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K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

JIS K 0410-3-10

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  生活及び工場廃水のサンプリング報告用紙の一例

JIS K 0410

シリーズは,次に示す各部からなる。

JIS

K

0410-3-1

  水質−サンプリング−第 1 部:サンプリング計画策定の指針

JIS

K

0410-3-2

  水質−サンプリング−第 2 部:サンプリング技術の指針

JIS

K

0410-3-3

  水質−サンプリング−第 3 部:試料の保存及び取扱いの指針

JIS

K

0410-3-4

  水質−サンプリング−第 4 部:天然及び人造湖からのサンプリングの指針

JIS

K

0410-3-6

  水質−サンプリング−第 6 部:河川水のサンプリングの指針

JIS

K

0410-3-7

  水質−サンプリング−第 7 部:ボイラ施設の水及び蒸気のサンプリングの指針

JIS

K

0410-3-8

  水質−サンプリング−第 8 部:湿性沈着のサンプリングの指針

JIS

K

0410-3-9

  水質−サンプリング−第 9 部:海水のサンプリングの指針

JIS

K

0410-3-10

  水質−サンプリング−第 10 部:廃水のサンプリングの指針

JIS

K

0410-3-11

  水質−サンプリング−第 11 部:地下水のサンプリングの指針

JIS

K

0410-3-12

  水質−サンプリング−第 12 部:底質のサンプリングの指針

原国際規格の ISO 5667 シリーズには,

第 部∼第 12 部連続で各部が規定されているが,この中の ISO 

5667-5 : 1991

は,飲料水及び食品,清涼飲料水加工処理用水のサンプリングの指針となっており,日本工

業規格の制定は行っていない。


K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

1.1

  目的

1

1.1.1

  水質特性調査

1

1.1.2

  水質管理

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

4.

  サンプリング装置

3

4.1

  試料容器

3

4.2

  装置の種類

3

4.2.1

  手によるサンプリング器具

3

4.2.2

  自動サンプリング装置

3

5.

  サンプリング手順

5

5.1

  サンプリング場所

5

5.1.1

  一般的説明

5

5.1.2

  下水道,水路,及びマンホールからのサンプリング

5

5.1.3

  廃水処理施設

6

5.1.4

  定性的サンプリング

6

5.2

  サンプリングの頻度及び時期

6

5.2.1

  一般的考察

6

5.2.2

  試料数

6

5.2.3

  サンプリング時期

7

5.2.4

  各サンプリング期間の長さ

8

5.3

  サンプリング方法の選択

8

5.3.1

  試料の種類

8

5.3.2

  連続測定

9

5.4

  試料の保存,輸送及び貯蔵

9

6.

  サンプリングの安全面

9

7.

  試料の確認及び記録

10

附属書 A(規定)  生活及び工場廃水のサンプリング報告用紙の一例 11


日本工業規格

JIS

 K

0410-3-10

: 2000

 (ISO

5667-10

 : 1992

)

水質−サンプリング−

第 10 部:廃水のサンプリングの指針

Water quality

−Sampling−

Part 10 : Guidance on sampling of waste waters

序文  この規格は,1992 年に第 1 版として発行された ISO 5667-10, Water quality−Sampling−Part 10 :

Guidance on sampling of waste waters

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した

日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,生活廃水及び工場廃水のサンプリングの詳細,すなわち,サンプリング計画

の策定,試料採取の技術について示す。対象はあらゆる種類の廃水,すなわち,工場廃水,生及び処理済

みの生活廃水である。

この方法は,ある場合には漏水にも適用できるものであるが,事故による漏水のサンプリングは含まな

い。

1.1

目的

−  サンプリング計画は,いろいろな目的に基づいている。最も一般的な目的は次のとおりである。

−  廃水流中の汚染物質濃度の定量

−  廃水流によって運ばれる汚染物質負荷の決定

−  廃水処理施設の操業用データの提供

−  放流濃度限界維持の確認試験

−  放流負荷限界維持の確認試験

−  廃水放流への課税のためのデータの提供

−  廃水サンプリング計画の策定に当たっては,研究から得られた結果が要求される情報と密接に対応す

るように,研究目的に留意することが不可欠である。

−  一般に,サンプリングの目的は 1.1.1 及び 1.1.2 に述べるように水質特性調査又は水質管理である。

1.1.1

水質特性調査  水質特性調査の目的は,例えば,基準への適合性の監視,傾向の測定,単位操作の

効率データの提供,計画及び/又は設計目的への負荷データの提供などのために,廃水流中の汚濁質の濃

度又は負荷を,通常,長期間にわたって,求めることである。

1.1.2

水質管理  水質管理の目的は,次のうちの一つである。

a)

廃水処理施設の操業(例えば,活性汚泥処理におけるバイオマス生育の管理,嫌気性消化処理の管理,

工場排水処理施設の管理)の短,長期間管理用データの提供。

b)

廃水処理施設保護のためのデータの提供(例えば,生活廃水処理施設を工場排水の有害な影響から守


2

K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

るため,望ましくない工場排水残留物の発生源を確認するため)

c)

汚染防止用データの提供(例えば,陸上,海域,又は水路への処分操作の管理)

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 5667-10 : 1992, Water quality

−Sampling−Part 10 : Guidance on sampling of waste waters

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0410-3-1

  水質−サンプリング−第 1 部:サンプリング計画策定の指針

備考  ISO 5667-1 : 1980  Water quality−Sampling−Part 1 : Guidance on the design of sampling

programmes

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 0410-3-2

  水質−サンプリング−第 2 部:サンプリング技術の指針

備考  ISO 5667-2 : 1991  Water quality−Sampling−Part 2 : Guidance on sampling techniques からの引

用事項は,この規格の該当事項と同等である。

ISO 2602 : 1980, Statistical interpretation of test results

−Estimation of the mean−Confidence

interval

ISO 2854 : 1976, Statistical interpretation of data Techniques of estimation and test relating to means

and variances

ISO 5667-3 : 1985, Water quality

−Sampling−Part 3 : Guidance on the preservation and handling of

samples

参考  現在は ISO 5667-3 : 1994 が発行されている。

JIS K 0410-3-3

  水質−サンプリング−第 3 部:試料の保存及び取扱いの指針が,ISO 5667-3 : 1994,

Water quality

−Sampling−Part 3 : Guidance on the preservation and handling of samples が,この規格と

一致している。

ISO 5667-5 : 1991, Water quality

−Sampling−Part 5 : Guidance on sampling of drinking water and

water used for food and beverage processing

ISO 6107-2 : 1989, Water quality

−Vocabulary−Part 2

参考  現在は ISO 6107-2 : 1997 が発行されている。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は、ISO 6107-2 からの引用で次による。

3.1

混合試料 (composite sample)   適当な既知の割合で一緒に混ぜ合わせた(個別的又は連続的に)二

つ以上の試料又はサブ試料。これから希望する特性の平均的結果が得られる。この割合は一般に時間又は

流量測定に基づく。

3.2

サンプリングライン (sampling line)   サンプリングプローブから試料出口点又は分析装置に導く

導管。

3.3

サンプリング地点 (sampling point)   サンプリング場所内の試料を採取する正確な位置。

3.4

スポット試料 (spot sample)   水塊からランダム(時間及び/又は場所に関して)に採取した個別試

料。


3

K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

4.

サンプリング装置

4.1

試料容器

−  試料の採取,貯蔵及び輸送に用いる容器の種類については,試料の分析を行う試験室と相談すること

が望ましい。

−  JIS K 0410-3-2 (ISO 5667-2)  及び ISO 5667-3 には,試料容器の選択に関する詳細な情報がある。

−  試料容器は吸着,蒸発による損失,及び外部の物質による汚染のないことが必要である。

−  試料容器の選定に当たっては望ましい事項は次のとおりである。

−  極めて壊れにくい

−  密閉性がよい

−  開けやすい

−  極端な温度に耐える

−  実用的な大きさ,形及び質量である

−  清浄及び再使用が容易

−  入手しやすく安価

−  廃水のサンプリングでは,多くの対象成分に対してプラスチック容器を勧める。次の分析を行う場合

は,例外的にガラス容器だけを用いることが望ましい。

−  油脂

−  炭化水素

−  洗剤

−  農薬

−  滅菌又は消毒した下水試料を採取するときは,滅菌済みの容器及びサンプリング装置を用いる(例え

ば,ISO 5667-5 参照)

4.2

装置の種類

4.2.1

手によるサンプリング器具

−  排水試料採取の最も簡単な器具は,

バケツ,

ひしゃく又は適当な長さの柄を取り付けた広口瓶である。

容量 100ml 未満は不可である。手で採取した試料で混合試料を調製するときは,バケツ,ひしゃく又

は瓶は容量既知で,精度±5%以内のものを用いる。手によるサンプリングは,また,両端にちょうつ

がいのふたのついた容量 1∼3L の管で構成されるルトナー (Ruttner) 又はケメラー (Kemmerer) 採水

器,又は同様の原理による採水器で行ってもよい。

−  手によるサンプリング器具は,その後の分析に影響しないような不活性の材料で作ったものがよい

JIS K 0410-3-2ISO 5667-2 参照)

−  サンプリング開始前に,装置は洗剤及び水,又は製造業者の指示する方法で洗い,最後に水でよくす

すいでおくとよい。サンプリング装置は汚染の危険を最小にするため使用前に,採取しようとする廃

水の流れの中で洗っておくとよい。分析対象が洗剤の場合は,清浄後のすすぎに特に注意する。採取

装置の廃水流による清浄は,この操作が後の分析に影響を与える場合は行ってはならない(例えば,

油脂及び微生物の分析)

4.2.2

自動サンプリング装置

−  多数の市販装置があって,連続試料又は一連の試料を自動的に採取できる。容易に運搬できるものも

あり,いろいろな種類の廃水に対応できる。主として 2 種類の自動採水器,すなわち,時間比例形及

び流量比例形が用いられる[JIS K 0410-3-2  (ISO 5667-2)  参照]が,両方兼用のものもある。この採


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K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

水器は,試料採取に対して次の原理によっている。

−  鎖ポンプ[循環ポンプ (paternoster pump)]

−  圧縮空気及び/又は真空

−  連続排水流

−  揚水(ペリスタルチックポンプによることが多い)

−  すべてのサンプリング状況に勧められる唯一の原理はない。サンプリング装置の選定では,使用者は

次の特徴を考慮し,また,特定のサンプリング適用への要求事項を確定するには,これらの特徴の優

先順位を定めることが望ましい。

a)

採水器が時間加重の混合試料を採取できる。例えば,一定流速に対して異なる時間間隔の採取。

b)

採水器が一定間隔で一連の個別試料を個別の容器に採取できる。例えば,ピーク負荷の時期を確認

するために日内研究を実施するとき。

c)

採水器が短期間混合試料を個別の容器に連続的に採取できる。これは,問題とする特定期間の監視

に有用である。

d)

採水器が流量加重の混合試料,すなわち,一定期間中,流量に対応した量の試料を採取できる。こ

の機能は物質 (substrate) 負荷の研究に有用である。

e)

採水器が流量加重試料を個別の容器に連続的に採取できる。これは変化する基質負荷の周期

(periods)

を確かめようとするとき,データを変化する流量と関連させる必要があるときに有用であ

る。

−  試料の種類に関連して a)e)にあげた特徴を 5.3.1 に従って集める。さらに,使用者は,特に加圧本管

又は下水道から試料を採取する能力に関してサンプリング装置を選定する場合,そのいくつかは不必

要と判断されるときを除いて,次の属性もまた指向することが望ましい。

f)

必要に応じて指定の高さまで試料を揚水する採水器の能力。

g)

丈夫な構造及びなるべく少ない部品。

h)

水と触れたり,水面下にある部品の数がなるべく少ない。

i)

採水器は耐食性で,電気部品は氷,湿気又は腐食性雰囲気から保護されていることが望ましい。

j)

採水器は簡単な設計で,保守,操作及び清浄が容易である。

k)

入口から出口までのサンプリングラインは閉そくを避けるため少なくとも内径 9mm で,入口は採

取ラインの閉そくを防ぐように保護されている。

l)

サンプリングライン及び測定部における層分離を防ぐために,

入口の液体速度は最低 0.5m/s である。

m)

新しい試料を受入れるためにサンプリングラインをパージする能力。

n)

採取量の精度及び正確さは目的体積の少なくとも 5%であることが望ましい。

o)

個別試料間の間隔を 5 分間∼1 時間で調節できることが望ましい。

p)

サンプリング装置の試料容器及び管の継ぎ手は取り外し,清浄及び取替えが容易である。

q)

採水器にはサンプリングの間,試料容器を 0∼4℃の暗所で貯蔵する複数の部屋があり,サンプリン

グの前又は途中に試料容器に保存剤を添加できることが望ましい。

r)

可搬採水器は軽量で,いたずら及び破壊行為から保護され,悪天候に耐え,多様な環境条件下で操

作できることが望ましい。

s)

採水器は,十分長いサンプリング期間(数日間)中,特に注意を要せずに操作できることが望まし

い。

t)

採水器は,特にメタン又は揮発性有機溶媒の存在する場所での爆発の危険を抑制するために,本質


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K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

的にスパークのないものであることが望ましい。

u)

採水器は,加圧本管からのサンプリングに用いることがあるので,この要素を装置の種類の最終決

定前に配慮するとよい。

−  サンプリング装置の選定に際しては,使用者は操作マニュアルが読みやすく,作業者に理解できる言

葉で書かれ,適切な内容であることに留意することが望ましい。アフタサービス及び予備部品の便に

ついても考慮する。最後に,電気及び圧縮空気の供給に関する装置の要求事項が,装置を使用する場

所における入手の可能性と一致していることが重要である。

安全予防措置  安全性に関する地域的な要件を常に考慮することが望ましい。

5.

サンプリング手順

5.1

サンプリング場所

安全予防措置  サンプリング場所の選定に際しては,常に安全及び健康の立場を考慮することが望まし

い(6.参照)

5.1.1

一般的説明

−  この規格は,次のようなサンプリング場所で実施できるサンプリング技術について述べる。

a)

工場施設内(例えば,未処理の廃水流間)

b)

工場施設からの放流点(総合未処理廃水)

c)

加圧本管及び自然流下を含む都市下水系

d)

廃水処理施設内

e)

廃水処理施設出口

−  いずれの場合も,試験しようとする廃水流を代表する場所を選ぶことが不可欠である。

−  下水のサンプリング場所の選定では,最初に下水道の検討を行うとよい。下水道系の図面の検討によ

って,実施場所が確認できる。続いて,下水道系の場所と排水流の経路が図面と一致し,かつ,選ん

だ場所がサンプリング目的を代表することを確認するために,必要があれば化学トレーサーの使用を

含めて現場の検討を行うとよい。

−  サンプリング計画策定の指針については JIS K 0410-3-1 (ISO 5667-1)  を参照するとよい。

5.1.2

下水道,水路,及びマンホールからのサンプリング

−  サンプリング前に,選定したサンプリング場所のスケール,スラッジ,細菌膜などを壁から除去する

ために清浄する。

−  場所としては,良好な混合を得るために排水が激しい乱流を示す所を選ぶとよい。接近の便,現場の

安全性の不足,電力利用の不便などの理由で最適の場所が利用できないことも多い。

−  排水路は,一般には排水及び雨水 (storm water) 放流条件に合うように,そして/実情よりは大きい流

量に対応できるように設計されているので,層流が生じやすい。乱流条件の場所がないときは,例え

ば,調節板又はせきで流れを制限してそのような条件を作り出すとよい。せきなどはその上流部に沈

積を生じないように製作する。試料取入れ口は,せきなどの下流に設け,その位置は通常,管の径の

少なくとも 3 倍とするとよい。サンプリングプローブの取入れ口は,流れの方向に向けるとよいが,

たびたび閉そくを生じるきは下流を向ける(4.2.2.1 も参照)

備考  せきのすぐ上流で混合がよいならば,取入れ口はそこに設けてもよい。ただし,沈降物が混入

しないように,また,取入れ口が水面下にあるように注意する。

−  できれば,再現性のあるサンプリング条件の確保に留意しながら,恒久的なサンプリング場所を確定


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K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

するとよい。

−  工場排水のサンプリングの前に,施設内の諸条件(例えば,工程及び生産量)に注目し,何か潜在的

な問題点,例えば,床の著しいぬれ,と併せて記録するとよい。

−  一般的に,サンプリング地点は排水の水面下 1/3 の深さの点とするとよい。

5.1.3

廃水処理施設

−  廃水処理施設のサンプリング場所を選ぶ場合は,サンプリングがその一部であるデータ収集計画の目

的を参照することが改めて重要である。

−  主な目的は,次のとおりである。

−  全処理施設の操業管理:試料は主な入口及び出口で採取するとよい。

−  各処理単位又は単位群の操業管理:試料は対象単位の入口及び出口で採取するとよい。

−  処理施設の入口のサンプリングでは,サンプリング計画の目的を慎重に考慮する。ある場合は,生下

水を再循環処理水との混合物として採取(例えば,一次沈殿槽の負荷及び効率の評価)する。また,

ある場合は,これらの液体の影響を排除する必要があろう(例えば,処理施設への生活,工場排水負

荷の評価のため,又は工場排水管理のためのデータ収集)

−  代表サンプリングには,流量測定路又はせきの下流を選ぶとよい(5.1.2 参照)

−  二つ以上の単位処理装置を用いている工程(例えば,幾つかの沈降槽)からの排水のサンプリングで

は,試料が一つの特定処理単位の排水ではなく,全排水流の代表であることを確かめることが必要で

ある(その処理単位が特定の研究の目的でなければ)

−  単位操作のなんらかの変更がサンプリング時に配慮されていることを保証するために,処理施設のサ

ンプリング場所の頻繁な見直しが必要である。例えば,ろ過操作を“単一ろ過 (single-pass)”操作か

ら“再循環”又は“交互二重ろ過 (alternating-double filtration)”操作に変更すると処理施設の操作は給

水又は返送水が施設に持ち込まれる方式に変化を生じる(例えば,雨水タンクからの下水の返送は処

理水が処理施設に返送される位置を変える)

−  廃水のサンプリングでは,よく見掛ける懸濁物による不均一性を解決又は最小にするための十分な注

意が必要である。同様に,それぞれの工場排水流の熱成層も排水又は工程からの放流水の採取におい

て認められ,サンプリング前にそのような流れの混合を促進する方策をとらなければならない。

5.1.4

定性的サンプリング  乳化物又は浮遊物の定性的情報を得るためには,かき取りによって表層を採

取する必要を生じる。広口のジャーは適切な容器であるが,受入れ試験室からの指示を受けるとよい。

5.2

サンプリングの頻度及び時期

5.2.1

一般的考察  この細分された箇条ではサンプリングの頻度,すなわち,採取する試料数,サンプリ

ングの継続時間,及びサンプリングを実施する時期について述べる。

5.2.2

試料数

−  JIS K 0410-3-1  (ISO 5667-1)  の

第 章では,サンプリングの時期及び頻度に関する一般的指針を示し

ている。ここでは廃水のサンプリングに対するより特別の指針を示す。

−  排水流中の各種対象物質の濃度はランダム又は,系統的変化によって変動する。真値を決定するため

の最良の技術的解決法は,対象成分の連続分析が可能なオンライン機器の使用である。しかし,この

手法は,対象成分の定量に適した機器が野外での利用には不適当であったり,入手できなかったり,

高価すぎるなどの理由で,めったに適用できない。

−  この理由によって,水の分析はある期間(すなわち,管理期間)

,規則正しい間隔で採取した試料に基

づくのがよい。定量に混合試料の使用が禁じられていなければ,試料は混合試料がよい。各管理期間


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K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

中の必要な試料数の選定は統計的手法によって決定するとよい[JIS K 0410-3-1  (ISO 5667-1),ISO 

2602

及び ISO 2854 参照]

5.2.3

サンプリング時期

−  試料をいつ,どのように採取するかはサンプリング目的によって決まることが多い。

−  一般に,下水及び排水を採取する場合,次のような水質変動要因について許容差を見込むのが普通で

ある。

a)

日内変動 (diurnal variations) (1 日内の変動性)

b)

週日間の変動

c)

週間変動

d)

月間,季節間変動

e)

傾向

−  日内変動又は日間変動がほとんどない場合は,サンプリングについて日の特定時間又は週の特定の日

は,あまり重要ではない。答えは 1 年を通じて平均に採取することである。ただし,1 日の任意の時

間,週の任意の日にである(これらは任意に選ぶ)

−  最大負荷の性質及び大きさの確認が重要な場合は,サンプリングは最大負荷が起きることが分かって

いる日,週又は月のその期間に限るとよい。

−  監視している特定の工程とサンプリング時期を関連させることは,季節的操業,バッチ操業のいずれ

の場合であれ,工場排水の放流を考えるとき極めて重要である。いずれの場合も放流は連続的ではな

いので,サンプリング計画にはこのことを計算に入れておく必要がある。

−  傾向検出のためのサンプリングには慎重な計画が求められる。例えば,月を基準に傾向を求める場合

は,日内及び日間の変動をデータ全体の変動性から消去するために常に週の同じ日に採取するとよい。

こうして,傾向はより効果的に検出されることになる。

−  5.2.2 に従って試料数が決まったときは,サンプリング時期を決めるとよい。試料は通常,全管理期間

を通じて一定間隔で採取する。管理期間は 1 年,数箇月,数週間又はより短い期間のこともある。

−  管理期間が 1 年の場合,サンプリング日は,試料数,が約 25 を超える場合は(1)式から,試料数約

25

未満のときは(2)式から求められる。

−  (1)式はサンプリングを行う日の番号を示す。

n

n

A

n

A

n

A

n

A

×

+

×

+

×

+

+

365

,

3

365

,

2

365

,

365

 (1)

ここに,

n

:  試料数

A

:  −365/と 0 の間の任意な数。

−  (2)式はサンプリングを行う週の番号を示す。各週の日は,各週日にとるように定める。

n

n

B

n

B

n

B

n

B

×

+

×

+

×

+

+

52

,

,

3

52

,

2

52

,

52

 (2)

ここに,

n

:  試料数;

B

:  −52/と 0 の間の任意な数。

−  別の管理期間,例えば,1 か月,3 か月,6 か月などについても同様の式が用いられる。選ばれた期間

はいかなる季節的変動も包含していることが望ましい。

−  間隔及び日又は週の番号を決めた後,例えば,特定の日に採取,又は特定の週日を省いて採取するこ

とによってサンプリングが系統誤差を招かないことを確かめる必要がある。


8

K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

5.2.4

各サンプリング期間の長さ

−  この細分された箇条では混合試料を採取する期間の選択について述べる。期間の選択にあたっては二

つの要因を考慮するとよい。

a)

サンプリングの目的。例えば,数日間にわたって流れの平均有機物負荷を推定する必要がある場合

は,日内の流量比例混合試料が適当である。

b)

試料の安定性。a)の例の場合,混合期間を 24 時間以上に延ばすことは,試料中の対象有機成分が変

質するおそれがあるので必ずしも実際的ではない。

−  全サンプリング期間は,揮発性有機物の追跡研究を行う場合の数時間から,安定な無機化学種を監視

する場合の数日間まで変化することになる。

−  試料の安定性によってサンプリング期間の長さが制限される。このような場合,正しい保存方法を用

いるために,適用する分析法を調べ,また,受入れ試験室ともよく打ち合わせるとよい。ISO 5667-3

及び 5.4 には試料の保存及び貯蔵に関するより詳細が示されている。

5.3

サンプリング方法の選択

5.3.1

試料の種類

−  試料は,一般に二つの種類に分ける。

a)

スポット試料

b)

混合試料

5.3.1.1

スポット試料

−  スポット試料では,試料の全量を一時に採取する。スポット試料はある時刻の廃水組成を求めるのに

有用である。廃水流の流量及び組成の変動が小さいときはスポット試料はより長い時間の組成を代表

できる。

−  スポット試料はサンプリングの目的が,平均水質ではなく基準との適合性を評価する場合に不可欠で

ある。水質の適合性を平均排水水質で判定するときは,常に混合試料を用いるとよい。

−  ある種の定量ではスポット試料だけが使用できる。油脂,溶存酸素,塩素及び硫化物などがその例で

ある。この場合,分析を試料採取直後に実施(又は開始)しないか,又は全試料を同時に用いなかっ

たならば,結果は異なったものになる。スポット試料は普通,手で採取するが,自動サンプリング装

置によることもできる。

5.3.1.2

混合試料

−  混合試料は多数のスポット試料を混ぜ合わせるか,又は廃水流の連続した部分を採取して調製する。

混合試料には次の二つの種類がある。

a)

時間加重試料

b)

流量加重試料

−  時間加重混合試料は,サンプリング期間中一定間隔で採取した等量のスポット試料で調製する。

−  時間加重混合試料は,下水又は排水の平均水質が問題の場合に適している(例えば,平均水質の基準

適合性をみるとき,又は工程設計目的に関して廃水の平均強度をみるとき,及び一定廃水流の場合)。

−  流量加重混合試料は,試料の体積がサンプリング期間の排水の流量又は体積に比例するように採取,

混合したスポット試料で調製する[JIS K 0410-3-2 (ISO 5667-2)  参照]

。流量加重混合試料は汚濁質の

負荷の測定がサンプリングの目的である場合に用いるとよい[例えば,廃水処理施設への生物化学的

酸素消費量 (BOD) 負荷,固形物の除去百分率,栄養塩その他対象成分の環境への負荷]

−  流量加重混合試料は,一定間隔でサンプリング時の流量に比例した量の試料を採取するか,又は一定


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K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

量の試料がサンプリング地点を通過したとき採取した等体積のスポット試料として調製される。

−  流量加重,時間加重双方のサンプリングにおいて,各スポット試料は 50ml を超えていることが望ま

しい。代表試料を採取するためには,スポット試料は 200∼300ml とったほうがよい。

5.3.2

連続測定  サンプリングし分析する代わりに,連続測定が広く利用される。連続測定は廃水流中で

直接,又は試料ループで直接行われる。測定は記録計又はデータロガー付きの電極,自動分析装置などを

用いて行う。技術的に可能で,経済的に問題がなければ,この方法は,廃水の広い水質変動をよく定量化

できるので,廃水処理工程についてかなりの情報を提供する。連続廃水監視に適用できる装置の範囲は限

られているが,この方法がサンプリング技術と競合する事例も数多い(例えば,pH,温度,溶存酸素の測

定)

5.4

試料の保存,輸送及び貯蔵

−  ISO 5667-3 には,水分析における試料の保存,輸送及び貯蔵の方法の詳細が示されている。

−  廃水試料の最も一般的な保存方法は 0∼4℃の温度に冷却することである。この温度に冷却し,暗所に

貯蔵すると,大抵の試料は通常 24 時間までは安定である。さらに詳細は ISO 5667-3 に示されている。

−  幾つかの対象成分について,急速冷凍(−18℃以下)によって長期間の安定性が得られる。

−  長時間にわたって混合試料を採取するとき,保存はサンプリング操作の重要な部分となる。

−  保存試料及び非保存試料の両方を採取するとき,二つ以上のサンプリング装置が必要である。

−  試料分析を行う試験室は,常に保存方法の選択,これに続く輸送,貯蔵についての相談を引き受ける

ことが望ましい。

6.

サンプリングの安全面  JIS K 0410-3-1 (ISO 5667-1)  の 7.に安全対策の一般的指針を示す。しかし,

この指針はこの規格の指針と同様,地方及び/又は国の法規制と置き換えることはできない。

6.1

下水道,汚水だめ,揚水場及び廃水処理施設で作業するときは,次の事項に注意することが望まし

い。

a)

下水道系における爆発性ガス混合物による爆発の危険

b)

有毒ガス,例えば,硫化水素 (H

2

S)

,及び一酸化炭素 (CO) による中毒の危険

c)

酸素の欠乏による窒息の危険

d)

廃水中の病原生物による疾病の危険

e)

落下,滑りによる身体損傷の危険

f)

おぼれの危険

g)

落下物による衝撃の危険

6.2

閉鎖空間に入る前に次の手順を,上部及び底部で検討することが望ましい。

a)

爆発計 (explosimeter) 又は類似の装置による爆発の危険の確認。

b)

適当なガス検出計による硫化水素 (H

2

S)

,一酸化炭素 (CO),必要があればその他の有毒ガス,の存

在の確認。

c)

空気中の酸素レベルが十分なことの確認[すなわち,約 20vol%]

−  これらの検査で作業条件が容認できないときは,下水道又はマンホールに作業条件が達成されるまで

通気するとよい。この作業は次を考慮して行う。

d)

場外に十分な救助要員がそろうまで,閉鎖空間には入らない。閉鎖空間に入る人は安全綱で外部に

連結した完全保護具を着用するとよい。全員と常時直接連絡できることが望ましい。

e)

マンホール又は閉鎖空間に入る人は,入る前に空間の雰囲気が検査されていても,脱出のための呼


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K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

吸用保護具を携帯しなければならない。少なくとも外部救助隊の 2 人は救助に備えて全面形呼吸用

保護具を手近に用意するとよい。

f)

オーバオール,ゴム長靴,手袋,安全帽などとともに適切な保護衣類を着用する。

g)

閉鎖空間に入るときは,適切な大気監視器具を携行するとよい。この計器が危険な大気条件が発生

したことを示したときは,閉鎖空間の全員は直ちに退去する。閉鎖空間は,その大気が呼吸に適す

るようになるまで通気する。

h)

下水に触れる可能性があるときは,常時,高い個人衛生基準を守ることが望ましい。その人が完全

に洗浄されるまでは,飲食,喫煙しないほうがよい。衣服及び器具は使用後,清浄,滅菌する。

6.3

多くの国々で廃水に触れる作業をする人々には,予防接種に関して法的要求事項がある。廃水のサ

ンプリングに携わる人にもこの要求事項は適用される。

6.4

都市地域のサンプリングでは,道路の下水道及びマンホールで行われることもしばしばである。こ

のような場所では交通が重大な障害である。交通を遮断する必要があるときは,あらかじめ警察又は関係

機関に適切な手配をしなければならない。適切な警告表示,警告灯を用いることが不可欠である。すべて

の対策を講じた後もサンプリング要員は危険について心得ておくことが望ましい。

7.

試料の確認及び記録

−  サンプリング報告書の様式は,次の事項を含むことが望ましい。

−  サンプリング地点

−  サンプリング地点の略図

−  サンプリングの開始及び終了の日付

−  サンプリングの開始及び終了の時刻

−  サンプリング期間の長さ

−  サンプリングの目的

−  サンプリング方法の詳細

−  野外試験の詳細

−  個々のケースの特徴は“コメント”に記入するとよい(

附属書 参照)。一般的に,責任研究者が試

験計画,試料の量及び採取地点の指示を決定するとよい。

−  サンプリング報告書は,恒久的及び臨時のサンプリング地点の両方に適用する。

−  随時,サンプリング報告書には,交通路,建物及び施設の配置などのサンプリングの質に影響する重

要な詳細を示した,現場を明示するスケッチをつけるとよい。

−  “コメント”には,試験室に運ぶ前の保存,貯蔵の条件,観察された事後の変化,他の研究者による

対照試料,証拠の存在,及びまた(汚染事故又は緊急時)疑わしい有害物の性質,起源,量,被害者

などを記入することが望ましい。


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K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

附属書 A(規定)

生活及び工場廃水のサンプリング報告用紙の一例

序文  この附属書は,生活及び工場廃水のサンプリングの際の報告用紙の一例(附属書 表 1)を示し規

定したものである。

附属書 A  表 1  報告書−生活及び工場廃水のサンプリング


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K 0410-3-10 : 2000 (ISO 5667-10 : 1992)

平成 9 年度  国際整合化調査研究委員会  構成表(平成 10 年 3 月現在)

氏名

所属

(委員長)

並  木      博

横浜国立大学名誉教授

宮  崎  正  浩

1)

工業技術院標準部消費生活規格課

谷      重  男

2)

通商産業省環境立地局産業施設課

林      明  夫

3)

通商産業省環境立地局環境指導課

畑  野      浩

環境庁水質保全局水質規制課

佐  藤  寿  邦

横浜国立大学工学部

中  村  和  憲

工業技術院生命工学工業技術研究所

田  尾  博  明

工業技術院資源環境技術総合研究所水圏環境保全部

福  井      学

工業技術院資源環境技術総合研究所水圏環境保全部

田  中  宏  明

建設省土木研究所水道部

菅  谷  芳  雄

国立環境研究所地域研究グループ

土  屋  悦  輝

東京都立衛生研究所環境保健部

渡  辺  真利代

東京都立衛生研究所環境保健部

竹  内  準  一

東京都下水道局

日  野  隆  信

千葉県衛生研究所

小  倉  光  夫

神奈川県環境科学センター水質環境部

坂  本      勉

財団法人日本規格協会技術部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会技術部

高  月  峰  夫

財団法人化学品検査協会安全性評価技術研究所

梅  崎  芳  美

社団法人産業環境管理協会名誉参与

横  倉  清  治

社団法人日本環境測定分析協会(三菱マテリアル株式会社)

竹  島      正

4)

社団法人日本下水道協会(東京都下水道局)

狩  野  久  直

日本錬水株式会社研究所

久  島  俊  和

オルガノ株式会社総合研究所

川  瀬      晃

セイコー電子工業株式会社科学機器事業部

米  倉  茂  男

元東京都立工業技術センター(現東京都立産業技術究所)

岩  﨑  岩  次

社団法人日本工業用水協会

(事務局)

宮  寺  秀  雄

社団法人日本工業用水協会

本  郷  秀  昭

社団法人日本工業用水協会

備考

1)

:発足当初は,西出徹雄(工業技術院標準部消費生活規格課)

2)

:発足当初は,乾  敏一(通商産業省環境立地局産業施設課)

3)

:発足当初は,藤冨正晴(通商産業省環境立地局環境指導課)

4)

:発足当初は,山田昭捷(東京都下水道局)

○は試料採取関係の小委員会委員兼任

(文責  梅崎  芳美)