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日本工業規格

JIS

 K

0803

-1995

溶存酸素自動計測器

Continuous dissolved oxygen analyzer

1.

適用範囲  この規格は,河川,湖沼,海域などを含む公共用水域及び工場・事務所,下水処理施設な

どにおける 0∼35℃の水中の溶存酸素の濃度を連続的に測定するための自動計測器(以下,計測器という。

のうち,電極法に基づくものについて規定する。

備考  この規格の引用規格を,付表 に示す。

2.

共通事項  共通事項は,JIS K 0050JIS K 0101JIS K 0102 及び JIS Z 8710 による。

3.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0101JIS K 0102JIS K 0211 及び JIS Z 8103

による。

4.

計測器の種類  計測器の種類は,原理別に分類し,測定範囲(以下,レンジという。)は表 のとおり

とする。

なお,レンジは

表 で示した上限,下限の間で適当なものを選ぶ。

表 1  計測器の種類及び測定範囲

種類

原理

レンジ(

1

)

mg/l

隔膜形ポーラログラフ式

0

∼10

0

∼20

隔膜形ガルバニ電池式

0

∼10

0

∼20

最小目盛単位は,0.5mg/以下とする。 
(

1

)

このレンジ内で測定目的によって適
当に分割したレンジをもつ。

5.

定格電圧及び定格周波数  計測器の定格電圧は単相交流 100V,定格周波数は 50Hz 専用,60Hz 専用

又は 50Hz・60Hz 共用とする。

6.

性能  計測器は,8.による試験を行ったとき,表 の性能を満足しなければならない。


2

K 0803-1995

表 2  計測器の性能

項目

性能

試験方法

繰返し性

±0.3mg/l

8.3(1)

ゼロドリフト

±0.2mg/l

8.3(2)

スパンドリフト

±0.3mg/l

8.3(3)

応答時間

2

分以下

8.3(4)

温度補償の精度

±0.3mg/l

8.3(5)

電圧変動に対する安定性

指示値の変動は 
±0.2mg/l

8.3(6)

絶縁抵抗 5M

Ω以上

8.3(7)

耐電圧

異常のないこと

8.3(8)

7.

構造

7.1

構造一般  計測器の構造は,次の各項目に適合しなければならない。

(1)

形状が正しく,組立て及び各部の仕上がりが良好で,かつ,堅ろうであること。

(2)

通常の運転状態で危険の生じるおそれがなく,安全,かつ,円滑に作動すること。

(3)

各部は,容易に機械的,電気的故障を起こさず,危険を生じない構造であること。

(4)

水ぬれ,水はね,結露などによって計測器に故障を生じない構造であること。

(5)

保守・点検の際,作業しやすく,かつ,危険のない構造であること。

7.2

構成  計測器は,図 に示す測定部,指示記録部などで構成する。

図 1  計測器の構成の一例

7.3

測定部  測定部は,溶液中に電極を浸し,発生する信号を安定に指示記録部に供給するもので,電

極保持具,変換器などで構成する。

(1)

電極  陽極,陰極,測温体素子(

2

)

,電解液などから構成され,酸素を透過する性質のある薄い隔膜(

3

)

で電極を覆い,試料が陽極及び陰極に直接触れないような構造のものとする。

(

2

)

サーミスタ,ガラスサーミスタなどを用いる。

(

3

)

ふっ素樹脂,ポリエチレン,シリコーンゴムなどを用いる。

(2)

電極保持具  電極を保持するもので,材質は,ステンレス鋼,硬質塩化ビニル,ポリプロピレンなど

試料に侵されないものとする。


3

K 0803-1995

(3)

変換器及び指示計  屋外で使用する変換器及び指示計は,防滴構造のものとする。電極と変換器との

距離は,なるべく短くすること。

7.4

指示記録部  指示記録部は,溶存酸素濃度 (mg/l)  を等分目盛で指示記録できるものとする。ディジ

タル表示方式のものは,測定単位が印字されていること。

7.5

附属装置  計測器には,次のものを附属することができる。

(1)

電極洗浄装置  水,空気などの流体による洗浄装置など。

(2)

自動採水装置  試料水を自動的にくみ上げ,一定の流速で電極に供給するもの。

8.

試験

8.1

試験条件  試験条件は,次のとおりとする。

(1)

周囲温度  10∼30℃の間の任意の温度。ただし,8.3(1)(2)(3)の項目については,この温度変化幅

が±5℃であること。

(2)

相対湿度  85%以下。

(3)

流速  製造業者が定めた流速。

(4)

電源  定格電圧。

8.2

試験準備及び校正

8.2.1

試験準備  電極は,あらかじめ 12 時間以上水に浸した後,そのままの状態で変換器に接続する。

次に計測器に電源を入れ,試験を始めるまで 30 分以上暖機する。電極が特に汚れている場合には,必要に

応じて石けん水,塩酸 (0.1mol/l)  などで短時間洗い,更に流水で十分に洗う。

8.2.2

校正液  校正液は,次のとおりとする。

(1)

ゼロ校正液  JIS K 8061 に規定する亜硫酸ナトリウム(無水)約 25 g を水に溶かし,水を加えて 500ml

とする。使用時に調製する。

(2)

スパン校正液  25±0.5℃に調節した水(

4

)

に空気を約 1l/min の流量で通気(

5

)

して,溶存酸素を飽和させ

(

6

)

。各温度における飽和溶存酸素濃度の値を,

表 に示した。

(

4

)  JIS K 0102

2.(11)(a)(蒸留水)又は(b)(イオン交換水)に規定するもの。

(

5

)

通常,水 200ml の場合には 5∼10 分間,500ml の場合には 10∼20 分間通気する。

(

6

)

溶存酸素の濃度は,気圧変動によっても異なるので気圧補正を行うとよい。

また,塩類濃度の高い試料の溶存酸素の濃度を測定する場合には,試料の塩類のモル濃度に

合わせて JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウムを添加した溶存酸素飽和水を調製する。


4

K 0803-1995

表 3  水中の飽和溶存酸素濃度(JIS K 0102 から転載)

水中の塩化物イオン量  mgCl/l

    0

5 000

10 000

15 000

20 000

温度℃

溶存酸素量  mgO/l

塩化物イオン

100mgCl/l

ごと

に差し引く溶存

酸素量  mgO/l

 0

14.16

13.40

12.63

11.87

11.10

0.015 3

1  13.77 13.03 12.29 11.55 10.80

0.014

8

2  13.40 12.68 11.97 11.25 10.52

0.014

4

3  13.04 12.35 11.65 10.95 10.25

0.014

0

4  12.70 12.03 11.35 10.67

9.99

0.013

5

 5

12.37

11.72

11.06

10.40

 9.74

0.013 1

6  12.06 11.42 10.79 10.15

9.51

0.012

8

 7

11.75

11.15

10.52

 9.90

 9.28

0.012 4

 8

11.47

10.87

10.27

 9.67

 9.06

0.012 0

 9

11.19

10.61

10.03

 9.44

 8.85

0.011 7

10

10.92

10.36

 9.79

 9.23

 8.66

0.011 3

11

10.67

10.12

 9.57

 9.02

 8.47

0.011 0

12

10.43

 9.90

 9.36

 8.82

 8.29

0.010 7

13

10.20

 9.68

 9.16

 8.64

 8.11

0.010 4

14

 9.97

 9.47

 8.97

 8.46

 7.95

0.010 1

15

 9.76

 9.27

 8.78

 8.29

 7.79

0.009 9

16

 9.56

 9.06

 8.60

 8.12

 7.63

0.009 6

17

 9.37

 8.90

 8.44

 7.97

 7.49

0.009 4

18

 9.18

 8.73

 8.27

 7.82

 7.36

0.009 1

19

 9.01

 8.57

 8.12

 7.67

 7.22

0.008 9

20

 8.84

 8.41

 7.97

 7.54

 7.10

0.008 7

21

 8.68

 8.26

 7.83

 7.40

 6.97

0.008 6

22

 8.53

 8.11

 7.70

 7.26

 6.85

0.008 4

23

 8.39

 7.98

 7.57

 7.16

 6.74

0.008 2

24

 8.25

 7.85

 7.44

 7.04

 6.65

0.008 1

25

 8.11

 7.72

 7.32

 6.95

 6.52

0.007 9

26

 7.99

 7.60

 7.21

 6.82

 6.42

0.007 8

27

 7.87

 7.48

 7.10

 6.71

 6.32

0.007 7

28

 7.75

 7.37

 6.99

 6.61

 6.22

0.007 6

29

 7.64

 7.26

 6.88

 6.51

 6.12

0.007 6

30

 7.53

 7.16

 6.78

 6.41

 6.03

0.007 5

31

 7.43

 7.06

 6.66

 6.31

 5.93

0.007 5

32

 7.32

 6.96

 6.59

 6.21

 5.84

0.007 4

33

 7.23

 6.86

 6.49

 6.12

 5.75

0.007 4

34

 7.13

 6.77

 6.40

 6.03

 5.65

0.007 4

35

 7.04

 6.67

 6.30

 5.93

 5.56

0.007 4

8.2.3

校正  校正は,次の手順で行う。

(1)

ゼロ校正  電極をゼロ校正液に浸し,指示値をゼロに合わせる。

(2)

スパン校正  電極をスパン校正液に浸し,マグネチックスターラ等でかき混ぜ(

7

)

ながら,指示値が安

定するのを待つ。試料温度を±1℃で測定できる温度計(

8

)

によってスパン校正液の温度を測定し,

表 3

の飽和溶存酸素濃度に指示値を合わせる。

なお,電極をゼロ校正液からスパン校正液に移し換える前に,電極に付着したゼロ校正液を流水で

十分洗い流すこと。

(3)

調節  (1)及び(2)の操作を交互に行い,校正液の値と指示値との差が±0.25 mg/になるまで計測器を調


5

K 0803-1995

節する。

(

7

)

指示値は一般に試料の流速に依存する。製造業者の定めた方法によって電極面の流速を必要な

速さに保つようにかき混ぜる。

(

8

)

温度計としては,JIS Z 8710 によるもの,又は JIS C 1604 の B 級若しくは JIS C 1611 の 1.0 級

に相当する温度検出素子を用いたものを使用する。

8.3

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

繰返し性  電極をスパン校正液に 3 回浸し,マグネチックスターラ等でかき混ぜ(

7

)

ながら測定し,そ

れぞれの測定値と平均値との差を求める。

(2)

ゼロドリフト  ゼロ校正液に電極を浸し,5 分間及び 24 時間経過後のそれぞれの測定値との差を求め

る。

(3)

スパンドリフト  ゼロドリフト試験において,試験開始後 10 分間及び 24 時間経過後に,ゼロ校正液

に代えてスパン校正液に電極を浸し,マグネチックスターラ等でかき混ぜ(

7

)

ながら,それぞれの指示

値を読み取り,その差を求める。

(4)

応答時間  スパン校正液からゼロ校正液へ電極を移し換え,そのときの指示が 1mg/を指示するまで

の時間を測定する。

(5)

温度補償の精度  20±0.5℃及び 30±0.5℃の飽和溶存酸素溶液を調製し,それぞれの飽和溶存酸素溶

液に電極を浸し,マグネチックスターラ等でかき混ぜ(

7

)

ながら,そのときの指示値 (mg/l)  を読み取る。

試料温度を±1  ℃で測定できる温度計(

8

)

によって飽和溶存酸素溶液の温度を測定し,

表 の飽和溶存

酸素濃度の値との差を求める。

(6)

電圧変動に対する安定性  スパン校正液に電極を浸し,マグネチックスターラ等でかき混ぜ(

7

)

ながら,

指示が安定した後,電源電圧を定格電圧の±10%変化させたときの指示値を読み取る。

(7)

絶縁抵抗  計測器の電気回路を閉の状態で,電源端子一括と外箱(接地端子)との間の絶縁抵抗を,

JIS C 1302

に規定する直流 500V 絶縁抵抗計で測定する。

(8)

耐電圧  計測器の電気回路を閉の状態で,電源端子一括と外箱(接地端子)との間に定格周波数の交

流電圧 1 000V を 1 分間加え,異常の有無を調べる。

9.

表示  計測器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称及び製造業者が定めた計測器の形名

(2)

測定範囲

(3)

使用周囲温度範囲(製造業者が保証する使用温度範囲)

(4)

電源種別及び容量

(5)

伝送出力の種類(必要がある場合)

(6)

製造業者名(又はその略号)

(7)

製造年月(又はその略号)

10.

取扱説明書  取扱説明書には,次の事項を記載しなければならない。

(1)

使用方法に関する事項

(1.1)

設置場所の選択

(1.2)

配管及び配線

(1.3)

測定


6

K 0803-1995

(a)

測定の準備(校正,流速)

(b)

測定方法

(c)

測定停止時の処理

(2)

保守に関する事項

(2.1)

検出部,配管などの清掃

(2.2)

故障時の対策

(3)

使用時の注意事項

(3.1)

日常点検の方法

(3.2)

定期点検の方法

付表 1  引用規格

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS C 1604

  測温抵抗体

JIS C 1611

  サーミスタ測温体

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0101

  工業用水試験方法

JIS K 0102

  工場排水試験方法

JIS K 0211

  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 8061

  亜硫酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS Z 8103

  計測用語

JIS Z 8710

  温度測定方法通則


7

K 0803-1995

JIS K 0803

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

鈴  木  繁  喬

東京都立大学名誉教授

指  宿  堯  嗣

工業技術院資源環境技術総合研究所温暖化物質循環部

地  崎      修

工業技術院標準部

松  下  和  夫

環境庁大気保全局

鈴  木      繁

環境庁水質保全局

石  黒  義  久

通商産業省立地公害局

津  田      博

通商産業省機械情報産業局

田  中  宏  明

建設省土木研究所下水道部

関      照  雄

財団法人電力中央研究所発電プラント部

内  山      甫

財団法人機械電子検査検定協会

飯  島  弘  淳

財団法人化学品検査協会化学標準部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

木  村      康

社団法人日本鉄鋼協会環境管理部

後  藤  英  雄

紙パルプ技術協会

本  田      優

社団法人セメント協会住友セメント中央研究所

泉  川  碩  雄

東京都環境科学研究所

吉  成  晴  彦

千葉県公害研究所

五  井  邦  宏

埼玉県公害センター水質土壌部

井  上      充

神奈川県環境科学センター水質環境部

森      正  樹

電気化学計器株式会社

田  口  富  男

東亜電波工業株式会社科学計測技術部

三  笠      元

株式会社堀場製作所製品開発部

中  野  昌  芳

富士電機株式会社計測機器技術部

三  木  英  之

株式会社島津製作所工業計測事業部

前  田  眞  人

横河電機株式会社センサー事業部第 2 技術部

木  村      弘

社団法人日本分析機器工業会

若曽根  和  之

社団法人日本電気計測器工業会

(事務局)

宮  崎  勝  朗

社団法人日本電気計測器工業会

備考  ※小委員会長