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K 0420-74-10 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10712 : 1995 [Water quality−

Pseudomonas putida growth inhibition test (Pseudomonas cell multiplication inhibition test)]

を基礎として用いた。

JIS K 0420-74-10

には,次の附属書がある。

附属書 A(参考)  水溶性物質の試験のための手順

附属書 B(参考)  文献

附属書 1(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表


K 0420-74-10 : 2000

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  原理

2

5.

  試薬

3

6.

  材料及び装置

4

7.

  試料の取扱い

4

8.

  操作

5

8.1

  前培養 (3.5) の準備

5

8.2

  試験培養の準備

6

8.3

  培養

6

8.4

  測定

6

9.

  妥当性の基準

6

10.

  結果の計算

7

11.

  結果の表示

7

12.

  試験報告

7

13.

  結果の解釈

8

14.

  手順の特徴

8

附属書 A(参考)  水溶性物質の試験のための手順

9

附属書 B(参考)  文献

10

附属書 1(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

11


日本工業規格

JIS

 K

0420-74-10

: 2000

水質−

シュードモナス  (Pseudomonas putida)

生長阻害試験

[シュードモナス  (Pseudomonas putida)

増殖阻害試験]

Water quality

Pseudomonas putida growth inhibition test

  (Pseudomonas cell multiplication inhibition test)

序文  この規格は,1995 年に第 1 版として発行された ISO 10712,Water quality−Pseudomonas putida growth

inhibition test (Pseudomonas cell multiplication inhibition test)

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更

することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規

格として追加している。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

細菌の一種シュードモナス  (Pseudomonas putida)  は,代表的な淡水産従属栄養細菌として使用される。

1.

適用範囲  この規格は,シュードモナス  (Pseudomonas putida)  に対する,地表水,地下水及び廃水の

増殖抑制効果を測定するための試験方法について規定している。

この方法は,かなり着色した試験試料,不揮発性及び揮発性の物質を含んだ試料,培養液と反応する物

質を含んだ試料,試験期間中に変化(例えば,沈殿,生化学的又は光化学的分解)を起こし,間違った結

果を出したり,再現性を損なうような結果を生じるような試料には適していない。

この方法は,水溶性の物質を試験するのにも適している(

附属書 参照)。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 10712 : 1995,

  Water quality−Pseudomonas putida growth inhibition test (Pseudomonas cell

multiplication inhibition test) (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0400-9-10

  水質−濁度の測定

備考  ISO 7027 : 1990,    Water quality−Determination of turbidity が,この規格と一致している。


2

K 0420-74-10 : 2000

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8263

  寒天(試薬)

JIS K 8562

  硝酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8995

  硫酸マグネシウム七水和物(試薬)

JIS K 9007

  りん酸二水素カリウム(試薬)

JIS K 9017

  りん酸水素二カリウム(試薬)

JIS K 9809

  生化学試薬−D (+)  −グルコース

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

増殖 (multiplication);生長 (growth)   試験期間中の細胞数の増加。

3.2

濃度−作用の関係 (concentration-effect relationship)   試験試料の濃度に対する細胞増加抑制の度

合い。

備考  この関係は,横軸を試料の濃度に,縦軸を抑制値にプロットすることによってグラフで表され

る。

3.3

作 用 濃 度  (effective concentration) (EC)   対 照 と比 較 し , 16 ± 1 時 間 以 内 に シ ュ ー ド モ ナ ス

(Pseudomonas putida)

の細胞の増殖を抑制する計算上又は補外した試験試料の濃度。

試験試料の濃度(EC10 と EC50)は濃度−作用関係から求められ,細胞の増殖が対照と比較してそれぞ

れ 10%,50%に抑制される濃度である。

3.4

保存培養 (stock culture)   系統株から得られた培養菌体で,試験に際し,前培養のための接種に使

用する。

3.5

前培養 (preculture)   試験細菌を試験条件に適応させたり,培養試験のための接種菌体として指数

関数的に増加するように培養した培養菌体。

3.6

試験培養 (test culture)   菌体が接種された培地  (3.9)。

3.7

接種菌体 (inoculum)   栄養培地液に接種する細菌の懸濁液。

3.8

栄養培地 (nutrient solution)   細菌の増殖に必要な栄養素を含んだ溶液。

3.9

試験培地 (test medium)   試験試料,希釈水及び栄養培地  (3.8)  の混合物(接種菌体は含まない)。

3.10

試料 (sample)   試験用の地表水,地下水及び廃水。

3.11

試験試料 (test sample)   懸濁化,pH 調節,ろ過及び遠心分離といったすべての準備段階を終了し

た後の試料。

3.12

対照 (control)   希釈水,栄養培地及び接種菌体の混合物(試験試料は含まない)。

3.13

ホルマジン濁度単位  (formazine nephelometric unit) (FNU)    ホルマジン濁度単位。436nm における

細胞懸濁液の吸光度で,JIS K 0400-9-10 によってホルマジン濁度単位として測定する。

4.

原理

−  様々な濃度に希釈した試験試料中で細胞増殖を測定した後,同様な条件で試験試料を添加せずに培養

した対照と比較し,シュードモナスに対する抑制影響を測定する。

−  試験時間 16±1 時間後,細胞の濃度を吸光度として測定する。

− 16±1 時間以内で細胞増殖が 10%と 50%までに抑制された試験試料の濃度が,評価の基準となる。


3

K 0420-74-10 : 2000

5.

試薬  試薬は,分析用と認められたものだけ,及び水はイオン交換水又は同等の純度のもの。

5.1

試験生物  シュードモナス  (Pseudomonas putida)  は,シュードモナス  (Pseudomonadaceae)  科に属す

るグラム陰性の好気性細菌で,極べん(鞭)毛をもつかん(桿)菌(直径 0.7∼1.1

µm,長さ 2.0∼4.0µm)

である。土壌及び地表水に常在する。最適な生育温度は 25∼30℃にある。

備考  次の二つの系統が,この試験に適している。

a) MIGULA

,Berlin33/2 系統 (DSM 50026)  

この系統は,次のコレクションから得られる。

German collection of microorganisms

Mascheroder Weg 1b

D-38124 Brauschweig

Germany

b) NCIB

系統 9494

この系統は,次のコレクションから得られる。

Torry Research Station

P.O.Box 31

Aberdeen, UK

又は,同等の感度をもった系統であれば,他の系統でも使用可能である。

5.2

塩酸,c (HCl)  1mol/L  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

5.3

水酸化ナトリウム溶液,c (NaOH)  1mol/L  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製

する。

より濃度の薄い,又は濃い酸及びアルカリ溶液は必要に応じて pH 調節に使ってもよい。

5.4

栄養培養液  保存溶液 I∼IV(5.4.15.4.4 参照)を用意し,それらを例えば,121℃で 10 分間の条

件で滅菌する。

溶液は,2∼4℃の冷蔵庫で数週間は保存できる。

5.4.1

溶液 I,  JIS K 8562 に規定する硝酸ナトリウム (NaNO

3

) 10.0g

JIS K 9017 に規定するりん酸水

素二カリウム (K

2

HPO

4

) 2.4g

JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウム (KH

2

PO

4

) 1.2g

及び酵母エキス

1.0g

をそれぞれとり,水を加えて 500ml とする。

5.4.2

溶液 II,  JIS K 8562 に規定する硝酸ナトリウム (NaNO

3

) 10.0g

,  JIS K 9017 に規定するりん酸水

素二カリウム (K

2

HPO

4

) 2.4g

及び JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウム (KH

2

PO

4

) 1.2g

をそれぞれ

とり,水を加えて 500ml とする。

5.4.3

溶液 III,グルコース溶液  生化学・微生物用の D (+)  グルコース一水和物 (C

6

H

12

O

6

・H

2

O) 40g

[又

は JIS K 9809 に規定する生化学試薬−D (+)  −グルコース 36.3g]をとり,水を加えて 500ml とする。

5.4.4

溶液 IV,硫酸マグネシウム−くえん酸鉄 (III) 溶液  JIS K 8995 に規定する硫酸マグネシウム七

水和物 (MgSO

4

・7H

2

O) 4.0g

及びか粒状のくえん酸鉄 (III) 0.01g をそれぞれとり,

水を加えて 500ml とする。

備考

*

手間を省くため,溶液 I と III は5.58.1の,保存液 II と III は8.2の手順にある滅菌の後に,

合わせることができる。

*

原国際規格には規定されているが,該当する箇所がない。

5.5

保存培養(表 を参照)

5.5.1

保存培養用栄養培地(斜面寒天)

−  寒天(微生物用高純度のもの)

(又は JIS K 8263 に規定する寒天)18g を温めて水に溶かす。


4

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−  溶液 I (5.4.1) 50ml,溶液 III (5.4.3) 125ml,溶液 IV (5.4.4) 100ml を合わせた後,水を加えて 1 000ml と

する。

−  固まっていない栄養培地 6∼10ml を培養用試験管に入れ,栓をした後,121℃で 10 分間滅菌する。

−  その栄養寒天培地を斜めに保って凝固させた後,2∼4℃で保存する。

5.5.2

保存培地の取扱い

−  試験用の系統のシュードモナスの保存培養は,保存用培養用栄養培地  (5.5.1)  の斜面寒天固体培地上

で行って保存する。

−  試験用の系統を保存するために 1 週間ごとに,新しい保存培地を調製する。

−  この目的のために接種した保存培地を 25±4℃で 24 時間培養する(25±4℃で保存する)

。1 系統を長

期間培養は,試験生物の感受性に変化を引き起こす可能性がある。このような場合は,試験には新た

に培養する。

備考 24 時間の培養後に緑の色素が作られるかもしれないが,これは正常なことで,汚染菌が混入し

ているわけではない。

表 1  各種培地中の最終濃度

栄養素

保存培地  (5.5)

mg/L

前培養  (8.1)

mg/L

試験培地  (8.2)

mg/L

NaNO

3

 1 000

  500

  500

K

2

HPO

4

   240

  120

  120

KH

2

PO

4

   120

   60

   60

酵母エキス

   100

   50

 

C

6

H

12

O

6

・H

2

O

10 000

  2 000

2 000

MgSO

4

・7H

2

O

   400

  200

  200

くえん酸鉄 (III)

      1.0

      0.5

      0.5

寒天

18 000

 

6.

材料及び装置  栄養培地の調製中及び試験中に,試験試料と触れる器具は,ガラス製か化学的に不活

性の材料でできているものとする。

試験系統と接触するガラス器具及び栓は,もし,減菌していない場合は培養液とともに,使用前に滅菌

しなければならない。

6.1

分光光度計又は濁度計  若しくは,十分な感度があり,濁度との相関性が受け入れられるものであ

るなら,別の方法で系統の生育状態を測定してもよい。

6.2

顕微鏡  最小倍率×100

6.3

pH

6.4

温度調節器

6.5

培養フラスコ

6.6

高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)

7.

試料の取扱い

−  試料を採取し,準備ができたら,できるだけ早く試験する。

−  避けられない場合,試料は冷やすか(2∼4℃で 2 日間まで)

,凍らせて(−18℃で 2 週間まで)保存す

る。試験試料の毒性は置いておくと変化するので,例外的な場合だけ試料を保存する。

−  必要な場合は,培地を用意する前に試料をよく振り混ぜるか,懸濁化する。


5

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−  試料の pH を測定する。

−  試験は,通常 pH を調節せずに行う。抑制効果が異常な pH によってだけ生じるようであるなら,pH

を 7.4 に調節した追加試験を実施する。この場合,試験試料は塩酸  (5.2)  又は水酸化ナトリウム溶液

(5.3)

を用い,pH を 7.4±0.3 に調節する。この操作による試験試料の変化はできるだけ小さくする。

必要な場合,例えば,試料が微生物によって高濃度に汚染されているような場合,試料はろ過によっ

て滅菌できる。しかし,これは試料の毒性の効果に変化を与える可能性がある。

8.

操作

8.1

前培養 (3.5) の準備

8.1.1

前培養用培地の準備

−  滅菌した容器に滅菌した水 900ml を入れるか,水 900ml を適切な容器に入れて滅菌する。

−  溶液 I 及び III(5.4.1 及び 5.4.3)をそれぞれ 25ml をとり,混ぜ合わせ,その溶液に更に溶液 IV (5.4.4)

50ml

を加える。

備考  前培養用培地の pH は,7.2±0.2 になる。

−  前培養培地を無菌的に培養フラスコに分注する(例えば,コニカルフラスコ 250ml に培地 90ml ずつ

を入れる。

8.1.2

前培養のための接種菌体の準備

−  培養後 7 日間までの保存株を前培養し,接種菌体の準備をする。

−  斜面寒天  (5.1.1)  培地から滅菌した前培養培地  (8.1.1)  を用いて細胞を採取する。

−  この細胞懸濁液を滅菌した前培養培地で薄め,前培養培地中の濁度が 10FNU になるようにする。

例  前培養の体積が最終的に 100ml ならば,細胞懸濁液の濁度は,100FNU にまで希釈しなければい

けない。これはこの細胞懸濁液 10ml には 90ml の前培養培地が加えられるからである  (8.1.1)。

備考1.  細菌の細胞懸濁液の吸光度は,JIS K 0400-9-10の第3章に従って,透過光の減衰を測定するよ

うな光電子的な計測(JIS K 0400-9-103.4

,光の散乱を計測する(JIS K 0400-9-103.3

などの方法によって測定する。吸光度が0.4より小さい場合に FNU の検量線を使用し,吸光

度が0.4より大きいときは懸濁液を吸光度0.1∼0.4に薄めなければならない。

2. FNU

測定の代わりに,ほかの濁度単位も使える。例えば,

A

610

=0.02 (10FNU)

A

610

=0.2 (100FNU)

A

610

=0.1 (50FNU)

ただし,A

610

は 610nm における吸光度である。

8.1.3

培養及び接種菌体の使用

−  菌体  (8.1.2)  を前培養培地  (8.1.1)  に接種する。

−  培養フラスコ  (6.5)  を,滅菌した多孔質の栓で封じる。

−  前培養を試験  (8.3)  と同じ温度で 5±0.5 時間培養し,細菌を懸濁状態にしておく(例えば,振り混ぜ

て)

。また,フラスコの壁に沈殿物が残らないようにする(例えば,振り混ぜて)

−  培養が終わったら,一定の濁度(例えば,50FNU)になるように菌体懸濁液を試験培養液(

表 参照)

で薄める。

備考  接種菌体は,対数増殖期にある前培養から採取しなければならない。この細菌は,鎖状にはな

らないことに注意する。これは顕微鏡で観察できる。もし,繊維状のものが観察されたら,新


6

K 0420-74-10 : 2000

たな培養菌体を用意することが望ましい。

8.2

試験培養の準備

−  希釈段階を選び(例えば,

表 参照),試験試料  (3.11)  とイオン交換水  (5.)  とで希釈段階を準備する。

−  例えば,培養フラスコ 250ml に最終の体積 100ml のように,試験培養に使用する容器に合わせて,最

終的に必要な体積を準備する。最終的な体積が 100ml のような次の例では,試験培養菌体は数 ml の

単位で一定体積中に含まれる。

−  溶液 II,III 及び IV (5.4),希釈液,試験試料を培養フラスコ  (6.5)  に入れる。

−  次に,8.1.2 によって,試験培養が計算上 5FNU の濁度になるように調節した接種菌体を加える。

−  空気を通す滅菌した栓か,アルミニウムのキャップでフラスコを閉める。

−  使用可能な最高濃度は,試験試料を 80%含んだ試験培地である。

−  可能であるなら,各希釈段階で同様な三つのフラスコで試験するようにする。

−  並行して試験するフラスコの数は選択した意味,必要な信頼限界,個々の測定において予想されるば

らつきに左右される。

備考  より細かく濃度こう配が設定されて測定が行われるなら,試験フラスコの数が減ってもよい。

−  試験試料が濁っていたり着色している場合は,接種菌体が入っていない希釈系列を用意する。この場

合,接種菌体はこの菌体の体積に対応する前培養培地(8.1.1)と置き変わる。

表 2  試験系列の例

希釈系列

希釈水  (5.)  添加

試験試料

保存液  (5.4)

接種量  (8.1.2)

最終体積

II

III

IV

(50FNU,

λ=436nm)

係数,f

2

ml

ml

ml ml ml

ml

ml

対照 80  0

2.5

2.5

5  10

100

 2

30

50

2.5

2.5

5

10

100

 4

55

25

2.5

2.5

5

10

100

 8

  67.5

 12.5

2.5

2.5

5

10

100

16

  73.7

  6.3

2.5

2.5

5

10

100

32

  76.9

  3.1

2.5

2.5

5

10

100

64

  78.5

  1.5

2.5

2.5

5

10

100

8.3

培養

−  試験培養と対照培養は,23±1℃の一定温度,暗所で実施する。

−  試験中の温度の変化は,±1℃より大きくなってはならない。

−  細菌を懸濁状態に保ち(例えば,振り混ぜる。

,沈殿物がフラスコの壁に残らないようにする。

8.4

測定

− 16±1 時間培養した後,振り混ぜによって懸濁状態とし,直ちに濁度を測定する。

備考  試験試料との反応によって細胞増殖中に色の変化が起きた場合は,この影響を減じる必要があ

る。測定のために他の波長を選んでもこれができないならば,対応する希釈段階の試料をろ過

してきれいにした後,吸光度を測定し,空試験値とする。この値は,単光束の光度計の場合に

は試料の測定値から差し引かなければならない。

9.

妥当性の基準  次の場合は,試験は有効であるとみなす。

−  対照 (5FNU) に使われた接種菌体が試験期間中に少なくとも 60 倍の係数まで増加した。

−  参照物質 3.5−ジクロロフェノールの EC50 が 10∼30mg/L の間にある。

備考 60 倍という係数は,細菌の 5∼6 回の細胞分裂に対応している。


7

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10.

結果の計算

−  個々の希釈について,試験期間(例,

表 参照)の最後に生産された生物量に対応する濁度値をまと

める。

−  次のようにして,それぞれの試験濃度において細胞増幅阻害の割合  (I)  を計算する。

100

×

×

×

=

o

e

n

e

B

B

B

B

I

ここに,

I

細胞増殖阻害度

 (%)

B

n

試験期間の最後における生物量として測定された濁度で,試
験試料の

n

番目の濃度に対応する(例えば,

1:2

B

e

試験期間の最後における対照の生物量として測定される濁度

B

o

対照の時間

t

o

における生物量として最初に測定された濁度

対応する希釈係数に対して,それぞれの希釈濃度で計算した阻害の値

  (I)

をプロットする。

 EC10

EC50

推定値は,それぞれ縦軸の

10%

50%

の値に対応する横軸(濃度)の値として求められ

る。

備考

値は,コンピュータで適切な回帰モデルを使って示してもよい。

表 3  試験結果の例

希釈段階

測定値

平均値

 FUN

(436nm)

(f

=2) 1 2 3 FNU

(436nm)

 1/2

 23

 25

 24

 24

 1/4

 58

 64

 64

 62

 1/8

128

131

139

133

1/16 290

279

282

284

1/32 426

426

403

418

1/64 455

460

450

455

対照:  440FNU ; 448.8FNU ; 439FNU ;

460FNU ; 455FNU ; 450FNU (436nm)

11.

結果の表示  試験試料の濃度影響は,図及び表の形で(表 参照)示す。

表 4  結果の表によるまとめの例

希釈段階

生長阻害  %

 2

95

 4

86

 8

70

16 37

32

8

64

0

12.

試験報告  報告書には,次の事項を含めなければならない。

a)

この規格の引用

b)

試料の特質:由来,日付/試料採取にかかった時間など

c)

試料の調製(適用できる場合は)

懸濁化,安定化,

pH

調節,ろ過,遠心分離などについての詳細


8

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d)

試験に使用した生物:種類,系統番号

e)

試験条件

試験日

試験装置

培養温度

試験の最初と最後の

pH

接種菌体濃度

f)

測定の手順

濁度及び吸光度の測定(光度計での測定における波長など)

g)

結果の表示

  (

11.

)

それぞれの濃度段階での濁度の測定値を,表によって表示(個々の値及び平均の値)

それぞれの濃度段階における阻害値を図及び表,又はいずれかで表示

 EC10

EC50

の値

参照物質の

EC

の値

h)

この手順とは異なるすべての事項,及び例えば,汚染菌の生長のように結果に影響した可能性のある

すべての情報。

13.

結果の解釈  報告された値は,一定の実験室条件で測定された毒性学的特質である。しかしながら,

この方法によって測定された有害な影響は,水界において望ましくない変化が起こっているということの

懸念を指示する。ただし,これはすべての場合にその水界における影響があるということを直接的に結論

づけるものではない。

14.

手順の特徴

 1989

年に

21

の研究室が参加して行われた試験で,

3.5

−ジクロロフェノールに対する次の

EC

の値が

決定された。

EC10

 13.7mg/L

EC50

 21.4mg/L

再現性の変動係数

 (VC

R

)

は,それぞれ

31.8%

23%

であった。


9

K 0420-74-10 : 2000

附属書 A(参考)  水溶性物質の試験のための手順

序文  この附属書は,この規格の参考として記述したものであり,規定の一部ではない。

試験する化学物質の保存液を用意する。

試験に用いる容器によって最終的に必要な体積を決める。

適切な希釈段階を選定する。

表 にある例に従って,試験物質の保存液とイオン交換水

  (

5.

)

で一連の希釈液を用意する。

最低試験濃度では,みため阻害は観察されず,最高試験濃度では少なくとも

50%

阻害

 (EC50)

がある

ような試験物質の濃度で試験する。

すべての物質の全体的な影響を,図及び表,又はいずれかで表示する。

それぞれの濃度で算出された阻害値

  (I)

10.参照)を,対応する試験物質の濃度(濃度−作用関係,

3.2

)に対してプロットする。

 EC50

mg/L

でグラフから求めるか回帰分析によって算出する。

試験報告は,試験物質の次のような事項も含めなければならない。

試験物質の特質

構造式

純度

ロット番号など


10

K 0420-74-10 : 2000

附属書 B(参考)  文献

序文  この附属書は,この規格で参考とした文献を記述したものであり,規定の一部ではない。

[1]

  BRINGMANN, G. and KOHN, R. Limiting values for the damaging action of water pollutants to bacteria

(Pseudomonas putida) and green algae (Scenedesmus quadricauda) in the cell multiplication inhibition test. Z. f.

Wasser-und Abwasser-Forschung

10

 (1977), pp. 87-98.


11

K 0420-

74-1

0

 : 2

000

附属書 1(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

序文  この附属書は,対応する国際規格との対比表を参考として記述したものであり,規定の一部ではない。

附属書 表 1  対比表

JIS K 0420-74-10 : 2000

水 質 − シ ュ ー ド モ ナ ス   (Pseudomonas putida)  生 長 阻 害 試 験 − [ シ ュ ー ド モ ナ ス

(Pseudomonas putida)

増殖阻害試験]

ISO 10712 : 1995

水質−水成分のバクテリアへの抑制影響の測定(シュードモナスセル増殖抑制試

験)

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定 (IV)

JIS

と国際規格の技術的差異の項目ご

との評価及びその内容 
表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(II)

国際
規格
番号

項目
番号

内容

項目ごとの 
評価

技術的差異の内容

(V)  JIS

と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

序文

定形文

定形文 IDT

1.

適用範囲

適用試料,非適用試料

1.

適用試料,非適用試料 IDT

2.

引用規格

濁度の測定,試薬  2.

濁度の測定 MOD/追加

JIS

試薬を追加

品質が保証された試薬を使用する
必要があるため。

3.

定義

3.

3.1

増殖

3.1

増殖 IDT

3.2

濃度−作用の関係

3.2

濃度−作用の関係 IDT

3.2

作用濃度

3.2

作用濃度 IDT

3.4

保存培養

3.4

保存培養 IDT

3.5

前培養

3.5

前培養 IDT

3.6

試験培養

3.6

試験培養 IDT

3.7

接種菌体

3.7

接種菌体 IDT

3.8

栄養培地

3.8

栄養培地 IDT

3.9

試料

3.9

試料 IDT

3.10

試験試料

3.10

試験試料 IDT

3.11

対照

3.11

対照 IDT


12

K 0420-

74-1

0 : 2

000

JIS K 0420-74-10 : 2000

水 質 − シ ュ ー ド モ ナ ス   (Pseudomonas putida)  生 長 阻 害 試 験 − [ シ ュ ー ド モ ナ ス

(Pseudomonas putida)

増殖阻害試験]

ISO 10712 : 1995

水質−水成分のバクテリアへの抑制影響の測定(シュードモナスセル増殖抑制試
験)

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定 (IV)

JIS

と国際規格の技術的差異の項目ご

との評価及びその内容

表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(II)

国際

規格
番号

項目
番号

内容

項目ごとの 
評価

技術的差異の内容

(V)  JIS

と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

3.12

ホルマジン濁度単位  3.12

ホルマジン濁度単位 MOD/追加

文章中にホルマジン濁度単
位を明記

濁度単位としてホルマジンを使用
することを明確にするため。

4.

原理

測定原理,評価の基準など

 4.

測定原理,評価の基準など

IDT

5.

試薬

5.

5.1

試験生物

5.1

試験生物 IDT

5.2

塩酸,濃度,調製は JIS 

 5.2

塩酸,濃度 MOD/追加

JIS

試薬を規定内容として

追加

品質が保証された試薬を使用する
必要があるため。

5.3

水酸化ナトリウム,濃度,
調製は JIS 試薬

 5.3

水酸化ナトリウム,濃度 MOD/追加

JIS

試薬を規定内容として

追加

品質が保証された試薬を使用する
必要があるため。

5.4

栄養培養液の調製,保存

5.4

栄養培養液の調製,保存 IDT

5.4.1

溶液 I,調製法,調製は JIS
試薬

 5.4.1

溶液 I,調製法,試薬名称 MOD/追加

JIS

試薬を規定内容として

追加

品質が保証された試薬を使用する
必要があるため。

5.4.2

溶液 II,調製法,調製は JIS
試薬

 5.4.2

溶液 II,調製法,試薬名称

MOD

/追加

JIS

試薬を規定内容として

追加

品質が保証された試薬を使用する
必要があるため。

5.4.3

溶液 III,調製法,調製は対
応国際規格の試薬及び JIS
試薬を併記

 5.4.3

溶液 III,調製法,試薬名称

MOD

/追加

JIS

試薬を規定内容として

併記

品質が保証された試薬を使用する
必要があるため。

5.4.4

溶液 IV,調製法,調製は JIS
試薬

 5.4.4

溶液 IV,調製法,試薬名称

MOD

/追加

JIS

試薬を規定内容として

追加

品質が保証された試薬を使用する
必要があるため。

5.5

保存培養

5.5

保存培養 IDT

5.5.1

保存培養用栄養培地の調製

法,寒天の調製は対応国際
規格試薬の試薬及び JIS 
薬を併記

 5.5.1

保存用栄養培地の調製法 MOD/追加

JIS

試薬を規定内容として

併記

品質が保証された試薬を使用する

必要があるため。

5.5.2

保存培地の取扱い

5.5.2

保存培地の取扱い IDT


13

K 0420-

74-1

0

 : 2

000

JIS K 0420-74-10 : 2000

水 質 − シ ュ ー ド モ ナ ス   (Pseudomonas putida)  生 長 阻 害 試 験 − [ シ ュ ー ド モ ナ ス

(Pseudomonas putida)

増殖阻害試験]

ISO 10712 : 1995

水質−水成分のバクテリアへの抑制影響の測定(シュードモナスセル増殖抑制試
験)

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定 (IV)

JIS

と国際規格の技術的差異の項目ご

との評価及びその内容

表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(II)

国際

規格
番号

項目
番号

内容

項目ごとの 
評価

技術的差異の内容

(V)  JIS

と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

6.

材 料 及 び

装置

ガラス器具類の材質,取扱

 6.

ガラス器具類の材質,取扱

IDT

6.1

分光光度計又は濁度  6.1

分光光度計又は濁度 IDT

6.2

顕微鏡

6.2

顕微鏡 IDT

6.3 pH

6.3

pH

計 IDT

6.4

温度調節器

6.4

温度調節器 IDT

6.5

培養フラスコ

6.5

培養フラスコ IDT

6.6

高圧蒸気滅菌器

6.6

高圧蒸気滅菌器 IDT

7.

試 料 の 取

扱い

試料の採取,保存,pH 調節

など

 7.

試料の採取,保存,pH 調節

など

IDT

8.

操作

8.

8.1

前培養の準備

8.1

前培養の準備 IDT

8.1.1

前培養培地の準備

8.1.1

前培養培地の準備 IDT

8.1.2

前培養のための接種菌体の
準備

 8.1.2

前培養のための接種菌体の
準備

IDT

8.1.3

培養及び接種菌体の使用

8.1.3

培養及び接種菌体の使用 IDT

8.2

試験培養の準備

8.2

試験培養の準備 IDT

8.3

培養

8.3

培養 IDT

8.4

測定原理,評価の基準など

 8.4

測定原理,評価の基準など

IDT

9.

妥 当 性 の

基準

妥当性の基準

9.

妥当性の基準 IDT

10.

結果の計

算出方法

10.

算出方法 IDT

11.

結果の表

表示方法,その例示  11.

表示方法,その例示 IDT


14

K 0420-

74-1

0 : 2

000

JIS K 0420-74-10 : 2000

水 質 − シ ュ ー ド モ ナ ス   (Pseudomonas putida)  生 長 阻 害 試 験 − [ シ ュ ー ド モ ナ ス

(Pseudomonas putida)

増殖阻害試験]

ISO 10712 : 1995

水質−水成分のバクテリアへの抑制影響の測定(シュードモナスセル増殖抑制試
験)

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定 (IV)

JIS

と国際規格の技術的差異の項目ご

との評価及びその内容

表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(II)

国際

規格
番号

項目
番号

内容

項目ごとの 
評価

技術的差異の内容

(V)  JIS

と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

12.

試験報告

規格の引用,測定条件など
報告事項

 12.

規格の引用,測定条件など
報告事項

IDT

13.

結果の解

13.

 IDT

14.

手順の特

3.5

−ジクロロフェノール

に対する EC の値及びその
再現性

 14.

3.5

−ジクロロフェノール

に対する EC の値及びその
再現性

IDT

附属書 A

(参

考)

水溶性物質の試験のための

手順

附属書

A

(参

考)

水溶性物質の試験のための

手順

MOD

/追加

附属書序文で定形文を追加

JIS Z 8301 : 2000

(規格票の様式)

の規定に従ったため。

附属書 B(参
考)

文献

附属書

B

(参

考)

文献 MOD/追加

附属書序文で定形文を追加

JIS Z 8301 : 2000

(規格票の様式)

の規定に従ったため。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

備考1.項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    − IDT………………   技術的差異がない。 
    − MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

2

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    − MOD……………

国際規格を修正している。


15

K 0420-74-10 : 2000

原案作成委員会  構成表(平成

11

3

月現在)

氏名

所属

(委員長)

並  木      博

横浜国立大学名誉教授

宮  崎  正  浩

工業技術院標準部消費生活規格課

谷      重  男

通商産業省環境立地局産業施設課

後  藤  芳  一

1)

通商産業省環境立地局環境政策課

畑  野      浩

環境庁水質保全局水質規則課

佐  藤  寿  邦

横浜国立大学工学部

渡  辺  真利代

立正大学地球環境科学部

中  村  和  憲

工業技術院生命工学工業技術研究所

米  澤  善  堯

工業技術院資源環境技術総合研究所

田  中  宏  明

建設省土木研究所下水道部

菅  谷  芳  雄

国立環境研究所地域研究グループ

土  屋  悦  輝

東京都立衛生研究所環境保健部

日  野  隆  信

千葉県衛生研究所

小  倉  光  夫

神奈川県環境科学センター水質環境部

坂  本      勉

財団法人日本規格協会技術部

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会技術部

高  月  峰  夫

財団法人化学品検査協会安全性評価技術研究所

梅  崎  芳  美

社団法人産業環境管理協会名誉参与

千  田  正  昭

社団法人日本分析機器工業会(日本分光株式会社)

横  倉  清  治

社団法人日本環境測定分析協会(三菱マテリアル株式

会社)

竹  島      正

社団法人日本下水道協会(東京都下水道局)

狩  野  久  直

日本錬水株式会社研究所

久  島  俊  和

オルガノ株式会社総合研究所

川  瀬      晃

セイコー電子工業株式会社科学機器事業部

米  倉  茂  男

元東京都立工業技術センター(現東京都立産業技術研

究所)

岩  﨑  岩  次

社団法人日本工業用水協会

(事務局)

山  本      功

社団法人日本工業用水協会

本  郷  秀  昭

社団法人日本工業用水協会

備考

1)

:発足当初は,林  明夫(通商産業省環境立地局環境指導課)

      ○は小委員会委員兼任

(文責  渡辺真利代)