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日本工業規格

JIS

 K

1353

-1986

乳酸

Lactic Acid

CH

3

・CH (OH)  ・COOH    FW : 90.08

1.

適用範囲  この規格は,工業薬品としての乳酸について規定する。

2.

種  類  乳酸の種類は,75%乳酸,50%乳酸及び 40%乳酸の 3 種類とする。

3.

品  質  乳酸の品質は,4.によって試験し,次の表の規定に適合しなければならない。

種  類

項  目

75%

乳酸 50%乳酸 40%乳酸

外観及びにおい

無色∼微黄色無臭又はほとんど

無臭澄明であること

無色∼微黄色無臭又はほとんど

無臭澄明であること

確認試験

確認できること

確認できること

確認できること

塩  化  物

直ちに濁らないこと

直ちに濁らないこと

硫  酸  塩

直ちに変化しないこと

直ちに変化しないこと

直ちに変化しないこと

重  金  属% 0.001 以下 0.001 以下

直ちに青が現れないこと

直ちに青が現れないこと

直ちに青が現れないこと

カルシウム

直ちに変化しないこと

直ちに変化しないこと

直ちに変化しないこと

糖  類

赤の沈殿を生じないこと

赤の沈殿を生じないこと

硫酸着色物

暗色が現れないこと

暗色が現れないこと

くえん酸・しゅう酸・

りん酸又は酒石酸

沈殿又は混濁を生じないこと

沈殿又は混濁を生じないこと

エーテル溶状

変化しないこと

揮発性脂肪酸

脂肪酸様臭気を発しないこと

脂肪酸様臭気を発しないこと

シアン化物及びフ

ェロシアン化物

緑∼青が現れないこと

緑∼青が現れないこと

強熱残分 %

0.1

以下 0.1 以下

1

以下

含  量 %

85

以上 50 以上 40 以上

4.

試験方法

4.1

試料採取方法  試料採取方法は,JIS K 1322(硫酸試験方法)の 5.3(1)による。

4.2

一般事項  試験において共通する一般事項は,JIS K 0050(化学分析方法通則)による。

                                                        

引用規格:4 ページに示す。


2

K 1353-1986

4.3

外観及びにおい  試料 5ml を内径 15mm の試験管に取り上方から調べる。

4.4

確認試験  試料に JIS K 8247[過マンガン酸カリウム(試薬)]に規定する過マンガン酸カリウムを

用いて調製した過マンガン酸カリウム溶液 (0.3%) を加え,加熱するとき生じるアセトアルデヒドのにお

いの有無を確認する。

4.5

    物  試料 1ml を水に溶かして 100ml とし,その 10ml に JIS K 8541[硝酸(試薬)]に規定す

る硝酸を用いて調製した硝酸 (10%) 2 滴及び JIS K 8550[硝酸銀(試薬)

]に規定する硝酸銀を用いて調製

した硝酸銀溶液 (1.7%) 1ml を加える。

4.6

    塩  75%乳酸及び 50%乳酸の場合は試料 1ml を水に溶かして 100ml とし,40%乳酸の場合は

試料 1ml を水に溶かして 500ml とし,その 10ml に JIS K 8180[塩酸(試薬)

]に規定する塩酸 2 滴及び JIS 

K 8155

[塩化バリウム(試薬)]に規定する塩化バリウムを用いて調製した塩化バリウム溶液 (12%) 1ml

を加える。

4.7

    属  重金属は,次のとおりとする。

(1)

試  薬

(a)

フェノールフタレイン溶液 (1%)   JIS K 8001(試薬試験方法通則)の 4.3(1)による。

(b)

アンモニア水 (10%)   JIS K 8085[アンモニア水(試薬)]に規定するアンモニア水(含量 25∼28%)

を用いて調製したもの。

(c)

塩酸 (10%)   JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製したもの。

(d)

硫化水素水  JIS K 8001 の 4.1 による。

(e)

硫化ナトリウム溶液  JIS K 8001 の 4.1 による。

(f)

鉛標準原液 (0.1mgPb/ml)   JIS K 8563[硝酸鉛(試薬)]に規定する硝酸鉛 159.8mg を 0.1mg まで

量り取り,JIS K 8541 に規定する硝酸(約 70%)1ml を加えた水 100ml に溶解し,更に水を加えて

1l

とする。本液の調製及び保存は,可溶性鉛塩を含まないガラス容器とする。

(g)

鉛標準液 (0.01mgPb/ml)   鉛標準原液 10ml を全量ピペットを用いて量り取り,水を加えて 100ml

としたもの。本液は,使用するときに調製する。

(2)

器  具  ネスラー管  JIS K 8001 の図 のもの。

(3)

操  作  試料 2g をネスラー管 (A) に量り取り,水 10ml を加えた後,フェノールフタレイン溶液 (1%)

1

滴を加え,微紅色になるまでアンモニア水 (10%) を滴加し,更に塩酸 (10%) 2.5ml 及び水を加えて

25ml

とする。別に,鉛標準液 2ml を全量ピペットを用いてネスラー管 (B) に量り取り,塩酸 (10%)

2.5ml

及び水を加えて 25ml とする。A,B 両管にそれぞれ水 10ml 及び硫化水素水 10ml ずつを加えて

混和し,10 分間放置するか,又は A,B 両管にそれぞれ水 10ml 及び硫化ナトリウム溶液 2 滴ずつを

加えて混和し,2 分間放置した後,管を白紙上に置き管の上部から液をとおして観察したとき,A の

溶液の色が,B の溶液の色より暗くないとき,0.001%以下とする。

4.8

鉄  75%乳酸及び 50%乳酸の場合は試料 1ml を水に溶かして 5ml とし,40%乳酸の場合は試料 1ml

を水に溶かして 100ml とし,その 5ml を塩酸酸性とし,JIS K 8802[フェロシアン化カリウム(試薬)

]に

規定するフェロシアン化カリウムを用いて調製したフェロシアン化カリウム溶液 (10%) を 2,

3

滴加える。

4.9

カルシウム  75%乳酸及び 50%乳酸の場合は,試料 1ml を水に溶かして 10ml とし,その 5ml に JIS K 

8001

の 4.1 に規定するしゅう酸アンモニウム溶液 (4%) を 2,3 滴加え,40%乳酸の場合は試料 1ml を水に

溶かして 200ml とし,その 5ml にしゅう酸アンモニウム溶液 (4%) を 0.5ml 加える。

4.10

糖  類  試料 5 滴を JIS K 8001 の 4.1 に規定するフェーリング溶液を約 100℃に加熱した熱フェーリ

ング溶液 10ml に加える。


3

K 1353-1986

4.11

硫酸着色物  試料 5ml を試験管中で等容量の JIS K 8951[硫酸(試薬)]に規定する硫酸の上に注意

して注入し 15℃に保ち,15 分間以内に界面に生じる輪環の色を調べる。

4.12

くえん酸・しゅう酸・りん酸又は酒石酸  試料 1ml を水に溶かして 10ml とし,これに JIS K 8575

[水酸化カルシウム(試薬)

]に規定する水酸化カルシウムを用いて調製した水酸化カルシウム飽和溶液

40ml

を加え 2 分間煮沸する。

4.13

エーテル溶状  試料 10ml に JIS K 8103[ジエチルエーテル(試薬)]に規定するジエチルエーテル

12ml

を混和する。

4.14

揮発性脂肪酸  試料 5ml をビーカーに取り,水浴上で加温する。

4.15

シアン化物及びフェロシアン化物  シアン化物及びフェロシアン化物は,次のとおりとする。

(1)

試  薬

(a)

水酸化ナトリウム溶液 (10%)   JIS K 8576[水酸化ナトリウム(試薬)]に規定する水酸化ナトリ

ウム 10.5g を水に溶かし,100ml としたもの。

(b)

硫酸第一鉄溶液 (10%)   JIS K 8001 の 4.1 による。

(c)

塩化第二鉄溶液 (10%)   JIS K 8001 の 4.1 による。

(d)

塩  酸  JIS K 8180 による。

(2)

操  作  試料 2ml に水酸化ナトリウム溶液 (10%) 約 10ml を加えてアルカリ性とし,これに硫酸第一

鉄溶液 (10%) 10 滴を加え,数分間加温した後冷却し,次に塩化第二鉄溶液 (10%) 1 滴及び塩酸 2ml

を加えて酸性とし,そのとき現れる色を調べる。

4.16

強熱残分  強熱残分は,次のとおりとする。

(1)

装置及び器具

(a)

るつぼ  容量 20∼30ml のもの。

(b)

電気炉  700∼750℃の温度範囲に調節できるもの。

(2)

操  作  試料約 2g をるつぼ(

1

)

に 0.1mg まで量り取り,徐々に加熱し 700∼750℃で強熱し炭化した後

放冷する。これに JIS K 8951 に規定する硫酸 1ml を加えて潤した後,注意して炭素が消失するまで低

温で熱し,るつぼをデシケーター中で放冷後,その質量を 0.1mg まで量る。

(

1

) 700

∼750℃で強熱し恒量とした後,質量を0.1mg まで量ったもの。

(3)

計  算  強熱残分は,次の式によって算出する。

100

1

2

×

=

W

W

A

ここに,

A

:  強熱残分 (%)

W

1

:  試料の質量 (g)

W

2

:  強熱後の残分の質量 (g)

4.17

含  量  含量は,次のとおりとする。

(1)

試  薬

(a)

  1mol/l (lN) 

水酸化ナトリウム溶液  JIS K 8001 の 4.4(20.1)による。

(b)

  0.5mol/(lN) 

硫酸  JIS K 8001 の 4.4(28.1)による。

(c)

フェノールフタレイン溶液 (1%)   4.7(1)(a)による。

(2)

操  作

(2.1)

  75%

乳酸及び 50%乳酸の場合  試料約 3g を 0.1mg まで量り取り,1mol/l (1N)  水酸化ナトリウム溶

液 40ml を加え,10 分間水浴上で加熱し,熱時 0.5mol/l (1N)  硫酸でフェノールフタレイン溶液 (1%)


4

K 1353-1986

を指示薬として過剰のアルカリを滴定する。次に同様の条件で空試験を行う。

(2.2)

  40%

乳酸の場合  試料約 3g を 0.1mg まで量り取り,約 100ml の水で共栓フラスコに洗い移し,更

に,水 100m1 及び 1mol/l (1N) 水酸化ナトリウム溶液 25ml を加え,栓をして室温に 30 分間放置し

た後,0.5mol/l (1N)  硫酸でフェノールフタレイン溶液 (1%) を指示薬として過剰のアルカリを滴定

する。次に,同様の条件で空試験を行う。

(3)

計  算  含量は,次の式によって算出する。

(

)

100

08

090

.

0

1

×

×

=

S

V

V

C

ここに,

C

含量 (%)

S

試料の質量 (g)

V

滴定に要した 0.5mol/l (1N)  硫酸の量 (ml)

V

1

空試験に要した 0.5mol/l (1N)  硫酸の量 (ml)

0.090 08

1mol/l (1N)

水酸化ナトリウム溶液 1ml の乳酸相当量 (g)

5.

表  示  乳酸の容器には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

種  類(

2

)

(2)

製造年又はその略号

(3)

製造業者名又はその略号

(

2

)

 75%

乳酸については,乳酸と表示してもよい。

引用規格:

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 1322

  硫酸試験方法

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8085

  アンモニア水(試薬)

JIS K 8103

  ジエチルエーテル(試薬)

JIS K 8155

  塩化バリウム(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8247

  過マンガン酸カリウム(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8563

  硝酸鉛(試薬)

JIS K 8575

  水酸化カルシウム(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8802

  フェロシアン化カリウム(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)