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K 2246:2007

(1)

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,

社団法人日本防

術協会(JACC)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申

出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 2246:1994 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS K 2246 には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)参考試験方法


 
K 2246:2007

目  次

ページ

1.  適用範囲

1

2.  引用規格

1

3.  定義

2

4.  種類

3

5.  品質及び性能

4

6.  試験方法

8

6.1  一般事項

8

6.2  試料採取方法

8

6.3  試験片に関する共通事項

8

6.4  さび発生度測定方法

10

6.5  引火点試験方法

10

6.6  流動点試験方法

10

6.7  動粘度試験方法

10

6.8  粘度指数算出方法

10

6.9  粘度変化試験方法

10

6.10  沈殿価試験方法

11

6.11  炭化水素溶解性試験方法

11

6.12  銅板腐食試験方法

11

6.13  泡立ち試験方法

11

6.14  酸化安定度試験方法

11

6.15  融点試験方法

11

6.16  ちょう度試験方法

11

6.17  蒸発量試験方法

11

6.18  酸素吸収試験方法

11

6.19  膜厚試験方法

12

6.20  乾燥性試験方法

13

6.21  流下点試験方法

14

6.22  低温付着性試験方法

14

6.23  除膜性試験方法

15

6.24  摩損性試験方法

17

6.25  揮発性物質量試験方法

17

6.26  分離安定性試験方法

18

6.27  噴霧性試験方法

18

6.28  腐食性試験方法

19

6.29  水置換性試験方法

21


K 2246:2007  目次

(3)

6.30  酸中和性試験方法

22

6.31  指紋除去性試験方法

22

6.32  取扱い防食性試験方法

24

6.33  透明性試験方法

24

6.34  湿潤試験方法

25

6.35  中性塩水噴霧試験方法

27

6.36  耐候性試験方法

27

6.37  包装格納試験方法

28

6.38  塩水浸せき試験方法

30

6.39  気化性さび止め性試験方法

31

6.40  暴露後の気化性さび止め性試験方法

33

6.41  加温後の気化性さび止め性試験方法

33

7.  製品の呼び方

34

8.  表示

34

附属書(参考)参考試験方法

35


 
K 2246:2007

白      紙


日本工業規格

JIS

 K

2246

:2007

さび止め油

Rust preventive oils

1.  適用範囲  この規格は,鉄鋼を主とした金属材料及び金属製品のさびの発生を,一時的に防止するた

めに用いるさび止め油について規定する。

2.  引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7753  サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機

JIS B 9809  スプレーガン

JIS G 3108  みがき棒鋼用一般鋼材

JIS G 3141  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 4305  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS G 4308  ステンレス鋼線材

JIS H 3100  銅及び銅合金の板並びに条

JIS H 4000  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS H 4080  アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管

JIS H 4201  マグネシウム合金板及び条

JIS H 4301  鉛及び鉛合金板

JIS H 4554  ニッケル及びニッケル合金の線と引抜素材

JIS H 8611  電気カドミウムめっき

JIS H 8617  ニッケルめっき及びニッケル−クロムめっき

JIS K 1101  酸素

JIS K 1503  アセトン

JIS K 2201  工業ガソリン

JIS K 2220  グリース

JIS K 2231  流動パラフィン

JIS K 2235  石油ワックス

JIS K 2249  原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表

JIS K 2251  原油及び石油製品−試料採取方法

JIS K 2265-1  引火点の求め方−第 1 部:タグ密閉法

JIS K 2265-2  引火点の求め方−第 2 部:迅速平衡密閉法

JIS K 2265-4  引火点の求め方−第 4 部:クリーブランド開放法

JIS K 2269  原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法



K 2246:2007

JIS K 2283  原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法

JIS K 2435-2  ベンゼン・トルエン・キシレン−第 2 部:トルエン

JIS K 2503  航空潤滑油試験方法

JIS K 2513  石油製品−銅板腐食試験方法

JIS K 2514  潤滑油−酸化安定度試験方法

JIS K 2518  石油製品−潤滑油−泡立ち試験方法

JIS K 2839  石油類試験用ガラス器具

JIS K 3351  工業用グリセリン

JIS K 8150  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8509  臭化水素酸(試薬)

JIS K 8625  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8726  乳酸(試薬)

JIS K 8731  尿素(試薬)

JIS K 8891  メタノール(試薬)

JIS L 3201  羊毛長尺フェルト

JIS R 1302  化学分析用磁器蒸発ざら

JIS R 3202  フロート板ガラス及び磨き板ガラス

JIS R 3503  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505  ガラス製体積計

JIS R 3703  顕微鏡用スライドガラス

JIS R 6251  研磨布

JIS R 6252  研磨紙

JIS R 6253  耐水研磨紙

JIS Z 0103  防せい防食用語

JIS Z 0701  包装用シリカゲル乾燥剤

JIS Z 1514  ポリエチレン加工紙

JIS Z 1522  セロハン粘着テープ

JIS Z 1524  包装用布粘着テープ

JIS Z 2371  塩水噴霧試験方法

JIS Z 8401  数値の丸め方

JIS Z 8801-1  試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるい

3.  定義  この規格で用いられる主な用語の定義は,JIS Z 0103 によるほか,次による。 
a)  粘度変化  試料を規定条件で加熱し揮発性の物質を除去し粘度を調べ,加熱前後の試料の粘度を変化

率で表したもの。

b)  沈殿価  試料と規定の溶剤との混合物を,規定条件で遠心分離したときに生じる沈殿物の mL 数を無

名数で表したもの。

c)  炭化水素溶解性  試料と沈殿用ナフサとの混合物を,規定条件で遠心分離した後 24 時間静置し,相の

変化又は分離の有無で表した性質。

d)  泡立ち性  規定の温度に保った試料に規定時間一定の割合で空気を吹き込み,その直後と 10 分間放置


3

K 2246:2007

後の泡の量を mL 単位で表したもの。

e)  酸化安定度  試料中に触媒及びワニス棒を浸し,規定温度で規定時間かき混ぜて酸化させた後の動粘

度と全酸価の変化,及びワニス棒へのラッカー状物質又はスラッジの付着状態で評価した試料の抗酸

化性を表したもの。

f)  全酸価  試料 1 g 中に含まれる全酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの量を mg 数で表し

たもの。

g)  ちょう度  ペトロラタムの硬さを表すもので,規定条件下で試料中に規定の円すいが垂直に進入する

深さ 0.1 mm を 1 単位として表したもの。

h)  酸素吸収性  試料中に触媒を入れ規定圧の酸素を封入したボンベを規定温度に加熱し,100 時間後の

酸素圧の減少によって試料の抗酸化性を表す性質。

i)

膜厚  試料を試験片に規定の方法で塗布し,24 時間垂直に試験片を保持し被覆膜の付着質量を調べ,

厚さを µm 単位で表したもの。

j)  乾燥性  試料を試験片に規定の方法で塗布し,規定時間垂直に試験片を保持した後の被覆膜の乾燥状

態を表したもの。

k)  流下点  試料の被覆膜を設定温度で 1 時間垂直に保持し,被覆膜が基準線まで落ちる温度。 
l)

低温付着性  試料の被覆膜が低温度で金属表面に付着している性質。

m)  除膜性  試料の被覆膜が石油系溶剤で除去される性質。 
n)  摩損性  試料に混入しているきょう雑物が金属製品をきず付ける性質。 
o)  揮発性物質量  試料を規定条件で加熱したときの揮発する物質の質量。 
p)  分離安定性  試料に規定の温度条件を与えたときの相の変化,又は分離の有無で表したもの。 
q)  噴霧性  一定の条件で噴霧するとき,試料の霧滴が均一に形成される性質。 
r)  腐食性  試料が金属を腐食,変色などさせる性質。 
s)  水置換性  試料が金属表面に付着している水と置き換わって,さびを防ぐ性質。 
t)  酸中和性  試料が酸性物質を中和し,さびを防ぐ性質。 
u)  指紋除去性  試料が,金属表面に付着した人工指紋を除去し,人工指紋によるさびを防ぐ性質。 
v)  取扱い防食性  試料の被覆膜が,その上から付けた人工指紋によって生じるさびを防ぐ性質。 
w)  透明性  試料の被覆膜を規定の条件で放置後,被覆膜の上から金属表面の刻印が読みとれる性質。 
x)  包装格納性  試料を規定の条件で被覆した試験片を包装し,水槽を備えた百葉箱の中に格納中にさび

を防ぐ性質。

y)  気化性さび止め性  試料から気化したさび止め剤が,密閉条件で結露させた金属表面のさびを防ぐ性

質。

z)  精製水  イオン交換水又は蒸留水。

4.  種類  さび止め油は,指紋除去形さび止め油,溶剤希釈形さび止め油,ペトロラタム形さび止め油,

潤滑油形さび止め油及び気化性さび止め油の 5 種類に分け,更に,膜の性質,粘度などによって

表 15

のように細分する。

参考  記号 NP の N は日本,P は Preservative の略。



K 2246:2007

  1  指紋除去形さび止め油

種類

記号

膜の性質

主な用途

指紋除去形さび止め油

1 種 NP-0  低粘度油膜

機械一般,機械部品などに付着した

指紋の除去及びさび止め

  2  溶剤希釈形さび止め油

種類

記号

膜の性質

主な用途

1 種 NP-1 硬質膜

屋内及び屋外でのさび止め

2 種 NP-2 軟質膜

主として屋内でのさび止め

1 号 NP-3-1

軟質膜

3 種

2 号 NP-3-2 中高粘度油膜

主として屋内でのさび止め

(水置換形)

溶剤希釈形さび止め油

4 種 NP-19

透明,硬質膜

屋内及び屋外でのさび止め

  3  ペトロラタム形さび止め油

種類

記号

膜の性質

主な用途

ペトロラタム形さび止め油

1 種 NP-6

軟質膜

転がり軸受のような高度な機械仕

上げ面などのさび止め

  4  潤滑油形さび止め油

種類

記号

膜の性質

主な用途

1 号 NP-9 低粘度油膜 
2 号 NP-8 低粘度油膜

1 種

3 号 NP-7 中粘度油膜

金属材料及び金属製品のさび止め

1 号 NP-10-1 低粘度油膜 
2 号 NP-10-2 中粘度油膜

潤滑油形さび止め油

2 種

3 号 NP-10-3 高粘度油膜

機器類内部の一時的さび止め 

  5  気化性さび止め油

種類

記号

膜の性質

主な用途

1 号 NP-20-1  低粘度油膜

気化性さび止め油

1 種

2 号 NP-20-2  中粘度油膜

密閉空間内でのさび止め

5.  品質及び性能  さび止め油は,主として石油系基材に腐食抑制剤を添加したもので,さび止めとして

良好な性質をもち,砂,その他のきょう雑物を含まず,6.によって試験を行ったとき,

表 610 に適合し

なければならない。


5

K 2246:2007

  6  指紋除去形さび止め油の品質及び性能

項目

試験方法

NP-0

引火点  ℃

6.5 38 以上

動粘度  mm

2

/s(40.0  ℃)

6.7 12 以下

分離安定性

6.26

相の変化,分離がない

指紋除去性

6.31

さびがない

除膜性

湿潤試験後

6.23.3 b)

除膜される

腐食性

質量変化  mg/cm

2

6.28

  鋼      ±0.1    黄銅          ±1.0 
  亜鉛    ±3.0    アルミニウム  ±0.1

  鉛    ±45.0

取扱い防食性

6.32

さびがない

さび止 
め性能

湿潤試験

6.34

A 級

(168 h)

  7  溶剤希釈形さび止め油の品質及び性能

項目

試験方法 NP-1

NP-2  NP-3-1  NP-3-2  NP-19

引火点  ℃

6.5 38 以上 38 以上 38 以上 38 以上 38 以上

乾燥性

6.20

不粘着の状態

軟らかい状態

軟らかい状態

軟らかい状態
又は油状態

指 触 乾 燥 の
状態(4 h) 
不 粘 着 の 状

態(24 h)

流下点  ℃

6.21 80 以上

− 80 以上

低温付着性

6.22

膜のはがれがない

水置換性

6.29

さび,肌荒れ及び汚れが認めら

れない

噴霧性

6.27

膜が連続している

分離安定性

6.26

相の変化,分離が認められない

耐候後

6.23.3 a)

除膜される

(30 回)


包装格納後

6.23.3 a)

除膜される

(15 回)

除膜される(6 回)

除膜される

(15 回)

透明性

6.33

印が見える


質量変化 
mg/cm

2

6.28

鋼            ±0.2                    黄銅          ±1.0 
亜鉛          ±7.5                    アルミニウム  ±0.2

マグネシウム  ±0.5                    カドミウム    ±5.0 
クロム        光沢を失わない

膜厚 µm

6.19 100 以下 50 以下 25 以下 15 以下 50 以下

湿潤試験

6.34

A 級

(720 h)

A 級

(720 h)

A 級

(480 h)

A 級

(720 h)

中性塩水噴霧
試験

6.35

A 級

(336 h)

A 級

(168 h)

A 級

(336 h)

耐候性試験

6.36

A 級

(600 h)




包装格納試験

6.37

A 級

(360 d)

A 級

(180 d)

A 級

(90 d)

A 級

(360 d)



K 2246:2007

  8  ペトロラタム形さび止め油の品質及び性能

項目

試験方法 NP-6

ちよう度

6.16 200∼325

融点  ℃

6.15 55 以上

引火点  ℃

6.5 175 以上

分離安定性

6.26

相の変化,分離がない

蒸発量  %

6.17 1.0 以下

酸素吸収    kPa(100 h)

6.18 150 以下

沈殿価

6.10 0.05 以下

摩損性

6.24

きずがない

流下点  ℃

6.21 40 以上

除膜性

6.23.3 a)

除膜される(15 回)

低温付着性

6.22

膜のはがれがない



質量変化 
mg/cm

2

6.28

    鋼                    ±0.2      黄銅                      ±0.2 
    亜鉛        ±0.2        アルミニウム    ±0.2 
    鉛                    ±1.0      マグネシウム        ±0.5 
    カドミウム  ±0.2 
    鉛以外は,甚だしい肌荒れ,汚れ及び変色がない

湿潤試験

6.34

A 級

(720 h)

中性塩水噴霧試験

6.35

A 級

(120 h)





包装格納試験

6.37

A 級

(360 d)


7

K 2246:2007

  9  潤滑油形さび止め油の品質及び性能

項目

試験方法 NP-7

NP-8

NP-9  NP-10-1 NP-10-2 NP-10-3

引火点  ℃

6.5 180 以上

150 以上 130 以上 170 以上 190 以上 200 以上

流動点  ℃

6.6

−10 以下

−20 以下

−30 以下

−25 以下

−10 以下

−5 以下

動粘度 mm

2

/s

6.7

(40  ℃)

100±25

(40  ℃)

18±2

(40  ℃)

13±2

(−18  ℃)

2 500 以下

(100  ℃)

9.3 以上

12.5 未満

(100  ℃)

16.3 以上
21.9 未満

粘度指数

6.8

− 75 以上 70 以上

酸化安定度(165.5  ℃,
24 h)粘度変化 
(40  ℃)% 
全酸価の増加 
mgKOH/g

6.14

300 以下

3.0 以下

200 以下

3.0 以下

揮発性物質量  %

6.25

2 以下

(24  ℃)

300 以下

(93.5  ℃) 25 以下






ち 

mL

( 93.5  ℃ 後

の 24  ℃)

6.13

300 以下

酸中和性

6.30

さび,肌荒れ,汚れ及び変色がない

銅板腐食(100  ℃,3 h)

6.12

2 以下

除膜性

湿潤後

6.23.3 b)

除膜される

湿潤試験

6.34

A 級

(240 h)

A 級

(192 h)

A 級

(480 h)

中性塩水噴霧試験

6.35

A 級

(48 h)






塩水浸せき試験

6.38

A 級

(20 h)

 10  気化性さび止め油の品質及び性能

項目

試験方法

NP-20-1 NP-20-2

引火点  ℃

6.5 115 以上 120 以上

流動点  ℃

6.6

−25.0 以下

−12.5 以下

100  ℃

6.7

− 8.50∼12.98

動粘度 mm

2

/s

 40 ℃

10 以上 95∼125

揮発性物質量  %

6.25 15 以下

5 以下

粘度変化  %

6.9

−5∼20

沈殿価

6.10 0.05 以下

炭化水素溶解性

6.11

相の変化,分離がない

酸中和性

6.30

さび,肌荒れ,汚れ及び変色がない

水置換性

6.29

さび,肌荒れ,汚れ及び変色がない

腐食性

質量変化 mg/cm

2

6.28

鋼              ±0.1

銅              ±1.0 
アルミニウム    ±0.1

湿潤試験

6.34

A 級(200 h)

気化性さび止め性試験

6.39

さびがない

暴露後の気化性さび止め性試験

6.40

さびがない






加温後の気化性さび止め性試験

6.41

さびがない



K 2246:2007

6.  試験方法   
6.1

一般事項  数値の丸め方は,JIS Z 8401 による。

6.2

試料採取方法  試料採取方法は,JIS K 2251 による。

6.3

試験片に関する共通事項

6.3.1

試験片  6.196.236.296.38,及び附属書の参考試験方法で使用する試験片は,次のとおりとす

る(

図 参照)。

a)  材質  JIS G 3141 に規定する SPCC−SB とする。 
b)  寸法

1)  試験片 A  厚さ(1.0∼2.0)mm×縦 60 mm×横 80 mm 
2)  試験片 B  厚さ(1.0∼2.0)mm×縦 80 mm×横 60 mm

c)  つり孔  つり下げることができるように,2 か所に直径 3 mm の孔をあける。

単位 mm

  1  試験片

6.3.2

試験片の調製  試験片の調製は,次による。

a)  溶剤及び材料

1)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号(大豆揮発油)又は 4 号(ミネラルスピリット)。 
2)  メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。 
3)  研磨材  JIS R 6251 又は JIS R 6252 に規定する A,P240 とする。 
4)  乾燥容器  JIS Z 0701 に規定する乾燥剤を入れて密閉できる容器。

b)  試験片の取扱い  試験片の取扱いは,清浄なピンセット又は手袋を用い,試験片に指紋,その他の汚

れを付けないようにする。

c)  調製手順

1)  予備清浄  試験片を溶剤中で清浄なガーゼで軽くこすりながら,試験片に付着しているさび止め油,

ごみ,ほこりなどを洗い落し,温風などで乾燥する。

2)  予備研磨   
2.1)  試験片の両面を研磨材で研磨する。


9

K 2246:2007

2.2)  研磨の方向は,試験片 A では長辺方向,試験片 B では短辺方向とする。

2.3)  縁及びつるし孔も同時に研磨する。

2.4)  清浄なガーゼで研磨粉をふき取り,溶剤中に浸せきしておく。

3)  仕上げ研磨   
3.1)  試験片を溶剤中から取り出し,温風などで乾燥した後,直ちに新しい研磨材を用いて 2.1)の操作

を繰り返し,新しい研磨面を出す。

3.2)  清浄なガーゼで研磨粉をふき取り,溶剤中に浸せきしておく。

4)  仕上げ清浄   
4.1)  試験片を溶剤中から取り出し,溶剤を湿らせた清浄なガーゼで,ガーゼに汚れが付かなくなるま

で表面の汚れをふき取り,新しい溶剤中に浸せきしておく。

4.2)  試験片を溶剤中から取り出し,温風などで乾燥した後,直ちに,別に用意した 35  ℃±3  ℃の温メ

タノール中に 1 分間以上浸せきした後,温風などで乾燥する。

5)  保存方法  直ちに試験に供しない場合は,乾燥容器内に保存する。ただし,24 時間以上経過した試

験片は,再び調製しなければならない。

6.3.3

被覆試験片の作製  被覆試験片の作製は,次による。

a)  材料及び器具

1)  試験片  6.3.1 に規定する試験片を,6.3.2 によって調製したもの。 
2)  試料容器  500 mL のビーカー。 
3)  つり具  JIS G 4308 又は JIS H 4554 に規定する直径約 1 mm の線材で,図 に示す形状で,全長が

90∼100 mm のもの。

4)  つり架台  試験片を垂直につるすことができる適切なもの。

  2  つり具

b)  作製の手順

1)  被覆方法    試料 500 mL を試料容器にとり,よくかき混ぜ,表面にたまった泡を取り除き,試料の

温度を 23  ℃±3  ℃にする。ただし,ペトロラタム形さび止め油は,試料によって塗油温度が異な

るので,あらかじめ試料の温度を変えて膜厚を測定し,膜厚が 38 µm±5 µm に調整できる温度を求

めて加熱溶融する。

次いで,

つり具を用いて 6.3.2 によって調製した試験片を試料中に垂直に 1 分間浸し,

毎分 100 mm

の速さで引き上げる。


10 
K 2246:2007

2)  乾燥方法  被覆した試験片は,試験片つり架台につり具によって垂直に,また,上辺及び下辺を水

平にしてつるし,相対湿度 70  %以下,温度 23  ℃±3  ℃で日光の直射がなく通風の少ないきれいな

場所で,24 時間自然乾燥する。

6.4

さび発生度測定方法

6.4.1

測定面  さび発生度の測定面は,試験片中央部の 50 mm×50 mm とする(図 参照)。

6.4.2

測定板  測定板は,次による。

a)  材質  無色透明のもの。 
b)  寸法  60 mm×80 mm の平板。 
c)  碁盤目  測定板の測定面に当たる部分に,幅約 0.5 mm の刻み線で,一辺が 5 mm の正方形の碁盤目

100 個を刻んだもの。

6.4.3

さび発生の数え方  試験片に測定板を重ね合わせ,肉眼で 1 点以上のさびが発生している碁盤目の

数を数える。

備考  刻み線又は交差点に発生したさびが,隣接する碁盤目にはみ出している場合は,はみ出してい

る各碁盤目とも,さびが発生したものとする。また,刻み線又は交差点からはみ出していない

場合は,隣接する碁盤目にさび発生のないものがあれば,そのうちの一つをさびが発生したも

のとする。

6.4.4

さび発生度の表示  さび発生度は,表 11 によって等級で表示する。

 11  さび発生度の表示

等級

さび発生度  %

A 級 0 
B 級

1∼ 10

C 級 11∼ 25 
D 級 26∼ 50 
E 級 51∼100

6.5

引火点試験方法  引火点の試験は,JIS K 2265-1 のタグ密閉式引火点試験方法による。ただし,引火

点が 0  ℃以上 80  ℃以下の場合は測定された温度で 6.7 によって動粘度を測定し,その値が 10 mm

2

/s  以上

である場合は,JIS K 2265-2 の迅速平衡法によって引火点を測定し直し,この値を引火点とする。また,

引火点が 80  ℃を超える場合は,JIS K 2265-4 のクリーブランド開放式引火点試験方法によって測定し,

その値を引火点とする。

6.6

流動点試験方法  流動点の試験は,JIS K 2269 の 3.(流動点試験方法)による。

6.7

動粘度試験方法  動粘度試験は,JIS K 2283 の 5.(動粘度試験方法)による。

6.8

粘度指数算出方法  粘度指数の算出は,JIS K 2283 の 6.(粘度指数算出方法)による。

6.9

粘度変化試験方法  粘度変化の試験は,6.25 の揮発性物質量測定前後の試料を 6.7 によって 40  ℃の

動粘度を測定する。粘度変化は,次の式によって算出し,2 個の試験結果の平均値を小数点以下 1 けたに

丸める。

100

1

2

1

C

×

=

V

V

V

V

ここに,

V

C

:  粘度変化(%)

V

1

:  加熱前の動粘度(mm

2

/s)

V

2

:  加熱後の動粘度(mm

2

/s)


11

K 2246:2007

6.10

  沈殿価試験方法  沈殿価の試験は,JIS K 2503 の 4.(沈殿価試験方法)による。ただし,ペトロラ

タム形さび止め油は,試料 5 g を約 20 g の JIS K 2231 に規定する ISO VG10 に加え,80  ℃±2  ℃で溶解

させた後,円すい形の遠心分離管に移し,更に,上記 VG10 を加え全容を 100 mL としたものについて栓

をしてよく振とうする。これを 80  ℃±2  ℃に 16 時間保持し,取り出した後直ちに沈殿量を測定する。

なお,この場合,遠心分離機にはかけない。

6.11

  炭化水素溶解性試験方法

6.11.1

  試験の概要  沈殿価測定後の試料を 23  ℃に 24 時間静置し,相の変化(

1

)又は分離の有無を調べる。

注(

1

)  相の変化とは,濁り,ゲル化などをいう。

6.11.2

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  6.10 の試験を終了した試料を 2 個準備し,23  ℃±3  ℃に 24 時間静置する。

b

)  試験後,相の変化又は分離の有無を目視によって調べる。

6.11.3

  結果  2 個の試料とも相の変化又は分離が認められない場合は,相の変化,分離がないと判定する。

また,2 個中 1 個に相の変化又は分離が認められた場合は,2 個について試験を繰り返し,再び 2 個中 1

個以上に相の変化又は分離が認められた場合は,相の変化,分離があると判定する。

6.12

  銅板腐食試験方法  銅板腐食の試験は,JIS K 2513 の規定による。

6.13

  泡立ち試験方法  泡立ちの試験は,JIS K 2518 の規定による。

6.14

  酸化安定度試験方法  酸化安定度の試験は,JIS K 2514 の 4.(内燃機関用潤滑油酸化安定度試験方

法)による。

6.15

  融点試験方法  融点の試験は,JIS K 2235 の 5.3(融点試験方法)による。

6.16

  ちょう度試験方法  ちょう度の試験は,JIS K 2235 の 5.10(ちょう度試験方法)による。

6.17

  蒸発量試験方法

6.17.1

  試験方法の概要  107  ℃の恒温空気浴中で 3 時間加熱した後,その試料の加熱減量から蒸発量を算

出する。

6.17.2

  装置及び器具  装置及び器具は,次による。

a

)  試料容器  JIS K 2839 の図 153 に規定するもの。

b

)  恒温空気浴  107  ℃±2  ℃に保つことができる防爆形空気浴。

c

)  温度計  全長約 150 mm,目盛範囲 100∼110  ℃,目量 0.5  ℃の温度計。

d

)  乾燥容器  JIS Z 0701 に規定する乾燥剤を入れて密閉できる容器。

6.17.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

) 2 個の試料容器を清浄にして質量をはかり,それぞれに試料約 1.5 g を採り,1 mg のけたまではかる。

b

)  試料を入れた試料容器を 107  ℃±2  ℃に保った恒温空気浴中に 3 時間保持する。次に,試料容器を取

り出し,乾燥容器内で 30 分以上放冷し,その後 1 mg のけたまで質量をはかる。

6.17.4

  計算及び結果  蒸発量は,次の式によって算出し,2 個の試験結果の平均値を小数点以下 1 けたに

丸めて表す。

100

1

2

1

×

=

W

W

W

W

ここに,

W:  蒸発量(%)

W

1

:  試験前の試料の質量(mg)

W

2

:  試験後の試料の質量(mg)

6.18

  酸素吸収試験方法


12 
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6.18.1

  試験方法の概要  試料を酸素圧 760 kPa のボンベ中で 99  ℃で 100 時間加熱し,試料の酸化による

酸素圧の減少を測定する。

6.18.2

  装置及び材料  装置及び材料は,次による。

a

)  酸素吸収試験器  JIS K 2220 の 12.(酸化安定度試験方法)に規定する試験器。

b

)  試料容器  JIS K 2839 の図 176 に規定するものとするが,試料容器の深さは 7 mm とする。

c

)  乾燥容器  JIS Z 0701 に規定する乾燥剤を入れて密閉できる容器。

d

)  触媒  JIS H 3100 に規定する C2600P で,直径 33 mm,厚さ 1.2 mm の平らな円板。

e

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

6.18.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試料容器 10 個を溶剤で洗浄し,中性洗剤で洗った後,水道水,精製水の順でよくすすいでから,乾燥

容器中で乾燥する。その後,試料容器は直接手で触れてはならない。

b

)  二組の酸素吸収試験器のボンベ内面,試料容器保持器,ふた及び圧力計取付管の内面を溶剤で洗い,

よく乾燥する。

c

)  触媒 10 枚を 6.3.2 に規定する方法によって調製する(

2

)。

注(

2

)  触媒の研磨の方向は一定の方向とするが,縁を丸める必要はない。

d

)  触媒を 1 枚ずつ 10 個の試料容器の底に入れた後,溶融した試料 4.00 g±0.01 g をそれぞれの試料容器

に採り,二つの試料容器保持器の棚にそれぞれ 5 個の試料を置く。このとき,最上部の棚に置いては

ならない。

e

)  ボンベ中に試料容器保持器 1 個を入れ,締付けふたで閉じ,ボンベを閉じる。これを二組組み立てる。

ボンベを組み立てる場合には,圧力計取付け管の底部には,丸めたガラス綿を緩やかに詰めておく。

f

)  ボンベ中に JIS K 1101 に規定する酸素を,圧力が 690 kPa になるまで徐々に導入した後,徐々に放出

する。この操作を 4 回繰り返す。5 回目の酸素導入で圧力が 690 kPa に達した後,ニードル弁をしっか

り閉め,ボンベを数時間静置するか,又は水中に没して酸素漏れの有無を調べる。

g

)  ボンベに漏れのないことを確かめた後,ボンベ二組を 99  ℃±0.5  ℃に保った恒温油浴に入れる。ボン

ベの圧力は,恒温油浴に入れた当初は上昇するので,時々酸素を放出し,圧力が 760 kPa±5 kPa に安

定するよう約 2 時間この操作を続ける。

h

)  ボンベを恒温油浴に入れてから,100 時間後の酸素圧の減少を読みとる。この間,24 時間ごとに圧力

を記録する。

6.18.4

  結果  2 個の試験結果(圧力降下 kPa)の平均値を,5 kPa の単位に丸めて表す。

6.19

  膜厚試験方法

6.19.1

  試験方法の概要  試験片を 500 mL の試料中に 1 分間浸せきし,引き上げ,24 時間垂直につるした

後,試験片の被覆膜の質量を測定し,試料の膜密度を用いて被覆膜の膜厚を算出する。

6.19.2

  被覆試験片の作製  被覆試験片の作製は,次による。

a

)  試験片及び材料

1

)  試験片  6.3.1 に規定する 2 枚の試験片 B を,6.3.2 によって調製したもの。

2

)  粘着テープ  JIS Z 1522 に規定するもの。

b

)  試験の手順

1

)  試験片の質量を 1 mg のけたまではかる。被覆前の試験片質量とする。

2

)  試験片の下端から 15 mm の部分の両面に粘着テープをはり付け,6.3.3 によって試料を被覆する。

3

)  粘着テープに沿って片刃のかみそりで被覆膜に切れ目を入れた後,粘着テープをはがし,幅 15 mm


13

K 2246:2007

の被覆膜を取り除き被覆後の試験片とする。被覆後の試験片の質量を 1 mg のけたまではかる。

6.19.3

  膜密度の求め方  膜密度の求め方は,次による。

a

)  装置及び器具

1

)  試料容器  JIS R 3503 の付図 23“平底蒸発皿”に規定の呼び寸法 90 mm×45 mm(内径 90 mm,高

さ 45 mm)のもの。

2

)  恒温空気浴  107  ℃±2  ℃に保つことができる防爆形空気浴。

3

)  ハバード比重瓶  JIS K 2249 の 8.21)(ハバード比重瓶)に規定するもの。

b

)  試験の手順

1

)  試料容器を清浄にして質量をはかり,それに試料を約 25 g とる。

2

)  試料を入れた試料容器を 107  ℃±2  ℃に保った恒温空気浴中に 16 時間入れ揮発分を除去し,得ら

れた蒸発残分を膜密度測定用の試料とする。

3

)  ハバード比重瓶法によって 23  ℃±3  ℃の密度を求め,膜密度とする。試料採取量は約 5 g とする(

3

)。

注(

3

)  試料採取量が 5 g に満たない場合は,2 回以上の蒸発残分を試料とする。

6.19.4

  計算及び結果  膜厚は,次の式によって算出し,2 個の試験結果の平均値を小数点以下 1 けたに丸

めて表す。

(

)

A

D

W

W

T

×

×

=

1

2

000

10

ここに,

T:  膜厚(µm)

W

1

:  被覆前の試験片の質量(g)

W

2

:  被覆後の試験片の質量(g)

A:  試験片被覆膜の全表面積(cm

2

  なお,試験片側面についても角は直角とみなし,計算に加え

る。

D:  膜密度(g/cm

3

6.20

  乾燥性試験方法

6.20.1

  試験方法の概要  試料で被覆した試験片を規定時間自然乾燥後,その乾燥状態を調べる。

6.20.2

  試験片及び器具  試験片及び器具は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 1 枚の試験片 A 又は試験片 B を,6.3.2 によって調製したもの。

b

)  つり具及びつり架台  6.3.3 a) 3)及び 4)に規定するもの。

6.20.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  6.3.3 b)  1)によって試験片に試料を被覆する。

b

)  被覆した試験片をつり具を用いてつり架台につるし,23  ℃±3  ℃のきれいな場所で自然乾燥する。

c

)  表 12 に規定する乾燥時間後の被覆膜の乾燥状態を指触で調べる。

表 12  溶剤希釈形さび止め油の乾燥時間

種類

記号

乾燥時間

h

1 種 NP-1 4 
2 種 NP-2

1 号 NP-3-1

3 種

2 号 NP-3-2

24

溶剤希釈形さび止め油

4 種 NP-19

4 及び 24


14 
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6.20.4

  結果  乾燥性は,次の分類によって表す。

a

)  油状態  油膜の状態。

b

)  軟らかい状態  軟こう状の被覆膜で,指先で軽くこするとすり跡が付く状態。

c

)  指触乾燥の状態  被覆膜の中央を指先で軽く触れ,指先が試料で汚れない状態。

d

)  不粘着の状態  被覆膜の中央を指先で軽くこすり,被覆膜にすり跡が付かない状態。

6.21

  流下点試験方法

6.21.1

  試験方法の概要  試料で被覆した試験片を規定の温度に加熱し,被覆膜の流下の有無を調べる。

6.21.2

  試験片,装置,器具及び材料  試験片,装置,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 2 枚の試験片 A を,6.3.2 によって調製したもの。

b

)  恒温空気浴  40  ℃±2  ℃又は 80  ℃±2  ℃に保つことができるもの。

c

)  つり具及びつり架台  6.3.3 a) 3)及び 4)に規定するもの。

b

)  粘着テープ  JIS Z 1522 に規定するもの。

6.21.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試験片の下端から 25 mm までの部分に粘着テープをはり付ける。

b

)  粘着テープをはり付けた試験片に,6.3.3 によって試料を被覆する。

c

)  粘着テープの上端に沿って,かみそりで被覆膜に切れ目を入れた後,粘着テープをはがし,幅 25 mm

の被覆膜を取り除き被覆試験片とする。

d

)  切り残された膜の端に平行で,かつ,3 mm 隔てた所に基準線を描く。ただし,基準線はテープをは

り付ける前にあらかじめ試験片下端から 22 mm の部分に描いてもよい(

図 参照)。

e

)  膜を除いた部分を下にして垂直に被覆試験片をつるし,NP-6 は 40  ℃±2  ℃に調整した恒温空気浴中

で,NP-1 及び 19 は 80  ℃±2  ℃に調整した恒温空気浴中で 1 時間保持した後,試験片を取り出し,

23  ℃±3  ℃に放冷する。

f

)  切り残された膜の端とあらかじめ描いた基準線とを観察し,被覆膜の流下及びたるみの変化を調べる。

単位 mm

  3  流下点試験用試験片

6.21.4

  結果  2 枚の被覆試験片とも被覆膜が基準線を超えていない場合は,流下が認められないとし,試

料の流下点は規定温度以上と判定する。また,2 枚中 1 枚に被覆膜の流下が認められた場合は,2 枚につい

て試験を繰り返し,再び 2 枚中 1 枚以上に被覆膜の流下が認められた場合は,試料の流下点は,規定温度

未満と判定する。

6.22

  低温付着性試験方法


15

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6.22.1

  試験方法の概要  試料で被覆した試験片を−20  ℃に冷却し,切りきずを付け,膜のはがれの有無

を調べる。

6.22.2

  試験片,装置及び器具  試験片,装置及び器具は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 2 枚の試験片 A を,6.3.2 によって調製したもの。

b

)  低温恒温空気浴  −20  ℃±2  ℃に保つことができるもの。

c

)  ひっかき試験器  4 枚のかみそり刃を 3.2 mm 間隔に固定したもので,図 に示す構造のもの。

                                                                単位 mm

  4  ひっかき試験器の一例

6.22.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  6.3.3 によって試料を試験片に被覆する。

b

)  −20  ℃±2  ℃に保った恒温空気浴中で被覆試験片を 1 時間冷却する。

c

)  直ちに,ひっかき試験器を用いて被覆面に長さ 25 mm の 4 本の金属面に達する切りきずを付ける。さ

らに,4 本の切りきずを最初の 4 本に直角に引いて正方形の目を作り,切りきずで囲まれた膜のはが

れの有無を調べる。

6.22.4

  結果  2 枚の被覆試験片とも膜のはがれが認められない場合は,膜のはがれがないと判定する。ま

た,2 枚中 1 枚に膜のはがれが認められた場合は,2 枚について試験を繰り返し,再び 2 枚中 1 枚以上に膜

のはがれが認められた場合は,膜のはがれがあると判定する。

6.23

  除膜性試験方法

6.23.1

  試験方法の概要  表 13 に規定する試験を終了した試験片の被覆膜が,溶剤によって除去されるか

どうかを調べる。

 13  試験条件

方法

試験片の種類

ぬぐい操作回数 
又は浸せき時間

NP-1

耐候性試験 600 時間終了後のもの 30 回

NP-2

包装格納試験 12 か月終了後のもの 15 回

NP-3-1

包装格納試験 6 か月終了後のもの

  6 回

NP-3-2

包装格納試験 3 か月終了後のもの

  6 回

NP-6

包装格納試験 12 か月終了後のもの 15 回

ぬぐい器を用いる方法

NP-19

包装格納試験 12 か月終了後のもの 15 回

NP-7

湿潤試験 480 時間終了後のもの

NP-8

湿潤試験 192 時間終了後のもの

NP-9

湿潤試験 192 時間終了後のもの

NP-10

湿潤試験 480 時間終了後のもの

ぬぐい器を用いない方法

NP-0

湿潤試験 168 時間終了後のもの

浸せき時間 1 分間


16 
K 2246:2007

6.23.2

  試験片,装置,器具及び材料  試験片,装置,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  この試験に用いる 2 枚の被覆試験片は,表 13 に示すもの。

b

)  除膜性試験装置  除膜性試験装置の一例を,図 に示す。

c

)  ぬぐい器  内径 7.5 mm,長さ約 250 mm のガラス管,コルク栓,分銅及びリムからなる図 に示す構

造のもので,管の下端に 8 mm×6 mm×50 mm のフェルトをしんとして詰め,その端を管外に 6 mm

∼12 mm 出したもの。ただし,詰め込むときに生じたフェルトのよじれは,可能な限り戻すものとす

る。

d

)  容器  500 mL のビーカー。

e

)  つリ具  6.3.3 a) 3)  に規定するもの。

f

)  フェルト  JIS L 3201 に規定するもの。

g

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 5 号(クリーニングソルベント)。

6.23.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  ぬぐい器を用いる方法

単位 mm

  5  除膜性試験装置(一例)

1

)  管の上方から溶剤を入れてコルク栓をし,フェルトが十分に潤され,かつ,溶剤がフェルト端から

自然に流下しないように調節する。

2

)  これに適切な方法で分銅を載せ,総質量を 200 g とし,図 の除膜性試験装置の内径約 11 mm,長

さ約 100 mm の案内用金属管に取り付ける。

3

)  試験片をセットし,ぬぐい器を試験片の中央に垂直になるようにする。

4

)  ぬぐい距離 50 mm,ぬぐい速度毎分 30 回±2 回とし,試験片の種類に応じ表 13 に示す規定回数に

従ってぬぐう。1 回とは,ぬぐい器が元の状態に戻るまでをいう。

5

)  ぬぐった跡を目視によって観察し,ぬぐった距離全体の面における幅 6 mm 以上の膜の残留の有無

を調べる。


17

K 2246:2007

b

)  ぬぐい器を用いない方法

1

) 500

mL の溶剤を入れた容器中で,試験片をつり具を用いて毎分 30 回±2 回の速度で上下に 1 分間

揺動させる。

2

)  乾燥後,膜の残留の有無を目視によって調べる。

6.23.4

  結果  2 枚の試験片とも膜の残留が認められない場合は,除膜されると判定する。また,2 枚中 1

枚に膜の残留が認められた場合は,2 枚について試験を繰り返し,再び 2 枚中 1 枚以上に膜の残留が認め

られた場合は,除膜されないと判定する。

6.24

  摩損性試験方法

6.24.1

  試験方法の概要  溶剤不溶性の沈殿物をガラス面に挟み,こすり合わせた後,ガラス面のきずの有

無を調べる。

6.24.2

  器具  器具は,次による。

a

)  ガラス板  JIS R 3703 に規定するもの。

b

)  ピペット  1 mL の駒込ピペット

6.24.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  6.10 の試験を終了した試料は,直ちに上部の液を静かに傾斜除去し,底部に数 mL 残す。これに JIS 

2435-2 に規定するトルエンを加え,全容を 100 mL として遠心分離機にかける。

b

)  a)の遠心分離を終了した後,上部の液を静かに傾斜除去し,底部に約 1 mL を残す。それをピペットで

とり,

この数滴を新しいきれいなガラス板上に落とし,

溶剤を 23  ℃±3  ℃で 10 分間自然乾燥させる。

c

)  蒸発残分が付着したガラス板面にもう 1 枚の新しいきれいなガラス板を載せ,これを人差し指と親指

で挟み,指先に力を入れて付着異物を押しつぶす。その後,指を前後に動かしこすり合わせる。

d

)  こすり合わせたガラス面のきずの有無を目視によって調べる。

6.24.4

  結果  こすり合わせたガラス面にきずが認められない場合は,きずがないと判定する。また,きず

が認められた場合は,きずがあると判定する。

6.25

  揮発性物質量試験方法

6.25.1

  試験方法の概要  試料を沸騰水浴上で加熱し,加熱前後の質量変化によって揮発性物質量を算出す

る。

6.25.2

  装置及び器具  装置及び器具は,次による。

a

)  加熱装置  口径 50 mm の水浴。

b

)  容器  JIS R 1302 の図 に規定する平底形の容量 60 mL,外径 80 mm,高さ 20 mm のもの。

c

)  乾燥容器  JIS Z 0701 に規定する乾燥剤を入れて密閉できる容器。

6.25.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

) 2 個の容器に試料約 5 g をそれぞれとり,1 mg のけたまではかり,これを沸騰した加熱装置上に 2 時

間置く。

b

)  試験中の水浴の水面を容器の底から 20∼40 mm になるように調節する。

c

)  加熱装置から容器を取り外し,容器外面の水分をふき取り,その後乾燥容器中で 30 分間放冷する。

d

)  清浄な乾いた布で容器の外面をぬぐい,再び 1 mg のけたまではかる。

6.25.4

  計算及び結果  揮発性物質は,次の式によって算出し,2 個の試験結果の平均値を小数点以下 1 け

たに丸めて表す。

100

1

2

1

V

×

=

W

W

W

W


18 
K 2246:2007

ここに,  W

V

:  蒸発量(%)

W

1

:  試験前の試料の質量(mg)

W

2

:  試験後の試料の質量(mg)

6.26

  分離安定性試験方法

6.26.1

  試験方法の概要  試料に表 14 に規定する温度変化を与え,その後の相の変化(

1

)又は分離の有無を

調べる。

表 14  分離安定性試験条件

試料

保持温度及び時間

混和方法

NP-1 
NP-2 
NP-3-1 
NP-3-2 
NP-19

55  ℃±2  ℃で 8 時間,次に−20  ℃±2  ℃
で 16 時間保持する。この条件で 4 回繰り返
す。

容器を逆さにして 5 秒間,元に戻して 5 秒間,

この操作を 4 回繰り返す。

NP-6 110

℃±2  ℃で 1.5 時間,次に 23  ℃±3  ℃

で 1 時間,その後−20  ℃±2  ℃で 1 時間冷

却,再び 110  ℃±2  ℃で 1 時間保持する。

混和しない。

NP-0

a)  −20  ℃±2  ℃で 16 時間,次に 55  ℃±

2  ℃で 8 時間保持する。この条件で 3
回繰り返す。

b) 55 ℃±2  ℃で 72 時間保持する。

容器をゆっくり逆さにし,ゆっくり元に戻す

操作を 6 回繰り返す。

6.26.2

  装置及び器具  装置及び器具は,次による。

a

)  恒温空気浴  55  ℃±2  ℃又は 110  ℃±2  ℃に保つことのできる防爆形空気浴。

b

)  低温恒温空気浴  −20  ℃±2  ℃に保つことのできるもの。

c

)  容器  JIS R 3505 に規定する有栓形 100 mL メスシリンダー。

6.26.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

) 2 個の容器にそれぞれ試料(

4

)50 mL をとり,栓をする。ただし,NP-0 は 4 個の容器にそれぞれ試料を

とり,2 個は−20  ℃±2  ℃と 55  ℃±2  ℃との繰返し試験に,ほかの 2 個は 55  ℃±2  ℃の試験に用

いる。

注(

4

) NP-6 は,溶融した試料とする。

b

)  表 14 に示す温度条件で,規定時間保持する。

c

) 23

℃±3  ℃に 24 時間放置後,

表 14 に示す混和方法で試料を混和する。

d

) 1 時間静置後に試料の相の変化又は分離の有無を目視によって調べる。

6.26.4

  結果  2 個の試料とも相の変化又は分離が認められない場合は,相の変化,分離がないと判定する。

また,2 個中 1 個に相の変化又は分離が認められた場合は 2 個について試験を繰り返し,再び 2 個中 1 個

以上に相の変化又は分離が認められた場合は,相の変化,分離があると判定する。

6.27

  噴霧性試験方法

6.27.1

  試験方法の概要  試料をスプレーガンによってガラス板に噴霧した後,その被覆膜の連続性を調べ

る。

6.27.2

  装置,器具及び材料  装置,器具及び材料は,次による。

a

)  空気供給装置  245 kPa の空気が供給できるもの。

b

)  恒温空気浴  5  ℃±1  ℃に保持できるもの。

c

)  スプレーガン  JIS B 9809 に規定する重力式平吹きスプレーガン。


19

K 2246:2007

d

)  ガラス板  JIS R 3202 に規定するもので,寸法約 100 mm×200 mm,厚さ 5 mm のもの。

6.27.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  スプレーガンのカップに試料を 1/2∼1/3 入れ,5  ℃±1  ℃に保持した恒温空気浴中に 24 時間保つ。

b

)  清浄にした 2 枚のガラス板を長辺が水平に,面が垂直になるように設置する。

c

)  このガラス面に対し,スプレーガンをノズルの先端から約 300 mm の距離を保って直角に向け,空気

圧 245 kPa で,毎秒 25 mm の速さで横に移動させながら試料を 1 回吹き付ける。

d

)  ガラス板は,そのままの状態で 5  ℃±1  ℃に保持した恒温空気浴に入れ,24 時間保つ。その後,恒温

空気浴から取り出し,ガラス板上の周辺から 15 mm を除外した面の膜の連続性を目視によって調べる。

6.27.4

  結果  2 枚のガラス板とも膜が連続している場合は,膜が連続していると判定する。また,2 枚中

1 枚に膜が連続していない場合は 2 枚について試験を繰り返し,再び 2 枚中 1 枚以上に膜が連続していな

い場合は,膜が連続していないと判定する。

6.28

  腐食性試験方法

6.28.1

  試験方法の概要  試料に各種金属試験片を浸せきし,55  ℃で 7 日間又は 80  ℃で 14 日間保持した

後,試験片の質量変化及び外観から腐食性を調べる。

6.28.2

  試験片,装置,器具及び材料  試験片,装置,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  この試験に用いる試験片の材質は,表 15 に規定するもので,厚さ(1.0∼2.0)mm×25 mm×

50 mm の中心にφ6.5 mm の孔をあけたもの。

b

)  恒温空気浴  試料温度を 55  ℃±2  ℃又は 80  ℃±2  ℃に保持できる防爆形空気浴。

c

)  容器  直径 80∼90 mm,容量 300 mL 以上で密封できる広口ガラス容器。

参考  日本ガラスびん協会,一般食品瓶,品名“広口−600”

d

)  乾燥容器  JIS Z 0701 に規定する乾燥剤を入れて密閉できる容器。

e

)  試験片組立用部品  試験片を,図 のとおり組み立てるための表 16 に示す試験片組立用部品。

f

)  研磨材  鋼板,銅板及び黄銅板の研磨は,JIS R 6251 又は JIS R 6252 に規定する A,P400 を用いる。

亜鉛板,アルミニウム板,鉛板及びマグネシウム板の研磨は,JIS R 6253 に規定する耐水研磨紙 A,P400

又は C,P400 を用いる。

g

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

h

)  メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

表 15  試験片の種類

種類

材質 NP-0

NP-1,2,3-1,3-2,19 NP-6  NP-20-1,-2

鋼板

JIS G 3141 の SPCC-SB

銅板

JIS H 3100 の C1100P

黄銅板

JIS H 3100 の C3713P

亜鉛板

純度 99  %以上のもの

アルミニウム板  JIS H 4000 の A2024P

鉛板

JIS H 4301 の PbP

マグネシウム板  JIS H 4201

カドミウム板

JIS H 8611 の Ep-Fe/Cd[4]

クロム板

JIS H 8617 の Ep-Fe/Crb[3]


20 
K 2246:2007

  6  試験片組立例(溶剤希釈形さび止め油の場合)

表 16  試験片組立用部品

名称

寸法

材質

ボルト

すりわり付き丸小全ねじ

M6×1.0×60 mm

スペーサ

φ12×φ6.5×4.5 mm

ナット

M6×1.0−5H

四ふっ化エチレン樹脂

6.28.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試験片の取扱いは,6.3.2 b)  による。

b

)  鋼板,銅板及び黄銅板の調製は,6.3.2 による。ただし,研磨材は A,P400 を用いる。

c

)  亜鉛板,アルミニウム板,鉛板及びマグネシウム板(

5

)は,少量の水を流しながら耐水研磨紙で,それ

ぞれ前のきず跡がなくなるまで長辺に平行に研磨する。

次に,メタノール,溶剤,35  ℃±3  ℃の温メタノールの順に浸せきし,清浄なガーゼでふき取り,

ガーゼに汚れが付着しなくなるまで清浄にする。調製した試験片は,乾燥容器内で放冷する。

注(

5

)  マグネシウム板は,水及びメタノールの中に長時間浸せきしておくと変色することがある。変

色したマグネシウム板は,用いてはならない。

d

)  クロム板及びカドミウム板は,溶剤で洗浄後,メタノールを含ませたガーゼに汚れが付着しなくなる

まで清浄にし,乾燥容器内に保存する。

e

)  試験片の質量を 0.l mg のけたまではかる。

f

)  各試験片 1 枚ずつを,図 のように,試験片組立用部品(表 16)を用いて三組組み立てる。

g

)  組み立てた試験片の長手方向が垂直になるように容器に入れ,これに試料 300 mL を注ぎ入れふたを

して,恒温空気浴中で 55  ℃±2  ℃に 7 日間保持する。ただし,ペトロラタム形さび止め油は,あら

かじめ 80  ℃±2  ℃に加熱して注ぎ入れ,80  ℃±2  ℃に 14 日間保持する。

これらの場合,組み立てた試験片は完全に試料に浸されていなければならない。


21

K 2246:2007

h

)  試験終了後,試験片を取り出して分解し,各試験片を溶剤を含ませたガーゼで付着油及び遊離腐食生

成物をふき取る。

i

)

試験片を溶剤及び 35  ℃±3  ℃の温メタノールで清浄にし,乾燥容器内で放冷し,0.1 mg のけたまで

質量をはかる。

j

)  外観は,各試験片の表面に見える肌荒れ,汚れ,変色などの有無を,目視によって調べる。

6.28.4

  計算及び結果  計算及び結果は,次による。

a

)  質量変化  質量変化は,次の式によって算出し,3 枚の試験結果の平均値を小数点以下 1 けたに丸め

る。

S

W

W

C

1

2

=

ここに,

C:  質量変化(mg/cm

2

W

1

:  試験前の試験片の質量(mg)

W

2

:  試験後の試験片の質量(mg)

S:  試験片の全表面積(cm

2

)(

6

)

注(

6

)  スペーサとの接合部分の面積は除外する。

b

)  外観  各試験片の表面に見える肌荒れ,汚れ,変色,その他の異常がある場合は,それを付記する。

6.29

  水置換性試験方法

6.29.1

  試験方法の概要  水を付着させた試験片を,試料に浸せきした後取り出し,簡易湿潤器中に規定時

間放置する。その後,試験片のさび,肌荒れ,汚れなどの有無を調べる。

6.29.2

  試験片,装置,器具及び材料  試験片,装置,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 3 枚の試験片 B。

b

)  恒温空気浴  55  ℃±2  ℃を保つことができる防爆形空気浴。

c

)  簡易湿潤器  試験片が入る大きさのデシケーターで少量の精製水を入れたもの。

d

)  容器

1

)  有栓付三角フラスコ  JIS R 3505 に規定する 100 mL のもの。

2

)  ペトリ皿  JIS R 3503 の付図 25“ペトリ皿”に規定の呼び寸法 100 mm×20 mm(内径 100 mm,高

さ 20 mm,容積 157 mL)のもの。

e

)  つリ具  6.3.3 a) 3)に規定するもの。

f

)  研磨材  JIS R 6251 又は JIS R 6252 に規定する A,P100。

g

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

h

)  メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

6.29.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試料 50 mL を 6.29.2 d) 1)(有栓付三角フラスコ)に入れ 5 mL の精製水を加え,栓をし十分に振り混

ぜる。

次に 55  ℃±2  ℃で 16 時間保持し,23  ℃±3  ℃まで放冷した後,混合液をよく振り混ぜ,6.29.2 d) 

2

)(ペトリ皿)に移す。

b

)  試験片の調製は,6.3.2 による。ただし,研磨材は A,P100 を用い,仕上げ研磨後は溶剤を用いず付着

物を清浄なガーゼでふき取り,35℃±3℃の温メタノールに浸せきして清浄にする。

c

)  調製した試験片をつり具を用い,直ちに精製水に浸してすぐ引き上げ,垂直にして 5 秒以内にろ紙を

底部に触れさせて水を切る。ただし,試験片が水をはじく場合には,その試験片は用いない。


22 
K 2246:2007

d

)  c)で水を付着させた試験片を a)で準備した試料の入った 6.29.2 d) 2)(ペトリ皿)の中に水平に 15 秒間

静かに浸し次に引き上げ,しずくを切る。

e

)  試験片を清浄な 6.29.2 d)  2)(ペトリ皿)に入れ,簡易湿潤器内に 23 ℃±3  ℃で 1 時間水平に保持す

る。

f

)  試験後の試験片をメタノール,次に溶剤で洗い落とす。判定面は簡易湿潤器内に保持したときの上面

とし,6.4.1 の測定面内のさび,肌荒れ,汚れなどの有無を目視によって調べる。

6.29.4

  結果  3 枚の被覆試験片とも,さび,肌荒れ,汚れが認められない場合は,さび,肌荒れ,汚れが

ないと判定する。また,3 枚中 1 枚にさび,肌荒れ,汚れが認められた場合は,3 枚について試験を繰り返

し,再び 3 枚中 1 枚以上にさび,肌荒れ,汚れが認められた場合は,さび,肌荒れ,汚れがあると判定す

る。

6.30

  酸中和性試験方法

6.30.1

  試験方法の概要  臭化水素酸(水溶液)を付着させた試験片を試料に浸せきし,試料の酸を中和す

る性能を調べる。

6.30.2

  試験片,器具及び材料  試験片,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 3 枚の試験片 B。

b

)  試料容器  500 mL のビーカー。

c

)  つリ具及びつり架台  6.3.3 a) 3)及び 4)に規定するもの。

d

)  研磨材  JIS R 6251 又は JIS R 6252 に規定する A,P100。

e

)  臭化水素酸  JIS K 8509 に規定するもの。

f

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

6.30.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試験片の調製は,6.3.2 による。ただし,研磨材は A,P100 を用い,仕上げ研磨後は溶剤を用いず付着

物をガーゼでふき取り,35  ℃±3  ℃の温メタノールに浸せきして清浄にする。

b

)  試験片をつり具で垂直につり下げ,臭化水素酸を 0.1  %±0.01  %に調整した水溶液(500 mL)中に 1

秒間以内浸す。ただし,試験片が酸をはじく場合には,その試験片は用いない。

c

)  あらかじめ試料容器に試料 500 mL をとり,23  ℃±3  ℃に保持する。この試料中に b)で処理した試験

片を直ちに垂直に浸せきし,2,3 回左右に軽く揺動する。

d

)  浸せき及び引き上げの操作を 1 分間に 12 回繰り返した後,6.3.3 a) 4)の試験片つり架台につるし,23  ℃

±3  ℃で 4 時間保持する。

e

)  試験片に付着した試料と酸溶液とを溶剤で洗い落とし,6.4.1 の測定面内のさび,肌荒れ,汚れ,変色

などの有無を目視によって調べる。

6.30.4

  結果  3 枚の試験片とも,さび,肌荒れ,汚れが認められない場合は,さび,肌荒れ,汚れがない

と判定する。また,3 枚中 1 枚にさび,肌荒れ,汚れが認められた場合は,3 枚について試験を繰り返し,

再び 3 枚中 1 枚以上にさび,肌荒れ,汚れが認められた場合は,さび,肌荒れ,汚れがあると判定する。

6.31

  指紋除去性試験方法

6.31.1

  試験方法の概要  人工指紋を付けた試験片を試料に浸せき・揺動し,指紋が除去できるかを調べる。

6.31.2

  試験片,装置,器具及び材料  試験片,装置,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する試験片 B を,6.3.2 によって調製したもの。

b

)  指紋除去装置  往復動装置,試験片保持器及び容器から成り,一例を図 に示す。

1

)  往復動装置  図 の除膜性試験装置のぬぐい器を取り外したもので,往復運動の距離は約 50 mm,


23

K 2246:2007

往復速度は毎分 30 回±2 回に調整できるもの。

                                                                            単位  mm

  7  指紋除去装置(一例)

2

)  試験片保持器  試験片を保持したとき試験片の面が往復運動の方向と直角になるような構造のもの。

3

)  容器  約 80 mm×110 mm×深さ 130 mm のもの。

c

)  恒温空気浴  120  ℃±2  ℃を保つことができ,強制排気装置を備えたもので,その風速は 0.8 m/s∼1.2

m/s である防爆形空気浴。

d

)  乾燥容器  JIS Z 0701 に規定する乾燥剤を入れた密閉できる容器。

e

)  簡易湿潤器  試験片が入る大きさのデシケーターで,少量の精製水を入れたもの。

f

)  分銅  質量 1 kg のもの。

g

)  人工指紋液  人工指紋液は,次の組成とする。

精製水 500

mL

メタノール(JIS K 8891) 500

mL

塩化ナトリウム(JIS K 8150) 7

g

尿素(JIS K 8731) l

g

乳酸(JIS K 8726) 4

g

h

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

i

)

ガラス板  JIS R 3202 に規定するもので,約 150 mm×150 mm,厚さ 5 mm のもの。

j

)  ガーゼ  日本薬局方に規定するタイプ I の 35 mm×35 mm に裁断したもの。

k

)  ゴム栓  No.10 のゴム栓の小さい方の円面(直径約 26 mm)を JIS R 6251 又は JIS R 6252 に規定する

A,P240 の研磨材でこすり,粗い面とし,中性洗剤,次に精製水ですすぎ,乾燥したもの。

6.31.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試験片を 5 枚準備する。ただし,試験片は調製後 8 時間以内に用いる。

b

)  清浄なガラス板の上にガーゼ 32 枚を重ね,その中心に人工指紋液 1.5 mL を滴下する。

c

)  粗い面を下にしたゴム栓に分銅を載せ,その粗い面をガーゼの中央に 2 秒間置き,直ちにゴム栓をガ

ーゼから試験片の中心に移して 1 秒間静置して人工指紋液を転写する。

d

)  b)∼c)の操作にかかる所要時間は,20 秒±5 秒とする。また,ガーゼは試験片ごとに新しいものに取


24 
K 2246:2007

り替えなければならない。

e

)  人工指紋液の転写後 5 秒以内に 120  ℃±2  ℃に調整された恒温空気浴中に入れ,5 分間乾燥後取り出

し乾燥容器内で室温まで放冷する。

f

) 5 枚の試験片のうち,3 枚は指紋除去装置を用い,23  ℃±3  ℃の試料中(

7

)で,次に 23  ℃±3  ℃の溶

剤中(

7

)で各 2 分間洗浄し,温風などで乾燥する。この試験片を処理試験片とする。

g

)  残り 2 枚の内 1 枚は,指紋除去装置を用い,50  ℃以上に加温したメタノール中(

7

)で,次に 23  ℃±3  ℃

の溶剤中で各 2 分間洗浄し,温風などで乾燥する。この試験片を指紋除去率 100  %とし,100  %試験

片とする。

注(

7

)  洗浄に用いるメタノール,溶剤及び試料は,それぞれ 800 mL を用いる。

h

)  残りの 1 枚は指紋除去装置を用い,23  ℃±3  ℃溶剤中で 2 分間洗浄し,温風などで乾燥する。この試

験片を指紋除去率 0  %とし,0  %試験片とする。

i

) 5 枚の試験片を簡易湿潤器に入れ,23  ℃±3  ℃で 24 時間保持する。

j

)  試験片の人工指紋液を転写した部分について,さびの発生の有無を目視によって調べる。

k

) 0

%試験片は全面にさびがなければならず,100  %試験片にはさびがあってはならない。この条件に

満たないときは,再試験を行う。

6.31.4

  結果  3 枚の処理試験片ともさびが認められない場合は,さびがないと判定する。また,3 枚中 1

枚にさびが認められた場合は,3 枚について試験を繰り返し,再び 3 枚中 1 枚以上にさびが認められた場

合は,さびがあると判定する。

6.32

  取扱い防食性試験方法

6.32.1

  試験方法の概要  試料を被覆した試験片に人工指紋液を付けた後のさび発生の有無を調べる。

6.32.2

  試験片,装置,器具及び材料  試験片,装置,器具及び材料は,6.31.2 による。

6.32.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試験片を 6 枚準備し,6.3.3 によって試料を被覆する。ただし,3 枚は 30 分間,他の 3 枚は 16 時間乾

燥する。

b

)  乾燥した 6 枚の被覆試験片に人工指紋液 1 容量及びメタノール 2 容量からなる溶液を用いて,6.31.3 b)

によって人工指紋液を転写する。

c

)  人工指紋液を転写した試験片を簡易湿潤器に入れ 23  ℃±3  ℃で 24 時間保持し,試験片の転写した部

分についてさび発生の有無を目視によって調べる。

6.32.4

  結果  いずれの条件の試験片とも 3 枚にさびが認められない場合は,さびがないと判定し,1 枚で

もさびが認められる場合は,さびがあると判定する。

6.33

  透明性試験方法

6.33.1

  試験方法の概要  試料をあらかじめ刻印を付けた試験片に被覆し,乾燥したものについて,被覆膜

の上から刻印が透視できるかどうかを調べる。

6.33.2

  試験片及び器具  試験片及び器具は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 2 枚の試験片 A 又は試験片 B を,6.3.2 によって調製したもの。

b

)  刻印器  大きさ約 5 mm の印を付けることができる数字又は文字のポンチ。

c

)  つリ具及びつリ架台  6.3.3 a) 3)及び 4)に規定するもの。

6.33.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試験片の片面に刻印器を用いて 2 個の印を明りょうに付ける。

b

)  6.3.3 によって,試料を被覆する。


25

K 2246:2007

c

) 1 枚は 24 時間乾燥後,他の 1 枚は 6.37 の試験後,被覆膜の上から刻印が透視できるかどうかを目視に

よって調べる。

6.33.4

  結果  刻印がはっきり見える場合は,印が見えると判定する。また,刻印がはっきり見えない場合

は,印が見えないと判定する。

6.34

  湿潤試験方法

6.34.1

  試験方法の概要  試料を被覆した試験片を温度 49  ℃,相対湿度 95  %以上の湿潤状態に規定時間

保持した後のさび発生度を調べる。

6.34.2

  試験片,装置,器具及び材料  試験片,装置,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 3 枚の試験片 A を,6.3.2 によって調製したもの。

b

)  湿潤試験装置  この試験に用いる装置は,試験片架台(

8

),水槽,空気供給器,温度調節器,流量計な

どから構成され,装置内にたまった水滴が試験片の上に落ちることがなく,また,試験片から落ちた

油,水滴が直接水槽に落ちないように受け皿を設けるほか,この規格に規定する条件に適合する構造

をもち,耐食材料でつくられたもの。装置の一例を,

図 に示す。

なお,装置の設置場所は,試験に影響を与えない清浄な環境(亜硫酸ガス,硫化水素,塩素,アン

モニアガスなど腐食に影響を及ぼすようなガスのない場所)に設置する。

注(

8

)  試験片を等間隔につり下げる切り溝 36 個をもち,一定速度で回転できるものとする。

c

)  つり具  6.3.3 a) 3)に規定するもの。

d

)  ステンレス鋼片  JIS G 4305 に規定する SUS304 で,試験片 A と同じ形状で清浄なもの。

e

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

6.34.3  試験条件  試験条件は,表 17 による。


26 
K 2246:2007

                                                                                          単位 mm

  8  湿潤試験装置(一例)

表 17  湿潤試験条件

項目

試験条件

a)  試験片架台の回転数  min

1

 1/3

b)  試験片つり下げ位置の温度  ℃ 49±1 
c)  相対湿度  % 95 以上 
d)  空気流量

装置内容積の約 3 倍/h

e)  水槽の温度

b)  及び c)  の条件に適合するように調節する。

f)  水

精製水

備考  図 に示した装置の場合,空気供給器は口径 1 mm の吐出口が 19 個で,そのときの空気流量

は,886.5 L/h±110 L/h とする。ただし,温度は 21.2  ℃,ゲージ圧は 9.8 kPa とする。

6.34.4

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  6.3.3 によって試料を試験片に被覆する。

b

)  装置の使用条件を確認した後,被覆した試験片をつり具を用いて装置内の試験片架台につり下げる。

なお,試験片が保持されていない切り溝にはステンレス鋼片をつり下げる。


27

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c

)  規定時間(表 610 参照)後,試験片を取り出し,水洗乾燥する。次に,被覆膜を溶剤で洗い落とし,

乾燥する。

d

)  さび発生度を 6.4 によって測定する。ただし,測定面は試験片架台の回転方向に向いている面とする。

6.34.5

  結果  規定時間における試験片 3 枚のさび発生度の平均値を,整数に丸めて表 11 に示すどの等級

に該当するか判定する。

6.35

  中性塩水噴霧試験方法

6.35.1

  試験方法の概要  試料で被覆した試験片を,温度 35  ℃において,中性塩水を噴霧した装置内に規

定時間保持した後のさび発生度を調べる。

6.35.2

  試験片,装置及び材料  試験片,装置及び材料は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 3 枚の試験片 B を,6.3.2 によって調製したもの。

b

)  塩水噴霧試験装置  JIS Z 2371 の 3.(装置)に規定するもの。

c

)  試験中の試験片の角度及び位置  JIS Z 2371 の 6.による。ただし試験片の角度は,測定面が上になる

ようにして鉛直線に対し 15°とする。

d

)  試験用中性塩溶液  JIS Z 2371 の 7.(試験用塩溶液)による。

e

)  供給空気及び噴霧室の条件  JIS Z 2371 の 8.(供給空気)及び 9.(噴霧室の条件)による。

f

)  試験装置の再現性の評価方法  JIS Z 2371 の 11.による。

g

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

6.35.3

  試験条件  試験条件は,表 18 による。

表 18  中性塩水噴霧試験条件

項目

試験条件

試験温度    ℃ 35±2

塩溶液の濃度      g/L 50±5

供給空気の圧力    MPa 0.098±0.010

噴霧採取液の液量  mL/h/80 cm

2

 1.5±0.5

噴霧採取液の pH(25  ℃±2  ℃) 6.5∼7.2

6.35.4

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  6.3.3 によって試料を試験片に被覆する。

b

)  6.35.2 e)  を確認した後,一時的に噴霧を止めて,被覆した試験片を,噴霧が直射しないように試験片

保持器に置き,規定時間(

表 7による。)噴霧を行う。

c

)  規定時間後被覆試験片を取り出し,試験片を水洗し,乾燥する。次に,被覆膜を溶剤で洗い落とし,

乾燥する。

d

)  さび発生度を,6.4 によって測定する。

e

)  記録は,JIS Z 2371 の 17.  による。

6.35.5

  結果  規定時間における試験片 3 枚のさび発生度の平均値を,整数に丸めて表 11 の等級で表示す

る。

6.36

  耐候性試験方法

6.36.1

  試験方法の概要  試料で被覆した試験片を,人工的に気象条件が再現できる装置内に規定時間保持

した後のさび発生度を調べる。

6.36.2

  試験片,装置及び材料  試験片,装置及び材料は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 3 枚の試験片 B を,6.3.2 によって調製したもの。


28 
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b

)  耐候性試験装置  この試験に用いる耐候性試験装置は,JIS B 7753 に規定されるもの。

c

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

6.36.3

  試験条件  試験条件は,表 19 による。

a

)  光照射  JIS B 7753 の 4. 1 による。

b

)  温度及び湿度  温度は,表 19 による。

c

)  試験片表面への噴霧  試験片表面への噴霧装置は,JIS B 7753 の 4.(性能)による。噴霧条件は,表

19 による。

表 19  耐候性試験条件

項目

試験条件

ブラックパネル温度計の示度  ℃ 63±3(噴霧していないとき)

回転枠の回転数  min

1

約 1

噴霧の水圧  MPa 0.098±0.02

噴霧の水量  L/min 2.1±0.1(ノズル 4 個の合計)

噴霧の時間 60 分中連続 12 分間ずつ(噴霧時間は等間隔とする。

噴霧の水

精製水 pH6.0∼8.0

6.36.4

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  6.3.3 によって試料を試験片に被覆する。

b

)  被覆試験片を JIS B 7753 の 5.(試験片保持装置)によって,回転枠の試験片架台に取り付け,表 19

の条件で回転しながらアーク灯から出る光で試験片の測定面を 600 時間照射する。

c

) 600 時間後,被覆試験片を取り出し,試験片を乾燥する。次に,被覆膜を溶剤で洗い落とし,乾燥す

る。

d

)  さび発生度を 6.4 によって測定し,併せて油やけ,その他の異常についても目視によって調べる。

6.36.5

  結果  規定時間における試験片 3 枚のさび発生度の平均値を,整数に丸めて表 11 のどの等級に該

当するか判定する。また,油やけ,その他の異常がある場合は,それを付記する。

6.37

  包装格納試験方法

6.37.1

  試験方法の概要  試料で被覆した試験片を包装紙で包み,とじ目を粘着テープで密封して格納貯蔵

箱に規定期間放置した後,被覆膜を除去し,さび発生度,油やけ,その他の異常について調べる。

6.37.2

  試験片,装置,器具及び材料  試験片,装置,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 3 枚の試験片 A 又は試験片 B を,6.3.2 によって調製したもの。

b

)  格納貯蔵箱  気象庁 1 号型百葉箱に準じたもので,JIS Z 8801-1 に規定する呼び寸法 0.30 mm の網目

の耐食性の網を内張りし,内部床上に水槽(奥行 685 mm×間口 830 mm×深さ 130 mm)を設け,南

向きに設置する。その一例を,

図 及び図 10 に示す。

c

)  試験片支持具  試験片支持具は,図 11 に示すもので,試験結果に影響を及ぼさない耐食性の材料で構

成されたもの。

d

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

e

)  包装紙  JIS Z 1514 に規定する 3 級片面で,10 cm×15 cm の大きさのもの。

f

)  粘着テープ  JIS Z 1524 に規定する 1 種 1 号。

6.37.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  6.3.3 によって,試料を試験片に被覆する。

b

)  包装紙のポリエチレンラミネート面を内側にして,図 12 に示す要領で被覆試験片を包み,とじ目を粘

着テープによって密封する。


29

K 2246:2007

c

)  包装した試験片は,試験片支持具に立て掛け,格納貯蔵箱に測定面を南に向けて置く。試験片の下端

は,水槽の水面上約 100 mm に位置するようにする。

d

)  規定期間(表 及び表 参照)貯蔵した後,包装を開き,被覆膜を溶剤で洗い落とし,乾燥する。

e

)  さび発生度を 6.4 によって測定し,また,油やけ,その他の異常についても目視によって調べる。

6.37.4

  結果  規定期間後における試験片 3 枚のさび発生度の平均値を整数に丸め,表 11 のどの等級に該

当するか判定する。また,油やけ,その他の異常がある場合は,それを付記する。

単位 mm

  9  格納貯蔵箱

単位 mm

 10  正面断面図


30 
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単位 mm

 11  試験片支持具及び試験片

 12  包装方法の手順

6.38

  塩水浸せき試験方法

6.38.1

  試験方法の概要  試料で被覆した試験片を塩水に 20 時間浸せきした後,被覆膜を除去して,さび

発生度を調べる。

6.38.2

  試験片,器具及び材料  試験片,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  6.3.1 に規定する 3 枚の試験片 B を,6.3.2 によって調製したもの。

b

)  つり具  6.3.3 a) 3)に規定するもの。

c

)  容器  500 mL のビーカー。

d

)  塩溶液  JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウムを精製水に加え,50 g/L±0.1 g/L 溶液を調製する。た

だし,使用直前に JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウムの 50 g/L 液を添加して,pH が 8.0∼8.2 にな

a)

c)

d)

e)

b)


31

K 2246:2007

るように調製する。

e

)  溶剤  JIS K 2201 の 3 号又は 4 号。

6.38.3

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  6.3.3 によって試料を試験片に被覆する。

b

)  容器に塩溶液を 500 mL とり,23  ℃±3  ℃に保持する。

c

)  被覆試験片をつり具で,塩溶液中に垂直につり下げ,塩溶液に時計皿又はアルミニウムはくなどでふ

たをし,20 時間保持する。

d

)  試験片を取り出し,水洗し,乾燥する。次に,被覆膜を溶剤で洗い落とし,乾燥する。

e

)  試験片の両面のさび発生度を,6.4 によって測定する。

6.38.4

  結果  試験片 3 枚(両面)のさび発生度の平均値を整数に丸めて,表 11 のどの等級に該当するか

判定する。変色,その他の異常がある場合は,それを付記する。

6.39

  気化性さび止め性試験方法

6.39.1

  試験方法の概要  試験片を取り付けた密閉できる容器中に,試料油及びグリセリン水溶液を入れ,

20  ℃に 20 時間保持した後,試験片を冷却して,表面に結露させ,3 時間後にさび発生の有無を調べる。 
6.39.2

  試験片,装置,器具及び材料  試験片,装置,器具及び材料は,次による。

a

)  試験片  JIS G 3108 に規定する SGD3 で,直径 16 mm,長さ 13 mm,一端に直径,深さがそれぞれ 9.5

mm の穴をあけたもの。

b

)  恒温空気浴  試験体が四組以上収納でき,20  ℃±2  ℃に保つことができるもの。

c

)  容器

1

)  広口共栓瓶  1 000 mL のもの。

2

)  ガラス製容器  JIS K 2839 の図 95 に規定するガラス製容器。

d

)  拡大鏡  倍率約 5 倍のもの。

e

)  アルミニウム管  JIS H 4080 に規定するもので,外径 16 mm,内径 13 mm,長さ 114 mm のもの。

f

)  ゴム栓  No.11 及び No.23 のゴム栓の中央に,直径約 15 mm の孔をあけたもの。

g

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

h

)  メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

i

)

アセトン  JIS K 1503 に規定するもの。

j

)  グリセリン水溶液(35  %)  JIS K 3351 に規定する精製グリセリンの 1 号に精製水を加えて調製した

もの。

6.39.3

  試験片の調製  試験片の調製は,次による。

a

)  研磨の方法  3 個の試験片の穴のあいてない一端を JIS R 6251 に規定する A,P400 の研磨布で研磨(

9

)

する。

注(

9

)  ガラス板の上に研磨布を置き,前後 10 回,次にこれと直角に前後 10 回研磨するとよい。

b

)  清浄方法  溶剤,メタノール,アセトンの順に浸せきし,その都度研磨面の汚れを清浄なガーゼでふ

き取り,ふき取りに用いたガーゼに汚れが付着しなくなるまで清浄にする。

c

)  保存方法  直ちに試験に供しない場合は,6.3.2 c) 5)によって保存する。ただし,8 時間以上経過した

試験片は,再び調製しなければならない。

6.39.4

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試験片の穴をあけた方の端部を,中央部に直径約 15 mm の孔をあけた No.11 のゴム栓に 9.5 mm±0.5

mm 挿入する(図 13 参照)。


32 
K 2246:2007

b

)  アルミニウム管を,No.23 のゴム栓の中央に両端が同じ長さだけ出るように通し,ゴム栓の底側のア

ルミニウム管の先端が  a)のゴム栓に取り付けた試験片に達するまで挿入する(

図 13 参照)。

なお,試験片の取扱いは,指紋などの汚れが付かないようにする。

c

)  b)のアルミニウム管で,試験片を取り付けた側の No.11 のゴム栓と No.23 のゴム栓との間の部分に,

ゴム管をかぶせ,また,逆方向に突き出したアルミニウム管には,No.11 のゴム栓を挿入する。

d

)  広口共栓瓶の底部に試料 25 mL を入れ,相対湿度 90  %に調整するため,ガラス製容器にグリセリン

水溶液(35  %)10 mL を入れ,b)の試験片を取り付けた No.23 のゴム栓で栓をし,これを試験体とす

る(

図 14 参照)。

e

)  試験体は恒温槽で 20  ℃±2  ℃に 20 時間保持した後,2.0  ℃±0.5  ℃の冷水をアルミニウム管に一杯

になるまで満たす。

f

) 3 時間後,試験片部分を取り出し,アルミニウム管中の水を排出する。

g

)  試験片の研磨部分を拡大鏡で観察し,さび発生の有無を調べる。

h

)  別に試料を用いない空試験を同時に行う。空試験でさびが発生しない場合は,試験を繰り返す。

単位 mm

 13  試験片部分の拡大断面図


33

K 2246:2007

 14  試験体

6.39.5

  結果  この試験は,試験片 3 個について同時に行い,3 個中 2 個以上にさびが認められた場合は,

さびが発生したものと判定する。また,3 個中 1 個にさびが認められた場合は,3 個について試験を繰り返

し,再び 3 個中 1 個以上にさびが認められた場合は,さびが発生したものと判定する。

6.40

  暴露後の気化性さび止め性試験方法

6.40.1

  試験方法の概要  23  ℃に 7 日間保持した試料について,6.39 の試験を行い,さび発生の有無を調

べる。

6.40.2

  装置,器具及び材料  装置,器具及び材料は,次による。

a

)  ペトリ皿  ペトリ皿は,6.29.2 d) 2)  による。

b

)  その他の装置,器具及び材料は,6.39.2 による。

6.40.3

  試験片  試験片は,6.39.2 及び 6.39.3 による。

6.40.4

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  ぺトリ皿に試料約 120 mL を入れ,ふたをしないで 23  ℃±3  ℃に 7 日間暴露し,これを試料とする。

b

)  以降の手順は,6.39.4 によって行う。

6.40.5

  結果  結果は,6.39.5 による。

6.41

  加温後の気化性さび止め性試験方法

6.41.1

  試験方法の概要  65  ℃で 7 日間保持した試料について,6.39 の試験を行い,さび発生の有無を調

べる。

6.41.2

  装置,器具及び材料  装置,器具及び材料は,次による。

a

)  試料瓶  外径約 40 mm,高さ約 140 mm,内容量 120 mL 以上で密栓できるもの。

b

)  その他の装置,器具及び材料は,6.39.2 による。

6.41.3

  試験片  試験片は,6.39.3 による。

6.41.4

  試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  試料瓶に試料約 120 mL を入れ,容器に厳重に栓をして,65  ℃±1  ℃で 7 日間保持する。次に室温ま

1 L 広口瓶


34 
K 2246:2007

で放冷し,これを試料とする。

b

)  以降の手順は,6.39.4 による。

6.41.5

  結果  結果は,6.39.5 による。

7.

  製品の呼び方  製品の呼び方は,種類及び記号による。

例  潤滑油形さび止め油  1 種 1 号  NP-9

8.

  表示  さび止め油の容器の見やすいところに,次の事項を表示する。

a

)  規格名称又は規格番号

b

)  種類及び記号

例  気化性さび止め油  1 種 1 号  NP-20-1

c

)  製造業者名又はその略号

d

)  正味容量

e

)  製造年月日又はその略号

f

)  製造番号

g

)  消防法で定める危険物品名(例えば,第 3 石油類),危険等級(例えば,危険等級Ⅲ)及び注意事項(例

えば,火気厳禁)


35

K 2246:2007

附属書(参考)参考試験方法

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

  格納貯蔵試験方法  本体に規定する 6.37(包装格納試験方法)と関連するものであって,6.37.3 b)の

包装を省略する点が異なる。さび発生の促進試験方法として用いることができる。

1.1

試験方法の概要  試料で被覆した試験片を,格納貯蔵箱中に所定の期間放置した後,被覆膜を除去

し,さび発生度,油やけ,その他の異常について調べる。

1.2

装置,器具及び材料  装置,器具及び材料は,次による。

a

)  格納貯蔵箱及び試験片支持具  本体 6.37.2 に規定するもの。

b

)  試験片  本体 6.3.1 に規定する 3 枚の試験片 A を,本体 6.3.2 によって調製したもの。

c

)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

1.3

試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  本体 6.3.3 によって試料を試験片に被覆する。

b

)  被覆試験片を支持具に立て掛け,格納貯蔵箱中に測定面を南に向けて置く。

試験片の下端は水槽の水面上約 100 mm に位置するようにする。

c

)  所定期間放置後,被覆膜を溶剤で洗い落とし,乾燥する。

d

)  さび発生度を本体 6.4 によって測定する。また,油やけ,その他の異常についても目視によって調べ

る。

1.4

結果  規定期間における試験片 3 枚のさび発生度の平均値を,整数に丸めて本体表 11 のどの等級に

該当するか判定する。また,油やけ,その他の異常がある場合は,併せて付記する。

2.

  アルカリ脱脂試験方法  薄板鋼板などの鉄鋼製品は,めっきをする前にさび止め油をアルカリ脱脂液

で除去する必要がある。この試験は,さび止め油の除去性能の試験方法として用いることができる。

2.1

試験方法の概要  試料で被覆した試験片を,アルカリ脱脂試験装置の液槽中に浸せき・揺動し,試

料が完全に除去できるかどうかを調べる。

2.2

装置,器具及び材料  装置,器具及び材料は,次による。

a

)  脱脂試験装置  本体 6.31.2 に規定する指紋除去装置と試験用脱脂液・適切な加熱器と温度調節装置で

構成されたもので,一例を

附属書図 及び附属書図 に示す。


36 
K 2246:2007

単位 mm

附属書図  1  脱脂試験装置(一例)

                        単位 mm

附属書図  2  試験片保持器拡大図(側面)(一例)

1

)  脱脂試験装置の使用条件は,附属書表 による。

附属書表  1  脱脂試験装置の使用条件

項目

使用条件

脱脂液の温度  ℃

45±1

揺動の距離  mm

約 50

揺動の速度  回/分

30±2

2

)  試験用脱脂液は,次の組成とする。

      精製水                                          1 000 mL

      第 3 りん酸ソーダ(Na

3

PO

4

)                          18 g

      ポリオキシエチレン直鎖アルキルエーテル               2 g


37

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      (酸化エチレン 8 mo1 付加物,アルキル基:C10)

b

)  試験片  本体 6.3.1 に規定する 2 枚の試験片 B を,本体 6.3.2 によって調製したもの。

c

)  ろ紙  JIS P 3801 に規定する 5 種 A とする。

2.3

試験の手順  試験の手順は,次による。

a

)  本体 6.3.3 によって試料を試験片に被覆し,24 時間後に試験片下部にある油たまりをろ紙でふき取る。

b

)  装置の使用条件を確認した後,被覆試験片を支持具に取り付け,脱脂液中で,60 回揺動する。

c

)  直ちに流水で試験片を 10 秒間洗浄し,その後,垂直に 30 秒間保持して水をきる。

d

)  水はじきの面積を目視によって求め記録する。

2.4

判定  結果の判定は,受渡当事者間の協定による。

関連規格  JIS P 3801  ろ紙(化学分析用)