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K 0102

:2013

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS K 0102:2010 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


K 0102

:2013  目次

(2)

目  次

ページ

1.  適用範囲

1

2.  共通事項

1

3.  試料

4

3.1  試料の採取,試料容器,採水器及び採取操作

4

3.2  試料の取扱い

4

3.3  試料の保存処理

5

4.  流量

6

5.  試料の前処理

6

5.1  塩酸又は硝酸酸性で煮沸

6

5.2  塩酸又は硝酸による分解

6

5.3  硝酸と過塩素酸とによる分解

7

5.4  硝酸と硫酸とによる分解

7

5.5  フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光法,ICP 発光分光分析法及び

    ICP 質量分析法を適用する場合の前処理

8

6.  結果の表示

9

7.  温度

9

7.1  気温

9

7.2  水温

9

8.  外観

10

9.  透視度

10

10.  臭気及び臭気強度(TON

12

10.1  臭気

12

10.2  臭気強度(TON

13

11.  色度

14

11.1  刺激値及び色度座標を用いる方法

15

11.2  三波長を用いる方法

21

12.  pH

21

12.1  ガラス電極法

21

13.  電気伝導率

26

14.  懸濁物質及び蒸発残留物

29

14.1  懸濁物質

30

14.2  全蒸発残留物

31

14.3  溶解性蒸発残留物

32

14.4  強熱残留物

32

14.5  強熱減量

33


K 0102

:2013  目次

(3)

ページ

15.  酸消費量

33

15.1  酸消費量(pH4.8

33

15.2  酸消費量(pH8.3

34

16.  アルカリ消費量

35

16.1  アルカリ消費量(pH8.3

35

16.2  アルカリ消費量(pH4.8

36

16.3  アルカリ消費量(遊離酸)

37

17.  100  ℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(COD

Mn

38

18.  欠番

41

19.  アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(COD

OH

41

20.  二クロム酸カリウムによる酸素消費量(COD

Cr

43

21.  生物化学的酸素消費量(BOD

45

22.  有機体炭素(TOC

51

22.1  燃焼酸化-赤外線式 TOC 分析法

52

22.2  燃焼酸化-赤外線式 TOC 自動計測法

54

23.  全酸素消費量(TOD

55

24.  ヘキサン抽出物質

57

24.1  試料採取

57

24.2  抽出法

58

24.3  抽出容器による抽出法

61

24.4  捕集濃縮・抽出法

62

25.  欠番

63

26.  欠番

63

27.  欠番

63

28.  フェノール類

63

28.1  フェノール類

63

28.2  p-クレゾール類

68

29.  ホルムアルデヒド

70

29.1  アセチルアセトン吸光光度法

70

30.  界面活性剤

72

30.1  陰イオン界面活性剤

72

30.2  非イオン界面活性剤

77

31.  農薬

81

31.1  有機りん農薬

81

31.2  ペンタクロロフェノール

89

31.3  エジフェンホス(EDDP

90

32.  溶存酸素

90

32.1  よう素滴定法

90

32.2  ミラー変法

93


K 0102

:2013  目次

(4)

ページ

32.3  隔膜電極法

94

33.  残留塩素

97

33.1  o-トリジン比色法

98

33.2  ジエチル-p-フェニレンジアンモニウム(DPD)比色法

100

33.3  よう素滴定法

102

33.4  ジエチル-p-フェニレンジアンモニウム(DPD)吸光光度法

104

34.  ふっ素化合物

106

34.1  ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法

106

34.2  イオン電極法

109

34.3  イオンクロマトグラフ法

111

34.4  流れ分析法

112

35.  塩化物イオン(Cl

112

35.1  硝酸銀滴定法

112

35.2  イオン電極法

114

35.3  イオンクロマトグラフ法

116

36.  よう化物イオン(I

121

36.1  よう素抽出吸光光度法

121

36.2  よう素滴定法

123

37.  臭化物イオン(Br

124

37.1  よう素滴定法

124

37.2  イオンクロマトグラフ法

126

38.  シアン化合物

126

38.1  前処理

126

38.2  ピリジン-ピラゾロン吸光光度法

131

38.3  4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法

133

38.4  イオン電極法

134

38.5  流れ分析法

136

39.  硫化物イオン(S

2

136

39.1  メチレンブルー吸光光度法

137

39.2  よう素滴定法

140

40.  亜硫酸イオン(SO

3

2

143

40.1  よう素滴定法

143

41.  硫酸イオン(SO

4

2

145

41.1  クロム酸バリウム吸光光度法

145

41.2  重量法

147

41.3  イオンクロマトグラフ法

148

42.  アンモニウムイオン(NH

4

148

42.1  前処理(蒸留法)

148

42.2  インドフェノール青吸光光度法

151


K 0102

:2013  目次

(5)

ページ

42.3  中和滴定法

152

42.4  イオン電極法

154

42.5  イオンクロマトグラフ法

157

42.6  流れ分析法

157

43.  亜硝酸イオン(NO

2

及び硝酸イオン(NO

3

157

43.1  亜硝酸イオン(NO

2

157

43.2  硝酸イオン(NO

3

160

44.  有機体窒素

168

44.1  前処理(ケルダール法)

168

44.2  インドフェノール青吸光光度法

169

44.3  中和滴定法

170

45.  全窒素

170

45.1  総和法

170

45.2  紫外線吸光光度法

172

45.3  硫酸ヒドラジニウム還元法

174

45.4  銅・カドミウムカラム還元法

176

45.5  熱分解法

178

45.6  流れ分析法

179

46.  りん化合物及び全りん

179

46.1  りん酸イオン(PO

4

3

180

46.2  加水分解性りん

182

46.3  全りん

183

47.  ほう素(B

189

47.1  メチレンブルー吸光光度法

189

47.2  アゾメチン 吸光光度法

190

47.3  ICP 発光分光分析法

191

47.4  ICP 質量分析法

192

48.  ナトリウム(Na

194

48.1  フレーム光度法

194

48.2  フレーム原子吸光法

195

48.3  イオンクロマトグラフ法

195

49.  カリウム(K

198

49.1  フレーム光度法

199

49.2  フレーム原子吸光法

199

49.3  イオンクロマトグラフ法

200

50.  カルシウム(Ca

200

50.1  キレート滴定法

201

50.2  フレーム原子吸光法

203

50.3  ICP 発光分光分析法

204


K 0102

:2013  目次

(6)

ページ

50.4  イオンクロマトグラフ法

205

51.  マグネシウム(Mg

205

51.1  キレート滴定法

206

51.2  フレーム原子吸光法

207

51.3  ICP 発光分光分析法

208

51.4  イオンクロマトグラフ法

208

52.  銅(Cu

208

52.1  ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法

208

52.2  フレーム原子吸光法

210

52.3  電気加熱原子吸光法

213

52.4  ICP 発光分光分析法

214

52.5  ICP 質量分析法

218

53.  亜鉛(Zn

221

53.1  フレーム原子吸光法

222

53.2  電気加熱原子吸光法

222

53.3  ICP 発光分光分析法

223

53.4  ICP 質量分析法

223

54.  鉛(Pb

223

54.1  フレーム原子吸光法

223

54.2  電気加熱原子吸光法

224

54.3  ICP 発光分光分析法

225

54.4  ICP 質量分析法

225

55.  カドミウム(Cd

225

55.1  フレーム原子吸光法

225

55.2  電気加熱原子吸光法

226

55.3  ICP 発光分光分析法

227

55.4  ICP 質量分析法

227

56.  マンガン(Mn

227

56.1  過よう素酸吸光光度法

227

56.2  フレーム原子吸光法

229

56.3  電気加熱原子吸光法

229

56.4  ICP 発光分光分析法

230

56.5  ICP 質量分析法

230

57.  鉄(Fe

230

57.1  フェナントロリン吸光光度法

230

57.2  フレーム原子吸光法

232

57.3  電気加熱原子吸光法

233

57.4  ICP 発光分光分析法

234

58.  アルミニウム(Al

234


K 0102

:2013  目次

(7)

ページ

58.1  キノリノール吸光光度法

234

58.2  フレーム原子吸光法

236

58.3  電気加熱原子吸光法

237

58.4  ICP 発光分光分析法

238

58.5  ICP 質量分析法

239

59.  ニッケル(Ni

239

59.1  ジメチルグリオキシム吸光光度法

239

59.2  フレーム原子吸光法

241

59.3  ICP 発光分光分析法

242

59.4  ICP 質量分析法

242

60.  コバルト(Co

242

60.1  ニトロソ 塩吸光光度法

242

60.2  フレーム原子吸光法

243

60.3  ICP 発光分光分析法

244

60.4  ICP 質量分析法

244

61.  ひ素(As

244

61.1  ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法

244

61.2  水素化物発生原子吸光法

247

61.3  水素化物発生 ICP 発光分光分析法

251

61.4  ICP 質量分析法

252

62.  アンチモン(Sb

253

62.1  ローダミン 吸光光度法

253

62.2  水素化物発生原子吸光法

255

62.3  水素化物発生 ICP 発光分光分析法

257

62.4  ICP 質量分析法

258

63.  すず(Sn

260

63.1  フェニルフルオロン吸光光度法

260

63.2  ケルセチン吸光光度法

262

63.3  ICP 発光分光分析法

263

63.4  ICP 質量分析法

264

64.  ビスマス(Bi

264

64.1  よう化物抽出吸光光度法

264

64.2  ICP 発光分光分析法

265

64.3  ICP 質量分析法

266

65.  クロム(Cr

266

65.1  全クロム

266

65.2  クロム(VI)[CrVI)]

270

66.  水銀(Hg

274

66.1  全水銀

274


K 0102

:2013  目次

(8)

ページ

66.2  アルキル水銀(II)化合物

280

67.  セレン(Se

282

67.1  3,3'-ジアミノベンジジン吸光光度法

283

67.2  水素化合物発生原子吸光法

284

67.3  水素化合物発生 ICP 発光分光分析法

286

67.4  ICP 質量分析法

287

68.  モリブデン(Mo

287

68.1  チオシアン酸吸光光度法

287

68.2  ICP 発光分光分析法

289

68.3  ICP 質量分析法

289

69.  タングステン(W

289

69.1  チオシアン酸吸光光度法

289

69.2  ICP 発光分光分析法

290

69.3  ICP 質量分析法

291

70.  バナジウム(V

291

70.1  N-ベンゾイル-N-フェニルヒドロキシルアミン吸光光度法

291

70.2  フレーム原子吸光法

292

70.3  電気加熱原子吸光法

293

70.4  ICP 発光分光分析法

293

70.5  ICP 質量分析法

293

71.  魚類による急性毒性試験

293

72.  細菌試験

297

72.1  欠番

297

72.2  一般細菌

297

72.3  大腸菌群数

297

72.4  従属栄養細菌

297

72.5  全細菌

298

72.6  レジオネラ

298

73.  ウラン(U

298

73.1  ICP 発光分光分析法

298

73.2  ICP 質量分析法

299

付表 1  引用規格

301

附属書 1(参考)補足

308

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

335


日本工業規格

JIS

 K

0102

:2013

工場排水試験方法

Testing methods for industrial wastewater

1.  適用範囲  この規格は,工場(事業所を含む。以下,同じ。)から排出される排水の試験方法について

規定する。

備考 1.  この規格で規定する試験方法のうち,対応国際規格がある場合,その対応国際規格及びその

対応の程度を表す記号を,該当する試験方法ごとに該当箇条に示す。

なお,対応国際規格の技術的内容を変更している箇所は,変更の一覧表に説明を付けて

属書 に示す。

     2.

付表 に示す引用規格は,この規格に引用されることによってこの規格の規定の一部を構成

する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

2.  共通事項  共通事項は,次による。 
a)  通則  化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050 による。 
b)  定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0101JIS K 0211 又は JIS K 0215 による。 
c)  ガスクロマトグラフ法  ガスクロマトグラフ法に共通する一般事項は,JIS K 0114 による。 
d)  吸光光度法  吸光光度法に共通する一般事項は,JIS K 0115 による。 
e)  誘導結合プラズマ発光分光分析法  誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下,ICP 発光分光分析法と

いう。

)に共通する一般事項は,JIS K 0116 による。

f)  高周波プラズマ質量分析法  高周波プラズマ質量分析法(以下,ICP 質量分析法という。)に共通する

一般事項は,JIS K 0133 による。

g)  赤外分光法  赤外分光法に共通する一般事項は,JIS K 0117 による。 
h)  原子吸光法  原子吸光法には,フレーム原子吸光法,電気加熱方式原子吸光法(以下,電気加熱原子

吸光法という。

,その他の原子吸光法がある。これらに共通する一般事項は,JIS K 0121 による。

i)

イオン電極法  イオン電極法に共通する一般事項は,JIS K 0122 による。

j)  イオンクロマトグラフ法  イオンクロマトグラフ法に共通する一般事項は,JIS K 0127 による。 
k)  流れ分析法  流れ分析法に共通する一般事項は,JIS K 0126 による。 
l)

定量範囲  それぞれの試験方法の定量範囲は,最終溶液中の質量(mg,

μg 又は ng)で示す。ただし,

原子吸光法,フレーム光度法,ICP 発光分光分析法,ICP 質量分析法,イオンクロマトグラフ法,イ

オン電極法,流れ分析法,有機体炭素(TOC)

,全酸素消費量(TOD)

,溶存酸素及び残留塩素の試験

方法においては,最終溶液中の濃度(mg/L 又は

μg/L)で示す。

なお,アルキル水銀(II)化合物については,試料中の濃度(水銀としての濃度)で示す。

m)  繰返し精度  繰返し精度は,それぞれの試験方法で,定量範囲内で使用する標準液を用い,繰返し試

験で求めた変動係数(%)の概略値で示す。

n)  水  この規格で用いる水は,JIS K 0557 に規定する A1A4 の水とする。ただし,試験項目中で規定


2

K 0102

:2013

している場合には,それに従う。溶存酸素を含まない水及び二酸化炭素を含まない水は,次による。

1)  溶存酸素を含まない水[JIS K 0050 の附属書 E(特殊用途の水の調製方法及び保存方法)参照。]  溶

存酸素を除いた水の調製方法は,次の 1.1)∼1.5)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせた

ものを用い,使用時に調製する。保存する場合は,

図 2.1 のようにアルカリ性ピロガロール溶液(

1

)

を入れたガス洗浄瓶を連結し,空気中の酸素を遮断して保存する。

1.1)  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水をフラスコに入れ,約 5 分間煮沸して溶存酸素を除去した

後,

図 2.1 のようにアルカリ性ピロガロール溶液(

1

)を入れたガス洗浄瓶を連結して,空気中の酸素

を遮断して放冷する[JIS K 0557 の 4.(種別及び質)

備考 3.(溶存酸素を含まない水)参照]。

1.2)  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水をフラスコに入れ,JIS K 1107 に規定する窒素 2 級を約 15

分間通気して溶存酸素を除去する[JIS K 0557 の 4.(種別及び質)

備考 3.(溶存酸素を含まない

水)参照]

1.3)  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水を,酸素分離膜を用いたガス分離管に通水し,溶存酸素を

除去する。

1.4)  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水を,超音波振動装置で十分脱気を行い,溶存酸素を除去す

る。

1.5)  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の精製直後の水を,JIS K 1107 に規定する窒素 2 級を通じた三

角フラスコに泡立てないように採取したもの。

注(

1

)  JIS K 8780 に規定するピロガロール(1,2,3-ベンゼントリオール)6 g を水 50 mL に溶かし,着

色瓶に保存する。別に,JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 30 g を水 50 mL に溶かす。使用

時に両液を混合する。この溶液 1 mL は,酸素約 12 mL(約 17 mg)を吸収する。

A:平底フラスコ  1 000 mL 
B:ガス洗浄瓶  250 mL 
C:ゴム栓 
D:ゴム管 
E:アルカリ性ピロガロール溶液

図 2.1  溶存酸素を含まない水の冷却,保存の例

2)  二酸化炭素を含まない水[JIS K 0050 の附属書 E(特殊用途の水の調製方法及び保存方法)参照。]

  二酸化炭素を除いた水の調製方法は,次の 2.1)∼2.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合

わせたものを用い,使用時に調製する。保存する場合は,

図 2.1 と同様の装置を用い,ガス洗浄瓶

に水酸化カリウム溶液(250 g/L)

JIS K 8574 に規定する水酸化カリウムを用いて調製する。

)又は

JIS K 8603 に規定するソーダ石灰の二酸化炭素吸収用 1 号を入れ,空気中の二酸化炭素を遮断して

保存する。

2.1)  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水をフラスコに入れ,約 5 分間煮沸して溶存気体及び二酸化

炭素を除去した後,

図 2.1 と同様の装置を用い,ガス洗浄瓶に水酸化カリウム溶液(250 g/L)又

は JIS K 8603 に規定するソーダ石灰の二酸化炭素吸収用 1 号を入れ,空気中の二酸化炭素を遮断

して放冷する[JIS K 0557 の 4.(種別及び質)

備考 4.(炭酸を含まない水)参照]。


3

K 0102

:2013

2.2)  1.2)  と同じ操作を行い,二酸化炭素を除去する。 
2.3)  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水を,二酸化炭素分離膜を用いたガス分離管に通水し,二酸

化炭素を除去する。

2.4)  1.4)  と同じ操作を行い,二酸化炭素を除去する。

o)  試薬

1)  試薬は,日本工業規格(以下,JIS という。)に規定するもので,試験に支障のないものを用いる。

JIS に規定のない場合は,試験に支障のないものを用いる(

2

)。

滴定液類の標定には,JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のある場合には,それを用いる。

注(

2

)  電気加熱原子吸光法,ICP 質量分析法など,ごく微量の試験には,特に高純度の試薬を用いる。

2)  標準液は,各試験項目で調製方法を規定するもののほか,国家計量標準(計量法第 134 条)に規定

するトレーサビリティが確保されたもの又はそれを一定濃度に薄めたものを用いる(

3

)。

注(

3

)  調製に用いた化合物,添加してある酸などの種類及び濃度が試験に支障のないもの。

参考  トレーサビリティが確保された試薬としては,JCSS マークを付けたものがある。

3)  試薬類の溶液の濃度は,特に断らない限り質量濃度は g/L 又は mg/L,モル濃度は molL 又は mmolL

で示す。

なお,化合物の質量は,名称の後に括弧で示し,無水物としての値を用いる。

標準液の濃度は,1 mL 中の質量(mg/mL,

μg/mL 又は ng/mL)で表す[ただし,残留塩素測定の

塩素標準液,イオン電極法及びフレーム光度法に用いる標準液の濃度は,1 L 中の質量(mg/L)で

表す。

4)  試薬類の溶液名称の後に括弧で示す濃度は,標準液以外は,概略の濃度であることを意味する。例

えば,水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)は,約 0.1 mol/L の水酸化ナトリウム溶液であることを示

す。また,液体試薬 A と液体試薬 B との混合溶液の濃度は,A(a+b)で表す。この表し方は,A

と B とを a mL と b mL との割合で混合したことを示す。

なお,溶液名の前に示される濃度は,正確な濃度を意味する。ただし,一般には,端数のない数

値で示し,別にファクターを求めておく。

5)  試薬類の調製に用いる水は,n)の水とする。

6)  標準液を薄めて低濃度の標準液を調製するような場合には,特に断らない限り,10 mL 以上の全量

ピペットでとる。

7)  試薬類の名称は,国際純正及び応用化学連合(IUPAC)の無機化学命名法及び有機化学命名法を基

にして,公益社団法人日本化学会が定めた化合物命名法及び JIS に規定する試薬の名称と,できる

だけ整合させている。

8)  試薬類,廃液類などによる室内汚染,人体への吸入,付着などに注意する。また,その取扱いにつ

いては,関係法令,規則などに従う。

p)  器具類  この規格で用いるガラス器具,磁器るつぼ,磁器蒸発皿,白金るつぼ,白金皿及びろ紙は,

次による。

1)  ガラス器具は,特に断らない限り,JIS R 3503 及び JIS R 3505 に規定するものを用いる。ただし,

特殊な器具を必要とする場合には,それぞれの試験項目に,その例を図示又は説明する。また,加

熱操作を伴う場合には,JIS R 3503 に規定するほうけい酸ガラス−1 を用いる。

デシケーターに用いる乾燥剤は,特に断らない限り,JIS Z 0701 に規定する包装用シリカゲル乾

燥剤 A 形 1 種を用いる。


4

K 0102

:2013

2)  磁器るつぼ及び磁器蒸発皿は,JIS R 1301 及び JIS R 1302 に規定するものを使用する。 
3)  白金るつぼ及び白金皿は,JIS H 6201 及び JIS H 6202 に規定するものを使用する。

4)  ろ紙は,JIS P 3801 に規定する定量分析用を使用する。ただし,ろ紙の種類は,それぞれの試験項

目で規定する。

備考  シリカ,ほう素,ナトリウム,カリウム,ひ素,亜鉛などを試験する場合には,ほうけい酸ガ

ラスからのこれらの成分の溶出に十分に注意する。

q)  ガラス器具類の洗浄  この規格で用いる全てのガラス器具類,磁器るつぼ,磁器蒸発皿などは,試験

の前に次の洗浄操作を行う。ただし,それぞれの試験項目に規定している場合は,それによる。

1)  金属元素の試験に用いる場合は,A2 の水で洗浄した後,硝酸(1.5 mol/L)(JIS K 8541 に規定する

硝酸を用いて調製する。

)又は塩酸(1.5 mol/L)

JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

)に

1 日間以上浸し,再び A2 の水で洗浄した後,A3 の水で洗浄する。

2)  金属元素以外の試験に用いる場合は,A2 の水で洗浄した後,さらに A3 の水で洗浄する。

r)  吸光度の測定(吸光光度法)  吸収セルは,特に記載がない場合には,光路長 10 mm のものを用いる。 
s)  検量線[吸光光度法,原子吸光法,フレーム光度法,ICP 発光分光分析法,ICP 質量分析法,イオン

クロマトグラフ法,イオン電極法,有機体炭素(TOC),全酸素消費量(TOD),全窒素の熱分解法,

流れ分析法]  検量線の作成には,試験方法に示す定量範囲内を 4∼6 段階に分け,これに一致するよ

うに標準液をとる。ただし,試験項目で示されている場合は,それに従う。

検量線は,定量範囲内について作成する。

原子吸光法,フレーム光度法,ICP 発光分光分析法,ICP 質量分析法,イオンクロマトグラフ法,

イオン電極法,有機体炭素(TOC)

,全酸素消費量(TOD)

,全窒素の熱分解法及び流れ分析法の試験

においては,新たに作成した検量線を用い,同一項目を多数の試料について連続して試験する場合に

は,試験の途中において,適宜,標準液を用いて濃度指示値の確認を行う。

吸光光度法においては,あらかじめ作成した検量線を用いることができる。

t)  注,備考,図,表及び式  これらは,各試験項目ごとに一連の番号を付ける。 
u)  試験結果の質の管理  試験結果の質の管理のため,それぞれの試験方法におけるトレーサビリティが

保証された標準物質,又はそれを用いて調製した検量線用標準液を用いて,定期的にその測定値の精

確さ(真度及び精度)を評価することが望ましい。トレーサビリティが保証された標準物質がない場

合は,それぞれの試験方法で使用する標準物質,検量線用標準液を用いる。また,これらの標準物質,

検量線用標準液を用いた添加回収試験などによって定期的にその測定値の精確さを評価することが望

ましい。

3.  試料 
3.1

試料の採取,試料容器,採水器及び採取操作  試料とは,試験を行うために採取した水をいう。試

料の採取,試料容器,採水器及び採取操作は,JIS K 0094 に従う。

3.2

試料の取扱い  試験は,特に断らない限り,試料中に含まれる全量について行う。このため,試料

に懸濁物がある場合には,十分に振り混ぜて均一にした後,試料を採取して試験に用いる。ただし,陰イ

オンの試験では,特に断らない限り,ろ過した試料を用いる。全量を求める場合には,それぞれの試験項

目で規定する。

溶存状態のものだけを試験する場合には,試料採取後,直ちにろ紙 5 種 C (

1

)でろ過し,初めのろ液約 50

mL を捨て,その後のろ液を試料とする。


5

K 0102

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注(

1

)  ろ紙 6 種又は孔径 1

μm 以下のろ過材を用いてもよい。ただし,溶存マンガン及び溶存鉄の試験

では,ろ紙 5 種 C を用いる。その他,ろ過方法が示されている場合は,それに従う。

3.3

試料の保存処理  試験は,特に断らない限り,試料採取後,直ちに行う。直ちに試験ができずに保

存する場合は,JIS K 0094 の 7.(試料の保存処理)に従って,次のように行い,なるべく早く試験する。0  ℃

付近に保存する場合には,凍結させないようにする。また,試験項目に保存方法が示されている場合には,

それに従う。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。 
2)  塩酸(ひ素分析用)  JIS K 8180 に規定するもの。 
3)  硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。 
4)  硫酸  JIS K 8951 に規定するもの。 
5)  りん酸  JIS K 9005 に規定するもの。 
6)  L(+)-アスコルビン酸  JIS K 9502 に規定するもの。 
7)  水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 20 g を水に溶かして,

100 mL とする。

8)  塩基性炭酸亜鉛懸濁液  JIS K 8953 に規定する硫酸亜鉛七水和物 20 g を水 100 mL に溶かし,これ

と等体積の炭酸ナトリウム溶液(100 g/L)

JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウムを用いて調製す

る。

)とを混合する。使用時に調製する。

9)  硫酸銅(II)五水和物  JIS K 8983 に規定するもの。 
10)  クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。

b)  保存処理  保存処理は,次による。

1) 100

℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(COD

Mn

,アルカリ性過マンガン酸カリウ

ムによる酸素消費量(COD

OH

,二クロム酸カリウムによる酸素消費量(COD

Cr

,生物化学的酸素

消費量(BOD)

,有機体炭素(TOC)

,全酸素消費量(TOD)

,及び界面活性剤の試験に用いる試料

は,0∼10  ℃の暗所に保存する。

2)  アンモニウムイオン,有機体窒素及び全窒素の試験に用いる試料は,塩酸又は硫酸を加え,pH2∼3

とし,0∼10  ℃の暗所に保存する。短い日数であれば,保存処理を行わずそのままの状態で 0∼10  ℃

の暗所に保存してもよい。

3)  亜硝酸イオン及び硝酸イオンの試験に用いる試料は,試料 1 L につきクロロホルム約 5 mL を加えて

0∼10  ℃の暗所に保存する。短い日数であれば,保存処理を行わずそのままの状態で 0∼10  ℃の暗

所に保存してもよい。

4)  よう化物イオン及び臭化物イオンの試験に用いる試料は,水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)を加え

て pH 約 10 として保存する(試料 1 L につき水酸化ナトリウム 2∼4  粒を加えてもよい。

5)  シアン化合物及び硫化物イオンの試験に用いる試料は,水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)を加えて

pH 約 12 として保存する(試料 1 L につき水酸化ナトリウム 4∼6 粒を加えてもよい。)。シアン化合

物の試験に用いる試料で,残留塩素など酸化性物質が共存する場合は,L(+)-アスコルビン酸を

加えて還元した後,pH 約 12 とする。

硫化物イオンの試験には,試料を溶存酸素測定瓶に採取し,試料 100 mL につき塩基性炭酸亜鉛

懸濁液約 2 mL を加え,硫化亜鉛として固定して保存してもよい(39.

備考 2.参照。)。

6)  フェノール類の試験に用いる試料は,りん酸を加えて pH 約 4 とし,試料 1 L につき硫酸銅(II)五


6

K 0102

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水和物 1 g を加えて振り混ぜ,0∼10  ℃の暗所に保存する。

7)  農薬[パラチオン,メチルパラチオン,EPN,ペンタクロロフェノール及びエジフェンホス(EDDP)]

の試験に用いる試料は,塩酸を加え弱酸性として保存する。

8)  りん化合物及び全りんの試験に用いる試料は,試料 1 L につきクロロホルム約 5 mL を加えて 0∼

10  ℃の暗所に保存する。短い日数であれば,保存処理を行わずに 0∼10  ℃の暗所に保存してもよ

い。ただし,溶存りん化合物の試験に用いる試料は,3.2 によってろ過した後,試料 1 L につきクロ

ロホルム約 5 mL を加え,0∼10  ℃の暗所に保存する。短い日数であれば,ろ過後,保存処理を行

わずに 0∼10  ℃の暗所に保存してもよい。

全りんの試験に用いる試料は,硫酸又は硝酸を加えて pH 約 2 として保存してもよい。

9)  銅,亜鉛,鉛,カドミウム,マンガン,鉄,アルミニウム,ニッケル,コバルト,ひ素,アンチモ

ン,すず,ビスマス,クロム,水銀,セレン,モリブデン,タングステン,バナジウムなどの金属

元素の試験に用いる試料は,硝酸を加えて pH 約 1 として保存する。

ひ素,アンチモン及びセレンの試験に用いる試料で,有機物及び多量の硝酸イオン並びに亜硝酸

イオンを含まず,試験において硫酸及び硝酸,又は硝酸及び過マンガン酸カリウムによる前処理を

行わない場合には,塩酸(ひ素分析用)を加えて pH 約 1 として保存する。

クロム(VI)の試験に用いる試料は,そのままの状態で 0∼10  ℃の暗所に保存する。

溶存状態の金属元素の試験に用いる試料は,3.2 によってろ過した後,硝酸を加えて pH 約 1 とし

て保存する。

4.  流量  流量の測定は,JIS K 0094 の 8.(流量の測定)による。

5.  試料の前処理  試料の前処理操作は,各試験項目で規定するが,金属元素の試験における前処理操作

は,金属元素の種類に関係なく共通するものがほとんどであるため,一括して次に規定する。ただし,金

属元素のうちナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム,ひ素,クロム(VI)

,水銀,溶存マン

ガン及び溶存鉄の試験の前処理は,それぞれの試験項目において規定する。

金属元素の試験の前処理は,主として共存する有機物,懸濁物及び金属錯体の分解を目的としている。

前処理には,試料に各種の酸を加えて加熱する方法を用いるが,試料の状態及び試験の種類によって適

切な方法を選択する。

5.1

塩酸又は硝酸酸性で煮沸  この方法は,有機物及び懸濁物が極めて少ない試料に適用する。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。 
2)  硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

b)  操作  操作は,次による。

1)  試料(

1

) 100 mL につき塩酸 5 mL 又は硝酸 5 mL を加える。

2)  加熱して約 10 分間静かに煮沸する。

3)  放冷後,必要に応じて水で一定量にする。

注(

1

)  溶存状態の金属元素を試験する場合には,3.2 によってろ過した試料を用いる。

5.2

塩酸又は硝酸による分解  この方法は,有機物が少なく,懸濁物として水酸化物,酸化物,硫化物,

りん酸塩などを含む試料に適用する。

a)  試薬  試薬は,次による。


7

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1)  塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。 
2)  硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

b)  操作  操作は,次による。

1)  試料(

2

)をよく振り混ぜた後,直ちにビーカーにとり,試料 100 mL につき塩酸 5 mL 又は硝酸 5 mL

を加える。

2)  加熱して液量が約 15 mL になるまで濃縮する。 
3)  不溶解物が残った場合には,ろ紙 5 種 B でろ過した後,水でよく洗浄する。 
4)  放冷後,ろ液と洗液とを適切な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

注(

2

)  溶存状態の金属元素を試験する場合には,3.2 によってろ過した試料を用い,5.1 の方法を適用

する。

備考  塩酸と硝酸との混酸による分解が有利な試料の場合には,2)までの操作を行った後,室温まで

放冷する。1)で,塩酸を使用したときは硝酸 5 mL を,硝酸を使用したときは塩酸 5 mL を加え,

時計皿で覆い,再び加熱し,激しい反応が終わったら時計皿を取り除き,更に加熱して窒素酸

化物を追い出し,約 5 mL になるまで濃縮する。この操作で酸が不足している場合は,適量の

塩酸又は硝酸を加え,同じ操作で加熱して溶かす。不溶解物が残った場合は,温水 15 mL を加

え,3)及び 4)の操作を行う。

5.3

硝酸と過塩素酸とによる分解  この方法は,酸化されにくい有機物を含む試料に適用する。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  過塩素酸  JIS K 8223 に規定するもの。 
2)  硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

b)  操作  操作は,次による。

1)  試料(

2

)をよく振り混ぜた後,直ちにその適量をビーカー又は磁器蒸発皿にとる。

2)  硝酸 5∼10 mL を加え,加熱板上で静かに加熱して約 10 mL (

3

)になるまで濃縮し,放冷する。

3)  硝酸 5 mL を加え,次に過塩素酸(

4

) 10 mL を少量ずつ加え,加熱を続け,過塩素酸の白煙が発生し

始めたら,時計皿で容器を覆い,過塩素酸が器壁を流下する状態に保って有機物を分解する。

4)  有機物が分解しないで残ったときは,更に硝酸 5 mL を加えて 3)の操作を繰り返す。

5)  放冷後,水を加えて液量を約 50 mL に薄め,不溶解物が残った場合には,ろ紙 5 種 B を用いてろ過

し,水で洗い,ろ液と洗液とを適切な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

注(

3

)  ケルダールフラスコに移して分解してもよい。

  (

4

)  過塩素酸を用いる加熱分解操作は,試料の種類によっては爆発の危険性があるため,次の事項

に注意する。

−  酸化されやすい有機物は,過塩素酸を加える前に,2)の操作によって十分に分解しておく。

−  過塩素酸の添加は,必ず濃縮液を放冷した後に行う。

−  必ず過塩素酸と硝酸とを共存させた状態で,加熱分解を行う。

−  濃縮液を乾固させない。

5.4

硝酸と硫酸とによる分解  この方法は,多種類の試料に適用(

5

)することができる。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。 
2)  硫酸(11)  水 1 容をビーカーにとり,これを冷却し,かき混ぜながら JIS K 8951 に規定する硫

酸 1 容を徐々に加える。


8

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b)  操作  操作は,次による。

1)  試料(

2

)をよく振り混ぜ,直ちにその適量をビーカー又は磁器蒸発皿にとり,硝酸 5∼10 mL を加え

る。

2)  加熱して,液量が約 10 mL (

3

)になったら,再び硝酸 5 mL と硫酸(1+1)10 mL とを加え,硫酸の

白煙が発生し,有機物が分解するまで加熱する。

3)  有機物の分解が困難な場合は,更に硝酸 10 mL を加えて 2)の操作を繰り返す。 
4)  放冷後,水で液量を約 50 mL に薄める。不溶解物(

6

)が残った場合には,ろ紙 5 種 B を用いてろ過し,

水で洗い,ろ液と洗液とを適切な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

注(

5

)  水溶液をそのまま噴霧するフレーム原子吸光法を適用する場合には,好ましくない。

  (

6

)  鉛が含まれていて沈殿を生じる場合には,5.3 又は次の操作を行う。

2)の操作を行って溶液をほとんど蒸発乾固し,水約 30 mL と JIS K 8180 に規定する塩酸 15 mL

とを加えて加熱して溶かす。不溶解物がある場合には,ろ紙 5 種 B を用いてろ過した後,温塩

酸(1+10)

JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

)で洗浄する。放冷後,ろ液及び洗

液を適切な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

5.5

フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光法,ICP 発光分光分析法及び ICP 質量分析法を適用する場

合の前処理  試料に含まれている有機物及び懸濁物の量,その存在状態及び適用しようとする原子吸光法,

ICP 発光分光分析法,ICP 質量分析法などの方法を十分に考慮して 5.15.4 の方法のうち最適なものを選

択して前処理する(

7

) (

8

)。

調製した試料をそのまま噴霧する場合においてフレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析法を適用する

場合には,特に断らない限り試料は塩酸又は硝酸酸性(

9

),電気加熱原子吸光法及び ICP 質量分析法を適用

する場合は,硝酸酸性とし,適切な濃度(

10

)に調節する。

注(

7

)  フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析法において,溶媒抽出法を適用する場合の前処理は,

特に断らない限り,各試験項目のとおりとし,妨害する可能性のある有機物その他の妨害物質

を十分に分解する。

フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析法において,溶媒抽出法を適用せずに試料を噴霧

する場合には,次に示す前処理によってもよい。

有機物及び懸濁物が極めて少ない試料の場合は,5.1 の操作を行う。有機物又は懸濁物を含む

試料の一般的な前処理方法としては,5.3 又は 5.4 を適用する。この場合,白煙を十分に発生さ

せて大部分の硫酸及び過塩素酸を除去しておく。

電気加熱原子吸光法及び ICP 質量分析法の場合は,酸の種類及び濃度によっては空試験値が

無視できないことがあるので,測定する元素についてあらかじめその影響について調べておく。

いずれの前処理方法を適用するかは,試料に一定量の目的成分を添加して回収試験を行い,

その結果に基づいて判断するとよい。

  (

8

)  2.の注(

2

)による。高純度の試薬には,JIS K 9901 に規定する高純度試薬−硝酸,JIS K 9902 

規定する高純度試薬−塩酸,JIS K 9904 に規定する高純度試薬−過塩素酸,JIS K 9905 に規定

する高純度試薬−硫酸などがある。

  (

9

) ICP 発光分光分析法の場合,硫酸酸性では,試料導入量が少なく感度が悪くなることがあるの

で,5.4 の適用はやむを得ない場合だけとする。

  (

10

)  フレーム原子吸光法及び電気加熱原子吸光法の場合には,0.1∼1 mol/L,ICP 発光分光分析法及

び ICP 質量分析法においては,すず及びアンチモンを対象としない場合には,0.1∼0.5 mol/L と


9

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する。すず及びアンチモンを対象とする場合には,1∼1.5 mol/L とする。ただし,いずれの場

合も,検量線作成時の場合とほぼ同じ濃度とする。

6.  結果の表示  試験方法が二つ以上ある場合には,試験方法を付記する。

7.  温度  気温と水温とに分け,試料採取時に測定する。 
7.1

気温  気温は,次によって測定する。

a)  器具  器具は,次による。

1)  温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の 50 度温度計

b)  操作  操作は,次による。

1)  採水現場において直射日光及び周囲の強い熱放射を避けた風通しのよい場所で,温度計を地上 1.2

∼1.5 m の位置に保ち,感温液の止まるときの目盛を読み取る。

備考 1.  測定期間内の最高温度及び最低温度の測定には,最高最低温度計(図 7.1 参照)を使用する。

図 7.1  最高最低温度計の例

7.2

水温  水温は,次によって測定する。

a)  器具  器具は,次による。

1)  温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の 50 度温度計又は 100 度温度計

b)  操作  操作は,次による。

1)  温度計を現場の水に直接差し入れるか,採取直後の試料(

1

)の中に差し入れて感温液の止まる目盛付

近まで浸没した状態に保ち,感温液の止まるときの目盛を読み取る。

注(

1

)  容器及び外気の温度の影響を避けるため,多量の試料を採取する。

備考 2.  ペッテンコーヘル水温計(図 7.2 参照)を用いる場合には,現場の水に水温計を投入して試

料をくみ上げ,金属筒内に試料を 3 回入れ替えた後,試料を満たし,感温液の止まるときの

目盛を読み取る。


10

K 0102

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備考 3.  サーミスター温度計及び金属抵抗温度計は,温度検出部を測定する水中に保ち,指示部の指

針が一定したときの目盛を読み取る。

図 7.2  ペッテンコーヘル水温計

8.  外観  外観は,採取直後の試料について観察する。 
a)  器具  器具は,次による。

1)  ビーカー  300∼500 mL(無色のもの。)

b)  操作  操作は,次による。

1)  採水直後の試料をビーカーにとり,次の事項について肉眼で観察する。

−  試料全体の色の種類及びその程度

−  上澄み液の色の種類及びその程度

−  浮上物,懸濁物などの色の種類及びその量の程度

−  油類,タール類などの状態及びその程度

−  その他,試料の泡立ち,臭気など特異な状態

9.  透視度  試料の透明の程度を示すもので,透視度計に試料を入れて上部から透視し,底部に置いた標

識板の二重十字が初めて明らかに識別できるときの水層の高さをはかり,10 mm を 1 度として表す。

なお,

備考 2.に示す方法は,1990 年に第 2 版として発行された ISO 7027 との整合を図ったものである。

備考  この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 7027:1990,Water quality−Determination of turbidity(MOD)

測定範囲:1∼30 度

a)  器具  器具は,次による。


11

K 0102

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1)  透視度計  図 9.1 に例を示す。標識板の上側から 50 mm の高さまでは 5 mm ごとに,50∼300 mm ま

では 10 mm ごとに,目盛を施した下口付きのガラス製のもの。底部に

図 9.2 のような標識板を入れ

て用いる。

b)  操作  操作は,次による。

1)  よく振り混ぜた試料を透視度計に満たし,上部から底部を透視し,標識板の二重十字が初めて明ら

かに識別できるまで,ゴム管のピンチコックをゆっくり緩めながら下口から試料を速やかに流出さ

せたとき(

1

)の水面の目盛を読み取る。

2)  1)の操作を 2,3 回繰り返し,水面の目盛を読み取り,平均値を求め,透視度として度で表す。

注(

1

)  懸濁物の多い試料の場合には,これが透視度計の底部に沈積することがあり,誤差の原因とな

るので注意する。

備考 1.  同じ照度でも光源の違いによって彩度が異なる場合は,透視度が変わる。光源は昼光とし,

直射日光を避ける。

A:

B:

C

1

∼C

3

D:

E:

F:

下口付きシリンダー

遮蔽用黒板

シリンダー支持枠 
標識板

ピンチコック付きゴム管

図 9.1  透視度計の例


12

K 0102

:2013

単位  mm

図 9.2  透視度計の詳細図

備考 2.  図 9.2 に示す下口付きシリンダーのほかに,長さ 600±10 mm,内径 25±1 mm で,10 mm ご

とに目盛を付けたものなどを用いてもよい。

参考  市販品には,材質がアクリル樹脂製のもの,長さが 1 m のものもある。

10.  臭気及び臭気強度(TON)  臭気の試験は,臭気と臭気強度(TON)(

1

)とに区分する。

水の臭気は,細菌,藻類,微生物などの繁殖及び死滅,都市下水,畜舎排水及び工場排水の混入,貯水

槽及び配管系統の内面処理物質の溶出,塩素処理による残留塩素などの影響による。

臭気の試験は,嗅覚によるので,個人差が大きく,さらに,温度,湿度,測定者の食事及び喫煙などに

も影響される。

注(

1

) TON は,Threshold Odor Number の略称で,臭気いき(閾)値の希釈倍数,すなわち,明らかに

臭気を感じるときの希釈の倍数値である。

10.1  臭気  試料を約 40  ℃に温め,臭気の種類及びその程度を試験する。 
a)  器具  器具は,次による。

1)  共栓三角フラスコ  300 mL

b)  操作  操作は,次による。

1)  試料 200 mL を共栓三角フラスコ 300 mL にとり,軽く栓をして約 40  ℃に温める。

標識板の黒線の詳細


13

K 0102

:2013

2)  共栓三角フラスコを揺り動かしながら栓をとり,直ちに臭気の有無,臭気の種類及びその程度を試

験する。

3)  臭気の表示は表 10.1 に倣い,試料の臭気の種類及びその程度を,概略の理解ができるように表示す

る。

表 10.1  臭気の分類及び種類の例

臭気の大分類

臭気の種類

(1)  芳香性臭気

メロン臭,すみれ臭,にんにく臭,きゅうり臭,芳香臭,薬味臭など

(2)  植物性臭気

藻臭,青草臭,木材臭,海藻臭など

(3)  土臭,かび臭

土臭,沼沢臭,かび臭など

(4)  魚貝臭

魚臭,肝油臭,はまぐり臭など

(5)  薬品性臭気

フェノール臭,タール臭,油臭,油脂臭,パラフィン臭,塩素臭,硫

化水素臭,クロロフェノール臭,薬局臭,薬品臭など

(6)  金属性臭気

かなけ臭,金属臭など

(7)  腐敗性臭気

ちゅうかい臭,下水臭,豚小屋臭,腐敗臭など

(8)  不快臭

魚臭,豚小屋臭,腐敗臭などが強烈になった不快な臭い

備考 1.  嗅覚の個人差を少なくするため,同一試料を数人で試験するとよい。 
     2.  試料採取時に試料を温めずにその臭気を試験し,記録しておくとよい(これを,冷

時臭という。

10.2  臭気強度(TON)  臭気の強さを表すもので,約 40  ℃に保った水に試料を加え,明らかに臭気を

感じるときの希釈の倍数値[臭気いき(閾)値の希釈倍数]で表す。嗅覚の個人差を少なくするため,同

一試料について少なくとも 5 人,できれば 10 人程度で試験する。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  臭気のない水  図 10.1 に示すような装置に JIS K 0557 に規定する A3 の水を約 5 L/(L-活性炭・h)

で通す。

A:ガラス瓶(5 000 mL) 
B:ゴム栓 
C:ガラスウール 
D:粒状活性炭 
E:砂利(3∼5 mm)

図 10.1  臭気のない水の作り方の例

b)  器具  器具は,次による。

1)  共栓三角フラスコ  300 mL 
2)  足長ビュレット  50 mL 
3)  水浴  温度調節器の付いたもの。


14

K 0102

:2013

c)  予備試験  予備試験は,次による。

1)  試料 200 mL,40 mL,10 mL 及び 4 mL をそれぞれ共栓三角フラスコ 300 mL にとり,臭気のない水

を加えて 200 mL とし,予備試験の試料とする。

2)  別に,対照水として臭気のない水 200 mL を共栓三角フラスコ 300 mL にとる。 
3)  予備試験の試料と対照水とを水浴上で 40∼50  ℃に温めた後,対照水を振り混ぜ,開栓と同時に発

生する臭いを嗅ぐ。

4)  次に,試料の量の少ない方から,同様に操作して予備試験の試料の臭いを対照水と比較し,臭いが

感知できる最少の試料の量(mL)を求める。

d)  操作  操作は,次による。

1)  c4)で求めた試料の量から表 10.2 によって試験に用いる試料の量を縦系列に示す mL 数として求め

る。

2)  1)で求めた試料の各量をそれぞれ別の共栓三角フラスコ 300 mL にとり,臭気のない水を加えて 200

mL とし,これをこの試験の試料とする。

3)  次に,c)  2)∼4)と同様に操作して臭いを感知できる最少の試料の mL 数を求め,次の式によって臭

気強度(TON)を算出する。

V

TON

200

=

ここに,

V

試験に用いた試料(

mL

表 10.2  試験に用いる試料の量

単位  mL

予備試験の試料の量 200  40  10  4

試験に用いる試料の量 200

40

10

4.0

 100

28.5

8.0

2.9

 67

20

6.7

2.0

 50

13.3

5.7

1.3

 40

10

4.0

1.0

備考 3.  試料の臭気が強すぎるときは,試料を臭気のない水で 10 倍に薄めてから予備試験及び

試験の操作を行う。

     4.  試験に用いる共栓三角フラスコは,あらかじめ,臭気のない水でよく洗浄しておく。

     5.  試験は,環境に左右されることが多いので,臭いのない静かな室内で行う。 
     6.  試験直前の喫煙,喫茶,食事などは避け,更に手に石けん,ローション,香水などの

香りがないようにする。

     7.  試験を続けて行うと,4,5 回ぐらいで嗅覚が鈍るから,15∼30 分間程度休憩する。 
     8.  臭気度(pO)を求める場合には,次の式による。

TON

TON

pO

log

32

.

3

log

2

log

1

×

=

×

=

11.

色度  試料の色を表示する方法として,刺激値及び色度座標を用いる方法並びに三波長を用いる方法

を適用する。

なお,三波長を用いる方法は,

1994

年に第

2

版として発行された ISO 7887 との整合を図ったものであ

る。

備考

この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

IDT

(一致している)

MOD


15

K 0102

:2013

(修正している)

NEQ

(同等でない)とする。

ISO 7887

:1994

Water quality

Examination and determination of colour

MOD

11.1

刺激値及び色度座標を用いる方法  水を対照液として波長

400

700 nm

の所定の波長における試料

についての透過パーセントを測定して,三刺激値

(

1

)  X

Y

Z

を算出し,次に,色度座標

x

y

を算出し,

試料の色を刺激値

Y

及び色度座標

x

y

によって表示する。

(

1

)

三刺激値とは,色に対する視神経の感じ方が

3

種類あると考え,その

3

種類の視神経に対する

刺激の混合の割合によって色に対する感じ方が変わるとし,それぞれの刺激を与える波長を種

類別に

X

Y

Z

の系列にまとめ,透過パーセントを集計して求めた値である。

a

)

試薬  試薬は,次による。

1

)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水を孔径約

0.1 μm

のろ過材を用いてろ過し,初めの約

200 mL

捨てた後のろ液

b

)

装置  装置は,次による。

1

)

遠心分離器

2

)

光度計  分光光度計。吸収セル

100 mm

を使用できるもので,波長間隔

10 nm

以下で可視部全域が

測定できるものか,又はこれと同等の性能をもつ色度計

c

)

操作  操作は,次による。

1

)

試料をろ紙

5

C

又は孔径

1

μm

以下のろ過材でろ過するか,又は約

30 000 m/s

2

(約

3 000 g

)で約

20

分間遠心分離して濁りを除去する。

2

)

この一部を吸収セル

100 mm(

2

)

に移し,水を対照液として,

表 11.1

  (

3

)

の各波長における透過パーセ

ントを測定する。

(

2

)

色が濃く,吸収セル

100 mm

で測定できない場合には,適切な光路長の吸収セルを用いて測定

する。

この場合には,所定波長における吸光度を測定し,この値から吸収セル

100 mm

の吸光度に

換算し,この吸光度から透過パーセントを求めて計算する。

(

3

)

表 11.1 は,JIS Z 8719 に規定する付表 5-1-1{波長間隔

20 nm

で三刺激値

X

Y

Z

を計算する

ための重価係数[

400-(20)-700

}に従ったものである。


16

K 0102

:2013

表 11.1  波長間隔 20 nm で三刺激値 XYを計算するための重価係数 f

X

f

Y

f

Z

波長

λ(nm)

標準の光 C

f

X

f

Y

f

Z

400 0.019

−0.003 0.062

420 2.993  0.087 14.387 
440 7.634  0.510 38.438 
460 6.642  1.382 38.130 
480 2.360  3.206 19.545

500 0.068 6.907 5.746 
520 1.196 12.876  1.444 
540 5.590 18.261  0.356 
560 11.751 19.592  0.073 
580 16.795  15.991  0.026

600 17.897  10.694  0.013 
620

14.021 6.261 0.002

640 7.453 2.901 0.000 
660 2.731 1.003 0.000 
680 0.756 0.273 0.000

700 0.166 0.059 0.000

合計 98.072 100.000 118.225

色度座標

x=0.310 1

y=0.316 2

z=0.373 7

3

)

三刺激値及び色度座標 xの求め方  表 11.1 の各所定波長における透過パーセントと対応する

f

X

f

Y

f

Z

それぞれの値から,次の式によって三刺激値

X

Y

Z

及び色度座標

x

y

を算出する。

( ) ( )

=

700

400

X

1

λ

τ

λ

f

K

X

( ) ( )

=

700

400

Y

1

λ

τ

λ

f

K

Y

( ) ( )

=

700

400

Z

1

λ

τ

λ

f

K

Z

Z

Y

X

Y

x

+

+

=

Z

Y

X

Y

y

+

+

=

ここに,

X

刺激値

X

Y

刺激値

Y

Z

刺激値

Z

K

100.000

f

X

(

λ

)

波長

λでの

f

X

f

Y

(

λ

)

波長

λでの

f

Y

f

Z

(

λ

)

波長

λでの

f

Z

τ(

λ

)

波長

λでの透過パーセント

4

)

刺激値 の求め方  刺激値

Y

の値をそのまま刺激値とする。

備考 1.

主波長及び補色主波長の求め方  色度図(図 11.1)の中の点

C

は,無色の色度座標で

x


17

K 0102

:2013

0.310 1

y

0.316 2

色度座標が直線

RC

,直線

VC

及びスペクトル軌跡によって囲まれた面積内の点

S

1

で表さ

れる色の場合には,直線

CS

1

の延長とスペクトル軌跡との交点

S

1

に対応する波長を,

図 11.3

から求める。この波長をその色の主波長といい,記号

λ

d

で表す。また,色度座標が三角形

CRV

内の点

S

2

で表される色の場合には,直線

CS

2

の延長とスペクトル軌跡との交点

S

2

"

に対応す

る波長を,

図 11.3 から求める。この波長をその色の補色主波長といい,記号

λ

c

で表す。

図 11.1  色度図

備考 2.

刺激純度の求め方  図 11.1 において色度座標が点

S

1

によって表される色の場合には,刺激純

P

e

は次の式によって求め,その値に

%

を付ける。

100

c

c

×

=

x

x

x

x

P

e

λ

  (1)

又は

100

c

c

×

=

y

y

y

y

P

e

λ

  (2)

ここに,

  x

y

S

1

の座標

x

c

y

c

C

の座標

x

λ

y

λ

S

1

'

の座標

また,色度座標が点

S

2

で表される色の場合には,刺激純度

P

e

は,次の式によって求め,

その値に

%

を付ける。

100

c

p

c

×

=

x

x

x

x

P

e

  (3)

又は

100

c

p

c

×

=

y

y

y

y

P

e

  (4)

ここに,

  x

y

S

2

の座標

x

c

y

c

C

の座標

x

p

y

p

S

2

(直線

CS

2

の延長と純紫軌跡との交点)の座標

ただし,

P

e

を計算するには,分母又は分子の絶対値の大きい式で求める。


18

K 0102

:2013

刺激純度及び主波長の求め方の例  試料を測定して得られた三刺激値

X

40.14

Y

76.50

Z

34.25

であったとすれば,色度座標は

x

0.266

y

0.507

で刺激値

Y

76.50

である。

この色度座標を

図 11.2 上の点(

S

1

)として求め,次に,無色の点(

x

0.310 1

y

0.316 2

C

として求める。

C

S

1

とを直線で結び,更に延長してスペクトル軌跡と交わる点を

S

1

として求める。

S

1

'

は,スペクトル軌跡上の

534 nm

の位置にある。すなわち,主波長

λ

d

534

nm

である。また,

図 11.2 から,

S

1

'

の座標

x

λ

0.200

y

λ

0.785

であるので,式

(2)

によって

刺激純度

P

e

は,

%

70

.

40

100

2

316

.

0

785

.

0

2

316

.

0

507

.

0

=

×

となる。

したがって,試料の色は主波長

λ

d

534 nm

,刺激純度

P

e

40.70 %

,刺激値

Y

76.50 %

して表示される。

なお,試料の色がうすい場合には

図 11.4,また,試料の色が濃い場合には,図 11.5 を用い

て刺激純度を求めると便利である。

図 11.2  度視野 XYZ 系による色度図と主波長との関係図

備考 3.

主波長及びその色相  主波長と色相との関係を,表 11.2 及び図 11.3 に示す。

波長目盛の入った曲線は,スペクトル軌跡であって,スペクトル軌跡の両端を結ぶ曲線は,

純紫軌跡である。点

C

は,標準の光

C

の色度座標(

x

0.310 1

y

0.316 2

)を表す。


19

K 0102

:2013

表 11.2  主波長及びその色相名

主波長

nm

色相名

略号

主波長

nm

色相名

略号

498c∼700∼618

  R 498∼482

青緑

  BG

618∼586

だいだい(橙)   O 482∼435

  B

586∼571

黄色

  Y 435∼400∼578c

青紫

  V

571∼531

黄緑

  YG

578c∼528c

  P

531∼498

  G 528c∼498c

赤紫

  RP

図 11.3  度視野 XYZ 系による色度図(主波長及びその色相名)


20

K 0102

:2013

図 11.4  刺激純度(10 %表示)(試料の色がうすい場合)

図 11.5  刺激純度(100 %表示)(試料の色が濃い場合)


21

K 0102

:2013

11.2

三波長を用いる方法  試料をメンブレンフィルターでろ過し,波長

436 nm

525 nm

及び

620 nm

吸光度を測定し,それぞれの吸収係数を算出し,それぞれ求めた吸収係数で色を表示する方法。

a

)

試薬  試薬は,次による。

1

)

水  11.1 a

)

1

)

による。

b

)

装置  装置は,次による。

1

)

光度計  11.1 b

)

2

)

による。

2

)

pH 計  JIS Z 8802 に規定する形式

II

を用いる。

3

)

温度計  7.2 a

)

1

)

による。

c

)

操作  操作は,次による。

1

)

試料を孔径

0.45  μm

のメンブレンフィルターでろ過する。色の測定

(

4

)

と並行して,ろ過した試料の

pH

及び温度

(

5

)

を測定する。

2

)

この一部を吸収セル

(

6

)

に移し,水を対照液として波長

436 nm

525 nm

及び

620 nm

の吸光度を測定

する。

3

)

得られた吸光度から,次の式によってそれぞれの波長での吸収係数

α

λ

(光路長

1 m

当たりの吸

光度)を算出する。

( )

f

d

A

×

=

λ

α

ここに,

  α(λ)

光路長

1 m

当たりの吸光度(

m

1

A

ろ過後の試料の波長

λ

における吸光度

d

吸収セルの光路長(

mm

f

光路長

1 m

当たりの吸光度に換算するための係数(

f

1 000

(

4

)

色が濃い場合は,ろ過後の試料を水の一定量で薄める。この場合,

α(λ)

値の算出には希釈を考慮

する。

(

5

) pH

及び温度は,参考のため結果に付記する。

(

6

)

吸収係数が

10 m

1

より小さい場合は,吸収セルの光路長は

10 mm

以上のものを用いる。

12.

pH

pH

値の測定には,JIS Z 8802 に規定するガラス電極法による。

試料の

pH

値は化学的,物理的,生物化学的作用などによって迅速に変化するため,試料採取後,直ち

に測定する。

なお,この試験方法は,

1994

年に第

1

版として発行された ISO 10523 との整合を図ったものである。

備考

この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

IDT

(一致している)

MOD

(修正している)

NEQ

(同等でない)とする。

ISO 10523

:1994

Water quality

Determination of pH

MOD

12.1

ガラス電極法  ガラス電極を用いた

pH

計によって測定する。

a

)

試薬  試薬は,次による。

1

)

水  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水。ほう酸塩

pH

標準液及び炭酸塩

pH

標準液を調製する

場合は,共通事項 2. n

)

 2

)

の二酸化炭素を含まない水を用いる。

2

)

二しゅう酸三水素カリウム二水和物  JIS K 8474 に規定する二しゅう酸三水素カリウム二水和物

3

)

フタル酸水素カリウム  JIS K 8809 に規定するフタル酸水素カリウムの

pH

標準液用。


22

K 0102

:2013

4

)

りん酸二水素カリウム  JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウムの

pH

標準液用。

5

)

りん酸水素二ナトリウム  JIS K 9020 に規定するりん酸水素二ナトリウムの

pH

標準液用。

6

)

四ほう酸ナトリウム  JIS K 8866 に規定する四ほう酸ナトリウム十水和物の

pH

標準液用。

7

)

炭酸水素ナトリウム  JIS K 8622 に規定する炭酸水素ナトリウムの

pH

標準液用。

8

)

炭酸ナトリウム  JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウムの

pH

標準液用。

b

)

pH 標準液

(

1

)

pH

標準液は,次の 1

)

及び 2

)

による。

1

)

調製 pH 標準液  調製

pH

標準液は,JIS Z 8802 の 7.3.2(調製方法)による。

2

)

認証 pH 標準液  国家計量標準とのトレーサビリティが確認された認証

pH

標準液は,第

2

種を用

いる。

(

1

) pH

標準液の各温度での

pH

値は,

表 12.1 及び表 12.2 による。

備考 1.

表 12.1 及び表 12.2 に記載されていない温度における

pH

は,補間して求める。

     2.

pH

標準液は,

保存中に

pH

値が変化することがあるので長期間保存したものは使用しない。

特に,ほう酸塩

pH

標準液及び炭酸塩

pH

標準液は,容易に大気中の二酸化炭素を吸収し,

pH

値が低下するので注意する。

     3.

pH

標準液は,一度使用したもの及び大気中に開放して放置したものは使用しない。

表 12.1  調製 pH 標準液の各温度における pH 値の典型値

温度 pH 値

しゅう酸塩

フタル酸塩

中性りん酸塩

ほう酸塩

炭酸塩*

0

1.67 4.01 6.98 9.46 10.32

5

1.67 4.01 6.95 9.39 (10.25)

10

1.67 4.00 6.92 9.33 10.18

15

1.67 4.00 6.90 9.27 (10.12)

20

1.68 4.00 6.88 9.22 (10.07)

25

1.68 4.01 6.86 9.18 10.02

30

1.69 4.01 6.85 9.14 (9.97)

35

1.69 4.02 6.84 9.10 (9.93)

38

− 9.91

40

1.70 4.03 6.84 9.07  −

45

1.70 4.04 6.83 9.04  −

50

1.71 4.06 6.83 9.01  −

55

1.72 4.08 6.84 8.99  −

60

1.73 4.10 6.84 8.96  −

70

1.74 4.12 6.85 8.93  −

80

1.77 4.16 6.86 8.89  −

90

1.80 4.20 6.88 8.85  −

95

1.81 4.23 6.89 8.83  −

注*

括弧内の値は,2 次補間値を示す。各温度における pH 値は,JIS Z 8802 による。


23

K 0102

:2013

表 12.2  認証 pH 標準液の pH 値の典型値

*

参考)

温度

pH 値

しゅう酸塩

フタル酸塩

中性りん酸塩

りん酸塩

ほう酸塩

炭酸塩

第 2 種

第 2 種

第 2 種

第 2 種

第 2 種

第 2 種

0

1.67 4.00 6.98 7.53 9.46 10.32

5

1.67 4.00 6.95 7.50 9.40 10.24

10

1.67 4.00 6.92 7.47 9.33 10.18

15

1.67 4.00 6.90 7.45 9.28 10.12

20

1.68 4.00 6.88 7.43 9.22 10.06

25

1.68 4.01 6.86 7.41 9.18 10.01

30

1.68 4.02 6.85 7.40 9.14  9.97

35

1.69 4.02 6.84 7.39 9.10  9.92

38

1.69 4.03 6.84 7.38 9.08  −

40

1.69 4.04 6.84 7.38 9.07  9.89

45

1.70 4.05 6.83 7.37 9.04  9.86

50

1.71 4.06 6.83 7.37 9.01  9.83

55

1.72 4.08 6.83  − 8.98 −

60

1.72 4.09 6.84  − 8.96 −

70

1.74 4.13 6.84  − 8.92 −

80

1.77 4.16 6.86  − 8.88 −

90

1.79 4.20 6.88  − 8.85 −

95

1.81 4.23 6.89  − 8.83 −

注*

OIML recommendation (R054-e81)  に記載の値を小数点以下 2 桁に丸めたものである。JIS Z 8802 による。

c

)

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1

)

pH 計  JIS Z 8802 に規定する形式

II

を用いる

(

2

)

2

)

温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の

50

度温度計又は

100

度温度計

(

3

)

(

2

)

試験目的に応じて

pH

計の形式を選択することができる。

JIS Z 8802 では,

pH

計の形式を

0

III

4

段階に区分し,各形式の

pH

計の繰返し性は,

1

種類の

pH

標準液を用いて

pH

値を測定したとき,形式

0

では±

0.005

,形式

I

では±

0.02

,形式

II

では±

0.05

及び形式

III

では±

0.1

と規定している。

(

3

)

JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計で,各目盛における許容差±

1

℃のもの。

d

)

pH 計の校正

pH

計の校正は,次による。

1

)

検出部[ガラス電極

(

4

) (

5

)

及び参照電極

(

6

)

,温度計など]を取り付け,

pH

計の電源を入れる。

2

)

検出部は,水で繰り返し

3

回以上洗い,きれいな柔らかい紙で拭っておく。

3

)

中性りん酸塩

pH

標準液をビーカーにとり,検出部を浸す。温度補償用ダイヤル又はデジタルスイ

ッチの設定のあるものは目盛値を,中性りん酸塩

pH

標準液の温度に合わせる

(

7

) (

8

)

4

)

中性りん酸塩

pH

標準液の温度に対応する

pH

値(

表 12.1 又は表 12.2)に,調整ダイヤル(非対称

電位調整ダイヤル)を調節して合わせる。

5

)

検出部を水で繰り返し

3

回以上洗い,きれいな柔らかい紙などで拭っておく。

6

)

試料の

pH

値が

7

以下の場合は,フタル酸塩

pH

標準液又はしゅう酸塩

pH

標準液をビーカーにとり

検出部を浸す。

スパン調整ダイヤルを調節して,

使用した

pH

標準液の温度に対応する

pH

表 12.1 又は表 12.2

に合わせる

(

8

)

。試料の

pH

値が

7

を超える場合は

(

9

)

,ほう酸塩

pH

標準液又は炭酸塩

pH

標準液を用


24

K 0102

:2013

い,同じ操作で

pH

標準液の温度に対応する

pH

値に合わせる

(

8

)

7

)

再び 2

)

6

)

の操作を行い,

pH

値が

pH

標準液の温度に対応する

pH

値に±

0.05(

10

)

で一致するまでこ

の操作を繰り返す。

(

4

)

長く乾燥状態にあったガラス電極は,あらかじめ水に浸して平衡に達してから使用する。

(

5

)

ガラス電極が汚れている場合は,必要に応じて洗剤,塩酸(

1

20

JIS K 8180 に規定する塩

酸を用いて調製する。

)などで短時間洗い,更に流水で十分に洗う。電極の取扱いは,

備考 4.

によるとよい。

(

6

)

参照電極の汚れの除去はガラス電極と同じ操作で行い,内部液(塩化カリウム溶液)の交換な

どは取扱説明書を参照する。液絡部の汚染を避けるため,電解液には

2 cm

以上の水位差に相当

する静水圧が必要である。

(

7

) pH

標準液の温度は,できるだけ試料の温度に合わせる。

(

8

)

校正中は,各

pH

標準液の温度変動は±

2

℃とする。

(

9

)

試料の

pH

値が

11

以上の場合には,

備考 5.によって測定する。

(

10

) pH

計の形式

I

では±

0.02

pH

計の形式

III

では±

0.1

で一致するまで繰り返す。

備考 4.

電極の保守は,次による。

多くの測定を行った後,

pH

標準液の

pH

値の読みが平衡になるのに長時間を要するように

なったなら,次の操作を行って電極系(測定セル)の汚れを除く必要がある。

1

)

電極を定期的に(毎日又は毎週)柔らかい紙でよく拭って清浄にする。もし,有機物で

汚染された場合は,エタノール(

7

3

JIS K 8102 に規定するエタノール(

95

)を用い

て調製する。

,アセトン(JIS K 8034 に規定するもの。

,温めた洗剤溶液などで洗う。

2

)

有機溶媒は,ガラス膜表面から水を奪い感度低下をもたらすので,短時間の使用にとど

める。有機溶媒を使用した場合,その後,数時間は電極を水に浸して回復を図らなけれ

ばならない。この場合は,再校正が必要である。

3

)

炭酸カルシウムが付着した場合は,薄い塩酸で溶かす。

4

)

参照電極及び複合電極は,参照電極用電解液に,ガラス電極は,水に浸しておくとよい。

     5.

 pH

値が

11

以上で,特にアルカリ金属元素の濃度が高い場合には,アルカリ誤差を生じやす

いため,アルカリ誤差の少ない電極(例えば,リチウム電極など)を用い,炭酸塩を含まな

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液[16.1 a

)

1

)

による。

]又は水酸化カルシウム溶液(

25

における飽和)を用いて

pH

計の校正を行う。

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液又は水酸化カルシウム溶液(

25

℃における飽和)は,大

気中の二酸化炭素を吸収して容易に

pH

値が低下するので使用の都度調製する。

表 12.3 

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液及び水酸化カルシウム溶液

25

℃における飽和)

の各温度における

pH

値を示す。


25

K 0102

:2013

表 12.3  0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液及び 25  ℃における飽和水酸化カルシウム溶液の

各温度における pH 

温度

0.1 mol/L 水酸化

ナトリウム溶液

25  ℃における飽和

水酸化カルシウム溶液

温度

0.1 mol/L 水酸化

ナトリウム溶液

25  ℃における飽和

水酸化カルシウム溶液

0 13.8

13.43  35 12.6

12.14

5 13.6

13.21  40 12.4

11.99

10 13.4

13.00  45 12.3

11.84

15 13.2

12.81  50 12.2

11.70

20 13.1

12.63  55 12.0

11.58

25 12.9

12.45  60 11.9

11.45

30 12.7

12.30

e

)

操作  操作は,次による。

1

)

校正した

pH

計の検出部を水で繰り返し

3

回以上洗い,きれいな柔らかい紙などで拭っておく。

2

)

試料をビーカーにとり,検出部を浸す。温度補償用ダイヤル又はデジタルスイッチの設定のあるも

のは,目盛値を試料の温度

(

11

)

に合わせた後,

pH

値を測定する。

3

)

検出部を取り出し,水で繰り返し

3

回以上洗い,きれいな柔らかい紙などで拭っておく。

4

)

再び試料をビーカーにとり,検出部を浸し,

pH

値を測定する

(

11

)

5

)

再び 3

)

及び 4

)

の操作を行って,

3

回の測定値が±

0.1(

12

)

で一致した測定値を平均して,試料の

pH

を算出する。

(

11

) pH

値は試料の温度によって異なるので,試料の温度変動は±

2

℃とする。

(

12

)

緩衝性の低い試料は,容易に

pH

値が変化するため

pH

値が±

0.1

の繰返し性が得られない場合

がある。この場合は,

pH

値が±

0.2

で一致する値を平均して

pH

値を算出する。また,大気中

の二酸化炭素で容易に

pH

値が変動する場合には,流液形の電極を使用するとよい。

備考 6.

イオン強度の低い水(電気伝導率

5 mS/m

以下)又は緩衝性の低い水の

pH

値の測定には,特

別な注意が必要である。

     7.

溶解性の低いガラス膜をもった電極,すなわち,高アルカリ電極を用いる。このような電極

は,水の測定全般にわたってその使用を勧める。参照電極はすり合わせスリーブ形で,電解

液は塩化カリウム溶液(

1 mol/L

JIS K 8121 に規定する塩化カリウムを用いて調製する。

を用いる。ガラス電極への塩化カリウムの影響を避けるため溶液を静かにかき混ぜる。空気

の影響を避けるためには,試料を測定容器に流す。静電効果を抑制するために,測定容器部

分を電磁遮蔽し,試験液中に金属電極を挿入し,接地しなければならない。

     8.

妨害物質  温度,ある種の気体及び有機化合物は,

pH

値の測定を妨害する。懸濁物は,かな

り大きな誤差をもたらす可能性がある(懸濁効果)

。このような場合は,沈降を待って上澄み

部分に電極を挿入するか,又は限外ろ過法を適用する。試料によっては,油脂その他の汚染

物質の電極への付着及び隔膜の汚染が起こる可能性が高い。

参照電極の液絡部は,この汚染を防ぐことができる

(

6

)

。隔膜内に沈殿,例えば,硫化銀又

は,たん白フロックを生じるような場合は,試料と参照電極との間に,硝酸カリウム溶液

1 mol/L

JIS K 8548 に規定する硝酸カリウムを用いて調製する。

)の塩橋を用いる必要が

ある。


26

K 0102

:2013

13.

電気伝導率  電気伝導率は,溶液がもつ電気抵抗率(

Ω

m

)の逆数に相当し,

S/m

)の単位で表す。

また,電気伝導度は,溶液がもつ電気抵抗(

Ω

)の逆数に相当し,

S

)の単位で表す。

水の試験では,

25

℃の値を用い(

S/m

)及び(

S

)の千分の一を単位とし,それぞれ(

mS/m

(

1

)

及び(

mS

で表す

(

2

)

この試験は試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,試料容器に満杯として密栓し,

0

10

の暗所に保存し,できるだけ早く試験する。

なお,この試験方法は,

1985

年に第

1

版として発行された ISO 7888 との整合を図ったものである。

(

1

) mS/m

は,ミリジーメンス毎メートルと読む。

(

2

)

従来の単位で表した

1

μS/cm

は,

SI

単位では

0.1 mS/m

に相当(

1

μS/cm

1

×

10

6

 S/10

2

 m

1

×

10

4

 S/m

0.1 mS/m

)する。

備考

この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

IDT

(一致している)

MOD

(修正している)

NEQ

(同等でない)とする。

ISO 7888

:1985

Water quality

Determination of electrical conductivity

MOD

備考 1.

従来,水の試験では,電気伝導度及び電気伝導率の単位としてそれぞれ(

μS

)及び(

μS/cm

また,セル定数の単位として(

cm

1

)が用いられていた。

電気伝導度としては,

mS

)の単位で表した数値を

1 000

倍すると(

μS

)の単位で表した

数値となる。

電気伝導率としては,

mS/m

)の単位で表した数値を

10

倍すると(

μS/cm

)の単位で表し

た数値となる。

また,セル定数としては,

m

1

)の単位で表した数値を

0.01

倍すると(

cm

1

)の単位で

表した数値となる。

a

)

試薬  試薬は,次による。

1

)

水  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水。ただし,電気伝導率

0.2 mS/m

2

μS/cm

25

℃)以

下のもの。調製時に

20

±

2

℃に調節して用いる。

2

)

塩化カリウム  JIS K 8121 に規定する塩化カリウム(電気伝導率測定用)をめのう乳鉢で粉末にし,

500

℃で約

4

時間加熱し,デシケーター中で放冷したもの。

3

)

塩化カリウム標準液(A)  2

)

の塩化カリウム

74.246 g

をはかりとり,少量の水に溶かして全量フ

ラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

4

)

塩化カリウム標準液(B)  2

)

の塩化カリウム

7.437 g

をはかりとり,少量の水に溶かして全量フラ

スコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

5

)

塩化カリウム標準液(C)  2

)

の塩化カリウム

0.744 g

をはかりとり,少量の水に溶かして全量フラ

スコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

6

)

塩化カリウム標準液(D)  塩化カリウム標準液(

C

100 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

にとり,水

を標線まで加える。

これらの塩化カリウム標準液は,ポリエチレン瓶又はほうけい酸ガラス瓶に密栓して保存する。塩

化カリウム標準液の電気伝導率を,

表 13.1 に示す。

7

)

塩酸(11)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

8

)

硫酸(1360)  JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。

9

)

酢酸鉛  JIS K 8374 に規定する酢酸鉛(

II

)三水和物


27

K 0102

:2013

10

)

ヘキサクロロ白金(IV)酸  JIS K 8153 に規定するヘキサクロロ白金(

IV

)酸六水和物

表 13.1  塩化カリウム標準液(AD)の電気伝導率

塩化カリウム

標準液

温度

電気伝導率

mS/m

電気伝導率

(参考)

μS/cm)

A 0

6 518 65 180

 18

9 784 97 840

 25

11 134 111 340

B 0

714  7 140

 18

1 117 11 170

 25

1 286 12 860

C 0 77.4  774

 18 122.0 1 220 
 25 140.9 1 409

D 25  14.7  147

b

)

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1

)

電気伝導度計  検出部と指示部とから成るもの。検出部は,白金電極面に白金黒めっきを行った電

極を組み入れたセルから成る。セルは,

表 13.2 に示したセル定数のものを用意する。指示部は,ホ

イートストンブリッジ回路などを組み入れたものを用いる。セルは,水中に保存する

(

3

)

2

)

温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の

50

度温度計

3

)

恒温槽

25

±

0.5

℃に保つことができるもの。

(

3

)

セル定数を,c

)

2

)

の方法で定期的に確認する。

c

)

操作  操作は,次による。

1

)

試料の電気伝導率測定  試料の電気伝導率測定は,次による。

1.1

)

あらかじめ電気伝導度計の電源を入れておく。試料の電気伝導率に応じて

表 13.2 に示すセル定数

をもったセルを用い,水でセルを

2

3

回洗う。特に汚れている場合には,塩酸(

1

100

JIS K 

8180 に規定する塩酸を用いて調製する。)に浸し,更に流水で十分に洗い,最後に水で

2

3

回洗

う。

1.2

)

このセルを試料で

2

3

回洗った後,試料を満たし,

25

±

0.5

(

4

)

に保って電気伝導度

(

5

) (

6

)

の測定

を行う。

測定値が±

3 %(

7

)

で一致するまで試料を入れ替えて測定を繰り返し,

3

回の平均値で,電気伝導

度を求める。

1.3

)

電気伝導度から次の式によって試料の電気伝導率(

mS/m

25

℃)を算出する。

L

J

×

L

x

ここに,

L

試料の電気伝導率(

mS/m

25

℃)

J

セル定数(

m

1

L

x

測定した電気伝導度(

mS

(

4

)

精度を特に必要としない場合には,温度補償回路を組み入れた電気伝導度計を用いるか,次の

温度換算式[式

(1)

]を用いてもよい。電気伝導率は温度によって変化し,

1

℃の上昇で約

2 %

大きくなる。ただし,電気伝導率が

1 mS/m

10

μS/cm

)以下になると,水の解離によって生じ

る水素イオン及び水酸化物イオンの影響が大きくなるので,この換算式は適用できない。


28

K 0102

:2013

)

25

)(

100

/

(

1

θ

25

+

=

θ

α

κ

κ

  (1)

ここに,

κ

25

25  ℃における電気伝導率

κ

θ

測定温度 θ における電気伝導率

α

電気伝導率の温度係数(%)

θ

測定時の試料の温度(℃)

また,電気伝導率の温度係数(1  ℃当たりの電気伝導率の変化率)

α

の値は,実験的測定に

よって式(2)から求めることができる。

100

25

1

25

θ

25

25

,

θ

×

×

=

θ

κ

κ

κ

α

  (2)

ここに,

α

θ,25

κ

θ

κ

25

に換算するための電気伝導率の温度係数(%)

κ

25

25  ℃における電気伝導率

κ

θ

測定温度

θ

における電気伝導率

θ

測定時の試料の温度(℃)

注(

5

)  電気伝導度計の指示が電気抵抗(

Ω)になっている場合は,次の式(3)によって電気伝導率を計

算する。

3

10

×

=

x

R

J

κ

  (3)

ここに,

κ

試料の電気伝導率(mS/m)

(25  ℃)

J

セル定数(m

1

。ただし,電気抵抗率(

Ω・m)が直示される

場合は 1 とする。

R

x

測定した電気抵抗(

Ω)

  (

6

)  電気伝導度計の指示が電気伝導度(μS)になっている場合には,次の式(4)によって電気伝導率

(mS/m)を算出する。

κ

J'

×

L

x

'

×0.1  (4)

ここに,

κ

試料の電気伝導率(mS/m)

(25  ℃)

J'

セル定数(cm

1

L

x

'

測定した電気伝導度(

μS)

  (

7

)  試料の電気伝導率が 1 mS/m(25  ℃)未満の場合には,±3 %で一致しないことがあるので,JIS 

K 0552 に従って試験するか,又は流液形のセルを用いる。

表 13.2  セル定数及び測定範囲

セル定数*

測定範囲

m

1

 cm

1

 mS/m

μS/cm

1 0.01  2 以下 20 以下

10 0.1

0.1∼ 20   1∼ 200

100 1

1∼ 200  10∼ 2 000

1 000 10

10∼ 2 000   100∼ 20 000

5 000 50

100∼ 20 000   1 000∼ 20 0000

注*

セル定数 1 m

1

×0.01=1 cm

1

2)  セル定数の測定又はセル定数の確認  セル定数の測定又はセル定数の確認は,試料を試験するたび

に行う必要はないが,定期的に

表 13.1 の塩化カリウム標準液(A∼D)を用いてその数値を確かめ

る。操作は,次による。

2.1)  セルを水で 2,3 回洗う。次に,塩化カリウム標準液(セル定数に応じ,表 13.2 の測定範囲に対応


29

K 0102

:2013

する塩化カリウム標準液を用いる。

)で 2,3 回洗った後,その塩化カリウム標準液を満たす。こ

のセルを 25±0.5  ℃に保ち,電気伝導度を測定する。同じ塩化カリウム標準液を数回入れ替えて

測定を行い,測定値が±3 %で一致するまで繰り返す[±3 %で一致しない場合には,白金黒電極

に,3)によって新たに白金黒めっきを行う。

2.2)  測定した 3 回の平均値から,次の式によってセル定数を算出する。

XO

O

H

KC1

2

L

J

κ

κ

+

=

ここに,

J

セル定数(m

1

L

XO

測定した電気伝導度(mS)

。ただし,電気伝導度の指示が

μS

になっているときは,

μS

000

1

1

×

の値を用いる。

κ

KCl

使用した塩化カリウム標準液のこの温度における電気伝導率
(mS/m)

O

H

2

κ

塩化カリウム標準液の調製に用いた水のこの温度における電
気伝導率(mS/m)

なお,電気伝導度が μS となっている場合でセル定数を cm

1

の単位で求めたいときは,次の式

による。

'

L

'

'

J

XO

O

H

KC1

2

κ

κ

+

=

ここに,

J': セル定数(cm

1

L

XO

': 測定した電気伝導度(

μS)

κ

KCl

': 使用した塩化カリウム標準液のこの温度における電気伝導率

μS/cm)

'

κ

O

H

2

: 塩化カリウム標準液の調製に用いた水のこの温度における電

気伝導率(

μS/cm)

また,

表 13.1 中で濃度の接近している 2 種類の塩化カリウム標準液を用いてセル定数を測定し,

その値が±1 %で一致しないときは,3)によって,新たに白金黒めっきを行う。

3)  電極の白金黒めっき  電極の白金黒めっきは,次による。 
3.1)  白金黒は,塩酸(1+1)中で白金黒電極を陽極として電解すると,容易に取り除くことができる。 
3.2)  この白金電極をヘキサクロロ白金(IV)酸(30 g/L)と酢酸鉛(II)(0.25 g/L)とから成る電解液

JIS K 8153 に規定するヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物 38 g と JIS K 8374 に規定する酢酸鉛

(II)三水和物 0.5 g とを水に溶かして 1 L とする。

]に入れ,直流電圧約 6 V,電流密度 100∼400

A/m

2

(10∼40 mA/cm

2

)とし,適切な方法で電解液をかき混ぜながら,15∼30 kC/m

2

(1.5∼3.0 C/cm

2

を通電する。

3.3)  次に,硫酸(1+360)中で約 30 分間,ときどき電流の方向を変えて通電し,付着,吸蔵したヘキ

サクロロ白金(IV)酸及び塩素を除く。

14.  懸濁物質及び蒸発残留物  水中に懸濁している物質及び水を蒸発したときの残留物質を,懸濁物質,

全蒸発残留物,溶解性蒸発残留物,強熱残留物及び強熱減量に区分して試験する。

試験は,試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,試料を 0∼10  ℃の暗所に保存し,できる

だけ早く試験する。

ここで用いる用語の意味は,次による。

a)  懸濁物質  試料をろ過したとき,ろ過材上に残留する物質。


30

K 0102

:2013

b)  全蒸発残留物  試料を蒸発乾固したときに残留する物質。 
c)  溶解性蒸発残留物  懸濁物質をろ別したろ液を蒸発乾固したときに残留する物質。 
d)  強熱残留物  懸濁物質,全蒸発残留物及び溶解性蒸発残留物のそれぞれを 600±25  ℃で 30 分間強熱

したときの残留物で,それぞれの強熱残留物として示す。

e)  強熱減量  d)の測定時における減少量で,それぞれの強熱減量として示す。 
14.1  懸濁物質  試料をろ過し,ろ過材上に残留した物質を 105∼110  ℃で乾燥し,その質量を量る。 
a)  器具  器具は,次による。

1)  ろ過器(分離形)  図 14.1 に,例を示す。

A: 
B: 
C: 
D:

E:

F:

G:

上部ろ過管

ろ過材 
ろ過材保持台

下部ろ過管

ゴム栓 
金属性クランプ

吸引瓶

a)  ろ過器(分離形)

b)  ろ過部の詳細

図 14.1  ろ過器(分離形)の例

2)  ろ過材  ガラス繊維ろ紙,有機性ろ過膜又は金属性ろ過膜。孔径 1

μm で直径 25∼50 mm

備考 1.  ガラス繊維ろ紙は,目詰まりは少ないがガラス繊維が離脱するおそれがある。有機性ろ過膜

は,種類によって耐薬品性及び耐熱性に差があるので,取扱いに注意する。

b)  操作  操作は,次による。

1)  ガラス繊維ろ紙を用いる場合は,あらかじめろ過器に取り付け,水で十分に吸引洗浄した後(

1

),こ

のろ過材を,時計皿(

2

)上に置き,105∼110  ℃で約 1 時間加熱し(

3

),デシケーター中で放冷した後,

その質量を量る。

2)  ろ過材をろ過器に取り付け,試料(

4

)の適量(

5

)をろ過器に注ぎ入れて吸引ろ過する。試料容器及びろ

過管の器壁に付着した物質は,水でろ過材上に洗い落とし,ろ過材上の残留物質に合わせ,これを

水で数回洗浄する。

3)  残留物は,ろ過材とともにピンセットなどを用いてろ過器から注意して取り外し,1)で用いた時計

皿上に移し,105∼110  ℃で 2 時間加熱し,先のデシケーター中で放冷した後,その質量を量る。

4)  次の式によって懸濁物質(mg/L)を算出する。

(

)

V

b

a

S

000

1

×

=

ここに,

S: 懸濁物質(mg/L)

a: 懸濁物質を含んだろ過材及び時計皿の質量(mg)

b: ろ過材及び時計皿の質量(mg)

V: 試料(mL)


31

K 0102

:2013

注(

1

)  合成樹脂によるバインダー処理を行ったガラス繊維ろ紙,有機性ろ過膜及び金属性ろ過膜は洗

浄しなくてよい。

  (

2

)  なるべく軽い時計皿を用いるか,又はアルミニウムはくなどの軽い容器を用いる。

  (

3

)  有機性ろ過膜では 105∼110  ℃で加熱すると,変形するものがある。この場合は,90  ℃で加熱

する。

  (

4

)  目開き 2 mm のふるいを通過した試料を用い,十分に振り混ぜて懸濁物質が均一になってから,

手早く採取する。

  (

5

)  乾燥後の懸濁物質の量が 2 mg 以上になるように試料をとる。

備考 2.  ろ過しにくい試料の場合には,適量をビーカーにとり,その都度よく振り混ぜて,液をろ過

し終わる直前ごとに加え,ろ過速度が極めて遅くなったら試料の追加を止める。ビーカーの

中の残量から試料の量を求める。

     3.  試料容器に付着しやすい懸濁物質を含む場合は,適量の試料を採取して,その全量を用いて

試験する。

採取した容器の器壁に付着した懸濁物質は,ポリスマン(ゴム管付きガラス棒)などで落

として,ろ過材上に集める。

     4.  懸濁物質中の強熱残留物を定量する場合には,有機性ろ過膜を用いる。

     5.  油脂,グリース,ワックスなどを含む試料で,これらを除いた懸濁物質を測定する場合には,

試料をろ過した後,ろ過材を取り外すことなく,ろ過管ごと乾燥し,再び吸引瓶に取り付け

た後,JIS K 8848 に規定するヘキサン 10 mL ずつを数回注ぎ入れ,油脂類を洗って除く。続

いて 3)の操作を行う。

14.2  全蒸発残留物  全蒸発残留物は,次によって質量を量る。 
a)  器具  器具は,次による。

1)  蒸発皿  白金製,石英ガラス製又は磁器製

b)  操作  操作は,次による。

1)  適切な材質(

6

)の蒸発皿を 105∼110  ℃で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷した後,その質量

を量る。

加熱,放冷及びひょう量を繰り返して恒量とする。

2)  試料(

4

)の適量(

7

)を蒸発皿に入れ(

8

),注意して蒸発乾固する(

9

)。

3)  この蒸発皿を 105∼110  ℃で約 2 時間加熱し,先のデシケーター中で放冷した後,その質量を量る

る。

4)  次の式によって全蒸発残留物(mg/L)を算出する。

(

)

V

b

a

R

000

1

×

=

ここに,

R: 全蒸発残留物(mg/L)

a: 残留物の入った蒸発皿の質量(mg)

b: 蒸発皿の質量(mg)

V: 試料(mL)

注(

6

)  試料の性質によって用いる蒸発皿の材質を選ぶ。

例えば,試料に塩化物イオンと強い酸化性の物質とが共存する場合には,白金皿は用いない。

  (

7

)  乾燥後の全蒸発残留物の質量が,5 mg 以上になるように採取する。


32

K 0102

:2013

注(

8

)  試料の全量が蒸発皿に入らない場合には,数回に分けて入れる。

  (

9

)  蒸発乾固には,加熱板,沸騰水浴,赤外線ランプなどを用い,蒸発中に沸騰させないようにす

る。また,外部からの汚染に注意する。

備考 6.  14.の備考 3.による。

     7.  引き続き強熱残留物を定量する場合には,蒸発皿はあらかじめ 600±25  ℃で加熱して恒量に

したものを用いる。

14.3  溶解性蒸発残留物  溶解性蒸発残留物は,次によって質量を量る。 
a)  器具  器具は,次による。

1)  蒸発皿  14.2 a1)による。 
2)  ろ過器  14.1 a1)による。 
3)  ろ過材  14.1 a2)による。

b)  操作  操作は,次による。

1)  ろ過材をろ過器に取り付け,試料をろ過する。 
2)  ろ液について,14.2 b1)∼4)に準じて操作する。

備考 8.  14.1 の備考 1.及び備考 4.による。

14.4  強熱残留物 
14.4.1  懸濁物質の強熱残留物  懸濁物質の強熱残留物は,次によって質量を量る。 
a)  試薬  試薬は,次による。

1)  硝酸アンモニウム溶液(250 g/L)  JIS K 8545 に規定する硝酸アンモニウム 25 g を水に溶かして

100 mL とする。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  るつぼ  白金製又は磁器製 10∼20 mL 
2)  電気炉  600±25  ℃に調節できるもの。

c)  操作  操作は,次による。

1) 600±25  ℃で加熱して恒量にしたるつぼに 14.1 b)  3)で得た懸濁物質を,ろ過材とともに移し入れ,

硝酸アンモニウム溶液(250 g/L)を滴加して湿した後(

10

),電気炉に入れ,徐々に温度を上げ 600±

25  ℃で約 30 分間加熱して灰化し,デシケーター中で放冷した後,その質量を量る。

2)  次の式によって強熱残留物(mg/L)を算出する。

(

)

V

b

a

R

000

1

×

=

ここに,

R: 懸濁物質の強熱残留物(mg/L)

a: 強熱残留物の入ったるつぼの質量(mg)

b: るつぼの質量(mg)

V: 試料(mL)

注(

10

)  有機性ろ過膜がニトロ化合物の場合には,JIS K 8839 に規定する 2-プロパノールを滴加して湿

した後,強熱して灰化するとよい。

備考 9.  ろ過材にガラス繊維ろ紙を使用した場合には,あらかじめ別の同形のガラス繊維ろ紙を 600

±25  ℃の電気炉で加熱して空試験値を求め,ガラス繊維ろ紙の質量を補正する。

14.4.2  全蒸発残留物の強熱残留物  全蒸発残留物の強熱残留物は,次によって質量を量る。 
a)  操作  操作は,次による。


33

K 0102

:2013

1)  14.2 b) 3)で得た全蒸発残留物について,14.4.1 c)に準じて操作する。

14.4.3  溶解性蒸発残留物の強熱残留物 
a)  操作  操作は,次による。

1)  14.3 b)で得た溶解性蒸発残留物について,14.4.1 c)の操作に準じて操作する。

14.5  強熱減量 
a)  操作  操作は,次による。

1)  懸濁物質の強熱減量,全蒸発残留物の強熱減量及び溶解性残留物の強熱減量は,次の式によって算

出する。

ESR

ここに,

E: それぞれの強熱減量(mg/L)

S: それぞれの蒸発残留物(mg/L)

R: それぞれの強熱残留物(mg/L)

15.  酸消費量  酸消費量は,水に溶けている炭酸水素塩,炭酸塩,水酸化物などのアルカリを所定の pH

に中和するのに要する水素イオンの量(酸の量)を,試料 1 L についての mmol 数で表すか,又は水素イ

オン(酸)に相当する炭酸カルシウムの量に換算して,試料 1 L についての mg 数で表す。

酸消費量を,酸消費量(pH4.8)と酸消費量(pH8.3)とに区分する。

15.1  酸消費量(pH4.8)  酸消費量(pH4.8)は,pH 計を用い,0.1 mol/L 塩酸で滴定して求める。 
a)  試薬  試薬は,次による。

1)  0.1 mol/L 塩酸  JIS K 8180 に規定する塩酸 10 mL を,あらかじめ水 100 mL を入れたビーカーに加

えてよくかき混ぜ,水を加えて 1 L とする。

標定  標定は,次による。

−  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを 600  ℃で約 1 時間加熱し,デシ

ケーター中で放冷した後,その 1.06 g を 1 mg の桁まではかりとり,水に溶かして,全量フラス

コ 200 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

−  この 20 mL をビーカーにとり,指示薬としてメチルレッド-ブロモクレゾールグリーン混合溶液

(

1

) 3∼5 滴を加えた後,0.1 mol/L 塩酸で滴定する。溶液の色が灰紫を呈するようになったら,

煮沸して二酸化炭素を追い出し,放冷後,溶液の色が灰紫になるまで滴定を続ける。滴定に要

した 0.1 mol/L 塩酸の mL 数から,次の式によって 0.1 mol/L 塩酸のファクター(f)を算出する。

30

005

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

炭酸ナトリウムの量(

g

b

炭酸ナトリウムの純度(

%

x

滴定に要した

0.1 mol/L

塩酸(

mL

 0.005

30

0.1 mol/L

塩酸

1 mL

の炭酸ナトリウム相当量(

g

(

1

)

JIS K 8896 に規定するメチルレッド

20 mg

と JIS K 8840 に規定するブロモクレゾールグリーン

0.10 g

とを JIS K 8102 に規定するエタノール(

95

100 mL

に溶かす。

b

)

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1

)

pH 計  JIS Z 8802 の形式

II

2

)

マグネチックスターラー  回転による発熱で液温に変化を与えないもの。

c

)

操作  操作は,次による。


34

K 0102

:2013

1

)

試料

100 mL

をビーカーにとり,

pH

計の電極を入れる。

2

)

マグネチックスターラーで緩やかにかき混ぜながら

0.1 mol/L

塩酸で,

pH4.8(

2

)

になるまで滴定する。

3

)

次の式によって酸消費量(

pH4.8

)を算出する。

3.1

) mmol/L

で表す場合

V

f

a

A

000

1

1

.

0

×

×

×

=

ここに,

A

酸消費量(

pH4.8

mmol/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

塩酸(

mL

f

0.1 mol/L

塩酸のファクター

 0.1

0.1 mol/L

塩酸

1 mL

の水素イオン相当量(

mmol

V

試料(

mL

3.2

) CaCO

3

 mg/L

で表す場合

004

.

5

000

1

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

酸消費量(

pH4.8

CaCO

3

 mg/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

塩酸(

mL

f

0.1 mol/L

塩酸のファクター

V

試料(

mL

 5.004

0.1 mol/L

塩酸

1 mL

の炭酸カルシウム相当量(

mg

(

2

)

必要な場合は,滴定曲線を作成して求める。

備考 1.

 pH

計に代え,指示薬としてメチルレッド

-

ブロモクレゾールグリーン混合液を用いて滴定し

てもよい。

15.2

酸消費量(pH8.3)  酸消費量(

pH8.3

)は,

pH

計を用い,

0.1 mol/L

塩酸で滴定して求める。

a

)

試薬  試薬は,次による。

1

)

0.1 mol/L 塩酸  15.1 a

)

1

)

による。

b

)

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1

)

pH 計  15.1 b

)

1

)

による。

2

)

マグネチックスターラー  15.1 b

)

2

)

による。

c

)

操作  操作は,次による。

1

)

試料

100 mL

をビーカーにとり,

pH

計の電極を入れる。

2

)

マグネチックスターラーで緩やかにかき混ぜながら,

0.1 mol/L

塩酸で

pH8.3(

2

)

になるまで滴定する。

3

)

次の式によって酸消費量(

pH8.3

)を算出する。

3.1

) mmol/L

で表す場合

V

f

a

A

000

1

1

.

0

×

×

×

=

ここに,

A

酸消費量(

pH8.3

mmol/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

塩酸(

mL

f

0.1 mol/L

塩酸のファクター

 0.1

0.1 mol/L

塩酸

1 mL

の水素イオン相当量(

mmol

V

試料(

mL

3.2

) CaCO

3

 mg/L

で表す場合

004

.

5

000

1

×

×

×

=

V

f

a

B


35

K 0102

:2013

ここに,

B

酸消費量(

pH8.3

CaCO

3

 mg/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

塩酸(

mL

f

0.1 mol/L

塩酸のファクター

V

試料(

mL

 5.004

0.1 mol/L

塩酸

1 mL

の炭酸カルシウム相当量(

mg

備考 2.

 pH

計に代え,指示薬としてフェノールフタレイン溶液(

5 g/L

JIS K 8799 に規定するフェ

ノールフタレイン

0.5 g

を JIS K 8102 に規定するエタノール(

95

50 mL

に溶かし,水を加

えて

100 mL

とする。

]を用いて滴定してもよい。

16.

アルカリ消費量  アルカリ消費量は,水に溶けている強酸,炭酸,有機酸及び水酸化物として沈殿す

る金属元素などを所定の

pH

まで中和するのに要する水酸化物イオンの量(アルカリの量)を試料

1 L

たりの

mmol

数で表すか,又は水酸化物イオンの量(アルカリの量)に相当する炭酸カルシウムの量に換

算した,試料

1 L

当たりの

mg

数で表す。

アルカリ消費量は,アルカリ消費量(

pH8.3

,アルカリ消費量(

pH4.8

)及びアルカリ消費量(遊離酸)

に区分する。

16.1

アルカリ消費量(pH8.3)  アルカリ消費量(

pH8.3

)は,

pH

計を用い,

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム

溶液で滴定して求める。

a

)

試薬  試薬は,次による。

1

)

0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液  水約

30 mL

をポリエチレン瓶にとり,冷却しながら JIS K 8576

に規定する水酸化ナトリウム約

30 g

を少量ずつ加えて溶かし,密栓して

4

5

日間放置する。その

上澄み液

5 mL

をポリエチレン製の気密容器

1 L

にとり,2. n

)

 2

)

の二酸化炭素を含まない水を加えて

1 L

とし,混合した後,二酸化炭素を遮断して保存する。

標定  標定は,次による。

JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を上口デシケーター中に圧力

2 kPa

下で約

48

時間放置して乾燥する。その約

0.2 g

1 mg

の桁まではかりとり,三角フラスコ

200

mL

に入れ,水約

25 mL

を加えて溶かす。

これに指示薬としてブロモチモールブルー溶液(

1 g/L

(

1

) 3

5

滴を加え,この

0.1 mol/L

水酸

化ナトリウム溶液で滴定し,溶液の色が緑になったときを終点とする。次の式によって

0.1

mol/L

水酸化ナトリウム溶液のファクター(

f

1

)を算出する。

71

009

.

0

1

100

1

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

アミド硫酸の量(

g

b

アミド硫酸の純度(

%

x

滴定に要した

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液(

mL

 0.009

71

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液

1 mL

のアミド硫酸相当量

g

(

1

)

JIS K 8842 に規定するブロモチモールブルー

0.1 g

をとり,JIS K 8102 に規定するエタノール

95

50 mL

に溶かし,水で

100 mL

とする。

b

)

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1

)

pH 計  15.1 b

)

1

)

による。

2

)

マグネチックスターラー  15.1 b

)

2

)

による。

c

)

操作  操作は,次による。


36

K 0102

:2013

1

)

試料

100 mL

をビーカーにとり,

pH

計の電極を入れる。

2

)

マグネチックスターラーで緩やかにかき混ぜながら,

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液で

pH8.3(

2

)

なるまで滴定する。

3

)

次の式によってアルカリ消費量(

pH8.3

)を算出する。

3.1

) mmol/L

で表す場合

V

f

a

A

000

1

1

.

0

1

×

×

×

=

ここに,

A

アルカリ消費量(

pH8.3

mmol/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液(

mL

f

1

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液のファクター

 0.1

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液

1 mL

の水酸化物イオン相当

量(

mmol

V

試料(

mL

3.2

) CaCO

3

 mg/L

で表す場合

004

.

5

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

アルカリ消費量(

pH8.3

CaCO

3

 mg/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液(

mL

f

1

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液のファクター

V

試料(

mL

 5.004

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液

1 mL

の炭酸カルシウム相当

量(

mg

(

2

)

必要な場合は,滴定曲線を作成して求める。

備考 1.

 pH

計に代え,指示薬としてフェノールフタレイン溶液(

5 g/L

15.

備考 2.による。)を用

いて滴定してもよい。

     2.

アミド硫酸による標定の代わりに,JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリ

ウムを用いて標定した

0.1 mol/L

塩酸を使用して,次のように標定してもよい。

標定  標定は,次による。

 0.1

mol/L

塩酸

20 mL

をビーカーにとり,指示薬としてフェノールフタレイン溶液(

5 g/L

15.

備考 2.による。)

3

5

滴を加えた後,この

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液で溶液

の色が微紅色を呈するまで滴定する。

滴定に要した

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液の

mL

数から,次の式によって

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液のファクター(

f

1

)を算出する。

x

f

f

×

= 20

1

ここに,

f

0.1 mol/L

塩酸のファクター

x

滴定に要した

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液(

mL

16.2

アルカリ消費量(pH4.8)  アルカリ消費量(

pH4.8

)は,

pH

計を用い,

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム

溶液で滴定して求める。

a

)

試薬  試薬は,次による。

1

)

0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液  16.1 a

)

 1

)

による。

b

)

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1

)

pH 計  JIS Z 8802 の形式

II


37

K 0102

:2013

2

)

マグネチックスターラー  15.1 b

)

2

)

による。

c

)

操作  操作は,次による。

1

)

試料

100 mL

をビーカーにとり,

pH

計の電極を入れる。

2

)

マグネチックスターラーで緩やかにかき混ぜながら,

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液で

pH4.8(

2

)

なるまで滴定する。

3

)

次の式によってアルカリ消費量(

pH4.8

)を算出する。

3.1

) mmol/L

で表す場合

V

f

a

A

000

1

1

.

0

1

×

×

×

=

ここに,

A

アルカリ消費量(

pH4.8

mmol/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液(

mL

f

1

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液のファクター

 0.1

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液

1 mL

の水酸化物イオン相当

量(

mmol

V

試料(

mL

3.2

) CaCO

3

 mg/L

で表す場合

004

.

5

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

アルカリ消費量(

pH4.8

CaCO

3

 mg/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液(

mL

f

1

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液のファクター

V

試料(

mL

 5.004

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液

1 mL

の炭酸カルシウム相当

量(

mg

備考 3.

 pH

計に代え,指示薬としてメチルレッド

-

ブロモクレゾールグリーン混合溶液[15.

(

1

)

よる。

]を用いて滴定してもよい。

16.3

アルカリ消費量(遊離酸)  アルカリ消費量(遊離酸)は,水に溶けている硫酸,塩酸,硝酸,強

い有機酸などをしゅう酸カリウムの存在下で

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液で滴定し,

pH-

水酸化ナトリ

ウム溶液の滴定曲線から求める。

この測定値には,鉄,アルミニウムなどの塩類によるアルカリ消費量は含まれず,遊離酸に対応するア

ルカリ消費量が求められる。

a

)

試薬  試薬は,次による。

1

)

しゅう酸カリウム一水和物  JIS K 8522 に規定するもの。

2

)

0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液  16.1 a

)

1

)

による。

b

)

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1

)

pH 計  15.1 b

)

1

)

による。

2

)

マグネチックスターラー  15.1 b

)

2

)

による。

c

)

操作  操作は,次による。

1

)

試料

100 mL

をビーカーにとり,液温を約

10

℃に調節する。

2

)

しゅう酸カリウム一水和物約

20 g

を加え,かき混ぜて溶かす。

3

)

マグネチックスターラーで緩やかにかき混ぜ,

pH

計を用いて

pH

を測定しながら

0.1 mol/L

水酸化

ナトリウム溶液で滴定する。


38

K 0102

:2013

4

)

滴定の終点(変曲点)前後では,

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液を

0.1 mL

ずつ加える。

5

) pH

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液との滴定曲線を作成して終点を求め,次の式によってアルカ

リ消費量(遊離酸)を算出する。

5.1

) mmol/L

で表す場合

V

f

a

A

000

1

1

.

0

1

×

×

×

=

ここに,

A

アルカリ消費量(遊離酸)

mmol/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液(

mL

f

1

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液のファクター

 0.1

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液

1 mL

の水酸化物イオン

相当量(

mmol

V

試料(

mL

5.2

) CaCO

3

 mg/L

で表す場合

004

.

5

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

アルカリ消費量(遊離酸)

CaCO

3

 mg/L

a

滴定に要した

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液(

mL

f

1

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液のファクター

V

試料(

mL

 5.004

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液

1 mL

の炭酸カルシウム相当

量(

mg

17.

100  ℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(COD

Mn

  試料を硫酸酸性とし,酸化剤と

して過マンガン酸カリウムを加え,沸騰水浴中で

30

分間反応させ,そのとき消費した過マンガン酸の量を

求め,相当する酸素の量(

O mg/L

)で表す。

この試験は試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,3.3 によって保存し,できるだけ早く試

験する。

定量範囲:

COD

Mn

 O 0.5

11 mg/L

a

)

試薬  試薬は,次による。

1

)

水  JIS K 0557 に規定する A4 の水

(

1

) (

2

)

2

)

硫酸(12)  水

2

容をビーカーにとり,これをかき混ぜながら JIS K 8951 に規定する硫酸

1

容を

徐々に加えた後,うすい紅色を呈するまで過マンガン酸カリウム溶液(

3 g/L

)を加える。

3

)

硝酸銀溶液(200 g/L)  JIS K 8550 に規定する硝酸銀

20 g

を水に溶かして

100 mL

とする。着色ガ

ラス瓶に入れて保存する。

4

)

しゅう酸ナトリウム溶液(12.5 mmol/L)  JIS K 8528 に規定するしゅう酸ナトリウム

1.8 g

を水に

溶かして

1 L

とする。ただし,5

)

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液のモル濃度の

2.5

倍より僅

かに高いモル濃度のものを調製する。

5

)

5 mmol/L 過マンガン酸カリウム溶液  JIS K 8247 に規定する過マンガン酸カリウム

0.8 g

を平底フ

ラスコにとり,水

1 050

1 100 mL

を加えて溶かす。これを

1

2

時間静かに煮沸した後,一夜放置

する。

上澄み液をガラスろ過器

G4

を用いてろ過する(ろ過前後に水洗いしない。

。ろ液は,約

30

分間

水蒸気洗浄した着色ガラス瓶に入れて保存する。


39

K 0102

:2013

標定  標定は,次による。

JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のしゅう酸ナトリウムをあらかじめ

200

℃で約

1

間加熱し,デシケーター中で放冷する。その約

0.42 g

1 mg

の桁まではかりとり,少量の水に

溶かして,全量フラスコ

250 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

この溶液

25 mL

を三角フラスコ

300 mL

にとり,水で約

100 mL

とし,硫酸(

1

2

10 mL

を加

える。液温

25

30

℃で,ビュレットでこの

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液約

22 mL

を一

度に加え,紅色が消えるまで放置する。

次に,

50

60

℃に加熱し,この

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。終点は微紅

色を約

30

秒間保つときとする。

次の式によって,

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液のファクター(

f

(

3

)

を算出する。

675

001

.

0

1

250

25

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

しゅう酸ナトリウムの量(

g

b

しゅう酸ナトリウムの純度(

%

x

滴定に要した

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液(

mL

 0.001

675

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液

1 mL

のしゅう酸ナ

トリウム相当量(

g

(

1

)

水は

COD

Mn

値を与える物質を含んでいてはならない。次のようにしてその適否を確認できる。

100 mL

について c

)

1

)

4

)

を行う。このときの滴定に要した

5 mmol/L

過マンガン酸カリウ

ム溶液の量を

a mL

とする。別に,水

100 mL

について,加熱を除いた c

)

1

)

4

)

の操作を行う。

このときの滴定に要した

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液の量を

b mL

とする。

a

b

mL

を求める。この値が

0.15

0.2 mL

程度であればよい。これ以上の場合は,水(又は試薬)に有

機物が含まれていることが考えられ,使用に適しない。

(

2

)

水を蒸留精製する場合は,硫酸(

1

2

)を加えて微酸性とし,これに過マンガン酸カリウム溶

液(

3 g/L

)を加えて着色させた後,蒸留するとよい。ただし,蒸留の終わりまで過マンガン酸

の着色している状態を保つ。

(

3

)

ファクターは,なるべく

1

に近い(

0.95

1.05

)ものを使用する。

b

)

器具  器具は,次による。

1

)

水浴  試料を入れたとき,引き続いて沸騰状態を保てるような,熱容量及び加熱能力が大きなもの。

三角フラスコ

300 mL

が水浴の底に直接接触しないように,底から離して金網などを設ける。

c

)

操作  操作は,次による。

1

)

試料

(

4

)

の適量

(

5

)

を三角フラスコ

300 mL

にとり,水を加えて

100 mL

とし,硫酸(

1

2

10 mL

を加

え,振り混ぜながら硝酸銀溶液(

200 g/L

5 mL(

6

)

(

7

)

を加える。

2

) 5

mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液

10 mL

を加えて振り混ぜ,直ちに沸騰水浴中に入れ

(

8

)

(

9

)

30

分間加熱する

(

10

)

3

)

水浴から取り出し,しゅう酸ナトリウム溶液(

12.5 mmol/L

10 mL

を加えて振り混ぜ,よく反応さ

せる

(

11

)

4

)

液温を

50

60

℃で,

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液で僅かに赤い色を呈するまで滴定する。

5

)

別に,水

100 mL

を三角フラスコ

300 mL

にとり,1

)

4

)

の操作を行う

(

12

)

6

)

次の式によって

COD

Mn

O mg/L

)を算出する。


40

K 0102

:2013

(

)

2

.

0

000

1

Mn

×

×

×

=

V

f

b

a

COD

ここに,

COD

Mn

100

℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量

O mg/L

a

滴定に要した

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液(

mL

b

水を用いた試験の滴定に要した

5 mmol/L

過マンガン酸カリ

ウム溶液(

mL

f

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液のファクター

V

試料(

mL

 0.2

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液

1 mL

の酸素相当量

mg

(

4

)

懸濁物を含む場合には,よく振り混ぜて均一にした後,手早く採取する。

(

5

) 30

分間加熱した後の

5 mmol/L

過マンガン酸カリウム溶液の残留量が

4.5

6.5 mL

になるような

量。ただし,試料の

COD

Mn

O 11 mg/L

以下の場合には,

100 mL

とする。試料の適量は,c

)

の操作によって予備試験を行って決める。

COD

Mn

の概略値が分かっている場合には,次の式によって試料の適量(

V mL

)を求めること

ができる。

(

)

Mn

COD,

2

.

0

000

1

5

.

5

~

5

.

3

5

.

4

E

V

×

×

=

又は

ここに,

E

COD, Mn

試料の COD

Mn

予想値(O mg/L)

V: 試料の採取量(mL)

 4.5(又は 3.5∼5.5): 5 mmol/L 過マンガン酸カリウム溶液の反応予

想量(mL)

 0.2: 5 mmol/L 過マンガン酸カリウム溶液 1 mL の

酸素相当量(mg)

  (

6

)  硝酸銀溶液(200 g/L)に代え,これに対応する硝酸銀の粉末を加えてもよい。

  (

7

)  試料中に塩化物イオンが存在する場合は当量になるまで加え,更に 5 mL を加える。ただし,塩

化物イオンが多く,硝酸銀溶液(200 g/L)10 mL 以上を必要とする場合には,硝酸銀溶液(500

g/L)を用いて当量よりも 2 mL 過剰に加えるか,又は粉末にした硝酸銀を当量よりも 1 g 過剰

に加え,更に水 5 mL を加える。塩化物イオン 1 g に対する硝酸銀(AgNO

3

)の当量は 4.8 g で

ある。

通常の海水[塩化物イオン(18 g/L)

]100 mL と当量の硝酸銀は 8.64 g で,添加量は 9.6 g と

なる。

  (

8

)  多数の試料を一度に入れると,水浴の沸騰が止まるおそれがあるだけでなく,取り出したとき

のしゅう酸ナトリウム溶液(12.5 mmol/L)の添加操作の所要時間だけ加熱時間のずれが生じる

おそれがある。その所要時間だけの間隔をおいて入れるとよい。

  (

9

)  三角フラスコが倒れないように,その首に鉛製,鉄製などのリング状のおもりを付ける。

  (

10

)  このとき,三角フラスコ 300 mL 中の試料の液面は,沸騰水浴の水面下になるように保つ。

  (

11

)  塩化銀に酸化マンガン(IV)が混入し,反応にやや時間を要することがある。

  (

12

)  塩化物イオンの多い試料に硝酸銀溶液(200 g/L)5 mL 以上を加えた場合も,この操作では,硝

酸銀溶液(200 g/L)5 mL を用いる。

備考

  硝酸銀溶液(200 g/L)5 mL に代え,めのう乳鉢でよくすり潰した硫酸銀(

JIS K 8965

に規定す

る。

)の粉末 1 g を加えてもよい。ただし,

5

)でも

JIS K 8965

に規定する硫酸銀の粉末 1 g を用


41

K 0102

:2013

いる。塩化物イオンの多い試料では,塩化物イオンと当量よりも 10 %多い量に,更に 1 g を加

えた量を加える。

塩化物イオン 1 g と当量の硫酸銀は 4.4 g であり,

硫酸銀添加量:

[塩化物イオン(g)×4.4×1.1+1]

(g)=[塩化物イオン(g)×4.84+1]

(g)

となる。通常の海水[塩化物イオン(18 g/L)

]100 mL では 9.7 g となる。

18.

欠番

19.

アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量

COD

OH

試料をアルカリ性とし,酸化剤とし

て過マンガン酸カリウムを加え,沸騰水浴中で 20 分間反応させ,そのとき消費した過マンガン酸カリウム

の量を求め,相当する酸素の量(O mg/L)で表す。

この試験は,試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合は,

3.3

によって保存し,できるだけ早く試

験する。

a

)

試薬

  試薬は,次による。

1

)

JIS K 0557

に規定する

A4

の水

2

)

水酸化ナトリウム溶液

100 g/L

JIS K 8576

に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製する。

3

)

硫酸

21

)  水 1 容をビーカーにとり,これを冷却し,かき混ぜながら

JIS K 8951

に規定する硫

酸 2 容を徐々に加える。

4

)

アジ化ナトリウム溶液

40 g/L

JIS K 9501

に規定するアジ化ナトリウム 4 g を水に溶かして 100

mL とする。

5

)

でんぷん溶液

10 g/L

JIS K 8659

に規定するでんぷん(溶性)1 g を水約 10 mL と混ぜ,次に,

熱水 100 mL 中によくかき混ぜながら加え,約 1 分間煮沸した後,放冷する。使用時に調製する。

6

)

よう化カリウム溶液

100 g/L

JIS K 8913

に規定するよう化カリウム 10 g を水に溶かして 100 mL

とする。使用時に調製する。

7

)

過マンガン酸カリウム溶液

2 mmol/L

JIS K 8247

に規定する過マンガン酸カリウム 0.32 g を平

底フラスコにとり,水 1 050∼1 100 mL を加えて溶かす。これを 1∼2 時間静かに煮沸した後,16 時

間以上放置する。上澄み液をガラスろ過器 G4 を用いてろ過する(ろ過前後に水洗いしない。

。ろ

液は,約 30 分間水蒸気洗浄した着色ガラス瓶に入れて保存する。

8

)

0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液

JIS K 8637

に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物 26 g 及び

JIS K 8625

に規定する炭酸ナトリウム 0.2 g を

2. n

)

 1

)の溶存酸素を含まない水に溶かして 1 L とし,

気密容器に入れて少なくとも 2 日間放置する。標定は使用時に行う。

標定

  標定は,次による。

JIS K 8005

に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを 130  ℃で約 2 時間加熱し,デ

シケーター中で放冷する。その約 0.72 g を 1 mg の桁まではかりとり,少量の水に溶かし,全量

フラスコ 200 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

−  この 20 mL を共栓三角フラスコ 300 mL にとり,

JIS K 8913

に規定するよう化カリウム 2 g 及び

硫酸(1+5)

JIS K 8951

に規定する硫酸を用いて調製する。

)5 mL を加え,直ちに密栓して静

かに混ぜ,暗所に約 5 分間放置する。

−  水約 100 mL を加えた後,遊離したよう素をこのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の黄

色が薄くなってから指示薬としてでんぷん溶液(10 g/L)1 mL を加え,生じたよう素でんぷん


42

K 0102

:2013

の青い色が消えるまで滴定する。

−  別に,水について同条件で空試験を行って補正した mL 数から,次の式によって 0.1 mol/L チオ

硫酸ナトリウム溶液のファクター(f)を算出する。

567

003

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a: よう素酸カリウムの量(g)

b: よう素酸カリウムの純度(%)

x: 滴定に要した 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(補正し

た値)

(mL)

 0.003

567: 0.1 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 1 mL のよう素酸カリ

ウム相当量(g)

9

)

10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液

  0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 25 mL を全量フラスコ 250

mL にとり,

2. n

)

 1

)の溶存酸素を含まない水を標線まで加える。この溶液は使用時に調製し,12 時

間以上経過したものは使用しない。

b

)

器具

  器具は,次による。

1

)

共栓三角フラスコ

  200 mL

2

)

水浴

  試料を入れたとき,引き続いて沸騰状態を保つことができる熱容量及び加熱能力が大きなも

の。

c

)

操作

  操作は,次による。

1

)  試料(

1

)の適量(

2

)を共栓三角フラスコ 200 mL にとり,水を加えて 50 mL とし,水酸化ナトリウム溶

液(100 g/L)1 mL を加える。

2

)  過マンガン酸カリウム溶液(2 mmol/L)10 mL を加えて振り混ぜ,直ちに沸騰水浴中に入れ,20 分

間加熱する。このときフラスコ中の試料の液面は沸騰水浴の水面下で,かつ,共栓三角フラスコが

水浴の底に直接接しないように保つ。

3

)  水浴から取り出し,冷水で室温まで冷却した後,アジ化ナトリウム溶液(40 g/L)1 mL を加えて振

り混ぜる。

4

)  よう化カリウム溶液(100 g/L)1 mL 及び硫酸(2+1)0.5 mL を加え(

3

),栓をして振り混ぜ,暗所

に約 5 分間放置する。

5

)  遊離したよう素を,10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の色がうすい黄色になった

ら,指示薬としてでんぷん溶液(10 g/L)1 mL を加え,生じたよう素でんぷんの青い色が消えるま

で滴定する。

6

)  別に,水 50 mL を共栓三角フラスコ 200 mL にとり,水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)1 mL を加え,

2

)∼

5

)の操作を行う。

7

)  次の式によって COD

OH

(O mg/L)を算出する。

(

)

08

.

0

000

1

OH

×

×

×

=

V

f

a

b

COD

ここに,  COD

OH

アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(O 
mg/L)

a: 滴定に要した 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(mL)

b: 水を用いた試験に要した 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶

液(mL)

f: 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター(

4

)

 0.08: 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 1 mL の酸素相当量(mg)


43

K 0102

:2013

V: 試料(mL)

(

1

)  懸濁物を含む場合は,よく振り混ぜて均一にした後,採取する。

  (

2

) 20 分間加熱したときに最初に加えた過マンガン酸カリウム溶液(2 mmol/L)の約 1/2 が残るよ

うな量。

ただし,

アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量が 8 mg/L 以下の場合には,

50 mL とする。

試料の適量は,

c

)の操作によって予備試験を行って決める。

COD

OH

の概略値が分かっている場合には,次の式によって試料の適量(V mL)を求めること

ができる。

OH

COD,

08

.

0

000

1

5

E

V

×

×

=

ここに,  E

COD, OH

試料の COD

OH

予想値(O mg/L)

V: 試料の採取量(mL)

5: 過マンガン酸カリウム溶液(2 mmol/L)の反応予想量(mL)

 0.08: 過マンガン酸カリウム溶液(2 mmol/L)1 mL の酸素相当量

(mg)

  (

3

)  鉄を含むときは,硫酸(2+1)の添加前にふっ化カリウム溶液(300 g/L)

JIS K 8815

に規定す

るふっ化カリウムを用いて調製する。

)1 mL を加える。

  (

4

)

a

)

 8

)の 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクターを用いる。

20.

二クロム酸カリウムによる酸素消費量

COD

Cr

試料に二クロム酸カリウムと硫酸とを加え,還流

冷却器を付けて 2 時間煮沸した後,消費した二クロム酸の量を求め,相当する酸素の量(O mg/L)で表す。

この試験は試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,

3.3

によって保存し,できるだけ早く試

験する。

a

)

試薬

  試薬は,次による。

1

)

JIS K 0557

に規定する

A4

の水

2

)

硫酸銀-硫酸溶液

JIS K 8965

に規定する硫酸銀 11 g を

JIS K 8951

に規定する硫酸 1 L に溶かす。

溶けるまで 1∼2 日間を要する(加熱して溶かしてもよい。

3

)

硫酸水銀

II

4

)

二クロム酸カリウム溶液

    mol/L

JIS K 8517

に規定する二クロム酸カリウム 1.23 g をとり,

水に溶かして 1 L とする。

5

)

1,10-フェナントロリン鉄

II

溶液

JIS K 8789

に規定する 1,10-フェナントロリン一水和物(

1

) 1.48

g と

JIS K 8978

に規定する硫酸鉄(II)七水和物 0.70 g とを水に溶かして 100 mL とする。

6

)

25 mmol/L 硫酸アンモニウム鉄

II

溶液

(

2

)

JIS K 8979

に規定する硫酸アンモニウム鉄(II)六水

和物 10 g を水約 500 mL に溶かし,

JIS K 8951

に規定する硫酸 20 mL を加える。冷却した後,水を

加えて 1 L とする。使用時に標定する。

標定

  標定は,次による。

JIS K 8005

に規定する容量分析用標準物質の二クロム酸カリウムを,あらかじめ,めのう乳鉢

中で砕き,150  ℃で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷する。K

2

Cr

2

O

7

 100 %に対してその

0.25 g を 1 mg の桁まではかりとり,少量の水に溶かして全量フラスコ 200 mL に移し入れ,水

を標線まで加える。

−  この溶液 20 mL を三角フラスコ 300 mL にとり,水を加えて約 100 mL とし,

JIS K 8951

に規定

240

1


44

K 0102

:2013

する硫酸 30 mL を加える。

−  冷却した後,指示薬として 1,10-フェナントロリン鉄(II)溶液 2,3 滴を加えて,この 25 mmol/L

硫酸アンモニウム鉄(II)溶液で滴定し,溶液の色が青緑から赤褐色に変わった点を終点とす

る。

−  次の式によって 25 mmol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液のファクター(f)を算出する。

226

001

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a: 二クロム酸カリウムの量(g)

b: 二クロム酸カリウムの純度(%)

x: 滴定に要した 25 mmol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液

(mL)

 0.001

226: 25 mmol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液 1 mL の二クロ

ム酸カリウム相当量(g)

(

1

)

JIS K 8202

に規定する塩化 1,10-フェナントロリニウム一水和物を用いる場合には,1.78 g をと

る。

  (

2

) 25

mmol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液 1 mL は,二クロム酸カリウム溶液(    mol/L)1 mL

に相当する。

b

)

器具及び装置

  器具及び装置は,次による。

1

)

還流冷却器

  共通すり合わせリービッヒ冷却器又は球管冷却器 300 mm

2

)

丸底フラスコ又は三角フラスコ

  250∼300 mL。

1

)の還流冷却器と共通すり合わせのもの。

3

)

加熱板又はマントルヒーター

c

)

操作

  操作は,次による。

1

)  試料(

3

)の適量(

4

)をあらかじめ硫酸水銀(II)0.4 g (

5

)を入れた丸底フラスコ又は三角フラスコにとり,

水を加えて 20 mL とし,よく振り混ぜる。

2

)  二クロム酸カリウム溶液(    mol/L)10 mL を加え,注意してよく振り混ぜながら硫酸銀−硫酸溶

液 30 mL を加えた後,沸騰石 5∼7 個を入れる。

3

)  還流冷却器を付けて 2 時間煮沸する。

4

)  冷却した後,水約 10 mL で還流冷却器を洗って洗液をフラスコに流し入れ,更に水で約 140 mL に

薄める。

5

)  指示薬として 1,10-フェナントロリン鉄(II)溶液 2,3 滴を加えて,過剰の二クロム酸を 25 mmol/L

硫酸アンモニウム鉄(II)溶液で滴定し,溶液の色が青緑から赤褐色に変わった点を終点とする。

6

)  別に,水 20 mL をとり,

1

)∼

5

)の操作を行う。

7

)  次の式によって COD

Cr

(O mg/L)を算出する。

(

)

2

.

0

000

1

Cr

×

×

×

=

V

f

a

b

COD

ここに,  COD

Cr

二クロム酸カリウムによる酸素消費量(O mg/L)

a: 滴定に要した 25 mmol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液(mL)

b: 水を用いた試験の滴定に要した 25 mmol/L 硫酸アンモニウ

ム鉄(II)溶液(mL)

f: 25 mmol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液のファクター

V: 試料(mL)

 0.2: 25 mmol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液 1 mL の酸素相当

量(mg)

240

1

240

1


45

K 0102

:2013

(

3

)  懸濁物を含む場合には,よく振り混ぜて均一にした後,手早く採取する。

  (

4

) 2 時間煮沸した後に最初に加えた二クロム酸カリウム溶液の約 1/2 が残るような量。

  (

5

)  塩化物イオン 40 mg をマスキングするが,海水のように塩化物イオンの濃度が高い場合には,

妨害を除去できないので,この方法は適用できない。

備考

  この方法では,水銀化合物を使用するので,試験後の廃液の処理について特に注意する。

21.

生物化学的酸素消費量

BOD

生物化学的酸素消費量とは,水中の好気性微生物によって消費され

る溶存酸素の量をいう。試料を希釈水で希釈し,20  ℃で 5 日間放置したとき消費された溶存酸素の量(O

mg/mL)から求める。

この試験は試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,

3.3

によって保存し,できるだけ早く試

験する。

a

)

試薬

  試薬は,次による。

1

)

JIS K 0557

に規定する

A3

の水(

1

)

2

)

塩酸

111

JIS K 8180

に規定する塩酸を用いて調製する。

3

)

水酸化ナトリウム溶液

40 g/L

JIS K 8576

に規定する水酸化ナトリウム 4 g を水に溶かして 100

mL とする。

4

)

緩衝液

pH7.2

JIS K 9017

に規定するりん酸水素二カリウム 21.75 g,

JIS K 9007

に規定

するりん酸二水素カリウム 8.5 g,

JIS K 9019

に規定するりん酸水素二ナトリウム・12 水 44.6 g 及び

JIS K 8116

に規定する塩化アンモニウム 1.7 g を水に溶かして 1 L とする。この緩衝液の pH は 7.2

である。

5

)

硫酸マグネシウム溶液

JIS K 8995

に規定する硫酸マグネシウム七水和物 22.5 g を水に溶

かして 1 L とする。

6

)

塩化カルシウム溶液

JIS K 8123

に規定する塩化カルシウム 27.5 g を水に溶かして 1 L と

する。

7

)

塩化鉄

III

溶液

JIS K 8142

に規定する塩化鉄(III)六水和物 0.25 g を水に溶かして 1 L

とする。使用時に調製する。

8

)

亜硫酸ナトリウム溶液

12.5 mmol/L

JIS K 8061

に規定する亜硫酸ナトリウム 1.6 g を水に溶か

して 1 L とする。使用時に調製する。

9

)

よう化カリウム

JIS K 8913

に規定するもの。

10

)

希釈水

  水温を 20  ℃近くに調節し,ばっ気して溶存酸素を飽和させた水(

2

) 1 L に対して,A 液,B

液,C 液及び D 液をそれぞれ 1 mL ずつ加える。この溶液の pH は 7.2 である[pH7.2 を示さないと

きは,塩酸(1+11)又は水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)で pH7.2 に調節する。

。希釈水は,培養

瓶に詰めて 20  ℃の恒温槽に 5 日間放置したとき,初めの溶存酸素の量と 5 日間後の溶存酸素の量

との差が O 0.2 mg/L 以下であることをあらかじめ確認しておく(

3

)。

11

)

植種液

  下水の上澄み液(

4

)

(

5

),河川水(

6

),土壌抽出液(

7

)などを用いる。

12

)

植種希釈水

(

8

)  試験に際し植種液の適量(

9

)を希釈水に加えて,植種希釈液を調製する。

(

1

)  石英ガラス又はほうけい酸ガラス−1 製の蒸留器で精製したもの。又は,同等のもの。

  (

2

)  洗浄して汚染物質を除いた空気を通して,溶存酸素を飽和させるとよい。空気の洗浄は,次に

よる。

空気を活性炭ろ過器[例えば,粒状活性炭をガス乾燥塔(300 mm)に充

する。

]でろ過し,


46

K 0102

:2013

次に,硫酸酸性にした過マンガン酸カリウム溶液(5 g/L)

JIS K 8247

に規定する過マンガン酸

カリウム溶液を用いて調製する。

)で洗い,更に水酸化カリウム溶液(250 g/L)

JIS K 8574

規定する水酸化カリウム溶液を用いて調製する。

)で洗う。

(

3

)  生物化学反応は,含まれている有機物の濃度及び微生物の種類によって異なるため,希釈水に

ついて空試験を行って補正することは困難である。このため,希釈水は,5 日間の酸素消費量

が O 0.2 mg/L 以下のものを用いる。

  (

4

)  植種液には,家庭生下水がよく用いられる。新鮮な生下水を 20  ℃(又は室温)で 24∼36 時間

放置後,その上澄み液を用いる。下水中に硝化生物(アンモニウムイオン及び亜硝酸イオンを

酸化する生物)の多いもの及び十分な生物化学的平衡に達していない新鮮な下水は好ましくな

い。

  (

5

)  植種液として下水を用いた場合に,正常な BOD を示さない試料には,植種液として土壌抽出液

を用いるか,又は試験室でこの試料にならした微生物を培養し,この培養液を用いる。

  (

6

)  常時この試料の放流を受けている河川の放流地点から 500∼1 000 m 下流の水を植種に用いると

良好な結果を得ることがある。試料中に生物化学的反応に有害な物質が共存しても,その試料

の放流を受けている河川,湖沼などには,耐性をもった生物相が発達していることが多いから

である。

  (

7

)  土壌(植物の生育している土壌)約 200 g を水 2 L 中に加えてかき混ぜた後,その上澄み液を用

いる。

  (

8

)  試料中に好気性の微生物及び細菌が存在しない場合,又はその数が不足している場合に,植種

希釈水を用いる。

試料の BOD の試験に植種希釈水を用いるときは,次の操作によって植種希釈水の調製に用い

た植種液についての補正(植種補正)を行う。

植種液を希釈水で適切に希釈して数段階の希釈した植種液を調製し,希釈試料と並行して測

定する。

希釈した植種液の培養前の溶存酸素の量を B

1

,5 日間放置後の溶存酸素の量を B

2

とするとき

        ×100 が 40∼70 %の範囲内にあるものを選び,植種補正値として(B

1

B

2

を用いる

d

)

 4

)の BOD の算出式を参照]。植種希釈水の 5 日間の溶存酸素の消費量を求めて補正を行っ

てはならない。

  (

9

)  微生物が正常な活動をするために,植種希釈水の BOD が O 0.6∼1 mg/L になるように加える。

通常,希釈水 1 L に対し,下水の上澄み液では 5∼10 mL,河川水では 10∼50 mL,土壌抽出液

では 20∼30 mL 程度である。

b

)

器具及び装置

  器具及び装置は,次による。

1

)

培養瓶

  正確に容量の分かっている細口共栓ガラス瓶(100∼300 mL)で,共栓は斜めに切り落と

したもの。

図 21.1

に例を示す。

(

)

1

2

1

B

B

B


47

K 0102

:2013

図 21.1  培養瓶の例

2

)

恒温器

  恒温器は,温度を 20±1  ℃に調節できるものを用いる。希釈試料中の藻類による二酸化炭

素同化作用(炭酸同化作用)を防ぐために,光を遮断しておく。同様な仕様の恒温水槽を用いても

よい。

c

)

試料の前処理

  試料の前処理は,次による。

試料に酸,アルカリ,残留塩素などの酸化性物質,過飽和の溶存酸素又は溶存気体が含まれている

場合には,次の前処理を行う。また,前処理によって液量が増加する場合には,増加分について結果

を補正する。

1

)

アルカリ又は酸を含む試料

  塩酸(1+11)又は水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)を加えて試料の pH

を約 7 にする。

2

)

残留塩素などの酸化性物質を含む試料

  あらかじめ試料 100 mL に

JIS K 9501

に規定するアジ化ナ

トリウム 0.1 g とよう化カリウム 1 g とを加えて振り混ぜた後,塩酸(1+1)

JIS K 8180

に規定す

る塩酸を用いて調製する。

)を加えて pH を約 1 とし,暗所に数分間放置する。遊離したよう素をで

んぷん溶液を指示薬として亜硫酸ナトリウム溶液(12.5 mmol/L)でよう素でんぷんの青い色が消え

るまで滴定する。別に,同量の試料をとり,先の滴定値から求めた計算量の亜硫酸ナトリウム溶液

(12.5 mmol/L)を加えて残留塩素を還元した後,必要ならば水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)又は

塩酸(1+11)を用いて pH 約 7 とする。

3

)

溶存酸素又は溶存気体が過飽和の試料

  冬季に採取した処理水,河川水などの試料の温度が 20  ℃

以下のときは,20  ℃にしたときに溶存酸素及び溶存気体が過飽和になりやすい。また,緑藻類の多

い河川水及び湖沼水では,二酸化炭素同化作用によって酸素が発生するので,溶存酸素が過飽和に

なりやすい。これらの試料では,BOD 測定中に溶存酸素が気体となり,培養瓶外に散逸し,結果が

不正確になるから,あらかじめかき混ぜるか,ばっ気するなどの方法によって溶存酸素及び溶存気

体を 20  ℃の飽和量近くに減少させておく。

備考 1.

  生物化学的処理が済んだ試料には,炭素質の有機物を分解する好気性細菌のほかにアンモニ

アなどの窒素化合物を酸化(硝化)する硝化細菌が繁殖していることがある。このような試

料では,有機物の酸化分解に消費される酸素と,アンモニアなどの窒素化合物の硝化に消費

される酸素との合量が測定される。この硝化による酸素の消費量は,試料中の窒素化合物の

量に対応するものではなく,硝化細菌の数によって変化する。

硝化作用を抑制した状態の生物化学的酸素消費量を測定するには,次の操作を行う。

d

)

  1

)の希釈試料の調製時に,希釈試料 1 L について N-(2-プロペニル)チオ尿素 2 mg(*)


48

K 0102

:2013

又は 2-クロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジンの粉末 10 mg(**)が含まれるように添加する。

(*)

N-(2-プロペニル)チオ尿素(N-アリルチオ尿素)溶液(1 mg/mL)[N-(2-プロペ

ニル)チオ尿素 0.1 g を水に溶かして 100 mL とする。0∼10  ℃の暗所に保存する。

2 mL を加える。

  (**) 2-クロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジンは,水に溶けにくいので粉末で加える。

添加した後も完全には溶けず一部は浮上することがあるので,培養瓶に移す場合な

ど注意する。水に溶けやすいように,他の試薬と混合したものがあり,これを用い

てもよい。

d

)

操作

  操作は,次による。

1

)

希釈試料の調製

  希釈試料の調製は,次による。

−  サイホンを用い,泡が入らないように注意して希釈水又は植種希釈水をメスシリンダー(有栓

形)1 000 mL[培養瓶が 200 mL 以上の場合には,メスシリンダー(有栓形)2 000 mL を用い

る。

]に約半分までとる。

−  次に,前処理を行った試料の適量(

10

)

(

11

)

(

12

)を加え,希釈水又は植種希釈水を 1 000 mL の標線

[メスシリンダー(有栓形)2 000 mL の場合には,2 000 mL の標線]まで加える。栓をして静

かに混ぜ合わせる。

−  試料の量を変えて同じ操作を行うか又は同様の操作によって,この溶液を希釈して,更に段階

的に希釈倍数の異なる希釈試料 4,5 種類を調製する(

13

)

(

14

)

(

15

)。

−  調製したそれぞれの希釈試料 1 種類について,培養瓶 2∼4 本を用意し,サイホンを用いて希釈

試料を移し入れ,十分にあふれさせた後,密栓する。

−  希釈倍数の異なる各組の培養瓶のうち 1 本は,

培養前の溶存酸素の定量に用い,

ほかは 20±1  ℃

に調節した恒温器に入れて 5 日間培養する(

16

)

(

17

)。

2

)

培養前の希釈試料の溶存酸素量の測定

  希釈試料を調製後 15 分間放置し(

18

),溶存酸素を

32.1

32.2

又は

32.3

によって定量する。

32.2

又は

32.3

による場合は,メスシリンダー中に残った希釈試料を用

いて溶存酸素の量を測定してもよい。

3

)

培養後の溶存酸素の測定

  恒温器の中に 5 日間培養した希釈試料の溶存酸素の量を

2

)と同じ方法で

測定する。

4

)

BOD の算出

  培養前後の溶存酸素の量から,次の式によって試料の BOD(O mg/L)を算出する(

19

)。

4.1

)  植種を行わない場合

(

)

P

D

D

BOD

2

1

=

ここに,  BOD

生物化学的酸素消費量(O mg/L)

D

1

希釈試料を調製してから 15 分間後の溶存酸素(O mg/L)

D

2

培養後の希釈試料の溶存酸素(O mg/L)(

20

)

P: 希釈試料中の試料の占める割合(試料/希釈試料)

4.2

)  植種希釈水を用いた場合(

19

)

(

) (

)

P

f

B

B

D

D

BOD

×

=

2

1

2

1

ここに,  BOD

生物化学的酸素消費量(O mg/L)

D

1

希釈試料を調製してから 15 分間後の溶存酸素(O mg/L)

D

2

培養後の希釈試料の溶存酸素(O mg/L)(

20

)


49

K 0102

:2013

P: 希釈試料中の試料の占める割合(試料/希釈試料)

B

1

植種液の BOD を測定する場合の希釈した植種液の培養前の溶
存酸素(O mg/L)

B

2

植種液の BOD を測定する場合の希釈した植種液の培養後の溶
存酸素(O mg/L)

f

y

x

x

:試料の

BOD

を測定する場合の希釈試料中の植種液(%)

y

:植種液の

BOD

を測定する場合の希釈した植種液中の植種

液(%)

(

10

)  試料の正常な BOD を得るための希釈試料の溶存酸素の消費量(

D

1

D

2

)は,O 3.5∼6.2 mg/L

の範囲である。希釈不足のため残留する溶存酸素の量が O 1 mg/L 以下である,又は逆に希釈し

過ぎて溶存酸素の消費量が O 2 mg/L 以下となる場合には,正常な BOD を得にくい。

  (

11

)  試料の BOD が,経験その他で予想できれば,採取する試料の量は,次のようにして求める。

例えば,20  ℃における溶存酸素の飽和量は,O 8.84 mg/L であり,これの 40 %は約 O 3.5 mg/L,

70 %は約 O 6.2 mg/L であるから,希釈水と試料とを合わせて 1 L にする場合には,採取する試

料の量(

V

 mL)は,次の式で得られる。

(

)

BOD

000

1

2

.

6

~

5

.

3

E

V

×

=

ここに,

E

BOD

試料の

BOD

予想値(O mg/L)

V

試料の採取量(mL)

 3.5: 20  ℃における溶存酸素の飽和量(O 8.84 mg/L)の 40 %相当量
 6.2: 20  ℃における溶存酸素の飽和量(O 8.84 mg/L)の 70 %相当量

試料の BOD が O 5 mg/L 以下の場合には,試料の採取量は 800 mL 以上とする。また,溶存酸

素が十分に含まれていない場合には,ばっ気した後,試験する。

  (

12

)  懸濁物を含む試料の場合には,懸濁物が均一になるように混ぜ合わせた後,適量をとる。

  (

13

)  メスシリンダー中に残っている希釈試料を基にして,順次,希釈倍数の高い希釈試料を調製し

続けると,労力及び時間を節約することができる。

  (

14

) 100 倍以上に希釈する場合には,一度に希釈せずに,あらかじめ他のメスシリンダー(有栓形)

1 000 mL に試料 50∼100 mL をとり,希釈水又は植種希釈水を標線まで加える。この希釈した

試料を用いて

1

)の希釈試料を調製する。

  (

15

) BOD が O 100 mg/L 以下の試料の場合には,次の方法によって培養瓶で直接希釈してもよい。

容量の正確に分かっている培養瓶 4 本を用意し,それぞれにあらかじめ約半量の希釈水又は

植種希釈水を入れておき,次に,希釈倍数に応じて瓶の容量に対する計算量の試料を加え,更

に,瓶内の空間を希釈水又は植種希釈水で満たす。この操作中,泡が入らないように注意する。

  (

16

)  恒温水槽を使用する場合には,培養瓶全体を水に浸す。

  (

17

)  培養瓶を水封して恒温器中におく場合には,水封水が蒸発するから,ときどき補充する。

  (

18

)  硫化物,亜硫酸塩,鉄(II)などの還元性物質が共存する場合には,15 分間の酸素消費量(Immediate

Dissolved Oxygen Demand,以下,IDOD と略記する。)と BOD とを区別する。IDOD を求めるに

は,次のように操作する。

あらかじめ試料と希釈水との溶存酸素を測定した後,一定の割合で試料を希釈水で薄め,15

分間放置した後,溶存酸素(

D

1

)をはかる。初めに測定した試料と希釈水それぞれの溶存酸素

(O mg/L)とから希釈試料の溶存酸素(

D

c

)を算出し,次の式によって試料の

IDOD

(O mg/L)


50

K 0102

:2013

を算出する。

P

D

D

IDOD

1

c

=

ここに,

IDOD

15 分間の酸素消費量(O mg/L)

D

c

培養前の希釈試料水の溶存酸素(O mg/L)=(

S

×

P

)+(

D

o

×

p

)

S

試料の溶存酸素(O mg/L)

D

o

希釈水の溶存酸素(O mg/L)

p

希釈試料中の希釈水の占める割合
(希釈水/希釈試料)

P

希釈試料中の試料の占める割合(試料/希釈試料)

D

1

希釈試料を調製してから 15 分間放置後の溶存酸素(O mg/L)

(

19

)  次のような方法で算出してもよい。

(

)

(

)

(

)

100

1

1

2

2

1

1

2

1

×

×

×

=

n

V

n

B

B

n

D

D

BOD

ここに,

D

1

希釈試料を調製してから 15 分間後の溶存酸素(O mg/L)

D

2

培養後の希釈試料の溶存酸素(O mg/L)

n

1

希釈試料の希釈倍数





試料

希釈試料

n

2

植種液の

BOD

測定時の希釈倍数





測定における植種液(

植種液の

植種液(

測定における希釈した

植種液の

mL

mL

BOD

BOD

B

1

植種液の BOD 測定における培養前の希釈した植種液の溶存酸
素(O mg/L)

B

2

植種液の BOD 測定における培養後の希釈した植種液の溶存酸
素(O mg/L)

V: 植種希釈水中に含まれる植種液の体積百分率(%)

通常

(

)

2

2

1

100

6

.

0

n

B

B

V

×

×

>

になるようにする。

  (

20

) 5 日間の溶存酸素の消費量(D

1

D

2

)が O 3.5∼6.2 mg/L 以内,        ×100=40∼70 %の範

囲内の値のものをとり,BOD を算出する。この条件の中央値付近になるのが最も望ましい。た

だし,試料の BOD が O 3.5 mg/L 以下のときは,希釈しない場合でも 5 日間の溶存酸素の消費

量は,溶存酸素の飽和量の 40 %以上にならない。このような場合には,その値から算出する。

備考 2.  植種液の調製方法  微生物を試料にならすための培養は,次の方法で行うとよい。

1)  ガラス水槽(約 6 L)に試料 5 L を入れ,塩酸(1+11)又は水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)

を用いて pH 約 7 としておく。微生物が豊富に存在する下水,河川水などを植種液とし,

その 100∼300 mL 及び緩衝液(A 液)10∼50 mL を加える。よくかき混ぜた後,その一

部をとり,COD

Mn

又は有機体炭素の量を測定しておく。

2)  次に,24∼48 時間連続ばっ気した後,再びその一部をとり,COD

Mn

又は有機体炭素の量

を測定する。前後の測定値に顕著な変化がある場合には,試料中に生物化学反応が進行

しているものと判定し,更にばっ気を続けて試料に適応する生物を繁殖させる。

3)  もし,顕著な変化が生じない場合には,別に試料をとり,希釈水で適切に希釈した後,

前記と同様に植種を行い,24∼48 時間連続ばっ気し,COD

Mn

又は有機体炭素の量の変化,

懸濁物の量の変化などを試験する。その結果,これらに顕著な変化がある場合には,生

物化学反応が活発になっていることの現れである。試料中の有機物の組成によっては,

1

2

1

D

D

D


51

K 0102

:2013

このような操作を 1 週間以上試みる必要がある。

4)  また,試料を希釈水で 10 倍以上に希釈して上記の操作を行った場合,COD

Mn

又は有機

体炭素の量に顕著な変化を生じたら,徐々に試料の比率を増加してみることも必要であ

る。このように試料に適応する微生物を培養し,植種液として用いる。

備考 3.  試料操作の確認の方法  植種液,植種希釈水などの使用の適否,又は試験操作を確認するた

めに,次の方法を推奨する。

グルコース-グルタミン酸混合標準液[JIS K 8824 に規定する D(+)-グルコース 150 mg

及び JIS K 9047 に規定する L-グルタミン酸 150 mg をとり,水に溶かして全量フラスコ 1 000

mL に移し入れ,水を標線まで加える。]5∼10 mL を容量の正確に分かった培養瓶 300 mL(培

養瓶が 100 mL の場合には,前記の 1/3 量を用いる。

)にとり,植種希釈水を満たして密栓し,

BOD を測定する。この標準液の BOD は,O 220±10 mg/L である。もし,この値からの偏差

が著しい場合には,希釈水の水質,植種液の活性度などに疑問がある。

     4.  試料中に銅,クロム,水銀,銀,ひ素などの重金属元素が溶存していると正しい測定値が得

られないことがある。このような場合には,これらの重金属元素によくならした植種液を

考 2.によって培養しておく。

22.  有機体炭素(TOC)  有機体炭素とは,水中に存在する有機物中の炭素をいう。これの定量には,燃

焼酸化-赤外線式 TOC 分析法又は燃焼酸化-赤外線式 TOC 自動計測法を適用する。

この試験は,試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,3.3 によって保存し,できるだけ早く

試験する。

試料中に元素状態で存在する炭素の粒子(すす)

,炭化物,シアン化物イオン,シアン酸イオン及びチオ

シアン酸イオンが存在する場合には,有機体炭素として定量される。

なお,有機体炭素(TOC)の定量は,1999 年に第 2 版として発行された ISO 8245 との整合を図ったも

のである。

備考  −  この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 8245:1999,Water quality−Guidelines for the determination of total organic carbon(TOC)and

dissolved organic carbon(DOC)(MOD)

−  全炭素(TC)

,無機体炭素(TIC)及び有機体炭素(TOC)の定義は,次による。

1)  全炭素(TC)  水中に存在する有機的に結合した炭素と,無機的に結合した炭素(元素状

の炭素を含め。

)との合量。

2)  無機体炭素(TIC)  水中に存在する無機体の炭素の合量。すなわち,元素状,全二酸化

炭素,一酸化炭素,シアン化物イオン,シアン酸イオン及びチオシアン酸イオン(*)中の炭

素の合量。

3)  有機体炭素(TOC)  水中に存在する有機的に結合した炭素の合量。すなわち,溶存及び

懸濁状で存在する物質中の有機的に結合した炭素,シアン酸イオン,チオシアン酸イオン

中の炭素の合量。

注(*) TOC 分析計で,TIC を二酸化炭素として測定する場合,そのほとんどは炭酸水素イ

オン及び炭酸イオンだけに起因するとしている。


52

K 0102

:2013

22.1  燃焼酸化-赤外線式 TOC 分析法  少量の試料を二酸化炭素を除去した空気又は酸素とともに高温の

全炭素測定管に送り込み,有機物中の炭素及び無機物[無機体炭素(主として炭酸塩類)

]中の炭素を二酸

化炭素とした後,その濃度を非分散形赤外線ガス分析計で測定して全炭素(TC)の量を求める。

別に,試料を有機物が分解されない温度に保った無機体炭素測定管に送り込み,生成した二酸化炭素を

測定し,無機体炭素(TIC)の量を求める。

全炭素の量から無機体炭素の量を差し引いて有機体炭素(TOC)の量を算出する。

定量範囲:C 0.5∼25 mg/L,20∼100 mg/L,繰返し精度:3∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 又は A4 の水(

1

)

 (

2

)

 (

3

)で,二酸化炭素を含まない水(

4

)を用いる。試薬

の調製及び操作には,この水を用いる。e)によって空試験を行い,使用の適否を確認しておく。

2)  TOC 標準液(C 1 mg/mL)  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のフタル酸水素カリウムを

120  ℃で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷する。その 2.125 g をとり,少量の水に溶かして全

量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

3)  TOC 標準液(C 0.1 mg/mL)  TOC 標準液(C 1 mg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,水

を標線まで加える。

4)  無機体炭素標準液(C 1 mg/mL)  JIS K 8622 に規定する炭酸水素ナトリウムをデシケーター中で

約 3 時間放置し,その 3.497 g をとる。別に,JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナト

リウムを,あらかじめ 600  ℃で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷し,その 4.412 g をとる。

両者を少量の水に溶かして全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

5)  無機体炭素標準液(C 0.1 mg/mL)  無機体炭素標準液(C 1 mg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL

にとり,水を標線まで加える。

6)  全炭素測定管  全炭素定量用触媒を充塡したもの。 
7)  無機体炭素測定管  無機体炭素定量用触媒を充塡したもの。 
8)  キャリヤーガス  二酸化炭素を除去した空気又は JIS K 1101 に規定する酸素。

注(

1

) TOC の濃度をできるだけ低くした水を用いる。精製した水は,容器に入れて保存すると徐々に

汚染されて TOC の濃度が高くなることがあるので,精製後は早く使用することが望ましい。

  (

2

) TOC の濃度をできるだけ低くするには,A2 又は A3 を蒸留フラスコにとり,過マンガン酸カリ

ウム溶液(3 g/L)

JIS K 8247 に規定する過マンガン酸カリウムを用いて調製する。

)を着色す

るまで滴加し,水 1 000 mL につき硫酸(1+1)

5.4 a)  2)による。

]2∼3 mL を加えて蒸留する

(蒸留が終わるまで過マンガン酸カリウムによる着色が残るようにする。

。初留分(蒸留フラ

スコ中の水量の約 1/5 に相当する。

)を捨て,中間の約 1/3 に相当する留分を採取する。

  (

3

)  イオン交換法,蒸留法,逆浸透法,紫外線照射法,活性炭吸着ろ過法,限外ろ過法,精密ろ過

法などを,適宜,組み合わせて精製した水も使用できる。

  (

4

)

2. n) 2)によって精製する。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  マイクロシリンジ  20∼150 μL 又は自動注入装置 
2)  TOC 分析装置 
3)  ホモジナイザー又はミキサー  分散した物質の均質化に十分な能力をもつもの。超音波装置,マグ

ネチックスターラーなど。

c)  準備操作  準備操作は,次による。


53

K 0102

:2013

1) TOC 分析装置を作動できる状態にする。 
2) TOC 標準液(C 1 mg/mL)又は TOC 標準液(C 0.1 mg/mL)の一定量(

5

)(例えば,20 μL)をマイク

ロシリンジで TOC 分析装置の全炭素測定管に注入し,指示値(ピーク高さ又はピーク面積)を読み

取る。

3)  2)の操作を 5∼7 回繰り返して指示値が一定になることを確かめる。

4)  試料をよく振り混ぜて均一にした後,2)と同量をマイクロシリンジで全炭素測定管に注入して,指

示値を読み取り,2)と比較して試料中の概略の全炭素の濃度(C mg/L)を求める。

注(

5

)  試料の炭素の濃度が低い場合には,注入量は 100∼150  μL とし,炭素の濃度が高い場合には,

注入量を少なくするか,又は一定の倍数に薄める。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  c4)で求めた試料の概略の炭素の濃度がほぼ中央になるように TOC 標準液(C 1 mg/mL)又は TOC

標準液(C 0.1 mg/mL)を全量フラスコ 100 mL に段階的にとり,水を標線まで加える。

2)  1)で調製した TOC 標準液の最高濃度のものの一定量[例えば,c2)と同量]をマイクロシリンジで

全炭素測定管に注入して指示値が最大目盛値の約 80 %になるように TOC 分析装置の感度及び標準

液の注入量を調節する。

3)  1)で調製した各濃度の TOC 標準液の一定量[2)で定めた量]を,順次,マイクロシリンジで全炭素

測定管に注入して指示値を読み取る。

4)  空試験として,3)と同量の水をマイクロシリンジで全炭素測定管に注入して,指示値を読み取り,

3)の結果を補正し,有機体炭素の量と指示値との関係線を作成して,これを全炭素の検量線とする。

5)  無機体炭素標準液(C 1 mg/mL)又は無機体炭素標準液(C 0.1 mg/mL)を用いて,1)で段階的に調

製した TOC 標準液と同量の炭素を含むように無機体炭素標準液を段階的に調製する。

6)  5)で調製した各濃度の無機体炭素標準液の一定量[2)で定めた量]を,順次,マイクロシリンジで

無機体炭素測定管に注入し,指示値を読み取る。

7)  空試験として 6)と同量の水をマイクロシリンジで無機体炭素測定管に注入して,指示値を読み取り,

6)の結果を補正し,無機体炭素の量と指示値との関係線を作成して,これを無機体炭素の検量線と

する。

e)  操作  操作は,次による。

1)  試料に懸濁物が含まれている場合には,ホモジナイザー又はミキサーでよくかき混ぜてこれらを均

一に分散させる。

2)  試料の一定量(

5

)[例えば,d2)と同量]をマイクロシリンジで全炭素測定管に注入し,指示値を読

み取る。

3)  試料の一定量[例えば,d6)と同量]をマイクロシリンジで無機体炭素測定管に注入し,指示値を

読み取る。

4)  試料を薄めた場合には,2)及び 3)の空試験としてそれぞれ同量の水をマイクロシリンジでとり,2)

及び 3)の操作を行って試料について得た結果を補正する。

5)  あらかじめ作成した全炭素及び無機体炭素の検量線から注入した試料中の全炭素及び無機体炭素の

量を求め,それぞれの濃度(C mg/L)を算出する。

6)  次の式によって試料の全有機体炭素(TOC)の濃度(C mg/L)を算出する。

TOC=(C

t

C

i

d

ここに,  TOC

有機体炭素(C mg/L)


54

K 0102

:2013

C

t

注入試料中の全炭素(C mg/L)

C

i

無機体炭素(C mg/L)

d: 注入試料の希釈倍数

備考 1.  この方法では,有機体炭素が少なく無機体炭素の多い試料では,誤差が大きくなる。この測

定方法のほか,あらかじめ試料に塩酸を加えて pH 2 以下にし,JIS K 1107 に規定する窒素 2

級を通気して無機体炭素を除去した後,その少量を高温の全炭素測定管に送り込み,炭素の

定量を行ってこれを有機体炭素の量とする方法がある。その方法は,有機体炭素に比べて無

機体炭素が多い試料の場合に優れている。ただし,揮発性の有機物を含む場合には誤差が大

きい。

     2. TOC 分析装置で有機体炭素を二酸化炭素とする方式には,燃焼酸化法のほかに,高温湿式酸

化法,紫外線酸化法,光触媒酸化法など湿式の酸化法がある。

生成した二酸化炭素の定量には,赤外線分析法のほかに熱伝導度測定法又はガス透過膜式

電気伝導率測定法が用いられる。

     3.

検出率の確認の方法  次のいずれかの試薬を調製し,測定範囲の 80 %近くなるように希釈し

て測定し,TOC の検出率を確認する方法を推奨する。

1)  フタロシアニン四スルホン酸銅(II)四ナトリウム塩 0.256 g をとり,水 700 mL に溶か

して全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。この標準液の TOC は,

100 mg/L である。

2)  JIS K 8532 に規定する L(+)-酒石酸を JIS K 8228 に規定する過塩素酸マグネシウム(乾

燥用)を入れたデシケーター中で 18 時間以上放置し,その 0.312 5 g をとり,水に溶か

して全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。この標準液の TOC は,

100 mg/L である。

3)  JIS K 8789 に規定する 1,10-フェナントロリン一水和物 0.137 6 g をとり,水に溶かして全

量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。この標準液の TOC は,100 mg/L

である。

4)  JIS K 9047 に規定する L-グルタミン酸を約 80  ℃で約 3 時間乾燥し,デシケーター中で

放冷し,その 0.245 g をとり,水に溶かして全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標

線まで加える。この標準液の TOC は,100 mg/L である。

5)  全量フラスコ 50 mL に水約 30 mL を入れ,密栓してその質量を測定する。これに JIS K 

8839 に規定する 2-プロパノールの約 10.6 mL を速やかに加えて密栓し,その質量を測定

する。次いで水を標線まで加える。この溶液の濃度は,前後の質量の差から求める[2-

プロパノール 1 g は,炭素(C)0.599 g に相当する。

この溶液 1 mL を全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

22.2  燃焼酸化-赤外線式 TOC 自動計測法  計測器に供給した試料に酸を加えて pH を 2 以下にし,通気し

て無機体炭素を除去した後,その一定量をキャリヤーガスとともに高温の全炭素測定管に送り込み,有機

物中の炭素を二酸化炭素とし,その濃度を非分散形赤外線ガス分析計で測定して有機体炭素(TOC)の濃

度を求める。

定量範囲:C 0.05∼150 mg/L,繰返し精度:3∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  22.1 a1)による。


55

K 0102

:2013

2)  TOC 標準液(C 1 mg/mL)  22.1 a2)による。 
3)  TOC 標準液(C 0.1 mg/mL)  22.1 a3)による。 
4)  ゼロ校正液  1)の水を用いる。 
5)  スパン校正液  TOC 標準液(C 0.1 mg/mL)[又は TOC 標準液(C 1 mg/mL)]の適量を全量フラス

コにとり,水を標線まで加える。同じ操作で計測器の測定範囲の約 80 %に相当する TOC の濃度に

なるように調製する。使用時に調製する。

6)  酸溶液  JIS K 9005 に規定するりん酸,JIS K 8180 に規定する塩酸又は JIS K 8951 に規定する硫酸

で TOC の濃度のできるだけ少ないものを用い,所定の濃度に調製する。

7)  キャリヤーガス  22.1 a8)による。

b)  装置  装置は,次による。

1)  TOC 自動計測器  JIS K 0805 に規定する測定範囲が C 1 000

μ

g/L 以下又は C 1 mg/L 以上の燃焼酸

化-赤外線式 TOC 自動計測器

c)  準備操作  準備操作は,次による。

1)  酸溶液及びキャリヤーガスを,計測器に供給する。

2)  計測器の暖機運転を行い,各部の機能及び指示記録部を安定させる。 
3)  ゼロ校正液及びスパン校正液を用いて計測器を校正する。

d)  操作  操作は,次による。

1)  試料を,計測器に供給して指示値が安定したことを確認する。 
2)  指示値から試料中の有機体炭素(TOC)の濃度(C mg/L)を求める。

備考 4. TOC 自動計測器で有機体炭素を二酸化炭素とする方式には,燃焼酸化方式のほかに酸化剤を

添加して高圧高温下で湿式酸化分解する方式がある。この方式には,試料の pH を 2 以下の

酸性とし,ばっ気して無機体炭素を除去した後測定する方式と,試料を酸性にし酸化剤を加

えて全炭素を定量し,別に,試料を酸性にし有機物が分解されない温度(約 130  ℃)で無機

体炭素を定量して,全炭素の量から無機体炭素の量を差し引いて有機体炭素の量を求める方

式がある。

     5.

備考 3.による。

23.  全酸素消費量(TOD)  全酸素消費量とは,試料を燃焼させたとき,試料中の有機物の構成元素であ

る炭素,水素,窒素,硫黄,りんなどによって消費される酸素の量をいう。この試験には,燃焼法を適用

する。

少量の試料を一定量の酸素を含む不活性気体とともに高温の燃焼管に送り込み,有機物などを燃焼させ

た後,不活性気体中の酸素の濃度を定量し,その減量から全酸素消費量(TOD)を求める。

この試験は,試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,3.3 によって保存し,できるだけ早く

試験する。

定量範囲:O 10∼500 mg/L,繰返し精度:3∼10 %(装置の形式及び測定条件によって異なる。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 又は A4 の水(

1

)

 (

2

)

 (

3

)で,溶存酸素を含まない水(

4

)を用いる。試薬の

調製及び操作には,この水を用いる。e)によって空試験を行い,使用の適否を確認しておく。

2)  TOD 標準液(O 1 mg/mL)  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のフタル酸水素カリウムを

120  ℃で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷する。その 0.851 g をとり,水に溶かして全量フラ


56

K 0102

:2013

スコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

3)  TOD 標準液(O 0.1 mg/mL)  TOD 標準液(O 1 mg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,水

を標線まで加える。使用時に調製する。

4)  キャリヤーガス  JIS K 1107 に規定する窒素 2 級及び JIS K 1101 に規定する酸素

注(

1

) TOD の濃度をできるだけ低くした水を用いる。精製した水は,容器に入れて保存すると徐々に

汚染されて TOD の濃度が高くなることがあるので,精製後は早く使用することが望ましい。

  (

2

) TOD の濃度を低くするには,22.の注(

2

)の蒸留操作を行う。

  (

3

)

22.の注(

3

)による。

  (

4

)

2. n) 1)によって精製する。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  マイクロシリンジ  10∼20 μL 
2)  TOD 分析装置

c)  準備操作  準備操作は,次による。

1) TOD 分析装置を作動できる状態にする。

2) TOD 標準液(O 1 mg/mL)又は TOD 標準液(O 0.1 mg/mL)の一定量(例えば,20 μL)をマイクロ

シリンジで TOD 分析装置に注入し,指示値(ピーク高さ)が最大目盛値の約 80 %になるように TOD

分析装置の感度を調節する。

3)  2)の操作を数回繰り返して指示値が一定になることを確かめる。 
4)  試料(

5

)をよく振り混ぜて均一にした後,その一定量[2)で定めた量]をマイクロシリンジで注入し

て,指示値を読み取り,3)と比較して試料の概略の全酸素消費量を求める。

注(

5

) TOD が O 500 mg/L 以上の試料の場合には,水で適切に薄めた後,試験する。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  c4)で求めた試料の概略の TOD の値がほぼ中央になるように,TOD 標準液(O 1 mg/mL)又は TOD

標準液(O 0.1 mg/mL)を全量フラスコ 100 mL に段階的にとり,水を標線まで加える。

2)  1)で調製した TOD 標準液の最高濃度のものの一定量(例えば,20  μL)をマイクロシリンジで注入

し,指示値が最大目盛の約 80 %になるように TOD 分析装置の感度及び標準液を調節する。

3)  1)で調製した各濃度の TOD 標準液の一定量[2)で定めた量]を,順次,マイクロシリンジで注入し,

指示値を読み取る。

4)  空試験として,3)と同量の水をマイクロシリンジでとり,3)と同様に操作して指示値を読み取り,

3)の指示値を補正して TOD 標準液の各酸素相当量と指示値との関係線を作成する。

e)  操作  操作は,次による。

1)  試料に懸濁物が含まれている場合には,ホモジナイザー又はミキサーでよくかき混ぜてこれらを均

一に分散させる。

2)  試料(

6

)の一定量[例えば,d2)と同量]をマイクロシリンジで TOD 分析装置に注入し,指示値を読

み取る。

3)  試料を薄めた場合には,空試験として 2)と同量の水をマイクロシリンジでとり,2)の操作を行って

指示値を読み取り,試料について得た結果を補正する。

4)  あらかじめ作成した検量線から,注入した試料中の酸素消費量を求め,注入した試料の TOD(O

mg/L)を算出する。

5)  次の式によって,試料中の全酸素消費量(TOD)の濃度(O mg/L)を算出する。


57

K 0102

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TODa×d

ここに,  TOD

全酸素消費量(O mg/L)

a: 注入試料の酸素消費量(O mg/L)

d: 注入試料の希釈倍数

注(

6

)  試料の全酸素消費量が高い場合には,一定の倍数に薄める。

備考 1.  溶存酸素が共存すると妨害し,特に,全酸素消費量が少ない場合には影響が大きい。この場

合は,別に,試料中の溶存酸素の量を測定して補正する。

     2.  試料が酸性で硫酸イオンを含む場合には,高温で加熱すると次のように分解して酸素を生じ

負の誤差となる。

2H

2

SO

4

→2H

2

O+2SO

2

+O

2

ただし,試料が蒸発したとき,硫酸がアルカリ金属塩となるような試料は,この反応は生

じない。このため,硫酸イオンが共存する場合には,水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)

JIS 

K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製する。)を加えて pH を約 11 に調節してか

ら試験する。

     3.  硝酸イオンが共存する場合には,高温で加熱すると次のように分解して酸素を生じ,負の誤

差となる。

4NaNO

3

→2Na

2

O+4NO+3O

2

又は

2NaNO

3

→Na

2

O+N

2

O+2O

2

     4.  重金属イオンを含む試料を長時間測定すると燃焼管中の触媒が劣化し,酸化率が低下してく

る。このような場合には,触媒の交換又は再生が必要である。

     5.  海水など塩類を多量に含む場合には,指示値が元に戻らないことがあるので,安定した指示

値が得られるまで測定を繰り返すか,又は試料を薄めてから試験する。

24.  ヘキサン抽出物質  ヘキサン(n-ヘキサン)抽出物質とは試料を微酸性とし,ヘキサン抽出を行った

後,約 80  ℃でヘキサンを揮散させたときに残留する物質をいう。

この試験は,主として揮散しにくい鉱物油及び動植物油脂類の定量を目的とするが,これらのほかヘキ

サンに抽出された揮散しにくいものは,定量値に含まれる。

この試験は,抽出法,抽出容器による抽出法又は捕集濃縮・抽出法を適用する。

24.1  試料採取  試料の採取は,次による。 
a)  試薬  試薬は,次による。

1)  塩酸(11)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。 
2)  メチルオレンジ溶液(1 g/L)  JIS K 8893 に規定するメチルオレンジ 0.1 g を熱水 100 mL に溶かす。

b)  器具  器具は,次による。

1)  試料容器  表層の水及び落下する水の場合は,共栓広口ガラス瓶 1∼2 L。下層の水の場合には,採

水器に装着できる共栓ガラス瓶 1∼2 L。いずれも使用前にヘキサンでよく洗っておく。

2)  採水器  ハイロート採水器又はこれに類する適切な採水器

c)  採取方法  採取方法は,次による。

1)  落下している水の採取  水路,せき,溝,管などから落下している場合には,試料を直接試料容器

(

1

)に受け,適切な空間が残る程度に採取をとどめる。

2)  通水状態の配管装置などからの採取  配管,装置などが通水状態の場合には,試料採取弁を開き,


58

K 0102

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試料採取配管内に滞留している水の約 5 倍量を約 1 L/min の割合で流出させてから試料容器(

1

)に受

け,適切な空間が残る程度に採取をとどめる(

2

)

 (

3

)

 (

4

)。

3)  深い水路及び水槽からの採取  深い水路及び水槽の水を採取する場合には,全層試料を採取できる

採水器を使用し,全層の試料を採取する。ハイロート採水器では,採水器の枠に試料容器を取り付

けて,底部近くに降ろし,採水しながら一定速度で採水器を引き上げ,水面に達したとき適切な空

間が残るように採取する(

5

)。

4)  貯水池,湖沼,河川などからの採取  試料容器を取り付けた採水器を用い,任意の深さの試料を採

取するか,又は試験目的によって 3)に準じて採取する。

注(

1

)  この場合は,試料容器を試料で洗わない。

  (

2

)  高温高圧又は負圧状態にある配管装置などから試料採取する場合には,次による。

高温水の場合は,冷却器を試料採取管に設けて室温以下に冷却する。高圧水(圧力が 1.96 MPa

以上)の場合には,減圧器を設けて減圧した後に採取し,高温であれば冷却器を通して室温以

下に冷却する。負圧水の場合には,昇圧器で大気圧にしてから採取する(負圧水で高温の場合

は,昇圧器の前に冷却器を設けて室温にしてから大気圧にする。

JIS K 0094 の 4.3(採取弁を

用いる採取)を参照する。

  (

3

)  装置などが停止状態にあるときは,油状物質が配管及び装置中で水と分離していることが多い

ため,通水速度及び通水時間によって油状物質の濃度に変動が生じる。試料採取弁及び配管中

に油状物質が付着しているおそれがある場合には,試料採取弁を全開して約 10 分間通水してか

ら,約 1 L/min の割合で,更に約 10 分間通水する。この操作を繰り返して洗浄する。

  (

4

)  試料採取直前に流量を変更してはならない。

  (

5

)

JIS K 2251 に規定する全層試料に準じて採取する。

d)  試料の取扱い  試料の取扱いは,次による。

1)  c)によって採取した試料は,他の容器に移し替えたり一部を採取してはならない。試験には全量を

用いる。

2)  試料の量は,試料を入れた容器の質量から試料容器の質量を差し引いて求めるか,又は試料を採取

したときに試料容器の水面の位置に印を付けておき,試験終了時に印のところまで水を入れてその

水の体積を試料の量とする。

3)  試料を保存したり運搬する必要がある場合には,指示薬としてメチルオレンジ溶液(1 g/L)5∼7 滴

を加え,溶液の色が赤くなるまで塩酸(1+1)を加えて密栓する(

6

)。

注(

6

)  油状物質が浮上している場合には,油状物質が運搬中の振動でにじみやすいので,取扱いに注

意する。

24.2  抽出法  試料を pH4 以下の塩酸酸性にして,ヘキサンで抽出を行い,80  ℃でヘキサンを揮散させて

残留する物質の質量をはかってヘキサン抽出物質を定量する。

定量範囲:5∼500 mg,繰返し精度:10∼20 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水 
2)  塩酸(11)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。 
3)  硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。 
4)  メチルオレンジ溶液(1 g/L)  24.1 a2)による。 
5)  ヘキサン  JIS K 8848 に規定するもの。


59

K 0102

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b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  分液漏斗  200 mL 及び 1 000∼3 000 mL で脚部の短いもの。使用前にヘキサンで洗う。コックにワ

セリンなどの滑剤を塗布しない。

2)  乾燥器  80±5  ℃に温度調節できるもの。 
3)  加熱板又はマントルヒーター  80±5  ℃に温度調節できるもの。又は温度調節ができる水浴を用い

てもよい。

4)  蒸留装置  共通すり合わせで,蒸留フラスコ(容量 50∼100 mL),トの字形連結管及びリービッヒ

冷却器(長さ 300 mm)とを接続できるものを用いる。いずれも使用前にヘキサンでよく洗ってお

く。

5)  蒸発容器  アルミニウムはく皿,白金皿又はビーカー。容量 50∼100 mL で,できるだけ質量の小

さいもの。いずれも使用前にヘキサンでよく洗い,80±5  ℃で約 30 分間加熱し,デシケーター中で

放冷した後,質量を 0.1 mg の桁まで求めておく。

c)  操作  操作は,次による。

1)  24.1 で採取した試料(

7

)を分液漏斗 1 000∼3 000 mL (

8

)に移し,指示薬としてメチルオレンジ溶液(1

g/L)2,3 滴を加え,溶液の色が赤に変わるまで塩酸(1+1)を滴加する。

2)  試料容器をヘキサン約 20 mL ずつで 2 回洗い,洗液を分液漏斗 1 000∼3 000 mL に加える。約 2 分

間激しく振り混ぜ,放置する(

9

)。

3)  水層は,試料容器に戻し,更に分液漏斗 1 000∼3 000 mL を静かに揺り動かして,残った水層をで

きるだけ分離して(

10

)試料容器に戻す。ヘキサン層は分液漏斗 200 mL に移す。

4)  試料容器の水層とを 1)で使用した分液漏斗 1 000∼3 000 mL に入れ,再び 2)及び 3)の操作を行って

ヘキサン層と水層とを分離し,ヘキサン層を分液漏斗 200 mL に合わせる。

5)  分液漏斗 1 000∼3 000 mL を少量のヘキサンで洗い,洗液を分液漏斗 200 mL に合わせる。 
6)  分液漏斗 200 mL を静かに揺り動かして静置し,ヘキサンを損失しないように注意しながら混入し

た水分を十分に分離除去する(

10

)。

7)  ヘキサン層に水約 20 mL を加えて約 1 分間振り混ぜて放置し,水層を捨てる。この洗浄操作を洗液

がメチルオレンジに対して黄色になるまで数回繰り返す。できるだけ水層を除去する。

8)  ヘキサン層に硫酸ナトリウム 3∼5 g を加えて振り混ぜ,水分を除く(

11

)。

9)  分液漏斗 200 mL の脚部を乾いたろ紙(

12

)で拭き取り,脱脂綿又はろ紙(

12

)を用いてヘキサン層をろ過

し,蒸留装置の蒸留フラスコに移し入れる(

13

)。

10)  分液漏斗 200 mL を少量のヘキサンで洗い,この洗液も 9)と同じ操作でろ過し,蒸留装置の蒸留フ

ラスコに移し入れる。使用した脱脂綿又はろ紙は,ヘキサン約 5 mL ずつで 2 回洗い,この洗液も

蒸留フラスコに移し入れる。

11)  蒸留フラスコをマントルヒーターに入れ,トの字形連結管及びリービッヒ冷却器を接続して,マン

トルヒーターの温度を約 80  ℃に調節し,ヘキサンを毎秒約 1 滴の留出速度で蒸留し,留出するヘ

キサンを受器に受ける(

14

)。蒸留は,蒸留フラスコ内の液量が約 2 mL になるまで続ける。

12)  蒸留フラスコの残留液を質量既知の蒸発容器に移し入れる。蒸留フラスコを少量のヘキサンで 3 回

洗い,この洗液も蒸発容器に加える。蒸発容器を約 80  ℃に保った加熱板の上又はマントルヒータ

ーの中に置いてヘキサンを揮散させる(

15

)。

13)  蒸発容器の外側を湿った清浄な布などで拭い,次に,乾いた清浄な布などで拭って,80±5  ℃に調

節した乾燥器中に移し,約 30 分間加熱する。蒸発容器をデシケーター中で約 30 分間放冷した後,


60

K 0102

:2013

その質量を 0.1 mg の桁まではかり,蒸発容器の質量を差し引き,ヘキサン抽出物質の質量(mg)

を求める。

14)  空試験として,この試験に使用した全ヘキサンと同量のヘキサンを蒸留フラスコにとり(

13

),11)∼

13)の操作を行って残留物質の質量(mg)を求める。

15)  次の式によって試料中のヘキサン抽出物質の濃度(mg/L)を算出する。

(

)

V

b

a

P

000

1

×

=

ここに,

P: ヘキサン抽出物質(mg/L)

a: 試験におけるヘキサン抽出物質の質量(mg)

b: 空試験における残留物質の質量(mg)

V: 試料(mL)

注(

7

)  試料は通常約 1 L でよいが,ヘキサン抽出物質が 5∼500 mg になるように試料を採取し,全量

を用いる。

  (

8

)  試料の量に応じて適切な大きさの分液漏斗を選ぶ。

  (

9

)  試料の性質によっては,エマルションが生成したり,ヘキサン層が濁ることがある。このよう

な試料では,分液漏斗中の水層をできるだけ元の試料容器に戻し,JIS K 8150 に規定する塩化

ナトリウム又は JIS K 8960 に規定する硫酸アンモニウム約 10 g(ヘキサンに溶ける物質を含ま

ないもの)を加え,分液漏斗の口に約 300 mm の共通すり合わせリービッヒ冷却器又はジムロ

ート冷却器を取り付け,約 80  ℃に保った恒温水浴中に分液漏斗を浸し,約 10 分間ヘキサンを

還流させるとエマルションがなくなることがある。この加熱還流のほか,分液漏斗中のヘキサ

ン層及びエマルション層に JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム又は JIS K 8960 に規定する硫

酸アンモニウム約 10 g を加えて振り混ぜた後,少量の水で遠心分離管に移し,8 000 min

1

以上

で約 5 分間遠心分離すると,エマルション層は僅かになり,ヘキサン層の分離を容易にするこ

とができる。これを分液漏斗に戻し,3)以下の操作に移る。

  (

10

)  分離する水層が約 1 mL 以下になるまで続ける。試料が多量のグリース類又は固体油脂を含む場

合には,水層を分離する前にヘキサンを追加する。

  (

11

)  ヘキサン層が濁っていることがある。このような場合には,水層をできるだけ分離した後,硫

酸ナトリウムを加えて脱水すると透明になることがある。JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウ

ム又は JIS K 8960 に規定する硫酸アンモニウムを使用するほうが効果的な場合もある。

ただし,

ヘキサンに溶ける物質を含む試薬は使用しない。

  (

12

)  ヘキサンで十分に洗って抽出物質を除いたもので,ろ過のときにはあらかじめ少量のヘキサン

で潤しておく。

  (

13

)  蒸留フラスコに一度に入りきらないときは,2,3 回に分割してヘキサンを留出させる。

  (

14

)  蒸留によって留出したヘキサンは,再蒸留すれば,再使用できる。

  (

15

)  引火しないように十分に注意をする。溶媒は揮散廃棄せずにできるだけ回収する。ヘキサンを

揮散後,蒸発容器中に水分が認められる場合には,アセトンを加えて蒸発を繰り返すと水分は

除去できる。水分中に塩類が残留すると誤差になるので注意する。もし,塩類が残留する場合

には 13)の操作を行い,ヘキサン抽出物質の質量(mg)を求めた後,ヘキサン抽出物質を少量

のヘキサンを加えて溶かし,分離除去する。この操作を繰り返し行い,ヘキサン抽出物質を除

去した後,13)の操作を行って残留物質の質量(mg)を求めて補正する。


61

K 0102

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備考  濁りが著しい試料又はエマルションが生成しやすい試料の場合は,次のソックスレー抽出法を

適用するとよい。

1)  試料に指示薬としてメチルオレンジ溶液(1 g/L)2,3 滴を加え,液の色が赤に変わるまで

塩酸(1+1)を加えて pH を 4 以下に調節する。

2)  次に,ブフナー漏斗にろ紙 5 種 A 2 枚を重ねて敷き,これにけい藻土懸濁液(10 g/L)100 mL

を加えて吸引ろ過し,けい藻土を減圧状態で水約 1 L で洗う。

3)  このろ過材に酸性にした試料を加えて吸引ろ過し,十分に吸引した後,ろ過材をろ紙ごと

巻いて円筒ろ紙に移し,漏斗の壁,容器,かき混ぜ棒などをヘキサンで洗ったろ紙で拭き

取り,同じ円筒ろ紙に入れて 80±5  ℃の乾燥器中で約 30 分間加熱する。

4)  円筒ろ紙をソックスレー抽出器に移す。試料容器は十分に乾燥した後,ヘキサン約 20 mL

ずつで 2 回洗い,洗液を円筒ろ紙に注ぐ。次に,抽出操作に移り,抽出を約 20 回繰り返す。

5)  抽出液を蒸留フラスコに移し入れ,以下,24.2 c)  11)∼15)の操作を行って試料中のヘキサ

ン抽出物質の濃度(mg/L)を算出する。

24.3  抽出容器による抽出法  試料を抽出容器に移し,pH4 以下の塩酸酸性にしてヘキサンを加え,かき

混ぜ機によってヘキサン抽出を行い,80  ℃でヘキサンを揮散させ,残留する物質の質量をはかってヘキサ

ン抽出物質を定量する。

定量範囲:5∼200 mg,繰返し精度:10∼20 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水 
2)  塩酸(11)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。 
3)  硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。 
4)  メチルオレンジ溶液(1 g/L)  24.1 a2)による。 
5)  ヘキサン  JIS K 8848 に規定するもの。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  試料容器  24.1 b1)による。ただし,容量 1∼5 L 
2)  抽出容器  三角フラスコ 3 000∼5 000 mL。共通すり合わせのもの。 
3)  分液漏斗  200∼500 mL で脚部の短いもの。使用前にヘキサンで洗う。コックにワセリンなどの滑

剤を塗布しない。

4)  乾燥器  24.2 b2)による。 
5)  加熱板又はマントルヒーター  24.2 b3)による。 
6)  蒸留装置  24.2 b4)による。 
7)  蒸発容器  24.2 b5)による。 
8)  かき混ぜ機  マグネチックスターラー又はかき混ぜ機

c)  操作  操作は,次による。

1)  24.1 によって試料容器(1∼5 L)に採取した試料(

16

)を抽出容器(

17

)に移し,指示薬としてメチルオレ

ンジ溶液(1 g/L)2,3 滴を加え,溶液の色が赤に変わるまで塩酸(1+1)を滴加する。

2)  試料容器をヘキサン 25∼50 mL(

18

)ずつで 2 回洗い,洗液を抽出容器に入れる。

3)  内容物をかき混ぜ機で約 10 分間かき混ぜた後,かき混ぜ機を取り除き,静置してヘキサン層を分離

する(

19

)。

4)  抽出容器の底部にサイホン管を挿入(

20

)し,水層の大部分を元の試料容器(

21

)に抜き出す。残ったヘ


62

K 0102

:2013

キサン層と少量の水とを分液漏斗 200∼500 mL に移す。

5)  試料容器の水層を再び抽出容器に移し,試料容器をヘキサン 25∼50 mL ずつで 2 回洗い,洗液を抽

出容器に合わせ,再び 3)及び 4)の操作を行ってヘキサン層と少量の水とを先の分液漏斗 200∼500

mL に合わせる。

6)  分液漏斗 200∼500 mL を静かに揺り動かし,ヘキサンが損失しないように注意しながら混入した水

分を十分に分離除去する(

10

)。

7)  以下,24.2 c7)∼15)の操作を行い,試料中のヘキサン抽出物質の濃度(mg/L)を求める。

注(

16

)  試料はヘキサン抽出物質の量が 5 mg 以上となるように採取し,その全量を用いる。

  (

17

)  抽出容器は試料の量に応じて適切な大きさのものを選ぶ。試料容器はそのまま抽出容器として

用いてもよいが,ガラス瓶の底が平でないため,マグネチックスターラーの回転子がうまく回

転しないことがある。

  (

18

)  試料の量に応じて適切にヘキサンの量を変える。

  (

19

)  かき混ぜると白濁し,2 層に分離した後も水層が澄明にならないことがある。この場合は,JIS 

K 8150 に規定する塩化ナトリウム及び JIS K 8987 に規定する硫酸ナトリウムを添加すると多少

改善される[

注(

9

)参照]。水層がほぼ澄明になり,ヘキサン層,エマルション層及び水層に分離

できればよい。

  (

20

)  下口ガラスコック付き抽出容器を用いると便利である。

  (

21

)  試料容器を抽出容器とする場合は,別の容器を用意する。

24.4  捕集濃縮・抽出法  試料に捕集剤として塩化鉄(III)を加え,炭酸ナトリウムで水酸化鉄(III)の

沈殿を生成させ,この沈殿にヘキサン抽出物質を捕集濃縮する。水層を捨て,塩酸を加えて沈殿を溶かし,

ヘキサン抽出を行い,

80  ℃でヘキサンを揮散させて残留する物質の質量をはかってヘキサン抽出物質を定

量する。

定量範囲:2∼200 mg,繰返し精度:10∼30 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水 
2)  塩酸(11)  24.3 a2)による。 
3)  炭酸ナトリウム溶液(200 g/L)  JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム 20 g を水に溶かして 100 mL

とする。

4)  塩化鉄(III)溶液(

22

)  JIS K 8142 に規定する塩化鉄(III)六水和物 30 g を塩酸(1+11)[21. a) 2)

による。

]に溶かして 100 mL とする。

5)  ヘキサン  JIS K 8848 に規定するもの。

注(

22

)  塩化マグネシウム溶液{JIS K 8159 に規定する塩化マグネシウム六水和物 40 g を塩酸(1+11)

21. a) 2)による。

]に溶かして 100 mL にする。

}又は塩化亜鉛溶液[JIS K 8111 に規定する塩

化亜鉛 20 g を塩酸(1+11)に溶かして 100 mL にする。

]に代えてもよい。用いる捕集剤中の

ヘキサン抽出物質の量が 10 mg/L 以上のものを使用してはならない。

硫酸アルミニウム,ポリ塩化水酸化アルミニウムなどを用いると,生成したフロックが塩酸

に溶けにくくなることがある。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  試料容器  24.1 b1)による。ただし,容量 5 L 
2)  分液漏斗  200∼500 mL で脚部の短いもの。使用前にヘキサンで洗う。コックにワセリンなどの滑


63

K 0102

:2013

剤を塗布しない。

3)  乾燥器  24.2 b2)による。 
4)  加熱板又はマントルヒーター  24.2 b3)による。 
5)  蒸留装置  24.2 b4)による。 
6)  蒸発容器  24.2 b5)による。 
7)  かき混ぜ機  24.3 b8)による。

c)  操作  操作は,次による。

1)  24.1 によって試料容器(5 L)に試料約 4 L(

23

)を採取し,試料容器に捕集剤として塩化鉄(III)溶液

4 mL を加え,試料容器にかき混ぜ機を入れ,試料をかき混ぜながら,炭酸ナトリウム溶液(200 g/L)

を加えて pH7∼9(

24

)とする。

2)  約 5 分間激しくかき混ぜた後,かき混ぜ機を取り除き,沈殿が沈降して完全な澄明層が得られるま

で静置する(

25

)。

3)  試料容器にサイホン管又は吸引管を挿入し,沈殿を損失しないように上澄み液を抜き出して捨てる。 
4)  残った沈殿層に塩酸(1+1)を加えて pH を約 1 として沈殿を溶かし,分液漏斗 200∼500 mL に移

す。

5)  試料容器をヘキサン約 20 mL ずつで 2 回洗い,洗液を分液漏斗 200∼500 mL に加える。 
6)  分液漏斗 200∼500 mL を約 2 分間激しく振り混ぜ,静置してヘキサン層と水層とを分離する(

9

)。

7)  水層は試料容器に戻し,更に分液漏斗 200∼500 mL を静かに振り動かして残った水層をできるだけ

分離して,試料容器に戻す。ヘキサン層は,分液漏斗 200 mL に移す。

8)  試料容器の水層を再び分液漏斗 200∼500 mL に移し,再び 5)∼7)の操作を行い,ヘキサン層を先の

分液漏斗 200 mL に合わせる。

9)  分液漏斗 200∼500 mL を少量のヘキサンで洗い,洗液を分液漏斗 200 mL に合わせる。 
10)  分液漏斗 200 mL を静かに振り動かし,ヘキサンを損失しないように注意しながら混入した水分を

十分に分離する(

10

)。

11)  次に,24.2 c7)∼15)の操作を行い,試料中のヘキサン抽出物質の濃度(mg/L)を求める。

注(

23

)  試料がアルカリ性の場合には,あらかじめ中和しておく。

  (

24

)  捕集剤の種類によっては沈殿の生成する pH が異なる。

  (

25

)  沈殿物の層が全液量の 1/10 以下,通常 10∼200 mL になるように捕集剤の添加量を調節すると

よい。

25.  欠番

26.  欠番

27.  欠番

28.  フェノール類  フェノール類と p-クレゾール類とに区分する。 
28.1  フェノール類  フェノール類の試験は,試料を前処理(蒸留)後,28.1.2 に示す 4-アミノアンチピ

リン吸光光度法又は 28.1.3 に示す流れ分析法を適用し,フェノール標準液を用いて定量した値で表す。

フェノール類は,フェノール分解菌によって分解されやすい。酸化性物質,還元性物質,アルカリなど


64

K 0102

:2013

の作用も受けやすいので,試験は試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合は,3.3 によって保存し,

できるだけ早く試験する。

この試験で,対象となるフェノール類は,ベンゼン及びその類似体のヒドロキシ誘導体で,規定の方法

によって 4-アミノアンチピリンと反応して着色化合物を生成するものをいう。

なお,28.1.1 及び 28.1.2 に示す方法は,1990 年に第 2 版として発行された ISO 6439,流れ分析法は,1999

年に第 1 版として発行された ISO 14402 との整合を図ったものである。

備考  −  この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 6439:1990,Water quality−Determination of phenol index−4-Aminoantipyrine spectrometric

methods after distillation(MOD)

ISO 14402:1999,Water quality−Determination of phenol index by flow analysis (FIA and CFA)

(MOD)

−  この試験で求める“フェノール類”は,ISO 6439 によって定義される“フェノール指標”

に相当する。

28.1.1  前処理(蒸留法)  りん酸酸性(pH 約 4)で,硫酸銅(II)の存在の下で加熱蒸留してフェノール

類を留出分離する(

1

)。

注(

1

)  試料に色又は濁りがなく,28.1.2 の試験の妨害となる物質を含まない場合には,蒸留操作を省

略し,直接 28.1.2 の試験を行ってよい。ただし,その場合は,りん酸及び硫酸銅(II)の添加に

よる試料の保存は行わず,試料採取後直ちに試験する。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。ほうけい酸ガラス瓶に保存する。 
2)  りん酸(19)  JIS K 9005 に規定するりん酸を用いて調製する。 
3)  硫酸銅(II)溶液  JIS K 8983 に規定する硫酸銅(II)五水和物 10 g を水に溶かして 100 mL とする。 
4)  メチルオレンジ溶液(1 g/L)  24.1 a2)による。

b)  装置  装置は,次による。

1)  蒸留装置  38.1.1.2 b1)による。

c)  蒸留操作  蒸留操作は,次による。

1)  試料 250 mL(

2

)を蒸留フラスコ 500 mL にとり,メチルオレンジ溶液(1 g/L)5∼7 滴を加え,メチル

オレンジが変色するまでりん酸(1+9)を加えて pH を約 4 にした後,硫酸銅(II)溶液 2.5 mL を

加える(

3

)。

2)  蒸留フラスコを蒸留装置に取り付け,受器にメスシリンダー(有栓形)250 mL を用いて蒸留する。

3)  メスシリンダー中の留出液が 225 mL になったとき,一旦加熱を止める。 
4)  蒸留フラスコ中の試料の沸騰がやんだ後,蒸留フラスコに水 25 mL を加え,再び蒸留を続けて更に

25 mL を留出させ,全留出液量を 250 mL とする(

4

)。

注(

2

)  試料中のフェノール類の濃度が 50 mg/L 以上の場合には,その適量をとり,水を加えて 250 mL

とする。

フェノール類の濃度が 25

μ

g/L 以下の場合には,試料 500 mL を蒸留フラスコ 1 000 mL にと

り硫酸銅(II)溶液の添加量は 5 mL として蒸留し,450 mL が留出したとき,一旦加熱を止め,

冷却後,水 50 mL を加え,再び蒸留を続けて更に 50 mL を留出させ,500 mL とする。


65

K 0102

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注(

3

)  試料の保存にりん酸及び硫酸銅(II)五水和物の添加を行った場合は,これらの添加は省略する。

  (

4

)  留出液が白濁している場合には,留出液に再びりん酸(1+9)を加えて pH を約 4 とし,硫酸

銅(II)溶液 2.5 mL を加え,蒸留操作を繰り返す。再蒸留を行っても白濁が消えない場合には,

備考 1. 4)の油分及びタール類の除去によって処理する。

備考 1.  試料の保存においてりん酸及び硫酸銅(II)五水和物を添加することによって,フェノール

類の生物化学的分解が抑制される。28.1.2 及び 28.1.3 の試験では,酸化性物質,還元性物質,

金属イオン,芳香族アミン類,油分,タール類などは妨害となる。大部分は蒸留操作で取り

除くことができるが,酸化性物質,還元性物質,硫黄化合物,油分及びタール類が試料中に

含まれる場合には,次のように処理する。

1)  酸化性物質  残留塩素のような酸化性物質が含まれている場合,又は試料を酸性にし,よ

う化カリウムを加えるとよう素が遊離する場合は,試料採取直後に,JIS K 9502 に規定す

る L(+)-アスコルビン酸の小過剰若しくは JIS K 8978 に規定する硫酸鉄(II)七水和物

又はメタ亜ひ酸ナトリウムの小過剰を加える。試料の保存には,これにりん酸を加えて pH

約 4 とし,試料 1 L につき JIS K 8983 に規定する硫酸銅(II)五水和物 1 g を加える。

2)  還元性物質  還元性物質が存在する場合には,JIS K 8801 に規定するヘキサシアノ鉄(III)

酸カリウムを過剰に加える。試料の保存には,JIS K 9005 に規定するりん酸を加えて pH

約 4 とし,試料 1 L につき JIS K 8983 に規定する硫酸銅(II)五水和物 1 g を加える。

3)  硫黄化合物  硫化水素及び亜硫酸イオンが含まれている場合には,試料採取直後にりん酸

を加えて pH 約 4 とし,注意して試料に空気を吹き込むか,又はかき混ぜて,硫化水素及

び二酸化硫黄を追い出した後,硫酸銅(II)溶液を試料 1 L につき 10 mL 加える。又は硫

酸銅(II)溶液を過剰に加えて硫化銅(I)の沈殿とした後,りん酸を加えて pH 約 4 とす

る。

4)  油分及びタール類  油分及びタール類が含まれている場合には,次のいずれかの方法によ

るとよい。

4.1)

試料採取直後に硫酸銅(II)溶液を加えずに,水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)

19. a) 2)

による。

]を加えて pH12∼12.5 とし,分液漏斗に移して JIS K 8322 に規定するクロロホ

ルムを加え,油分及びタール類を抽出して,クロロホルム層を捨てる。水層は,沸騰水

浴上で加熱して,残留するクロロホルムを除去する。試料の保存には,これに,りん酸

を加えて pH 約 4 とし,試料 1 L につき硫酸銅(II)五水和物 1 g を加える。

4.2)

蒸留に当たって,試料 250 mL をとり,メチルオレンジ溶液(1 g/L)数滴を加え,硫酸

(0.5 mol/L)

JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。

)で酸性とする。分液漏斗

に移し,JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム 75 g を加える。クロロホルムを,最初は

20 mL で,以後 12.5 mL ずつで 4 回抽出分離する。クロロホルム層を集めて別の分液漏

斗に入れ,水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)

19. a) 2)による。

]を,最初は 2.0 mL,以

後 1.5 mL ずつで 2 回逆抽出する。水層を集め,水浴上でクロロホルムがなくなるまで加

熱する。冷却し,水で 250 mL として c)の蒸留操作を行う。

5)  アミン類  特定の反応条件下では,ある種のアミン類はフェノールとして測定される。こ

の妨害は,pH0.5 未満で蒸留することによって最小限に抑えられる。

28.1.2  4-アミノアンチピリン吸光光度法  前処理(蒸留)した試料の pH を約 10 に調節し,これに 4-ア

ミノアンチピリン(4-アミノ-1,2-ジヒドロ-1,5-ジメチル-2-フェニル-3H-ピラゾール-3-オン)溶液とヘキサ


66

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シアノ鉄(III)酸カリウム溶液とを加えて,生成する赤い色のアンチピリン色素の吸光度を波長 510 nm

付近で測定し,フェノール標準液による検量線によってフェノール類を定量する。

この方法では,フェノールのほか o-,m-位置に置換基があるフェノール誘導体及び多環式化合物にヒド

ロキシル基が置換したものも 4-アミノアンチピリンと反応してアンチピリン色素を生成して定量される。

p-位置に置換基があるフェノール誘導体は,4-アミノアンチピリンと反応しにくいので,ほとんど発色し

ない。アンチピリン色素の発色の強さは,置換基の種類,位置,数などによって差がある。

定量範囲:C

6

H

5

OH 50∼500

μ

g,繰返し精度:3∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。ほうけい酸ガラス瓶に保存する。 
2)  塩化アンモニウム-アンモニア緩衝液(pH10)  JIS K 8116 に規定する塩化アンモニウム 67.5 g を

JIS K 8085 に規定するアンモニア水 570 mL に溶かし,水で 1 L とする。

3)  ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム溶液  JIS K 8801 に規定するヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムの

大きな結晶 9 g をとり,少量の水で表面を洗った後,水に溶かして 100 mL とし,必要がある場合,

ろ過する。1 週間ごとに調製するが,1 週間以内でも色が暗い赤に変わったものは使用しない。

4)  4-アミノアンチピリン溶液(20 g/L)  JIS K 8048 に規定する 4-アミノアンチピリン 2.0 g を水に溶

かして 100 mL とする。使用時に調製する。

5)  フェノール標準液(C

6

H

5

OH 1 mg/mL)  JIS K 8798 に規定するフェノール 1.00 g を水に溶かして

全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加え,0∼10  ℃の暗所に保存する。

6)  フェノール標準液(C

6

H

5

OH 10 

μ

g/mL)  フェノール標準液(C

6

H

5

OH 1 mg/mL)10 mL を全量フラ

スコ 1 000 mL にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

7)  フェノール標準液(C

6

H

5

OH 1 

μ

g/mL)  フェノール標準液(C

6

H

5

OH 10

μ

g/mL)50 mL を全量フラ

スコ 500 mL にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

8)  フェノール標準液(C

6

H

5

OH 0.1 

μ

g/mL)  フェノール標準液(C

6

H

5

OH 10

μ

g/mL)5 mL を全量フラ

スコ 500 mL にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

b)  装置  装置は,次による。

1)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  操作  操作は,次による。

1)  28.1.1 の前処理を行った試料(

5

)の適量(C

6

H

5

OH として 50∼500

μ

g を含む。)をメスシリンダー(有

栓形)100 mL にとり,水を 100 mL の標線まで加える。

2)

次に,塩化アンモニウム-アンモニア緩衝液(pH10)3 mL を加えて振り混ぜ,pH10±0.2 に調節す

る。

3) 4-アミノアンチピリン溶液(20 g/L)2 mL を加えて振り混ぜ,ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム溶

液 2 mL を加えて十分に振り混ぜた後,約 3 分間放置する。

4)  別に,空試験として水 100 mL について 2)及び 3)の操作を行う。 
5)  空試験の溶液を対照液として波長 510 nm 付近の吸光度を測定する。

6)  検量線からフェノールに相当する量を求め,試料中のフェノール類の濃度(C

6

H

5

OH mg/L)を算出

する。

注(

5

)  試料に妨害物質を含まず,直接 4-アミノアンチピリン吸光光度法を適用する場合は,採取直後

の試料。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。


67

K 0102

:2013

1)

フェノール標準液(C

6

H

5

OH 10

μ

g/mL)5∼50 mL をメスシリンダー(有栓形)100 mL に段階的にと

り,水を 100 mL の標線まで加える。

2)  c2)∼5)の操作を行ってフェノールの量と吸光度との関係線を作成する。

備考 2.  c3)で得た溶液の色が弱いときは,次の操作を行って,定量してもよい。

1)  この溶液の全量を分液漏斗 200 mL に移し,JIS K 8322 に規定するクロロホルム 10 mL

を加えて約 1 分間激しく振り混ぜた後放置する。

2)  クロロホルム層を分離し,乾いたろ紙でろ過するか,ビーカーに移した後,JIS K 8987

に規定する硫酸ナトリウム約 1 g を加えて脱水する。

3)  別に,空試験として水 100 mL について c2)及び c3)の操作並びに 1)及び 2)の操作を行

う。

4)  空試験のクロロホルム層を対照液とし,2)のクロロホルム層の波長 460 nm 付近の吸光度

を測定する。

5)  検量線は,フェノール標準液(C

6

H

5

OH 1 μg/mL)2.5∼50 mL を用い,c2)以下の試料の

場合と同様に操作してフェノールの量と吸光度との関係線を作成する。

     3.  試料 500 mL を用いて

注(

2

)の操作を行った場合には,次の操作によって定量してもよい。

1)  前処理で得た留出液 500 mL を分液漏斗 1 000 mL にとり,塩化アンモニウム-アンモニア

緩衝液(pH10)10 mL を加えて振り混ぜ,pH 10±0.2 とする。

2) 4-アミノアンチピリン溶液(20 g/L)3 mL,ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム溶液 3 mL

を加え,十分に振り混ぜた後約 3 分間放置し,次いで JIS K 8322 に規定するクロロホル

ム 20 mL を加えて約 1 分間激しく振り混ぜた後放置する。

3)  備考 2.の 2)以降と同様に操作する。ただし,検量線は,フェノール標準液(C

6

H

5

OH 1

μ

g/mL)2.5∼50 mL を分液漏斗 1 000 mL に段階的にとり,水を加えて 500 mL とし,1)

以下,試料の場合と同様に操作して作成したものを用いる。

     4.

備考 2.のクロロホルムの代わりに安息香酸メチルを用い,次の操作を行って,定量してもよ

い。

1)  c)  3)で得た溶液の全量を分液漏斗 200 mL に移し,安息香酸メチル 10 mL を加えて約 2

分間激しく振り混ぜた後放置する。

2)  安息香酸メチル層を分離し,ビーカーに移した後,JIS K 8987 に規定する硫酸ナトリウ

ム約 1 g を加えて脱水する。

3)  別に,空試験として水 100 mL について c2)及び c3)の操作並びに 1)及び 2)の操作を行

う。

4)  空試験の安息香酸メチル層を対照液とし,2)の安息香酸メチル層の波長 465 nm 付近の吸

光度を測定する。

5)  検量線は,フェノール標準液(C

6

H

5

OH 1 μg/mL)2.5∼50 mL を用い,試料の場合と同様

に c2)及び c3)の操作並びに 1)∼4)の操作を行ってフェノールの量と吸光度との関係線

を作成する。

     5.  次の操作を行って,定量してもよい(アンチピリン色素固相抽出法)

1)  28.1.1 の前処理を行った試料(*)の適量(C

6

H

5

OH として 0.5∼15

μ

g を含む。)をメスシリ

ンダー(有栓形)50 mL にとり,水を 50 mL の標線まで加える。

2)  次に,塩化アンモニウム-アンモニア緩衝液(pH10)1.5 mL を加えて振り混ぜ,pH10±


68

K 0102

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0.2 に調節する。

3) 4-アミノアンチピリン溶液(20 g/L)1 mL を加えて振り混ぜ,ヘキサシアノ鉄(III)酸

カリウム溶液 1 mL を加えて十分に振り混ぜた後,約 10 分間放置して,アンチピリン色

素を生成させる。

4)  市販のスチレン・ジビニルベンゼン共重合体充塡カラム,又は ODS カラムなどの疎水性

カラムに,JIS K 8032 に規定するアセトニトリル 10 mL,水 10 mL を流して洗浄・コン

ディショニングを行った後,3)の発色溶液を 10 mL/min の流量で通液する。

5)  約 5 分間通気してカラムを乾燥する。

6)  JIS K 8032 に規定するアセトニトリル 5 mL をカラムに流し,アンチピリン色素を溶出

させる。

7)  別に,空試験として水 50 mL について 2)∼6)の操作を行う。

8)  空試験のアセトニトリル溶出液を対照液とし,6)のアセトニトリル溶出液の波長 475 nm

付近の吸光度を測定する。

9)  検量線からフェノールに相当する量を求め,試料中のフェノール類の濃度(C

6

H

5

OH

mg/L)を算出する。

10)  検量線は,フェノールが 0.5∼15μg となるように,フェノール標準液(C

6

H

5

OH 0.1 μg/mL)

又はフェノール標準液(C

6

H

5

OH 1 μg/mL)をメスシリンダー(有栓形)50 mL に段階的

にとり,水を 50 mL の標線まで加える。続いて,2)∼8)の操作を行ってフェノールの量

と吸光度との関係線を作成する。

注(*)  注(

5

)による。

備考 6.  フェノール標準液(C

6

H

5

OH 10 μg/L)を用いて 28.1.1 c)及び 28.1.2 c)の操作を行い,フェノー

ルの回収率が十分であることを確かめておくとよい。

28.1.3  流れ分析法  試料中のフェノール類を,28.1.1 及び 28.1.2 と同様な原理で蒸留,発色させる流れ分

析法によって定量する。フェノールの種類によっては,生成したアンチピリン色素が水相で時間とともに

退色する場合がある。このため,JIS K 0170-5 の試薬濃度,流速等の条件が 28.1.2 で行った場合と比較し,

整合していることを確認して,その条件で定量する。

定量範囲:C

6

H

5

OH:0.01∼1 mg/L,繰返し精度:10 %以下

試験操作などは,JIS K 0170-5 による。ただし,JIS K 0170-5 の 6.3.4(くえん酸蒸留・4-アミノアンチ

ピリン発色 CFA 法)の方法は除く。

28.2  p-クレゾール類 
28.2.1  p-ヒドラジノベンゼンスルホン酸吸光光度法  フェノール類を pH8.0 でギブス試薬と反応させてイ

ンドフェノールに変え,アスコルビン酸酸性で水蒸気蒸留して,ギブス試薬と反応しない p-クレゾール類

を留出させる。留出した p-クレゾール類に,p-ヒドラジノベンゼンスルホン酸と亜硝酸とから生成するジ

アゾ化合物,p-スルホンベンゼンジアゾニウム塩をカップリングさせて生じるアゾ色素の赤い色の吸光度

を測定して p-クレゾール類を定量する。

定量範囲:p-CH

3

C

6

H

4

OH 10∼150

μ

g,繰返し精度:3∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。ほうけい酸ガラス瓶に保存する。 
2)  硫酸(117)  JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。 
3)  水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 10 g を水に溶かして


69

K 0102

:2013

100 mL とする。

4)  炭酸ナトリウム  JIS K 8625 に規定するもの。 
5)  塩化ナトリウム  JIS K 8150 に規定するもの。 
6)  メチルオレンジ溶液(1 g/L)  24.1 a2)による。 
7)  クロロホルム又はジエチルエーテル  JIS K 8322 に規定するクロロホルム又は JIS K 8103 に規定す

るジエチルエーテル

8)  ギブス試薬  JIS K 8491 に規定する 2,6-ジブロモ-N-クロロ-p-ベンゾキノンモノイミン(2,6-ジブロ

モキノンクロロイミド)0.5 g を JIS K 8102 に規定するエタノール(95)50 mL に溶かす。使用時に

調製する。

9)  L(+)-アスコルビン酸  JIS K 9502 に規定するもの。 
10)  アンモニア水(17)  JIS K 8085 に規定するアンモニア水を用いて調製する。 
11)  p-ヒドラジノベンゼンスルホン酸溶液  次の操作によって,調製する。

−  A

液  p-ヒドラジノベンゼンスルホン酸 0.5 水和物 1 g と JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム

0.3 g とを水 80 mL に加え,沸騰水浴中で加熱して溶かし,これに JIS K 8180 に規定する塩酸 9 mL

を加え,更に水を加えて 100 mL とする。室温では結晶が析出するので,約 37  ℃の恒温槽中に保

存する。1 週間以上経過したものは使用しない。

−  B

液  A 液 4 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,約 10  ℃に冷却した後,亜硝酸ナトリウム溶液

(10 g/L)

JIS K 8019 に規定する亜硝酸ナトリウム 1 g を水に溶かして 100 mL とする。

)5 mL を

加えて約 10  ℃で 3∼5 分間放置する。これに,あらかじめ約 10  ℃に冷却した水を標線まで加え

る。使用時に調製する。

12)  p-クレゾール標準液(p-CH

3

C

6

H

4

OH 1 mg/mL) JIS K 8306 に規定する p-クレゾール(p-CH

3

C

6

H

4

OH)

1.00 g をとり,少量の水に溶かして全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

13)  p-クレゾール標準液(p-CH

3

C

6

H

4

OH 0.1 mg/mL)  p-クレゾール標準液(p-CH

3

C

6

H

4

OH 1 mg/mL)

20 mL を全量フラスコ 200 mL にとり,水を標線まで加える。

b)  装置  装置は,次による。

1)  水蒸気蒸留装置  小形,すり合わせのもの。 
2)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  操作  操作は,次による。

1)  試料 500 mL(p-CH

3

C

6

H

4

OH として 0.1∼1.5 mg を含む。)を分液漏斗 1 000 mL にとり,指示薬とし

てメチルオレンジ溶液(1 g/L)2,3 滴を加え,溶液の色が赤になるまで硫酸(1+17)を滴加して

酸性[試料が酸性の場合は,水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)で溶液の色が黄色になるまで中和し

た後,硫酸(1+17)を滴加して再び酸性にする。

]とし,これに,塩化ナトリウム 150 g とクロロ

ホルム(

6

) 40 mL とを加え,激しく振り混ぜて抽出し,クロロホルム層を別の分液漏斗 200 mL に移

す。

2)  さらに,クロロホルム 25 mL ずつを用いて 1)と同様の抽出操作を 4 回繰り返し,クロロホルム層を

先の分液漏斗に合わせる。

3)  このクロロホルム層に水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)4 mL を加えて逆抽出し,更に 3 mL ずつで

逆抽出を 2 回繰り返して,逆抽出液を合わせる。

4)  この逆抽出液を沸騰水浴上で加熱して,溶けているクロロホルムを揮散させた後,放冷する。 
5)  水約 20 mL で全量フラスコ 100 mL に移し入れる。次に,炭酸ナトリウム 2 g を加え,硫酸(1+17)


70

K 0102

:2013

を滴加して pH8 とし,水約 20 mL とギブス試薬 5 mL とを加えて約 24 時間放置する(フェノール類

が共存すれば溶液の色は青になる。

6) L(+)-アスコルビン酸 1 g を加え,水を標線まで加える。 
7)  この溶液 10 mL を蒸留フラスコにとり水蒸気蒸留を行い,メスシリンダー(有栓形)50 mL に 30 mL

を留出させる。

8)  留出液を水で約 40 mL に薄めた後,p-ヒドラジノベンゼンスルホン酸溶液の B 液 5 mL を加えて振

り混ぜ,次に,アンモニア水(1+7)1 mL を加え,水を 50 mL の標線まで加えて再び振り混ぜ,

約 5 分間放置する。

9)  溶液の一部を吸収セルに移し,波長 495 nm 付近の吸光度を測定する。 
10)  空試験として水 40 mL をとり,8)及び 9)の操作を行って吸光度を求め,試料について得た吸光度を

補正する。

11)  検量線から p-クレゾール類の量を求め,試料中の p-クレゾール類の濃度(p-CH

3

C

6

H

4

OH mg/L)を

算出する。

注(

6

)  クロロホルムの代わりに JIS K 8103 に規定するジエチルエーテルを用いてもよい。この場合に

は,塩化ナトリウムを加える必要はない。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  p-クレゾール標準液(p-CH

3

C

6

H

4

OH 0.1 mg/mL)1∼15 mL を全量フラスコ 100 mL に段階的にとり,

それぞれに硫酸(1+17)を滴加して pH8 とし,水約 20 mL とギブス試薬 5 mL とを加えて約 24 時

間放置し(フェノール類が共存すれば溶液の色は青になる。

,引き続き c6)の操作を行う。

2)  この溶液 10 mL を蒸留フラスコにとり,水蒸気蒸留を行って留出液 30 mL を得た後,水で約 40 mL

に薄める。次に,p-ヒドラジノベンゼンスルホン酸の B 液 5 mL を加え,c)  8)∼10)の操作を行って

p-クレゾール(p-CH

3

C

6

H

4

OH)の量と吸光度との関係線を作成する。

29.  ホルムアルデヒド  ホルムアルデヒドの定量には,アセチルアセトン吸光光度法を適用する。 
29.1  アセチルアセトン吸光光度法  ホルムアルデヒドがアンモニウム塩の共存で,アセチルアセトン

(2,4-ペンタンジオン)と反応して生成する黄色の化合物の吸光度を測定してホルムアルデヒドを定量す

る。この方法は,妨害物質が多いので,あらかじめ蒸留してホルムアルデヒドを分離する。

定量範囲:HCHO 6∼60

μ

g,繰返し精度:3∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  塩酸(111)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。 
2)  アセチルアセトン-酢酸アンモニウム溶液  JIS K 8359 に規定する酢酸アンモニウム 150 g を水 800

mL に溶かし,これに JIS K 8355 に規定する酢酸 3 mL と JIS K 8027 に規定するアセチルアセトン

(2,4-ペンタンジオン)2 mL とを加えて 1 L とする。

3)  ロゾール酸溶液(10 g/L)  JIS K 9037 に規定するパラロゾール酸{4-[ビス(4-ヒドロキシフェニル)

メチレン]-2,5-シクロヘキサジエン-1-オン}1 g を JIS K 8102 に規定するエタノール(95)50 mL に

溶かし,水を加えて 100 mL とする。

4)  0.1 mol/L 塩酸  15.1 a1)による。 
5)  ホルムアルデヒド標準液(HCHO 1 mg/mL)  JIS K 8872 に規定するホルムアルデヒド液約 3 mL

を水 1 L に溶かす。濃度は,次の方法で求める。

−  三角フラスコ 200 mL に亜硫酸ナトリウム溶液(13 g/L)(

1

) 20 mL をとり,指示薬としてロゾール


71

K 0102

:2013

酸溶液(10 g/L)3 滴を加え,塩酸(1+11)で溶液の色が無色になるまで中和する。

−  このホルムアルデヒド溶液 25 mL を加え,0.1 mol/L 塩酸で滴定し,溶液の色が再び無色になった

点を終点とする。次の式によってホルムアルデヒドの濃度(HCHO mg/mL)を算出する。

003

.

3

25

1

×

×

×

=

f

a

F

ここに,

F: ホルムアルデヒド標準液(HCHO mg/mL)

a: 滴定に要した 0.1 mol/L 塩酸(mL)

f: 0.1 mol/L 塩酸のファクター

 3.003: 0.1 mol/L 塩酸 1 mL のホルムアルデヒド相当量(mg)

6)  ホルムアルデヒド標準液(HCHO 10 

μ

g/mL)  ホルムアルデヒド標準液(HCHO 1 mg/mL)10 mL

を全量フラスコ 1 000 mL にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。この溶液の濃度は,ホ

ルムアルデヒド標準液(HCHO 1 mg/mL)の濃度から算出する。

注(

1

)

JIS K 8061 に規定する亜硫酸ナトリウム 1.3 g を水に溶かして 100 mL とする。使用時に調製す

る。

b)  装置  装置は,次による。

1)  蒸留装置 
2)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  蒸留操作  蒸留操作は,次による。

1)  試料の適量(

2

)

  (

3

)(ホルムアルデヒド 600

μ

g 以下を含む。)を蒸留フラスコ 100 mL にとり,水を加

えて全量を 50 mL とし,これに指示薬としてロゾール酸溶液(10 g/L)3 滴を加え,溶液の色がだ

いだい色になるまで塩酸(1+11)を加えた後,更に 1 滴過剰に加える。

2)  水 10 mL を加えて蒸留フラスコを蒸留装置に接続する。

3)  受器にはメスシリンダー(有栓形)100 mL を用い,受器の液量が 50 mL になるまで加熱蒸留する。 
4)  加熱を止め数分間放置した後,蒸留フラスコに更に水 30 mL を加え,蒸留フラスコを加熱して 30 mL

を留出させる。

5)  加熱を止め数分間放置した後,蒸留フラスコに更に水 20 mL を加え,蒸留フラスコを加熱して 20 mL

を留出させる(留出液は合計 100 mL になる。

注(

2

)  試料の採取量は最大 50 mL とする。強アルカリ性の試料の場合には,指示薬としてロゾール酸

溶液(10 g/L)3 滴を加え,塩酸(1+1)及び塩酸(1+11)で無色になるまで中和した後,水

を加えて全量を 50 mL とする。

  (

3

)  試料中に硫化物が含まれている場合には,試料の適量をとり,酢酸亜鉛溶液(100 g/L)(JIS K 

8356 に規定する酢酸亜鉛二水和物 12 g を水に溶かして 100 mL とする。)2 mL を加えた後,生

成した硫化亜鉛の沈殿をろ別する。このろ液に,指示薬としてロゾール酸溶液(10 g/L)3 滴を

加え,塩酸(1+11)で無色になるまで中和する。

d)  操作  操作は,次による。

1)  c)  5)の留出液 10 mL を共栓三角フラスコにとり,アセチルアセトン-酢酸アンモニウム溶液 10 mL

を加えて振り混ぜる。

2)  これを 60∼65  ℃の水浴中で約 10 分間加熱する。 
3)  放冷後,溶液の一部を吸収セルに移し,波長 415 nm 付近の吸光度を測定する。 
4)  空試験として水 10 mL を共栓三角フラスコにとり,1)∼3)の操作を行って吸光度を測定し,試料に


72

K 0102

:2013

ついて得た吸光度を補正する。

5)  検量線からホルムアルデヒドの量を求め,試料中のホルムアルデヒドの濃度(HCHO mg/L)を算出

する。

e)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  ホルムアルデヒド標準液(HCHO 10

μ

g/mL)0.6∼6 mL をメスシリンダー(有栓形)20 mL に段階

的にとり,水を 10 mL の標線まで加える。

2)  d1)∼4)の操作を行ってホルムアルデヒド(HCHO)の量と吸光度との関係線を作成する。 

30.  界面活性剤  界面活性剤は,陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤とに区分する。

界面活性剤は,微生物によって容易に分解されるため,試験は,試料採取後,直ちに行う。直ちに試験

が行えない場合は,3.3 によって保存し,できるだけ早く試験する。

30.1  陰イオン界面活性剤  陰イオン界面活性剤の定量には,メチレンブルー吸光光度法,エチルバイオ

レット吸光光度法,溶媒抽出-フレーム原子吸光法又はメチレンブルー発色による流れ分析法を適用する。

陰イオン界面活性剤には,高級アルコール硫酸エステル類,脂肪酸硫酸エステル類及びスルホン酸形陰

イオン界面活性剤{アルキルアリールスルホン酸塩類[直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類(LAS)

アルキルスルホン酸塩類,アルケンスルホン酸塩類など}などがある。

なお,メチレンブルー発色による流れ分析法は,2009 年に第 1 版として発行された ISO 16265 との整合

を図ったものである。

備考  この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 16265:2009,Water quality−Determination of the methylene blue active substances (MBAS) index

−Method using continuous flow analysis (CFA)(MOD)

30.1.1  メチレンブルー吸光光度法  陰イオン界面活性剤がメチレンブルー[3,7-ビス(ジメチルアミノ)フ

ェノチアジン-5-イウムクロリド]と反応して生じるイオン対をクロロホルムで抽出して,その吸光度を測

定し,ドデシル硫酸ナトリウムとして表す。

定量範囲:陰イオン界面活性剤[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

]2∼50

μ

g,繰返し精度:5∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水 
2)  硫酸(135)  JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。 
3)  水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)  21. a) 3)による。 
4)  アルカリ性四ほう酸ナトリウム溶液  JIS K 8866 に規定する四ほう酸ナトリウム十水和物 9.54 g を

水に溶かした後,水で 500 mL とし,これに水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)50 mL を加え,水で全

量を 1 L とする。

5)  メチレンブルー溶液(0.25 g/L)  JIS K 8897 に規定するメチレンブルー0.3 g を水に溶かして 1 L

とする。

6)  脱脂綿 
7)  クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。 
8)  陰イオン界面活性剤標準液[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 1 mg/mL]  ドデシル硫酸ナトリウム[NaO

3

SO

(CH

2

)

11

CH

3

](

1

)をその 100 %に対して 1.00 g をとり,水に溶かして全量フラスコ 1 000 mL に移し入


73

K 0102

:2013

れ,水を標線まで加える。

9)  陰イオン界面活性剤標準液[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 10 

μ

g/mL]  陰イオン界面活性剤標準液[NaO

3

SO

(CH

2

)

11

CH

3

 1 mg/mL]10 mL を全量フラスコ 1 000 mL にとり,水を標線まで加える。使用時に調製

する。

注(

1

)  純度及び平均分子量の分かった試薬を用いる。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  分液漏斗  200 mL 
2)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  準備操作  準備操作は,次による。

1)  分液漏斗(A)に水 50 mL,アルカリ性四ほう酸ナトリウム溶液 10 mL 及びメチレンブルー溶液(0.25

g/L)5 mL を入れる。

分液漏斗(B)に水 100 mL,アルカリ性四ほう酸ナトリウム溶液 10 mL 及びメチレンブルー溶液

(0.25 g/L)5 mL を入れる。

2)  それぞれにクロロホルム 10 mL を加え,約 30 秒間激しく振り混ぜた後,放置してクロロホルム層

を捨てる。この操作を更に 1 回繰り返す。

3)  それぞれの水層にクロロホルム 2∼3 mL を加え,緩やかに振り混ぜた後,放置してクロロホルム層

を捨てる。この操作をクロロホルム層が無色になるまで繰り返して水層中の着色物を除去する。

4)  クロロホルムで洗い終わった分液漏斗(B)中の水層に,硫酸(1+35)3 mL を加える。

なお,分液漏斗(A)及び分液漏斗(B)の脚部がぬれているときには,ろ紙などで拭き取る。

d)  操作  操作は,次による。

1)  c)の準備操作を行った分液漏斗(A)中の水層に,試料(

2

)の適量[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

として 2∼50

μ

g

を含む。

]を加える。ただし,全量が 100 mL を超えないようにする。

2)  クロロホルム 10 mL を加えて,緩やかに約 1 分間振り混ぜて放置し,クロロホルム層を c)の準備操

作を行った分液漏斗(B)に移し入れる。

3)  分液漏斗(B)を緩やかに約 1 分間振り混ぜた後放置する。分液漏斗の脚部に脱脂綿を詰め,クロ

ロホルム層を全量フラスコ 25 mL に移し入れる。

4)  再び分液漏斗(A)にクロロホルム 10 mL を加えて,2)及び 3)の操作を繰り返して抽出を行い,ク

ロロホルム層を 3)と同様に先の全量フラスコ 25 mL に合わせ,クロロホルムを標線まで加える。

5)  これを吸収セル(

3

)に移し,クロロホルムを対照液として波長 650 nm 付近の吸光度を測定する。

6)  空試験として水 50 mL を用い,あらかじめ c)の準備操作を行った分液漏斗(A)に入れ,2)∼5)の

操作を行って吸光度を測定し,試料について得た吸光度を補正する。

7)  検 量 線 か ら 陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 量 を 求 め , 試 料 中 の 陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 濃 度

[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 mg/L]を算出する。

注(

2

)  酸性の場合には,pH 計を用いて水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)で,また,アルカリ性の場合

には,硫酸(1+35)で pH 約 7 とする。

  (

3

)  吸収セル 50 mm を用いると 0.4∼10

μ

g の陰イオン界面活性剤が定量できる。

e)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  陰イオン界面活性剤標準液[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 10

μ

g/mL]0.2∼5 mL を段階的にとり,あらかじめ

c)の準備操作を行った分液漏斗に入れ,水で全量を約 100 mL とする。

2)  d2)∼6)の操作を行って陰イオン界面活性剤[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

]の量と吸光度との関係線を作成


74

K 0102

:2013

する。

備考 1.  硝酸,シアン化物,チオシアン酸などのイオンが多量に存在すると定量を妨害する。

陽イオン界面活性剤は,陰イオン界面活性剤と強く結合するため,その共存量に応じて負

の誤差を与える。しかし,通常の水ではその量は,陰イオン界面活性剤と比較して非常に少

ない。

     2.

ミズミミズ,イトミミズなどがいる底泥付近の水では,正の誤差が生じやすい。

     3.  スルホン酸形陰イオン界面活性剤(LAS など)を定量するには,次の操作によってアルコー

ル系などの陰イオン界面活性剤を加水分解し,残ったスルホン酸形陰イオン界面活性剤を d)

の操作で定量して,ドデシル硫酸ナトリウムとして表す。

1)  試料の適量[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

として 4∼100

μ

g を含む。]をすり合わせ三角フラスコ

にとり,

JIS K 8180 に規定する塩酸 25 mL 及び沸騰石 5∼7 個を加え,水で液量を約 50 mL

とした後,還流冷却器を付けて約 2 時間静かに煮沸する。

2)  放冷後,指示薬としてフェノールフタレイン溶液(5 g/L)[15.の備考 2.による。]5∼7

滴を加え,溶液の色が微紅色になるまで,初めは水酸化ナトリウム溶液(400 g/L)を,

中和点近くなってからは水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)

21. a) 3)による。

]を加えて中

和し,水で 100 mL とする。

3)  以下,c)及び d)の操作を行ってスルホン酸形陰イオン界面活性剤の量を求め,試料中の

スルホン酸形陰イオン界面活性剤の濃度[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 mg/L]を算出する。

30.1.2  エチルバイオレット吸光光度法  陰イオン界面活性剤がエチルバイオレット【N-〔4-{ビス[4-(ジエ

チルアミノ)フェニル]メチレン}-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン〕-N-エチルエタンアミンイウムクロ

リド】と反応して生じるイオン対をトルエンに抽出して,その吸光度を測定し,ドデシル硫酸ナトリウム

として表す。

定量範囲:陰イオン界面活性剤[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

]0.5∼12.5

μ

g,繰返し精度:5∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水 
2)  硫酸ナトリウム溶液(1 mol/L)  JIS K 8987 に規定する硫酸ナトリウム 142 g を水に溶かして 1 L

とする。

3)  酢酸-EDTA 緩衝液(pH5)  JIS K 8107 に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二

水和物 7.5 g を水に溶かして約 700 mL とする。これに JIS K 8355 に規定する酢酸 12.5 mL を加え,

pH 計を用いて pH5 になるまで水酸化ナトリウム溶液(2 mol/L)を加えた後,水を加えて 1 L とす

る。

4)  エチルバイオレット溶液(1 mmol/L)  エチルバイオレット(

4

) 0.280 g を水に溶かして 500 mL とす

る。

5)  トルエン  JIS K 8680 に規定するもの。 
6)  陰イオン界面活性剤標準液[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 1 mg/mL]  30.1.1 a8)による。

7)  陰イオン界面活性剤標準液[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 10 

μ

g/mL]  30.1.1 a9)による。

8)  陰イオン界面活性剤標準液[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 0.5 

μ

g/mL]  陰イオン界面活性剤標準液[NaO

3

SO

(CH

2

)

11

CH

3

 10

μ

g/mL]10 mL を全量フラスコ 200 mL にとり,水を標線まで加える。使用時に調製す

る。

注(

4

)  エチルバイオレットは,塩化亜鉛  モルが付加した複塩を用いる。この複塩以外を用いる場合

2

1


75

K 0102

:2013

には,その濃度が 1 mmol/L になる量をとって調製する。また,c) 7)の空試験の操作を行ったと

きの吸光度の値が大きい(0.04 程度以上)場合には,別のロットのエチルバイオレットを用い

て調製し直す。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  分液漏斗  200 mL 
2)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  操作  操作は,次による。

1)  試料の適量[NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

として 0.5∼12.5

μ

g を含む。]を分液漏斗にとり,水を加えて 100 mL

とする。

2)  これに硫酸ナトリウム溶液(1 mol/L)5 mL,酢酸-EDTA 緩衝液(pH5)5 mL 及びエチルバイオレ

ット溶液(1 mmol/L)2 mL を加える。

3)  トルエン 5 mL(又は 10 mL)を加え,約 10 分間振り混ぜる(

5

)。

4)  静置し,水層約 100 mL を捨てる。 
5)  さらに静置し,トルエン層が完全に分離したら水層を捨てる。

6)  トルエン層を吸収セルに移し,トルエンを対照液として波長 611 nm 付近の吸光度を測定する。 
7)  空試験として水 100 mL を用い,2)∼6)の操作を行って吸光度を測定し,試料について得た吸光度を

補正する。

8)  検 量 線 か ら 陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 量 を 求 め , 試 料 中 の 陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 濃 度

[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 mg/L]を算出する。

注(

5

)  振り混ぜ時間が 5 分間程度だと吸光度が幾分低くなるので,振り混ぜ時間約 10 分間を守る。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  陰イオン界面活性剤[NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

 0.5

μ

g/mL]1∼25 mL を段階的に分液漏斗にとり,水を加

えて 100 mL とする。

2)  c2)∼7)の操作を行って,陰イオン界面活性剤[NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

]の量と吸光度との関係線を作

成する。

備考 4.  海水,又は海水が混入した試料のように多量の塩化物イオンが共存すると,その一部がエチ

ルバイオレットとイオン対を生成し,トルエンに抽出されて吸光度を増加させる。このよう

な試料の場合は,c)  4)及び 5)の操作を行った後も,器壁に付着物が残るが,トルエン層を小

形の分液漏斗に移し入れ,エチルバイオレット−硫酸ナトリウム溶液[エチルバイオレット

溶液(1 mmol/L)7.5 mL をとり,JIS K 8987 に規定する硫酸ナトリウム 5 g を加え,水で 500

mL とする。]20 mL を加え,約 1 分間振り混ぜる。放置した後,水層の大部分を捨て,再び

静置してトルエン層が完全に分離したら水層を捨てる。次に,c6)∼8)の操作を行う。

     5.  硝酸イオンは,NO

3

 1 mg/L 程度までは妨害しないが,それ以上共存すると正の誤差を与え

る。

通常の河川水などに含まれるその他のイオンは妨害しない。

陽イオン界面活性剤は,陰イオン界面活性剤と強く結合するため,その共存量に応じて負

の誤差を与える。しかし,通常の水ではその量は,陰イオン界面活性剤と比較して非常に少

ない。

30.1.3  溶媒抽出-フレーム原子吸光法  陰イオン界面活性剤を,カリウムを取り込んだジベンゾ-18-クラウ

ン-6 とイオン対とし,これを 4-メチル-2-ペンタノンに抽出し,抽出溶液中のカリウムをフレーム原子吸光


76

K 0102

:2013

法で定量し,ドデシル硫酸ナトリウムとして表示する。

定量範囲:陰イオン界面活性剤[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

]2.5∼50

μ

g,繰返し精度:2∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水 
2)  硫酸カリウム(20 mmol/L-酢酸アンモニウム(50 mmol/L)混合溶液  JIS K 8962 に規定する硫

酸カリウム 3.5 g と JIS K 8359 に規定する酢酸アンモニウム 3.9 g とを水に溶かして約 700 mL とし,

pH 計を用いて硫酸(1+35)[30.1.1 a2)による。]を加え pH5 として水で 1 L とする。

3)  硫酸カリウム(4 mmol/L-酢酸アンモニウム(10 mmol/L)混合溶液  硫酸カリウム(20 mmol/L)

-酢酸アンモニウム(50 mmol/L)混合溶液 200 mL を水で薄めて 1 L とする。

4)  ジベンゾ-18-クラウン-6 の 4-メチル-2-ペンタノン溶液(0.5 mmol/L)  精製したジベンゾ-18-クラ

ウン-6 (

6

) 90 mg を JIS K 8903 に規定する 4-メチル-2-ペンタノン 500 mL に溶かす。

5)  陰イオン界面活性剤標準液[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 1 mg/mL]  30.1.1 a8)による。

6)  陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 標 準 液 [ NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 5 

μ

g/mL ]   陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 標 準 液

[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 1 mg/mL]5 mL を全量フラスコ 1 000 mL にとり,水を標線まで加える。使用

時に調製する。

注(

6

)  ジベンゾ-18-クラウン-6 の精製は,次による。

ジベンゾ-18-クラウン-6 約 2.5 g を JIS K 8858 に規定するベンゼン約 200 mL 中に加え,水浴

上で加熱して溶かす。これをガラスろ過器(1G3)で吸引ろ過する。ろ液が冷えると直ちに結

晶が生成するが,再び水浴上で加熱して溶かし,吸引ろ過する。この操作を結晶が白くなるま

で行った(2,3 回)後,ろ液を冷却し,吸引ろ過する。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  分液漏斗  100 mL 
2)  フレーム原子吸光分析装置  JIS K 0121 に規定するフレーム原子吸光分析装置で,測定対象元素用

の光源を備えたもの。

c)  操作  操作は,次による。

1)  試料の適量[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

として 2.5∼50

μ

g を含む。]を分液漏斗 100 mL にとり,硫酸カリ

ウム(20 mmol/L)-酢酸アンモニウム(50 mmol/L)混合溶液 10 mL を加え,水で液量を 50 mL と

する。

2)  ジベンゾ-18-クラウン-6 の 4-メチル-2-ペンタノン溶液(0.5 mmol/L)10 mL を加え,約 1 分間振り

混ぜる。

3)  静置後水層を捨て,硫酸カリウム(4 mmol/L)-酢酸アンモニウム(10 mmol/L)混合溶液 25 mL を

加えて振り混ぜ,静置し,水層を捨てる。

4) 4-メチル-2-ペンタノン層をアセチレン-空気フレーム中に導入し,波長 766.5 nm の指示値(

7

)を読み

取る。

5)  検 量 線 か ら 陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 量 を 求 め , 試 料 中 の 陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 濃 度

[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 mg/L]を算出する。

注(

7

)  吸光度又はその比例値。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  陰イオン界面活性剤[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

 5

μ

g/mL]0.5∼10 mL を分液漏斗に段階的にとる。

2)  c)  1)∼4)の操作を行って陰イオン界面活性剤[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

]の量と指示値との関係線を作成


77

K 0102

:2013

する。検量線の作成は,試料測定時に行う。

備考 6.  カルシウム及びマグネシウムは,それぞれ 500 mg 程度まで共存しても影響しない。ナトリウ

ムは 50∼70 mg の共存でも,一部がジベンゾ-18-クラウン-6 に取り込まれ,陰イオン界面活

性剤とイオン対を作って抽出され,そのまま噴霧すると負の誤差を生じるが,抽出分離後の

溶媒層を c3)の硫酸カリウム(4 mmol/L)-酢酸アンモニウム(10 mmol/L)混合溶液と振り

混ぜることによって,ナトリウムはカリウムに置換され,妨害は除かれる。

陽イオン界面活性剤は,陰イオン界面活性剤と強く結合するため,その共存量に応じて負

の誤差を生じる。しかし,通常の水ではその量は,陰イオン界面活性剤と比較して非常に少

ない。非イオン界面活性剤は 400

μ

g 程度共存しても妨害しない。

30.1.4  流れ分析法  試料中の陰イオン界面活性剤を,30.1.1 と同様な原理で発色させる流れ分析法によっ

て定量する。

定量範囲:陰イオン界面活性剤[NaO

3

SO(CH

2

)

11

CH

3

]0.02∼5 mg/L

試験操作などは,JIS K 0170-8 による。ただし,JIS K 0170-8 の 6.3.2(1,2-ジクロロエタン抽出 FIA 法)

の方法は除く。

30.2  非イオン界面活性剤  非イオン界面活性剤には,ポリオキシエチレンアルキルエーテル類,ポリオ

キシエチレンアルキルフェノールエーテル類,ポリオキシエチレンアルキルエステル類,ポリオキシエチ

レンソルビタンアルキルエステル類などがある。

非イオン界面活性剤の定量には,前処理(イオン交換分離)を行った試料について,テトラチオシアナ

トコバルト(II)酸吸光光度法又はチオシアン酸鉄(III)吸光光度法を適用する。

30.2.1  テトラチオシアナトコバルト(II)酸吸光光度法  非イオン界面活性剤とテトラチオシアナトコバ

ルト(II)酸アンモニウムとの錯体をベンゼンで抽出して,紫外部の吸光度を測定し,ヘプタオキシエチ

レンドデシルエーテルとして表示する。

定量範囲:非イオン界面活性剤[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H]0.1∼2 mg,繰返し精度:3∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水 
2)  塩酸(111)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。 
3)  水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)  21. a) 3)による。 
4)  テトラチオシアナトコバルト(II)酸アンモニウム溶液  JIS K 9000 に規定するチオシアン酸アン

モニウム 310 g と JIS K 8552 に規定する硝酸コバルト(II)六水和物 140 g とを水に溶かして 500 mL

とする。空試験値が高い場合は,これを分液漏斗 1 000 mL に移し,JIS K 8858 に規定するベンゼン

50 mL を加えて激しく振り混ぜて放置する。ベンゼン層を捨て,再びベンゼン 50 mL を加えて振り

混ぜ,放置する。ベンゼン層を捨て,水層を乾いたろ紙でろ過し,ベンゼンの小滴を除く。

5)  塩化ナトリウム  JIS K 8150 に規定するもの。 
6)  硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。 
7)  エタノール(95)  JIS K 8102 に規定するもの。 
8)  エタノール(11)  水 1 容に,エタノール(95)1 容を加えて調製する。 
9)  ベンゼン  JIS K 8858 に規定するもの。 
10)  強酸性陽イオン交換樹脂  低架橋度(ジビニルベンゼン含量 4∼6 %)で粒子径 300∼1 180 μm のも

の。R-Na

形。次のように精製して用いる。

−  強酸性陽イオン交換樹脂 250 mL を,内径 40∼50 mm,高さ約 1 000 mm のカラム(ガラス製又


78

K 0102

:2013

はアクリル樹脂製)に水とともに流し入れ,気泡が混入しないように充塡する。

−  塩酸(1+11)2 L を約 5 L/(L-樹脂・h)(約 20 mL/min)(

8

)で流した後,水 1 L を同様に流して洗

浄する。

−  次に,水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)1 L を約 5 L/(L-樹脂・h)(約 20 mL/min)(

8

)で流し,水 1

L を同様に流して洗浄する。

−  さらに,塩酸(1+11)1 L と水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)1 L とを同様に流して洗浄する。

−  次に,フェノールフタレイン溶液(5 g/L)

15.

備考 2.による。)の紅色がほとんど認められな

くなるまで水で洗浄する[約 20 L/(L-樹脂・h)(約 80 mL/min)(

8

)で流す。]。

11)  強塩基性陰イオン交換樹脂(形)  低架橋度(ジビニルベンゼン含量 4∼6 %)で粒子径 300∼1 180

μm のもの。R-Cl

形。次のように精製して用いる。

−  強塩基性陰イオン交換樹脂(I 形)500 mL を,内径 40∼50 mm,高さ約 1 000 mm のカラム(ガ

ラス製又はアクリル樹脂製)に水とともに流し入れ,気泡が混入しないように充塡する。

−  水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)2 L を約 5 L/(L-樹脂・h)(約 40 mL/min)(

8

)で流した後,水約 2

L を同様に流して洗浄する。

−  次に,塩酸(1+11)2 L を約 5 L/(L-樹脂・h)(約 40 mL/min)で流した後,水約 2 L を同様に流

して洗浄する。

−  さらに,水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)2 L と塩酸(1+11)2 L とを同様に流して洗浄する。

−  次に,メチルレッド-ブロモクレゾールグリーン混合溶液[15.

注(

1

)による。]に対して青い色

になるまで水で洗浄する[約 20 L/(L-樹脂・h)(約 160 mL/min)(

8

)で流す。]。

12)  非イオン界面活性剤標準液[CH

3

(

CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H 0.1 mg/mL]  ヘプタオキシエチレンドデ

シルエーテル(

9

)をその 100 %に対して 0.100 g をはかりとり,水に溶かして全量フラスコ 1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。使用時に調製する。

注(

8

)  このカラムを用いたときの流量。

  (

9

)  品質を確認する場合には,日本油化学協会で定めた試験方法による。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  分液漏斗  200 mL 
2)  イオン交換樹脂カラム  図 30.1 に例を示す。 
2.1)  イオン交換樹脂カラムの作り方  イオン交換樹脂カラムの作り方は,次による。

−  強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂(I 形)とを体積比で 1:2 になるよう

にとる。

−  水を加えてよく混合しながら,気泡が混入しないように

図 30.1 のガラス管に充塡し,イオン

交換樹脂柱の高さを約 200 mm に調節する。

−  エタノール(1+1)100 mL を流す。

−  このイオン交換樹脂カラムは,数回繰り返し使用してもよい。


79

K 0102

:2013

単位  mm

図 30.1  イオン交換樹脂カラムの例

3)  光度計  分光光度計 
4)  吸収セル  石英ガラス製又はこれと同等の品質のもの。

c)  前処理  前処理は,次による。

1)  試料(

10

) 100 mL をとり,エタノール(95)100 mL を加えて振り混ぜる。

2)  この溶液をイオン交換樹脂カラムに 10∼15 L/(L-樹脂・h)(2.6∼3.9 mL/min)で流し,流出液をビー

カー500 mL に受ける。

3)  イオン交換樹脂カラムのイオン交換樹脂柱の上部に液面が近づいたら,エタノール(1+1)100 mL

を少量ずつ加え,イオン交換樹脂カラム内の試料を流出させる。流出液は 2)のビーカー500 mL に合

わせる。

4)  流出液を沸騰水浴上で約 30 mL になるまで濃縮する。 
5)  放冷後,この溶液を全量フラスコ 100 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

注(

10

)  酸性の場合には,水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)で,また,アルカリ性の場合には,塩酸(1

+11)で pH 計を用いて pH 約 7 とする。

d)  操作  操作は,次による。

1)  c5)の溶液の適量[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H として 0.1∼2 mg を含む。]を分液漏斗 200 mL にとり,

水で 100 mL とする。

2)  テトラチオシアナトコバルト(II)酸アンモニウム溶液 15 mL と塩化ナトリウム(

11

) 35 g とを加えて

約 1 分間振り混ぜた後,約 15 分間放置する。

3)  ベンゼン(

12

) 25 mL を加えて約 3 分間激しく振り混ぜ,放置する。

4)  水層を捨て,ベンゼン層をビーカーに移し,硫酸ナトリウム約 5 g を加えて振り混ぜ,脱水する。

5)  これを吸収セルに移し,水 100 mL について,2)∼4)の操作を行ったベンゼンを対照液とし,波長

322 nm 付近の吸光度を測定する。

6)  空試験として 1)と同量の c5)の溶液を分液漏斗 200 mL にとり,水で 100 mL とし,2)のテトラチオ


80

K 0102

:2013

シアナトコバルト(II)酸アンモニウム溶液 15 mL の代わりに水 15 mL を用い,2)∼4)の操作を行

った後,ベンゼンを対照液として波長 322 nm 付近の吸光度を求め,試料について得た吸光度を補

正する。

7)  検 量 線 か ら 非 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 量 を 求 め , 試 料 中 の 非 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 濃 度

[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H mg/L]を算出する。

注(

11

)  塩化カリウムを用いてもよい。

  (

12

) 1,2-ジクロロエタン又はトルエンを用いてもよい。また,抽出に用いるベンゼン,1,2-ジクロロ

エタン及びトルエンの量を 10 mL にしてもよい。ただし,これらの溶媒による場合は,a) 4)の

テトラチオシアナトコバルト(II)酸アンモニウム溶液の処理にベンゼンの代わりにこれらを用

いる。

e)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  非イオン界面活性剤標準液[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H 0.1 mg/mL]1∼20 mL を分液漏斗 200 mL に

段階的にとり,水を加えて 100 mL とする。

2)  d2)∼5)の操作を行って非イオン界面活性剤[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H]の量と吸光度との関係線

を作成する。

備考 7.  ポリエチレングリコールが共存すると非イオン界面活性剤として定量値に含まれて誤差とな

るので,JIS K 8810 に規定する 1-ブタノール又は JIS K 8900 に規定する 2-ブタノン(エチル

メチルケトン)であらかじめ抽出除去した後,c)の前処理を行う。

     8.  陰イオン界面活性剤及び陽イオン界面活性剤が共存しない場合には,c)の前処理を省略する

ことができる。

     9.  非イオン界面活性剤の濃度が CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H 1 mg/L 以下の場合には,次のように

濃縮した後,操作する。

1)  試料 500 mL につき塩化ナトリウム 50 g と JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム 2.5 g

とを加えて溶かし,分液漏斗 1 000 mL に移し,JIS K 8361 に規定する酢酸エチル 25 mL

を加えて約 2 分間激しく振り混ぜて放置する。

2)  分離した酢酸エチル層をビーカーに移し,水層には酢酸エチル 25 mL を加えて再び抽出

を繰り返す。分離した酢酸エチル層を先のビーカーに合わせる。

3)  酢酸エチル層を水浴上で加熱して酢酸エチルを揮発除去し,少量のメタノールを加えて

溶かし,水を加えて一定体積とした後,c)の前処理を行って定量する。

30.2.2  チオシアン酸鉄(III)吸光光度法  非イオン界面活性剤を塩化ナトリウムの共存下でトルエンに

抽出した後,トルエン層に塩化鉄(III)溶液とチオシアン酸カリウム溶液とを加えて生成する非イオン界

面活性剤とチオシアン酸鉄(III)カリウムとの錯体の吸光度を測定し,ヘプタオキシエチレンドデシルエ

ーテルとして表示する。

定量範囲:非イオン界面活性剤[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H]0.02∼0.2 mg,繰返し精度:3∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水 
2)  塩化鉄(III)溶液(1 mol/L)  JIS K 8142 に規定する塩化鉄(III)六水和物 27 g を水に溶かし,水を

加えて全量を 100 mL とする。

3)  チオシアン酸カリウム溶液(8 mol/L)  JIS K 9001 に規定するチオシアン酸カリウム 77.7 g を水に

溶かし,水を加えて全量を 100 mL とする。


81

K 0102

:2013

4)  塩化ナトリウム溶液(2 mol/L)  JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム 11.7 g を水に溶かし,水を

加えて全量を 100 mL とする。

5)  非イオン界面活性剤標準液[CH

3

(

CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H 0.01 mg/mL]  30.2.1 の a12)の非イオン

界面活性剤標準液[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H 0.1 mg/mL]10 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,

水を標線まで加える。使用時に調製する。

6)  トルエン  JIS K 8680 に規定するもの。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,30.2.1 b)による。 
c)  前処理  前処理は,30.2.1 c)による。 
d)  操作  操作は,次による。

1)

c)  の前処理後の溶液の適量[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H として 0.02∼0.2 mg を含む。]を分液漏斗

200 mL にとり,水で 100 mL とする。

2)  塩化ナトリウム溶液(2 mol/L)5 mL,トルエン 10 mL とを加えて約 2 分間振り混ぜた後,約 30 分

間放置する。このとき,エマルションなどが生じ,トルエン層と水層との分離が悪い場合は,固体

の塩化ナトリウムを添加する。

3)  水層を捨て,トルエン層にチオシアン酸カリウム溶液(8 mol/L)5 mL,塩化鉄(III)溶液(1 mol/L)

5 mL,塩化ナトリウム溶液(2 mol/L)1 mL とを加えて,約 2 分間振り混ぜる。約 10  分間放置した

後,水層を捨てる。

4)  トルエン層を吸収セルに移し,水 100 mL について,2)∼3)の操作を行ったトルエンを対照液とし,

波長 510 nm 付近の吸光度を測定する。

5)  検 量 線 か ら 非 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 量 を 求 め , 試 料 中 の 非 イ オ ン 界 面 活 性 剤 の 濃 度

[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H mg/L]を算出する。

e)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  非イオン界面活性剤標準液[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H 0.01 mg/mL]2∼20 mL を分液漏斗 200 mL

に段階的にとり,水を加えて 100 mL とする。

2)  d2)∼4)の操作を行って,非イオン界面活性剤[CH

3

(CH

2

)

11

O(CH

2

CH

2

O)

7

H]の量と吸光度との関係

線を作成する。

備考 10.  ポリエチレングリコールが共存する場合は,備考 7.による。

     11.  陰イオン界面活性剤及び陽イオン界面活性剤が共存しない場合は,

備考 8.による。

31.  農薬  ここでいう農薬は,有機りん農薬(パラチオン,メチルパラチオン及び EPN),ペンタクロロ

フェノール(PCP)及びエジフェンホス(EDDP)に区分する。

試験は試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合は,3.3 によって保存し,できるだけ早く試験する。

31.1  有機りん農薬  有機りん農薬の試験には,前処理(ヘキサン抽出-カラムクロマトグラフ分離)した

試料について,ガスクロマトグラフ法,ナフチルエチレンジアミン吸光光度法(アベレル-ノリス法)

,又

は p-ニトロフェノール吸光光度法を適用する。

31.1.1  前処理  試料を塩酸酸性とし,ヘキサンを加えて抽出した後,カラムクロマトグラフによって分離

を行い,妨害物質を除く。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  塩酸(11)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。 
2)  塩化ナトリウム  JIS K 8150 に規定するもの。


82

K 0102

:2013

3)  硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。 
4)  二酸化けい素  カラムクロマトグラフ用 
5)  精製けい藻土  カラムクロマトグラフ用 
6)  ヘキサン  JIS K 8848 に規定するもの。 
7)  ニトロメタン  JIS K 9523 に規定するもの。 
8)  ヘキサン展開液  ヘキサン 400 mL を分液漏斗 500 mL にとり,ニトロメタン 20 mL を加え,約 3

分間激しく振り混ぜた後放置する。上層部のニトロメタン飽和のヘキサンを用いる。

参考 1.  精製けい藻土には,市販品がある。

b)  器具  器具は,次による。

1)  分液漏斗  100 mL 及び 200 mL 
2)  濃縮器  クデルナ-ダニッシュ形濃縮器又はロータリーエバポレーター 
3)  クロマトグラフ管  図 31.1 に例を示す。 
3.1)  クロマトグラフ管の作り方  クロマトグラフ管の作り方は,次による。

−  二酸化けい素 0.5 g と精製けい藻土 0.5 g とを混ぜ,ニトロメタン 0.5 mL を加えて十分に混ぜ

合わせ,ヘキサン展開液 10 mL を加えてかゆ状にする。

−  クロマトグラフ管の底部にヘキサン展開液で湿した脱脂綿を詰め,かゆ状にした二酸化けい

素と精製けい藻土との混合物を流し込み,少量のヘキサン展開液でクロマトグラフ管の内壁

に付着した二酸化けい素及び精製けい藻土を洗い落とし,下のコックを開いてヘキサン展開

液を流出させる。

−  二酸化けい素と精製けい藻土との混合物が沈着し,ヘキサン展開液の液面が二酸化けい素と

けい藻土との混合物の上面の僅かに上になったらコックを閉じる。

単位  mm

図 31.1  クロマトグラフ管の例

c)  抽出操作  抽出操作は,次による。


83

K 0102

:2013

1)  試料 100 mL(EPN とパラチオンとの合量又はメチルパラチオン 10∼250

μ

g を含む。)を分液漏斗

200 mL にとり,塩化ナトリウム 5 g を加えて溶かした後,塩酸(1+1)を加えて弱酸性とする。

2)  ヘキサン 20 mL を加えて約 3 分間激しく振り混ぜた後,放置し,水層は別の分液漏斗 200 mL に移

す。

3)  2)の操作を更に 2 回繰り返す。

4)  ヘキサン層を分液漏斗 100 mL に合わせ,水層は捨てる。 
5)  ヘキサン層に水 20 mL を加え,約 1 分間振り混ぜた後放置し,水層は捨てる。この洗浄操作を洗液

が中性になるまで繰り返す。

6)  ヘキサン層に硫酸ナトリウム 3∼5 g を加えて振り混ぜ,水分を除く。 
7)  分液漏斗 100 mL の脚部を乾いたろ紙で拭き取り,脱脂綿又はろ紙(

1

)を用いてヘキサン層をろ過し,

濃縮器に入れる。

8)  分液漏斗 100 mL の内壁及び硫酸ナトリウムを少量のヘキサンで洗い,洗液も 7)と同じ操作でろ過

し,濃縮器に入れる。

9)  濃縮器を減圧状態にして 40  ℃以下でヘキサンの大部分を除去し,更に室温で静かに空気を送って

ヘキサンをほとんど揮散させる。

注(

1

)  ろ過する場合には,あらかじめ少量のヘキサンで潤しておく。

d)  分離操作  分離操作は,次による。

1)  c9)の残留物にヘキサン展開液 2 mL を加えて溶かす。 
2)  これをピペットで吸い取り,クロマトグラフ管に静かに加える。 
3)  ヘキサン展開液 2 mL を用いて濃縮器のフラスコの内壁を洗い,ピペットで吸い取り,2)と同様にク

ロマトグラフ管に加える。

4)  メスシリンダー(有栓形)を受器とし,コックを開いて流出液をとり,カラム内の溶液の液面が二

酸化けい素とけい藻土との混合物より僅かに上部になったらコックを閉じる(

2

)。

5)  ヘキサン展開液 20 mL を静かに加え,コックを開いて流出液をメスシリンダー(有栓形)に受ける。 
6)  4)の流出液及び 5)の流出液の合量が 5 mL となったらこれを捨て,次の流出液 14 mL を集める。こ

の流出部分に EPN 及びパラチオンが含まれる。これを EPN とパラチオンとの合量の試験用試料と

する。

7)  クロマトグラフ管にヘキサン展開液 40 mL を加え,次の流出液 24 mL を捨て,これに続く 15 mL を

集める。この流出部分にメチルパラチオンが含まれる(

3

)。これをメチルパラチオンの試験用試料と

する。

注(

2

)  この操作中,ヘキサン展開液の液面は,二酸化けい素とけい藻土との混合物の上面より上部に

保つ。

  (

3

)  二酸化けい素の品質によって,有機りん化合物の流出状態が多少変わることがあるので,標準

液を用いて確かめておく。

備考 1.  分離操作に次の薄層クロマトグラフ分離法を用いてもよい。

1)  c9)の残留物に JIS K 8034 に規定するアセトン 2 mL を加えて溶かす。 
2)  シリカゲル薄層板(*)の下端から約 2 cm の高さに左右の両端を 2 cm ずつあけて,熱風を

緩やかに吹き付けながらこのアセトン溶液 1 mL を直線状に添付する。

3)  このシリカゲル薄層板の左右の両端には,EPN 標準液(C

14

H

14

NO

4

PS 0.5 mg/mL)及びメ

チルパラチオン標準液(C

8

H

10

NO

5

PS 0.5 mg/mL)をそれぞれ 2 滴ずつ添付する。


84

K 0102

:2013

4)  ヘキサン-アセトン展開液(4+1)を入れた展開槽にシリカゲル薄層板を移し,展開液を

用いて展開する。

5)  展開距離が 10∼12 cm となったとき,シリカゲル薄層板を取り出して風乾する。 
6)  暗所で紫外線(波長 253.7 nm)を照射して両端の部分の EPN 及びメチルパラチオン標準

液によるスポットを確認し,試料についてのこれに相当する高さのシリカゲル層をかき

とり,それぞれ三角フラスコ 100 mL に移す(ガスクロマトグラフ法で定量する場合は,

シリカゲル層を合わせる。

7)  それぞれにアセトン 50 mL を加え,約 3 分間振り混ぜて有機りん農薬を溶出させる。

8)  ろ紙 5 種 B でろ過し,ろ紙及びろ紙上のシリカゲルをアセトン 5 mL で洗う。洗液をろ

液に合わせる。

9) EPN の R

f

に相当するシリカゲル層から得たアセトン溶液を EPN とパラチオンとの合量

の試験用試料とし,メチルパラチオンの R

f

に相当するシリカゲル層から得たアセトン溶

液をメチルパラチオンの試験用試料とする。

注(*)  薄層クロマトグラフ用シリカゲル 10 g に JIS K 0557 に規定する A3 の水 30 mL を

加え,ガラス板(200×200 mm)に約 0.5 mm の厚さに塗る。これを 105∼110  ℃

で約 3 時間加熱した後,デシケーター中で放冷し,保存する。

備考 2.  妨害物質を含まない試料で,31.1.2 の方法で定量する場合,又は農薬の合量を定量する場合

は,分離操作を省略し,d1)で得た溶液を試験用試料とすることができる。

     3.  d)又は

備考 1.の分離操作において EPN とパラチオンとは分離できない。また,芳香族ニトロ

化合物及びアミノ化合物が多量に存在すると,有機りん農薬から完全には分離できない。

31.1.2  ガスクロマトグラフ法  有機りん農薬(EPN,パラチオン及びメチルパラチオン)をガスクロマト

グラフ法によって定量する。

定量範囲:EPN(C

14

H

14

NO

4

PS),パラチオン(C

10

H

14

NO

5

PS)及びメチルパラチオン(C

8

H

10

NO

5

PS)

のいずれも 1∼20 ng,繰返し精度:5∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。ただし,EPN,パラチオン及びメチルパラチオンの保持時

間に相当する位置にピークのないもの。

2)  窒素  JIS K 1107 に規定する窒素 2 級 
3)  水素  JIS K 0512 に規定する水素 3 級 
4)  EPN 標準液(C

14

H

14

NO

4

PS 0.5 mg/mL)  EPN(C

14

H

14

NO

4

PS)[フェニルホスホノチオ酸 O-エチル

O-(4-ニトロフェニル)エステル]0.050 g をとり,少量のアセトンに溶かし,全量フラスコ 100 mL

に移し入れ,アセトンを標線まで加える。

5)  EPN 標準液(C

14

H

14

NO

4

PS 50 

μ

g/mL)  EPN 標準液(C

14

H

14

NO

4

PS 0.5 mg/mL)10 mL を全量フラ

スコ 100 mL にとり,アセトンを標線まで加える。

6)  メチルパラチオン標準液(C

8

H

10

NO

5

PS 0.5 mg/mL)  メチルパラチオン(C

8

H

10

NO

5

PS)[ホスホロ

チオ酸 O,O-ジメチル O-(4-ニトロフェニル)エステル]0.050 g をとり,少量のアセトンに溶かし,

全量フラスコ 100 mL に移し入れ,アセトンを標線まで加える。

7)  メチルパラチオン標準液(C

8

H

10

NO

5

PS 50 

μ

g/mL)  メチルパラチオン標準液(C

8

H

10

NO

5

PS 0.5

mg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,アセトンを標線まで加える。

8)  パラチオン標準液(C

10

H

14

NO

5

PS 0.5 mg/mL)  パラチオン(C

10

H

14

NO

5

PS)[ホスホロチオ酸 O,O-


85

K 0102

:2013

ジエチル O-(4-ニトロフェニル)エステル]0.050 g をとり,少量のアセトンに溶かし,全量フラス

コ 100 mL に移し入れ,アセトンを標線まで加える。

9)  パラチオン標準液(C

10

H

14

NO

5

PS 50 

μ

g/mL)  パラチオン標準液(C

10

H

14

NO

5

PS 0.5 mg/mL)10 mL

を全量フラスコ 100 mL にとり,アセトンを標線まで加える。

10)  有機りん農薬標準液[(C

14

H

14

NO

4

PS 5 

μ

gC

8

H

10

NO

5

PS 5 

μ

gC

10

H

14

NO

5

PS 5 

μ

g/mL]  EPN 標

準液(C

14

H

14

NO

4

PS 50

μ

g/mL),メチルパラチオン標準液(C

8

H

10

NO

5

PS 50

μ

g/mL)及びパラチオン

標準液(C

10

H

14

NO

5

PS 50

μ

g/mL)それぞれ 10 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,アセトンを標線

まで加える。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  マイクロシリンジ  5∼10 mL 
2)  濃縮器  31.1.1 b2)による。 
3)  ガスクロマトグラフ  次の条件を満たすもので,EPN,パラチオン及びメチルパラチオンの 1 ng を

検出できるもの。

カラム用管  ガラス製内径 3∼4 mm,長さ 500∼2 000 mm

カラム充塡剤  けい藻土(粒径 180∼250  μm)を酸処理した後,シラン処理した担体(

4

)にシリ

コーン系固定相液体 2∼5 %を含浸させたもの。又はこれと同等の分離性能をもつもの。

検出器  炎光光度検出器又はアルカリ熱イオン化検出器

キャリヤーガス  JIS K 1107 に規定する窒素 2 級を用い,有機りん農薬が 3∼15 分間で流出す

るように流量を調節する。

試料導入部温度  170∼250  ℃

カラム槽温度  140∼210  ℃

検出器槽温度  150∼250  ℃

注(

4

)  けい藻土を主成分とした耐火温度 1 100  ℃のれんが。

参考 2.  カラム充塡剤には,市販品がある。

c)  操作  操作は,次による。

1)  31.1.1  d)で得た,EPN とパラチオンとの合量の試験用試料及びメチルパラチオンの試験用試料又は

備考 2.で得た試験用試料を 40  ℃以下で減圧濃縮して約 5 mL にする。

2)  濃縮物を全量フラスコ 10 mL(又は 20 mL)に移し,容器を少量のアセトンで数回洗い,洗液を先

の全量フラスコに合わせ,アセトンを標線まで加える。

3)  この溶液 4 μL をガスクロマトグラフに注入し,ガスクロマトグラムを記録する。 
4)  メチルパラチオン,パラチオン及び EPN の保持時間に相当する位置のピークについて,指示値(

5

)

を読み取る。

5)  検量線から,メチルパラチオン,パラチオン及び EPN の量を求め,試料中のメチルパラチオンの濃

度(C

8

H

10

NO

5

PS mg/L),パラチオンの濃度(C

10

H

14

NO

5

PS mg/L)及び EPN の濃度(C

14

H

14

NO

4

PS mg/L)

を算出する。

注(

5

)  ピーク高さ又はピーク面積。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  有機りん農薬標準液[(C

14

H

14

NO

4

PS 5

μ

g,C

8

H

10

NO

5

PS 5

μ

g,C

10

H

14

NO

5

PS 5

μ

g)/mL]0.5∼10 mL

を段階的に全量フラスコ 10 mL にとり,アセトンを標線まで加える。

2)  c3)及び 4)の操作を行ってメチルパラチオン(C

8

H

10

NO

5

PS),パラチオン(C

10

H

14

NO

5

PS)及び EPN


86

K 0102

:2013

(C

14

H

14

NO

4

PS)の量と指示値(

5

)との関係線をそれぞれ作成する。

31.1.3  ナフチルエチレンジアミン吸光光度法(アベレル-ノリス法)  有機りん農薬(EPN,パラチオン

及びメチルパラチオン)を還元し,亜硝酸でジアゾ化し,過剰の亜硝酸をアミド硫酸アンモニウムで分解

した後,N-1-ナフチルエチレンジアミンとカップリングさせる。生じた赤紫のアゾ化合物の吸光度を測定

して,EPN とパラチオンとの合量及びメチルパラチオンを定量する。EPN とパラチオンとの合量は,EPN

として表す。

定 量 範 囲 : EPN( C

14

H

14

NO

4

PS)とパラチオン(C

10

H

14

NO

5

PS)との合量又はメチルパラチオン

(C

8

H

10

NO

5

PS)10∼250

μ

g,繰返し精度:5∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  塩酸(11)  31.1.1 a1)による。 
2)  亜硝酸ナトリウム溶液(2.5 g/L)  JIS K 8019 に規定する亜硝酸ナトリウム 0.25 g を水に溶かして

100 mL とする。1 週間以上経過したものは使用しない。

3)  アミド硫酸アンモニウム溶液(50 g/L)  JIS K 8588 に規定するアミド硫酸アンモニウム 5 g を水に

溶かして 100 mL とする。

4)  亜鉛粉末  JIS K 8013 に規定するもの。 
5)  二塩化 N-1-ナフチルエチレンジアンモニウム溶液(10 g/L)  JIS K 8197 に規定する N-1-ナフチル

エチレンジアミン二塩酸塩 0.5 g を水に溶かして 50 mL とする。使用時に調製する。

6)  エタノール(99.5)  JIS K 8101 に規定するもの。 
7)  ヘキサン展開液  31.1.1 a8)による。 
8)  パラフィン 
9)  EPN 標準液(C

14

H

14

NO

4

PS 50 

μ

g/mL)  31.1.2 a5)による。

10)  メチルパラチオン標準液(C

8

H

10

NO

5

PS 50 

μ

g/mL)  31.1.2 a7)による。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  還流冷却器付き三角フラスコ  共通すり合わせリービッヒ冷却器又は球管冷却器 200 mm 及び共通

すり合わせ三角フラスコ 100 mL

2)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  操作  操作は,次による。

1)  31.1.1 d)で得た EPN とパラチオンとの合量の試験用試料又はメチルパラチオンの試験用試料の適量

[C

14

H

14

NO

4

PS(C

10

H

14

NO

5

PS)又は C

8

H

10

NO

5

PS として 10∼250

μ

g]を三角フラスコ 100 mL にと

り,エタノール(99.5)5 mL,塩酸(1+1)2 mL,水 8 mL,亜鉛粉末 0.5 g 及びヘキサン展開液 15

mL を加える。

2)  水浴上でヘキサンを揮散させる。

3)  エタノール(99.5)10 mL 及びパラフィン 0.5 g を加え,還流冷却器を取り付けて水浴上で約 5 分間

煮沸した後,放冷する。

4)  少量の脱脂綿を用いてろ過し,ろ液を全量フラスコ 50 mL に入れる。三角フラスコ 100 mL を水約 6

mL ずつで 3 回洗って同じ脱脂綿でろ過し,洗液はろ液に合わせる(ろ液と洗液との合量が 45 mL

を超えないようにする。

5)  塩酸(1+1)1 mL 及び亜硝酸ナトリウム溶液(2.5 g/L)1 mL を加えてよく振り混ぜ,約 10 分間放

置する。

6)  アミド硫酸アンモニウム溶液(50 g/L)1 mL を加え,よく振り混ぜて約 10 分間放置する。


87

K 0102

:2013

7)  二塩化 N-1-ナフチルエチレンジアンモニウム溶液(10 g/L)2 mL を加え,水を標線まで加える。栓

をして振り混ぜ,約 20 分間放置する。

8)  溶液(

6

)の一部を吸収セルに移し,波長 555 nm 付近の吸光度を測定する。

9)  空試験として三角フラスコ 100 mL にエタノール(99.5)5 mL,塩酸(1+1)2 mL,水 8 mL,亜鉛

粉末 0.5 g 及びヘキサン展開液 15 mL をとり,2)∼8)の操作を行って吸光度を測定し,試料について

得た吸光度を補正する。

10)  検量線から EPN とパラチオンとの合量又はメチルパラチオンの量を求め,試料中の有機りん農薬を

それぞれ EPN 又はメチルパラチオンの濃度

(C

14

H

14

NO

4

PSl 又は C

8

H

10

NO

5

PS mg/L)として算出する。

注(

6

)  溶液が濁っている場合は,乾いたろ紙 5 種 B でろ過する。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1) EPN 標準液(C

14

H

14

NO

4

PS 50

μ

g/mL)又はメチルパラチオン標準液(C

8

H

10

NO

5

PS 50

μ

g/mL)0.2∼5

mL を三角フラスコ 100 mL に段階的にとる。

2)  c)  1)∼9)の操作を行って EPN(C

14

H

14

NO

4

PS)又はメチルパラチオン(C

8

H

10

NO

5

PS)の量と吸光度

との関係線を作成する。

31.1.4  p-ニトロフェノール吸光光度法  有機りん農薬(EPN,パラチオン及びメチルパラチオン)をアル

カリで加水分解し,生成した黄色の p-ニトロフェノキシドの吸光度を測定して,EPN とパラチオンとの合

量及びメチルパラチオンを定量する。EPN とパラチオンとの合量は EPN として表す。

定量範囲:EPN(C

14

H

14

NO

4

PS)とパラチオン(C

10

H

14

NO

5

PS)との合量が EPN として 50∼600 μg,メ

チルパラチオン(C

8

H

10

NO

5

PS)40∼500

μ

g,繰返し精度:5∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  塩酸(14)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。 
2)  水酸化カリウム溶液(100 g/L)  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 22 g を水に溶かして 200 mL

とする。

3)  炭酸ナトリウム溶液(10 g/L)  JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム 5 g を水に溶かして 500 mL

とする。

4)  過酸化水素  JIS K 8230 に規定するもの。 
5)  エタノール(99.5)  31.1.3 a6)による。 
6)  ジエチルエーテル  JIS K 8357 に規定するジエチルエーテル(残留農薬・PCB 試験用) 
7)  パラフィン 
8)  p-ニトロフェノール標準液(C

6

H

4

OHNO

2

 0.5 mg/mL)  JIS K 8721 に規定する p-ニトロフェノール

(C

6

H

4

OHNO

2

)0.050 g をエタノール(99.5)に溶かして,全量フラスコ 100 mL に移し入れ,エタ

ノール(99.5)を標線まで加える。

9)  p-ニトロフェノール標準液(C

6

H

4

OHNO

2

 50 μg/mL)  p-ニトロフェノール標準液(C

6

H

4

OHNO

2

 0.5

mg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,炭酸ナトリウム溶液(10 g/L)を標線まで加える。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  還流冷却器付き三角フラスコ  31.1.3 b1)による。 
2)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  操作  操作は,次による。

1)  31.1.1 d)で得た EPN とパラチオンとの合量の試験用試料の適量(C

14

H

14

NO

4

PS 又は C

10

H

14

NO

5

PS と

して 50∼600

μ

g を含む。)又はメチルパラチオンの試験用試料の適量(C

8

H

10

NO

5

PS として 40∼500


88

K 0102

:2013

μ

g を含む。)を三角フラスコ 100 mL にとり,水酸化カリウム溶液(100 g/L)10 mL 及びパラフィン

1 g を加え,水浴上でヘキサンを揮散させる。

2)  残留液にエタノール(99.5)10 mL を加え,還流冷却器を取り付け,水浴上で約 30 分間加熱する。

この間に過酸化水素 10 mL を冷却器の先端から少量ずつ加える。

3)  塩酸(1+4)10 mL を加えて冷却する。

4)  少量の脱脂綿を用いてろ過し,ろ液を分液漏斗 100 mL に移す。少量の水で三角フラスコ 100 mL 及

び脱脂綿を洗って洗液をろ液に合わせる。

5)  ジエチルエーテル 25 mL を加え,よく振り混ぜた後,放置する。

6)  水層を別の分液漏斗 100 mL に移し,ジエチルエーテル 25 mL を加えて,振り混ぜた後,放置し,

水層を捨てる(

7

)。

7)  ジエチルエーテル層を合わせ,炭酸ナトリウム溶液(10 g/L)10 mL を加え,よく振り混ぜて逆抽出

を行い,放置する。水層を別の分液漏斗 100 mL に移す。

8)  ジエチルエーテル層に炭酸ナトリウム溶液(10 g/L)10 mL,次に,5 mL を用いて,7)の逆抽出を繰

り返し,水層を先の分液漏斗 100 mL に合わせる。ジエチルエーテル層は捨てる。

9)  水層に塩酸(1+4)を加えて酸性とし,ジエチルエーテル 25 mL ずつで 2 回抽出し,ジエチルエー

テル層を分液漏斗 100 mL に合わせる。水層は捨てる。

10)  ジエチルエーテル層に炭酸ナトリウム溶液(10 g/L)10 mL,次に,5 mL を用いて逆抽出を行い,

水層を全量フラスコ 50 mL に移し入れ,炭酸ナトリウム溶液(10 g/L)を標線まで加える。

11)  この溶液の一部を吸収セルに移し,波長 400 nm 付近の吸光度を測定する。 
12)  空試験として 31.1.1 a8)のヘキサン展開液を,EPN 及びパラチオンの場合は 14 mL,メチルパラチ

オンの場合は 15 mL をとり,1)∼11)の操作を行って吸光度を測定し,試料について得た吸光度を補

正する。

13)  検量線から EPN とパラチオンとの合量に相当する p-ニトロフェノールの量(mg)を求め,2.324 を

乗じて EPN とパラチオンとの合量(C

14

H

14

NO

4

PS mg)とし,試料中の EPN とパラチオンとの合量

の濃度(C

14

H

14

NO

4

PS mg/L)を算出する。また,検量線からメチルパラチオンに相当する p-ニトロ

フェノールの量(mg)を求め,1.892 を乗じてメチルパラチオンの量(mg)とし,メチルパラチオ

ンの濃度(C

8

H

10

NO

5

PS mg/L)を算出する。

注(

7

)  ジエチルエーテル及び炭酸ナトリウム溶液(10 g/L)によって抽出する場合,エマルションが生

じて分離が困難なときは,塩化ナトリウム溶液(飽和)を加えるとよい。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  p-ニトロフェノール標準液(C

6

H

4

OHNO

2

 50

μ

g/mL)0.4∼5 mL を分液漏斗 100 mL に段階的にとり,

エタノール(99.5)を加えて 10 mL とし,水 25 mL 及び塩酸(1+4)5 mL を加える。

2)  c5)∼12)の操作を行って p-ニトロフェノール(C

6

H

4

OHNO

2

)の量と吸光度との関係線を作成する。

備考 4.  備考 2.によって分離操作を省略した場合は,次のように操作して定量する。

1)  31.1.1 d1)で得たヘキサン溶液を分液漏斗 100 mL に移し,水酸化カリウムのエタノール

溶液[JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 0.6 g をエタノール(体積百分率 50 %)に

溶かして 1 L とする。

]20 mL を加えてよく振り混ぜて放置し,水層を捨てる。

2)  この操作を 2 回繰り返す。2 回目の水層が着色しているときは,水層が無色になるまで

この操作を繰り返す。

3)  ヘキサン層を三角フラスコ 100 mL に移し入れ,c1)∼13)の操作を行う。


89

K 0102

:2013

31.2  ペンタクロロフェノール  ペンタクロロフェノールの試験には,前処理した試料について,4-アミ

ノアンチピリン吸光光度法を適用する。

31.2.1  4-アミノアンチピリン吸光光度法  試料をりん酸酸性として蒸留した後,ペンタクロロフェノール

をキシレンで抽出し,4-アミノアンチピリン(4-アミノ-1,2-ジヒドロ-1,5-ジメチル-2-フェニル-3H-ピラゾ

ール-3-オン)と反応させて生じる青い色のアンチピリン色素の吸光度を測定してペンタクロロフェノール

を定量する。

定量範囲:C

6

Cl

5

OH 5∼60

μ

g,繰返し精度:5∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。 
2)  りん酸(19)  JIS K 9005 に規定するりん酸を用いて調製する。 
3)  硫酸銅(II)溶液  28.1.1 a3)による。 
4)  りん酸水素二ナトリウム溶液  JIS K 9019 に規定するりん酸水素二ナトリウム・12 水 24 g を水に溶

かして 1 L とする。

5)  硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。 
6)  ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム溶液  28.1.2 a3)による。 
7)  4-アミノアンチピリン溶液(2 g/L)  JIS K 8048 に規定する 4-アミノアンチピリン 0.2 g を水に溶

かして 100 mL とする。使用時に調製する。

8)  キシレン  JIS K 8271 に規定するもの。精製を要する場合は,次による。

−  JIS K 8951 に規定する硫酸の少量を加えて振り混ぜた後,硫酸を分離する。

−  この操作を硫酸に色がつかなくなるまで繰り返す。

−  次に,水酸化ナトリウム溶液(10 g/L)

JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製

する。

)及び水でそれぞれ数回洗い,JIS K 8123 に規定する塩化カルシウムを加えて蒸留する。

9)  メチルオレンジ溶液(1 g/L)  24.1 a2)による。 
10)  ペンタクロロフェノール標準液(C

6

Cl

5

OH 1 mg/mL)  ペンタクロロフェノール 0.100 g をとり,

水酸化ナトリウムのメタノール溶液(0.1 mol/L)

JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 0.4 g を

JIS K 8891 に規定するメタノールに溶かして 100 mL とする。)5 mL に溶かし,全量フラスコ 100 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

11)  ペンタクロロフェノール標準液(C

6

Cl

5

OH 10 

μ

g/mL)  ペンタクロロフェノール標準液(C

6

Cl

5

OH

1 mg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,りん酸水素二ナトリウム溶液を標線まで加える。

この溶液 10 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,りん酸水素二ナトリウム溶液を標線まで加える。

着色ガラス瓶に入れる。使用時に調製する。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  蒸留装置  蒸留フラスコ 1 000 mL。共通すり合わせのもの。 
2)  分液漏斗  500 mL で脚部の短いもの。 
3)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  操作  操作は,次による。

1)  試料 500 mL(C

6

Cl

5

OH として 5∼60

μ

g を含む。)を蒸留フラスコ 1 000 mL にとり,指示薬として

メチルオレンジ溶液(1 g/L)2,3 滴を加えた後,りん酸(1+9)を溶液の色が赤になるまで加え,

硫酸銅(II)溶液 5mL を加える。

2)  蒸留フラスコ 1 000 mL を蒸留装置に取り付け,受器にメスシリンダー500 mL を用いて蒸留する。


90

K 0102

:2013

3)  受器中の留出液が 450 mL になったとき,一旦加熱を止める。 
4)  蒸留フラスコ 1 000 mL に水 50 mL を加え,再び蒸留を続けて,更に 50 mL を留出させる。

5)  留出液を分液漏斗 500 mL に移し,塩酸 2 mL を加えた後,キシレン 10 mL を加え,約 5 分間激しく

振り混ぜて放置する。

6)  水層を捨て,キシレン層にりん酸水素二ナトリウム溶液 10 mL 及び 4-アミノアンチピリン溶液(2

g/L)2 mL を加えて約 30 秒間激しく振り混ぜた後,ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム溶液 1 mL を

加え,約 3 分間激しく振り混ぜ,約 15 分間放置する。

7)  水層を捨て,キシレン層に硫酸ナトリウム 1 g を加え,軽く振り混ぜて水分を除去する。

8)  キシレン層の一部を吸収セルに移し,キシレンを対照液として波長 574 nm 付近の吸光度を測定する。 
9)  空試験として水 500 mL を分液漏斗にとり,5)∼8)の操作を行って吸光度を測定し,試料について得

た吸光度を補正する。

10)  検量線からペンタクロロフェノールの量を求め,試料中のペンタクロロフェノールの濃度(C

6

Cl

5

OH

μ

g/L)を算出する。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  ペンタクロロフェノール標準液(C

6

C1

5

OH 10

μ

g/mL)0.5∼6 mL を分液漏斗 500 mL に段階的にとり,

水で約 500 mL とする。

2)  c5)∼9)の操作を行ってペンタクロロフェノール(C

6

C1

5

OH)の量と吸光度との関係線を作成する。

備考 5.  酸化性物質又は還元性物質が共存すると妨害するが,28.の備考 1.によって処理すれば妨害を

除くことができる。

     6.  ペンタクロロフェノール以外のフェノール類も,4-アミノアンチピリンと反応して発色する。

その色調は,ペンタクロロフェノールが青であるのに対し,他のフェノール類は黄色又はだ

いだい黄色であるから,これらがペンタクロロフェノールの 10 倍量存在しても妨害しない。

しかし,多量に存在すると妨害することがある。キシレン層が著しいだいだい黄色又は赤紫

を呈する場合には,この方法は適用できない。

31.3  エジフェンホス(EDDP)  エジフェンホス(EDDP)(ホスホロジチオ酸 O-エチル-S,S-ジフェニル

エステル)の定量は,JIS K 0128 の 19.[エジフェンホス(EDDP)

]による。

32.  溶存酸素  溶存酸素の定量には,よう素滴定法,ミラー変法又は隔膜電極法を適用する。この試験は,

試料採取後,直ちに行う。

なお,よう素滴定法は,1983 年に第 1 版として発行された ISO 5813,隔膜電極法は,1990 年に第 2 版

として発行された ISO 5814 との整合を図ったものである。

備考  この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 5813:1983,Water quality−Determination of dissolved oxygen−Iodometric method(MOD)

ISO 5814:1990,Water quality−Determination of dissolved oxygen−Electrochemical probe method

(MOD)

32.1  よう素滴定法  硫酸マンガン(II)とアルカリ性よう化カリウム-アジ化ナトリウム溶液とを加えて

生成した水酸化マンガン(II)が,溶存酸素によって酸化されて水酸化マンガン(III)となる。次に,硫

酸を加えて水酸化マンガン(III)の沈殿を溶かし,遊離したよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して


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K 0102

:2013

溶存酸素を定量する。

定量範囲:O 0.5 mg/L 以上

参考  この方法は,“ウインクラー-アジ化ナトリウム変法”とも呼ばれていた。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  硫酸  JIS K 8951 に規定するもの。 
2)  アルカリ性よう化カリウム-アジ化ナトリウム溶液  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 350 g

(又は JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 250 g)と JIS K 8913 に規定するよう化カリウム 75

g とをそれぞれ水に溶かし,これを混合し,水を加えて 500 mL とする。別に,JIS K 9501 に規定す

るアジ化ナトリウム 5 g を水 20 mL に溶かし,これも混合する。遮光したポリエチレン瓶に入れて

暗所に保存する。

3)  硫酸マンガン(II)溶液  JIS K 8997 に規定する硫酸マンガン(II)五水和物 240 g を水に溶かして

500 mL とする。

4)  でんぷん溶液(10 g/L)  19. a) 5)による。 
5)  25 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(

1

)  19. a) 8)の 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 50 mL を全量

フラスコ 200 mL にとり,水を標線まで加える。この溶液は使用時に調製し,12 時間以上経過した

ものは使用しない。

注(

1

)

d)の滴定に 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液を用いる場合は,19. a) 9)による。

b)  器具  器具は,次による。

1)  溶存酸素測定瓶  21. b) 1)の培養瓶を用いる。

c)  試料採取  試料採取は,次のいずれかによって行い,引き続き,採取現地において d)の操作を行う。

ただし,試料が著しく着色したり,濁りがある場合は,

備考 1.によって採取する。

1)  直接採取する場合  河川,水路,貯水槽などの表面水を溶存酸素測定瓶で直接採取するには,まず,

試料で溶存酸素測定瓶をよく洗い,溶存酸素測定瓶を水面下に入れ,満水するまで静かに試料を流

し込んで気泡が残らないように密栓する。ばけつなどで採取した場合も,同じ操作で流し入れて密

栓する。

2)  採水器を使用する場合  バンドーン採水器,絶縁採水器などを用いる場合は,採水器の取出口に軟

質塩化ビニル管を接続し,この軟質塩化ビニル管の先端を溶存酸素測定瓶の底まで入れ,気泡が生

じないように注意して試料を溶存酸素測定瓶に 1/3 ほど手早く流し込み,溶存酸素測定瓶を洗う。

同じ操作で改めて試料を溶存酸素測定瓶に流し入れ,瓶の容量の 25∼50 %の試料をあふれさせてか

ら,静かに軟質塩化ビニル管を取り出し,気泡が残らないように密栓する。

3)  配管及び装置類から採取する場合  配管及び装置類に取り付けてある試料採取弁に軟質塩化ビニル

管を接続し,約 1 L/min で連続的に通水する。軟質塩化ビニル管の先端を溶存酸素測定瓶の底部ま

で入れ,溶存酸素測定瓶の容量の約 5 倍量の試料をあふれさせてから,軟質塩化ビニル管を取り出

し,気泡が残らないように密栓する。

d)  操作  操作は,次による。

1)  溶存酸素測定瓶の栓を取り,これに試料 100 mL について硫酸マンガン(II)溶液 1 mL とアルカリ

性よう化カリウム-アジ化ナトリウム溶液 1 mL とをそれぞれピペットの先端を試料中に挿入して手

早く加え,溶存酸素測定瓶中に空気が残らないように密栓する。

2)  約 1 分間転倒を繰り返し,生成した沈殿が瓶の全体に広がるように十分に混ぜ合わせる。 
3)  しばらく静置し,沈殿が沈降したら再び 2)の操作を行った後,静置する(

2

)。


92

K 0102

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4)  沈殿が沈降し,上澄み液が瓶全体の 1/2 程度になったら静かに開栓し,瓶の首に沿ってピペットで

試料 100 mL について硫酸 1 mL を加え,再び密栓して数回転倒して沈殿を溶かす。

5)  この溶液の適量(全量でもよい。)を分取し,三角フラスコに入れる。 
6) 25

mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(

3

)で滴定し,溶液の黄色が薄くなってから指示薬としてでんぷ

ん溶液(10 g/L)1 mL を加え,生じたよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。

7)  次の式によって試料中の溶存酸素の濃度(O mg/L)を算出する(

4

)。

200

.

0

000

1

1

2

1

×

×

×

×

=

v

V

V

V

f

a

O

ここに,

O: 溶存酸素(O mg/L)

a: 滴定に要した 25 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(mL)

V

1

共栓を施したときの溶存酸素測定瓶の容量(mL)

V

2

滴定のため溶存酸素測定瓶から分取した試料(mL)

v: アルカリ性よう化カリウム-アジ化ナトリウム溶液と硫酸マ

ンガン(II)溶液の合計量(mL)

f: 25 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター(

5

)

 0.200: 25 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 1 mL の酸素相当量(mg)

注(

2

)

3)までの操作を“溶存酸素の固定”と呼ぶ。この固定までの操作を行い,遮光し,試験室にも

ち帰ってもよい。次に 4)以降の操作を行ってよい。この場合もなるべく早く試験する。

  (

3

) 25

mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液に代え,注(

1

)によって調製した,10 mmol/L チオ硫酸ナトリ

ウム溶液を用いて滴定してもよい。

  (

4

)  注(

3

)によって滴定した場合は,には滴定に要した 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(mL)

を,また,その 1 mL の酸素相当量には 0.08(mg)を用いる。

  (

5

)

19. a) 8)の 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクターを用いる。

備考 1.  著しく着色又は濁りがある試料の採取  c)の操作に準じて試料を共栓ガラス瓶 1 L に採取し,

硫酸カリウムアルミニウム溶液(JIS K 8255 に規定する硫酸カリウムアルミニウム・12 水 10

g を水に溶かし,水を加えて 100 mL とする。)10 mL と JIS K 8085 に規定するアンモニア水
1∼2 mL とを,ピペットを試料中に挿入して加え,直ちに密栓して転倒させながら約 1 分間

混合し,静置する。懸濁物が沈降した後,上澄み液を静かに溶存酸素測定瓶に流し入れて満

水とし,気泡が残らないように密栓する。

     2.

酸化性物質又は還元性物質の確認  試料 50 mL に,硫酸(1+5)(JIS K 8951 に規定する硫

酸を用いて調製する。

)1 mL,よう化カリウム(又はよう化ナトリウム)約 0.5 g 及びでんぷ

ん溶液(10 g/L)2,3 滴を加える。

溶液の色が青に変化したら,酸化性物質が存在する。この場合には,

備考 3.の操作を行っ

て測定結果を補正する。

溶液が無色のままなら,更によう素溶液(0.005 mol/L)

JIS K 8913 に規定するよう化カリ

ウム又はよう化ナトリウム 4∼5 g を少量の水に溶かし,JIS K 8920 に規定するよう素約 130

mg を加える。よう素が溶けた後,水で 100 mL とする。)0.2 mL を加え,振り混ぜる。30 秒

間放置後,無色ならば還元生物質が存在する。この場合には

備考 4.の操作によって溶存酸素

の濃度を測定する。

     3.

酸化性物質を含む試料の試験  空試験として別の溶存酸素測定瓶を用い,c)の操作によって

試料を採取し,これにアルカリ性よう化カリウム-アジ化ナトリウム溶液 1 mL と硫酸 1 mL


93

K 0102

:2013

とをピペットを挿入して加えて密栓し,転倒を繰り返して混合し,次に,硫酸マンガン(II)

溶液 1 mL をピペットを挿入して加えて密栓し,転倒を繰り返して混合する。これについて

d)  5)∼6)の操作を行って滴定し,7)の式によって酸化性物質に相当する溶存酸素の濃度を求

め,試料中の溶存酸素の濃度を補正する。

備考 4.  還元性物質を含む試料の試験  c)の操作によって試料を採取し,この試料について,アルカ

リ性よう化カリウム-アジ化ナトリウム溶液の代わりに,よう素-アルカリ性よう化カリウム

溶液を用いて d)の操作を行い,溶存酸素濃度を算出する。別に空試験として,試料を別の溶

存酸素測定瓶にとり,よう素-アルカリ性よう化カリウム溶液と硫酸とを加え,次に硫酸マン

ガン(II)溶液を加えた後滴定し,7)の式によって相当する溶存酸素の濃度を求め,試料中の

溶存酸素の濃度を補正する。

よう素-アルカリ性よう化カリウム溶液の調製方法

アルカリ性よう化カリウム溶液(JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 350 g と JIS K 

8913 に規定するよう化カリウム 75 g とをそれぞれ水に溶かし,これらを混合し,水を加え

て 500 mL とする。遮光したポリエチレン瓶に入れて保存する。

)約 125 mL を全量フラス

コ 250 mL にとり,よう素溶液(50 mmol/L)

JIS K 8913 に規定するよう化カリウム 20 g

を少量の水に溶かし,これに JIS K 8920 に規定するよう素 6.4 g を加えて溶かし,水を加

えて 500 mL とする。

)10 mL を加えた後,アルカリ性よう化カリウム溶液を標線まで加え

る。使用時に調製する。

この溶液 1 mL は,硫化物イオン 0.064 mg 又は亜硫酸イオン 0.16 mg と反応する。必要

があれば亜硫酸イオン,硫化物イオンなどの還元性物質の量を求め,相当するよう素溶液

(50 mmol/L)の量を算出して添加量を求める。

     5.

海水試料の試験  海水は微生物を含む場合が多いから,反応を速めて手早く試験する。反応

促進のためにアルカリ性よう化カリウム-アジ化ナトリウム溶液と硫酸マンガン(II)溶液と

をそれぞれ 2 倍量添加し,次に,硫酸を 2 倍量加える。

     6.

鉄(III)が共存する試料の試験  硫酸の添加前に,試料 100 mL についてふっ化カリウム溶

液(300 g/L)

19.

注(

3

)による。]1 mL を加えれば,鉄(III)100∼200 mg/L が含まれていて

も妨害しない。

32.2  ミラー変法  流動パラフィンで試料を空気と遮断し,酒石酸ナトリウムカリウム-水酸化ナトリウム

溶液と 3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン-5-イウムクロリド(メチレンブルー)溶液とを加え,

硫酸アンモニウム鉄(II)溶液で滴定し,溶存酸素を定量する。

定量範囲:O 1 mg/L 以上

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  酒石酸ナトリウムカリウム-水酸化ナトリウム溶液  JIS K 8536 に規定する(+)-酒石酸ナトリウ

ムカリウム四水和物 350 g 及び JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 100 g を水に溶かして,1 L

とする。

2)  メチレンブルー溶液  JIS K 8897 に規定するメチレンブルー0.1 g を水 100 mL に溶かす。 
3)  流動パラフィン  JIS K 9003 に規定するもの。 
4)  硫酸アンモニウム鉄(II)溶液  JIS K 8951 に規定する硫酸 5 mL を水 100 mL に加え,これに JIS K 

8979 に規定する硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物 5.4 g を加えて溶かし,2. n) 1)の溶存酸素を含ま

ない水を加えて 1 L とする。


94

K 0102

:2013

標定  標定は,次による。

この溶液の溶存酸素相当量は 32.1 で溶存酸素の濃度を求めた水を標準とし,c)の操作によってこ

の溶液で滴定し,次の式によって算出する。この標定は,使用時に行う。

b

a

f

1

000

1

50

×

×

=

ここに,  f

硫酸アンモニウム鉄(II)溶液 1 mL の溶存酸素相当量(O mg)

a:  使用した水の溶存酸素(O mg/L)

b:  滴定に要した硫酸アンモニウム鉄(II)溶液(mL)

b)  器具  器具は,次による。

1)  試料採取器  注射筒 50 mL の先端に内径約 1.5 mm,長さ 250∼300 mm のガラス管をすり合わせ又

はゴム管で接続したもの。

2)  溶存酸素測定用試験管  外径約 30 mm,高さ約 200 mm の試験管 
3)  かき混ぜ棒  直径約 3 mm,全長約 250 mm のガラス棒で,下部を約 10 mm 折り曲げたもの又は下

部をらせん状にしたもの。

4)  足長ビュレット  5∼10 mL。足の先端が試験管の下部に達するもの。

c)  操作  操作は,次による。

1)  溶存酸素測定用試験管に,メチレンブルー溶液 2 滴,酒石酸ナトリウムカリウム-水酸化ナトリウム

溶液 5 mL 及び流動パラフィン約 5 mL を加える。

2)  試料採取器に試料を吸引して 2 回洗った後,気泡が入らないように徐々に吸引して試料 50 mL を採

取する。このときガラス管部分に試料が満たされた状態に保つ。

3)  試料採取器のガラス管の先端を静かに流動パラフィン層の下の水層に入れ,流動パラフィン層が乱

れないように注意しながら,試料 50 mL を注入する。

4)  かき混ぜ棒を静かに入れ,足長ビュレットの先端を水層に入れる。

5)  足長ビュレットから硫酸アンモニウム鉄(II)溶液を少量ずつ加え,そのたびにかき混ぜ棒で静か

にかき混ぜ,メチレンブルーの青い色が消えるまで滴定する。

6)  次の式によって試料中の溶存酸素の濃度(O mg/L)を算出する。

50

000

1

×

×

=

f

a

O

ここに,

O: 溶存酸素(O mg/L)

a: 滴定に要した硫酸アンモニウム鉄(II)溶液(mL)

f: 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液 1 mL の溶存酸素相当量(mg)

32.3  隔膜電極法  隔膜電極を用いて試料中の溶存酸素の量を測定する。

定量範囲:O 0.5 mg/L 以上,繰返し精度:2∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  亜硫酸ナトリウム溶液  JIS K 8061 に規定する亜硫酸ナトリウム約 1 g を水に溶かし,水を加えて

500 mL とする。使用時に調製する。この溶液は,ゼロ調節に用いる。

2)  溶存酸素飽和水(

6

)  水酸化カリウム溶液(250 g/L)(JIS K 8574 に規定する水酸化カリウムを用い

て調製する。

)で洗浄した空気を,約 1 L/min の流量で球形又は板状のガラスろ過器を用いて水に通

気(

7

)し,溶存酸素を飽和させる(

6

)。スパン調節操作を行う直前に調製する。

注(

6

)  溶存酸素飽和水は,試料の温度と±0.5  ℃で一致する温度のものを調製する。この溶液の溶存

酸素の濃度は,

表 32.1 から求めるか,又は 32.1 によって溶存酸素の濃度を確認する。また,塩


95

K 0102

:2013

類の濃度の高い試料の溶存酸素の濃度を測定する場合には,試料の塩類のモル濃度に合わせた

量の JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウムを添加した溶存酸素飽和水を調製する。

注(

7

)  通常,水 200 mL の場合には 5∼10 分間,500 mL の場合には 10∼20 分間通気する。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  溶存酸素測定容器  ガラス容器 100∼300 mL にゴム栓を付け,栓に試料を採取するための注入管及

び排出するための排出管を取り付けたもの(

8

)。図 32.1 に例を示す。

A:

B:
C:

D:

E:

F:

G:
H:

I:

ゴム栓

ガラス容器

回転子 
マグネチックスターラー

温度計

排出管 
ガラス管

ピンチコック

隔膜電極

図 32.1  溶存酸素測定容器の例

2)  温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の 50 度温度計 
3)  溶存酸素計  温度補償回路を組み入れたもの。 
4)  マグネチックスターラー

注(

8

)  溶存酸素測定瓶を用いてもよい。

c)  準備操作  準備操作は,次による。

1)  溶存酸素計の電極を接続し,約 30 分間通電しておく。

2)  溶存酸素測定容器に試料と同じ温度にした亜硫酸ナトリウム溶液を注入し,マグネチックスターラ

ーで静かにかき混ぜながら電極を挿入し,指示値が安定してから(

9

),ゼロ調節ダイヤルを回して指

示値をゼロに合わせる。

3)  電極及び温度計を取り出し,水でよく洗い(

10

),別の溶存酸素測定容器に挿入する。

4)  注入管の一端から溶存酸素測定容器の底部に静かに溶存酸素飽和水(

11

)を注入し,溶存酸素測定容器

の容量の 25∼50 %を流出させた後,排出管の先端を閉じる。

5)  マグネチックスターラーでかき混ぜ(

12

)ながら,溶存酸素計の指示値が安定するのを待ち,注入した

溶存酸素飽和水の温度(

6

)と一致していることを確かめ,対応する溶存酸素飽和量を求め,スパン調

節ダイヤルを回し,指示値を合わせる。

6)  2)∼5)の操作を 2 回又は 3 回繰り返して,指示値がそれぞれゼロ及び溶存酸素の飽和量に合致して


96

K 0102

:2013

いることを確かめる。

注(

9

)  通常 2∼5 分間を要する。

  (

10

)  準備操作 2)から 3)に移るときには,電極を特によく洗浄する。

  (

11

)  容器内で通気して溶存酸素飽和水を調製してもよい。

  (

12

)  かき混ぜ速度によって指示値に差が生じるので,できるだけスパン調節操作時と同じ条件に保

つ。

備考 7.  隔膜電極の扱いについて,使用前及び測定時には,次の事項に注意する。

1)  隔膜の表面に指を触れない。

2)  電解液及び隔膜を交換した場合,又は隔膜を乾燥させてしまった場合は,隔膜を水で湿

し,c)の操作を行う前に指示値が安定するように時間をおく。

3)  試料に浸したときに気泡が電極に付着していないことを確認する。

4)  酸素が常に供給されるように,試料は隔膜上を絶えず流れていることが必要である。ま

た,指示値の振れが生じない程度の流量であることを確かめる。

d)  操作  操作は,次による。

1)  c4)に準じて,試料を溶存酸素測定容器の底部に,気泡が入らないように静かに注入する(

13

)。

2)  マグネチックスターラーでかき混ぜ(

12

)ながら温度計の目盛を確認し,次に,溶存酸素計の指示値が

安定するのを待って溶存酸素の濃度(O mg/L)を読み取る。

注(

13

)  溶存酸素測定瓶,培養瓶などを測定容器として用いる場合には,サイホンを用いて静かに試料

を容器にとり,直ちに電極及び温度計を挿入して測定する。

備考 8.  指示値は,温度 1  ℃の上昇につき約 5 %増大する。


97

K 0102

:2013

表 32.1  水中の飽和溶存酸素

温度

水中の塩化物イオン Cl

mg/L

塩化物イオン

100 Cl

mg/L ごとに

差し引く溶存酸素

O mg/L

0

5 000

10 000

15 000

20 000

溶存酸素

O mg/L

0 14.16 13.40 12.63 11.87 11.10

0.015

3

1 13.77 13.03 12.29 11.55 10.80

0.014

8

2 13.40 12.68 11.97 11.25 10.52

0.014

4

3 13.04 12.35 11.65 10.95 10.25

0.014

0

4 12.70 12.03 11.35 10.67  9.99

0.013

5

5 12.37  11.72  11.06  10.40  9.74

0.013

1

6 12.06  11.42  10.79  10.15  9.51

0.012

8

7

11.75 11.15 10.52 9.90 9.28  0.012

4

8

11.47 10.87 10.27 9.67 9.06  0.012

0

9

11.19 10.61 10.03 9.44 8.85  0.01 7

10

10.92 10.36 9.79 9.23 8.66  0.01 3

11

10.67 10.12 9.57 9.02 8.47  0.01 0

12

10.43 9.90 9.36 8.82 8.29  0.010

7

13

10.20 9.68 9.16 8.64 8.11  0.010

4

14 9.97 9.47 8.97 8.46 7.95  0.010

1

15 9.76 9.27 8.78 8.29 7.79  0.009

9

16 9.56 9.06 8.60 8.12 7.63  0.009

6

17 9.37 8.90 8.44 7.97 7.49  0.009

4

18 9.18 8.73 8.27 7.82 7.36  0.009

1

19 9.01 8.57 8.12 7.67 7.22  0.008

9

20 8.84 8.41 7.97 7.54 7.10  0.008

7

21 8.68 8.26 7.83 7.40 6.97  0.008

6

22 8.53 8.11 7.70 7.26 6.85  0.008

4

23 8.39 7.98 7.57 7.16 6.74  0.008

2

24 8.25 7.85 7.44 7.04 6.65  0.008

1

25 8.11 7.72 7.32 6.95 6.52  0.007

9

26 7.99 7.60 7.21 6.82 6.42  0.007

8

27 7.87 7.48 7.10 6.71 6.32  0.007

7

28 7.75 7.37 6.99 6.61 6.22  0.007

6

29 7.64 7.26 6.88 6.51 6.12  0.007

6

30 7.53 7.16 6.78 6.41 6.03  0.007

5

31 7.43 7.06 6.66 6.31 5.93  0.007

5

32 7.32 6.96 6.59 6.21 5.84  0.007

4

33 7.23 6.86 6.49 6.12 5.75  0.007

4

34 7.13 6.77 6.40 6.03 5.65  0.007

4

35 7.04 6.67 6.30 5.93 5.56  0.007

4

33.  残留塩素  残留塩素とは,塩素剤が水に溶けて生成する次亜塩素酸及びこれがアンモニアと結合して

生じるクロロアミンをいい,前者を遊離残留塩素,後者を結合残留塩素,両者を合わせて残留塩素という。

残留塩素の定量には,濃度が低い場合には o-トリジン比色法,ジエチル-p-フェニレンジアンモニウム

(DPD)比色法又はジエチル-p-フェニレンジアンモニウム(DPD)吸光光度法を適用し,濃度が比較的高

い場合には,よう素滴定法を適用する。

この試験は,試料採取後,直ちに行う。

なお,ジエチル-p-フェニレンジアンモニウム(DPD)比色法は,1985 年に第 1 版として発行された ISO 


98

K 0102

:2013

7393-2,よう素滴定法は,1990 年に第 2 版として発行された ISO 7393-3 との整合を図ったものである。

備考  この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 7393-2:1985 , Water quality − Determination of free chlorine and total chlorine − Part 2:

Colorimetric method using N,N-diethyl-1,4-phenylenediamine, for routine control purposes

(MOD)

ISO 7393-3:1990,Water quality−Determination of free chlorine and total chlorine−Part 3 : Iodometric

titration method for the determination of total chlorine(MOD)

33.1  o-トリジン比色法  試料に 3,3'-ジメチルベンジジン(o-トリジン)溶液を加え,残留塩素との反応で

生じる黄色を,残留塩素標準比色液と比較して残留塩素を定量する方法である。亜ひ酸ナトリウム溶液で

処理し,残留塩素,遊離残留塩素及び結合残留塩素の三つに区別することができる。

定量範囲:Cl 0.01∼2.0 mg/L,繰返し精度:5∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水(

1

)

2)  o-トリジン溶液  二塩化 3,3'-ジメチルベンジジニウム(o-トリジン二塩酸塩)0.14 g を水 50 mL に

溶かし,塩酸(3+7)

JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

)50 mL 中にかき混ぜながら

加える。着色瓶に入れて保存する。6 か月以上経過したものは使用しない。

3)  りん酸塩緩衝液(pH6.5)  JIS K 9020 に規定するりん酸水素二ナトリウムを 110  ℃で約 2 時間加

熱し,デシケーター中で放冷した後,その 22.86 g と,JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウム

46.14 g とを水に溶かして 1 L とする。沈殿が生じた場合には,ろ別する。この溶液 200 mL をとり

水で 1 L とする。

4)  クロム酸カリウム-二クロム酸カリウム溶液  JIS K 8312 に規定するクロム酸カリウム 3.63 g と JIS 

K 8517 に規定する二クロム酸カリウム 1.21 g とをりん酸塩緩衝液(pH6.5)に溶かし,全量フラス

コ 1 000 mL に移し入れ,りん酸塩緩衝液(pH6.5)を標線まで加える。

5)  残留塩素標準比色液  相当する残留塩素の濃度(Cl mg/L)に応じ,クロム酸カリウム-二クロム酸

カリウム溶液及びりん酸塩緩衝液(pH6.5)を

表 33.1 に示す割合に比色管 100 mL にとり,混ぜ合わ

せる。暗所に保存する。沈殿が生じた場合には使用しない。

6)  亜ひ酸ナトリウム溶液(5 g/L)  メタ亜ひ酸ナトリウム 0.5 g を水に溶かして 100 mL とする。

注(

1

)  この試験に用いる水は,残留塩素のないこと及び塩素を消費しないことを,備考 3.によって確

かめておく。

b)  器具  器具は,次による。

1)  比色管  100 mL  底部から 200±1.5 mm の高さに 100 mL の標線を付けた平底のもの。 
2)  比色管立  100 mL 用  底部及び側面に乳白板を付けたもの。


99

K 0102

:2013

表 33.1  残留塩素標準比色液(液層 200 mm 用)

残留塩素

Cl mg/L

クロム酸カリウム-

二クロム酸カリウム溶液

mL

りん酸塩緩衝液

pH6.5

mL

残留塩素

Cl mg/L

クロム酸カリウム-

二クロム酸カリウム溶液

mL

りん酸塩緩衝液

pH6.5

mL

0.01

0.18 99.82

0.70

7.48 92.52

0.02

0.28 99.72

0.80

8.54 91.46

0.05

0.61 99.39

0.90

9.60 90.40

0.07 0.82

99.18

1.00 10.66  89.34

0.10 1.13

98.87

1.10 12.22  87.78

0.15 1.66

98.34

1.20 13.35  86.65

0.20 2.19

97.81

1.30 14.48  85.52

0.25 2.72

97.28

1.40 15.60  84.40

0.30 3.25

96.75

1.50 16.75  83.25

0.35 3.78

96.22

1.60 17.84  82.16

0.40 4.31

95.69

1.70 18.97  81.03

0.45 4.84

95.16

1.80 20.09  79.91

0.50 5.37

94.63

1.90 21.22  78.78

0.60 6.42

93.58

2.00 22.34  77.66

c)  操作  操作は,次による。

1)  比色管に o-トリジン溶液 5 mL をとり,これに試料(

2

)の適量(残留塩素 0.2 mg 以下を含む。)を加え,

更に水を 100 mL の標線まで加え,手早く栓をして振り混ぜる。

2) 5 分間(

3

)暗所に放置する。

3)  上方から透視して残留塩素標準比色液と比較し,該当する残留塩素標準比色液を求め,これに相当

する残留塩素の濃度 a(Cl mg/L)を記録する。

4)  別の比色管に o-トリジン溶液 5 mL をとり,これに 1)の操作と同量の試料を加え,手早く栓をして

振り混ぜる。

5) 5 秒間以内に亜ひ酸ナトリウム溶液(5 g/L)5 mL を加えて振り混ぜ,更に,水を 100 mL の標線ま

で加えて振り混ぜる。

6)  残留塩素標準比色液と比較し,該当する残留塩素標準比色液を求め,これに相当する残留塩素の濃

度 b(Cl mg/L)を記録する。

7)  空試験として比色管 100 mL に亜ひ酸ナトリウム溶液(5 g/L)5 mL をとり,これに 1)の操作と同量

の試料を加えて振り混ぜる。

8)  o-トリジン溶液 5 mL を加えて振り混ぜ,更に,水を 100 mL の標線まで加えて振り混ぜる。 
9) 5 秒間以内に残留塩素標準比色液と比較し,該当する残留塩素標準比色液を求め,これに相当する

残留塩素の濃度 c

1

(Cl mg/L)を記録する。

10)  さらに,5 分間暗所に放置後,残留塩素標準比色液と比較し,該当する残留塩素標準比色液を求め,

これに相当する残留塩素の濃度 c

2

(Cl mg/L)を記録する。

11)  次の式によって残留塩素,遊離残留塩素及び結合残留塩素の濃度を算出する。

(

)

V

c

a

A

100

2

×

=

(

)

V

c

b

B

100

1

×

=

B

A

C

=


100

K 0102

:2013

ここに,

A: 残留塩素(Cl mg/L)

a: 3)で求めた残留塩素(Cl mg/L)

c

2

10)で求めた残留塩素(Cl mg/L)

V: 試料(mL)

B: 遊離残留塩素(Cl mg/L)

b: 6)で求めた残留塩素(Cl mg/L)

c

1

9)で求めた残留塩素(Cl mg/L)

C: 結合残留塩素(Cl mg/L)

注(

2

)  試料がアルカリ性の場合には,pH 計を用い,塩酸(1+5)を加えて pH を約 7 にする。また,

発色時の pH は常に 1.3 以下とする。

  (

3

)  残留塩素のうち結合残留塩素は,最高発色に達するのに 0  ℃で 6 分間,20  ℃で 3 分間,25  ℃

で 2 分 30 秒間が必要である。

備考 1.  空試験を行わない場合には,鉄 0.3 mg/L 以上,マンガン 10

μ

g/L 以上又は亜硝酸イオン 0.3

mg/L 以上が含まれていると妨害する。鉄及びマンガンの妨害を防ぐには,試料 100 mL につ

き 1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸溶液(10 g/L)

trans-1,2-シクロヘキサンジアミン四酢

酸一水和物 1.05 g を水に溶かして 100 mL とする。

)3 mL を添加する。

     2.  市販の残留塩素測定器を用いる場合には,あらかじめ残留塩素標準比色液と比較して,誤り

のないことを確認しておく。

     3.  試験に用いる水に残留塩素がないこと及び塩素を消費しないことを確認する方法は,次のい

ずれかによる。

1)  残留塩素が存在しないことの確認  水[a1)]約 45 mL を比色管 50 mL にとり,JIS K 8913

に規定するよう化カリウム約 0.5 g を加えて振り混ぜ,約 1 分間後,りん酸塩緩衝液

(pH6.5)

33.2 a4)による。

]2 mL,DPD 希釈粉末[33.2 a3)による。

]0.5 g を加えて振

り混ぜる。発色が認められないことを確認する。

又は 33.1 c)の 1)及び 2)の操作を行って発色が認められないことを確認する。

2)  塩素を消費しないことの確認  水[a1)]約 45 mL を比色管 50 mL にとり,次亜塩素酸

ナトリウム溶液(有効塩素 0.1 g/L)

42.2 a)  4)の次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素

10 g/L)を 100 倍に薄めて調製する。]1,2 滴を加えて振り混ぜ,約 2 分間放置する。以

下,1)のりん酸塩緩衝液(pH6.5)以降の操作を行って発色が認められることを確認する。

33.2  ジエチル-p-フェニレンジアンモニウム(DPD)比色法  硫酸 N,N-ジエチル-p-フェニレンジアンモニ

ウム(DPD)を比色管にとり,これに試料を加え,残留塩素との反応で生じる桃色から桃紅色を,残留塩

素標準比色液と比較して定量する。

定量範囲:Cl 0.05∼2 mg/L,繰返し精度:5∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  33.1 a1)による。 
2)  よう化カリウム  JIS K 8913 に規定するもの。 
3)  DPD 希釈粉末  硫酸 N,N-ジエチル-p-フェニレンジアンモニウム(N,N-ジエチル-p-フェニレンジア

ミン硫酸塩)1.0 g をめのう乳鉢中で粉砕する。これに JIS K 8987 に規定する硫酸ナトリウム 24 g

を加えてよく混合し,着色ガラス瓶に入れ,湿気を避けて,0∼10  ℃の暗所に保存する。着色した

ものは使用しない。

4)  りん酸塩緩衝液(pH6.5)  りん酸二水素カリウム溶液(0.2 mol/L)(JIS K 9007 に規定するりん酸


101

K 0102

:2013

二水素カリウム 27.2 g を水に溶かして 1 L とする。

)100 mL をとり,水酸化ナトリウム溶液(0.2

mol/L)(JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 8 g を水に溶かして 1 L とする。)を pH 計を用い

て pH6.5 になるまで加え,これに trans-1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸一水和物 0.13 g を加えて

溶かす。

5)  C. I. Acid Red 265 溶液  C. I. Acid Red 265[1-(4-メチルベンゼンスルホンアミド)-7-(2-メチルフェニ

ルアゾ)-8-ヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム]を 105∼110  ℃で 3∼4 時間加熱

し,デシケーター中で放冷する。その 0.329 g を 1 mg の桁まではかりとり,少量の水に溶かして全

量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。この溶液 50 mL を全量フラスコ 500 mL に

とり,水を標線まで加える。0∼10  ℃の暗所に保存し,6 か月間以上経過したものは使用しない。

6)  DPD 残留塩素標準比色液  C. I. Acid Red 265 溶液を表 33.2 によって全量フラスコ 50 mL にとり,水

を標線まで加える。これを比色管 50 mL にそれぞれ移す。密栓して 0∼10  ℃の暗所に保存する。6

か月間以上経過したものは使用しない。

表 33.2  DPD 残留塩素標準比色液(50 mL 中)

残留塩素

Cl mg/L

C. I. Acid Red 265  溶液

mL

0.05 0.5 
0.1 1.0 
0.2 2.0 
0.3 3.0 
0.4 4.0 
0.5 5.0 
0.6 6.0 
0.7 7.0 
0.8 8.0 
0.9 9.0 
1.0 10.0 
1.2 12.0 
1.4 14.0 
1.6 16.0 
1.8 18.0 
2.0 20.0

b)  器具  器具は,次による。

1)  比色管  50 mL  底部から 150±1 mm の高さに 50 mL の標線を付けた平底のもの。 
2)  比色管立  50 mL 用  底部及び側面に乳白板を付けたもの。

c)  操作  操作は,次による。

1)  りん酸塩緩衝液(pH6.5)2.5 mL を比色管 50 mL にとり,これに DPD 希釈粉末 0.5 g を加える。次

に,試料(

4

)の適量(残留塩素 0.1 mg 以下を含む。)を加え,更に水を標線まで加える。

2)  栓をしてよく振り混ぜ,1 分間(

5

)以内にその発色を側面から透視して,DPD 残留塩素標準比色液と

比較する。該当する DPD 残留塩素標準比色液から,これに相当する残留塩素の濃度(Cl mg/L)を

求め,これを遊離残留塩素として,試料中の遊離残留塩素の濃度(Cl mg/L)を算出する。

3)  2)の操作が終了したら,よう化カリウム約 0.5 g を加え,栓をして振り混ぜて溶かし,約 2 分間放置

後,その発色を 2)と同様に残留塩素標準比色液と比較する。該当する残留塩素標準比色液からこれ


102

K 0102

:2013

に相当する残留塩素の濃度(Cl mg/L)を求め,試料中の残留塩素の濃度を算出する。

4)  結合残留塩素の濃度(Cl mg/L)は,次の式によって算出する。

結合残留塩素の濃度(Cl mg/L)=残留塩素(Cl mg/L)−遊離残留塩素(Cl mg/L)

注(

4

)  試料の酸性又はアルカリ性が強い場合には,炭酸ナトリウム溶液(50 g/L)(JIS K 8625 に規定

する炭酸ナトリウムを用いて調製する。

)又は塩酸(1+11)

21. a) 2)による。

]を用いて pH を

約 6.5 に調節する。

  (

5

)  振り混ぜ時間を含める。DPD 希釈粉末中の硫酸ナトリウムは完全には溶けなくてもよい。

備考 4.  市販の残留塩素測定器又はガラス色標準スケールを用いる場合には,あらかじめ DPD 残留塩

素標準比色液と比較して,誤りのないことを確認しておく。

     5.  試料中のマンガン酸化物による妨害の補正方法は,次による。

1)  試料 100 mL をとり,メタ亜ひ酸ナトリウム溶液(2 g/L)(メタ亜ひ酸ナトリウムを用い

て調製する。

)又はチオアセトアミド(エタンチオアミド)溶液(2.5 g/L)1 mL を加え,

振り混ぜた後,りん酸塩緩衝液(pH6.5)2.5 mL 及び DPD 希釈粉末 0.5 g を加え,振り

混ぜる。

2)  この溶液を用いて,c)  1)及び 2)の操作を行い,マンガン酸化物による発色を残留塩素の

濃度として求める。

3)  得られた値を用いて,遊離残留塩素の濃度及び残留塩素の濃度を補正する。

     6.  二酸化塩素(IV)は,残留塩素及び遊離残留塩素の値に含まれる。

     7. DPD の酸化は,塩素化合物によるものだけではない。反応は,他の酸化剤によっても生じる。

これには臭素,よう素,ブロモアミン類,ヨードアミン類,オゾン,過酸化水素,クロム酸

塩,マンガン酸化物,亜硝酸塩,鉄(III)イオン及び銅イオンが挙げられる。ただし,この

方法では,銅イオン 2 mg/L,鉄(II)イオン 3 mg/L,アルミニウム 4 mg/L 及び亜硝酸イオン

4 mg/L まではそれぞれ妨害しない。

33.3  よう素滴定法  残留塩素とよう化カリウムとが反応して遊離するよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液

で滴定し,残留塩素を定量する。よう素を遊離させる酸化性物質が共存すると,残留塩素として定量され

る。

定量範囲:Cl 0.1 mg 以上

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  33.1 a1)による。 
2)  よう化カリウム  33.2 a2)による。 
3)  酢酸(11)  JIS K 8355 に規定する酢酸を用いて調製する。 
4)  でんぷん溶液(10 g/L)  19. a) 5)による。 
5)  10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液  19. a) 9)による。

b)  操作  操作は,次による。

1)  試料(

2

)の適量(Cl として 0.1∼7 mg を含む。)を共栓三角フラスコ 500 mL にとり,水を加えて約 300

mL とし,よう化カリウム 1 g 及び酢酸(1+1)5 mL を加える。

2)  栓をして振り混ぜ,暗所に約 5 分間放置する。 
3)  遊離したよう素を,10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の黄色が薄くなってから,

指示薬としてでんぷん溶液(10 g/L)1 mL を加え,生じたよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴

定する。


103

K 0102

:2013

4)  空試験として水 100 mL をとり,1)∼3)の操作を行う。 
5)  次の式によって試料中の残留塩素の濃度(Cl mg/L)を算出する。

(

)

5

354

.

0

000

1

×

×

×

=

V

f

b

a

A

ここに,

A: 残留塩素(Cl mg/L)

a: 滴定に要した 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(mL)

b: 空試験に要した 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(mL)

f: 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

V: 試料(mL)

 0.354

5: 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 1 mL の残留塩素相当量

(mg)

備考 8.  試料の着色又は濁りが著しく試験が困難な場合には,次の方法で残留塩素を分離し測定して

もよい。

1)  試料の適量(Cl として 2 mg 以上を含む。)を図 33.1 の蒸留フラスコ 200 mL にとり,硫

酸(1+15)を加えて pH を 0.9∼1.0 に調節し,水で約 80 mL とし,蒸留装置に接続する。

2) 10

mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液を,ガス洗浄瓶(H)には 20 mL,ガス洗浄瓶(I)

には 5 mL を加え,それぞれ水を加えて 50 mL とし,更に酢酸緩衝液(pH3.5 [JIS K 8371

に規定する酢酸ナトリウム三水和物 240 g を水約 300 mL に溶かし,酢酸 460 mL を加え

た後,水で 1 L とする。

]4 mL とよう化カリウム 0.1 g とを加えて振り混ぜる。

3)  蒸留フラスコを 40  ℃の恒温槽中(J)に入れ,緩やかに約 40 分間通気する。ガス洗浄

瓶中の溶液を三角フラスコ 300 mL に移し,水でガス洗浄瓶の内部を洗い洗液を前の溶

液に合わせる。これに,よう素溶液(JIS K 8913 に規定するよう化カリウム 12 g を少量

の水に溶かし,JIS K 8920 に規定するよう素 4 g を加えて溶かし,水を加えて 1 L とす

る。

)10 mL を加える。

4)  過剰のよう素を 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の黄色が薄くなった

ら指示薬としてでんぷん溶液(10 g/L)1 mL を加え,生じたよう素でんぷんの青い色が

消えるまで滴定する。

5)  空試験として 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 25 mL を三角フラスコ 300 mL にとり,

酢酸塩緩衝液(pH3.5)8 mL,よう化カリウム 0.2 g 及び水約 120 mL を加えて振り混ぜ,

これによう素溶液 10 mL を加え,試料と同様に 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴

定する。試料中の残留塩素の濃度(Cl mg/L)は,b5)の式によって算出する。


104

K 0102

:2013

単位  mm

A: 
B: 
C: 
D:

E:

蒸留フラスコ(共通すり合わせ枝付き)200 mL 
中管(先端の内径約 1 mm)

一方コック

共通すり合わせリービッヒ冷却器(200∼300 mm)
共通すり合わせアダプター

F

1

,F

2

G

1

,G

2

H,I:

J:

ゴム管 
共通すり合わせ

共通すり合わせろ過板付きガス洗浄瓶

(250 mL) 
恒温槽

図 33.1  蒸留装置(共通すり合わせ)の例

33.4  ジエチル-p-フェニレンジアンモニウム(DPD)吸光光度法  試料に硫酸 N,N-ジエチル-p-フェニレン

ジアンモニウム(DPD)を加え,残留塩素との反応で生じる桃色から桃紅色を,波長 510 nm(又は 555 nm)

付近の吸光度を測定して定量する。

定量範囲:Cl 2.5∼150 μg,繰返し分析精度:5∼10 %

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  水  33.1 a1)による。 
2)  希釈水  水 1 L に対し塩素水(濃度約 50 mg/L)約 3 mL を加え 1 時間放置した後,煮沸するか又は

紫外線を照射して残留塩素を除く。

3)  よう化カリウム  33.2 a2)による。 
4)  DPD 希釈粉末  33.2 a3)による。 
5)  りん酸塩緩衝液(pH6.5)  33.2 a4)による。 
6)  0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液  19. a) 8)による。 
7)  10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液  19. a) 9)による。ファクターは,19. a) 8)の 0.1 mol/L チオ硫酸

ナトリウム溶液のものを用いる。12 時間以上経過したものは使用しない。

8)  でんぷん溶液(10 g/L)  19. a) 5)による。 
9)  塩素標準液  塩素水の調製,有効塩素濃度の測定及び塩素標準液の調製は,次による。

塩素標準液は,使用の都度その有効塩素濃度を測定する。


105

K 0102

:2013

9.1)  塩素水の調製  次亜塩素酸ナトリウム溶液[有効塩素 7∼12 %(質量百分率)]を水に溶かす。又

は,他の方法によって塩素水を調製してもよい。

9.2)  有効塩素濃度の測定 
9.2.1)  9.1)で調製した塩素水 100 mL を共栓三角フラスコ 200 mL にとり,よう化カリウム 1 g 及び酢酸

(1+1)

JIS K 8355 に規定する酢酸を用いて調製する。

)5 mL を加える。

9.2.2)  栓をして振り混ぜ,暗所に 5 分間放置する。 
9.2.3)  遊離したよう素を,0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の黄色が薄くなってから,

指示薬としてでんぷん溶液(10 g/L)1 mL を加え,生じた青い色が消えるまで滴定する。

9.2.4)  次の式によって,塩素水に含まれる有効塩素の濃度(Cl mg/L)を算出する。

545

.

3

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

C

ここに,

C: 有効塩素(Cl mg/L)

a: 滴定に要した 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(mL)

f

1

0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

V: 9.2.1)で用いた塩素水(mL)

 3.545: 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 1 mL の塩素相当量(mg)

9.3)  塩素標準液(Cl 50 μg/mL)  塩素 25 mg に相当するように 9.2)で有効塩素の濃度を定量した塩素

水を全量フラスコ 500 mL にとり,希釈水を標線まで加える。正確な濃度の標定は,次による。

この溶液 100 mL をとり,9.2.1)∼9.2.3)の操作を行う。ただし,滴定には 10 mmol/L チオ硫酸ナ

トリウム溶液を用いる。次の式によって,塩素標準液(Cl 50 μg/mL)の正確な濃度を算出する。

5

354

.

0

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

C

ここに,

C: 有効塩素(Cl mg/L)

a: 滴定に要した 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(mL)

f

1

10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

V: 滴定に用いた塩素標準液(Cl 0.05 mg/mL)(mL)

 0.354

5: 10 mmol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 1 mL の塩素相当量(mg)

9.4)  塩素標準液(Cl 5 μg/mL)  塩素標準液(Cl 50 μg/mL)20 mL を全量フラスコ 200 mL にとり,希

釈水を標線まで加える。この溶液は,使用時に調製する。

b)  装置  装置は,次による。

1)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  操作  操作は,次による。

1)  試料(

4

)の適量について,33.2 の c) 1)の操作を行う。

2)  栓をしてよく振り混ぜ,1 分間(

5

)以内に,この溶液の一部を吸収セルにとり,水を対照液として波

長 510 nm(又は 555 nm)付近の吸光度を測定する。

3)  検量線から塩素の量(Cl μg)を求め,これを遊離残留塩素として試料中の遊離残留塩素の濃度(Cl

mg/L)を算出する。

4)  引き続き 2)の残りの溶液によう化カリウム約 0.5 g を加え,栓をして振り混ぜて溶かす。約 2 分間

放置した後,この溶液の一部を吸収セルにとり,水を対照液として波長 510 nm(又は 555 nm)付

近の吸光度を測定する。

5)  検量線から塩素の量(Cl  μg)を求め,これを残留塩素として試料中の残留塩素の濃度(Cl mg/L)

を算出する。


106

K 0102

:2013

6)  33.2 c4)によって結合残留塩素の濃度(Cl mg/L)を算出する。

d)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  塩素標準液(Cl 5μg/mL)0.5∼30 mL について,c) 1)及び 2)の操作を行い,吸光度を測定し,塩素(Cl)

の量と吸光度との関係線を作成する。

34.  ふっ素化合物  ふっ素化合物は,ふっ化物イオン,金属ふっ化物などの総称であり,ふっ化物イオン

として表す。ふっ化物イオンの定量には,ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法,イオン電極法,

イオンクロマトグラフ法又はランタン-アリザリンコンプレキソン発色による流れ分析法を適用する。

なお,イオン電極法は,1992 年に第 1 版として発行された ISO 10359-1,蒸留操作は,1994 年に第 1 版

として発行された ISO 10359-2

イオンクロマトグラフ法は,

1992 年に第 1 版として発行された ISO 10304-1

との整合を図ったものである。

備考  この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 10359-1:1992,Water quality−Determination of fluoride−Part 1: Electrochemical probe method

for potable and lightly polluted water(MOD)

ISO 10359-2:1994,Water quality−Determination of fluoride−Part 2: Determination of inorganically

bound total fluoride after digestion and distillation(MOD)

ISO 10304-1:1992 , Water quality − Determination of dissolved fluoride, chloride, nitrite,

orthophosphate, bromide, nitrate and sulfate ions, using liquid chromatography of ions−Part 1:

Method for water with low contamination(MOD)

34.1  ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法  ふっ素化合物を蒸留分離し,ランタン(III)とア

リザリンコンプレキソンとの錯体を加え,これがふっ化物イオンと反応して生じる青い色の複合錯体の吸

光度を測定して,ふっ化物イオンを定量し,ふっ素化合物とする。

定量範囲:F

  4∼50

μ

g,繰返し精度:3∼10 %

備考 1.  この方法は,陰イオンの影響は少ないが,陽イオンの影響が多い。特に,アルミニウム,カ

ドミウム,コバルト,鉄,ニッケル,ベリリウム,鉛などが妨害するので,あらかじめ蒸留

してふっ化物イオンを分離する。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  過塩素酸  JIS K 8223 に規定するものを,加熱して白煙を発生させた後,放冷したもの。 
2)  りん酸  JIS K 9005 に規定するもの。 
3)  水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)  28.2.1 a3)による。 
4)  二酸化けい素  JIS K 8885 に規定する二酸化けい素(

1

)

5)  フェノールフタレイン溶液(5 g/L)  15.の備考 2.による。 
6)  ランタン-アリザリンコンプレキソン溶液(

2

)  調製は,次による。

−  アリザリンコンプレキソン(1,2-ジヒドロキシアントラキノン-3-イルメチルアミン-N,N-二酢酸

二水和物)0.192 g を,アンモニア水(1+10)

JIS K 8085 に規定するアンモニア水を用いて調

製する。

)4 mL 及び酢酸アンモニウム溶液(200 g/L)

JIS K 8359 に規定する酢酸アンモニウム

を用いて調製する。

)4 mL に溶かす。

−  これを酢酸ナトリウム溶液(JIS K 8371 に規定する酢酸ナトリウム三水和物 41 g を水 400 mL


107

K 0102

:2013

に溶かし,JIS K 8355 に規定する酢酸 24 mL を加えたもの。

)中にかき混ぜながら加える。

−  この溶液をかき混ぜながら JIS K 8034 に規定するアセトン 400 mL を徐々に加え,更にランタ

ン溶液[酸化ランタン(III)0.163 g を塩酸(1+5)

JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製

する。

)10 mL に加え,加熱して溶かしたもの。

]を加えてかき混ぜる。放冷後,酢酸又は JIS K 

8085 に規定するアンモニア水で pH 計を用いて pH を約 4.7 に調節した後,水を加えて 1 L とす

る。

7)  ふっ化物イオン標準液(F

 0.1 mg/mL)  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のふっ化ナト

リウムを白金皿にとり,500  ℃で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷する。NaF 100 %に対し

てその 0.221 g をとり,少量の水に溶かし,全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加え

る。ポリエチレン瓶に入れて保存する。

8)  ふっ化物イオン標準液(F

 2 

μ

g/mL)  ふっ化物イオン標準液(F

 0.1 mg/mL)10 mL を全量フラ

スコ 500 mL にとり,水を標線まで加える。標準液は,ポリエチレン瓶に貯蔵し,1 か月間は使用で

きる。

注(

1

)  結晶質のもので粒径 100∼150

μ

m 程度のものを用いる。品質が分からない場合には,白金るつ

ぼ中で 1 150 ℃以上で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷したものを用いる。この場合,

ふっ化物イオン標準液(F

 2

μ

g/mL)50 mL をとり,c2)∼5)及び d1)∼5)を行って回収率を

確認する。

  (

2

)  市販品を用いてもよい。

参考  市販のアルフッソン(商品名)を用いる場合は,その 2.5 g を水に溶かして 50 mL とする。使

用時に調製する。この情報は,この規格の利用者の便宜を図って記載するもので,この製品を

推奨するものではない。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  蒸留装置  図 34.1 に例を示す。 
2)  光度計  分光光度計又は光電光度計

c)  蒸留操作  蒸留操作は,次による。

1)  試料の適量(

3

)(F

として 30

μ

g 以上を含む。)を磁器蒸発皿又はビーカーにとり,フェノールフタレ

イン溶液(5 g/L)2,3 滴を加え,水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)を滴加して微アルカリ性とし

た後,加熱して約 30 mL に濃縮する。

2)  図 34.1 の蒸留フラスコ中に水約 10 mL で洗い移す。次に,二酸化けい素約 1 g,りん酸 1 mL 及び過

塩素酸 40 mL[又は JIS K 8951 に規定する硫酸(

4

) 30 mL]を加える(

5

)。受器の全量フラスコ 250 mL

には水 20 mL(

6

)を加え,逆流止めの先端は水面下に保つ。

3)  蒸留フラスコを直接加熱(

7

)し,蒸留フラスコ内の液温が約 140  ℃に達してから,水蒸気を通す。

4)  蒸留温度を 145±5  ℃,留出速度を 3∼5 mL/min に調節し,受器の液量が約 220 mL になるまで蒸留

を続ける。

5)  冷却器及び逆流止めを取り外し,冷却器の内管及び逆流止めの内外を少量の水で洗い,洗液も受器

に加え,更に水を標線まで加える。

注(

3

)  溶存のふっ化物イオンを試験するときは,3.2 でろ過した試料を用いる。

  (

4

)

JIS K 8951 に規定する硫酸をビーカーに入れ,加熱して盛んに白煙を発生させた後,放冷した

もの。

  (

5

)  蒸留フラスコには,沸騰石(粒径 2∼3 mm)約 10 個を入れる。


108

K 0102

:2013

注(

6

)  試料中にふっ化物イオン以外のハロゲン化物が多量に含まれる場合には,水酸化ナトリウム溶

液(40 g/L)

21. a)  3)による。

]4∼5 滴とフェノールフタレイン溶液(5 g/L)2∼3 滴とを加え

ておく。受器中の溶液は蒸留が終わるまで微紅色を保つように,必要に応じて水酸化ナトリウ

ム溶液(40 g/L)を滴加する。

なお,この場合は蒸留が終わった後,留出液に硫酸(1+35)

30.1.1 a2)による。

]を微紅色

が消えるまで滴加し,以下,5)の操作を行う。蒸留後の定量に,34.3 のイオンクロマトグラフ

法を適用する場合は,フェノールフタレイン溶液(5 g/L)を加えず,pH 試験紙によって液性を

判別する。

  (

7

)  蒸留フラスコ中の液面まで加熱できるようにフレームを調節する。油浴,グリセリン浴などを

用いてもよい。

単位  mm

A: 
B: 
C: 
D:

E:

水蒸気発生フラスコ 1 000 mL 
連結導入管

トラップ

蒸留フラスコ 500 mL 
リービッヒ冷却器 300 mm

F:

G: 
H:

I:

J:

逆流止め(約 50 mL) 
受器(全量フラスコ 250 mL)

共通すり合わせ

共通球面すり合わせ 
押さえばね

K:

L:

M:

N:
O:

温度計 200  ℃ 
ゴム管

ピンチコック

温度計差し込み栓 
トラップ球(ケルダール球)

図 34.1  蒸留装置の例


109

K 0102

:2013

d)  操作  操作は,次による。

1)  c)の蒸留操作で得た留出液から 30 mL 以下の適量(F

として 4∼50

μ

g を含む。)を全量フラスコ 50

mL にとる。

2)  ランタン-アリザリンコンプレキソン溶液(

8

) 20 mL を加え,更に水を標線まで加えて振り混ぜ,約 1

時間放置する。

3)  別に,水 30 mL を全量フラスコ 50 mL にとり,2)の操作を行う。 
4)  試料について 2)で得た溶液の一部を吸収セルに移し,3)の溶液を対照液として波長 620 nm 付近の吸

光度を測定する。

5)  検量線からふっ化物イオンの量を求め,試料中のふっ化物イオンの濃度(F

 mg/L)を算出する。

注(

8

)  参考で調製したアルフッソン溶液を用いる場合には,その 5 mL と JIS K 8034 に規定するアセ

トン 10 mL とを試料溶液に加えた後,水を標線まで加える。

e)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  ふっ化物イオン標準液(F

 2

μ

g/mL)2∼25 mL を全量フラスコ 50 mL に段階的にとる。

2)  d2)∼4)の操作を行って吸光度を測定し,ふっ化物イオン(F

)の量と吸光度との関係線を作成す

る。

34.2  イオン電極法  ふっ素化合物を前処理して蒸留分離し,緩衝液(イオン強度調節液)を加えて pH を
5.2±0.2 に調節し,ふっ化物イオン電極を指示電極として電位を測定し,ふっ化物イオンを定量する。

定量範囲:F

 0.1∼100 mg/L,繰返し精度:5∼20 %

備考 2.  妨害物質を含まない清浄な試料の溶存ふっ化物イオンを定量する場合は,蒸留に代え,試料

をろ過し,

備考 4.の操作で定量することができる。ただし,この方法では,溶存のふっ化物

イオン及び容易にふっ化物イオンとなる錯イオンが定量される。また,この前処理方法は,

汚濁のある排水には適用できない。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  緩衝液(pH5.2)  JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム 58 g と JIS K 8284 に規定するくえん酸水

素二アンモニウム 1 g とを水 500 mL に加えて溶かし,JIS K 8355 に規定する酢酸 50 mL を加え,水

酸化ナトリウム溶液(200 g/L)

JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製する。

)を滴

加して,pH 計を用いて pH を 5.2 に調節した後,水を加えて 1 L とする。

2)  ふっ化物イオン標準液(F

 100 mg/L)  34.1 a)  7)による。標準液は,プラスチック製容器で貯蔵

し,1 か月間は使用できる。

3)  ふっ化物イオン標準液(F

 10 mg/L)  ふっ化物イオン標準液(F

 100 mg/L)20 mL を全量フラ

スコ 200 mL にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

4)  ふっ化物イオン標準液(F

 1 mg/L)  ふっ化物イオン標準液(F

10 mg/L)20 mL を全量フラスコ

200 mL にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

5)  ふっ化物イオン標準液(F

 0.1 mg/L)  ふっ化物イオン標準液(F

 1 mg/L)20 mL を全量フラス

コ 200 mL にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

備考 3.  標準液は,測定する濃度によって,濃度範囲を狭めるなど,適切な濃度のものを調製し,検

量線を作成する。

b)  器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)  電位差計  0.1 mV 又はそれ以下の電位差を読み取れるもの。高入力抵抗電位差計(例えば,デジタ

ル式 pH-mV 計,拡大スパン付き pH-mV 計,イオン電極用電位差計など)


110

K 0102

:2013

2)  指示電極  ふっ化物イオン電極,標準液を用いた起電力の応答は,25  ℃におけるふっ化物イオン濃

度の 10 倍濃度変化当たり 55 mV 以上のもの。

3)  参照電極  銀-塩化銀電極を用いる(

9

)

 (

10

)。

4)  測定容器  試料 100 mL で扱えるもの。ポリプロピレン製で,恒温ジャケットが取り付けられてい

るもの。

5)  恒温槽  測定容器のジャケットに水温 25±0.2  ℃の水を供給できるもの。 
6)  マグネチックスターラー  四ふっ化エチレン樹脂(PTFE)で被覆した回転子付きのものを用いる。

注(

9

)  液間電位差の小さい単一液絡形のスリーブ形の電極が望ましい。

  (

10

)  参照電極の内部液に塩化カリウム溶液(飽和)を使用する場合には,液温が低下すると塩化カ

リウムの結晶が析出し,固着して抵抗が大きくなることがあるので注意する。

c)  検量線  検量線の作成は,次による。

1)  ふっ化物イオン標準液(F

 0.1 mg/L)100 mL を測定容器にとり,緩衝液(pH5.2)10 mL を加える

(

11

)。

2)  恒温槽から水を送り,この測定容器の溶液を 25±0.5  ℃に保つ。

3)  指示電極(

12

)

 (

13

)と参照電極(

10

)

 (

14

)とを浸し固定した後,回転子を入れ,マグネチックスターラー(

15

)

を用いて,泡が電極に触れない程度に強くかき混ぜる(

16

)。

4)  液温を確認し,電位差計で電位を測定する(

17

)。

5)  ふっ化物イオン標準液(F

 1 mg/L),ふっ化物イオン標準液(F

 10 mg/L)及びふっ化物イオン標

準液(F

 100 mg/L)のそれぞれ 100 mL を測定容器にとり,それぞれに緩衝液(pH5.2)10 mL を

加える(

11

)。

6)  2)∼4)の操作を行って,それぞれのふっ化物イオン標準液の電位を測定する(

18

)

 (

19

)。

7)  横軸にふっ化物イオンの濃度の対数を,縦軸に電位をとり,ふっ化物イオンの濃度(mg/L)と電位

との関係線を作成する(

18

)。

注(

11

)  緩衝液(pH5.2)の添加によって pH5.2±0.2 に調節し,イオン強度を一定にする。

  (

12

)  指示電極(ふっ化物イオン電極)は,使用時にふっ化物イオン標準液(F

 0.1 mg/L)に浸し,

指示値が安定してから使用する。

  (

13

)  指示電極の感応膜にきずがつくと,検量線の勾配(電位勾配)が小さくなり,応答速度も遅く

なるので注意する。また,指示電極の感応膜が汚れると,応答速度が遅くなるので,エタノー

ル(95)を含ませた脱脂綿又は柔らかい紙で汚れを拭き取り,水で洗浄する。

  (

14

)  参照電極は,抵抗の小さいものを選ぶ。一般にスリーブ形又はセラミックス形を用いる。

スリーブ形は,抵抗も小さく最適であるが,スリーブを締め過ぎると抵抗が大きくなり,緩

すぎると液の流出が多くなるので,適度の締付けが必要である。

セラミックス形は抵抗の大きい製品もあるので,イオン電極用を用いる。セラミックス形は

乾燥したり,汚れると抵抗が大きくなるので注意する。

参照電極は,内部液と同じ溶液中に浸しておく。スリーブ形は,使用時にスリーブの締付け

を調節する。

  (

15

)  マグネチックスターラーを長時間使用すると,発熱して液温に変化を与えることがあるので,

液温の変化に注意する。

  (

16

)  かき混ぜ速度で電位差計の指示が不安定になる場合には,参照電極の抵抗が大きくなっている

ことが多い。


111

K 0102

:2013

かき混ぜ速度は,約 180∼200 min

1

に調節するとよい。

注(

17

)  ふっ化物イオン電極の応答時間は,液温 10∼30  ℃の場合には,ふっ化物イオンの濃度が 0.1

mg/L で約 1 分間,1 mg/L 以上では約 30 秒間である。

セルの電位が,5 分間で 0.5 mV 以上変わらなくなったら,マグネチックスターラーのスイッ

チを切る。少なくとも 15 秒間後に得られた値を記録する。

  (

18

)  ふっ化物イオン標準液(F

 1 mg/L)とふっ化物イオン標準液(F

 100 mg/L)との電位の差は,

110∼120 mV(25  ℃)の範囲に入り,ふっ化物イオンの濃度 F

0.1∼100 mg/L の間の検量線は

直線になる。

  (

19

)  次の測定を開始する前に,回転子,電極などを,次に測定する溶液ですすぐ。

測定は,濃度の薄いものから順に行う。高濃度の試料を測定した場合は,

注(

12

),(

13

)の操作を

行った後,測定を続ける。

d)  操作  操作は,次による。

1)  34.1 c)の蒸留操作で得た留出液から 100 mL を測定容器にとり,緩衝液(pH5.2)10 mL を加える(

11

)。

2)  c2)∼4)の操作を行って(

19

),検量線からふっ化物イオンの濃度を求め,試料中のふっ化物イオンの

濃度(F

 mg/L)を算出する。

備考 4.  蒸留操作を行わず,ろ過による処理で測定する場合は,3.2 に従って試料をろ過する。緩衝液

(pH5.2)

(TISAB) 25 mL を測定容器にとり,ろ過した試料 25 mL を加える。次に,d)  2)

の操作を行う。検量線は,同じ操作で作成する。

緩衝液(pH5.2)(TISAB)  JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム 58 g 及び JIS K 8355

に規定する酢酸 57 mL を,水 500 mL を入れたビーカー1 000mL に加える。溶けるまでか

き混ぜる。水酸化ナトリウム溶液(5 mol/L)

JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを

用いて調製する。

)150 mL と trans-1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸一水和物 4 g とを加

える。固形物が全て溶けるまでかき混ぜ,pH 計を用い,溶液を水酸化ナトリウム溶液(5

mol/L)で pH5.2 に調節する。

     5.  イオン濃度計の場合には,ふっ化物イオン標準液(F

 1 mg/L)と,ふっ化物イオン標準液

(F

 100 mg/L)とを用い,c2)及び 3)の操作を行って,イオン濃度計の指示値を 1 mg/L 及

び 100 mg/L になるように調節する。さらに,ふっ化物イオン標準液(F

 0.1 mg/L)とふっ

化物イオン標準液(F

 10 mg/L)とを用いてイオン濃度計の指示値を確認する。

     6.  イオン電極法では,ふっ化物イオンだけが測定できるので,あらかじめふっ素化合物を蒸留

操作で全てふっ化物イオンにしてから測定する。

主な共存物質の許容限度を濃度の最大比率で次に示す。

HCO

3

,Cl

,NO

3

,I

,Br

,HPO

4

2

10

3

SO

4

2

10

4

水酸化物イオン,アルミニウムイオン及び鉄(III)イオンは,いずれも測定を妨害するが,

蒸留分離によって除去されるため影響はない。

     7.

ふっ化物イオン電極による電位差滴定法  34.1 c)の蒸留操作で得た留出液から 100 mL をビ

ーカーにとり,c)  2)∼4)の操作に準じて電位を測定しながら    ∼   mol/L の硝酸ランタン

(III)溶液で滴定して滴定曲線を作図し,滴定終点を求め,ふっ化物イオンの量を算出する。

   mol/L 硝酸ランタン(III)溶液 1 mL は,F

 1.899 mg に相当する。

34.3  イオンクロマトグラフ法  試料をろ過した後,試料中のふっ化物イオンをイオンクロマトグラフ法

300

1

30

1

30

1


112

K 0102

:2013

によって定量する。この方法を用いる場合には,試料採取後直ちに試験する。直ちに行えない場合には,0

∼10  ℃の暗所に保存し,できるだけ早く試験する。この方法は,清浄な試料に適用する。溶存のふっ化物

イオン及び容易にふっ化物イオンとなる錯イオンが定量される。

備考 8.  試料に妨害物質が含まれる場合は,34.1 c)の蒸留操作を行った後に適用する。また,ハロゲ

ン化物が多量に含まれる場合は,

注(

6

)第 3 文(なお書きの部分)を除いた 34.1 c)の蒸留操作

を行った後に適用する。

蒸留操作を行った場合は,試料のふっ素化合物が定量される。

a)  試験操作などは,35.3 による。

34.4  流れ分析法  試料中のふっ素化合物を,34.1 と同様な原理で発色させる流れ分析法によって定量す

る。

定量範囲:F

 0.08∼10 mg/L,繰り返し精度:10 %以下

試験操作などは,JIS K 0170-6 による。ただし,JIS K 0170-6 の 6.3.2(ランタン-アリザリンコンプレキ

ソン発色 FIA 法)による場合は,34.1 c)の蒸留操作を行った後に適用する。

備考 9.  妨害物質,ハロゲン化物又はハロゲン化水素などが多量に含まれる試料に JIS K 0170-6 

6.3.3(蒸留・ランタン-アリザリンコンプレキソン発色 CFA 法)を適用する場合は,試料に

一定量のふっ化物イオンを添加して試験操作を行ったときに得られる指示値の増加分と,同

量のふっ化物イオンを含む検量線用標準液について同様の操作を行ったときに得られる指示

値とを比較することにより添加回収率を求め,その値が 80∼120 %の範囲にあることを確認

し,試料の分析値を添加回収率で補正する。添加回収率がこの範囲の外にある場合は適用で

きない。

35.  塩化物イオン(Cl

  塩化物イオンの定量には,硝酸銀滴定法,イオン電極法又はイオンクロマト

グラフ法を適用する。

なお,硝酸銀滴定法は,1989 年に第 1 版として発行された ISO 9297,イオンクロマトグラフ法は,1992

に第 1 版として発行された ISO 10304-1 及び 1995 年に第 1 版として発行された ISO 10304-2 との整合を図

ったものである。

備考  この試験方法の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 9297:1989,Water quality−Determination of chloride−Silver nitrate titration with chromate

indicator(Mohr's method)(MOD)

ISO 10304-1:1992 , Water quality − Determination of dissolved fluoride, chloride, nitrite,

orthophosphate, bromide, nitrate and sulfate ions, using liquid chromatography of ions−Part 1: 
Method for water with low contamination(MOD)

ISO 10304-2:1995,Water quality−Determination of dissolved anions by liquid chromatography of ions

−Part 2: Determination of bromide, chloride, nitrate, nitrite, orthophosphate and sulfate in waste

water(MOD)

35.1  硝酸銀滴定法  試料の pH を約 7 に調節し,2',7'-ジクロロフルオレセイン二ナトリウム[9-(2-カル

ボキシフェニル)-2,7-ジクロロ-6-ヒドロキシ-3H-キサンテン-3-オン二ナトリウム塩]又はウラニン(フル

オレセインナトリウム)溶液を指示薬として,硝酸銀溶液で滴定して塩化物イオンを定量する。


113

K 0102

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定量範囲:Cl

 5 mg 以上

備考 1.  臭化物イオン,よう化物イオン,シアン化物イオンなどが共存すると,塩化物イオンとして

定量される。亜硫酸イオン,チオ硫酸イオン及び硫化物イオンのいずれも妨害するが,あら

かじめ過酸化水素で酸化しておけば妨害しない。

a)  試薬  試薬は,次による。

1)  硝酸(165)  JIS K 8541 に規定する硝酸を用いて調製する。 
2)  炭酸ナトリウム溶液(50 g/L)  JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム 5 g を水に溶かして 100 mL

とする。

3)  ジクロロフルオレセインナトリウム溶液(2 g/L)  2',7'-ジクロロフルオレセイン二ナトリウム 0.2 g

を水に溶かして 100 mL とする(

1

)。

4)  デキストリン溶液  JIS K 8646 に規定するデキストリン水和物 2 g を水に溶かして 100 mL とする。

使用時に調製する。

5)  40 mmol/L 硝酸銀溶液  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 6.8 g を水に溶かして 1 L とし,着色ガラス瓶

に保存する。

標定  標定は,次による。

−  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の塩化ナトリウムをあらかじめ 600  ℃で約 1 時間加

熱し,

デシケーター中で放冷する。

NaCl 100 %に対してその 0.47 g を 1 mg の桁まではかりとり,

少量の水に溶かし,全量フラスコ 200 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

−  この 20 mL をビーカーにとり,水を加えて液量を約 50 mL とし,これにデキストリン溶液 5 mL

とジクロロフルオレセインナトリウム溶液(2 g/L)1,2 滴とを加え,静かにかき混ぜながらこ

の硝酸銀溶液で滴定する。黄緑の蛍光が消失して僅かに赤くなったときを終点とする。次の式

によって 40 mmol/L 硝酸銀溶液のファクター(f)を算出する。

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