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K 1101

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本産業ガス協会

(JIGA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 1101:1982 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。


K 1101

:2006

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  品質

1

4.

  試験方法

1

4.1

  一般事項 

1

4.2

  試料の調製 

1

4.3

  純度

1

4.4

  露点

4

5.

  容器

4

6.

  表示

4

7.

  安全上の注意事項

4

7.1

  一般事項 

5

7.2

  化学分析 

5

 


日本工業規格     

JIS

 K

1101

:2006

酸素

Oxygen

O

2

 

FW

:32.00

1. 

適用範囲  この規格は,高圧ガス容器に充てんした工業用の酸素(液化酸素及び圧縮酸素)(以下,酸

素という。

)について規定する。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7983

  排ガス中の酸素自動計測器

JIS H 3260

  銅及び銅合金の線

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0225

  希釈ガス及びゼロガス中の微量成分測定方法

JIS K 0512

  水素

JIS K 8085

  アンモニア水(試薬)

JIS K 8116

  塩化アンモニウム(試薬)

JIS K 8613

  炭酸アンモニウム(試薬)

JIS K 8660

  銅(試薬)

3. 

品質  酸素の品質は,4.によって試験したとき,次の表 の規定に適合しなければならない。

  1  酸素の品質

項目

品質

適用箇条

純度                      %(体積)                    99.5  以上

4.3 

露点                                  ℃

              −55  以下

4.4 

備考  露点−55  ℃は,水分 20.7 ppm(体積)  に相当する。 

4. 

試験方法 

4.1 

一般事項  試験の一般事項は,JIS K 0050 による。

4.2 

試料の調製  試料は,次の方法によって試験に適した圧力に調製する。

a) 

液化酸素  液化酸素を,蒸発器などを通して完全に気化し,次いで室温にする。

b) 

圧縮酸素  減圧してから,室温にする。

4.3 

純度  純度の試験は,4.3.1 又は 4.3.2 のいずれかの方法による。

4.3.1 

磁気式分析法  磁気式分析法は,次による。

a)

 

測定原理  測定原理は,JIS B 7983 の 4.1 による。磁気式分析法は,常磁性体である酸素分子が磁界内

で磁化されたときに生じる吸引力を利用して酸素の濃度を求めるもので,次の二つの方式による。


2

K 1101

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1) 

磁気風方式  磁気風方式は,磁界内で吸引された酸素分子の一部が加熱されて,磁性を失うことに

よって生じる磁気風の強さを,熱線素子によって検出する。

2) 

 

磁気力方式  磁気力方式は,次による。 

2.1)

 

ダンベル形方式  ダンベルと試料ガス中の酸素との磁化の強さの差によって生じるダンベルの

偏位量を検出する。

2.2)

圧力検出形方式  周期的に断続する磁界内において,酸素分子に働く断続的な吸引力を,磁界内

に一定流量で流入する補助ガス[酸素濃度 100  %(体積)

]の背圧変化量として検出する。

b) 

装置の仕様  測定範囲は 98〜100  %(体積),目量は 0.1  %(体積)以下,及び繰返し性(

1

)

は±3  %以

下とする。

(

1

ここで規定している繰返し性は,JIS B 7983 の 5.に規定する繰返し性(再現性)である。

c) 

校正方法  ゼロ校正は,d) 1)のゼロガスで行い,スパン校正は,d) 2)のスパンガスで行う。

d) 

校正用ガス  校正用ガスは,分析計の測定範囲に適した濃度で,可能な限り国家計量標準にトレーサブ

ルであるものとする。

1)

ゼロガス  計測器の最小目盛値の校正用に使用するゼロガスは,最小目盛の酸素の濃度 98  %(体

積)以上のものを用いる。また,希釈ガスは,窒素又はアルゴンとする。

2)

スパンガス  酸素の濃度 100  %(体積)に近いものを用いる。

参考    スパンガスは,酸素の濃度 99.99  %(体積)程度のものが用いられている。

4.3.2 

銅アンモニア法  銅アンモニア法は,次による。

a) 

測定原理  試料ガスを吸収液(塩化アンモニウム又は炭酸アンモニウムにアンモニア水を混合したも

の)に通して酸素を吸収させ,試料ガスの体積の減少量から試料ガス中の酸素の濃度を求める。

b) 

試薬  試薬は,次による。

1)

吸収液  吸収液は,JIS K 8116 に規定する塩化アンモニウム又は JIS K 8613 に規定する炭酸アンモ

ニウムを用いてその飽和溶液を作り,これに同体積の JIS K 8085 に規定するアンモニア水を混合し

たものとする。

2)

銅  銅は,JIS K 8660 に規定するもの,又は JIS H 3260 に規定する C1100,C1201 若しくは C1220

で,粒状,削り片又は線状のものとする。ただし,線状のものは,コイル状に細く巻いて使用する。

c) 

装置  装置は,次による。

1)

装置の仕様  ビュレットは,可能な限り国家計量標準にトレーサブルであるもので目量が 0.1 ml の

もの,又は JIS K 0050 の附属書5によって校正したものを使用する。

2)

装置の構造  装置は,図 のように,計量部及び吸収部で構成し,両者を内径 3 mm 以下の軟質塩

化ビニル管などの透明な連結管③で接続する。

計量部は,ビュレット 100 ml②と容量約 150 ml の水準器①をゴム管又は軟質塩化ビニル管とで連

結したもので,ビュレット②は,上部に一方二管コックをもち,上部コック側を 100,下部側を 0

として目盛り,かつ,上部 1 ml を 0.1 ml 目盛とする。

吸収部は,容量約 250 ml の吸収器④及び容量約 120 ml の受液器⑥からなる。


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図1  装置の一例(銅アンモニア法)

d) 

測定方法  測定方法は,次による。

1) 

準備  吸収器④に銅を詰め,吸収液を水準器①から装置内(計量部及び吸収部)に入れる。水準器

①及び受液器⑥の液量は,試料ガスを採取するとき及び吸収器④に試料ガスを導入するとき,あふ

れない程度にする。

なお,吸収器④の銅は,測定中の消耗をみて適宜補充する。また,吸収液は,約 20 回測定すると

吸収が悪くなるので,新しいものと取り替える。

2) 

測定  ビュレット②のコック及び水準器①を操作して,ビュレット②,吸収器④及び両者の連結管

③内に残留するガスを追い出し,試料入口⑦の先端まで液を満たす。次に試料ガスを流しながら試

料ガス容器と試料入口⑦とを接続し,試料ガスをビュレット②に 100 ml 以上をとり,水準器①の液

面をビュレット②の目盛 0 に合わせ,余分な試料ガスを試料入口⑦から排出し,試料ガス 100 ml

を計量する。これを吸収器④に送り,よく振り混ぜて吸収させた後,ビュレット②に戻し,水準器

①の液面を残った試料ガスの液面に一致させ,吸収されたガス量をビュレット②の目盛から読み取

る。次に,この試料ガスを吸収器④に再び送り,よく振り混ぜて吸収させた後,ビュレット②に戻


4

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し,吸収された量をビュレット②の目盛から再び読みとる。この作業を繰り返して,吸収された量

を示す目盛の読みが前回の読みと変わらなくなったときのビュレット②の目盛を読みとり,純度と

する。

4.4 

露点 

4.4.1 

試験方法  露点の試験方法は,次のいずれかの方法による。

a)

静電容量式水分計による方法  静電容量式水分計による方法は,JIS K 0225 の 11.1 に規定する方法を

適用し,得られた水分の濃度[ppm(体積)又は mg/l]を JIS K 0512 

表 を用いて露点に換算する。

b)

露点計による方法  露点計による方法は,JIS K 0225 の 11.2 に規定する方法による。

c)

水晶発振式水分計による方法  水晶発振式水分計は,水晶振動子の表面にガス中の水分量に応じた水

分を吸着させるための膜を設けたもので,水分の吸着量に応じて水晶振動子の表面状態に変化が生じ,

この変化に応じて水晶振動子の共振周波数が変化することを応用した水分計である。水晶発振式水分

計による方法は,JIS K 0225 の 11.1 に規定する静電容量式水分計による方法と同様の方法とする。た

だし,水晶発振式水分計は,JIS K 0225 

附属書 に規定する静電容量式水分計と同等の繰返し性(

2

)

をもつものを使用する。

参考  水晶発振式水分計は,水晶振動子の表面にガス中の水分量に応じた水分を吸着させるための膜

を設けたもので,水分の吸着量に応じて水晶振動子の表面状態に変化が生じ,この変化に応じ

て水晶振動子の共振周波数が変化することを応用した水分計である。

なお,得られた水分の濃度[ppm(体積)又は mg/l]を JIS K 0512 

表 を用いて露点に換算する。

(

2

)

ここで規定している繰返し性は,JIS K 0225 

附属書 に規定する繰返し性である。

4.4.2 

校正方法  水分計の校正方法は,次による。なお、水分計の校正は、可能な限りトレーサビリティ

確保のために計量法に基づく登録事業者に校正を依頼する。

a)

静電容量式水分計による方法  静電容量式水分計の校正方法は,JIS K 0225 の 11.1 に規定する方法又

はこれと同等の性能をもつ方法による。

b)

水晶発振式水分計による方法  水晶発振式水分計の校正方法は,JIS K 0225 の 11.1 に規定する静電容

量式水分計による方法と同様な方法又はこれと同等の性能をもつ方法による。

5. 

容器  酸素の容器は,法令の規定による。

備考  酸素の容器については,高圧ガス保安法(昭和 26 年 6 月 7 日法律第 204 号,以下,法律という。)

第 41 条〜第 56 条 2 の 2 に規定されている。

6. 

表示  酸素の表示は,法令の定める容器の表示とは別に,容器の見やすいところに証紙を付けて,次

の事項を表示しなければならない。ただし,大形容器(タンクローリー,コンテナなど)の場合には,送

り状に表示してもよい。

a)

名称

b)

製造業者名又はその略号

c)

充てん年月又はその略号

d)

充てん量(圧縮酸素の場合は,35  ℃における充てん圧力)

備考  容器の表示については,高圧ガス保安法第 46 条及び 47 条に規定されている。

7. 

安全上の注意事項  酸素については,特に次の事項に注意しなければならない。


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7.1 

一般事項 

a) 

凍傷防止  液化酸素は,大気圧では約−183  ℃と極めて低温であり,凍傷を防止するために革手袋な

どの防護具を着用する。

b) 

高圧の扱い  液化酸素は,常温では容易に,かつ,急速に気化し,体積が約 860 倍に膨張するので,

配管及び容器内に液化酸素を閉じこめないようにする。また,液化酸素を閉じ込める懸念がある場合

には,安全弁又は逃し弁を設ける。さらに,圧縮酸素は,通常,約 15 MPa 又は約 20 MPa の高い圧力

に充てんされた容器で供給されるので,減圧弁を用い,バルブの開閉をゆっくりと行うなど,法令の

消費及び廃棄にかかわる規定に従って取り扱う。

c) 

可燃性物質の扱い  酸素は,空気よりもはるかに支燃性が強いので,油脂類,有機物などの可燃性物

質と接触させてはならない。酸素を供給するシステムは,油脂類の付着を禁止し,有機物,ごみ,さ

び,ばりなどを不活性ガスで追い出すなどして取り除いておく。

参考  高圧ガスの消費及び廃棄については,高圧ガス保安法第 24 条の 2〜第 25 条に規定されている。

7.2 

化学分析  化学分析では,高圧ガス,ガラス器具,劇物などを取り扱うので,具体的な作業標準を

決めて安全を確保し,安全教育を繰り返して常に安全を心掛けるようにしなければならない。

化学分析上の注意事項は,JIS K 0050 の 14.による。