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日本工業規格

JIS

 K

0151

-1983

赤外線ガス分析計

Non-dispersive Infrared Gas Analyzer

1.

適用範囲  この規格は,波長非分散・正フィルタ方式の赤外線ガス分析計(以下,分析計という。)で,

濃度の検出を偏位方式によるものについて規定する。

備考  この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであっ

て,参考として併記したものである。

引用規格: 

JIS C 1301

  絶縁抵抗計(発電機式)

JIS C 1302

  絶縁抵抗計(電池式)

JIS K 0001

  一酸化窒素標準ガス

JIS K 0002

  一酸化炭素標準ガス

JIS K 0003

  二酸化炭素標準ガス

JIS K 0004

  二酸化硫黄標準ガス

JIS K 0006

  メタン標準ガス

JIS K 0007

  プロパン標準ガス

JIS K 0055

  ガス分析装置校正方法通則

JIS K 0211

  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0212

  分析化学用語(光学部門)

2.

用語の意味  この規格に用いる主な用語の意味は,JIS K 0211[分析化学用語(基礎部門)]及び JIS 

0212

[分析化学用語(光学部門)

]によるほか,次のとおりとする。

(1)

非分散  光束をプリズム,回折格子などの分散素子によって分散しないこと。

(2)

正フィルタ形  測定成分の吸収する赤外線をその吸収波長で測定する方式。

(3)

繰返し性  同一の分析計を用い同一の方法で同一の測定対象を同じ条件で比較的短い時間に繰り返し

測定した場合,個々の測定値が一致する度合。

(4)

比較ガス  試料セルにおける赤外線吸収を測定する場合の対照となるもので,赤外線を吸収しないガ

ス。

(5)

比較セル  比較ガスを封入したセル。

(6)

比較光束  比較セルを通過する光束。

(7)

スパン調整用ガス  分析計の目盛定め及び目盛校正以外の試験において,スパン校正用ガスの代わり

に用いるガス。

(8)

ゼロ調整用ガス  分析計の目盛定め及び目盛校正以外の試験において,ゼロ校正用ガスの代わりに用

いるガス。


2

K 0151-1983

3.

種類  分析計の種類は,次の 2 種類とする。

(1)

定置用分析計(以下,定置形という。

(2)

移動用分析計(以下,移動形という。

4.

定格電圧及び定格周波数  分析計の定格電圧は,単相交流 100V,定格周波数は 50Hz 専用,60Hz 専

用又は 50 Hz・60 Hz 共用とする。

5.

性能  分析計は,次の性能を満足しなければならない。

(1)

繰返し性  8.(2)の試験方法で試験を行ったとき,その差は測定段階(以下,レンジという。)ごとに最

大目盛値の±2 %以内でなければならない。

(2)

ゼロドリフト  8.(3)の試験方法で試験を行ったとき,そのゼロドリフトは各レンジごとに最大目盛値

の±2 %以内でなければならない。

(3)

スパンドリフト  8.(4)の試験方法で試験を行ったとき,そのスパンドリフトは各レンジごとに最大目

盛値の±2 %以内でなければならない。

(4)

指示誤差  8.(5)の試験方法で試験を行ったとき,その指示誤差は各レンジごとに最大目盛値の±5 %

以内でなければならない。

(5)

応答時間  8.(6)の試験方法で試験を行ったとき,その応答時間は 40 秒以下でなければならない。

(6)

試料ガスの流量の変化に対する安定性  8.(7)の試験方法で試験を行ったとき,その指示変化は最大目

盛値の±2 %以内でなければならない。

(7)

電圧変動に対する安定性  8.(8)の試験方法で試験を行ったとき,その指示変化は最大目盛値の±1 %

以内でなければならない。

(8)

耐電圧  8.(9)の試験方法で試験を行ったとき,異常を生じてはならない。

(9)

絶縁抵抗  8.(10)の試験方法で試験を行ったとき,その絶縁抵抗は 2 M

Ω以上であること。

6.

構造

6.1

構造一般  分析計の構造は,次の各項目に適合しなければならない。

(1)

形状が正しく,組立て及び各部の仕上りが良好で,かつ,堅ろうであること。

(2)

通常の運転状態で危険の生じるおそれがなく,安全,かつ,円滑に作動すること。

(3)

各部は容易に機械的・電気的故障を起こさず,危険を生じない構造であること。

(4)

結露などによって分析計の作動に支障を生じない構造であること。

(5)

光源,ヒータなどの発熱部に接する部分は,熱による変形及び機能の変化を起こさない構造であるこ

と。

(6)

保守・点検の際,作業しやすく,かつ,危険のない構造であること。

6.2

構成  分析計は,図 及び図 に示す光源,回転セクタ,光学フィルタ(

1

)

,試料セル,比較セル(

2

)

検出器,増幅器及び指示計で構成する。

(

1

)

試料ガスの組成によっては,必要としない場合がある。

(

2

)

単光束分析計では用いない。


3

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図 1  複光束分析計の構成(一例)

図 2  単光束分析計の構成(一例)

(1)

光源  光源は,原則としてニクロム線,炭化けい素などの抵抗体に電流を流して加熱したものを用い

る。

(2)

回転セクタ  回転セクタは,試料光束と比較光束を一定周期で断続し,光学的に変調を行うもので,

断続周期が 1∼20 Hz の交互断続方式又は同時断続方式とする。

備考  回転セクタによる光学的変調の代わりに,試料セルと比較セルの各々に,試料ガス及び比較ガ

スを交互に流す流体変調方式がある。

(3)

光学フィルタ  光学フィルタは,試料ガス中に含まれる干渉成分の吸収波長域の赤外線を吸収除去で

きるもので,ガスフィルタ,固体フィルタのいずれか,又はその組み合わせたものを用いるものとす

る。

(4)

試料セル  試料セルは,試料ガスが流通し,両端の窓から試料光束が通過する構造のものとする。

(5)

比較セル  比較セルは,試料セルと同じ形状のもので,アルゴン又は窒素を封入したものとする。

(6)

検出器  検出器は,光束を受光し,試料ガス中の測定成分濃度に対応する信号を発生するもので,選

択的検出器(

3

)

又は光学フィルタと非選択的検出器(

4

)

とを組み合わせたものとする。

(

3

)

測定成分又はそれと代用することができるガスなどを適当な分圧で封入したコンデンサマイク

ロホン又は熱式流量計。

(

4

)

サーミスタボロメータ,焦電形などの熱検出素子又は硫化鉛 (PbS) ,セレン化鉛 (PbSe) など

の半導体形検出素子。

備考  干渉成分の影響を少なくするため,測定成分を検出する主検出器と特定干渉成分を検出する補

償検出器とを組み合わせて用い,各々の出力信号を演算させて用いることがある。

(7)

増幅器  増幅器は,検出器からの微小信号を増幅するもので,指示計を動作させ,又は伝送に必要な

レベルまで増幅できるものでなければならない。

(8)

指示計  指示計は,出力信号又は測定成分の濃度を指示するものとする。

7.

材料  材料は,次の各項目に適合しなければならない。

(1)

主要部分は,金属,その他耐久性の大きい材料で作られていること。


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(2)

鉄鋼(ステンレス鋼を除く。

)には,めっき塗装,その他適当なさび止めを施してあること。ただし,

酸化などにより著しく外観が損なわれたり,動作に支障を生じたりすることがなければ省略してもよ

い。

8.

性能試験方法  性能試験方法は,次のとおりとする。

なお,多レンジの分析計については,最小目盛範囲において試験を行う。ただし,5(4)

(8)及び(9)の項

目については,各レンジごとに試験を行う。

(1)

試験条件  試験条件は,次のとおりとする。

(a)

周囲温度  5∼35℃間の任意の温度で変化幅は 5℃以内であること。ただし,温度変化率は,1 時間

当たり 5℃以内とする。

(b)

湿度  相対湿度 65±20%

(c)

大気圧  950∼1060mbar {95∼106 kPa}  の圧力で,変化幅は±0.5%以内。

(d)

電源電圧  定格電圧

(e)

電源周波数  定格周波数

(f)

暖機時間  製造業者が指定する時間

(g)

試験に用いるガス  試験に用いるガスは,標準ガス,スパン調整用ガス及びゼロ調整用ガスとする。

標準ガスは,JIS K 0001(一酸化窒素標準ガス)

JIS K 0002(一酸化炭素標準ガス)

JIS K 0003(二

酸化炭素標準ガス)

JIS K 0004(二酸化硫黄標準ガス)

JIS K 0006(メタン標準ガス)及び JIS K 

0007

(プロパン標準ガス)を用いる。標準ガスとして個別規格のないものについては,JIS K 0055

(ガス分析装置校正方法通則)3.に適合するものを用いる。

その他のガスについては,これらの規格に準ずる方法で調製されたものを用いる。

これらのガスの種類及び適用する試験項目は,

表のとおりとする。

表  試験に用いるガス

項目

ガスの種類

成分(

5

)

濃度

適用項目

スパンガス

各測定範囲の 80∼100%

(5) 

中間点ガス

各測定範囲の 50%付近

(5)(a) 

中間点ガス

各測定範囲の 20∼80%

(5)(b) 



ゼロガス 0

(5) 

スパン調整用ガス

各測定範囲の 80∼95%

(2), (3)(4)(6), (7)(8)

ゼロ調整用ガス 0

(2)(3)(4)(6)(7)(8)

(

5

)

分析計に表示された測定成分。

(2)

繰返し性  分析計にゼロ調整用ガスを設定流量で導入し,最終値を記録紙上で確認した後,スパン調

整用ガスを同様に導入し,最終値を確認する。この操作を 3 回繰り返し,ゼロ値,スパン値の各々の

平均値を算出し,各測定値と平均値との差を求める。

(3)

ゼロドリフト  ゼロ調整用ガスを設定流量で導入し,ゼロ値を最大目盛値の 5 %程度に設定して,定

置形では 24 時間,移動形では 3 時間連続測定を行う。この間におけるゼロ指示値の初期の指示値から

の最大変動幅をゼロドリフトとする。

(4)

スパンドリフト  ゼロドリフト試験において,試験開始時にスパン調整を行い,試験終了時(定置形

では 24 時間後,移動形では 3 時間後)及び中間に 2 回以上(

6

)

ゼロ調整用ガスに換えてスパン調整用ガ

スを導入し,指示記録させる。この間におけるスパン指示値の初期の指示値からの最大変動幅をスパ


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ンドリフトとする。ゼロドリフトの影響が見られるときは,その変動を補正する。

(

6

)

各スパン測定点の測定時間間隔は,定置形では4時間以上,移動形では40分以上離れていなけれ

ばならない。

(5)

指示誤差  指示誤差は,次のとおりとする。

(a)

出力特性が濃度に対して直線である分析計  ゼロ校正,スパン校正を行った後,中間目盛の濃度の

標準ガスを導入し,指示記録させる。この指示値と標準ガス濃度表示値との差を求める。

(b)

出力特性が濃度に対して非直線である分析計  (a)の試験において,中間目盛 3∼4 種類の標準ガス

を導入し,それぞれの指示値と 10.(6)(b)の校正曲線との差を求める。

(6)

応答時間  設定流量のゼロ調整用ガスを導入し,指示安定後,流路をスパン調整用ガスに切り換える。

このときの指示記録において,スパン調整用ガス導入の時点から最終指示値の 90%値に達するまでの

時間を測定し,応答時間とする。

(7)

試料ガスの流量の変化に対する安定性  設定流量のスパン調整用ガスを導入し,指示が安定したとき

の値を とし,次に流量を設定値から+5%変化させ,指示が安定したときの値を とする。次に流

量を設定値から−5 %変化させ,指示が安定したときの値を とする。B

A

C

A

のレンジの最大目

盛値に対する比を求める。

(8)

電圧変動に対する安定性  スパン調整用ガスを導入し,指示が安定していることを確認し,その値を

A

とする。次に電源電圧を定格電圧の+10%の電圧に変化させ,定置形では 10 分後,移動形では 3 分

後の指示値を とする。次に定格電圧の−10%の電圧に変化させ,定置形では 10 分後,移動形では 3

分後の指示値を とする。B

A

C

A

のレンジの最大目盛値に対する比を求める。

(9)

耐電圧  分析計の電気回路を閉の状態で,電源端子一括と外箱との間に定格周波数の交流 1 000V を 1

分間加えて,異常の有無を調べる。

(10)

絶縁抵抗  分析計の電気回路を閉の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C 1301[絶

縁抵抗計(発電機式)

]又は JIS C 1302[絶縁抵抗計(電池式)

]に規定する直流 500V 絶縁抵抗計で

測定する。

9.

表示  分析計には,見やすい場所に容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称及び製造業者が指定する分析計の形名

(2)

測定対象成分名

(3)

測定濃度範囲

(4)

使用温度範囲

(5)

電源種別及び容量

(6)

製造業者名(又はその略号)

(7)

製造年月及び製造番号

備考  これらの表示は,いずれかに分散させて表示してもよい。

10.

取扱説明書  取扱説明書には,少なくとも次の事項を記載しなければならない。

(1)

設置場所の選択

(2)

試料ガスの温度,流量,ダスト量及び干渉成分のそれぞれの許容範囲

(3)

試料ガスの前処理方法

(4)

配管及び配線


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(5)

暖機時間

(6)

使用方法

(a)

測定の準備及び校正

(b)

校正曲線又は校正表

(c)

測定

(d)

測定停止時の処置

(7)

保守点検

(a)

日常点検の指針

(b)

定期点検の指針

(c)

流路系の清掃

(d)

故障時の対策


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参考

関連法規など:  高圧ガス取締法(昭和 26 年 6 月 7 日  法律第 204 号)

計量法(昭和 26 年 6 月 7 日  法律第 207 号)

環境大気自動測定における高圧ガス管理取扱い手引書(環境庁大気測定安全対策委員会

昭和 48 年 10 月)


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化学分析部会  環境・排ガス用自動計測器専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

八  巻  直  臣

埼玉大学工学部

森  本      修

通商産業省機械情報産業局

咲  山  忠  男

通商産業省立地公害局

吉  枝  正  明

工業技術院標準部

加  藤  三  郎

環境庁大気保全局

青  木  文  雄

財団法人機械電子検査検定協会

今  上  一  成

工業技術院公害資源研究所

石  黒  辰  吉

東京都公害研究所

福  地  俊  典

財団法人化学品検査協会

上  田  伸  也

富士電機製造株式会社

大志万  継  影

株式会社堀場製作所

坂  田      衞

株式会社島津製作所

森      正  樹

電気化学計器株式会社

玉  手  徳太郎

横河北辰電機株式会社

笹  野  実  福

社団法人産業公害防止協会

佐  野  貞  雄

神奈川県公害センター

宮  島  信  夫

小野田セメント株式会社

矢田部  照  夫

財団法人電力中央研究所

中  川      隆

社団法人日本電気計測器工業会

(事務局)

小  沢  祥  浩

工表技術院標準部繊維化学規格課

恒  吉      洋

工表技術院標準部繊維化学規格課

赤外線ガス分析計工業標準原案作成委員会構成表

氏名

所属

(委員長)

八  巻  直  臣

埼玉大学

副委員長

小委員会主査

小  島  益  生

工業技術院化学技術研究所

吉  枝  正  明

工業技術院標準部

黒  河  亀千代

工業技術院標準部

咲  山  忠  男

通商産業省立地公害局

森  本      修

通商産業省機械情報産業局

菊  地  秀  逸

財団法人機械電子検査検定協会

伊  藤  道  生

千葉県公害研究所

矢田部  照  夫

財団法人電力中央研究所

川  田      宏

石油化学工業協会(日本石油化学株式会社)

木  下  文  雄

社団法人日本自動車工業会

辺野喜  征  伸

紙パルプ技術協会(王子製紙株式会社)

針間矢  宣  一

社団法人日本鉄鋼連盟(川崎製鐵株式会社)

栗  原      力

財団法人化学品検査協会

(幹事)

坂  田      衞

公害計測器合同会議議長(株式会社島津製作所)

秋  山  重  之

株式会社堀場製作所

浜  田  敏  義

富士電機製造株式会社

玉  手  徳太郎

株式会社横河電機製作所

高  橋      昭

電気化学計器株式会社

渡  辺      淳

株式会社柳本製作所

(関係者)

河  合  隆  昌

社団法人日本分析機器工業会

(関係者)

中  川      隆

社団法人日本電気計測器工業会

(事務局)

岩  崎  直  行

社団法人日本電気計測器工業会

    ○:小委員会委員をかねる。