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K 1200-9-1 : 2000 

(1) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

今回の制定は,日本工業規格を国際規格に整合させるために,ISO 3697 : 1976を基礎として用いた。 

これによってJIS K 1200 : 1968は廃止され,JIS K 1200-1〜JIS K 1200-10に置き換えられる。 

JIS K 1200-9-1には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) 注意事項 

JIS K 1200は,一般名称を“工業用水酸化ナトリウム”として,次の各部で構成する。 

第1部 比重又は密度の求め方 

第2部 全アルカリ,水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウム含有量の求め方 

第3部 塩化物含有量の求め方− 

 第1節 チオシアン酸水銀 (II) 吸光光度分析方法 

 第2節 ホルハルト改良法,イオンクロマトグラフ分析方法 

第4部 硫酸ナトリウム含有量の求め方 

第5部 けい素含有量の求め方−高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法 

第6部 鉄含有量の求め方−原子吸光分析方法,高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法 

第7部 アルミニウム含有量の求め方 

第8部 カルシウム含有量の求め方− 

 第1節 原子吸光分析方法 

 第2節 高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法 

第9部 マグネシウム含有量の求め方− 

 第1節 原子吸光分析方法 

 第2節 高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法 

第10部 マンガン含有量の求め方 


 

(1) 

日本工業規格          JIS 

 

K 1200-9-1 : 2000 

 

 

工業用水酸化ナトリウム− 

第9部:マグネシウム含有量の求め方− 

第1節:原子吸光分析方法 

Sodium hydroxide for industrial use− 

Part 9 : Determination of magnesium content− 

Section 1 : Flame atomic absorption spectrometry 

 

 

序文 この規格は1976年に第1版として発行されたISO-3697, Sodium hydroxide for industrial use−

Determination of calcium and magnesium contents−Flame atomic absorption methodを元に技術的内容を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。 

 なお,この規格で点線の下線を施した箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

 

1. 適用範囲 この規格は,工業用水酸化ナトリウムの原子吸光分析方法によるマグネシウム含有量の求

め方について規定する。 

本法は,Mg含有量が次に示す以上の製品に適用できる。 

アセチレン・空気炎使用    :0.5mg/kg 

アセチレン・一酸化二窒素炎使用:1.0mg/kg 

備考1. ISO 3697 : 1976の規定内容のカルシウム含有量の試験方法は,JIS K 1200-8-1に規定した。 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 3697 : 1976 Sodium hydroxide for industrial use−Determination of calcium and magnesium contents

−Flame atomic absorption method 

3. 水酸化ナトリウム及び水酸化ナトリウム液の取り扱い上の注意については,附属書(参考)

を参照する。 

 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。 

これらの引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。 

JIS K 0121 原子吸光分析通則 

JIS K 1200-8-1 工業用水酸化ナトリウム−第8部:カルシウム含有量の求め方−第1節:原子吸光分

析方法 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 


K 1200-9-1 : 2000  

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

ISO 3195 Sodium hydroxide for industrial use−Sampling−Test sample−Preparation of the main solution 

for carrying out certain determinations 

 

3. 原理 試料を塩酸で酸性とし,原子吸光分析方法によってアセチレン・一酸化二窒素炎の場合はその

まま,アセチレン・空気炎の場合は妨害物を除くためランタンイオンを添加後,マグネシウムを定量する。 

 

4. 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

分析に用いる試薬類は,分析用として認可されているものを用いる。水は供ずりの接合部をもつほうけ

い酸ガラス製装置による再蒸留水か,これと同等の純度をもつものを使用する。 

a) 塩酸 JIS K 8180に規定する塩酸。 

b) 塩化ランタン溶液 (5g/l)(1) 次のいずれかにより調製する。 

1) 酸化ランタン (La2O3) 5.9gを水15ml及び塩酸15mlに溶解し,全量フラスコ1 000mlに移し入れ,

水を標線まで加え振り混ぜる。 

2) 塩化ランタン7水塩 (LaCl3・7H2O) 13.4gを水に溶解し,全量フラスコ1 000mlに移し入れ,水を標

線まで加え振り混ぜる。 

注(1) この溶液は,アセチレン・一酸化二窒素炎使用時には,必要としない。また,この溶液20mlを

全量フラスコ100mlに取り,水を標線まで加えて希釈した溶液のMgの含有量は,1

洀最一

  洀汎

下であること。 

さらに,このMgの量はc)水酸化ナトリウムの純度の検定の際,これらの値を用いて計算で

きるように記録しておく。 

c) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム 7.d)の標準液を添加しない溶液の吸光

度に対応するMgの量が,0.5

洀李

下であることを確認する。塩化ランタン溶液 (5g/l) を使用した場

合は,これによるMgの量を差し引いたあとの値が0.5

洀李

下であること。 

d) 塩化ナトリウム酸性溶液 (58.5g/l)(2) 水酸化ナトリウム20.0gをポリエチレンビーカー500mlに取る。

水100mlに冷却しながら溶解し,注意深く冷却しながら塩酸80mlを加えて酸性とする。この溶液を

コニカルフラスコ500mlに移し,5分間煮沸後放冷し全量フラスコ500mlに移し,水を標線まで加え

て振り混ぜる。 

注(2) 高純度の塩化ナトリウムが入手できる場合は,次に示すように調製してもよい。 

塩化ナトリウム29gをコニカルフラスコ500mlに取る。水250mlと塩酸40mlを加え溶解し,5分

間煮沸後放冷し全量フラスコ500mlに移し,水を標線まで加えて振り混ぜる。 

e) マグネシウム標準液 (0.100mgMg/ml)(3) 高純度金属マグネシウム(99.95%以上)0.100 0gをビーカー

250mlに0.000 1gまで量り取る。塩酸10m1及び水15mlを加えて溶解する。全量フラスコ1 000mlに

移し入れ水を標線まで加えて振り混ぜる。 

注(3) 市販の原子吸光用標準液を使用してもよい。 

f) 

マグネシウム標準液 (0.010mgMg/ml)  マグネシウム標準液 (0.100mgMg/ml) 20.0mlを全量フラスコ

200mlに取り,水を標線まで加えて振り混ぜる。この溶液は,使用の都度調製する(4)。 

注(4) この標準液は,JIS K 8001 4.3(2)に規定する方法で調製してもよい。 

 

5. 装置 装置は,次のとおりとする。 


K 1200-9-1 : 2000  

a) 原子吸光分析装置 JIS K 0121に規定するもので,アセチレン・空気炎用,又はアセチレン・一酸化

二窒素炎用のバーナーヘッドを備えたもの。 

b) マグネシウム中空陰極ランプ 

 

6. 操作 

a) すり合わせ付きガラスひょう量瓶に,NaOHとして約40gに相当する水酸化ナトリウム又は水酸化ナ

トリウム液を0.01gまで正しく量り取る〔ISO 3195参照[この規定内容を次のb)に示す。]〕。 

b) 水酸化ナトリウムの場合,水200mlを加えて溶解し,室温に冷却した後全量フラスコ1 000mlに移し,

水を標線近くまで加えて再び室温に冷却し,さらに水を標線まで加えて振り混ぜる。 

水酸化ナトリウム液の場合,直接全量フラスコ1 000mlに移し,水を標線近くまで加えて室温に冷却

した後さらに水を標線まで加えて振り混ぜる。 

全量フラスコ1 000mlの標線まで希釈した後,気密が保てる乾燥したポリエチレン瓶に移す。 

c) b)で得た溶液25.0mlをコニカルフラスコ100mlに移し取り,水20mlを加え,緩やかに塩酸4.0mlを

加える。静かに5分間煮沸し冷却後全量フラスコ100mlに移す。アセチレン・空気炎を用いるときは,

塩化ランタン溶液20mlを加え,水を標線まで加えて振り混ぜる。 

d) 別に,五つの全量フラスコ100mlに,各々塩化ナトリウム酸性溶液25mlを入れ,アセチレン・空気

炎を用いるときは,塩化ランタン溶液20mlを加える。次いで,マグネシウム標準液 (0.010mgMg/ml) 0,

0.2,1.0,2.0,4.0mlを加え,水を標線まで加えて振り混ぜる。 

e) JIS K 0121の6.(操作方法)によって,c),d)で得た溶液の吸光度を,原子吸光分析装置を用いて,

波長285.2nm付近で測定する。 

f) 

空試験の溶液は,b)で得た溶液を除き,c)と同じ操作によって調製する。以下e)の操作で吸光度を測

定し,溶液の吸光度を補正する。 

g) d)で得た溶液の吸光度によって,マグネシウム量と吸光度の関係を示す検量線を作成する。 

h) 照合試験として,既知量のマグネシウム標準液 (0.010mgMg/ml) を添加してc)の操作を繰り返し,妨

害のないことを立証する。妨害が検知されたときは,c)に規定した方法で調製した溶液を基にして,

JIS K 0121の7.1(2)に規定する標準添加法によって測定を繰り返す。 

 

7. 計算 試料中のマグネシウム含有量は,次の式によって算出する。 

3

2

0

1

1

A

A

W

A

A

m

40

A

 

ここに, 

A: マグネシウム (Mg) (mg/kg) 

 

A0: 空試験溶液f)の吸光度 

 

A1: 試験溶液c)の吸光度 

 

A2: 試験溶液の吸光度に最も近い二つの標準溶液d)の吸光

度の平均値 

 

A3: マグネシウム標準液 (0.010mgMg/ml) 0mlを添加した標

準溶液d)の吸光度 

 

W: 試料採取量 (g) 

 

m1: 試験溶液の吸光度に最も近い二つの標準溶液d)のマグ

ネシウム量の平均値 (

洀最

 

参考 標準添加法によるマグネシウム含有量は,次の式によって算出する。 


K 1200-9-1 : 2000  

000

 1/

25

W

m

A

2

 

ここに, 

A: マグネシウム (Mg) (mg/kg) 

 

W: 試料採取量 (g) 

 

m2: 検量線から求めたマグネシウム量 (

洀最

 


K 1200-9-1 : 2000  

附属書(参考) 注意事項 

この附属書(参考)は,本体の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

 

1. 一般的注意事項 

a) 水酸化ナトリウム及び水酸化ナトリウム液は,毒物及び劇物取締法によって劇物として規定されてい

るので法規に従い,取り扱いには十分な注意が必要である。 

b) 試料容器は,運搬に適するもので,かつ,容器の破損が起きにくい構造,材質のものとする。また,

水酸化ナトリウムの容器は吸湿しないように気密できるものとする。 

c) 試料採取作業員には,あらかじめ水酸化ナトリウム及び水酸化ナトリウム液取り扱い時の危険性を十

分に教育し,危険に対する注意を指示しておく。 

d) 試料採取は危険を伴うから,必要な保安上の知識をもつ者によって,又はその監督下で行われなけれ

ばならない。 

e) 試料採取作業に当たっては,保護眼鏡,ゴム手袋,ゴム靴,ゴム,ビニール衣などの保護具を着装す

ること。また,ミストや粉じんが飛散する所では,防じんマスクを着用する。 

 

2. 試料採取上の注意事項 

a) パイプラインから試料を採取する場合は,水酸化ナトリウム液が漏えい及び飛散するおそれがあるた

め,採取量を明確にし,かつ,流量を適切に調整できるようにしておくこと。 

b) 事故の際,試料採取場所の安全を確保するため,バルブなどによる流量の調整ができるように配慮し

ておくことが望ましい。 

c) 漏えいした水酸化ナトリウム液を安全に集めることのできる容器(砂,炭酸水素ナトリウムなどを一

緒に回収が可能なもの)を用意し,かつ,試料採取作業員を保護するため,水酸化ナトリウム液の飛

散を防ぐような配慮が望ましい。 

d) 水酸化ナトリウム及び水酸化ナトリウム液には,爆発性及び引火性はないが,両性金属などと反応す

ると水素を発生し爆発するおそれがあるので,万一容器の破損に備え,酸,金属,爆薬,有機過酸化

物などからは離しておくことが望ましい。 


K 1200-9-1 : 2000  

解説表3 ソーダ関連製品JIS原案作成委員会 構成表 

 

 

氏名 

所属 

(委員長) 

 

松 野 武 雄 

横浜国立大学名誉教授 

(委員) 

 

西 出 徹 雄 

通商産業省基礎産業局化学課 

 

 

大 嶋 清 治 

通商産業省工業技術院標準部 

 

 

高 橋 和 夫 

通商産業省製品評価技術センター 

 

 

中 村   進 

物質工学工業技術研究所 

 

 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

 

 

神 代   啓 

社団法人日本化学工業協会 

 

 

並 木   昭 

財団法人化学品検査協会 

 

 

吉 田 儀 章 

化成品工業協会 

 

 

渡 辺 浄 光 

日本石鹸洗剤工業会 

 

 

堀   定 男 

日本製紙連合会 

 

 

佐 藤 邦 弘 

日本化学工業株式会社 

 

 

湯 村 崇 男 

日本化学繊維協会 

 

 

一 戸 正 憲 

社団法人日本水道協会 

 

 

小 野   宏 

旭化成工業株式会社 

 

 

橋 本 俊 夫 

旭硝子株式会社 

 

 

安 食 亮 伍 

旭化成工業株式会社 

 

 

西 尾 圭 司 

日本曹達株式会社 

 

 

片 岡   基 

株式会社トクヤマ 

 

 

藤 井   昇 

鶴見曹達株式会社 

 

 

須 永 忠 典 

日本ソーダ工業会 

(事務局) 

 

三 須   武 

社団法人日本化学工業協会 

 

 

内 田 幹 雄 

社団法人日本化学工業協会 

 

ソーダ関連製品JIS分科会 構成表 

 

 

氏名 

所属 

(主査) 

 

小 野   宏 

旭化成工業株式会社 

 

 

橋 本 俊 夫 

旭硝子株式会社 

 

 

安 食 亮 伍 

旭化成工業株式会社 

 

 

大 津 健 治 

ダイソー株式会社 

 

 

新宮領   宏 

鐘淵化学工業株式会社 

 

 

西 尾 圭 司 

日本曹達株式会社 

 

 

鈴 木 邦 彦 

東亞合成株式会社 

 

 

片 岡   基 

株式会社トクヤマ 

 

 

武 居 弘 記 

東ソー株式会社 

 

 

藤 井   昇 

鶴見曹達株式会社 

 

 

須 永 忠 典 

日本ソーダ工業会 

(事務局) 

 

三 須   武 

社団法人日本化学工業協会 

 

 

宮 越 正 行 

日本ソーダ工業会 

 

 

 

(文責 武居弘記)