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K 1201-5 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

これによって,JIS K 1201 : 1950 は廃止され,JIS K 1201-1JIS K 1201-6 に置き換えられる。

JIS K 1201

は,一般名称を“工業用炭酸ナトリウム”として,次の各部によって構成する。

第 1 部  :かさ密度の求め方 
第 2 部  :250℃における加熱減量及び不揮発物の求め方 
第 3 部  :全可溶性アルカリ含有量の求め方−第 1 節:中和滴定法 
第 3 部  :全可溶性アルカリ含有量の求め方−第 2 節:電位差滴定方法 
第 4 部  :塩化ナトリウム含有量の求め方−ホルハルト改良法,電位差滴定方法 
第 5 部  :鉄含有量の求め方−1, 10−フェナントロリン吸光光度分析方法,原子吸光分析方法,高周波

誘導結合プラズマ発光分光分析方法

第 6 部  :50℃における水不溶物の求め方


2

K 1201-5 : 2000


日本工業規格

JIS

 K

1201-5

: 2000

工業用炭酸ナトリウム−

第 5 部:鉄含有量の求め方−

1, 10

−フェナントロリン吸光光度分析方法,

原子吸光分析方法,高周波誘導結合

プラズマ発光分光分析方法

Sodium carbonate for industrial use

Part 5 : Determination of iron content

1, 10-Phenanthroline molecular absorption spectrometry,

Atomic absorption spectrometry, and inductively

coupled plasma atomic emission spectrometry

1.

適用範囲  この規格は,工業用炭酸ナトリウムの鉄含有量を測定する,1, 10−フェナントロリン吸光

光度分析方法,原子吸光分析方法及び高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。

JIS K 0016

  鉄標準液

JIS K 0115

  吸光光度分析通則

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8359

  酢酸アンモニウム(試薬)

3.

定量方法の種類

a) 1,

10

−フェナントロリン吸光光度分析方法

b)

原子吸光分析方法

c)

高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法


2

K 1201-5 : 2000

4. 1, 

10

−フェナントロリン吸光光度分析方法

4.1

要旨  試料を中和し,微酸性溶液中で塩化ヒドロキシルアンモニウムで鉄(II)に還元した後,1, 10−

フェナントロリンを加え,pH 値を 3∼5 に調整し,生成するだいだい赤の鉄(II)錯体の吸光度を測定して鉄

を定量する。

4.2

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸 (11)    JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製したもの。

b)

フェノールフタレイン溶液 (10g/l)  JIS K 8001 の 4.4(指示薬)に規定するもの。

c)

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (100g/l)  JIS K 8001 の 4.2(試薬溶液)に規定するもの。

d)  1, 10

−フェナントロリン溶液 (2g/l)  JIS K 8001 の 4.2(試薬溶液)に規定するもの。

e)

酢酸アンモニウム溶液 (100g/l)  JIS K 8359 に規定する酢酸アンモニウムを用いて調製したもの。

f)

鉄標準液 (0.01mg/ml)  JIS K 8001 の 4.3(2)(標準液)に規定するもの,又は JIS K 0016 に規定するも

の。

4.3

装置  分光光度計又は光電光度計  JIS K 0115 に規定するもの。

4.4

操作  操作は,次のとおり行う。

4.4.1

試料の採取と保存は,次による。

a)

試料採取

器具は,次による。

1)

スコップ

図 に示すような形状で,ステンレス鋼など適切な材質で作られたものを使用する。

2)

さし

図 に示すような形状で,ステンレス鋼など適切な材質で作られたものを使用する。

b)

試料採取の操作

1)

小形容器の場合

紙袋の場合は,口部又は胴部からスコップ若しくはさしを用いて採取する。

フレキシブルコンテナの場合は,充てん口からスコップを用いて採取する。

2)

大形容器の場合

ベルトコンベヤなどの搬送機の落ち口でスコップを用いて採取する。

c)

試料の保存方法

1)

密閉可能な容器(例えば,広口瓶)に 500g を入れて密栓する。

2)

容器に次の項目を表示する。

・  試料の由来

・  認知事項

・  試料を採取した日


3

K 1201-5 : 2000

図 1  採取器具の例

4.4.2

試験操作は,次による。

a)

試料約 5g をビーカー300ml に,0.1g まで量り取る。

b)

水約 50ml を加えて溶解し,指示薬としてフェノールフタレイン溶液 (10g/l)  数滴を加え,液の紅色が

消えるまで塩酸 (1+1)  を加えて中和し,さらに,塩酸 (1+1) 4ml を過剰に加える。

c)

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (100g/l) 1ml を加え,数分間静かに煮沸する。室温に冷却後,全

量フラスコ 100ml に移し入れ,水を加えて約 80ml の液量にする。

d) 1,

10

−フェナントロリン溶液 (2g/l) 3ml を加えて振り混ぜ,続いて pH 値が 3∼5 になるように酢酸ア

ンモニウム溶液 (100g/l) 15ml を加えて振り混ぜ,水を標線まで加えて振り混ぜる。

e)

d)

で得た溶液の一部を吸収セル 10∼50mm に移し取り,JIS K 0115 の 6.1(複光束方式における測定)

によって,溶液の吸光度を波長 510nm 付近で測定する。対照液は f)の空試験の溶液を用いる。

f)

空試験の溶液は,b)で用いた塩酸 (1+1)  の同量をビーカー300ml に取り,水浴上で蒸発乾固した後,

水を加えて溶解し,次に c)e)の操作を行い,溶液の吸光度を補正する。

g)

検量線は,3∼5 個のビーカー300ml に鉄標準液を段階的に添加(

1

)

し,水を加えて溶解し,次に c)e)

の操作を行い,鉄量と吸光度の関係線を作成する。

(

1

)

鉄標準液の添加量は,d)で得た溶液中の鉄の予想含有量及びその前後を含むことが望ましい。

4.5

計算  検量線から鉄の値を求め,試料中の鉄は,次の式によって算出する。

100

)

100

/

100

(

10

3

×

×

×

=

B

W

a

E

ここに,

E

:  鉄 (Fe) (%)

a

:  検量線から求めた鉄の値 (mg)

W

:  試料の質量 (g)

B

:  試料の加熱減量 (%)


4

K 1201-5 : 2000

5.

原子吸光分析方法

5.1

要旨  試料を塩酸で酸性とし,原子吸光分析装置を用いて鉄を定量する。

5.2

試薬  試薬は,次による。

a)

メチルオレンジ溶液 (1g/l)  JIS K 8001 の 4.4(指示薬)に規定するもの。

b)

塩酸 (11)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製したもの。

c)

鉄標準液 (0.01mg/ml)  JIS K 8001 の 4.3(2)(標準液)に規定するもの,又は JIS K 0016 に規定するも

の。

5.3

装置  装置は,次による。

a)

原子吸光分析装置  JIS K 0121 に規定するもの。

b)

鉄中空陰極ランプ

5.4

操作  操作は,次のとおり行う。

5.4.1

試料の採取と保存は,次による。

a)

試料採取

器具は,次による。

1)

スコップ

図 に示すような形状で,ステンレス鋼など適切な材質で作られたものを使用する。

2)

さし

図 に示すような形状で,ステンレス鋼など適切な材質で作られたものを使用する。

b)

試料採取の操作

1)

小形容器の場合

紙袋の場合は,口部又は胴部からスコップ若しくはさしを用いて採取する。

フレキシブルコンテナの場合は,充てん口からスコップを用いて採取する。

2)

大形容器の場合

ベルトコンベヤなどの搬送機の落ち口でスコップを用いて採取する。

c)

試料の保存方法

1)

密閉可能な容器(例えば,広口瓶)に 500g を入れて密栓する。

2)

容器に次の項目を表示する。

・  試料の由来

・  認知事項

・  試料を採取した日

5.4.2

試験操作は,次による。

a)

試料約 50g/をビーカー500ml に,0.1g まで量り取る。

b)

水約 300ml を加えて溶解し,指示薬としてメチルオレンジ溶液 (1g/l)  数滴を加え液が赤黄から赤にな

るまで塩酸 (1+1)  を加えて中和し,更に塩酸 (1+1) 5ml を過剰に加え,5 分間煮沸する。室温に冷

却後,全量フラスコ 500ml に移し入れ,水を標線まで加えて振り混ぜる。

c)

b)

で得た溶液 25ml を全量ピペットを用いて全量フラスコ 100ml に移し入れ,水を標線まで加えて振り

混ぜる。

d)

標準添加試料として,b)で得た溶液 25ml を全量ピペットを用いて 3∼5 個の全量フラスコ 100ml に移

し取り,鉄標準液を段階的に添加(

2

)

し,水を標線まで加えて振り混ぜる。

(

2

)

鉄標準液の添加量は,b)で得た溶液25ml 中の鉄の予想含有量及びその前後を含むことが望まし

い。

e)

JIS K 0121

の 6.(操作方法)によって c)d)で得た溶液の吸光度を,原子吸光分析装置を用いて波長


5

K 1201-5 : 2000

248.3nm

で測定する。

f)

空試験の溶液は,b)で中和に用いた塩酸 (1+1)  の同量をビーカー300ml に取り,水浴上で蒸発乾固し

た後,塩酸 (1+1) 5ml を加えて溶解し,全量フラスコ 500ml に移し入れ,水を標線まで加えて振り混

ぜる。この溶液 25ml を全量ピペットを用いて全量フラスコ 100ml に移し入れ,水を標線まで加えて

振り混ぜる。次に e)の操作で吸光度を補正する。

g)

JIS K 0121

の 7.1(2)(標準添加法)に規定する標準添加法(

3

)

によって,鉄量と吸光度の関係線を作成

する。

(

3

)

この方法は,標準添加法を採用しているが,共存塩類の影響を考慮した検量線法を用いてもよ

い。

5.5

計算  検量線から鉄の値を求め,試料中の鉄は,次の式によって算出する。

100

)

100

/

100

(

500

/

25

10

3

×

×

×

×

B

W

a

E

ここに,

E

:  鉄 (Fe) (%)

a

:  検量線から求めた鉄の値 (mg)

W

:  試料の質量 (g)

B

:  試料の加熱減量 (%)

6.

高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法

6.1

要旨  試料を塩酸で酸性とし,高周波誘導結合プラズマ発光分析装置を用いて鉄を定量する。

6.2

試薬  試薬は,次による。

a)

メチルオレンジ溶液 (1g/l)  JIS K 8001 の 4.4(指示薬)に規定するもの。

b)

塩酸 (11)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製したもの。

c)

鉄標準液 (0.01mg/ml)  JIS K 8001 の 4.3(2)(標準液)に規定するもの,又は JIS K 0016 に規定するも

の。

6.3

装置  高周波誘導結合プラズマ発光分析装置,JIS K 0116 に規定するもの。

6.4

操作  操作は,次のとおり行う。

6.4.1

試料の採取と保存は,次による。

a)

試料採取

器具は,次による。

1)

スコップ

図 に示すような形状で,ステンレス鋼など適切な材質で作られたものを使用する。

2)

さし

図 に示すような形状で,ステンレス鋼など適切な材質で作られたものを使用する。

b)

試料採取の操作

1)

小形容器の場合  紙袋の場合は,口部又は胴部からスコップ若しくはさしを用いて採取する。

フレキシブルコンテナの場合は,充てん口からスコップを用いて採取する。

2)

大形容器の場合  ベルトコンベヤなどの搬送機の落ち口でスコップを用いて採取する。

c)

試料の保存方法

1)

密閉可能な容器(例えば,広口瓶)に 500g を入れて密栓する。

2)

容器に次の項目を表示する。

・  試料の由来

・  認知事項


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K 1201-5 : 2000

・  試料を採取した日

6.4.2

試験操作は次による。

a)

試料約 50g をビーカー500ml に,0.1g まで量り取る。

b)

水 300ml を加えて溶解し,指示薬としてメチルオレンジ溶液 (1g/l)  数滴を加え,液が赤黄から赤にな

るまで塩酸 (1+1)  を加えて中和し,さらに,塩酸 (1+1) 5ml を過剰に加え,5 分間煮沸する。室温

に冷却後,全量フラスコ 500ml に移し入れ,水を標線まで加えて振り混ぜる。

c)

b)

で得た溶液 25ml を全量ピペットを用いて全量フラスコ 100ml に移し入れ,水を標線まで加えて振り

混ぜる。

d)

標準添加試料として,b)で得た溶液 25ml を全量ピペットを用いて 3∼5 個の全量フラスコ 100ml に移

し取り,鉄標準液を段階的に添加(

4

)

し,水を標線まで加えて振り混ぜる。

(

4

)

鉄標準液の添加量は,b)で得た溶液25ml 中の鉄の予想含有量及びその前後を含むことが望まし

い。

e)

JIS K 0116

によって c)d)で得た溶液の発光強度を,高周波誘導結合プラズマ発光分析装置を用いて

波長 259.8nm で測定(

5

)

する。

(

5

)

測定波長は,機器の特性などに応じて他の適正な波長を選んでもよい。

f)

空試験の溶液は,b)で中和に用いた塩酸 (1+1)  の同量をビーカー300ml に取り,水浴上で蒸発乾固し

た後,塩酸 (1+1) 5ml を加えて溶解し,全量フラスコ 500ml に移し入れ,水を標線まで加えて振り混

ぜる。この溶液 25ml を全量ピペットを用いて全量フラスコ 100ml に移し入れ,水を標線まで加えて

振り混ぜる。次に e)の操作で発光強度を測定し,溶液の発光強度を補正する。

g)

JIS K 0116

の 5.8.3(2)(標準添加法)に規定する標準添加法(

6

)

によって,鉄量と発光強度の関係線を作

成する。

(

6

)

この方法は,標準添加法を採用しているが,共存塩類の影響を考慮した検量線法を用いてもよ

い。

6.5

計算  検量線から鉄の値を求め,試料中の鉄は,次の式によって算出する。

100

)

100

/

100

(

500

/

25

10

3

×

×

×

×

=

B

W

a

E

ここに,

E

:  鉄 (Fe) (%)

a

:  検量線から求めた鉄の値 (mg)

W

:  試料の質量 (g)

B

:  試料の加熱減量 (%)


7

K 1201-5 : 2000

ソーダ関連製品 JIS 原案作成委員会及び分科会  構成表

氏名

所属

委員会

分科会

(委員長)

松  野  武  雄

横浜国立大学名誉教授

(委員)

西  出  徹  雄

通商産業省基礎産業局化学課

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院標準部

高  橋  和  夫

通商産業省製品評価技術センター

中  村      進

物質工学工業技術研究所

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

神  代      啓

社団法人日本化学工業協会

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

吉  田  儀  章

化成品工業協会

渡  辺  浄  光

日本石鹸洗剤工業会

堀      定  男

日本製紙連合会

佐  藤  邦  弘

日本化学工業株式会社

湯  村  崇  男

日本化学繊維協会

一  戸  正  憲

社団法人日本水道協会

小  野      宏

旭化成工業株式会社

橋  本  俊  夫

旭硝子株式会社

安  食  亮  伍

旭化成工業株式会社

大  津  健  治

ダイソー株式会社

新  宮  領  宏

鐘淵化学工業株式会社

西  尾  圭  司

日本曹達株式会社

鈴  木  邦  彦

東亞合成株式会社

片  岡      基

株式会社トクヤマ

武  居  弘  記

東ソー株式会社

藤  井      昇

鶴見曹達株式会社

須  永  忠  典

日本ソーダ工業会

(事務局)

三  須      武

社団法人日本化学工業協会

内  田  幹  雄

社団法人日本化学工業協会

宮  越  正  行

日本ソーダ工業会

(◎分科会主査)

(文責  橋本俊夫)