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K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,ウレタン原料工業会(JURA)/日本プラスチ

ック工業連盟(JPIF)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これ

によって JIS K 1557:1970 は廃止され,JIS K 1557-1JIS K 1557-2JIS K 1557-3JIS K 1557-4,及び JIS 

K 1557-5

に置き換えられる。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 14900:2001,Plastics−Polyols for use

in the production of polyurethane

−Determination of hydroxyl number を基礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS K 1557

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

K

1557-1

  第 1 部:水酸基価の求め方

JIS

K

1557-2

  第 2 部:水分量の求め方

JIS

K

1557-3

  第 3 部:不飽和度の求め方

JIS

K

1557-4

  第 4 部:塩基性度の求め方

JIS

K

1557-5

  第 5 部:色数,粘度,酸価及び pH の求め方


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  原理

2

4.1

  

2

4.2

  

2

5.

  妨害事項

2

6.

  試薬

3

6.1

  アセチル化試薬(法用)

3

6.2

  フタル化試薬(法用)

3

6.3

  イミダゾール

3

6.4

  0.1 mol/L 塩酸標準溶液

3

6.5

  10 g/L フェノールフタレイン指示薬

3

6.6

  フタル酸水素カリウム

3

6.7

  試薬級で水分含量 0.1 質量分率%未満のピリジン

3

6.8

  水分含量 0.30.45 質量分率%のピリジン

3

6.9

  0.5 mol/L 水酸化ナトリウム標準溶液

3

7.

  装置

4

7.1

  電位差滴定装置又は pH メータ

4

7.2

  シリンジ

4

7.3

  マグネチックスターラ

4

7.4

  はかり

4

7.5

  全量ピペット

4

7.6

  メスピペット

4

7.7

  メスシリンダ

4

7.8

  ビーカ

4

7.9

  ビュレット

4

7.10

  三角フラスコ

4

7.11

  冷却器

4

7.12

  オイルバス

4

8.

  法−アセチル化法

4

8.1

  操作

4

8.2

  計算式

6

8.3

  精度及びかたより

7


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)

ページ

8.4

  試験報告

7

9.

  法−フタル化法

7

9.1

  操作

7

9.2

  計算式

8

9.3

  精度及びかたより

9

9.4

  試験報告

10


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)

白      紙


JIS C 0068

:1995

日本工業規格

JIS

 K

1557-1

:2007

(ISO 14900

:2001

)

プラスチック−

ポリウレタン原料ポリオール試験方法−

第 1 部:水酸基価の求め方

Plastics

−Polyols for use in the production of polyurethane−

Part 1: Determination of hydroxyl number

序文  この規格は,2001 年に第 1 版として発行された ISO 14900,Plastics−Polyols for use in the production

of polyurethane

−Determination of hydroxyl number を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

警告  この規格の使用者は,一般的な実験操作に精通しているのが望ましい。この規格は,これを利用す

ることによって生じる安全に関するすべての問題の処置を意図しているものではない。適切な安全及び健

康に関する基準の策定,及び国のすべての規制への適合の確保は,この規格の使用者の責務である。

1.

適用範囲  この規格は,ポリウレタンの原料として用いるポリオールの水酸基価を求める二つの試験

方法について規定する。ポリオール中の水酸基量を把握することは,ポリウレタンの適切な生産のために

必要である。

A

法は,エステル化されやすい種々のポリエーテルポリオールに適用できる。また,A 法は,ある程度

の立体障害のあるポリオール,例えば,しょ糖ベースのポリオールにも適用することが望ましい。

B

法は,ポリエーテルポリオール,ポリマーポリオール及びアミンを開始剤としたポリオールに適用す

ることが望ましい。しかし,立体障害をもったポリオールでは,分析値が低く出る場合があるので注意が

必要である。

これらの方法で上記以外のポリオールを試験する場合は,適用の可否を事前に確認する必要がある。

この試験方法は,研究,品質管理及び製品の検定の目的に用いることができる。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 14900:2001

,Plastics−Polyols for use in the production of polyurethane−Determination of

hydroxyl number (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0113

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

備考  ISO 760:1978,Determination of water−Karl Fischer method(General method)からの引用事項

は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

備考  ISO 6353-1:1982,Reagents for chemical analysis−Part 1: General test methods からの引用事項

は,この規格の該当事項と同等である。

JIS R 3505

  ガラス製体積計

備考  ISO 385-1:1984,Laboratory glassware−Burettes−Part 1: General requirements,ISO 648:1977,

Laboratory glassware

−One-mark pipettes,ISO 835-1:1981,Laboratory glassware−Graduated

pipettes

−Part 1: General requirements,ISO 4788:1980,Laboratory glassware−Graduated measuring

cylinders

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

ISO 3696:1987

,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

ISO 6353-2:1983

,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series

ISO 6353-3:1987

,Reagents for chemical analysis−Part 3: Specifications−Second series

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

ポリウレタン(polyurethane)  有機ジイソシアネート又はポリイソシアネートとジヒドロキシル化

合物又はポリヒドロキシル化合物との反応によって生成するポリマー。

3.2

水酸基価(hydroxyl number)  試料 1 g 中の水酸基と当量の水酸化カリウムのミリグラム(mg)数。

4.

原理

4.1

A

法  試料を無水酢酸を含むピリジン溶液とし,ピリジン還流下で,水酸基をアセチル化する。イ

ミダゾールを触媒にして,この反応を促進させる。過剰のアセチル化試薬は水によって加水分解し,生成

した酢酸を水酸化ナトリウムの標準液で滴定する。水酸基価は,空試験と試料試験との滴定量の差から計

算する。

備考  無水酢酸及びピリジン溶液は,有害で引火性がある。また,無水酢酸は腐食性がある。これら

の試薬を取り扱うときには,注意が必要である。

4.2

B

法  試料を無水フタル酸を含むピリジン溶液とし,ピリジン還流下で,水酸基をフタル化する。

イミダゾールを触媒にして,この反応を促進させる。過剰のフタル化試薬は水によって加水分解し,生成

したフタル酸を水酸化ナトリウムの標準液で滴定する。水酸基価は,空試験と試料試験との滴定量の差か

ら計算する。

5.

妨害事項

5.1

試料が過剰の水分を含んでいる場合,正常なアセチル化反応,又はフタル化反応が妨げられる。試

料が 0.2

%を超えた水分を含んでいる場合は,試料を酸度,塩基性度に影響を与えない試薬で乾燥させな

ければならない。


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)  目次

5.2

1

級アミン,2 級アミン及び長鎖の脂肪酸は,試薬と反応して結果に影響を及ぼす安定な化合物を生

成する。

6.

試薬  すべての分析において,化学分析用純度の試薬を用いる。特に指示がなければ,試薬は JIS K 

8001

附属書 2ISO 6353-2:1983,ISO 6353-3:1987 の規定に従う。測定値が信頼できるように,十分に純

度の高いものであれば,ほかの品質の試薬を用いてもよい。

特に指示がなければ,水は ISO 3696:1987 の等級 2 を用いる。

6.1

アセチル化試薬(法用)  無水酢酸 127 mL を乾燥ピリジン(6.7)1 000 mL に加え,更にイミダ

ゾール(6.3)16 g を加え,注意深く振り混ぜて溶かしたもの。

なお,この試薬は測定日ごとに調製し,褐色瓶に保存する。また,淡黄色によって着色した試薬は用い

ない。

備考  ピリジンとアセチル化試薬との混合物を温めたとき,黒い樹脂状物ができるとの報告がある。

これを避けるには,ピリジン(6.8)に水分 0.4 質量分率(%)相当を添加してアセチル化試薬

を調製すればよい。しかし,この場合,反応を完結させるのに十分な試薬の量となるか注意す

る必要がある(8.1.2 参照)

警告  無水酢酸及びピリジンは,目,皮膚及び呼吸器系を刺激する。これらの試薬を取り扱うときに

は,換気をよくして身体との接触を避ける。

6.2

フタル化試薬(法用)  無水フタル酸 116 g を 1 000 mL の褐色の瓶にはかる。ピリジン(6.7)700

mL

を加え,無水フタル酸が溶けるまで激しく混合する。次にイミダゾール 16 g を加えて注意深く振り混

ぜて溶解する。試薬は使用前に一晩静置する。長時間の空気中の湿気との接触は避ける。試薬が着色した

ら使用しない。B 法に規定する空試験では,この試薬 25 mL は,濃度 0.500 mol/L の水酸化ナトリウム水溶

液を 95∼100 mL 消費する量でなければならない。

6.3

イミダゾール  試薬級又は同等品。

6.4

0.1 mol/L

塩酸標準溶液  フタル酸水素カリウム(6.6)を標準物質に用いて有効数字 4 けたの濃度ま

で調製し,標定する。標定を行った温度を記録する。この溶液濃度は,6.9 に規定するように測定温度で補

正する。

なお,この溶液は,試料に強塩基成分が存在し,それを補正する場合にだけ使用する。

6.5

10 g/L

フェノールフタレイン指示薬  フェノールフタレイン 1 g をピリジン(6.7)100 mL に溶かし

たもの。

6.6

フタル酸水素カリウム  認証された容量分析用標準物質を用いる。

6.7

試薬級で水分含量 0.1 質量分率%未満のピリジン  精製が必要な場合,無水フタル酸存在下で蒸留

し,沸点 114∼115

℃から下の留分は捨てる。

6.8

水分含量 0.30.45  質量分率%のピリジン  特別な場合に用いる。6.1 を参照。ピリジンの水分含有

量の標定は,JIS K 0113 に従って実施する。水を加える場合,1 L のピリジンに対して加える水の量は,

次の式によって算出する。

=4.0−9A

ここに,

W: 加える水分(mL)

A: 水を加える前のピリジンの水分含有量[質量分率(%)]


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)

6.9

0.5 mol/L

水酸化ナトリウム標準溶液  適切な方法に従って有効数字 4 けたの濃度まで調製し,標定

する。標定時の溶液の温度を記録する。この溶液の温度による熱膨張係数は,0.000 14 とする。水酸基価の

計算のために,溶液濃度を,温度に対して次の式によって補正する。

C

θ

2

C

θ

1

Fθ

1

θ

2

ここに,

C

θ

1

: 標定時の溶液の濃度(mol/L)

C

θ

2

: 試料分析時の溶液の濃度(mol/L)

θ

1

: 標定時の溶液の温度(℃)

θ

2

: 試料分析時の溶液の温度(℃)

F: 溶液の熱膨張係数

7.

装置

7.1

電位差滴定装置又は pH メータ  0.1 mV 又はこれ以上の測定精度があり,対電極又はガラス−カロ

メル複合電極を組み合わせたもの及び 100 mL 容量のピストンビュレット又は複数回の滴定液補充が可能

な自動ビュレットを備えた装置。

7.2

シリンジ  2 mL,5 mL,及び 10 mL で,粘ちゅうなポリオールを扱うのに適したオリフィスをもつ

もの。

7.3

マグネチックスターラ

7.4

はかり  0.1 mg までひょう量できるもの。

7.5

全量ピペット  JIS R 3505 に規定する 20 mL のもの。

7.6

メスピペット  JIS R 3505 に規定する 1 mL のもの。

7.7

メスシリンダ  JIS R 3505 に規定する 100 mL のもの。

7.8

ビーカ  250 mL 及び 500 mL のもの。

7.9

ビュレット(指示薬滴定用)  JIS R 3505 に規定する 100 mL のもので 50 mL から 0.1 mL ごとに目

盛を付したもの。もし 100 mL ビュレットを使用できないときは,あらかじめ 50 mL の滴定溶液を全量ピ

ペットで試料に加え,その後 50 mL のビュレットで滴定する。

7.10

三角フラスコ  300 mL の共通すり合わせ三角フラスコ。

7.11

冷却器  滴下先端が先細りした 24/40 共せん付きフラスコで,400 mm 長さのウエストタイプ(還流

冷却器の一種)

。冷却が共せん部付近までできるもの。

7.12

オイルバス  115

℃±2

℃に維持できるもの。

8.

A

法−アセチル化法

8.1

操作

8.1.1

試料が検知できる量の水分を含まない場合は,試料の量は,次のいずれかの式によって決める。

N

.

m

98

0

561

×

又は

n

M

m

r

8

009

.

0

×

ここに,

m: 試料の量(g)

N: 予想される水酸基価(mgKOH/g)

M

r

: 水酸基を含む化合物の分子量


K 1557-1

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n: 分子中の水酸基数

備考  それぞれの場合の計算は,最大 9.8 ミリグラム当量の水酸基が存在するとした仮定に基づいて

いる。

試料の量の計算値は,この試験法で許される最大値に近いので,可能な限り計算値に近い量をとる必要

がある。

試料が検知できる量の水分を含む場合は,試料の量は,その影響を考慮する必要がある。この場合,試

料の量は,次のいずれかの式によって決める。

]

/

)

01

.

17

(

01

.

0

[

4

009

0

98

0

1

170

0

r

M

n

S

R

.

.

.

m

×

×

+

×

又は

)

2

31

(

550

R

.

N

m

×

ここに,

m: 試料の量(g)

N: 予想される水酸基価(mgKOH/g)

R: 試料中の水分量(質量分率  %)

S: 試料の純度(質量分率

%)

M

r

: 水酸基を含む化合物の分子量

n: 分子中の水酸基数

かなりの水分を含んでいるときは,試料の量を減らす必要があるため精度は下がる。

8.1.2

適正な量を計算して,洗浄し,乾燥した三角フラスコ(

7.10

)に試料をはかりとる。

8.1.3

試料及び空試験に用いる三角フラスコ(

7.10

)に,アセチル化試薬(

6.1

)25.0 mL を,一定の滴下

速度で,ピペットを用いて,それぞれに入れる。必要ならば,試料の三角フラスコを振り,試料を溶かす。

それぞれの三角フラスコに冷却器(

7.11

)を付ける(もし周囲の湿度が高いときには,2 メッシュの指示

形塩化カルシウムを入れた乾燥トラップを冷却器につなぐ。

。接合部を 1,2 滴のピリジンで密閉し,ホッ

トプレートの上に置き,冷却器の下部付近で蒸気が凝縮する程度にホットプレートを調整して,30 分間還

流する。ポリオールの種類によっては,更に長時間の還流が必要な場合もある。安定した水酸基価が得ら

れるように還流時間の長さが十分かどうか検証しておく。

8.1.4

還流が終わったら三角フラスコを冷やし,冷却器を 25 mL の水で洗い流す。冷却器を取り外し三

角フラスコの接合部を水ですすぎ,すすぎ液を同じ三角フラスコに入れる。

8.1.5

次に示す二つの方法のうち,いずれかの方法で溶液を滴定する。

8.1.5.1

電位差滴定

  250 mL のビーカに溶液の全量を移し,用いた三角フラスコを少量の水ですすぎ,す

すぎ液を同じビーカに入れる。ビーカを自動滴定装置(

7.1

)に置き,かくはん子を入れ,マグネチックス

ターラ(

7.3

)でかくはん混合する。

滴定装置の電極を溶液に浸し,0.5 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(

6.9

)で当量点まで滴定する。測定試料

に必要な 0.5 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の量が空試験に必要な量の 80

%未満の場合は,試料の量が多過

ぎる。その場合は,試料の量を少なくして試験をする。

0.5 mol/L

水酸化ナトリウム溶液の温度を記録する。

8.1.5.2

指示薬滴定

  測定試料溶液にフェノールフタレイン指示薬溶液(

6.5

)0.5 mL を加え,かくはん子

を入れ,マグネチックスターラ(

7.3

)でかくはん混合する。

強くかくはんしながら,0.5 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定し,うすいピンク色が 15 秒間持続した


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)

点を終点とする。

0.02 mL

の単位まで滴下量を読みとる。測定試料に必要な 0.5 mol/L 水酸化ナトリウム溶液量が空試験に

必要な量の 80

%未満の場合は,試料の量が多過ぎる。その場合は,試料の量を少なくして試験する。

0.5 mol/L

水酸化ナトリウム溶液の温度を記録する。

8.1.6

試料が,かなりの酸又はアルカリを含んでいる場合は,次のように,結果を補正する。

8.1.6.1

水酸基価を測定するのに使用した同量の試料を,300 mL の三角フラスコに入れる。

そのフラスコに,ピリジン(

6.7

)75 mL,水 75 mL,及びフェノールフタレイン指示薬溶液 0.5 mL を加

える。

8.1.6.2

酸価の補正

8.1.6.1

の溶液が無色の場合は,電位差滴定又は指示薬滴定を用いて終点の検出まで

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム標準溶液を用いて滴定する。

8.1.6.1

で示した試薬を用いて空試験も同様に行う。

酸価の補正は試料 1 g 中の水酸化カリウムのミリグラム(mg)数で表し,次の式によって算出する。

m

c

V

V

a

1

.

56

)

(

2

1

×

ここに,

a: 酸価の補正値(mgKOH/g)

V

1

: 測定試料の滴定に必要な NaOH 溶液の量(mL)

V

2

: 空試験の滴定に必要な NaOH 溶液の量(mL)

c: NaOH 溶液の濃度(mol/L)

m: 測定試料の質量(g)

8.1.6.3

アルカリ価の補正

8.1.6.1

で溶液がピンクの場合は,0.1 mol/

L

塩酸を用いて当量点まで電位差滴

定にて滴定する(又は,指示薬滴定を用いる場合は,ピンク色が消えるまで滴定する。

。次に,0.1 mol/L

塩酸を余分に 1.0 mL 加え,標準の 0.1 mol/L 水酸化ナトリウムによって当量点まで逆滴定する(又は,指

示薬滴定の場合,少なくとも 15 秒間ピンク色のまま持続した点を終点とする。

。同様に,標準の 0.1 mol/L

水酸化ナトリウムを用いて,0.1 mol/L 塩酸を試料の測定の場合と正確に同量加えた空試験を行う。

アルカリ価の補正は,試料 1 g 中の水酸化カリウムのミリグラム(mg)数で表し,次の式によって算出

する。

m

c

V

V

b

1

.

56

)

(

1

2

×

ここに,

b:  アルカリの補正値(mgKOH/g)

その他の記号は,

8.1.6.2

による。

8.2

計算式

8.2.1

水酸基価は,試料 1 g 中の水酸基と当量の水酸化カリウムのミリグラム(mg)数で表し,次の式に

よって算出する。

m

c

V

V

O

1

.

56

)

(

3

4

1

×

ここに,

O

1

: 水酸基価(mgKOH/g)

V

3

8.1.5.1

又は

8.1.5.2

による測定試料の滴定に必要な NaOH

溶液の量(mL)

V

4

8.1.5.1

又は

8.1.5.2

による空試験の滴定に必要な NaOH 溶

液の量(mL)

c: NaOH 溶液の濃度(mol/L)

m: 試料の質量(g)


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)  目次

8.2.2

試料が遊離の酸又はアルカリを含んでいる場合は,

8.1.6

によって測定し,次のように結果を補正

する。

O

1

a

又は

O

1

b

ここに,

O: 補正した水酸基価(mgKOH/g)

O

1

: 水酸基価(mgKOH/g)

a: 酸の補正値(mgKOH/g)

b: アルカリの補正値(mgKOH/g)

8.3

精度及びかたより

8.3.1

精度のデータは,米国のポリウレタン原料分析委員会(PURMAC)と関連する試験室とで行った

ラウンド・ロビンテストによって得たものである。精度の計算は,

ASTM E 180

によった。このラウンド・

ロビンテストのデータは,

ASTM

委員会 D-20,又は米国プラスチック協会のポリウレタン原料分析委員会

から入手できる。

8.3.2

及び

8.3.3

の基準は,結果の妥当性を判断するために用いる。

8.3.2

繰返し精度

同一人

)  同一又は類似化合物において,同一人,同一日及び同一装置で測定した二

つの結果の差が,

表 1

に示す の値を超えた場合は,疑わしいと判断することが望ましい。

8.3.3

再現精度

複数試験室

)  同一又は類似化合物において,異なる試験室で測定したそれぞれの平均

値の差が,

表 1

に示す の値を超えた場合は,疑わしいと判断することが望ましい。

  1  アセチル化法における水酸基価データの精度

単位  mgKOH/g

試料

水酸基価の

平均値

S

r

 

S

R

 r  R 

PTME

グリコール 111

0.7

2.8

2.0

7.8

グリセリンベース 
ポリオール PO/EO 付加

33.4 0.3  0.7  0.8

2.0

グリセリンベース 
ポリオール PO/EO 付加

54.5 0.6  2.8  1.7

7.8

しょ糖/グリセリンベース

プロポキシポリオール

492.6 1.5  3.9  4.2 10.9

備考  S

r

:同一試験室内の繰返し測定の標準偏差

S

R

:異なる試験室間の 2 回の測定結果の平均値の標準偏差

r:同一試験室内の繰返し許容差(2.8×S

r

R:異なる試験室間の再現許容差(2.8×S

R

8.3.4

かたより

  この測定法でのかたよりは,確定していない。

8.4

試験報告

  報告書には,次の事項を含まなければならない。

a

)

この規格番号

b

) 0.1

のけたまで補正した水酸基価の値

c

)

試料を特定するための必要事項(製造業者名,製品の種類,ロット番号又は製造番号,製造年月日な

ど)

d

)

使用した滴定方法(電位差自動滴定法又は指示薬滴定法)

e

)

この規格に規定していないが,結果に影響があるかもしれない補足事項又は詳細


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)

f

)

試験年月日

9.

B

フタル化法

9.1

操作

9.1.1

次の方法によって算出した量の試料を,シリンジ(

7.2

)又は適切な器具を用いて,三角フラスコ

7.10

)にはかりとる。

N

m

561

ここに,

m:  試料の量(g)

N:  予想される水酸基価(mgKOH/g)

フラスコの首の内側には,いかなる物質も付着させてはならない。

試料の量は,ミリグラム(mg)単位まで記録する。

試料の量の計算値は,この試験法で許される最大値に近いので,できるだけ計算値に近い量をとる必要

がある。

9.1.2

試料及び空試験の三角フラスコに,フタル化試薬(

6.2

)25 mL を全量ピペットを用いて,それぞ

れに正確に入れる。

試料の入った三角フラスコを振り,試料を溶かす。それぞれの三角フラスコに冷却器(

7.11

)を付け,

115

℃±2

℃に保ったオイルバス(

7.12

)に 30 分間浸ける。

備考

あらかじめ試験する特定の化合物について定量的な反応が得られることが分かっていれば,オ

イルバスを 100

℃±2

℃にしてもよい。

9.1.3

加熱終了後,オイルバスから器具を取り外し,室温まで冷やす。冷却器をピリジン 30 mL で洗い

流し,冷却器を取り外す。三角フラスコをピリジン 20 mL ですすぎ,試料溶液全量を 250 mL のビーカに

移す。

9.1.4

次に示す,二つのうちいずれかの方法で溶液を滴定する。

9.1.4.1

電位差滴定

  自動滴定装置(

7.1

)に置き,かくはん子を入れマグネチックスターラ(

7.3

)でか

くはん混合する。

滴定装置の電極を溶液に浸し,当量点まで 0.5 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(

6.9

)で滴定する。測定試料

に必要な 0.5 mol/L 水酸化ナトリウム溶液量が空試験に必要な量の 80

%未満の場合は,試料の量が多過ぎ

る。この場合は試料の量を少なくして試験する。

0.5 mol/L

水酸化ナトリウム溶液の温度を記録する。

9.1.4.2

指示薬滴定

  測定試料溶液に,フェノールフタレイン指示薬溶液(

6.5

)0.5 mL を加え,かくはん

子を入れてマグネックスターラでかくはんする。

かくはんしながら,0.5 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定し,うすいピンク色が着き 15 秒間持続した

点を終点とする。

0.02 mL

の単位まで滴下量を読みとる。測定試料に必要な 0.5 mol/L 水酸化ナトリウム溶液量が空試験に

必要な量の 80

%未満の場合は試料の量が多過ぎる。この場合は試料の量を少なくして試験する。

0.5 mol/L

水酸化ナトリウム溶液の温度を記録する。

9.1.5

試料が,かなりの酸又はアルカリを含んでいる場合は,

8.1.6

の規定に従って,結果を補正する。

9.2

計算式


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)  目次

9.2.1

水酸基価は,試料 1 g 中の水酸基と当量の水酸化カリウムの mg 数で表し,次の式によって計算す

る。

m

c

V

V

O

1

.

56

)

(

3

4

1

×

ここに,

O

1

: 水酸基価(mgKOH/g)

V

3

9.1.4.1

又は

9.1.4.2

による測定試料の滴定に必要な NaOH

溶液の量(mL)

V

4

9.1.4.1

又は

9.1.4.2

による空試験の滴定に必要な NaOH 溶

液の量(mL)

c: NaOH 溶液の濃度(mol/L)

m: 試料の質量(g)

9.2.2

試料が遊離の酸又はアルカリを含んでいるときは,

8.1.6

によって測定し,次のように結果を補正

する。

O

1

a

又は

O

1

b

ここに,

O: 補正した水酸基価(mgKOH/g)

O

1

: 水酸基価(mgKOH/g)

a: 酸の補正価(mgKOH/g)

b: アルカリの補正値(mgKOH/g)

9.3

精度及びかたより

9.3.1

精度のデータは,米国のポリウレタン原料分析委員会(PURMAC)と関連する試験室で行ったラ

ウンド・ロビンテストによって得たものである。精度の計算は,

ASTM E 180

によった。ラウンド・ロビ

ンのデータは,

ASTM

委員会 D-20,又は米国プラスチック協会のポリウレタン原料分析委員会から入手で

きる。

9.3.2

及び

9.3.3

の基準は,結果の妥当性を判断するために用いる。

9.3.2

繰返し精度

同一人分析

)  同一又は類似化合物において,同一人,同一日及び同一装置で測定し

た二つの結果の差が,

表 2

に示す の値を超えた場合は,疑わしいと判断することが望ましい。

9.3.3

再現精度

複数試験室

)  同一又は類似化合物において,異なる試験室で測定したそれぞれの平均

値の差が,

表 2

に示す の値を超えた場合は,疑わしいと判断することが望ましい。

  2  フタル化法における水酸基価データの精度

単位  mgKOH/g

試料

水酸基価の

平均値

S

r

 

S

R

 r  R 

PTME

グリコール 112

0.4

1.7

1.1

4.8

グリセリンベース

ポリオール PO/EO 付加

34.0 0.1  0.5 0.3

1.4

グリセリンベース 
ポリオール PO/EO 付加

56.1 0.3  1.7 0.8

4.8

しょ糖/グリセリンベース 
プロポキシポリオール

492 1.4

3.9

3.9

10.9


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)

単位  mgKOH/g

備考  S

r

:同一試験室内の繰返し測定の標準偏差

S

R

:異なる試験室間の 2 回の測定結果の平均値の標準偏差

r:同一試験室内の繰返し許容差(2.8×S

r

R:異なる試験室間の再現許容差(2.8×S

R

9.3.4

かたより

  この測定法でのかたよりは,確定されていない。

9.4

試験報告

  試験報告書には,次の事項を含まなければならない。

a

)

この規格番号

b

) 0.1

のけたまで補正した水酸基価の値

c

)

試料を特定するための必要事項(製造業者名,製品の種類,ロット番号又は製造番号,製造年目日な

ど)

d

)

使用した滴定方法(電位差自動滴定法又は指示薬滴定法)

e

)

この規格に規定していないが,結果に影響があるかもしれない補足事項又は詳細

f

)

試験年月日

関連規格

[1]

ISO 2554

,Plastics−Unsaturated polyester resins−Determination of hydroxyl value

[2]

ISO 4326

,Non-ionic surface active agents−Polyethoxylated derivatives−Determination of hydroxyl value

−Acetic anhydride method

[3]

ISO 4327

,Non-ionic surface active agents−Polyalkoxylated derivatives−Determination of hydroxyl value

−Phthalic anhydride method

[4]

ISO 4629

,Binders for paints and varnishes−Determination of hydroxyl value−Titrimetric method


K 1557-1

:2007 (ISO 14900:2001)  目次

[5]

ISO 6796

,Polyglycols for industrial use−Determination of hydroxyl number−Phthalic anhydride esterification

method

[6]

ASTM D 4274

,Standard Test Methods for Testing Polyurethane Raw Materials−Determination of Hydroxyl

Numbers of Polyols

[7]

ASTM E 180

,Standard Practice for Determining the Precision of ASTM Methods for Analysis and Testing of

lndustrial snd Specialty Chemicals