警告  混合溶剤などの有機溶剤を取り扱う場合には,蒸気の吸入を避け,人体に付着した場合には,

石けん及び水で洗浄する。一部の混合溶剤で使用されているクロロホルムは,発がん性物質と

して扱わなければならない。


3

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4.3

水  JIS K 0557 に規定する A3 のもの。

4.4

キシレン  JIS K 8271 に規定するもの。ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液の調製には,4.5

のモレキュラーシーブ 100 g をキシレン 2 L に加え,一晩静置して脱水したものを用いる。

4.5

モレキュラーシーブ  200∼250  ℃の乾燥器に約 4 時間入れ,活性化したもの。

4.6

ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液  次によって放冷した乾燥ジオクチルスルホこはく酸ナ

トリウム 10 g をキシレンに溶解させ,100 mL に調製したもの。

なお,この溶液の水分は,質量分率 0.010 %以下でなければならない。

a)

ジオクチルスルホこはく酸ナトリウムを 105∼110  ℃の乾燥器に 4 時間入れ,乾燥する。

b)

密封できる乾燥容器,又はデシケータで放冷する。

4.7

水−メタノール標準液  試験器の点検用に市販されているもので,取扱説明書に指定されたもの。

試験器及び器具 

試験器及び器具は,次による。

5.1

カールフィッシャー式容量滴定法水分試験器  試験器は,滴定部,測定制御部及び表示部からなり,

電気的終点が求められるもの。試験器の構成の例を

図 に示す。

なお,試験器は市販されており,取扱いは製造業者の取扱説明書による。

図 1−容量滴定法水分試験器の構成の例 


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5.2

滴定部  試験器の滴定部は,次による。

a)

滴定フラスコ  適切な容量で,試料注入口,検出電極,滴定ノズル及び乾燥管

1)

を備えたガラス製平

底フラスコ。かき混ぜ速度を適切に調節できる電磁スターラの上に置く。

試料注入口は,パッキン付きのステンレス鋼製,又は四ふっ化エチレン樹脂製ストッパをすり合わ

せ結合できる構造のもの。注射器を用いて試料を滴定フラスコに注入する場合は,試料注入口に

図 2

に示すようなストッパを取り付けて大気からの吸湿を防ぐ。

1)

  大気からの吸湿を防ぐ目的で,乾燥したシリカゲル,活性アルミナなどの乾燥剤を入れてお

くとよい。

図 2−ストッパの例 

b)

ビュレット  目量 0.02 mL 以下のもの。

なお,自動ビュレットを用いる場合は,容量 5 mL,10 mL 又は 20 mL の自動切換弁付ピストンビュ

レットで,パルスモータによって最少排出量が 0.01∼0.02 mL のものが適切である。

5.3

かき混ぜ器  附属書 及び附属書 で要求する均質化性能を満たしているもの。

なお,

附属書 又は附属書 で要求する性能を満たしていれば,自動原油採取システムを備えた,挿入

式及び外付け循環式のかき混ぜ器を用いることができる。

5.4

試料注入器  試料注入器は,次による。

a)

注射器  容量 0.5 mL,1 mL,2 mL,5 mL 及び 10 mL のガラス製注射器で試料注入口に挿入したとき

に注射針の先端が,混合溶剤の表面より下にくるような適切な長さがあり,滴定フラスコに簡単に試

料を入れられるもの。10 mL のガラス製注射器は,石油製品試料で乳化操作が必要な場合に,ジオク

チルスルホこはく酸ナトリウム溶液に用いる。注射針は,試料の吸入及び排出に影響がない範囲で,

できるだけ細いものを用いる。

なお,試料の粘度によって異なるが,注射針の外径は 0.5∼0.8 mm のものが適している。

注記 1  ガラス製注射器には注射針を回転させて固定するルアーロック式のものがある。

b)

マイクロシリンジ  容量 10  μL 又は 50  μL で固定針を備えているもの。標定手順で,水,又は水−メ

タノール標準液を加えるのに用いる。

c)

水分気化装置  試料を加熱しながら水を含まない窒素ガスなどで試料中の水分を気化させ,その気化

ガスを滴定フラスコに導くもの。水分気化装置の例を

図 に示す。

なお,水分気化装置を使用する場合には,取扱説明書によって水分気化器に添加剤を含まない適切

な石油製品又は溶剤を適量はかりとり,水分気化装置及び試験器を作動させ水分測定操作を行って系

内を無水の状態にする。

次に,水分気化器にマイクロシリンジで水を 10

μL(10 mg),又は試験器の取扱説明書に従って水


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−メタノール標準液を注入して水分量を測定する。測定した結果が,注入した水分量との差が 5 %以

内であることを確認する。範囲から外れていれば,気化温度,窒素ガス流量の調整,窒素ガス漏れの

ないことの確認,乾燥剤の交換などを行って 5 %以内になるようにする。

注記 2  水分気化装置の操作方法は,製造業者の取扱説明書によるとよい。

図 3−水分気化装置の例 

5.5

はかり  0.1 mg の桁まではかれるもの。

5.6

温度計  試料の温度を 1  ℃単位ではかれるもの。

試料の採取方法及び調製方法 

6.1 

一般事項 

試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法に

よって採取及び調製する。自動サンプリングの場合は,ISO 3171 によってもよい。

6.2 

試料の調製 

6.2.1 

原油試料の調製及び均質化 

原油試料の調製で均質化が必要な場合は,

次の手順によって,

かき混ぜ操作及び試料の温度測定を行う。

なお,原油試料の均質化に関する試料の取扱いは,

附属書 による。

a)

かき混ぜ前の試料の温度をはかり,記録する。

b)

均質性を確保するため,測定直前に試料をかき混ぜる。試料のかき混ぜは,最初の試料容器の中で行

うが,かき混ぜ時間,かき混ぜ速度及び容器の底からのかき混ぜ器の位置は,A.3.3 の手順に従う。

また,原油の量及び水分量は,A.3.4 による。

c)

かき混ぜ終了後,すぐに試料の温度をはかり,記録する。この温度と a)  で記録した温度との差は 10  ℃

を超えてはならない。

注記 10 ℃を超えた場合は,試料中の軽質分及び水分が損失したり,又はエマルジョンが壊れ試料

が不均質となることがある。

6.2.2 

石油製品試料の調製及び均質化 

石油製品試料の調製及び均質化は,次による。

a)

均質化の必要性の確認  試料の均質化が必要であるかを判断する手順は,次による。

1)

試料を試験の直前に 30 秒間力強く手で振り,泡が消えた後,目視で観察する。試料を光に当て,曇

り及び透明感の有無を確認する。次に,試料を回転させて渦を起こし,渦の底部及び試料容器の底

部について,水滴又はパティキュレートの有無を確認する。透明度については,

“明るく透明”か,

又は“明るく透明でない”と記録する。また,観察した渦の底部の水滴及びパティキュレートの有

無を記録して,それぞれ特記事項とする。


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2)

試料が透明で明るく,水滴又はパティキュレートが認められない場合は,測定用試料とする。

b)

均質化操作  a)  で試料が明るく透明でないか,又は水滴若しくはパティキュレートが渦に認められる

場合は,次によって試料の均質化を行う。

なお,石油製品試料の均質化に関する試料の取扱いは,

附属書 による。

注記  均質化操作の条件によっては,精度に影響を与える場合がある(附属書 参照)。

1) 10

mL の乾燥した清潔な注射器を用いて一定量のジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液を,附

属書 に規定する手順に従って加える。

なお,ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液の水分は無視できるので,試料中の水分補正は

行わなくてもよい。

2)

かき混ぜ前の試料の温度をはかり,記録する。

3)

均質性を確保するため,測定直前に試料をかき混ぜる。試料のかき混ぜは,最初の試料容器の中で

行うが,かき混ぜ時間,かき混ぜ速度及び容器の底からのかき混ぜ器の位置は,B.3 の手順に従う。

また,試料及び水の添加量は,B.3 による。

4)

かき混ぜ終了後,すぐに試料の温度をはかり記録する。この温度と 2)  で記録した温度との差は 2  ℃

を超えてはならない。2  ℃を超えた場合は,試料中の軽質分又は水分が失われることがあるため,

新しい試料を冷却槽などで冷却しながら 1)  からの均質化操作を行う。

試験の手順 

7.1 

試験器の準備及び調整 

試験器の準備及び調整は,製造業者の取扱説明書による。

7.2 

カールフィッシャー試薬の標定 

カールフィッシャー試薬の標定は,次による。

a)

カールフィッシャー試薬は,使用する日の試料測定前に力価を標定する。試薬を交換した場合にも標

定しなければならない。

b)

乾燥した滴定フラスコに,標定するカールフィッシャー試薬に対応した混合溶剤を電極が浸るまで十

分に入れる。混合溶剤の量は滴定フラスコの大きさによって異なるので適切な量を入れる。フラスコ

の開口部を全て密封し,電磁スターラを回転させ,滑らかなかき混ぜ状態に調整する。

c)

検出部のスイッチを入れ,終点に達するまでカールフィッシャー試薬をビュレットから加える。滴定

フラスコの容器を緩やかに回転させ,内壁を混合溶剤で洗い流して終点の変化を確認する。必要に応

じてカールフィッシャー試薬を更に加えて,完全な終点の状態が少なくとも 30 秒間維持できるように

する。この回転及び滴定操作で,滴定フラスコの内壁の水分を取り除くことができる。

注記 1  終点はカールフィッシャー試薬 1 滴の滴下で,分極電圧の急激な低下が一定時間(30∼60

秒間)持続したときを目安とするとよい。

注記 2  滴定フラスコ内が無水状態となってから実際の測定に要する時間だけ放置して,再滴定し

たとき,カールフィッシャー試薬が消費されないことを確認するとよい。

d) 10

μL のマイクロシリンジに泡が入らないように注意しながら水を満たす。針の表面に付着した水は

完全にろ紙などで拭き取る。マイクロシリンジの中の水を,c)の操作で無水化され,注射針の先端が

混合溶剤の表面より下にくるよう調整された滴定フラスコの混合溶剤に素早く加える。滴定フラスコ

を直ちに再度密封する。水を加えた後は容器を振ってはならない。

注記 3  カールフィッシャー試薬の力価,試料の予期水分,滴定フラスコの大きさ,混合溶剤の量


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などによって,水の注入量を変えて測定することができる。

e)

終点に達し,その状態が少なくとも 30 秒間維持するまで,カールフィッシャー試薬で滴定する。終点

までに要したカールフィッシャー試薬の量を,0.01 mL の単位で記録する。

f)

次の式を用いて,カールフィッシャー試薬の力価を,有効数字 3 桁まで算出する。

T

V

F

=

ここに,

F: カールフィッシャー試薬の力価(mg/mL)

V: 加えた水の量(mg)。加えた 1 μL の水は,1 mg とする。

T: 測定に要したカールフィッシャー試薬の量(mL)

g)  2

個目の測定値を得るため,d)  からの操作を繰り返す。2 個の測定結果の差は平均値の 2 %以内でな

ければならない。2 個の結果の差が 2 %を超えている場合は,滴定フラスコの内容物を廃棄し,適切

な滴定溶液を入れ,a)  からの標定操作を繰り返す。得られた結果の差が再度 2 %を超えるようであれ

ば,カールフィッシャー試薬又は混合溶剤が古くなっている可能性がある。これらを新しいものに替

え,a)  からの操作を繰り返す。

h)

平均値をカールフィッシャー試薬の力価として記録する。

i)

水の代わりに,水−メタノール標準液を用いてカールフィッシャー試薬の力価を測定してもよい。そ

の場合は,試験器などの取扱説明書に従って行う。

7.3 

試料の測定 

試料の測定は,次による。

なお,測定試料は,必要に応じてあらかじめ 6.2 によって均質化を行う。

a)

適切な量の混合溶剤を滴定フラスコにとり,栓をしてから電磁スターラを作動させる。次に滴定を開

始し,カールフィッシャー試薬で終点まで滴定し,滴定フラスコ内を無水状態にする。

注記 1  滴定混合溶剤には,ピリジンを含むもの,ピリジンを含まないもの及びケトン類用の 3 種

類があるが,石油製品試料での含酸素ガソリンにはケトン類用の滴定混合溶剤を使うとよ

い。

b)

試料の注入  試料の注入は,次による。

1)

原油試料の注入  原油試料の注入は,次による。

1.1)

あらかじめ約 150  ℃で 1 時間以上乾燥し,シリカゲルなどの乾燥剤を入れたデシケータ中で放冷

した注射器を用いて,

表 の試料採取量を目安に試料をはかりとり,滴定フラスコ内に素早く加

える。

1.2)

試料はかりとり量は,試料を加える前後の注射器の質量差を 0.1 mg の桁まではかって求める。

表 1−原油試料での予期水分及び試料採取量の例 

予期水分

質量分率%

ビュレットの容量

mL

混合溶剤の量

mL

試料採取量

g

0.02∼0.3 5

5,10 又は 20

<20

>20


5

0.3∼1 5

5,10 又は 20

<20

>20


2

1∼2 5

5,10 又は 20

<20

>20

0.5 
1

注記  カールフィッシャー試薬の力価を変えた場合は,適切な試料採取量とする。


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2)

石油製品試料の注入  石油製品試料の注入は,次による。

2.1)

あらかじめ約 150  ℃で 1 時間以上乾燥し,シリカゲルなどを入れたデシケータ中で放冷した 5 mL

の注射器を用いて,4∼5 mL の試料をはかりとり,滴定フラスコ内に素早く加える。

2.2)

試料はかりとり量は,試料を加える前後の注射器の質量差を 0.1 mg の桁まではかって求める。

注記 2  カールフィッシャー試薬の力価を変えた場合は,適切な試料採取量にするとよい。

3)

試料注入時の注射器の取扱い  注射器のすり合わせ部分からの空気の漏れ込みをなくすために注射

器容量の約 10 %まで試料をとり,次に針を上向きにして気泡を除いてから注射針の先端にシリコー

ンゴム片を差し込み,圧力を加えて注射器のすり合わせ部分を試料で湿らせた後,試料を捨てる。

この操作を 2∼3 回繰り返した後,試料を注射器に採取する。

試料の質量をはかる場合には,シリコーンゴム片を付けたままはかり,次にシリコーンゴム片を

外して試料を電解セルに入れた後に,再度シリコーンゴム片を付けてはかり,前後の質量差を試料

のはかりとり量とする。

シリコーンゴム片を用いない場合は,試料注入前後の注射針をろ紙などで拭う。

c)

完全な終点に達し,その状態が少なくとも 30 秒間維持されるまで,カールフィッシャー試薬で滴定す

る。終点までに要したカールフィッシャー試薬の量を,0.01 mL の単位で記録する。

d)

滴定フラスコ内の混合溶剤 15 mL に対して,試料が 2 g,又はカールフィッシャー試薬が 4 mL を超え

た場合は,試料が完全に混合溶剤に溶けずに正確な試験結果が得られないことがあるため,混合溶剤

を取り替える。

注記 3  混合溶剤とカールフィッシャー試薬との組合せの種類によっては,必ずしもこのような現

象が起こるとは限らない。

計算方法 

水分は,得られたカールフィッシャー試薬の滴定量,カールフィッシャー試薬の力価及び試料のはかり

とり量から,次の式によって算出する。

a)

原油の場合

M

T

F

W

×

×

=

10

c

ここに,

W

c

試料の水分(質量分率

%

F: カールフィッシャー試薬の力価(

mg/mL

T: 滴定に要したカールフィッシャー試薬の量(

mL

M: 試料のはかりとり量(

g

水分を体積分率

%

に換算する場合は,次の式によって算出する。

ρ

×

=

c

v

c,

W

W

ここに,

W

c,v

試料の水分(体積分率

%

W

c

試料の水分(質量分率

%

ρ: 試料の密度(

g/cm

3

b)

石油製品の場合

000

1

00

0

10

10

p

×

×

=

×

×

×

=

M

T

F

M

T

F

W


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ここに,

W

p

試料の水分(

mg/kg

F

カールフィッシャー試薬の力価(

mg/mL

T

滴定に要したカールフィッシャー試薬の量(

mL

M

試料のはかりとり量(

g

水分を

μL/L

に換算する場合は,次の式によって算出する。

ρ

×

=

p

v

p,

W

W

ここに,

  W

p,v

試料の水分(

μL/L

W

p

試料の水分(

mg/kg

ρ

試料の密度(

g/cm

3

結果の表し方 

水分は,JIS Z 8401 の規定によって,次のように丸めて表す。

原油の場合は,質量分率

%

又は体積分率

%

で表し,丸めの幅

0.01

に丸める。

石油製品の場合は,

mg/kg

又は

μL/L

で表し,有効数字

3

桁に丸める。ただし,小数点以下を含む場合

は,整数位とする。

10 

精度 

10.1 

一般事項 

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率

0.95

)は,次による。試験結果が許容差を超え

た場合は,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

なお,水分気化装置を用いた場合は,この精度は,適用しない。

10.2 

室内併行精度 

同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を

2

回試験したとき,試験結果

の差の許容差は,

表 及び表 による。

10.3 

室間再現精度 

異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ

1

回ずつ試験して求めた

2

個の試験結

果の差の許容差は,

表 及び表 による。表 に示す精度の計算例を,表 に示す。

表 2−原油の精度 

単位  質量分率%

カールフィッシャー試薬の種類

室内併行許容差

a)

室間再現許容差

a)

ピリジンを含むカールフィッシ

ャー試薬の場合

0.034X

(1/3)

 0.111X

(1/3)

ピリジンを含まないカールフィ

ッシャー試薬の場合

0.032X

(1/3)

 0.095X

(1/3)

a)

  は,試験結果の平均値である。

表 3−石油製品の精度 

単位  mg/kg

室内併行許容差

室間再現許容差

17 77


10

K 2275-2

:2015

表 4−原油の試験精度の例 

単位  質量分率%

水分

室内併行許容差

室間再現許容差

ピリジンを含む

カールフィッシャー

試薬の場合

ピリジンを含まない 
カールフィッシャー

試薬の場合

ピリジンを含む

カールフィッシャー

試薬の場合

ピリジンを含まない 
カールフィッシャー

試薬の場合

0.02 0.009

0.009

0.030

0.026

0.05 0.013

0.012

0.041

0.035

0.1 0.016

0.015

0.052

0.044

0.2 0.020

0.019

0.065

0.056

0.5 0.027

0.025

0.088

0.075

1.0 0.034

0.032

0.111

0.095

1.5 0.039

0.037

0.127

0.109

2.0 0.043

0.040

0.140

0.120

11 

試験結果の報告 

試験結果の報告には,次の事項を記載する。

a)

試料名,採取場所及び採取年月日

b)

この規格の番号(JIS K 2275-2

c)

結果(箇条 の表し方による。

d)

試験年月日

e)

特記事項


11

K 2275-2

:2015

附属書 A

(規定)

原油試料の取扱い

A.1 

一般 

A.1.1

試料の取扱方法は,試料が採取された目的による。その目的によって試験手順は,特別な取扱方法

が要求されることがあるため,試験の最適な方法を調べ,試料取扱いについて必要な指示書を試料採取者

に渡す。

A.1.2

次の試料については,その取扱いに十分注意する。

a)

蒸発による減量のおそれがある,揮発性の高い物質を含んだもの。

b)

試料容器の中で,分離のおそれのある水,セジメントを含んだもの。

c)

十分な保温が行われないことによって沈積するワックスを含んだもの。

A.1.3

採取試料を混合して試料を調製するときは,揮発性の高い軽質分が蒸発して,水分の結果に影響し

ないよう細心の注意を払わなければならない。混合試料の調製は,非常に難しいので,できれば避けるこ

とが望ましいが,調製した場合は,特記事項として記載する。

A.1.4

試料採取場所で揮発性の高い試料を他の試料容器に移し替えてはならない。また,採取した試料容

器は,冷却して逆さまにして試験室に送ることが望ましい。試料が揮発性の高い留分,又は遊離水(自由

水)を含んでいる場合は,細心の注意が必要である。

A.2 

試料の均質化 

A.2.1 

一般事項 

水分及びセジメントを含む試料並びに不均質な試料を,

試料容器から小さな試料容器に移し替える場合,

及び試験室で試験に用いる前に行う場合の均質化の手順を規定する。

なお,移し替える前に試料が十分に混ざっていることを証明する手順は,A.3 による。

水及びセジメントを含む少量の液体試料を手動でかき混ぜ,試料中に水及びセジメントを十分に拡散さ

せることは不可能である。試料を移送又は小分けする前に強力な機械的又は流体混合によって,均質化す

る必要がある。

均質化には様々な方法があるが,均質化に用いる装置は,A.3 に規定する均質化条件の検証に適合し,

水の粒子が

50 μm

より小さく,

1 μm

より大きくできるものが望ましい。

A.2.2 

高せん断かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化 

高せん断かき混ぜ器の先端部が試料容器の底から

30 mm

になるように挿入する。かき混ぜ器は,毎分

15 000

回転が適しているが,かき混ぜ時間の検証が満足できれば条件を変えて設定してもよい。

揮発性物質を含む原油の軽質分の蒸発を最小にするため,容器を覆うパッキンを通してかき混ぜ器を操

作する。かき混ぜ時間

3

分は,試料が完全に均質になるのに十分であるが,容器の大きさ又は原油の性状

によって時間を変更してもよい。試料が均質化する条件を A.3 によって検証する。かき混ぜ中の試料の温

度上昇は,

10

℃を超えてはならない。

A.2.3 

外付け循環式かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化 

固定された容器,又は持ち運び形の容器の内容物を,小形のポンプで,固定式のかき混ぜ器を内蔵した

外付けの小径のパイプを通して循環させる。持ち運び形の容器の場合は,簡易に脱着できる接続器具を用


12

K 2275-2

:2015

いる。選定したポンプの設計及び流量を考慮し,製造業者の取扱説明書に従って操作する。

設定は,少なくとも

1

分間に

1

回試料が循環する流量に調整する。

全ての試料が完全に混合したら,ポンプを稼動させた状態で必要な量の二次試料を循環パイプの途中に

あるコックから採取する。採取後,ポンプの容器を空にし,溶剤で循環洗浄して,圧縮空気及び窒素ガス

を吹きつけて乾燥させる。

なお,かき混ぜ時間は,通常

15

分間程度であるが,水分の含有量,原油の種類,かき混ぜ器の仕様など

によって異なる。

A.3 

均質化条件の検証 

A.3.1

かき混ぜて試料が均質化し,安定した後,かき混ぜ容器から連続して採取した試料について,同等

の結果を得られるまでかき混ぜを続ける。これによって,かき混ぜに必要な最小時間を決めることができ

る。

なお,この時間までに,試料が均質化され,引き続き安定している場合は,これ以上かき混ぜることな

く,試料を試験に用いることができる。

A.3.2

かき混ぜ後短時間で試料が均質でなくなる場合には,A.3.3 によって,かき混ぜ時間を検証する。

注記

原油の性状によっては,かき混ぜ途中でも試料を採取して検証することが必要な場合がある。

A.3.3

試料容器に採取した試料を約

3/4

まで満たし,かき混ぜて均質化する。かき混ぜ時間,かき混ぜ速

度及び容器の底からのかき混ぜ器の位置を記録する。かき混ぜ後,

2

個の試料を採取し,この試験方法で

直ちに水分を測定する。

2

個の試験結果が試験方法の室内併行許容差内であれば,平均値をブランク試料

の水分として記録する。

2

個の試験結果が許容差から外れる場合は,かき混ぜ時間を長くするか,回転速

度を上げて,この手順を繰り返す。

A.3.4

試料容器の質量をはかった後,試料を

3/4

まで満たして質量をはかり,試料の質量を求める。試料

の水分をおおよそ質量分率

2 %

増加させる水分量をはかり,試料に加え,A.3.3 のブランク試料に対して行

ったかき混ぜと同一条件(同一時間,同一回転速度,容器の底からのかき混ぜ器の位置が同一)で試料を

かき混ぜる。かき混ぜ後,

2

個の試料を採取し,この試験方法で直ちに水分を測定する。

2

個の試験結果が

この試験方法の室内併行許容差内で一致し,測定された水分が,加えた水の量とブランク試料の水分との

合計と一致するならば,かき混ぜ条件は十分であると記録する。

かき混ぜ終了時から

2

番目に試料採取するまでの時間が,試料が均質で安定している時間となる。

結果がこの試験方法の室内併行許容差から外れる場合は,結果は棄却して,かき混ぜ時間を長くする,

かき混ぜ速度を速めるなど,試験条件を変更して A.3.3 からの操作をやり直す。

A.4 

試料の移送 

A.4.1

試料容器が持ち運びできない場合,及び容器から直接試験室の試験器に移すのが不便な場合は,代

表的な試料を試験室に持ち運びできる容器に移し替えて移送する。

A.4.2

試料を移送するときは,A.2 に従い,容器内の試料は均質化しなければならない。

A.4.3

A.3

に従い,容器とかき混ぜ器との組合せごとに,かき混ぜ時間の検証を行う。

A.4.4

試料の移送は,試料が均質化し安定している時間内に行う。移送は,

20

分以内に行わなければな

らない


13

K 2275-2

:2015

附属書 B

(規定)

石油製品試料の取扱い

B.1 

一般 

B.1.1

試料の取扱方法は,試料が採取された目的による。その目的によって試験手順は,特別な取扱方法

が要求されることがあるため,試験の最適な方法を調べ,試料取扱いについて必要な指示書を試料採取者

に渡す。用いる試験の手法が要求される事項と合わないならば,複数の試料を採取し,適切な手法をそれ

ぞれの試料に用いる。

B.1.2

次の試料については,その取扱いに十分注意する。

a)

蒸発による減量のおそれがある,揮発性の高い物質を含んだもの。

b)

試料容器の中で,分離のおそれのある水,セジメントを含んだもの。

c)

十分な保温が行われないことによって沈積するワックスを含んだもの。

B.1.3

採取試料を混合して試料を調製するときは,揮発性の高い軽質分が蒸発して,水分の結果に影響し

ないよう細心の注意を払わなければならない。混合試料の調製は,非常に難しいので,できれば避けるこ

とが望ましいが,調製した場合は,特記事項として記載する。

B.1.4

試料採取場所で揮発性の高い試料を他の試料容器に移し替えてはならない。また,採取した試料容

器は,冷却して逆さまにして試験室に送ることが望ましい。試料が揮発性の高い留分,又は遊離水(自由

水)を含んでいる場合は,細心の注意が必要である。

B.1.5

軽質試料及び中間留分試料は,透明なほうけい酸ガラス製容器に採取する。

B.2 

試料の均質化 

B.2.1 

一般事項 

試料が透明で明るく,

渦に水滴又はパティキュレートを含んでいなければ,

かき混ぜ操作は不要である。

この手順は,試料が透明で明るくないか,渦に水滴又はパティキュレートを含んでいる試料を,試料容

器から小容器,又は試験室の試験器に移す前に均質化する方法を規定する。

なお,移し替える前に試料が十分に混ざっていることを証明する手順は B.3 による。

水及びセジメントを含む少量の液体試料を手動でかき混ぜ,試料中に水及びセジメントを十分に拡散さ

せることは不可能である。試料を移送又は小分けする前に,ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液を

加えて,強力な機械的又は流体混合によって,均質化する必要がある。

B.2.2 

高せん断かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化 

B.3

に従って,ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液を加える。シャフトの先端が,B.3 で検証した

底面からの距離以内に届くように,高せん断かき混ぜ器を試料容器に入れる。B.3 で検証したかき混ぜ時

間及びかき混ぜ速度で,試料をかき混ぜる。

揮発性物質を含む試料の軽質分の蒸発を最小にするため,容器を密封するパッキンを通してかき混ぜ器

を操作する。かき混ぜ中に試料の温度上昇が

2

℃を超えないようにする。

2

℃を超える場合は,試料容器

を冷却しながらかき混ぜる。

異なる試料をかき混ぜるときは,操作ごとにかき混ぜ器のシャフトを溶剤で完全に洗浄する。


14

K 2275-2

:2015

B.2.3 

循環式かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化 

B.3

に従って,適切な乳化剤を加える。固定された容器,又は持ち運び形の容器の内容物を,小形のポ

ンプで,固定式のかき混ぜ器を内蔵した外付けの小径のパイプを通して循環させる。持ち運び形の容器の

場合は,簡易に脱着できる接続器具を用いる。選定したポンプの設計及び流量を考慮し,製造業者の取扱

説明書に従って操作する。

均質化条件には,B.3 で検証した吸引口,戻り口の位置,かき混ぜ時間及び循環率を用いる。全ての試

料が完全に混合されたら,ポンプを稼動させた状態で必要な量の二次試料を循環パイプのコックから採取

する。採取後,ポンプの容器を空にし,溶剤で循環洗浄して,圧縮空気及び窒素ガスを吹きつけて乾燥さ

せる。

B.3 

均質化条件の検証 

B.3.1

均質でない混合物から二次試料を採取する場合に,適切に混合された試料を採取するために必要

な,混合技術及び混合時間が適正であることを検証する。

B.3.2

あらかじめ質量をはかった試料容器に透明で明るく,水滴又はパティキュレートを含まない石油製

品の試料を,

80 %

ほど容器に満たす。7.3 の試料の測定の手順に従い,ブランク試料の水分を求める。ブ

ランク試料の水分の平均値を計算する。

注記

ブランク試料の水分の値を決定するために,この試料を混合する必要性は少ない。

B.3.3

容器の中の試料量を決定するために,試料容器を

0.1 g

単位ではかって試料の量を求める。試料の

温度を

1

℃単位で記録する。水分を

0.1 %

まで上昇させるのに十分な水を加える。この水分量を

0.1 mg

位で記録する。

B.3.4

 10

mL

の注射器を使い,適切な乳化剤溶液を注入する。試験する製品がガソリン,灯油又は軽油の

場合,キシレンに溶かしたジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液を試料

100 mL

に対して

1 mL

注入す

れば通常十分である。しかし,試験する製品がナフサならば,キシレンに溶かしたジオクチルスルホこは

く酸ナトリウム溶液を試料

100 mL

に対して

2 mL

の注入が必要である。

B.3.5

試料をかき混ぜる。高せん断かき混ぜ器の場合,かき混ぜ速度,かき混ぜ時間及びシャフトの先端

から容器の底までの距離(通常,それらは,毎分

15 000

回転,

60 s

及び

20 mm

が適切である。

)を記録す

る。循環式かき混ぜ器の場合,かき混ぜ時間,循環率及び吸入口と戻り口とのおおよその位置を記録する。

1

分間に最低

1

回,全量が循環するような循環率で

15

分間かき混ぜる。

注記

循環式かき混ぜ器の場合,吸入口の位置ができるだけ容器の底に近いものが適切である。

B.3.6

かき混ぜ後,

2

個の試料を採取し,7.3 の試料の測定の手順に従って試験する。

2

個の試験結果がこ

の試験方法の室内併行許容差内で一致し,測定した水分が,加えた水の量とブランク試料の水分との合計

と一致するならば,かき混ぜ条件は十分であると記録する。

かき混ぜ終了時から

2

番目に試料を採取するまでの時間が,試料が均質で安定している時間となる。

結果がこの試験方法の室内併行許容差から外れる場合は,結果を棄却し,手順の最初からやり直し,よ

り厳しいかき混ぜ条件を用いる。


15

K 2275-2

:2015

附属書 JA

(参考)

試験方法の種類

JA.1 

試験方法の種類 

JIS K 2275

の規格群には,

表 JA.1 に示す試験方法がある。

表 JA.1−試験方法の種類 

規格番号

試験方法の種類

適用油種

適用水分範囲

備考

K 2275-1 

蒸留法

原油

体積分率 0.05∼1.0 %

揮発性で水に溶解する物質は,水

分として定量される。

石油製品

(燃料油,潤滑油,

グリースなど)

体積分率 0.05∼25 %

範囲から外れた試料も測定

できるが精度は適用しない。

K 2275-2 

カールフィッシ

ャー式容量滴定

原油

質量分率 0.02∼2.00 %

原油中に含まれているチオ
ール及びスルフィドからの

硫黄分が質量分率 0.005 %以

下の場合

水分以外でカールフィッシャー試

薬と反応する物質(妨害物質)を
含む添加剤を添加した石油製品に

は適用できない。ただし,妨害物

質を含んでいても水分気化装置を
用いた場合に気化ガス中に妨害物

質を含まない試料は,水分気化装

置を用いて測定することができ
る。

石油製品 
(ガソリン,灯油,

軽油,A 重油,潤

滑油基油など)

30∼1 000 mg/kg 
範囲から外れた試料も測定

できるが精度は適用しない。

K 2275-3 

カールフィッシ

ャー式電量滴定

原油

質量分率 0.02∼5.00 %

原油中に含まれているチオ
ール及びスルフィドからの

硫黄分が質量分率 0.005 %以

下の場合

石油製品 
(ガソリン,灯油,

軽油,A 重油,潤

滑油基油など)

30∼1 000 mg/kg 
範囲から外れた試料も測定

できるが精度は適用しない。

K 2275-4 

水素化物反応法

原油

体積分率 0.05∼2.0 %

範囲から外れた試料も測定
できるが精度は適用しない。

この方法は,ポータブル形で電気

及び火気を使用しないために,実
験室以外の場所での測定に適して

いる。

石油製品

測定できるが精度は適用し

ない。

参考文献

[1]

JIS K 0113

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則


16

K 2275-2

:2015

附属書 JB

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS K 2275-2:2015

  原油及び石油製品−水分の求め方−第 2 部:カールフィッシ

ャー式容量滴定法

ISO 6296:2000

, Petroleum products − Determination of water − Potentiometric Karl

Fischer titration method 
ISO 10336:1997

,Crude petroleum−Determination of water−Potentiometric Karl Fischer

titration method

(I)JIS の規定

(II)国際

規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと

の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

箇条番号 
及び題名

内容

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲

石油製品の適用油種

ISO 6296 

1

適用範囲

追加

JIS

は,適用する石油製品の分類を

ガソリン,灯油,軽油,A 重油,潤

滑油基油などとした。

適用油種を明確にした。

削除

沸点 390  ℃の規定を削除した。

国内の使用実態に合わせて適用
範囲を変更した。

3  試験の原

試験の原理を規定

ISO 6296

ISO 10336


3

試 験 の 測 定 原 理 を

規定

追加

JIS

は,カールフィッシャー試薬の

力価から,水分を求めることを追加

した。

水分を求める計算を分かりやす

くするために追加した。

4  試薬 4.1 容量滴定法カール

フィッシャー試薬

ISO 6296

ISO 10336

4.3 
4.1

カ ー ル フ ィ ッ シ ャ
ー 試 薬 の 組 成 の 詳

細を規定

削除

JIS

では,規定しない。

国内で市販されているカールフ
ィッシャー試薬の種類が多いた

め,これらの試薬を適切に選択し

て使用できるようにした。

実質的

な技術的差異はない。

4.2 滴定用混合溶剤

ISO 6296

ISO 10336

4.8 
4.5, 
4.6

3 種類の市販品カー
ル フ ィ ッ シ ャ ー 試

薬 に 適 合 し た 滴 定
用溶剤

変更

JIS

は,市販品カールフィッシャー

試薬に適合した溶剤を規定した。

国内で市販されているカールフ

ィッシャー試薬に適合した溶剤

を適切に選択して使用できるよ
うにした。

16

K 22

75
-2


201

5


17

K 2275-2

:2015

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

4  試薬 
(続き)

4.3  水 JIS K 0557 に規
定する A3

ISO 6296 

ISO 10336

4.5 
4.7

ISO 3696

グレード 3

変更

JIS

は,水の規格を引用した。

JIS

の体系に合わせて,使用する

水及び試薬に変更した。実質的な
技術的差異はない。

4.4  キ シ レ ン JIS K 
8271

に規定するもの

ISO 6296 

ISO 10336

4.2 
4.2

試薬グレード

変更

JIS

は,試薬の規格を引用した。

4.7 水−メタノール標
準液

追加

JIS

では,試験器の点検で使用する

標準液として規定した。

国内の試験器点検での使用実態

に合わせて追加した。

5  試験器及
び器具

5.1  カールフィッシャ
ー式容量滴定法水分試
験器

ISO 6296

ISO 10336

5.1 
5.1

カ ー ル フ ィ ッ シ ャ

ー 式 容 量 滴 定 法 試
験器

追加

JIS

は,試験器の詳細を規定すると

ともに図を追加した。

利用者の利便性を考慮して追加

した。

5.4 c)  水分気化装置

追加

JIS

では,妨害物質を含む試料測定

のために水分気化装置の使用を許容

した。

国内での使用状況の実情に合わ

せて許容した。

ISO 6296 

5.5 
5.6 
5.7 
5.8

フラスコ 100 mL 
デシケータ

乾燥器

冷却槽

削除

一般的な器具のため削除した。

国内の器具の利用状況を考慮し
て削除した。

7  試験の手

7.2  カールフィッシャ
ー試薬の標定

ISO 6296

ISO 10336

7.1 
7.2

カ ー ル フ ィ ッ シ ャ
ー試薬の標定

追加

JIS

は,カールフィッシャー試薬の

標定で水のほかに,市販されている

水−メタノール標準液を許容した。

国内の実施状況に合わせて許容
した。

7.3  試料の測定

ISO 10336

7.3.6

繰返し測定

削除

ISO 6296

には,繰返し規定がないた

め,整合性を考慮して削除した。

ISO  2

規格整合のために削除し

た。実質的な技術的差異はない。

7.3 b) 3)  試料注入時の
注射器の取扱い

追加

JIS

は,試料注入時の注射器の取扱

いについて詳細に規定した。

使用者の利便性のために追加し
た。

8  計算方法

b)  石油製品の場合

ISO 6296 

8

質量分率%で計算

変更

JIS

では,mg/kg 及び μL/L による計

算方法に変更した。

国内の実態に合わせた試験結果

の報告のために変更した。

17

K 22

75
-2


201

5


18

K 2275-2

:2015

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

9  結果の表
し方

石油製品の結果の表し

ISO 6296 

9

水 分 の 表 し 方 に つ

いて,質量分率%,
及び丸めの幅 0.001

で規定。

変更

JIS

では,mg/kg 又は μL/L 単位で,

有効数字 3 桁に丸め,小数点以下を
含む場合は,整数位とした。

石油製品での試験結果の報告に

ついて国内の実態に合わせて変
更した。

原油の結果の表し方

ISO 10336

9

追加

体積分率%での表し方を追加した。

原油での試験結果の報告につい

て国内の実態に合わせて追加し
た。実質的な技術的差異はない。

10  精度

精度

ISO 6296

ISO 10336

10 
10

精度

追加

JIS

は,JIS Z 8402-6 によって処理す

ることを規定した。

JIS

は,許容差を外れた場合の処

理を明確にするために追加した。

石油製品の精度

ISO 6296 

10

精度

変更

JIS

は,精度の単位を mg/kg とした。 JIS の規格体系に合わせて変更

した。

表 4−原油の試験精度
の例

ISO 10336

10

精度

追加

JIS

では,原油の精度について,試

験結果に対する精度の計算例の表を

追加した。

利用者の利便性を考慮して追加
した。

附属書 A

(規定)

原油試料の取扱い

ISO 10336

Annex 
A

試料の取扱い

変更

ISO

は単独規格のため,JIS では取り

扱う試料を明確にした。

分かりやすくするために変更し

た。

附属書 B 
(規定)

石油製品試料の取扱い  ISO 6296 

Annex 
A

試料の取扱い

変更

ISO

は単独規格のため,JIS では取り

扱う試料を明確にした。

分かりやすくするために変更し
た。

附属書 JA

(参考)

試験方法の種類

追加

JIS

は,JIS K 2275 規格群の水分の求

め方の試験方法の種類を追加した。

利用者の利便性を考慮して追加

した。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:

ISO 6296:2000,ISO 10336:1997,MOD)

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

−  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD

国際規格を修正している。

18

K 22

75
-2


201

5