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K 2180-1:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 品質······························································································································· 1 

4 試料採取方法 ··················································································································· 2 

5 試験方法························································································································· 2 

5.1 DME純度 ····················································································································· 2 

5.2 メタノール ··················································································································· 2 

5.3 水分 ···························································································································· 2 

5.4 炭化水素(C4以下) ······································································································· 2 

5.5 二酸化炭素 ··················································································································· 2 

5.6 一酸化炭素 ··················································································································· 2 

5.7 ぎ酸メチル ··················································································································· 3 

5.8 エチルメチルエーテル ···································································································· 3 

5.9 蒸発残分 ······················································································································ 3 

5.10 全硫黄分 ····················································································································· 3 

6 表示······························································································································· 3 

附属書A(規定)試料採取方法 ······························································································· 4 

附属書B(参考)DMEの物理的特性 ························································································ 8 

K 2180-1:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,燃料用DME品質標準化委員会(DFSJ)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 2180の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 2180-1 第1部:品質 

JIS K 2180-2 第2部:不純物の求め方−ガスクロマトグラフ法 

JIS K 2180-3 第3部:水分の求め方−カールフィッシャー滴定法 

JIS K 2180-4 第4部:蒸発残分の求め方−重量分析法 

JIS K 2180-5 第5部:全硫黄分の求め方−紫外蛍光法 

JIS K 2180-6 第6部:全硫黄分の求め方−微量電量滴定式酸化法 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 2180-1:2013 

燃料用ジメチルエーテル(DME)−第1部:品質 

Dimethylether (DME) for fuels-Part 1: Specifications 

適用範囲 

この規格は,ボイラ,ガスタービンなどの工業用燃料,民生用燃料,自動車,発電機などのディーゼル

エンジン用燃料など,種々の燃料に用いるジメチルエーテル(DME)の品質について規定する。 

なお,この規格の品質は,添加剤・着臭剤等の添加前及び他種燃料との混合前の値とする。 

警告 この規格に規定しているDMEの取扱い・使用においては,適切な予防措置を講じない場合に

は爆発・発火などの危険を伴うおそれがある。この規格では,DMEの使用に伴う安全性の全て

について説明することは意図していない。使用前に,関連法規に適合した取扱方法を定め,安

全及び健康についての適切な予防措置を講じる必要がある。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 2180-2 燃料用ジメチルエーテル(DME)−第2部:不純物の求め方−ガスクロマトグラフ法 

JIS K 2180-3 燃料用ジメチルエーテル(DME)−第3部:水分の求め方−カールフィッシャー滴定

法 

JIS K 2180-4 燃料用ジメチルエーテル(DME)−第4部:蒸発残分の求め方−重量分析法 

JIS K 2180-5 燃料用ジメチルエーテル(DME)−第5部:全硫黄分の求め方−紫外蛍光法 

JIS K 2180-6 燃料用ジメチルエーテル(DME)−第6部:全硫黄分の求め方−微量電量滴定式酸化

法 

品質 

燃料用DMEは,箇条5によって試験したとき,表1に示す品質に適合しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−品質 

単位 質量分率% 

項目 

品質 

試験方法 

DME純度 

99.5以上 

5.1 

メタノール 

0.050以下 

5.2 

水分 

0.030以下 

5.3 

炭化水素(C4以下) 

0.050以下 

5.4 

二酸化炭素 

0.10以下 

5.5 

一酸化炭素 

0.010以下 

5.6 

ぎ酸メチル 

0.050以下 

5.7 

エチルメチルエーテル 

0.20以下 

5.8 

蒸発残分 

0.007 0以下 

5.9 

全硫黄分 

(mg/kg) 

3.0以下 

5.10 

注記 DMEの物理的特性を附属書Bに参考として示す。 

試料採取方法 

試料採取は,附属書Aによる。 

試験方法 

5.1 

DME純度 

DME純度P(質量分率%)は,次の式によって算出する。 

)

10

(

100

4

S

ER

EME

MF

CO

CO2

HC

H2O

MeOH

×

+

+

+

+

+

+

+

+

=

X

X

X

X

X

X

X

X

X

P

ここに, XMeOH: 5.2によって求めたメタノール濃度(質量分率%) 
 

XH2O: 5.3によって求めた水分(質量分率%) 

XHC: 5.4によって求めた炭化水素(C4以下)濃度の合計(質量分

率%) 

XCO2: 5.5によって求めた二酸化炭素濃度(質量分率%) 

XCO: 5.6によって求めた一酸化炭素濃度(質量分率%) 

XMF: 5.7によって求めたぎ酸メチル濃度(質量分率%) 

XEME: 5.8によって求めたエチルメチルエーテル濃度(質量分率%) 

XER: 5.9によって求めた蒸発残分(質量分率%) 

XS: 5.10によって求めた全硫黄分(mg/kg) 

5.2 

メタノール 

メタノールの試験方法は,JIS K 2180-2による。 

5.3 

水分 

水分の試験方法は,JIS K 2180-3による。 

5.4 

炭化水素(C4以下) 

炭化水素(C4以下)の試験方法は,JIS K 2180-2による。 

5.5 

二酸化炭素 

二酸化炭素の試験方法は,JIS K 2180-2による。 

5.6 

一酸化炭素 

一酸化炭素の試験方法は,JIS K 2180-2による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.7 

ぎ酸メチル 

ぎ酸メチルの試験方法は,JIS K 2180-2による。 

5.8 

エチルメチルエーテル 

エチルメチルエーテルの試験方法は,JIS K 2180-2による。 

5.9 

蒸発残分 

蒸発残分の試験方法は,JIS K 2180-4による。 

5.10 全硫黄分 

全硫黄分の試験方法は,JIS K 2180-5又はJIS K 2180-6による。 

表示 

この規格の全ての要求事項に適合した燃料用DMEには,DMEを充塡した容器の見やすい箇所に容易に

消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。ただし,タンク車,タンクローリ,タンカなどの

表示困難な場合には,送り状,その他に表示してもよい。 

a) 名称(“燃料用ジメチルエーテル”又は“燃料用DME”)及び規格番号(JIS K 2180-1) 

b) 正味質量 

c) 製造業者名又はその略号 

d) 製造年月日若しくは充塡年月日,又はその略号 

e) ロット番号 

f) 

特記事項 

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附属書A 

(規定) 

試料採取方法 

A.1 試料採取方法 

A.1.1 一般 

試料採取管及び試料容器の材質の選定に当たっては,DMEの化学的及び物理的特性を考慮しなければな

らない。適切な材質の一つはステンレス鋼である。さらに,DMEのもつ溶解性のために,試料採取管及び

試料容器の構成部品は,長期間の使用に耐える材質でなければならない。 

A.1.2 試料採取方法の概要 

使用前に試料採取管及び試料容器の内側を洗浄しておかなければならない。洗浄は,試料採取管又は試

料容器中の残余物を置換することによって行う。 

試料採取量は,試料容器が完全にDMEで満たされたときの正味質量の85 %以下でなければならない。 

A.1.3 試料採取装置 

a) 試料採取管 試料採取管は,排出弁を取り付けた柔軟性のある構造のステンレス鋼製とする。代表的

な試料採取管を図A.1に示す。試料採取管は,受入・払出配管から採取したDME試料を液状に維持

しながら試料容器へ移送することを目的としており,移送中の入熱による試料の気化を防止するため,

管の長さは,可能な限り短くし,外側を断熱加工しなければならない。 

1 試料採取管 

a DME 

2 調整弁 

b 試料容器へ 

3 排出弁 

図A.1−試料採取管の例 

b) 試料容器 耐圧3.0 MPa以上の両口式若しくは片口式のステンレス鋼製又は鋼製の容器で試料採取管

に接続できるもの(図A.2参照)。試料調整管の有無にかかわりなく,2バルブ試料容器が望ましいが,

1バルブ試料容器も用いることができる。 

注記 試料容器から液状で試料を取り出す場合,2バルブ試料容器及び試料調整管付き2バルブ試

料容器では底部バルブより抜き出す。サイフォン管付き2バルブ試料容器ではサイフォン管

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

を取り付けたバルブより抜き出す。1バルブ試料容器では試料容器を逆さにし,液が接する

ようバルブを低部に配し抜き出す。 

a) 2バルブ試料容器 

b) 試料調整管付き2バルブ試料容器 

c) 1バルブ試料容器 

d) サイフォン管付き2バルブ試料容器 

 
 

1 試料容器 

5 安全弁 

2 入口弁 

6 入口・出口弁 

3 出口弁 

7 試料調整管 

4 運搬用把手 

8 サイフォン管(液取出し用) 

図A.2−試料容器の例 

A.1.4 試料採取の準備 

a) 試料採取管及び試料容器の目視検査 試料採取管及び試料容器は,外見上の損傷がないことを目視で

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確認する。 

b) 容器の接続 試料容器を試料採取管に接続する(図A.1参照)。ただし,新しい試料容器を用いる場合

は,試料採取管の接続前に内部を適切な溶剤で洗浄する。 

c) 試料採取管及び試料容器の洗浄 使用前に試料採取管及び試料容器の内側を洗浄しなければならない。

洗浄は,試料採取管又は試料容器中の残余物を置換することによって行う。 

置換洗浄は,DMEの充塡と排出とを繰り返すことによって行う。この操作は,試料容器から排出し

たDMEが気体から液状に変わるまで行う。置換洗浄操作の繰返し回数を減らすために,用いる試料

採取管及び試料容器は,DME専用とすることが望ましい。 

A.1.5 試料採取手順 

a) 一般 試料採取は,配管中を流れる加圧状態のDMEを試料容器に充塡することによって行う。この

とき,DMEの温度は,約25 ℃であり,圧力は,常圧を超えている。この状態は,試料採取時の種々

の要因によって異なる。 

b) 試料調整管付き又は試料調整管なしの2バルブ試料容器 試料調整管付き又は試料調整管なしの2バ

ルブ試料容器を用いる場合の試料採取手順は,次による。 

1) 入口弁及び出口弁を閉じる。 

2) 試料採取管の調整弁及び試料容器の入口弁を開けて試料容器にDMEを充塡する。 

3) 試料容器にDMEを充塡した後,直ちに試料採取管の調整弁及び試料容器の入口弁を閉じる。 

4) 試料容器にDMEが充塡したか否かの判断は,経過時間,試料容器質量の測定,その他の適切な方

法によって行う。 

5) 試料採取管の排出弁を開けて管内の圧力を逃がす。 

6) 試料採取管をDME受入・払出配管から外す。 

7) 試料採取管から試料容器を外す。 

注記 試料調整管付き2バルブ試料容器は,液化ガスのDME過充塡を防止するための試料容器で

ある。試料容器にDMEを充塡後,試料調整管付き試料容器の出口弁を開放すると最初DME

が液状で放出し,その後ガス状で放出する。この時点で試料容器に残っている液は容器全容

量の約85 %となる。 

c) 1バルブ試料容器 1バルブ試料容器を用いる場合の試料採取手順は,次による。 

1) 試料採取管の調整弁及び試料容器の入口・出口弁を開けて試料容器にDMEを充塡する。 

なお,1バルブ試料容器の場合,真空ポンプなどによって試料容器内を十分減圧しておくと,DME

の充塡を容易に行うことができる。 

2) 試料容器にDMEを充塡した後,直ちに試料採取管の調整弁及び試料容器の入口・出口弁を閉じる。 

3) 試料容器にDMEが充塡したか否かの判断は,経過時間,試料容器質量の測定,その他の適切な方

法によって行う。 

4) 試料採取管の排出弁を開けて管内の圧力を逃がす。 

5) 試料採取管をDME受入・払出配管から外す。 

6) 試料採取管から試料容器を外す。 

d) サイフォン管付き2バルブ試料容器 サイフォン管付き2バルブ試料容器を用いる場合の試料採取手

順は,次による。 

1) 入口弁(サイフォン管取り付け側バルブ)及び出口弁(サイフォン管なし側バルブ)を閉じる。 

2) 試料採取管の調整弁及び試料容器の入口弁を開けて試料容器にDMEを充塡する。必要に応じ,出

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口弁(サイフォン管なし側バルブ)を開放し,試料容器の内圧が上がりDMEの充塡が滞ることが

ないようにする。 

3) 試料容器にDMEを充塡した後,直ちに試料採取管の調整弁及び試料容器の入口弁を閉じる。 

4) 試料容器にDMEが充塡したか否かの判断は,経過時間,試料容器質量の測定,その他の適切な方

法によって行う。 

5) 試料採取管の排出弁を開けて管内の圧力を逃がす。 

6) 試料採取管をDME受入・払出配管から外す。 

7) 試料採取管から試料容器を外す。 

A.2 漏えい検査 

試料容器から明らかに漏えいの痕跡を認める場合には,当該試料容器は試料採取又は試験に用いてはな

らない。DMEの漏えい検査は,石けん水等による発泡法,又は可燃性ガス検知器による検査等により行う。 

注記 DMEは水に対して可溶のため,微量のDME漏えいは検知できないこともあり,試料容器を水

槽に浸せきしての漏えい確認では不十分な場合がある。 

A.3 試料容器の表示 

試料容器には,試料を識別するために必要な次の項目を記載したラベルを試料容器に取り付ける。 

a) 内容品名 

b) 試料採取の日付及び時間 

c) 試料採取者 

d) 試料容器番号及び試料番号 

e) 試料採取場所 

f) 

ロット番号 

A.4 試料の保管 

試料採取後は,直ちに分析を実施することが望ましいが分析開始前に試料を一時的に保管する場合,又

は保管用試料を貯蔵する場合には,次の事項について配慮をしなければならない。 

a) 試料は,乾燥した適切に換気された環境で保管する。 

b) 試料は,火気から離れた環境で保管する。 

c) 熱源及び直射日光を避ける。 

d) 貯蔵室にある全ての電気設備は防爆仕様でなければならない。 

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附属書B 

(参考) 

DMEの物理的特性 

B.1 

DMEの物理的特性 

DMEの物理的特性は,表B.1による。 

表B.1−DMEの物理的特性 

物性 

メタン 

プロパン 

DME 

ブタン 

メタノール 

軽油 

化学式 [1] 

CH4 

C3H8 

CH3OCH3 

C4H10 

CH3OH 

− 

沸点(℃)[1] 

−161.5 

−42.0 

−24.8 

−0.5 

64.7 

180〜360 

液密度(kg/m3)[1], [2] 

415 

(−164 ℃) 

582 

(−42 ℃) 

670 

(20 ℃) 

600 

(−0.75 ℃) 

786.6 

(25 ℃) 

800〜840 

ガス比重(対空気)[1] 

0.554 

1.523 

1.588 

2.007 

1.106 

− 

蒸気圧(MPa,20 ℃)[1] 

0.005 3 

(−86.3 ℃) 

0.912 

0.530 

0.210 

0.013 

− 

発火点(空気中)(℃)[1] 

540 

450 

350 

405 

385 

250 

爆発範囲(空気中)(体積分率%)[1] 

5〜15 

2.1〜9.5 

3.4〜27 

1.8〜8.4 

6.7〜36 

0.6〜7.5 

セタン価 [1], [2] 

− 

>>55 

10 

40〜55 

低位発熱量(液体)(MJ/kg)[1] 

50.2 

46.5 

28.9 

48 

20.1 

43.1 

低位発熱量(気体)(MJ/Nm3)[1] 

35.9 

91.0 

59.3 

118 

− 

− 

 
 

参考文献 [1] DMEハンドブック,日本DMEフォーラム編,オーム社,pp.32 - 33,p.182(2006) 

[2] DMEデータブック,高圧ガス保安協会(KHK),p.11 

ISO 29945,Refrigerated non-petroleum-based liquefied gaseous fuels−Dimethylether (DME)−

Method of manual sampling onshore terminals