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K 2180-3

:2013

(1) 

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  測定方法の種類  

1

5

  電量滴定法  

2

5.1

  試薬  

2

5.2

  装置及び器具  

2

5.3

  装置の校正  

2

5.4

  試料採取  

2

5.5

  測定の手順  

2

5.6

  算出  

3

6

  容量滴定法  

4

6.1

  試薬  

4

6.2

  装置及び器具  

4

6.3

  カールフィッシャー試薬の力価の標定 

4

6.4

  試料採取  

5

6.5

  測定の手順  

5

6.6

  算出  

6

7

  精度 

7

8

  測定結果報告書  

7


K 2180-3

:2013

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,燃料用 DME 品質標準化委員会(DFSJ)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS K 2180

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS K 2180-1

  第 1 部:品質

JIS

K

2180-2

  第 2 部:不純物の求め方−ガスクロマトグラフ法

JIS

K

2180-3

  第 3 部:水分の求め方−カールフィッシャー滴定法

JIS

K

2180-4

  第 4 部:蒸発残分の求め方−重量分析法

JIS

K

2180-5

  第 5 部:全硫黄分の求め方−紫外蛍光法

JIS

K

2180-6

  第 6 部:全硫黄分の求め方−微量電量滴定式酸化法


   

日本工業規格

JIS

 K

2180-3

:2013

燃料用ジメチルエーテル(DME)−

第 3 部:水分の求め方−カールフィッシャー滴定法

Dimethylether (DME) for fuels-Part 3: Determination of water content-

Karl Fischer titration method

適用範囲 

この規格は,燃料用ジメチルエーテル(DME)に含まれる水分量のカールフィッシャー滴定法による求

め方について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0068

  化学製品の水分測定方法

JIS K 0113

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 2180-1

  燃料用ジメチルエーテル(DME)−第 1 部:品質

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 6 部:精確さに関する値の実用的

な使い方

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0068 及び JIS K 0113 による。

測定方法の種類 

測定方法の種類は,次による。

a)

電量滴定法  外気から遮断した電解セルの陽極液に試料中の水分を吸収した後,電気分解によってよ

う素イオンからよう素を発生し,電気的に終点を検出し,終点までに消費された電気量から水分を定

量する。

b)

容量滴定法  外気から遮断した滴定フラスコの脱水溶剤に試料中の水分を吸収した後,カールフィッ

シャー試薬で滴定し,電気的に終点を求め,水分を定量する。


2

K 2180-3

:2013

   

電量滴定法 

5.1 

試薬 

試薬は,次による。

5.1.1

電解液  次のものを組み合わせて用いる。市販の電解液を用いてもよい。

a)

陽極液(発生液)  よう化物イオン,二酸化硫黄,ピリジン又はそれに代わる塩基とメタノールなど

の有機溶媒との混合溶液。

b)

陰極液(対極液)  無機塩,第四級アンモニアム塩,アミン塩酸塩などの有機塩とメタノールなどの

有機溶媒との混合溶液。

5.1.2

乾燥剤  装置内の無水状態を維持できる性能をもつもので,合成ゼオライト,無水カルシウム塩化

物,シリカゲルなどを用いる。

5.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

5.2.1

電量滴定装置  電量滴定装置は,滴定部,制御部及び表示・記録部で構成する自動滴定装置とする。

滴定装置は,JIS K 0068 及び JIS K 0113 による。

5.2.2

耐圧シリンダ  二つのバルブを取り付けた耐圧シリンダ(容量は 100 mL 以下,耐圧試験圧力は

3.0 MPa 以上)で,一方の口に注射針を接続できる構造になっているもの。

5.2.3

注射針  ステンレス製で長さ約 200 mm,直径約 1 mm で耐圧シリンダに接続できるもの。

5.2.4

電子天びん  次の測定に対応するもの。

a)

耐圧シリンダの質量を 1 mg まで測定できる上皿式のもの。

b)

マイクロシリンジなどの質量を 0.1 mg まで測定できる上皿式のもの。

5.2.5

マイクロシリンジ  容量 25 µL 又は 50 µL で,針の長さが 130 mm 以上のもの。

5.3 

装置の校正 

電量滴定法の装置の校正は,次による。

a)

使用済みの陽極液,陰極液をそれぞれ抜き取り,電解セル内を清浄・乾燥する。電解セルの陽極室に

陽極液を,陰極室に陰極液を陽極液の液面から 2∼3 mm 下になるように入れる。電解セルを組み立て,

測定器に取り付ける。

b)

電解セルの全ての排気口に乾燥剤を充塡した乾燥管を接続する。

c)

電解セル内の陽極液をかき混ぜながら終点まで電量滴定して電解セル内を無水状態にする。

d)

水をマイクロシリンジを用いて正確に 10 µL 陽極液に注入し,終点まで電量滴定を行い,水分を求め

る。この操作を 2 回繰り返して行い,求めた水分量が 10 000±200 µg でなければならない。

5.4 

試料採取 

試料の採取は,JIS K 2180-1 

附属書 に従って行い,その全量を 1 回の測定に用いる。測定試料は,

10∼20 g とする。

5.5 

測定の手順 

電量滴定法の手順は,次による。

a)

装置の点検  測定に先立ち装置を点検し,次の事項に該当する場合は,陽極液及び陰極液を取り替え,

装置の校正を行う。

−  水 10 µL を注入し,その水分量の測定結果が 10 000±200 µg の範囲外にある。

−  バックグラウンド電流が安定していない。

−  電解セル内の試料量が陽極液容積の 1/3 を超えている。


3

K 2180-3

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−  陽極液内での相分離,又は試料による電極の汚染が認められる。

−  電解セル内の溶液が,前回交換したときから 1 週間以上経過している。

b) 

注射針の共洗い 

1)

注射針を耐圧シリンダに接続し,耐圧シリンダの注射針接続側のバルブを開け,注射針内を試料で

共洗いする。

2)

十分に共洗いを行った後,耐圧シリンダのバルブを閉め,針内に残っている試料を気化させる。注

射針の先端をシリコーンゴム栓に差し込み,注射針などについている水分を拭き取る。

c) 

試料の注入 

1)

共洗いが終わった注射針が接続されている耐圧シリンダの質量を 1 mg の桁まではかる。

2)

注射針の先端のシリコーンゴム栓を取り外し,耐圧シリンダに接続されている注射針を試料注入口

についているシリコーンゴム板を通じて

図 に示すように電解セルの陽極液に差し入れ,注射針の

先端が陽極液の液面から 3.0 cm 以上下方になるように耐圧シリンダを固定する。このとき,結露に

よって発生する水滴が電解セル内に入ることを防止するため,注射針の回りに吸湿性の紙(ティシ

ュペーパーなど)を巻くか,又は別のシリコーンゴム板に注射針を通して電解セルに差し入れる。

 a) 

垂直注入 

b  

傾斜注入 

①  耐圧シリンダ

④  陽極液

②  試料注入口

⑤  陰極液

③  電解セル 

図 1−電量滴定法の試料注入操作 

3)

耐圧シリンダの注射針接続側のバルブを開け,測定試料の流量を 0.5∼2.0 g/min に調整し,陽極液

中に測定試料を注入する。

4)

電解セル内へ試料注入を終えた後,バルブを閉め,注射針ごと試料注入口から抜き取る。注射針の

外側についている陽極液,耐圧シリンダについている水分などを拭き取る。

5)

注射針の先端をシリコーンゴム栓に差し込み,耐圧シリンダの質量を 1 mg の桁まではかり,試料注

入前の質量との差を試料の質量とする。

d)

水分量の読取り  陽極液の水分を終点まで電量滴定し,そのときの水分量(µg)を記録する。

5.6 

算出 

水分量 は,次の式を用いて算出し,JIS Z 8401 によって小数点以下 3 桁に丸める。


4

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4

2

1

10

×

W

W

W

ここに,

W

測定試料に含まれる水分(質量分率%)

W

1

滴定された水分量(μg)

W

2

注入した測定試料の質量(g)

容量滴定法 

6.1 

試薬 

試薬は,次による。

6.1.1

カールフィッシャー試薬  ピリジンを含まないカールフィッシャー試薬を用いる。この試薬は,湿

気及び光を遮り,温度変化の小さい 20  ℃以下の場所に保存する。カールフィッシャー試薬は少なくとも

日に 1 回の頻度で力価の標定を行う。市販のカールフィッシャー試薬を用いてもよい。カールフィッシャ

ー試薬を調製する場合は,JIS K 0113 に規定された方法による。

6.1.2

脱水溶剤  JIS K 8891 に規定するメタノールで,かつ,水分が質量分率 0.05 %以下のものを用いる。

メタノールの脱水方法は,JIS K 0113 による。市販の脱水溶剤を用いてもよい。

6.1.3

水  JIS K 0557 に規定する A3 のもの。

6.1.4

水−メタノール標準液  力価 0.5∼2.0 mg/mL のもの。市販のカールフィッシャー用水−メタノー

ル標準液を用いてもよい。

6.1.5

乾燥剤  5.1.2 に規定するもの。

6.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

6.2.1 

容量滴定装置  容量滴定装置は,滴定部,制御部及び表示・記録部で構成する自動滴定装置とする。

滴定装置は,JIS K 0068 及び JIS K 0113 による。

6.2.2 

耐圧シリンダ  5.2.2 に規定するもの。

6.2.3 

注射針  5.2.3 に規定するもの。

6.2.4 

電子天びん  5.2.4 に規定するもの。

6.2.5 

マイクロシリンジ  5.2.5 に規定するもの。

6.2.6 

ビュレット  目盛 0.02 mL 以下のもの。

6.3 

カールフィッシャー試薬の力価の標定 

カールフィッシャー試薬は,測定前にあらかじめ次によって力価の標定を行う。2 回の滴定結果から算

出した力価から平均力価を算出する。

a) 

水を用いる方法  次の手順で力価の標定を行う。

1) 

脱水溶剤約 50 mL を滴定フラスコに入れ,カールフィッシャー試薬で終点まで滴定し,滴定フラス

コ内を無水状態にする。このときの滴定量は,読み取る必要はない。

なお,終点は,カールフィッシャー試薬 1 滴の滴下で,分極電圧の急激な低下が一定時間(30∼

60 秒間)持続したときとする。

2) 

水を満たしたマイクロシリンジの質量を 0.1 mg の桁まではかり,水を 1 滴(約 20 mg)滴定フラス

コに加え,マイクロシリンジの質量を 0.1 mg の桁まで再度はかる。マイクロシリンジの水を加える

前後の質量の差から加えた水の質量を算出し,記録する。

3) 1)

に規定する方法で再び終点まで滴定し,この滴定に要したカールフィッシャー試薬の量を 0.01 mL


5

K 2180-3

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の桁まで読み取る。

4) 

次の式を用いてカールフィッシャー試薬の力価を算出し,有効数字 3 桁に丸める。

1

1

V

A

F

ここに,

F

カールフィッシャー試薬の力価(mg/mL)

A

1

加えた水の質量(mg)

V

1

加えた水の滴定に要したカールフィッシャー試薬の容
量(mL)

b)

水−メタノール標準液を用いる方法  次の手順で力価の標定を行う。

1)  a) 1)

と同様に滴定フラスコ内を無水状態にする。

2)

滴定フラスコに水−メタノール標準液を 5∼10 mL ビュレットから滴下し,

その量を 0.01 mL の桁ま

で読み取る。

3)  1)

に規定する方法で再び終点まで滴定し,この滴定に要したカールフィッシャー試薬の量を 0.01 mL

の桁まで読み取る。

4)

次の式を用いてカールフィッシャー試薬の力価を算出し,有効数字 3 桁に丸める。

2

2

V

A

P

F

×

ここに,

F

カールフィッシャー試薬の力価(mg/mL)

P

水−メタノール標準液の力価(mg/mL)

A

2

水−メタノール標準液の量(mL)

V

2

加えた水−メタノール標準液の滴定に要したカールフ
ィッシャー試薬の容量(mL)

なお,

水−メタノール標準液の力価は,保存中に大気からの吸湿によって変化することがあるため,

長期間使用していなかった場合は,水を用いる方法で滴定したカールフィッシャー試薬を用いて,そ

の力価を確認する。

c)

力価の繰返し値は,2 %相対値以内でなければならない。もし,2 回の滴定結果から算出した力価の偏

差が相対値 2 %を超えた場合は,a) 1)又は b) 1)からの手順を更に 2 回繰り返す。もし,この追加した

2 回の滴定結果から算出した力価の偏差が相対値 2 %を超えた場合は,カールフィッシャー試薬及び

脱水溶剤を新しい試薬と取り替え,標定の手順を繰り返す。

d)  2

回の滴定結果から算出した力価の偏差が相対値 2 %以内の場合は,2 回の平均力価を算出して記録す

る。

6.4 

試料採取 

試料の採取は,JIS K 2180-1 

附属書 に従って行い,その全量を 1 回の測定に用いる。測定試料は,

10∼20 g とする。

6.5 

測定の手順 

容量滴定法の手順は,次による。

a)

注射針の共洗い

1) 

注射針を耐圧シリンダに接続し,耐圧シリンダの注射針接続側のバルブを開け,注射針内を試料で

共洗いする。

2) 

十分に共洗いを行った後,耐圧シリンダのバルブを閉め,針内に残っている試料を気化させる。注

射針の先端をシリコーンゴム栓に差し込み,注射針などについている水分を拭き取る。


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K 2180-3

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b) 

試料の注入 

1)

共洗いが終わった注射針が接続されている耐圧シリンダの質量を 1 mg の桁まではかる。

2)

注射針の先端のシリコーンゴム栓を取り外し,耐圧シリンダに接続されている注射針を試料注入口

についているシリコーンゴム板を通じて

図 に示すように滴定フラスコに差し入れ,注射針の先端

が脱水溶剤の液面から 3.0 cm 以上下方になるように耐圧シリンダを固定する。このとき,結露によ

って発生する水滴が滴定フラスコ内に入ることを防止するため,注射針の回りに吸湿性の紙(ティ

シュペーパーなど)を巻くか,又は別のシリコーンゴム板に注射針を通して滴定フラスコに差し入

れる。

a) 

垂直注入

b) 

傾斜注入

①  耐圧シリンダ

③  滴定フラスコ

②  試料注入口

④  脱水溶剤

図 2−容量滴定法の試料注入操作 

3)

耐圧シリンダの注射針接続側のバルブを開け,測定試料の流量を 0.5∼2.0 g/min に調整し,脱水溶

剤中に測定試料を注入する。

4)

試料注入を終えた後,バルブを閉め,注射針ごと試料注入口から抜き取る。注射針の外側について

いる脱水溶剤,耐圧シリンダについている水分などを拭き取る。

5)

注射針の先端をシリコーンゴム栓に差し込み,耐圧シリンダの質量を 1 mg の桁まではかり,試料注

入前の質量との差を試料の質量とする。

c)

カールフィッシャー試薬の量の読取り  脱水溶剤の水分をカールフィッシャー試薬で終点まで滴定

し,そのときのカールフィッシャー試薬の量を 0.01 mL の桁まで記録する。

6.6 

算出 

水分量 は,次の式を用いて算出し,JIS Z 8401 によって小数点以下 3 桁に丸める。

S

10 W

F

C

W

×

×

ここに,

W

測定試料に含まれる水分(質量分率%)

C

測定試料の水分を滴定するために要したカールフィッ
シャー試薬の容量(mL)

F

カールフィッシャー試薬の平均力価(mg/mL)


7

K 2180-3

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W

S

測定試料の質量(g)

10: パーセントへ換算するための係数

精度 

この測定方法によって得られた測定結果の許容差(確率 0.95)は,次による。測定結果が許容差を外れ

た場合は,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。

a)

室内併行精度  同一試験室において,同一人が同一装置で,引き続き短時間内に同一試料を 2 回測定

したとき,測定結果の差の許容差を

表 に示す。

b)

室間再現精度  異なる 2 試験室において,別人が別の装置で,同一試料をそれぞれ 1 回ずつ測定した

とき,2 個の測定結果の差の許容差を

表 に示す。

表 1−精度 

単位  質量分率%

成分名

範囲

室内併行許容差

室間再現許容差

水分

0∼0.030 0.023

X 0.047 X

注記  は,測定結果の平均値

測定結果報告書 

測定結果報告書は,次の事項を記載する。

a)

試料名,試料採取場所,採取年月日及びロット番号

b)

規格番号(JIS K 2180-3

c)

5.6

又は 6.6 によって得られた結果

d)

特記事項