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K 0312

:2005

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。

これによって,JIS K 0312:1999 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS K 0312

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)大容量捕集装置による試料の採取

附属書 2(参考)内標準物質の使用例


K 0312

:2005

(2) 

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義及び記号 

2

4.

  測定方法の概要 

4

5.

  試料

6

5.1

  採取時期,採取地点の選定 

6

5.2

  試料の採取 

6

5.3

  試料採取の記録

6

5.4

  試料の取扱い 

7

6.

  試料の前処理 

7

6.1

  試料の前処理の概要

7

6.2

  試薬

8

6.3

  器具及び装置 

11

6.4

  前処理操作 

11

7.

  同定及び定量 

17

7.1

  同定及び定量の概要

17

7.2

  試薬及び装置 

17

7.3

  測定操作 

19

7.4

  同定及び定量 

23

7.5

  検出下限及び定量下限 

25

7.6

  回収率の確認 

26

8.

  結果の報告 

26

8.1

  結果の表示方法

26

8.2

  濃度の単位 

27

8.3

  毒性当量 (TEQ) への換算 

27

8.4

  数値の取扱い 

27

9.

  測定データの品質管理 

29

9.1

  測定データの信頼性の確保 

29

9.2

  測定操作における留意事項 

31

9.3

  測定操作の記録

33

9.4

  精度管理に関する報告 

33

附属書 1(規定)大容量捕集装置による試料の採取 

41

附属書 2(参考)内標準物質の使用例

43


     

日本工業規格

JIS

 K

0312

:2005

工業用水・工場排水中のダイオキシン類の測定方法

Method for determination of tetra- through octachlorodibenzo-p-dioxins

tetra-through octachlorodibenzofurans and dioxin-like

polychlorinatedbiphenyls in industrial water and waste water

1. 

適用範囲  この規格は,工業用水及び工場排水中のテトラからオクタクロロジベンゾ-パラ-ジオキシ

ン及びテトラからオクタクロロジベンゾフラン並びにダイオキシンよう(様)PCB(以下,ダイオキシン

類という。

)のガスクロマトグラフ質量分析計(以下,GC/MS という。

)を用いた測定方法について規定す

る。ここで用いる GC/MS は,ガスクロマトグラフ (GC) のカラムにキャピラリーカラムを用い,分解能

が 10 000 以上である二重収束形質量分析計 (MS) の装置とする。

この規格における GC/MS の検出下限は,装置,測定条件によって変動はあるが,四塩素化物及び五塩

素化物で 0.1 pg,六塩素化物及び七塩素化物で 0.2 pg,八塩素化物で 0.5 pg,ダイオキシン様 PCB で 0.2 pg

以下である。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0094

  工業用水・工場排水の試料採取方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 0123

  ガスクロマトグラフ質量分析通則

JIS K 0211

  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0215

  分析化学用語(分析機器部門)

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 1107

  高純度窒素

JIS K 8040

  アセトン(残留農薬・PCB 試験用)

(試薬)

JIS K 8117

  ジクロロメタン(残留農薬・PCB 試験用)

(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8637

  チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)

JIS K 8680

  トルエン(試薬)

JIS K 8825

  ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)

(試薬)

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8987

  硫酸ナトリウム(試薬)


2

K 0312

:2005

     

JIS K 9702

  ジメチルスルホキシド(試薬)

JIS K 9703

  2,  2, 4-トリメチルペンタン(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505

  ガラス製体積計

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3. 

定義及び記号  この規格で用いる主な用語の定義及び記号は,JIS K 0094JIS K 0114JIS K 0123

JIS K 0211

及び JIS K 0215 によるほか,次による。

a) 

ダイオキシン類  テトラからオクタクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン,テトラからオクタクロロジベ

ンゾフラン及びダイオキシン様 PCB の総称。

b) 

異性体  塩素の置換数が同じで置換位置だけを異にする個々の化合物。

c) 

同族体  塩素の置換数が同じで置換位置だけを異にする化合物の一群。

d) PCDDs

  ポリクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン

e) PCDFs

  ポリクロロジベンゾフラン

f)

TeCDDs

  テトラクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン

g)  PeCDDs

  ペンタクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン

h) HxCDDs

  ヘキサクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン

i) HpCDDs

  ヘプタクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン

j) OCDD

  オクタクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン

k) TeCDFs

  テトラクロロジベンゾフラン

l) PeCDFs

  ペンタクロロジベンゾフラン

m) HxCDFs

  ヘキサクロロジベンゾフラン

n) HpCDFs

  ヘプタクロロジベンゾフラン

o) OCDF

  オクタクロロジベンゾフラン

p)  2, 3, 7, 8-

位塩素置換異性体  2, 3, 7, 8-位に置換塩素をもつテトラからオクタクロロジベンゾ-パラ-ジ

オキシン 7 種とテトラからオクタクロロジベンゾフラン 10 種の計 17 化合物。次に示すもの。

1) 

テトラからオクタクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDDs

2, 3, 7, 8-

テトラクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン  (2, 3, 7, 8-TeCDD)

1, 2, 3, 7, 8-

ペンタクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン  (1, 2, 3, 7, 8-PeCDD)

1, 2, 3, 4, 7, 8-

ヘキサクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン  (1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD)

1, 2, 3, 6, 7, 8-

ヘキサクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン  (1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD)

1, 2, 3, 7, 8, 9-

ヘキサクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン  (1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDD)

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-

ヘプタクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン  (1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD)

オクタクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン (OCDD)

2) 

テトラからオクタクロロジベンゾフラン(PCDFs

2, 3, 7, 8-

テトラクロロジベンゾフラン  (2, 3, 7, 8-TeCDF)

1, 2, 3, 7, 8-

ペンタクロロジベンゾフラン  (1, 2, 3, 7, 8-PeCDF)

2, 3, 4, 7, 8-

ペンタクロロジベンゾフラン  (2, 3, 4, 7, 8-PeCDF)

1, 2, 3, 4, 7, 8-

ヘキサクロロジベンゾフラン  (1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF)

1, 2, 3, 6, 7, 8-

ヘキサクロロジベンゾフラン  (1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF)


3

K 0312

:2005

     

1, 2, 3, 7, 8, 9-

ヘキサクロロジベンゾフラン  (1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF)

2, 3, 4, 6, 7, 8-

ヘキサクロロジベンゾフラン  (2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF)

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-

ヘプタクロロジベンゾフラン  (1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF)

1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-

ヘプタクロロジベンゾフラン  (1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF)

オクタクロロジベンゾフラン (OCDF)

q) PCBs

  ポリクロロビフェニル

r) TeCBs

  テトラクロロビフェニル

s) PeCBs

  ペンタクロロビフェニル

t) HxCBs

  ヘキサクロロビフェニル

u) HpCBs

  ヘプタクロロビフェニル

v) 

ダイオキシン様 PCBDL-PCB)  ポリクロロビフェニル(PCBs)のうち,オルト位(2, 2', 6 及び 6')

に置換塩素をもたない化合物(ノンオルト体)及びオルト位に置換塩素が 1 個ある化合物(モノオル

ト体)の中で次に示すもの。コプラナーPCB とも呼ばれる。

1) 

ノンオルト体

3, 4, 4', 5-

テトラクロロビフェニル[3, 4, 4', 5-TeCB (IUPAC

*

 No.81)]

International Union of Pure and Applied Chemistry

の略。

3, 3', 4, 4'-

テトラクロロビフェニル[3, 3', 4, 4'-TeCB (IUPAC No.77)]

3, 3', 4, 4', 5-

ペンタクロロビフェニル[3, 3', 4, 4', 5-PeCB (IUPAC No.126)]

3, 3', 4, 4', 5, 5'-

ヘキサクロロビフェニル[3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (IUPAC No.169)]

2) 

モノオルト体

2, 3, 3', 4, 4'-

ペンタクロロビフェニル[2, 3, 3', 4, 4'-PeCB (IUPAC No.105)]

2, 3, 4, 4', 5-

ペンタクロロビフェニル[2, 3, 4, 4', 5-PeCB (IUPAC No.114)]

2, 3', 4, 4', 5-

ペンタクロロビフェニル[2, 3', 4, 4', 5-PeCB (IUPAC No.118)]

2', 3, 4, 4', 5-

ペンタクロロビフェニル[2', 3, 4, 4', 5-PeCB (IUPAC No.123)]

2, 3, 3', 4, 4', 5-

ヘキサクロロビフェニル[2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (IUPAC No.156)]

2, 3, 3', 4, 4', 5'-

ヘキサクロロビフェニル[2, 3, 3', 4, 4', 5'-HxCB (IUPAC No.157)]

2, 3', 4, 4', 5, 5'-

ヘキサクロロビフェニル[2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (IUPAC No.167)]

2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-

ヘプタクロロビフェニル[2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-HpCB (IUPAC No.189)]

w) 

装置の検出下限  測定に使用する GC/MS で検出できる最小量。

x) 

測定方法の検出下限  前処理から GC/MS による測定までの一連の操作において検出できる最小量。

y) 

試料における検出下限  検出できる試料中の最小濃度。

z) 

装置の定量下限  測定に使用する GC/MS で定量が可能な最小量。

aa)

測定方法の定量下限  前処理から GC/MS による測定までの一連の操作において定量が可能な最小量。

一般に,この定量下限付近に比べ,検出下限付近では 3 倍程度の誤差が見込まれている。

ab)

試料における定量下限  定量が可能な試料中の最小濃度。

ac)  TEF

  2, 3, 7, 8-TeCDD 毒性等価係数  (2, 3, 7, 8-TeCDD toxic equivalency factor)

ad)  TEQ

  2, 3, 7, 8-TeCDD 毒性当量(毒性等量)  (2, 3, 7, 8-TeCDD toxic equivalent quantity)

ae)  RRF

  相対感度  (relative response factor)


4

K 0312

:2005

     

4. 

測定方法の概要  工業用水及び工場排水中のダイオキシン類を,抽出後,クリーンアップしてガスク

ロマトグラフ質量分析計 (GC/MS) で同定,定量する。この測定のフローを,

図 に示す。

備考  ダイオキシン類は非常に有害性が高いので,吸入,誤飲,直接皮膚への接触などをできるだけ

避け,前処理室及び分析室の換気並びに廃液及び廃棄物の管理は十分に行う。また,その他の

薬品,溶媒などでも吸入及び誤飲によって測定者の健康を損なうものがあるので,取扱いはで

きるだけ慎重に行い,実験室の十分な換気に注意する。


5

K 0312

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  1  用水・排水中のダイオキシン類測定のフロー

内標準物質の添加(クリーンアップスパイク)

内標準物質の添加(シリンジスパイク)

目的の明確化,計画の立案

試料採取

標準液の測定

ダイオキシン類の同定

ダイオキシン類の定量

ダイオキシン類の濃度値確定

ダイオキシン類用試料保存・運搬

抽出液

クリーンアップ

試料からの抽出

GC/MS による同定と定量

実試料の測定

試料採取の準備,採取器具類の洗浄

代表試料の採取

装置の維持管理,GC カラム取付け 
分解能(

R

>10 000)などの調節

SIM キャリブレーション

検量線の直線性 
検出下限及び定量下限の確認 
クロマトグラムのピーク形状

SN 比評価,空試験値確認 
クロマトグラムのピーク形状 
妨害成分,感度変動

相対保持時間の一致 
イオン強度比の評価 
化合物の分離状況

化合物ごとの濃度 
TEQ 算出

:主作業

:サブ作業

:添加

:物又は試料


6

K 0312

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5. 

試料

5.1 

採取時期,採取地点の選定  試料の採取時期及び採取地点の選定は,JIS K 0094 に従って試料の代

表性が確保されるように選定する。

5.2 

試料の採取  試料の採取は,次による。ただし,ここに定められていない事項については,JIS K 0094

による。

5.2.1 

器具  器具は,次による。

a) 

試料容器  試料容器は,特に断らない限りガラス製のものを用い,使用前にメタノール(又はアセト

ン)及びトルエン(又はジクロロメタン)でよく洗浄したものを使用する。洗浄に用いた溶媒は容器

内に残らないよう注意する。栓は,スクリューキャップなどで密栓できるものとし,ゴム製,コルク

製のものは使用しない。空試験などによって,測定に支障のないことを確認する。

b) 

採水器  採水器は,ガラス製,ステンレス鋼製など,測定対象物質が採水器内壁に吸着しないものを

用いる。

5.2.2 

採取方法  試料の採取方法は,JIS K 0094 による。

5.2.3 

採取操作  試料の採取は,JIS K 0094 による。ただし,試料水による容器の洗浄は行わない。採取

した試料は,試料容器に空間が残るように入れ,密栓する。試料水中に残留塩素が存在する場合には,残

留塩素 1mg/L に対してチオ硫酸ナトリウム五水和物(JIS K 8637)7.0 mg/L を添加し,よく混合する。ま

た,場合によっては測定地点において試料水を通水してダイオキシン類を捕集する大容量捕集装置を用い

る採取を行ってもよい(

附属書 参照)。

5.2.4 

試料の採取量  試料の採取量は,次のような手順によって決定する。

a) 

測定の目的から評価しなければならない最小の濃度を決定する。

b) 

特に指定がない限り,a)で決定した濃度の 1/30 以下に試料における検出下限を設定する。

c) 

式(1)によって測定に必要な最小の試料の量を算出する。

DL

E

E

DL

1

C

V

V

x

y

Q

V

×

×

×

 (1)

ここに,

V

測定に必要な試料の量 (L)

Q

DL

測定方法の検出下限 (pg)

y

最終検液量  (

µL)

x

GC/MS

注入量  (

µL)

V

E

抽出液量 (m L)

V'

E

抽出液分取量 (m L)

C

DL

必要となる試料における検出下限 (pg/L)

d) 

算出された最小の試料採取量以上を試料の採取量とする。

5.3 

試料採取の記録  試料採取時には,次の事項を記録する。

a) 

試料の名称及び試料番号

b) 

採取場所の名称及び採取位置

c) 

採取年月日及び時刻

d) 

採取時の天候及び前日の天候

e) 

採取者の氏名

f) 

採取場所の状況(試料の水質に影響を与えると思われる事項。例えば,採取現場の略図など。

g) 

採取時の気温及び水温


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K 0312

:2005

     

h) 

河川流量又は排水量

i) 

そのほか,試料の外観(試料の色,濁りなど)

,臭気の有無など参考となる事項。

備考  このほかに必要に応じて,透視度,pH,残留塩素など採取時に実施する項目もある。また,採

取場所の状況などの写真撮影も必要ならば行う。

5.4 

試料の取扱い  試料は,遮光して運搬し,直ちに測定を行う。直ちに測定できない場合は,0∼10  ℃

の暗所に保存し,できるだけ早く測定する。

6. 

試料の前処理

6.1 

試料の前処理の概要  採取した試料は,クリーンアップスパイク用内標準物質を添加した後,固相

抽出又は液-液抽出を行う。抽出後,必要に応じて分取し,硫酸処理-シリカゲルカラムクロマトグラフ操

作又は多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作(

1

)

を行い,

その後,

アルミナカラムクロマトグラフ操作,

高速液体クロマトグラフ操作,活性炭カラムクロマトグラフ操作のいずれか又はこれらを組合せた精製操

作を行う。試料中に鉱物油などの油分が多いときなどは,必要に応じてジメチルスルホキシド分配処理操

作を精製操作に加えてもよい。これらの精製操作を行った後,試料をガスクロマトグラフ質量分析法によ

って測定する。

表 に精製操作の概要を示す。また,図 に試料の前処理から測定までのフローの一例を

示す。

なお,ここに挙げた精製操作以外の操作であっても,次の条件を満たすことが確認できれば,用いても

よい。この確認には,適用する試料媒体について,5 以上の採取地点の異なる試料を用いて 5 回以上の繰

返し,計 25 点以上のデータが必要である。

(

1

)

硫酸処理―多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作でもよい。

a) 

対象とするダイオキシン類の回収率が 90  %以上である。

b)

この規格において規定されている精製操作で得られた試料液と適用しようとする新規の操作方法によ

り得られた試料液を,四重極形などの低分解能の GC/MS を用いて 7.3.1 の a)のガスクロマトグラフの

条件で測定質量数が 50∼450 の範囲の全イオン検出法によって測定し,得られたそれぞれのクロマト

グラムを比較して精製効果に差がないか,又はこの規格の精製操作と同等の効果が得られることを確

認する。

c)

適用しようとする新規の操作方法によって得られた試料液について 7.3.3 の測定を行い,分析対象成分

によるピークの出現する付近において質量校正用標準物質のモニターチャネルに変動がないことを確

認する。

  1  精製操作の概要

操作名

主な効果

硫酸処理―シリカゲルカラムクロマトグラフ操作

大部分のマトリックスの分解除去

着色物質,多環芳香族炭化水素,強極性物質の除去

多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作

フェノール類,酸性物質,脂質,タンパク質,含硫黄化合物,
脂肪族炭化水素類,強極性物質,着色物質,多環芳香族炭化

水素の除去

アルミナカラムクロマトグラフ操作

低極性物質,有機塩素化合物の除去

高速液体クロマトグラフ操作 PCDDs 及び PCDFs,ダイオキシン様 PCB の分離精製

活性炭カラムクロマトグラフ操作 PCDDs 及び PCDFs,ダイオキシン様 PCB の分離精製

ジメチルスルホキシド(DMSO)分配処理操作

脂肪族炭化水素などの低極性物質の除去


8

K 0312

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  2  試料の前処理から測定までのフローの例

6.2 

試薬  試料の前処理に用いる試薬は,次による。これらの試薬は,空試験などによって測定に支障

のないことを確認する。

a) 

水  JIS K 0557 に規定する A4(又は A3)の水。

b) 

メタノール  JIS K 8891 に規定するもの,又は同等の品質のもの。

c) 

アセトン  JIS K 8040 に規定するもの,又は同等の品質のもの。

d) 

トルエン  JIS K 8680 に規定するもの,又は同等の品質のもの。

e) 

ジクロロメタン  JIS K 8117 に規定するもの,又は同等の品質のもの。

f) 

ヘキサン  JIS K 8825 に規定するもの,又は同等の品質のもの。

g) 

ジメチルスルホキシド  JIS K 9702 に規定するもの,又は同等の品質のもの。

h) 

デカン  測定に支障のない品質のもの。

i) 

ノナン  測定に支障のない品質のもの。

j) 2, 

2, 

4-

トリメチルペンタン  JIS K 9703 に規定するもの,又は同等の品質のもの。

k) 

硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。

l) 

塩酸  JIS K 8180 に規定する特級,又は同等の品質のもの。

試料

内標準物質の添加

クリーンアップスパイク

アルミナカラムクロマトグラフ操作など

測定用試料

抽出液

一部分取

硫酸処理―シリカゲルカラムクロマトグラフ操作

又は多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作

内標準物質の添加

シリンジスパイク

抽出

:物又は試料

:作業

:添加

:省略できる作業


9

K 0312

:2005

     

m) 

硫酸  JIS K 8951 に規定するもの,又は同等の品質のもの。

n) 

水酸化カリウム  JIS K 8574 に規定するもの,又は同等の品質のもの。

o) 

硝酸銀  JIS K 8550 に規定するもの。

p) 

ヘキサン洗浄水  a)の水を f)のヘキサンで十分洗浄したもの。

q) 

内標準物質  すべての炭素又は塩素原子が

13

C

又は

37

Cl

で標識したダイオキシン類のうち,適正な種

類及び濃度のものを用いる。

表 に内標準物質の一例を示す。

内標準物質には,次の 2 種類があり,それぞれ別の化合物を用いる(

附属書 参照)。

1) 

クリーンアップスパイク用内標準物質  抽出からクリーンアップまでの前処理操作全体の結果を確

認し,ダイオキシン類を定量するための基準とするために添加する内標準物質である。使用時にア

セトンで希釈して用いる。

2) 

シリンジスパイク用内標準物質  GC/MS への測定用試料液の注入を確認するために添加する内標

準物質で,クリーンアップスパイク用で使用したもの以外の内標準物質を用いる。ノナンなど測定

用試料と同じ溶媒のものを用いる。

r) 

シリカゲル  カラムクロマトグラフ用シリカゲル(粒子径 63∼212

µm)をビーカーに入れてメタノー

ルで洗浄し,メタノールを十分揮散させる。これを層の厚さを 10 mm 以下になるように蒸発皿又はビ

ーカーに入れ,130  ℃で約 18 時間加熱した後,デシケーター中で約 30 分間放冷したもの。調製後,

密閉できる容器に入れ,デシケーター中に保存する。

s) 

水酸化カリウム[2  %(質量分率)]シリカゲル  r)のシリカゲル 100 g に対して水酸化カリウム溶液

(50 g/L)

n)の水酸化カリウムで調製する。

40 ml

を加えた後,

ロータリエバポレータを用いて約 50  ℃

で減圧脱水し,水分のほとんどを除去した後,温度を 50∼80  ℃に上げて更に約 1 時間減圧脱水を続

けて粉末状にする。調製後,密閉できる試薬瓶に入れデシケーター中で保存する。

t) 

硫酸[22  %(質量分率)]シリカゲル  r)のシリカゲル 100 g に対して m)の硫酸 28.2 g を添加後,十

分振とうし粉末状にする。調製後,密閉できる試薬瓶に入れデシケーター中で保存する。

u) 

硫酸[44  %(質量分率)]シリカゲル  r)のシリカゲル 100 g に対して m)の硫酸 78.6 g を添加後,十

分振とうし粉末状にする。調製後,密閉できる試薬瓶に入れデシケーター中で保存する。

v) 

硝酸銀[10  %(質量分率)]シリカゲル  r)のシリカゲル 100 g に対して o)の硝酸銀で調製した硝酸

銀溶液  (400 g/L) 28 ml を加えた後,ロータリエバポレータで水分を完全に除去する。硝酸銀シリカゲ

ルは,調製後,密閉できる着色瓶に入れ,デシケーター中に保存する。

なお,調製,保管に当たっては極力遮光する。

w) 

アルミナ  カラムクロマトグラフ用アルミナ(塩基性,活性度 I)は,あらかじめ活性化したものが

入手できる場合は,そのまま使用してもよい。活性化する必要がある場合には,ビーカーに層の厚さ

を 10 mm 以下にして入れて 130  ℃で約 18 時間乾燥,又はペトリ皿に層の厚さを約 5 mm 程度にして

入れて 500  ℃で約 8 時間加熱処理した後,デシケーター中で約 30 分間放冷した後,密閉できる試薬

瓶中に保存する。活性化後は,速やかに使用する。


10

K 0312

:2005

     

  2  ダイオキシン類の内標準物質の例

化合物

13

C

12

-1, 2, 3, 4-TeCDD

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TeCDD

四塩素化物

37

C1

4

-2, 3, 7, 8-TeCDD

五塩素化物

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD

六塩素化物

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDD

七塩素化物

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD

PCDD

八塩素化物

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDD

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TeCDF

四塩素化物

13

C

12

-1, 2, 7, 8-TeCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

五塩素化物

13

C

12

-2, 3, 4, 7, 8-PeCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF

六塩素化物

13

C

12

-2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF

七塩素化物

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF

PCDF

八塩素化物

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDF

13

C

12

-2, 3', 4', 5-TeCB (

#

70)

13

C

12

-3, 3', 4, 4'- TeCB (

#

77) **

四塩素化物

13

C

12

-3, 4, 4', 5- TeCB (

#

81) **

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4'-PeCB (

#

105) **

13

C

12

-2, 3, 4, 4', 5-PeCB (

#

114) **

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5-PeCB (

#

118) **

13

C

12

-2', 3, 4, 4', 5-PeCB (

#

123) **

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5-PeCB (

#

126) **

五塩素化物

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (

#

156) **

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5'-HxCB (

#

157) **

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (

#

167) **

六塩素化物

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (

#

169) **

13

C

12

-2, 2', 3, 3', 4, 4', 5-HpCB (

#

170)

13

C

12

-2, 2’, 3, 4, 4', 5, 5'-HpCB (

#

180)

*P

CB

七塩素化物

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-HpCB (

#

189) **

*

括弧内の数値は,IUPAC No.を示す。

** DL-PCB

を示す。 

x) 

液体クロマトグラフ用活性炭カラム  液体クロマトグラフ用のグラファイトカーボンカラム。又は,

それと同等の分離性能をもつもの。例えば,Hypersil 社製 Hypercarb(内径 4.6 mm,長さ 100 mm)な

どがある。

y) 

活性炭カラム充てん剤  活性炭を含浸又は分散させたシリカゲル,又はこれと同等の分離性能をもつ

もの。例えば,活性炭埋蔵シリカゲル(和光純薬工業株式会社)

,活性炭分散シリカゲル(関東化学株

式会社)などがある。


11

K 0312

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z) 

ガラス繊維ろ紙  孔径 0.5

µm 程度のもの。ブフナー漏斗に用いる。

aa) 

抽出用固相  オクタデシル基 (ODS) を化学的に結合させたシリガゲルを固定したディスク形固相。

又はこれと同等の抽出性能をもつもの。

ab) 

窒素  JIS K 1107 に規定する高純度窒素 2 級。

6.3 

器具及び装置  試料の前処理に用いる器具及び装置は,メタノール(又はアセトン)及びトルエン

(又はジクロロメタン)で十分洗浄し,空試験によって測定に支障がないことを確認する。

a) 

ガラス器具  JIS R 3503 及び JIS R 3505 に規定するもの。コックの部分がふっ素樹脂製のものも用い

てもよい。

b) 

固相抽出装置  固相抽出装置は,ディスク形固相,ファンネル,サポートスクリーン,ガスケット,

ベース,クランプ,ゴム栓,吸引瓶,吸引ポンプからなる。固相抽出装置の一例を,

図 に示す。

  3  固相抽出装置(抽出部)の一例

c) 

ソックスレー抽出器  JIS R 3503 に規定するもの又はこれと同等の性能のもので,接続部にグリース

を使用してはならない。

d) 

濃縮器  クデルナ-ダニッシュ (KD) 濃縮器又はロータリエバポレータで,接続部にグリースを使用し

てはならない。

e)

カラムクロマトグラフ管  内径 10 mm,長さ 300 mm(又は内径 15 mm,長さ 300 mm)のダイオキシ

ン類の吸着及び混入,妨害物質の溶出などがないガラス製又はこれと同等の材質のカラムクロマトグ

ラフ管。

f) 

ブフナー漏斗

g) 

高速液体クロマトグラフ

6.4 

前処理操作

6.4.1 

試料量の記録  採取した試料は,試料容器中の全量を測定に用いる。試料の量は,試料を入れた容

器の質量から空の容器の質量を差し引いて求めるか,又は試料を採取したときに試料容器の水面の位置に

印を付けておき,測定終了時に印のところまで水を入れてその水の体積を試料の量として記録する。


12

K 0312

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6.4.2 

内標準物質の添加(クリーンアップスパイク)  ろ過,抽出操作前の試料に,クリーンアップスパ

イクとして内標準物質(

2

)

を一定量添加する。添加量は,通常,四塩素化物から七塩素化物では 0.1∼2 ng,

八塩素化物では 0.2∼4 ng,DL-PCB では 0.1∼2 ng である。試料中のダイオキシン類の濃度が非常に高く,

通常の内標準物質の添加量では定量範囲を超えてしまうことなどが予想される場合には,この範囲を超え

て添加してもよい。また,試料を複数の試料容器に採取した場合は,各容器に濃度がほぼ均一となるよう

に内標準物質を加え,合計した添加量を記録する。

(

2

クリーンアップスパイクの内標準物質は,PCDDs 及び PCDFs については少なくとも塩素数ご

とに 2, 3, 7, 8-塩素置換体を最低 1 種類ずつ,

PCB

についてはノンオルト体の DL-PCB を全種類,

モノオルト体の DL-PCB 又はその他の PCB を塩素化物ごとに 1 種類ずつそれぞれ添加する。で

きれば毒性等価係数のある化合物はすべて添加することが望ましい。

添加する内標準物質は,シリンジスパイクとは別の化合物を用いるが,内標準物質によって

は,GC/MS の測定条件によって測定に妨害を与える場合があるので,その使用に際しては,十

分に検討・確認をしておく(

附属書 参照)。

クリーンアップスパイクで添加した内標準物質の回収率は,シリンジスパイクした内標準物

質を基準にして求め,50∼120  %の範囲内でなければならない。その範囲内でない場合には,

再度前処理をやり直す。

6.4.3 

試料からの抽出  内標準物質を添加した試料からの抽出は,試料の量,共存有機物の量などを考慮

し,固相抽出法,液−液抽出法から選択する。

a)

試料のろ過  内標準物質を添加した試料をガラス繊維ろ紙(孔径 0.5

µm 程度)(

3

)

で吸引ろ過し,ろ過

残留物とろ液に分ける。

(

3

浮遊物が多く目詰まりしやすい試料では,孔径の大きいろ紙を用いて多段階のろ過を行った後,

孔径 0.5

µm 程度のガラス繊維ろ紙でろ過を行ってもよい。

参考  市販品には孔径の代りに保留粒子径と表示しているものがある。

b)

ろ液からの抽出  ろ液からの抽出は,固相抽出法又は液−液抽出法のいずれかで行う。

1)

固相抽出法  抽出用固相には,ディスク形,カラム形,カートリッジ形などのものがあり,次の条

件を満足しているものであれば,いずれを用いてもよい。

抽出は,選択した抽出用固相に試料を通水し(

4

)

,通水後,水分を十分除去する。水分を除去した

固相をソックスレー抽出などにかけ,溶媒中に抽出する。操作の参考として記載する詳細は,選択

した抽出用固相の推奨する方法に従う。

1.1)

  JIS K 0557

に規定する A3 の水又は水道水に内標準を添加してその試料 20 L を通水した場合の回

収率が 90  %以上である。定量下限付近及び定量下限の 10 倍の各濃度で 2 回以上行った平均値で

確認する。

1.2)

水道水を 100 L 通水しても,ダイオキシン類の損失が認められない。固相にクリーンアップスパ

イク用内標準物質を添加した後,水道水 100 L を通水して添加した内標準物質の回収率を求め,

その回収率が 70∼130  %の範囲にあることを確認する。

(

4

吸着破過を起こす通水量の確認ができていない試料については,1 枚の抽出用固相への通水量を 5

L

以下とする。

2) 

液―液抽出法  液―液抽出法による抽出操作は,次による。かき混ぜ抽出法などのこの操作方法以

外の方法であっても,抽出効率が 90  %以上であることが確認できれば用いてもよい。

2.1)

抽出  a)で得たろ液を分液漏斗に入れ,ろ液 1 L に対してトルエン又はジクロロメタンを 100 mL


13

K 0312

:2005

     

の割合で添加し,振とう幅約 5 cm,毎分 100 回以上で約 20 分間振り混ぜて抽出する。抽出を 3

回行い,硫酸ナトリウムで脱水し,抽出液を合わせる。

c)

ろ過残さ(渣)からの抽出  ろ過残さ(渣)からの抽出は,風乾後,ソックスレー抽出又はこれと同

等の抽出方法で抽出を行い,この抽出液を上記の抽出液と合わせる。抽出には長時間を要するので,

抽出中の光分解に注意する。ソックスレー抽出法と同等かどうかの判定は,飛灰の標準試料を測定し

て測定結果が標準値と一致しているか,飛灰などの試料をソックスレー抽出法と併行して測定して測

定結果が一致するか否かで判定する。判定には,少なくとも 3 試料 3 回の繰返しの計 9 個のデータを

用いる。

d)

抽出液の調製  上記のろ液からの抽出液及びろ過残さ(渣)からの抽出液を一つに合わせ,更に,試

料容器内壁をトルエン又はジクロロメタンで洗浄した洗液を硫酸ナトリウムで脱水後,この抽出液に

合わせる。これを濃縮器で濃縮し,全量フラスコ 10 mL(又は 50 mL)に入れ,トルエンを標線まで

加える。

6.4.4 

硫酸処理-シリカゲルカラムクロマトグラフ操作又は多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作

  6.4.3 で得られた抽出液の適量を分取し(

5

)

,濃縮器で約 5 mL に濃縮し,次いで,窒素気流によってトル

エンを除去し(

6

)

,約 500

µL の濃縮液とする。この濃縮液を,次に示す硫酸処理-シリカゲルカラムクロマ

トグラフ操作,又は多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作によって精製する。

(

5

再測定の必要な場合があるため,抽出液の一部を保存しておくことが望ましい。

(

6

)

窒素気流による濃縮操作によって目的物質の損失を招かないように,溶液の表面が動いている

のがようやく見える程度に窒素気流を調節して溶液が飛散しないように注意し,また,完全に

乾固させてはならない。溶液に大きな渦ができるほど窒素を吹き付けたり,完全に乾固させる

と,目的物質の損失を招くことがある。

a) 

硫酸処理-シリカゲルカラムクロマトグラフ操作  硫酸処理-シリカゲルカラムクロマトグラフ操作の

手順は,次による。(

7

)

なお,ここに示す手順は標準的なものであり,精製の効果を十分得ることが可能であれば,必ずし

もこのとおりでなくてもよい。

1) 

濃縮液を分液漏斗 (300 mL) にヘキサン 50∼150 mL で洗い込みながら移し入れ,

硫酸 5 mL を加え,

穏やかに振とうし,静置後,硫酸層を除去する。この操作を硫酸層の着色が薄くなるまで 3∼4 回繰

り返す(

8

)

2) 

ヘキサン層をヘキサン洗浄水 50 mL で洗浄し,洗液がほぼ中性になるまで繰り返し洗浄し,硫酸ナ

トリウムで脱水後,濃縮器で約 2 mL に濃縮する。

3) 6.3

の e)のカラムクロマトグラフ管の底部に石英ガラスウールを詰め,ヘキサン 10 mL で管内を洗

浄し,石英ガラスウール上部までヘキサンを残す。シリカゲル 3 g をヘキサン 10 mL を入れたビー

カーにはかりとり,ガラス棒で緩やかにかき混ぜて気泡を除き,カラムクロマトグラフ管に充てん

する。ヘキサンを流下させ,シリカゲル層を安定させた後,その上に硫酸ナトリウムを約 10 mm の

厚さになるように積層し,ヘキサン数 mL で管壁に付着している硫酸ナトリウムを洗い落とす。

4) 

シリカゲルカラムにヘキサン 50 mL を流下させた後,液面を硫酸ナトリウムの上面まで下げ,2)

調製した溶液をカラムに静かに移し入れ,ヘキサン 1 mL で数回洗い込み,液面を硫酸ナトリウム

面まで下げ,

ヘキサン 150 mL を入れた円筒形滴下漏斗をカラムクロマトグラフ管の上部に装着し,

ヘキサンを約 2.5 mL/min(毎秒 1 滴程度)の流量でゆっくり流下させる(

9

)

5) 

溶出液は濃縮器で約 2 mL に濃縮する。


14

K 0312

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(

7

)

硫黄分除去が必要な場合は,硝酸銀処理又は銅チップ処理を硫酸処理の後に行う。具体的には

硝酸銀シリカゲル又は銅チップ(塩酸処理した銅線を細かく切ったもの)をカラムに詰めて,

試料液を通過させる。

(

8

)

硫酸の添加は,硫酸と有機物の反応による溶媒の突沸に十分注意し,数 mL 程度から始め,着

色の度合いによって徐々に添加する。また,必ず手袋及びマスクなどの保護具を使用する。

(

9

)

  カラムクロマトグラフ操作におけるダイオキシン類の溶出条件は,フライアッシュの抽出液などすべての

ダイオキシン類を含む試料液を用いて分画試験を行って確認する。分画試験は,少なくとも充てん剤のロ

ットごとに行う。

b) 

多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作  多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作は,次の手順

による。

なお,ここに示す手順は標準的なものであり,精製の効果を十分得ることが可能であれば,必ずし

もこのとおりでなくてもよい。

1) 6.3

の e)のカラムクロマトグラフ管(内径は 15 mm のもの)の底部に石英ガラスウールを詰め,シ

リカゲル 0.9 g,水酸化カリウム[2  %(質量分率)

]シリカゲル 3 g,シリカゲル[44  %(質量分

率)

]0.9 g,硫酸シリカゲル 4.5 g,硫酸[22  %(質量分率)

]シリカゲル 6 g,シリカゲル 0.9 g,硝

酸銀[10  %(質量分率)

]シリカゲル 3 g 及び硫酸ナトリウム 6 g を順次充てんする(

10

)

。このカラ

ムを,

図 に示す。

2) 

ヘキサン 50 mL を流下させた後,液面を硫酸ナトリウムの上面まで下げる。

3) 

濃縮液をカラムに静かに注ぎ入れ,液面をカラム上端まで下げる。

4) 

ヘキサン 1 mL で抽出液の容器を洗浄し,洗液はカラム内壁を洗いながら入れる。この洗浄操作を 2

∼3 回繰り返す。

5) 

ヘキサン 120 mL を入れた滴下用分液漏斗をカラムクロマトグラフ管の上部に装着し,ヘキサンを

約 2.5 mL/min(毎秒 1 滴程度)の流量で流下させる(

9

)

6) 

溶出液を濃縮器で約 2 mL に濃縮する。充てん部の着色が多い場合は,1)6)の操作を繰り返す。

(

10

硫酸処理と同様な効果は硫酸シリカゲルだけを用いた処理で得られるため,試料によっては多

層シリカゲルカラムクロマトグラフ管の代わりに硫酸[22  %(質量分率)

]シリカゲルカラム

クロマトグラフ管を用いてもよい。硝酸銀[10  %(質量分率)

]シリカゲルは特に硫黄分が多

い試料に対して用いると効果的である。


15

K 0312

:2005

     

  4  多層シリカゲルカラム

6.4.5 

その他の精製操作  6.4.4 で得られた濃縮液を,次に示すいずれかの操作又はそれらの組合せで精

製を行い,PCDDs 及び PCDFs 測定用並びに DL-PCB 測定用の濃縮液を調製する。

なお,ここに示す手順は標準的なものであり,精製の効果を十分得ることが可能であれば,必ずしもこ

のとおりでなくてもよい。

a)

アルミナカラムクロマトグラフ操作  アルミナカラムクロマトグラフ操作は,PCDDs 及び PCDFs 測

定用と DL-PCB 測定用とに濃縮液を分けて行う手順を次に示す。

同定及び定量の操作条件によっては,

濃縮液を分けないで行うことも可能である。その場合の手順はこの限りではない。

1) PCDDs

及び PCDFs 測定用アルミナカラムクロマトグラフ操作  PCDDs 及び PCDFs 測定用のアル

ミナカラムクロマトグラフ操作は,次の手順による。

1.1) 6.3

の e)のカラムクロマトグラフ管の底部に石英ガラスウールを詰め,ヘキサン 10 mL で管内を洗

浄し,石英ガラスウール上部までヘキサンを残す。アルミナ 10 g(

11

)

をヘキサン 10 mL を入れたビ

ーカーにはかりとり,ガラス棒で緩やかにかき混ぜて気泡を除き,カラムクロマトグラフ管に充

てんする。ヘキサンを流下させ,アルミナ層を安定させた後,その上に硫酸ナトリウムを約 10 mm

の厚さになるように載せ,ヘキサン数 mL で管壁に付着している硫酸ナトリウムを洗い落とす。

ヘキサン 50 ml を流下させた後,液面を硫酸ナトリウムの上面まで下げる。

1.2)

濃縮液を正確に二分した後,その一つを窒素気流によって約 0.5 mL まで濃縮し,1.1)のカラムに

静かに移し入れ,ヘキサン 1 mL で数回洗い込み,液面を硫酸ナトリウムまで下げた後,ジクロロ

メタン[2  %(体積分率)]を含むヘキサン溶液 100 mL を約 2.5 mL/min(毎秒 1 滴程度)で流して

第 1 画分を得る。この画分は測定が終了するまで保管する。

1.3)

さらにジクロロメタン[50  %(体積分率)]を含むヘキサン溶液 150 mL を,約 2.5 mL/min で流し

て第 2 画分をとる。この画分に PCDDs 及び PCDFs が含まれる(

9

)

1.4)

第 2 画分を濃縮器で約 2 mL に濃縮する。

(

11

アルミナの活性は製造ロット及び開封後の保存期間によって,かなり変化が認められる。活性

の低下したものでは,1, 3, 6, 8-TeCDD 及び 1, 3, 6, 8-TeCDF などが第 1 画分に溶出したり,八塩

素化物がジクロロメタン(50 vol%)を含むヘキサン溶液の規定量では第 2 画分に溶出しない場

硝酸銀[10  %(質量分率)

]シリカゲル 3 g

硝酸[22  %(質量分率)

]シリカゲル 6 g

硝酸[44  %(質量分率)

]シリカゲル 4.5 g

水酸化カリウム[2  %(質量分率)

]シリカゲル 3 g

石英ガラスウール

硝酸ナトリウム 6 g

シリカゲル 0.9 g


16

K 0312

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合もあるため,フライアッシュの抽出液などを用いた分画試験で活性度を確認する必要がある。

2) 

ダイオキシン様 PCB 測定用アルミナカラムクロマトグラフ操作  DL-PCB 測定用のアルミナカラム

クロマトグラフ操作は,次の手順による。

2.1) 6.3

の e)のカラムクロマトグラフ管の底部に石英ガラスウールを詰め,ヘキサン 10 mL で管内を洗

浄し,石英ガラスウール上部までヘキサンを残す。アルミナ 10 g(

11

)

をヘキサン 10 mL を入れたビ

ーカーに量りとり,ガラス棒で緩やかにかき混ぜて気泡を除き,カラムクロマトグラフ管に充て

んする。ヘキサンを流下させ,アルミナ層を安定させた後,その上に硫酸ナトリウムを約 10 mm

の厚さになるように積層し,

ヘキサン数 mL で管壁に付着している硫酸ナトリウムを洗い落とす。

ヘキサン 50 mL を流下させた後,液面を硫酸ナトリウムの上面まで下げる。

2.2)

濃縮液を正確に二分した後,その一つを窒素気流によって約 0.5 mL まで濃縮し 2.1)のカラムに静

かに移し入れ,ヘキサン 1 mL で数回洗い込み,液面を硫酸ナトリウム層の直上まで下げた後,ヘ

キサン 40 mL を約 2.5 mL/min(毎秒 1 滴程度)で流して鎖状炭化水素などを溶出させる(

9

)

2.3)

ジクロロメタン[5  %(体積分率)

]を含むヘキサン溶液 120 ml を約 2.5 mL/min(毎秒 1 滴程度)

で流して第 1 画分をとる。この画分には DL-PCB が含まれる(

9

)

2.4)

さらにジクロロメタン[50  %(体積分率)

]を含むヘキサン溶液 160 mL を,約 2.5 mL/min で流

して第 2 画分をとる。この画分は測定が終了するまで保管する。

2.5)

第 1 画分を濃縮器で約 2 mL に濃縮する。

b)

高速液体クロマトグラフ操作  高速液体クロマトグラフ操作は,次の手順による。ここで示す操作条

件は,使用する機器,カラムなどによって若干異なってくるので,あらかじめ飛灰の抽出液などを用

いて分画試験を行って確認しなければならない。

1) 

流路切替えバルブを装着した高速液体クロマトグラフに活性炭カラムを移動相の流れの向きが切り

替えられるように装着し,溶離液流量を 2 mL/min に設定する。検出器として吸光光度検出器を接続

し,検出器出口から溶出液を分取できるようにしておく。

2) 

溶離液をトルエンとして通常の流れの向きで流し,十分にカラムを洗浄した後,溶離液をヘキサン

に代えてカラム及び装置の流路内をヘキサンで置換する。検出器の指示値の変化でヘキサンに置換

したかどうかを判断するのがよい。

3) 

濃縮液を更に窒素気流によって 100

µL 程度に濃縮する。この液を高速液体クロマトグラフに注入し,

溶離液をヘキサンのままで 4 分間流し,溶出液 8 mL を分取して第 1 画分とする。ここには,DL-PCB

以外の PCB が含まれている。

4) 

次いで,溶離液をジクロロメタン[50  %(体積分率)

]を含むヘキサン溶液として 20 分間流し,溶

出液 40 mL を分取して第 2 画分とする。ここには,DL-PCB のモノオルト体が含まれている。

5) 

さらに,溶離液をトルエン[30  %(体積分率)

]を含むヘキサン溶液として 20 分間流し,溶出液

40 mL

を分取して第 3 画分とする。ここには,DL-PCB のノンオルト体が含まれている。

6) 

最後に,オーブンを 50  ℃に加熱し,カラムでの移動相の流れの向きを逆にしてトルエンを 15 分間

流し,溶出液 30 mL を分取して第 4 画分とする。ここには,PCDDs 及び PCDFs が含まれている。

7) 

第 2 画分と第 3 画分とを一つにし,DL-PCB 測定用として濃縮器で約 2 mL に濃縮し,第 4 画分を

PCDDs

及び PCDFs 測定用として同様に濃縮する。

c)

活性炭カラムクロマトグラフ操作  活性炭カラムクロマトグラフ操作は,次の手順による。ここで示

す操作条件は,使用するカラムによって異なってくるので,あらかじめフライアッシュの抽出液など

を用いて分画試験を行って確認しなければならない。


17

K 0312

:2005

     

1) 

本体 6.3 の e)のカラムクロマトグラフ管の底部に石英ガラスウールを詰め,その上に硫酸ナトリウ

ムを厚さ約 10 mm,活性炭カラム充てん剤を 1 g,硫酸ナトリウムを厚さ約 10 mm に積層して充て

んする。トルエンを流下させて十分洗浄した後,ヘキサンを流下させてカラム内をヘキサンに置換

する。

2) 

濃縮液を更に窒素気流で 100

µL 程度に濃縮する。この液をカラムに負荷し,ヘキサン 50 mL を 2.5

mL/min

で流下させる。

3)

次いで,ジクロロメタン[25  %(体積分率)

]を含むヘキサン溶液 150 mL を流下して,第 1 画分

をとる。ここに,DL-PCB のモノオルト体が含まれている。

4) 

次いで,トルエン 200 mL を流下して,第 2 画分をとる。ここには,PCDDs,PCDFs 及び DL-PCB

のノンオルト体が含まれている。

5) 

この第 1 画分及び第 2 画分を濃縮器で約 2 mL にそれぞれ濃縮する。

d)

ジメチルスルホキシド(DMSO)分配処理操作  ジメチルスルホキシド(DMSO)分配処理操作は,

次の手順による。

この操作は,

脂肪族炭化水素などの低極性物質の除去を目的として行うものであり,

PCDDs

及び PCDFs 測定用,DL-PCB 測定用に分けることはできないので,他の精製操作と組合せて行

う。

1) 

分液漏斗にヘキサン飽和の DMSO25 mL を入れ,

これに濃縮液をヘキサンで洗浄しながら移し入れ,

振とう抽出を 4 回行って得られた合計約 100 mL の DMSO 抽出液に,ヘキサン 40 mL を加え,洗浄

する。

2) 

分液漏斗にヘキサン 75 mL 及びヘキサン洗浄水 100 mL を入れ,1)の操作で得られた DMSO 抽出液

約 100 mL を加え,振とう抽出を 3 回行う。ヘキサン抽出液約 225 mL を得る。

3) 

得られた合計約 225 mL のヘキサン抽出液を分液漏斗に入れ,2mol/L 水酸化カリウム水溶液 10 mL

による洗浄を行う。さらに,水 25 mL で 2 回洗浄し,硫酸ナトリウムで脱水した後,濃縮器で 2 mL

に濃縮する。

6.4.6 

測定用試料の調製  6.4.5 の精製操作によって得られた PCDDs 及び PCDFs 測定用,DL-PCB 測定用

の各濃縮液にシリンジスパイク用内標準物質を検量線作成用標準液と同程度になるように添加してノナン

(

12

)0.5 mL

を加え,再度,窒素気流(

6

)

で一定液量(20∼100 µL)にしたものをそれぞれ PCDDs 及び PCDFs

測定用,DL-PCB 測定用試料とする。

(

12

トルエン,デカン又は 2, 2, 4-トリメチルペンタンを用いてもよい。

7. 

同定及び定量

7.1 

同定及び定量の概要  ダイオキシン類の同定及び定量は,キャピラリーカラムを用いるガスクロマ

トグラフ (GC) と二重収束形質量分析計 (MS) を用いるガスクロマトグラフ質量分析法によって行う。分

解能は 10 000 以上が要求されるが,使用する内標準物質によっては 12 000 が必要である。10 000 以上の高

分解能での測定を維持するため,質量校正用標準物質を測定用試料と同時にイオン源に導いて測定イオン

に近い質量のイオンをモニターして質量の微少な変動を補正するロックマス方式による選択イオン検出法

(SIM 法)で検出し,保持時間及びイオン強度比からダイオキシン類であることを確認した後,クロマト

グラム上のピーク面積から内標準法によって定量を行う。

この規格における GC/MS の検出下限は,装置,測定条件によって変動するが,四塩素化物及び五塩素

化物で 0.1 pg,六塩素化物及び七塩素化物で 0.2 pg,八塩素化物で 0.5 pg,DL-PCB で 0.2 pg 以下である。

7.2 

試薬及び装置


18

K 0312

:2005

     

7.2.1 

試薬  定量と同定に用いる試薬は,次による。

a) 

質量校正用標準物質  ペルフルオロケロセン (PFK) などの質量分析用高沸点成分を使用する。

b) 

標準物質  内標準法によるダイオキシン類の同定及び定量に使用する標準物質は,表 に示すものを

用いる。

c) 

内標準物質  クリーンアップスパイク及びシリンジスパイクに用いた内標準物質[6.2 の q)及び注(

2

)

参照]

d) 

検量線作成用標準液  b)の標準物質とクリーンアップスパイク及びシリンジスパイクの内標準物質を

混合して,GC/MS の定量範囲内で GC/MS の検出下限の 3 倍程度の低濃度から 5 段階程度をノナン(

12

)

で希釈して調製する

(検量線作成用標準液の調製例は,附属書 を参照。)。


19

K 0312

:2005

     

  3  ダイオキシン類の標準物質

化合物

四塩素化物

2, 3, 7, 8-TeCDD

五塩素化物

1, 2, 3, 7, 8-PeCDD 
1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD 
1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD

六塩素化物

1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDD

七塩素化物

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD

P

C

DD

八塩素化物

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDD

四塩素化物

2, 3, 7, 8-TeCDF 
1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

五塩素化物

2, 3, 4, 7, 8-PeCDF 
1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF 
1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF 
1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF

六塩素化物

2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF 
1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF

七塩素化物

1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF

PCD

F

八塩素化物

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDF 
3, 3', 4, 4'-TeCB (

#

77)

四塩素化物

3, 4, 4', 5-TeCB (

#

81)

2, 3, 3', 4, 4'-PeCB (

#

105)

2, 3, 4, 4', 5-PeCB (

#

114)

2, 3', 4, 4', 5-PeCB (

#

118)

2', 3, 4, 4', 5-PeCB (

#

123)

五塩素化物

3, 3', 4, 4', 5-PeCB (

#

126)

2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (

#

156)

2, 3, 3', 4, 4', 5'-HxCB (

#

157)

2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (

#

167)

六塩素化物

3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (

#

169)

*

D

L-PCB

七塩素化物

2, 3, 3', 4, 4, 4', 5'-HpCB (

#

189)

*

括弧内の数値は,IUPA No.を示す。 

7.2.2 

ガスクロマトグラフ質量分析計 (GC/MS)  同定及び定量に用いるガスクロマトグラフ質量分析計

は,次による。

a)

ガスクロマトグラフ(GC

1) 

試料導入部  スプリットレス方式,オンカラム注入方式又は大量注入方式(温度プログラム気化注

入方式など)(

13

)

で 250∼280  ℃で使用可能。

(

13

)

大量注入方式の場合,ダイオキシン類の脱塩素によって定量に影響を与える可能性がある。例

えば,OCDD が HpCDDs の濃度に比較して高濃度である場合,HpCDDs の定量が正確でなくな

ることが考えられるので注意する。

2) 

カラム  内径 0.1∼0.52 mm,長さ 25∼60 m の溶融シリカ製のキャピラリーカラム。

PCDDs

及び PCDFs の測定では,2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体が可能な限り単離でき,すべての化合

物についてクロマトグラム上における溶出順位の判明しているカラムを使用する。すべての 2, 3, 7,

8-

位塩素置換異性体を他の異性体と完全に分離できるカラムは報告されていないので,溶出順位の

異なる 2 種以上のカラムを併用して 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体すべてを単独に定量できるようにす


20

K 0312

:2005

     

ることが望ましい。単独に定量できない 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体がある場合,重なっている異性

体の影響が無視できず,測定結果に大きく影響することがあるので注意する[8.1 の a)参照]

DL-PCB

の測定では,12 種類の DL-PCB が他の PCB 化合物と可能な限り単離でき,4 塩素化から

10

塩素化の PCB 化合物すべてについてクロマトグラム上における溶出順位の判明しているカラム

を使用する。

参考  PCDDs 及び PCDFs の溶出順位が報告されているカラムとしては,BPX-DXN(SGE),CPS-1

(Quadrex)

,CP-Sil 88(Chrompack)

,DB-5(J&W)

,DB-17(J&W)

,DB-210(J&W)

,DB-225

(J&W)

,OV-17(Quadrex)

,RH-12ms(Inventx)

,SP-2331(Supelco)などがあり,PCB の溶出

順位が報告されているカラムとしては,DB-5ms(J&W)

,HT8(SGE)

,RH-12ms(Inventx)な

どがある。これらの商品は,一般に入手できるものとして掲げたが,これを推奨するものでは

ない。

3) 

キャリヤーガス  純度 99.999  %(体積分率)以上の高純度ヘリウム。

4) 

カラム恒温槽  温度制御範囲が 50∼350  ℃であり,測定対象物質の最適分離条件の温度に調節でき

るような昇温プログラムの可能なもの。

b) 

質量分析計 (MS) 

1) 

方式  二重収束方式

2) 

分解能  10 000 以上。ただし,内標準物質として

13

C

12

-OCDF

を使用する場合,キャピラリーカラム

の選択によっては 12 000 程度が必要となる。

3) 

イオン検出方法  質量校正用標準物質を用いたロックマス方式による選択イオン検出 (SIM) 法

4) 

イオン化方法  電子衝撃イオン化 (EI) 法

5) 

イオン源温度  250∼300  ℃

6) 

イオン化電流  0.5∼1 mA

7) 

電子加速電圧  30∼70 V

8)

最大イオン加速電圧  5∼10 kV

7.3 

測定操作

7.3.1 

ガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件の設定  ガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件の

設定は,次による。

a) 

ガスクロマトグラフ (GC)   PCDDs 及び PCDFs,DL-PCB のガスクロマトグラフの操作条件は,次に

よる。

1) PCDDs

及び PCDFs  PCDDs 及び PCDFs の測定においては,クロマトグラム上における 2,  3,  7,

8-

位塩素置換異性体のピークが他の異性体のものと良好な分離が得られ,各塩素化物の保持時間が

適切な範囲にあり,安定した応答が得られるようにガスクロマトグラフの条件を設定する。設定し

た条件における各化合物の分離状況を飛灰の抽出液などの試料を測定して確認しておく。

付表 13

にその一例を示す。

2) DL-PCB

  DL-PCB においては,DL-PCB のクロマトグラム上でのピークが他の化合物のものと良好

な分離が得られ,各塩素化物の保持時間が適切な範囲にあり,安定した応答が得られるようにガス

クロマトグラフの条件を設定する。設定した条件における各化合物の分離状況を飛灰の抽出液など

の試料を測定して確認しておく。

付表 及び付表 にその一例を示す。

参考  付表 1∼付表 に示す条件は,参考として示したものである。

b) 

質量分析計 (MS)   質量分析計は,次を満足するような条件に設定する。


21

K 0312

:2005

     

1) 

分解能  分解能は 10 000 以上とする。ただし,内標準物質として

13

C

12

-OCDF

を使用する場合,ガ

スクロマトグラフのカラムの選択によっては 12 000 程度が必要になる。

2) 

検出方法  質量校正用標準物質を用いたロックマス方式による選択イオン検出 (SIM) 法を用いる。

3) 

測定質量/電荷数(m/z)  試料及び内標準物質の塩素化物ごとに,二つ以上の選択イオンの質量/

電荷数とロックマス用の選択イオンの質量/電荷数(m/z)を設定する(

14

)

。PCDDs 及び PCDFs の設

定質量/電荷数の例を

表 に,DL-PCB の設定質量/電荷数(m/z)の例を表 にそれぞれ示す。

(

14

キャピラリーカラムによって得られるピークの幅は 5∼10 秒間程度であるが,一つのピークに

対して十分な測定点を確保するため,クロマトグラムにおける単独成分のピークの最も幅の狭

いピークであってもそのピークを構成する測定点が 7 点以上となるように選択イオン検出のサ

ンプリングの周期を設定しなければならない。1 回の測定で設定可能なチャネルの数は,要求

される感度との兼ね合いとなるので,十分に検討した上で設定する必要がある。

クロマトグラム上の各ピークの保持時間を考慮して,時間分割によるグルーピング方式によ

って測定してもよいが,この場合にはグループごとに,適切な内標準物質ピークが出現するよ

うに条件の設定を行う必要がある。

7.3.2 

質量分析計の調整  質量分析計の調整は,装置が作動している状態で必要な項目の条件を設定した

後,質量校正用標準物質を導入し,質量校正用プログラムによって行う。質量目盛,分解能(10 000 以上)

などを測定目的に応じて所定の値に校正する。特に,分解能は測定質量範囲全域で 10 000 以上に調節しな

ければならない。通常,一連の測定の最初に行い,質量校正結果は保存しておく。

7.3.3 SIM

測定操作  SIM 測定操作は,次による。

a) 

GC/MS

を所定の条件に設定する。

b) 

質量校正用標準物質を導入しながらそのモニターチャネルの応答が安定したら,測定試料の測定を行

う。

c) 

設定した各塩素化物の質量数について,クロマトグラムを記録する。

d) 

測定終了後,データ処理作業に入る前に個々の試料ごとに質量校正用標準物質のモニターチャネル,

妨害成分の有無,2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体の分離の確認を行う(

15

)

(

15

質量校正用標準物質のモニターチャネルのクロマトグラムで,測定対象化合物の出現時間にお

いてシグナルに±20  %以上の変動が認められた場合には,その化合物については定量してはな

らない。主な要因として,試料の前処理が不十分であることが考えられるので,試料の前処理

を再度十分に行い,ロックマスの変動を最小限に抑える必要がある。


22

K 0312

:2005

     

  4  PCDDs 及び PCDFs 測定の設定質量/電荷数(モニターイオン)*の例

塩素置換体

M

(M+2)

(M+4)

TeCDDs

319.896 5

321.893 6

PeCDDs

353.857 6

355.854 6

357.851 7

**

HxCDDs

387.818 6

389.815 6

391.812 7

**

HpCDDs

423.776 7

425.773 7

OCDD

457.737 7

459.734 8

TeCDFs

303.901 6

305.898 7

PeCDFs

339.859 7

341.856 8

HxCDFs

373.820 7

375.817 8

HpCDFs

407.781 8

409.778 8

分析対象物質

OCDF

439.745 7

441.742 8

443.739 8

13

C

12

-TeCDDs

331.936 8

333.933 9

37

Cl

4

-TeCDDs

327.884 7

13

C

12

-PeCDDs

365.897 8

367.894 9

369.891 9

13

C

12

-HxCDDs

399.858 9

401.855 9

403.853 0

13

C

12

-HpCDDs

435.816 9

437.814 0

13

C

12

-OCDD

469.778 0

471.775 0

13

C

12

-TeCDFs

315.941 9

317.938 9

13

C

12

-PeCDFs

351.900 0

353.897 0

13

C

12

-HxCDFs

385.861 0

387.858 0

13

C

12

-HpCDFs

419.822 0

421.819 1

内標準物質

13

C

12

-OCDF

451.786 0

453.783 0

455.780 1

質量校正用標準物質

 (PFK)

330.979 2

(4, 5-塩素化物定量用)

380.976 0

(5, 6-塩素化物定量用)

430.972 9

(7, 8-塩素化物定量用)

442.972 9

(7, 8-塩素化物定量用)

*

質量数は,IUPAC,  Element by element review of their atomic weight, Pure Appl Chem.,

56

,  [6] P.695-768 (1984) を基にして算出した。

**

 PCB

の妨害を受けることがある。

  5  DL-PCB 測定の設定質量/電荷数(モニターイオン)*の例

塩素置換体

M

(M+2)

(M+4)

TeCBs

289.922 4

291.919 4

293.916 5

PeCBs

323.883 4

325.880 4

327.877 5

HxCBs

357.844 4

359.841 5

361.838 5

分析対象物質

HpCBs

391.805 4

393.802 5

395.799 5

13

C

12

-TeCBs

301.962 6

303.959 7

305.956 7

13

C

12

-PeCBs

335.923 7

337.920 7

339.917 8

13

C

12

-HxCBs

369.884 7

371.881 7

373.878 8

内標準物質

13

C

12

-HpCBs

403.845 7

405.842 8

407.839 8

質量校正用標準物質

 (PFK)

304.982 4

330.979 2

380.976 0

*

質量数は,IUPAC,  Element by element review of their atomic weight, Pure Appl Chem.,

56

,  [6] p.695-768 (1984) を基にして算出した。


23

K 0312

:2005

     

7.3.4 

検量線の作成  検量線の作成は,次による。

a) 

標準液の測定  各検量線作成用標準液を 1 濃度に対して最低 3 回 GC/MS に注入し,7.3.3 の SIM 測定

操作を行って全濃度領域で合計 15 点以上のデータをとる。

b) 

ピーク面積の強度比の確認  得られたクロマトグラムから,各標準物質の対応する二つのイオンのピ

ーク面積の強度比を求め,塩素原子の同位体存在比から推定されるイオン強度比と±15  %以内で一致

することを確認する(7.4.2

  表 参照)。

c) 

相対感度の算出  相対感度の算出は,次による。

1) 

各標準物質及び内標準物質のピーク面積を求め,各標準物質の対応するクリーンアップスパイク内

標準物質に対するピーク面積の比及び注入した標準液中のその標準物質と内標準物質の濃度の比を

用いて検量線を作成し,検量線が原点を通る直線になっていることを確認する(測定対象の標準物

質及びそれに対応する内標準物質の例は

附属書 を参照。)。

相対感度(RRF

cs

)は,式(2)によって測定ごとに求め,得られた全濃度域合計 15 点以上のデータ

を平均する。この場合,データの変動係数が 5  %を目安に可能な限り小さくなるようにし,変動係

数が 10  %を超える化合物があってはならない。変動係数が 10  %を超える場合は,GC/MS の状態

を確認して必要ならば再調整し直したり,直線性のある範囲に定量範囲を狭めるなどの処置を行っ

て検量線を作成し直す。

cs

s

s

cs

cs

A

A

Q

Q

RRF

×

 (2)

ここに,  RRF

cs

:  測定対象物質のクリーンアップスパイク内標準物質との相対感

Q

cs

:  標準液中のクリーンアップスパイク内標準物質の量 (pg)

Q

s

:  標準液中の測定対象物質の量 (pg)

A

s

:  標準液中の測定対象物質のピーク面積(

16

)

A

cs

:  標準液中のクリーンアップスパイク内標準物質のピーク面積(

16

)

2) 

同様にして,クリーンアップスパイク内標準物質のシリンジスパイク内標準物質に対する相対感度

(RRF

rs

)

を式(3)によって算出する(クリーンアップスパイク内標準物質とシリンジスパイク内標準

物質との対応の例は

附属書 を参照。)。

rs

cs

cs

rs

rs

A

A

Q

Q

RRF

×

 (3)

ここに,  RRF

rs

:  クリーンアップスパイク内標準物質のシリンジスパイク内標準

物質との相対感度

Q

rs

:  標準液中のシリンジスパイク内標準物質の量 (pg)

Q

cs

:  標準液中のクリーンアップスパイク内標準物質の量 (pg)

A

cs

:  標準液中のクリーンアップスパイク内標準物質のピーク面積(

16

)

A

rs

:  標準液中のシリンジスパイク内標準物質のピーク面積(

16

)

(

16

)

ここで用いるピーク面積は,一方の測定チャネルのピーク面積,両測定チャネルのピーク面積

の合計値,又は両測定チャネルのピーク面積の平均値のいずれかとし,試料の測定までのすべ

ての測定において同じものを用いなければならない。

7.3.5 

試料の測定  6.で調製した測定用試料の測定は,次による。

a) 

検量線の確認  ある一定の周期(1 日に 1 回以上)で,検量線作成用標準液の中から一つ以上選び,

7.3.3

の SIM 測定操作に従って測定し,7.3.4 と同様にして各化合物のそれに対応したクリーンアップ

スパイク内標準物質に対する相対感度  (RRF

cs

)

を求める。さらに,クリーンアップスパイク内標準物


24

K 0312

:2005

     

質のそれに対応したシリンジスパイク内標準物質に対する相対感度  (RRF

rs

)

を求める。

これらの相対感度が,7.3.4 で求めた検量線作成時の相対感度(RRF

cs

及び RRF

rs

)に対して RRF

CS

については±10  %以内,RRF

RS

±20  %以内であれば,7.3.4 で求めた相対感度を用いて測定を行う。

この範囲をはずれた場合には,その原因を取り除き,再測定を行うか,再度検量線を作成する。

さらに,保持時間についても,その変動を調べ,保持時間が 1 日に±5  %以上,内標準物質との相

対保持比が±2  %以上変動する場合には,その原因を取り除き,その直前に行った一連の試料の再測

定を行う。

b) 

試料の測定  6.で調製した測定用試料を 7.3.3 の SIM 測定操作に従って測定し,各塩素化物の質量数

についてクロマトグラムを得る。

7.4 

同定及び定量

7.4.1 

ピークの検出  7.3.5 で得られたクロマトグラムにおけるピークの検出は,次による。

a) 

シリンジスパイク内標準物質の確認  6.4.6 で調製した測定用試料中のシリンジスパイク内標準物質

のピーク面積が標準液におけるシリンジスパイク内標準物質のピーク面積の 70  %以上であることを

確認する。この範囲から外れた場合は,原因を調査し,その原因を取り除いて再度測定する。

b) 

ピークの検出  クロマトグラム上において,ベースラインのノイズ幅 (N) に対して 3 倍以上のピーク

高さ (S) であるピーク,すなわち,ピーク高さで S/N=3 以上となるピークについて,次の同定及び

定量の操作を行う。

ここで,ノイズ幅 (N) 及びピーク高さ (S) は,一般に次のようにして求める。まず,ピークの近

傍(ピークの半値幅の 10 倍程度の範囲)のノイズを計測し,その標準偏差の 2 倍をノイズ幅 (N) と

するか,経験的にノイズの最大値と最小値との幅はおおよそ標準偏差の 5 倍となるため,その幅の 2/5

をノイズ幅 (N) とする。一方,ノイズの中央値をベースラインとし,ベースラインのノイズを基にピ

ークトップを決めてこの幅をピーク高さ (S) とする。

なお,得られたクロマトグラムのベースラインは,必ず装置のゼロ点より高くならなければノイズ

を計測することはできないので,測定に先立ってベースラインを確認,必要に応じてオフセットなど

を適切に調節しなければならない。

c) 

ピーク面積の算出  b)で検出されたピークについて,そのピーク面積を算出する。

7.4.2 

ダイオキシン類の同定  試料の同定は,次による。

a) 

ダイオキシン類の同定  モニターした二つ以上のイオンにおけるクロマトグラム上のピーク面積の比

が標準物質のものとほぼ同じであり,

表 に示す塩素原子の同位体存在比から推定されるイオン強度

比に対して±15  %以内(検出下限の 3 倍以下の濃度では±25  %)であれば,そのピークはダイオキ

シン類又は PCB によるものであるとする。標準物質のない化合物の同定は,文献などを参考にして行

う。

b)  2, 3, 7, 8-

位塩素置換異性体の同定  同定された PCDDs 及び PCDFs の中の 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体

は,クロマトグラム上のピークの保持時間が標準物質とほぼ同じであり,対応する内標準物質との相

対保持時間が標準物質と一致することで同定する。

c) DL-PCB

の同定  同定された PCB の中の DL-PCB は,クロマトグラム上のピークの保持時間が標準物

質とほぼ同じであり,対応する内標準物質との相対保持時間が標準物質と一致することで同定する。


25

K 0312

:2005

     

  6  塩素原子の同位体存在比から推定されるイオン強度比

M M+2

M+4

M+6

M+8

M+10

M+12

M+14

TeCDDs 77.43  100.00  48.74  10.72

0.94  0.01

PeCDDs 62.06  100.00  64.69  21.08

3.50  0.25

HxCDDs

51.79

100.00

80.66

34.85 8.54 1.14 0.07

HpCDDs

44.43 100.00 96.64 52.03 16.89  3.32  0.37  0.02

OCDD

34.54 88.80

100.00

64.48 26.07 6.78  1.11  0.11

TeCDFs

77.55

100.00

48.61

10.64

0.92

 

PeCDFs 62.14  100.00  64.57  20.98

3.46  0.24

HxCDFs

51.84

100.00

80.54

34.72 8.48 1.12 0.07

HpCDFs

44.47 100.00 96.52 51.88 16.80  3.29  0.37  0.02

OCDF 34.61 88.89

100.00

64.39 25.98 6.74  1.10  0.11

TeCBs

76.67

100.00

49.11

10.83

0.93

 

PeCBs

61.42

100.00

65.29

21.43

3.56

 

HxCBs 51.22  100.00  81.48 35.51  8.75  1.17

HpCBs 43.93 100.00 97.67 53.09 17.38  3.43

備考1.  は,最低質量数の同位体を示す。

2.

イオン強度比は,塩素数ごとにそれぞれ最大強度を示すイオンを 100  %とした値である。

7.4.3 

ダイオキシン類の定量

a) 

各化合物の定量  抽出液全量中の同定された 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体又は DL-PCB の量  (Q

i

)

は,

それに対応するクリーンアップスパイク内標準物質の添加量を基準にして内標準法で式(4)によって

求める。他の化合物についても同様にして求める(測定対象物質,標準物質及びそれに対応するクリ

ーンアップ内標準物質の例は

附属書 を参照。)。

cs

csi

csi

i

i

RRF

Q

A

A

Q

×

 (4)

ここに,

Q

i

:  抽出液全量中の化合物の量 (pg)

A

i

:  クロマト上の化合物のピーク面積(

15

)

A

csi

:  対応するクリーンアップスパイク内標準物質のピーク面積(

16

)

Q

csi

:  対応するクリーンアップスパイク内標準物質の添加量 (pg)(

17

)

RRF

cs

:  対応するクリーンアップスパイク内標準物質との相対感度(

18

)

(

17

試料を抽出後,分取し,内標準物質を添加した場合はその補正を行う。

(

18

)

 2, 3, 7, 8-

位塩素置換異性体及び DL-PCB 以外の化合物の定量には,各塩素化物に用いている標準

物質とクリーンアップ用内標準物質との相対感度の平均値を用いる。

b) 

濃度の算出  得られた各化合物の量から,試料中の濃度を式(5)によって算出し,特に指定がない場合

は,JIS Z 8401 の規定によって数値を丸め,有効数字を 2 けたとする。

V

Q

Q

C

1

)

(

t

i

i

×

 (5)

ここに,

C

i

:  試料中の化合物の濃度 (pg/L)

Q

i

:  抽出液全量中の化合物の量 (pg)

Q

t

:  空試験での化合物の量 (pg)

V

:  試料採取量 (L)


26

K 0312

:2005

     

7.5 

検出下限及び定量下限

7.5.1 

装置の検出下限及び定量下限

  最低濃度(各標準物質をそれぞれ四塩素化物及び五塩素化物で 0.1

∼0.5 pg,六塩素化物及び七塩素化物で 0.2∼1.0 pg,八塩素化物で 0.5∼2.5 pg,DL-PCB で 0.2∼1.0 pg を

含む。

)の検量線作成用標準液を GC/MS で測定し,各化合物を定量する。この操作を 5 回以上繰り返し,

得られた測定値から式(6)によって標準偏差を求め,その 3 倍を装置の検出下限,10 倍を装置の定量下限と

する。ここでは,測定値の丸めは行わずに標準偏差を算出し,得られた検出下限は有効数字 1 けたとし,

定量下限は,検出下限と同じけたまでで丸める。

ここで得られた装置の検出下限が,四塩素化物及び五塩素化物で 0.1 pg,六塩素化物及び七塩素化物で

0.2 pg

,八塩素化物で 0.5 pg,DL-PCB で 0.2 pg より大きいときには,器具,機器などを確認して,これら

の値以下になるように調節する。

この装置の検出下限及び定量下限は,使用する GC/MS の状態などによって変動するため,ある一定の

周期で確認し,常に十分な値が得られるように管理する。また,使用する GC/MS 及び測定条件を変更し

た場合などには必ず確認する。

(

)

1

2

i

n

x

x

s

å

 (6)

ここに,

s

:  標準偏差

x

i

:  個々の測定値 (pg)

x

:  測定値の平均値 (pg)

n

:  測定回数

7.5.2 

測定方法の検出下限及び定量下限

  測定に用いるのと同量の抽出溶媒を濃縮した抽出液に式(7)に

よって算出した量の標準物質を添加し,前処理,GC/MS での測定,同定及び定量を行う。これを 5 回以上

行い,得られた測定値の標準偏差を式(6)によって求め,その 3 倍を測定方法の検出下限,10 倍を測定方法

の定量下限とする。ここでは,測定値の丸めは行わずに標準偏差を算出し,得られた検出下限は有効数字

1

けたとし,定量下限は検出下限と同じけたまでで丸める。

この測定方法の検出下限及び定量下限は,前処理操作及び測定条件によって変動するため,ある一定の

周期で確認し,常に十分な値が得られるように管理する。また,前処理操作及び測定条件を変更した場合

などには必ず確認する。

i

v

v

L

Q

Q

×

 (7)

ここに,

Q

:  標準物質の添加量 (pg)

QL'

:  装置の定量下限 (pg)

v

:  測定用試料の液量  (

µL)

v

i

: GC/MS への注入量  (

µL)

7.5.3 

試料における検出下限及び定量下限

  試料における検出下限及び定量下限は,試料の採取量などに

よって異なってくるため,式(8)及び(9)によって試料ごとに求める。

V

V

V

v

v

DL

C

1

E

E

1

DL

×

×

×

 (8)

V

V

V

v

v

QL

C

1

E

E

1

QL

×

×

×

 (9)

ここに,  C

DL

試料における検出下限 (pg/L)

C

QL

試料における定量下限 (pg/L)


27

K 0312

:2005

     

DL

測定方法の検出下限 (pg)

QL

測定方法の定量下限 (pg)

v

i

GC/MS

への注入量  (

µL

v

測定用試料の液量  (

µL)

V

試料採取量 (L)

V

E

抽出液量 (mL)

V'

E

抽出液の分取量 (mL)

7.5.4 

試料測定時の検出下限の確認

  実際の試料の測定において,2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体及び

DL-PCB

の中でピークが検出されなかったものについては,そのクロマトグラム上において,検出下限を

次の手順で求め,

その値から算出される試料中の濃度が

7.5.3

で求めた試料における検出下限以下であるこ

とを確認する。この値が試料のおける検出下限を超える場合は,前処理操作,測定操作に問題がなかった

か否かを確認し,その原因を取り除いて再測定し,少なくとも試料測定時の検出下限から算出される試料

中の濃度が,評価しなければならない濃度の 1/30 以下になるようにする。

a)

対象とする化合物のピーク近傍のベースラインにおいてノイズ幅を求める。

b)

ノイズ幅の 3 倍のピーク高さに相当するピークの面積を標準液のクロマトグラムなどから推定する。

c)

得られたピーク面積を用いて,その面積に相当する量を算出し,試料測定時の検出下限とする。

7.6 

回収率の確認

  クリーンアップスパイク内標準物質のピーク面積とシリンジスパイク内標準物質の

ピーク面積の比及び対応する相対感度  (RRF

rs

)

を用いて式(10)によって回収率を計算し,クリーンアップ

の回収率を確認する。

このクリーンアップの回収率が 50  %以上 120  %以下の範囲から外れるときは再度前処理を行い再測定

する。

csi

rs

rsi

rsi

csi

c

100

Q

RRF

Q

A

A

R

×

×

 (10)

ここに,

R

c

クリーンアップの回収率  (%)

A

csi

クリーンアップスパイク内標準物質のピーク面積(

16

)

A

rsi

対応するシリンジスパイク内標準物質のピーク面積(

16

)

Q

rsi

対応するシリンジスパイク内標準物質の添加量 (pg)

RRF

rs

対応するシリンジスパイク内標準物質との相対感度

Q

csi

対応するクリーンアップスパイク内標準物質の添加量(

19

) (pg)

(

119

内標準物質添加後の分取・分割の補正をする。

8. 

結果の報告

8.1 

結果の表示方法

  ダイオキシン類測定結果の表示方法は,特に指定がない場合には,次による。

a) PCDDs

及び

PCDFs

  PCDDs 及び PCDFs の濃度の測定結果には,2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体の濃度,

四塩素化物∼八塩素化物(TeCDDs∼OCDD 及び TeCDFs∼OCDF)の同族体の濃度,それらの総和を

記載する。

各化合物の濃度は,試料における定量下限以上の値はそのまま記載し,試料における検出下限以上

で定量下限未満のものは,定量下限以上の値と同等の精度が保証できない値であることが分かるよう

な表示方法(例えば,括弧付きにするとか,別な欄にするなど。

)で記載する。試料における検出下限

未満のものは,検出下限未満であったことが分かるように記載する。

単独で定量できなかった 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体については,単独で定量できていないことが分

かるように結果表の 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体の欄に重なっている異性体の名称を明記する。

例えば,

1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

に 1, 2, 3, 4, 8-PeCDF が重なっている場合,1, 2, 3, 7, 8-PeCDF の欄に“1, 2, 3, 7, 8 + 1,


28

K 0312

:2005

     

2, 3, 4, 8-PeCDF

”と記載する。

各同族体の濃度及びそれらの総和は,検出された化合物の濃度で算出する。

これらの表示方法は

表 7

のとおりとし,試料における検出下限及び定量下限も明記する。また,

8.3

の毒性当量(TEQ 濃度)を求めて結果をまとめる場合には,

付表 6

及び

付表 7

を参考にするとよい。

b) DL-PCB

  DL-PCB の濃度の測定結果には,各化合物の濃度とそれらの総和を

a)

と同様に記載する。

表示方法は,

表 8

のとおりとし,試料における検出下限及び定量下限も明記する。また,

8.3

の毒性当

量(TEQ 濃度)を求めて結果をまとめる場合には,

付表 6

及び

付表 7

を参考にするとよい。

8.2 

濃度の単位

  ダイオキシン類の実測値は,pg/L で表示する。

8.3 

毒性当量 (TEQ) への換算

  ダイオキシン類の濃度を毒性当量に換算する場合は,

測定濃度に毒性等

価係数 (TEF) を乗じて pg-TEQ/L として表示する。

a) 

毒性等価係数 (TEF) 

  特に指定がない場合は,

表 9

に示す TEF を用いて毒性当量を求める。別の TEF

を用いた場合には,用いた TEF を注などで明記する。

b) 

毒性当量 (TEQ) の算出

  各化合物の毒性当量を算出し,その合計を毒性当量とし,その算出は次の

ように行うことが望ましい。ただし,いずれの場合でも,算出方法は必ず明記する。

1) 

特に指定がない場合は,定量下限以上の値はそのままその値を用い,定量下限未満で検出下限以上

の値と検出下限未満のものは 0(ゼロ)として各化合物の毒性当量を算出し,それらを合計して毒

性当量を算出する。

2) 

毒性当量算出の目的に応じて,

1)

以外にも下記の方法があり,指定がある場合には次による。

2.1)

定量下限以上の値と定量下限未満で検出下限以上の値はそのままその値を用い,検出下限未満の

ものは,試料における検出下限を用いて各化合物の毒性当量を算出し,それらを合計して毒性当

量を算出する。

2.2)

定量下限以上の値と定量下限未満で検出下限以上の値は,そのままその値を用い,検出下限未満

のものは試料における検出下限の 1/2 の値を用いて各化合物の毒性当量を算出し,それらを合計し

て毒性当量を算出する。

8.4 

数値の取扱い

  濃度の表示における数値の取扱いは,特に指定がない場合には,次による。

a) 

濃度については,

JIS Z 8401

によって数値を丸め,有効数字を 2 けたとして表し,検出下限未満の場

合には,検出下限未満であったことを表示する。ただし,表示するけたは,試料における検出下限の

けたまでとし,それより下のけたは表示しない。

b) 

検出下限については,

JIS Z 8401

によって数値を丸め,有効数字を 1 けたとして表示する。

c) 

毒性当量の算出に当たっては,表示された測定濃度から各化合物の毒性当量を計算し,その合計の値

をもって有効数字 2 けたで

a)

と同様に数値を丸める。つまり,個々の化合物の毒性当量については丸

めの操作は行わない。


29

K 0312

:2005

     

  7  PCDDs,PCDFs の同族体及び化合物の表示方法

PCDDs PCDFs

塩素置換体

同族体

化合物

同族体

化合物

四塩素化物 TeCDDs

2, 3, 7, 8- 
その他

TeCDFs

2, 3, 7, 8- 
その他

五塩素化物 PeCDDs

1, 2, 3, 7, 8- 
その他

PeCDFs

1, 2, 3, 7, 8- 
2, 3, 4, 7, 8- 
その他

六塩素化物 HxCDDs

1, 2, 3, 4, 7, 8- 
1, 2, 3, 6, 7, 8- 
1, 2, 3, 7, 8, 9- 
その他

HxCDFs

1, 2, 3, 4, 7, 8- 
1, 2, 3, 6, 7, 8- 
1, 2, 3, 7, 8, 9- 
2, 3, 4, 6, 7, 8- 
その他

七塩素化物 HpCDDs

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8- 
その他

HpCDFs

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8 
-1, 2, 3, 4, 7, 8, 9- 
その他

八塩素化物 OCDD

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-

OCDF

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-

PCDDs

― PCDFs ―

Σ(四塩素化物∼八塩素化物)

PCDDs+PCDFs

  8  DL-PCB の化合物の表示方法

ノンオルト体

モノオルト体

四塩素化物 (TeCB)

3, 3', 4, 4'- (

#

77)

3, 4, 4', 5- (

#

81)

五塩素化物 (PeCB)

3, 3', 4, 4', 5- (

#

126)

2, 3, 3', 4, 4'- (

#

105)

2, 3, 4, 4', 5- (

#

114)

2, 3', 4, 4', 5- (

#

118)

2', 3, 4, 4', 5- (

#

123)

六塩素化物 (HxCB)

3, 3', 4, 4', 5, 5'- (

#

169)

2, 3, 3', 4, 4', 5'- (

#

156)

2, 3, 3', 4, 4', 5- (

#

157)

2, 3', 4, 4', 5, 5'- (

#

167)

七塩素化物 (HpCB)

2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'- (

#

189)

全ノンオルト体

全モノオルト体

Σ(四塩素化物∼八塩素化物)

全 DL-PCB


30

K 0312

:2005

     

  9  毒性等価係数

化合物 TEF

(1998)*

2, 3, 7, 8-TeCDD

1

1, 2, 3, 7, 8-PeCDD

1

1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD

0.1

1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD

0.1

1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDD

0.1

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD

0.01

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDD

0.000 1

PCDDs

その他 0 
2, 3, 7, 8-TeCDF

0.1

1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

0.05

2, 3, 4, 7, 8-PeCDF

0.5

1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF

0.1

1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF

0.1

1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF

0.1

2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF

0.1

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF

0.01

1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF

0.01

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDF

0.000 1

PCDFs

その他 0 
3, 4, 4', 5-TeCB (

#

81) 0.000

1

3, 3', 4, 4'-TeCB (

#

77) 0.000

1

3, 3', 4, 4', 5-PeCB (

#

126) 0.1

DL-PCB

ノンオルト体

3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (

#

169) 0.01

2', 3, 4, 4', 5-PeCB (

#

123) 0.000

1

2, 3', 4, 4', 5-PeCB (

#

118) 0.000

1

2, 3, 3', 4, 4'-PeCB (

#

105) 0.000

1

2, 3, 4, 4', 5-PeCB (

#

114) 0.000

5

2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (

#

167) 0.000

01

2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (

#

156) 0.000

5

2, 3, 3', 4, 4', 5'-HxCB (

#

157) 0.000

5

DL-PCB

モノオルト体

2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-HpCB (

#

189) 0.000

1

*

この TEF は,1998 年に WHO/IPCS から提案されたものを表す。

9. 

測定データの品質管理

  ダイオキシン類の測定は,極めて低濃度の測定であるため,測定精度の管理

を十分に行う必要がある。測定データの品質管理は,次による。

9.1 

測定データの信頼性の確保

9.1.1 

内標準物質の回収率の確認

クリーンアップスパイク内標準物質の回収率を確認し,各クリーンアッ

プスパイク内標準物質の回収率が 50∼120  %の範囲内でない場合には,再度,抽出液からクリーンアップ

をやり直す。

9.1.2 

検出下限及び定量下限の確認

a) 

装置の検出下限及び定量下限

  最低濃度(各標準物質をそれぞれ四塩素化物及び五塩素化物で 0.1∼

0.5 pg

,六塩素化物及び七塩素化物で 0.2∼1.0 pg,八塩素化物で 0.5∼2.5 pg,DL-PCB で 0.2∼1.0 pg

を含む。

)の検量線作成用標準液を GC/MS で測定し,各 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体を定量する。この


31

K 0312

:2005

     

操作を 5 回以上繰り返し,得られた測定値から標準偏差を求め,その 3 倍を装置の検出下限,10 倍を

装置の定量下限とする。

ここで得られた装置の検出下限が,四塩素化物及び五塩素化物で 0.1 pg,六塩素化物及び七塩素化

物で 0.2 pg,八塩素化物で 0.5 pg,DL-PCB で 0.2 pg より大きいときには,器具,機器などを確認して,

これらの値以下になるように調節する。

この装置の検出下限及び定量下限は,使用する GC/MS の状態などによって変動するため,ある一

定の周期で確認し,常に十分な値が得られるように管理する。また,使用する GC/MS 及び測定条件

を変更した場合などには必ず確認する。

b) 

測定方法の検出下限及び定量下限

  測定に用いるのと同量の抽出溶媒を濃縮した抽出液に GC/MS へ

の注入量が装置の定量下限と同じ量になるように標準物質を添加し,前処理,測定,同定及び定量を

行う。これを 5 回以上行い,得られた測定値の標準偏差を求め,その 3 倍を測定方法の検出下限,10

倍を測定方法の定量下限とする。

この測定方法の検出下限及び定量下限は,前処理操作及び測定条件によって変動するため,ある一

定の周期で確認し,常に十分な値が得られるように管理する。また,前処理操作及び測定条件を変更

した場合などには必ず確認する。

c)

試料における検出下限及び定量下限

  試料における検出下限及び定量下限は,試料の採取量などによ

って異なってくるため,測定方法の検出下限及び定量下限を用いて試料ごとに求める。得られた試料

における検出下限は,評価しなければならない濃度の 1/30 以下でなければならない。

d) 

試料測定時の検出下限の確認

  実際の試料の測定において,2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体及び DL-PCB

の中でピークが検出されなかったものについては,そのクロマトグラム上において,ピーク近傍のベ

ースラインのノイズ幅から,試料測定時の検出下限を推定し,その値から算出された試料における濃

度が試料における検出下限以下でなければならない。

その値が試料における検出下限を超える場合は,前処理操作,測定操作に問題がなかったか否かを

確認し,その原因を除いて再測定し,少なくとも試料測定時の検出下限から算出される試料中の濃度

が,評価しなければならない濃度の 1/30 以下になるようにする。

9.1.3 

空試験

  空試験は,測定用試料の調製又は GC/MS への導入操作などに起因する汚染を確認し,測

定に支障のない測定環境を設定するために行うものである。試料の前処理に用いるのと同じ試薬を同じ量

用いて前処理操作及び測定操作を試料と同様に行う。

この試験は,試薬のロットが変わるときなど一定の周期で定期的に行い,操作時の汚染などに対して十

分に管理をしなければならない。さらに,次の場合には測定に先立って行い,操作ブランク試験の結果が

十分低くなるようにしておくことが望ましい。

a) 

新しい試薬又は機器を使用したり,修理した機器を使用するなどの前処理操作に大きな変更があった

場合。

b) 

試料間汚染が予想されるような高い濃度の試料を測定した場合。

備考 

空試験値が大きいと測定感度が悪くなるばかりでなく,測定値の信頼性が低下するため,空試

験値は極力低減を図らなければならない。そのため,必要に応じてクリーンドラフトの中で前

処理操作を行うことが望ましい。


32

K 0312

:2005

     

9.1.4 

二重測定

  試料採取,前処理操作及び測定操作における総合的な信頼性を確保するために,同一試

料から二つ以上の測定試料について同様に測定し,2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体及び DL-PCB で定量下限以

上の検出された化合物の測定値について,その平均値を求め,個々の測定値が平均値の±30  %以内である

ことを確認する。

差が大きい場合には,測定操作を細かく確認して原因を究明し,改善した後,再度測定を行う。二重測

定は,特に断わらない限り 10 試料数に 1 回の頻度で行う。

9.1.5 

標準物質

  測定値の信頼性を確保するため,国家計量標準にトレーサブル又は国家計量標準機関が

認めた標準物質を用いて計測機器を定期的に校正する。また,これらの標準液は,溶媒の揮散などによっ

て濃度変化がないようにガラス製の密閉容器に入れて冷暗所にて保管し,厳重な管理下で保管する。

9.2 

測定操作における留意事項

9.2.1 

試料の採取

  試料採取においては,次の点に注意する。

a) 

採水器,試料容器の準備及び保管

  使用する採水器は,必要に応じてメタノール(又はアセトン)及

びトルエン(又はジクロロメタン)を用いてあらかじめ十分に洗浄を行ってから使用する。また,洗

浄後,外部からの汚染を受けないように保管する。

b) 

試料の保管・運搬

  採取後の試料は,外部からの混入及び分解などを防ぐため,密封・遮光できる容

器に入れ,保管・運搬する。また,測定に用いた試料の残りを長期間保存する場合は,冷蔵保存する。

c) 

試料の代表性の確保

  目的とする調査対象に対して代表試料の採取が適切に行われなければならない。

9.2.2 

前処理操作

  前処理操作においては,次の点に注意する。

a) 

試料からの抽出

  試料からの抽出には,次の点に注意する。

1) 

固相抽出においては,共存有機物の多い試料について破過が起こらないように固相への通水量を確

認する。

2) 

液-液抽出においては,目的の溶媒層への抽出が十分に行われるように溶媒の選択及び抽出条件を確

認する。

3) 

ソックスレー抽出においては,抽出を行う固相及びガラス繊維ろ紙は,十分に乾いていることを確

認する。

4) 

光による分解を防ぐため,試料に強い光の当たることを避ける。特に,ソックスレー抽出などで光

が長時間当たる場合には遮光して行う。

b) 

硫酸処理-シリカゲルカラムクロマトグラフ操作又は多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作

1) 

硫酸処理においては,抽出液の着色が完全にないことを確認する。

2) 

カラムクロマトグラフ操作においては,分画条件は,使用する充てん剤の種類及び活性度,又は溶

媒の種類及び量によって異なるので,あらかじめフライアッシュの抽出液のように全化合物が含ま

れたものを用いて分画試験を行って条件を確認しておく。

c) 

アルミナカラムクロマトグラフ操作

  アルミナの極性は,製造ロット及び開封後の保存状態若しくは

保存期間によってかなり変化が認められる。活性の低下したものでは,ダイオキシン類の場合,1, 3, 6,

8-TeCDD

,1, 3, 6, 8-TeCDF などが第 1 画分に溶出したり,八塩素化物がジクロロメタン (50 vol%)  を

含むヘキサン溶液の規定量では溶出しなかったりすることがあり,DL-PCB の場合,一部がヘキサン

溶出画分に溶出することがあるので,あらかじめフライアッシュの抽出液のように全化合物が含まれ

たものを用いて分画試験を行って条件を確認しておく。

9.2.3 

同定及び定量

同定及び定量においては,次の点に注意する。

a) 

ガスクロマトグラフ質量分析計

  使用するガスクロマトグラフ質量分析計は,目的に応じて測定条件


33

K 0312

:2005

     

を設定し,試料の測定が可能なように機器を調整する。この場合,応答の直線性,安定性などのほか,

測定の誤差となる干渉の有無及びその大きさ,その補正方法など,十分信頼できる測定ができるかど

うかを確認しておく。

1) 

ガスクロマトグラフの調整

  カラム槽温度,

注入口温度,

キャリヤーガス流量などの条件を設定し,

応答が安定していること,各塩素化物の保持時間が適切な範囲にあり,かつ,ピークが十分に分離

されていることなどを確認する。スプリットレスの時間,パージガス流量などを適切な値に設定す

る。

キャピラリーカラムは,

測定対象成分と他成分との分離が十分でない場合には,新品と交換する。

ただし,キャピラリーカラムを 300 mm 程度切断(両端又は片端)することによって測定対象物質

と他成分との分離に問題がなければ交換しなくてもよい。

2) 

質量分析計の調整

  質量分析計に質量校正用標準物質(ペルフルオロケロセン:PFK など)を導入

し,質量分析計の質量校正用プログラムなどによってマスパターン及び分解能(10 000 以上)など

の校正を行うとともに,装置の感度などの基本的な確認を行う。この調整の結果を記録して保管す

る。

3) 

ガスクロマトグラフ質量分析計の操作

  条件キャピラリーカラムによって得られるピークの幅は,

5

∼10 秒間程度であるが,一つのピークに対して十分な測定点を確保するため,クロマトグラムにお

ける単独成分ピークのもっとも幅の狭いピークであってもそのピークを構成する測定点が 7 点以上

となるように選択イオン検出のサンプリングの周期を設定しなければならない。1 回の測定で設定

可能なモニターチャネルの数は,要求される感度との兼ね合いとなるので,十分に検討した上で設

定する必要がある。

クロマトグラム上の各ピークの保持時間を考慮して,時間分割によるグルーピング方式によって

測定してもよいが,この場合には,グループごとに,適切な内標準物質のピークが出現するように

条件の設定を行う必要がある。

4) 

装置の維持管理

  ガスクロマトグラフ質量分析計の性能を維持するには,日常的な保守管理を欠か

してはならない。特に,ガスクロマトグラフとのインタフェース及びイオン化室内の汚れは,感度

及び分解能,測定精度の低下に大きく影響するので,適宜,洗浄する必要がある。

b) 

検量線の作成

  検量線は,測定をはじめて開始するときに作成し,その後,標準液が更新されるとき,

分析条件が変更されたときなど測定上の変更があった場合又は感度が大きく変動した場合に作成し直

す。

測定の精度を維持するためには,上記以外のときでも定期的に更新することが望ましい。どの程度

の周期で更新するかは,測定条件,装置の稼動状況などにより異なってくるので,感度変動などの状

況から 3 か月間というような一定の期間か一定の測定試料数で決めておく。

c) 

装置の感度変動

  1 日 1 回以上,定期的に 1 濃度以上の標準液を測定して,内標準物質の感度が検量

線作成時に比べ大きく変動していないことを確認する。また,ダイオキシン類の各化合物と内標準物

質の相対感度の変動が,検量線作成時の相対感度に比べて±10  %以内にあることを確認し,この範囲

を超えて変動した場合には,その原因を取り除き,検量線を再作成して試料の再測定を行う。

さらに,

保持時間については,

分離カラムの劣化などによって徐々に保持時間が変動する場合には,

必要に応じて対応を取ればよいが,比較的短い間に変動(通常,1 日に保持時間が±5  %の範囲外,

内標準物質との相対保持比が±2  %の範囲外)した場合には,その原因を取り除き,それ以前の試料

の再測定を行う。


34

K 0312

:2005

     

9.2.4 

異常値の取扱い

  測定機器の感度の変動が大きい,空試験値が大きい,二重測定の結果が大きく異

なるなどの場合には,測定値の信頼性に問題があるため,再測定を行ったり,再度試料の採取を行わなけ

ればならない。このような問題が起こると,多大な労力,時間,経費がかかるだけでなく,調査結果全体

の評価に影響を及ぼすことになるため,事前の確認などを十分に行い,異常値を出さないように注意しな

ければならない。また,異常値が出た経緯を十分に検討し,記録に残して,以後の再発防止に役立てるこ

とが重要である。

9.3 

測定操作の記録

  次の情報を記録し,整理及び保管する。

a) 

採水器の状況。

b) 

試料の採取地点の状況。

c) 

試料の採取方法。

d) 

試料の状況。

e) 

測定装置の校正及び操作。

f) 

前処理から測定に至るまでの操作の記録。

g)

測定値を得るまでの各種の数値。

9.4 

精度管理に関する報告

  精度管理に関する次の情報を記録し,必要があればデータとともに報告す

る。

a) 

ガスクロマトグラフ質量分析計の日常的点検,調整の記録(装置の校正など)

b) 

測定機器の測定条件の設定と結果

c) 

標準物質などの製造業者及びトレーサビリティ

d) 

検出下限及び定量下限の測定結果

e) 

空試験及び二重測定の結果

f) 

前処理操作の回収試験の検証結果

g) 

測定機器の感度の変動

h) 

測定操作の記録(試料採取から前処理及び測定に関する記録)


35

K 0312

:2005

     

付表  1  PCDDs 及び PCDFs のガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件の一例

①測定対象物質

TeCDDs, TeCDFs, PeCDFs の同族体及び 2, 3, 7, 8-位塩素置換化合物

使用カラム

:SP-2331(Supelco)

内径 0.25 mm,長さ 60 m,膜厚さ 0.20

µm

カラム温度

:120  ℃ (1min)   → (50 ℃/min)  →200  ℃

→ (2 ℃/min)  →260  ℃ (25 min)

注入口温度

:260  ℃

試料導入法

:スプリットレス方式 (90 s)

試料注入量

:1

µL

②測定対象物質

PeCDDs, HxCDDs, HxCDFs の同族体及び 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体

使用カラム

:SP-2331  (Supelco)

内径 0.25 mm,長さ 60 m,膜厚さ 0.20

µm

カラム温度

:120  ℃ (1 min)   → (50 ℃/min)  →200  ℃

→ (2 ℃/min)  →260  ℃ (25 min)

注入口温度

:260  ℃

試料導入法

:スプリットレス方式 (90 s)

試料注入量

:1

µL

③測定対象物質

HpCDDs, OCDD, HpCDFs, OCDF の同族体及び 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体

使用カラム

:DB-17  (J&W)

内径 0.32 mm,長さ 30 m,膜厚さ 0.25

µm

カラム温度

:120  ℃ (1min)   → (20 ℃/min)  →160  ℃

→ (3 ℃/min)  →280  ℃ (5 min)

注入口温度

:280  ℃

試料導入法

:スプリットレス方式 (90 s)

ガスクロマトグラフ

試料注入量

:1

µL

分解能

:10 000 以上

電子加速電圧  :70 V

イオン化電流  :1 mA

イオン源温度  :260  ℃

質量分析計

検出方法

:ロックマス方式による SIM 法


36

K 0312

:2005

     

付表  2  PCDDs 及び PCDFs のガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件の一例

①測定対象物質

TeCDDs∼HxCDDs, TeCDFs∼HxCDFs の同族体及び 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体

使用カラム

:SP-2331(Supelco)

内径 0.25 mm,長さ 60 m,膜厚さ 0.20

µm

カラム温度

:120  ℃ (1min)   → (50 ℃/min)  →200  ℃

→ (2 ℃/min)  →260  ℃

注入口温度

:260  ℃

試料導入法

:スプリットレス方式 (60 s)

試料注入量

:1

µL

②測定対象物質

HpCDDs, OCDD, HpCDFs, OCDF の同族体及び 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体

使用カラム

:DB-5(J&W)

内径 0.32 mm,長さ 30 m,膜厚さ 0.25

µm

カラム温度

:120  ℃ (1min)   → (50 ℃/min)  →180  ℃

→ (3 ℃/min)  →280  ℃

注入口温度

:300  ℃

試料導入法

:スプリットレス方式 (60 s)

ガスクロマトグラフ

試料注入量

:1

µL

分解能

:10 000 以上

電子加速電圧  :70 V

イオン化電流  :1 mA

イオン源温度  :270  ℃

質量分析計

検出方法

:ロックマス方式による SIM 法


37

K 0312

:2005

     

付表  3  PCDDs 及び PCDFs のガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件の一例

①測定対象物質

TeCDDs∼OCDDs, TeCDFs∼OCDFs の同族体ごとの合計及び主な 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体

使用カラム

:SP-2331(Supelco)

内径 0.25 mm,長さ 60 m,膜厚さ 0.20

µm

カラム温度

:120  ℃ (1 min)   → (50 ℃/min)  →200  ℃

→ (2 ℃/min)  →260  ℃ (30 min)

注入口温度

:170→300  ℃ (100 ℃/min)

試料導入法

:オンカラム注入方式

試料注入量

:1

µL

②測定対象物質

TeCDDs∼OCDDs, TeCDFs∼OCDFs の同族体ごとの合計及び一部の 2, 3, 7, 8-位塩素置換異性体

使用カラム

:DB-17(J&W)

内径 0.32 mm,長さ 30 m,膜厚さ 0.25

µm

カラム温度

:120  ℃ (1 min)  → (20 ℃/min)  →160  ℃

→ (3 ℃/min)  →280  ℃

注入口温度

:150→300  ℃ (100 ℃/min)

試料導入法

:オンカラム注入方式

ガスクロマトグラフ

試料注入量

:1

µL

分解能

:10 000 以上

電子加速電圧  :35∼40 V

イオン化電流  :0.5 mA

イオン源温度  :270  ℃

質量分析計

検出方法

:ロックマス方式による SIM 法

付表  4  DL-PCB のガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件の一例

測定対象成分

DL-PCB

使用カラム

:DB-5ms(J&W)

内径 0.32 mm,長さ 60 m,膜厚さ 0.25

µm

カラム温度

:150  ℃ (1min) →   (20  ℃/min)  →185  ℃ (3 min)

(2

℃/min)  →245  ℃ (3 min)

(6

℃/min)  →290  ℃ (10 min)

注入口温度

:170→300  ℃ (100 ℃/min)

ガスクロマトグラフ

試料導入法

:オンカラム注入方式

分解能

:10 000 以上

電子加速電圧  :35∼40 V

イオン化電流  :0.5 mA

イオン源温度  :270  ℃

質量分析計

検出方法

:ロックマス方式による SIM 法


38

K 0312

:2005

     

付表  5  DL-PCB のガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件の一例

測定対象成分

DL-PCB

使用カラム

:HT8(SGE)

内径 0.22 mm,長さ 50 m,膜厚さ 0.25

µm

カラム温度

:130  ℃ (1min) →   (20  ℃/min)  →220  ℃

(5

℃/min)  →320  ℃

注入口温度

:280  ℃

ガスクロマトグラフ

試料導入法

:スプリットレス方式 (90 s)

分解能

:10 000 以上

電子加速電圧  :30∼50 V

イオン化電流  :0.5 mA

イオン源温度  :335  ℃

質量分析計

検出方法

:ロックマス方式による SIM 法


39

K 0312

:2005

     

付表 6-1  測定結果の記載例

Ⅰ.排水中の

PCDDs

及び

PCDFs

測定結果

実測濃度

pg/L

試料における

定量下限

pg/L

試料における

検出下限

pg/L

毒性等価

係数

毒性当量(TEQ)

pg-TEQ/L

2,3,7,8-TeCDD

    1

TeCDDs

  ―

1,2,3,7,8-PeCDD

    1

PeCDDs

  ―

1,2,3,4,7,8-HxCDD

    0.1

1,2,3,6,7,8-HxCDD

    0.1

1,2,3,7,8,9-HxCDD

    0.1

HxCDDs

  ―

1,2,3,4,6,7,8-HpCDD

    0.01

HpCDDs

  ―

OCDD

    0.000

1

PCDD

Total

PCDDs    

2,3,7,8-TeCDF

    0.1

TeCDFs

  ―

1,2,3,7,8-PeCDF

    0.05

2,3,4,7,8-PeCDF

    0.5

PeCDFs

  ―

1,2,3,4,7,8-HxCDF

    0.1

1,2,3,6,7,8-HxCDF

    0.1

1,2,3,7,8,9-HxCDF

    0.1

2,3,4,6,7,8-HxCDF

    0.1

HxCDFs

  ―

1,2,3,4,6,7,8-HpCDF

    0.01

1,2,3,4,7,8,9-HpCDF

    0.01

HpCDFs

  ―

OCDF

    0.000

1

PCDF

Total

PCDFs    

Total (PCDDs  +

PCDFs)

   

備考1.  実測濃度中の括弧付の数値は,検出下限以上定量下限未満の濃度であることを示す。

2.

実測濃度中の“ND”は,検出下限未満であることを示す。

3.

毒性等価係数は,WHO/IPCS(1998)の TEF を適用した。

4.

毒性当量は,定量下限未満の実測濃度を 0(ゼロ)として算出したものである。 


40

K 0312

:2005

     

付表 6-2  測定結果の記載例

Ⅱ.排水中の

DL-PCB

測定結果

実測濃度

pg/L

試料における

定量下限

pg/L

試料における

検出下限

pg/L

毒性等価係数

毒性当量

(TEQ)

pg-TEQ/L

3,4,4’,5-TeCB  (# 81)

0.000 1

3,3’,4,4’-TeCB  (# 77)

0.000 1

3,3’,4,4’,5-PeCB (#126)

0.1

3,3’,4,4’,5,5’-HxCB(#169)

0.01

ノンオルト体

Total

 

2’,3,4,4’,5-PeCB (#123)

0.000 1

2,3’,4,4’,5-PeCB (#118)

0.000 1

2,3,3’,4,4’-PeCB (#105)

0.000 1

2,3,4,4’,5-PeCB (#114)

0.000 5

2,3’,4,4’,5,5’-HxCB (#167)

0.000 01

2,3,3’,4,4’,5-HxCB (#156)

0.000 5

2,3,3’,4,4’,5’-HxCB (#157)

0.000 5

2,3,3’,4,4’,5,5’-HpCB (#189)

0.000 1

モノオルト体

Total

 

Total DL-PCB

備考1.  実測濃度中の括弧付の数値は,検出下限以上定量下限未満の濃度であることを示す。

2.

実測濃度中の“ND”は,検出下限未満であることを示す。

3.

毒性等価係数は,WHO/IPCS(1998)の TEF を適用した。

4.

毒性当量は,定量下限未満の実測濃度を 0(ゼロ)として算出したものである。


41

K 0312

:2005

     

付表 7-1  測定結果の記載例

Ⅰ.排水中の

2,3,7,8-

位塩素置換

PCDD

及び

PCDF

並びに

DL-PCB

測定結果

実測濃度

(pg/L)

試料における

定量下限

(pg/L)

試料における

検出下限

(pg/L)

毒性等価係数

TEF

毒性当量

TEQ

(pg-TEQ/L)

2,3,7,8-TeCDD     1  
1,2,3,7,8-PeCDD    1  
1,2,3,4,7,8-HxCDD

   0.1

1,2,3,6,7,8-HxCDD

   0.1

1,2,3,7,8,9-HxCDD

   0.1

1,2,3,4,6,7,8-HpCDD

   0.01

OCDD

   0.000

1

PCDD

Total PCDDs

2,3,7,8-TeCDF     0.1

1,2,3,7,8-PeCDF    0.05

2,3,4,7,8-PeCDF    0.5

1,2,3,4,7,8-HxCDF

   0.1

1,2,3,6,7,8-HxCDF

   0.1

1,2,3,7,8,9-HxCDF

   0.1

2,3,4,6,7,8-HxCDF

   0.1

1,2,3,4,6,7,8-HpCDF

   0.01

1,2,3,4,7,8,9-HpCDF

   0.01

OCDF

   0.000

1

PCDF

Total PCDFs

Total (PCDDs+PCDFs)

3,4,4’,5-TeCB  (# 81)

0.000 1

3,3’4,4’-TeCB    (# 77)

0.000 1

3,3’,4,4’,5-PeCB (#126)

0.1

3,3’4,4’,5,5’-HxCB(#169)

0.01

Total  ノンオルト体

2’3,4,4’,5-PeCB (#123)

0.000 1

2,3’,4,4’,5-PeCB (#118)

0.000 1

2,3,3’,4,4’-PeCB (#105)

0.000 1

2,3,4,4’,5-PeCB (#114)

0.000 5

2,3’,4,4’,5,5’-HxCB (#167)

0.000 01

2,3,3’,4,4’,5-HxCB (#156)

0.000 5

2,3,3’,4,4’,5’-HxCB (#157)

0.000 5

2,3,3’,4,4’,5,5’-HpCB (#189)

0.000 1

DL

PCB

Total  モノオルト体

Total DL-PCB

Total  ダイオキシン類


42

K 0312

:2005

     

付表 7-2  測定結果の記載例

Ⅱ.排水中のダイオキシン類同族体測定結果

実測濃度

(pg/L)

試料における

定量下限

(pg/L)

試料における

検出下限

(pg/L)

TeCDDs

PeCDDs

HxCDDs

HpCDDs

OCDD

PCDD

Total PCDDs

TeCDFs

PeCDFs

HxCDFs

HpCDFs

OCDF

PCDF

Total PCDFs

Total (PCDDs  + PCDFs)

備考1.  実測濃度の欄中の括弧付の数値は,検出下限以上定量下限未満の濃度であ

ることを示す。

2.

実測濃度の欄中の“<a”は,検出下限(a)未満であることを示す。

3.

毒性等価係数は,WHO/IPCS(1998)の TEF を適用した。

4.

毒性当量は,定量下限未満の実測濃度を 0(ゼロ)として算出したものであ

る。 


43

K 0312

:2005

     

附属書 1(規定)大容量捕集装置による試料の採取

1. 

適用範囲

  この附属書は,大容量捕集装置による試料の採取について規定する。

2. 

大容量捕集装置の概要

  この装置は,採取現場において試料水を通水してダイオキシン類を捕集する

装置である。吸引した試料水をフィルタによってろ過して懸濁物を捕集し,吸着剤で溶存しているダイオ

キシン類を捕集する。装置を構成する主な部分は,次のとおりである。また,装置の構成の例を,

附属書

1

図 1

に示す。

a)

フィルタ

  孔径 0.5 µm 程度のもの。

b)

吸着剤

  ポリウレタンフォーム,スチレン-ジビニルベンゼン共重合体など。

c)

流量測定部

  通水した流量を測定し,積算流量が測定できるもの。

d)

吸引ポンプ

  試料水を吸引し,捕集部に通水するポンプ。

附属書   1  大容量捕集装置の構成図の例

3. 

使用範囲

  この装置は,工業用水に用いる河川水,地下水などダイオキシン類の濃度が低く,大量の

試料を採取しなければならない試料について使用する。

4. 

試料の採取

4.1 

準備

  試料の採取の準備は,次による。

a)

フィルタ

  ガラス繊維製の孔径 0.5 µm 程度のもので,有機バインダーを含まないもの。あらかじめ

450

℃で 4 時間以上加熱し,冷却後,容器に密閉して保存しておく。

b)

吸着剤

  試料水を所定の流量で通水することが物理的に可能で,ダイオキシン類を吸着捕集できるも

の。ポリウレタンフォーム,スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などがある。あらかじめ,

JIS K 0557

に規定する A3 の水及びアセトンで洗浄し,ジクロロメタン又はトルエンを用いて 24 時間以上ソック

スレー抽出器で洗浄し,減圧乾燥して容器内に密封して保存しておく。

4.2 

試料採取操作

  試料採取操作は,次による。ただし,ここに示した操作は,標準的なものであり,

捕集効率が十分確保でき,ダイオキシン類の損失,汚染などがない操作方法であれば,必ずしもこのとお

りでなくてもよい。

a)

装置の流路を試料水で十分洗浄した後,フィルタ及び吸着剤を装着する。

b)

試料水の吸引を開始し,吸引流量を所定の値に設定する。

c)

ダイオキシン類の測定に必要な試料量吸引したら,吸引を止め,正確な試料採取量を記録する。

d)

フィルタ及び吸着剤を汚染のないように密閉して試験室まで輸送する。

吸着剤

流量測定部

ポンプ

フィルタ

試料水


44

K 0312

:2005

     

5. 

装置からの回収

  試験室に持ち込まれたフィルタ及び吸着剤は,汚染のないように取り出し,本体

6.4.2

の内標準物質の添加をした後,ソックスレー抽出又はそれと同等の抽出方法で抽出する。


45

K 0312

:2005

     

附属書 2(参考)内標準物質の使用例

この附属書は,内標準物質の使用例について記載するものであり,規定の一部ではない。

内標準物質の使用は,GC/MS の分析条件などよって使用方法が異なる部分があるため,使用の詳細につ

いては特に規定せず,最低限の要求事項だけを規定した。ここでは,一般的な使用の例を示し,その場合

の検量線作成用標準液,定量のときの分析対象物質とそれに対応する内標準物質などを例として示した。

これを参考にして各試験所において,その操作手順,GC/MS の分析条件に照らし合わせて使用を検討する

必要がある。


46

K 0312

:2005

     

1

. 内標準物質の使用例

例 1

例 2

内標準物質

クリーンアップ

スパイク

シリンジ

スパイク

クリーンアップ

スパイク

シリンジ

スパイク

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TeCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4-TeCDD

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TeCDD

37

Cl

4

-2, 3, 7, 8-TeCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

13

C

12

-2, 3, 4, 7, 8-PeCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF

13

C

12

-2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDD

13

C

12

-3, 3', 4, 4'-TeCB (#77)

13

C

12

-3, 4, 4', 5-TeCB (#81)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4'-PeCB (#105)

13

C

12

-2, 3, 4, 4', 5-PeCB (#114)

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5-PeCB (#118)

13

C

12

-2', 3, 4, 4', 5-PeCB (#123)

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5-PeCB (#126)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (#156)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5'-HxCB (#157)

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#167)

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#169)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-HpCB (#189)

13

C

12

-2, 2', 3, 3', 4, 4', 5-HpCB (#170)

13

C

12

-2, 2', 3, 4, 4', 5, 5'-HpCB (#180)

備考  括弧内の数値は,IUPAC No.を示す。


47

K 0312

:2005

     

2

. 検量線作成用標準液の調製(1.の例 の場合)

濃度 (ng/ml)

標準物質

STD1 STD2 STD3 STD4 STD5

2, 3, 7, 8-TeCDD

1, 2, 3, 7, 8-PeCDD

0.4

2.0

10 40 200

1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD

1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD

1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDD

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD

1.0

5.0

25 100 500

OCDD 2.0

10

50

200

000

2, 3, 7, 8-TeCDF

1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

2, 3, 4, 7, 8-PeCDF

0.4

2.0

10 40 200

1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF

1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF

1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF

2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF

1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF

1.0

5.0

25 100 500

OCDF 2.0

10

50

200

000

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4-TCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD

100 100 100 100 100

13

C

12

-OCDD

200 200 200 200 200

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

13

C

12

-2, 3, 4, 7, 8-PeCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF

13

C

12

-2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF

100 100 100 100 100

13

C

12

-OCDF

200 200 200 200 200

3, 3', 4, 4'-TCB (#77)

3, 4, 4', 5-TCB (#81)

2, 3, 3', 4, 4'-PeCB (#105)

2, 3, 4, 4', 5-PeCB (#114)

2, 3', 4, 4', 5-PeCB (#118)

2', 3, 4, 4', 5-PeCB (#123)

3, 3', 4, 4', 5-PeCB (#126)

2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (#156)

2, 3, 3', 4, 4', 5'-HxCB (#157)

2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#167)

3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#169)

2, 2', 3, 3', 4, 4', 5-HpCB (#170)

2, 2', 3, 4, 4', 5, 5'-HpCB (#180)

2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-HpCB (#189)

1.0

5.0

25 100 500

13

C

12

-3, 3', 4, 4'-TCB (#77)

13

C

12

-3, 4, 4', 5-TCB (#81)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4'-PeCB (#105)

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5-PeCB (#118)

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5-PeCB (#126)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (#156)

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#167)

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#169)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-HpCB (#189)

100 100 100 100 100


48

K 0312

:2005

     

3

. 測定対象物質,標準物質とクリーンアップスパイク内標準物質との対応(1.の例 の場合)

標準物質

対応するクリーンアップ

スパイク内標準物質

2, 3, 7, 8-TeCDF

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TeCDF

2, 3, 7, 8-TeCDD

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TeCDD

1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

2, 3, 4, 7, 8-PeCDF

13

C

12

-2, 3, 4, 7, 8-PeCDF

1, 2, 3, 7, 8-PeCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDD

1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF

1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF

1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF

2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF

1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD

1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD 
1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF

1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDF

1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDD

3, 3', 4, 4'-TeCB (#77)

13

C

12

-3, 3', 4, 4'-TeCB (#77)

3, 4, 4', 5-TeCB (#81)

13

C

12

-3, 4, 4', 5-TeCB (#81)

2, 3, 3', 4, 4'-PeCB (#105) 
2, 3, 4, 4', -PeCB (#114) 
2, 3', 4, 4', 5-PeCB (#118) 
2', 3, 4, 4', 5-PeCB (#123)

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5-PeCB (#118)

3, 3', 4, 4', 5-PeCB (#126)

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5-PeCB (#126)

2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (#156) 
2, 3, 3', 4, 4', 5'-HxCB (#157)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (#156)

2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#167)

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#167)

3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#169)

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#169)

2, 2', 3, 3', 4, 4', 5-HpCB (#170) 
2, 2', 3, 4, 4', 5, 5'-HpCB (#180) 
2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-HpCB (#189)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-HpCB (#189)


49

K 0312

:2005

     

4

. クリーンアップスパイク内標準物質とシリンジスパイク内標準物質との対応(1.の例 の場合)

クリーンアップスパイク

内標準物質

対応するシリンジスパイク

内標準物質

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TeCDF

13

C

12

-2, 3, 7, 8-TeCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDF

13

C

12

-2, 3, 4, 7, 8-PeCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8-PeCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4-TeCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDF

13

C

12

-2, 3, 4, 6, 7, 8-HxCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 6, 7, 8-HxCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 7, 8, 9-HpCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8-HpCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDF

13

C

12

-1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9-OCDD

13

C

12

-1, 2, 3, 7, 8, 9-HxCDD

13

C

12

-3, 3', 4, 4'-TeCB (#77)

13

C

12

-3, 4, 4', 5-TeCB (#81)

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5-PeCB (#118)

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5-PeCB (#126)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5-HxCB (#156)

13

C

12

-2, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#167)

13

C

12

-3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#169)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4', 5, 5'-HxCB (#189)

13

C

12

-2, 3, 3', 4, 4'-PeCB (#105)