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日本工業規格

JIS

 K

1560

-1994

1, 1, 1, 2-

テトラフルオロエタン

(HFC-134a)

1, 1, 1, 2-Tetrafluoroethane (HFC-134a)

CH

2

FCF

3

  FW : 102.03

1.

適用範囲  この規格は,工業用の 1, 1, 1, 2-テトラフルオロエタン (HFC-134a) について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0068

  化学製品の水分測定方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8161

  ジクロロメタン(試薬)

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考として併記したものである。

参考1. HFC-134a の沸点は−26.2℃ (0.101 3MPa),飽和液密度は1.22g/mL (20℃),1.37g/mL (−26.2℃)

である。

2.

規格名称の{  }内は,従来フロンと総称されフロン 134a などの記述が用いられてきたが,

ここでは Hydrofluorocarbon の略称 HFC を用い HFC-134a とした。

2.

品質  1, 1, 1, 2-テトラフルオロエタン (HFC-134a) の品質は,3.及び 4.によって試験したとき,表 1

の規定に適合しなければならない。

表 1  品質

項目

品質

外観

無色で濁りがないこと

臭気

異臭がないこと

純度 99.6 面積%(

1

)

以上

蒸発残分 0.01%以下

酸分(HCl として) 0.000 1%以下 
水分 0.002%以下

(

1

)

ガスクロマトグラフ(熱伝導度検出

器)による面積百分率である。

3.

試料採取方法


2

K 1560-1994

3.1

試料採取方式の区分  試料採取方式は,各品質項目ごとの工程能力指数  (C

p

)(

2

)

に応じて

表 の区分

とするが,外観,臭気は計量的評価が困難なため,3.2 試料採取 (I) による。

工程能力指数は,

表 に規定するすべての品質項目について求め,それぞれに試料採取方式を決める。

このとき使用する平均値及び標準偏差は,連続した 20 ロット(

3

)

以上又は 20 個以上のデータから求めた

ものを用いる。

表 2  試料採取方式の区分

工程能力指数  (C

p

)

試料採取方式

(1)

1.00

未満

又は,未知の場合

試料採取(I)(試料抜取表による)

(2)

1.00

以上

1.33

未満

試料採取(II)

(3)

1.33

以上

1.67

未満

試料採取(III)

(4) 1.67

以上

試料採取(IV)(定期的な試料採取)

(5) 1.67

以上

形式検査(無試験検査)

(

2

)

工程能力指数  (C

p

)

は,次の式によって求める。

上限規格  (S

u

)

の場合

σ

3

x

S

C

U

P

下限規格  (S

L

)

の場合

σ

3

L

P

S

x

C

ここに,  C

p

:  工程能力指数

S

u

:  上限規格

S

L

:  下限規格

-

x

:  平均値

σ

:  標準偏差

(

3

)

ここでロットとは,同一品質とみなされる製品であって,同一バッチで生産したもの,同一貯

槽の在庫品,又は同一貯槽から積み出したものなどをいう。

なお,

“同一バッチで生産したもの”とは,“同一装置,同一条件で一定の時間帯に生産され

たもの”という意味である。

3.2

試料採取 (I)   (工程能力指数 C

p

=1.00 未満又は未知の場合)

製品の品質が時間とともに変動する場合,大形容器内で均一性が保てない場合,又は充てんした容器ご

とに品質のばらつきが予想される場合に適用する。

(1)

大形容器(製品貯槽などへの送液パイプ,製品貯槽,タンクローリー,タンク車,トン容器などの専

用容器)一定時間ごと(

4

)

又は容器の上層,中層,下層など(

4

)(

5

)

から試料容器に採取してそれぞれを試

料とする(

6

)

(2)

小形容器(100kg 以下の容器)  小形容器は,表 の試料採取(I)の容器個数(

5

)

を乱数さい,乱数表,

その他の方法によって,ランダムに抜き取り,試料容器に採取してそれぞれを試料とする(

6

)

。ただし,

5 000

個を超える場合は,1 000 個ごとに 1 個を加える。


3

K 1560-1994

表 3  容器抜取表

抜取容器個数

容器個数

試料採取 (I) 試料採取 (II)

1

∼   50

1

1

51

∼    100

2

1

101

∼    500

5

2

501

∼1 000

10

3

1 001

∼5 000

20

5

(

4

)

時間及び採取箇所は品質のばらつきに応じて設定する。

(

5

)

工程及び原材料の変更,品質の特性値のデータが少ないとき,製造の開始時,容器ごとに品質

のばらつきがあるとき,又はばらつきが把握できない製品については適宜追加する。

(

6

)

この試料は混合せず,それぞれについて試験を行い特性値を求める。

3.3

試料採取 (II)   (工程能力指数 C

p

=1.00 以上 1.33 未満の場合)

試料採取 (I) の方式によって品質項目ごとの工程能力指数を求めることができ,容器内又は容器ごとの

品質のばらつきが小さいときに適用する。

(1)

大形容器(製品貯槽などへの送液パイプ,製品の貯槽,タンクローリー,タンク車,トン容器などの

専用容器)  大形容器から 1 個又は 2 個の試料容器に採取して,試料(

6

)

とする。

(2)

小形容器(100kg 以下の容器)  小形容器は,表 の試料採取 (II) の個数の容器を乱数さい,乱数表,

その他の方法によって,ランダムに抜き取り,試料容器に採取してそれぞれを試料とする(

6

)

。ただし,

5 000

個を超える場合は,1 000 個ごとに 1 個を加える。

3.4

試料採取 (III)   (工程能力指数 C

p

=1.33 以上 1.67 未満の場合)

試料採取 (II) の方式によって品質項目ごとの工程能力指数が 1.33 以上 1.67 未満の場合で,容器内又は

容器ごとの品質のばらつきが極めて小さいときに適用する。

(1)

大形容器(製品貯槽などへの送液パイプ,製品貯槽,タンクローリー,タンク車,トン容器などの専

用容器)  一定の試料採取箇所から 1 個の試料容器に採取して試料とする。

(2)

小形容器(100kg 以下の容器)  容器個数にかかわらず,1 個選び,試料容器に採取して試料とする。

3.5

試料採取 (IV)   (定期的な試料採取,工程能力指数 Cp=1.67 以上の場合)

試料採取 (III) の方式によって,品質項目ごとの工程能力指数が 1.67 以上で,工程が良好な管理状態に

あることが管理図などで確認でき,容器からの汚染のないこと,又はその影響が無視できることが明確で

あり,それを維持できる管理状態にある場合は,検査のためのロットの設定を行わずに,一定期間ごとに

試料採取を行い,工程能力指数を求め,品質が維持されていることを確認する。

(1)

大形容器(製品貯槽などへの送液パイプ,製品貯槽,タンクローリー,タンク車,トン容器などの専

用容器)  一定の試料採取箇所から試料を一定期間ごとに 1 個の試料容器に採取する。

(2)

小形容器(100kg 以下の容器)  試料採取は,充てん用の製品貯槽又は充てんされた小形容器から一

定期間ごとランダムに 1 個を抜き取り試料容器に採取する。

3.6

形式検査(無試験検査)  大形容器,小形容器のいずれも,試料採取  (Ⅲ)  の方式によって品質が十

分安定しているか,又は原材料,工程管理,製品の品質,技術的な情報などに基づいて品質が十分安定し

ていると認められるとき,抜取りによる製品の検査を省略する。

この方式は,形式検査に移行した根拠となる理由,管理図,データなどを保管し,原材料,工程管理,

その他の情報などによって十分管理されている場合に適用する。


4

K 1560-1994

3.7

採取器具及び試料容器  送液パイプ,大形容器,小形容器などからの試料採取は,製品によって溶

出又は汚染されない材質で作られた適宜な器具を用いる。試料容器は小形容器をそのまま用いてもよい。

3.8

試料容器の表示  試料容器には,試料名,試料採取年月日,ロット番号などを明記する。

3.9

試料採取方式の移行

(1)

品質特性に不適合がでたとき。

(2)

工程能力指数が基準を下回ったとき。

(3)

製造工程の変更,原材料の変更又は試験を省略していることによって品質の情報が得られなくなった

とき。

3.10

品質特性に不適合がでた場合の処置

(1)

製品の手直し又は製造工程への回収,廃棄などの処理を行う。

(2)

試料採取方式を厳しい方式に移行する。

(3)

ロットの大きさを小さくする。

4.

試験方法

4.1

共通事項  化学分析について共通する一般事項は,JIS K 0050 によって,ガスクロマトグラフ分析

法については,JIS K 0114 による。

4.2

外観  トールビーカー100mL に,試料約 50mL を激しく沸騰しないようにしながら採取する。次に,

トールビーカーの外壁に付く氷又は湿気を乾燥した布でふいて横方向から目視し,色及び濁りの有無を観

察する。

4.3

臭気  4.2 で用いた試料を,わずかに沸騰させた状態でその蒸気の異臭の有無を調べる。

4.4

純度

(1)

要旨  ガスクロマトグラフを用い,主成分及びその他の成分のピークから面積百分率法によって求め

る。

(2)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

検出器  熱伝導度検出器

(b)

カラム用管  内径 3mm,長さ 1m と 2m のステンレス鋼管又は硬質ガラス管。

(c)

カラム構成  粒度 149∼177

µm のエチルビニルベンゼン-ジビニルベンゼン共重合体(以下 EVB−

DVB

と略す。

)を長さ 1m のカラム用管に,同一粒度のビニルピロリドン重合(以下,VPRD と略

す。

)を長さ 2m のカラム用管に詰め,そのそれぞれを独立に,充てん剤固有の温度で空焼きを行っ

た後接続したもの。

参考 EVB−DVB にはポラパック Q, VPRD にはポラパック N などがある。

(d)

気体用シリンジ  内容積 0.5∼5mL

(e)

気化器  試料を完全に気化し,流量の調節ができるもの。

(3)

分析条件  分析条件は機器によって異なるため,各機器について適正な条件に設定しなければならな

い。

表 に一例を示す。


5

K 1560-1994

表 4  分析条件の一例

項目

条件

カラム用管

内径 3mm,長さ 1m と 2m のステンレス鋼管の接続

検出器

熱伝導度検出器

カラム充てん剤 EVB−DVB (1m)  及び VPRD (2m)(

7

)

カラム槽 100℃で 16 分等温後,5℃/min で 150℃まで昇温

検出器 210℃

温度

試料気化室 150℃

検出器電流 120mA

キャリヤーガス (He) 流量

35mL/min

試料注入量 1.0mL(気体)

記録紙送り速度 5mm/min

(

7

)

カラムの接続は,注入口側に EVB−DVB (1m) を,検出器側に

VPRD (2m)

をつなぎ,両カラムを接続する。

(4)

操作  試料は液相から採取し,気化器を用いて全量気化させた後,気体用シリンジを用いてガスクロ

マトグラフに注入する。

(5)

ピーク面積の測定方法  ピーク面積の測定方法は,JIS K 0114 の 8.3(1)(半値幅法),又は JIS K 0114

の 8.3(2)(データ処理装置を用いる方法)による。ただし,空気の成分は計算から除く。

(6)

計算  純度の計算は,JIS K 0114 の 8.5(面積百分率法)による。

(7)

クロマトグラムの一例  (3)に示した分析条件によるクロマトグラムの一例を図 に示す。

図 1  HFC-134a のクロマトグラムの一例

4.5

蒸発残分

(1)

要旨  試料を蒸発させ,その残分の質量を測定し,蒸発残分を求める。

(2)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

蒸発器  ひょう量管及び蒸発管からなり,一例を図 に示す。


6

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(b)

水槽−1  常温に保持できるもの。

(c)

水槽−2  約 90℃に保持できるもの。

(d)

恒温槽  105±2℃に保持できるもの。

(e)

デシケーター  乾燥剤としてシリカゲルを用いたもの。

(3)

ジクロロメタン  JIS K 8161 に規定するもの。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

ひょう量管を 105±2℃の恒温槽中で約 30 分管乾燥し,デシケーター中で冷却した後,その質量を

0.1mg

のけたまで量り蒸発管に接続する。

(b)

蒸発器の標線に合わせて試料 500mL を沸騰しないように冷却しながら取り,ひょう量管の部分を水

槽中に浸して試料を蒸発させる。ひょう量管の部分を水槽中へ浸す深さを調節することによって試

料が 1.5∼2h で蒸発するようにする。

(c)

試料が気化した後,約 10mL のジクロロメタンを蒸発器に加えて,内壁を洗い,洗液をひょう量管

に集める。ひょう量管の部分を約 90℃の水槽に浸してジクロロメタンを蒸発させる。

(d)

気化後,取り外したひょう量管を,105±2℃の恒温槽中で約 30 分間乾燥し,デシケーター中で冷却

した後その質量を 0.1mg のけたまで量る。

(5)

計算  蒸発残分は,次の式によって算出する。

100

0

1

×

S

m

m

R

ここに,

R

:  蒸発残分 (%)

m

0

:  ひょう量管の質量 (g)

m

1

:  試料を気化させた後のひょう量管の質量 (g)

S

:  試料の質量 (500×1.37) (g)

4.6

酸分

(1)

要旨  試料を気化させて水中に吹き込み,ブロモクレゾールグリーンを指示薬として水酸化ナトリウ

ム溶液で滴定し,塩酸として酸分を求める。

(2)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

三角フラスコ  一例を図 に示す。

(b)

吸収瓶  一例を図 に示す。

(c)

コニカルビーカー  500mL

(3)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

ブロモクレゾールグリーン溶液 (1g/L)   JIS K 8001 の 4.4(指示薬)に規定するもの。

(b)  0.01mol/L

水酸化ナトリウム溶液  JIS K 8001 の 4.5(19.4)(0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液)によっ

て調製した 0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液を二酸化炭素を含まない水を用いて 10 倍に希釈し,ポ

リエチレン容器に保存したもの。

(4)

準備  吸収瓶 4 本にそれぞれ二酸化炭素を含まない水 100mL を入れ,導管で直列に連結し,1 本目の

前に三角フラスコを取り付ける。

(5)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

三角フラスコをすり合わせ部から抜き取り,試料約 100g を沸騰しないように冷却しながら量り取り,

直ちにすり合わせ部を元どおりに接続する。

(b)

室温で自然に蒸発させ,試料が気化し終わったとき,吸収瓶の 1 本目及び 2 本目の水を合わせて,


7

K 1560-1994

その一部で三角フラスコを洗浄し,コニカルビーカーに移し入れる。

(c)

これに指示薬としてブロモクレゾールグリーン溶液 (1g/L) 2,3 滴を加え,0.01mol/L 水酸化ナトリ

ウム溶液で滴定し,黄色から青に変わった点を終点とする。

(d)

同時に吸収瓶の 3 本目及び 4 本目の水を合わせて(c)によって滴定し,これを空試験とする。

(6)

計算  酸分は,次の式によって算出する。

100

365

000

.

0

)

(

×

×

S

E

D

O

ここに,  O:  酸分(HCl として) (%) 

D

:  滴定に要した 0.01mol/L 水酸化ナトリウム溶液の量 (mL)

E

:  空試験に要した 0.01mol/L 水酸化ナトリウム溶液の量 (mL)

S

:  試料の質量 (g)

図 2  蒸発器の一例

図 3  三角フラスコの一例


8

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図 4  吸収瓶の一例

4.7

水分

4.7.1

試験方法の種類  水分の試験は,カールフィッシャー法の容量滴定法又は電量滴定法によるほか,

電気分解法水晶発振子法又は静電容量法のいずれを用いてもよい。ただし,この場合は,カールフィッシ

ャー法で測定した水分既知の試料によって作成した検量線を用いて試料中の水分を求める。

4.7.2

カールフィッシャー法の容量滴定法

(1)

要旨  メタノールを主とする溶媒に試料を吹き込み水分を溶かした後,JIS K 0068 の 4.3(容量滴定法)

によってカールフィッシャー滴定を行う。

(2)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

試料採取器具  耐圧 2.94Mpa {30kgf/cm

2

}

以上のもの。一例を

図 に示す。使用前によく乾燥する。


9

K 1560-1994

図 5  試料採取器具の一例

(b)

滴定フラスコ  一例を図 に示す。使用前によく乾燥する。

図 6  滴定フラスコの一例


10

K 1560-1994

(3)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

滴定溶剤  JIS K 0068 の 4.3.3(6)(滴定溶剤)に規定するもの又はこれと品質が同等以上のもの。

(b)

カールフィッシャー試薬  JIS K 0068 の 4.3.3(7)(カールフィッシャー試薬)に規定する力価が

1mgH2O/mL

以下のもの又はこれと品質が同等以上のもの。

(4)

準備

(a)

試料の採取  試料採取容器の入口弁を下にして採取用導管を連結し,採取用導管の他端を試料容器

に接続する。

次に,試料容器のバルブを開き,試料採取容器の出口弁を数回開閉して試料を液状で導入した後,

入口弁及び出口弁を閉め,試料容器を取り外す。

入口弁を上にし,

入口弁を数回開閉して余分の試料を排出し,

試料量を採取容器の内容積の約 80%

に調節する。

(b)

滴定装量の調節  滴定フラスコに滴定用溶媒の所定量を注入し,カールフィッシャー試薬を加えて

無水の状態にする。

溶媒量は約 200mL とする。

(5)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料採取容器の質量を量り注射針を取り付ける。

(b)

試料採取容器の注射針を滴定フラスコの試料注入用シリコーンゴム板を通して底部に届くように差

し込む。

(c)

滴定フラスコの溶媒をかき混ぜながら試料約 100g を注入する。

(d)

注入の速度は 1∼2g/min とし,出口弁付近に結露しないように熱風で加温する。

(e)

注射針を抜き(a)と同様に質量を量り,注入前との差を試料の質量とする。

(f)

滴定フラスコ中の水分は,直ちにカールフィッシャー試薬で無水状態になるまで滴定し,試薬の消

費量を読み取る。

(6)

計算  水分は,次の式によって算出する。

100

10

3

×

×

×

S

f

C

H

ここに,  H:  水分 (%) 

H

:  滴定に要したカールフィッシャー試薬の量 (mL)

f

:  カールフィッシャー試薬 1mL に対応する水の mg 数

S

:  試料の質量 (g)

4.7.3

カールフィッシャー法の電量滴定法

(1)

要旨  メタノールを主とする溶媒に試料を吹き込み水分を溶かした後,JIS K 0068 の 4.4(電量滴定法)

によってカールフィッシャー滴定を行う。

(2)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

試料採取器具  一例を図 に示す。使用前によく乾燥する。

(b)

電量滴定装置  一例を図 に示す。使用前によく乾燥する。


11

K 1560-1994

図 7  電量滴定装置の一例

(3)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

陽極液  JIS K 0068 の 4.4.3(1)(a)(陽極液)に規定するもの又はこれと品質が同等以上のもの。

(b)

陰極液  JIS K 0068 の 4.4.3(1)(b)(陰極液)に規定するもの又はこれと品質が同等以上のもの。

(4)

準備

(a)

試料の採取  4.7.2(4)(a)による。

(b)

滴定装置の調製  滴定槽に陽極液の所定量及び陰極液 5mL を注入する。

電解電流を流して終点になるまでよう素を発生させ,滴定槽内を無水の状態にする。

陽極液量は,約 200mL とする。

(5)

操作  試料の注入は,4.7.2(5)による。

滴定槽中の水分は,直ちに JIS K 0068 の 4.4.4(操作)に従って電量滴定を行い,このときの電気量

又は水分の質量を読み取る。

(6)

計算  水分は,次の式によって算出する。

指示値が電気量の場合

100

72

.

10

10

3

×

×

×

×

S

F

Q

H

指示値が水分の質量の場合

100

10

6

×

×

S

G

H

ここに,  H:  水分 (%) 

Q

:  電気分解に要した電気量 (C) [電流 (A) ×時間 (s)]

G

:  水分の質量  (

µg)

S

:  試料の質量 (g)

F

:  装置の特性などに応じた補正係数

4.7.4

電気分解法

(1)

要旨  五酸化りん皮膜を付着させた一対の白金電極に直流電圧を加えておき,ガス状の試料を一定の


12

K 1560-1994

速度で導入する。ガス中の水分は,五酸化りん皮膜に吸着され電気分解される。分解電流の量は,フ

ァラデーの法則に従ってガスの中の水分濃度に比例するので,分解電流値からあらかじめ作成した検

量線を用いて試料中の水分を求める。

(2)

装置  装置は,次に示すものを用いて図 のように組み立てる。

(a)

気化器  試料を完全に気化し,流量の調節ができるもの。

(b)

油分離器  試料中の油分が電解式水分計に流れ込まない機能をもつもの。

(c)

脱湿器  合成ゼオライトなどの充てん筒。

(d)

電解式水分計  流量計,電解セル,電流計及び減衰器からなり,0∼0.1vol%の水分を測定できるも

の。

図 8  電気分解法の装置構成

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

装置の電源を入れ,脱湿した窒素を流してあらかじめ装置内をよく乾燥しておく。

(b)

試料容器を試料が液相側から導入できるように装置に接続する。

(c)

一定の流速で試料を導入する。

(d)

適切な測定レンジを選択し,電流計指示が安定した後これを読み取り,検量線から水分を求める。

(4)

検量線の作成  検量線の作成は,次のとおり行う。

(a)

試料を用いてカールフィッシャー法で測定した水分値の異なるもの 2 点以上を標準試料とし準備す

る。

(b)  (3)

の操作によって標準試料について測定を行い。指示値と既知水分値との関係から検量線を作成す

る。

(c)

装置は,必要に応じて標準試料について測定し,測定水分値が標準水分値±10%の範囲を超えた場

合は,検量線を作成し直す。

4.7.5

水晶発振子法

(1)

要旨  吸湿性物質が塗布された水晶発振子は,水分が吸着するとその水分量に応じて変化する発振子

周波数を電気的に変換増幅し,あらかじめ作成した検量線を用いて試料中の水分を求める。

(2)

装置  装置は,次に示すものを用いて図 のように組み立てる。

(a)

気化器  試料が完全に気化し,流量の調節ができるもの。


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(b)

油分離器  試料中の油分を水晶発振子水分計に流れ込ませない機構をもつもの。

(c)

脱湿器  合成ゼオライトなどの充てん筒。

(d)

水晶発振子式水分計  2 個の水晶発振子(水晶発振子に吸湿性物質の薄膜を塗布してあるもの。以

下,発振子という。

)を一定周波数で振動させ,吸着水分による発振子の質量の変化が固有周波数を

変える,この変化を電気的に検出,指示できる装置。

図 9  水晶発振子法の装置構成

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

装置の電源を入れ,定温状態になるまで適切な一定の流速で窒素を装置に導入し,流路を乾燥する。

(b)

試料を液相部から採取できるように試料容器を装置に接続し,試料流路への窒素を止める。

乾燥ガス流路の窒素を適切な流速に調整する。

(c)

試料容器のバルブを開き気化器に試料を通し,適切な一定の圧力及び流速に調整する。

(d)

指針の振幅が読み取れるように測定レンジを選択し,振幅指示が中央から左右同程度になるように

バランスつまみで調節する。

(e)

指針の振幅が一定となった後,指針の左右の指示値を読み取り,検量線から水分を求める。

(4)

検量線の作成  4.7.4(4)と同様に操作し,検量線を作成する。

4.7.6

静電容量法

(1)

要旨  酸化アルミニウムの多孔質の薄膜は,周囲の水蒸気分圧の変化に伴い,水分を吸着又は放出し

て動的に平衡に達し,また,電気的には,気孔中に吸着した水分量によって静電容量が大きく変化す

るので,金,アルミニウム及び酸化アルミニウムからなる検出端に気体状の試料を接触させ,あらか

じめ作成した検量線を用いて試料中の水分を求める。

(2)

装置  装置は,次に示すものを用いて図 10 のように組み立てる。

(a)

気化器  試料が気化し,流量の調節ができる機能のもの。

(b)

油分離器  試料中の油分を検出端に流し込ませない機能をもつもの。

(c)

脱湿器  合成ゼオライトなどの充てん筒。

(d)

定温器  40∼50℃で±1.0℃の精度をもつもの。

(e)

流量計  0∼3L/min の流量が測定できるもの。

(f)

検出端  アルミニウムの表面に酸化アルミニウムの薄膜を形成させ,その上に金を蒸着したもので

あって検出端保持筒に内蔵したもの。

(g)

露点計  検出端のインピーダンスが−80∼−20℃の露点範囲で検知できる電流計。


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図 10  静電容量法の装置構成

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料の流路を乾燥ガスを通して十分に乾燥する。

(b)

定温器の温度を 40∼50℃の間で一定に保つ。

(c)

露点計の電源を入れ,試料容器を装置に接続し,試料が適切な一定の流速になるようにバルブを調

節する。

(d)

検出端の水分が平衡に達し露点計の指示が安定した後目盛を読み取り,検量線から水分値を求める。

(4)

検量線の作成  4.7.4(4)と同様に操作し,検量線を作成する。

5.

容器  容器は,高圧ガス取締法によるほか,内容液の品質劣化をきたさない材質を用いる。

6.

表示  1, 1, 1, 2-テトラフルオロエタン (HFC-134a) の容器には,容易に消えない方法で次の事項を表

示するか,又は記載された書面を添付しなければならない。

(1)

名称  1, 1, 1, 2-テトラフルオロエタン,HFC-134a,又はフロン 134a

(2)

製造業者名又はその略号

(3)

製造年月日又はその略号

(4)

製造番号又はロット番号,若しくは高圧ガス取締法で規定する容器番号

(5)

正味質量


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原案作成委員会  構成表

氏名

所属

委員会

分科会

(委員会長)

渡  辺  康  一

慶應義塾大学

森  田  光  俊

通商産業省立地公害局保安課

田  中  正  躬

通商産業省基礎産業局化学製品課

地  崎      修

工業技術院標準部繊維化学規格課

佐  藤  眞  士

工業技術院化学技術研究所

田  坂  勝  芳

通商産業省通商産業検査所

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

社団法人日本冷凍協会

村  松      繁

社団法人日本冷凍空調工業会(松下電器産業株式会社)

荒  井  宏  昭

社団法人日本冷凍空調工業会(日本電装株式会社)

星      博  彦

社団法人自動車技術会(トヨタ自動車株式会社)

伴  瀬  忠  敏

社団法人日本電機工業会(株式会社東芝)

佐  藤  征  吾

社団法人日本エアゾール協会(小池化学株式会社)

橋  本  俊  夫

旭硝子株式会社

鈴  木      武

ダイキン工業株式会社

梅  木  広  喜

三井・デュポンフロロケミカル株式会社

栗  原  利  幸

昭和電工株式会社

森  坂  譲  二

セントラル硝子株式会社

水  澤  忠  勝

日本フロンガス協会

(事務局)

石  井  金二郎

日本フロンガス協会