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K 1200-3-1 : 2000  

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

今回の制定は,日本工業規格を国際規格に整合させるために,ISO 3197 : 1975を基礎として用いた。 

これによって,JIS K 1200 : 1968は廃止され,JIS K 1200-1〜JIS K 1200-10に置き換えられる。 

JIS K 1200-3-1には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) 注意事項 

JIS K 1200は,一般名称を“工業用水酸化ナトリウム”として,次の各部で構成する。 

第1部  :比重又は密度の求め方 

第2部  :全アルカリ,水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウム含有量の求め方 

第3部  :塩化物含有量の求め方− 

  第1節:チオシアン酸水銀(II)吸光光度分析方法 

  第2節:ホルハルト改良法,イオンクロマトグラフ分析方法 

第4部  :硫酸ナトリウム含有量の求め方 

第5部  :けい素含有量の求め方−高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法 

第6部  :鉄含有量の求め方−原子吸光分析方法,高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法 

第7部  :アルミニウム含有量の求め方 

第8部  :カルシウム含有量の求め方− 

  第1節:原子吸光分析方法 

  第2節:高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法 

第9部  :マグネシウム含有量の求め方− 

  第1節:原子吸光分析方法 

  第2節:高周波誘導結合プラズマ発光分光分析方法 

第10部  :マンガン含有量の求め方


 

 

日本工業規格          JIS 

 

K 1200-3-1 : 2000 

 

 

工業用水酸化ナトリウム− 

第3部:塩化物含有量の求め方− 

第1節:チオシアン酸水銀(II)吸光光度分析方法 

Sodium hydroxide for industrial use− 

Part 3:Determination of chlorides content− 

Section 1:Mercury(II) thiocyanate photometry 

 

 

序文 この規格は,1975年に第1版として発行されたISO 3197 Sodium hydroxide for industrial use−

Determination of chlorides content−Photometric methodを元に,対応する部分については技術的内容を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施した箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

 

1. 適用範囲 この規格は,工業用水酸化ナトリウムのチオシアン酸水銀(II)吸光光度分析方法による塩化

物の求め方について規定する。 

この試験法は,塩化ナトリウムとして0.0003 3%〜0.008 2%を含む製品の試験に用いる。 

備考1. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 3197 : 1975 Sodium hydroxide for industrial use−Determination of chlorides content−

Photometric method 

2. 水酸化ナトリウム及び水酸化ナトリウム液の取扱い上の注意については,附属書(参考)を

参照する。 

 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。 

これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8559 硝酸鉄(III)九水和物(試薬) 

JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬) 

JIS K 9519 チオシアン酸水銀(II)(試薬) 


K 1200-3-1 : 2000  

ISO 3195  Sodium hydroxide for industrial use−Sampling−Test Sample−Preparation of the main solution 

for carrying out certain determinations 

 

3. 原理 試料中に含有する塩素イオンをチオシアン酸水銀(II)のチオシアンイオンと定量的に置換させ,

チオシアンイオンと鉄(III)の硝酸塩との反応によって,鉄(III)のチオシアン酸塩(赤色)を生成させる。色

調の吸光光度測定は約450nmの波長で行う。 

2NaCl+Hg (SCN) 2→HgCl2+2NaSCN 

3NaSCN+Fe (NO3) 3→3NaNO3+Fe (SCN) 3 

 

4. 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

試薬の調製と保存は,試料採取と測定の場合と同様に,塩素や塩酸の存在しない雰囲気下で行う。分析

試薬は,試薬グレード,2回蒸留した蒸留水又はJIS K 0557に規定する水を使用する。 

a) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの 

b) 硝酸鉄(III)溶液 (8gFe/l)(1) コニカルフラスコ500mlに水80mlと純鉄線(純度99.5%以上)4.0gを入

れる。 

これに硝酸80mlを注意しながら加え,徐々に加熱する。穏やかに煮沸し反応を完結させ,亜硝酸

のヒュームが完全になくなるまで続ける。過酸化水素溶液 (30wt%) を数滴加えて溶液を脱色し,さら

に数分間煮沸する。冷却後全量フラスコ500mlに移し,水を標線まで加えて振り混ぜる。 

注(1) JIS K 8559に規定する硝酸鉄(III)九水和物を用いて調製してもよい。 

参考 硝酸鉄(III)溶液 (8gFe/l) の代わりに,硫酸アンモニウム鉄(III)・12水溶液 (50g/l) を使用しても

よい。 

この溶液は,次に示す方法で調製する。 

JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水5gを硝酸(1+1)75mlに溶解し,水を加

えて100mlとする。 

c) チオシアン酸水銀(II)溶液 (0.5g/l)  JIS K 9519に規定するチオシアン酸水銀(II)0.100gを0.001gまで

量り取り,50℃で180mlの水にかくはんしながら溶解する。これを全量フラスコ200mlにろ過しなが

ら移し,水を標線まで加えて振り混ぜる。この溶液は,使用の都度調製する。 

d) 塩化ナトリウム標準溶液 (0.100mgCl/ml)  JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の塩化ナトリ

ウムを,あらかじめ500℃で約1時間加熱し,デシケーター中で放冷する。この0.165gを0.001gまで

ひょう量し,水に溶かし全量フラスコ1 000mlに移し入れ,水を標線まで加えて振り混ぜる。 

e) 塩化ナトリウム標準溶液 (0.010mgCl/ml)  塩化ナトリウム標準溶液 (0.100mgCl/ml) 20.0mlを全量フ

ラスコ200mlに取り,水を標線まで加えて振り混ぜる。この溶液は,使用の都度調製する。 

f) 

フェノールフタレイン溶液(10g/lエタノール95%溶液) JIS K 8001の4.4(指示薬)に規定するも

の。 

 

5. 装置 装置は,次のとおりとする。 

使用する吸収セルを硝酸溶液で洗浄し,2回蒸留水で洗浄すること。 

a) 分光光度計又は450nm付近に最大吸収をもつフィルタを装着した光電光度計JIS K 0115に規定するも

の。 

 


K 1200-3-1 : 2000  

6. 操作 操作は,次のとおりとする。 

a) ポリエチレンビーカーにNaOHとして20gに相当する水酸化ナトリウム,又は水酸化ナトトリウム液

を0.01gまで量り取る[ISO 3195参照(この規定内容を次のb)に示す。)]。 

b) 水を加えて溶解し,室温まで冷却した後,全量フラスコ100mlに移し水を標線まで加えて振り混ぜる。 

c) この溶液10.0mlを全量フラスコ50mlに取り,フェノールフタレイン溶液(10g/lエタノール95%溶液)

3滴を加え,硝酸をゆっくり加えて中和する。かくはんしながら流水下で冷却する。硝酸をさらに5ml

加え,次に硝酸鉄(III)溶液 (8gFe/l) 5mlとチオシアン酸水銀(II)溶液 (0.5g/l) 20mlを加えた後,水を標

線まで加えて振り混ぜ30分間放置し発色させる。 

参考 硝酸鉄(III)溶液 (8gFe/l) の代わりに硫酸アンモニウム鉄(III)・12水溶液 (50g/l) を使用した場合

は,10.0mlを加える。 

d) 発色後の液を,吸収セル40〜50mmに移し取り,e)の空試験溶液に対して吸光度を0に調節した後,

溶液の吸光度を波長450nm付近で測定する。 

e) 空試験の溶液は,c)において試料溶液及び中和に必要な硝酸を除いて,同一の方法,試薬を用いて調

製する。 

f) 

検量線は,別に5個の全量フラスコ50mlに塩化ナトリウム標準溶液 (0.010mgCl/ml) を,それぞれ0

(補正溶液)ml,1.0ml,2.5ml,5.0ml,7.5ml取り,さらに硝酸5ml,硝酸鉄(III)溶液 (8gFe/l) 5mlと

チオシアン酸水銀(II)溶液 (0.5g/l) 20mlを加えた後,水を標線まで加えて振り混ぜ30分間放置し発色

させる。以下,d)の操作を行い,塩化ナトリウムの量と吸光度の関係線を作成する。 

参考 硝酸鉄(III)溶液 (8gFe/l) の代わりに硫酸アンモニウム鉄(III)・12水溶液 (50g/l) を使用した場合

は,10.0mlを加える。 

 

7. 計算 検量線から塩素量の値を求め,試料中の塩化物含有量は,次の式によって算出する。 

W

a

W

a

A

648

.1

100

100

/

10

10

648

.1

3

 

ここに, 

A: 塩化物 (NaCl) (%) 

 

a: 検量線から得られた塩素の量 (mg) 

 

W: 試料採取量 (g) 

1.648: (塩化ナトリウムの化学式量)/(塩化物イオンの化学式量) 

 

8. 水銀廃液処理 水銀廃液は個別に管理し環境の汚染を防止する必要がある。専門の処理業者に委託す

るか,社内で定められた手順書に従って処理しなければならない。 


K 1200-3-1 : 2000  

附属書(参考) 注意事項 

この附属書(参考)は,本体の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

 

1. 一般的注意事項 

a) 水酸化ナトリウム及び水酸化ナトリウム液は,毒物及び劇物取締法によって劇物として規定されてい

るので法規に従い,取扱いには十分な注意が必要である。 

b) 試料容器は,運搬に適するもので,かつ,容器の破損が起きにくい構造,材質のものとする。また,

水酸化ナトリウムの容器は吸湿しないように気密できるものとする。 

c) 試料採取作業員には,あらかじめ水酸化ナトリウム及び水酸化ナトリウム液取扱い時の危険性を十分

に教育し,危険に対する注意を指示しておく。 

d) 試料採取は危険を伴うから,必要な保安上の知識をもつ者によって,又はその監督下で行われなけれ

ばならない。 

e) 試料採取作業に当たっては,保護眼鏡,ゴム手袋,ゴム靴,ゴム又はビニル衣などの保護具を着装す

ること。また,ミストや粉じんが飛散する所では,防じんマスクを着用する。 

 

2. 試料採取上の注意事項 

a) パイプラインから試料を採取する場合には,水酸化ナトリウム液が漏えい及び飛散するおそれがある

ため,採取量を明確にし,かつ,流量を適切に調整できるようにしておくこと。 

b) 事故の際,試料採取場所の安全を確保するため,バルブなどによる流量の調整ができるように配慮し

ておくことが望ましい。 

c) 漏えいした水酸化ナトリウム液を安全に集めることのできる容器(砂,炭酸水素ナトリウムなどを一

緒に回収が可能なもの)を用意し,かつ,試料採取作業員を保護するため,水酸化ナトリウム液の飛

散を防ぐような配慮が望ましい。 

d) 水酸化ナトリウム及び水酸化ナトリウム液には,爆発性及び引火性はないが,両性金属などと反応す

ると水素を発生し爆発するおそれがあるので,万一容器の破損に備え,酸,金属,爆薬,有機過酸化

物などからは離しておくことが望ましい。 


K 1200-3-1 : 2000  

解説表3 ソーダ関係製品JIS原案作成委員会 構成表 

 

 

氏名 

所属 

(委員長) 

 

松 野 武 雄 

横浜国立大学名誉教授 

(委員) 

 

西 出 徹 雄 

通商産業省基礎産業局化学課 

 

 

大 嶋 清 治 

通商産業省工業技術院標準部 

 

 

高 橋 和 夫 

通商産業省製品評価技術センター 

 

 

中 村   進 

物質工学工業技術研究所 

 

 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

 

 

神 代   啓 

社団法人日本化学工業協会 

 

 

並 木   昭 

財団法人化学品検査協会 

 

 

吉 田 儀 章 

化成品工業協会 

 

 

渡 辺 浄 光 

日本石鹸洗剤工業会 

 

 

堀   定 男 

日本製紙連合会 

 

 

佐 藤 邦 弘 

日本化学工業株式会社 

 

 

湯 村 崇 男 

日本化学繊維協会 

 

 

一 戸 正 憲 

社団法人日本水道協会 

 

 

橋 本 俊 夫 

旭硝子株式会社 

 

 

小 野   宏 

旭化成工業株式会社 

 

 

安 食 亮 伍 

旭化成工業株式会社 

 

 

西 尾 圭 司 

日本曹達株式会社 

 

 

片 岡   基 

株式会社トクヤマ 

 

 

藤 井   昇 

鶴見曹達株式会社 

 

 

須 永 忠 典 

日本ソーダ工業会 

(事務局) 

 

三 須   武 

社団法人日本化学工業協会 

 

 

内 田 幹 雄 

社団法人日本化学工業協会 

 

ソーダ関連製品JIS分科会 構成表 

 

 

氏名 

所属 

(主査) 

 

小 野   宏 

旭化成工業株式会社 

 

 

橋 本 俊 夫 

旭硝子株式会社 

 

 

安 食 亮 伍 

旭化成工業株式会社 

 

 

大 津 健 治 

ダイソー株式会社 

 

 

新宮領   宏 

鐘淵化学工業株式会社 

 

 

西 尾 圭 司 

日本曹達株式会社 

 

 

鈴 木 邦 彦 

東亜合成株式会社 

 

 

片 岡   基 

株式会社トクヤマ 

 

 

武 居 弘 記 

東ソー株式会社 

 

 

藤 井   昇 

鶴見曹達株式会社 

(事務局) 

 

須 永 忠 典 

日本ソーダ工業会 

 

 

三 須   武 

社団法人日本化学工業協会 

 

 

宮 越 正 行 

日本ソーダ工業会 

 

 

(文責 武居 弘記)