K 2247-5:2015 (ISO 22241-5:2012)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 要件······························································································································· 2
4.1 機能要件 ······················································································································ 2
4.2 フィラネック ················································································································ 4
4.3 給水ノズル ··················································································································· 6
4.4 自由空間 ······················································································································ 7
5 試験······························································································································· 8
5.1 一般的試験要件 ············································································································· 8
5.2 給水ノズルからのこぼれ量の測定······················································································ 9
5.3 アンモニア濃度の測定 ···································································································· 9
5.4 フィラネックの最小強度 ································································································ 10
附属書A(参考)リブ付きフィラネック ·················································································· 13
K 2247-5:2015 (ISO 22241-5:2012)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人自動車技術会(JSAE)から,
工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経
済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS K 2247の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 2247-1 第1部:品質要件
JIS K 2247-2 第2部:試験方法
JIS K 2247-3 第3部:取扱い,輸送及び貯蔵
JIS K 2247-4 第4部:重量車用の尿素水溶液給水インタフェース
JIS K 2247-5 第5部:乗用車用の尿素水溶液給水インタフェース
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 2247-5:2015
(ISO 22241-5:2012)
ディーゼル機関−NOx還元剤 AUS 32−
第5部:乗用車用の尿素水溶液給水インタフェース
Diesel engines-NOx reduction agent AUS 32-
Part 5: Refilling interface for passenger cars
序文
この規格は,2012年に第1版として発行されたISO 22241-5を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,JIS K 2247-1に規定する窒素酸化物(NOx)還元剤AUS 32(AUS:aqueous urea solution,
尿素水溶液を表す。)の給水インタフェースについて規定する。この規格は,選択還元式触媒技術を用いた
ディーゼル機関を搭載する自動車に適用する。主として,乗用車並びに車両総質量3.5 t以下のトラック及
びバスに適用するが車両総質量3.5 tを超える自動車に適用してもよい。また,JIS K 2247-4に規定する開
放形給水システムを車両総質量3.5 t以下のトラック及びバスに適用してもよい。
AUS 32は,選択還元式触媒コンバータシステム(SCRコンバータという。)の作動に必要なものである。
この規格は,車載給水システムと定置形給水システムとの間の互換性を確保するために,給水システムの
機能及び形状についての最小限の要件を規定する。
注記1 JIS K 2247(規格群)では,“NOx還元剤AUS 32”を“AUS 32”と略称する。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 22241-5:2012,Diesel engines−NOx reduction agent AUS 32−Part 5: Refilling interface for
passenger cars(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 2247-1 ディーゼル機関−NOx還元剤 AUS 32−第1部:品質要件
注記1
対応国際規格:ISO 22241-1,Diesel engines−NOx reduction agent AUS 32−Part 1: Quality
requirements(MOD)
注記2 対応国際規格では,引用規格となっていないが,この規格では引用規格として追記した。
JIS K 2247-3 ディーゼル機関−NOx還元剤 AUS 32−第3部:取扱い,輸送及び貯蔵
2
K 2247-5:2015 (ISO 22241-5:2012)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 対応国際規格:ISO 22241-3,Diesel engines−NOx reduction agent AUS 32−Part 3: Handling,
transportation and storing(MOD)
JIS K 2247-4 ディーゼル機関−NOx還元剤 AUS 32−第4部:重量車用の尿素水溶液給水インタフェ
ース
注記1
対応国際規格:ISO 22241-4,Diesel engines−NOx reduction agent AUS 32−Part 4: Refilling
interface(MOD)
注記2 対応国際規格では,引用規格となっていないが,この規格では引用規格として追記した。
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
給水システム(refilling system)
車両のAUS 32タンクへAUS 32を給水するための給水インタフェースを含む,車載給水システム及び定
置形給水システム。
3.2
小形容器(canister)
車載タンクへ給水するように注入口を備えた容量1 L〜10 Lの容器。
3.3
定置形給水システム(off-board refilling system)
車両のAUS 32タンクへAUS 32を給水する定置形装置。一般的にタンク,給水ポンプ,給水ホース及び
給水ノズルからなる。
3.4
車載給水システム(on-board refilling system)
AUS 32の給水に必要な車両の装置。一般的にフィラネック,フィラキャップ及び車載タンクからなる。
3.5
給水ノズル(filler nozzle)
定置形給水システムの車載給水システムに接続する部分。作業者がAUS 32給水中にAUS 32の流量を調
節でき,規定の形状をもつノズル注入口及びオートストップ機構からなる。
3.6
フィラネック(filler neck)
車載給水システムの給水ノズルを取り付ける部分。
3.7
フィラキャップ(filler cap)
AUS 32の漏れを防止し不純物混入を最小限にするために,フィラネックに取り付ける部品。給水中に,
一時的に開口又は取り外される。
4
要件
4.1
機能要件
車載給水システム及び定置形給水システムは,次に規定する基本的な機能要件を満足しなければならな
い。
3
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− こぼれ量は,最小限とする。
− アンモニア臭は,最小限でなければならない。
− フィラネック内の圧力は,最小限とする。
− 誤給油及び誤給水を防ぐ機能をもたなければならない。
詳細な要件は,表1に規定する。
表1−基本的な機能要件
No.
特性
要件
補足事項
1
流量
5 L/min以上,10 L/min以下。
この規定は,次の場合に適用しな
い。
− 小形容器での給水
− 車両製造ラインでの給水
2
給水ノズルのオートストッ
プ機能
オートストップ機能を装備しなければなら
ない。オートストップ検知後の給水量は,50
mL以下でなければならない。
−
3
AUS 32タンクのAUS 32最
高液面
給水ノズルのオートストップ機能は,最高液
面を超える給水を防止するために使用しな
ければならない。
−
4
こぼれ量
0.4 mL/回未満
試験方法は,5.2による。
5
フィラネック内の圧力
給水開始5秒間後には,−300 Pa以上,300 Pa
以下でなければならない。給水終了時には,
大気圧でなければならない。
−
6
給水時のエア抜き性
フィラネックを車載AUS 32タンクのエア抜
きとして使用する。給水時のアンモニア濃度
は,体積分率0.000 015以下でなければなら
ない。
試験方法は,5.3による。
7
使用温度範囲
−30 ℃〜+80 ℃:車載給水システムの場
合。
−
−20 ℃〜+40 ℃:給水所の定置形給水シス
テムの場合。
特定の地域において,規定の温度範囲では不
十分な場合がある。このような場合は,この
地域を代表する使用温度範囲に広げなけれ
ばならない。また,特定の地域において,規
定の温度範囲が過剰な場合がある。このよう
な場合は,この地域を代表する使用温度範囲
に狭めることができる。
8
燃料の車載AUS 32タンク
への誤給油
車載AUS 32タンクへの燃料の給油を防ぐ機
能をもたなければならない。
図1に規定するフィラネックは,
燃料の給油ノズルを挿入できな
い形状である。これによって,誤
給油を防止する。
9
AUS 32の燃料タンクへの
誤給水
車載燃料タンクへのAUS 32の給水を防ぐ機
能をもたなければならない。給水ノズルの形
状及び寸法を,車載燃料タンクのフィラネッ
クに挿入できないようにする。これによっ
て,誤給水を防止する。小形容器については,
給水ノズルと同等の形状及び寸法にするこ
とが望ましい。
−
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−基本的な機能要件(続き)
No.
特性
要件
補足事項
10
材料
AUS 32と直接接触する材料は,使用装置の
腐食及びAUS 32への不純物混入を防ぐた
め,AUS 32との適合性をもっていなければ
ならない。JIS K 2247-3に従った適切な材料
を選定する。
−
11
清浄度
AUS 32への不純物混入を最小限に抑えるた
め,製造,組立及び搭載の過程で,車載及び
定置形給水システムの全ての部品は,高い清
浄度を確保しなければならない。定置形給水
システムの部品の清浄度レベルは,JIS K
2247-3による。
車載給水システムの部品の清浄度レベルは,
最先端技術に応じて,受渡当事者間で合意し
なければならない。
−
12
信頼性
フィラネック及びフィラキャップは,国内法
規又は車両製造業者によって定められた車
両の使用期間の間,十分に機能するように,
設計及び製造しなければならない。
−
13
結晶化a)
結晶化を予防することが望ましい。
空気との接触を最小限にするこ
とが望ましい。
14
表示a)
識別記号はJIS D 0032,表示はJIS K 2247-1
による。又はそれらと同等の規格を使用す
る。
フィラキャップの色は,青が望ま
しい。
注a) 推奨項目とする。
4.2
フィラネック
フィラネックの寸法特性は,図1の仕様による。フィラネックの給水ノズル取付部は,図1,図2及び
表2に規定するのこ歯ねじS36×4とする。フィラネックの端面は,図1に規定する表面仕上げをしたシ
ール面とする。
フィラネックのねじ山は,少なくとも,5 N・mの締付けトルクに耐えなければならない。
車両製造業者は,給水ノズル使用時にエア抜きが不十分となる可能性に留意することが望ましい。エア
抜き性を改善するための一例として,附属書Aに示すリブ付きフィラネックがある。
注記1 のこ歯ねじは,軸方向の力が一方向だけに働く場合に用いられる非対称断面形のねじである。
注記2 S36×4は,DIN 513に規定されているおねじの呼びである。JISには,のこ歯ねじの規定が
ないため記載した。
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
1
フィラネックの端面
2
おねじの公称寸法a)
3
ねじ山開始のZ軸方向位置における,Y軸0.0 mm,φ29.0 mm上の基準点
4
ねじ山の開始面を6時の位置に合わせるための基準面
5
フィラネックを介した内部ガスの排出方向
6
エア抜きパイプの設置範囲
7
水平面
8
フィラネックの最小直線部長さ
注a) 図2及び表2を参照。
図1−フィラネック
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1
めねじ
2
おねじ
図2−のこ歯ねじ
表2−のこ歯ねじ寸法
単位 mm
記号
おねじ
S36×4
めねじ
S37.6×4a)
D,d
36
37.6
P
4
d3
29.058
D1
30
d2
33
D2
35.235
a
0.2
h3
3.471
H1
3.8
R
0.496
w
1.056
ac
0.472
e
0.856
注記 この表は計算値であり,DIN 513に基づいている(参考文献参照)。
公差は,受渡当事者間の協定又は材料などに合わせて計算することが
望ましい。
注a) S37.6×4は,DIN 513に規定されているめねじの呼びである。JISに
は,のこ歯ねじの規定がないため記載した。
4.3
給水ノズル
給水ノズルが袋ナット締結方式の場合,図2及び表2に規定する寸法特性とする。袋ナット締結方式の
給水ノズルは,ガスケットを備えていなければならない。ガスケットは,適切な材料で作製し,アンモニ
アの漏れが5.2及び5.3を満足する形状とする。
袋ナット締結方式の給水ノズルは,フィラネックのねじ山を保護するため,袋ナットの最大締付けトル
クを5 N・mに制限するよう設計しなければならない。
袋ナット締結方式の給水ノズルは,給水中の車載タンクの加圧を防ぐため,内部ガスを回収する機能を
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備えなければならない。給水中に内部ガス回収によって生じるフィラネック内の圧力は,給水開始5秒間
後には−300 Pa以上,300 Pa以下とする。給水終了時には,フィラネック内は大気圧でなければならない。
4.4
自由空間
4.4.1
一般
車両製造業者は,使用者に対し,どの給水方式を使用するかの情報を提供しなければならない。また,
車両製造業者は,使用する給水方式に応じて自由空間を選択しなければならない。自由空間には,次の三
つの選択肢がある。クラスAの自由空間(4.4.2参照),クラスBの自由空間(4.4.3参照)又はクラスA
及びクラスBを組み合わせた自由空間である。クラスAの自由空間は,小形容器による給水を,クラスB
の自由空間は,給水ノズルによる給水を対象にしている。
4.4.2
クラスAの最小自由空間
小形容器を用いた給水だけに要求される機能である。車両製造業者は,適切な小形容器のノズル注入口
をフィラネックに挿入するため,フィラネックへ自由に接近できるように,図3に規定する最小自由空間
を確保し,部品による妨害がないようにする。
単位 mm
1
フィラネックの端面a)
注a) 図1を参照。
図3−クラスAの自由空間の要件
4.4.3
クラスBの最小自由空間
車両製造業者は,給水ノズルの取付け及び取外しの際,安全な操作ができるように,図4に規定する最
小自由空間を確保する。
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
1
フィラネックの端面a)
2
作業者の手のための自由空間
注a) 図1を参照。
図4−クラスBの自由空間の要件
5
試験
5.1
一般的試験要件
フィラネックは,処理後に,給水ノズルによって加えられた荷重に耐えなければならない。
9
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フィラネックの試験は,新品の試料及び60 ℃のAUS 32の中へ168時間浸せきし,劣化させた試料で行
う。試験は,温度の規定がない場合,次の温度で行う。
− −30 ℃
− 室温(21 ℃±5 ℃)
− +45 ℃
注記 対応国際規格では,“劣化処理中及び処理後”の記載があるが,試験手順上,劣化処理中にノズ
ルによって荷重が加えられる可能性が極めて少ないため,“処理後に”修正した。
5.2
給水ノズルからのこぼれ量の測定
次の試験は,5個の給水ノズルを用い,それぞれについて5回測定する。こぼれ量の規定値への適合判
定は,次の試験手順による。
1) 給水ノズル及び装置は,室温(21 ℃±5 ℃)に保つ。車載AUS 32タンクは空にする。
2) フィラネックは,水平面に対して30°+10°/−0°の位置にする。
3) フィラキャップを外す。
4) 6時の方向で,給水ノズルの挿入及び/又は取付けを行う。
5) オートストップするまで,表1に規定する流量で給水する。
6) オートストップ後,6秒間待つ。
7) フィラネックから給水ノズルを取り外す。取外し後,ノズル注入口に付着している小滴を採取する。
8) 給水ノズルの注入口を上方垂直方向に向ける。その後,下方垂直方向に向け,測定器で小滴を60
秒間採取する。
こぼれ量を測定し記録する。25個の測定結果(5個の給水ノズルを用い,それぞれについて5回測定)
の平均値が,表1のこぼれ量の規定値に適合しなければならない。こぼれ量を質量で測定してもよい。
5.3
アンモニア濃度の測定
5.3.1
一般
試験では,車載AUS 32タンクの代わりに,容量25 Lの容器を使用する。
この規格に準拠したフィラネックを,図5に示すような,長さ200 mmの給水パイプ(内径=18 mm)
及びエア抜きパイプ(内径=8 mm)で,25 L容器の上部に取り付ける。エア抜きパイプ及び給水パイプは,
それぞれフィラネックに接続する。
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単位 mm
図5−アンモニア濃度測定のための機器
5.3.2
前処理
25 L容器に,新品のAUS 32を5 L±1 L給水する。容器を密閉し,60 ℃の恒温槽で96時間保持する。
その後,容器を室温(21 ℃±5 ℃)まで冷却するのが望ましい。室温に達した1時間後,試験を開始する
のが望ましい。
5.3.3
試験手順
アンモニア濃度を測定する装置を,フィラネックの軸線上で,フィラネックの端面から65 cm±5 cmの
距離に設置する。
フィラキャップを取り外した後,フィラネックに給水ノズルを取り付ける。直ちに給水を開始する。ア
ンモニア濃度測定試験の間,室温(21 ℃±5 ℃)下で,容器に新品のAUS 32を16 L±1 L給水する。
試験チャンバーは,容積54 m3以下で,換気装置のない閉空間を備えたものとする。
アンモニア濃度の測定は,給水開始から30秒間±2秒間後に開始するのが望ましい。測定時間は,少な
くとも1分間とする。平均アンモニア濃度を測定し記録する。検知管を用いてもよい。
試験は,フィラネックに対し二通りの給水ノズル位置(標準的な6時の位置及び標準的な位置より45°
傾けた位置)で行う。給水ノズルの流量は,10 L/minとする。
測定は,5.3.2に従い前処理された容器を用いて,アンモニアがない環境下で開始する。測定は,少なく
とも3回行う。
それぞれの測定で,平均アンモニア濃度が体積分率0.000 015以下でなければならない。
5.4
フィラネックの最小強度
5.4.1
一般
フィラネックの試験は,車両への代表的な搭載条件で行う。この細分箇条で規定する試験は,運転者が
給水ノズルを正しく取り外すことができない場合に,給水システムが分離することを証明するために行う。
11
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
試験終了後,車載給水システムは,その後の使用ができなくなるような変形を示してはならない。定置形
給水システムの給水ノズルが,フィラネックに比べ強度が低い部品であることを明らかにする。
給水ノズルを取り外さないで走り出す事故に関しては,国内規格又は国内法規に従う。
5.4.2及び5.4.3に規定する試験は,別々に行う。
注記 現状,我が国で尿素水溶液用給水ノズルに関する規格類はなく,具体的な記述はできない。
5.4.2
不適切な使用を模擬する試験
試験は,図6及び図7に規定する2種類の試験用給水ノズルを用いて行う。それぞれの試験用給水ノズ
ルに500 Nの力を加える。
500 Nの力Fは,図6及び図7に示すように加える。力は,試験用給水ノズルを取付け後30秒間以内に
加え,少なくとも30秒間は保持する。
表1に示す機能要件に影響を及ぼす損傷がフィラネックにない場合,試験は合格とする。
単位 mm
注a) 車両搭載状態のフィラネックの角度を表す。
図6−差込み方式の試験用給水ノズルを用いる場合
単位 mm
注a) 車両搭載状態のフィラネックの角度を表す。
図7−袋ナット締結方式の試験用給水ノズルを用いる場合
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5.4.3
軸方向の力による試験
次の試験を行ったとき,表1に示す機能要件に影響を及ぼす損傷がフィラネックにない場合,次の試験
は合格とする。
注記 対応国際規格は,上記の規定が欠落しているため追加した。
a) 静的試験 袋ナット締結方式の試験用給水ノズルを用いて,500 Nの軸方向の力FAを加える(図7
を参照)。袋ナット締結方式の試験用給水ノズルは,フィラネックに確実に取り付ける。力は,袋ナッ
ト締結方式の試験用給水ノズルを取付け後30秒間以内に加え,少なくとも30秒間は保持する。
b) 動的試験(衝撃試験) 図8に示す試験体を用いる。試験体は,次の特性をもつ。
− 外径 70 mm
− 長さ 100 mm
− 質量 1 kg
− 端面の角部 R 5 mm
の鉄鋼又はアルミニウム製の円柱又は円管
試験体でフィラネックのシール面に衝撃を加える。フィラネックへの衝撃エネルギーは,3 Jとする。
単位 mm
1
試験体(質量1 kg)
2
衝撃を加える面(衝撃エネルギー 3 J)
注a) 車両搭載状態のフィラネックの角度を表す。
図8−衝撃試験
c) 引抜き試験 図7に示すように,袋ナット締結方式の試験用給水ノズルを用いて,500 Nの力FEを加
える。袋ナット締結方式の試験用給水ノズルは,フィラネックに確実に取り付ける。力は,袋ナット
締結方式の試験用給水ノズルを取付け後30秒間以内に加え,少なくとも30秒間は保持する。
13
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附属書A
(参考)
リブ付きフィラネック
車両製造業者は,給水ノズル使用時にエア抜きが不十分となる可能性に留意することが望ましい。エア
抜き性を改善するための一例として,図A.1に示すリブ付きフィラネックがある。
単位 mm
1
テーパの開始線
図A.1−リブ付きフィラネック
参考文献 JIS D 0032 自動車−操作,計量及び警報装置の識別記号
注記 対応国際規格:ISO 2575,Road vehicles−Symbols for controls, indicators and tell-tales 及
びAmendment 1(IDT)
JIS D 0101 自動車の種類に関する用語
注記 対応国際規格:ISO 3833,Road vehicles−Types−Terms and definitions(MOD)
EN 13012,Petrol filling stations−Construction and performance of automatic nozzles for use on fuel
dispenser
DIN 513-1,Metric buttress threads;thread profiles
DIN 513-2,Metric buttress threads;general plan
SAE 2402,Road Vehicles−Symbols for Controls, Indicators and Tell-Tales