サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 1408-1966 

けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ) 

Sodium Silicate 

Na2O・nSiO2・xH2O 

1. 適用範囲 この規格は,工業薬品としてのけい酸ナトリウムについて規定する。 

関連規格:JIS K 0050 (化学分析通則) 

JIS K 0115 (吸光光度分析法通則) 

JIS K 8005 (容量分析用標準試薬) 

JIS K 8180 〔塩酸(試薬)〕 

JIS K 8201 〔塩酸ヒドロキシルアミン(試薬)〕 

JIS K 8359 〔酢酸アンモニウム(試薬)〕 

JIS K 8486 〔α,α'-ジピリジル(試薬)〕 

JIS K 8541 〔硝酸(試薬)〕 

JIS K 8893 〔メチルオレンジ(試薬)〕 

JIS K 8982 〔硫酸第二鉄アンモニウム(鉄みょうばん)(試薬)〕 

JIS R 3503 (化学分析用ガラス器具) 

JIS Z 8804 (液体比重測定方法) 

2. 品質 けい酸ナトリウムは,4.試験方法によって試験し,つぎの規定に適合しなければならない。 

種類 

項目 

1号 

2号 

3号 

メタけい酸ナトリウム 

1種 

2種 

外観 

水あめ状の無色ないしわずかに着色した液体  白色粉末ま 

 たは粒状 

白色結晶 

比重 (15℃Bé)  

− 

54以上 

40以上 

− 

− 

二酸化けい素 (SiO2) % 

35〜38 

34〜36 

28〜30 

27.5〜29 

19〜22 

酸化ナトリウム (Na2O) % 

17〜19 

14〜15 

9〜10 

28.5〜30 

20〜22 

鉄 (Fe) % 

0.03以下 

0.03以下 

0.02以下 

− 

− 

水不溶分% 

0.2 以下 

0.2 以下 

0.2 以下 

− 

− 

備考 メタけい酸ナトリウムの1種は5水塩,2種は9水塩である。 

3. 試料採取方法 試料は,全体を代表するように,受渡し当事者間の協定に基づく合理的な方法により

採取する。 

4. 試験方法 

K 1408-1966  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.1 

一般事項 化学分析について共通する一般事項は,JIS K 0050(化学分析通則)による。 

4.2 

比重 

4.2.1 

要旨 重ボーメ度うきばかりを用いて比重を測定する。 

4.2.2 

装置および器具 

(1) 重ボーメ度うきばかり 重ボーメ度うきばかり(以下,うきばかりという)は,JIS Z 8804(液体比

重測定方法)に規定したもので1目盛が0.2以下のものとし,メニスカスがよく出るように,使用前

にじゅうぶんに洗う。 

(2) 温 度 計 1目盛1deg以下のもの。 

(3) シリンダー ガラス製で,うきばかりの読みを妨げるひずみのないものとし,その大きさは,うきば

かりを試料に浮かべたとき,うきばかりの各部からシリンダーの内壁および底部まで10mm以上ある

こと。 

(4) かきまぜ棒 シリンダー中の試料の比重を一様にするため,じゅうぶんにかきまぜることのできるも

の。 

4.2.3 

操作 

(1) 試料の適量をシリンダーに入れて15℃に保つ。 

(2) かきまぜ棒を用いてじゅうぶんにかきまぜて,うきばかりの上端を軽くつかみ,あわの付かないよう

に注意して静かに試料中に浮かべる。 

(3) 静止したのち,さらに約2目盛を試料中に沈めて手を離す。 

(4) うきばかりが静止したのち,メニスカスの上縁に沿って示度を読みとる。 

(5) (3),(4)の操作を2,3回繰り返して行ない,その平均値をボーメ度とする。 

備考 15℃以外の温度ではかった場合は,つぎの式によって15℃のボーメ度の近似値が得られる。 

A=a− (15−t) ×0.04 

ここに 

A: 15℃に換算したボーメ度 

a: はかったボーメ度 

t: はかった温度 

0.04: 温度1degに対する補正値 

4.3 

二酸化けい素 

4.3.1 

要旨 試料を熱水に溶かし,塩酸を加えて蒸発乾固し,析出した二酸化けい素をろ別し,強熱して

重さをはかり,二酸化けい素を定量する。 

4.3.2 

試薬 

(1) 塩酸 

(2) 塩酸 (1+1)  

(3) 塩酸 (1+4)  

(4) 塩酸 (1+10)  

4.3.3 

装 置 

恒温乾燥器 110〜120℃に調節できるものを用いる。 

4.3.4 

操 作 

(1) 試料約1〜2gを1mgまで正しくはかりとり,熱水約50mlで蒸発ざらに移し入れる。 

(2) 塩酸5〜10mlを加えて水浴上で蒸発乾固する。 

K 1408-1966  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 残分に塩酸 (1+1) を加えて潤し,再び水浴上で蒸発乾固する。 

(4) 恒温乾燥器中で110〜120℃で約1時間加熱する。 

(5) 冷却後,塩酸 (1+4) 約50mlを加えて水浴上で約10分間加熱し,すみやかにろ過する。 

(6) 残分は初めは塩酸 (1+10) で洗い,つぎに洗液に塩素イオンの反応がなくなるまで温水で洗う。 

(7) ろ液および洗液を水浴上で蒸発乾固し,(3)から(6)までの操作を順次に行なって,析出した二酸化けい

素を(6)の残分と合わせる。 

(8) 重さ既知の白金るつぼに入れて約1000℃で恒量になるまで強熱する。 

4.3.5 

測定値の算出 つぎの式によって二酸化けい素 (%) を算出する。 

100

×

=SC

B

ここに 

B: 二酸化けい素 (%)  

C: 残 分 (g)  

S: 試 料 (g)  

4.4 

酸化ナトリウム 

4.4.1 

要 旨 試料を熱水に溶かし,メチルオレンジ指示薬を加え,塩酸で滴定して酸化ナトリウムを定

量する。 

4.4.2 

試 薬 

(1) メチルオレンジ指示薬 メチルオレンジ0.10gを水に溶かして100mlとする。 

(2) N/10塩酸 塩酸9.5〜10mlに水約11を加える。 

標定 JIS K 8005(容量分析用標準試薬)の炭酸ナトリウムをあらかじめ500〜650℃で40〜50分間

加熱し,デシケーター中で放冷し,その約0.1〜0.15gを0.1mgまで正しくはかりとり,水約25mlを

加えて溶かし,メチルオレンジ指示薬1〜2滴を加えてこの塩酸で滴定する。終点近くで煮沸して炭酸

を追い出し,冷却後滴定を続け,溶液の色が黄から黄赤となったところを終点とする。 

4.4.3 

操 作 

(1) 試料約2〜3gを1mgまで正しくはかりとり,ビーカーに移し入れ,熱水を加えて溶かす。冷却後メス

フラスコ250mlに移し入れ,水を加えて250mlとする。これを供試液とし,じゅうぶんに振りまぜて

用いる。 

(2) 供試液25mlをコニカルビーカー200mlに分取し,メチルオレンジ指示薬1〜2滴を加えてN/10塩酸で

滴定し,溶液の色が黄から黄赤となったところを終点とする。 

4.4.4 

測定値の算出 つぎの式によって酸化ナトリウム (%) を算出する。 

100

250

25

003099

.0

×

×

×

=

S

E

D

ここに 

D: 酸化ナトリウム (%)  

0.003099: N/10塩酸1mlに対する酸化ナトリウム相当量 (g)  

E: N/10塩酸の使用量 (ml)  

S: 試料 (g)  

4.5 

鉄 

4.5.1 

要 旨 試料に塩酸を加え,塩酸ヒドロキシルアミン溶液で鉄を還元し,酢酸アンモニウム溶液お

よびジピリジル溶液を加えて発色させ,その吸光度をJIS K 0115(吸光光度分析法通則)に準じて測定し

て鉄を定量する。 

K 1408-1966  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.5.2 

試 薬 

(1) 塩酸 (1+1)  

(2) 塩酸ヒドロキシルアミン溶液 (10w/v%)  塩酸ヒドロキシルアミン (NH2OH・HCl) 10gを水に溶かし

て100mlとする。 

(3) 酢酸アンモニウム溶液 (20w/v%)  酢酸アンモニウム (CH3COONH4) 20gを水に溶かして100mlとす

る。 

(4) α,α'−ジピリジル溶液 (0.1w/v%)  α,α'−ジピリジル (C10H8N2) 0.10gを水に溶かして100mlとする。 

(5) 鉄標準液 硫酸第二鉄アンモニウム〔Fe2 (SO4) 3 (NH4) 2SO4・24H2O〕8.63gを正しくはかりとり,硝酸 

(1+6) 10mlおよび水を加えて溶かし,メスフラスコ1lに移し入れ,水を加えて1lにする。この中か

ら10mlをメスフラスコ1lに分取し,硝酸 (1+6) 10mlを加え,水を加えて1lにする。この溶液1ml

は0.01mgのFeを含む。 

または純鉄0.10gを正しくはかりとり,じゃ管冷却器付きフラスコに移し入れ,硝酸 (1+3) 50ml

および水50mlを加え,加熱して完全に溶かす。冷却後,水を用いてメスフラスコ1lに移し入れ,水

を加えて1lにする。この中から100mlをメスフラスコ1lに分取し,水を加えて1lにする。この溶液

1mlは0.01mlのFeを含む。 

4.5.3 

装 置 

光電光度計または光電分光光度計 

4.5.4 

操 作 

(1) 4.4.3(1)の供試液25mlをメスフラスコ50mlに分取する。 

(2) 塩酸 (1+1) 1mlを加えてときどき振りまぜながら約10分間放置する。 

(3) 塩酸ヒドロキシルアミン溶液 (10w/v%) 1mlを加えて約10分間振りまぜて鉄を還元する。 

(4) 酢酸アンモニウム溶液 (20w/v%) 5ml(1)を加える。 

(5) α, α'−ジピリジル溶液 (0.1w/v%) 1mlを加え,水を加えて50mlにする。 

(6) じゅうぶんに振りまぜて約30分間放置して発色させる。 

(7) 光電光度計または光電分光光度計で波長520mμ付近の吸光度を測定し,あらかじめ作成した検量線(2)

によって鉄の量を求める。 

(8) 空試験として(2)〜(6)の操作を行なう。 

注(1) このときのpHは約5である。 

(2) 検量線の作り方 鉄標準液の一定量を段階的(試料中の鉄の含量とほぼ同量およびその上下)

にはかりとり,本文4.5.4の(2)以下の操作を行なって鉄の含量と吸光度との関係を示す検量線を

作成する。 

4.5.5 

測定値の算出 つぎの式によって鉄 (%) を算出する。 

100

×

=SH

G

ここに 

G: 鉄 (%)  

H: 検量線から求めた鉄 (g)  

S: 供試液中の試料 (g)  

4.6 

水不溶分 

4.6.1 

要 旨 試料を熱水に溶かし,ガラスろ過器でろ過し,残分を乾燥して重さをはかり,水不溶分を

定量する。 

K 1408-1966  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.6.2 

装置および器具 

(1) 恒温乾燥器 105〜110℃に調節できるものを用いる。 

(2) ろ 過 器 ガラスろ過器(るつぼ形)1G2または1G3を用いる。 

4.6.3 

操 作 

(1) 試料約20gを1mgまで正しくはかりとり,ビーカーに移し入れ,熱水約300mlに溶かす。 

(2) 重さ既知のガラスろ過器ですみやかにろ過し,温水で洗う。 

(3) 105〜110℃に調節した恒温乾燥器中で1時間乾燥し,デシケーター中で放冷したのち,不溶分の重さ

をはかる。 

4.6.4 

測定値の算出 つぎの式によって水不溶分 (%) を算出する。 

100

×

=SJ

I

ここに 

I: 水不溶分 (%)  

J: 不溶分 (g)  

S: 試料 (g)  

5. 表示 包装容器の外面には,つぎの事項を表示しなければならない。 

(1) 名 称 

(2) 種 類 

(3) 正味重さ 

(4) 製造年月日またはその略号 

(5) 製造業者名またはその略号 

参考 けい酸ナトリウムのモル比 Na2O・nSiO2のnをモル比と呼び,SiO2/Na2Oの分子比で表わされ

る。