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K 1603-1:2007 (ISO 14896:2000) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

警告  1 

1 適用範囲  1 

2 引用規格  1 

3 用語及び定義  2 

4 原理 2 

4.1 A法  2 

4.2 B法 2 

5 使用目的  3 

6 妨害 3 

7 試料の採取  3 

8 試験室条件  3 

9 試薬 3 

10 装置  4 

11 A法−トルエン/ジブチルアミン・塩酸法  4 

11.1 操作  4 

11.2 計算式  5 

11.3 精度及び偏り  6 

11.4 試験報告  6 

12 B法−トルエン/TCB/ジブチルアミン・塩酸(メタノール溶媒)法  6 

12.1 操作  6 

12.2 計算式  7 

12.3 精度及び偏り  7 

12.4 試験報告  8 

 

 

 


 

K 1603-1:2007 (ISO 14896:2000) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,ウレタン原料工業会(JURA),日本プラスチ

ック工業連盟(JPIF)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制

定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格であ

る。これによってJIS K 1603:1985は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

JIS K 1603の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 1603-1 第1部:イソシアネート基含有率の求め方 

JIS K 1603-2 第2部:酸度の求め方 

JIS K 1603-3 第3部:加水分解性塩素の求め方 

 

 


 

 

  

日本工業規格          JIS 

 

K 1603-1:2007 

 

(ISO 14896:2000) 

プラスチック− 

ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法−

第1部:イソシアネート基含有率の求め方 

Plastics− 

Aromatic isocyanates for use in the production of polyurethanes− 

Part 1: Determination of isocyanate content 

 

序文 

この規格は,2000年に第1版として発行されたISO 14896を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成

を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

 

警告 

この規格の使用者は,一般的な試験操作に精通しているのが望ましい。この規格は,これを利用するこ

とによって生じる安全に関するすべての問題の処置を意図しているものではない。安全及び健康に関する

適切な基準の策定,並びに国のすべての規制への適合の確保は,この規格の使用者の責務である。 

 

適用範囲 

この規格は,芳香族イソシアネートのイソシアネート基含有率の二つの求め方について規定する。A法

は,主に精製トルエンジイソシアネート(以下,TDIという。),メチレン-ビス-(4-フェニルイソシアネー

ト)(以下,MDIという。)及びそれらのプレポリマーに適用できる。B法は,TDI,MDI及びポリメチレ

ンポリフェニルイソシアネートの精製又は粗製イソシアネート及びこれらから誘導される変性イソシアネ

ートに適用できる。TDI,MDI及びポリメチレンポリフェニルイソシアネートの異性体混合物にも同様に

適用できる。その他の芳香族イソシアネートにも妥当性が確認できれば使用できる。ブロックイソシアネ

ートには適用できない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 14896:2000,Plastics−Polyurethane raw materials−Determination of isocyanate content(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを

示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)


K 1603-1:2007 (ISO 14896:2000) 

  

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 1603-2 プラスチック−ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法−第2部:酸度の求

め方 

注記 対応国際規格:ISO 14898:1999,Plastics−Aromatic isocyanates for use in the production of 

polyurethane−Determination of acidity (MOD) 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

注記 対応国際規格:ISO 6353-1:1982,Reagents for chemical analysis−Part 1: General test methods 

(MOD) 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

注記 対応国際規格:ISO 385-1:1984,Laboratory glassware−Burettes−Part 1: General requirements 

(MOD),ISO 648:1977,Laboratory glassware−One-mark pipettes (MOD),ISO 4787:1984,

Laboratory glassware−Volumetric glassware−Methods for use and testing of capacity (MOD),ISO 

4788:1980,Laboratory glassware−Graduated measuring cylinders (MOD) 

ISO 3696:1987,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods 

ISO 6353-2,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series 

ISO 6353-3,Reagents for chemical analysis−Part 3: Specifications−Second series 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

ポリウレタン(polyurethane) 

有機ジイソシアネート又はポリイソシアネートと,ジヒドロキシル化合物又はポリヒドロキシル化合物

との反応によって生成するポリマー。 

3.2 

純度(assay) 

試料中に存在する特定イソシアネート量を質量分率で表したもの。 

3.3 

イソシアネート基含有率(isocyanate content),NCO含有率(NCO content) 

試料中に存在するイソシアネート基量を質量分率で表したもの。 

3.4 

アミン当量(amine equivalent) 

ジブチルアミン1 g当量と結合する,試料の当量を表したもの。 

 

原理 

4.1 

A法 

イソシアネート試料に過剰のジブチルアミンのトルエン溶液を加えて反応させ,相当する尿素を生成さ

せる。室温まで冷却後,共溶媒としてアセトンを添加する。その後,塩酸標準溶液を用いて,電位差滴定

法又は指示薬滴定法によって逆滴定を行い,終点を求める。 

4.2 

B法 

イソシアネート試料に過剰のジブチルアミンのトルエン溶液及びトリクロロベンゼンを加えて反応させ,


K 1603-1:2007 (ISO 14896:2000) 

 

相当する尿素を生成させる。室温まで冷却後,反応物をメタノールで希釈し,塩酸(メタノール溶媒)を

用いて,電位差滴定法又は指示薬滴定法によって逆滴定を行い,終点を求める。 

 

使用目的 

この試験方法は,ポリウレタン用イソシアネート及びプレポリマーの研究,品質管理を目的とする評価

に使用できる。 

 

妨害 

塩化カルボニル,イソシアネート中のカルバミン酸塩化物,塩化水素,及びその他の酸性化合物又は塩

基性化合物が,定量の妨害となる。 

精製イソシアネート中では,通常,これらの不純物は,少量しか存在しないので定量には影響しない。 

しかし,粗製又は変性イソシアネートでは,酸度が0.3 %(質量分率)以上の場合があるので,未精製

イソシアネートのNCO含有率の値は,“酸度補正”又は“酸度未補正”と報告するのが望ましい。 

 

試料の採取 

有機イソシアネートは,雰囲気中の水分と反応するので,試料の採取中は注意をする必要がある。 

通常の試料採取方法(例えばオープンドラムからの試料採取)は,速やかに行っても不溶性尿素によっ

て試料の汚染を引き起こす。したがって,常時,乾燥不活性ガス(例えば,窒素,アルゴン又は乾燥空気)

で試料全体を覆う。 

警告 有機イソシアネートは,皮膚を通して吸収するか又は蒸気を吸引すると危険である。適切な換

気を行い,保護手袋及び保護めがねを着用する。 

 

試験室条件 

イソシアネートは,水分と反応するため,試験室の相対湿度を50 %以下とするのが望ましい。 

 

試薬 

すべての分析において,試薬等級品を用いる。特に指定がなければ,試薬は,JIS K 8001の附属書2,

ISO 6353-2及びISO 6353-3による。十分に純度が高く,測定の精度を損なわなければ,他の等級品を用い

てもよい。 

特に指定がない限り,この規格の水とはISO 3696:1987の等級3の水をいう。 

9.1 

アセトン(A法) 

9.2 

トルエン タイプ4Aのモレキュラーシーブで脱水したもの。 

9.3 

ジブチルアミン溶液 1 mol/L(A法) ジブチルアミン129 gをトルエンで1 Lに希釈したもの。 

9.4 

ジブチルアミン溶液 2 mol/L(B法) ジブチルアミン258 gをトルエンで1 Lに希釈したもの。 

9.5 

塩酸 1 mol/L(A法) 1 mol/Lの塩酸を準備し,0.001 mol/Lまで標定したもの。 

9.6 

塩酸(メタノール溶媒)1 mol/L(B法) 1 mol/Lの塩酸(メタノール溶媒)を準備し,0.001 mol/L

まで標定したもの。均一溶液にするため,塩酸(メタノール溶媒)を使用することが望ましい。支障がな

ければ塩酸を使用してもよい。しかし,多くの滴定で濁りが発生する。反応生成物の二層化を最小化する

ためにメタノール200〜250 mLを追加するのがよい。混合物が,十分かくはんできれば,経験的に不均一

性は結果に悪影響せず許容できる。 


K 1603-1:2007 (ISO 14896:2000) 

  

9.7 

ブロモフェノールブルー溶液 指示薬滴定用:0.04 %試薬用ブロモフェノールブルーナトリウム塩

水溶液,又は0.04 %ブロモフェノールブルーアセトン溶液。 

9.8 

1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB) タイプ4Aのモレキュラーシーブで脱水したもの(B法)。 

9.9 

メタノール(B法) 

 

10 装置 

10.1 電位差滴定装置又はpH計 正確に0.1 mV又はそれ以上の精度で測定でき,対電極又は複合ガラス

−カロメル電極(1 mol/L 塩化リチウムメタノール溶液又は同等の溶液で満たされたもの)及び容量20 mL

のピストンビュレットを装備した装置。 

10.2 注射器 2 mL及び5 mLで粘性プレポリマーを測るための少なくとも1 mgの違いが測定できる大口

径注射器。 

10.3 マグネチックスターラー 

10.4 はかり 0.1 mgの精度でひょう量できるもの。 

10.5 よう素フラスコ 容量500 mLのもの(A法)。 

10.6 三角フラスコ 容量250 mLで,広口のもの(B法)。 

10.7 全量ピペット JIS R 3505に規定する容量25 mL(A法)及び20 mL(B法)のもの。 

10.8 メスピペット JIS R 3505に規定する,容量1 mLで目盛付きのもの。 

10.9 メスシリンダー JIS R 3505に規定する容量250 mL(A法)及び100 mL(B法)のもの。 

10.10 ビーカー 容量500 mLのもの(B法)。 

10.11 ビュレット 指示薬滴定法で用いる,JIS R 3505に規定する容量50 mLのもの。 

 

11 A法−トルエン/ジブチルアミン・塩酸法 

11.1 操作 

11.1.1 全量ピペット(10.7参照)を用い,1 mol/Lジブチルアミン溶液(9.3参照)25 mLをよう素フラス

コ(10.5参照)に添加する。次いで,トルエン(9.2参照)10 mLでフラスコ壁面をすすぐ。 

11.1.2 注射器(10.2参照)を用い,完全に溶解している試料を0.1 mgまでひょう量する。イソシアネー

トが結晶化している場合,均一に溶解するように慎重に加熱する。試料m0グラムをよう素フラスコ中のジ

ブチルアミン溶液に添加し,共通すり合わせの栓をする。 

試料の質量(m0)はイソシアネートの(15±5)ミリ当量含有とする。TDIの場合は,約1.5 g,MDIの

場合は,約2.5 gとなる。 

イソシアネート当量が,未知な場合,適切な試料量で予備試験を行う。 

11.1.3 完全に溶解した後,室温で15 分間反応させる。反応によって溶液は発熱するので,室温に戻るま

で5 分から10 分間放置する。 

11.1.4 アセトン(9.1参照)150 mLを,メスシリンダー(10.9参照)を用いてフラスコ壁面に注意してそ

そぎ,栓をする。 

11.1.5 次に示す二つの方法のいずれかを用いて,過剰のジブチルアミンを滴定する。 

11.1.5.1 電位差滴定法(推奨) 

よう素フラスコの内容物を滴定用ビーカー(10.10参照)に移し,アセトン25 mLですすぐ。マグネチ

ックスターラー(10.3参照)上にビーカーを置き,かくはんする。 

電極を反応混合物に浸し,電位差滴定装置(10.1参照)を用いて,1 mol/L塩酸で滴定し,当量点を測定


K 1603-1:2007 (ISO 14896:2000) 

 

する。 

11.1.5.2 指示薬滴定法 

よう素フラスコをマグネチックスターラー上に置き,反応混合物をかくはんする。 

メスピペット(10.8参照)を用い,ブロモフェノールブルー溶液(9.7参照)0.8 mLを添加する。 

ビュレット(10.11参照)を用いて,1 mol/L塩酸で滴定する。指示薬が青から黄色に変わって少なくと

も15秒間安定するまで,滴定を行う。溶液は,滴定開始の青から青みがかった緑の中間色に,そして終点

の黄色に変わる。終点の判断は,経験によるが,滴定液の滴下による最初の黄色が確認されるまでは素早

く滴定できる。この変色は,終点の0.2〜0.3 mL以内で現れる。 

11.1.6 試料を添加しない空試験を,同一条件で実施する。 

11.2 計算式 

11.2.1 イソシアネート基含有率(%NCO)は,次の式によって算出する。 

0

2

1

1

202

.4

m

c

V

V

N

 

ここに, 

N1:イソシアネート基含有率(質量分率 %) 

 

V1:空試験に要した,0.01 mLまで測定した塩酸の使用量(mL) 

 

V2:試料の滴定に要した,0.01 mLまで測定した塩酸の使用量

(mL) 

 

c:塩酸の濃度(mol/L) 

 

m0:試料の質量(g) 

 

4.202:1 000 mgをgに,そして百分率に変換する,NCO当量(42.02 

mg/ミリ当量)の定数 

11.2.2 アミン当量(E1)は,次の式によって算出する。 

V

V

m

E

2

1

0

000

1

 

11.2.3 単一異性体又は異性体混合物(例えば“純”TDI又はMDI)によるイソシアネートの純度は,次

の式によって算出する。 

%

 

100

000

1

0

2

1

m

E

c

V

V

A

 

ここに, 

A: 純度(質量分率 %) 

 

V1: 空試験に要した,0.01 mLまで測定した塩酸の使用量(mL) 

 

V2: 試料の滴定に要した,0.01 mLまで測定した塩酸の使用量 

(mL) 

 

c: 塩酸の濃度(mol/L) 

 

m0: 試料の質量(g) 

 

E: イソシアネートの当量(純TDIは,87.08 mg/ミリ当量,純 

MDIは,125.13 mg/ミリ当量) 

 

1 000: gからmgへの変換係数 

11.2.4 キログラム当たりの当量数(当量/kg)は,次の式によって算出する。 

0

2

1

m

c

V

V

B

 

ここに, 

B: キログラム当たりの当量数(当量/kg) 

 

 

V1,V2,c及びm0は11.2.3に同じ。 


K 1603-1:2007 (ISO 14896:2000) 

  

11.2.5 精製イソシアネート中では,酸性不純物は通常,少量しか存在しないので,定量には影響しない。

したがって,酸度補正の必要はない。 

11.3 精度及び偏り 

11.3.1 精度 (精製TDI)1) 

結果の妥当性を判断するために,次の指標を用いる。 

注1) 基礎資料は,アメリカプラスチック協議会ポリウレタン原料分析委員会(PURMAC)で入手可

能。 

注記 相対比は,イソシアネート試料を2回(n=1,n=2)測定したとき,イソシアネート含有率

(NCO%)の差を,その試料のNCO%で除した値で表す。 

相対比(%)=[NCO%(n=1)− NCO%(n=2)]/NCO%(n=1)又はNCO%(n=2)×100 

a) 繰返し精度(同一人分析) 同一人,同一日及び同一装置による2点の測定結果の差が,指示薬滴定

法では相対比0.4 %(95 %信頼限界)を超える場合,電位差自動滴定法では,相対比0.2 %(95 %信

頼限界)を超える場合には,測定結果が疑わしいことを考慮しなければならない。 

b) 再現精度(試験室間) 同一試料の異なった試験室での2点の測定結果の差が,相対比0.8 %(95 %

信頼限界)を超える場合は,測定結果が疑わしいことを考慮しなければならない。 

11.3.2 偏り 

この試験方法での偏りは,確定されていない。 

11.4 試験報告 

試験報告書は,次の事項を含まなければならない。 

a) この規格番号(JIS K 1603-1) 

b) 試料を完全に特定するために必要な事項 

c) 使用した滴定方法(電位差滴定法又は指示薬滴定法) 

d) 試験結果(単位などを記載する。) 

e) この規格には規定していないが,結果に影響を及ぼす可能性のある補足事項 

f) 

試験年月日 

 

12 B法−トルエン/TCB/ジブチルアミン・塩酸(メタノール溶媒)法 

12.1 操作 

12.1.1 水,アルコール,アセトンで連続して洗い,100 ℃で乾燥,冷却した三角フラスコ(10.6参照)250 

mLにTCB(9.8参照)25 mLを入れる。 

ジブチルアミン溶液(9.4参照)20 mLを全量ピペットで,三角フラスコに移す。内容物を混合するため

にかくはんする。 

12.1.2 必要とする試料量を0.001 gまではかりとる。必要とする試料量は,次の式によって求める。 

N

m

84

1

 

ここに, 

m1: 必要とする試料量(g) 

 

N: 予想するNCO(質量分率 %) 

TDIの場合は約1.8 g,MDIの場合は約2.5 gとなる。 

12.1.3 三角フラスコにふたをし,溶液が均一になるまで,かくはんする。反応混合物は約40 ℃に温まる。 


K 1603-1:2007 (ISO 14896:2000) 

 

12.1.4 反応混合物が,室温に戻るまで放置する(20〜25分間)。その後,メタノール100 mLを添加する。 

12.1.5 電位差滴定装置を用いて,pH 4.0付近の変曲点まで1 mol/L塩酸(メタノール溶媒)(9.6参照)で

電位差滴定をする。 

12.1.6 試料を添加しない空試験をする。pH 4.0付近の変曲点まで1 mol/L塩酸(メタノール溶媒)で電位

差滴定をする。 

12.1.7 電位差滴定装置が入手できない場合は,滴定はビュレットを用いブロモフェノールブルー指示薬

(9.7参照)で行う。 

メスピペット1.0 mLを用い,滴定する各溶液にブロモフェノールブルー指示薬0.8 mLを添加する。 

指示薬が青から黄色に変わって15秒間安定するまで空試験及び試料溶液の滴定を行う。溶液は,滴定開

始の青から青みがかった緑の中間色に,そして,終点の黄色に変わる。終点の判断は経験によるが,滴定

液の滴下による最初の黄色が確認されるまでは素早く滴定できる。この変色は,終点の0.2〜0.3 mL以内

で現れる。 

12.2 計算式 

12.2.1 求めるNCO(質量分率 %),アミン当量又は質量(kg)当たりの当量は,11.2の式を用いて算出

する。 

12.2.2 精製イソシアネート中では,酸性不純物は通常,少量しか存在しないので,定量には影響しない。

しかし,粗製又は変性イソシアネートはかなりの量の酸性化合物を含む可能性があるので,NCO含有率の

報告値は酸度を補正する必要がある。 

イソシアネート試料の酸度は,中酸度〜高酸度(100 

洀最一李

上)の場合は,JIS K 1603-2のA法で,又

は低酸度(100 

洀最一

満)の場合は,JIS K 1603-2のB法を用い求める。酸度は%HClで表記する。 

酸度による補正%NCOは,次の式によって算出する。 

1

1

2

152

.1

A

N

N

 

ここに, 

N2:酸度補正NCO(質量分率 %) 

 

N1:12.2.1で求めた未補正NCO(質量分率 %) 

 

1.152:塩化水素の当量で除したNCO当量 

 

A1:酸度 

12.2.3 酸度補正したアミン当量は,次の式によって算出する。 

650

3

1

1

2

1

2

N

E

E

 

ここに, 

E2:アミン当量酸度補正値 

 

E1:12.2.1のアミン当量(アミン当量未補正値) 

 

N2:12.2.2からの値 

 

3 650:塩酸当量×100 

12.3 精度及び偏り2) 

注2) 基礎資料は,ASTM本部から入手可能。RR:D20-104を要求すること。 

精度の概算は,Luprinate M20S(BASF),PAPI 20及びIsonate143L(Dow),Mondur PF(Mobay,

現Bayer)並びにRubinate HF185(Rubicon)のそれぞれのサンプルについて1989年に実施した

試験室間での研究に基づく。11か所の試験室が,研究に参加。 

12.3.1 粗製又は変性イソシアネートの結果の妥当性を評価するために,次の指標を用いる。 

12.3.1.1 繰返し精度(同一人分析) 


K 1603-1:2007 (ISO 14896:2000) 

  

同一人,同一日及び同一装置での2点の測定結果の差が,相対比0.3 %(95 %信頼限界)を超える場合

は,疑わしいことを考慮すべきである。 

12.3.1.2 再現精度(試験室間) 

同一試料の異なった試験室での2点の測定結果の差が,相対比2.07 %(95 %信頼限界)を超える場合

は,疑わしいことを考慮すべきである。 

12.3.2 MDI異性体の結果の妥当性を評価するために,次の指標を用いる。 

12.3.2.1 繰返し精度(同一人分析) 

同一人,同一日及び同一装置での2点の測定結果の差が,相対比0.11 %(95 %信頼限界)を超える場

合は,疑わしいことを考慮すべきである。 

12.3.2.2 再現精度(試験室間) 

試験室間の精度は決定できなかった。 

12.3.3 TDI異性体では精度を評価するには不十分であった。TDI異性体の精度はMDIのそれに類似して

いると思われる。 

12.3.4 この試験方法での偏りは,確定されていない。 

12.4 試験報告 

試験報告書には,次の事項を含まなければならない。 

a) この規格番号(JIS K 1603-1) 

b) 試料を完全に特定するために必要な事項 

c) 使用した滴定方法(電位差滴定法又は指示薬滴定法) 

d) 試験結果(単位などを記載する。) 

e) 酸度補正の有無 

f) 

この規格には規定していないが,結果に影響を及ぼす可能性のある補足事項 

g) 試験年月日