>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

 

K 1463:2007  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲  1 

2 引用規格  1 

3 種類 2 

4 品質 2 

5 試験方法  2 

5.1 一般事項  2 

5.2 試料採取方法  2 

5.3 過酸化水素濃度  2 

5.4 安定度  4 

5.5 蒸発残分  5 

5.6 遊離酸(H2SO4として)  5 

6 表示 6 

 

 


 

K 1463:2007  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本無機薬品協会

(JICIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 1463:1971は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

K 1463:2007 

 

過酸化水素 

Hydrogen peroxide 

 

序文 

この規格は,1962年に制定され,その後1回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1971年に

行われたが,その後の試験方法の見直し及び新しい分析装置に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

 

適用範囲 

この規格は,工業用の過酸化水素について規定する。この規格の過酸化水素は,過酸化水素水溶液のこ

とをいう。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 6202 化学分析用白金皿 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8247 過マンガン酸カリウム(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8896 メチルレッド(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS R 1302 化学分析用磁器蒸発ざら 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

JIS Z 8802 pH測定方法 

 

 


K 1463:2007  

 

種類 

過酸化水素の種類は,次の2種類とする。 

a) 質量分率60 %過酸化水素 

b) 質量分率35 %過酸化水素 

 

品質 

過酸化水素は,箇条5によって試験を行ったとき,表1の規定に適合しなければならない。 

 

表1−品質 

項目 

種類 

質量分率60 %過酸化水素 

質量分率35 %過酸化水素 

過酸化水素濃度 

質量分率% 

60.0〜61.0 

35.0〜36.0 

安定度 

97.0以上 

97.0以上 

蒸発残分 

質量分率% 

0.05以下 

0.05以下 

遊離酸(H2SO4として)質量分率% 

0.05以下 

0.05以下 

 

試験方法 

5.1 

一般事項 

試験に共通する一般事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。分析に用いる水は,JIS K 0557に規定

するA2又はA3の水を用いる。 

警告 過酸化水素は,目,皮膚,粘膜などに対し刺激性をもつため,接触に注意するとともに,取扱

いに当たっては,保護めがねなどの保護具を着用する。 

5.2 

試料採取方法 

試料は,全体を代表するように,受渡当事者間の協定に基づく合理的な方法によって採取する。 

5.3 

過酸化水素濃度 

5.3.1 

一般 

試料に硫酸を加え,過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。 

5.3.2 

試薬 

試薬は,分析用の試薬を用い,次による。 

a) しゅう酸ナトリウム JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質。 

b) 過マンガン酸カリウム JIS K 8247に規定するもの。 

c) 硫酸 (1+4) 水400 mLにJIS K 8951に規定する硫酸を100 mLの割合で,冷却しながら静かに加え

調製する。 

5.3.3 

試験器具 

a) ガラスろ過器 JIS R 3503に規定する17G4又は25G4。 

b) 平形はかり瓶 

c) ガラスビュレット又は電動ビュレット 

5.3.4 

0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の調製 

a) 過マンガン酸カリウム約3.3 gをはかりとり,フラスコ2 Lに移し入れ,水約1 050 mLを加えて溶か

す。調製する量に応じて,過マンガン酸カリウムと水との量を同じ割合で増減する。 


K 1463:2007  

 

b) 1〜2時間穏やかに煮沸した後,18時間以上暗所に放置する。 

c) 放置した上澄み液を,ガラスろ過器を用いてろ過する。ろ過の前後に水洗しない。 

d) ろ過した後,洗浄した褐色瓶に入れてよく混合し,暗所に保存する。 

5.3.5 

0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の標定 

a) しゅう酸ナトリウムを200 ℃で約60分間加熱した後,デシケーターに入れ30分間以上放冷する。 

b) 滴定容器にa)のしゅう酸ナトリウム約0.2 gを0.1 mgのけたまではかりとり,水80 mLを加えて溶か

す。 

c) b)に硫酸 (1+4) 20 mLを加え,静かにかき混ぜながらビュレットを用い,0.02 mol/L過マンガン酸カ

リウム溶液を予想する終点の約2 mL前まで約1分間で加え,紅色が消えるまで放置する。 

d) さらに,55〜60 ℃に加熱し滴定を続ける。終点前の0.5〜1.0 mLは1滴ずつ加え,色が消えてから次

の1滴を加える。微紅色が30秒間消えない点を終点とする。 

e) 別に硫酸 (1+4) 20 mL及び水80 mLを55〜60 ℃に加熱し,空試験を行う。 

f) 

ファクター(f)は,次の式によって算出する。 

100

)

(

700

 

006

.0

b

S

A

V

V

a

f

 

ここに, 

f: 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液のファクター 

 

a: はかりとったしゅう酸ナトリウムの質量 (g) 

 

A: しゅう酸ナトリウムの純度(質量分率%) 

 

0.006 700: 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液1 mLに相当する

しゅう酸ナトリウムの質量 (g) 

 

Vs: 滴定に要した0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の

体積 (mL) 

 

Vb: 空試験に要した0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液

の体積 (mL) 

 

g) 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液は,不純物,保存環境などによってファクターが経時変化しや

すいため,保存中の溶液について期間を定め,再標定を行う。 

5.3.6 

操作 

a) 試料は,平形はかり瓶に,表2に示す量を0.1 mgまではかりとる。 

 

表2−試料量 

単位 g 

質量分率60 %過酸化水素 

1.0 

質量分率35 %過酸化水素 

1.7 

 

b) a)の試料は,全量フラスコ250 mLに移す。すべての試料を移すために,平形はかり瓶を水で洗浄しな

がら全量フラスコに移す。その後,水を標線まで加えよく振り混ぜる。 

c) b)から20 mLを全量ピペットでコニカルビーカー200 mLにとり,硫酸 (1+4) 10 mLを加える。 

d) c)の溶液を0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液で滴定し,微紅色が30秒間消えない点を終点とする。 

e) 5.3.5及び5.3.6で用いる,0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の液温は,同じとする。液温に違いが

ある場合は,JIS K 8001の3.7 (4) に従って温度補正を行う。 

f) 

5.3.5及び5.3.6の滴定を行うときに,JIS K 0113に規定する電位差滴定装置を用いて,0.02 mol/L過マ


K 1463:2007  

 

ンガン酸カリウム溶液の滴定及び終点の検出を行うことができる。この場合,指示電極には白金電極

を用い,終点の測定は電位差変化率が最大となる点とする。 

5.3.7 

測定値の算出 

次の式を用いて,過酸化水素濃度を求める。 

100

250

20

701

 

001

.0

S

f

B

A

 

ここに, 

A: 過酸化水素濃度(質量分率%) 

 

0.001 701: 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液 1 mLに相当する

過酸化水素の質量 (g) 

 

B: 滴定に要した0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の

体積 (mL) 

 

f: 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液のファクター 

 

S: 試料の質量 (g) 

 

5.4 

安定度 

5.4.1 

一般 

一定体積の試料を沸騰水浴中で一定時間加熱し,冷却後,元の体積に合わせ過酸化水素濃度を測定する。 

5.4.2 

試験器具 

a) 全量フラスコ JIS R 3505に規定する容量50 mLのもの。このフラスコは,安定度の測定専用とする。 

b) アルミはく 市販のアルミはくを約50 mm角に切ったもの。 

c) 水浴 試料を入れたとき,引き続いて沸騰状態を保てるような熱容量及び加熱能力が大きなもの。 

d) 恒温槽 温度設定範囲が少なくとも15〜25 ℃であり,温度調節精度が±1 ℃以内のもの。 

5.4.3 

操作 

a) 試料を,水で十分洗浄した後,試料で共洗いした全量フラスコ1)の標線を超えるまで入れ,15〜25℃

の範囲の一定の温度に設定された恒温槽に30分間つけた後,ピペットで標線まで試料を抜き取る。 

注1) 使用する全量フラスコは,汚染によって異常値が出やすいため,通常と異なる測定値が検出

された場合は,JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製した100 g/L溶液を,

全量フラスコに満たして1時間以上放置し,次に水で洗い,更にJIS K 8541に規定する硝酸

を用いて調製した硝酸 (1+7) 溶液を満たして3時間以上放置し,再び水で十分に洗うとよ

い。 

b) 全量フラスコは,口部をアルミはくで覆い,フラスコの首部が通る孔を開けた天板を通して,沸騰水

浴中で標線が沸騰水浴の水面下に没するように固定し,5時間加熱する。その際,水浴の天板は,沸

騰水浴からの水蒸気によって全量フラスコの首部が熱せられないように,ゴムシートなどによって全

量フラスコとのすき(隙)間を最小限とする。 

c) 加熱後,直ちにa)の恒温槽に30分間つけ,加熱前の温度まで冷却し,水を標線まで加えよく混合す

る。5.3によって過酸化水素濃度の測定を行う。 

5.4.4 

測定値の算出 

次の式を用いて,安定度を求める。 

100

'

H

 


K 1463:2007  

 

ここに, 

H: 安定度 (%) 

 

J′: 加熱後の過酸化水素濃度(質量分率%) 

 

J: 加熱前の過酸化水素濃度(質量分率%) 

 

5.5 

蒸発残分 

5.5.1 

一般 

試料を白金によって分解した後,沸騰水浴上で蒸発乾固して残分を求める。 

5.5.2 

試験器具 

a) 蒸発皿 JIS H 6202に規定する白金蒸発皿75番,又はJIS R 1302に規定する磁器蒸発皿丸底形80 mm

若しくは平底形80 mmのもの。蒸発皿の質量の恒量は,JIS K 0067に規定する方法によって,0.1 mg

のけたまで求める。 

b) 水浴 試料を入れたとき,引き続いて沸騰状態を保てるような熱容量及び加熱能力が大きなもの。 

c) 恒温乾燥器 105〜110 ℃の温度範囲に調節できるもの。 

5.5.3 

操作 

a) ビーカー50 mLに試料約40 gを10 mgのけたまではかりとる。 

b) 水10 mLを入れた質量既知の蒸発皿に,試料を数回に分けて加える。磁器蒸発皿を用いる場合は,蒸

発皿に白金はく又は白金線を入れておく。 

c) 少量の水でビーカー内を洗浄し,その洗浄液を蒸発皿に加える。分解が激しい場合は,蒸発皿を冷水

で冷却し調節する。 

d) 分解が収まったら沸騰水浴上で蒸発乾固する。磁器蒸発皿を用いる場合は,沸騰水浴上に移す前に,

白金はく又は白金線を少量の水で洗い取り出しておく。 

e) 105〜110 ℃に調節した恒温乾燥器中で2時間乾燥する。 

f) 

乾燥後デシケーター中で30分間放冷し,残分を蒸発皿ごと0.1 mgのけたまではかる。 

5.5.4 

測定値の算出 

次の式を用いて,蒸発残分を求める。 

100

2

1

S

W

W

C

 

ここに, 

C: 蒸発残分(質量分率%) 

 

W1: 残分と蒸発皿の質量 (g) 

 

W2: 蒸発皿の質量 (g) 

 

S: はかりとった試料の質量 (g) 

 

5.6 

遊離酸(H2SO4として) 

5.6.1 

一般 

試料を水で希釈し,水酸化ナトリウム溶液で中和滴定する。 

5.6.2 

試薬 

a) メチルレッド溶液(1.0 g/Lエタノール) JIS K 8001に規定する方法によって調製したもの。 

1) JIS K 8896に規定するメチルレッド0.10 gを,JIS K 8102に規定するエタノール (95) 100 mLに溶

かして調製する。 

b) 0.01 mol/L水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8001の4.5(滴定用溶液)の(19.1)によって調製した,有効

なファクターをもつ1 mol/L水酸化ナトリウム溶液を用いて調製したもの。 


K 1463:2007  

 

1) 1 mol/L水酸化ナトリウム溶液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にはかりとり,二酸化炭素を

含まない水を標線まで加えて混合した後,ポリエチレン容器に保存する。この溶液は,使用時に調

製する。 

2) ファクターは,1 mol/L水酸化ナトリウムの値を用いる。 

5.6.3 

試験器具 

a) ガラスビュレット又は電動ビュレット 

b) pH計 指示薬を使用しない場合に使用する。 

5.6.4 

操作 

a) 試料約30 gを10 mgのけたまではかりとり,コニカルビーカー300 mLに移し入れ,水約150 mLを加

える。 

b) 指示薬としてメチルレッド溶液2〜3滴を加え,0.01 mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定し,溶液の色

が黄色に変わった点を終点とする。 

c) b)の終点を求めるときにpH計を使用する場合は,JIS Z 8802に規定された方法に従い,終点はpH 5.3

とする。 

注記 滴定を行うときに,JIS K 0113に規定する電位差滴定装置を使用する場合は,指示電極はpH

電極を用いるとよい。 

5.6.5 

測定値の算出 

次の式を用いて,遊離酸を求める。 

100

49

 

000

.0

S

f

G

E

 

ここに, 

E: 遊離酸(H2SO4として)(質量分率%) 

 

0.000 49: 0.01 mol/L水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当する硫酸の質

量 (g) 

 

G: 滴定に要した0.01 mol/L水酸化ナトリウム溶液の体積 (mL) 

 

f: 0.01 mol/L水酸化ナトリウム溶液のファクター 

 

S: はかりとった試料の質量 (g) 

 

表示 

包装単位ごとに,次の事項を表示する。タンクローリーなどでは送り状などに表示してもよい。 

a) 規格番号及び種類 

b) 正味質量 

c) 製造年月又はその略号(ロット番号) 

d) 製造業者名又はその略号 

e) 取扱上の注意事項