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K 0115

:2004

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本分析

機器工業会(JAIMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 0115 : 1992 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS K 0115

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)光学フィルターによる吸光度目盛の校正方法

附属書 2(規定)溶液による吸光度目盛の校正方法


K 0115

:2004

(2) 

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  装置

2

4.1

  装置の構成

2

4.2

  装置の性能表示

5

4.3

  附属装置

6

4.4

  付加機能

6

5.

  操作方法

7

5.1

  装置の設置条件

7

5.2

  波長目盛及び吸光度目盛の校正

7

5.3

  測定試料の調製

8

5.4

  装置操作条件の設定

8

5.5

  測定準備

8

6.

  特定波長における吸収の測定

9

6.1

  複光束方式における測定

9

6.2

  単光束方式における測定

9

6.3

  セルブランク値の測定

9

7.

  特定波長範囲における吸収曲線の測定

9

7.1

  複光束方式における測定

9

7.2

  単光束方式における測定

10

8.

  定量

10

8.1

  検量線法

10

8.2

  標準添加法

11

8.3

  その他の定量方法

12

8.4

  レートアッセイ

12

8.5

  定量値の表し方

12

9.

  データの質の管理

12

9.1

  装置の性能確認

12

9.2

  適切な試料の調製

13

10.

  測定結果の記録

13

11.

  個別規格に記載すべき事項

13

附属書 1(規定)光学フィルターによる吸光度目盛の校正方法

14

附属書 2(規定)溶液による吸光度目盛の校正方法

15


     

日本工業規格

JIS

 K

0115

:2004

吸光光度分析通則

General rules for molecular absorptiometric analysis

1.

適用範囲  この規格は,分光光度計又は光電光度計を用い,波長範囲として 200 nm 付近から 1 100 nm

付近の,物質による光の透過,吸収又は反射を測定し,定量を行う場合の通則について規定する。ただし,

原子吸光光度計,近赤外分光光度計及び赤外分光光度計を用いる方法には適用しない。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0211

  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0212

  分析化学用語(光学部門)

JIS K 0215

  分析化学用語(分析機器部門)

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8223

  過塩素酸(試薬)

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0211JIS K 0212 及び JIS K 0215 によるほか,次

による。

なお,括弧内の対応英語は参考のために示す。

a)

吸光度(absorbance)  試料を透過した光の強度と,透過前の光の強度との比を常用対数で表した数値。

b)

透過率(transmittance)  光が物質を透過する割合を,透過後の光の量と透過前の光の量との比で表し

たもの。

c)

透過パーセント(percent transmission)  透過率を百分率で示した値。

d)

モル吸光係数(molar absorption coefficient)  特定試料の吸光度を,分析種の濃度 1 mol/L,光路長 1 cm

のセルを用いた場合に換算した係数。

e)

正反射(specular reflectionregular reflection)  鏡面のように,光学的反射の法則に従う反射。

f)

拡散反射(diffuse reflection)  光が,光学的反射の法則と無関係に,多くの方向に拡散する反射。

g)

反射パーセント(percent reflection)  光が物質の表面で反射される割合を,基準となる物質からの反射

光の強度と対象物質の表面からの強度との比を百分率で表したもの。

h)

分光器

1) (spectrograph

spectrometer)  一つの光源からの光を分散させて一つの焦点面上に波長順にスリッ

ト像を結ばせる装置。

2) (spectroscope)

  3. h)1)の装置でスペクトルを目視観察できるようにした装置。


     

i)

モノクロメーター(monochromator)  特定波長の光を取り出す機器。

j)

シングルモノクロメーター(single monochromator)  一つの回折格子又はプリズムなど,単一の分散素

子を用いたモノクロメーター。

k)

ダブルモノクロメーター(double monochromator)  通常,二つのシングルモノクロメーターを光学的

に直列に結んだモノクロメーター。

l)

単光束方式(single beam)  光電光度計・分光光度計において光源から検出部までの間で,光路が分岐

していない方式。

m)

複光束方式(double beam)  光源からの光を試料側と対照側とに分岐させる光学系の一方式。

n)

光学フィルター(optical filter)  特定の波長域の光を通過又は阻止するために用いる光学素子の総称。

o)

ゼラチンフィルター(gelatin filter)  着色したゼラチン膜をガラス板などで挟み,特定の波長域の光を

取り出せるようにした光学フィルター。

p)

干渉フィルター(interference filter)  薄膜又はその多重層の光の干渉作用を利用し,必要とする波長の

光を取り出せるようにした光学フィルター。

q)

色ガラスフィルター(color optical filter)  着色したガラスによって,特定の波長域の光を取り出せるよ

うにした光学フィルター。

r)

吸収セル(absorption cell)  溶液,溶媒などによる光の吸収を測定するために,それらを入れる容器。

s)

試料セル(sample cell)  試料を入れる吸収セル

t)

対照セル(reference cell)  溶媒又は対照溶液を入れる吸収セル。

u)

光度計(photometer)  光の強度を測定する装置。

v)

光源(light source)  光分析機器において,光波(光量子)を発生・放射させる部分。

w)

光電管(phototube)  光の照射によって電子を放出する陰極と電子を受け取る陽極とをガラス管内に封

入したもので,管内に中間電極を備えていない光検出素子。

x)

光電子増倍管(photomultiplier tube)  光電管と同様な光電子発生機構をもつが,光電子を発生する陰極

と陽極との間に,電子を増加させるための一つ以上の中間電極を備えた光検出素子。

y)

フォトダイオード(photodiode)  P-N 接合面への光の照射によって生じる光起電効果を利用した光検

出素子。

z)

フォトダイオードアレイ(photodiode array)  フォトダイオードを一次元又は二次元に配置した多チ

ャンネル光検出素子。

aa)

光電池(photo cell)  金属と半導体などの整流性接触面への光の照射によって生じる光起電効果を利用

した光検出素子。

ab)

分解(resolution)  相近接した 2 本のスペクトル線を分離できる分光器の能力。

ac)

分散(dispersion)  種々の波長成分を含む光を,プリズム及び/又は回折格子を用いて波長成分ごとの

光に分けること。

ad)

迷光(stray light)  モノクロメーターで分散され取り出された光の中で,目的とする波長の光以外の光。

ae)

白色光(white light)  肉眼で白に見える連続スペクトル光。

af)

分析種(analyte)  測定試料又は試料溶液中の被試験成分。

4.

装置

4.1

装置の構成


3

K 0115

:2004

     

4.1.1

光電光度計  光電光度計の構成の例を図 及び図 に示す。光電光度計は,光源部,波長選択部,

試料部,測光部,信号処理部,データ処理部,及び表示・記録・出力部で構成する。光電光度計は波長選

択部として,光学フィルターを用いる。検出の方法には,単一波長における光を検出するもの及び複数の

波長における光を同時に検出するものがある。測光方式には,複光束方式及び単光束方式がある。また,

照射方式には,波長選択した光を試料に照射するもの及び試料に白色光を照射し,試料を透過した光を波

長選択するものがある。

  1  光電光度計の一例(波長選択した光を試料に照射するもの)

  2  光電光度計の一例(試料を透過した光を波長選択するもの)

a)

光源部  光源部は,光源用放射体,点灯用電源,集光系などで構成する。

1)

光源用放射体  光源用放射体は,次のとおりとする。

タングステンランプ  320 nm 以上の長波長域で用いる。

ハロゲンランプ  320 nm 以上の長波長域で用いる。

重水素放電管  160∼400 nm の波長域で用いる。

低圧水銀ランプ  253.65  ∼ 579.07 nm の波長域で多くの輝線を光源として用いる。

その他の光源  キセノンランプ,高輝度 LED,レーザーなどを用いる。

2)

点灯用電源  点灯用電源は,光源を点灯させ,その輝度を一定に保つ機能をもつものとする。

3)

集光系  集光ミラー,集光レンズなどで構成する。

b)

波長選択部  波長選択部は,色ガラスフィルター,ゼラチンフィルター,干渉フィルター又はこれら

を組み合わせた光学フィルターで構成する。LED,レーザー光などの単色性の光源を用いたものでは,

波長選択部が省かれることもある。

c)

試料部  複光束方式の場合には,測定試料及び対照試料を,単光束方式の場合には,そのいずれかを

光路中に固定する機能をもつもので,吸収セル,吸収セルホルダーなどで構成する。

1)

吸収セル  気体,液体などの測定試料の光路長を一定に保つためのもので,測定波長範囲内で高い

信号処理部

測光部

データ処理部

表示・記録・出力部

光源部

試料部

波長選択部

(光学フィルター)

検出器

増幅器

信号処理部

測光部

表示・記録・出力部

光源部

波長選択部

(光学フィルター)

試料部

検出器

増幅器

データ処理部


     

透過性をもち,測定試料に侵されない材質からなるもの。吸収セルには,角形セル,円筒セル,ミ

クロセル,フローセルなどがある。

2)

吸収セルホルダー  光路中に置かれた吸収セルを固定するもので,測定試料の光路長を一定に保つ

構造のもの。

d)

測光部  測光部は,検出器及び増幅器で構成する。

1)

検出器    入射光の光強度をその強度に比例した電気信号に変換するもので,光電子増倍管,フォト

ダイオード,光伝導セル,光電池,光電管などがある。

2)

増幅器  検出器からの電気信号を,以降の信号処理系において処理しやすい大きさに増幅するもの。

e)

信号処理部  測定に必要な信号を分離し,出力するもので,信号処理の方法にはアナログ処理とデジ

タル処理とがある。

f)

データ処理部  データ処理部では,データ変換などを行う。データ変換には,透過パーセント,反射

パーセント,吸光度変換,濃度変換などがある。その他の機能として検量線作成などがある。

g)

表示・記録・出力部  表示・記録・出力部は,CRT,液晶,LED,プリンターなどで構成する。測定

波長(

1

)

,透過パーセント,反射パーセント,吸光度,濃度などを記録計,プリンターなどに出力する。

また,外部出力端子をもつものもある。

注(

1

)

波長の代わりに,波数(cm

1

,エネルギー(eV),周波数(Hz)なども用いられる。

4.1.2

分光光度計  分光光度計の構成の例を図 及び図 に示す。分光光度計は,光源部,波長選択部,

試料部,測光部,信号処理部,データ処理部,及び表示・記録・出力部で構成する。分光光度計は波長選

択部として,モノクロメーターを用いる。検出の方法には,単一波長における光を検出するもの及び複数

の波長における光を同時に検出するものがある。測光方式には,複光束方式及び単光束方式がある。また,

照射方式には,分光した光を試料に照射するもの及び試料に白色光を照射し,試料を透過した光を分光す

るものがある。

  3  分光光度計の一例(分光した光を試料に照射するもの)

信号処理部

測光部

データ処理部

表示・記録・出力部

増幅器

検出器

試料部

波長選択部

(モノクロメーター)

光源部


5

K 0115

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  4  分光光度計の一例(試料を透過した光を分光するもの)

a)

光源部  光源部は,4.1.1 a)の規定による。

    なお,光源用放射体に重水素放電管を用いる場合,輝線のうち,幾つかは波長校正に用いられる。

b)

波長選択部  波長選択部は,一つ又は複数のモノクロメーターを用いる。モノクロメーターにはシン

グルモノクロメーター,ダブルモノクロメーターなどがある。

c)

試料部  4.1.1 c)による。

d)

測光部  4.1.1 d)によるもののほかに複数の波長における光を同時に検出する検出器としてフォトダ

イオードアレイ,二次元 CCD 撮像素子などがある。

e)

信号処理部  4.1.1 e)による。

f)

データ処理部  データ処理部では,データ変換,スペクトル解析などを行う。データ変換には,反射

パーセント,透過パーセント,吸光度変換,クベルカ−ムンク変換,微分変換などがある。スペクト

ル解析には多変量解析などがある。また,その他,差スペクトル計算,ベースライン補正,検量線作

成,スペクトルデータ検索などがある。

g)

表示・記録・出力部  表示・記録・出力部は,CRT,液晶,LED を用いた表示器,プリンターなどで

構成する。測定波長(

1

)

,透過パーセント,反射パーセント,吸光度,濃度などのほかに,波長(

1

)

と透

過パーセント,反射パーセント,吸光度などとの関係図を記録計,プリンターなどに出力する。また,

外部出力端子をもつものもある。

4.2

装置の性能表示  装置の性能表示は,次のとおりとする。装置の性能試験は,装置を取扱説明書な

どに示された時間,通電した後に行う。

a)

波長正確さ  低圧水銀ランプ又は重水素放電管から放射される輝線又は波長校正用光学フィルター(

2

)

の吸収曲線を測定し,輝線については強度が極大を示す波長,光学フィルターを用いる場合には,吸

収の極大値などを求め,それらに与えられた波長表示値からの偏りで表す。

注(

2

)

ネオジムフィルター,ホルミウムフィルターなどのガラス製光学フィルター,ホルミウム溶液

フィルターなどが用いられる。

b)

波長設定繰返し精度  波長設定繰返し精度は,低圧水銀ランプ又は重水素放電管から放射される同一

輝線スペクトル又は光学フィルターの吸収曲線を複数回繰返し測定したときの波長の読取り値のばら

つきで表す。

c)

分解  分解は,モノクロメーターの出射スリットから射出される光束のスペクトル幅を波長で表す。

低圧水銀ランプ又は重水素放電管から放射される輝線スペクトルを測定し,最大強度の 1/2 となる波

長を長短両波長側に求め,その時の波長差として表す。

測光部

信号処理部

データ処理部

表示・記録・出力部

光源部

試料部

波長選択部

(モノクロメーター)

検出器

増幅器


     

d)

迷光  迷光測定用フィルター(

3

)

を用い,波長選択部から出射する光強度に対する設定波長以外の波長

の光強度の総和の比率で表す。

注(

3

)

米国連邦標準技術局(NIST : National Institute of Standard and Technology)のよう化カリウム溶液

(SRM2032)

,ASTM E387-84 に規定する迷光測定用溶液などがある。

e)

測光正確さ  標準物質(

4

)

の透過パーセント又は吸光度を測定し,その測定値と校正値との差で表す。

注(

4

)

光学フィルターとして NIST の SRM3 種など,溶液として NIST の二クロム酸カリウム溶液

(SRM935)

などがある。

f)

測光繰返し精度  経時変化のない試料を試料部に装着し,透過パーセント又は吸光度を測定する。次

に,試料を取り出し,また,装着し測定を行う。この操作を複数回繰り返したときの測定値のばらつ

きで表す。

g)

ベースライン安定度  試料部に試料を入れないで,一定の測定条件(スペクトル幅,波長など)に固定

し,吸光度ゼロ付近で測定したときの一定測定時間での吸光度の変動幅で表す。

h)

ベースライン平たん度  試料部に試料を入れないで,指定波長領域を走査したときの透過パーセント

又は吸光度の測定値の変動幅で表す。

i)

ノイズレベル  試料部に試料を入れないで,一定の条件下(最大吸光度レベルに拡大)において,短時

間内での吸光度の測定値の変動幅(山から谷)で表す。

4.3

附属装置  附属装置には,次のものがあり,必要に応じて用いる。次のような附属装置には,試料

の温度を維持する機能をあわせもつものもある。

a)

自動試料導入装置(シッパー)  液体試料を吸引し,試料部に導入する装置。試料導入のタイミングに

同期して自動的に透過パーセント,吸光度などを測定し,測定後は排出する機能をもつものなどがあ

る。陰圧で吸引するものとペリスタルティックポンプなどで送液するものがある。

b)

吸収セル交換装置  複数の吸収セルを交換して測定するための装置。手動で切り替えるものと自動的

に交換できるものとがある。

c)

積分球附属装置  積分球の内面に,波長に対して非選択性の拡散反射材料を備えた装置。反射パーセ

ント,透過パーセント,吸光度などの測定に用いる。

d)

試料温度可変装置  試料の温度を上昇,下降,一定にする機能をもつ装置。

e)

正反射測定装置

1)

相対反射測定装置  正反射パーセントを,標準反射板を対照として測定する装置。

2)

絶対反射測定装置  正反射パーセントを,絶対値として測定する装置。入射角が変えられる装置も

ある。

f)

フィルム保持装置  フィルム状又は板状試料の測定のために用いる試料保持装置。

g)

偏光装置  偏光特性をもたせる装置。偏光による光の透過特性及び反射特性の測定に用いる。

4.4

付加機能  主な付加機能には,次のものがあり,必要に応じて用いる。

a)

測定に対する付加機能

繰返し測定

経時変化測定

b)

スペクトルに関する付加機能

スペクトルの拡大,縮小

スムージング

ピーク検出


7

K 0115

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透過パーセント−吸光度変換

クラマース−クロニッヒ変換

クベルカ−ムンク変換

軸単位の変換(波長,波数,エネルギーなど)

吸収ピークなどの高さ又は面積計算

微分計算

ベースライン補正

c)

スペクトル間演算の付加機能

スペクトル間の四則演算

差スペクトル

d)

スペクトルからの情報抽出に関する付加機能

定性情報,スペクトルデータ検索,データベース作成

定量情報,濃度変換,統計処理

e)

データの保存

装置に内蔵された形式による保存

JCAMP-DX

など互換性をもつ形式による保存

テキストファイル形式による保存

5.

操作方法

5.1

装置の設置条件  装置の設置条件は,次のとおりとする。ただし,製造業者などによって装置の設

置条件が定められている場合にはそれに従う。

a)

電磁誘導の影響を与える装置が近くにはない。

b)

強い振動又は継続的な振動がない。

c)

ほこりが少ない。

d)

腐食性ガスがない。

e)

直射日光が当たらない。

f)

環境温度は,15∼35℃とする。

g)

相対湿度 45∼80  %で変化が少なく,結露しない。

5.2

波長目盛及び吸光度目盛の校正

5.2.1

波長目盛の校正  波長目盛の校正は,次のとおりとする。

a)

ガラス製光学フィルターを用いる方法  波長の校正値が確定されたガラス製光学フィルターを,吸収

セルホルダーに入れ,校正値の波長付近における透過パーセント及びそれが極小値を示す波長を測定

し,校正値と比較し校正を行う。より厳密な校正を必要とするときは,次のランプの輝線による方法

を用いる。

備考 NIST のホルミウム溶液(SRM2034)などの溶液フィルターを用いることもできる。

b)

輝線を用いる方法  低圧水銀ランプ又は重水素放電管の光強度の測定を行い,その極大強度を示す波

長を求め,

表 に示す輝線の波長と比較して校正を行う。


     

  1  輝線による波長校正に使用する光源と波長

単位  nm

ランプ

波長

低圧水銀ランプ 253.65   365.02(

5

)

   435.84   546.07

重水素放電管 486.00   656.10

(

5

)

スペクトル幅 0.5 nm 以下で行うことが望ましい。 

5.2.2

吸光度目盛の校正  吸光度目盛の校正は,附属書 又は附属書 による。

5.3

測定試料の調製  測定試料の調製は個別規格に規定する方法によって行う。

5.4

装置操作条件の設定  装置操作条件の設定は,次の項目について行う。

5.4.1

特定波長における吸収の測定  特定波長における吸収の測定は,次による。

a)

測定モード(

6

)

の選択,設定

注(

6

)

透過パーセント,反射パーセント,吸光度,濃度を指す。又はエネルギーに関連する量を指す

こともある。透過パーセント,反射パーセント,吸光度が主に用いられるが,これら以外のも

のについてはそれぞれの取扱説明書による。

b)

測定波長(

1

)

の選択・設定

c)

光源,検出器の選択・設定

d)

スペクトル幅の選択・設定

e)

吸収セルの選択

5.4.2

特定波長範囲における吸収曲線の測定  特定波長範囲における吸収曲線の測定は,次による。

a)

測定モード(

6

)

の選択・設定

b)

測定波長範囲(

1

)

の設定

c)

スペクトル幅の選択・設定

d)

波長走査速度の選択・設定

e)

応答速度の選択・設定

備考  フォトダイオードアレイを用いた装置には,積算回数,露光時間を設定できるものがある。

f)

吸収セルの選択

5.5

測定準備  測定準備操作は,次の手順で行う。

5.5.1

特定波長における吸収の測定  特定波長における吸収の測定は,次による。

a)

装置が安定に作動していることを確認する(

7

)

注(

7

)

装置が安定に作動していることを指示又は表示できる装置がある。又は 9.1 を参照。

b)

複光束方式の場合は試料光路に,又は単光束方式の場合は光路に,シャッターを入れて(又は閉じて)

光を遮り,透過パーセントの指示・表示値をゼロに合わせる。

c)

シャッターを抜いて(又は開いて)透過パーセントの指示・表示値を 100 に合わせる。

d)

再度,b)及び c)の操作を繰り返し,指示・表示値に変動がないことを確認する(

8

)

注(

8

)    a)

d)の操作を自動的に行う機能のあるものについては,装置の取扱説明書による。

フォトダイオード検出器を用いた装置の場合には,出力のゼロ補正を行うものがある。

5.5.2

特定波長範囲における吸収曲線の測定  特定波長範囲における吸収曲線の測定は,次による。

a)

装置が安定に作動していることを確認する(

7

)

b)

測定波長範囲内の特定波長において,5.5.1 b)∼d)の操作を行う。

c)

複光束方式の場合は試料光路に,又は単光束方式の場合は光路に,シャッターを入れて(又は閉じて)


9

K 0115

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光を遮り,測定波長範囲での透過パーセントの指示・表示値がゼロであることを確認する。

d)

シャッターを抜いて(又は開けて),透過パーセントの 100 又は吸光度ゼロの測定値が測定波長範囲で

平たんであることを確認する(

8

)

6.

特定波長における吸収の測定  5.5.1 の測定準備を行った後,次の手順によって測定する。

6.1

複光束方式における測定  複光束方式における測定は,次の手順による。

a)

対照試料(

9

)

を試料光路及び対照光路の両光路に置き,透過パーセントを 100 に又は吸光度をゼロに合

わせる。

なお,この操作を対照試料なしで行い,データ処理によって同等の結果を得ることができる。

注(

9

)

対照試料を用いない測定又は構造的に対照試料を置けない装置もある。これらの場合には,個

別の装置の取扱説明書に従う。

b)

測定試料(

10

)

を試料光路に,対照試料を対照光路にそれぞれ置き,透過パーセント又は吸光度を読み取

る。対照試料なしで行ったときは,データ処理によって同等の透過パーセント又は吸光度を得ること

もできる。

注(

10

)

固体試料の場合には,個別の装置の取扱説明書に従う。

c)

必要ならば,セルブランク値を補正する。

6.2

単光束方式における測定  単光束方式における測定は,次の手順による。

a)

対照試料(

9

)

を光路に置き,透過パーセントを 100 に又は吸光度をゼロに合わせる。

b)

測定試料を光路に置き,透過パーセント又は吸光度を測定する。

c)

必要がある場合には,a)及び b)の操作を繰り返し,指示値のばらつきが小さいことを確認する。

d)

必要ならば,セルブランク値を補正する。

6.3

セルブランク値の測定  測定波長範囲において,試料セルと対照セルの光学的特性が一致している

ことが望ましい。ベースライン補正機構をもつ装置では,この補正を行う必要はない。ただし,特性が一

致しなくとも,その差が小さい場合には,吸収セルについてセルブランク値を測定し,補正を行うことが

できる。

a)

試料セル,対照セルに同一溶媒を入れ,それぞれ測定試料及び対照試料とし,6.1 又は 6.2 によって測

定を行う。

なお,溶媒として測定波長範囲で吸収が少ないものを用いる。

b)

透過パーセントを測定したときは,吸光度に換算する。

c)

得られた値を,対照セルに対する試料セルのセルブランク値とする。セルブランク値を決定したセル

は,同一の組合せセルとして用いなければならない。

7.

特定波長範囲における吸収曲線の測定  5.5.2 の測定準備を行った後,次の手順によって測定する。

7.1

複光束方式における測定  複光束方式における測定は,次による。

a)

目的とする波長範囲の片端の波長(

11

)

に,装置の波長目盛を合わせ,波長を設定する。

注(

11

)

長波長側への設定又は短波長側への設定については装置によって異なるため,設定位置の決定

は,装置の取扱説明書による。

b)

記録式の場合は,目的とする波長範囲を走査し,各波長(

1

)

での透過パーセント又は吸光度を測定,記

録する。必要のある場合には,セルブランク値を補正し,吸収曲線を作成する。

c)

手動式の場合は,次の手順による。


     

1)

試料に応じ,適切な波長間隔(

12

)

で 6.1 の操作を繰り返す。

注(

12

)

液体試料では,例えば 10 nm 間隔で測定するが,鋭い吸収をもつ気体試料などでは,一般に,

更に波長間隔を狭くして測定する。

2)

必要がある場合には,セルブランク値を補正する。

3)

横軸を波長(

1

)

,縦軸を透過パーセント又は吸光度とし,測定点をプロットして吸収曲線を作成する。

7.2

単光束方式における測定  単光束方式における測定は,次による。

a)

目的とする波長範囲の片端の波長(

11

)

に,装置の波長目盛を合わせ,波長を設定する。

b)

記録式の場合は,目的とする波長範囲(

1

)

を走査し,各波長での透過パーセント又は吸光度を測定する。

必要がある場合には,セルブランク値を補正し,吸収曲線を作成する。

c)

手動式の場合は,次の手順による。

1)

試料に応じ,適切な波長間隔(

12

)

で 6.2 の操作を繰り返す。

2)

必要がある場合には,セルブランク値を補正する。

3)

横軸を波長(

1

)

,縦軸を透過パーセント又は吸光度とし,測定点をプロットして吸収曲線を作成する。

8.

定量  定量分析は,濃度既知の試料群の吸光度から求めた検量線,又は吸光度の時間変化を用いて,

測定試料の濃度又は特性値を算出して行う。定量方法には,次の方法がある。

備考1.  定量方法には,この規格に規定する方法のほかに,モル吸光係数などを用いて濃度を算出す

る方法もある。

2.

通常,定量には,液体又は気体試料が用いられるが,濃度既知の試料がある場合には,固体

試料でも定量分析ができる。固体試料では,表面反射・散乱などの定量分析に及ぼす影響に

留意する。

8.1

検量線法  分析種の濃度が既知で,濃度が異なる幾つかの検量線用試料について,吸光度の測定を

行い(

13

)

,吸光度と分析種の濃度との関係式によって表された検量線を作成する。次に,測定試料の測定を

行い,試料に含まれている分析種の濃度を関係式によって算出し,定量を行う。

注(

13

)

試料と同一の前処理を行い,同一条件で測定することが望ましい。

実際の手順は,検量線用試料を個別規格に規定した方法によって調製し,これらの溶液の吸光度を測定

する。検量線用試料中の分析種の濃度を横軸に,吸光度を縦軸にとり,検量線を作成する(

14

)

検量線の一例を

図 に示す。この検量線によって,分析種の濃度を求める(

15

)(

16

)(

17

)(

18

)

注(

14

)

分析種及び共存物質が懸濁質である場合,解離,会合を起こすような場合,又は分析種の濃度

が高すぎる場合などは,検量線が直線にならない場合がある。試料が懸濁している場合は,試

料による吸光度に加え,散乱による光の減衰が観測されるため,分析種による吸光度を正確に

測定できないことがある。

(

15

)

検量線は,直線を示す範囲内での使用が望ましい。曲線となる場合には,濃度によっては測定

精度が悪くなる場合がある。

(

16

)

検量線用試料は,分析種の濃度が内挿値となるような濃度に調製することが望ましい。

(

17

)

検量線が直線で,原点を通ることが確認されている場合には,予想される分析種の濃度より高

い濃度の検量線用試料を用いて,一点の測定点だけで検量線を作成することができる。

(

18

)

試料が懸濁している場合は,試料による吸光度に加え,散乱による光の減衰が観測されるため,

定量を行うことができない。このような場合,散乱だけによる吸収が観測される波長の吸光度

をバックグラウンドとして,試料による吸収,散乱による吸収がともに含まれる波長の吸光度


11

K 0115

:2004

     

から差し引いた吸光度を使用することによって,定量が可能になることもある。バックグラウ

ンド波長として,2 波長を用いることもある。

  5  検量線法の一例

8.2

標準添加法  定量する同一試料溶液から 4 個以上の一定量の試料をとる。1 個を除き,これに分析種

の濃度が既知である溶液を,それぞれ濃度が段階的に異なるように加える。これらの試料及び先に除いた

1

個の試料を,必要な場合には,それぞれ発色操作を行った後,一定量として測定試料を調製し,吸光度

を測定する。それぞれに加えた分析種の濃度を算出し,標準液の添加による分析種の濃度の増加量を横軸

(

19

)

に,吸光度を縦軸にとり,関係式を作成する。関係線と横軸との交点(

図 に示す点 X)から分析種の濃

度又は量を求める(

20

)

注(

19

)

分析種の濃度と一定濃度・濃度既知の標準液の添加量又は一定量の添加回数との間に比例関係

が成立するため,横軸に添加量又は添加回数をとることができる。

(

20

)

標準添加法は,関係式が一次で,かつ,吸光度から空試験値を補正した値で作成した検量線が

原点を通過する場合にだけ適用する。

分析種の濃度

吸光度

検量線

測定試料の吸光度

測定試料の

分析種の濃度


     

  6  標準添加法の一例

8.3

その他の定量方法  主にたん白・核酸の定量に使われる方法として,次の種類がある。

a)  260 nm

の吸光度だけを用いる方法  検量線を用いない簡便法として,おおよその濃度係数を 260 nm

における吸光度に乗じて定量を行う。

b)

比演算(RATIO)による方法  260 nm の測光値と 280 nm の測光値の比を計算し,精製度を確認する指

標にする。比演算の期待値との割合を%で表示し,純度とすることもある。

c)

2

波長を用いる方法    2 種類の物質が存在する場合,二つの波長を測定すれば,観察される吸光度がそ

れぞれ 2 成分の和と考えることができる。したがって,それぞれの濃度を変数とした連立方程式を解

くことによって,濃度を定量する。

8.4

レートアッセイ  酵素の反応速度分析(酵素の触媒濃度の測定)に用いられる方法である。定量す

る試料を試料セルに入れ,吸光度の時間変化を測定する。単位時間当たり(通常は 1 分間)の吸光度変化

を計算し,係数を乗じ酵素の触媒濃度を計算する。

8.5

定量値の表し方  定量値の表し方は,JIS K 0050 の 4.(単位及び記号並びに比率)及び 6.(検量線

用溶液及び滴定用溶液)による。

9.

データの質の管理  データの質の管理には,次の項目が重要である。

9.1

装置の性能確認  次に示す項目から必要なものを選択し,日常点検,定期点検によって装置の性能

を確認し,装置のバリデーションを行う。定期点検は標準操作手順書(SOP: Standard Operating Procedure)

を作成し,標準操作手順書によって行うと便利である。また,装置バリデーション用のソフトウェアが用

意されている場合は,ソフトウェアによって行うこともできる。

a)

波長正確さ

b)

測光正確さ

c)

分解

d)

ベースライン安定性

e)

ベースライン平たん度(複光束方式の場合だけ)

f)

迷光

吸光度

標準液の添加による分析種濃度の増加量

試料溶液による吸光度

標準液の添加による吸光度の増加


13

K 0115

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備考  必要に応じて,上記以外の項目を追加することもできる。

9.2

適切な試料の調製  測定対象に応じて,5.3 に示した内容に従って適切な調製を行う。

10.

測定結果の記録  測定結果は,必要に応じて,次の事項を記録する。

a)

測定年月日及び測定者名

b)

試料名

c)

分析種

d)

測定方法

e)

装置の名称及び形名

f)

校正の時期及び方法

g)

測定波長

h)

スペクトル幅

i)

吸収セルの材質

j)

吸収セルの形状

k)

吸収セルの光路長又はセルの内径

l)

対照試料

m)

空試験値

11.

個別規格に記載すべき事項  吸光光度分析法を用いる個別規格には,少なくとも次の事項を記載しな

ければならない。

a)

分析種及び定量範囲

b)

試料の採取方法及び保存方法

c)

試料の前処理及び測定試料の調製方法(分解,分離,濃縮,試薬,反応条件など)

d)

測定条件

1)

測定装置の種類

2)

測定波長

3)

吸収セルの種類(材質,光路長など)

4)

対照試料の種類

5)

測定試料調製から測定までの時間

6)

吸収曲線の例示

e)

定量方法の種類

f)

分析結果の表示


     

附属書 1(規定)光学フィルターによる吸光度目盛の校正方法

1.

適用範囲  この附属書は,分光光度計の可視及び紫外領域の吸光度目盛の光学フィルターによる校正

方法について規定する。

2.

校正  校正は,校正用光学フィルターを用い,次の項目を行う。

a)

分光光度計の準備及び測定を本体に従って行う。

b)

測定波長,スペクトル幅,校正用光学フィルターに当たる光束の位置,校正用光学フィルターの温度

などは,値付けされたときの条件に設定する。

c)

各校正用光学フィルターの透過パーセント又は吸光度を測定する。対照試料として空気を用いる。

d)

測定された透過パーセント又は吸光度を,認証書に与えられた値と比較して校正する。


15

K 0115

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附属書 2(規定)溶液による吸光度目盛の校正方法

1.

適用範囲  この附属書は,分光光度計の吸光度目盛の溶液による校正方法について規定する。

2.

試薬  試薬は,次のとおりとする。

a)

二クロム酸カリウム  JIS K 8005 に規定する二クロム酸カリウム。

b)

過塩素酸(0.001 mol/L)  JIS K 8223 に規定する過塩素酸。

c)

水  JIS K 0557 に規定する A4 の水又はこれと同等の品質をもつ水。

3.

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

a)

化学はかり  質量が 0.1 mg 以下のけたまでひょう量が可能なもの。

b)

吸収セル  光路長が 10 µm の単位まで確認された 10 mm セル。

c)

温度計  試料セル中の校正用溶液の温度が,0.1  ℃まで測定できるもの。

d)

電気定温乾燥器  150  ℃が保持でき,清浄なもの。

4.

校正用溶液の調製  校正用溶液の調製は,次のとおりとする。

a)

二クロム酸カリウムの適量をめのう乳鉢中で砕き,

電気定温乾燥器中で 150  ℃に約 1 時間加熱した後,

デシケーター中で放冷する。二クロム酸カリウム 100  %に対し,その 500 mg を 0.1 mg のけたまでは

かりとり,過塩素酸(0.001 mol/L)を加えて溶かし,質量 50.000 g とする。この溶液 1 g 中には二ク

ロム酸カリウム 10 mg を含む。

b)  a)

の溶液の適量を質量単位ではかりとり,過塩素酸(0.001 mol/L)を質量単位で加え,それぞれ 20 mg/kg,

40 mg/kg

,60 mg/kg,80 mg/kg 及び 100 mg/kg の二クロム酸カリウム−過塩素酸溶液になるように調製

する。

c)

この溶液は,使用直前に調製する。

5.

校正方法  調製した校正用溶液を用い,次のようにして校正を行う。

a)

分光光度計の準備及び測定を規格本体に従って行う。

b)

試料セルに校正用溶液を入れる。次の校正用溶液と入れ換えるときは,少なくともその溶液で 3 回洗

う。

c)

試料セルをセルホルダーに装着した状態で,測定時の校正用溶液の温度を測定する(

1

)

なお,測定時の温度  (t)  は 20∼30  ℃の間とする。

注(

1

)

装置によっては,測定中にセル内が昇温することがある。この場合は,セル内の液温変化によ

く注意する。

d)

測定波長及びスペクトル幅は,

附属書 表 のとおりとする。


     

附属書   1  測定波長及びスペクトル幅

単位  nm

波長 235        257       313        350

スペクトル幅 1.2 以下    0.8 以下  0.8 以下    0.8 以下

e)

各校正用溶液の吸光度を測定し,式(1)によって E

0

(t)

を算出する。

c

b

A

t

E

×

=

)

(

0

(1)

ここに,

A

:  測定された吸光度

b

:  光路長(cm)(10 µm のけたまで読んだもの)

c

:  二クロム酸カリウム溶液の濃度(g/kg)

E

0

(t)

:  温度 におけるモル吸光係数

f)

e)

で求めた E

0

(t)

を,式(2)によって E

0

(23.5)

に換算する。

(

)

úû

ù

êë

é

+

=

5

.

23

100

1

)

(

)

5

.

23

(

0

0

t

G

t

E

E

(2)

ここに,

t

:  測定時の校正用溶液の温度(℃)(小数点以下 1 けたまで読み取

ったもの)

G

附属書 表 に示した温度計数(K

−1

)

附属書   2  E

0

の温度係数

波長

nm

G

K

−1

235

257

313

350

−0.05 
−0.05

−0.02 
−0.05 

g)

算出されたそれぞれの E

0

(23.5)

は,

附属書 表 の中で対応する測定波長及び校正用溶液の濃度にお

ける E

a

と比較を行い,式(3)によって補正係数 を求める。

(

)

5

.

23

0

a

E

E

f

=

(3)

附属書   3  吸光度校正用溶液の E

a

(

液温 23.5℃)

単位

kg

・g

1

・cm

1

波長    nm

濃度  mg/kg

235

      257      313      350

 20

 40

 60

 80

100

12.260

    14.262    4.805    10.672

12.304

    14.318    4.811    10.682

12.347

    14.374    4.816    10.692

12.390

    14.430    4.821    10.701

12.434

    14.486    4.827    10.711


17

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h)

補正係数 を用いて式(4)によって測定された吸光度の補正を行い,装置の目盛を校正する。

A

f

A

×

=

cal

(4)

ここに,

A

cal

吸光度目盛の校正値

6.

校正用溶液の使用上の注意  校正用溶液は,毒物及び劇物取締法,労働安全衛生法,  廃棄物の処理及

び清掃に関する法律,

下水道法などの適用を受けるものであり,

取扱い,

廃棄に当たっては十分注意する。

製造業者などから出されている製品安全データシート(MSDS)に記載されている取扱い及び保管上の注意,

廃棄上の注意などを参考とし,適切な取扱いをする。

関連規格  JIS K 0134    近赤外分光分析通則