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K 2258-2

:2009

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  試験の原理 

2

5

  試薬

3

6

  試験器

3

7

  試験器の準備 

3

8

  試験器の検証 

4

9

  試料の採取方法 

4

10

  試料の準備 

4

11

  試験の手順

5

12

  計算及び結果の表し方 

5

13

  精度

6

13.1

  室内併行精度 

6

13.2

  室間再現精度 

6

14

  試験結果の報告

6

附属書 A(参考)試験方法の種類 

7


K 2258-2

:2009

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,石油連盟(PAJ)から,工業標準原案を具して

日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した

日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS K 2258

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS K 2258-1

  第 1 部:リード法

JIS K 2258-2

  第 2 部:3 回膨張法


日本工業規格

JIS

 K

2258-2

:2009

原油及び石油製品−蒸気圧の求め方−

第 2 部:3 回膨張法

Crude petroleum and petroleum products-Determination of vapour

pressure-Part 2: Triple expansion method

序文 

この規格は,JIS K 2258 の規格群の第 2 部として制定した。

なお,対応国際規格は現時点では制定されていない。

警告  この規格は,危険な試薬,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用法をすべてに規

定しているわけではないので,この試験方法の使用者は,試験に先立って,適切な安全上及び

健康上の禁止事項を決めておかなければならない。

適用範囲 

この規格は,揮発性で,かつ,非粘ちょう性の石油製品の 37.8  ℃における 7∼150 kPa の蒸気圧を 3 回

膨張法によって求める方法について規定する。溶存空気圧が 7 kPa 以下の揮発性原油にも適用できるが,

この規格の精度は,適用できない。0∼1  ℃に冷却すると濁りを生じる試料の場合も,この規格の精度は,

適用できない。

注記  JIS K 2258 の規格群には,附属書 に示す試験方法がある。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 2251

  原油及び石油製品−試料採取方法

JIS K 8848

  ヘキサン(試薬)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 6 部:精確さに関する値の実用的

な使い方

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

蒸気圧

37.8

℃の試験室で,試料部と蒸気層部との容積比が 1:4 のとき,試料蒸気が示す分圧。


2

K 2258-2

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3.2 

溶存空気圧 

37.8

℃の試験室で,試料部と蒸気層部との容積比が 1:4 のとき,試料に溶存する空気が示す分圧。

3.3 

全圧 

37.8

℃の試験室で,試料蒸気の分圧と溶存空気の分圧との和。

試験の原理 

3

回膨張法の蒸気圧試験器の容器部(以下,試験容器という。

)は,

図 に示すように,試料入口,排出

口,バルブ及び圧力センサを備えたピストンなどで構成されている。試料部及び蒸気層部を試験室と呼称

し,試験室の容積は,ピストンが上がることによって膨張する。

3

回膨張の動作は,次のように進行する。20  ℃に設定した試験室に,あらかじめ 0∼1  ℃に冷却してお

いた試料を吸入する。1 回目の膨張を行い,試験室の温度が 37.8  ℃±0.1  ℃になるように上昇させ,全圧

を測定する。次に,2 回目の膨張を行い,全圧を測定する。さらに,3 回目の膨張を行い,全圧を測定する。

2

回目及び 3 回目の膨張を行うときの試験室の温度は,37.8  ℃±0.1  ℃である。試料部の容積と 3 回膨張

後の蒸気層部の容積との容積比は,1:4 になるようにする。

試料吸入前

試料吸入

1

回目膨張

2

回目膨張

3

回目膨張

 1

ピストン・圧力センサ

2

排出口

3

試料入口

4

バルブ

5

試料部

6

蒸気層部

図 1−試験容器の構造及び 回膨張動作の例 

溶存空気圧及び蒸気圧は,次の式によって算出する。溶存空気圧は,3 回膨張の各段階における試験室

の全圧及び容積を用いて算出する。蒸気圧は,3 回目の膨張後の全圧及び溶存空気圧を用いて算出する。

(

) (

)

(

) (

)

3

1

2

1

1

2

1

3

3

2

3

1

TP

TP

TP

TP

V

V

V

V

TP

TP

TP

TP

PPA

×

=

PPA

TP

VP

=

3

ここに,

VP

蒸気圧(kPa)

PPA

溶存空気圧(kPa)


3

K 2258-2

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TP

1

1

回目の膨張後の全圧(kPa)

TP

2

2

回目の膨張後の全圧(kPa)

TP

3

3

回目の膨張後の全圧(kPa)

V

1

1

回目の膨張後の試験室の容積(mL)

V

2

2

回目の膨張後の試験室の容積(mL)

V

3

3

回目の膨張後の試験室の容積(mL)

なお,

全圧及び溶存空気圧を求めることができ,この規格と同等の蒸気圧を求めることができる場合は,

他の自動試験器を用いてもよい。

試薬 

試薬は,次による。これらの試薬は,試験器の検証用の点検試料として用い,装置の校正に用いてはな

らない。

5.1

n-

ペンタン  試薬特級で純度が 99.0  %以上のもの。

5.2

2,2-

ジメチルブタン  試薬特級で純度が 96.0  %以上のもの。

5.3

n-

ヘキサン  JIS K 8848 に規定するヘキサンで,純度が 96.0  %以上のもの。

試験器 

試験器は,次による。

6.1

蒸気圧試験器  蒸気圧試験器(以下,試験器という。)の主な構成は,次による。試験器の詳細及び

校正は,試験器製造業者の取扱説明書による。

a)

試験容器の構造は,ピストンを用いて容積を 1∼5 mL の範囲で 3 回に分けて可変及び維持できるもの

で,試料導入時の試料部の容積とピストンで 3 回膨張したときの蒸気層の容積との容積比が 1:3.95

∼1:4.05 でなければならない。

注記  この規格の容積比は,JIS K 2258-1“リード法”に規定する試料室と空気室との容積比 1:4

と同じである。

b)

試験室の温度は,20∼100  ℃の間で,0.1  ℃単位で測定でき,±0.1  ℃の正確度で温度制御ができるも

の。

c)

圧力測定装置は,圧力センサ及び圧力トランスデューサからなるもので,動作範囲は 0∼200 kPa で,

分解能は 0.1 kPa 以内,及び正確度は±0.2 kPa のもの。

6.2

連結器具  連結器具は,試料容器と試験器とを連結する連結管と,連結管の一方を試料容器に挿入

したとき試料容器に固定できる栓とからなり,試料が揮発損失せずに試験器に導入できる構造のもの。

6.3

氷水浴  氷水浴は,温度を 0∼1  ℃にするため,冷却剤として水及び氷を容器に入れたもので,試料

容器を入れることができる大きさの金属製又はプラスチック製のもの。

なお,ドライアイスは,試料に二酸化炭素が溶解し,試験結果に誤差を生じることがあるので,冷却剤

として用いてはならない。

6.4

冷蔵庫  冷蔵庫は,試料容器を 0∼1  ℃に冷却できるもの。冷蔵庫は,安全に配慮したものを用いる。

試験器の準備 

試験器の準備は,次による。

a)

試験室に汚れがある場合は,溶剤で洗浄する。

b)

試験室の初期温度は,20  ℃とし,試験温度は,37.8  ℃に設定する。


4

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c)

試料吸入量は,1 mL とし,試験室の容積の最大量は,5 mL に設定する。

d)

試験室の洗浄方法は,試験試料で 3 回に分けて共洗いするように設定する。

e)

試料の導入に用いる連結管は,冷蔵庫で 0∼1  ℃に冷却する。連結器具は,水に濡らしてはならない。

試験器の検証 

試験器の検証は,

表 に示す点検試料のいずれか 1 点以上を用いて,1 年を超えない範囲で定期的に実

施する。点検試料を用いて箇条 10 及び箇条 11 によって試験した結果と

表 に示す蒸気圧との差の絶対値

は,1.0 kPa 以下でなければならない。差が 1.0 kPa を超えた場合は,試験器を校正する。また,日常,試

験する試料を用いて定期的に検証を行うことが望ましい。この検証に用いる試料は,長期間に安定保存で

きる環境で保存する。

表 1−点検試料 

単位  kPa

点検試料

蒸気圧

n-

ペンタン 107.9

2,2-

ジメチルブタン 68.8

n-

ヘキサン 34.2

注記  日常点検の評価方法には,JIS Z 9021 を参考にして,管理図を用いて評価する方法がある。

試料の採取方法 

試料の採取方法は,次による。

a)

試料の採取は,JIS K 2251 

附属書 に規定する方法によって行う。ただし,酸素化合物を含む試料

については,水置換による採取方法を用いてはならない。

b)

蒸気圧試験用試料を採取する試料容器の大きさは 0.3∼2 L とし,密栓できるものを用い,試料の採取

量は,試料容器容積の 70∼80  %とする。

c)

試料は,0∼1  ℃の冷蔵庫に保存する。

d)

試料容器は,漏れがあってはならない。目視できるような漏れがあった場合は,試料容器を廃棄し,

新しい試料容器に採取する。

e)

精度よく試験するためには,蒸気圧測定用に専用の試料を採取し,試料採取場所に氷水浴又は断熱効

果のある運搬器具を用意するなどの試料採取準備が必要である。試料を採取するときは,規制及び/

又は仕様書で,試料採取についての特別な指示の記載の有無を確認する。

f)

試料容器は,すべての手順において,試料採取場所から冷蔵庫又は氷水浴に入れるまでの間で試料に

過度の熱が加わらないように断熱材などで保護をする。

10 

試料の準備 

試料の準備は,次による。

a)

蒸気圧試験は,

試料の蒸発による損失及びそれに伴う組成のわずかな変化が大きく影響することから,

試料の取扱いには,揮発成分の蒸発がないように細心の注意が必要である。また,蒸気圧試験は,他

の試験に先立って行う。

b)

蒸気圧の測定に用いる試料は,試料容器から最初に小分けした試料分について実施する。試料容器に

残った試料は,2 回目の測定に用いてはならない。再測定が必要な場合には,新しい試料を採り直す。


5

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c)

試料容器は,試験の前に冷蔵庫又は氷水浴を用いて 0∼1  ℃に冷却する。この温度は,試料と類似の

試料容器に類似の液体を入れ,この試料容器を試料の試料容器と同時に冷蔵庫又は氷水浴に入れ,類

似の液体の温度を測定することによって求めることができる。点検試料についても同様に冷却する。

注記  試料を室温(20  ℃)付近から 0∼1  ℃に冷却するのに要する時間は,1 L の試料容器の場合,

氷水浴を用いたときは 1 時間以上,冷蔵庫を用いたときは 16 時間以上を必要とすることがあ

る。

d)

試料容器に試料が 70∼80  %満たされていることを確認する。確認の方法は,試料容器が透明なとき

は目視でよいが,不透明なときは,適切な物差しを用いて測定する。

e)

試料量が試料容器容積の 70  %よりも少ない場合には,この試料は,試験に用いてはならない。試料

量が試料容器容積の 80  %よりも多い場合には,試料容器内の試料が 70∼80  %の範囲になるように試

料を取り出す。取り出した試料は,試料容器に戻してはならない。

f)

試料中の濁りの有無を確認する。濁りがある場合は,特記事項に記録する。この場合は,この規格の

精度は,適用できない。

g)

試料が 2 層分離していないことを確認する。2 層分離している場合は,試験を中止する。

h)

確認後の試料容器は,密栓して 0∼1  ℃の冷蔵庫又は氷水浴に入れる。

11 

試験の手順 

試験の手順は,次による。

a)

あらかじめ冷却しておいた試料容器を冷蔵庫又は氷水浴から取り出し,ふたを取り,あらかじめ冷却

した連結器具を取り付ける。連結管の先端が試料容器の底部にあることを確認する。

b)

試験器と連結器具とを接続し,試験器の設定条件が適切であることを確認した後,自動試験を開始す

る。試料の吸引時に,連結管に気泡がないことを確認する。

注記 1  試験器の動作は,試験室の洗浄,試験用試料の導入,試験室の膨張,試験室の温度測定,

演算などからなる。試験操作は,自動的に行われる。

c)

3

回の膨張操作が終了した後,全圧及び溶存空気圧の試験結果を記録する。このとき,溶存空気圧の

妥当性を確認する。

注記 2  溶存空気圧の妥当性は,試料中の軽質分の多少を参考にして推定できる。通常のガソリン

の溶存空気圧は 7 kPa 以下の場合が多い。

通常のガソリン試料で溶存空気圧が 7 kPa を超え

る場合は,試験操作中に空気が混入した可能性がある。

d)

溶存空気圧が異常と考えられる場合は,a)から試験をやり直す。

12 

計算及び結果の表し方 

蒸気圧は,箇条 11 c)で求めた試験結果を用いて次の式によって算出し,JIS Z 8401 の規定によって丸め

の幅 0.1 に丸める。

PPA

TP

VP

=

3

ここに,

VP

蒸気圧(kPa)

TP

3

3

回目の膨張後の全圧(kPa)

PPA

溶存空気圧(kPa)


6

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13 

精度 

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次による。試験結果が許容差を外れ

た場合は,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

13.1 

室内併行精度 

同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を 2 回試験したとき,試験結果

の差の許容差は,

表 による。ただし,精度は,溶存空気圧が 7 kPa 以下の揮発性原油及び 0∼1  ℃に冷

却すると濁りを生じる試料には適用できない。

13.2 

室間再現精度 

異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験して求めた 2 個の試験結

果の差の許容差は,

表 による。

表 2−精度 

単位  kPa

蒸気圧

室内併行許容差

室間再現許容差

7

∼150 0.6

2.3

14 

試験結果の報告 

試験結果の報告には,次の事項を記述する。

a)

試料名,採取場所及び採取年月日

b)

この規格の番号(JIS K 2258-2

c)

箇条 12 によって得られた結果

d)

特記事項

e)

試験年月日


7

K 2258-2

:2009

附属書 A

(参考)

試験方法の種類

序文 

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1 

試験方法の種類 

JIS K 2258

の規格群には,

表 A.1 に示す試験方法がある。

表 A.1−試験方法の種類 

規格群

試験方法の種類

適用基準

a)

適用油種

b)

リード法  試験手順 A

リード法  試験手順 B

1)

蒸気圧が 180 kPa 以下の石油製品。ただし,
酸素化合物を含む試料については,規定濃度

範囲内とする

c)

2)

蒸気圧が 10 kPa 以上の揮発性原油に適用す

d)

原油,自動車ガソリン,
航空タービン燃料油

リード法  試験手順 C  蒸気圧が 180 kPa を超える石油製品

e)

JIS K 2258-1 

リード法  試験手順 D  蒸気圧が 50 kPa 以下の航空ガソリン。

航空ガソリン

JIS K 2258-2 

3

回膨張法

1)

蒸気圧が 7∼150 kPa の試料。酸素化合物が,
リード法の規定濃度範囲外の試料も測定で

きる。ただし,試料を 0  ℃に冷却したときに

2

層分離する試料には,適用できない。

2)

溶存空気圧が,7 kPa 以下の揮発性原油に適

用する

d)

原油,自動車ガソリン,
航空ガソリン,航空タ

ービン燃料油

a)

個別の JIS 製品規格などによって,適用試験方法又は試験条件が規定されている場合は,それによる。

b)

適用油種は,JIS 石油製品規格などで規定されているものを例示した。

c)

酸素化合物の最大許容濃度は,炭素数が 5 以上のエーテル類が体積分率 15  %以下の試料,エタノールが体積
分率 10  %以下の試料,炭素数が 3 以上のアルコール類が体積分率 7  %以下の試料である。

d)

精度は,規定しない。

e)

液化石油ガスには,適用できない。液化石油ガスに対しては,JIS K 2240 を用いる。

参考文献 [1]  JIS K 2240  液化石油ガス(LP ガス)

[2]

  JIS K 2258-1  原油及び石油製品−蒸気圧の求め方−第 1 部:リード法

[3]

  JIS Z 9021  シューハート管理図