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日本工業規格

JIS

 K

2228

-1996

自動車ブレーキ用非鉱油系ラバー潤滑剤

Rubber lubricant of non-petroleum base for motor vehicle brake systems

1.

適用範囲  この規格は,自動車において鉱油系,シリコーン系以外の非鉱油系ブレーキ液を作動圧伝

達媒体とするブレーキ系の部品に塗布して用いる非鉱油系ラバー潤滑剤(以下,ラバー潤滑剤という。

)に

ついて規定する。

備考  この規格の引用規格を,付表 に示す。

2.

用語の定義  この規格に用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

非鉱油系ラバー潤滑剤  ブレーキシリンダ類の金属部品やゴム部品などの保管及び組付けのとき,そ

れらに塗布して,防せい(錆)

,潤滑の用途に用いる非鉱油系の液体又はグリース。

(2)

グリース  原料基剤中に増ちょう剤を分散させて半固体又は固体状にしたもの。

3.

種類  種類は,表 のとおりとする。

表 1  種類

種類

状態

1

常温で液状

2

常温でグリース状

4.

品質  品質は,8.によって試験をしたとき,1 種は表 2,2 種は表 に適合しなければならない。

表 2  ラバー潤滑剤 種の品質

項目

品質

動粘度 (50℃) mm

2

/S

500

以下

流動点  ℃

−5 以下

pH

値   (23±5℃) 5.0∼11.5

湿潤  (49±1℃, 95%RH 以上,500±5h)

A

(

1

)

ベース直径の増加量  mm

0

∼ 1.40

硬さの変化量 IRHD 又は Hs  0∼  −10

体積の増加率  %

0

∼ 16

標準 SBR カップ 
  70±2℃

  70±2h

外観

形状及び表面状態に著しい変化(

2

)

がないこと。

硬さの変化量 IRHD 又は Hs  0∼  −10

体積の増加率  %

0

∼ 16

標準 EPDM 試験片 
  70±2℃

  70±2h

外観

形状及び表面状態に著しい変化(

2

)

がないこと。

ベース直径の増加量  mm

0

∼ 1.40

硬さの変化量 IRHD 又は Hs  0∼  −15

体積の増加率  %

0

∼ 16

ゴム膨潤性

標準 SBR カップ

  120±2℃ 
   70±2h

外観

形状及び表面状態に著しい変化(

2

)

がないこと。


2

K 2228-1996

項目

品質

硬さの変化量 IRHD 又は Hs  0∼  −15

体積の増加率  %

0

∼ 16

標準 EPDM 試験片 
  120±2℃ 
   70±2h

外観

形状及び表面状態に著しい変化(

2

)

がないこと。

ぶりき

±0.2

±0.2

アルミニウム

±0.1

鋳鉄

±0.2

黄銅

±0.4

±0.4

質 量 の 変 化

量 mg/cm

2

亜鉛

±0.4

金属試験片の状態

外観

接触部以外に,目視によって認めることができる
程度の表面腐食がないこと。ただし,汚れ及び変
色は差し支えない。

外観

室温でゼリー状にならないこと。 
また,結晶性物質の生成がないこと(

3

)

沈殿量  vol% 0.10 以下

金属腐食性

  100±2℃ 
  120±2h

試料の性状

pH

値   (23±5℃) 5.0∼11.5

ホイールシリンダ

ホイールシリンダピストン

ガム状及び結晶性の付着物を認めないこと。 
また,目視によって認めることができる程度の表
面腐食がないこと。ただし,汚れ及び変色は差し

支えない。

格納貯蔵 
(60 日間)

部品の状態

標準 SBR カップ

形状及び表面状態に著しい変化(

2

)

がないこと。

シリンダ及びピストンの作
動状態

固着及び作動不良がないこと。

付着物の状態

ガム状及び研磨性のものを含まず,エタノールを
浸した布で容易にふき取ることができること。

表面の状態

目視によって認めることができる程度の表面腐

食がないこと。

金属部品の状態

シリンダの内径及びピスト

ンの外径の変化量  mm

0.13

以下

ベース直径の増加量  mm 0.90 以下

リップ直径のしめしろの変
化率  %

65

以下

0

∼−15

硬さの変化量 IRHD 又は Hs

ただし,−17 以上の変化量のものが 2 個以上ない
こと。

標準 SBR 
カップの状態

外観

作動状態の異常を引き起こすようなねばつき,き
ず,スカッフィング,き裂,膨れ,かじり及び変

化を認めないこと。

24 000

ストロークごとの損

失量  ml

36

以下

100

ストローク追加して作

動した時の損失量  ml

36

以下

外観

作動状態の異常を引き起こすようなスラッジ,ゲ
ル状物質,ざらざらした砂状物質及び研磨性物質

を認めないこと。

ストローキング
性能

 85 000

ストローク

 120

±5℃

 7.0

±0.3MPa

ブレーキ液の状態

沈殿量  vol% 1.5 以下

ブレーキ液混合 混合液の状態  (−40±2℃, 22±2h)

分離及び沈殿を認めないこと。


3

K 2228-1996

項目

品質

混合液の状態及び沈殿物

(60

±2℃, 22±2h)

分離を認めず,沈殿物は遠心分離後 0.05vol%以下
であること。

(

1

)

さび発生度0%を表す。

(

2

)

表面状態の著しい変化とは,ねばつき,膨れ及び崩壊をいう。

(

3

)

結晶性物質が,ガラス瓶の壁及び金属試験片の表面に付着していないことを確認する。

備考 (

)

内は,試験条件を示す。

表 3  ラバー潤滑剤 種の品質

項目

品質

混和ちょう度

265

以上

滴点  ℃

160

以上

蒸発量   (99±0.5℃, 22h) wt%

1.0

以下

酸化安定度   (99±0.5℃, 100h) MPa

0.098

以下

10

μm 以上

       5 000 以下

25

μm 以上

       3 000 以下

75

μm 以上 500 以下

きょう雑物  個/cm

3

125

μm 以上 0

湿潤  (49±1℃, 95%RH 以上,500±5h)

A

(

1

)

ベース直径の増加量  mm

0

∼ 1.40

硬さの変化量 IRHD 又は Hs  0∼  −10

体積の増加率  %

0

∼ 16

標準 SBR カップ

  70±2℃ 
  70±2h

外観

形状及び表面状態に著しい変化(

2

)

がないこと。

硬さの変化量 IRHD 又は Hs  0∼  −10

体積の増加率  %

0

∼ 16

標準 EPDM 試験片

  70±2℃ 
  70±2h)

外観

形状及び表面状態に著しい変化(

2

)

がないこと。

ベース直径の増加量  mm

0

∼ 1.40

硬さの変化量 IRHD 又は Hs  0∼  −15

体積の増加率  %

0

∼ 16

標準 SBR カップ 
  120±2℃ 
   70±2h

外観

形状及び表面状態に著しい変化(2)がないこと。

硬さの変化量 IRHD 又は Hs  0∼  −15

体積の増加率  %

0

∼ 16

ゴム膨潤性

標準 EPDM 試験片 
  120±2℃ 
   70±2h

外観

形状及び表面状態に著しい変化(

2

)

がないこと。

ぶりき

±0.2

±0.2

アルミニウム

±0.1

鋳鉄

±0.2

黄銅

±0.4

±0.4

質 量 の 変 化

量  mg/cm2

亜鉛

±0.4

金属腐食性

  100±2℃ 
  120±2h

金属試験片の状態

外観

接触以外に,目視によって認めることができる程
度の表面腐食がないこと。ただし,汚れ及び変色
は差し支えない。

シリンダ及びピストンの作
動状態

固着及び作動不良がないこと。

付着物の状態

ガム状及び研磨性のものを含まず,エタノールを
浸した布で容易にふき取ることができること。

表面の状態

目視によって認めることができる程度の表面腐
食がないこと。

ス ト ロ ー キ ン グ
性能

 85 000

ストローク

 120

±5℃

 7.0

±0.3MPa

金属部品の状態

シリンダの内径及びピスト

ンの外径の変化量  mm

0.13

以下


4

K 2228-1996

項目

品質

ベース直径の増加量  mm 0.90 以下

リップ直径のしめしろの変

化率  %

65

以下

0

∼  −15

硬さの変化量 IRHD 又は Hs

ただし,−17 以上の変化量のものが 2 個以上ない
こと。

標準 SBR 
カップの状態

外観

作動状態の異常を引き起こすようなねばつき,き
ず,スカッフィング,き裂,膨れ,かじり及び変
形を認めないこと。

24000

ストロークごとの損

失量  ml

36

以下

100

ストローク追加して作

動した時の損失量  ml

36

以下

ス ト ロ ー キ ン グ
性能

 85 000

ストローク

 120

±5℃

 7.0

±0.3MPa

ブレーキ液の状態

外観

作動状態の異常を引き起こすようなスラッジ,ゲ

ル状物質,ざらざらした砂状物質及び研磨性物質
を認めないこと。

5.

一般事項  試験に共通する一般事項は,JIS K 0050 による。

なお,試験上の注意事項を,次に示す。

(1)

保護具の着用  必要に応じて,皮膚,目などを守るために保護具を着用すること。

(2)

操作  操作は,安全を確認しながら行うこと。

(3)

廃棄物の処理  廃棄する試料などは,水質,大気などの汚染源とならないように処理すること。

(4)

法規の順守  関連する法令・法規に従って,取り扱うこと。

6.

試料採取方法  試料の採取方法は,JIS K 2251 による。

7.

試験場所の標準状態  試験場所の標準状態は,JIS Z 8703 に規定する常温 (5∼35℃)  及び常湿 (45∼

85%)

とする。

8.

試験方法

8.1

動粘度  動粘度の試験は,JIS K 2283 の 3.(動粘度試験方法)による。

8.2

流動点  流動点の試験は,JIS K 2269 の 3.(流動点試験方法)による。

8.3

pH

値  pH 値の試験は,JIS K 2233 の 7.4(pH 値)による。

8.4

混和ちょう度  混和ちょう度の試験は,JIS K 2220 の 5.3(ちょう度試験方法)による。

8.5

滴点  滴点の試験は,JIS K 2220 の 5.4(滴点試験方法)による。

8.6

蒸発量  蒸発量の試験は,JIS K 2220 の 5.6(蒸発量試験方法)による。

8.7

酸化安定度  酸化安定度の試験は,JIS K 2220 の 5.8(酸化安定度試験方法)による。

8.8

きょう雑物  きょう雑物の試験は,JIS K 2220 の 5.9(きょう雑物試験方法)による。

8.9

湿潤  湿潤の試験は,1 種は JIS K 2246 の 5.34(湿潤試験方法),2 種は JIS K 2220 の 5.17(湿潤試

験方法)による。ただし,次の項は,それぞれに従って行う。

(1)

試験片の調製  試験片の調製で用いる溶剤は 8.10.2 によるエタノールとし,研磨材は 8.11.1(4)による

耐水研磨紙とする。


5

K 2228-1996

(2)

被覆試験片の作製  2 種の場合には,被覆試験片の作製のとき用いる試料の塗布量は,片面につき 0.5

±0.1g とする。

(3)

操作  試験時間は,500±5 時間とする。

また,試験後の試験片の処理は,1 種の場合には溶剤として 8.10.2 によるエタノールを用い,2 種の

場合には 8.11.7(2)(d)及び(e)による。

8.10

ゴム膨潤性

8.10.1

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(1)

恒温槽  70±2℃及び 120±2℃に保つことができるもの。

(2)

硬さ試験機  JIS K 6253 に規定するマイクロ試験用試験機若しくは IRHD ポケット硬さ計,又は JIS K 

6301

に規定するスプリング式硬さ試験機 A 形。

(3)

ガラス瓶  JIS K 2839 の図 20 に規定するもの 4 個。

(4)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定するもの。

(5)

読取り顕微鏡  0.01mm のけたまで測定できるもの。

8.10.2

試薬  試薬のエタノールは,JIS K 8102 に規定するものを用いる。

8.10.3

標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片  標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片は,次のとおり

とする。

(1)

標準 SBR カップ  JIS K 2233 の 7.6.4.(標準 SBR カップ)による。

(2)

標準 EPDM 試験片  JIS K 2233 の 7.12.3(1)(b)(標準 EPDM 試験片)による。

8.10.4

標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片の準備  標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片の準備は,

次のとおり行う。

(1)

標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片は,30℃以下の温度に保存されている場合には製造後 6 か月

以内のもの,また,−15℃以下の温度に保存されている場合には,製造後 36 か月以内のものとする。

(2)

冷凍室から取り出した標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片は,元の形状に戻るまで,室温で 12 時

間以上,平板上に放置する。標準 SBR カップの場合には,ベース面を下にして置く。

(3)

標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片は,エタノールに浸して 30 秒以内で洗浄し,繊維質及びごみ

を除き,乾燥空気で乾燥する。

(4)

標準 SBR カップのベース直径を読み取り,顕微鏡又はマイクロメータで 0.01mm のけたまで測る。こ

のとき,ベース面に平行に測定し,その位置は,ベース面の角から 0.4∼2.4mm のフラット部分とし,

互いに直角な 2 方向を測り,その平均値をとる。ただし,その 2 方向の測定値に 0.08mm 以上の差が

ある標準 SBR カップは,この試験に使用してはならない。

(5)

硬さの測定は,次のいずれかによる。

(a)

マイクロ硬さ試験機又は IRHD ポケット硬さ計による硬さ (IRHD) の測定は,標準 SBR カップの場

合にはベース面を上にしてゴム台(

4

)

に組み込み,標準 EPDM 試験片の場合にはそのまま保持台に載

せ,マイクロ硬さ試験機のときは JIS K 6253 の 4.4.2(操作方法)によって測定し,ポケット硬さ計

のときは,JIS K 6253 の 6.4.2(操作方法)によって測定する。いずれもその中央値を JIS Z 8401 

よって整数に丸めて硬さ (IRHD) とする。

(

4

)

標準 SBR カップと同程度の硬さをもつ適宜なゴム台を用いる。

(b)

スプリング式 A 形による硬さ (Hs) の測定は,標準 SBR カップの場合にはベース面を上にしてゴム

(

5

)

に組み込み,標準 EPDM 試験片の場合にはゴム台(

6

)

に載せ,硬さ試験機の押針が標準 SBR カ

ップ及び標準 EPDM 試験片の測定面に垂直になるように加圧面を軽く接触させ,直ちに目盛を読み


6

K 2228-1996

取る。測定は 5 か所について行い,その平均値を JIS Z 8401 によって整数に丸めて硬さ (Hs) とす

る。

(

5

)

標準 SBR カップと同程度の硬さをもつ厚さ10mm 以上のゴム台を用いる。

(

6

)

標準 EPDM 試験片と同程度の硬さをもつ厚さ 10mm 以上のゴム台を用いる。

(6)

標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片は,JIS K 6301 の 12.5.2(体積変化の測定)によって 1mg の

けたまで質量を量り,また水中でのひょう量を行う。

8.10.5

操作  ゴム膨潤性試験の操作は,次のとおり行う。

(1)  1

種の場合は,JIS K 2233 の 7.12.4(操作)による。

(2)  2

種の場合は,次による。

(a)  4

個のガラス瓶に試料約 75g ずつを気泡ができないように注意しながら入れる(

7

)

。標準 SBR カップ

及び標準 EPDM 試験片にあらかじめ少量の試料を塗布してから,標準 SBR カップの場合にはベー

ス面が下になるようにし,標準 EPDM 試験片の場合には完全に重ならないようにずらして,それぞ

れ同種類のもの 2 個ずつを各々のガラス瓶の試料中に透き間ができないように注意しながら押し込

むように入れる。試料に透き間ができた場合には,試料を補充して埋める。

(

7

)

ガラス瓶に試料を入れるときには,気泡ができやすいので手のひら又は適当な台の上で軽く打

ちつけながら入れるとよい。

(b)

ガラス瓶にふたをし,標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片を入れたガラス瓶 2 個については 70

±2℃で 70±2 時間に保ち,残りのガラス瓶 2 個については,120±2℃で 70±2 時間に保つ。

(c)

ガラス瓶を 23±5℃で 60∼90 分間放冷する。その後,標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片をガ

ラス瓶から取り出し,付着した試料をガーゼでふき取る。次にエタノールで手早く洗浄し,更にエ

タノールを含ませたガーゼでよくふき取った後,乾燥空気で乾燥する。

(d)

標準 SBR カップは,形状の変化,表面のねばつき,膨れ及び崩壊の有無を調べた後,ベース直径及

び硬さを測定する。さらに,1mg のけたまで質量を量り,また水中でのひょう量を行う。標準 EPDM

試験片は,表面のねばつき,膨れ及び崩壊の有無を調べた後,硬さを測定する。さらに,1mg のけ

たまで質量を量り,また水中でのひょう量を行う。

なお,標準 SBR カップ及び標準 EPDM 試験片は,試料から取り出した後,15 分以内に測定

を終了する。

8.10.6

計算  計算は,次のとおりとする。

(1)

ベース直径の増加量  ベース直径の増加量は,式(1)によって算出し,2 個のベース直径の増加量の平

均値を JIS Z 8401 によって小数点以下 2 けたに丸めて表す。

D

d

2

d

1

 (1)

ここに,

D

ベース直径の増加量 (mm)

d

1

試験前のベース直径 (mm)

d

2

試験後のベース直径 (mm)

(2)

硬さの変化量  硬さの変化量は,式(2)によって算出し,2 個の硬さの変化量の平均値を JIS Z 8401 

よって整数に丸めて表す。IRHD 又は Hs のいずれかを明記する。

H

h

2

h

1

 (2)

ここに,

H

硬さの変化量(IRHD 又は Hs)

h

1

試験前の硬さ(IRHD 又は Hs)

h

2

試験後の硬さ(IRHD 又は Hs)


7

K 2228-1996

(3)

体積の増加率  体積の増加率は,式(3)によって算出し,2 個の体積の増加率の平均値を JIS Z 8401 

よって小数点以下 1 けたに丸めて表す。

100

)

m

m

(

)

m

m

(

)

m

m

(

V

2

1

2

1

4

3

×

 (3)

ここに,

V

体積の増加率 (%)

m

1

試験前の質量 (mg)

m

2

試験前の水中でのひょう量値 (mg)

m

3

試験後の質量 (mg)

m

4

試験後の水中でのひょう量値 (mg)

8.11

金属腐食性

8.11.1

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(1)

遠心分離器  JIS K 2503 の 4.3(2)(遠心分離器)に規定するもの。

(2)

恒温槽  100±2℃に保つことができるもの。

(3)

  pH

計  8.3 による。

(4)

耐水研磨紙  JIS R 6253 に規定する C, P320 又は,A, P320。

(5)

スチールウール  市販の 00 番。

(6)

試験管  JIS K 2839 の図 105 に規定する I 形目盛試験管。

(7)

ガラス瓶  JIS K 2839 の図 16 に規定するふた付きのもの 2 個。

(8)

ペトリ皿  直径約 150mm,深さ約 35mm でふた付きのもの 2 個。

(9)

デシケーター  適当な大きさで,乾燥剤としてシリカゲル又は塩化カルシウムを用いたもの。

(10)

化学はかり  0.1 mg のけたまで量ることができるもの。

8.11.2

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(1)

エタノール  8.10.2 による。

(2)

ヘキサン  JIS K 8848 に規定するもの。

(3)

トルエン  JIS K 8680 に規定するもの。

(4)

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

(5)

混合溶剤  エタノール,トルエン及びアセトンを 1 : 1 : 1(体積比)に混合したもの。

8.11.3

金属試験片  金属試験片は,次の 7 種のものを用いる。

なお,金属試験片の大きさは,いずれも表面の総面積が 20∼30cm

2

(約 80×約 13mm)で,各金属試験

片の一端から 6mm のところに直径 4∼5mm の穴を開け,やすりで滑らかにする。

(1)

ぶりき  JIS G 3303 に規定する SPTE 2.8/2.8 MRT-2.5B で,厚さ約 0.5mm。

(2)

鋼  JIS G 3141 に規定する SPCC-SB で,厚さ約 1∼2mm。

(3)

アルミニウム  JIS H 4000 に規定する A2024P で,厚さ約 1∼2mm。

(4)

鋳鉄  JIS G 5501 に規定する FC200 で,厚さ約 4mm。

(5)

黄銅  JIS H 3100 に規定する C2801P で,厚さ約 1∼2mm。

(6)

銅  JIS H 3100 に規定する C1100P で,厚さ約 1∼2mm。

(7)

亜鉛  JIS H 5301 に規定する 1 種で,厚さ約 2∼4mm。

8.11.4

金属試験片の準備  金属試験片の準備は,金属試験片各 2 枚を用いて,次のとおり行う。

なお,研磨後の金属試験片は,ピンセットで取り扱う。


8

K 2228-1996

(1)

ぶりきを除く金属試験片を,耐水研磨紙にエタノールを付けて,きず又は穴がなくなるまで研磨した

後,スチールウールにエタノールを付けて磨く。このとき,金属試験片ごとに新しい耐水研磨紙及び

スチールウールを用いる。

(2)

ぶりきを含むすべての金属試験片をエタノールで洗い,

乾燥空気で乾燥した後,

デシケーターに入れ,

室温で 1 時間以上保つ。

(3)

デシケーターから金属試験片を取り出し,質量を 0.1mg のけたまで量る。

8.11.5

組立試験片の準備  組立試験片の準備は,次のとおり行う。

(1)

各金属試験片の一端に開けた穴に被覆のない鋼製ボルトを通し,金属と金属を直接接触させて

図 

ように組み立てる。

図 1  組立試験片

(2)

組み付けた金属試験片は,鋳鉄を中心にして,

図 に示すように,各金属試験片の自由端の間隔がそ

れぞれ約 10mm になるように広げ,ずれないように鋼製ボルトで締め付けて組立試験片とし,二組作

る。

(3)

組立試験片は,エタノールに浸して洗った後,手早く乾燥空気で乾燥させ,デシケーターに入れ,室

温で 1 時間以上保つ。

8.11.6

標準 SBR カップ  標準 SBR カップは,8.10.3(1)によるもの 2 個を用いる。

8.11.7

操作  金属腐食性試験の操作は,次のとおり行う。

(1)

  1

種の場合は,次による。

(a)

  8.10.4(3)

によって標準 SBR カップを洗浄し,2 個のガラス瓶に 1 個ずつ入れる。

(b)

組立試験片は,

図 に示すように,その連結端が標準 SBR カップの凹部の上に載るようにし,一組

ずつガラス瓶に入れる。

(c)

  2

個のガラス瓶に試料を約 375ml ずつ注ぎ,組立試験片の上端が液面から 10mm 以上になるように

入れる。

(d)

ガラス瓶にふたをし,100±2℃に調節した恒温槽中に 120±2 時間保った後,23±5℃で 60∼90 分間

放冷する。

(e)

組立試験片を取り出し,付着液をエタノールで洗い流し,それぞれの金属試験片を取り外す。

(f)

金属試験片は,エタノールを浸したガーゼで付着物を取り除き,次にエタノールに浸した後,乾燥

空気で乾燥して,目視によって接触部以外の表面腐食の有無を調べる。


9

K 2228-1996

(g)

金属試験片をデシケーターに入れ,室温で 1 時間以上保った後,それぞれの質量を 0.1mg のけたま

で量る。

(h)

室温で 2 個のガラス瓶の中の試料がゼリー状かどうか,また,結晶性物質がガラス瓶の壁及び金属

試験片の表面に付着していないかどうかを調べる。

(i)

試料をかき混ぜて沈殿物を均一にし,それぞれのガラス瓶から試料 100ml ずつを試験管に取り,JIS 

K 2503

の 4.5(3)によって沈殿量を量る。

(j)

それぞれの試料の pH 値を 8.3 によって測定する。

図 2  組立試験片の浸せき方法(種の場合)

(2)

  2

種の場合は,次による。

(a)

  2

個のペトリ皿に試料を気泡ができないように注意しながら高さ約 25mm(約 450g)まで入れ,表

面をできるだけ平らにする。

(b)

二組の組立試験片の全面に試料をへらで塗布する。この組立試験片をペトリ皿の試料中に気泡がで

きないように注意しながら,

図 に示すように一組ずつ没するまで入れる。試料に透き間ができた

場合には,試料を補充して埋める。

(c)

ペトリ皿にふたをし,100±2℃に調節した恒温槽中に 120±2 時間保った後,23±5℃で 60∼90 分間

放冷する。

(d)

ペトリ皿から組立試験片を取り出し,それぞれの金属試験片を取り外し,混合溶剤を浸したガーゼ

で各金属試験片に付着した試料をふき取る。

(e)

金属試験片をヘキサン,トルエン,エタノールの順に各溶剤中でガーゼを用い軽くふくようにして

洗浄する。最後に新しいエタノールに浸し,乾燥空気で乾燥して,目視によって接触部以外の表面

腐食の有無を調べる。

(f)

金属試験片をデシケーターに入れ,室温で 1 時間以上保った後,それぞれの質量を 0.1mg のけたま

で量る。


10

K 2228-1996

図 3  組立試験片の浸せき方法(種の場合)

8.11.8

計算  計算は,次のとおりとする。

(1)

金属試験片の状態

(a)

質量の変化量  質量の変化量は,式(4)によって算出し,二組の質量の変化量の平均値を JIS Z 8401

によって小数点以下 2 けたに丸めて表す。

s

m

m

C

1

2

(4)

ここに,

C

質量の変化量 (mg/cm

2

)

m

1

試験前の金属試験片の質量 (mg)

m

2

試験後の金属試験片の質量 (mg)

s

試験前の金属試験片の全表面積 
(cm

2

)

備考

金属試験片について,二組の試験のうち一組が

表 2

及び

表 3

の規定に適合しないときは,別の

二組について一度だけ試験をやり直す。

(2)

試料の性状

  試料の性状は,1 種の場合だけ表す。

(a)

沈殿量

  沈殿量は,

8.11.7(1)(i)

の 2 個の測定結果の平均値を 0.05vol%きざみで表す。

(b)

pH

  pH 値は,

8.11.7(1)(j)

の 2 個の測定結果の平均値を

JIS Z 8401

によって小数点以下 1 けたに

丸めて表す。

8.12

格納貯蔵

8.12.1

装置

  格納貯蔵箱は,

JIS K 2246

5.37.2(2)

(格納貯蔵箱)に規定するものを用いる。

8.12.2

部品

  部品は,次のとおりとする。

(1)

ホイールシリンダ

  内径 28.60∼28.66mm の鋳鉄製のもの 1 個。

(2)

ホイールシリンダピストン

  外径 28.52∼28.55mm のアルミニウム鋳物製のもの 2 個。

(3)

標準 SBR カップ

8.10.3(1)

によるもの 2 個。

8.12.3

試薬

  試薬のエタノールは,

8.10.2

による。

8.12.4

操作

  格納貯蔵試験の操作は,次のとおり行う。

(1)

各部品の汚れ,包装くずなどをエタノールで洗浄し,乾いた布でエタノールをふき取る。ただし,標

準 SBR カップは 30 秒間以上エタノールに浸してはならない。

(2)

ホイールシリンダ内壁,ホイールシリンダピストン及び標準 SBR カップの全面に試料を塗布し,各部

品を組み付ける。

(3)

組み付けたホイールシリンダの継手穴を開いたままにし,ブリーダを閉め,開いた継手穴を上向きに

して格納貯蔵箱に 60 日間放置する。

(4)

格納貯蔵箱からホイールシリンダを取り出し,各部品に分解し,ガム状及び結晶性の付着物の有無を

調べた後,乾いた布で各部品の試料をふき取る。

(5)

ホイールシリンダ及びホイールシリンダピストンについては目視によって表面腐食の有無を調べ,標


11

K 2228-1996

準 SBR カップについては形状の変化,表面のねばつき,膨れ及び崩壊の有無を調べる。

8.13

ストローキング性能

  ストローキング性能試験は,

JIS K 2233

7.13

(ストローキング性能)によ

る。ただし,

JIS K 2233

7.13.4

(部品の測定と組付け)においては,すべての測定が終わった後,1 種の

場合にはシリンダの内面,ピストン及び標準 SBR カップの全面に試料を塗布してから部品を組み付け,2

種の場合にはそれぞれの部品に試料をへらで均一に塗布してから組み付ける。

なお,マスタシリンダの内面への試料の塗布は,ピストン及び標準 SBR カップにだけ試料を塗布した後,

部品を組み付け,

ピストンを数回作動させ,

マスタシリンダの内面にも試料が均一に行き渡るようにする。

また,この試験に使用するブレーキ液は,

JIS K 2233

に適合するものか,又は受渡当事者間で定めたも

のとする。

8.14

ブレーキ液混合性

8.14.1

装置及び器具

  装置及び器具は,次のとおりとする。

(1)

低温槽

  −40±2℃に保つことができるもの。

(2)

恒温槽

  60±2℃に保つことができるもの。

(3)

試験管

8.11.1(6)

による。

(4)

遠心分離器

8.11.1(1)

による。

8.14.2

試薬

  試薬は,次のとおりとする。

(1)

エタノール

8.10.2

による。

(2)

アセトン

8.11.2(4)

による。

8.14.3

ブレーキ液

  ブレーキ液は,

JIS K 2233

に適合するものを用いる。この場合,受渡当事者間で定め

てもよい。

8.14.4

操作

  ブレーキ液混合試験の操作は,次のとおり行う。

(1)

試料 5ml とブレーキ液 95ml とを試験管に取り,混合し,コルク栓をする。

(2)

試験管を,−40±2℃に調節した低温槽中に 22±2 時間保った後取り出し,試験管の表面をエタノール

又はアセトンを浸したガーゼを用いて速やかにふき,混合液の分離及び沈殿の有無を調べる。

(3)

さらに,その試験管を 60±2℃に調節した恒温槽中に 22±2 時間保った後取り出し,直ちに分離の有

無を調べ,次に,

JIS K 2503

4.5(3)

によって沈殿量を量る。

9.

容器

  容器は,その取扱い中にラバー潤滑剤の漏れ,吸湿などを起こさない構造のものでなければな

らない。

10.

検査方法

  検査方法は,

8.

によって試験したとき,

表 2

及び

表 3

に適合しなければならない。

11.

表示

  容器には,見やすいところに,次の事項を表示しなければならない。

(1)

規格名称

(2)

種類

(3)

製造業者名又はその略号及び所在地

(4)

製造年月日及び製造番号又はそれらの略号

12.

製品の呼び方

  製品の呼び方は,規格名称及び種類とする。

自動車ブレーキ用非鉱油系ラバー潤滑剤  1 種


12

K 2228-1996

付表 1  引用規格

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 3303

  ぶりき及びぶりき原板

JIS G 5501

  ねずみ鋳鉄品

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS H 4000

  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS H 5301

  亜鉛合金ダイカスト

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 2220

  グリース

JIS K 2233

  自動車用非鉱油系ブレーキ液

JIS K 2246

  さび止め油

JIS K 2251

  原油及び石油製品−試料採取方法

JIS K 2269

  原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法

JIS K 2283

  原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法

JIS K 2503

  航空潤滑油試験方法

JIS K 2839

  石油類試験用ガラス器具

JIS K 6253

  加硫ゴムの硬さ試験方法

JIS K 6301

  加硫ゴム物理試験方法

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8102

  エタノール (95) (試薬)

JIS K 8680

  トルエン(試薬)

JIS K 8848

  ヘキサン(試薬)

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態


13

K 2228-1996

JIS K 2228

  改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

渡  辺  昭一郎

財団法人北里環境科学センター・北里大学名誉教授

(委員)

増  田      優

通商産業省基礎産業局

岡  林  哲  夫

工業技術院標準部

高  橋  孝  一

通商産業省製品評価技術センター

石  上      裕

工業技術院物資工学工業技術研究所

高  橋  教  司

社団法人日本防錆技術協会

広  庭      正

財団法人化学品検査協会

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

金  井      孝

国民生活センター

安  部  三  郎

社団法人自動車技術会(日産自動車株式会社)

山  家  輝  雄

社団法人自動車技術会(株式会社ナブコ)

山  口  弘  一

社団法人全国自動車部品商団体連合会

三  好  重  男

日本自動車部品協会

日下部  明  昭

社団法人自動車連盟本部

住  野  耕  三

株式会社オートバックスセブン

信  本  明  成

スギムラ化学工業株式会社

篠  原  康  夫

グリース協会(株式会社鈴六油脂工業所)

加  藤  行  平

三興油脂株式会社

藤  江  太  郎

三進化学工業株式会社

関      久  雄

エチレンケミカル株式会社

辻  井  哲  也

シーシーアイ株式会社

安  実      港

制研化学工業株式会社

小  林  雅  彦

株式会社富士化工研究所

塩  谷  栄  二

日本オートケミカル工業会

(関係者)

橋  田  安  弘

工業技術院標準部

稲  葉  知  英

工業技術院標準部

文責  JIS K 2228 改正原案作成委員会  事務局  塩谷栄二