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K 0450-70-10

:2011

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1  適用範囲 

1

2  引用規格 

2

3  共通事項 

2

3.1  一般事項 

2

3.2  用語及び定義

2

3.3  高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法(LC/MS/MS 法) 

2

3.4  水

2

3.5  試薬

2

3.6  ガラス器具類

2

3.7  検量線

3

4  試料

3

4.1  試料の採取 

3

4.2  試料の取扱い

3

5  試料の前処理 

4

5.1  概要

4

5.2  試薬

4

5.3  器具

5

5.4  操作

5

6  高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法 

5

6.1  概要

5

6.2  試薬

6

6.3  器具及び装置

7

6.4  操作

7

6.5  検量線

9

7  結果の表示 

9

附属書 A(参考)固相吸着剤の例

10

附属書 B(参考)HPLC カラムの例

11

附属書 C(参考)直鎖の PFOS 及び PFOA と側鎖の PFOS 及び PFOA 異性体との分離例 

12

附属書 D(参考)精度管理試験結果

14

附属書 E(参考)精度管理試験試料概要 

16

附属書 JA(規定)試験に使用する水の質の確認方法 

18

附属書 JB(規定)試料中の懸濁物の分離及び抽出方法 

19

附属書 JC(参考)炭素鎖数の異なる有機ふっ素化合物の測定条件 

20

附属書 JD(参考)JIS と対応国際規格との対比表

24


K 0450-70-10

:2011  目次

(2)

ページ

参考文献

30


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)

及び社団法人産業環境管理協会(JEMAI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申

出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 K

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:2011

工業用水・工場排水中の

ペルフルオロオクタンスルホン酸及び

ペルフルオロオクタン酸試験方法

Testing methods for perfluorooctanesulfonate (PFOS) and

perfluorooctanoate (PFOA) in industrial water and wastewater

序文 

この規格は,2009 年に第 1 版として発行された ISO 25101 を基とし,工業用水及び工場排水試験に適応

するように,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JD に示す。また,附属書 JA∼附属書 JC は対応国際規格には

ない事項である。

適用範囲 

この規格は工業用水及び工場排水中の 1, 1, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 5, 5, 6, 6, 7, 7, 8, 8, 8-ヘプタデカフルオロオクタ

ンスルホン酸(ペルフルオロオクタンスルホン酸,PFOS)及び 2, 2, 3, 3, 4, 4, 5, 5, 6, 6, 7, 7, 8, 8, 8-ペンタデ

カフルオロ-オクタン酸(ペルフルオロオクタン酸,PFOA)の直鎖異性体を,固相カラム及び高速液体ク

ロマトグラフタンデム質量分析計(LC/MS/MS 計)で定量する試験方法について規定する(

表 参照)。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO  25101:2009 , Water quality − Determination of perfluorooctanesulfonate (PFOS) and

perfluorooctanoate (PFOA)−Method for unfiltered samples using solid phase extraction and liquid

chromatography/mass spectrometry(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide21-1 に基づき,

“修正している”こ

とを示す。

表 1PFOS 及び PFOA 

分子式

略称 CAS

a)

-No

ペルフルオロオクタンスルホン酸 
(Perfluorooctanesulfonate)

CF

3

(CF

2

)

7

SO

3

H PFOS  1763-23-1

ペルフルオロオクタン酸

(Perfluorooctanoate)

CF

3

(CF

2

)

6

COOH

PFOA 335-67-1

注記 1  ペルフルオロオクタンスルホン酸及びペルフルオロオクタン酸は,直鎖形を意味しているが,分岐形を含

めて呼称する場合もある。ここでは直鎖形を対象物質としている。

注記 2 PFOA は酸及び共役塩として存在する。 

a)

  CAS: Chemical Abstract Service


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引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050  化学分析方法通則

JIS K 0094  工業用水・工場排水の試料採取方法

JIS K 0101  工業用水試験方法

JIS K 0102  工場排水試験方法

JIS K 0136  高速液体クロマトグラフィー質量分析通則

JIS K 0211  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0215  分析化学用語(分析機器部門)

JIS K 0557  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 1107  窒素

JIS K 8039  アセトニトリル(残留農薬・PCB 試験用)(試薬)

JIS K 8359  酢酸アンモニウム(試薬)

JIS K 8891  メタノール(試薬)

JIS R 3503  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505  ガラス製体積計

JIS Z 0701  包装用シリカゲル乾燥剤

共通事項 

3.1 

一般事項 

化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050 による。

3.2 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0101JIS K 0102JIS K 0211 又は JIS K 0215 による。

3.3 

高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法(LC/MS/MS 法) 

高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法に共通する一般事項は,JIS K 0136 による。

3.4 

 

この規格で用いる水は,JIS K 0557 に規定する A1∼A4 の水とする。

3.5 

試薬 

試薬は,次による。

a)  試薬は,日本工業規格(以下,JIS という。)に規定されているもので試験に支障のないものを用いる。

JIS に規定のない場合は,試験に支障のないものを用いる。

b)  標準液の調製に使用する試薬は,国家計量標準(計量法第 134 条)にトレーサビリティが確保された

ものを用いることが望ましい。入手が困難な場合は,市販されている標準品の中で純度及び不確かさ

が明らかなものを用いる。

c)  試薬類,廃液類などによる室内汚染,人体への吸入及び付着に注意する。溶媒の濃縮,揮散操作は,

ドラフト内など排気設備が整った場所で行う。また,その取扱いについては,関係法令規則などに従

い,十分に注意する。

3.6 

ガラス器具類 

ガラス器具類についての共通事項は,次による。


3

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a)  ガラス器具類は,特に断らない限り JIS R 3503 及び JIS R 3505 に規定するものを用いる。また,加熱

操作を伴う場合には,JIS R 3503 に規定するほうけい酸ガラス−1 を用いる。

b)  デシケーターに用いる乾燥剤は,特に断らない限り JIS Z 0701 に規定する包装用シリカゲル乾燥剤 A

形 1 種を用いる。

c)  ガラス器具類は,使用前に 5.2 a)の水で洗浄した後,更に JIS K 8891 に規定するメタノールで洗浄し,

メタノールを揮散させる。

3.7 

検量線 

検量線の作成に当たっては,定量範囲内を 4∼6 段階に分け,高速液体クロマトグラフタンデム質量分析

計への導入時の測定対象物質の量が定量範囲の量に一致するように標準液をとり作成する。

注記 1  試験対象化合物の名称は,社団法人日本化学会が定めた化合物命名法[国際純正及び応用化

学連合(IUPAC)の有機化学命名法に基づく]によるものを用い,略称で PFOS 及び PFOA

を記載した。また,試薬類の名称は IUPAC の無機化学命名法及び有機化学命名法を基にして

社団法人日本化学会が定めた化合物命名法及び JIS 試薬の名称と基本的に整合させている。

注記 2  標準液の濃度は,1 mL 中の質量(

μg/mL 又は ng/mL)で表す。

注記 3  液体試薬 A と液体試薬 B との混合溶液の濃度は,A−B(ab)で表す。この表し方は,A

と B とを a mL と b mL との割合で混合したことを示す。

注記 4  標準液の名称の後に括弧で示されている濃度は,正確な濃度であることを意味する。

試料 

4.1 

試料の採取 

4.1.1 

試料容器 

試料容器は,容量 100∼1 000 mL のポリプロピレン製ねじ蓋瓶を用いる。ポリプロピレン製ねじ蓋は,

汚染を防ぐために四ふっ化エチレン樹脂製などのパッキンは用いない。

なお,試料容器は使用時及び保存中に試料を汚染したり,測定対象物質が吸着したりしない材質を用い

る。容器は,5.2 a)の水を用いて洗浄した後,5.2 b)のメタノールで洗浄し,メタノールを揮散させる。ふ

っ素樹脂・エラストマー・四ふっ化エチレン樹脂などは全て汚染の可能性があるため使用しない。ガラス

製採取器は,測定対象の吸着の可能性があるため使用を避ける。また,採取した試料は全量用いることか

ら,採取容器はあらかじめ必要容量の容器を準備する。

4.1.2 

採取操作 

採取操作は,次による。

a)  表層水の採取  JIS K 0094 の 4.1.1(試料容器による採取)又は 4.1.2(バケツ類による採取)による。

なお,ふっ素樹脂・ゴム由来の汚染を事前に確認し,汚染の影響がないものを用いる。

b)  各深度の水の採取  JIS K 0094 の 4.1.4(バンドーン採水器による採取)による。

なお,ふっ素樹脂・ゴム由来の汚染を事前に確認し,汚染の影響がないものを用いる。

c)  配管装置からの採取  JIS K 0094 の 4.3(採取弁を用いる採取)による。

なお,ふっ素樹脂・ゴム由来の汚染を事前に確認し,汚染の影響がないものを用いる。

4.2 

試料の取扱い 

試料の取扱いは,次による。

a)  試験は,試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,0∼10  ℃の暗所に保存し,できるだけ

早く試験する。


4

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b)  全量使用する試料量の測定は,試料を入れた容器の質量から試料容器の質量を差し引いて求めるか,

又は試料を採取したときに試料容器の水面の位置に印を付けておき,試験終了時に印のところまで水

を入れてその水の体積を試料量とする。

試料の前処理 

5.1 

概要 

試料の前処理の概要は,次による。

a)  試料の前処理は,内標準物質として

13

C 標識化 PFOS 及び

13

C 標識化 PFOA を加え,固相カラムを用

い,減圧法

1)

で通水して測定対象物質を吸着させた後,洗浄液で洗浄を行う。その後,溶出溶媒で測

定対象物質を溶出させ,濃縮して一定量とする。

b)  試料中の懸濁物などによって通水流量を一定に保つことができず,前処理に支障がある場合には,前

処理法として

附属書 JB の懸濁物の分離及び抽出方法を用いる。

c)  試料採取及び前処理に使用される市販試薬・器具の品質は必ずしも一定ではないため,試薬・器具は,

試薬のロット,一連の前処理操作ごとに空試験,回収率及び再現性を確認する必要がある。

1)

  減圧法とは,底部側を減圧状態として試料を送り込む方法をいう。装置は,吸引用配管部と

吸引ポンプ又はアスピレーターとからなる。

5.2 

試薬 

試薬は,次による。

a)  水  3.4 の A4(又は A3)の水を試薬の調製,操作及び空試験に用いる。水は,精製直後のものを用い,

使用前に

附属書 JA の操作を行い,測定対象物質の保持時間に相当する位置にピークのないこと又は

試験に影響のないことを確認する。精製が必要な場合には,JIS K 0557 の 4.(種別及び質)

備考 6.[有

機体炭素(TOC)の試験に用いる水]による。又は A4 又は A3 の水を活性炭などで処理する。

b)  メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。使用前に,10 mL を用いて 5.4 c)と同じ操作を行い,この溶

液を用いて 6.4 d)に準じた操作を行い,測定対象物質の保持時間に相当する位置にピークのないこと

を確認する。開封後は,汚染のない場所に保存しておく。

c)

13

標識化 PFOS 内標準原液  50 µg/mL 濃度のもの。

d)

13

標識化 PFOS 内標準液(10  μg/mL

13

C 標識化 PFOS 内標準原液(50 µg/mL)1 mL をとり,あ

らかじめメタノール 1∼2 mL を入れた全量フラスコ 5 mL に移し入れ,

メタノールを標線まで加える。

保存する場合は,5  ℃以下の暗所にする。

e)

13

標識化 PFOS 内標準液(0.1 μg/mL

13

C 標識化 PFOS 内標準液(10 µg/mL)1 mL をとり,あら

かじめメタノール 2∼5 mL を入れた全量フラスコ 100 mL に移し入れ,

メタノールを標線まで加える。

保存する場合は,5  ℃以下の暗所にする。

f)

13

標識化 PFOA 内標準原液  50 µg/mL 濃度のもの。

g)

13

標識化 PFOA 内標準液(10 μg/mL

13

C 標識化 PFOA 内標準原液(50 µg/mL)1 mL をとり,あ

らかじめメタノール 1∼2 mL を入れた全量フラスコ 5 mL に移し入れ,

メタノールを標線まで加える。

保存する場合は,5  ℃以下の暗所にする。

h)

13

標識化 PFOA 内標準液(0.1 μg/mL

13

C 標識化 PFOA 内標準液(10 µg/mL)1 mL をとり,あら

かじめメタノール 2∼5 mL を入れた全量フラスコ 100 mL に移し入れ,

メタノールを標線まで加える。

保存する場合は,5  ℃以下の暗所にする。

i)

窒素  JIS K 1107 に規定する高純度窒素 2 級


5

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注記  内標準原液は,市販品を用いてもよい。

5.3 

器具 

器具は,次による。

a)  目盛付きポリプロピレン製ねじ蓋試験管  10∼20 mL のもの。0.5 mL 及び 1 mL に目盛のあるもの。 
b)  固相カラム  固相カラムは,吸着剤 50∼1 000 mg 程度を充填したもの。四ふっ化エチレン樹脂のほか

ふっ素樹脂を含まず,1 000 mL までの試料負荷に適用できるもの。使用前にコンディショニング液を

通してコンディショニングする。

なお,試料の流量,コンディショニング液,洗浄液及び溶出溶媒の種類と必要量は,あらかじめ確

認しておく。

注記  固相吸着剤,コンディショニング液,洗浄液及び溶出溶媒の例を附属書 に示す。

5.4 

操作 

操作は,次による。

a)  固相カラムについて,完全に水で満たされた状態で試料の通水を行う。4.1.2 で採取した試料をよく振

り混ぜた後,その全量をとり,

13

C 標識化 PFOS 内標準液(0.1  μg/mL)及び

13

C 標識化 PFOA 内標準

液(0.1  μg/mL)を加えた(例えば,各 10 µL)後,減圧法によって試料を固相カラムに 3∼6 mL/min

の流量で通す。

なお,試料中に懸濁物が多量に含まれる場合には,

附属書 JB の操作を行う。

b)  固相カラムの上端から洗浄液を緩やかに通して固相カラム内を洗浄した後,遠心力 15 000 m/s

2

(1 500 g)で 2 分間遠心分離し,固相カラム内の液を取り除くか,又は,減圧若しくは加圧によって,

固相カラム内の液を取り除く。その後,試料が入っていた試料容器の内壁を溶出溶媒約 2∼5 mL で洗

浄し,この洗液を固相カラムの上端から連続で緩やかに通して,目盛付きポリプロピレン製ねじ蓋試

験管に受ける。この操作を 2∼3 回繰り返し,測定対象物質を溶出させる。

なお,溶出流量は,1 秒当たり一滴程度とする。

注記 1  試料が入っていた試料容器の内壁をメタノールなどの溶出溶媒で洗浄することによって,

内壁などへの吸着による回収率の低下を改善することができる。

c)  この溶出液を,40  ℃以下で加熱しながら,窒素を緩やかに吹き付け,約 1 mL になるまで濃縮し測定

用溶液とする。

なお,直ちに定量を行わない場合は,この濃縮液を 5  ℃以下の暗所に保存する。

注記 2  窒素を吹き付ける操作では,濃縮液が飛散しないように注意する。濃縮液の表面が動いて

いるのがようやく見える程度に窒素の流量を調節する。また,乾固させると窒素の吹き付

けによって測定対象物質が揮散することがあるので注意する。

d)  空試験用として,試料と同量の水を用いて a)c)の操作を行い,空試験用溶液とする。空試験は一連

の前処理操作ごとに行う。少なくとも 10 試料ごとに一回の頻度で行う。

e)  標準液を添加した実試料を用いて a)c)の操作を行い,添加回収試験溶液とする。マトリックス・測

定機器感度変動の影響評価のために,添加回収試験は試料の性状・予想される濃度に差がある場合,

一連の操作ごとに行う。

高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法 

6.1 

概要 

高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法の概要は,次による。


6

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a)  測定用溶液の一定量を高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計に導入し,エレクトロスプレーイ

オン化(ESI)法ネガティブモードを用いて PFOS 及び PFOA をイオン化し,選択反応検出法(SRM)

を用いて PFOS 及び PFOA を測定し,検量線法によって直鎖形 PFOS 及び PFOA を定量する。

b)  高速液体クロマトグラフの溶離条件は使用する分離カラムについて最適化する。また,機器由来の汚

染は,最大でも予想される試料濃度の 10 分の 1 以下に抑える。

c)  市販されている高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計自体に有意な機器由来の汚染が認められ

ており,部材として使用されているふっ素樹脂・エラストマー・四ふっ化エチレン樹脂・ふっ素系ポ

リマーオイルなどは全て汚染の可能性があるため必要に応じてステンレス・PEEK(ポリエーテルエー

テルケトン)など,汚染のないことを確認した部材に交換する。

d) HPLC バイアル,チューブ,溶媒フィルター,バルブシール,デガッサーなどの機材についても汚染

の確認が必要である。

定量範囲  PFOS:0.02∼100 pg,PFOA:0.1∼100 pg(装置,測定条件によって異なる。)

注記 1  測定対象物質と同じ保持時間に生成イオンを生じる物質及びマトリックス妨害によって,

大きな測定誤差,感度の低下,S/N 比の低下などが生じるため,極力妨害物質の影響を除

く必要がある。

注記 2  清浄な試料についてはマトリックス妨害の影響は小さいが,排水試料など高濃度で複雑な

マトリックスを含む試料についてはイオン化抑制(イオンサプレッション)又はイオン化

促進(イオンエンハンスメント)によってマトリックス効果由来の測定誤差が生じやすい

ため注意が必要である。

6.2 

試薬 

試薬は,次による。

a)  水  5.2 a)による。 
b)  PFOS 標準原液  50 µg/mL の濃度のもの。 
c)  PFOS 標準液(1 μg/mL)  PFOS 標準原液(50 µg/mL)1 mL をとり,あらかじめメタノール 2∼5 mL

を入れた全量フラスコ 50 mL に移し入れ,メタノールを標線まで加える。保存する場合は,5  ℃以下

の暗所にする。

d)  PFOS 標準液(10 ng/mL)  PFOS 標準液(1 µg/mL)1 mL をとり,あらかじめメタノール 2∼5 mL

を入れた全量フラスコ 100 mL に移し入れ,メタノールを標線まで加える。保存する場合は,5  ℃以

下の暗所にする。

e)  PFOA 標準原液  50 µg/mL の濃度のもの。 
f)  PFOA 標準液(1 μg/mL)  PFOA 標準液(50 µg/mL)1 mL をとり,あらかじめメタノール 2∼5 mL

を入れた全量フラスコ 50 mL に移し入れ,メタノールを標線まで加える。保存する場合は,5  ℃以下

の暗所にする。

g)  PFOA 標準液(10 ng/mL)  PFOA 標準液(1 µg/mL)1 mL をとり,あらかじめメタノール 2∼5 mL

を入れた全量フラスコ 100 mL に移し入れ,メタノールを標線まで加える。保存する場合は,5  ℃以

下の暗所にする。

h)

13

標識化 PFOS 内標準液(0.1 μg/mL)  5.2 e)による。

i)

13

標識化 PFOA 内標準液(0.1 μg/mL)  5.2 h)による。

j)  メタノール  5.2 b)による。 
k)  アセトニトリル  JIS K 8039 に規定するもの。使用前に,100 mL を用いて 5.4 c)による操作を行い,


7

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この溶液を用いて 6.4 d)の操作を行い,測定対象物質の保持時間に相当する位置にピークのないこと

を確認する。開封後は,汚染のない場所に保存しておく。

l)

酢酸アンモニウム  JIS K 8359 に規定するものを用いる。

6.3  器具及び装置

器具及び装置は,次による。

a)  目盛付きポリプロピレン製ねじ蓋試験管  5.3 a)による。 
b)  マイクロシリンジ  10∼20 µL のもの。 
c)  高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計  高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計は,次に

よる。

1)  分離カラム  内径 2∼6 mm,長さ 50∼300 mm のステンレス鋼製のもの。分離カラムの性能劣化を

防ぐためガードカラムを用いてもよい。

2)  充填剤  シリカゲル又は合成ポリマーなどにオクタデシル基(ODS)を化学的に結合させたもの,

又はこれと同様の分離性能をもつもの。粒子径 1∼5 μm 程度。

附属書 に使用するカラムの例を示

す。

3)  溶離液  装置及び分離カラムによって異なる。例としては,メタノール,アセトニトリルなどの有

機溶媒と酢酸アンモニウム溶液(2 mmol/L)とを組み合わせたものがあげられる。

附属書 に分析

条件の例を示す。

4)  溶離液条件  分離カラムによって異なる。附属書 に分析条件の例を示す。 
5)  イオン化  エレクトロスプレーイオン化法による。ただし,ネガティブモード(負の ESI)が行え

るもの。

6)  検出器  選択反応検出法(SRM)が行えるもの。

注記  これらの条件は,分析装置,測定条件によって異なる。附属書 に直鎖及び側鎖の PFOS

及び PFOA を分離する機器分析条件の例を示す。また,この方法によって,炭素鎖数の異

なる有機ふっ素化合物が測定できる。

附属書 JC にその測定条件の例を示す。

6.4  操作

操作は,次による。

a)  あらかじめ高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計に,PFOS,

13

C 標識化 PFOS,PFOA,

13

C 標

識化 PFOA のプリカーサーイオン及びプロダクトイオンの質量電荷比(m/z)を設定しておく。プリカ

ーサーイオン及びプロダクトイオンの例を,

表 に示す。

b) PFOS 標準液(10 ng/mL)及び PFOA 標準液(10 ng/mL)1 mL をそれぞれ目盛付きポリプロピレン製

ねじ蓋試験管にとり,マイクロシリンジを用いて

13

C 標識化 PFOS 内標準液(0.1 µg/mL)及び

13

C 標

識化 PFOA 内標準液(0.1 µg/mL)を添加する(例えば,各 10 µL)

。この溶液を,40  ℃以下で加熱し

ながら,窒素を緩やかに吹き付け,約 1 mL になるまで濃縮する。

c)  b)で作成した溶液の適量(例えば,10 µL)を高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計に導入し,

選択反応検出法(SRM)によってそのクロマトグラムを記録し,検出された PFOS,

13

C 標識化 PFOS,

PFOA,

13

C 標識化 PFOA の保持時間に相当するピークの位置を確認する。


8

K 0450-70-10

:2011

表 2−測定対象物質及び内標準物質の選択イオンの例 

No

化合物名

略称

質量電荷比(m/z

プリカーサー

イオン

プロダクト

イオン 1

プロダクト

イオン 2

M

1

a)

M

2

a)

M

3

a)

1  ペルフルオロオクタンスルホン酸 PFOS

499

80

99

2  ペルフルオロオクタン酸

PFOA

413 369 169

3

13

C

4

標識化ペルフルオロオクタンスルホン酸

b)

13

C

4

-PFOS 503

80

99

4

13

C

8

標識化ペルフルオロオクタンスルホン酸

b)

13

C

8

-PFOS 507 80 99

5

13

C

4

標識化ペルフルオロオクタン酸

b)

13

C

4

-PFOA

417 372 169

6

13

C

8

標識化ペルフルオロオクタン酸

b)

13

C

8

-PFOA 421 376 172

注記  測定対象物質及び内標準は,直鎖形を対象物質としている。 

a)

  M

2

は定量イオンとして使用し,M

3

は確認イオンとして使用する。M

1

は各化合物の前駆イオンである。

b)

  内標準物質

d)  5.4 c)で得た測定用溶液[標準液と同量(例えば,10 µL)]を高速液体クロマトグラフタンデム質量分

析計に導入し,c)と同様の操作を行ってクロマトグラムを記録し,c)の保持時間と一致していること

を確認した後,保持時間に相当する位置のピークについて,指示値としてピーク面積を読み取る。ピ

ークの同定は,分析試料と標準物質との保持時間と二つのプロダクトイオン(

表 2)の相対比によっ

て確認する。

附属書 にプロダクトイオンの相対比の例を示す。分析試料と標準液の測定対象物質と

の保持時間の差は 1 %以内とする。また,分析試料中の測定物質に対応する二つのプロダクトイオン

の指示値の比を求め,標準液中のプロダクトイオンの指示値の比と,±25 %以内で一致することを確

認する。

e)  これら,PFOS 及び PFOA の指示値と

13

C 標識化 PFOS 及び

13

C 標識化 PFOA の指示値との比(a)を

求める。

f)  6.5 で作成した検量線を用い,PFOS 及び PFOA の指示値と

13

C 標識化 PFOS 及び

13

C 標識化 PFOA の

指示値との比(a)から,PFOS 及び PFOA と

13

C 標識化 PFOS 及び

13

C 標識化 PFOA との質量比 a を

求め,式(1)によって,試料中の PFOS 及び PFOA の濃度(ng/L)を算出する。

X=a×n×1 000/V (1)

ここに,

X: 試料中の測定対象物質の濃度(ng/L)

a: 検量線から求めた測定対象物質と

13

C 標識化体との質量

n: 添加した

13

C 標識化体の質量(ng)

V: 試料量(mL)

1 000: 試料 1 L に換算する係数(mL/L)

g)  試料中の PFOS 及び PFOA の濃度を算出するときは,試料に添加した

13

C 標識化 PFOS 内標準液及び

13

C 標識化 PFOA 内標準液の回収率が 70∼125 %にあることを確認しておく。内標準物質の回収率が

70 %以上 125 %以下の範囲から外れるときには再試験する。確認操作は,次による。

1)  b)の標準液中の,

13

C 標識化 PFOS 及び

13

C 標識化 PFOA について c)に従って操作し,その指示値を

読み取る。

2)  d)で求めた測定用溶液中の

13

C 標識化 PFOS 及び

13

C 標識化 PFOA の指示値を,それぞれ 1)で求め

た標準液中の

13

C 標識化 PFOS 及び

13

C 標識化 PFOA の指示値との比を求め,その百分率を回収率

とする。


9

K 0450-70-10

:2011

h)  5.4 d)の空試験用溶液についても,d)f)と同様の操作を行い,空試験用溶液中の PFOS 及び PFOA の

濃度を算出する。

空試験用溶液中の濃度が f)で得た試料の測定液中の濃度の 10 分の 1 を超える場合は,

原因を調べ測定に支障のないレベルまでブランクを低減した後,空試験用溶液の調製を再度行って,

再試験を行う。

i)

5.4 e)の添加回収試験溶液についても,d)f)と同様の操作を行い,PFOS 及び PFOA の濃度を算出す

る。その回収率が 70∼125 %にあることを確認する。回収率がこの範囲から外れるときには再試験す

る。

6.5  検量線

検量線は,次による。

a)  あらかじめメタノールを 0.5 mL 程度入れた目盛付きポリプロピレン製ねじ蓋試験管に PFOS 及び

PFOA の標準液(1 µg/mL 及び 10 ng/mL)を最後の一定体積にしたときに 0.001∼200 ng/mL の範囲で

4∼6 段階,  例えば,0.02 ng/mL,0.1 ng/mL,0.5 ng/mL,2 ng/mL,10 ng/mL,50 ng/mL になるように

分取する。各標準液 1 mL に,

13

C 標識化 PFOS 内標準液(0.1 µg/mL)及び

13

C 標識化 PFOA 内標準液

(0.1 µg/mL)をマイクロシリンジを用いて添加し(例えば,各 10 µL)

,40  ℃以下で加熱しながら,

窒素を緩やかに吹き付け,約 1 mL になるまで濃縮する。

b)  それぞれの一定量[試料と同量(例えば,10 µL)]を高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計に

導入し,6.4 c)の操作を行う。

c)  検量線作成用標準液中の測定対象物質の濃度(C

s

)と

13

C 標識化体の濃度(C

i

)との比(C

s

/C

i

)を横

軸にとり,測定対象物質のプロダクトイオンによる指示値(A

s

)と

13

C 標識化体のプロダクトイオン

による指示値(A

i

)との比(A

s

/A

i

)を縦軸にプロットして直線回帰を行い,検量線を作成する。検量

線が直線になっていることを確認する。検量線の作成は試料測定時に行う。

d)  少なくとも 10 試料測定ごとに,検量線作成用標準液の中から一つ以上を選び測定し,これが検量線か

ら 20 %以上はずれた場合には,再度検量線を作成する。

結果の表示 

結果の表示には,試料量,濃縮条件,高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計の測定条件,高速液

体クロマトグラフタンデム質量分析計への導入量,測定対象物質の測定結果,  空試験・再現性など精度管

理に関する結果を明記する。


附属書 A

(参考)

固相吸着剤の例

この附属書は,5.4 で使用する固相吸着剤の例を示す。

表 A.1−固相吸着剤の例 

吸着剤

固相カラム名

固相吸着剤量

コンディショニング液の例

洗浄液の例

溶出溶媒の例

コポリマー共重合体 Chromabond®HR-P

100∼200 mg

メタノール及び水

メタノール

コポリマー共重合体 Oasis®HLB  60∼200 mg

メタノール及び水

メタノール−水

(4+6)

メタノール

コポリマー共重合体 Oasis®WAX  100∼200 mg

アンモニア水−メタノール

(1+100)

,メタノール及び水

  酢酸緩衝液

(25 mmol/L)

(pH4)

メタノール及び

アンモニア水−メタノール

(1+100)

コポリマー共重合体 Presep®PFC-II 60∼200 mg

アンモニア水−メタノール

(1+100)

,メタノール及び水

メタノール及び

アンモニア水−メタノール

(1+100)

コポリマー共重合体 SepPak®tC18 100∼1 000 mg

メタノール及び水

メタノール−水

(4+6)

メタノール

記載している固相吸着剤と同等な性能をもつものを使用する。溶出溶媒としてメタノールを用いる場合は PFOA のエステル化を防ぐために最終溶液をア

ルカリ性メタノール溶液(2 mg の水酸化ナトリウムを 100 mL のメタノールに溶かしたもの)とすることが望ましい。アンモニア水−メタノールを使用する
場合は,既にアルカリ性のためこの操作は不要である。 
注記 1  この規格への適用を確認済の固相吸着剤の例(アルファベット順)である。 
注記 2  この附属書は特定商品の使用を推奨するものではない。 
注記 3  酢酸緩衝液(25 mmol/L)(pH4)は,酢酸溶液(25 mmol/L)と酢酸アンモニウム溶液(25 mmol/L)を(17+3)の割合で調製する。

10

K 0450-

70-10

201

1


11

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附属書 B

(参考)

HPLC

カラムの例

この附属書は,HPLC カラムの例を示す。

表 B.1HPLC カラムの例 

充填剤 HPLC カラム名

長さ,内径,粒子径

化学結合形シリカゲル

ACE®3 C18

150 mm,2.1 mm,3 μm

化学結合形シリカゲル Betasil®C18

50

mm,2.0 mm,5 μm

化学結合形シリカゲル Luna®C8 100

mm,2.0 mm,5 μm

化学結合形シリカゲル

Wakopac® Wakosil-II 3C18 RS 150

mm,2.0 mm,3 μm

注記 1  この規格への適用を確認済の HPLC カラムの例(アルファベット順)。 
注記 2  この附属書は,特定商品の使用を推奨するものではない。

記載している HPLC カラムと同等な性能をもつものを使用する。


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附属書 C 
(参考)

直鎖の PFOS 及び PFOA と側鎖の PFOS 及び PFOA 異性体との分離例

C.1  一般 

この附属書は,直鎖の PFOS 及び PFOA と側鎖の PFOS 及び PFOA 異性体との分離例を示す。

PFOS 及び PFOA の工業用標準品,工業用水,工場排水,河川水などでは,直鎖と側鎖の異性体が混在

している場合がある。この規格は,直鎖の PFOS 及び PFOA を正確に測定するための分析法であり,不純

物である側鎖異性体は定量しない。

そのため,

直鎖と側鎖の異性体との分離を確認することが必要であり,

その方法をここで示す。

C.2  クロマトグラム分離例 

直鎖の PFOS 及び PFOA と側鎖の PFOS 及び PFOA 異性体は,適切な高速液体クロマトグラフによる分

離によって区別することができる。

図 C.1 及び図 C.2 にクロマトグラフによる分離例,表 C.1 に機器分析

条件を示す。

図 C.1LC/MS/MS 法で得られた直鎖 PFOS 及び直鎖 PFOA のクロマトグラムの例(標準液) 

図 C.2LC/MS/MS 法で得られた直鎖 PFOS 及び直鎖 PFOA のクロマトグラムの例(実試料) 


13

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表 C.1−機器分析条件 

HPLC の条件 
導入量: 10

µL

流量: 0.3

mL/min

移動相: (A)

酢酸アンモニウム溶液(2 mmol/L)−メタノール(9+1)

 (B)

メタノール

ガードカラム:

充填剤: ACE® C18

内径: 2.1

mm

粒子径: 3

µm

本カラム:

充填剤: Ace® C18

内径: 2.1

mm

長さ: 150 mm

粒子径: 3

µm

カラム温度: 30

溶離条件(B %)

30 % (0.0 min)  →  85 % (18.0 min)  →85 % (20.0 min)  →  30 % (20.1 min)

MS/MS の条件 
イオン化方式:

負の ESl

検出方法:

選択反応検出法(SRM)

キャピラリー電圧: 1

kV

温度:

イオン源温度: 120

デソルベーション温度: 450

流量:

コーンガス流量: 60

L/h

デソルベーションガス流量: 740

L/h

C.3  イオン相対比による分離確認例 

直鎖の PFOS 及び PFOA と側鎖の PFOS 及び PFOA 異性体は,二つ以上のプロダクトイオンの相対比の

違いによって区別することができる。

表 C.2 に直鎖 PFOS 及び直鎖 PFOA のイオンの相対比の例を示す。

実試料のイオン相対比が標準液と異なる場合は,側鎖異性体又はきょう(夾)雑物質の同時溶出が疑われ

るため注意が必要である。

表 C.2−直鎖 PFOS 及び直鎖 PFOA のイオン相対比の例 

化合物

プリカーサーイオン→プロダクトイオン(イオン相対比)

PFOS 499→80(100 %),499→99(22.4 %),499→169(4.3 %) 
PFOA 413→369(100 %),413→169(32.3 %),413→219(13.0 %) 
注記  イオン強度が最も高いプロダクトイオンのイオン相対比を 100 %とした。


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附属書 D 
(参考)

精度管理試験結果

この附属書は,この規格の精度管理試験結果を示す。再現精度標準偏差及び併行精度標準偏差は JIS Z 

8402-2 に従い算出したものである。

海水,河川水及び標準品添加精製水を測定した精度管理試験結果を

表 D.1 に示す。測定には 11∼13 試験

室が参加し,各試験所で 1 試料に対して 3 回測定を行った。ここで用いた試料の概要は

附属書 に記載す

る。

表 D.1−精度管理試験結果 

p

o

 

n

o

 

μ 

η 

s

R

 CV

R

 

s

r

 CV

r

 

 ng/L

ng/L

% ng/L

% ng/L

%

海水 PFOS 12

5 19 47

− 18.9 88 3.42

18 0.94

5

 PFOA 13

5 24 38

− 6.95 84 1.05

15 0.26

4

河川水 PFOS 11

4 16 48

− 3.26 92 0.67

20 0.28

8

 PFOA 13

7 15 62

− 10.9 89 0.80

7 0.49

5

標準品添加 PFOS 12

0 32 11 1.91

2.30 87 0.68

30 0.11

4

精製水 1 PFOA 13

1 36

8 2.00

1.95 92 0.47

24 0.14

8

標準品添加 PFOS 11

1 28 15 95.6

121 90 36.9

31 4.29

4

精製水 2 PFOA 13

2 31 21 100 93.3 97 13.7

15 3.84

4

p  :精度管理試験に参加した試験室数(データ提出)

p

o

  :外れ試験室数

n  :測定値の数

n

o

  :外れ値率(%)

μ  :添加標準品濃度(参照値)

m  :測定平均値

η  :内標準回収率(%)

s

R

  :再現精度標準偏差

CV

R

  :再現精度変動係数(%)

s

r

  :併行精度標準偏差

CV

r

  :併行精度変動係数(%)

附属書 JB(試料中の懸濁物の分離及び抽出方法)を用いて,排水 A,排水 B,河川水及び標準品添加精

製水を測定した精度管理試験結果を

表 D.2 に示す。測定には 19∼21 試験室が参加し,各試験所で 1 試料に

対して 3 回測定を行った。ここで用いた試料の概要は

附属書 に記載する。

排水 A,排水 B 及び河川水の化学的酸素消費量(COD)は,それぞれ,5.0 mg/L,36 mg/L,3.6 mg/L で

あり,懸濁物(SS)量は,10 mg/L,20 mg/L,6 mg/L であった。COD は JIS K 0102 の 17.[100  ℃におけ

る過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(COD

Mn

]を用いて,SS は JIS K 0102  の 14.1(懸濁物質)に

よってそれぞれ測定した。


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表 D.2−ろ過操作(附属書 JB)を用いた精度管理試験結果 

p

o

 

n

o

 

μ 

η 

s

R

 CV

R

 

s

r

 CV

r

 

 ng/L

ng/L

% ng/L

% ng/L

%

排水 A PFOS 20 11 60 62

− 12

300

84 3

100

25 709

6

 PFOA 20

6 60 33

− 649 90 127 20 43.6

7

排水 B PFOS 20

7 60 40

− 1

170

94 344 29 136 11

 PFOA 19

7 57 39

− 30.2 100

9.04

30 2.79

8

河川水 PFOS 20

7 59 47

− 6.63 91 1.79

27 0.35

6

 PFOA 19

7 57 44

− 5.08 100

1.47

29 0.36

6

標準品添加 PFOS 21

7 62 40 95.6  105 87 19.5

19 4.91

5

精製水 PFOA 21

5 62 29 100  105 93 11.4

11 4.36

4

注記  記号は表 D.1 と同じ


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附属書 E

(参考)

精度管理試験試料概要

E.1  一般 

この附属書は,

附属書 の精度管理試験に用いた試料の概要を示す。

E.2  精度管理試験試料(表 D.1)の概要 
a)
  海水  海水試料は,東京湾で採取した海水を用いた。

表 E.1−海水試料 

測定対象物質

単位

標準品添加濃度

分析結果

PFOS ng/L

0 18.9

PFOA ng/L

0 6.95

b)  河川水  河川水試料は,茨城県一級河川で採取した河川水を用いた。

表 E.2−河川水試料 

測定対象物質

単位

標準品添加濃度

分析結果

PFOS ng/L

0 3.26

PFOA ng/L

0 10.9

c)  標準品添加水 1  水(空試験によって測定対象物質に相当する位置にピークのないことを確認した水)

に既知量の PFOS 及び PFOA を添加した水を標準品添加水 1 試料とした。

表 E.3−標準品添加水 

測定対象物質

単位

標準品添加濃度

分析結果

PFOS ng/L

1.91 2.30

PFOA ng/L

2.00 1.95

d)  標準品添加水 2  水(測定対象物質に相当する位置にピークのないことを確認した水)に既知量の

PFOS 及び PFOA を添加した水を標準品添加水 2 試料とした。

表 E.4−標準品添加水 

測定対象物質

単位

標準品添加濃度

分析結果

PFOS ng/L

95.6 121

PFOA ng/L

100 93.3

E.3  ろ過操作(附属書 JB)を用いた精度管理試験試料(表 D.2)の概要 
a)
  排水 A  下水処理施設放流水と特殊工場排水を混合したものを排水 A 試料とした。この試料の化学的

酸素消費量(COD)及び懸濁物(SS)量は,それぞれ,5.0 mg/L,10 mg/L であった。


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表 E.5−排水試料 

測定対象物質

単位

標準品添加濃度

分析結果

PFOS ng/L

0

12300

PFOA ng/L

0

649

b)  排水 B  PFOS を開放系で用いていた工場排水を排水 B 試料とした。COD 及び SS 量は,それぞれ,

36 mg/L,20 mg/L であった。

表 E.6−排水試料 

測定対象物質

単位

標準品添加濃度

分析結果

PFOS ng/L

0

1170

PFOA ng/L

0

30.2

c)  河川水  東京都一級河川で採取した河川水を河川水試料とした。COD 及び SS 量は,それぞれ,3.6 mg/L,

6 mg/L であった。

表 E.7−河川水試料 

測定対象物質

単位

標準品添加濃度

分析結果

PFOS ng/L

0

6.63

PFOA ng/L

0

5.08

d)  標準品添加水  精製水(空試験によって測定対象物質に相当する位置にピークのないことを確認した

水)に既知量の PFOS 及び PFOA を添加した水を標準品添加水試料とした。

表 E.8−精度管理試験に用いた標準品添加水 

測定対象物質

単位

標準品添加濃度

分析結果

PFOS ng/L

95.6

105

PFOA ng/L

100

105


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附属書 JA

(規定)

試験に使用する水の質の確認方法

JA.1  一般 

この附属書は,この規格の試料の前処理,試薬の調製,空試験などに使用する水が,測定対象物質に相

当する位置にピークのないことを確認する方法について規定する。

JA.2  水の質の確認方法概要 

この方法は,試料の前処理,試薬の調製,空試験などに使用する水について,試料の測定に用いる高速

液体クロマトグラフタンデム質量分析計に導入し,測定対象物質に相当する位置にピークのないことを確

認するものである。

JA.3  試薬 

試薬は,次による。

a)  メタノール  5.2 b)による。

JA.4  器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a)  目盛付きポリプロピレン製ねじ蓋試験管  5.3 a)による。 
b)  固相カラム  5.3 b)による。 
c)  高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計  6.3 c)による。

JA.5  操作 

操作は,次による。

a)  試験に使用する水 500 mL を固相カラムに 3∼6 mL/min で通す。

b)  5.4 の b)及び c)の操作を行う。

c)  b)で得られた濃縮液について 6.4 の b)及び c)の操作を行い,測定対象物質の保持時間に相当する位置

にピークがないか,ピークが検出されたとしても,試験に影響のないことを確認する。


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附属書 JB

(規定)

試料中の懸濁物の分離及び抽出方法

JB.1  一般 

この附属書は,試料中に懸濁物が多量に含まれる場合の,ろ過による懸濁物除去方法及びろ紙上の懸濁

物中に残留する測定対象物質の抽出方法について規定する。

JB.2  懸濁物除去方法 

この方法は,箇条 の試料の前処理を行う前に,試料中に多量に存在する懸濁物を,吸引ろ過し,懸濁

物を除去し,更に超音波洗浄器を用いてろ過後のろ紙上の懸濁物をメタノールで抽出する操作を規定する

ものである。

JB.3  試薬 

試薬は,次による。

a)  メタノール  5.2 b)による。

JB.4  器具及び装置 

用いる器具及び装置は,次による。

a)  ろ過器(分離形) 
b)  ろ過材  孔径 1∼10 μm のナイロン製又はガラス繊維ろ紙。 
c)  超音波洗浄器

JB.5  操作 

操作は,次による。

a)  採取した試料を振り混ぜ,懸濁物を均一に分散した後,その全量をとり,メタノールで洗浄したろ過

材を用いて吸引ろ過する。

b)  ろ過材上の懸濁物は,ろ過材ごとポリプロピレン製瓶に移し入れ,メタノール約 5∼10 mL を加え,

超音波洗浄器を用いて溶出操作を 2∼3 回行う。溶出液を合わせ,40  ℃以下で加熱しながら,窒素を

緩やかに吹き付け,約 1 mL になるまで濃縮する。

c)  b)のメタノール濃縮液を,a)のろ液に加え,5.4 の a)d)の操作を行う。

注記 1  汚染のないろ過器及びろ過材を使用する。栓に用いられるシリコーン栓などは汚染の可能

性があるため,なるべくガラスジョイントなど,汚染のないものを使用する。

注記 2  メタノール濃縮液 b)のろ液 a)に対する割合が高くなると,PFOS 及び PFOA が固相カラム

5.3 b)による]に保持されないことがあるため,抽出可能なメタノール/水の割合につい

てあらかじめ検討しておく。

注記 3  懸濁物量が多いなど,特殊な試料についてはそのままではろ過ができないため,一度 5.2 a)

の水で希釈して通水することもある。その場合は,希釈操作によって水に対する溶解度の

低い測定対象物質が試料容器の内壁へ固着し,回収率が低くなる場合があるため,容器の

内面を洗いこむなど,特別な注意が必要である。


20

K 0450-70-10

:2011

附属書 JC

(参考)

炭素鎖数の異なる有機ふっ素化合物の測定条件

JC.1  一般 

この附属書は,この規格で規定した試験方法を適用して炭素鎖数の異なる有機ふっ素化合物を定量する

場合の測定条件を示す。

JC.2  前処理法 

前処理法は,箇条 による。

JC.3  高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計の測定条件 

試料抽出液について

表 JC.1 に示す測定条件で,炭素鎖数 4 から 10 までのペルフルオロアルキルスルホ

ン酸類及び炭素鎖数 4 から 18 までのペルフルオロアルキル酸を定量する。

表 JC.1 に示すプリカーサーイ

オン及びプロダクトイオンの例を示す。化学結合形シリカゲルカラムを用いたクロマトグラムの例を

JC.1 に,機器分析条件を表 JC.2 に示す。また,イオン交換能をもつカラムを用いたクロマトグラムの例

図 JC.2 に,機器分析条件を表 JC.3 に示す。

なお,内標準物質のない測定対象物質は,外部標準法を用いて測定する。ただし,既知量の測定対象物

質の標準液を添加した実試料を用いて 5.4 の a)c)の操作を行い,その回収率が 70∼125 %にあることを確

認しておく。回収率が 70 %以上 125 %以下の範囲から外れるときには再試験する。


21

K 0450-70-10

:2011

表 JC.1−炭素鎖数 から 10 までのペルフルオロアルキルスルホン酸類及び炭素鎖数 から 18 までの 

ペルフルオロアルキル酸のプリカーサーイオン及びプロダクトイオンの例 

No

化合物名

略称

質量電荷比(m/z)

プリカーサー

イオン

プロダクト

イオン 1

プロダクト

イオン 2

M

1

a)

M

2

a)

M

3

a)

1  ペルフルオロブタンスルホン酸 PFBS

299

80

99

2  ペルフルオロヘキサンスルホン酸 PFHxS

399

80

99

3  ペルフルオロヘプタンスルホン酸 PFHpS

449

80

99

4  ペルフルオロオクタンスルホン酸 PFOS

499

80

99

5  ペルフルオロデカンスルホン酸 PFDS

599

80

99

6  ペルフルオロオクタンスルホン酸アミド FOSA

498

78

169

7  ペルフルオロブタン酸 PFBA

213

169

8  ペルフルオロペンタン酸 PFPeA

263

219

9  ペルフルオロヘキサン酸 PFHxA

313

269

119

10  ペルフルオロヘプタン酸 PFHpA

363

319

169

11  ペルフルオロオクタン酸 PFOA

413

369

169

12  ペルフルオロノナン酸 PFNA

463

419

219

13  ペルフルオロデカン酸 PFDA

513

469

219

14  ペルフルオロウンデカン酸 PFUnDA

563

519

269

15  ペルフルオロドデカン酸 PFDoDA

613

569

269

16  ペルフルオロトリデカン酸 PFTrDA

663

619

269

17  ペルフルオロテトラデカン酸 PFTeDA

713

669

369

18  ペルフルオロヘキサデカン酸 PFHxDA

813

769

369

19  ペルフルオロオクタデカン酸 PFOcDA

913

869

369

20

18

O 標識化ペルフルオロヘキサンスルホン酸

b)

18

O

2

-PFHxS

403 84 103

21

13

C 標識化ペルフルオロオクタンスルホン酸

b)

13

C

4

-PFOS 503

80

99

22

13

C 標識化ペルフルオロオクタンスルホン酸

b)

13

C

8

-PFOS 507

80

99

23

13

C 標識化ペルフルオロブタン酸

b)

13

C

2

-PFBA 217

172

24

13

C 標識化ペルフルオロヘキサン酸

b)

13

C

2

-PFHxA

315 270 119

25

13

C 標識化ペルフルオロオクタン酸

b)

13

C

4

-PFOA 417

372  169

26

13

C 標識化ペルフルオロオクタン酸

b)

13

C

8

-PFOA 421

376  172

27

13

C 標識化ペルフルオロノナン酸

b)

13

C

5

-PFNA 468

423  219

28

13

C 標識化ペルフルオロデカン酸

b)

13

C

2

-PFDA 515

470  219

29

13

C 標識化ペルフルオロウンデカン酸

b)

13

C

2

-PFUnDA

565 520 269

30

13

C 標識化ペルフルオロドデカン酸

b)

13

C

2

-PFDoDA

615 570 269

注記  ここでは全て直鎖形を対象物質としている。 

a)

  M

2

は定量イオンとして使用し,M

3

は確認イオンとして使用する。M

1

は各化合物の前駆イオンである。

b)

  内標準物質


22

K 0450-70-10

:2011

図 JC.1−炭素鎖数 から 10 までのペルフルオロアルキルスルホン酸類(上)及び 

炭素鎖数 から 18 までのペルフルオロアルキル酸(下)のクロマトグラムの例 

表 JC.2−機器分析条件   

HPLC の条件

導入量: 10

µL

流量: 0.3

mL/min

移動相: (A)

酢酸アンモニウム溶液(2 mmol/L)−メタノール(9+1)

 (B)

メタノール

ガードカラム:

充填剤: XDB®C8

内径: 2.1

mm

長さ: 12. mm

粒子径: 5

µm

本カラム:

充填剤: Betasil®C18

内径: 2.1

mm

長さ: 50

mm

粒子径: 5

µm

カラム温度: 30

溶離条件(B %)

10 % (0.0 min)  →  100 % (10.0 min)  →100 % (13.0 min)  →  10 % (13.1 min)

MS/MS の条件 
表 C.1 の第 4 欄と同じ。


23

K 0450-70-10

:2011

図 JC.2−炭素鎖数 から 10 までのペルフルオロアルキルスルホン酸類(上)及び炭素鎖数 から

18 までのペルフルオロアルキル酸(下)のクロマトグラムの例(陰イオン交換カラム) 

表 JC.3−機器分析条件 

HPLC の条件 
導入量: 10

µL

流量: 0.3

mL/min

移動相: (A)

酢酸アンモニウム溶液(50 mmol/L)

(pH9)

 (B)

メタノール

ガードカラム:

充填剤: OPTI-GUARD®mini

Anion

交換

内径: 1

mm

長さ: 15

mm

本カラム:

充填剤:

Shodex®RSpak JJ-50 2D

内径: 2.0

mm

長さ: 150 mm

カラム温度: 40

溶離条件(B %) 80

%

(アイソクラティック)

MS/MS の条件 
表 C.1 の第 4 欄と同じ。

注記  酢酸アンモニウム溶液(50 mmol/L)(pH9)は,酢酸アンモニウム溶液調製後,アンモニア

水を加えて pH9 になるように調整する。


24

K 0450-70-10

:2011

附属書 JD

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS K 0450-70-10:2011  工業用水・工場排水中のペルフルオロオクタンスルホン酸
及びペルフルオロオクタン酸試験方法

ISO 25101:2009  Water quality−Determination of perfluorooctanesulfonate (PFOS) and 
perfluorooctanoate (PFOA)−Method for unfiltered samples using solid phase extraction 
and liquid chromatography/mass spectrometry

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II)

国際規
格番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

1  適用範

工業用水・工場排水中の
PFOS,PFOA の試験方法
について規定。

 1

飲料水・地下水,及び表層
水中の PFOS,PFOA の試験

方法について規定。

変更

JIS は環境試料として,工業用
水及び工場排水に限定。

JIS は,工業標準化法の対象に限定
して規定している。ただし,河川水

や海水に適用できることを附属書 D
に記載した。

2  引用規

3  共通事

共通事項として,化学分析

通則,水,試薬,器具類,
検量線などについて規定。

 5

6

試薬,器具などは本文中に

記述しており,共通事項と
しての規定はない。

追加

JIS は,共通事項として一般的
な概要を記載。

JIS の規定に従い共通事項を記載し
ている。

4  試料 
4.1  試 料
の採取

試 料 容 器 を 容 量 100 ∼ 
1 000 mL を用いることを
規定。

 7

1 000 mL の容器を用いる。

追加

JIS は,採取試料全量を試験に
対応している。

JIS は,排水などの試料のため高濃
度の場合があり対応できる容器とし
ている。

4.1.2 
採取操作

表層水,各深度の水,配管
からの採取操作を規定。

 7

試料の採取法及び残留塩素
の除去法を規定。

追加及び
削除

JIS は,水試料の種類ごとの採
取を記載。残留塩素除去法を削
除した。

JIS は,測定対象が用水・排水試料の
ため。

4.2  試 料
の取扱い

試験は試料採取後直ちに
行う。できない場合は 0∼
10  ℃で保存。全量を用い
ることから水試料量の測
定法を規定。

 7

採取後 4±2  ℃で保存し,2
週間以内に試験を行う。 
 
 

変更

JIS と ISO 規格とでは,試料保
存温度及び試験までの期間が異

なる。JIS K 0094 を参考として
規定した。 

一層の標準化に努める。 

24

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K 0450-70-10

:2011

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際規
格番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

5  試料の
前処理 
5.1  概要

内標準物質を試料に添加

し,固相抽出を行う前処理
法の概要を記載。試料に懸
濁物が多い場合の処理法

を附属書 JB(規定)に記
載。

 3

原理として,試料の固相に

よる抽出と LC/MS/MS 法を
記載。また,LC/MS 法の使
用を Annex D に記載。

追加

原理は一致しているが,JIS は,

懸濁物の前処理を記載,ISO 
格ではろ過操作を行わない。JIS
は,LC/MS 法を規定していな

い。

JIS は,工業用水・工場排水を対象
としているため,懸濁物の処理を規
定し,また,ISO 規格の LC/MS 法は
参考であり,JIS では規定から除外

した。

5.2  試薬  水の質の確認方法を附属

書 JA(規定)に記載。

記載なし。

追加

JIS は,使用する水からの汚染
のないことを確認。

水の精製に使用する器具類からの汚

染を考慮した。

内 標 準 液 は 内 標 準 原 液

(50 µg/mL)から調製。

 5.6

内標準品固体 10 mg から内

標準液を調製。市販の標準
溶液の使用も可。

変更

JIS では,内標準溶液が供給可
能なため使用。

標準液の調製が精度良く容易である

ことから JIS では規定とした。技術
的差異はない。

5.4  操作  試料に内標準液を添加,固

相に通水,この際試料容器
内を洗浄しこれを通水,溶
離液で抽出後濃縮し試験

溶液とする。また,空試験,
標準液の添加回収試験を
規定。

 8.1

8.4

JIS にほぼ同じ。ただし,試
料容器内の洗浄について記
載はない。

変更

JIS は,固相の具体的な洗浄液,
溶離液の名称を記述せず,附属
書 A に記載。 
ISO 規格は代表的な洗浄液,溶
離液の名称を記載している。

使用する固相によって洗浄液,溶離

液が異なる。使用できる固相を JIS
では附属書 A に 5 種,ISO 規格では
Annex A に 4 種記載されている。試
料容器内洗浄は測定誤差を改善す
る。JIS の規定の国際規格への改正
提案を検討する。

6 高速液
体クロマ

トグラフ
タンデム
質量分析

法 
6.1 概要

LC/MS/MS-ESI の SRM 法
によって対象成分を測定,

機器要因の汚染に留意す
る事項を記載。定量範囲を
規定。

 1

4.2

JIS とほぼ同じ。 
定量範囲を PFOS で 2.0∼ 
10 000 ng/L,PFOA で 10∼  
10 000 ng/L と規定。

変更

定量範囲は,JIS では質量で,
ISO 規格では濃度で表示, 
対象試料が異なることから,範
囲が異なるものもある。

定量範囲の記載は JIS 規定による。 
技術的差異はない。

6.2  試薬  標準液,内標準液などを規

定 。 内 標 準 液 は ,

13

C

8

-PFOS,

13

C

8

 -PFOA も規

定。

 4

JIS とほぼ同じ。 
内標準液として,

13

C

4

標識

化体を規定。 

追加

内標準物質として

13

C

4

標識化体

を JISISO 規格で規定,JIS 

13

C

8

標識化体も規定。

13

C

8

標識化体は,質量数が多くなる

ため選択性が高くなる。JIS の規定
の国際規格への改正提案を検討す
る。

 

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(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際規
格番号  箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

6.3  器 具
及び装置

高速液体クロマトグラフタ

ンデム質量分析計のカラム
の種類を附属書 B(参考)
に,溶離液の組成及び分析

条件を附属書 C(参考)に
記載。

 6.8

6.9 
Annex 

Annex 
C

JIS とほぼ同じ。

追加

JIS は,直鎖形を測定するため,
側鎖異性体との分離条件例を記
載。

排水試料などに側鎖異性体を含むこ

とがあることから,特に分離したク
ロマトグラムなどを記載した。

6.4  操作 

a)に測定物質,内標準物質
の選択イオン例を記載。 
b),c)標準溶液を調製し,
こ れ を高 速液 体ク ロマ ト

グ ラ フタ ンデ ム質 量分 析
計で測定し対象物質,内標
準 物 質の 保持 時間 を確 認

することを規定。

 8.2

JIS とほぼ同じ。 
内標準物質は,

13

C

4

標識化

体の選択イオンを記載。

追加

JIS は,測定物質,内標準物質

13

C

4

及び

13

C

8

標識化体の選択イ

オンを記載,ISO 規格は

13

C

8

識化体を記載していない。

13

C

8

標識化体は,質量数が多くなる

ため選択性が高くなる。JIS の規定
の国際規格への改正提案を検討す
る。

 

d)測定用溶液を測定し,出
現ピークの一致を確認,指
示値を求める。同定は試料
と標準の保持時間の差 1 %

以内,プロダクトイオンの
相対比は標準と±25 %以
内を規定。e)試料と内標準

物 質 の 指 示 値の 比 を 求め
る。

 8.5

JIS とほぼ同じ。 

変更

試料中の対象物質と内標準物質

の保持時間との差は JIS は 1 %
以内,ISO 規格では 0.5 %以内と
規定されている。

測定対象試料が JIS では排水が含ま

れ,マトリックスの影響も考えられ
る。精度管理試験結果を反映して
1 %とした。 

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:2011

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際規
格番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

6.4  操作 
(続き)

f)検量線から試料と内標
準物質の質量比を求め,
濃度を算出する。 
g)試料に添加した内標準
物 質 の 回 収 率 が 70 ∼
125 %の範囲であること,
その確認方法を規定。 
h)空試験結果が,測定値の
1/10 を超える場合は再試
験することを規定。

 9.1

9.2 
10.2

JIS とほぼ同じ。 
濃度の算出は,感度係数法
によって算出。 

追加

JIS は,試料に添加した内標準
物質の回収率を求める方法を規
定。また,空試験で試料測定値
の 1/10 を超える濃度が検出した

場合は再試験を規定。ISO 規格
では回収率の具体的な求め方,
空試験で検出した場合の対応の

記載はない。

JIS に規定した具体的な対応方法が
必要であり,国際規格への改正提案
を検討する。

6.5  検 量

検量線用の標準溶液を段
階的にとり,高速液体ク
ロマトグラフタンデム質

量分析計で測定を行い,
標準濃度と内標準物質濃
度の比を求める。

 9.1

10.1

JIS とほぼ同じ。

変更

検量線測定のための標準は,JIS
では 4∼6 段階,ISO 規格では 5
段階以上と規定されている。

一般的な JIS の試験法に合わせた。
技術的差異はない。

試料測定指示値と内標準
物質指示値の比を求め検

量線を作成する。10 試料
ごとに検量線の 1 点を測
定,検量線から 20 %以上

はずれたら再度検量線を
作成することを規定。

JIS とほぼ同じ。 
ただし,検量線の作成では

直線回帰によって傾きと切
片を求める式を記載。

変更

検量線のチェックの 1 点測定
は,JIS では 10 試料ごとに,ISO

規格では試料測定前後と規定さ
れている。

検量線の妥当性を確認することは,
精度を確保する上で必要であり,JIS

では検量線のチェックの頻度を具体
的に規定している。JIS 規定の ISO
規格への改正提案を検討する。

附属書 A

(参考)

固相吸着剤の例を規定

Annex 
A

JIS とほぼ同じ。

追加

吸着剤を追加している。

市販されているものの例を追加した

もので,技術的な差異はない。

附属書 B

(参考)

HPLC カラムの例  Annex

B

JIS とほぼ同じ。

追加

カラム及び充填剤を追加してい

る。

市販されているものの例を追加した

もので,技術的な差異はない。

附属書 C 
(参考)

直鎖の PFOS 及び PFOA
と 側 鎖 の PFOS 及 び
PFOA 異性体との分離例

 Annex

C

JIS とほぼ同じ 

追加

直鎖形を測定するために側鎖異
性体との分離条件例を記載。

JIS は,直鎖形を測定するため,側
鎖異性体との分離条件例を追加して

いる。JIS 規定の ISO 規格への改正
提案を検討する。

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:2011

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び題名

内容

(II) 
国際規
格番号  箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

Annex 
D

ス ク リ ー ニ ン グ 法 と し て
LC/MS 法 の 使用 条件 を記
載。 

削除

ISO 規 格 で は , Annex D に
LC/MS 法の使用条件を記載し
ているが,JIS では LC/MS 法の
記載は削除している。

LC/MS 法は LC/MS/MS 法に比較し
精度が低いため,JIS では削除した。
ISO 規格では,LC/MS/MS 法による
確認を規定しており,JIS と同等と

考えられる。

附属書 D 
(参考)

日本で実施した精度管
理試験結果を記載。ろ

過操作を省略した方法
の結果を表 D.1 に,附
属書 JB の操作による

結果を表 D.2 に記載。

 Annex

E

ISO で実施した精度管理試
験結果を記載。

削除,追

JIS は,規格の作成に当たり日
本で精度管理試験を実施しこれ

を記載。ISO で実施した精度管
理試験結果を削除した。 

排水試料を含めた日本での精度管理
の結果を得ることと,JIS に規定し

た懸濁物が多い場合のろ過水及び懸
濁物を含めた試験方法の精度管理結
果を求めた。

附属書 E

(参考)

精度管理試験に用いた

試料の詳細(日本で実
施したデータ) 

 Annex

F

精度管理試験で用いた試料

の詳細(ISO で実施したデ
ータ) 

変更

ISO で実施した試験データでな
く,日本で実施した試験データ
を採用している。

JIS では,工業用水・工場排水を試
験対象としているため。 
今後 ISO 規格に工業用水・工場排水
も測定対象に入れることを検討す

る。

附属書 JA
(規定)

この規格の試料の前処
理,試薬の調製,空試

験 な ど に 使 用 す る 水
が,測定対象物質に相
当する位置にピークの

ないことを確認する方
法について規定。

追加

ISO 規格では,試験に使用する
水の質の確認方法の詳細な記載

はない。使用する水は ISO 3696
に従うと記載されている。

ISO 規格が運用され,必要性が生じ
たら,次回の定期見直しで改正案を

提出する。

附属書 JB
(規定)

試料中に懸濁物が多量
に含まれる場合の,ろ
過による懸濁物除去方

法及びろ紙上の懸濁物
中に残留する測定対象
物質の溶出方法につい

て規定。

追加

JIS は工業用水及び工場排水を
対象にしているため,懸濁物質
が多い試料の前処理方法を記載

している。 

ISO 規格は飲料水・地下水,及び表
層水中など懸濁物質が比較的少ない
試料を対象にしているため,附属書
JB の記述は必要でない。 

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:2011

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際規
格番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

附 属 書
JC 
(参考)

炭素鎖数が異なる有機ふ

っ素化合物の測定条件を
記載。

追加

JIS は C4-10 のペルフルオロア
ルキルスルホン酸,C4-8 ペルフ
ルオロアルキル酸及び内標準物
質の測定条件例を記載。 

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 25101:2009,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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:2011

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[10] JIS Z 8402-2  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 2 部:標準測定方法の併行精度

及び再現精度を求めるための基本的方法

注記  対応国際規格  ISO 5725-2,Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and

results  −Part 2: Basic method for the determination of repeatability and reproducibility of a

standard measurement method(IDT)