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日本工業規格

JIS

 K1449

-1978

りん酸

H

3

PO

4

1.

適用範囲  この規格は,工業薬品としてのりん酸について規定する。

引用規格: 

JIS K 8005

  容量分析用標準試薬

JIS K 8012

  亜鉛(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8563

  硝酸鉛(試薬)

JIS K 8982

  硫酸第二鉄アンモニウム(鉄みょうばん)

(試薬)

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

2.

りん酸の種類  89%りん酸,85%りん酸及び 75%りん酸の 3 種類とする。

3.

品質  りん酸は 5.により試験し,次の規定に合格しなければならない。

89%

りん酸 85%りん酸 75%りん酸

1

2

特号

1

2

特号

1

2

外観

無色又はわずかに着色した粘性の液体であって浮遊物のないこと

比重 (15/4℃) 1.73

以上 1.

73

以上 1.69  以上 1.69  以上

1.69

以上

1.58

以上 1.58 以上 1.58

以上

塩化物 (Cl) %

0.001

以下 0.005 以下 0.0005 以下 0.001 以下 0.005 以下 0.0005 以下 0.001 以下 0.005 以下

硫酸塩 (SO

4

) %

0.003

以下 0.006 以下 0.003 以下 0.003 以下 0.006 以下 0.003 以下 0.003 以下 0.006 以下

重金属 (Pb) %

0.002

以下

− 0.001

以下 0.002 以下

− 0.001 以下 0.002 以下

鉄 (Fe) %

0.002

以下 0.01 以下 0.002 以下 0.002 以下

0.01

以下

0.002

以下 0.002 以下 0.05 以下

ひ素 (As) %

0.005

以下 0.01 以下 0.0001 以下 0.005 以下

0.01

以下 0.0001 以下 0.005 以下 0.01 以下

りん酸 (H

3

PO

4

) %

89.0

以上 89.0 以上 85.0  以上 85.0  以上 85.0  以上

75.0

以上 75.0 以上 75.0

以上

4.

試料採取方法  試料採取は 1 ロット 10 本未満については 1∼2 本,10 本以上 100 本未満については 2

本以上,100 本以上は 100 本又はその端数ごとに 1 本を加え,ランダムに容器を抜き取り,中身をよくか

き混ぜた後,

その各々の容器に清浄な試料採取管(

1

)

を垂直に徐々に入れ,

器底に達しさせて試料を満たし,

管の口を閉じ,ほぼ等量ずつ必要量をとって共せん細口硬質ガラスびんに入れ密せんして蓄え,試験に供

する。

(

1

)

試料採取管  ガラス管又はビニル製管で図1はその一例を示したもので,試料の採取に都合がよ

いように,その形状及び寸法を変えてよい。


2

K1449-1978

図 1

5.

試験方法

5.1

比重  比重の測定は,15℃で浮ばかりを用いて行う。

5.2

塩化物  試料 1∼4g を試験管(平底,内径約 23mm)にはかりとり,水 10ml を加えて薄め,硝酸 (1:

2) 10ml

を加えた後,水を加えて液量を 25ml にする。これに硝酸銀溶液 (2%) 1ml を加えて 15 分間放置す

る。その濁りを,別に同形の試験管に塩化物標準溶液 (1ml=0.01mgCl) (

2

)

を採って同様に処理した場合の

濁りと比較し,次の式によって塩化物の百分率を算出する。

100

)

(

)

ml

(

)

(

00001

.

0

)%

CI

(

×

×

=

g

g

試 料

塩化物標準溶液使用量

塩化物

(

2

)

塩化物標準溶液 (1ml=0.01mgCl)  の作り方:JIS K 8150〔塩化ナトリウム(試薬)

〕の特級1.65g

をはかり,水に溶かして1000ml とし,その10ml を水で薄めて1000ml とする。

5.3

硫酸塩  試料 50g をビーカー1000ml にはかりとり,水約 450ml を加えて薄めた後ろ紙でこし,温水

で洗う。ろ液と洗液を合わせて煮沸するまで加熱し,温塩化バリウム溶液 (10%) 20ml を加え,水浴上で

30

分間加温し,1 夜放置した後,JIS P 3801〔ろ紙(化学分析用)

〕の 6 種でこし,塩酸 (1:25) 20ml で洗

い,次に洗液に塩素イオンの反応のなくなるまで温水で洗う。沈殿はろ紙と共に磁器るつぼに入れ,初め

は徐々に加熱してろ紙を焼いた後約 700℃に強熱し,冷却後硫酸(比重 1.84)1 滴を加えて再び加熱し,約

30

分間約 700℃に強熱する。冷却後はかり,次の式によって硫酸塩の百分率を算出する。

100

)

(

4115

.

0

)

(

BaSO

)%

SO

(

4

4

×

×

=

g

g

試 料

硫酸塩

5.4

重金属  試料 3∼4g をはかり,水で薄めて 25ml としたものを A 液とする。A 液 20ml を試験管(平

底,内径約 23mm)にとり,酢酸ナトリウム溶液 (20%) 2ml 及び硫化水素水 10ml を加え,よくかき混ぜて

10

分間放置する。そのとき呈する色を,別に同形の,試験管に A 液 5ml をとり,これに鉛標準溶液 (1ml

=0.01mgPb) (

3

)

をとり,

水を加えて 20ml としたものに酢酸ナトリウム溶液 (20%) 2ml 及び硫化水素水 10ml

を加えてよくかき混ぜ,10 分後に呈する暗色と比較して,次の式によって重金属の百分率を算出する。

100

25

/

15

)

(

)

ml

(

)

(

00001

.

0

)%

Pb

(

×

×

×

=

g

g

試料

鉛標準溶液使用量

重金属

(

3

)

鉛標準溶液 (1ml=0.01mgPb)  の作り方:JIS K 8563〔硝酸鉛(試薬)

〕の特級1.60g をはかり,

水に溶かして1000ml とし,その10ml を水で薄めて1000ml とする。ただし後段の水で薄めた溶

液は変化しやすいから,使用のとき薄めて作る。


3

K1449-1978

5.5

鉄  試料(

4

)

を試験管(平底,内径約 23mm)にとり,これにチオグリコール酸 0.1ml を加え,アンモ

ニア水 (2:3)  で中和した後,塩酸 (2:1) 0.1ml 及び水を加えて 20ml とし,更にアンモニア水 (2:3) 1ml

を加える。そのとき呈する赤色を,別にアンモニア水 (2:3)  (前記中和に要した量)を水浴上で蒸発乾

固した後,塩酸 (2:1) 0.1ml 及び水 10ml に溶解して別の同形の試験管に移し,鉄標準溶液 (1ml=0.01mgFe)

(

5

)

をとって同様に処理した場合の赤色と比較し,次の式によって鉄の百分率を算出する。

100

)

(

)

ml

(

)

(

00001

.

0

)%

Fe

(

×

×

=

g

g

試 料

鉄標準溶液使用量

(

4

)

試料量は,次のとおりである。

鉄 (Fe) の規格値

試料量

0.002%

以下

0.01 %

以下

0.05 %

以下

1g

に水を加えて 10ml とし,その全量

1g

に水を加えて全量を 50ml とし,その 10ml (=0.2g)

1g

に水を加えて全量を 250ml とし,その 10ml (=0.04g)

(

5

)

鉄標準溶液 (1ml=0.01mgFe)  の作り方:JIS K 8982〔硫酸第二鉄アンモニウム(鉄みょうばん)

(試薬)

〕の特級 8.63g をはかり,硝酸 (1:6) 10m1 及び水を加えて 1000ml とし,その 10ml に

硝酸 (1:6) 10ml 及び水を加えて 1000ml とする。この溶液は,かっ色びんに蓄える。 

5.6

ひ素  試料(

6

)

をとって発生びん(

図 の A)に移し,水を加えて 20ml とし,これに塩酸 (1:1) 5ml,

よう化カリウム溶液 (20%) 5ml を加え,2∼3 分間放置後塩化第一すず溶液(

7

)

5ml

を加え,水を加えて全量

を 40ml とし,更に 10 分間放置した後 JIS K 8012〔亜鉛(試薬)

〕の無ひ素の砂状のもの(標準網ふるい

1.0

∼1.4mm)2g を加え,直ちに A を,C を連結した B に連結し,25℃の水中に 1 時間放置する。

別に同時に他の発生びんにひ素標準溶液 (1ml=0.001mgAs) (

8

)

をそれぞれ 1ml,2m1,3ml とり,水で薄

めて 20ml とし,

以下同一条件で操作し,

1

時間後に臭化第二水銀紙(

9

)

の呈する黄色∼黄かっ色と比較して,

次の式によってひ素の百分率を算出する。

)

(

)

ml

(

)

(

00001

.

0

)%

As

(

g

g

試 料

ひ素標準溶液使用量

ひ素

×

=

(

6

)

試料量は,次のとおりである。

ひ素(As)の規格値

試料量

0.0001%

以下

0.005 %

以下

0.01  %

以下

2g

に水を加えて 10ml とし,その全量

1g

に水を加えて全量を 100ml とし,その 4ml (=0.04g)

1g

に水を加えて全量を 100ml とし,その 2ml (=0.02g)

(

7

)

塩化第一すず溶液の作り方:塩化第一すず 4g に塩酸(無ひ素)125ml を加えて溶解した後,水

で薄めて 250ml とする。この溶液は共せんびんに密せんして蓄える。

(

8

)

ひ素標準溶液 (1ml=0.001mgAs)  の作り方:JIS K 8005(容量分析用標準試薬)の三酸化ひ素

1.32g

をはかり,水酸化ナトリウム溶液 (10%) 6ml を加えて溶解した後,水で薄めて 1 000ml と

し,その 1ml を水で薄めて 1 000ml とする。

(

9

)

臭化第二水銀紙の作り方:約 10×約 4cm のろ紙(東洋濾紙クロマトグラフ用 No.53 又はこれと

同等品)を臭化第二水銀溶液〔臭化第二水銀 1g をエチルアルコール(95 容量%)20ml に溶解

したもの〕に浸してときどき振りながら約 1 時間暗所に放置した後取り出し,暗所で自然乾燥

する。周りを切り除き,適当な大きさに切って用いる。これはかっ色びんに入れて蓄える。 


4

K1449-1978

図 2  ひ素試験装置

(

10

)

酢酸鉛紙の作り方:酢酸鉛 11.8g に水を加えて 100ml とし,これに酢酸 2 滴を加えた溶液に 10

×5cm のろ紙を浸した後,常温で乾燥したものを巻いて透き問が均等になるように (B) に差し

込み,その上端から 25mm 下に位置させる。

備考 (B) と (C) の間に臭化第二水銀紙をはさみ,ゴムせんをゴム輪で緊密に連結する。

5.7

りん酸  試料約 1.5g を正確にはかり,コニカルビーカー300ml に移し,水を加えて約 25ml とし,チ

モールフタレインのエチルアルコール溶液 (0.1%) (

11

)

約 5 滴を加え,1N 水酸化ナトリウム溶液(

12

)

で滴定

し,淡青色に変わったときを終点とし,次の式によってりん酸の百分率を算出する。

100

)

(

04900

.

0

)

ml

(

1

)%

PO

H

(

4

3

×

×

=

g

N

試 料

使用量

水酸化ナトリウム溶液

りん酸

(

11

)

チモールフタレインのエチルアルコール溶液 (0.1%) の作り方:チモールフタレイン0.1g をエ

チルアルコール(95容量%)90ml に溶かした後,水で薄めて100ml とする。

(

12

)

 lN

水酸化ナトリウム溶液の作り方:水酸化ナトリウム約 45g を水 1000ml に溶かし,新たに作

った飽和水酸化バリウム溶液を沈殿が生じなくなるまで加えて強く振り混ぜる。この溶液は内

面にパラフィンを塗ったガラスびんに入れ,ソーダ石灰管を付け炭酸ガスをさえぎって 2∼3 日

間放置し,その上澄液を用いる。この力価は次の方法によって標定する。

真空硫酸デシケーター中で 24 時間以上乾燥した JIS K 8005 のスルファミン酸 2∼2.5g を正確

にはかり,水約 25ml に溶かした後ブロムチモールブルーのエチルアルコール(20 容量%)溶液

(0.1%)

を指示薬として本溶液で滴定して決める。