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K 2254 : 1998

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  用語の定義

2

3.

  試験方法の種類

3

4.

  常圧法蒸留試験方法

3

4.1

  試験の原理

3

4.2

  常圧法蒸留試験器

4

4.3

  試験器の点検

10

4.4

  試料採取方法及び試料の準備

12

4.5

  試験器の準備

12

4.6

  試験の手順

13

4.7

  計算及び結果

14

4.7.1

  結果の表し方

14

4.7.2

  気圧補正及び減失加算の計算方法

14

4.8

  精度

19

4.9

  試験結果の報告

21

5.

  減圧法蒸留試験方法

21

5.1

  試験の原理

21

5.2

  減圧法蒸留試験器

21

5.3

  試験器点検用標準試料

30

5.4

  試料採取方法及び試料の準備

30

5.5

  試験器の点検

30

5.6

  試験の準備

31

5.7

  試験の手順

33

5.8

  計算及び結果

34

5.9

  精度

34

5.10

  試験結果の報告

36

6.

  ガスクロマトグラフ法蒸留試験方法

36

6.1

  試験の原理

36

6.2

  試験器及び器具

37

6.3

  試薬

38

6.4

  試料採取方法

39

6.5

  試験の手順

39

6.5.1

  ガスクロマトグラフの調整

39

6.5.2

  カラム分離度の測定

40


K 2254 : 1998

目次

(2) 

6.5.3

  沸点変換線の作成

41

6.5.4

  試料の測定

41

6.6

  計算及び結果

42

6.7

  精度

42

6.8

  試験結果の報告

43

関連規格 43


日本工業規格

JIS

 K

2254

: 1998

石油製品−蒸留試験方法

Petroleum products

−Determination of distillation characteristics

序文  この規格は 1988 年に第 2 版として発行された ISO 3405, Petroleum products−Determination of

distillation characteristics

及び 1977 年に第 1 版として発行された ISO 3924, Petroleum products−Determination

of boiling range distribution

−Gas chromatography method を元に,対応する部分については技術的内容を変更

することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目(減圧法蒸留

試験方法)を日本工業規格として追加している。

1.

適用範囲  この規格は,石油製品の蒸留性状を常圧法蒸留試験方法,減圧法蒸留試験方法及びガスク

ロマトグラフ法蒸留試験方法によって試験する方法について規定する。

備考1.  この試験方法は危険な試薬,操作及び装置を使うことがあるが,安全な使用方法をすべてに

わたって規定しているわけではないので,試験に先立って,適切な安全上及び健康上の禁止

事項を決めておかなければならない。

2.

この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7410

  石油類試験用ガラス製温度計

JIS C 1602

  熱電対

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 1107

  高純度窒素

JIS K 2249

  原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表

JIS K 2251

  原油及び石油製品−試料採取方法

JIS K 2258

  原油及び燃料油−蒸気圧試験方法−リード法

JIS K 2280

  石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法

JIS K 2839

  石油類試験用ガラス器具

JIS K 8732

  二硫化炭素(試薬)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8402

  分析・試験の許容差通則

3.

この規格の対応国際規格を,

表 に示す。

4.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。


2

K 2254 : 1998

表 1  試験方法の対応国際規格

試験方法

対応国際規格

常圧法

ISO 3405 : 1988

Petroleum products

−Determination of distillation

characteristics

ガスクロマトグラフ法  ISO 3924 : 1977

Petroleum products

−Determination of boiling range

distribution

−Gas chromatography method

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,表 のとおりとする。

表 2  用語の定義

用語

試験方法の種類

定義

対応英語 
(参考)

常圧法及び減圧法

凝縮管の下端から留出油の最初の 1 滴が落下した
ときの温度計の読み  (℃)。

(1)

初留点

ガスクロマトグラフ法

クロマトグラムの積分された面積が総面積の 0.5%
になるときの保持時間から,沸点変換線を用いて

求めた沸点  (℃)。

Initial boiling point

常圧法及び減圧法

蒸留試験の最終段階での温度計の最高の読み  (℃)。

備考  通常,蒸留フラスコ底部の試料が完全に

気化した状態の読みをいう。

参考  終 点 の 同 意 語 と し て ,“ 最 高 温 度 ”

(maximum temperature)

がある。

(2)

終点

ガスクロマトグラフ法

ク ロ マ ト グ ラ ム の 積 分 さ れ た 面 積 が 総 面 積 の

99.5%

になるときの保持時間から,沸点変換線を用

いて求めた沸点  (℃)。

end point,

final boiling point

(3)

乾点

常圧法

蒸留フラスコ底部の試料の最後の 1 滴が気化した

瞬間の温度計の読み  (℃)。この際,蒸留フラスコ
内壁面や温度計表面は,ぬれていてもよい。

備考  一般には乾点よりも終点の方をよく用

いるが,終点が 4.8 に規定する精度で得
られない試料の場合は,終点の代わりに
乾点を用いることが望ましい。

dry point

(4)

分解点

常圧法及び減圧法

蒸留フラスコ内の試料が熱分解を起こし始めたと
きの温度計の読み  (℃)。

参考  熱分解は,白煙の発生,加熱を強めても

温度計の読みが低下するなどの兆候に
よって分かる。

decomposition point

常圧法及び減圧法

温度計の読みに対応する留出油の量(容量%)

(5)

留出量

ガスクロマトグラフ法

クロマトグラムの積分面積百分率。

備考  留出量%は必ずしも容量%又は質量%を

示すものではないが,一般に質量%とし
て扱われることが多い。

percent recovered

常圧法及び減圧法

留出量に対応する温度計の読み  (℃)。

(6)

留出温度

ガスクロマトグラフ法

留出量に対応する保持時間から,沸点変換線を用
いて求めた沸点  (℃)。

recovered temperature

(7)

全留出量

常圧法及び減圧法

4.6(7)

又は 5.7(6)に従って測定した留出量の全量

(容量%)

percent recovery

(8)

回収量

常圧法及び減圧法

全留出量と残油量の和(容量%)

percent total recovery


3

K 2254 : 1998

用語

試験方法の種類

定義

対応英語 
(参考)

(9)

減失量

常圧法及び減圧法 100 から回収量を差し引いた量(容量%)

。 percent

loss

(10)

残油量

常圧法及び減圧法

回収量から全留出量を差し引いた量,又は 4.6(8)

備考によって測定した蒸留フラスコ内の残量

(容量%)

percent residue

(11)

減 失 加 算 留
出量

常圧法

温度計の読みに対応する留出量と減失量との和
(容量%)

percent evaporated

(12)

減 失 加 算 留
出温度

常圧法

減失加算留出量に対応する温度計の読み  (℃)。

(13)

分離度

ガスクロマトグラフ法

6.5.2

に従って求めたカラムの分離能。 resolution

(14)

沸点変換線

ガスクロマトグラフ法

n

−パラフィンの保持時間と沸点との関係を表した線。

calibration curve

3.

試験方法の種類  蒸留試験方法は,表 の 3 種類とする。

表 3  試験方法の種類

種類

適用区分

適用油種例

常圧法

常温で液状のもので,常圧下の終点が 400℃以下の燃料油に

適用する。

自動車ガソリン

工業ガソリン 
航空ガソリン 
航空タービン燃料油

灯油,軽油

減圧法

絶対圧 0.13∼6.66kPa {1∼50mmHg},最高液温 400℃の条件

下で,完全に又は部分的に蒸発する液状石油製品に適用す
る。

参考  減圧法は,常圧法では熱分解を起こし,蒸留性状

を求めることが困難な試料に適している。

減圧軽油

重油 
軽質潤滑油

ガスクロマトグラフ法

常圧下の終点が 538℃以下で,かつ,沸点範囲が 55℃以上の

石油製品及び石油留分(ただし,ガソリン類を除く。)に適
用する。

航空タービン燃料油

灯油,軽油 
減圧軽油 
軽質潤滑油

備考1.  同一試料に対して,常圧法,減圧法及びガスクロマトグラフ法を適用した場合,試験の結果は3種の試

験法間で必ずしも一致しない。特に,ガスクロマトグラフ法は他の2種の試験法と試験の原理が全く異
なっていることもあって,試験結果は一致しないので,直接比較することはできない。

2.

ガスクロマトグラフ法で得られる留出温度は,一般の石油類に対しては真沸点 (True Boiling Point) の近
似値といえるが,多環芳香族類を含む試料の場合は,かなり異なる。

参考1.  ガソリン類に適用するガスクロマトグラフ法としては,ASTM D 3710 (Standard Test Method for Boiling

Range Distribution of Gasoline and Gasoline Fractions by Gas Chromatography)

がある。

2.

ガスクロマトグラフ法の試験データを常圧法又は減圧法のデータへ変換する変換式は,国際規格及び

ASTM

IPBS などの主要外国規格にも規定されていないが,ガスクロマトグラフ法の試験データを

常圧法又は減圧法のデータと比較したい場合は,

解説に記載した変換式(一例)を用いるとよい。

3.

真沸点による蒸留性状を測定したい場合は,JIS K 2601(原油試験方法)の

参考(理論段数 15 段の精留

塔を使用した蒸留試験方法)を利用するとよい。

4.

常圧法蒸留試験方法

4.1

試験の原理  試料 100mL をその性状によって表 に規定する試験条件で蒸留し,初留点,留出温度,

留出量,終点などを測定する。

備考  自動試験器を用いてもよい。ただし,自動試験器によって得られた試験結果に疑義が生じた場

合は,この試験方法によって得られた結果による。


4

K 2254 : 1998

表 4  試料の種類及び試験条件

適用試料の種類

試験条件

1

2

3

4

リード蒸気圧

(

1

)

kPa {kgf/cm

2

}

65.5

以上

{0.65 以上}

65.5

未満

{0.65 未満}

65.5

未満

{0.65 未満}

65.5

未満

{0.65 未満}

初留点

− 100 以下 100 を超えるもの

試料の性状

蒸留性状

終点

250

以下 250 以下 250 を超えるもの 250 を超えるもの

温度計(JIS B 7410 の温度計番号
と温度計記号)

7 (DIST)

7 (DIST)

7 (DIST)

8 (DIST)

フラスコ支え板の孔の直径 mm

37.5

37.5

50

50

蒸留フラスコ及び温度計の試験

始時における温度

13

∼18 13∼18 13∼18

室 温 を 超 え な い
こと

フラスコ支え板及び風よけの試

開始時における温度

室温以下

室温以下

室温以下

受器及び試料の試験開始時にお

試験の準備

る温度

13

∼18 13∼18 13∼18 13∼室温

凝縮浴槽の温度

0

∼1 0∼4 0∼4 0∼60(

2

)

受器冷却浴槽の温度

13

∼18 13∼18 13∼18

試料温度±3

加熱開始から初留点に達するま

の時間 min

5

∼10 5∼10 5∼10 5∼15

初留点から留出量 5 容量%に達

るまでの時間

S

60

∼75 60∼75

5

容量%留出温度から蒸留フラス

コ内残量が約 5mL になるまでの

平均毎分留出量 mL/min

4

∼5 4∼5 4∼5 4∼5

蒸留フラスコ内残量が約 5mL か

試 験 中 の 条

ら終点に至るまでの時間 min

3

∼5 3∼5 5 以下

5

以下

(

1

)  JIS K 2258

による。

(

2

)

凝縮浴槽の温度は,試料及び留出油のワックス含有量に応じて,ワックスを凝縮管内に凝縮させない最低の温
度を 0∼60℃間で選ぶ。

備考  表 の 3 類に属する試料の蒸留試験を行う場合,温度計 7 (DIST)  が不適切であるときは,温度計 8 (DIST)  を

使用してもよい。

なお,このことに関しては 4.6(3)

(

13

)

を参照するとよい。

4.2

常圧法蒸留試験器  次の(1)(8)の各部からなる。試験器の一例を図 1(I 形)及び図 2(II 形)に示

す。


5

K 2254 : 1998

図 1  常圧法 形蒸留試験器(一例)


6

K 2254 : 1998

図 2  常圧法 II 形蒸留試験器(一例)

(1)

蒸留フラスコ  ほうけい酸ガラス−1 製で,図 に規定する形状及び寸法(呼び容量 125mL)のもの。

備考  蒸留フラスコは,球部の肉厚が均一で,枝管の管軸は首管軸を通ること。特に,乾点を測定す

る場合は球部の肉厚が均一のものを選ぶ必要がある。

参考  蒸留フラスコは,JIS K 2839 に規定する図 42 のものがこれに相当する。


7

K 2254 : 1998

図 3  蒸留フラスコ

(2)

凝縮管及び凝縮浴槽  図 及び図 に示す形状及び寸法のもの。これら以外の形状のものでも,試験

結果が 4.8 に規定する精度以内で得られれば使用してもよい。

(a)

凝縮管  長さ 560±2mm,外径 14±0.5mm 及び肉厚 0.8∼0.9mm の継目なし黄銅管とし,そのうち

の約 390mm は凝縮浴槽中に浸り,上端 50mm 及び下端 114mm が浴槽外に出るように凝縮浴槽に取

り付ける。上端の浴槽外の部分は直線状で,垂線と 75 度の傾きとする。下端の浴槽外の部分は,先

端を鋭角に斜めに切り落とし,

図 に示すように下方に曲げる。受器を取り付けたとき管端が受器

の上端から 25∼32mm の位置で受器内壁に接することができるように,管端をわずかに内側に曲げ

る。凝縮浴槽内の部分は直線状(

図 1)又は円滑な曲線状(図 2)とし,いずれの場合も平均傾斜角

は垂線と 75±1 度で,入口と出口の間の高低差は 102±1mm とする。


8

K 2254 : 1998

図 4  凝縮管の下端

(b)

凝縮浴槽  保冷壁をもつ耐食金属製の液浴槽で,ふたを備える。凝縮管取付け部では,上方は凝縮

管の管軸から浴液面まで 32mm 以上,また,下方では浴槽底面まで 19mm 以上とし,他の部分では

凝縮管外周と浴槽壁との距離を 13mm 以上にする。使用状態では浴液の量は 5.5L(複式のものでは

凝縮管 1 本当たり 5.5L)以上とする。ふたには凝縮浴槽用温度計差込み口などを設ける。

備考1.  冷水循環方式の凝縮浴槽の場合は,容量はこの条件を満たさなくてもよいが,浴温を規定温

度範囲内でほぼ均一に保てるように冷水入口と出口(あふれ口)との位置及び大きさについ

て,十分に考慮しなければならない。

2.

表 の 4 類のうち,ワックス含有量の多い試料を試験する試験器には,消費電力約 1.5kW の

凝縮液加熱器とその加熱調整器とを備える。

(3)

風よけ  I 形用(ガス加熱)又は II 形用(電気加熱)とする。

(a)  I

形用風よけ(図 参照)  高さ 480∼490mm,奥行 275∼280mm 及び幅 200∼205mm のもので,

厚さ約 0.8mm の金属製とし,内面に厚さ 1.5∼3.0mm の耐熱性断熱板(

3

)

を張る。

正面には扉を設け,扉と背面には,上端から約 215mm の位置に,直径 25mm の通風孔を 2 個ず

つあける(

4

)

側面(凝縮浴槽側)中央部には,上端から 55±2mm の位置に,凝縮管の上端(突出し部)を差

し込めるように長円形の孔をあける。

また,各面の下端から約 25mm 上の位置に,それぞれ直径 13mm の通風孔を 3 個ずつあける(

4

)

風よけ内部には,ガスバーナと(4)に規定するフラスコ支持台とを風よけの中心に取り付けられる

ようなスタンドを設ける。フラスコ支持台とガスバーナの高さは適切に調節できるようにする。

ガスバーナは,毎分 63kJ {15kcal}  以上の熱量を供給でき,

かつ,

加熱を自由に加減できるもので,

バーナのコックを閉じて 10kPa {0.1kgf/cm

2

}

の空気圧を加えたとき,いずれの部分からも漏れがあ

ってはならない。

(

3

)

セラミックシートなどを用いる。

(

4

)

通風は,これらの孔からだけ行われること。

備考  風よけの正面には,蒸留フラスコを見やすい位置に,耐熱ガラス製のぞき窓(大きさ 70mm


9

K 2254 : 1998

以上の丸形又は角形)を設けることが望ましい。

(b)  II

形用風よけ(図 参照)  高さ 490∼500mm,奥行 200∼205mm 及び幅 200∼205mm のもので,

厚さ約 0.8mm の金属製とし,内面に厚さ 1.5∼3.0mm の耐熱性断熱板(

3

)

を張る。

正面には,蒸留フラスコを見やすい位置に,耐熱ガラス製のぞき窓(大きさ 70mm 以上の丸型又

は角形のものが適切である。

)を設ける。背面中央部には,上端から 55±2mm の位置に,凝縮管の

上端(突出し部)を差し込めるように長円形の孔をあける。

風よけ内部には,電熱器,(4)に規定するフラスコ支持台などを取り付け,それらの高さを外部か

ら調節できる装置と加熱調整器を備える。

また,正面には,フラスコ支持台調節用つまみ,加熱調整器つまみ,電圧計(又は電流計)

,スイ

ッチなどを備える。

電熱器は,加熱をできるだけ中心部に集中でき,加熱遅れの少ない構造のもので,加熱調節器に

よって消費電力を 0∼1 000W に調整できるものとする。

備考1. II 形用風よけには,I 形用に規定されるような通風孔は必要ないが,加熱調整器などを過

熱から保護するために通風孔を設けてもよい。

また,加熱調整器などを取り付けるのに差し支えなければ,風よけの下部約 50mm を

除いた寸法のものでもよい。

2.

蒸留フラスコの破損などによる発火事故のとき,こぼれた試料の流出を防ぐ目的で風よ

け底部を閉じるか,又は金属製の浅い角皿の上に風よけを置いてもよい。

ただし,I 形用では,これによって通風が妨げられてはならない。

(4)

フラスコ支持台  蒸留フラスコを風よけ内部の適切な位置に支えるとともに,風よけ下方からの上昇

気流を遮断して,蒸留フラスコへの影響を防ぐためのもので,I 形用(ガス加熱)又は II 形用(電気

加熱)とする。

(a)  I

形用フラスコ支持台(図 参照)  内径 100mm 以上の金属製支環及び I 形用風よけの内面に密着

する程度の大きさで,その中心に直径 76∼100mm の孔を開けた厚さ 3∼6mm の耐熱性断熱板(

5

)

ら構成する。

金属製支環は,風よけ内部のスタンドに取り付けて上下に調節できるようにする。耐熱性断熱板

(

5

)

は,金属製支環の上に水平に取り付け,この断熱板の上に(5)に規定するフラスコ支え板を重ねた

とき,2 枚の間にすき間ができないこと。

(

5

)

セラミックスファイバ成形材,石こうボード,耐熱磁器などを用いる。特に,中心の孔付

近が強熱されたときに熱膨張や化学変化などによる破損が起こりにくいものが望ましい。

(b)  II

形用フラスコ支持台(図 参照)  II 形用風よけ内面に密着する程度の大きさで,厚さ 5∼8mm

の耐熱性断熱板(

5

)

と,この断熱板を水平に取り付け,その高さを風よけの外から調節できるように

した適切な機構とする。

フラスコ支持台の上には(3)(b)で規定する電熱器を取り付ける。

備考  電熱器の上面は,(5)に規定するフラスコ支え板で覆う。

(5)

フラスコ支え板  厚さ 3∼6mm の耐熱性断熱板(

5

)

で,一辺の長さ 120∼150mm の正方形とし,その中

心に

表 に示す孔を開けたもの。


10

K 2254 : 1998

表 5  フラスコ支え板

単位 mm

適用試料

孔の直径

1

類及び 2 類に属するもの 37.5

3

類及び 4 類に属するもの 50

備考1.  厚さ20∼25mm の耐熱性断熱板(

5

)

の上面中央に,深さが3

∼6mm,直径が

5の寸法の孔を設け,この孔の下部を直

径76∼100mm に広げたものでもよい。

2.

蒸留フラスコの加熱は,このフラスコ支え板の孔を通し
て行われなければならない。

(6)

温度計  JIS B 7410 に規定する温度計番号 7 (DIST)  又は温度計番号 8 (DIST)  のもの。

(7)

受器  図 に規定する形状及び寸法で,表 に規定する目盛を付けた呼び容量 100mL のガラス製のも

の。

参考  受器は,JIS K 2839 に規定する図 43 のものがこれに相当する。

図 5  常圧法蒸留試験用受器 (100mL)

表 6  常圧法蒸留試験用受器の目盛

単位 mL

範囲

0

∼100

目量

1

長線

  5

ごと

回線 10 ごと

数字 10 ごと

備考

底部から 2 本の目盛はなくてもよい。

(8)

受器冷却浴槽  受器の上端から 25∼32mm の位置で凝縮管の下端が受器内壁に接するように受器を置

いたとき,受器を少なくとも 100mL の目盛線の上まで浴液中に浸して透視できる水浴槽で,受器を規

定の位置に保持できる機構を備える。

4.3

試験器の点検  常圧法蒸留試験器の点検は,次による。

(1)

清浄及び乾燥した受器を 2 個用意し,

表 に示す量の各成分をビュレット又はピペットで,はかり採

って混合し,標準試料 A 及び B を各 100mL 調製する。


11

K 2254 : 1998

参考  標準試料 A は,表 の 1 類及び 2 類に,標準試料 B は 4 類に属する試料に,それぞれ対応する

ものである。

表 7  標準試料の成分及びその混合割合

単位 mL

成分(

6

)

標準試料  A

標準試料  B

ヘキサン 20

ヘプタン 20

トルエン 20

キシレン 20

20

2

−エチルヘキサノール 10

20

テトラリン 10

20

α

−メチルナフタリン

− 20

ヘキサデカン

− 20

(

6

)  JIS

試薬の特級又はそれに準じるものを用いる。

(2)

標準試料 A 及び B を 4.5

4.7 の規定に従って蒸留し,得られた結果が表 に示す許容範囲内で標準留

出温度と一致すれば,試験器及び試験操作は正常であるとみなす。

備考1.  標準試料 B を蒸留する場合は,ヘキサデカンの凝固点が16℃のため,凝縮浴槽の温度を約40℃

にするとよい。

2.

自動試験器を校正する場合も,4.3 の規定に準じて行う。

参考  自動蒸留試験器の点検方法  自動蒸留試験器は,次の方法で点検してもよい。

なお,この点検方法は,自動蒸留試験器の機能のうちの“留出速度を

表 の規定範囲に入る

ように加熱制御する機能”だけを用いている。

(1)

自動蒸留試験器に 4.2(6)のガラス製温度計を取り付ける。

(2)

留出速度が

表 の“試験中の条件”に入るように設定した自動蒸留試験器で,任意の石油系

試料を蒸留し,各留出量に対応する留出温度を読み取って記録する。

(3)  (1)

で自動蒸留試験器に取り付けたガラス製温度計を,温度センサーに交換する。

(4)  (2)

と同じ試料を,(2)と同じ試験条件で蒸留し,各留出量と留出温度を記録する。

(5)  (4)

で得られた留出温度が 4.8(1)の室内併行許容差以内で(2)の留出温度と一致すれば,試験器

は正常であるとみなす。


12

K 2254 : 1998

表 8  標準試料 及び標準試料 の標準留出湿度(

7

)

とその許容範囲

単位  ℃

標準試料 A

標準試料 B

初留点(

8

) 76.0

±2.0 148.5±2.0

5

容量%留出温度(

8

) 88.5

±1.5 160.5±1.5

10

容量%留出温度 92.5±1.5 166.0±1.5

20

容量%留出温度 97.5±1.0 175.0±1.5

30

容量%留出温度 102.5±1.0 184.5±1.5

40

容量%留出温度 109.0±1.5 196.5±1.5

50

容量%留出温度 116.5±1.5 208.0±1.5

60

容量%留出温度 126.0±1.5 221.5±1.5

70

容量%留出温度 139.5±1.5 234.0±1.5

80

容量%留出温度 158.0±2.0 245.0±1.5

90

容量%留出温度 184.0±2.0 261.0±1.5

95

容量%留出温度 194.0±2.0 272.5±2.0

終点(

8

) 203.5

±1.5 279.5±1.0

(

7

)

減失加算留出温度。

(

8

)

初留点,5 容量%留出温度及び終点の許容範囲は,参考値とする。

4.4

試料採取方法及び試料の準備  試料採取方法及び試料の準備は,次による。

(1)

試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又は,それに準じた方

法によって採取(

9

)

及び調製する。

(

9

)

リード蒸気圧65.5kPa {0.65kgf/cm

2

}

以上の試料は,次のような方法で採取することが望ましい。

まず試料容器を 13∼18℃に冷却する。この試料容器を直接対象石油製品中に浸して,試料を

採取する。この方法で採取することができない場合は,あらかじめ冷却した試料容器に軽質分

の揮散が生じないように試料を移し入れる。

なお,いずれの場合も最初に採った試料は捨てる。

また,採取後は,直ちに試料容器を密栓し,氷浴槽,冷蔵庫などに入れて試料の温度を 15℃

以下に保つ。

(2)

目視によって水分の存在が認められるような試料は,試験に適さない。ただし,試料中に水分が認め

られても,初留点が 66℃以上と予想される場合は,試料に無水硫酸ナトリウム又は他の適切な乾燥剤

を加えて振り混ぜた後,上澄み液(脱水後試料)を傾斜法などによって採り,試験に供する。

備考  試料が目視によって認められる水分を含み,初留点が 66℃未満と予想される場合は,試験用試

料を水が懸濁していない部分から採取し直し,試験に供する。

なお,試験用試料の再採取ができない場合は,試料中の水を,静置又は軽質分を揮散させな

いように工夫した遠心分離などの方法で沈降させた後,上澄み液(懸濁水のない試料)を試験

に供する。

4.5

試験器の準備  常圧法蒸留試験器の準備は,次による。

(1)

表 から試料の試験に適したフラスコ支え板及び温度計を選ぶ。蒸留フラスコ,温度計,受器,フラ

スコ支え板及び風よけの各温度を,

表 に規定された試験開始時における温度にそれぞれ保つ。

(2)

凝縮浴槽に不燃性の冷却剤(例えば,砕いた氷,水,塩水,エチレングリコール水溶液など)を満た

(

10

)

,浴温を

表 に規定した温度に調節する。凝縮浴槽の温度を規定温度に保持するのに必要ならば,

凝縮浴槽に浴液循環装置,かき混ぜ機,空気吹込み管などを備えてもよい。

受器冷却浴槽も同様に,浴温を

表 の規定温度に保つのに必要な処置をとる。


13

K 2254 : 1998

(

10

)

砕いた氷を用いる場合は,凝縮管が完全に浸るように水を入れる。

(3)

凝縮管の内部は,

銅線に付けた毛羽立ちの少ない柔らかい布片でふき,

前回の試験の残油を取り除く。

(4)

試料の温度を

表 の規定温度範囲内に調節する。次いで,試料 100mL を受器にはかり採り,枝管に流

入しないように注意しながら蒸留フラスコに移し入れる。

参考  終点の誤差原因となるため,カーボンが多量に付着した蒸留フラスコは使用しないほうがよい。

(5)

コルク栓に取り付けた温度計を蒸留フラスコに差し込み,温度計の球部が蒸留フラスコの首管の中央

で,かつ,温度計の毛管下端が蒸留フラスコの枝管付根の内壁下部と水平になるようにする(

図 

照)

図 6  温度計の位置

(6)

フラスコ支え板の上に蒸留フラスコを置き,枝管をコルク栓で凝縮管にしっかり接続する。

この際,蒸留フラスコは垂直であるように,しかも枝管は 25∼50mm だけ凝縮管内に入るように位

置を調節する。

(7)

試料をはかり採るのに用いた受器は,乾燥させないで凝縮管の下端の下に置き(

11

)

,凝縮管の下端が受

器の中央で,少なくとも 25mm の深さまで入り,かつ,100mL の目盛線よりも低くならないようにそ

の位置を調節する。

凝縮管の外径に合わせて孔を開けたろ紙又はこれと同様なもので受器の口をぴったり覆う。

(

11

)

受器の周囲の温度が

4に規定する受器の試験開始時における温度範囲を外れる場合は,受器冷

却浴槽に受器を入れ,これを凝縮管の下端の下に置く。その際,受器冷却浴槽の浴液面は受器

の100mL 目盛線よりも高く保つ。

(8)

試験場所の気圧を記録し,4.6 に従って直ちに蒸留を行う。

4.6

試験の手順  試験の手順は,次による。

(1)

試料を入れた蒸留フラスコを加熱する。加熱を始めてから初留点に達するまでの時間が,

表 の規定

範囲に入るように加熱の強さを加減する。

(2)

初留点を読み取ったら,直ちに凝縮管の下端が受器の内壁に触れるように受器を動かす。留出速度が

一定で,かつ,

表 の規定範囲に入るように加熱を調節しながら試験を続ける。

もし,この条件に合わなかった場合は試験をやり直す。

(3)

初留点から蒸留の終わりまでの間における留出量と留出温度の関係(

12

)

を読み取って記録する。その際,

留出量は 0.5mL 単位で,また,留出温度は 0.5℃単位でそれぞれ読んで記録する(

13

)


14

K 2254 : 1998

(

12

)

一般には初留点,終点又は乾点(又はその両方)並びに5容量%留出温度,95容量%留出温度を

記録し,留出量が10容量%から90容量%までの間は10容量%ごとに温度計の読み(留出温度)を

記録する。

また,個別製品規格などで蒸留性状項目が規定されている場合[例えば,指定温度における

留出量(容量%)

,指定留出量(容量%)に達する温度など]は,それに従う。

(

13

)

表 の備考に従い,3 類に属する試料の試験に温度計 8 (DIST)  を用いた場合,留出温度が,コ

ルク栓に妨げられて読み取れないことがある。このような場合は,温度計 8 (DIST)  による蒸留

を終えてから,温度計 7 (DIST) を用いて蒸留をやり直し,温度計 8 (DIST) では読み取れなか

った部分の留出温度を読み,代用する。ただし,当事者間の協定によって読み取れない部分の

留出温度を表す必要がない場合を除く。

(4)

温度計の読みが分解点に達しない場合は(5)に従って操作を続ける。ただし,分解点に達した場合は加

熱を止め,以後は(7)に従って操作を続ける。

(5)

蒸留フラスコ内の残液の量が約 5mL になったら,それ以後終点に達するまでの時間が

表 の規定に合

致するよう,必要に応じて最後の加熱調節を行う。

もし,この条件に合わなかった場合は,始めから試験をやり直す。

(6)

必要に応じて,終点若しくは乾点又はその両方を読み取り,記録してから加熱を止める。終点では蒸

留フラスコ内の試料がすべて蒸発してしまったかどうかを観察し,もし多少でも残油があれば,その

ことを記録しておく。

(7)

加熱を止めても凝縮管下端から受器中に留出が続いている間は,2 分ごとに受器中の留出油の量を

0.5mL

単位で読み取り,連続 2 回の読みが一致するまで読み取りを続け,これを全留出量(容量%)

として記録する。

なお,(4)の状態で加熱を止めた場合は,全留出量(容量%)を 100 から差し引き,その差を残油量

と減失量の和として表し,(8)及び(9)に規定する操作は省略する。

(8)

蒸留フラスコが冷えたら受器に残油を移し(

14

)

,全量を 0.5mL 単位で正確に読み取り,これを回収量(容

量%)として記録する。

(

14

)

この際,受器内の液量の増加が見られなくなるまで残油を排出させる。

備考  別の方法としては,蒸留フラスコ内の残油を目量 0.1mL のメスシリンダに移し,その量を読み

取る。

回収量(容量%)を知るには,ここに読み取った残油量(容量%)を全留出量(容量%)に加

えればよい。

(9) 100

から回収量(容量%)を差し引き,その差を減失量(容量%)として記録する。

4.7

計算及び結果  計算及び結果は,次による。

4.7.1

結果の表し方  試料の蒸留性状は,次の規定に従って表す。

(1)

留出量と留出温度の関係(

12

)

を 1 組として表す。

(2)

初留点,終点,乾点,分解点及び各留出温度は,0.5℃単位で表す。

(3)

各留出量,全留出量,残油量,減失量及び回収量は,0.5 容量%単位で表す。

(4)

試験場所の気圧を付記する必要のある場合は,0.1kPa {1mmHg}  単位に丸めて表す。

4.7.2

気圧補正及び減失加算の計算方法  気圧補正及び減失加算の計算方法は,次による。

参考  留出温度,留出量及び減失量の気圧補正及び減失加算の計算手順は,参考図 によると分かり

やすい。


15

K 2254 : 1998

(1)

気圧補正を行う場合  温度計の読み(留出温度)を標準気圧 (101.3kPa {760mmHg}) における値に補

正する(

15

)

場合は,(1.1)による。

また,温度計の読み(留出温度)を標準気圧に補正した場合は,(1.2)によって減失量及び留出量の

気圧補正を行わなければならない。

なお,気圧補正を行った結果には,そのことを明示するとともに,試験時の気圧を付記することが

望ましい。

(

15

)

当事者間の協定又は個別製品規格で気圧補正を必要としていない場合,又は,他の基準圧力に

補正するように明示してある場合を除く。

(1.1)

温度計の読み(留出温度)の気圧補正方法  次のシドニー・ヤング (Sydney−Young)  式又は表 

よって温度計の各読み(留出温度)に対する補正値を求め,それぞれ補正した後,0.5℃単位に丸め

る。

C

t

=0.000 9 (101.3−P

1

) (273

t)

{C

t

=0.000 12 (760−P

2

) (273

t)}

ここに,

C

t

:  測定温度 に加える補正値  (℃)

P

1

:  試験時の気圧 (kPa)

P

2

:  試験時の気圧 {mmHg}

t

:  測定温度  (℃)

表 9  概略温度補正値

単位  ℃

温度範囲

圧力差 1.35kPa {10mmHg}  ご

との補正値(

16

)

温度範囲

圧力差 1.35kPa {10mmHg}  ご

との補正値(

16

)

10

以上 30 以下 0.35

210

を超え 230 以下 0.59

30

を超え 50 以下 0.38 230 を超え 250 以下 0.62

50

を超え 70 以下 0.40 250 を超え 270 以下 0.64

70

を超え 90 以下 0.42 270 を超え 290 以下 0.66

90

を超え 110 以下 0.45 290 を超え 310 以下 0.69

110

を超え 130 以下 0.47 310 を超え 330 以下 0.71

130

を超え 150 以下 0.50 330 を超え 350 以下 0.74

150

を超え 170 以下 0.52 350 を超え 370 以下 0.76

170

を超え 190 以下 0.54 370 を超え 390 以下 0.78

190

を超え 210 以下 0.57 390 を超え 410 以下 0.81

(

16

)

測定気圧が101.3kPa {760mmHg}  未満のときは上記補正値を加え,101.3kPa {760mmHg}  を超えるときは引

く。圧力の端数に対する補正値は,比例配分による。

(1.2)

減失量及び留出量の気圧補正方法  次の(a)及び(b)による。

(a)

気圧補正減失量の計算  気圧補正減失量は次の式によって算出し,0.5 容量%単位に丸める。

C

L

V

a

L

V

b

ここに,

C

L

気圧補正減失量(容量%)

L

実測減失量(容量%)

V

a

V

b

測定気圧に対する補正定数(

表 10 参照)

(b)

気圧補正留出量の計算  気圧補正留出温度に対応する気圧補正留出量は,次の式によって算出する。

R

c

R

t

+  (LC

L

)

ここに,

R

c

:  気圧補正留出量(容量%)

R

t

:  実測留出量(容量%)


16

K 2254 : 1998

L

:  実測減失量(容量%)

C

L

:  気圧補正減失量(容量%)

表 10  補正減失量を求めるための定数 V

a

と V

b

測定大気圧

kPa {mmHg}

定数 V

a

定数 V

b

測定大気圧

kPa {mmHg}

定数 V

a

定数 V

b

74.7 {560}

0.231

0.384

89.3 {670}

0.400

0.300

76.0 {570}

0.240

0.380

90.6 {680}

0.428

0.286

77.3 {580}

0.250

0.375

92.0 {690}

0.461

0.269

78.7 {590}

0.261

0.369

93.3 {700}

0.500

0.250

80.0 {600}

0.273

0.363

94.6 {710}

0.545

0.227

81.3 {610}

0.286

0.357

96.0 {720}

0.600

0.200

82.6 {620}

0.300

0.350

97.3 {730}

0.667

0.166

84.0 {630}

0.316

0.342

98.6 {740}

0.750

0.125

85.3 {640}

0.333

0.333

100.0 {750}

0.857

0.071

86.6 {650}

0.353

0.323

101.3 {760}

1.000

0.000

88.0

{660}

0.375

0.312

 

(2)

減失加算を行う場合  ガソリン,表 の 1 類に属する試料及び減失量が 2.0 容量%以上の試料は,次

(2.1)及び(2.2)によって減失加算留出量及び減失加算留出温度(

17

)

を算出することが望ましい。ただし,

個別製品規格などで減失加算の必要を規定していない場合,又は減失量が 2.0 容量%未満の場合は,

減失加算を行わなくてもよい。

なお,減失加算を行った結果には,そのことを明示する。

(

17

)

初留点,終点,乾点及び分解点については減失加算を行わない。

(2.1)

減失加算留出量の求め方  留出温度に対応する減失加算留出量は,次の式によって算出し,0.5 容

量%単位で表す。

なお,(1)の気圧補正を行った場合は,気圧補正留出量及び気圧補正減失量を用いて次の式によっ

て減失加算留出量を計算する。

R

e

R

r

L

ここに,  R

e

:  減失加算留出量(容量%)

R

r

:  実測留出量(容量%)

L

:  実測減失量(容量%)

(2.2)

減失加算留出温度の求め方  次に示す作図法か補間法のいずれかを用いる。

(a)

作図法  等間隔のグラフ用紙を用意し,縦軸に初留点から終点(又は,乾点)までを記録できる温

度を目盛り,横軸には留出量(0∼100 容量%)を目盛る。

これに,初留点(留出点を 0 容量%とする)及び各留出量に対応する留出温度を記入し,試料の

蒸留曲線を作図する。

規定留出量  (D)  に対応する減失加算留出温度を求めるには,その留出量  (D)  から減失量  (L)  を

差し引いた点  (DL)  を求め,この点に対応する留出温度を蒸留曲線から読み取る。この温度を

0.5

℃単位に丸めて,留出量 容量%に対応する減失加算留出温度とする。

なお,(1)の気圧補正を行った場合は,試料の蒸留曲線は気圧補正留出温度及び気圧補正留出量を

用いて作成し,減失量も気圧補正減失量  (C

L

)

を用いる。

作図法例 

(1)

試験結果(実測値)

初留点  ……………………36.5℃


17

K 2254 : 1998

5

容量%留出温度 ………45.5℃

10

容量%留出温度 ………54.0℃

20

容量%留出温度 ………65.5℃

30

容量%留出温度 ………77.0℃

40

容量%留出温度 ………89.5℃

50

容量%留出温度 ………101.5℃

60

容量%留出温度 ………115.0℃

70

容量%留出温度 ………131.0℃

80

容量%留出温度 ………149.0℃

90

容量%留出温度 ………171.0℃

95

容量%留出温度 ………186.5℃

終点  ………………………209.0℃ 
全留出量  ………………… 97.5 容量%
残油量  …………………… 1.0 容量%

減失量  …………………… 1.5 容量%

(2)

作図  図 に示すように,試験結果を記入し,蒸留曲線を作図する。

この蒸留曲線を用いて,規定留出量(この作図法例では,5 容量%,50 容量%及び 90 容量%の 3

点)に対応する減失加算留出温度を

図 のようにして読み取る。

結果を

表 11 に示す。

表 11  減失加算留出温度(一例)

規定留出量  (D)

容量%

減失量  (L)

容量%

規定留出量−減失量

(D

L)  容量%

減失加算留出温度

5 1.5 3.5 43.0

50 1.5 48.5

100.0

90 1.5 88.5

167.0

図 7  蒸留曲線(作図法の一例)


18

K 2254 : 1998

(b)

補間法  各々の規定減失加算留出量に対応する減失加算留出温度は,次の式によって算出し,0.5℃

単位に丸めて表す(

18

)

なお,(1)の気圧補正を行った場合は,気圧補正留出量,気圧補正留出温度及び気圧補正減失量を

用いて補間計算を行う。

L

H

L

L

H

L

)

)(

(

R

R

R

R

T

T

T

T

+

=

ここに,

T

:  求める減失加算留出温度  (℃)

R

:  規定減失加算留出量に対する実測留出量(容量%)

(規定減失加算留出量から減失量を差し引いたもの)

R

H

:  留出温度 T

H

における実測留出量(容量%)

に最も近くてこれより大きい留出量)

T

H

:  R

H

における留出温度  (℃)

R

L

:  留出温度 T

L

における実測留出量(容量%)

に最も近くてこれより小さい留出量)

T

L

:  R

L

における留出温度  (℃)

(

18

)

補間法を用いる場合は,試験のどの段階においても,連続した測定点は少なくとも4.6(3)

(

12

)

に示したものと同じくらいの間隔でなければならない。 

また,そのようにしなければ補間法を用いてはならない。

補間法例  試験結果は,作図法例(1)を用いる。

(1)

規定減失加算留出量 5 容量%(実測留出量 3.5 容量%)に対応する減失加算留出温度

T

=36.5+

0

5

)

0

5

.

3

)(

5

.

36

5

.

45

(

=42.8,0.5 単位に丸めて 43.0 (℃)


19

K 2254 : 1998

(2)

規定減失加算留出量 50 容量%(実測留出量 48.5 容量%)に対応する減失加算留出温度

T

=89.5+

)

40

50

(

)

40

5

.

48

)(

5

.

89

5

.

101

(

=99.7,0.5 単位に丸めて 99.5 (℃)

(3)

規定減失加算留出量 90 容量%(実測留出量 88.5 容量%)に対応する減失加算留出温度

T

=149.0+

)

80

90

(

)

80

5

.

88

)(

0

.

149

0

.

171

(

=167.7,0.5 単位に丸めて 167.5 (℃)

参考図 1  留出温度,留出量及び減失量の気圧補正及び減失加算の計算手順

4.8

精度  この常圧法蒸留試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次のとおりで

ある。

備考  試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402 によって処理する。

(1)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が,同一試験装置で,引き続き短時間内に同一試料を 2

回試験したとき,試験結果の差の許容差を

図 に示す。

(2)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験装置で,同一試料をそれぞれ 1 回ずつ試験し

たとき,2 個の試験結果の差の許容差を

図 に示す。


20

K 2254 : 1998

図 8  精度

備考  精度は蒸留曲線の温度傾斜が急であるか,緩やかで

あるかによって異なる。許容差を求めるには,まず

温度傾斜を計算し,これを

図 の両側のスケール上

に取り,この 2 点を結ぶ直線と A,B,C,D のス
ケールとの交点が示す数値を許容差とする。温度傾

斜を計算するには,次のようにする。

(a)

  10

容量%留出温度∼90 容量%留出温度の場合  問題点から上下等距離にある 2 点で,その点から

10

容量%以内の 2 点間の平均傾斜を求め,これをその点の温度傾斜とする。

(b)

初留点,終点,乾点の場合  問題点とその上方又は下方の点で,その点から 5 容量%以下の点との

平均傾斜を求め,これをその点の温度傾斜とする。

(c)

上記以外の場合  問題点から上下等距離にある 2 点で,その点から 5 容量%以下の 2 点間の平均傾

斜を求め,これをその点の温度傾斜とする。

計算例  温度傾斜の計算例を次に示す。

(a)

留出容量 50 容量%における温度傾斜の計算  留出量 40 容量%における留出温度を 89.5℃,留出量

60

容量%における留出温度を 115.0℃とすれば


21

K 2254 : 1998

温度傾斜(℃/容量%)=

40

60

5

.

89

0

.

115

1.3

(b)

初留点における温度傾斜の計算  初留点を

36.5

℃,留出量

3.5

容量

%

における留出温度を

43.0

℃と

すれば

温度傾斜(℃

/

容量

%

)=

0

5

.

3

5

.

36

0

.

43

1.9

(c)

減失加算留出量 容量%における温度傾斜の計算  減失加算留出量

2

容量

%

における留出温度を

37.5

℃,減失加算留出量

8

容量

%

における留出温度を

48.0

℃とすれば

温度傾斜(℃

/

容量

%

)=

2

8

5

.

37

0

.

48

1.8

4.9

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

(1)

試料名,採取場所及び採取年月日。

(2)

JIS

の規格番号;JIS K 2254

(3)

表 に示す試験方法の名称・項番号及び 4.7 によって得られた結果。

(4)

特記事項

5.

減圧法蒸留試験方法

5.1

試験の原理  試料

200mL

を,

0.13

6.66kPa {1

50mmHg}

の範囲内であらかじめ定め,かつ,正確

に調節した圧力の下で蒸留し,留出量と留出温度の関係を測定する。

得られた留出温度(初留点及び終点を含む。

)は,規定の計算式によって標準気圧下における温度に換算

する。

備考

自動試験器を用いてもよい。ただし,自動試験器によって得られた試験結果に疑義が生じた場

合は,この試験方法によって得られた結果による。

参考

この試験方法は,ISO/DIS 6616

(Petroleum products

Determination of distillation characteristics at

reduced pressures)

を参照して作成している。

5.2

減圧法蒸留試験器  次の(1)(13)の各部からなる。試験器の一例を図 9

I

形)及び

図 10

II

形)に

示す。


22

K 2254 : 1998

図 9  減圧法 形蒸留試験器(一例)


23

K 2254 : 1998

図 10  減圧法 II 形蒸留試験器(一例)

(1)

蒸留フラスコ  ほうけい酸ガラス−

1

製で

図 11

I

形蒸留フラスコ)又は

図 12

II

形蒸留フラスコ)

に規定する形状及び寸法のもの。

参考

蒸留フラスコは,JIS K 2839 に規定する

図 232

I

形蒸留フラスコ)又は

図 233

II

形蒸留フラ

スコ)のものがこれに相当する。


24

K 2254 : 1998

図 11  形蒸留フラスコ

図 12  II 形蒸留フラスコ

(2)

蒸留カラム及び凝縮器

I

形用又は

II

形用とする。

(a)

I

形用  真空ジャケット付き蒸留カラムと凝縮器とを一体構造にしたもので,図 13

I

形蒸留カラム

及び凝縮器)に規定する形状及び寸法のほうけい酸ガラス−

1

製のもの。

なお,凝縮器には圧力調整器との接続に用いる凝縮器キャップ(

図 14 の形状及び寸法でほうけい

酸ガラス−

1

製のもの)を備える。


25

K 2254 : 1998

参考

  I

形蒸留カラム及び凝縮器は,JIS K 2839 に規定する

図 124 のものが,又凝縮器キャップは図

237

のものがこれに相当する。

図 13  形蒸留カラム及び凝縮器

図 14  凝縮器キャップ

(b) II

形用

図 15

II

形蒸留カラム)及び

図 16

II

形凝縮器)に規定する形状及び寸法のほうけい酸ガ

ラス−

1

製のもの。

参考

 II

形蒸留カラム及び

II

形凝縮器は,JIS K 2839 に規定する

図 235 のもの及び図 236 のものがこ

れに相当する。


26

K 2254 : 1998

図 15  II 形蒸留カラム

図 16  II 形凝縮器

(3)

加熱器  加熱調整器を備えた消費電力

750

1 000W

のもので,

I

形用は保温カバー付き石英織りマン

トルヒータ(

図 参照)とし,

II

形用はフラスコ支持台に電熱器を組み込み,支持台の外からその位

置を上下に調節できるようにしたもの(

図 10 参照)とする。

(4)

熱電対  JIS C 1602 に規定する記号

J

(鉄−コンスタンタン)又は記号

K

(クロメル−アルメル)の

もので,

図 17

I

形用)又は

図 18

II

形用)に示す形状及び寸法のガラス製保護管に入れたもの。


27

K 2254 : 1998

図 17  形用熱電対保護管 

図 18  II 形用熱電対保護管 

備考

熱電対を蒸留カラムに取り付けたとき,その先端部の中心線は,蒸留カラムの中心線と一致し,

先端上部の位置は蒸気出口管の付根下部と同じ高さになければならない

図 19 及び図 20 参照)。

図 19  形用熱電対の取付け位置 


28

K 2254 : 1998

図 20  II 形用熱電対の取付け位置

(5)

熱電対保持用アダプタ

I

形用又は

II

形用とする。

(a)

I

形用  図 21 に規定する形状及び寸法のほうけい酸ガラス−

1

製のもの。

(b)

II

形用  図 21 に規定する形状及び寸法のほうけい酸ガラス−

1

製のもの。

備考

熱電対保持用アダプタ(

I

形用及び

II

形用)は,JIS K 2839 に規定する

図 238 のものがこれに

相当する。

図 21  熱電対保持用アダプタ(形用及び II 形用)

(6)

受器  図 22 に規定する形状及び寸法で,表 12 に規定する目盛を付けたガラス製のもの。

参考

受器は,JIS K 2839 に規定する

図 239 のものがこれに相当する。


29

K 2254 : 1998

図 22  減圧法蒸留試験用受器

表 12  減圧法蒸留試験用受器の内管の目盛

単位

 mL

範囲

0

∼200

目量 2

長線 10 ごと

数字 20 ごと

備考  底部から 2 本の目盛はなくてもよい。

(7)

温度指示計  電位差計,デジタル電圧計,指示熱電温度計など,熱電対と組み合わせて用いるもので,

0

370

℃の範囲において,

0.5

℃の温度変化を読み取れるもの。

(8)

フラスコ温度計  JIS B 7410 に規定する温度計番号

49 (GUM)

のもの。

備考

±

1

℃の正確さで温度を読み取れる温度指示計と組み合わせた熱電対をフラスコ温度計の代わ

りに用いてもよい。

(9)

圧力計  絶対圧力

0.67kPa {5mmHg}

以下において±

6.65Pa {

±

0.05mmHg}

の正確さで,また,

0.67kPa

{5mmHg}

6.65kPa {50mmHg}

の範囲では読取り値の±

1%

の正確さで圧力を測れるもの。

備考

試験器の組立て時,圧力計は,冷却トラップを介して蒸留カラムの側管(

I

形の場合は,熱電

対保持用アダプタの側管)と接続する。接続ラインは,内径

7mm

以上で,長さはできるだけ

短くすること。

(10)

圧力調整器  試験器系内の圧力を,

1.33kPa {10mmHg}

以上においては±

1%

以内の変動で,また,

1.33kPa {10mmHg}

より低い圧力では±

13Pa {0.1mmHg}

以内の変動で,保持できるもの。

備考

試験器の組立て時,圧力調整器は,冷却トラップを介して凝縮器の側管(

I

形の場合は,凝縮

器キャップ)と接続する。接続ラインは,できるだけ短く,かつ,内径をできるだけ大きくす

ること。

(11)

冷却水循環装置

32

78

℃の範囲内で±

3

℃以内の温度に調節された冷却水を,受器及び凝縮器に供給

できるもの。

(12)

ドリップチェーン  凝縮器の出口下端に取り付けて,留出油の受器への留出がしずく状にならないよ

うにするためのもので,凝縮器と受器を接続したとき,黄銅製チェーンの先端が受器の

10mL

目盛線

の約

5mm

下に位置する長さとし,

200mL

目盛線より下方の留出油の容量増加を

0.1mL

以内にできる


30

K 2254 : 1998

体積のもの。

(13)

防護板  試験器から試験者を遮へいするのに十分なもの。

5.3

試験器点検用標準試料  JIS K 2280 に規定する

n

−セタン。

5.4

試料採取方法及び試料の準備  試料採取方法及び試料の準備は,次による。

(1)

試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又は,それに準じた方

法によって採取及び調製する。

(2)

試料に水分が認められる場合は,蒸留フラスコにはかり採る前に,適切な方法で脱水する。

参考

例えば,次のような脱水方法がある。

試料

300mL

を約

80

℃に加熱し,

粒子径約

1.5

2.5mm

の塩化カルシウム

10

15g

を加えた後,

10

15

分間激しくかき混ぜ,静置及び放冷し,上層(脱水後試料)を傾斜法などによって採る。

5.5

試験器の点検  減圧法蒸留試験器の点検は,次による。

(1)

熱電対の校正  熱電対と温度指示計を一組として,校正温度±

0.1

℃に保持した液体かき混ぜ形の温槽

中で,白金抵抗温度計又は JIS B 7410 

附属書(補正試験方法)に規定する標準温度計と比較して校

正する。校正温度は,

0

℃,

40

℃,

90

℃,

150

℃,

200

℃,

250

℃及び

300

℃とする。

備考

この校正操作で得られた温度指示計の読みと,温槽の温度(

0.1

℃単位)から熱電対校正線図を

作成しておく。

(2)

圧力保持性能の点検  試験器系内を排気し,系内の圧力が目標とした減圧度に達し,かつ,5.2(10)

規定する圧力変動以下で維持されるかどうかを点検する。

もし,目標とした減圧度に達しないか,又は真空ポンプの停止によって系内の圧力が急増する場合

は,系内に空気の吸い込みが起きているので,試験器内を大気圧に戻し,すべての継手(すり合わせ

連結部)に高真空用グリースを塗り直す。

(3)

標 準試 料に よる 点検   試験器点検 用標 準試料 (

n

− セ タ ン ) を 用 い , 蒸 留 圧 力 を

0.13~6.66kPa

{1~50mmHg}

の範囲内から

2

点以上選び(

19

)

5.6 及び 5.7 の操作を行い,得られた

10

90

容量

%

留出

温度の平均値が

表 13 に示す平均沸点範囲に入っていれば,試験器は正常であるとみなす。

もし,点検結果が

1

点でも平均沸点範囲から外れた場合は,次の事項について再点検し,原因を取

り除いてから標準試料(

n

−セタン)による点検をやり直す。

(a)

熱電対の取付位置及び保護管測温部の汚れ

(b)

圧力測定器の目盛の正確度

(c)

温度指示計の目盛の正確度

(d)

蒸留圧力の制御精度

(e)

蒸留カラムの形状及び寸法

(

19

)

試料の蒸留圧力が指定されている場合は,その圧力を用いること。

備考

自動試験器を校正する場合も,この 5.5(3)の規定に準じて行う。


31

K 2254 : 1998

表 13  試験器点検用標準試料(n−セタン)の各蒸留圧力における平均沸点範囲

蒸留圧力

kPa {mmHg}

留出量 10∼90 容量%における平均沸点範囲  ℃

0.13 { 1.0}

104.3

∼107.6

0.67 { 5.0}

133.1

∼136.4

1.33 {10.0}

147.5

∼150.8

2.67 {20.0}

163.3

∼166.7

5.33 {40.0}

181.1

∼184.4

6.66 {50.0}

187.2

∼190.6

備考  表中にない蒸留圧力に対応する平均沸点範囲は,次の式から

求めた温度±1.7℃とする。

9

5

15

.

278

)

502

.

7

log(

03044

.

7

37

.

3296

1

×

ú

û

ù

ê

ë

é

×

=

P

t

ïþ

ý

ü

ïî

í

ì

×

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

9

5

15

.

278

log

03044

.

7

37

.

3296

2

P

t

ここに,

t

蒸留圧力

P

1

(又は

P

2

)における平均沸点

  (

)

P

1

蒸留圧力

 (kPa)

P

2

蒸留圧力

 {mmHg}

5.6

試験の準備  減圧法蒸留試験の準備は,次による。

(1)

冷却水の温度を,試料の予期初留点より

28

℃以上低い温度(

20

)

±

3

℃に調節する。

(

20

)

ただし,

32

72

℃の範囲内の温度でなければならない。

なお,通常は多くの試料に対して適切な温度である

60

℃に設定するとよい。

(2)

凝縮器にドリップチェーンを

図 23 に示すように取り付けてから受器と接続する。このとき,接続部(球

面すり合わせ部)には高真空用グリースを塗り,スプリングクランプなどを用いて固定する。次いで,

冷却水循環ポンプを回し,受器及び凝縮器に冷却水を循環させる。

図 23  ドリップチェーンの取付け方


32

K 2254 : 1998

(3)

JIS K 2249

に規定する振動式密度試験方法又はこれと同等の正確さをもつ他の適切な方法で,受器の

温度(冷却水の温度)における試料の密度を測定する。

備考

試料の密度

 (15

)

が既知の場合は,JIS K 2249 の 5.2(温度に対する密度換算及び容量換算の

基本式)を用いて,密度

 (15

)

を受器の温度における密度

  (t

)

に換算してもよい。

(4)

受器の温度において

200mL

に相当する試料の質量を,次の式によって

0.1g

のけたまで算出し,この

量の試料を蒸留フラスコにはかり採る。

t

200

p

M

×

=

ここに,

M

試料のはかり採り量

 (g)

p

t

受器の温度における試料の密度

 (g/cm

3

)

(5)

必要に応じて,蒸留フラスコに試料の突沸及び泡立ち防止用の沸石を入れる(

21

)

(

21

)

試料に水や溶解ガスが存在すると,突沸及び泡立ちの原因となる。試料の突沸及び泡立ちを防

止する他の方法として,蒸留フラスコにはかり採る前に試料を減圧ろ過する方法でもよい。

備考

 II

形試験器の場合は,

図 24 に示す形状及び寸法の泡ブレーカを蒸留カラムに取り付けるとよい。

図 24  泡ブレーカとその取付け位置

(6)

蒸留フラスコと蒸留カラムを接続する(

22

)

。このとき,接続部(球面すり合わせ部)には高真空用グリ

ースを塗り,スプリングクランプなどを用いて固定する。

なお,高真空用グリースは塗り過ぎると,蒸留中,試料に溶け込んで泡立ちの原因になることがあ

るので,必要最少量を使用する。

(

22

)

 II

形試験器の場合は,蒸留カラムと凝縮器とをあらかじめ接続しておく。

(7)

蒸留フラスコを加熱器の上に置き,蒸留フラスコの温度計挿入孔にグラスウールを詰め,フラスコ温

度計又は熱電対を挿入する。

(8)

蒸留カラムに熱電対を取り付け,その先端上部の位置が蒸留カラムの蒸気出口管の付根下部と同じ高

さになっていることを確かめる(

図 19 及び図 20 参照)。

(9)

圧力測定部及び圧力調整部との接続が正しく行われていることを確かめた後,真空ポンプを始動し,


33

K 2254 : 1998

蒸留フラスコ内の試料に泡立ちが起こるかどうか観察する。試料が泡立ちを起こした場合は,泡立ち

が収まるまで試験器系内の圧力をわずかに増加する。溶解ガスの排出を容易にするため,試料を弱く

加熱してもよい。

備考

 II

形試験器の場合は,この脱気操作が終わったら,蒸留カラム及び蒸留フラスコに保温材(例

えば,石英ウール,セラミックスファイバなどの耐熱性断熱材)を厚く巻き付ける。

5.7

試験の手順  減圧法蒸留試験の手順は,次による。

(1)

試料に応じた蒸留圧力を選定する(

23

)

(

23

)

減圧軽油,軽質潤滑油などは,

1.33kPa {10mmHg}

に,常圧残さ油,重質潤滑油留分などは,

0.13kPa {1mmHg}

に蒸留圧力を設定するとよい。

(2)

試験器系内を排気し,系内の圧力を選定した蒸留圧力に一致させる。

系内の圧力が蒸留圧力に達しないか,又は真空ポンプの停止によって系内の圧力が極端に増加する

場合は,漏れが生じているので,系内を常圧に戻して,試験器のガラスすり合わせ部を点検し,高真

空用グリースを塗り直す。

なお,系内の圧力を目標レベルに調節及び維持できないときは,試験器の他の部分について漏れ検

査を行う。

(3)

系内の圧力が試料の蒸留圧力に達し,かつ 5.2(10)に規定する圧力変動以下で保持されるようになった

ら,加熱器のスイッチを入れ,試料の過度の泡立ちに注意しながら蒸留フラスコを急速に加熱する。

蒸留フラスコと蒸留カラムの接続部に蒸気又は還流液が現れたら,直ちに加熱の強さを加減し,初

留点後,留出油が毎分

6

8mL

の割合で受器に捕集されるように調節する。

(4)

初留が観測されたら,そのときの温度指示計の読み及び圧力計の読みを記録する。

この場合,温度指示計の読みは

0.5

℃単位に相当するけたまで,また,圧力計の読みは 5.2(9)に規定

するけたまで読み取る。

備考

初留点は,凝縮器の出口下端に留出油の最初の一滴が現れたときとする。

(5)

初留点から蒸留の終わりまでの間における留出量,留出温度及び蒸留圧力の関係(

24

)

を読み取って記録

する。この場合,留出量は

0.5

容量

%

単位で,留出温度及び蒸留圧力は(4)の基準で読み取る。

(

24

)

一般には,次に示す留出量に対応する留出温度及び蒸留圧力を記録する。

初留点及び終点並びに

5

容量

%

留出量,

10

容量

%

留出量,

20

容量

%

留出量,

30

容量

%

留出量,

40

容量

%

留出量,

50

容量

%

留出量,

60

容量

%

留出量,

70

容量

%

留出量,

80

容量

%

留出量,

90

容量

%

留出量,及び

95

容量

%

留出量

(6)

終点を観測する前に,蒸留フラスコ内の液温(フラスコ温度計の読み)が

400

℃に達するか又は分解

点に達した場合は加熱を止め,そのときの温度指示計の読み,圧力計の読み及び全留出量を読み取っ

て記録する。

(7)

試料の蒸留が終わったら,加熱器を約

5cm

下げ,蒸留フラスコと加熱器に空気を静かに吹き付けて冷

却する。蒸留フラスコの温度が

93

℃以下になったら,系内の圧力を徐々に常圧に戻し,試験を終了す

る。

備考

蒸留フラスコが

93

℃以下の温度に冷やされる前に,試験器から取り外す必要が生じた場合は,

不活性ガス導入バルブを通じて窒素又は二酸化炭素(

25

)

を系内に導入し,系内の圧力を常圧に戻

してから取り外す。

(

25

)

空気は絶対に用いてはならない。系内には高温の油蒸気が残留しているので,空気を用いると,

発火又は爆発を起こすおそれがあるので十分注意すること。


34

K 2254 : 1998

5.8

計算及び結果  減圧法蒸留試験の計算及び結果は,次による。

(1)

初留点及び終点並びに各留出量における温度指示計の読みを,5.5(1)で作成した熱電対校正線図などを

用いて摂氏温度に変換し,

0.5

℃単位に丸め,これを試験圧力下の留出温度とする。

備考

温度指示計として,温度の値を直接表示する形式のもの(例えば,デジタル温度計)を用いた

場合は,器差補正後の温度を試験圧力下における留出温度とする。

(2)

次の式によって,試験圧力下の留出温度を標準気圧

 (101.3kPa {760mmHg})

下における温度に換算(以

下,常圧換算留出温度という。

)し,

0.5

℃単位に丸める。

273

00051606

.

0

)

3861

.

0

(

1

.

748

)

273

(

1

ú

ú
û

ù

ê

ê
ë

é

×

+

×

=

+

A

A

AET

t

[

]

[

]

)

502

.

7

log(

76

.

95

12

.

2663

)

502

.

7

log(

9774472

.

0

9991972

.

5

1

1

×

×

×

×

=

P

P

A

þ

ý

ü

î

í

ì

×

×

=

)

log

76

.

95

(

12

.

2663

)

log

9774472

.

0

(

9991972

.

5

2

2

P

P

A

ここに,

AET

:常圧換算留出温度

  (

)

t

:試験圧力下の留出温度

  (

)

P

1

:試験圧力下の留出温度に対応する圧力計の読み(蒸留圧力)

(kPa)

P

2

:試験圧力下の留出温度に対応する圧力計の読み(蒸留圧力)

{mmHg}

参考

 AET

は,

Atmospheric Equivalent Temperature

の略。

(3)

試験結果は,初留点及び終点並びに各留出量(容量

%

)に対応する常圧換算留出温度として表す。必

要に応じて蒸留圧力を併記する。

備考1.

終点の得られなかった試料[5.7(6)参照]の場合も,これに準じて表す。

2.

試験結果を試験圧力下の留出温度で表す場合は,受渡当事者間の協定による。

5.9

精度  この減圧法蒸留試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率

0.95

)は,次のとおりで

ある。

ただし,蒸留圧力

0.13kPa {1mmHg}

又は

1.33kPa {10mmHg}

で試験した結果に適用する。

備考

試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402 によって処理する。

(1)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が,同一試験装置で,引き続き短時間内に同一試料を

2

回試験したとき,試験結果(常圧換算留出温度)の差の許容差を

表 14 に示す。

(2)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験装置で,同一試料をそれぞれ

1

回ずつ試験し

たとき,

2

個の試験結果(常圧換算留出温度)の差の許容差を

表 14 に示す。


35

K 2254 : 1998

表 14  精度

蒸留圧力 0.13kPa {1mmHg}

蒸留圧力 1.33kPa {10mmHg}

室内併行許容差

室間再現許容差

室内併行許容差

室間再現許容差

初留点 17 56 15 49

終点 3.3 31 7.1 27

留出温度

留出量  容量%

留出量  容量%

5

∼50 60∼90 5∼50 60∼90 5∼50 60∼90 5∼50 60∼90

0.5 2.4  2.5  6.5

3.9

1.9 2.0 7.0 5.4

温度傾斜

℃/容量%

1.0 2.9 3.0 10

6.0

2.4 2.5 9.3 7.2

1.5

3.2

3.3

13

  7.8

2.8

2.9

11

8.5

2.0

3.4

3.5

16

  9.4

3.1

3.2

12

9.6

2.5  3.6  3.7 18

11  3.3  3.5 14  11

3.0  3.8  3.9 21

12  3.6  3.7 15  11

3.5  3.9  4.0 23

13  3.8  3.9 16  12

4.0  4.0  4.2 25

15  3.9  4.1 16  13

4.5  4.1  4.3 27

16  4.1  4.3 17  13

5.0  4.2  4.4 29

17  4.3  4.4 18  14

5.5  4.3  4.5 30

18  4.4  4.6 19  15

6.0  4.4  4.6 32

19  4.5  4.7 19  15

6.5  4.5  4.7 34

20  4.7  4.8 20  16

7.0  4.6  4.8 35

21  4.8  5.0 21  16

7.5  4.7  4.8 37

22  4.9  5.1 21  16

8.0  4.8  4.9 38

23  5.0  5.2 22  17

8.5  4.8  5.0 40

24  5.1  5.3 22  17

9.0  4.9  5.1 41

25  5.2  5.4 23  18

9.5  5.0  5.1 43

25  5.3  5.5 23  18

10.0  5.0  5.2 44

26  5.4  5.6 24  19

10.5  5.1  5.2 46

27  5.5  5.7 24  19

11.0  5.1  5.3 47

28  5.6  5.8 25  19

11.5  5.2  5.4 48

29  5.7  5.9 25  20

12.0  5.2  5.4 50

30  5.8  6.0 26  20

12.5  5.3  5.5 51

30  5.9  6.1 26  20

13.0  5.3  5.5 52

31  6.0  6.2 27  21

13.5  5.4  5.6 54

32  6.0  6.3 27  21

14.0  5.4  5.6 55

33  6.1  6.3 27  21

14.5  5.5  5.7 56

33  6.2  6.4 28  22

15.0  5.5  5.7 57

34  6.3  6.5 28  22

備考1.  留出量(容量%)に対応する留出温度(常圧換算留出温度)の精度は,蒸留曲線の温度傾斜が急であるか,緩

やかであるかによって異なる。

許容差を求めるには,まず温度傾斜を計算し,それを

表 14 の温度傾斜列に当てはめ,留出量(容量%)列

との交点が示す数値(温度℃)を許容差とする。

温度傾斜を計算するには,次のようにする。

(1)  10

容量%留出温度∼90 容量%留出温度の場合  精度を求めようとしている点から上下等距離にある 2 点で,

その点から 10 容量%以内の 2 点間の平均傾斜を求め,これを JIS Z 8401 の規定によって 0.1℃単位に丸めて,
その点の温度傾斜とする。

(2)  (1)

以外の留出温度の場合  精度を求めようとしている点から上下等距離にある 2 点で,その点から 5 容量%

以下の 2 点間の平均傾斜を求め,これを JIS Z 8401 の規定によって 0.1℃単位に丸めて,その点の温度傾斜と
する。

2.

表中にない温度傾斜に対応する許容差は,補間法によって求める。

温度傾斜の計算例

留出量

40

容量

%

における常圧換算留出温度が

443.0

℃,留出量

30

容量

%

におけ


36

K 2254 : 1998

る常圧換算留出温度が

427.0

℃,及び留出量

20

容量

%

における常圧換算留出温

度が

409.0

℃のとき,留出量

30

容量

%

における温度傾斜を求める。

温度傾斜(℃

/

容量

%

)=

7

.

1

20

34

20

40

0

.

409

0

.

443

=

=

許容差の補間法計算例

蒸留圧力

0.13kPa {1mmHg}

,温度傾斜

1.7

/

容量

%

のとき,

30

容量

%

留出温度

に対する再現許容差を求める。

(1)

温度傾斜

1.5

の列と,留出量

5

50

の列との交点における数値を読み取る

………

13

(2)

同様にして,温度傾斜

2.0

の列と,留出量

5

50

の列との交点における数

値を読み取る………

16

(3)

 (1)

(2)

とから,温度傾斜

1.7

に対応する留出量

5

50

の列の数値を補間

法によって求めると,

13

 [(16

13) / (2.0

1.5)] (1.7

1.5)

14.2

したがって,

30

容量

%

留出温度に対する再現許容差は,

14.2

0.5

単位

に丸めて

14.0

℃となる。

5.10

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

(1)

試料名,採取場所及び採取年月日。

(2)

JIS

の規格番号;JIS K 2254

(3)

表 に示す試験方法の名称・項番号及び 5.8 によって得られた結果。

(4)

特記事項

6.

ガスクロマトグラフ法蒸留試験方法

6.1

試験の原理  まず,試料の沸点範囲をカバーする既知の

n

−パラフィン混合物を,沸点順に溶出し,

かつ,規定の分離度をもつ充てんカラムを備えた昇温プログラム付きガスクロマトグラフに注入して測定

する。各

n

−パラフィンの沸点と得られた保持時間によって沸点変換線を作成する。次に,試料をガスク

ロマトグラフに注入し,同一条件で測定し,得られたクロマトグラムの積分値と沸点変換線とから初留点,

各留出温度,終点などを計算によって求める。

備考

炭化水素を沸点順に分離し,かつ,6.5.2 で試験した分離度

R

3

以上

8

以下のキャピラリーカ

ラム(管の内径が

0.5mm

程度)を,充てんカラムの代わりに用いてもよい。ただし,キャピラ

リーカラムによって得られた試験結果に疑義が生じた場合は,この試験方法によって得られた

結果による。

参考1.

ガスクロマトグラフ法は常圧法及び減圧法と試験の原理が全く異なっていることもあって,

同一試料を試験した場合,ガスクロマトグラフ法の試験結果は常圧法及び減圧法の試験結果

とは一致しない。

2.

ガスクロマトグラフ法試験結果の常圧法及び減圧法データへの変換  ガスクロマトグラフ法

の試験結果を常圧法又は減圧法のデータに変換したい場合は,

解説に記載の変換式(一例)

を用いるとよい。

ただし,

解説に記載の変換式は広範囲の試料を対象としているためはん(汎)用性は高い

が,石油学会の検討結果では,試料によってはガスクロマトグラフ法の試験結果を変換した


37

K 2254 : 1998

データは常圧法及び減圧法の試験結果とかなり異なる場合がある。

6.2

試験器及び器具  試験器及び器具は次による。

(1)

ガスクロマトグラフ  主要部が次の性能を満たす昇温プログラム付きガスクロマトグラフを用いる。

備考

ガスクロマトグラフに共通する一般事項は,JIS K 0114 による。

(1.1)

検出器  次の性能をもつ水素炎イオン化検出器。

(a)

規定のカラムを取り付け,実際の試験条件で

1.0%

のドデカンを規定量注入したときのピーク高さを

記録計のフルスケールの

10%

以上になるように感度を調節し,

1

時間稼働させたとき,ベースライ

ンの変動がフルスケールの

1%

以下であること。

(b)

最高のカラム温度での連続運転に十分耐えられること。

(c)

検出器とカラムとは冷却される箇所がなく接続されていること。

(1.2)

カラム槽  次の性能をもつもの。

(a)

(1.5)

に規定するカラムを収納できること。

(b)

初留点の保持時間が少なくとも

1

分以上で,かつ,試料がすべて留出するような温度範囲を設定で

きること。

備考

初留点が

93

℃以下の場合,室温よりも低い初期カラム槽温度が要求される。

(c)

昇温機構は,沸点変換線用試料の各成分に関して,保持時間の繰返し性が

0.1

分以内であること。

(1.3)

試料導入部  シリコーンゴムなど耐熱性,弾性体セプタムをもつ試料気化室で,カラムの最高使用

温度又はそれ以上の高い温度に連続して保つことができるもの。

備考

試料導入部に石英ウールを詰めると室内併行精度が向上するといわれている。

(1.4)

流量制御装置  使用するカラム槽の温度範囲において,キャリヤガス流量の変化を±

1%

以下に保つ

能力をもつもの。

(1.5)

カラム  次のものを用いる。

(a)

管  ステンレス鋼製,銅製又はガラス製で,表 15 に示す長さ及び内径をもち,金具などによって両

端をガスクロマトグラフに緊密に接続できるもの。

表 15  カラムの内容

材料

ステンレス鋼,銅又はガラス

長さ

m

0.5

∼1.5

内径 mm

2

∼3

カラム液相

シリコーン系の無極性のもの

液相濃度

%

3

∼10

担体

けい藻土,耐火れんが

充てん物

担体粒径

µm{メッシュ}

177

∼250 {60∼80}  又は 149∼177 {80∼100}

(b)

充てん物  シリコーン系の無極性カラム液相(

26

)

をけい藻土や耐火れんがなどの担体に

3

10%

程度

含浸させたもの(

表 15 参照)。

(

26

)

極性のあるカラム液相を用いると結果に偏りを生じるおそれがあるので,使用してはならない。

備考

規定のカラム液相以外でも,炭化水素を沸点順に分離し,かつ,6.5.2 で試験した分離度

R

3

以上

8

以下のものは使用してもよい。

参考

シリコーン系の無極性カラム液相として,次のものを使用するとよい。

シリコーンガムラバー

UC-W98

シリコーンガムラバー

GE-SE-30

シリコーンガムラバー

OV-1


38

K 2254 : 1998

シリコーンリキッド

OV-101

(c)

カラムの調製  (b)(a)に充てんしたカラムを試料導入部だけ接続し,キャリヤガスを通じながら最

高使用温度で

12

16

時間空焼きを行う。

この方法でカラムを

2

本調製する(

27

)

(

27

)

この試験方法では,ベースラインの安定が重要である。このカラム調製操作でもカラム液

相のブリード(流出)は完全に除去できないので,液相のブリードによるベースラインの

変動を相殺するため,つり合った

2

本のカラムを調製すること。

備考

次の手順でカラムの調製を行ってもよい。

−  カラムを試料導入部だけ接続する。

−  室温でキャリヤガスを十分に通す。

−  キャリヤガスを止め,カラム槽を最高使用温度にし,

1

時間以上保持する。

−  カラム温度を

100

℃以下にし,規定量のキャリヤガスを流す。

−  最高使用温度までの昇温を数回繰り返す。

(2)

記録計  応答時間がフルスケールで

2

秒以内のもの。

(3)

積分計  一定の時間間隔でクロマトグラムのピーク面積をデジタル表示し,記録できるもので,次の

性能をもつもの。

(a)

積分感度

1

µ

V

s

につき

1

カウント以上。

(b)

直線性  入力

1mV

以上の測定値に対して±

0.1%

(c)

入力電圧  最大

1 000mV

参考

記録計の性能を併せもった積分計を使うと便利である。

(4)

マイクロシリンジ  容量

1.0

µ

L

又は

10

µ

L

のもの。

備考

自動サンプリング装置を使用してもよい。

ただし,この装置は沸点

538

℃の炭化水素が完全に蒸発する温度で作動し,かつ,この装置

を炭化水素の冷却・凝縮が発生しないようにガスクロマトグラフのカラムに接続できること。

6.3

試薬  試薬は,次による。

(1)

キャリヤガス  純度

99.9%

以上のヘリウム又は JIS K 1107 に規定する窒素。

(2)

沸点変換線作成用混合物  沸点既知の

n

−パラフィンの混合物で,試料の沸点範囲を網羅するもの。

炭素数

2

60

n

−パラフィンの沸点を

表 16 に示す。

使用の際,各

n

−パラフィンが約

1%

となるよう二硫化炭素で希釈する。

備考

試料中に,クロマトグラム上で確実に同定できる多くの

n

−パラフィンが含まれていれば,そ

れらのピークを利用して沸点変換線を作成してもよい。その際,最初のピークの直前に,その

ピークと完全に分離する

n

−パラフィンを試料に追加すると,沸点変換線の精度が向上する。

表 16  n−パラフィンの沸点(

28

)

炭素数

沸点  ℃

炭素数

沸点  ℃

炭素数

沸点  ℃

  21 356 41 528

2

−89 22 369 42 534

3

−42 23 380 43 540

4

0 24 391 44 545

5

36 25 402 45 550

6

69 26 412 46 556

7

98 27 422 47 561


39

K 2254 : 1998

炭素数

沸点  ℃

炭素数

沸点  ℃

炭素数

沸点  ℃

8

126 28  431  48  566

9

151 29  440  49  570

10

174 30  449  50  575

11

196 31 458 51 579

12

216 32  466  52  584

13

235 33  474  53  588

14

254 34  481  54  592

15

271 35  489  55  596

16

287 36  496  56  600

17

302 37  503  57  604

18

316 38  509  58  608

19

330 39  516  59  612

20

344 40  522  60  615

(

28

)  API Project 44, October 31, 1972

を引用した。

(3)

n

−ヘキサデカン  JIS K 2280 に規定する

n

−セタン。

(4)

n

−オクタデカン  純度

99%

以上のもの。

(5)

n

−オクタン  純度

99%

以上のもの。

(6)

分離度測定用試薬

n

−オクタンに,

n

−ヘキサデカンと

n

−オクタデカンを質量でそれぞれ

1%

加えて

調製したもの。

(7)

二硫化炭素  JIS K 8732 に規定するもの。

6.4

試料採取方法  試料は,JIS K 2251 に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又は,

それに準じた方法によって採取及び調製する。

6.5

試験の手順

6.5.1

ガスクロマトグラフの調整  ガスクロマトグラフの調整は次による。

(1)

6.2(1)(1.5)(c)

で空焼きの終了したカラム

1

本をガスクロマトグラフのキャリヤガス試料側流路に,他の

1

本は補償側流路に確実に取り付ける。

(2)

試料導入部のセプタム(

29

)

,ガラスインジェクション及び石英ウールを必要に応じて取り替える。

また,検出器が清浄(

30

)

に保たれていることを確認する。

(

29

)

試料導入部温度が

300

℃以上の場合,セプタムを新しく交換した際には,空試験を行い,セプタ

ムからのゴーストピークの有無を確認する必要がある。通常,試験温度で数時間放置しておけ

ば問題はなくなる。実際には,試験開始時よりも

1

日の試験終了時に交換するのが望ましい。

(

30

)

水素炎イオン化検出器は,燃焼によって生成したたい積物が検出器の応答特性を変えるので,

定期的に清掃してたい積物を取り除いておく。

(3)

ガスクロマトグラフの使用説明書に従って,試料に応じた操作条件(

31

)(

32

)

を設定する。一般的な操作

条件を

表 17 に示す。

表 17  ガスクロマトグラフの一般的な操作条件

種類

ヘリウム又は窒素

キャリヤガス

流量 mL/min

30

∼60

試料導入部の温度

℃ 350∼390

種類

水素炎イオン化検出器

検出器

温度(

31

)

℃ 350∼390

カラム槽の温度(

32

)

℃ −40∼390

昇温速度

℃/min

6.5

∼10


40

K 2254 : 1998

種類

ヘリウム又は窒素

キャリヤガス

流量 mL/min

30

∼60

(

31

)

検出器部分の温度を高くすると,ノイズレベルが高く,ま
た,ドリフトも大きくなり,更に寿命も短くなるので,必

要以上に高くしないこと。

(

32

)

カラム固定相液体が固化するような極端に低いカラム温度
は避けること。

(4)

カラム槽温度を最高使用温度にしてベースラインを記録させ,安定するのを待つ。

(5)

カラム槽を初期温度まで冷却し,一定の平衡時間(

33

)

の後,昇温プログラム及び記録計をスタートさせ,

空試験でのベースラインが安定していることを確認する。

ベースラインの変動が大きい場合は(4)及び(5)の操作を繰り返す。数度繰り返してもベースラインが

安定しない場合は,6.2(1)(1.5)(c)によってカラム

2

本を調製し直す。

(

33

)

  1

分以内で十分である。

なお,この平衡時間は,カラム分離度の測定,沸点変換線の作成及び試料の測定のときも同

じにする。

備考

ベースラインの変動は蒸留性状に大きく影響する。特に初留点と終点付近の蒸留性状は大きく

変化するので,極力ベースラインが変動しないようにカラム及びガスクロマトグラフの操作条

件を調整すること。

6.5.2

カラム分離度の測定  カラム分離度の測定は次による。

なお,カラム分離度は,新しく調製したカラムを用いるとき及びガスクロマトグラフの操作条件を変更

したときには,必ず測定しなければならない。

(1)

6.5.1(5)

によってベースラインの安定を確認し,カラム槽を初期温度まで冷却する。

(2)

一定の平衡時間(

33

)

の後,分離度測定用試薬を

0.2

1.0

µ

L

注入し,昇温プログラム及び記録計をスター

トさせる。

(3)

得られたクロマトグラフから分離度を次の式によって求め(

図 25 参照),

3

以上

8

以下にあることを

確認する。

2

1

2

Y

Y

d

R

+

=

ここに,

R

カラムの分離度

d

ピーク間距離

  (

d

1

d

2

) (mm)

Y

1

Y

2

ピーク幅

 (mm)

図 25  分離度の測定


41

K 2254 : 1998

6.5.3

沸点変換線の作成  沸点変換線は,試験日ごとに次の方法によって作成する。

(1)

6.5.1(5)

によってガスクロマトグラフが正しく調整されていることを確認し,カラム槽を初期温度まで

冷却する。

(2)

一定の平衡時間(

33

)

の後,沸点変換線作成用混合物

0.2

1

µ

L

(

34

)

注入し,昇温プログラム及び記録計を

スタートする。

(

34

)

n

−パラフィンが

1%

程度となるように6.3(2)の沸点変換線作成用混合物を二硫化炭素で希釈

したものを用いる。注入量が多すぎると

n

−パラフィンのピークがゆがみ,その結果として保

持時間がゆがんで沸点変換線が大きく偏るので入れすぎないこと。

(3)

n

−パラフィンの保持時間を記録する。

(4)

それぞれのピークの保持時間と

n

−パラフィンの沸点とから沸点変換線(

35

)

を作成する(

図 26 参照)。

(

35

)

最良の精度を得るためには,沸点変換線が直線であることが非常に望ましい。一般に,試料の

初留点が低いほど昇温開始温度は低くするが,開始温度が高すぎると沸点変換線の下端がかな

り曲がり,精度が悪くなる。

図 26  沸点変換線(一例)

6.5.4

試料の測定  試料は,次の方法で測定する。

備考

その日のうちに複数の試料を測定する場合,軽質のものから測定するとよい。

(1)

6.5.1(5)

によってガスクロマトグラフが正しく調整されていることを確認し,カラム槽を初期温度まで

冷却する。

(2)

一定の平衡時間(

33

)

の後,試料を

0.2

1

µ

L

(

36

)

注入し,昇温プログラム,積分器及び記録計をスタート

する。

(

36

)

注入が多すぎても少なすぎても結果に大きく影響する。注入量が多いとピークが検出器及び積

分器で過負荷になり,注入量が少ないとベースラインの変動の影響を受け,定量性が悪くなる。

また,用いるカラムの条件によって最適注入量が異なるので,あらかじめ確認しておく必要

がある。負荷能力が小さい液相のカラムや管の直径が小さいカラムを使用するとピークがゆが

み,留出温度が高く偏る。

備考

粘度の高い試料の場合は,二硫化炭素で適切に希釈するとよい。

(3)

一定の時間間隔でクロマトグラムの面積を測定し,記録する。

備考

  5

12

秒を目安とし,試料の全留出時間を

200

以上に分割できるようにするとよい。


42

K 2254 : 1998

(4)

クロマトグラムがベースラインに戻ったら(

37

)

,測定を終了する。

(

37

)

この試験方法では,測定の終了時点にクロマトグラムがベースラインに戻っていることの確認

が重要である。液相やセプタムのブリード,検出器の温度調整,キャリヤガス流量の変動や漏

れなどベースラインの安定性に影響するすべての因子について,常に注意すること。

また,試料を注入せずに規定の手順で空試験を定期的に実施し,ベースラインを安定化させ

ること。

6.6

計算及び結果  試料の蒸留性状は,次の方法(図 27 参照)によって算出し,JIS Z 8401 の規定によ

って整数に丸めて表す。

(1)

各分割時間における面積(分割面積)を加算し,累積面積を求める。

(2)

累積面積を全累積面積[クロマトグラムが基線に戻った点(

38

)

の累積面積]で除して,各分割時間にお

ける累積面積

%

を算出する。

(

38

)

クロマトグラムの終了点の位置決めが,この試験方法で最も困難な作業となることがある。試

料によっては重質成分が徐々に減少することでピークのテーリングが極端に長くなるものがあ

る。このことと,液相やセプタムのブリード(流出)又は前試料のこん跡重質成分の溶出が原

因で,クロマトグラムの終了点でベースラインが上昇する傾向があり,初留点前のベースライ

ンにクロマトグラムが正確に戻らないことがある。

その場合は,測定の終了前後のクロマトグラム及び分割面積を検査し,分割面積の変化率が

全累積面積の

0.01%

以下の一定値に達した点をクロマトグラムの終了点とする。

(3)

各分割時間とその分割時間における累積面積とから,初留点,終点及び

1

99%

の各累積面積に相当

する保持時間を求める。

(4)

初留点,終点及び

1

99%

の各累積面積の保持時間に対応する沸点を沸点変換線から求める。

備考

蒸留曲線が必要な場合は,方眼紙上に留出量と沸点の関係をプロットする。初留点は

0%

に,

また,終点は

100%

にプロットし,すべての点を結ぶ滑らかな曲線を描く。

図 27  クロマトグラムのモデル

6.7

精度  このガスクロマトグラフ法蒸留試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率

0.95

)は,

次のとおりである。

備考

試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402 によって処理する。

(1)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が,同一試験装置で,引き続き短時間内に同一試料を

2

回試験したとき,試験結果の差の許容差を

表 18 に示す。

(2)

室間再現精度  異なる試験室において,別人が別の試験装置で,同一試料をそれぞれ

1

回ずつ試験し

たとき,

2

個の試験結果の差の許容差を

表 18 に示す。


43

K 2254 : 1998

表 18  精度

留出量 %

室内併行許容差  ℃

室間再現許容差  ℃

初留点 4

8

5 2

3

10

∼40 2

4

40

∼90 2

4.4

95 3

5.5

終点 7

13.5

6.8

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

(1)

試料名,採取場所及び採取年月日。

(2)

JIS

の規格番号;JIS K 2254

(3)

表 に示す試験方法の名称・項番号及び 6.6 によって得られた結果。

(4)

特記事項

関連規格

JIS K 2601

  原油試験方法

ISO/DIS 6616

 (1985)

Petroleum products

Determination of distillation characteristics at reduced

pressures

ASTM D 1160

-93a

Standard Test Method for Distillation of Petroleum Products at Reduced Pressure


44

K 2254 : 1998

原案作成委員会  構成表(敬称略,順不同)

氏名

所属

(委員長)

小  西  誠  一

元防衛大学校教授

天  野      徹

工業技術院標準部

広  田  博  士

資源エネルギー庁石油部

高  橋  千  晴

工業技術院計量研究所

近  藤  輝  男

工業技術院環境技術総合研究所

有  賀  正  夫

社団法人石油学会

中  村  麒久雄

社団法人日本海事検定協会

高  野  敏  夫

社団法人自動車技術会

中  西  忠  雄

防衛庁装備局

福  嶋  信一郎

日本鋼管株式会社本社鉄鋼技術センター

中  村      準

菱日エンジニアリング株式会社本牧事業所

吉  田  彰  夫

いすゞ自動車株式会社材料開発部

武  藤  敏  夫

東京電力株式会社火力部

君  島  孝  尚

石川島播磨重工業株式会社技術研究所

加  藤  良  三

東燃株式会社製造計画部

松  崎      昭

日本石油株式会社中央技術研究所

小久保  陽  生

出光興産株式会社製造部

橘      宗  昭

昭和シェル石油株式会社商品技術室

伊  達  和  人

株式会社ジャパンエナジー精製部

下  平      武

日本科学機器団体連合会(田中科学機器製作株式会社)

西  川  輝  彦

石油連盟技術環境部

原案作成分科会  構成表(敬称略,順不同)

氏名

所属

(分科会長)

橘      宗  昭

昭和シェル石油株式会社商品技術室

中  林  賢  司

工業技術院標準部材料規格課

村  谷  茂  典

財団法人新日本検定協会中央研究所

近      義  彦

社団法人日本海事検定協会理化学研究所

伊  藤      玄

出光興産株式会社製造部

近  藤      修

日本石油株式会社中央技術研究所

番  場      章

三菱テクノ株式会社業務部

谷  口      宏

三菱石油株式会社開発研究所

大  森  道  昭

日本科学機器団体連合会(株式会社離合社)

鈴  木      繁

東燃株式会社総合研究所

長谷部  好  昭

富士石油株式会社袖ヶ浦製油所

広  田  義  則

株式会社コスモ総合研究所分析研究室

高  橋

  己

株式会社ジャパンエナジー分析センター

銅  屋  公  一

昭和シェル石油株式会社中央研究所

大  滝  盛  司

ゼネラル石油株式会社中央研究所

林          明

ゼネラル石油株式会社中央研究所

下  平      武

日本科学機器団体連合会(田中科学機器製作株式会社)

橘  田  英  男

日本科学機器団体連合会(吉田科学器械株式会社)

伊  藤  正  保

社団法人全国石油協会品質管理事業部

久保田      亘

石油連盟技術環境部