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K 0109:2014  

(1) 

 
 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 一般事項 ························································································································· 2 

4 分析方法の種類及び概要 ···································································································· 3 

5 試料ガス採取方法 ············································································································· 3 

5.1 試料ガス採取 ················································································································ 3 

5.2 試薬及び試薬溶液の調製 ································································································· 3 

5.3 器具及び装置 ················································································································ 4 

5.4 採取操作 ······················································································································ 6 

5.5 試料ガスの採取量 ·········································································································· 7 

6 分析用試料溶液及び試料ガスの調製 ····················································································· 8 

6.1 ガスクロマトグラフ法の場合···························································································· 8 

6.2 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合 ····························································· 8 

7 定量方法 ························································································································· 8 

7.1 ガスクロマトグラフ法 ···································································································· 8 

7.2 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法 ····································································· 12 

8 分析結果の記録 ··············································································································· 14 

8.1 分析値のまとめ方 ········································································································· 14 

8.2 記録項目 ····················································································································· 14 

附属書A(規定)イオン電極法 ······························································································ 18 

附属書B(規定)イオンクロマトグラフ法 ················································································ 23 

附属書C(参考)ガスクロマトグラフ法に用いる試料採取方法 ····················································· 28 

K 0109:2014  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

環境測定分析協会(JEMCA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工

業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工

業規格である。 

これによって,JIS K 0109:1998は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 0109:2014 

排ガス中のシアン化水素分析方法 

Methods for determination of hydrogen cyanide in flue gas 

適用範囲 

この規格は,排ガス中のシアン化水素を分析する方法について規定する。この規格において,排ガスと

は,化学反応,燃焼などに伴って煙道,煙突,ダクト(以下,これらをダクトという。)などに排出される

ガスをいう。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0095 排ガス試料採取方法 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0122 イオン電極測定方法通則 

JIS K 0127 イオンクロマトグラフィー通則 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8044 三酸化二ひ素(試薬) 

JIS K 8085 アンモニア水(試薬) 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8121 塩化カリウム(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8318 p-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8374 酢酸鉛(II)三水和物(試薬) 

JIS K 8443 シアン化カリウム(試薬) 

JIS K 8495 p-ジメチルアミノベンジリデンロダニン(試薬) 

JIS K 8500 N,N-ジメチルホルムアミド(試薬) 

JIS K 8548 硝酸カリウム(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) 

K 0109:2014  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8588 アミド硫酸アンモニウム(試薬) 

JIS K 8622 炭酸水素ナトリウム(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8646 デキストリン水和物(試薬) 

JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬) 

JIS K 8830 ウラニン(試薬) 

JIS K 8906 モリブデン(VI)酸二ナトリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 8953 硫酸亜鉛七水和物(試薬) 

JIS K 8960 硫酸アンモニウム(試薬) 

JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬) 

JIS K 9020 りん酸水素二ナトリウム(試薬) 

JIS K 9548 3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン(試薬) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS Z 8808 排ガス中のダスト濃度の測定方法 

一般事項 

一般事項は,次による。 

a) 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050による。 

b) 排ガス試料採取に共通する一般事項は,JIS K 0095による。 

c) ガスクロマトグラフィーに共通する一般事項は,JIS K 0114による。 

d) 吸光光度法に共通する一般事項は,JIS K 0115による。 

e) イオン電極測定方法に共通する一般事項は,JIS K 0122による。 

f) 

イオンクロマトグラフィーに共通する一般事項は,JIS K 0127による。 

g) 分析用に用いる水は,JIS K 0557の4.(種別及び質)に規定するA2又はA3のもの,又はこれらと同

等のものを用いる。 

h) 試薬は,該当する日本工業規格がある場合には,その種類の最上級又は適切な品質のものを用いる。

ただし,該当する日本工業規格がない場合には,分析に支障のない品質のものを用いる。 

i) 

標準液は,トレーサビリティが確保されたもの又はそれを一定濃度に薄めたもののほか,各試験項目

で調製方法を規定するものを用いる。 

j) 

装置及び器具は,指定した機能を満足するものを用いる。 

k) シアン化水素の分析に用いた排ガス,排ガスの吸収液などは,有害なシアン化物イオンを含んでいる

ので,次亜塩素酸ナトリウム溶液で分解処理するか,シアン含有廃液として適切に処理する。 

注記1 トレーサビリティが確保された試薬としては,国家計量標準(計量法第134条)に規定する

JCSSマークを付けたものがある。 

注記2 この規格に示すvol ppm及びmg/m3は標準状態[273.15 K(0 ℃),101.32 kPa]における体

積分率及び質量濃度である。 

注記3 ガスクロマトグラフィーとガスクロマトグラフ法とは同じ意味である。 

注記4 イオンクロマトグラフィーとイオンクロマトグラフ法とは同じ意味である。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

分析方法の種類及び概要 

分析方法の種類及び概要は,表1による。 

表1−分析方法の種類及び概要 

分析方法の 

種類 

分析方法の概要 

適用条件 

要旨 

試料採取 

定量範囲 

vol ppm 

(mg/m3) 

ガスクロマト
グラフ法 

試料ガスを熱イオン化検出器付
きガスクロマトグラフに直接導
入してクロマトグラムを得る。 

注射筒法 

0.2〜34.4 
(0.3〜41.7) 

7.1.1による。 

4-ピリジンカ
ルボン酸-ピラ
ゾロン吸光光
度法 

試料ガス中のシアン化水素を吸
収液に吸収させた後,4-ピリジ
ンカルボン酸-ピラゾロン溶液
を加えて発色させ,吸光度を測
定する。 

吸収瓶法 
吸収液:水酸化ナトリウム溶
液(5 mol/L) 
液量:50 mL a)×2本 
標準採取量:10 L 

0.5〜8.6 b) 
(0.6〜10.4) 

7.2.1による。 

注a) 吸収瓶(容量250 mL)を用いたときの吸収液量。 

b) 試料ガスを通した吸収液100 mLを250 mLに希釈して分析用試料溶液とした場合。ここに示した定量範囲は,

試料ガスの標準採取量,分析用試料液量及び検量線の最適範囲から求めたものである。定量範囲を超える濃
度を測定する場合には,分析用試料溶液を定量範囲内に希釈して測定する。 

なお,表1の方法のほかに,附属書Aにイオン電極法,附属書Bにイオンクロマトグラフ法を規定し,

附属書Cにガスクロマトグラフ法に用いる試料採取方法を記載する。 

試料ガス採取方法 

5.1 

試料ガス採取 

試料ガスの採取方法は,次による。 

試料ガスの採取位置は,代表的なガスが採取できる点を選び,同一採取位置において,できるだけ時間

間隔を空けずに,通常2回以上試料ガスを採取し,それぞれ分析に用いる。 

5.2 

試薬及び試薬溶液の調製 

5.2.1 

試薬 

試薬は,次による。 

a) 三酸化二ひ素 JIS K 8044に規定するもの。 

b) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。 

5.2.2 

試薬溶液の調製 

a) 吸収液 吸収液は,次による。 

1) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合 水酸化ナトリウム溶液(5 mol/L)とする。水

酸化ナトリウム200 gをとり,水に溶かして1 000 mLとする1)。 

注1) 試料ガス中に塩素などの酸化性ガスが共存する場合は,三酸化二ひ素溶液[三酸化二ひ素

1 gに水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)10 mLを加え,加熱溶解したもの]1 mLを加えて

おく。この吸収液を使用した場合は,廃液に有毒なひ素化合物が含まれるので,その廃液

の取扱いに注意する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 試薬溶液 

1) 水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L) ガス洗浄瓶に入れるためのもので,水酸化ナトリウム4 gを水

に溶かして100 mLとする。 

5.3 

器具及び装置 

5.3.1 

吸収瓶 

吸収瓶は,次による。 

a) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合 図1で例示する吸収瓶(250 mL)のうちいずれ

かを2個連結して用いる。 

単位 mm ( )内は100 mL用,( )外は250 mL用 

a) ガラスろ過板 

b) ガラスボール形又は円筒形フィルター 

c) 枝管付きガラスフィルター 

 ガラスろ過板,ガラスボールフィルター,ガラスフィルターの細孔は,JIS R 3503に規定する細孔記号1又は2を

用いる。 

図1−吸収瓶の例 

5.3.2 

試料ガス採取装置 

試料ガス採取装置は,次による。 

a) ガスクロマトグラフ法の場合 図2に例示する構成のものを用いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 A:試料ガス採取管 

E1,E2:シリコーンゴム管 

I:乾燥管 

B:保温材 

F:吸収瓶(100 mL) 

J:吸引ポンプ 

C:ろ過材 

G:流路切替三方コック 

K:ガス洗浄瓶(100 mL)[水酸化ナトリウム溶液 

D:ヒーター 

H:注射筒 

 (1 mol/L)を入れる] 

図2−試料ガス採取装置の例(ガスクロマトグラフ法) 

図2の採取装置は,次の条件を備えていなければならない。 

1) 試料ガス採取管(A)の材質は,排ガス中の腐食性ガスによって侵されず,測定対象物質が吸着し

ないもの,例えば,ステンレス鋼管,ほうけい酸ガラス管,石英ガラス管,四ふっ化エチレン樹脂

管などを用いる。 

2) 試料ガス中にダストなどが混入することを防ぐため,試料ガス採取管(A)の先端又は適切な位置

に適切なろ過材(C)を詰める。ろ過材(C)は,排ガス中の成分と化学反応を生じない材質のもの,

例えば,シリカウール,無アルカリガラスウールを用いる。 

3) 試料ガス中の水分が凝縮することを防ぐため,試料ガス採取管(A)からシリコーンゴム管(E1)

までの間を120 ℃程度に加熱する。 

4) 試料ガス採取管(A)からシリコーンゴム管(E1)までの加熱される接続部分は,ステンレス鋼管,

ほうけい酸ガラス管,ふっ素ゴム管,シリコーンゴム管,四ふっ化エチレン樹脂管などを用いる。 

5) 装置各部を接続する場合にガス漏れがないように組み立てる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合 図3に例示する構成のものを用いる。 

A: ろ過材 

J: 乾燥管 

B: 試料ガス採取管 

K1,K2: 流量調節コック 

C: 試料ガス採取口 

L: 吸引ポンプ 

D: 温度計 

M: 湿式ガスメーター 

E1,E2: ヒーター 

N: 温度計 

F1,F2: 吸収瓶(容量約100 mL又は250 mL) 

O: マノメーター 

G: フランジ 

P1,P2: 流路切替三方コック 

H: ガス洗浄瓶[水酸化ナトリウム溶液 

Q: 水銀マノメーター 

 (1 mol/L)50 mLを入れる。] 

R: バイパス 

図3−試料ガス採取装置の例(4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法) 

図3の採取装置は,次の条件を備えていなければならない。 

1) 試料ガス採取管(B)の材質は,排ガス中の腐食性ガスによって侵されず,測定対象物質が吸着し

ないもの,例えば,ステンレス鋼管,ほうけい酸ガラス管,石英ガラス管,四ふっ化エチレン樹脂

管などを用いる。 

2) 試料ガス中にダストなどが混入することを防ぐため,試料ガス採取管(B)の先端又は適切な位置

に適切なろ過材(A)を詰める。ろ過材(A)は,排ガス中の成分と化学反応を生じない材質のもの,

例えば,シリカウール,無アルカリガラスウールを用いる。 

3) 試料ガス中の水分が凝縮することを防ぐため,試料ガス採取管(B)から流路切替三方コック(P1)

までの間を加熱できる構造とする。配管はできるだけ短くし,水分が凝縮するおそれがある場合に

は,採取管から流路切替三方コック(P1)の間を120 ℃程度に加熱する。 

4) 試料ガス採取管(B)から流路切替三方コック(P1)までの加熱される接続部分は,ステンレス鋼

管,ほうけい酸ガラス管,ふっ素ゴム管,シリコーンゴム管,四ふっ化エチレン樹脂管などを用い

る。 

5) 装置各部を接続する場合にガス漏れがないように組み立てる。 

5.4 

採取操作 

採取操作は,次による。 

K 0109:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) ガスクロマトグラフ法の場合 ここに示す装置の記号は,図2による。 

1) 吸収瓶(容量100 mL)(F)を用い,吸収液は入れない。 

2) 吸引ポンプ(J)を作動させて,流路切替三方コック(G)を切り替え,試料ガス採取管(A)から

吸収瓶(F)内を試料ガスで置換する。 

3) 流路切替三方コック(G)を全方向(水平方向及び上方向)に開く。 

4) 注射筒(H)を用いて試料ガスの吸引と排気とを数回繰り返し,注射筒(H)内を試料ガスで十分置

換した後,注射筒(H)内に試料ガスを採取する。 

5) 試料ガスは,必要に応じて適当な容量の捕集袋に移し替えて保存又は輸送に用いるか,又は0.2〜5 

mLの注射筒を用い,必要量採取後,手早く注射針を装着し分析に用いる。 

なお,捕集袋は,シアン化水素(HCN)の吸着の少ない材質のものを用いる。 

b) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合 ここに示す装置の記号は,図3による。 

1) 吸収瓶(容量250 mL)(F1及びF2)に,5.2.2 a) の吸収液50 mLをそれぞれ入れる2)。 

2) 流路切替三方コック(P1,P2)をバイパス側に回し,吸引ポンプ(L)を作動させて,試料ガス採取

管(B)から流路切替三方コック(P1)内を試料ガスで置換する。 

注記1 採取装置内に漏れがなく,一定流量に調節が可能な場合,図3のP1からP2間のバイパス

(R)を付けなくてもよい。 

注記2 採取装置内に漏れがないことを,他の手法で確認できる場合には,図3の水銀マノメータ

ー(Q)を付けなくてもよい。 

3) 吸引ポンプ(L)を停止した後,流路切替三方コック(P1,P2)を閉じ,ガスの流れを止める。次に

ガスメーター(M)の指示(V1)を0.01 Lの桁まで読み取る。 

4) 吸引ポンプ(L)を作動させ,流路切替三方コック(P1,P2)を回して試料ガスを吸収瓶(F1及び

F2)2) に通す。このとき流量調節コック(K1,K2)を調節して,流量を1 L/min程度にする3)。試料

ガスを約10 L 4) 採取した後,流路切替三方コック(P1,P2)を閉じ,吸引ポンプ(L)を停止し,

ガスメーター(M)の指示(V2)を0.01 Lの桁まで読み取る。同時にガスメーター(M)の温度計

(N)とマノメーター(O)とによってガスの温度及びゲージ圧を測定する5)。また,大気圧を測定

する。 

5) 必要に応じて,試料ガス中の水分をJIS Z 8808の箇条7(排ガス中の水分量の測定)によって測定

する。 

注2) 吸収液が温まる可能性がある場合は,吸収瓶を冷却槽に入れておくとよい。この場合には,

図1のa) に示す吸収瓶を用いた方がよい。 

3) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法で,シアン化水素が吸収液に完全に吸収される

ことがあらかじめ明らかなときは,流量2 L/minまで上げてもよい。 

4) シアン化水素(HCN)の濃度に応じて,適宜,増減してもよい。 

5) 共存酸性ガスによる捕集率の低下を防ぐため,試料ガス採取終了時に,第二吸収瓶中の溶液

のpH値は12以上になっていることが必要である。試料ガス中に多量の二酸化炭素を含む場

合には,特に注意する必要がある。 

5.5 

試料ガスの採取量 

次の式によって,標準状態[273.15 K(0 ℃),101.32 kPa]における試料ガス採取量を,乾きガス量(VSD)

又は湿りガス量(VSW)として算出する。 

a) 乾きガス量で求める場合 

K 0109:2014  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 湿式ガスメーターを用いた場合 

(

)b

a

P

P

P

t

V

V

22.41

32

.

101

273.15

273.15

V

m

a

SD

×

×

 ··································· (1) 

2) 乾式ガスメーターを用いた場合 

(

)b

a

P

P

t

V

V

22.41

32

.

101

273.15

273.15

m

a

SD

×

×

········································· (2) 

b) 湿りガス量で求める場合 

1) 湿式ガスメーターを用いた場合 

(

)c

b

a

P

P

P

t

V

V

22.41

32

.

101

273.15

273.15

V

m

a

SW

×

×

 ······························ (3) 

2) 乾式ガスメーターを用いた場合 

(

)c

b

a

P

P

t

V

V

22.41

32

.

101

273.15

273.15

m

a

SW

×

×

 ···································· (4) 

ここに, 

VSD: 乾きガス量(L) 

VSW: 湿りガス量(L) 

V: ガスメーターで測定したガス量(L) 

[5.4 b) 3)及び4) の操作におけるV2−V1] 

t: ガスメーターにおける温度(℃) 

Pa: 大気圧(kPa) 

Pm: ガスメーターにおけるゲージ圧(kPa)6) 

PV: t ℃における飽和水蒸気圧(kPa)(表2参照) 

a: 吸収液に捕集された分析対象ガス(mol)6) 

b: 吸収液に捕集された分析対象ガス以外のガス(mol)6) 

c: JIS Z 8808の箇条7(排ガス中の水分量の測定)によって

求めた水分の量(mol)6) 

273.15: 0 ℃に対応する絶対温度(K) 

101.32: 1気圧に対応する圧力(kPa) 

22.41: 標準状態における気体1 molの体積(L) 

注6) 無視して差し支えない場合が多い。 

分析用試料溶液及び試料ガスの調製 

6.1 

ガスクロマトグラフ法の場合 

a) 5.4 a) 4) の操作を終えた後,注射筒内の試料ガスを分析用試料ガスとする。 

6.2 

4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法の場合 

分析用試料溶液の調製は,次による。 

a) 5.4 b) の操作を行った後,吸収瓶(F1及びF2)の内容液をビーカー300 mLに移し入れる。 

b) 吸収瓶などを水で洗浄し,洗液を先のビーカーに合わせる。 

c) ビーカーの内容液を全量フラスコ250 mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。これを分析用試料

溶液とする。 

定量方法 

7.1 

ガスクロマトグラフ法 

7.1.1 

適用条件 

K 0109:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この方法は,試料採取時に水分が凝縮しない場合に適用する。 

なお,この方法の定量下限は,分析装置に導入された試料ガス中のシアン化水素量が約0.04 ng,試料ガ

ス導入量0.2 mLの場合,濃度にして約0.3 mg/m3とする。 

7.1.2 

試薬及び試薬溶液の調製 

7.1.2.1 

試薬 

試薬は,次による。 

a) 塩酸 JIS K 8180に規定する特級。 

b) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。 

c) シアン化カリウム JIS K 8443に規定するもの。 

d) 塩化ナトリウム JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質。 

e) 硝酸銀 JIS K 8550に規定するもの。 

f) 

デキストリン水和物 JIS K 8646に規定するもの。 

g) ウラニン JIS K 8830に規定するもの。 

h) p-ジメチルアミノベンジリデンロダニン JIS K 8495に規定するもの。 

i) 

アセトン JIS K 8034に規定するもの。 

7.1.2.2 

試薬溶液の調製 

試薬溶液の調製は,次による。 

a) 塩酸(0.24 mol/L) 塩酸2 mLを水に溶かして100 mLとする。 

b) 水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L) シアン化物イオン標準液の希釈に用いるもので,水酸化ナトリ

ウム4.0 gを水に溶かして1 000 mLとする。 

c) デキストリン溶液 デキストリン水和物2 gを水に溶かし,100 mLとする。使用時に調製する。 

d) ウラニン溶液(2 g/L) ウラニン0.2 gを水に溶かして100 mLとする。 

e) p-ジメチルアミノベンジリデンロダニン-アセトン溶液(0.2 g/L) p-ジメチルアミノベンジリデンロ

ダニン0.02 gをアセトン100 mLに溶かす。 

f) 

0.1 mol/L硝酸銀溶液 硝酸銀8.5 gを少量の水に溶かした後,褐色の全量フラスコ500 mLにとり,水

を標線まで加える。標定は,g) の塩化物イオン標準液(Cl−:0.1 mol/mL)を正確に20 mLとり,水

を加えて約50 mLとし,デキストリン溶液5 mL及び指示薬としてウラニン溶液(2 g/L)3〜4滴を加

え,硝酸銀溶液で滴定し,黄緑の蛍光が消え,沈殿が僅かに赤みを呈するときを終点とする。 

次によってファクターを算出する。 

v

f

20

=

 ···················································································· (5) 

ここに, 

f: 硝酸銀溶液(0.1 mol/L)のファクター 

v: 滴定に要した硝酸銀溶液(0.1 mol/L)の体積(mL) 

g) 塩化物イオン標準液(Cl−:0.1 mol/mL) 容量分析用標準物質の塩化ナトリウムをあらかじめ約

600 ℃で約1時間加熱し,デシケーター中で放冷する。その1.169 gをはかりとり,適量の水に溶かし

て全量フラスコ200 mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。 

h) シアン化物イオン標準液(CN−:1 mg/mL) シアン化カリウム0.63 gを適量の水に溶かして全量フ

ラスコ250 mLに入れ,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)25 mLを加え,更に水を標線まで加える。

標定は,この溶液を正確に100 mLとり,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)5 mL及びp-ジメチルア

ミノベンジリデンロダニン-アセトン溶液(0.2 g/L)0.5 mLを加え,硝酸銀溶液(0.1 mol/L)で滴定す

10 

K 0109:2014  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る。終点は,溶液の色が黄から赤くなったときとする。次の式によってシアン化物イオン標準液の濃

度(mg/mL)を算出する。 

100

1

204

.5

×

×

×f

v

c=

 ·································································· (6) 

ここに, 

c: シアン化物イオン標準液の濃度(mg/mL) 

v: 滴定に要した硝酸銀溶液(0.1 mol/L)の体積(mL) 

f: 硝酸銀溶液(0.1 mol/L)のファクター 

5.204: 硝酸銀溶液(0.1 mol/L)1 mLのシアン化物イオン相当量

(mg) 

i) 

シアン化物イオン標準液(CN−:0.04 mg/mL) 全量フラスコ250 mLにh) のシアン化物イオン標準

液(CN−:1 mg/mL)10 mLを正確にとり,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)を標線まで加える。使

用時に調製する。 

j) 

シアン化物イオン標準液(CN−:0.004 mg/mL) 全量フラスコ100 mLにi) のシアン化物イオン標

準液(CN−:0.04 mg/mL)10 mLを正確にとり,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)を標線まで加え

る。使用時に調製する。 

k) シアン化物イオン標準液(CN−:0.000 4 mg/mL) 全量フラスコ100 mLにj) のシアン化物イオン標

準液(CN−:0.004 mg/mL)10 mLを正確にとり,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)を標線まで加え

る。使用時に調製する。 

7.1.3 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。 

a) 試料導入器 試料ガスの一定量を再現性よく装置内に導入できる気体用シリンジ。 

b) ガスクロマトグラフ 

1) 充塡カラム 内面が清浄な内径2〜3 mm,長さ1.5〜3 mのガラス製の管に,カラム充塡物[ポリこ

はく酸ジエチレングリコールエステル,こはく酸ジエチレングリコールポリエステル,ポリエチレ

ングリコール1540(PEG1540)など]を白色けいそう土担体(粒径74〜104 μm,酸洗処理済)に

10〜20 %含浸したものを充塡したもの,又は内面が清浄な内径2〜3 mm,長さ1.5〜2 mのガラス製

の管に,カラム充塡物[ポーラスポリマー(エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共重合体),

メッシュ50/80]を充塡したもの。共存成分とシアン化水素とを分離できることが確認された場合

は,他のカラムを用いてもよい。 

2) キャピラリーカラム 内径0.53 mm,長さ15〜30 mのポーラスポリマー系PLOTカラムを用いる。

共存成分とシアン化水素とを分離できることが確認された場合は,他のカラムを用いてもよい。 

3) 検出器 熱イオン化検出器 

7.1.4 

分析条件 

a) 充塡カラム 

1) ポリこはく酸ジエチレングリコールエステルカラムなど 

カラム槽温度:70〜80 ℃ 

キャリヤーガス:ヘリウム又は窒素 

キャリヤーガス流量:20〜50 mL/min 

2) ポーラスポリマーカラム 

カラム槽温度:70〜100 ℃ 

キャリヤーガス:ヘリウム又は窒素 

11 

K 0109:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

キャリヤーガス流量:20〜40 mL/min 

b) キャピラリーカラム 

カラム槽温度:100〜130 ℃ 

キャリヤーガス:ヘリウム又は水素 

キャリヤーガス流量:3〜6 mL/min 

7.1.5 

定量操作 

定量操作は,次による。 

a) ガスクロマトグラフを測定可能な状態にし,使用したカラムを7.1.4の分析条件に合わせてカラム槽の

温度を設定し,カラムにヘリウムキャリヤーガスを一定の流量で流しておく。 

b) 気体用シリンジを用いて6.1 a) で調製した試料ガスの一定量を,ガスクロマトグラフに導入し,クロ

マトグラムを記録する。 

c) クロマトグラム上のシアン化物イオンに相当するピークについて,ピーク面積又はピーク高さを求め

る。 

d) 7.1.6の検量線から,試料ガス中のシアン化物イオン量(a)(ng)を求める。 

e) 試料ガスの代わりに空気を用いて5.4 a) の1)〜4) 及び6.1 a) の操作を行う。続いて7.1.5のa)〜c) に

準じて操作し,空試験ガス中のシアン化物イオン量(b)(ng)を求める。 

7.1.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,次による。 

a) 7.1.5 a) と同様に操作してガスクロマトグラフを測定可能な状態にする。 

b) 全量フラスコ10 mLにシアン化物イオン標準液(CN−:0.04 mg/mL)1〜2 mL,シアン化物イオン標

準液(CN−:0.004 mg/mL)1〜4 mL,シアン化物イオン標準液(CN−:0.000 4 mg/mL)1〜4 mLを段

階的にとり,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)をシアン化物イオン標準液分取量と合わせて5 mL

となるように添加する。そのあと塩酸(0.24 mol/L)を標線まで加える7)。 

c) マイクロシリンジ10 μLを用いてこの溶液の一定量をとり,これをガスクロマトグラフに導入し,ク

ロマトグラムを得る。シアン化物イオン量(ng)とピーク面積又はピーク高さとの関係線を作成する。

検量線の作成は,試料の測定時ごとに行う。 

注7) 最終標準液中の塩酸濃度を0.14 mol/Lとすることでクロマトグラムのベースラインのドリフ

トを低減し安定化させるものである。 

7.1.7 

計算 

試料ガス中のシアン化水素(HCN)の濃度を式(7)〜式(9)によって算出する。 

(

)

S

V

861

.0

V

b

a

C

×

 ····································································· (7) 

(

)

S

W

04

.1

V

b

a

C

×

 ······································································ (8) 

CW=CV×1.21 ··········································································· (9) 

ここに, 

CV: 試料ガス中のシアン化水素(HCN)の体積分率(vol ppm) 

CW: 試料ガス中のシアン化水素(HCN)の質量濃度(mg/m3) 

a: 7.1.5 d) で求めたシアン化物イオン(CN−)の質量(ng) 

b: 7.1.5 e) の空試験で求めたシアン化物イオン(CN−)の質量

(ng) 

VS: 試料ガス導入量(mL) 

12 

K 0109:2014  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

0.861: シアン化物イオン(CN−)1 ngに相当するシアン化水素

(HCN)の体積(nL)(標準状態) 

1.04: シアン化物イオン(CN−)1 ngに相当するシアン化水素

(HCN)の質量(ng) 

1.21: シアン化水素(HCN)1 vol ppmに相当するシアン化水素と

しての質量濃度(mg/m3)(27.03/22.41による。) 

7.2 

4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法 

7.2.1 

適用条件 

この方法は,試料ガス中にハロゲンなどの酸化性ガス及びアルデヒド類,硫化水素,二酸化硫黄などの

還元性ガスが共存すると影響を受けるので,その影響を無視できる場合に適用する。 

試料ガス採取量10 Lの場合,シアン化水素濃度が0.6〜10.4 mg/m3のものの分析に適用する。 

なお,0.6 mg/m3以下の場合は,試料ガス量を多くし,また,10.4 mg/m3を超える場合には,分析用試料

溶液を水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)で薄めて使用する。 

7.2.2 

試薬及び試薬溶液の調製 

7.2.2.1 

試薬 

試薬は,次による。 

a) 酢酸 JIS K 8355に規定するもの。 

b) りん酸水素二ナトリウム JIS K 9020に規定するもの。 

c) りん酸二水素カリウム JIS K 9007に規定するもの。 

d) p-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物(クロラミンT) JIS K 8318に規定するもの。 

e) 4-ピリジンカルボン酸ナトリウム四水和物 

f) 

3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン JIS K 9548に規定するもの。 

g) フェノールフタレイン JIS K 8799に規定するもの。 

h) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

i) 

N,N-ジメチルホルムアミド JIS K 8500に規定するもの。 

7.2.2.2 

試薬溶液の調製 

試薬溶液の調製は,次による。 

a) 酢酸(1+1) 水100 mLに酢酸100 mLを少量ずつ加える。 

b) 酢酸(1+8) 水160 mLに酢酸20 mLを加える。 

c) りん酸塩緩衝液(pH7.2) りん酸水素二ナトリウム(無水)17.8 gを水約300 mLに溶かし,りん酸

二水素カリウム溶液(200 g/L)をpH値が7.2になるまで加え,水で500 mLとする。 

d) フェノールフタレイン溶液(1 g/L) フェノールフタレイン0.1 gをエタノール(95)50 mLに溶か

し,水を加えて100 mLとする。 

e) クロラミン溶液(10 g/L) p-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物0.62 gを水に溶か

して50 mLとする。この溶液は,10 ℃以下の冷暗所に保存すれば1週間は使用できる。 

f) 

4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン溶液 3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン0.3 gをN,N-ジメチルホル

ムアミド20 mLに溶かす。別に4-ピリジンカルボン酸ナトリウム四水和物1.8 gを水50 mLに溶かし,

両液を合わせ,水を加えて100 mLとする。この溶液は,10 ℃以下の冷暗所に保存する。 

g) シアン化物イオン標準液(CN−:1 mg/mL) 7.1.2.2 h) に同じ。 

h) シアン化物イオン標準液(CN−:0.00 1 mg/mL) 7.1.2.2 h) のシアン化物イオン標準液(CN−:1 mg/mL)

を1 000倍に希釈したもの。 

13 

K 0109:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2.3 

定量操作 

定量操作は,次による。 

a) 全量フラスコ50 mLに6.2で調製した分析用試料溶液v mL[5〜25 mL:シアン化物イオン(CN−)と

して0.5〜10 μg]を分取する。 

b) フェノールフタレイン溶液(1 g/L)を指示薬として1滴加え,静かに振り混ぜながら液の赤が薄くな

るまで酢酸(1+1)を滴加し,その後,酢酸(1+8)で中和する8)。 

c) りん酸塩緩衝液(pH7.2)10 mL及びクロラミン溶液(10 g /L)0.5 mLを加え,室温で5分間放置する。 

d) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン溶液10 mLを加え,水を標線まで加え,密栓して静かに振り混ぜた

後,25±2 ℃の水浴中に30分間放置する。 

e) この溶液の一部を吸収セルに移し,波長638 nm付近の吸光度を測定する。 

f) 

7.2.4 b) によって作成した検量線から分析用試料溶液中のシアン化物イオン(CN−)の質量(a)(mg)

を求める。 

g) 全量フラスコ250 mLに5.2.2 a) の吸収液100 mLをとり,水を標線まで加える。これを空試験用試料

溶液とする。 

h) 全量フラスコ50 mLにg) で調製した空試験用試料溶液v mLをとり,7.2.3のb)〜e) の操作を行って

吸光度を測定し,同様に7.2.4 b) によって作成した検量線から空試験用試料溶液中のシアン化物イオ

ン(CN−)の質量(b)(mg)を求める。 

注8) 燃焼排ガスなどのように多量の二酸化炭素を含む試料ガスの場合は,中和操作において二酸

化炭素の放出と同時にシアン化水素も揮散するおそれがあるので注意しながら迅速に行うと

よい。 

7.2.4 

検量線の作成 

検量線の作成は,次による。 

a) 数個の全量フラスコ50 mLに7.2.2.2 h) のシアン化物イオン標準液(CN−:0.00 1 mg/mL)0.5〜10 mL

を段階的にとり,水を加えて液量を約25 mLとする。 

b) 7.2.3のb)〜d) の操作を行い,溶液の一部を吸収セルに移し,波長638 nm付近の吸光度を測定し,シ

アン化物イオン(CN−)の質量(mg)と吸光度との関係線を作成する。 

7.2.5 

計算 

試料ガス中のシアン化水素の濃度を式(10)〜式(12)によって算出する。 

(

)

000

1

/

250

0.861

S

V

×

×

×

V

v

b

a

C

 ················································· (10) 

(

)

000

1

/

250

1.04

S

W

×

×

×

V

v

b

a

C

 ···················································(11) 

CW=CV×1.21 ········································································· (12) 

ここに, 

CV: 試料ガス中のシアン化水素(HCN)の体積分率(vol ppm) 

CW: 試料ガス中のシアン化水素(HCN)の質量濃度(mg/m3) 

a: 7.2.3 f) で求めた分析用試料溶液中のシアン化物イオン 

(CN−)の質量(mg) 

b: 7.2.3 h) で求めた空試験用試料溶液中のシアン化物イオン 

(CN−)の質量(mg) 

v: 分析用試料溶液250 mLに対する分取量(mL) 

14 

K 0109:2014  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

VS: 5.5によって算出した標準状態の試料ガス採取量(L)(乾きガ

ス量の場合はVSD,湿りガス量の場合はVSW) 

0.861: シアン化物イオン(CN−)1 mgに相当するシアン化水素(HCN)

の体積(mL)(標準状態) 

1.04: シアン化物イオン(CN−)1 mgに相当するシアン化水素(HCN)

の質量(mg) 

1.21: シアン化水素(HCN)1 vol ppmに相当するシアン化水素とし

ての質量濃度(mg/m3)(27.03/22.41による。) 

分析結果の記録 

8.1 

分析値のまとめ方 

分析は,試料採取ごとに同一分析用試料溶液又は試験溶液について2回以上行い,その平均値を求め,

有効数字2桁に丸める。ただし,連続して2回以上試料を採取した場合には,各測定値の全ての平均値を

求める。 

8.2 

記録項目 

分析結果として記録する項目は,次による。 

a) 測定対象の設備及び試験目的 

b) 試料採取及び分析の実施日,時刻,時間,実施者 

c) 設備又は工程の運転状況及び試料採取期間内に生じた設備又は工程の変動 

d) 設備の測定採取面の位置 

e) 測定採取面上の試料採取点 

例 ダクトの大きさ,測定断面における試料採取の位置など 

f) 

試料採取方法 

例 試料ガス採取方法,等速サンプリング又は非等速サンプリング,試料採取管の口径,ダスト除

去用フィルター及び取付位置,フィルター温度,試料採取の時間など 

g) 分析方法の種類 

h) 測定結果 

例 排ガス中の濃度及び標準状態への換算濃度のほかに,測定点のガス流量,排ガスの静圧,温度,

酸素濃度,水蒸気濃度,採取ガス量,分析用試料の体積,試料中のシアン化水素の分析値,試

料採取時間内に生じた異常など 

i) 

測定の品質 

例 漏れ試験結果,試料採取,分析用の試薬の空試験値,ガスメーターの校正,現場測定における

空試験値,測定結果に影響した可能性のある周囲の特殊事情など 

j) 

この規格の分析方法からの変更点 

その他a)〜i) 以外に有用な項目がある場合,加えるとよい。 

background image

15 

K 0109:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−水の飽和蒸気圧 

単位 Pa 

(°C) 

0.0 

0.1 

0.2 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

0.9 

0. 

611.21 

615.67 

620.15 

624.67 

629.21 

633.78 

638.38 

643.01 

647.67 

652.36 

1. 

657.08 

661.83 

666.61 

671.42 

676.26 

681.14 

686.04 

690.98 

695.94 

700.94 

2. 

705.97 

711.03 

716.13 

721.26 

726.41 

731.61 

736.83 

742.09 

747.38 

752.70 

3. 

758.06 

763.45 

768.88 

774.34 

779.83 

785.36 

790.92 

796.52 

802.15 

807.82 

4. 

813.52 

819.26 

825.03 

830.84 

836.69 

842.57 

848.49 

854.45 

860.44 

866.47 

5. 

872.54 

878.64 

884.79 

890.97 

897.19 

903.44 

909.74 

916.07 

922.45 

928.86 

6. 

935.31 

941.80 

948.34 

954.91 

961.52 

968.17 

974.86 

981.60 

988.37 

995.19 

7. 

1002.0 

1008.9 

1015.9 

1022.9 

1029.9 

1037.0 

1044.1 

1051.2 

1058.4 

1065.7 

8. 

1072.9 

1080.3 

1087.6 

1095.1 

1102.5 

1110.0 

1117.6 

1125.2 

1132.8 

1140.5 

9. 

1148.2 

1156.0 

1163.8 

1171.7 

1179.6 

1187.6 

1195.6 

1203.7 

1211.8 

1219.9 

10. 

1228.1 

1236.4 

1244.7 

1253.0 

1261.4 

1269.9 

1278.4 

1286.9 

1295.5 

1304.2 

11. 

1312.9 

1321.7 

1330.5 

1339.3 

1348.2 

1357.2 

1366.2 

1375.3 

1384.4 

1393.5 

12. 

1402.8 

1412.1 

1421.4 

1430.8 

1440.2 

1449.7 

1459.3 

1468.9 

1478.5 

1488.2 

13. 

1498.0 

1507.8 

1517.7 

1527.7 

1537.7 

1547.7 

1557.9 

1568.0 

1578.3 

1588.6 

14. 

1598.9 

1609.3 

1619.8 

1630.3 

1640.9 

1651.6 

1662.3 

1673.0 

1683.9 

1694.8 

15. 

1705.7 

1716.7 

1727.8 

1739.0 

1750.2 

1761.4 

1772.8 

1784.2 

1795.6 

1807.1 

16. 

1818.7 

1830.4 

1842.1 

1853.9 

1865.8 

1877.7 

1889.7 

1901.7 

1913.8 

1926.0 

17. 

1938.3 

1950.6 

1963.0 

1975.5 

1988.0 

2000.6 

2013.3 

2026.0 

2038.8 

2051.7 

18. 

2064.7 

2077.7 

2090.8 

2104.0 

2117.2 

2130.5 

2143.9 

2157.4 

2170.9 

2184.5 

19. 

2198.2 

2212.0 

2225.8 

2239.7 

2253.7 

2267.8 

2281.9 

2296.1 

2310.4 

2324.8 

20. 

2339.2 

2353.8 

2368.4 

2383.1 

2397.8 

2412.7 

2427.6 

2442.6 

2457.7 

2472.9 

21. 

2488.2 

2503.5 

2518.9 

2534.4 

2550.0 

2565.7 

2581.4 

2597.3 

2613.2 

2629.2 

22. 

2645.3 

2661.5 

2677.7 

2694.1 

2710.5 

2727.1 

2743.7 

2760.4 

2777.2 

2794.1 

23. 

2811.0 

2828.1 

2845.2 

2862.5 

2879.8 

2897.2 

2914.8 

2932.4 

2950.1 

2967.9 

24. 

2985.8 

3003.7 

3021.8 

3040.0 

3058.3 

3076.6 

3095.1 

3113.6 

3132.3 

3151.1 

25. 

3169.9 

3188.9 

3207.9 

3227.0 

3246.3 

3265.6 

3285.1 

3304.6 

3324.3 

3344.0 

26. 

3363.9 

3383.8 

3403.9 

3424.0 

3444.3 

3464.7 

3485.2 

3505.7 

3526.4 

3547.2 

27. 

3568.1 

3589.1 

3610.2 

3631.5 

3652.8 

3674.2 

3695.8 

3717.4 

3739.2 

3761.1 

28. 

3783.1 

3805.2 

3827.4 

3849.7 

3872.2 

3894.7 

3917.4 

3940.2 

3963.1 

3986.1 

29. 

4009.2 

4032.5 

4055.8 

4079.3 

4102.9 

4126.6 

4150.5 

4174.4 

4198.5 

4222.7 

30. 

4247.0 

4271.5 

4296.0 

4320.7 

4345.5 

4370.5 

4395.5 

4420.7 

4446.0 

4471.5 

31. 

4497.0 

4522.7 

4548.5 

4574.5 

4600.5 

4626.7 

4653.1 

4679.5 

4706.1 

4732.8 

32. 

4759.7 

4786.7 

4813.8 

4841.0 

4868.4 

4895.9 

4923.6 

4951.4 

4979.3 

5007.4 

33. 

5035.6 

5063.9 

5092.4 

5121.0 

5149.7 

5178.6 

5207.7 

5236.8 

5266.2 

5295.6 

34. 

5325.2 

5355.0 

5384.8 

5414.9 

5445.1 

5475.4 

5505.9 

5536.5 

5567.2 

5598.1 

35. 

5629.2 

5660.4 

5691.8 

5723.3 

5754.9 

5786.8 

5818.7 

5850.8 

5883.1 

5915.5 

36. 

5948.1 

5980.8 

6013.7 

6046.8 

6080.0 

6113.3 

6146.9 

6180.5 

6214.4 

6248.4 

37. 

6282.5 

6316.9 

6351.3 

6386.0 

6420.8 

6455.8 

6490.9 

6526.2 

6561.7 

6597.3 

38. 

6633.1 

6669.1 

6705.2 

6741.5 

6778.0 

6814.7 

6851.5 

6888.5 

6925.6 

6963.0 

39. 

7000.5 

7038.2 

7076.0 

7114.1 

7152.3 

7190.7 

7229.2 

7268.0 

7306.9 

7346.0 

40. 

7385.3 

7424.8 

7464.4 

7504.2 

7544.3 

7584.5 

7624.8 

7665.4 

7706.2 

7747.1 

background image

16 

K 0109:2014  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−水の飽和蒸気圧(続き) 

単位 Pa 

(°C) 

0.0 

0.1 

0.2 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

0.9 

41. 

7788.2 

7829.6 

7871.1 

7912.8 

7954.6 

7996.7 

8039.0 

8081.5 

8124.1 

8167.0 

42. 

8210.0 

8253.2 

8296.7 

8340.3 

8384.1 

8428.2 

8472.4 

8516.8 

8561.5 

8606.3 

43. 

8651.3 

8696.5 

8742.0 

8787.6 

8833.5 

8879.5 

8925.8 

8972.3 

9018.9 

9065.8 

44. 

9112.9 

9160.2 

9207.7 

9255.5 

9303.4 

9351.6 

9399.9 

9448.5 

9497.3 

9546.3 

45. 

9595.6 

9645.0 

9694.7 

9744.6 

9794.7 

9845.0 

9895.6 

9946.4 

9997.4 

10049. 

46. 

10100. 

10152. 

10204. 

10256. 

10308. 

10361. 

10414. 

10467. 

10520. 

10573. 

47. 

10627. 

10681. 

10735. 

10790. 

10845. 

10899. 

10955. 

11010. 

11066. 

11122. 

48. 

11178. 

11234. 

11291. 

11348. 

11405. 

11462. 

11520. 

11578. 

11636. 

11694. 

49. 

11753. 

11812. 

11871. 

11930. 

11990. 

12049. 

12110. 

12170. 

12231. 

12292. 

50. 

12353. 

12414. 

12476. 

12538. 

12600. 

12663. 

12725. 

12788. 

12852. 

12915. 

51. 

12979. 

13043. 

13107. 

13172. 

13237. 

13302. 

13368. 

13433. 

13499. 

13566. 

52. 

13632. 

13699. 

13766. 

13833. 

13901. 

13969. 

14037. 

14106. 

14175. 

14244. 

53. 

14313. 

14383. 

14453. 

14523. 

14594. 

14665. 

14736. 

14807. 

14879. 

14951. 

54. 

15023. 

15096. 

15169. 

15242. 

15316. 

15389. 

15464. 

15538. 

15613. 

15688. 

55. 

15763. 

15839. 

15915. 

15991. 

16068. 

16145. 

16222. 

16299. 

16377. 

16455. 

56. 

16534. 

16613. 

16692. 

16771. 

16851. 

16931. 

17012. 

17093. 

17174. 

17255. 

57. 

17337. 

17419. 

17501. 

17584. 

17667. 

17750. 

17834. 

17918. 

18003. 

18087. 

58. 

18173. 

18258. 

18344. 

18430. 

18516. 

18603. 

18690. 

18778. 

18866. 

18954. 

59. 

19043. 

19131. 

19221. 

19310. 

19400. 

19491. 

19581. 

19672. 

19764. 

19856. 

60. 

19948. 

20040. 

20133. 

20226. 

20320. 

20414. 

20508. 

20603. 

20698. 

20793. 

61. 

20889. 

20985. 

21082. 

21179. 

21276. 

21374. 

21472. 

21571. 

21669. 

21769. 

62. 

21868. 

21968. 

22069. 

22170. 

22271. 

22372. 

22474. 

22577. 

22679. 

22783. 

63. 

22886. 

22990. 

23094. 

23199. 

23304. 

23410. 

23516. 

23622. 

23729. 

23836. 

64. 

23944. 

24052. 

24160. 

24269. 

24379. 

24488. 

24598. 

24709. 

24820. 

24931. 

65. 

25043. 

25155. 

25268. 

25381. 

25494. 

25608. 

25723. 

25837. 

25953. 

26068. 

66. 

26184. 

26301. 

26418. 

26535. 

26653. 

26772. 

26890. 

27010. 

27129. 

27249. 

67. 

27370. 

27491. 

27612. 

27734. 

27857. 

27979. 

28103. 

28226. 

28351. 

28475. 

68. 

28600. 

28726. 

28852. 

28979. 

29106. 

29233. 

29361. 

29489. 

29618. 

29748. 

69. 

29877. 

30008. 

30138. 

30270. 

30402. 

30534. 

30667. 

30800. 

30933. 

31068. 

70. 

31202. 

31338. 

31473. 

31609. 

31746. 

31883. 

32021. 

32159. 

32298. 

32437. 

71. 

32577. 

32717. 

32858. 

32999. 

33140. 

33283. 

33425. 

33569. 

33713. 

33857. 

72. 

34002. 

34147. 

34293. 

34439. 

34586. 

34734. 

34882. 

35030. 

35179. 

35329. 

73. 

35479. 

35630. 

35781. 

35933. 

36085. 

36238. 

36391. 

36545. 

36700. 

36855. 

74. 

37010. 

37166. 

37323. 

37480. 

37638. 

37796. 

37955. 

38115. 

38275. 

38436. 

75. 

38597. 

38758. 

38921. 

39084. 

39247. 

39411. 

39576. 

39741. 

39907. 

40073. 

76. 

40240. 

40408. 

40576. 

40744. 

40914. 

41084. 

41254. 

41425. 

41597. 

41769. 

77. 

41942. 

42116. 

42290. 

42464. 

42640. 

42815. 

42992. 

43169. 

43347. 

43525. 

78. 

43704. 

43884. 

44064. 

44245. 

44426. 

44608. 

44791. 

44974. 

45158. 

45343. 

79. 

45528. 

45714. 

45900. 

46088. 

46275. 

46464. 

46653. 

46843. 

47033. 

47224. 

80. 

47416. 

47608. 

47801. 

47994. 

48189. 

48384. 

48579. 

48776. 

48972. 

49170. 

background image

17 

K 0109:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−水の飽和蒸気圧(続き) 

単位 Pa 

(°C) 

0.0 

0.1 

0.2 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

0.9 

81. 

49368. 

49567. 

49767. 

49967. 

50168. 

50370. 

50572. 

50775. 

50979. 

51183. 

82. 

51388. 

51594. 

51800. 

52007. 

52215. 

52424. 

52633. 

52843. 

53053. 

53265. 

83. 

53477. 

53689. 

53903. 

54117. 

54332. 

54547. 

54764. 

54981. 

55198. 

55417. 

84. 

55636. 

55856. 

56076. 

56298. 

56520. 

56743. 

56966. 

57190. 

57415. 

57641. 

85. 

57868. 

58095. 

58323. 

58552. 

58781. 

59011. 

59242. 

59474. 

59707. 

59940. 

86. 

60174. 

60409. 

60644. 

60881. 

61118. 

61356. 

61594. 

61834. 

62074. 

62315. 

87. 

62557. 

62799. 

63042. 

63286. 

63531. 

63777. 

64024. 

64271. 

64519. 

64768. 

88. 

65017. 

65268. 

65519. 

65771. 

66024. 

66278. 

66532. 

66788. 

67044. 

67301. 

89. 

67559. 

67817. 

68077. 

68337. 

68598. 

68860. 

69123. 

69386. 

69651. 

69916. 

90. 

70182. 

70449. 

70717. 

70986. 

71255. 

71526. 

71797. 

72069. 

72342. 

72616. 

91. 

72890. 

73166. 

73442. 

73719. 

73998. 

74277. 

74556. 

74837. 

75119. 

75401. 

92. 

75685. 

75969. 

76254. 

76540. 

76827. 

77115. 

77404. 

77693. 

77984. 

78276. 

93. 

78568. 

78861. 

79155. 

79450. 

79746. 

80043. 

80341. 

80640. 

80940. 

81240. 

94. 

81542. 

81844. 

82148. 

82452. 

82757. 

83064. 

83371. 

83679. 

83988. 

84298. 

95. 

84609. 

84921. 

85234. 

85547. 

85862. 

86178. 

86495. 

86812. 

87131. 

87451. 

96. 

87771. 

88093. 

88415. 

88739. 

89063. 

89389. 

89715. 

90043. 

90371. 

90701. 

97. 

91031. 

91362. 

91695. 

92028. 

92363. 

92698. 

93035. 

93372. 

93711. 

94050. 

98. 

94391. 

94732. 

95075. 

95418. 

95763. 

96109. 

96455. 

96803. 

97152. 

97502. 

99. 

97853. 

98204. 

98557. 

98911. 

99266. 

99623. 

99980. 

100338. 

100697. 

101058. 

100. 101419. 

101782. 

102145. 

102510. 

102875. 

103242. 

103610. 

103979. 

104349. 

104720. 

注記 SONNTAG(1990)による。温度目盛は,ITS-90。 

background image

18 

K 0109:2014  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

イオン電極法 

A.1 一般 

この方法は,試料ガス中に硫化水素又はチオール化合物が共存すると影響を受けるので,その除去操作

を行った後,電位を測定する。また,塩素などの酸化性ガス,アルデヒドなどが共存するときにも影響を

受けるので,その影響を無視又は除去できる場合に適用する。 

A.2 分析方法の概要 

分析方法の概要は,表A.1による。 

表A.1−分析方法の概要 

分析方法の 

種類 

分析方法の概要 

適用条件 

要旨 

試料採取 

定量範囲 

vol ppm(mg/m3) 

イオン電極法 

試料ガス中のシアン化水素を
吸収液に吸収させた後,イオン
電極を用いて電位を測定する。 

吸収瓶法 
吸収液:水酸化ナトリウム溶
液(5 mol/L) 
液量:50 mL a)×2本 
標準採取量:10 L 

0.1〜13.4 b) 
(0.2〜16.2) 

A.1による。 

注a) 吸収瓶(容量250 mL)を用いたときの吸収液量。 

b) 試料ガスを通した吸収液100 mLを250 mLに希釈して分析用試料溶液とした場合。ここに示した定量範囲は,

試料ガスの標準採取量,分析用試料液量及び検量線の最適範囲から求めたものである。定量範囲を超える濃
度を測定する場合には,分析用試料溶液を定量範囲内に希釈して測定する。 

A.3 試料ガス採取方法 

A.3.1 試料ガス採取 

試料ガスの採取方法は,5.1による。 

A.3.2 試薬及び試薬溶液の調製 

A.3.2.1 試薬 

試薬は,次による。 

a) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。 

b) アンモニア水 JIS K 8085に規定するもの。 

c) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。 

d) モリブデン(VI)酸二ナトリウム二水和物 JIS K 8906に規定するもの。 

e) 硫酸亜鉛七水和物 JIS K 8953に規定するもの。 

f) 

硫酸アンモニウム JIS K 8960に規定するもの。 

g) 酢酸鉛(II)三水和物 JIS K 8374に規定するもの。 

h) アミド硫酸アンモニウム JIS K 8588に規定するもの。 

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K 0109:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.3.2.2 試薬溶液 

A.3.2.2.1 吸収液 5.2.2 a) 1) による。 

A.3.2.2.2 試薬溶液 

a) 硫酸(15+85) 水85 mLに硫酸15 mLを少量ずつ静かに加える。 

b) 硫酸(3+97) 水97 mLに硫酸3 mLを静かに加える。 

c) モリブデン(VI)酸二ナトリウム溶液(100 g/L) モリブデン(VI)酸二ナトリウム二水和物11.2 g

を水に溶かして100 mLとする。 

d) 硫酸亜鉛-アンモニア溶液 硫酸亜鉛七水和物20 gを水50 mLに溶かし,アンモニア水35 mL及び硫

酸アンモニウム10 gを加えた後,水を加えて100 mLとする。 

e) 酢酸鉛-水酸化ナトリウム溶液 酢酸鉛(II)三水和物1 gを水酸化ナトリウム溶液(0.2 mol/L)100 mL

に溶かし,ろ過する。 

f) 

アミド硫酸アンモニウム溶液(100 g/L) アミド硫酸アンモニウム10 gを水に溶かして100 mLとす

る。 

A.3.3 器具及び装置 

a) 吸収瓶 5.3.1による。 

b) 試料ガス採取装置 5.3.2 b) による。 

A.3.4 採取操作 

5.4 b) による。 

A.3.5 試料ガスの採取量 

5.5による。 

A.4 分析用試料溶液及び試料ガスの調製 

a) 5.4 b) の操作を行った後,吸収瓶(F1及びF2)の内容液をビーカー300 mLに移し入れる。さらに吸収

瓶などを水で洗浄し,洗液を先のビーカーに合わせる。 

b) ビーカーの内容液を全量フラスコ250 mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。 

c) この溶液5 mLを試験管にとり,硫酸(3+97)を滴加し中和した後,さらに,硫酸(3+97)5 mLを

加え,これにモリブデン(VI)酸二ナトリウム溶液(100 g/L)1 mLを加えて振り混ぜる。 

d) 次のいずれかの操作を行う。 

1) A.4 c) の溶液の色が緑から青に変化しない場合(硫化物イオン,その他の還元性物質が共存しない

場合) 

1.1) A.4 b) で調製した溶液50 mLをビーカー300 mLにとり,硫酸(15+85)を滴加してpH12.7〜13.0

に調節する。 

1.2) 酢酸鉛-水酸化ナトリウム溶液10 mLを加え,5分間かき混ぜた後,全量フラスコ250 mLに移し

入れ,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)を標線まで加える。これを分析用試料溶液とする。 

2) A.4 c) の操作で溶液の色が変化する場合(硫化物イオンが共存している場合) 

2.1) A.4 b) で調製した溶液50 mLをビーカー500 mLにとり,水を加えて200 mLとし,硫酸(15+85)

を滴加してpH12.7〜13.0に調節する。 

2.2) 酢酸亜鉛-アンモニア溶液10 mLを加え,さらにそれ以上沈殿が生じなくなるまでこの溶液を滴加

し,振り混ぜて30分間放置した後,ろ過する。 

2.3) 沈殿を水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)10 mLずつで3回洗い,滴下漏斗の付いた蒸留フラス

20 

K 0109:2014  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

コ1 Lにろ液及び洗液を入れ,アミド硫酸アンモニウム溶液(100 g/L)10 mLを加える。 

2.4) 蒸留装置に連結した後,滴下漏斗から硫酸(15+85)50 mLを,二酸化炭素が一度に発生しない

ように注意しながら滴加する。直ちに2〜3 mL/minの留出速度で蒸留する。 

2.5) 受け器には,あらかじめ水酸化ナトリウム溶液(0.5 mol/L)50 mLを入れ,冷却器の末端をこの

中に浸しておく。受け器中の液量が約150 mLになったら蒸留を止め,留出液をビーカー500 mL

に移し入れ,硫酸(15+85)を滴加してpH12.7〜13.0に調節する。 

2.6) 酢酸鉛-水酸化ナトリウム溶液10 mLを加え,5分間かき混ぜた後,全量フラスコ250 mLに移し

入れ,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)を標線まで加える。これを分析用試料溶液とする。 

2.7) 分析用試料溶液の一部をろ過し,ろ液についてA.4 c) の操作を行い,溶液の色が緑から青に変化

する場合は,ほかの還元性物質が共存しているので,さらに3) の操作を行う。 

3) d) 2.7) の操作で溶液の色が変化する場合(ほかの還元性物質が共存している場合) 

3.1) 蒸留フラスコ1 Lに2) で得られた溶液200 mLをとり,蒸留装置に連結し,滴下漏斗から硫酸(15

+85)50 mLを,二酸化炭素が一度に発生しないように注意しながら滴加する。 

3.2) 滴下漏斗からモリブデン(VI)酸二ナトリウム溶液(100 g/L)10 mL及び硫酸(3+97)20 mLを

加え,直ちに2〜3 mL/minの留出速度で蒸留する。 

3.3) 受け器には,あらかじめ水酸化ナトリウム溶液(0.5 mol/L)50 mLを入れ,冷却器の末端をこの

中に浸しておく。受け器中の液量が約150 mLになったら蒸留を止め,留出液をビーカー500 mL

に移し入れ,硫酸(15+85)を滴加してpH12.7〜13.0に調節する。 

3.4) 酢酸鉛-水酸化ナトリウム溶液10 mLを加え,5分間かき混ぜた後,全量フラスコ250 mLに移し

入れ,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)を標線まで加える。これを分析用試料溶液とする。 

A.5 試薬及び試薬溶液の調製 

A.5.1 試薬 

試薬は,次による。 

a) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。 

b) シアン化カリウム JIS K 8443に規定するもの。 

c) 塩化カリウム JIS K 8121に規定するもの。 

d) 硝酸カリウム JIS K 8548に規定するもの。 

A.5.2 試薬溶液の調製 

a) シアン化物イオン標準液(I)(CN−:0.1 mg/mL) 7.1.2.2 h) で調製したシアン化物イオン標準液

(CN −:1 mg/mL)25 mLを正確に全量フラスコ250 mLにとり,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)

を標線まで加える。使用時に調製する。 

b) シアン化物イオン標準液(II)(CN−:0.01 mg/mL) a) で調製したシアン化物イオン標準液(CN−:

0.1 mg/mL)25 mLを正確に全量フラスコ250 mLにとり,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)を標線

まで加える。使用時に調製する。 

c) シアン化物イオン標準液(III)(CN−:0.001 mg/mL) b) で調製したシアン化物イオン標準液(CN −:

0.01 mg/mL)25 mLを正確に全量フラスコ250 mLにとり,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)を標線

まで加える。使用時に調製する。 

d) シアン化物イオン標準液(IV)(CN−:0.000 1 mg/mL) c) で調製したシアン化物イオン標準液

(CN −:0.001 mg/mL)25 mLを正確に全量フラスコ250 mLにとり,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)

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K 0109:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

を標線まで加える。使用時に調製する。 

A.5.3 器具及び装置 

器具及び装置は,次による。 

a) 電位差計 最小目盛1 mVの高入力抵抗電位差計。例えば,イオンメーター,デジタル式pH-mV計,

拡大スパン付きpH-mV計。 

b) シアン化物イオン電極 指示電極として用いる。例えば,よう化銀固体膜電極。 

c) 参照電極 内部液絡部がセラミックス製で,外部液絡部がスリーブ式の二重液絡形のものを用い,内

部液には塩化カリウム飽和溶液,外部液には塩化カリウム飽和溶液又は硝酸カリウム溶液(100 g/L)

を用いる。スリーブは,外部液が適度に流出するよう締め付けを調節する。外部液と同じ溶液中に保

存する1)。 

d) マグネチックスターラー モーターの発熱で液温に変化を与えないもの。 

注1) 長期保存する場合は,内部液,外部液ともに塩化カリウム飽和溶液とするとよい。 

A.5.4 定量操作 

定量操作は,次による。 

a) A.4 d) 1) で調製した分析用試料溶液100 mLをビーカー300 mLにとり,これにシアン化物イオン電

極 2) 及び参照電極を浸し,マグネチックスターラーを用いて一定速度でかき混ぜ,指示が安定した後,

電位を測定する3) 4)。 

b) A.5.5 c) で作成した検量線から,シアン化物イオンの濃度(a)(mg/mL)を求める。 

c) 吸収液100 mLについてa) に準じて操作し,シアン化物イオンの濃度の空試験値(b)(mg/mL)を求

める。 

A.5.5 検量線の作成 

検量線の作成は,次による。 

a) シアン化物イオン標準液(III)(CN−:0.001 mg/mL)100 mLをビーカー300 mLにとり,これにシア

ン化物イオン電極2) 及び参照電極を浸し,マグネチックスターラーを用いて一定速度でかき混ぜ,指

示が安定した後,電位を測定する3) 4)。 

b) 次に,電極を一度pH12に調節したガス吸収を行っていない吸収液に浸し,電位がガス吸収を行わな

い場合の値近くまで戻った後,シアン化物イオン標準液(II)(CN−:0.01 mg/mL)及びシアン化物イ

オン標準液(I)(CN−:0.1 mg/mL)についてもa) の操作を行い,電位を測定する3)。 

なお,操作は取扱説明書によって行う。シアン化物イオンの濃度の高い液を測定した後で濃度の低

い液を測定する場合には,電極を水で洗った後,しばらく水に浸してから測定を行う4)。 

一連の操作中に,液温が1 ℃以上変化しないようにする。シアン化物イオン標準液(III)(CN−:

0.001 mg/mL)とシアン化物イオン標準液(I)(CN−:0.1 mg/mL)との電位差は110〜120 mVの範囲

に入り,シアン化物イオンの濃度0.001 mg/mLから0.1 mg/mLの間の検量線は直線になる。 

c) 片対数方眼紙の対数軸にシアン化物イオン(CN−)の濃度をとり,均等軸に電位差をとって,シアン

化物イオンの濃度(mg/mL)と電位(mV)との関係をプロットし,検量線を作成する。 

なお,検量線の作成又は直読式計器のスパン調整は毎日行う。 

d) 濃度直読式計器の場合は,検量線を作成する代わりに,シアン化物イオン標準液(IV)(CN−:0.000 1 

mg/mL)を用いて計器の指示を0.1 mg/Lに合わせた後,更にシアン化物イオン標準液(II)(CN−:0.01 

mg/mL)を10 mg/Lに合わせる。これを数回繰り返して,計器の指示が用いたシアン化物イオン標準

液の濃度を正しく示すように,目盛校正(スパン調整)を行う。 

22 

K 0109:2014  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) 検量線の作成又は濃度直読式計器のスパン調整は毎日行う。 

なお,検量線を作成したときのシアン化物イオンの濃度範囲,又はスパン調整したときの濃度範囲

を超えて測定してはならない。これらの濃度範囲を超えたときは,分析用試料溶液を検量線の濃度範

囲に入るように希釈してから測定する。 

注2) 感応膜が汚れると応答速度が遅くなるので,研磨紙で感応膜を研磨するとよい。 

3) かき混ぜ速度で電位差計の指示が不安定になる場合には,参照電極の抵抗が大きくなっている

ことがある。 

4) シアン化物イオン電極の応答時間は,シアン化物イオンの濃度が0.01 mg/mLで約1分間,0.1 

mg/mL以上では約30秒間である。 

A.6 計算 

次の式によって,試料ガス中のシアン化水素(HCN)の濃度を算出する。 

a) A.4 d) 1) 又はA.4 d) 2) で調製した場合 

(

)

50

250

250

0.861

S

V

×

×

×

V

b

a

C

 ···················································· (A.1) 

b) A.4 d) 3) で調製した場合 

(

)

50

250

200

250

250

1.04

S

W

×

×

×

×

V

b

a

C

 ············································· (A.2) 

CW=CV×1.21  ······································································· (A.3) 

ここに, 

CV: 試料ガス中のシアン化水素(HCN)の体積分率(vol ppm) 

CW: 試料ガス中のシアン化水素(HCN)の質量濃度(mg/m3) 

a: A.5.4 b) で求めたシアン化物イオン(CN−)の濃度(mg/mL) 

b: A.5.4 c) の空試験で求めたシアン化物イオン(CN−)の濃度

(mg/mL) 

VS: 5.5によって算出した標準状態の試料ガス採取量(L)(乾き

ガス量の場合はVSD,湿りガス量の場合はVSW) 

0.861: シアン化物イオン(CN−)1 mgに相当するシアン化水素

(HCN)の体積(mL)(標準状態) 

1.04: シアン化物イオン(CN−)1 mgに相当するシアン化水素

(HCN)の質量(mg) 

1.21: シアン化水素(HCN)1 vol ppmに相当するシアン化水素と

しての質量濃度(mg/m3)(27.03/22.41による。) 

background image

23 

K 0109:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

イオンクロマトグラフ法 

B.1 

一般 

この方法は,燃焼排ガス中に高濃度の二酸化炭素及び二酸化窒素が共存すると影響を受けるので,燃焼

排ガスには適用せず,シアン化水素を排出する事業所の排ガスの測定に適用する。また,試料ガス中にハ

ロゲンなどの酸化性ガス及びアルデヒド類,硫化水素,二酸化硫黄などの還元性ガスが共存すると影響を

受けるので,その影響を無視できる場合に適用する。 

B.2 

分析方法の概要 

分析方法の概要は,表B.1による。 

表B.1−分析方法の概要 

分析方法の 

種類 

分析方法の概要 

適用条件 

要旨 

試料採取 

定量範囲 

vol ppm 

(mg/m3) 

イオンクロマ
トグラフ法 

試料ガス中のシアン化水素を
吸収液に吸収させた後,吸収液
の一定量にクロラミンT溶液
を加えてシアン酸イオンに酸
化した後,この液をイオンクロ
マトグラフに導入し,クロマト
グラムを記録する。 

吸収瓶法 
吸収液:水酸化ナトリウム溶
液(0.5 mol/L) 
液量:25 mL a)×2本 
液量:50 mL b)×2本 
標準採取量:20 L 

0.5〜10.7 c) 
(0.6〜13.0)c) 
4.3〜107 d) 
(5.2〜130)d) 

B.1による。 

注a) 吸収瓶(容量100 mL)を用いたときの吸収液量。 

b) 吸収瓶(容量250 mL)を用いたときの吸収液量。 

c) 試料ガスを通した吸収液50 mLを100 mLに希釈して分析用試料溶液とした場合。ここに示した定量範囲は,

試料ガスの標準採取量,分析用試料液量及び検量線の最適範囲から求めたものである。この定量範囲以下の
濃度を測定する場合には,濃縮カラムを用いて測定する。定量範囲を超える濃度を測定する場合には,分析
用試料溶液を定量範囲内に希釈して測定する。 

d) 試料ガスを通した吸収液100 mLを250 mLに希釈して分析用試料溶液とした場合。ここに示した定量範囲は,

試料ガスの標準採取量,分析用試料液量及び検量線の最適範囲から求めたものである。この定量範囲以下の
濃度を測定する場合には,濃縮カラムを用いて測定する。定量範囲を超える濃度を測定する場合には,分析
用試料溶液を定量範囲内に希釈して測定する。 

注記 イオンクロマトグラフィーとイオンクロマトグラフ法とは同じ意味である。 

B.3 

試料ガス採取方法 

B.3.1 試料ガス採取 

5.1による。 

B.3.2 試薬及び試薬溶液の調製 

B.3.2.1 試薬 

試薬は,次による。 

a) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.3.2.2 試薬溶液 

a) 吸収液 水酸化ナトリウム溶液(0.5 mol/L)。5.2.2 a) 1) の10倍希釈液。 

B.3.3 器具及び装置 

a) 吸収瓶 5.3.1に示す容量100 mL又は250 mLの吸収瓶を用いる。 

b) 試料ガス採取装置 5.3.2 b) と同じ。 

B.3.4 採取操作 

5.4 b) による。 

B.3.5 試料ガスの採取量 

5.5による。ただし,採取量は,試料中の二酸化炭素濃度が低いので20 Lとする。 

B.4 

分析用試料溶液の調製 

a) 5.3.1 a) の吸収瓶にB.3.2.2 a) の吸収液の一定量を入れ,5.4 b) の操作を行った後,吸収瓶(F1及び

F2)の内容液をビーカー300 mLに移し入れる。さらに吸収瓶などを水で洗浄し,洗液を先のビーカー

に合わせる。 

b) ビーカーの内容液を全量フラスコ100 mL又は250 mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。これを

分析用試料溶液とする。 

B.5 

試薬及び試薬溶液の調製 

B.5.1 試薬 

試薬は,次による。 

a) シアン化カリウム JIS K 8443に規定するもの。 

b) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。 

c) 水酸化カリウム JIS K 8574に規定するもの。 

d) p-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物(クロラミンT) JIS K 8318に規定するもの。 

e) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。 

f) 

炭酸ナトリウム JIS K 8625に規定するもの。 

g) 炭酸水素ナトリウム JIS K 8622に規定するもの。 

B.5.2 試薬溶液の調製 

試薬溶液の調製は,次による。 

a) クロラミンT溶液(10 g /L) 7.2.2.2 e) に同じ。 

b) シアン化物イオン標準液(CN−:1 mg/mL) 7.1.2.2 h) に同じ。 

c) シアン化物イオン標準液(CN−:0.000 1 mg/mL) 7.1.2.2 h) のシアン化物イオン標準液(CN−:1 

mg/mL)を10 000倍に希釈したもの。 

d) 溶離液 装置の種類及び使用する分離カラムの種類によって異なる。使用する装置及び分離カラムに

最適なものを用いる。次にその例を示す。 

1) 炭酸水素塩−炭酸塩溶液 炭酸水素ナトリウム0.025 g(0.3 mmol)と炭酸ナトリウム0.286 g(2.7 

mmol)とを水に溶かし,全量フラスコ1 000 mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。 

2) 水酸化カリウム溶液 溶離液調製装置を用いて3〜40 mmol/Lの水酸化カリウム溶液を調製する。 

e) 再生液(除去液) サプレッサーの機能を再生又は継続的に維持するために用いる液体で,電気的又

は化学的に再生を行う場合に使用し,装置及びサプレッサーの種類に最適なものを用いる。次にその

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例を示す。 

1) 電気的に再生する場合 

1.1) 水 水を電解して再生液とする。 

1.2) 溶離液 検出器を通過した溶離液を電気透析形サプレッサーの再生液とする。 

2) 化学的に再生する場合 

2.1) 硫酸(15 mmol/L) 硫酸(1 mol/L)(硫酸60 mLを少量ずつ水500 mLに加え,冷却後,水で1 000 

mLとする。)15 mLを水で1 000 mLとする。 

B.6 

イオンクロマトグラフ 

イオンクロマトグラフは,次によって構成する。 

a) 試料導入器 分析用試料溶液の一定量を再現性よく装置に注入できる自動のもの,又は装置内に組み

込まれた試料計量管(約10〜250 μLの一定量)に,1〜10 mLのシリンジを用いて注入する手動のも

の。 

b) 分離カラム 内径2〜8 mm,長さ30〜300 mmの不活性な合成樹脂製又は金属製の管に,陰イオン交

換体を充塡したもの。分析目的のイオンを隣接するイオン種と分離度1.3程度以上で分離できるもの。 

c) プレカラム 濃縮,予備分離及び異物除去のためのガードカラムで,必要に応じて分離カラムの前に

装着する。内径2〜8 mm,長さ5〜50 mmの不活性な合成樹脂製又は金属製の管に,分離カラム及び

同種類の陰イオン交換体を充塡したもの。 

d) グラジエント溶離器 溶離液の組成を変化させながら,試料溶液中のイオン種を溶離させる器具。主

に水酸化カリウム溶離液を使用する場合に用いる。 

e) サプレッサー 電気伝導度検出器で測定する場合,測定するイオン種成分の検出を損なうことなく,

バックグラウンドとなる溶離液の電気伝導度を低減する装置。 

f) 

検出器 電気伝導度検出器,電気化学検出器1)。 

g) 記録部 JIS K 0127の5.7(データ処理部)による。 

注1) 電気伝導度検出器で測定するとき,共存イオンが影響する場合に使用するとよい。電気化学検

出器は,吸収液中のシアン化物イオン(CN−)を直接検出して測定する。この場合,B.7の定量

操作は行わない。 

電気化学検出器で測定する場合の分析条件の例を示す。 

− 分離カラム:イオン排除形カラム 

− 溶離液:10 mmol/L硫酸 

− 検出器:アンペロメトリーモード(作用電極:Ag電極,参照電極:Ag/AgCl) 

B.7 

定量操作 

定量操作は,次による。 

a) B.4で調製した分析用試料溶液10〜25 mLの一定量を全量フラスコ50 mLに正確にとる。 

なお,分析用試料溶液中に固形物が認められる場合には,分離カラムを閉塞するので,あらかじめ

孔径0.45 μm以下のメンブレンフィルターでろ過して除去する。 

b) クロラミンT溶液(10 g/L)1.0 mLを加えて栓をし,2回静かに転倒した後,室温で約5分間放置す

る。 

c) 水を標線まで加える。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 密栓して2回静かに転倒した後,80 ℃の水浴中で約10分間放置する。この後,氷水中で室温まで冷

却する。 

e) イオンクロマトグラフを測定可能な状態にし,分離カラムとサプレッサーとの内側に溶離液を一定の

流量(例えば,1〜2 mL/min)で流しておく。サプレッサーの外側には再生液を一定の流量で流してお

く。 

f) 

d) で作成した試料溶液の一定量(10〜25 μL)を試料導入器でイオンクロマトグラフに注入し,クロ

マトグラムを記録する。 

g) クロマトグラム上のシアン酸イオン(CNO−)2) のピーク面積又はピーク高さを求める。 

h) B.8によって作成した検量線から,シアン化物イオン(CN−)の質量濃度(mg/mL)を求める。 

i) 

吸収液10〜25 mLの一定量を全量フラスコ50 mLにとり,b)〜d) の操作を行い,f) の注入量と同じ

量を用い,e)〜h) の操作に準じて操作し,シアン化物イオン(CN−)の質量濃度(mg/mL)の空試験

値を求める。 

注2) 生成したシアン酸イオン(CNO−)は,約1時間は安定である。 

B.8 

検量線の作成 

検量線の作成は,次による。 

a) B.5.2 c) のシアン化物イオン標準液(CN−:0.000 1 mg/mL)1.0〜25.0 mLを数個の全量フラスコ50 mL

に段階的にとり,B.3.2.2 a) の吸収液10 mLを加える。 

b) B.7 b)〜g) の操作を行い,シアン酸イオン(CNO−)のクロマトグラムから,それぞれのシアン化物

イオン(CN−)の質量濃度(mg/mL)に相当するシアン酸イオン(CNO−)2) とのピーク面積又はピ

ーク高さの関係を求める。 

c) 別に空試験として,B.3.2.2 a) の吸収液10 mLを全量フラスコ50 mLにとり,B.7 b)〜g) の操作を行

い,シアン化物イオン(CN−)の質量濃度(mg/mL)に相当するシアン酸イオン(CNO−)2) のピー

ク面積又はピーク高さを求める。 

d) 空試験値を補正したピーク面積又はピーク高さと,a) の全量フラスコ中のシアン化物イオン(CN−)

の質量濃度(mg/mL)との関係線を作成する。 

検量線の作成は,試料測定時ごとに行う。 

B.9 

計算 

試料ガス中のシアン化水素(HCN)の濃度を式(B.1)〜式(B.3)によって算出する。 

(

)

000

1

0.861

S

V

×

×

×

V

v

b

a

C

 ······················································ (B.1) 

(

)

000

1

1.04

S

W

×

×

×

V

v

b

a

C

 ······················································· (B.2) 

CW=CV×1.21 ········································································· (B.3) 

ここに, 

CV: 試料ガス中のシアン化水素(HCN)の体積分率(vol ppm) 

CW: 試料ガス中のシアン化水素(HCN)の質量濃度(mg/m3) 

a: B.7 h) で求めた分析用試料溶液シアン化物イオン(CN−)の質

量濃度(mg/mL) 

b: B.7 i) で求めた空試験溶液中のシアン化物イオン(CN−)の質

量濃度(mg/mL) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

v: 分析用試料溶液の液量(100 mLの場合は100,250 mLの場合

は250) 

VS: 5.5によって算出した標準状態の試料ガス採取量(L)(乾きガ

ス量の場合はVSD,湿りガス量の場合はVSW) 

0.861: シアン化物イオン(CN−)1 mgに相当するシアン化水素(HCN)

の体積(mL)(標準状態) 

1.04: シアン化物イオン(CN−)1 mgに相当するシアン化水素(HCN)

の質量(mg) 

1.21: シアン化水素(HCN)1 vol ppmに相当するシアン化水素とし

ての質量濃度(mg/m3)(27.03/22.41による。) 

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附属書C 
(参考) 

ガスクロマトグラフ法に用いる試料採取方法 

C.1 一般 

この附属書は,ガスクロマトグラフ法に用いる排ガス中シアン化水素の試料採取法方法について記載す

る。この方法は,排ガス温度が室温付近で,試料中の水分量が少ない試料に用いることができる。 

C.2 試料採取方法の概要 

ガスクロマトグラフ分析で用いられる試料採取方法には,気体試料を直接採取して分析室に持ち帰り分

析する方法及び,現場で試料処理(試料濃縮・捕集及び予備分離)を行う方法がある。後者の方法には,

マイクロ固相抽出(SPME),吸着剤などに捕集する方法がある。これらの方法は,保存安定性を確認して

おけば現場で試料採取を行うと同時に濃縮が可能である。また,注射筒,捕集バッグなどに採取してきた

試料に適用し,ガスクロマトグラフに導入する方法として用いれば,試料量に応じて定量下限を向上して

感度の高い測定が可能となる。 

C.2.1 試料ガス採取・分析[マイクロ固相抽出(SPME)法] 

ファイバー上にコーティングした捕集剤にシアン化水素を捕集・濃縮し,ガスクロマトグラフの試料注

入口を用いて加熱回収して捕集したシアン化水素をガスクロマトグラフのカラムに導入する方法。捕集剤

にはCarbowax-Divinylbenzeneを用いる。本文にある,気体試料をガスクロマトグラフに直接導入する方法

に比べて数倍から数十倍の試料が導入できるので低濃度試料の分析に用いることができる。 

a) 器具及び装置 市販のSPME採取器具及びヘッドスペース用ガラス容器(内容積10〜100 mLのもの)

又は真空瓶を用いる(図C.1)。 

b) 試料採取操作 

1) 試料採取場所での濃縮・捕集 注射筒で採取した試料を捕集・濃縮用ヘッドスペース容器又は真空

瓶に移し入れる。この容器にSPMEファイバーを挿入し,40分以上放置してシアン化水素を捕集し

た後,SPMEファイバーを引き抜く(図C.1)。ヘッドスペース容器には,試料中のシアン化水素濃

度に応じて10〜100 mL程度の内容積のものを用いる。図2の試料採取装置の例にある注射筒の採

取位置に真空瓶を置いて試料採取を行ってもよい。試料を濃縮・捕集したSPMEファイバーをカバ

ーして実験室に持ち帰る。 

2) 採取した試料の濃縮・捕集及びガスクロマトグラフへの導入 注射筒に採取し,持ち帰った試料を

測定用のヘッドスペース容器に移し入れる。真空瓶で採取し,持ち帰った試料は真空瓶のまま1) と

同様の操作によってSPMEファイバーに捕集する。この方法で使用する注射筒又は真空瓶は保存安

定性の評価を実施しておく。 

c) 分析操作 SPMEファイバーをガスクロマトグラフの試料注入口に挿入し,試料成分をガスクロマト

グラフに導入して測定する。 

d) 検量線の作成 検量線は,試料を捕集・濃縮用ヘッドスペース容器又は真空瓶と同じ容器に,検量線

作成用として3点以上濃度の異なる標準ガスを入れてSPMEファイバーに捕集後,直ちにガスクロマ

トグラフに導入し測定する。 

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図C.1−SPMEの使用方法 

C.2.2 試料ガス採取・分析(吸着剤による捕集・加熱回収) 

シリンジニードル内に充塡した捕集剤による捕集を行い,ガスクロマトグラフの試料注入口を用いて加

熱回収して捕集したシアン化水素をガスクロマトグラフのカラムに導入する方法。試料の吸引量が試料の

採取量に相当する。本文にある気体試料をガスクロマトグラフに直接導入する方法に比べて数倍から数十

倍の試料が導入できるので低濃度試料の分析に用いることができる。この方法は,排ガス温度が室温付近

で水分量が少ない試料に用いる。 

a) 器具及び装置 シリンジニードル内に捕集剤を充塡した器具を採取器具と呼ぶ(図C.2)。捕集剤には

塩酸で洗浄した後,中性になるまで水洗した活性炭を用いる。分析室に持ち帰った試料に適用する場

合は,図2に示した注射筒位置から試料ガスをシアン化水素の保存性がよい捕集バッグ(内容積1 L

程度)に採取する。 

b) 試料採取操作 

1) 試料採取場所での濃縮・捕集 図2に示した注射筒の挿入位置に採取器具を挿入し,ガス採取器(注

射筒)によって一定量の試料を採取する。採取する試料量は測定する濃度に応じて決定し記録する

(図C.3)。試料採取後,針先を密栓し,分析室に持ち帰る。 

2) 採取した試料の濃縮・捕集 捕集バッグ内の試料を,セプタムを通じてガス採取器で採取器具内に

一定量採取する。 

c) 分析操作 採取器具をガスタイトシリンジに装着する。ガスクロマトグラフへの導入に先立ち,ガス

タイトシリンジで採取器具内に清浄な窒素ガスを一定量(約0.5 mL)吸引する(図C.4)。採取器具の

針先(捕集剤部分)をガスクロマトグラフの注入口に挿入し,ガスタイトシリンジ内の窒素で採取器

具内の試料成分をガスクロマトグラフに導入して測定する。 

d) 検量線の作成 検量線は,真空瓶,捕集バッグ等に検量線作成用の3点以上濃度の異なる標準ガスを

作成する。試料採取時と同じ量の試料をガス採取器に装着した採取器具に採取して試料と同様の方法

で測定し検量線を得る。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図C.2−採取器具の断面図 

図C.3−採取方法 

図C.4−ガスクロマトグラフへの導入 

参考文献  

山梨医科学誌 18(3), 47-59, 2003. 

Y. Saito, I. Ueta, K. Kotera, M. Ogawa, H. Wada, K. Jinno, “In-needlenextraction device designed for gas 

chromatographic analysis of volatile organic compounds”, J. Chromatography A (2006) 190-195.