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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 1423-1970 

硫酸アルミニウム(硫酸ばんど) 

Aluminum Sulfate 

Al2 (SO4)3・xH2O 

1. 適用範囲 この規格は,工業薬品としての硫酸アルミニウム(固形および液体)について規定する。 

関連規格:(6)ページ参照。 

2. 品質 硫酸アルミニウムは,4.試験方法によって試験し,つぎの規定に適合しなければならない。 

種類 

項目 

固形特号 

固形1号 

固形2号 

液体 

1種 

2種 

外観 

− 

− 

− 

− 

無色ないし黄がか
ったうすいかっ色
の液体 

pH 

  3.0  以上   3.0  以上   3.0  以上   2.5 以上 

 3.0  以上 

酸化アルミニウム 

(Al2O3) % 

 17.0  以上  15.0  以上  14.0  以上  14.0 以上 

 8.0  以上 

鉄   (Fe)   % 

  0.01以下 

  0.01以下 

  0.01以下 

  1.5 以下 

 0.02以下 

水不溶分    % 

  0.1  以下   0.1  以下   0.1  以下   0.3 以下 

− 

3. 試料採取方法 試料は,全体を代表するように,受渡し当事者間の協定に基づく合理的な方法により

採取する。 

4. 試験方法 

4.1 

共通事項 化学分析について共通する一般事項は,JIS K 0050(化学分析通則)による。 

4.2 

pH 

4.2.1 

要 旨 水溶液のpHをガラス電極法によって測定する。 

4.2.2 

装 置 

ガラス電極pH計 JIS Z 8802(pH測定方法)に規定する形式IまたはIIを用いる。 

4.2.3 

操 作 

(1) 試料1.0g(固形)または2.0g(液体)を炭酸を含まない水約50mlに溶かし,メスフラスコ100mlに

移し入れ,炭酸を含まない水を標線まで加える。 

(2) 約20℃に保ちながらpHをJIS Z 8802の1.ガラス電極によるpH測定方法によって測定する。 

4.3 

酸化アルミニウム 

K 1423-1970  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3.1 

要 旨 試料のアルミウムの量に対して過剰のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液を加え

てキレートの生成を完結したのち,指示薬としてキシレノールオレンジ溶液を加えて過剰のエチレンジア

ミン四酢酸二ナトリウム溶液を亜鉛溶液で逆滴定し,酸化アルミニウムを定量する。 

4.3.2 

試 薬 

(1) M/20エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩)18g

を水に溶かして1lとする。 

(2) 酢酸ナトリウム緩衝液 酢酸ナトリウム(3水塩)272gを水に溶かして1lとする。 

(3) キシレノールオレンジ溶液 (0.1w/v%)  キシレノールオレンジ0.10gを水に溶かして100mlとする。 

(4) M/50亜鉛溶液 亜鉛(標準試薬)*1.307g(100%として)をはかりとり,塩酸6〜7mlおよび少量の水

を加え,加熱して溶かす。これを水浴上で乾固近くまで蒸発したのち,水を加えて溶かし,メスフラ

スコ1lに移し入れ,水を標線まで加える。この溶液1mlは,1.020mgのAl2O3に相当する。 

4.3.3 

操 作 

(1) 試料約5g(固形)または約10g(液体)を1mgまで正しくはかりとる。 

(2) 水約100mlを加えて溶かし,必要があればろ過し,メスフラスコ500mlに移し入れ,水を標線まで加

える。 

(3) この中から20mlを三角フラスコ200mlに分取し,M/20エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液

20mlを正しく加え,1分間煮沸し,冷却する。 

(4) 酢酸ナトリウム緩衝液5mlおよび指示薬としてキシレノールオレンジ溶液 (0.1w/v%) 2〜5滴を加える。 

(5) M/50亜鉛溶液で滴定し,溶液がうすい黄色からごくうすい赤となった点を終点とする。 

(6) 別に水約20mlにM/20エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液20mlを正しく加え,(4)〜(5)と同様

に操作する。 

4.3.4 

測定値の算出 つぎの式によって酸化アルミニウム (%) を算出する。 

(

)

(

)

9128

.0

100

500

20

001020

.0

×

×

×

−′

×

=

C

S

B

B

A

ここに 

A : 酸化アルミニウム (%) 

B : (5)の滴定に要したM/50亜鉛溶液の量 (ml) 

B′: (6)の滴定に要したM/50亜鉛溶液の量 (ml) 

C : 4.4によって求めた鉄 (%) 

0.9128: 鉄から酸化アルミニウムへの換算係数 

S : 試料 (g) 

4.4 

鉄 

(1) 吸光光度法 固形特号,固形1号および液体に適用する。 

(2) 容 量 法 固形2号に適用する。 

4.4.1 

吸光光度法 

(1) 要 旨 試料に塩酸ヒドロキシルアミン溶液を加えて鉄イオンを第一鉄イオンに還元し,ο-フェナン

トロリン溶液を加えて発色させ,その吸光度を測定し,鉄を定量する。 

(2) 試薬 

                                                        
 * 亜鉛の表面が酸化している恐れのある場合は,塩酸(1+3),水,アセトンで順次に洗い,ただちに塩
化カルシウムまたは硫酸デシケーター中で24時間乾燥して用いる。 

K 1423-1970  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(a) 塩 酸 (1+3)  

(b) 塩酸ヒドロキシルアミン溶液 (1w/v%) 塩酸ヒドロキシルアミン1.0gを水に溶かして100mlとする。 

(c) 酢酸緩衝液 酢酸ナトリウム(3水塩)450gを水400mlに溶かし,これに酢酸 (99〜100%) 240ml

を加え,水を加えて1lとする。 

(d) ο−フェナントロリン溶液 (0.2w/v%)  ο-フェナントロリン0.20gをエチルアルコール (95v/v%) 10ml

に溶かし,水を加えて100mlとする。 

または,塩酸-ο-フェナントロリン0.24gを水に溶かして100mlとする。 

これらの溶液は,かっ色びん中に保存する。 

(e) 鉄標準液 硫酸第一鉄アンモニウム7.02gをはかりとり,塩酸 (1+3) 10mlおよび水を加えて溶かし,

メスフラスコ1lに移し入れ,水を標線まで加える。この中から10mlをメスフラスコ1lにとり塩酸 

(1+3) 10mlを加え,水を標線まで加える。この溶液1mlは,0.01mgのFeを含む。 

または,純鉄0.100gをはかりとり,硝酸 (1+1) 5mlおよび硫酸 (1+1) 5mlを加えて溶かし,硫

酸の白煙が発生するまで加熱する。これに硝酸 (1+6) 10mlおよび水を加えて溶かし,メスフラス

コ1lに移し入れ,水を標線まで加える。この中から10mlをメスフラスコ100mlに分取し,水を標

線まで加える。この溶液1mlは,0.01mgのFeを含む。 

(3) 装 置 

光度計 光電光度計または光電分光光度計 

(4) 操 作 

(a) 試料約2〜5gを0.1gまで正しくはかりとり,水約100mlを加えて溶かし,必要があればろ過し,メ

スフラスコ500mlに移し入れ,水を標線まで加える。 

(b) この中から50mlをメスフラスコ100mlに分取し,塩酸 (1+3) 3mlを加える。 

(c) 塩酸ヒドロキシルアミン溶液 (1w/v%) 3mlを加えてよく振り混ぜ,ο−フェナントロリン溶液 

(0.2w/v%) 5mlおよび酢酸緩衝液15mlを加えたのち,水を標線まで加える。 

(d) よく振り混ぜて発色させ,10分間以上放置する。 

(e) 吸収セル10mmに移し入れ,空試験の溶液を対照液として波長510nm付近の吸光度を測定し,あら

かじめ作成した検量線(1)によって鉄の量を求め,鉄 (%) を算出する。 

注(1) 検量線の作り方 鉄標準液の一定量を段階的(試料中の鉄の含量とほぼ同量およびその上下)

にメスフラスコ100mlにとり,水50mlおよび塩酸 (1+3) 3mlを加え,以下(c)以後の操作を行な

って鉄の含量と吸光度との関係を示す検量線を作る。 

備考 鉄の定量は,つぎの操作で行なってもよい。 

(1) 4.4.1(4)(a)により試料溶液を作る。 

(2) この中から50mlを平底試験管100mlに分取し,塩酸 (1+3) 3mlおよび水を加えて約70ml

とする。これを試験液とする。 

(3) 別に数個の平底試験管100mlに鉄標準液0〜10mlを段階的にとり,各試験管に塩酸 (1+3) 

3mlおよび水を加えて約70mlとする。これを鉄の標準比色液とする。 

(4) 試験液および標準比色液の各試験管に,塩酸ヒドロキシルアミン溶液 (1w/v%) 3mlを加えて

よく振り混ぜる。 

(5) ο-フェナントロリン溶液 (0.2w/v%) 5mlおよび酢酸緩衝液15mlを加え,水を加えて100mlと

する。 

(6) よく振り混ぜて発色させ,10分間以上放置する。 

K 1423-1970  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(7) 試験液と標準比色液を比色し,該当する標準比色液の鉄標準液の使用量を求め,つぎの式に

よって鉄 (%) を算出する。 

100

500

50

00001

.0

×

×

×

=

S

D

C

ここに 

C: 鉄 (%) 

D: 該当する標準比色液の鉄標準液の使用量 (ml) 

S: 試料 (g) 

4.4.2 

容 量 法 

(1) 要旨 試料に塩化第一すず溶液を加えて鉄イオンを第一鉄イオンに還元し,過マンガン酸カリウム溶

液で滴定し,鉄を定量する。 

(2) 試 薬 

(a) 塩酸  (1+1) 

(b) 塩化第一すず溶液 塩酸200mlを水浴上で加熱しながら,塩化第一すず100gを少量ずつ加えて溶

かし,冷却後,水を加えて1lとし,さらにすず数粒を加える。 

(c) 塩化第二水銀飽和溶液 

(d) 硫酸マンガン溶液 硫酸マンガン(4水塩)90gを水200mlに溶かし,りん酸175mlを加えた溶液

に硫酸175mlを徐々に加え,冷却後,水を加えて1lとする。この溶液は,調製後3〜4日経過して

から使用する。 

(e) N/100過マンガン酸カリウム溶液 過マンガン酸カリウム約0.33gをフラスコ中で水約1050mlに溶

かし,1〜2時間静かに煮沸したのち,1夜暗所に放置し,上澄み液をブフナー漏斗形ガラスろ過器

3G3でろ過する(前後に水洗しない)。この溶液は,30分間蒸気洗浄したかっ色びんに入れ暗所に

保存する。この溶液は,使用のつど標定する。 

標定 あらかじめ10〜15分間煮沸し冷却した硫酸 (1+20) 100mlにN/100しゅう酸ナトリウム溶

液(2)10mlを分取し,60〜80℃に保ちながらN/100過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。 

別に,あらかじめ10〜15分間煮沸し冷却した硫酸 (1+20) 100mlについて空試験を行ない補正す

る。 

注(2) N/100しゅう酸ナトリウム溶液 しゅう酸ナトリウム(標準試薬)を150〜200℃で1〜1.5時間乾

燥し,硫酸デシケーター中で放冷したのち,Na2C2O4100%に対し0.6700gを少量の水に溶かして

メスフラスコ1lに移し入れ,水を標線まで加える。この溶液は,共せんかっ色びん中に保存す

る。 

(3) 操 作 

(a) 試料約5gを0.01gまで正しくはかりとる。 

(b) 水約100mlを加えて溶かし,不溶分をろ過し,水でじゅうぶんに洗ったのち,ろ液と洗液をメスフ

ラスコ500mlに移し入れ,水を標線まで加える。 

(c) この中から25mlをコニカルビーカー300mlに分取し,塩酸 (1+1) 5mlを加えて加熱し,塩化第一

すず溶液0.2mlを加えてじゅうぶんに混和したのち,流水で冷却する。 

(d) 塩化第二水銀飽和溶液5mlを一度に加え,じゅうぶんに混和する。 

(e) 硫酸マンガン溶液20mlおよび水100mlを加え,N/100過マンガン酸カリウム溶液で滴定し,溶液が

K 1423-1970  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

微紅色を呈する点を終点とする。 

(f) 別に水25mlをコニカルビーカー300mlにとり,塩酸 (1+1) 5mlを加えて加熱し,塩化第一すず溶

液2滴を加えてじゅうぶんに混和したのち,流水で冷却する。以下,(d)〜(e)と同様に操作して空試

験を行なう。 

(4) 測定値の算出 つぎの式によって鉄 (%) を算出する。 

(

)100

500

25

0005585

.0

×

×

×

=

S

E

E

C

ここに 

C : 鉄 (%) 

E : N/100過マンガン酸カリウム溶液の使用量 (ml) 

E': 空試験におけるN/100過マンガン酸カリウム溶液の使用量 

(ml) 

S : 試料 (g) 

4.5 

水不溶分 

4.5.1 

要 旨 試料を水に溶かしてガラスろ過器でろ過し,不溶分を乾燥してはかり,水不溶分を定量す

る。 

4.5.2 

器具および装置 

(1) るつほ形ガラスろ過器 1G4 

(2) 恒温乾燥器 

4.5.3 

操作 

(1) 試料約10gを0.1gまで正しくはかりとり,水約100mlに溶かす。 

(2) 重さ既知のるつぼ形ガラスろ過器1G4でろ過し,洗液に硫酸イオンの反応を認めなくなるまで水で洗

う。 

(3) ガラスろ過器および不溶分を105〜110℃に調節した恒温乾燥器中で1時間乾燥し,デシケーター中で

放冷したのち,不溶分の重さを0.1mgまで正しくはかる。 

4.5.4 

測定値の算出 つぎの式によって水不溶分 (%) を算出する。 

100

×

=SH

G

ここに 

G: 水不溶分 (%) 

H: 不溶分 (g) 

S: 試料 (g) 

5. 表 示 つぎの事項を容器の適当な箇所に表示する(タンク車,タンクローリーなどでは送り状など

に表示してもよい。)。 

(1) 名 称 

(2) 種 類 

(3) 正味の重さ 

(4) 製造年月日またはその略号 

(5) 製造業者名またはその略号 

K 1423-1970  

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関連規格:JIS K 0050-1964 (化学分析通則) 

JIS K 0115-1964 (吸光光度分析法通則) 

JIS K 8005-1966 (容量分析用標準試薬) 

JIS K 8034-1961 〔アセトン(試薬)〕 

JIS K 8102-1961 〔エチルアルコール(95容量%)(試薬)〕 

JIS K 8107-1961 〔エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(試薬)〕 

JIS K 8124-1961 〔塩化カルシウム(乾燥用)(試薬)〕 

JIS K 8136-1961 〔塩化第一すず(試薬)〕 

JIS K 8139-1961 〔塩化第二水銀(試薬)〕 

JIS K 8180-1961 〔塩酸(試薬)〕 

JIS K 8201-1961 〔塩酸ヒドロキシルアミン(試薬)〕 

JIS K 8202-1961 〔塩酸-ο-フェナントロリン(試薬)〕 

JIS K 8247-1961 〔過マンガン酸カリウム(試薬)〕 

JIS K 8355-1961 〔酢酸 (99〜100%) (氷酢酸)(試薬)〕 

JIS K 8371-1961 〔酢酸ナトリウム(試薬)〕 

JIS K 8541-1961 〔硝酸(試薬)〕 

JIS K 8580-1961 〔すず(試薬)〕 

JIS K 8789-1961 〔ο-フェナントロリン(試薬)〕 

JIS K 8951-1961 〔硫酸(試薬)〕 

JIS K 8979-1961 〔硫酸第一鉄アンモニウム(モール塩)(試薬)〕 

JIS K 8997-1961 〔硫酸マンガン(試薬)〕 

JIS K 9005-1961 〔りん酸(試薬)〕 

JIS P 3801-1956 〔ろ紙(化学分析用)〕 

JIS R 3503-1966 (化学分析用ガラス器具) 

JIS Z 8802-1964 (pH測定方法) 

K 1423-1970  

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化学部会 硫酸アルミニウム専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

斯 波 之 茂 

関東化学株式会社 

青 木 文 雄 

東京工業試験所 

上 野 真 一 

日本無機薬品協会 

大 野 健 一 

工業技術院標準部 

菊 地 一 寛 

通商産業省化学工業局 

梅 村 俊 也 

株式会社菱三商会 

加 藤 雄二郎 

本州製紙株式会社 

柴 崎 秀 雄 

菊地色素工業株式会社 

高 崎 芳 彦 

トキワ化工株式会社 

堀 口 正二郎 

大日精化工業株式会社 

小 池 繁 幸 

ラサ化成株式会社 

熨 斗 義 文 

水沢化学工業株式会社 

馬 場 孝一郎 

日軽化工株式会社 

伴   繁 雄 

大明化学工業株式会社 

広 橋   巌 

日本化学工業株式会社 

三 木 正 博 

住友化学工業株式会社 

(事務局) 

井 口 耕 一 

工業技術院標準部繊維化学規格課 

池 田 順 一 

工業技術院標準部繊維化学規格課