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K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

JIS K 0400-55-20

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)  文献


K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

(1) 

目次

ページ

序文

1

第 1 章:一般

1

1.1

  適用範囲

1

1.2

  引用規格

1

第 2 章:アセチレン-空気フレーム原子吸光法によるカドミウムの定量

2

2.1

  干渉物質

2

2.2

  原理

2

2.3

  試薬

2

2.4

  装置

3

2.5

  サンプリング方法及び試料の取扱い

3

2.5.1

  サンプリング方法

3

2.5.2

  試料溶液の前処理及び調製

3

2.6

  手順

4

2.6.1

  空試験

4

2.6.2

  校正

4

2.6.3

  試料測定

4

2.7

  評価

4

2.8

  試験報告

4

2.9

  精度  表

4

第 3 章:電気加熱原子吸光法によるカドミニウムの定量

5

3.1

  干渉

5

3.2

  原理

5

3.3

  試薬

5

3.4

  装置

6

3.5

  サンプリング方法及び試料の前処理

6

3.6

  手順

7

3.6.1

  空試験

7

3.6.2

  校正及び定量

7

3.7

  定量

8

3.8

  試験結果の表現

8

3.9

  試験報告

8

3.10

  精度

8

附属書 A(参考)  文献

9

序文

9


日本工業規格

JIS

 K

0400-55-20

: 1998

 (I

5961

: 1994

)

水質−原子吸光法による

カドミウムの定量

Water quality

−Determination of cadmium

by atomic absorption spectrometry

序文  この規格は,1994 年に発行された ISO 5961,Water quality−Determination of cadmium by atomic

absorption spectrometry

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格

である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。

第 1 章:一般

1.1

適用範囲  この規格は,カドミウムの定量に関する二つの方法;フレーム原子吸光法(第 章)及

び電気加熱原子吸光法(

第 章)について規定する。

1.1.1

アセチレン−空気フレーム原子吸光法によるカドミウムの定量  この方法は,カドミウム濃度 0.05

∼1 mg/

λの水及び廃水の分析に適用できる。高濃度の場合は試料を水で薄めた後,定量する。この方法の

適用範囲は硝酸酸性にした試料を注意して蒸発することによって,

より低濃度まで拡大することができる。

スラッジ,沈降物中のカドミウムも,沈殿を生じないような適切な分解操作を行った後,定量できる。

1.1.2

電気加熱原子吸光法によるカドミウムの定量  この方法は注入量 10

µl の場合,濃度範囲 0.3∼3 µ/λ

の水中のカドミウムの定量に適している。方法の適用範囲は試料を薄めるか,又は注入量を減らすことに

よって高濃度まで拡大できる。スラッジ,沈降物中のカドミウムも適切な分解操作を行った後,定量でき

る。

1.2

引用規格  次に掲げる規格は規定を含んでおり,この規格に引用することによって,この規格の規

定を構成する。この規格制定の時点では,次に示す版が有効であった。すべて規格は改正されることがあ

り,この規格に基づいて契約を結ぶ関係者は次の規格の最新版の適用の可能性を調査されたい。

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8230

  過酸化水素(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8545

  硝酸アンモニウム(試薬)

ISO 5667-3 : 1985

  Water quality−Sampling−Part 3 : Guidance on the preservation and handling of

samples

1) 

                                                        

1)

  原国際規格制定時点では ISO 5667-3 : 1985 の改訂作業中。

現在は ISO 5667-3 : 1994 が発行されている。


2

K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

第 2 章:アセチレン−空気フレーム原子吸光法によるカドミウムの定量

2.1

干渉物質  次のイオンは,ここに示す質量濃度を超えなければ,この方法を干渉しない。

硫酸

10 000 mg/

λ

塩化物

10 000 mg/

λ

りん酸

10 000 mg/

λ

ナトリウム

10 000 mg/

λ

カリウム

10 000 mg/

λ

マグネシウム

10 000 mg/

λ

カルシウム

3 000 mg/

λ

3 000 mg/

λ

10 000 mg/

λ

ニッケル

3 000 mg/

λ

コバルト

10 000 mg/

λ

10 000 mg/

λ

けい素

1 000 mg/

λ

チタン

3 000 mg/

λ

測定液の全塩含有量は 15 g/

λ未満,電気伝導率は 20 000 mS/m 未満でなければならない。マトリックス

効果が予測できない試料は適切な手段で調べる。この影響は試料を薄めるか,又は標準添加法(3.6.2.2 

照)を適用して補償しなければならない。

2.2

原理  原子吸光分析装置のアセチレン−空気フレーム中に酸性試料を噴霧し,波長 228.8 nm でカド

ミウム濃度を測定する。

2.3

試薬  分析用と認められた試薬だけ,及び蒸留水又はこれと同等の純度の水だけを用いる。空試験

及び標準液の調製に用いる水のカドミウム含有量は,最低質量濃度の試料と比べて無視できる程度に低い

ものでなければならない。

2.3.1

硝酸

ρ

1.40 g/m

λ  JIS K 8541 に規定するもの

2.3.2

過酸化水素 w (H

2

O

2

30 % (m/m)  JIS K 8230 に規定するもの

2.3.3

カドミウム貯蔵液 I

ρ

 (Cd) 

1 000 mg/

λ  カドミウム 1.000±0.002 g を全量フラスコ 1 000 ml 中

で硝酸(2.3.1)10 ml 及び水(2.3 参照)に溶かす。水を標線まで加える。

溶液はポリエチレン瓶又はほうけい酸ガラス瓶に保存する。溶液は 1 年間安定である。カドミウム 1.000

±0.002 g/

λの市販貯蔵液を用いてもよい。

2.3.4

カドミウム標準液 I

ρ (Cd) 10 mg/λ  カドミウム貯蔵液 I(2.3.3)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml

にとり,硝酸(2.3.1)10 ml を加え,水で標線まで薄める。

この溶液はポリエチレン瓶又はほうけい酸ガラス瓶に貯蔵する。室温で貯蔵した場合,少なくとも 1 か

月間安定である。

備考  マイクロピペットを使用すれば,100 ml の標準液の調製が可能である。

2.3.5

カドミウム検量線用溶液  予想されるカドミウムの濃度に応じて最低 5 種類の検量線用溶液を調

製する。

例えば,0.05∼1 mg/

λの濃度範囲では次のようにする。

−  カドミウム標準液(2.3.4)0.5 ml,2.0 ml,4.0 ml,6.0 ml,8.0 ml 及び 10.0 ml をそれぞれ全量フラスコ 100

ml

にとる。


3

K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

−  それぞれに硝酸(2.3.1)1 ml を加え,水を標線まで加える。

検量線用溶液は,それぞれカドミウム 0.05 mg/

λ,0.2 mg/λ,0.4 mg/λ,0.6 mg/λ,0.8 mg/λ及び 1.0 mg/λ

を含む。

2.3.6

空試験液

−  硝酸(2.3.1)1 ml を全量フラスコ 100 ml にとり,水で標線まで薄める。

−  試料分解の前処理が必要な場合は,空試験も同様の前処理を行わなければならない(2.5.2 参照)

2.3.7

装置のゼロ設定液  ゼロ設定液として水を用いる。カドミウム濃度が無視できる程度に低ければ,

空試験液(2.3.6)もゼロ設定に使用できる。

2.4

装置  使用直前にガラス器具を硝酸 (2 mol/

λ)で清浄にし(例えば,24 時間浸しておく),水で十分

にすすぐ。各ピペットチップ及び使い捨てプラスチック容器にカドミウムの潜在汚染がないことを空試験

で確かめる(2.6.1 参照)

通常の試験室用の装置及び

2.4.1

原子吸光分析装置  製造業者の取扱説明書に基づいて操作する。バックグラウンド補正装置及びカ

ドミウム定量用の光源を備えたもの。

2.4.2

空気及びアセチレン用ガス配管  製造業者の安全指針を守ることが重要である。アセチレンボンベ

の残留ガス圧は少なくとも 5×10

5

Pa (0.5 MPa)

は必要である。

2.4.3

アセチレン−空気バーナー

2.4.4

全量フラスコ  容量 10 ml,100 ml 及び 1 000 ml

2.4.5

ホールピペット  容量 1 ml,2 ml,3 ml,4 ml,5 ml,6 ml,8 ml,10 ml,20 ml,30 ml 及び 40 ml

2.4.6

マイクロピペット又は希釈装置

2.4.7

ビーカー  容量 250 ml

2.4.8

加熱装置  例えば,加熱板

2.4.9

メンブレンろ過装置及びフィルター  孔径 0.45

µm,硝酸 (2 mol/λ)でよく洗い,水ですすいだもの。

2.5

サンプリング方法及び試料の取扱い  ISO 5667-3 参照。

2.5.1

サンプリング方法  あらかじめ硝酸と水で清浄にしたポリエチレン瓶又はほうけい酸ガラス瓶に

試料を採取する。

2.5.2

試料溶液の前処理及び調製

2.5.2.1

溶存カドミウム含有量の定量のための前処理

−  サンプリング(2.5.1)後できるだけ早く試料を孔径 0.45

µm のメンブレンフィルターでろ過する。

−  ろ液を安定化させるために,例えば,試料 1

λにつき硝酸(2.3.1)10 ml を加えて pH2 未満にする。必要

があれば,硝酸の量を増して確実に pH2 未満にする。

2.5.2.2

無機質化後のカドミウム定量のための前処理、

−  サンプリング後できるだけ早く,試料 1

λにつき硝酸(2.3.1)1 ml を加えて酸性にする。必要があれば,

硝酸の量を増して確実に pH2 未満にする。

−  よく振り混ぜて,試料を完全に混合する。

−  均一になった試料 100 ml をビーカー250ml にとる。

硝酸(2.3.1)1 ml 及び過酸化水素(2.3.2)l ml を加える。

−  加熱板上で約 0.5 ml になるまで加熱する。

−  重要なのは試料を乾固させないことである。

−  試料に著しい有機物汚染があるときは,繰り返し過酸化水素の添加を考慮する(注意)

−  硝酸(2.3.1)1 ml と少量の水で残留物を溶かし,全量フラスコ 100 ml に移し,水を標線まで加える。


4

K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

−  規定とは異なる量の試料を用いるときは,液量比に応じて容器,試薬を調節しなければならない。

前処理なしでもカドミウムが定量できる場合は,分解操作の必要はない。そのときは,単に試料を

酸性にするだけでよい。

2.6

手順

−  測定に先立ち,製造業者の取扱説明書に従って原子吸光分析装置の機器条件を調整する。フレーム条

件を最適にする。

−  ゼロ設定液(2.3.7)をフレーム中に噴霧して,光度計のゼロを合わせる。

2.6.1

空試験  定量と同時に,空試験液(2.3.6)を用い,サンプリング及び定量におけると同じ操作,同量

の試薬を使用して空試験を行う。ただし,試料の代わりに水(2.3)を用いる。

2.6.2

校正

−  検量線の作成では,検量線用溶液(2.3.5)を低濃度のものから順次噴霧し,吸光度を読み取る。

−  検量線用溶液の測定後,ゼロ設定液(2.3.7)でゼロを確認する。

2.6.3

試料測定

−  空試験液(2.6.1)及び測定液(2.5.2)の測定を継続し,吸光度を読み取る。

−  一連の測定ごと,少なくとも 10∼20 測定ごとに空試験液及び中間濃度の検量線用溶液を再分析して検

量線の有効性を確かめる。

−  測定液のカドミウム含有量が検量線の有効範囲を超えたときは,測定液を空試験液で薄めた後測定す

る。

2.7

評価

2.7.1

計算

−  検量線用溶液の測定から得たデータを用い,線形回帰によって校正関数を作成する。

−  試料のカドミウムの質量濃度,

ρ

 (Cd)

,mg/

λ,は,次の式から計算する。

( ) (

)

2

1

0

1

Cd

V

b

V

A

A

×

×

=

ρ

ここに,  A

0

:  空試験液の吸光度

A

1

:  測定液の吸光度

b

:  2.6.2 による検量線のこう配,

λ/mg

V

1

:  測定液の体積,ml

V

2

:  測定液の調製に用いた試料の体積,ml

−  上記と異なる希釈操作を行った場合は,計算の際にこれを考慮する。

2.7.2

試験結果の表現  数値は,0.01 mg/

λのけたに丸める。

例  カドミウム  (Cd) : 0.07 mg/

λ

    カドミウム  (Cd) : 0.41mg/

λ

2.8

試験報告  報告書には,次の事項を含めなければならない。

a)

この規格の引用

b)

試料の完全な確認

c)

2.7.2

による結果の表現方法

d)

使用した場合は,前処理の詳細

e)

この規格に規定された操作からの逸脱,及び結果に影響しそうなすべての事項

2.9 

精度  表 参照。 


5

K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

表 1  精度データ

試料

λ

n

n

0

%

x

mg/

λ

x

mg/

λ

δ

r

mg/

λ

VC

r

%

σ

R

mg/

λ

VC

R

%

WFR

%

対象

A

1)2)

23

 63

 0

0.113

0.118

0.097

 8.2

0.005 8

5.0

104.1

B

1)2)

23

 63

 0

0.563

0.587

0.030 9

 5.3

0.009 2

1.6

104.3

C

1)3)

23

 63

 0

0.968

1.008

0.073 3

 7.3

0.012 1

1.2

104.1

µg/λ

µg/λ

µg/λ % µg/λ %  %

D

4)2)

52

133

  2

0.91

1.292

0.319 6

24.7

0.083 0

6.4

141.9

全方法

5)

22

 55

 2

0.91

1.148

0.270 4

23.5

0.018 3

4.2

126.2  3.6.2.1

17

 45

 0

0.91

1.363

0.356 8

26.2

0.115 9

8.5

149.8

添加;手動

13

  31

11

0.91

1.39

0.171 8

12.4

0.064 3

4.6

152.7

添加;自動

E

4)2)

52

136

  0

2.70

2.96

0.639 9

21.6

0.266 3

9.0

109.6

全方法

5)

22

 56

 0

2.70

2.78

0.631 8

22.8

0.199 4

7.2

102.9  3.6.2.1

17

  40

11

2.70

2.99

0.344 5

11.5

0.195 1

6.5

110.7

添加;手動

13

 35

 0

2.70

3.22

0.559 2

17.4

0.158 3

4.9

119.2

添加;自動

F

4)6)

52

136

  0

16.2

18.34

3.348 7

18.3

1.420 8

7.7

113.2

全方法

5)

23

  56

11

16.2

17.14

2.232 8

13.0

0.756 7

4.4

105.8

3.6.2.1

17 43

7

16.2

18.33

3.969

7

21.7

1.497

6

8.2

113.1

添加;手動

13

 33

 8

16.2

20.17

3.107 7

15.4

1.309 6

6.5

124.5

添加;自動

λ

:試験室数

σ

r

:繰返し性の標準偏差

n

:測定値数

VC

r

:繰返し性の変動係数

n

0

:外れ値の数

σ

R

:再現性の標準偏差

x

:真値

VC

R

:再現性の変動係数

x

:全平均値

WFR

:回収率

1)

アセチレン−空気フレーム原子吸光法

2)

低汚濁工場廃水

3)

C

:スパイクした飲料水

4)

電気加熱原子吸光法

5)

“全方法”は,手動,自動添加が計算に含まれているの意。

6)

F

:スパイクした蒸留水

第 3 章:電気加熱原子吸光法によるカドミウムの定量

3.1

干渉  次のイオンは,単独に存在し,かつ,その質量濃度が 100 mg/

λを超えなければ干渉しない;

鉄,銅,ニッケル,コバルト及び鉛。

ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム,硫酸塩及び塩化物は,質量濃度 1 000 mg/

λまでは

干渉しない。

上述のイオンが共存するとき,それがはるかに低い濃度であっても,測定信号の低下又は増大につなが

ることがある。そのほか若干のイオンは低濃度でも干渉することがある。したがって,通常の検量線法よ

りも標準添加法が好ましい。マトリックスの影響が明らかでない試料は標準添加法を用いて分析する必要

がある。バックグラウンド吸収による干渉は,バックグラウンド補償システムで大部分は消去される。

3.2

原理  電気加熱原子吸光分析装置の電熱黒鉛管中に酸性試料を注入する。波長 228.8 nm で吸光度を

測定する。必要があれば,標準添加法を適用する。

3.3

試薬  試薬の純度に関する要求事項は,2.3 に示す。

3.3.1

硝酸

ρ

=1.40 g/m

λ  2.3.1 と同じ。

3.3.2

過酸化水素  w (H

2

O

2

30 % (m/m)    2.3.2 と同じ。

3.3.3

カドミウム貯蔵液 I

ρ

 (Cd) 

1 000 mg/

λ  2.3.3 参照。


6

K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

3.3.4

カドミウム貯蔵液Ⅱ

ρ

 (Cd) : 10 mg/

λ  2.3.4 参照。

3.3.5

カドミウム標準液Ⅱ

ρ

 (Cd) 

100 

µg/λ  カドミウム貯蔵液Ⅱ(3.3.4)10 ml を全量フラスコ 1 000

ml

にとり,硝酸(3.3.1)10 ml を加え,水を標線まで加える。

この溶液は,ポリエチレン又はほうけい酸ガラス容器に貯蔵する。この溶液は使用直前に調製する。

3.3.6

カドミウム標準液Ⅲ

ρ

 (Cd) 

µg/   カドミウム標準液Ⅱ(3.3.5)50 ml を全量フラスコ 1 000 ml に

とり,硝酸(3.3.1)10 ml を加え,水(2.3)で標線まで薄める。

この溶液は,ポリエチレン又はほうけい酸ガラス容器に貯蔵する。この溶液は使用直前に調製する。

3.3.7

カドミウム検量線用溶液  カドミウム標準液Ⅱ(3.3.5)を用い,予想されるカドミウムの濃度に合わ

せて少なくとも 5 種類の検量線用溶液を調製する。

例えば,測定範囲 0.3∼3

µg/λであれば,次のように操作する。

−  5 個の全量フラスコ 100 ml にそれぞれ,カドミウム標準液Ⅱ(3.3.5)0.3 ml,1.0 ml,1.7 ml,2.4 ml

及び 3.0 ml をとる。

−  それぞれに硝酸(3.3.1)1 ml を加える。水を標線まで加え,混合する。

−  検量線用溶液はそれぞれ,カドミウム 0.3

µg/λ,1.0 µg/λ,1.7 µg/λ,2.4 µg/λ及び 3.0 µg/λを含む。

この検量線用溶液は,使用直前に調製する。

3.3.8

空試験液  硝酸(3.3.1)1ml を全量フラスコ 100 ml にとり,水を標線まで加える。試料分解のための

前処理が必要な場合は,空試験も同じ処理を行わなければならない(2.5.2 参照)

3.3.9

ゼロ設定液  水(2.3)をゼロ設定液として使用する。空試験液(3.3.8)も,カドミウム濃度が無視でき

る程度に低ければ,ゼロ設定液として使用できる。

3.3.10

マトリックス合わせ液(附属書 の[2]参照)

−  パラジウム粉末 1.0 g を硝酸(3.3.1)3 ml 及び JIS K 8180 に規定する塩酸(

ρ

=1.19 g/ml)20 ml に少し加

熱しながら溶かし,水で 100 ml に薄める。

−  JIS K 8545 に規定する硝酸アンモニウム (NH

4

NO

3

) 10 g

を水に溶かし,水で 100 ml に薄める。

3.3.10.1

高塩分試料用溶液

−  パラジウム溶液と硝酸アンモニウム溶液の等容を混合する(3.3.10 参照)

−  この溶液 10

µl は,パラジウム 50 µg 及び硝酸アンモニウム 500 µg を含む。

3.3.10.2

低汚染試料用溶液

−  パラジウム溶液 15 ml と硝酸アンモニウム溶液 15 ml を全量フラスコ 100 ml 中で混合し,水を標線ま

で加える。

−  この溶液 10

µl は,パラジウム 15 µg 及び硝酸アンモニウム 150 µg を含む。

3.4

装置  ガラス器具の清浄については,2.4 参照。

通常の試験室用の装置及び

3.4.1

原子吸光分析装置  バックグラウンド補正装置及びカドミウム定量用光源付き

3.4.2

黒鉛炉  制御装置付き

3.4.3

パイロコーテイングした黒鉛管及びプラットフォーム

備考  干渉がないことが予想されるときは,普通の黒鉛管を用いてもよい。

3.4.4

アルゴンガス配管

3.4.5

その他の装置(2.4 参照)

備考  高い精度を得るためには,自動試料注入器を用いる方がよい。

3.5

サンプリング方法及び試料の前処理  2.5 に従って操作する。


7

K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

3.6

手順  測定に先立ち,製造業者の取扱説明書に従って原子吸光分析装置(3.4.1)の機器条件を調整する。

ゼロ設定液(3.3.9)を用いて,光度計のゼロを合わせる。

3.6.1

空試験  定量と同時に,サンプリング及び定量におけると同じ操作,同量の試薬を使用して空試験

を行う。ただし,測定試料の代わりに水を用いる。

3.6.2

校正及び定量  各バッチの定量前に,カドミウム標準液 II(3.3.5)を用いて,定量濃度範囲にわたっ

て少なくとも 5 種類の検量線用溶液を調製する。

3.6.2.1

直接測定

−  直接測定は 3.1 で述べたマトリックスの影響が無視できる場合にだけ適用できる。それ以外は 3.6.2.2

に述べる標準添加法を適用する。

−  検量線用溶液(3.3.7),空試験液(3.3.8)及び試料溶液(2.5.2 参照)の吸光度又は積分吸光度(ピーク面

積)を製造業者の取扱説明書に従って測定する。

−  測定に先立ち,上の使用量に加え,更にマトリックス合わせ液(試料の種類に応じて 3.3.10.1 又は

3.3.10.2

)10

µl を黒鉛炉に注入する。

−  異常な結果を検出するために,各溶液は少なくとも 2 回測定する。

3.6.2.2

標準添加法による手順  3.6.2.2.1 又は 3.6.2.2.2 に従って操作する。

備考  この手順ではカドミウム含有量が,添加試料においても,直線範囲にある限り,マトリックス

の影響は最少になり,多くの場合,累積誤差が消去される。

3.6.2.2.1

手動添加

−  硝酸(3.3.1)0.10 ml 及び試料(2.5.2)5.0 ml ずつを 4 個の全量フラスコ 10ml にとる。

1

番目のフラスコには水を満たし,2 番目にはカドミウム標準液Ⅱ(3.3.5)0.05 ml,3 番目には 0.1 ml,

4

番目には 0.15 ml を加え,水を標線まで加える。

−  この操作によって,三つのスパイクした試料が得られる。

−  スパイクした試料においてカドミウム含有量が 3

µg/λを超えるときは,少量の試料を用いる。このこ

とは結果の計算において配慮しなければならない。

−  空試験液(3.3.8)の一定量について上記と同量のカドミウム標準液を使用し,同じ操作を行う。

−  この操作によって三つのスパイクした空試験液が得られる。

備考  試料及び空試験液の使用量 5ml に対して,0.05 ml の添加は 1

µg/λ,0.1 ml は 2 µg/λ,0.15 ml は

3

µg/λに相当する。フラスコを満たすことによる希釈は,この計算では考慮していない。

−  添加試料及び添加空試験液の吸光度を 3.6.2.1 に従って測定する。

−  各溶液について測定は少なくとも 2 回行う。

3.6.2.2.2

自動添加

−  測定液(前処理した試料,2.5.2

,カドミウム標準液Ⅲ(3.3.6),空試験液(3.3.8),ゼロ設定液(3.3.9),マ

トリックス合わせ液(3.3.10)をオートサンプラー上におく。

−  次に示す溶液を黒鉛炉(3.2)に注入するために,製造業者の取扱説明書に従ってプログラムを設定する。

−  測定液 10

µl,ゼロ設定液 10 µl,マトリックス合わせ液 10 µl;

−  測定液 10

µl,カドミウム標準液Ⅲ 2 µl,ゼロ設定液 8 µl,マトリックス合わせ液 10 µl:

−  測定液 10

µl,カドミウム標準液Ⅲ 4 µl,ゼロ設定液 6 µl,マトリックス合わせ液 10 µl:

−  測定液 10

µl,カドミウム標準液Ⅲ 6 µl,ゼロ設定液 4 µl,マトリックス合わせ液 10 µl.

−  空試験液も測定液と同様に操作する。

−  添加量は測定液,空試験液それぞれについて,カドミウム 1

µg/λ,2 µg/λ及び 3 µg/λに相当する。


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K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

−  測定液及び空試験液の質量濃度は直接機器から読み取ることができる。

3.7

定量

3.7.1

直接定量  質量濃度が

µg/λで示されていることを除いて,2.7 参照。

3.7.2

標準添加法による定量

−  試料及びスパイクした試料について得られた吸光度を縦軸に,カドミウム質量濃度を横軸にプロット

してグラフを作成する。

−  これらの点を通る回帰線は負の側で横軸を切る。この切片が試料中のカドミウムの質量濃度を示すも

のである。この値から,同様にして求めた空試験液のカドミウムの質量濃度を差し引く。

−  差し引いたものが試料中のカドミウムの質量濃度である。

備考  線形回帰線からの計算も可能である。

3.8

試験結果の表現

結果は 0.1

µg/λのけたで丸め,有効数字は 2 けた以下とする。

例  カドミウム  (Cd) : 0.7

µg/λ

カドミウム  (Cd) : 1.3

µg/λ

3.9

試験報告  2.8 参照。

3.10

精度  表 参照。


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K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

附属書 A(参考)  文献

序文  この附属書は,この規格で参考とした文献を記述したものであり,規格の一部ではない。

[1]

  W

ELZ

. B. Atomic Absorption Spectrometry, Verlag Chimie, Weinheim (1983)  

[2]

  Y

IN

. X., S

HLEMMER

, G, Welz, B C

ADMIUM

 Determination in Biological Materials Using Graphite Furnace

Atomic Absorption Spectrometry with Palladium Nitrate

−Ammonium Nitrate Modifier, J. Amer. Chem.

Soc. ,59 (1987) , pp.1462-1466.


10

K 0400-55-20 : 1998 (ISO 5961 : 1994)

平成 8 年度 JIS K 0102 改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

並  木      博

工学院大学工学部

佐  藤  寿  邦

横浜国立大学工学部

西  出  徹  雄

1)

工業技術院標準部消費生活規格課

乾      敏  一

2)

通商産業省環境立地局産業施設課

畑  野      浩

3)

環境庁水質保全局水質規制課

中  村      進

工業技術院物質工学工業技術研究所計測化学部

中  村  和  憲

工業技術院生命工学工業技術研究所

田  尾  博  明

工業技術院資源環境技術総合研究所水圏環境保全部

田  中  宏  明

建設省土木研究所水道部

柴  田  康  行

国立環境研究所科学環境部

土  屋  悦  輝

東京都立衛生研究所環境保健部

渡  辺  真利代

東京都立衛生研究所環境保健部

日  野  隆  信

千葉県衛生研究所

小  倉  光  夫

神奈川県環境科学センター水質環境部

西  尾  高  好

財団法人日本環境衛生センター東日本支局環境科学部

坂  本      勉

財団法人日本規格協会技術部

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会技術部

浅  田  正  三

財団法人日本品質保証機構環境計画センター

梅  崎  芳  美

社団法人産業環境管理協会

横  倉  清  治

社団法人日本環境測定分析協会(三菱マテリアル株式会 
社)

神  代      啓

社団法人日本化学工業協会

池  田  久  幸

社団法人日本分析機器工業会(横河アナリティカルシス 
テムズ株式会社)

長  澤  忠  彦

社団法人日本鉄鋼連盟(住友金属工業株式会社)

山  田  昭  捷

社団法人日本下水道協会(東京都下水道局)

土  屋  徳  之

石油連盟(興亜石油株式会社)

松  谷  成  晃

日本石鹸洗剤工業会(ライオン株式会社)

波多江  正  和

日本製紙連合会技術環境部

佐  山  恭  正

日本鉱業協会(三菱マテリアル株式会社)

狩  野  久  直

日本練水株式会社研究所

久  島  俊  和

オルガノ株式会社総合研究所

川  瀬      晃

セイコー電子工業株式会社科学機器事業部

米  倉  茂  男

元  東京都立工業技術センター

岩  崎  岩  次

社団法人日本工業用水協会

(事務局)

秋  本      孝

社団法人日本工業用水協会

飛  渡  祥  弘

社団法人日本工業用水協会

本  郷  秀  昭

社団法人日本工業用水協会

備考

1)

:発足当初は岡林哲夫(工業技術院繊維化学規格課)

2)

:発足当初は相澤徹(通商産業省環境立地局産業施設課)

3)

:発足当初は飯島孝(環境庁水質保全局水質規制課)

○は,幹事兼任

文責  並木  博