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K 1468-4 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定では,日本工業規格を国際規格に整合させるために,ISO 6676 : 1993 を基礎として用いた。

JIS K 1468-4

には,次に示す附属書がある。

附属書(規定)  蛍光 X 線分析方法


日本工業規格

JIS

 K

1468-4

: 1999

ふっ化水素酸用ほたる石分析方法

−第 4 部  全りん含有量の定量

Acid-grade fluorspar

−Method for chemical analysis

−Part 4 : Determination of total phosphorus content

序文  この規格は,1993 年に発行された,ISO 6676, Acid-grade and ceramic-grade fluorspar−Determination of

total phosphorus content

−Reduced-molybdophosphate spectrometric method を基礎として作成した日本工業規

格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,ふっ化水素酸用ほたる石の全りん含有量の試験方法としてモリブデン青吸光

光度法及び蛍光 X 線分析方法によって定量する方法について規定する。

なお,蛍光 X 線分析方法については,

附属書(規定)に規定する。

この方法は,PO

4

3-

として 0.01%∼1.0%の全りんを含有する製品に適用する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 6676 : 1993

  Acid-grade and ceramic-grade fluorspar−Determination of total phosphorus content

−Reduced-molybdophosphate spectrometric method

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけが規格の規

定を構成するものであって,その後の改正・追補は適用しない。発効年(又は発行年)を付記していない

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 8136

  塩化すず (II) 二水和物(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8361

  酢酸エチル(試薬)

JIS K 8377

  酢酸ブチル(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8562

  硝酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8588

  アミド硫酸アンモニウム(試薬)

JIS K 8625

  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8863

  ほう酸(試薬)

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS K 8905

  七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(試薬)


2

K 1468-4 : 1999

JIS K 9007

  りん酸二水素カリウム(試薬)

JIS M 8100

  粉塊混合物−サンプリング方法通則

備考  ISO 8868 : 1989  Fluorspar−Sampling and sample preparation が,この規格と同等である。

JIS Z 8801

  試験用ふるい

備考  ISO 565 : 1990  Test sieves−Metal wire cloth, perforated metal plate and electroformed sheet−

Nominal sizes of openings

が,この規格と一致している。

3.

原理  分析試料を炭酸ナトリウム,ほう酸及び硝酸ナトリウムとの混合物で融解し,融解物を硝酸で

酸性にする。りんモリブデン酸錯体を生成させ,酢酸エチルと酢酸ブチルとの混合溶媒を用いて抽出した

後,有機相に塩化すず (II) を加えることによって錯体をモリブデン青へ選択的に還元する。発色した錯体

の吸光度を,その最大吸収波長(約 710 nm)において測定する。

4.

試薬  分析に当たっては,日本工業規格に規定する試薬又は同等の純度をもつ試薬及び蒸留水又は同

等の純度をもつ水だけを使用する。

4.1

炭酸ナトリウム−ほう酸混合物  JIS K 8265 に規定する炭酸ナトリウム 100 g 及び JIS K 8863 に規

定するほう酸 50 g を混合したもの。

4.2

硝酸ナトリウム  JIS K 8562 に規定するもの。

4.3

硝酸  60 % JIS K 8541 に規定するもの。

4.4

メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

4.5

酢酸エチル−酢酸ブチル混合溶媒  JIS K 8361 に規定する酢酸エチル 7 容と JIS K 8377 に規定する

酢酸ブチル 3 容とを混合したもの。

4.6

七モリブデン酸六アンモニウム溶液  30 g/l  JIS K 8905 に規定する七モリブデン酸六アンモニウム

四水和物 30 g と JIS K 8588 に規定するアミド硫酸アンモニウム 10 g を約 500 ml の水に溶解し,水で薄め

て 1 000 ml とし,混合する。

4.7

塩化すず(II)溶液  20 g/l  JIS K 8136 に規定する塩化すず(II)二水和物 20g を全量フラスコ 1 000 ml

にはかりとり,JIS K 8180 に規定する塩酸 200 ml を加える。内容物が完全に溶解するまでかき混ぜ,水で

標線まで薄め,混合する。

4.8

りん標準液  PO

4

3-

として 0.100 g/l  JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウムの少量を乾燥器

(5.1)

中で 105  ℃±2  ℃で 2 時間乾燥し,デシケーター中で放冷し,その 0.143 3 g を 0.1 mg まではかりと

って水に溶解し,その溶液を全量フラスコ 1 000 ml に移し,水で標線まで薄め,混合する。

この標準液 1 ml は,100

µg の PO

4

3-

を含む。

4.9

りん標準液  PO

4

3-

として 0.010 g/l  りん標準液(4.8)100 ml を全量フラスコ 1 000 ml にとり,水で標

線まで薄め,混合する。

この標準液 1 ml は,10

µg の PO

4

3-

を含む。

5.

装置及び器具  装置及び器具については,次に規定するものを使用しなければならない。

なお,ここに規定していない試験器具については,通常の試験器具を用いることとする。

5.1

乾燥器  105  ℃±2  ℃の温度に保持できるもの。

5.2

白金皿  直径 45 mm,深さ 25 mm のもの。

5.3

分液漏斗  60 ml に相当する箇所に標線を入れた容量 100 ml のもの。


3

K 1468-4 : 1999

5.4

分光光度計又は光電光度計  光路長 10 mm のセルが装着できる分光光度計又は最大透過波長約 710

nm

のフィルターを装着した光電光度計。

5.5

吸収セル  光路長 10 mm のもの。

6.

試験試料  試験試料は,JIS M 8100 の 5.に準じた,受渡当事者間で規定した方法によって採取,調製

する。

7.

操作

7.1

分析試料及び試験溶液の調製  数 g の試験試料を,JIS Z 8801 に規定する網ふるいの目開き 63

µm

のふるいを全通するまで,めのう乳鉢ですりつぶす。ふるいに掛けた試料を 105  ℃±2  ℃に調節した乾燥

器(5.1)の中で 2 時間乾燥後,デシケーター中で放冷する。

乾燥した試料約 0.2 g を 0.1 mg まではかりとり,炭酸ナトリウム−ほう酸混合物(4.1)2g 及び硝酸ナトリ

ウム(4.2)0.2 g を入れた白金皿に移し,望ましくは白金製のスパチュラを用いて,よく混合する。

ほたる石の PO

4

3-

に換算した全りん含有量が,0.1 %を超える場合は,試料約 0.1 g を 0.1 mg まではかりと

る。

さらに,炭酸ナトリウム−ほう酸混合物(4.1)2 g で表面を覆い,ガス炎を用いて,最初は緩やかに,次い

で暗赤熱状態で 3 分間加熱する。この溶融操作を電気炉で行う場合は,900  ℃で 10 分間加熱する。内容物

が融解した後,一度白金皿の内容物を数秒間振り動かす。

白金皿を放冷し,りんを含まない物質,例えば,シリカ又は四ふっ化エチレン樹脂製のビーカー250 ml

の中に入れ,水 20 ml 及び硝酸(4.3)8.8 ml を加えて,白金皿の中の内容物が完全に溶けるまで緩やかに加

熱する。放冷し,次いで分液漏斗(5.3)100 ml に移し,ビーカー内を約 10 ml の水で洗浄する。

7.2

空試験  試料を用いないで,全操作(7.4)を定量と並行して行い,空試験とする。

7.3

検量線の作成

7.3.1

検量線用溶液の調製  8 個の分液漏斗(5.3)100 ml に,表 に示す量のりん標準液(4.9)をそれぞれ入

れる。

表 1  検量線用溶液

りん標準液量(4.9)

ml

相当する PO

4

3-

の質量

µg

0(

1

) 0

2.0 20

5.0 50

8.0 80

11.0 110

14.0 140

17.0 170

20.0 200

(

1

)

ゼロ点の検量線用溶液(検量線用試薬を用いた空試験液)

7.3.2

発色  7.3.1 で調製した各検量線用溶液について,次の処理を行う。

水約 20 ml,硝酸(4.3)5 ml 及び七モリブデン酸六アンモニウム溶液(4.6)10 ml を加える。水で 60 ml の標

線まで薄め,混合する。混合溶媒(4.5)10 ml を加え,約 60 秒間振り混ぜる。二層に分離させ,下層を捨て

る。分液漏斗の脚部の内側に残っている水を,ろ紙片で除去する。混合溶媒層を全量フラスコ 50 ml に移

す。塩化すず (II) 溶液(4.7)20 ml を加え,メタノール(4.4)を標線まで加える。20 秒間振り混ぜて,モリブ


4

K 1468-4 : 1999

デン青を発色させる。

7.3.3

吸光度測定  発色(7.3.2)後,10 分間以内に 7.3.2 で得た各有機相の吸光度を,混合溶媒(4.5)に対し

て吸光度をゼロに調節し,約 710 nm の波長に設定した分光光度計(5.4)又は適切なフィルターを備えた光電

光度計(5.4)を用いて測定する。

7.3.4

検量線の作成  各検量線用溶液の吸光度からゼロ補正溶液(表 参照)の吸光度を差し引いて,正

味の吸光度を算出する。検量線は,例えば,横軸に 60 ml の検量線用溶液中に含まれる PO

4

3-

µg で表し

た質量を,対応する正味の吸光度を縦軸にとって作図する。

7.4

定量

7.4.1

発色  20  ℃∼30  ℃の間の温度で,りんモリブデン酸錯体の生成及びその抽出を次の手順で行う。

分液漏斗内の試験溶液(7.1)に七モリブデン酸六アンモニウム溶液(4.6)10 ml を加え,水で 60 ml の標線ま

で薄め,振り動かして,混合する。混合溶媒(4.5)10 ml を加え,7.3.2 の抽出操作を行う。

ほたる石の PO

4

3-

で表した全りん含有量が 0.1 %を超えている場合は,次の操作を行う。

分液漏斗(5.3)の代わりに全量フラスコ 100 ml に試験溶液を移し,水で標線まで薄め,混合する。この溶

液の 20 ml を採取して分液漏斗(5.3)へ入れる。硝酸(4.3)4ml 及び七モリブデン酸六アンモニウム溶液(4.6)10

ml

を加え,水で 60 ml の標線まで薄め,7.3.2 に示した抽出操作を行う。

7.4.2

吸光度測定  初めに混合溶媒(4.5)を用いて吸光度をゼロに調節した装置を用い,試験溶液(7.4.1

参照)及び空試験溶液(7.2 参照)から得られた有機相の吸光度を 7.3.3 に記す操作に従って測定する。

8.

結果の表示  試験溶液及び空試験溶液の正味の吸光度に相当する PO

4

3-

の質量を,検量線(7.3.4 参照)

によって測定する。

PO

4

3-

の質量百分率として表した全りん含有量は,次の式によって算出する。

(

)

4

0

2

1

0

6

2

1

10

100

10

×

×

=

×

=

D

D

r

m

m

m

m

m

m

r

C

ここに,

C

全りん含有量

 (PO

4

3-

%)

m

0

分析試料

(

7.1

)

の質量

 (g)

m

1

発色のために採取した試験溶液

(

7.1

)

中の

PO

4

3-

の質量

  (

µg)

m

2

発色のために採取した空試験溶液

(

7.2

)

中の

PO

4

3-

の質量

  (

µg)

r

D

試験溶液と発色に用いた溶液の体積比率

(

7.4.1

)

9.

試験結果の報告  試験結果の報告は,次の事項を記載しなければならない。

a)

試料の識別に必要なすべての情報

b)

用いた分析方法の明示(この規格の引用)

c)

結果及び用いた表示方法

d)

測定時に気づいた特記事項

e)

この規格又は引用した規格に含まれていない操作及び随意とみなされるすべての操作


5

K 1468-4 : 1999

附属書(規定)  蛍光 線分析方法

1.

適用範囲  この附属書は,ふっ化水素酸用ほたる石中の全りん含有量を蛍光

X

線分析方法を用いて定

量する方法について規定する。

この方法は,全りん

 (PO

4

3-

)

として

0.01 %

1.0 %

の製品に適用する。

2.

引用規格

JIS K 0119

  蛍光

X

線分析方法通則

JIS Z 8801

  試験用ふるい

備考

ISO 565

 : 1990

Test sieves

Metal wire cloth, perforated metal plate and electroformed sheet

Nominal sizes of openings

が,この規格と一致している。

3.

要旨  平面に加圧成形した試料に一次

X

線を照射してりんを励起し,発生した蛍光

X

線を分光結晶を

用いた分光器で分光し,検出器に入射させ,その蛍光

X

線強度を測定する。

4.

装置及び器具

4.1

蛍光 線分析装置  蛍光

X

線分析装置は,JIS K 0119 による。使用する装置は,目的とする適用範

囲内のりん含有量において十分な測定感度をもつものを用いる。

4.2

試料形成リング又は試料形成容器  試料形成リングの材質は,アルミニウムなどの金属又はポリ塩

化ビニルなどの合成樹脂とし,試料形成容器は,アルミニウム,鋼などの金属とする。

5.

試料  JIS Z 8801 に規定する目開き

105

µm

の網ふるいを全通するまで粉砕した試料を

105

℃∼

110

℃に調節した乾燥器中で恒量になるまで乾燥する。この試料の適切量をとり,さらに粉砕器で粉砕す

(

1

)

。これを板状に加圧成形して,測定試料を作製し,この試料面を

X

線照射面とする。

(

1

)

一般に,試料の粒径を小さくすれば精度は向上する。測定に際しては,あらかじめ試料の粒径

又は粉砕条件と蛍光

X

線強度との関係を調べ,蛍光

X

線強度の変化が少なくなる粒径又は粉砕

条件を求め,一定の粒径となるよう粉砕することが望ましい。

6.

操作

6.1

分析線  この方法で用いる分析線は,附属書表 による。

附属書表 1  分析線

測定元素

分析線

波長 nm

次数

分光結晶

りん P

K

α 0.615

5

1 Ge

6.2

測定  測定試料を試料ホルダーを用いて装置の試料室に正しく装着し,

X

線照射面積を試料マスク

又は一次

X

線の絞りを用いて調節する。必要ならば,

X

線通路を真空にするかヘリウムで置換する。あら

かじめ装置を適切な測定条件(

2

)

に設定し,一次

X

線を照射し,発生したりんの蛍光

X

線強度を測定する。

測定は,パルス計数方式の装置では定時計測法(又は定数計時法)又は対比法(

3

)

,積分電圧測定方式の装

置ではモニター法又は定時積分法による。


6

K 1468-4 : 1999

(

2

)

装置の形式,測定元素及びその含有量の範囲,所要定量精度などを考慮して,実験的に最も適

切な測定条件を設定する。測定条件には,

附属書表1に示す分析線,分光結晶のほかに

X

線発

生部の設定条件(管電圧,管電流など)

,分光部の設定条件(スリット幅など)

,計数記録部の

設定条件などがある。

(

3

)

自動対比機構をもたない装置で対比法を用いる場合には,分析試料と対照試料の測定は,原則

として連続して行う。

6.3

検量線の作成

6.3.1

検量線  標準試料を測定して得た蛍光

X

線強度又は対照試料との強度比とりん含有量との関係線

を作成して検量線とする。

6.3.2

標準物質

a)

標準物質は,試料と共存物質の量及び組成が同一のもので,りん含有量が定量範囲内に含まれる

3

料以上を用いる。

b)

標準物質は,試料と同一の方法で調製する。

c)

標準物質のりん含有量は,本体に規定する方法で測定された値を用いる。

7.

含有量の計算  6.3 で作成した検量線から,りんの含有量を求める。

関連規格

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 1468-4

(ふっ化水素酸用ほたる石分析方法  第

4

部−全りん含有量の定量)

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

委員会

分科会

(委員長)

川  瀬      晃

セイコーインスツルメンツ株式会社

(委員)

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院標準部

高  橋  和  夫

通商産業省製品評価技術センター検査部

西  出  徹  雄

通商産業省基礎産業局

佐々木  謙  治

社団法人日本海事検定協会

新  井  一  正

日本軽金属株式会社

成  塚  定  司

旭硝子株式会社

後  藤  正二郎

セイミケミカル株式会社

(主査)

百  田  邦  堯

森田化学工業株式会社

中須賀  正  直

森田化学工業株式会社

新  井  博  通

セントラル硝子株式会社

山  本  浩  司

株式会社トーケムプロダクツ

上  山  恵  一

ダイキン工業株式会社

米  沢      勗

ステラケミファ株式会社

(事務局)

中  島  俊  隆

日本無機薬品協会

金  古  博  文

日本無機薬品協会

文責  中須賀  正直