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K 0101 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS K 0101 : 1991 は改正され,この規格に置き換えられる。

JIS K 0101 には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  補足


K 0101 : 1998

(1) 

目次

ページ

1.  適用範囲

1

2.  共通事項

1

3.  試料

3

3.1  試料の採取,試料容器,採水器及び採取操作

3

3.2  試料の取扱い

3

3.3  試料の保存処理

3

4.  試料の前処理

5

4.1  塩酸又は硝酸酸性で煮沸

5

4.2  塩酸又は硝酸による分解

5

4.3  硝酸と過塩素酸とによる分解

5

4.4  硝酸と硫酸とによる分解

6

4.5  フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光法,ICP 発光分光分析法又は ICP 質量分析法を適用する場合

の前処理

7

5.  結果の表示

7

6.  温度

7

6.1  気温

7

6.2  水温

8

7.  外観

9

8.  臭気及び臭気強度 (TON)

9

8.1  臭気

9

8.2  臭気強度 (TON)

10

9.  濁度

11

9.1  視覚濁度

11

9.2  透過光濁度

12

9.3  散乱光濁度

13

9.4  積分球濁度

15

10.  色

16

10.1  白金・コバルトによる色度

16

10.2  刺激値 Y 及び色度座標 x,y による表示

17

11.  pH

23

11.1  ガラス電極法

23

12.  電気伝導率

27

13.  酸消費量

30

13.1  酸消費量 (pH4.8)

30

13.2  酸消費量 (pH 8.3)

31


 
K 0101 : 1998  目次

(2) 

ページ

14.  アルカリ消費量

32

14.1  アルカリ消費量 (pH 8.3)

32

14.2  アルカリ消費量 (pH4.8)

34

14.3  アルカリ消費量(遊離酸)

34

15.  硬度

35

15.1  全硬度

35

15.1.1  キレート滴定法

35

15.1.2  フレーム原子吸光法

36

15.1.3  ICP 発光分光分析法

36

15.2  カルシウム硬度

36

15.2.1  キレート滴定法

36

15.2.2  フレーム原子吸光法

36

15.2.3  ICP 発光分光分析法

37

15.3  マグネシウム硬度

37

15.3.1  キレート滴定法

37

15.3.2  フレーム原子吸光法

37

15.3.3  ICP 発光分光分析法

37

16.  懸濁物質及び蒸発残留物

37

16.1  懸濁物質

37

16.2  全蒸発残留物

39

16.3  溶解性蒸発残留物

39

16.4  強熱残留物

40

16.4.1  懸濁物質の強熱残留物

40

16.4.2  全蒸発残留物の強熱残留物

40

16.4.3  溶解性蒸発残留物の強熱残留物

40

16.5  強熱減量

40

17.  100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量 (CODMn)

41

18.  二クロム酸カリウムによる酸素消費量 (CODCr)

43

19.  生物化学的酸素消費量 (BOD)

45

20.  有機体炭素 (TOC)

51

20.1  燃焼酸化-赤外線式 TOC 分析法

51

20.2  燃焼酸化-赤外線式 TOC 自動計測法

53

21.  全酸素消費量 (TOD)

54

22.  フェノール類及び p-クレゾール類

56

22.1  フェノール類

56

22.1.1  前処理

56

22.1.2  4-アミノアンチピリン吸光光度法

57

22.2  p-クレゾール類

60

22.2.1  p-ヒドラジノベンゼンスルホン酸吸光光度法

60


K 0101 : 1998  目次

(3) 

ページ

23.  界面活性剤

62

23.1  陰イオン界面活性剤

62

23.1.1  メチレンブルー吸光光度法

62

23.1.2  エチルバイオレット吸光光度法

66

23.1.3  溶媒抽出-フレーム原子吸光法

68

23.2  非イオン界面活性剤

69

23.2.1  テトラチオシアナトコバルト (II) 酸吸光光度法

69

24.  溶存酸素

72

24.1  ウインクラー法

72

24.2  ウインクラー-アジ化ナトリウム変法

75

24.3  ミラー変法

77

24.4  隔膜電極法

78

25.  全炭酸

81

25.1  塩化ストロンチウム-塩酸滴定法

81

25.2  赤外線分析法

84

26.  ヘキサン抽出物質

85

26.1  試料採取

85

26.2  抽出法

87

27.  欠番

89

28.  残留塩素

89

28.1  o-トリジン比色法

89

28.2  ジエチル-p-フェニレンジアミン (DPD) 比色法

91

28.3  よう素滴定法

93

28.4  DPD-硫酸アンモニウム鉄 (II) 滴定法

94

29.  塩素要求量

98

30.  水酸化物イオン (OH

-

)

100

31.  ふっ素化合物

100

31.1  ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法

100

31.2  イオン電極法

104

32.  塩化物イオン (Cl

-

)

106

32.1  チオシアン酸水銀 (II) 吸光光度法

106

32.2  硝酸水銀 (II) 滴定法

107

32.3  硝酸銀滴定法

108

32.4  イオン電極法

109

32.5  イオンクロマトグラフ法

111

33.  よう化物イオン (I

-

)

113

33.1  よう素抽出吸光光度法

114

33.2  よう素滴定法

115

34.  臭化物イオン (Br

-

)

116


 
K 0101 : 1998  目次

(4) 

ページ

34.1  よう素滴定法

116

34.2  イオンクロマトグラフ法

118

35.  シアン化合物

118

35.1  前処理

119

35.1.1  シアン化物

119

35.1.1.1  通気法(pH 5.0 で発生するシアン化水素)

119

35.1.1.2  加熱蒸留法(pH5.5 で酢酸亜鉛の存在下で発生するシアン化水素)

121

35.1.2  全シアン(pH 2 以下で発生するシアン化水素)

123

35.2  4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法

124

35.3  イオン電極法

126

36.  アンモニウムイオン (NH

4

)

128

36.1  前処理

128

36.1.1  凝集沈殿法

128

36.1.2  蒸留法

129

36.2  インドフェノール青吸光光度法

131

36.3  中和滴定法

132

36.4  イオン電極法

133

36.5  イオンクロマトグラフ法

135

37.  亜硝酸イオン (NO

2

-

)  及び硝酸イオン (NO

3

-

)

138

37.1  亜硝酸イオン (NO

2

-

)

138

37.1.1  ナフチルエチレンジアミン吸光光度法

138

37.1.2  イオンクロマトグラフ法

139

37.2  硝酸イオン (NO

3

-

)

140

37.2.1  還元蒸留-インドフェノール青吸光光度法

140

37.2.2  還元蒸留-中和滴定法

142

37.2.3  銅・カドミウムカラム還元−ナフチルエチレンジアミン吸光光度法

143

37.2.4  ブルシン吸光光度法

146

37.2.5  イオンクロマトグラフ法

147

38.  有機体窒素

148

38.1  前処理(ケルダール法)

148

38.2  インドフェノール青吸光光度法

149

38.3  中和滴定法

150

39.  全窒素

151

39.1  総和法

151

39.2  紫外線吸光光度法

152

39.3  硫酸ヒドラジニウム還元法

154

39.4  銅・カドミウムカラム還元法

156

39.5  熱分解法

158

40.  硫化物イオン (S

2-

)

159


K 0101 : 1998  目次

(5) 

ページ

40.1  メチレンブルー吸光光度法

159

40.2  よう素滴定法

161

41.  亜硫酸イオン (SO

3

2-

)

164

41.1  よう素滴定法

164

42.  硫酸イオン (SO

4

2-

)

166

42.1  クロム酸バリウム−ジフェニルカルバジド吸光光度法

166

42.2  クロム酸バリウム吸光光度法

168

42.3  重量法

169

42.4  イオンクロマトグラフ法

170

43.  りん化合物及び全りん

171

43.1  りん酸イオン (PO

4

3-

)

171

43.1.1  モリブデン青(アスコルビン酸還元)吸光光度法

171

43.1.2  モリブデン青[塩化すず (II) 還元]吸光光度法

173

43.2  加水分解性りん

175

43.3  全りん

176

43.3.1  ペルオキソ二硫酸カリウム分解法

176

43.3.2  硝酸−過塩素酸分解法

179

43.3.3  硝酸-硫酸分解法

180

44.  シリカ (SiO

2

)

181

44.1  イオン状シリカ

181

44.1.1  モリブデン黄吸光光度法

181

44.1.2  モリブデン青吸光光度法

182

44.1.3  モリブデン青抽出吸光光度法

183

44.2  溶存及びコロイド状シリカ

184

44.3  全シリカ

185

44.3.1  炭酸ナトリウムによる融解

185

44.3.2  重量法

186

45.  ほう素 (B)

187

45.1  メチレンブルー吸光光度法

187

45.2  アゾメチン H 吸光光度法

188

45.3  ICP 発光分光分析法

189

46.  ひ素 (As)

190

46.1  ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法

190

46.2  水素化物発生原子吸光法

194

46.3  水素化物発生 ICP 発光分光分析法

197

47.  ナトリウム (Na)

198

47.1  フレーム光度法

198

47.2  フレーム原子吸光法

199

47.3  イオン電極法

199


 
K 0101 : 1998  目次

(6) 

ページ

47.4  イオンクロマトグラフ法

201

48.  カリウム (K)

202

48.1  フレーム光度法

202

48.2  フレーム原子吸光法

203

48.3  イオンクロマトグラフ法

203

49.  カルシウム (Ca)

204

49.1  キレート滴定法

204

49.2  フレーム原子吸光法

205

49.3  ICP 発光分光分析法

206

50.  マグネシウム (Mg)

207

50.1  キレート滴定法

207

50.2  フレーム原子吸光法

208

50.3  ICP 発光分光分析法

209

51.  銅 (Cu)

210

51.1  ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法

210

51.2  フレーム原子吸光法

212

51.3  電気加熱原子吸光法

213

51.4  ICP 発光分光分析法

214

51.5  ICP 質量分析法

216

52.  亜鉛 (Zn)

218

52.1  フレーム原子吸光法

218

52.2  電気加熱原子吸光法

219

52.3  ICP 発光分光分析法

220

52.4  ICP 質量分析法

221

53.  カドミウム (Cd)

222

53.1  フレーム原子吸光法

222

53.2  電気加熱原子吸光法

224

53.3  ICP 発光分光分析法

225

53.4  ICP 質量分析法

226

54.  ニッケル (Ni)

227

54.1  ジメチルグリオキシム吸光光度法

227

54.2  フレーム原子吸光法

229

54.3  ICP 発光分光分析法

230

55.  すず (Sn)

231

55.1  フェニルフルオロン吸光光度法

231

55.2  ケルセチン吸光光度法

233

55.3  ICP 発光分光分析法

234

56.  鉛 (Pb)

235

56.1  フレーム原子吸光法

235


K 0101 : 1998  目次

(7) 

ページ

56.2  電気加熱原子吸光法

236

56.3  ICP 発光分光分析法

237

56.4  ICP 質量分析法

238

57.  水銀 (Hg)

239

57.1  還元気化原子吸光法

239

57.2  加熱気化原子吸光法

243

58.  マンガン (Mn)

245

58.1  過よう素酸吸光光度法

245

58.2  フレーム原子吸光法

246

58.3  電気加熱原子吸光法

247

58.4  ICP 発光分光分析法

248

58.5  ICP 質量分析法

249

59.  アルミニウム (Al)

251

59.1  キノリノール吸光光度法

251

59.2  フレーム原子吸光法

253

59.3  電気加熱原子吸光法

254

59.4  ICP 発光分光分析法

255

60.  鉄 (Fe)

256

60.1  フェナントロリン吸光光度法

256

60.2  フレーム原子吸光法

258

60.3  電気加熱原子吸光法

259

60.4  ICP 発光分光分析法

260

61.  クロム (Cr)

261

61.1  全クロム

261

61.1.1  ジフェニルカルバジド吸光光度法

262

61.1.2  フレーム原子吸光法

264

61.1.3  電気加熱原子吸光法

265

61.1.4  ICP 発光分光分析法

266

61.1.5  ICP 質量分析法

267

61.2  クロム  (VI) [Cr (VI)]

268

61.2.1  ジフェニルカルバジド吸光光度法

268

61.2.2  フレーム原子吸光法

269

61.2.3  電気加熱原子吸光法

269

61.2.4  ICP 発光分光分析法

270

61.2.5  ICP 質量分析法

270

62.  バナジウム (V)

271

62.1  N-ベンゾイル-N-フェニルヒドロキシルアミン吸光光度法

271

62.2  フレーム原子吸光法

272

62.3  電気加熱原子吸光法

273


 
K 0101 : 1998  目次

(8) 

ページ

62.4  ICP 発光分光分析法

274

63.  細菌試験

275

63.1  試料の採取及び細菌の捕集

275

63.2  一般細菌

276

63.3  従属栄養細菌

278

63.4  大腸菌群

280

63.5  ふん便性大腸菌群

282

64.  生物試験

283

64.1  生物試験

283

64.2  細菌類

285

64.3  藻類

289

64.4  動物

289

附属書(参考)  補足

291

I.  透視度

291

II.  アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量 (COD

OH

)

292

III.  陽イオン界面活性剤

294

IV.  油類

296

V.  炭化水素及び動植物油脂類

297

VI.  よう化物イオンのイオン電極法

299

VII.  臭化物イオンのイオン電極法

301

VIII.  硝酸イオンのイオン電極法

302

IX.  硫化物イオンのイオン電極法

304

X.  硫酸イオンの硫酸バリウム比濁法

306

付表 1  引用規格

307


日本工業規格

JIS

 K

0101

 : 1998

工業用水試験方法

Testing methods for industrial water

1.  適用範囲  この規格は,工業用水の試験方法について規定する。

備考  この規格の引用規格を付表 に示す。

2.  共通事項  共通事項は,次のとおりとする。 
(1)  通則  化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050 による。 
(2)  定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0102JIS K 0211 又は JIS K 0215 による。

また,誘導結合プラズマ質量分析法は,以下,ICP 質量分析法という。

(3)  ガスクロマトグラフ法  ガスクロマトグラフ法に共通する一般事項は,JIS K 0114 による。 
(4)  吸光光度法  吸光光度法に共通する一般事項は,JIS K 0115 による。 
(5)  誘導結合プラズマ発光分光分析法  誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下,ICP 発光分光分析法と

いう。

)に共通する一般事項は,JIS K 0116 による。

(6)  赤外分光法  赤外分光法に共通する一般事項は,JIS K 0117 による。 
(7)  原子吸光法  原子吸光法には,フレーム原子吸光法,電気加熱方式原子吸光法(以下,電気加熱原子

吸光法という。

)及びその他の原子吸光法がある。これらに共通する一般事項は,JIS K 0121 による。

(8)  イオン電極法  イオン電極法に共通する一般事項は,JIS K 0122 による。 
(9)  イオンクロマトグラフ法  イオンクロマトグラフ法に共通する一般事項は,JIS K 0127 による。 
(10) 定量範囲  それぞれの試験方法に示してある定量範囲は,最終溶液中の質量(mg,

µg 又は ng)で示

す。ただし,原子吸光法,フレーム光度法,ICP 発光分光分析法,ICP 質量分析法,イオンクロマト

グラフ法,イオン電極法,有機体炭素 (TOC) ,全酸素消費量 (TOD) ,溶存酸素及び残留塩素の試験

方法においては,最終溶液中の濃度(mg/又は

µg/l)で示す。

(11)  繰返し分析精度  繰返し分析精度は,標準液についてそれぞれの試験方法の定量範囲内で,繰り返し

試験によって求めた変動係数 (%) で示す(

1

)

(

1

)  変動係数(%)

100

×

x

σ

ここに,

σ

標準偏差

: 平均値

(12)

水  この規格で用いる水は,JIS K 0557 に規定する A1A4 の水とするが,項目中で規定されている

場合には,それに従う。

(a)

溶存酸素を含まない水  使用時に JIS K 0557 に規定する A2A3 の水をフラスコに入れ,約

5

分間

煮沸して溶存酸素を除去した後,

図 2.1 のようにアルカリ性ピロガロール溶液(

2

)を入れたガス洗浄

瓶を連結して,空気中の酸素と遮断して放冷する。又は煮沸する代わりに JIS K 1107 に規定する高



K 0101 : 1998

純度窒素

2

級を約

15

分間通気して溶存酸素を除去してもよい。

図 2.1  溶存酸素を含まない水の冷却,保存の一例

(b)

炭酸を含まない水  JIS K 0557 に規定する A2A3 の水をフラスコに入れ,約

5

分間沸騰させて溶

存気体及び炭酸を除去した後,

図 2.1 と同様の装置を用い,ガス洗浄瓶に水酸化カリウム溶液

(250g/

l

)

を入れ,空気中の二酸化炭素を遮断して放冷する。

(

2

)

JIS K 8780に規定するピロガロール(

1, 2, 3

‐ベンゼントリオール)

6g

を水

50ml

に溶かし,着

色瓶に保存する。別に,JIS K 8574に規定する水酸化カリウム

30g

を水

50ml

に溶かす。使用時

に両液を混合する。この溶液

1ml

は,酸素約

12ml

(約

17mg

)を吸収する。

(13)

試薬

(a)

試薬は,品目指定されている場合には,JIS マーク表示品の最上級品質のものを用い,JIS マーク表

示品がない場合には,試験に支障のないものを用いる(

3

)

滴定液類の標定には,JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質を用いる。

(b)

試薬類の溶液の濃度は,特に断らない限り質量濃度は

g/

又は

mg/

l,モル濃度は

mol/

又は

mmol/

l

で示す。

なお,化合物については無水物としての質量を用いる。

標準液の濃度は,イオン電極法及びフレーム光度法以外は,

1ml

中の質量(

mg/ml

又は

µg/ml

)で

表す。

(c)

試薬類の溶液名称の後に括弧で示されている濃度は,標準液以外は概略の濃度であることを意味す

る。例えば,水酸化ナトリウム溶液

 (0.1mol/

l

)

は約

0.1mol/

の水酸化ナトリウム溶液であることを

示す。

また,溶液名の前に示される濃度は,正確な濃度を意味する。ただし,一般には,端数のない数

値で示し,別にファクターを求めておく。

(d)

試薬類の調製に用いる水は,(12)の水とするが,それぞれの項目中で規定されている場合には,そ

れに従う。

(e)

標準液を薄めて低濃度の標準液を調製する場合には,特に断らない限り

10ml

以上の全量ピペット

でとる。

(f)

試薬類の名称は,特に断らない限り国際純正及び応用化学連合

 (IUPAC)

の無機化学命名法及び有

機化学命名法によった社団法人日本化学会が定めた化合物命名法及び JIS 試薬の名称に整合させる。

(g)

試薬類及び廃液などの取扱いについては,関係法令規則などに従い十分に注意する。

(

3

)

電気加熱原子吸光法,

ICP

質量分析法など,ごく微量の試験には,特に高純度の試薬を用いる。

(14)

器具類  この規格で用いるガラス器具類,磁器るつぼ,磁器蒸発皿及びろ紙は,次のとおりとする。


3

K 0101 : 1998

(a)

ガラス器具は,特に断らない限り JIS R 3503,及び JIS R 3505 に規定するものを使用する。ただし,

特殊な器具を必要とする場合には,それぞれの項目に,その一例を図示又は説明する。

また,加熱操作を伴う場合には,JIS R 3503 に規定するほうけい酸ガラス

-1

を用いる。

デシケーターに用いる乾燥剤は,特に断らない限りシリカゲル(

4

)とする。

(b)

磁器るつぼ及び磁器蒸発皿は,JIS R 1301 及び JIS R 1302 に規定するものを使用する。

(c)

ろ紙は,JIS P 3801 に規定する定量分析用を使用する。ただし,ろ紙の種類は,それぞれの項目で

規定する。

(

4

)

JIS Z 0701に規定する包装用シリカゲル乾燥剤

A

1

種を用いる。

備考

シリカ,ほう素,ナトリウム,カリウム,ひ素,亜鉛などを試験する場合には,ほうけい酸ガ

ラスからのこれらの成分の溶出に十分に注意する。

(15)

吸光度の測定(吸光光度法)  吸収セルについて特に記載がない場合には,光路長が

10mm

のものを

用いる。

(16)

検量線[吸光光度法,原子吸光法,フレーム光度法,ICP 発光分光分析法,ICP 質量分析法,イオン

クロマトグラフ法,イオン電極法,有機体炭素 (TOC) ,全酸素消費量 (TOD) ]  検量線の作成に

当たっては,試験方法に示される定量範囲内を

4

6

段階に分け,これに一致するように標準液をとる。

検量線は定量範囲内について作成する。

原子吸光法,フレーム光度法,

ICP

発光分光分析法,

ICP

質量分析法,イオンクロマトグラフ法,

イオン電極法,有機体炭素

 (TOC)

及び全酸素消費量

 (TOD)

の試験においては,試験に際して新たに

作成した検量線を用い,同一項目を多数の試料について連続して試験する場合には,試験の途中にお

いて,適宜,標準液を用いて指示値の確認を行う。

吸光光度法においては,あらかじめ作成した検量線を用いることができる。

(17)

注,備考,図,表及び式  注,備考,図,表及び式は,各項目ごとに一連番号を付ける。

3.

試料

3.1

試料の採取,試料容器,採水器及び採取操作  試料とは試験を行うために採取した水をいう。試料

の採取,試料容器,採水器及び採取操作は,JIS K 0094 に従う。

3.2

試料の取扱い  試験は,特に断らない限り試料中に含まれる全量について行う。このため,試料に

懸濁物がある場合には,十分に振り混ぜて均一にした後,試料を採取して試験に用いる。ただし,陰イオ

ンの試験では,特に断らない限りろ過した試料を用いる。全量を求める場合には,それぞれの項目で規定

する。

その他,溶存状態のものだけを試験する場合には,試料採取後,直ちにろ紙

5

C

(

1

)でろ過し,初めの

ろ液約

50ml

を捨て,その後のろ液を試料とする。

(

1

)

ろ紙

6

種又は孔径

1

µm

以下のろ過材を用いてもよい。

3.3

試料の保存処理  試験は,特に断らない限り試料採取後直ちに行う。直ちに試験ができずに保存す

る場合は,JIS K 0094 の 7.(試料の保存処理)に従って,次のように行い,なるべく早く試験する。冷所

に保存する場合には,凍結させないようにする。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

(b)

塩酸(ひ素分析用)  JIS K 8180 に規定するもの。

(c)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。



K 0101 : 1998

(d)

硫酸  JIS K 8951 に規定するもの。

(e)

りん酸  JIS K 9005 に規定するもの。

(f)

L ()  ‐アスコルビン酸  JIS K 9502 に規定するもの。

(g)

水酸化ナトリウム溶液 (200g/l)

JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム

20g

を水に溶かして

100ml

とする。

(h)

塩基性炭酸亜鉛懸濁液  JIS K 8953 に規定する硫酸亜鉛七水和物

20g

を水に溶かし,これと等体積

の炭酸ナトリウム溶液

 (100g/

l

)

と混合する。使用時に調製する。

(i)

硫酸銅 (II) 五水和物  JIS K 8983 に規定するもの。

(j)

クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。

(2)

保存処理  保存処理は,次のとおり行う。

(a)

 100

℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量

 (COD

Mn

)

,二クロム酸カリウムによる酸素

消費量

 (COD

Cr

)

,生物化学的酸素消費量

 (BOD)

,有機体炭素

 (TOC)

,全酸素消費量

 (TOD)

び界面活性剤の試験に用いる試料は,

0

10

℃の暗所に保存する。

(b)

アンモニウムイオン,有機体窒素及び全窒素の試験に用いる試料は,塩酸又は硫酸を加え,

pH

2

3

に調節し,

0

10

℃の暗所に保存する。短い日数であれば,保存処理を行わずそのままの状態で

0

10

℃の暗所に保存してもよい。

(c)

亜硝酸イオン及び硝酸イオンの試験に用いる試料は,試料

1

につきクロロホルム約

5ml

を加えて

0

10

℃の暗所に保存する。短い日数であれば,保存処理を行わずそのままの状態で

0

10

℃の暗所

に保存してもよい。

(d)

よう化物イオン,臭化物イオンの試験に用いる試料は,水酸化ナトリウム溶液

 (200g/

l

)

を加えて

pH

を約

10

にして保存する(試料

1

につき水酸化ナトリウム

2

4

粒を加えてもよい。

(e)

シアン化合物及び硫化物イオンの試験に用いる試料は,水酸化ナトリウム溶液

 (200g/

l

)

を加えて

pH

を約

12

にして保存する(試料

1

につき水酸化ナトリウム

4

6

粒を加えてもよい。

。シアン化

合物の試験に用いる試料で,残留塩素など酸化性物質が共存する場合は,

L (

) -

アスコルビン酸を

加えて還元した後,

pH

を約

12

とする。

また,硫化物イオンの場合には,試料を溶存酸素測定瓶に採取し,塩基性炭酸亜鉛懸濁液を試料

100ml

につき約

2ml

を加え,硫化亜鉛として固定し保存してもよい。

(f)

フェノール類の試験に用いる試料は,りん酸を加えて

pH

を約

4

にし,試料

1

当たり硫酸銅

 (II)

水和物

1g

を加えて振り混ぜ,

0

10

℃の暗所に保存する。

(g)

りん化合物及び全りんの試験に用いる試料は,そのままの状態で試料

1

につきクロロホルム約

5ml

を加えて

0

10

℃の暗所に保存する。この場合,短い日数であれば,保存処理を行わずにそのまま

の状態で

0

10

℃の暗所に保存してもよい。ただし,溶存りん化合物の試験に用いる試料は,3.2 

よってろ過した後,試料

1

につきクロロホルム約

5ml

を加えて

0

10

℃の暗所に保存する。この場

合,短い日数であれば,保存処理を行わずそのままの状態で

0

10

℃の暗所に保存してもよい。

全りんの試験に用いる試料は,硫酸又は硝酸を加えて

pH

を約

2

にして保存してもよい。

(h)

銅,亜鉛,鉛,カドミウム,マンガン,鉄,アルミニウム,ニッケル,コバルト,ひ素,すず,全

クロム,水銀,バナジウムなどの金属元素の試験に用いる試料は,硝酸を加えて

pH

を約

1

にして

保存する。

ひ素の試験に用いる試料で,有機物や多量の硝酸塩,亜硝酸塩を含まず,試験に際して硫酸と硝

酸又は硝酸と過マンガン酸カリウムによる処理を行わない場合には,塩酸(ひ素分析用)を加えて


5

K 0101 : 1998

pH

を約

1

にして保存する。

クロム

 (VI)

の試験に用いる試料は,そのままの状態で

0

10

℃の暗所に保存する。

溶存状態の金属元素の試験に用いる試料は,3.2 によって試料をろ過した後,硝酸を加えて

pH

1

にして保存する。

4.

試料の前処理  試料の前処理操作は,各試験項目で規定するが,金属元素の試験における前処理操作

は,金属元素の種類に関係なく共通するものがほとんどであるため,一括して以下に規定する。ただし,

金属元素のうちナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム,ひ素,クロム

 (VI)

,水銀などの試

験の前処理は,それぞれの試験項目において規定する。

金属元素試験での前処理は,主として共存する有機物,懸濁物及び金属錯体の分解を目的としている。

前処理には,試料に各種の酸を加えて加熱する方法を用いるが,試料の状態や試験の種類によって適当

な方法を選択する。

4.1

塩酸又は硝酸酸性で煮沸  この方法は,有機物や懸濁物が極めて少ない試料に適用する。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

(b)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料(

1

)

100ml

につき塩酸

5ml

又は硝酸

5ml

を加える。

(b)

加熱して約

10

分間静かに沸騰させる。

(c)

放冷後,必要に応じて水で一定量にする。

(

1

)

溶存状態の金属元素を試験する場合には,3.2によってろ過した試料を用いる。

4.2

塩酸又は硝酸による分解  この方法は,有機物が少なく,懸濁物として水酸化物,酸化物,硫化物,

りん酸塩などを含む試料に適用する。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

(b)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料(

2

)をよく振り混ぜた後,直ちにその適量をビーカーにとり,試料

100ml

につき塩酸

5ml

又は硝

5ml

を加える。

(b)

加熱して液量が約

15ml

になるまで濃縮する。

(c)

不溶解物が残った場合には,ろ紙

5

B

でろ過した後,水でよく洗浄する。

(d)

放冷後,ろ液と洗液を適当な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

(

2

)

溶存状態の金属元素を試験する場合には,3.2に従ってろ過した試料を用い,4.1の方法を用いる。

備考

塩酸と硝酸の混酸による分解が有利な試料の場合には,(b)までの操作を行った後,室温まで放

冷する。(a)で塩酸を使用したときは硝酸

5ml

を,硝酸を使用したときは塩酸

5ml

を加え,時計

皿で覆い再び加熱し,激しい反応が終わったら時計皿を取り除き,更に加熱して窒素酸化物を

追い出し,約

5ml

になるまで濃縮する。この操作で酸が不足している場合は,適量の塩酸及び

硝酸を加えて同じ操作で加熱し溶解する。不溶解物が残った場合は,温水

15ml

を加え,(c)

(d)の操作を行う。

4.3

硝酸と過塩素酸とによる分解  この方法は,酸化されにくい有機物を含む試料に適用する。



K 0101 : 1998

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

過塩素酸  JIS K 8223 に規定するもの。

(b)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料(

2

)をよく振り混ぜ,直ちにその適量をビーカー又は磁器蒸発皿にとる。

(b)

硝酸

5

10ml

を加え,加熱板上で静かに加熱して約

10ml

(

3

)になるまで濃縮し,放冷する。

(c)

硝酸

5ml

を加え,過塩素酸(

4

)

10ml

を少量ずつ加え,加熱を続け,過塩素酸の白煙が発生し始めたら,

時計皿で容器を覆い,過塩素酸が器壁を流下する状態に保って有機物を分解する。

(d)

有機物が分解しないで残ったときは,更に,硝酸

5ml

を加えて(c)の操作を繰り返し,有機物を分解

する。

(e)

放冷後,水を加えて液量を約

50ml

に薄め,不溶解物が残った場合には,ろ紙

5

B

を用いてろ過

し,水で洗い,ろ液と洗液を適当な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

(

3

)

ケルダールフラスコに移して分解してもよい。

(

4

)

過塩素酸を用いる加熱分解操作は,試料の種類によっては爆発の危険性があるため,次のこと

に注意する。

i)

酸化されやすい有機物は,過塩素酸を加える前に,(b)の硝酸を加え,加熱する操作によって

十分に分解しておく。

ii)

過塩素酸の添加は,必ず濃縮液を放冷した後に行う。

iii)

必ず過塩素酸と硝酸を共存させた状態で加熱分解を行う。

iv)

濃縮液を乾固させない。

4.4

硝酸と硫酸とによる分解  この方法は,多種類の試料に適用(

5

)することができる。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

(b)

硫酸 (11)    水

1

容をビーカーにとり,これを冷却し,かき混ぜながら JIS K 8951 に規定する硫

1

容を徐々に加える。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料(

2

)をよく振り混ぜ,直ちにその適量をビーカー又は磁器蒸発皿にとり,硝酸

5

10ml

を加える。

(b)

加熱して,液量が約

10ml

(

3

)になったら,再び硝酸

5ml

と硫酸

 (1

1) 10ml

とを加え,硫酸の白煙が

発生し,有機物が分解するまで加熱する。

(c)

有機物の分解が困難なときは,更に,硝酸

10ml

を加えて(b)の操作を繰り返し,有機物を分解する。

(d)

放冷後,水で液量を約

50ml

に薄める。不溶解物(

6

)が残った場合には,ろ紙

5

B

を用いてろ過し,

水で洗い,ろ液と洗液を適当な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

(

5

)

水溶液をそのまま噴霧するフレーム原子吸光法を適用する場合には,好ましくない。

(

6

)

鉛が含まれていて沈殿を生じる場合には,4.3 又は次の操作を行う。

(b)の操作を行って溶液をほとんど蒸発乾固し,水約

30ml

と塩酸

15ml

とを加えて加熱して溶

かす。不溶解物がある場合には,ろ紙

5

B

を用いてろ過した後,温塩酸

 (1

10)

で洗浄する。

放冷後,ろ液と洗液を適当な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。


7

K 0101 : 1998

4.5

フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光法,ICP 発光分光分析法又は ICP 質量分析法を適用する場

合の前処理  試料に含まれている有機物及び懸濁物の量,その存在状態及び適用しようとする原子吸光法,

ICP

発光分光分析法又は

ICP

質量分析法などの方法を十分に考慮して 4.14.4 に示した方法のうち最適な

ものを選択して前処理する(

7

)(

8

)

調製した試料をそのまま噴霧するフレーム原子吸光法又は

ICP

発光分光分析法を適用する場合には,特

に断らない限り試料は塩酸又は硝酸酸性(

9

),電気加熱原子吸光法又は

ICP

質量分析法を適用する場合には,

硝酸酸性とし,適当な濃度(

10

)に調節する。

(

7

)

フレーム原子吸光法又は

ICP

発光分光分析法に先立って溶媒抽出法を適用する場合の前処理は,

原則として各項目のとおりとし,妨害する可能性のある有機物その他の妨害物質を十分に分解

する。

試料をそのまま噴霧するフレーム原子吸光法又は

ICP

発光分光分析法を行う場合には,次の

ように前処理を行ってもよい。

有機物及び懸濁物が極めて少ない試料の場合は,4.1 の操作を行う。有機物及び懸濁物を含む

試料の一般的な前処理法としては,4.3 又は 4.4 を適用する。この場合,白煙を十分に発生させ

て大部分の硫酸及び過塩素酸を除去しておく。

ICP

質量分析法の場合は,

酸の種類と濃度によって空試験値が無視できないことがあるので,

測定する元素についてあらかじめ酸の種類と濃度の影響について調べておく。

いずれの前処理方法を適用するかは,試料に一定量の目的成分を添加して回収試験を行い,

その結果に基づいて判断するとよい。

(

8

)

2.の注(

3

)による。高純度の試薬には,JIS K 9901 に規定する高純度試薬‐硝酸,JIS K 9902 

規定する高純度試薬‐塩酸,JIS K 9904 に規定する高純度試薬

-

過塩素酸,JIS K 9905 に規定す

る高純度試薬‐硫酸などがある。

(

9

)

 ICP

発光分光分析法の場合,

硫酸酸性では試料導入量が少なく感度が悪くなることがあるから,

4.4 の適用は止むを得ない場合だけとする。

(

10

)

フレーム原子吸光法及び電気加熱原子吸光法の場合には,

0.1

1mol/

l

ICP

発光分光分析法にお

いては,すず

 (Sn)

を対象としない場合には,

0.1

0.5mol/

とする。すず

 (Sn)

を対象とする場

合には,

1

1.5mol/

とする。また,

ICP

質量分析法の場合には,

0.1

0.5mol/

とする。ただし,

いずれの場合も検量線作成時の場合とほぼ同じ濃度とする。

5.

結果の表示  試験方法が二つ以上ある場合には,試験方法を付記する。

6.

温度  気温と水温に分け,試料採取時に測定する。

6.1

気温  気温は,次によって測定する。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の

50

度温度計。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

温度計を採水現場において直射日光及び周囲の強い熱放射を避けた風通しのよい場所で,地上

1.2

1.5m

の位置に保ち,感温液の止まるときの目盛を読み取る。

備考1.

測定期間内の最高と最低の温度の測定には,最高最低温度計(

6.1参照)を使用する。



K 0101 : 1998

図 6.1  最高最低温度計の一例

6.2

水温  水温は,次によって測定する。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の

50

度温度計又は

100

度温度計

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

温度計を現場の水に直接差し入れるか,採取直後の試料(

1

)の中に差し入れて感温液の止まる目盛付

近まで浸没した状態に保ち,感温液の止まるときの目盛を読み取る。

(

1

)

容器及び外気の温度の影響を避けるため,多量の試料を採取する。

備考2.

ペッテンコーヘル水温計(

6.2参照)を用いる場合には,金属筒内に試料を

3

回入れ替えた

後,試料を満たし,感温液の止まるときの目盛を読み取る。

3.

サーミスタ温度計及び金属抵抗温度計は,温度検出部を測定する水中に保ち,指示部の指針

が一定したときの目盛を読み取る。

図 6.2  ペッテンコーヘル水温計


9

K 0101 : 1998

7.

外観  外観は,採取直後の試料について観察する。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

ビーカー

300

500ml

(無色のもの)

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

採水直後の試料をビーカーにとり,次の事項について肉眼で観察する。

i)

試料全体の色の種類と程度

ii)

上澄み液の色の種類と程度

iii)

浮上物質,懸濁物などの色の種類と量の程度

iv)

油類,タール類などの状態と程度

v)

その他,試料の泡立ち及び臭気など特異な状態

8.

臭気及び臭気強度 (TON)   臭気の試験は,臭気と臭気強度

 (TON)

(

1

)とに区分する。

水の臭気は,細菌,藻類,微生物などの繁殖及び死滅,都市下水,畜舎排水,工場排水の混入,貯水槽

及び配管系統の内面処理物質の溶出,塩素処理による残留塩素などの影響による。

臭気の試験は,きゅう覚によるので,個人差が大きく,さらに,温度及び湿度,測定者の食事及び喫煙

などにも影響される。

(

1

)

 TON

は,

Threshold odor number

の略称で,臭気いき(閾)値の希釈倍数,すなわち,明らかに

臭気を感じるときの希釈の倍数値である。

8.1

臭気  試料を約

40

℃に温め,臭気の種類とその程度を試験する。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

共栓三角フラスコ

300ml

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料

200ml

を共栓三角フラスコにとり,軽く栓をして約

40

℃に温める。

(b)

共栓三角フラスコを揺り動かしながら栓をとり,直ちに臭気の有無及び臭気の種類とその程度を試

験する。

(c)

臭気の表示は

表 8.1 に倣い,試料の臭気の種類と程度を,概略の理解ができるように表示する。

表 8.1  臭気の分類と種類の一例

臭気の大分類

臭気の種類

(1)  芳香性臭気

メロン臭,すみれ臭,にんにく臭,きゅうり臭,芳香臭,薬味臭など

(2)  植物性臭気

藻臭,青草臭,木材臭,海藻臭など

(3)  土臭,かび臭

土臭,沼沢臭,かび臭など

(4)  魚貝臭

魚臭,肝油臭,はまぐり臭など

(5)  薬品性臭気

フェノール臭,タール臭,油臭,油脂臭,パラフィン臭,塩素臭,硫化

水素臭,クロロフェノール臭,薬局臭,薬品臭など

(6)  金属性臭気

かなけ臭,金属臭など

(7)  腐敗性臭気

ちゅうかい(厨芥)臭,下水臭,豚小屋臭,腐敗臭など

(8)  不快臭

魚臭,豚小屋臭,腐敗臭などが強烈になった不快なにおい

備考1.  きゅう覚の個人差を少なくするため,同一試料を数人で試験するとよい。

2.  試料採取時に試料を温めずにその臭気を試験し,記録しておくとよい(これを冷

時臭という。


10 
K 0101 : 1998

8.2

臭気強度 (TON)   臭気の強さを表すもので,約

40

℃に保った水に試料を加え,明らかに臭気を感

じるときの希釈の倍数値[臭気いき(閾)値の希釈倍数]で表す。きゅう覚の個人差を少なくするため,

同一試料について少なくとも

5

人,できれば

10

人程度で試験する。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

臭気のない水  図 8.1 に示すような装置に JIS K 0557 に規定する A3 の水を

5

ll

活性炭・

h

)で通

す。

図 8.1  臭気のない水の作り方の一例

(2)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

共栓三角フラスコ

300ml

(b)

足長ビュレット

50ml

(c)

水浴  温度調節器の付いたもの。

(3)

予備試験  予備試験は,次のとおり行う。

(a)

試料

200

40

10

4ml

をそれぞれ共栓三角フラスコにとり,臭気のない水を加えて

200ml

とし,

予備試験の試料とする。

(b)

別に,対照水として臭気のない水

200ml

を共栓三角フラスコにとる。

(c)

予備試験の試料と対照水とを水浴上で

40

50

℃に温めた後,対照水を振り混ぜ,開栓と同時に発生

するにおいをかぐ。

(d)

次に,試料の量の少ないほうから同様に操作して予備試験の試料のにおいを対照水と比較し,にお

いが感じられる最少の試料の量

 (ml)

を求める。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

(3)(d)で求めた試料の量から表 8.2 によって試験に用いる試料の量を縦系列に示す

ml

数として求め

る。

(b)

(a)で求めた試料の各量をそれぞれ別の共栓三角フラスコにとり,臭気のない水を加えて

200ml

とし,

これを本試験の試料とする。

(c)

次に,(3)(b)(d)と同様に操作してにおいを感知できる最少の試料の

ml

数を求め,次の式によって

臭気強度

  (

TON

)

を算出する。

V

TON

200

=

ここに,

TON: 臭気強度

 (TON)


11

K 0101 : 1998

V: 希釈に用いた試料

 (ml)

表 8.2  試験に用いる試料の量

単位

ml

予備試験の試料の量 200

40

10

4

試験に用いる試料の量 200

40

10

4.0

 100

28.5

8.0

2.9

 67

20

6.7

2.0

 50

13.3

5.0

1.3

 40

10

4.0

1.0

備考3.  試料の臭気が強すぎるときは,試料を臭気のない水で10倍に薄めてから予備試験及び試験

の操作を行う。

4.  試験に用いる共栓三角フラスコは,あらかじめ,臭気のない水でよく洗浄しておく。 
5.  試験は,環境に左右されることが多いから,においのない静かな室内で行う。 
6.  試験直前の喫煙,喫茶,食事などは避け,さらに手及び指に石けん,ローション,香水な

どのかおりがないようにする。

7.  試験を続けて行うと,4∼5 回ぐらいできゅう覚が鈍るから,15∼30 分間程度休憩する。 
8.  臭気度  (pO)  を求める場合には,次の式による。

TON

TON

pO

log

32

.

3

log

2

log

1

×

=

×

=

9.

  濁度  水の濁りの程度を表すもので,視覚濁度,透過光濁度,散乱光濁度及び積分球濁度に区分し表

示する。カオリン標準液と比較して測定する場合には,

“度(カオリン)

”を単位とし,ホルマジン標準液

と比較して測定する場合には,

“度(ホルマジン)

”を単位として表す。

濁度は変化しやすいので,試料採取後直ちに試験することが望ましい。

9.1

視覚濁度  試料の濁りを肉眼によってカオリン標準液と比較して求める。

測定範囲:1∼10 度(カオリン)

(1)

  試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水を孔径約 0.1

µm のろ過材を用いてろ過し,初めの約 200ml を捨

てた後のろ液。

(b)

  精製カオリン  はくとう土(カオリン)約 10g をビーカー500ml にとり,これに水 300ml と JIS K 8785

に規定する二りん酸ナトリウム十水和物 0.2g とを加え,マグネチックスターラーで約 3 分間激しく

かき混ぜる。これをメスシリンダー(有栓形)1 000ml に移し入れ,水を 1 000ml の標線まで加え,

栓をして約 1 分間激しく振り混ぜる。室温で約 1 時間静置した後,サイホンを用いて上部から 250ml

の液を捨て,次の 500ml までの液を採取する。

採取した液を約 3 000min

-1

(遠心分離器の回転部分の半径によって回転数を加減する。

)で約 20

分間遠心分離するか,又は孔径 1

µm 以下のろ過材によってろ過する。ろ別したカオリンを 105∼

110℃で約 3 時間加熱し,デシケーター中で放冷した後,広口瓶に保存する。

(c)

  カオリン標準液[1 000 度(カオリン)]  精製カオリン 1.00g をとり適量の水に分散させた後,全

量フラスコ 1 000ml に移し入れ,水約 800ml と JIS K 8872 に規定するホルムアルデヒド液約 10ml

を加えた後,水を標線まで加える。

(d)

  カオリン標準液[100 度(カオリン)]  カオリン標準液[1 000 度(カオリン)]をよく振り混ぜた

後,直ちにその 100ml を全量フラスコ 1 000ml にとり,水を標線まで加える。


12 
K 0101 : 1998

(2)

  器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

  暗箱  図 9.1 に示すような暗箱を使用すると肉眼で濁りを比較するのに便利である。電灯を暗箱の

下窓に近付けて測定すると見やすくなる。

(b)

  比色管  図 9.2 に示すように,底部から 270±1.5mm の高さに 100ml の標線の付いた共栓平底の比

色管で,ガラスに色のないもの。標線の高さのそろったもの  (±1.5mm)  を用いる。

図 9.1  暗箱の一例

図 9.2  比色管

(3)

  操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

  試料をよく振り混ぜた後,これから適量(

1

)を比色管にとり,水を 100ml の標線まで加える。

(b)

  別に,カオリン標準液[100 度(カオリン)]1∼10ml を比色管に段階的にとり,水を 100ml の標線

まで加え,比濁用カオリン標準液[1 度∼10 度(カオリン)

]を調製する。

(c)

  試料を入れた比色管及び比濁用カオリン標準液を入れた比色管をよく振り混ぜた後,直ちに暗箱に

入れ,上方から透視して濁りを比較し,試料に該当する比濁用カオリン標準液を選び出す。

(d)

  該当する比濁用カオリン標準液の濁度[度(カオリン)]から,次の式によって試料の視覚濁度[度

(カオリン)

]を算出する。

V

T

T

s

100

×

=

ここに,

T:  視覚濁度[度(カオリン)]

T

s

:  該当する比濁用カオリン標準液の濁度[度(カオリン)

V:  試料 (ml)

(

1

)

  試料の濁度が10度(カオリン)以下の場合は,そのまま100ml をとる。

9.2

透過光濁度  試料を通過した波長 660nm 付近の透過光の強度を測定し,カオリン標準液又はホルマ

ジン標準液を用いて作成した検量線から求める。

測定範囲  :  吸収セル 50mm のとき 5∼50 度(カオリン)又は 4∼80 度(ホルマジン)

,吸収セル

10mm のとき 25∼250 度(カオリン)又は 20∼400 度(ホルマジン)


13

K 0101 : 1998

(1)

  試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

  水  9.1(1)(a)による。

(b)

  カオリン標準液[100 度(カオリン)]  9.1(1)(d)による。

(c)

  ホルマジン標準液[400 度(ホルマジン)]  JIS K 8992 に規定する硫酸ヒドラジニウム 1.00g をと

り,適量の水に溶かして,全量フラスコ 100ml に移し入れ,水を標線まで加える。

別に,JIS K 8847 に規定するヘキサメチレンテトラミン 10.0g をとり,適量の水に溶かして,全

量フラスコ 100ml に移し入れ,水を標線まで加える。

この両溶液それぞれ 10ml を全量フラスコ 200ml にとり,よく振り混ぜる。液温 25±3℃で約 24

時間放置した後,水を標線まで加える。

(2)

  装置  装置は,次のとおりとする。

(a)

  光度計  分光光度計又は光電光度計

(3)

  操作  操作は,次のとおり行う。

(3.1)

  カオリン標準液を用いる場合

(a)

  試料をよく振り混ぜた後,吸収セル 50mm(

2

)にとり,波長 660nm(

3

)付近における透過光の強度を見

掛けの吸光度で測定する。

(b)

  カオリン標準液を用いて作成した検量線から試料の透過光濁度[度(カオリン)]を求める。

検量線  カオリン標準液[100 度(カオリン)]5∼50ml を全量フラスコ 100ml に段階的にとり,

水を標線まで加えて検量線用カオリン標準液[5∼50 度(カオリン)]を調製する(

4

)。以下,(a)

操作を行って検量線用カオリン標準液の透過光濁度[度(カオリン)]と吸光度との関係線を作成

する。

(

2

)

  試料の透過光濁度が25∼250[度(カオリン)]の場合は,吸収セル10mm を用いる。

(

3

)

  試料に色がある場合(特に,波長 660nm 付近に吸収があるとき)は,試料を孔径 1

µm 以下のろ

過材を用いてろ過したろ液又は遠心分離[約 3 000min

-1

(遠心分離器の回転部分の半径によって

回転数を加減する。

)で約 20 分間]した上澄み液を対照液にして,透過光の強度を吸光度で測

定する。

(

4

)

  吸収セル 10mm を用いる場合には,9.1(1)(c)のカオリン標準液[1 000 度(カオリン)]2.5∼25ml

を段階的にとり,検量線用カオリン標準液[25∼250 度(カオリン)

]を調製する。

(3.2)

  ホルマジン標準液を用いる場合

(a)

  試料をよく振り混ぜた後,(3.1)(a)の操作(

5

)を行う。

(b)

  ホルマジン標準液を用いて作成した検量線から試料の透過光濁度[度(ホルマジン)]を求める。

検量線  ホルマジン標準液[400 度(ホルマジン)]1∼20ml を全量フラスコ 100ml に段階的にと

り,水を標線まで加えて検量線用ホルマジン標準液[4∼80 度(ホルマジン)]を調製する(

6

)。以

下,(a)の操作を行って検量線用ホルマジン標準液の透過光濁度[度(ホルマジン)]と吸光度との

関係線を作成する。

(

5

)

  試料の透過光濁度が20∼400度(ホルマジン)の場合は,吸収セル10mm を用いる。

(

6

)

  吸収セル 10mm を用いる場合には,9.2(1)(c)のホルマジン標準液[400 度(ホルマジン)]5∼100ml

を段階的にとり,検量線用ホルマジン標準液[20∼400 度(ホルマジン)

]を調製する。

9.3

散乱光濁度  試料中の粒子によって散乱した光の強度を波長 660nm 付近で測定し,カオリン標準液

又はホルマジン標準液を用いて作成した検量線から求める。

測定範囲:1∼5 度(カオリン)又は 0.4∼5 度(ホルマジン)(装置によって異なる。)


14 
K 0101 : 1998

(1)

  試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

  水  9.1(1)(a)による。

(b)

  カオリン標準液[100 度(カオリン)]  9.1(1)(d)による。

(c)

  ホルマジン標準液[40 度(ホルマジン)]  9.2(1)(c)のホルマジン標準液[400 度(ホルマジン)]

10ml を全量フラスコ 100ml にとり,水を標線まで加える。

(2)

  装置  装置は,次のとおりとする。

(a)

  散乱光濁度計  図 9.3 に散乱光濁度計の一例を示す。

図 9.3  散乱光濁度計の構成例

(3)

  操作  操作は,次のとおり行う。

(3.1)

  カオリン標準液を用いる場合

(a)

  水を吸収セルにとり,散乱光濁度計の指示値(

7

)を 0 に調節し,次に,検量線用カオリン標準液[5

度(カオリン)

]を用いて散乱光濁度計の指示値(

7

)を 100%に調節する。

(b)

  試料をよく振り混ぜた後,吸収セルにとり,波長 660nm 付近における指示値(散乱光の強度)を測

定する。

(c)

  カオリン標準液を用いて作成した検量線から試料の散乱光濁度[度(カオリン)]を求める。

検量線  カオリン標準液[100 度(カオリン)]1∼5ml を全量フラスコ 100ml に段階的にとり,水

を標線まで加えて検量線用カオリン標準液[1∼5 度(カオリン)]を調製する。以下,(a)及び(b)

の操作を行って検量線用カオリン標準液の散乱光濁度[1∼5 度(カオリン)]と指示値(散乱光の

強度)との関係線を作成する。

(

7

)

  散乱光の強度は,入射光に対し90°又は270°の位置における測定が一般に行われている。

(3.2)

  ホルマジン標準液を用いる場合

(a)

  水を吸収セルにとり,散乱光濁度計の指示値(

7

)を 0 に調節し,次に,検量線用ホルマジン標準液[5

度(ホルマジン)

]を用いて散乱光濁度計の指示値(

7

)を 100%に調節する。

(b)

  試料をよく振り混ぜた後,吸収セルにとり,波長 660nm 付近における指示値(散乱光の強度)を測

定する。

(c)

  ホルマジン標準液を用いて作成した検量線から試料の散乱光濁度[度(ホルマジン)]を求める。

検量線  ホルマジン標準液[40 度(ホルマジン)]1∼12.5ml を全量フラスコ 100ml に段階的にと

り,水を標線まで加えて検量線用ホルマジン標準液[1∼5 度(ホルマジン)]を調製する。以下,

(a)及び(b)の操作を行って検量線用ホルマジン標準液の散乱光濁度[1∼5 度(ホルマジン)]と指

示値(散乱光の強度)との関係線を作成する。


15

K 0101 : 1998

9.4

積分球濁度  水中の粒子による散乱光の強度と透過光の強度との比を求め,カオリン標準液又はホ

ルマジン標準液を用いて作成した検量線から求める。

測定範囲 :吸収セル 50mm のとき 0.2∼5 度(カオリン)又は 0.2∼5 度(ホルマジン),吸収セル

10mm のとき 5∼100 度(カオリン)又は 5∼100 度(ホルマジン)

(1)

  試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

  水  9.1(1)(a)による。

(b)

  カオリン標準液[100 度(カオリン)]  9.1(1)(d)による。

(c)

  ホルマジン標準液[40 度(ホルマジン)]  9.3(1)(c)による。

(2)

  装置  装置は,次のとおりとする。

(a)

  積分球濁度計  図 9.4 に積分球濁度計の一例を示す。

図 9.4  積分球濁度計の構成例

(3)

  操作  操作は,次のとおり行う。

(3.1)

  カオリン標準液を用いる場合

(a)

  水を入れた吸収セル 50mm とトラップを光路に入れて指示値を 0 に調節する。次に,トラップに標

準白板を挿入し,指示値が 100 になるように調節する。

(b)

  次に,水を入れた吸収セル 50mm に代えて,よく振り混ぜた試料を入れた吸収セル 50mm とトラッ

プ(標準白板は入れない。

)を光路に入れて散乱光の強度 T

d

を測定する。

(c)

  続いてトラップに標準白板を挿入して,試料の全透過光の強度 T

t

を測定する。

(d)

  T

d

/T

t

×100 の値を算出し,カオリン標準液を用いて作成した検量線から,試料の積分球濁度[度(カ

オリン)

]を求める。

検量線  カオリン標準液[100 度(カオリン)]0.2∼5ml を全量フラスコ 100ml に段階的にとり,

水を標線まで加えて検量線用カオリン標準液[0.2∼5 度(カオリン)]を調製する(

8

)。以下,(a)

(d)の操作を行って検量線用カオリン標準液の積分球濁度[度(カオリン)]と T

d

/T

t

×100 の値との

関係線を作成する。

(

8

)

  吸収セル10mm を用いて測定するときは,検量線用カオリン標準液[5∼100度(カオリン)]を

調製する。

備考1.  T

d

/T

t

×100の計算を行わない方法  (a)の操作を行った後,水を入れた吸収セルに代えて試料

を入れたセルを入れ,このときの指示値が100になるように調節する。続いて標準白板を外し

て指示値を読む。検量線はカオリン標準液(又はホルマジン標準液)について同様に操作し,

横軸に積分球濁度[度(カオリン)

]〔又は[度(ホルマジン)

〕,縦軸に指示値(T

d

/T

t

×100

に相当する。

)をとって作成し,この検量線から,試料の積分球濁度を求める。


16 
K 0101 : 1998

(3.2)

  ホルマジン標準液を用いる場合

(a)

  (3.1)(a)(c)の操作を行う。

(b)

  T

d

/T

t

の値を算出し,ホルマジン標準液を用いて作成した検量線から試料の積分球濁度[度(ホルマ

ジン)

]を求める。

検量線  ホルマジン標準液[40 度(ホルマジン)]0.5∼12.5ml を全量フラスコ 100ml に段階的に

とり,水を標線まで加えて検量線用ホルマジン標準液[0.2∼5 度(ホルマジン)]を調製する(

9

)

以下,(a)の操作を行って検量線用標準液の積分球濁度[度(ホルマジン)]と T

d

/T

t

×100 の値との

関係線を作成する。

(

9

)

  吸収セル10mm を用いて測定するときは,検量線用ホルマジン標準液[5∼100度(ホルマジン)]

を調製する。

10.

  色  色の表示には,白金・コバルトによる色度又は刺激値 及び色度座標 xによる方法を用いる。

白金・コバルトによる色度は試料が淡黄色から黄褐色系統の色の場合にだけ適用する。

10.1

  白金・コバルトによる色度  白金・コバルトによる色度とは,水に溶存又はコロイド状で存在する

物質による淡黄色から黄褐色の程度を示すもので,水 1中に白金・コバルト色度標準液 1ml(白金 1mg 及

びコバルト 0.5mg)を加えたときの色を白金・コバルト色度 1 度とする。

(1)

  試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

  水  JIS K 0557 に規定する A3 の水を孔径約 0.1

µm のろ過材を用いてろ過し,初めの約 200ml を捨

てた後のろ液。

(b)

  白金・コバルト色度標準液(1 000 度)  JIS K 8163 に規定するヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム

(

1

)

2.49g と JIS K 8129 に規定する塩化コバルト (II) 六水和物 2.00g とをとり,JIS K 8180 に規定す

る塩酸 200ml 中に加え,水を加えて溶かし,全量フラスコ 1 000ml に移し入れ,水を標線まで加え

る。着色瓶に保存する。

(

1

)

  JIS K 8163に規定するヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウムの代わりに白金を用いる場合には,白

金1.00g を王水(塩酸3+硝酸1)の適量に溶かし,塩酸を過剰に加えて沸騰水浴上で蒸発乾固す

る。この操作を2,3回繰り返して硝酸を除去した後,JIS K 8129に規定する塩化コバルト (II) 六

水和物2.00g 及び JIS K 8180に規定する塩酸200ml とともに溶かして全量フラスコ1 000ml に移

し入れ,水を標線まで加える。

(2)

  器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

  暗箱  9.1(2)(a)による。

(b)

  比色管  100ml  9.1(2)(b)による。

(3)

  操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

  試料は,ろ紙 5 種 C 又は孔径 1

µm 以下のろ過材でろ過するか,又は約 3 000min

-1

(遠心分離器の回

転部分の半径によって回転数を加減する。

)で 20 分間遠心分離して濁りを除去する。

(b)

  この試料の適量を比色管 100ml にとり,水を 100ml の標線まで加える。

(c)

  白金・コバルト色度標準液(1 000 度)0.1∼2.0ml を比色管 100ml に段階的にとり,水を 100ml の標

線まで加え,栓をしてよく振り混ぜて 1∼20 度の白金・コバルト色度標準液列を調製する。

(d)

  試料及び色度標準液列を白紙上に置くか,又は暗箱に入れて上方から透視し,試料の色を白金・コ

バルト色度標準液列と比較し,該当する白金・コバルト色度標準液を求める。

(e)

  次の式によって試料の白金・コバルト色度を算出する。


17

K 0101 : 1998

V

C

C

s

100

×

=

ここに,

C:  白金・コバルト色度

C

s

:  該当する白金・コバルト色度標準液(度)

V:  試料 (ml)

10.2

  刺激値 及び色度座標 xによる表示  水を対照液として波長 400∼700nm の所定の波長における

試料についての透過パーセントを測定して,三刺激値(

2

)

XYを算出し,次に,色度座標 xを算出し,

試料の色を刺激値 及び色度座標 xによって表示する。

(

2

)

  三刺激値とは,色に対する視神経の感じ方が3種類あると考え,その3種類の視神経に対する刺

激の混合の割合によって色に対する感じ方が変わるとし,それぞれの刺激を与える波長を種類

別に XYの系列にまとめ,透過パーセントを集計して求めた値である。

(1)

  試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

  水  10.1(1)(a)による。

(2)

  装置  装置は,次のとおりとする。

(a)

  遠心分離器

(b)

  光度計  分光光度計  吸収セル 100mm を使用できるもので,波長間隔 10nm 以下で可視部全域が測

定できるものか,又はこれと同等の性能をもつ色度計。

(3)

  操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

  試料をろ紙 5 種 C 又は孔径 1

µm 以下のろ過材でろ過するか,又は約 3 000min

-1

(遠心分離器の回転

部分の半径によって回転数を加減する。

)で約 20 分間遠心分離して濁りを除去する。

(b)

  この一部を吸収セル 100mm(

3

)に移し,水を対照液として表 10.1(

4

)の各波長における透過パーセント

を測定する。

(

3

)

  色が濃く,吸収セル100mm で測定できない場合には,適当な光路長の吸収セルを用いて測定す

る。この場合には,所定波長における吸光度を測定し,この値から吸収セル100mm の吸光度に

換算し,この吸光度から透過パーセントを求めて計算する。

(

4

)

  表 10.1 は,JIS Z 8719 に規定する条件等色指数‐照明光条件等色度の評価方法の付表 5-1-1(波

長間隔 20nm)に従ったものである。

表 10.1  波長間隔 20nm で三刺激値 XYを計算するための重価係数 f

X

f

Y

f

Z

標準の光  C

波長

λ (nm)

f

X

f

Y

f

Z

400 0.019

−0.003 0.062

420 2.993

0.087

14.387

440 7.634

0.510

38.438

460 6.642

1.382

38.130

480 2.360

3.206

19.545

500 0.068

6.907 5.746

520 1.196

12.876 1.444

540 5.590

18.261 0.356

560 11.751

19.592 0.073

580 16.795

15.991  0.026

600 17.897

10.694  0.013

620 14.021 6.261  0.002


18 
K 0101 : 1998

標準の光  C

波長

λ (nm)

f

X

f

Y

f

Z

640 7.453

2.901 0.000

660 2.731

1.003 0.000

680 0.756

0.273 0.000

700 0.166

0.059 0.000

合計 98.072

100.000

118.225

色度座標

x=0.3101

y=0.31622

z=0.3737

(c)

  三刺激値及び色度座標 xの求め方  表 10.1 の XYの所定波長における透過パーセントをそ

れぞれ合計して,次の式によって三刺激値 XY及び色度座標 xを算出する。

)

(

)

(

1

700

400

λ

τ

λ

å

=

X

f

K

X

)

(

)

(

1

700

400

λ

τ

λ

å

=

Y

f

K

Y

)

(

)

(

1

700

400

λ

τ

λ

å

=

Z

f

K

Z

Z

Y

X

X

x

+

+

=

Z

Y

X

Y

y

+

+

=

ここに,

X

刺激値

X

Y

刺激値

Y

Z

刺激値

Z

K

100.000

f

X

λ

):

波長

λ

での

f

X

f

Y

λ

):

波長

λ

での

f

Y

f

Z

λ

):

波長

λ

での

f

Z

τ

λ

):

波長

λ

での透過パーセント

(d)

刺激値 の求め方  刺激値

Y

の値をそのまま刺激値とする。

備考1.

主波長及び補色主波長の求め方  色度(図10.1)の中の点は無色の色度座標で

x

0.310 1

y

0.316 2

色度座標が直線

RC

,直線

VC

及びスペクトル軌跡によって囲まれた面積内の点

S

1

で表さ

れる色の場合,直線

CS

1

の延長とスペクトル軌跡との交点

S

1

'

に対応する波長を

図 10.3 から求

める。この波長をその色の主波長といい,記号

λ

d

で表す。

また,色度座標が三角形

CRV

内の点

S

2

で表される色の場合には,直線

CS

2

の延長とスペ

クトル軌跡との交点

S

2

''

に対応する波長を

図 10.3 から求める。この波長をその色の補色主波

長といい,記号

λ

e

で表す。


19

K 0101 : 1998

図 10.1  色度図

備考2.

刺激純度の求め方  図10.1において色度座標が点

S

1

によって表される色の場合には,刺激純

P

e

は次の式(*)によって求め,その値に

%

を付ける。

100

×

=

c

c

e

x

x

x

x

P

λ

 (1)

又は

100

×

=

c

c

e

y

y

y

y

P

λ

 (2)

ここに,

x

,

y

点 S

1

の座標

x

c

,

y

c

点 C の座標

x

λ

,

y

λ

点 S

1

'の座標

また,色度座標が点 S

2

で表される色の場合には,刺激純度

P

e

は次の式(

*

)によって求め,

その値に%を付ける。

100

×

=

c

p

c

e

x

x

x

x

P

 (3)

又は

100

×

=

c

p

c

e

y

y

y

y

P

 (4)

ここに,

xy: 点 S

2

の座標

x

c

y

c

点 C の座標

x

p

y

p

点 S

2

'(直線 CS

2

の延長と純紫軌跡との交点)の座標

(*)  P

e

を計算するには,分母又は分子の絶対値の大きい式で求める。

刺激純度及び主波長の求め方の一例  試料を測定して得られた三刺激値 が 40.14,が 76.50,

が 34.25 であったとすれば,色度座標は が 0.266,が 0.507 で刺激値 は 76.50 である。こ

の色度座標を

図 10.2 上の点 (S

1

)  として求め,次に無色の点  (x=0.310 1, y=0.316 2) C として

求める。C と S

1

とを直線で結び,更に延長してスペクトル軌跡と交わる点を S

1

'として求める。

S

1

'はスペクトル軌跡上の 534nm の位置にある。すなわち主波長

λ

d

は 534nm である。

また,

から S

1

’の座標 x

λ

が 0.200,y

λ

が 0.785 であるので,式(2)によって刺激純度 P

e

100

3162

.

0

785

.

0

3162

.

0

507

.

0

×

=40.7%となる。


20 
K 0101 : 1998

したがって,試料の色は主波長

λ

d

=534nm,刺激純度 P

e

は 40.7%,刺激値 は 76.50%として

表示される。

なお,試料の色が薄い場合には

図 10.4,また,試料の色が濃い場合には,図 10.5 を用いて刺

激純度を求めると便利である。

図 10.2  度視野 XYZ 系による色度図と主波長との関係図 


21

K 0101 : 1998

図 10.3  度視野 XYZ 系による色度図(主波長と色相名)

備考3.  主波長と色相  主波長と色相の関係を表10.2及び図10.3に示す。

表 10.2  主波長と色相名

主波長 nm

色相名

略号

主波長 nm

色相名

略号

498c∼700∼618

赤 R

498∼482

青緑 BG

618∼586

だいだい(橙)

O 482∼435

青 B

586∼571

黄 Y

435∼400∼578c

青紫 V

571∼531

黄緑 YG

578c∼528c

紫 P

531∼498

緑 G

528c∼498c

赤紫 RP


22 
K 0101 : 1998

図 10.4  刺激純度(10%表示)(試料の色が薄い場合)

図 10.5  刺激純度(100%表示)(試料の色が濃い場合)


23

K 0101 : 1998

11.

  pH  pH の測定には,JIS Z 8802 によるガラス電極法を適用する。

pH は試料採取後直ちに測定する。

11.1

  ガラス電極法  ガラス電極を用いた pH 計によって pH を測定する。

(1)

  試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

  水  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水。ほう酸塩 pH 標準液及び炭酸塩 pH 標準液を調製する

場合は,2.(12)(b)の炭酸を含まない水を用いる。

(b)

  二しゅう酸三水素カリウム二水和物  JIS K 8474 に規定する二しゅう酸三水素カリウム二水和物

(c)

  フタル酸水素カリウム  JIS K 8809 に規定するフタル酸水素カリウムの pH 標準液用。

(d)

  りん酸二水素カリウム  JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウムの pH 標準液用。

(e)

  りん酸水素二ナトリウム  JIS K 9020 に規定するりん酸水素二ナトリウムの pH 標準液用。

(f)

  四ほう酸ナトリウム  JIS K 8866 に規定する四ほう酸ナトリウム十水和物の pH 標準液用。

(g)

  炭酸水素ナトリウム  JIS K 8622 に規定する炭酸水素ナトリウムの pH 標準液用。

(h)

  炭酸ナトリウム  JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウムの pH 標準液用。

(2)

  pH 標準液(

1

)  pH 標準液は,次のものを用いる。

(a)

  しゅう酸塩 pH 標準液  調製 pH 標準液の場合には,二しゅう酸三水素カリウム二水和物をめのう

乳鉢ですりつぶし,デシケーター中に 18 時間以上保存し,その 12.71g を少量の水に溶かし,全量

フラスコ 1 000ml に移し入れ,水を標線まで加える。これを共栓ポリエチレン瓶又は共栓ほうけい

酸ガラス瓶に入れて保存する。規格 pH 標準液の場合には,JIS K 0018 に規定する標準物質‐pH 標

準液‐しゅう酸塩の第 2 種を用いる。

(b)

  フタル酸塩 pH 標準液  調製 pH 標準液の場合には,あらかじめフタル酸水素カリウムを 120℃で約

1 時間加熱し,デシケーター中で放冷した後,その 10.21g をとり,少量の水に溶かし,全量フラス

コ 1 000ml に移し入れ,水を標線まで加える。これを共栓ポリエチレン瓶又は共栓ほうけい酸ガラ

ス瓶に入れて保存する。規格 pH 標準液の場合には,JIS K 0019 に規定する標準物質‐pH 標準液‐

フタル酸塩の第 2 種を用いる。

(c)

  中性りん酸塩 pH 標準液  調製 pH 標準液の場合には,あらかじめりん酸二水素カリウムを 105±2℃

で 2 時間,りん酸水素二ナトリウムは 110℃で 2 時間それぞれ加熱し,デシケーター中で放冷した

後,そのりん酸二水素カリウム 3.40g と,そのりん酸水素二ナトリウム 3.55g とをとり,少量の水に

溶かし,全量フラスコ 1 000ml に移し入れ,水を標線まで加える。これを共栓ポリエチレン瓶又は

共栓ほうけい酸ガラス瓶に入れて保存する。規格 pH 標準液の場合には,JIS K 0020 に規定する標

準物質‐pH 標準液‐中性りん酸塩の第 2 種を用いる。

(d)

  ほう酸塩 pH 標準液  調製 pH 標準液の場合には,四ほう酸ナトリウム十水和物をめのう乳鉢です

りつぶし,臭化ナトリウム溶液(飽和)に,更に JIS K 8514 に規定する臭化ナトリウムを加えた溶

液を入れたデシケーター中に放置して恒量とした後,その 3.81g をとり,少量の炭酸を含まない水

2.(12)(b)による]に溶かし,全量フラスコ 1 000ml に移し入れ,さきの炭酸を含まない水を標線ま

で加える。これを共栓ポリエチレン瓶又は共栓ほうけい酸ガラス瓶に一杯に満たした状態にして保

存する。規格 pH 標準液の場合には,JIS K 0021 に規定する標準物質‐pH 標準液‐ほう酸塩の第 2

種を用いる。

(e)

  炭酸塩 pH 標準液  調製 pH 標準液の場合には,炭酸水素ナトリウムをデシケーター中で約 3 時間

放置し,その 2.10g をとる。別に,炭酸ナトリウムをあらかじめ白金るつぼに入れ,600℃で加熱し

て恒量とし,その 2.65g をとる。両者を少量の炭酸を含まない水[2.(12)(b)による]に溶かし,全量


24 
K 0101 : 1998

フラスコ 1 000ml に移し入れ,さきの炭酸を含まない水を標線まで加える。これを共栓ポリエチレ

ン瓶又は共栓ほうけい酸ガラス瓶に入れ,JIS K 8603 に規定するソーダ石灰又は JIS K 8574 に規定

する水酸化カリウムなどを入れたデシケーター中に保存する。規格 pH 標準液の場合には,JIS K 

0022 に規定する標準物質‐pH 標準液‐炭酸塩の第 2 種を用いる。

(

1

)

 pH 標準液は,調製 pH 標準液又は規格 pH 標準液の第2種を用いる。

調製 pH 標準液は,

試験担当者が自らそれぞれの pH 標準液の調製方法に従って調製したもの。

それぞれの調製 pH 標準液の各温度での pH 値は

表 11.1 の pH 値を適用する。

規格 pH 標準液は,国立の研究機関が保有する一次標準物質にトレーサブル(上位の標準に

求源性のある。

)な pH 標準液として体系化されたもの。pH 標準液製造業者が調製した pH 標準

液を,国の監督指導下にある公的機関(国立の研究機関の所有する一次 pH 標準液で確定した

二次 pH 標準液を所有する機関)に提出して検定を受け,合格した市販の pH 標準液。

規格 pH 標準液には第 1 種と第 2 種があるが,第 1 種の規格 pH 標準液は,pH 値を小数第 3

位まで保証したもので,この試験に用いる第 2 種の規格 pH 標準液は,第 1 種の pH 値の小数第

3 位を四捨五入して小数第 2 位までにしたもの。各規格標準液の第 2 種の各温度での pH 値は表
11.2 に示してある。

表 11.1  調整 pH 標準液の各温度における pH 

pH 値

温度

しゅう酸塩

フタル酸塩

中性りん酸塩

ほう酸塩

炭酸塩(*)

0 1.67 4.01 6.98 9.46 10.32 
5 1.67 4.01 6.95 9.39

(10.25)

10 1.67 4.00 6.92 9.33 10.18 
15 1.67 4.00 6.90 9.27

(10.12)

20 1.68 4.00 6.88 9.22

(10.07)

25 1.68 4.01 6.86 9.18 10.02 
30 1.69 4.01 6.85 9.14 (9.97) 
35 1.69 4.02 6.84 9.10 (9.93) 
38

− 9.91

40 1.70 4.03 6.84 9.07  − 
45 1.70 4.04 6.83 9.04  − 
50 1.71 4.06 6.83 9.01  − 
55 1.72 4.08 6.84 8.99  − 
60 1.73 4.10 6.84 8.96  − 
70 1.74 4.12 6.85 8.93  − 
80 1.77 4.16 6.86 8.89  − 
90 1.80 4.20 6.88 8.85  − 
95 1.81 4.23 6.89 8.83  −

(*)  括弧内の値は,2 次補間値を示す。

表 11.2  規格 pH 標準液の各温度における pH 

pH 値

しゅう酸塩

フタル酸塩

中性りん酸塩

ほう酸塩

炭酸塩

温度

第 2 種

第 2 種

第 2 種

第 2 種

第 2 種

0

1.67 4.00 6.98 9.46 10.32

5

1.67 4.00 6.95 9.40 10.24

10

1.67 4.00 6.92 9.33 10.18

15

1.67 4.00 6.90 9.28 10.12

20

1.68 4.00 6.88 9.22 10.06


25

K 0101 : 1998

pH 値

しゅう酸塩

フタル酸塩

中性りん酸塩

ほう酸塩

炭酸塩

温度

第 2 種

第 2 種

第 2 種

第 2 種

第 2 種

25(

*

) 1.68(

*

) 4.01(

*

) 6.86(

*

) 9.18(

*

) 10.01(

*

)

30

1.68 4.02 6.85 9.14  9.97

35

1.69 4.02 6.84 9.10. 9.92

38

1.69 4.03 6.84 9.08  −

40

1.69 4.04 6.84 9.07  9.89

45

1.70 4.05 6.83 9.04  9.86

50

1.71 4.06 6.83 9.01  9.83

55

1.72 4.08 6.83 8.98  −

60

1.72 4.09 6.84 8.96  −

70

1.74 4.13 6.84 8.92  −

80

1.77 4.16 6.86 8.88  −

90

1.79 4.20 6.88 8.85  −

95

1.81 4.23 6.89 8.83  −

(*)  (*)印の 25℃における pH 値については,pH 標準液ごとに日本工業規格として規定している。 
備考1.  表11.1及び表11.2に記載されていない温度における pH 値は,補間して求める。

2.  各 pH 標準液は,保存中に pH 値が変化することがあるので長期間保存したものは使用しない。特

にほう酸塩 pH 標準液及び炭酸塩 pH 標準液は,容易に大気中の二酸化炭素を吸収し pH 値が低下
するので注意する。

3.  各 pH 標準液は,一度使用したもの及び大気中に開放して放置したものは使用しない。

(3)

  器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

  pH 計  JIS Z 8802 に規定する形式 II を用いる(

2

)

(b)

  温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の 50 度温度計又は 100 度温度計(

3

)

(

2

)

  試験目的に応じて pH 計の形式を選択する。

JIS Z 8802 では pH 計の形式を 0∼III の 4 段階に区分し,各形式の pH 計の繰返し性は 1 種類

の pH 標準液を用いて pH 値を測定したとき,形式 0 では±0.005,形式 I では±0.02,形式 II で

は±0.05,形式 III では±0.1 と規定している。

(

3

)

  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計で,各目盛における許容差±1℃のもの。

(4)

  pH 計の校正  pH 計の校正は,次のとおり行う。

(a)

 pH 計の電源を入れ,検出部[ガラス電極(

4

)(

5

)及び参照電極(

6

),温度計など]を取り付ける。

(b)

  検出部は,水で繰り返し 3 回以上洗い,きれいな柔らかい紙でぬぐっておく。

(c)

  中性りん酸塩 pH 標準液をビーカーにとり検出部を浸す。温度補償用ダイヤル又はデジタルスイッ

チの設定のあるものは目盛値を,中性りん酸塩 pH 標準液の温度に合わせる(

7

)(

8

)

(d)

  中性りん酸塩 pH 標準液の温度に対応する pH 値(表 11.1 又は表 11.2)に調整ダイヤル(非対称電

位調整ダイヤル)を調節して合わせる。

(e)

  検出部を水で繰り返し 3 回以上洗い,きれいな柔らかい紙などでぬぐっておく。

(f)

  試料の pH 値が 7 以下の場合は,フタル酸塩 pH 標準液又はしゅう酸塩 pH 標準液をビーカーにとり

検出部を浸す。スパン調整ダイヤルを調節して使用した pH 標準液の温度に対応する pH 値(

表 11.1

又は

表 11.2)に合わせる(

8

)。試料の pH 値が 7 を超える場合は(

9

),ほう酸塩 pH 標準液又は炭酸塩

pH 標準液を用い,同じ操作で pH 標準液の温度に対応する pH 値に合わせる(

8

)

(g)

  再び(b)(f)の操作を行い,pH 値の指示値が pH 標準液の温度に対応する pH 値に±0.05(

10

)で一致す

るまでこの操作を繰り返す。

(

4

)

  長く乾燥状態にあったガラス電極は,あらかじめ水に浸して平衡に達してから使用する。


26 
K 0101 : 1998

(

5

)

  ガラス電極が汚れている場合は,必要に応じて洗剤や塩酸 (1+20)  などで短時間洗い,更に流

水で十分に洗う。電極の取扱いは,取扱説明書による。

(

6

)

  参照電極の汚れの除去はガラス電極と同じ操作で行い,内部液(塩化カリウム溶液)の交換な

どは取扱説明書を参照する。

(

7

)

 pH 標準液の温度は,できるだけ試料の温度に合わせる。

(

8

)

  校正中は各 pH 標準液の温度変動は±2℃とする。

(

9

)

  試料の pH 値が 11 以上の場合には,通常のガラス電極ではアルカリ誤差を生じ,測定値が低く

なる。特にアルカリ金属イオン濃度が高い場合は誤差が大きくなるので,

備考 4.によって測定

する。

(

10

)

 pH 計形式 I では±0.02,pH 計形式 III では±0.1 で一致するまで繰り返す。

(5)

  操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

  校正した pH 計の検出部を水で繰り返し 3 回以上洗い,きれいな柔らかい紙などでぬぐっておく。

(b)

  試料をビーカーにとり検出部を浸す。温度補償用ダイヤル又はデジタルスイッチの設定のあるもの

は目盛値を試料の温度(

11

)に合わせた後 pH 値を測定する。

(c)

  検出部を取り出し,水で繰り返し 3 回以上洗い,きれいな柔らかい紙などでぬぐっておく。

(d)

  再び試料をビーカーにとり検出部を浸し,pH 値を測定する(

11

)

(e)

  再び(c)及び(d)の操作を行って 3 回の測定値が±0.1(

12

)で一致した測定値を平均して試料の pH 値を

算出する。

(

11

)

 pH 値は試料の温度によって異なるので,試料の温度変動は±2℃とする。

(

12

)

  緩衝性の低い試料は,容易に pH 値が変化するため,pH 値が±0.1 の繰返し性が得られない場

合がある。この場合は,pH 値が±0.2 で一致する値を平均して pH 値を算出する。

また,大気中の二酸化炭素で容易に pH 値が変動する場合には,流液形の電極を使用すると

よい。

備考4.  試料の pH 値が11以上で,特にアルカリ金属元素の濃度が高い場合には,アルカリ誤差を生

じやすいため,アルカリ誤差の少ない電極(例えば,リチウム電極など)を用い,炭酸塩を

含まない0.1mol/水酸化ナトリウム溶液又は25℃の水酸化カルシウム溶液(飽和)を用いて

pH 計の校正を行う。

0.1mol/水酸化ナトリウム溶液又は 25℃の水酸化カルシウム溶液(飽和)は,大気中の二

酸化炭素を吸収して容易に pH が低下するので使用の都度調製する。

表 11.3 に 0.1mol/水酸化ナトリウム溶液及び水酸化カルシウム溶液(飽和)の各温度にお

ける pH 値を示す。

表 11.3  0.1mol/l 水酸化ナトリウム溶液及び水酸化カルシウム溶液(飽和)の各温度における pH 

温度

0.1mol/水酸化 
ナトリウム溶液

水酸化カルシウム

溶液(飽和)(

*

)

温度

0.1mol/水酸化 
ナトリウム溶液

水酸化カルシウム

溶液(飽和)(

*

)

0

13.8 13.43

35

12.6 12.14

5 13.6

13.21 40 12.4

11.99

10 13.4

13.00 45 12.3

11.84

15 13.2

12.81 50 12.2

11.70

20 13.1

12.63 55 12.0

11.58

25 12.9

12.45 60 11.9

11.45

30 12.7

12.30

(*) 25℃における水酸化カルシウム溶液(飽和)


27

K 0101 : 1998

12.

  電気伝導率  電気伝導率は,溶液がもつ電気抵抗率  (

Ω・m)  の逆数に相当し,S/m の単位で表す。

また,電気伝導度は,溶液がもつ電気抵抗  (

Ω)  の逆数に相当し,S の単位で表す。

水の試験では,温度 25℃の値を用い S/m 及び S の千分の一を単位とし,それぞれ mS/m(

1

)及び mS で表

(

2

)。試料の電気伝導率が 1mS/m (25℃)  以下の測定の場合には,JIS K 0552 を適用する。

(

1

)

 mS/m は,ミリジーメンス毎メートルと読む。

(

2

)

  従来の単位で表した 1

µS/cm は 0.1mS/m に相当 (1µS/cm=1×10

-6

S/10

-2

m=1×10

-4

S/m=0.1mS/m)

する。

備考1.  従来,水の試験では,電気伝導度及び電気伝導率の単位としてそれぞれ

µS 及びµS/cm,また,

セル定数の単位として cm

-1

が用いられていた。

電気伝導度としては,mS の単位で表した数値を 1 000 倍すると

µS の単位で表した数値と

なる。

電気伝導率としては,mS/m の単位で表した数値を 10 倍すると

µS/cm の単位で表した数値

となる。

また,セル定数としては,m

-1

の単位で表した数値を 0.01 倍すると cm

-1

の単位で表した数

値となる。

なお,

{  }で表した単位及び数値は従来の単位によるもので,参考として併記した。

(1)

  器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

  電気伝導度計  検出部と指示部からなるもの。検出部は,白金電極面に白金黒めっきを行った電極

を組み入れたセルからなる。セル定数は

表 12.1 に示したものを用意する。指示部は,ホイートスト

ンブリッジ回路などを組み入れたものを用いる。セルは,水中に保存する(

3

)

(b)

  温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の 50 度温度計

(

3

)

  セルは,備考2.の方法で定期的に確認する。

(2)

  操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

  あらかじめ電気伝導度計の電源を入れておく。試料の電気伝導率に応じて表 12.1 に示すセル定数を

もった電極を用い,水でセルを 2,3 回洗う[特に汚れている場合には,塩酸 (1+100)  に浸し,更

に流水で十分に洗い,最後に水で 2,3 回洗う。

(b)

  このセルを試料で 2,3 回洗った後,試料を満たし,25±0.5℃(

4

)に保って電気伝導度(

5

)(

6

)の測定を

行う。測定値が±3%(

7

)で一致するまで試料を数回取り替えて測定を繰り返し,その電気伝導度を求

める。

(c)

  電気伝導度から,次の式によって試料の電気伝導率 (mS/m) (25℃)  を算出する。

LJ×L

x

ここに,

L:  試料の電気伝導率 (mS/m)  (25℃)

J:  セル定数 (m

-1

)

L

x

:  測定した電気伝導度 (mS)

(

4

)

  精度を特に必要としない場合には,温度補償回路を組み入れた電気伝導度計を用いるか,温度

換算式を用いてもよい。電気伝導率は,温度によって変化し,1℃の上昇で約2%大きくなる。

ただし,電気伝導率が1mS/m {10

µS/cm}  以下になると,水の解離によって生じる水素イオン及

び水酸化物イオンの影響が大きくなるので,この換算式は適用できない。

(

5

)

  電気伝導度計の指示が電気抵抗  (

Ω)  になっているときは,次の式によって電気伝導率を計算す


28 
K 0101 : 1998

る。

3

10

×

=

x

R

J

L

ここに,

L

試料の電気伝導率

 (mS/m) (25

)

J

セル定数

 (m

-1

)

ただし,電気抵抗率

  (

m)

が直示される場

合は

1

とする。

R

x

測定した電気抵抗

  (

Ω)

(

6

)

電気伝導度計の指示が電気伝導度

  (

µS)

になっている場合には,次の式によって電気伝導率

(mS/m)

を算出する。

L

J'

×

L

x

'

×

0.1

ここに,

L

試料の電気伝導率

 (mS/m) (25

)

J'

セル定数

 (cm

-1

)

L

x

'

測定した電気伝導度

  (

µS)

(

7

)

試料の電気伝導率が

1mS/m (25

)

未満の場合には,±

3%

で一致しないことがあるので,JIS K 

0552 に従って試験するか,又は流液形のセルを用いる。

表 12.1  セル定数と測定範囲

セル定数(

*

)

測定範囲

m

-1

 {cm

-1

} mS/m  {

µS/cm}

1 0.01  2 以下 20 以下

10 0.1 0.1∼

200

1∼

200

100 1  1 ∼ 2 000

10∼

2 000

1 000

10

10 ∼ 20 000

100∼ 20 000

5 000

50

100 ∼200 000 1 000∼ 200 000

(*)  セル定数 m

-1

×0.01=cm

-1

備考2.

セル定数の測定又はセル定数の確認  セル定数の測定又はセル定数の確認は,試料を試験す

るたびに行う必要はないが,定期的に塩化カリウム標準液

 (A

D)

を用いてその数値を確か

める。セル定数の測定及びセル定数の確認は次による。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水。ただし,電気伝導率

0.2mS/m {2

µS/cm}

(25

)

以下のもの。調製時に

20

±

2

℃に調節して用いる。

(b)

塩化カリウム  JIS K 8121 に規定する塩化カリウム(電気伝導率測定用)をめのう乳鉢で

粉末にし,

500

℃で約

4

時間加熱し,デシケーター中で放冷したもの。

(c)

塩化カリウム標準液 (A)   塩化カリウム

74.246g

をはかりとり,少量の水に溶かして全量

フラスコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

(d)

塩化カリウム標準液 (B)   塩化カリウム

7.437g

をはかりとり,少量の水に溶かして全量

フラスコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

(e)

塩化カリウム標準液 (C)   塩化カリウム

0.744g

をはかりとり,少量の水に溶かして全量

フラスコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

(f)

塩化カリウム標準液 (D)   塩化カリウム標準液

 (C) 100ml

を全量フラスコ

1 000ml

にとり,

水を標線まで加える。

これらの塩化カリウム標準液は,ポリエチレン瓶又はほうけい酸ガラス瓶に密栓をして保

存する。塩化カリウム標準液の電気伝導率を

表 12.2 に示す。


29

K 0101 : 1998

表 12.2  塩化カリウム標準液 (AD)  の電気伝導率

塩化カリウム標準液

℃ mS/m  {

µS/cm}

A 0

6 518

65 180

 18

9 784

97 840

 25

11 134

111 340

B 0

714

7 140

 18

1 117

11 170

 25

1 286

12 860

C 0

77.4

774

 18

122.0

1 220

 25

140.9

1 409

D 25 14.7

147

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

セル定数の測定  セル定数を測定又は確認しようとする場合には,セルを水で

2

3

回洗い,

次に,塩化カリウム標準液(セル定数に応じ,

表 12.1 の測定範囲の塩化カリウム標準液を

用いる。

)で

2

3

回洗った後,その塩化カリウム標準液を満たす。このセルを

25

±

0.5

℃に

保ち,電気伝導度を測定する。同じ塩化カリウム標準液を数回入れ替えて測定を行い,測

定値が±

3%

で一致するまで繰り返す(±

3%

で一致しない場合には白金黒電極に,

備考 3.

によって新たに白金黒めっきを行う。

測定された値から次の式によってセル定数を算出する。

XO

O

H

KCl

L

L

L

J

2

+

=

ここに,

J

セル定数

 (m

-1

)

L

XO

測定した電気伝導度

 (mS)

,ただし,電気伝導度の指示

µS

になっているときは,

µS

×

1000

1

値を用いる。

L

KCl

使用した塩化カリウム標準液のこの温度における電気伝
導率

 (mS/m)

O

H

L

2

塩化カリウム標準液の調製に用いた水のこの温度におけ
る電気伝導率

 (mS/m)

なお,電気伝導度が

µS

となっている場合でセル定数を

cm

-1

の単位で求めたいときは,次

の式による。

+

=

XO

O

H

KCl

L

L

L

J

2

ここに,

 

J

'

セル定数

 {cm

-1

}

L

XO

'

測定した電気伝導度

  (

µS)

L

KC1

'

使用した塩化カリウム標準液のこの温度における電気
伝導率

  {

µS/cm}

O

H

L

2

塩化カリウム標準液の調製に用いた水のこの温度にお
ける電気伝導率

  {

µS/cm}

また,

表 12.1 中で濃度の接近している

2

種類の塩化カリウム標準液を用いてセル定数を

測定し,もし,その値が±

1%

で一致しないときは,白金黒電極の場合は

備考 3.によって,

白金極面の白金黒を溶かし,新たに白金黒めっきを行う。

備考3.

電極の白金黒めっき  電極の白金黒めっきは,次のとおり行う。

(a)

白金黒は,塩酸

 (1

11)

中で白金黒電極を陽極として電解すると,容易に取り除くことがで


30 
K 0101 : 1998

きる。

(b)

この白金電極をヘキサクロロ白金

 (IV)

 (30g/l)

と酢酸鉛

 (0.25g/l)

からなる電解液に入れ,

直流約

6V

,電流密度

10

40A/m

2

 {1

4mA/cm

2

}

とし,適当な方法で電解液をかき混ぜなが

ら,

15

30kC

(クーロン)

/m

2

 {1.5

3.0C/cm

2

}

を通電する。

(c)

次に,硫酸

 (1

360)

中で約

30

分間,時々電流の方向を変えて通電し,付着,吸蔵したヘキ

サクロロ白金

 (IV)

酸及び塩素を除く。

4.

市販の測定装置は,電気伝導率が直接指示されるものが多い。必要に応じて塩化カリウム標

準液で,指示値を確認して用いる。

13.

酸消費量  酸消費量は,水に溶けている炭酸水素塩,炭酸塩,水酸化物などのアルカリを所定の

pH

に中和するのに要する水素イオンの量(酸の量)を,試料

1l

についての

mmol

数で表すか,又は水素イオ

ン(酸)に相当する炭酸カルシウムの量に換算して,試料

1l

についての

mg

数で表す。

酸消費量を酸消費量

 (pH4.8)

と酸消費量

 (pH8.3)

に区分する。

13.1

酸消費量 (pH4.8)   酸消費量

 (pH4.8)

は,試料に指示薬としてメチルレッド‐ブロモクレゾールグ

リーン混合溶液を加え,

10mmol/l

硫酸で滴定して求める。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

メチルレッド-ブロモクレゾールグリーン混合溶液  JIS K 8896 に規定するメチルレッド

0.02g

JIS K 8840 に規定するブロモクレゾールグリーン

0.1g

とを JIS K 8102 に規定するエタノール

 (95)

100ml

に溶かす。

(b)

50mmol/硫酸  JIS K 8951 に規定する硫酸

3ml

を,あらかじめ水

100ml

を入れたビーカーに加えて

よくかき混ぜ,放冷後,水を加えて

1l

とする。

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを

600

℃で約

1

時間加熱した後,

デシケーター中で放冷する。その

1.06g

1mg

のけたまではかりとり,水に溶かして全量フラスコ

200ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

この

20ml

をビーカーにとり,指示薬としてメチルレッド‐ブロモクレゾールグリーン混合溶液

3

5

滴を加えた後,この

50mmol/l

硫酸で滴定する。溶液の色が灰紫になったら,煮沸して二酸化

炭素を追い出し,放冷後,溶液の色が灰紫になるまで滴定を続ける。滴定に要した

50mmol/l

硫酸

ml

数から,次の式によって

50mmol/l

硫酸のファクター

  (f)

を算出する。

30

005

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

炭酸ナトリウムの量

 (g)

b

炭酸ナトリウムの純度

 (%)

x

滴定に要した

50mmol/l

硫酸

 (ml)

0.005 30

 50mmol/l

硫酸

1ml

の炭酸ナトリウム相当量

 (g)

(c)

10mmol/硫酸

50mmol/l

硫酸

200ml

を全量フラスコ

1 000ml

にとり,水を標線まで加える。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料(濁りがあるときはろ紙

5

B

でろ過するか又は遠心分離してその上澄み液を用いる。

100ml

をビーカーにとり,指示薬としてメチルレッド‐ブロモクレゾールグリーン混合溶液

3

5

滴を加え

(

1

)

(b)

この溶液を緩やかにかき混ぜながら

10mmol/l

硫酸で,溶液の色が青から灰紫

 (pH 4.8)

になるまで


31

K 0101 : 1998

滴定する。

(c)

次の式によって酸消費量

 (pH 4.8)

を算出する。

i)

 mmol/l

で表す場合

02

.

0

1000

×

×

×

=

V

f

a

A

ここに,

A

酸消費量

 (pH4.8) (mmol/l)

a

滴定に要した

10mmol/l

硫酸

 (ml)

f

10mmol/l

硫酸のファクター(

2

)

V

試料

 (ml)

0.02

10mmol/l

硫酸

1ml

の水素イオン相当量

 (mmol)

ii)

 mgCaCO

3

/l

で表す場合

001

.

1

1000

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

酸消費量

 (pH4.8) (mgCaCO

3

/l)

a

滴定に要した

10mmol/l

硫酸

 (ml)

f

10mmol/l

硫酸のファクター(

2

)

V

試料

 (ml)

1.001

10mmol/l

硫酸

1ml

の炭酸カルシウム相当量

 (mg)

(

1

)

残留塩素などの酸化性物質が共存する場合には,チオ硫酸ナトリウム溶液

 (0.1mol/l)

で還元し

てから加える。

(

2

)

 50mmol/l

硫酸のファクターを用いる。

備考1.

着色した試料など,指示薬による変色が明らかでない場合には,指示薬に代えて

pH

計を使

用し,

pH-10mmol/l

硫酸の滴定曲線を作成して,

pH4.8

における

10mmol/l

硫酸の

ml

数を求め

る。

13.2

酸消費量 (pH 8.3)   酸消費量

 (pH 8.3)

は,試料に指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え,

10mmol/l

硫酸で滴定して求める。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

フェノールフタレイン溶液 (5g/l)  JIS K 8799 に規定するフェノールフタレイン

0.5g

をとり,JIS K 

8102 に規定するエタノール

 (95) 50ml

に溶かし,水を加えて

100ml

とし,この溶液の色がわずかに

赤に変わるまで

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液を滴加する。

(b)

10mmol/硫酸  13.1(1)(c)による。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料

100ml

をビーカーにとり,指示薬としてフェノールフタレイン溶液

 (5g/l) 3

5

滴を加える。

(b)

この溶液を緩やかにかき混ぜながら

10mmol/l

硫酸で,溶液の赤い色が消えるまで滴定する。

(c)

次の式によって酸消費量

 (pH 8.3)

を算出する。

i)

 mmol/l

で表す場合

02

.

0

1000

×

×

×

=

V

f

a

A

ここに,

A

酸消費量

 (pH 8.3)

mg

当量

/l

a

滴定に要した

10mmol/l

硫酸

 (ml)

f

10mmol/l

硫酸のファクター(

2

)

V

試料

 (ml)

0.02

10mmol/l

硫酸

1ml

の水素イオン相当量

 (mmol)


32 
K 0101 : 1998

ii)

 mgCaCO

3

/l

で表す場合

001

.

1

1000

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

酸消費量

  (pH 8.3) (mgCaCO

3

/l)

a

滴定に要した

10mmol/l

硫酸

 (ml)

f

10mmol/l

硫酸のファクター(

2

)

V

試料

 (ml)

1.001

10mmol/l

硫酸

1ml

の炭酸カルシウム相当量

 (mg)

備考2.

備考1.による。ただし,

pH 8.3

における

10mmol/l

硫酸の

ml

数を求める。

14.

アルカリ消費量  アルカリ消費量は,水に溶けている強酸,炭酸,有機酸及び水酸化物として沈殿す

る金属元素などを所定の

pH

まで中和するのに要する水酸化物イオンの量(アルカリの量)を試料

1l

につ

いての

mmol

数で表すか,又は水酸化物イオンの量(アルカリの量)に相当する炭酸カルシウムの量に換

算して,試料

1l

についての

mg

数で表す。

アルカリ消費量は,アルカリ消費量

 (pH 8.3)

,アルカリ消費量

 (pH 4.8)

及びアルカリ消費量(遊離酸)

に区分する。

14.1

アルカリ消費量 (pH 8.3)   アルカリ消費量

 (pH 8.3)

は,試料に指示薬としてフェノールフタレイ

ン溶液を加え,

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液で滴定して求める。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

フェノールフタレイン溶液 (5g/l)    13.2(1)(a)による。

(b)

0.1mol/水酸化ナトリウム溶液  水約

30ml

をポリエチレン瓶にとり,冷却しながら JIS K 8576 に規

定する水酸化ナトリウム約

35g

を少量ずつ加えて溶かし,密栓して

4

5

日間放置する。その上澄み

5ml

をポリエチレン製の気密容器

1l

にとり,2.(12)(b)の炭酸を含まない水を加えて

1l

とし,混合

した後,二酸化炭素を遮断して保存する。

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸をデシケーター中に

2kPa

以下で約

48

時間放置して乾燥する。その約

0.2g

1mg

のけたまではかりとり,三角フラスコ

200ml

に入れ,

水約

25ml

を加えて溶かす。

これに指示薬としてブロモチモールブルー溶液

 (1g/l)

(

1

)

3

5

滴を加え,

この

0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液で滴定し,溶液の色が緑になったときを終点とする。次の式に

よって

0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター

  (f)

を算出する。

00971

.

0

1

100

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

アミド硫酸の量

 (g)

b

アミド硫酸の純度

 (%)

x

滴定に要した

0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

0.009 71

0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液

1ml

のアミド硫酸相当

 (g)

(c)

20mmol/水酸化ナトリウム溶液

0.1mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

200ml

を全量フラスコ

1 000ml

にとり,2.(12)(b)の炭酸を含まない水を標線まで加える。この溶液は使用時に調製する。

(

1

)

JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー

0.1g

をとり,JIS K 8102に規定するエタノール

 (95)

50ml

に溶かし,水で

100ml

とする。

備考1.

アミド硫酸による標定の代わりに,JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリ

ウムを用いて標定した

50mmol/l

硫酸を用いて,次のように標定してもよい。


33

K 0101 : 1998

標定

13.1(1)(b)

50mmol/l

硫酸

20ml

をビーカーにとり,指示薬としてフェノールフタレ

イン溶液

 (5g/l) 3

5

滴を加えた後,この

0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液で溶液の色がわず

かに赤になるまで滴定する。滴定に要した

0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液の

ml

数から,次

の式によって

0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター

  (f

1

)

を算出する。

x

f

f

×

=

20

1

ここに,

  f

 50mmol/l

硫酸のファクター

x

滴定に要した

0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

(2)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

メスシリンダー(有栓形)

100ml

又は共栓ガラス円筒

100ml

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料容器をなるべく振り動かさないように注意し,試料(

2

)

100ml

をメスシリンダー(有栓形)

100ml

にとる。

(b)

指示薬としてフェノールフタレイン溶液

 (5g/l) 4

5

滴を加えて白紙上に置き,

20mmol/l

水酸化ナト

リウム溶液で溶液がわずかに赤い色(

3

)(

4

)になるまで滴定し,これを予備試験とする。

(c)

別のメスシリンダー(有栓形)

100ml

に試料

100ml

(a)と同じ操作でとり,指示薬としてフェノー

ルフタレイン溶液

 (5g/l) 4

5

滴を加え,これに(b)の予備試験で消費した量と同量の

20mmol/l

水酸

化ナトリウム溶液を一度に加え,栓をして静かに振り混ぜ,溶液の赤い色が消えたら更に滴定を続

け,わずかに赤い色になるまで滴定する。

(d)

次の式によってアルカリ消費量

 (pH8.3)

を算出する。

i)

 mmol/l

で表す場合

02

.

0

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

A

ここに,

A

アルカリ消費量

  (pH 8.3) (mmol/l)

a

滴定に要した

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

f

1

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター(

5

)

V

試料

 (ml)

0.02

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

1ml

の水酸化物イオン相当

 (mmol)

ii)

 mgCaCO

3

/l

で表す場合

001

.

1

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

アルカリ消費量

  (pH 8.3) (mgCaCO

3

/l)

a

滴定に要した

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

f

1

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター(

5

)

V

試料

 (ml)

1.001

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

1ml

の炭酸カルシウム相

当量

 (mg)

(

2

)

試料に色や濁りがある場合には,試料

100ml

をメスシリンダー(有栓形)にとり,これを対照

にして滴定する。

(

3

)

終点における着色の強さは,炭酸水素ナトリウム溶液

 (10mmol/l) 100ml

をメスシリンダー(有

栓形)

100ml

にとり,フェノールフタレイン溶液

 (5g/l) 4

5

滴を加えて振り混ぜたときの色と

等しくなるようにする。


34 
K 0101 : 1998

(

4

)

メスシリンダー(有栓形)を白紙上に置き,斜め上から観察する。

(

5

)

 0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクターを用いる。

14.2

アルカリ消費量 (pH4.8)   アルカリ消費量

 (pH4.8)

は,試料に指示薬としてメチルレッド‐ブロモ

クレゾールグリーン混合溶液を加え,

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液で滴定して求める。この測定値には,

鉄及びアルミニウムなどの塩類との反応に要するアルカリの量も含まれる。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

メチルレッド‐ブロモクレゾールグリーン混合溶液  13.1(1)(a)による。

(b)

20mmol/水酸化ナトリウム溶液  14.1(1)(c)による。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料(

2

)

100ml

をビーカーにとり,指示薬としてメチルレッド‐ブロモクレゾールグリーン混合溶液

3

5

滴を加える。

(b)

この溶液を緩やかにかき混ぜながら,

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液で溶液の色が赤から灰紫

(pH4.8)

に変わるまで滴定する。

(c)

次の式によってアルカリ消費量

 (pH4.8)

を算出する。

i)

 mmol/l

で表す場合

02

.

0

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

A

ここに,

A

アルカリ消費量

  (pH 4.8) (mmol/l)

a

滴定に要した

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

f

1

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター(

5

)

V

試料

 (ml)

00.2

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

1ml

の水酸化物イオン相当

 (mmol)

ii)

 mgCaCO

3

/l

で表す場合

001

.

1

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

アルカリ消費量

  (pH 4.8) (mgCaCO

3

/l)

a

滴定に要した

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

f

1

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター(

5

)

V

試料

 (ml)

1.001

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

1ml

の炭酸カルシウム相

当量

 (mg)

備考2.

13.

備考1.による。ただし,

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液の

ml

数を求める。

14.3

アルカリ消費量(遊離酸)  アルカリ消費量(遊離酸)は,水に溶けている硫酸,塩酸,硝酸,強

い有機酸などをしゅう酸カリウムの存在で

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液で滴定し,

pH-

水酸化ナトリウ

ム溶液

 (ml)

滴定曲線から求める。

この測定値には,鉄,アルミニウムなどの塩類によるアルカリ消費量は含まれず,遊離酸に対応するア

ルカリ消費量が求められる。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

しゅう酸カリウム一水和物  JIS K 8522 に規定するもの。

(b)

20mmol/水酸化ナトリウム溶液  14.1(1)(c)による。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。


35

K 0101 : 1998

(a)

マグネチックスターラー

(b)

pH 計  JIS Z 8802 に規定する形式

II

のもの。

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料

100ml

をビーカーにとり,液温を約

10

℃に調節する。

(b)

しゅう酸カリウム一水和物約

20g

を加え,かき混ぜて溶かす。

(c)

マグネチックスターラーでかき混ぜ,

pH

計を用いて

pH

を測定しながら

20mmol/l

水酸化ナトリウ

ム溶液で滴定する。

(d)

滴定の終点(変曲点)前後では,

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液を

0.1ml

ずつ加える。

(e)

 pH

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

の滴定曲線を作成して終点を求め,次の式によってア

ルカリ消費量(遊離酸)を算出する。

i)

 mmol/l

で表す場合

02

.

0

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

A

ここに,

A

アルカリ消費量(遊離酸)

 (mmol/l)

a

滴定に要した

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

f

1

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター(

5

)

V

試料

 (ml)

0.02

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

1ml

の水酸化物イオン相当

 (mmol)

ii)

 mgCaCO

3

/l

で表す場合

001

.

1

000

1

1

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

アルカリ消費量(遊離酸)

 (mgCaCO

3

/l)

a

滴定に要した

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

f

1

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター(

5

)

V

試料

 (ml)

1.001

20mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

1ml

の炭酸カルシウム相

当量

 (mg)

15.

硬度  硬度は,水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの量を,これに対応する炭酸カルシ

ウムの量に換算して試料

1l

についての

mg

数で表す。

硬度は,全硬度,カルシウム硬度及びマグネシウム硬度に区分する。場合によって,全硬度,非炭酸塩

硬度及び炭酸塩硬度に区分する。

15.1

全硬度

15.1.1

キレート滴定法

(1)

ろ過した試料について 50.1(2)において滴定に要する

10mmol/l EDTA

溶液の量を求め,次の式によって

全硬度を算出する。

001

.

1

000

1

×

×

=

V

b

H

ここに,

H

全硬度

 (mgCaCO

3

/l)

b

50.1(2)の滴定に要した

10mmol/l EDTA

溶液

 (ml)

V

試料

 (ml)

1.001

10mmol/l EDTA

溶液

1ml

の炭酸カルシウム相当量

 (mg)


36 
K 0101 : 1998

備考1.

非炭酸塩硬度及び炭酸塩硬度は,酸消費量

 (pH 4.8)

と全硬度との関係から,次のように算出

する。

酸消費量

 (pH4.8) (mgCaCO

3

/l)

<全硬度

 (mgCaCO

3

/l)

のときは,

非 炭 酸 塩 硬 度

 (mgCaCO

3

/l)

= 全 硬 度

 (mgCaCO

3

/l)

− 酸 消 費 量

 (pH4.8)

(mgCaCO

3

/l)

酸消費量

 (pH4.8) (mgCaCO

3

/l)

≧全硬度

 (mgCaCO

3

/l)

のときは,

炭酸塩硬度

 (mgCaCO

3

/l)

=全硬度

 (mgCaCO

3

/l)

非炭酸塩硬度

 (mgCaCO

3

/l)

0

15.1.2

フレーム原子吸光法

(1)

ろ過した試料について 49.2 によってカルシウムの濃度を,また,50.2 によってマグネシウムの濃度を

求め,次の式によって全硬度を算出する。

H

 (2.497

×

C

Ca

)

 (4.118

×

C

Mg

)

ここに,

H

全硬度

 (mgCaCO

3

/l)

C

Ca

カルシウムの濃度

 (mgCa/l)

2.497

カルシウムの量を炭酸カルシウム相当量に換算する場合
の係数

 (100.09/40.08)

C

Mg

マグネシウムの濃度

 (mgMg/l)

4.118

マグネシウムの量を炭酸カルシウム相当量に換算する場
合の係数

 (100.09/24.305)

備考2.

備考1.による。

15.1.3

ICP 発光分光分析法

(1)

ろ過した試料について 49.3 によってカルシウムの濃度を,また,50.3 によってマグネシウムの濃度を

求め,15.1.2(1)の式によって全硬度を算出する。

備考3.

備考1.による。

15.2

カルシウム硬度

15.2.1

キレート滴定法

(1)

ろ過した試料について 49.1(2)において滴定に要する

10mmol/l EDTA

溶液の量を求め,次の式によって

カルシウム硬度を算出する。

001

.

1

000

1

×

×

=

V

a

H

Ca

ここに,

H

Ca

カルシウム硬度

 (mgCaCO

3

/l)

a

49.1(2)の滴定に要した

10mmol/l EDTA

溶液

 (ml)

V

試料

 (ml)

1.001

10mmol/l EDTA

溶液

1ml

の炭酸カルシウム相当量

 (mg)

15.2.2

フレーム原子吸光法

(1)

ろ過した試料について 49.2 によってカルシウムの濃度を求め,次の式によってカルシウム硬度を算出

する。

H

Ca

2.497

×

C

Ca

ここに,

H

Ca

カルシウム硬度

 (mgCaCO

3

/l)

C

Ca

カルシウムの濃度

 (mgCa/l)

2.497

カルシウムの量を炭酸カルシウム相当量に換算する場合


37

K 0101 : 1998

の係数

 (100.09/40.08)

15.2.3

ICP 発光分光分析法

(1)

ろ過した試料について 49.3 によってカルシウムの濃度を求め,15.2.2(1)の式によってカルシウム硬度

を算出する。

15.3

マグネシウム硬度

15.3.1

キレート滴定法

(1)

50.1(2)においてカルシウム及びマグネシウムの滴定に要する

10mmol/l EDTA

溶液の量を,

また,

49.1(2)

においてカルシウムの滴定に要する

10mmol/l EDTA

溶液の量を求め,次の式によってマグネシウム硬

度を算出する。

001

.

1

000

1

×

×

ú

û

ù

ê

ë

é

=

Ca

Mg

V

a

V

b

H

ここに,

H

Mg

マグネシウム硬度

 (mgCaCO

3

/l)

b

50.1(2)の滴定に要した

10mmol/l EDTA

溶液

 (ml)

V

50.1(2)の試料

 (ml)

a

49.1(2)の滴定に要した

10mmol/l EDTA

溶液

 (ml)

V

Ca

49.1(2)の試料

 (ml)

1.001

10mmol/l EDTA

溶液

1ml

の炭酸カルシウム相当量

 (mg)

15.3.2

フレーム原子吸光法

(1)

ろ過した試料について 50.2 によってマグネシウムの濃度を求め,次の式によってマグネシウム硬度を

算出する。

H

Mg

4.118

×

C

Mg

ここに,

H

Mg

マグネシウム硬度

 (mgCaCO

3

/l)

C

Mg

マグネシウムの濃度

 (mgMg/l)

4.118

マグネシウムの量を炭酸カルシウム相当量に換算する場
合の係数

 (100.09/24.305)

15.3.3

ICP 発光分光分析法

(1)

ろ過した試料について 50.3 によってマグネシウムの濃度を求め,15.3.2(1)の式によってマグネシウム

硬度を算出する。

16.

懸濁物質及び蒸発残留物  水中に懸濁している物質及び水を蒸発したときの残留物質を次のように区

分して試験する。

(1)

懸濁物質  試料をろ過したとき,ろ過材上に残留する物質。

(2)

全蒸発残留物  試料を蒸発乾固したときに残留する物質。

(3)

溶解性蒸発残留物  懸濁物質をろ別したろ液を蒸発乾固したときに残留する物質。

(4)

強熱残留物  懸濁物質,全蒸発残留物及び溶解性蒸発残留物のそれぞれを

600

±

25

℃で

30

分間強熱し

たときの残留物で,それぞれの強熱残留物として示す。

(5)

強熱減量  (4)の測定時における減少量で,それぞれの強熱減量として示す。

試験は,試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合には,試料を

0

10

℃の暗所に保存し,できるだ

け早く試験する。

16.1

懸濁物質  試料をろ過し,ろ過材上に残留した物質を

105

110

℃で乾燥し,質量をはかる。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

ろ過器(分離形)  図 16.1 に一例を示す。


38 
K 0101 : 1998

図 16.1  ろ過器(分離形)の一例

(b)

ろ過材  ガラス繊維ろ紙,有機性ろ過膜又は金属性ろ過膜。孔径

1

µm

で直径

25

50mm

備考1.

ガラス繊維ろ紙は目詰まりが少ないが,ガラス繊維が離脱するおそれがある。有機性ろ過膜

は,種類によって耐薬品,耐熱性に差があるので,取扱いに注意する。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

ガラス繊維ろ紙を用いる場合はあらかじめろ過器に取り付け,水で十分に吸引洗浄した後,このろ

過材(

1

)を,時計皿(

2

)上に置き,

105

110

℃で約

1

時間加熱し(

3

),デシケーター中で放冷した後,そ

の質量をはかる。

(b)

ろ過材をろ過器に取り付け,試料(

4

)の適量(

5

)をろ過器に注ぎ入れて吸引ろ過する。試料容器及びろ

過管の器壁に付着した物質は,水でろ過材上に洗い落とし,ろ過材上の残留物質に合わせ,これを

水で数回洗浄する。

(c)

残留物は,ろ過材とともにピンセットなどを用いてろ過器から注意して取り外し,(a)で用いた時計

皿上に移し,

105

110

℃で

2

時間加熱し,先のデシケーター中で放冷した後,その質量をはかる。

(d)

次の式によって懸濁物質

 (mg/l)

を算出する。

V

b

a

S

000

1

)

(

×

=

ここに,

  S

懸濁物質

 (mg/l)

a

懸濁物質を含んだろ過材及び時計皿の質量

 (mg)

b

ろ過材及び時計皿の質量

 (mg)

V

試料

 (ml)

(

1

)

アクリル樹脂などのバインダー処理を行ったガラス繊維ろ紙,有機性ろ過膜,金属性ろ過膜は

洗浄しなくてよい。

(

2

)

なるべく軽い時計皿を用いるか,又はアルミニウムはくなどの軽い容器を用いる。

(

3

)

有機性ろ過膜では

105

110

℃で加熱すると,変形するものがある。この場合は

90

℃で加熱する。

(

4

)

目開き

2mm

のふるいを通過した試料を用い,十分に振り混ぜて懸濁物質が均一になってから,

手早く採取する。

(

5

)

乾燥後の懸濁物質の量が

2mg

以上になるように試料をとる。


39

K 0101 : 1998

備考2.

ろ過しにくい試料の場合には,適量をビーカーにとり,その都度よく振り混ぜて,液がろ過

され終わる直前ごとに加え,ろ過速度が極めて遅くなったら試料の追加を止める。ビーカー

の中の残量から試料の量を求める。

3.

試料容器に付着しやすい懸濁物質を含む場合は,適量の試料を採取して,その全量を用いて

試験する。

採取した容器の器壁に付着した懸濁物質はポリスマン(ゴム管付きガラス棒)などで落と

して,ろ過材上に集める。

4.

懸濁物質中の強熱残留物を定量する場合には,有機性ろ過膜を用いる。

5.

油脂,グリース,ワックスなどを含む試料で,これらを除いた懸濁物質を測定する場合には,

試料をろ過した後,ろ過材を取り外すことなく,ろ過管ごと乾燥し,再び吸引瓶に取り付け

た後,ヘキサン

10ml

ずつを数回注ぎ入れ,油脂類を洗って除く。続いて(c)の操作を行う。

16.2

全蒸発残留物

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

蒸発皿  白金皿,石英ガラス皿又は磁器蒸発皿

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

適当な材質(

6

)の蒸発皿を

105

110

℃で約

1

時間加熱し,デシケーター中で放冷した後,その質量を

はかる。加熱,放冷及びひょう量を繰り返して恒量とする。

(b)

試料(

4

)の適量(

7

)を蒸発皿に入れ(

8

),注意して蒸発乾固する(

9

)

(c)

この蒸発皿を

105

110

℃で約

2

時間加熱し,

先のデシケーター中で放冷した後,

その質量をはかる。

(d)

次の式によって全蒸発残留物

 (mg/l)

を算出する。

V

b

a

R

000

1

)

(

×

=

ここに,

  R

全蒸発残留物

 (mg/l)

a

残留物の入った蒸発皿の質量

 (mg)

b

蒸発皿の質量

 (mg)

V

試料

 (ml)

(

6

)

試料の性質によって用いる蒸発皿の材質を選ぶ。

例えば,塩化物イオンと強力な酸化性の物質とを一緒に含む試料の場合には,白金皿は用い

ない。

(

7

)

乾燥後の全蒸発残留物の質量が,

5mg

以上になるように採取する。

(

8

)

試料の全量が蒸発皿に入らない場合には,数回に分けて入れる。

(

9

)

蒸発乾固には,加熱板,沸騰水浴,赤外線ランプなどを用い,蒸発中に沸騰させないようにす

る。また,外部からの汚染に注意する。

備考6.

備考3.による。

7.

引き続き強熱残留物を定量する場合には,蒸発皿はあらかじめ

600

±

25

℃で加熱して恒量に

したものを用いる。

16.3

溶解性蒸発残留物

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

蒸発皿  16.2(1)(a)による。

(b)

ろ過器(分離形)  16.1(1)(a)による。


40 
K 0101 : 1998

(c)

ろ過材  16.1(1)(b)による。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

ろ過材をろ過器に取り付け,試料をろ過する。

(b)

ろ液について 16.2(2)(a)

(d)に準じて操作する。

備考8.

備考1.及び備考4.による。

16.4

強熱残留物

16.4.1

懸濁物質の強熱残留物

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

硝酸アンモニウム溶液 (250g/l)

  JIS K 8545 に規定する硝酸アンモニウム

25g

を水に溶かして

100ml

とする。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

るつぼ  白金又は磁器るつぼ

10

20ml

(b)

電気炉

600

±

25

℃に調節できるもの。

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

 600

±

25

℃で加熱して恒量にしたるつぼに 16.1(2)(c)で得た懸濁物質を,ろ過材とともに移し入れ,

硝酸アンモニウム溶液

 (250g/l)

を滴加して湿した後(

10

)電気炉に入れ,徐々に温度を上げ

600

±

25

で約

30

分間加熱して灰化し,デシケーター中で放冷した後,その質量をはかる。

(b)

次の式によって強熱残留物

 (mg/l)

を算出する。

V

b

a

R

000

1

)

(

×

=

ここに,

  R

懸濁物質の強熱残留物

 (mg/l)

a

強熱残留物の入ったるつぼの質量

 (mg)

b

るつぼの質量

 (mg)

V

試料

 (ml)

(

10

)

有機性ろ過膜がニトロ化合物の場合には,JIS K 8839に規定する

2-

プロパノールを滴加して湿し

た後,強熱して灰化するとよい。

備考9.

ろ過材にガラス繊維ろ紙を使用した場合には,あらかじめ別の同形のガラス繊維ろ紙を

600

±

25

℃の電気炉で加熱して空試験値を求め,ガラス繊維ろ紙の質量を補正する。

16.4.2

全蒸発残留物の強熱残留物

(1)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

16.2(2)(c)で得た全蒸発残留物について 16.4.1(3)の操作に準じて操作する。

16.4.3

溶解性蒸発残留物の強熱残留物

(1)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

16.3(2)で得た溶解性蒸発残留物について 16.4.1(3)の操作に準じて操作する。

16.5

強熱減量

(1)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

懸濁物質の強熱減量,全蒸発残留物の強熱減量及び溶解性残留物の強熱減量は,次の式によって算

出する。

E

S

R

ここに,

  E

それぞれの強熱減量

 (mg/l)

S

それぞれの蒸発残留物

 (mg/l)


41

K 0101 : 1998

R

それぞれの強熱残留物

 (mg/l)

17.

100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量 (COD

Mn

)    試料を硫酸酸性とし,酸化剤とし

て過マンガン酸カリウムを加え,沸騰水浴中で

30

分間反応させ,そのとき消費した過マンガン酸の量を求

め,相当する酸素の量

 (mgO/l)

で表す。

この試験は試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合には,3.3 によって保存し,できるだけ早く試験

する。

定量範囲:

COD

Mn

0.5

11mgO/l

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A4 の水(

1

)(

2

)

(b)

硫酸 (12)    水

2

容をビーカーにとり,これをかき混ぜながら JIS K 8951 に規定する硫酸

1

容を

徐々に加えた後,薄い紅色を呈するまで過マンガン酸カリウム溶液

 (3g/l)

を加える。

(c)

硝酸銀溶液 (200g/l)

  JIS K 8550 に規定する硝酸銀

20g

を水に溶かして

100ml

とする。着色ガラス

瓶に入れて保存する。

(d)

しゅう酸ナトリウム溶液 (12.5mmol/l)

  JIS K 8528 に規定するしゅう酸ナトリウム

1.8g

を水に溶

かして

1l

とする。ただし,(e)

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液のモル濃度の

2.5

倍よりわずか

に高いモル濃度のものを調製する。

(e)

5mmol/過マンガン酸カリウム溶液  JIS K 8247 に規定する過マンガン酸カリウム

0.8g

を平底フラ

スコにとり,水

1 050

1 100ml

を加えて溶かす。これを

1

2

時間静かに煮沸した後,一夜放置す

る。

上澄み液をガラスろ過器

G4

を用いてろ過する(ろ過前後に水洗いしない。

。ろ液は約

30

分間水

蒸気洗浄した着色ガラス瓶に入れて保存する。

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のしゅう酸ナトリウムをあらかじめ

200

℃で約

1

時間加熱し,デシケーター中で放冷する。その約

0.42g

1mg

のけたまではかりとり,少量の水に

溶かして,全量フラスコ

250ml

に移し入れ,水を標線まで加える。この溶液

25ml

を三角フラスコ

300ml

にとり,水で約

100ml

とし,硫酸

 (1

2) 10ml

を加える。液温

25

30

℃で,ビュレットでこ

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液約

22ml

を一度に加え,紅色が消えるまで放置する。次に,

50

60

℃に加熱し,この

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。終点は微紅色を約

30

秒間保

つときとする。

次の式によって

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液のファクター

  (f)

(

3

)を算出する。

675

001

.

0

1

250

25

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

しゅう酸ナトリウムの量

 (g)

b

しゅう酸ナトリウムの純度

 (%)

x

滴定に要した

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液

 (ml)

0.001 675

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液

1ml

のしゅう酸ナ

トリウム相当量

 (g)

(

1

)

水は

COD

Mn

値を与える物質を含んでいてはならない。次のようにしてその適否を確認できる。

100ml

について(3)(a)(d)を行う。このときの滴定に要した

5mmol/l

過マンガン酸カリウム

溶液を

a

ml

とする。別に,水

100ml

について加熱を除いた(a)(d)の操作を行う。このときの滴

定に要した

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液を

b

ml

とする。

  (a

b

) ml

を求める。この値が


42 
K 0101 : 1998

0.15

0.2

程度であればよい。これ以上の場合は,水(又は試薬)に有機物が含まれていること

が考えられ,使用に適しない。

(

2

)

水を蒸留精製する場合は,硫酸

 (1

2)

を加えて微酸性とし,これに過マンガン酸カリウム溶液

(3g/l)

を加えて着色させた後,蒸留するとよい。ただし,蒸留の終わりまで過マンガン酸の着

色をしていること。

(

3

)

ファクターはなるべく

1

に近い

 (0.95

1.05)

ものを使用する。

(2)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

水浴  試料を入れたとき,引き続いて沸騰状態を保てるような,熱容量及び加熱能力が大きなもの。

三角フラスコ

300ml

が水浴の底に直接接触しないように,底から離して金網などを設ける。

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料(

4

)の適量(

5

)を三角フラスコ

300ml

にとり,水を加えて

100ml

とし,硫酸

 (1

2) 10ml

を加え,

振り混ぜながら硝酸銀溶液

 (200g/l) 5ml

(

6

)(

7

)を加える。

(b)

 5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液

10ml

を加えて振り混ぜ,直ちに沸騰水浴中に入れ(

8

)(

9

)

30

分間

加熱する(

10

)

(c)

水浴から取り出し,しゅう酸ナトリウム溶液

 (12.5mmol/l) 10ml

を加えて振り混ぜ,よく反応させる

(

11

)

(d)

液温を

50

60

℃で,

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液でわずかに赤い色を呈するまで滴定する。

(e)

別に,水

100ml

を三角フラスコ

300ml

にとり,(a)(d)の操作を行う(

12

)

(f)

次の式によって

COD

Mn

 (mgO/l)

を算出する。

2

.

0

000

1

)

(

×

×

×

=

V

f

b

a

COD

Mn

ここに,

  COD

Mn

100

℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量

(mgO/l)

a

滴定に要した

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液

 (ml)

b

水を用いた試験の滴定に要した

5mmol/l

過マンガン酸カ

リウム溶液

 (ml)

f

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液のファクター

V

試料

 (ml)

0.2

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液

1ml

の酸素相当量

(mg)

(

4

)

懸濁物を含む場合には,よく振り混ぜて均一にした後,手早く採取する。

(

5

)

 30

分間加熱した後の

5mmol/l

過マンガン酸カリウム溶液の残留量が

4.5

6.5ml

になるような量。

ただし,試料の

COD

Mn

11mgO/l

以下の場合には,

100ml

とする。試料の適量は(3)の操作によ

って予備試験を行って決める。

COD

Mn

の概略値が分かっている場合には,次の式によって試料の適量

  (Vml)

を求めることが

できる。

)

/

mgO

(

0.2

000

1

)

5.5

~

3.5

(

5

.

4

Mn

l

COD

V

予想値

試料の

又は

×

×

=

ここに,

V: 試料の採取量 (ml)

4.5(又は 3.5∼5.5): 5mmol/過マンガン酸カリウム溶液の反

応予想量 (ml)

0.2: 5mmol/過マンガン酸カリウム溶液 1ml

の酸素相当量 (mg)


43

K 0101 : 1998

(

6

)

  硝酸銀溶液 (200g/l)  に代え,これに対応する硝酸銀の粉末を加えてもよい。

(

7

)

  試料中に塩化物イオンが存在する場合は当量になるまで加え,更に 5ml を加える。ただし,塩

化物イオンが多く,硝酸銀溶液 (200g/l) 10ml 以上を必要とする場合には,硝酸銀溶液 (500g/l)

を用いて当量よりも 2ml 過剰に加えるか,又は粉末にした硝酸銀を当量よりも 1g 過剰に加え,

更に水 5ml を加える。

塩化物イオン 1g に対する硝酸銀 (AgNO

3

)  の当量は 4.8g である。通常の海水[塩化物イオン

(18g/l)]100ml と当量の硝酸銀は 8.64g で,添加量は 9.6g となる。

(

8

)

  多数の試料を一度に入れると,水浴の沸騰が止まるおそれがあるだけでなく,取り出したとき

のしゅう酸ナトリウム溶液 (12.5mmol/l)  の添加操作の所要時間だけ加熱時間のずれが生じる

おそれがある。その所要時間だけの間隔をおいて入れるとよい。

(

9

)

  三角フラスコが倒れないように,その首に鉛製,鉄製などのリング状のおもりを付ける。

(

10

)

  このとき,三角フラスコ 300ml 中の試料の液面は沸騰水浴の水面下になるように保つ。

(

11

)

  塩化銀に酸化マンガン (IV) が混入し,反応にやや時間を要することがある。

(

12

)

  塩化物イオンの多い試料に硝酸銀溶液 (200g/l) 5ml 以上を加えた場合も,この操作では硝酸銀

溶液 (200g/l) 5ml を用いる。

備考

  硝酸銀溶液 (200g/l) 5ml に代え,めのう乳鉢でよくすりつぶした硫酸銀の粉末 1g を加えてもよ

い。ただし,

(e)

でも硫酸銀の粉末 1g を用いる。塩化物イオンの多い試料では,塩化物イオン

と当量よりも 10%多い量に,更に 1g を加えた量を加える。

塩化物イオン 1g と当量の硫酸銀は 4.4g であり,

硫酸銀添加量=[塩化物イオン (g) ×4.4×1.1+1] (g) =[塩化物イオン (g) ×4.84+1] (g)

となる。通常の海水[塩化物イオン (18g/l)]100ml では 9.7g となる。

18.

二クロム酸カリウムによる酸素消費量 (COD

Cr

  試料に二クロム酸カリウムと硫酸を加え,還流冷

却器を付けて 2 時間煮沸した後,消費した二クロム酸の量を求め,相当する酸素の量 (mgO/l)  で表す。

この試験は試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合には,

3.3

によって保存し,できるだけ早く試験

する。

(1)

試薬

  試薬は,次のものを用いる。

(a)

JIS K 0557

に規定する

A4

の水

(b)

硫酸銀-硫酸溶液

JIS K 8965

に規定する硫酸銀 11g を

JIS K 8951

に規定する硫酸 1に溶かす。溶

けるまで 1,2 日間を要する(加熱して溶かしてもよい。

(c)

硫酸水銀 (II)

JIS K 8980

に規定するもの。

(d)

二クロム酸カリウム溶液  (

240

1

mol/l)

JIS K 8517

に規定する二クロム酸カリウム 1.23g をとり,水

に溶かして 1とする。

(e)

1, 10-フェナントロリン鉄 (II) 溶液

JIS K 8789

に規定する 1, 10-フェナントロリン一水和物

(

1

)

1.48g と

JIS K 8978

に規定する硫酸鉄 (II) 七水和物 0.70g とを水に溶かして 100ml とする。

(f)

25mmol/硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液

(

2

)JIS K 8979

に規定する硫酸アンモニウム鉄 (II) 六水和

物 10g を水約 500ml に溶かし,硫酸 20ml を加える。冷却した後,水を加えて 1とする。使用時に

標定する。

標定

JIS K 8005

に規定する容量分析用標準物質の二クロム酸カリウムを,あらかじめめのう乳鉢

中で砕き,150℃で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷する。K

2

Cr

2

O

7

100%に対してその 0.246g


44 
K 0101 : 1998

を 1mg のけたまではかりとり,少量の水に溶かして全量フラスコ 200ml に移し入れ,水を標線まで

加える。この溶液 20ml を三角フラスコ 300ml にとり,水を加えて約 100ml とし,

JIS K 8951

に規

定する硫酸 30ml を加える。冷却した後,指示薬として 1, 10-フェナントロリン鉄 (II) 溶液 2,3 滴

を加えて,この 25mmol/硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液で滴定し,溶液の色が青緑から赤褐色に変

わった点を終点とする。

次の式によって 25mmol/硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液のファクター  (f)  を

算出する。

226

001

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a: 二クロム酸カリウムの量 (g)

b: 二クロム酸カリウムの純度 (%)

x: 滴定に要した 25mmol/l 硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液

(ml)

0.001 226: 25mmol/硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液 1ml の二クロ

ム酸カリウム相当量 (g)

(

1

)

JIS K 8202

に規定する塩化1, 10-フェナントロリニウム一水和物を用いる場合には,1.78g をとる。

(

2

)

 25mmol/硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液 1ml は,二クロム酸カリウム溶液  (

240

1

mol/l) 1ml に相当

する。

(2)

器具及び装置

  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

還流冷却器

  共通すり合わせリービッヒ冷却器又は球管冷却器 300mm のもの。

(b)

丸底フラスコ又は三角フラスコ

  250∼300ml

(a)

の還流冷却器と共通すり合わせのもの。

(c)

加熱板又はマントルヒーター

(3)

操作

  操作は,次のとおり行う。

(a)

  試料

(

3

)

の適量

(

4

)

をあらかじめ硫酸水銀 (II) 0.4g

(

5

)

を入れた丸底フラスコ又は三角フラスコ 250ml に

とり,水を加えて 20ml とし,よく振り混ぜる。

(b)

  二クロム酸カリウム溶液  (

240

1

mol/l) 10ml を加え,注意してよく振り混ぜながら硫酸銀-硫酸溶液

30ml を加えた後,沸騰石数個を入れる。

(c)

  還流冷却器を付けて 2 時間加熱する。

(d)

  冷却した後,水約 10ml で還流冷却器を洗って洗液をフラスコに流し入れ,更に水で約 140ml に薄

める。

(e)

  指示薬として 1, 10-フェナントロリン鉄 (II) 溶液 2,3 滴を加えて,過剰の二クロム酸を 25mmol/l

硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液で滴定し,溶液の色が青緑から赤褐色に変わった点を終点とする。

(f)

  別に,水 20ml をとり,

(a)

(e)

の操作を行う。

(g)

  次の式によって COD

Cr

 (mgO/l)  を算出する。

2

.

0

000

1

)

(

Cr

×

×

×

=

V

f

a

b

COD

ここに,  COD

Cr

二クロム酸カリウムによる酸素消費量 (mgO/l)

a: 滴定に要した 25mmol/硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液

(ml)

b: 水を用いた試験の滴定に要した 25mmol/硫酸アンモニウ

ム鉄 (II) 溶液 (ml)

f: 25mmol/硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液のファクター

V: 試料 (ml)

0.2: 25mmol/硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液 1ml の酸素相当量


45

K 0101 : 1998

(mg)

(

3

)

  懸濁物を含む場合には,よく振り混ぜて均一にした後,手早く採取する。

(

4

)

  2 時間加熱した後に最初に加えた二クロム酸カリウム溶液の約

2

1

が残るような量。

(

5

)

  塩化物イオン 40mg をマスキングするが,海水のように塩化物イオンの濃度が高い場合には,

妨害を除去できないので,この方法は適用できない。

備考

  この方法では,水銀化合物を使用するので,試験後の廃液の処理について特に注意すること。

19.

生物化学的酸素消費量 (BOD) 

  生物化学的酸素消費量とは,水中の好気性微生物によって消費され

る溶存酸素の量をいう。試料を希釈水で希釈し,20℃で 5 日間放置したとき消費された溶存酸素の量で表

す。

この試験は試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合には,

3.3

によって保存し,できるだけ早く試験

する。

(1)

試薬

  試薬は,次のものを用いる。

(a)

JIS K 0557

に規定する

A3

の水

(

1

)

(b)

緩衝液 (pH7.2) 液)

JIS K 9017

に規定するりん酸水素二カリウム 21.75g,

JIS K 9007

に規定

するりん酸二水素カリウム 8.5g,

JIS K 9019

に規定するりん酸水素二ナトリウム・12 水 44.6g 及び

JIS K 8116

に規定する塩化アンモニウム 1.7g を水に溶かして 1 000ml とする。この緩衝液の pH は

7.2 である。

(c)

硫酸マグネシウム溶液(液)

JIS K 8995

に規定する硫酸マグネシウム七水和物 22.5g を水に溶

かして 1とする。

(d)

塩化カルシウム溶液(液)

JIS K 8123

に規定する塩化カルシウム 27.5g を水に溶かして 1とす

る。

(e)

塩化鉄 (III) 溶液(液)

JIS K 8142

に規定する塩化鉄 (III) 六水和物 0.25g を水に溶かして 1l

とする。使用時に調製する。

(f)

塩酸 (111)

JIS K 8180

に規定する塩酸を用いて調製する。

(g)

水酸化ナトリウム溶液 (40g/l

JIS K 8576

に規定する水酸化ナトリウム 4g を水に溶かして 100ml

とする。

(h)

亜硫酸ナトリウム溶液 (12.5mmol/l)

JIS K 8061

に規定する亜硫酸ナトリウム 1.6g を水に溶かし

て 1とする。使用時に調製する。

(i)

よう化カリウム

JIS K 8913

に規定するもの。

(j)

希釈水

  水温を 20℃近くに調節し,ばっ気して溶存酸素を飽和させた水

(

2

)

1に対して,A 液,B 液,

C 液及び D 液それぞれ 1ml ずつを加える。この溶液は,pH 7.2 である[pH 7.2 を示さないときは,

塩酸 (1+11)  又は水酸化ナトリウム溶液 (40g/l)  で pH 7.2 に調節する。

。希釈水は,培養瓶に詰め

て 20℃の恒温槽に 5 日間放置したとき,初めの溶存酸素の量と 5 日間後の溶存酸素の量との差が

0.2mgO/以下であることをあらかじめ確認しておく

(

3

)

(k)

植種液

  下水の上澄み液

(

4

)(

5

)

,河川水

(

6

)

,土壌抽出液

(

7

)

などを用いる。

(l)

植種希釈水(

8

)

  試験に際し植種液の適量

(

9

)

を希釈水に加えて,植種希釈液を調製する。

(

1

)

  石英ガラス又はほうけい酸ガラス-1製の蒸留器で精製したもの。

(

2

)

  洗浄して汚染物質を除いた空気を通して,溶存酸素を飽和させるとよい。空気の洗浄は次の方

法による。


46 
K 0101 : 1998

空気を活性炭ろ過器[例えば,粒状活性炭をガス乾燥塔 (300mm) に充てんする。

]でろ過し,

次に,硫酸酸性にした過マンガン酸カリウム溶液 (5g/l)  で洗い,更に水酸化カリウム溶液

(250g/l)  で洗う。

(

3

)

  生物化学反応は,含まれている有機物の濃度及び微生物の種類によって異なるため,希釈水に

ついて空試験を行って補正することは困難である。このため,希釈水は 5 日間の酸素消費量が

0.2mgO/以下のものを用いる。

(

4

)

  植種液には,家庭生下水がよく用いられる。新鮮な生下水を 20℃(又は室温)で 24∼36 時間

放置後,その上澄み液を用いる。下水中に硝化生物(アンモニウムイオン及び亜硝酸イオンを

酸化する生物)の多いもの及び十分な生物化学的平衡に達していない新鮮な下水は好ましくな

い。

(

5

)

  植種液として下水を用いた場合に,正常な BOD を示さない試料には,植種液として土壌抽出液

を用いるか,又は試験室でこの試料にならした微生物を培養し,この培養液を用いる。

(

6

)

  常時この試料の放流を受けている河川の放流地点から 500∼1 000m 下流の水を植種に用いると

良好な結果を得ることがある。試料中に生物化学的反応に有害な物質が共存しても,その試料

の放流を受けている河川,湖沼などには,耐性をもった生物相が発達していることが多いから

である。

(

7

)

  土壌(植物の生育している土壌)約 200g を水 2に加えてかき混ぜた後,その上澄み液を用い

る。

(

8

)

  試料中に好気性の微生物や細菌が存在しない場合,又はその数が不足している場合に,植種希

釈水を用いる。

試料の BOD の試験に植種希釈水を用いるときは,次の操作によって植種希釈水の調製に用い

た植種液についての補正(植種補正)を行う。

植種液を希釈水で適当に希釈して数段階の希釈した植種液を調製し,希釈試料と並行して測

定する。希釈した植種液の培養前の溶存酸素の量を B

1

,5 日間放置後の溶存酸素の量を B

2

とす

るとき

1

2

1

)

(

B

B

B

×100 が 40∼70%の範囲内にあるものを選び,植種補正値として  (B

1

B

2

)  ×f

を用いる[

(4)(d)

の BOD の算出式を参照]

。植種希釈水の 5 日間の溶存酸素の消費量を求めて補

正を行ってはならない。

(

9

)

  微生物が正常な活動をするために,植種希釈水の BOD が 0.6∼1mgO/になるように加える。通

常,希釈水 1に対し,下水の上澄み液では 5∼10ml,河川水では 10∼50ml,土壌抽出液では 20

∼30ml 程度である。

(2)

器具及び装置

  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

培養瓶

  正確に容量の分かっている細口共栓ガラス瓶 (100∼300ml)  で,共栓は斜めに切り落とし

たもの。

図 19.1

に一例を示す。


47

K 0101 : 1998

図 19.1  培養瓶の一例

(b)

恒温器

JIS T 1702

に規定するふ(孵)卵器 20±1℃に調節できるもの。希釈試料中の藻類による

二酸化炭素同化作用(炭酸同化作用)を防ぐために,光を遮断しておく。同様な仕様の恒温水槽を

使ってもよい。

(3)

試料の前処理

  試料の前処理は,次のとおり行う。

試料に酸及びアルカリ,残留塩素などの酸化性物質,過飽和の溶存酸素又は溶存気体が含まれてい

る場合には,次の前処理を行う。

また,前処理によって液量が増加する場合には,増加分について結果を補正する。

(a)

アルカリ又は酸を含む試料

  塩酸 (1+11)  又は水酸化ナトリウム溶液 (40g/l)  を加えて試料の pH

を約 7 にする。

(b)

残留塩素などの酸化性物質を含む試料

  あらかじめ試料 100ml に

JIS K 9501

に規定するアジ化ナト

リウム 0.1g と

JIS K 8913

に規定するよう化カリウム 1g とを加えて振り混ぜた後,塩酸 (1+1)  を

加えて pH を約 1 とし,暗所に数分間放置する。遊離したよう素をでんぷん溶液を指示薬として亜

硫酸ナトリウム溶液 (12.5mmol/l)  でよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。別に,同量の

試料をとり,先の滴定値から求めた計算量の亜硫酸ナトリウム溶液 (12.5mmol/l)  を加えて残留塩素

を還元した後,必要ならば水酸化ナトリウム溶液 (40g/l)  又は塩酸 (1+11)  を用いて pH を約 7 に

調節する。

(c)

溶存酸素又は溶存気体が過飽和の試料

  冬季に採取した処理水,河川水などの試料の温度が 20℃以

下のときは,20℃にしたときに溶存酸素及び溶存気体が過飽和になりやすい。

また,緑藻類の多い河川水及び湖沼水では,二酸化炭素同化作用によって酸素が発生するので,

溶存酸素が過飽和になりやすい。これらの試料では,BOD 測定中に溶存酸素が気体となり,培養瓶

外に散逸し,結果が不正確になるから,あらかじめかき混ぜるか,ばっ気するなどの方法によって

溶存酸素及び溶存気体を 20℃の飽和量近くに減少させておく。

備考1.

  生物化学的処理が済んだ試料には,炭素質の有機物を分解する好気性細菌のほかにアンモニ

アなどの窒素化合物を酸化(硝化)する硝化細菌が繁殖していることがある。このような試

料では,有機物の酸化分解に消費される酸素と,アンモニアなどの窒素化合物の硝化に消費

される酸素の合量が測定される。この硝化による酸素の消費量は,試料中の窒素化合物の量

に対応するものではなく,硝化細菌の数によって変化する。

硝化作用を抑制した状態の生物化学的酸素消費量を測定するには,次の操作を行う。

(4)(a)

の希釈試料の調製時に,希釈試料 1について N-(2-プロペニル)チオ尿素 2mg

(*)


48 
K 0101 : 1998

は 2-クロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジンの粉末 10mg

(

2

*)

が含まれるように添加する。

(*)

  N-(2-プロペニル)チオ尿素(N-アリルチオ尿素)溶液 (1mg/ml) [N-(2-プロペニル)チオ尿

素 0.1g を水に溶かして 100ml とする。0∼10℃の暗所に保存する。

]2ml を加える。

(

2

*)

 2-クロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジンは,水に溶けにくいので粉末で加える。添加した後

も完全には溶けず一部は浮上することがあるので,培養瓶に移す場合など注意する。水に溶け

やすいように,他の試薬と混合したものがあり,これを用いてもよい。

(4)

操作

  操作は,次のとおり行う。

(a)

希釈試料の調製

  サイホンを用い,泡が入らないように注意して希釈水又は植種希釈水をメスシリ

ンダー(有栓形)1 000ml[培養瓶が 200ml 以上の場合には,メスシリンダー(有栓形)2 000ml を

用いる。

]に約半分までとる。次に,前処理を行った試料の適量

(

10

)(

11

)(

12

)

を加え,希釈水又は植種希

釈水を 1 000ml の標線[メスシリンダー(有栓形)2 000ml の場合には,2 000ml の標線]まで加え

る。栓をして静かに混ぜ合わせる。試料の量を変えて同じ操作を行うか又は同様の操作によって,

この溶液を希釈して,更に段階的に希釈倍率の異なる希釈試料 4∼5 種類を調製する

(

13

)(

14

)(

15

)

調製したそれぞれの希釈試料 1 種類について,培養瓶 2∼4 本を用意し,サイホンを用いて希釈試

料を移し入れ,十分にあふれさせた後,密栓する。

希釈倍率の異なる各組の培養瓶のうち 1 本は,培養前の溶存酸素の定量に用い,ほかは 20±1℃

に調節した恒温器に入れて 5 日間培養する

(

16

)(

17

)

(b)

培養前の希釈試料の溶存酸素量の測定

  希釈試料を調製後 15 分間放置し

(

18

)

,溶存酸素を

24.2

24.3

又は

24.4

によって定量する。

24.3

又は

24.4

による場合は,メスシリンダー中に残った希釈試料を用

いて溶存酸素の量を測定してもよい。

(c)

培養後の溶存酸素の測定

  恒温器又は恒温水槽の中に 5 日間培養した希釈試料の溶存酸素の量を

(b)

と同じ方法で測定する。

(d)

BOD の算出

  培養前後の溶存酸素の量から,次の式によって試料の BOD (mgO/l)  を算出する

(

19

)

i)

植種を行わないとき。

P

D

D

BOD

)

(

2

1

=

ii)

植種希釈水を用いたとき

(

19

)

P

f

B

B

D

D

BOD

×

=

)

(

)

(

2

1

2

1

ここに,  BOD

生物化学的酸素消費量 (mgO/l)

D

1

希釈試料を調製してから 15 分間後の溶存酸素 (mgO/l)

D

2

培養後の希釈試料の溶存酸素 (mgO/l)

(

20

)

P: 希釈試料中の試料の占める割合(試料/希釈試料)

B

1

植種液の BOD を測定する際の希釈した植種液の培養前の
溶存酸素 (mgO/l)

B

2

植種液の BOD を測定する際の希釈した植種液の培養後の
溶存酸素 (mgO/l)

f

y

x

x: 試料の BOD を測定する際の希釈試料中の植種液 (%)

y: 植種液の BOD を測定する際の希釈した植種液中の植種液

(%)

(

10

)

  試料の正常な BOD を得るための希釈試料の溶存酸素の消費量  (D

1

D

2

)  は,3.5∼6.2mgO/の範


49

K 0101 : 1998

囲である。希釈不足のため残留する溶存酸素の量が1mgO/以下であったり,逆に希釈し過ぎて

溶存酸素の消費量が2mgO/以下となる場合には,正常な BOD を得にくい。

(

11

)

  試料の BOD が,経験その他で予想できれば,採取する試料の量は,次のようにして求める。

例えば,20℃における溶存酸素の飽和量は,8.84mgO/であり,これの 40%は約 3.5mgO/l,70%

は約 6.2mgO/であるから,

希釈水と試料を合わせて 1にする場合には,

採取する試料の量  (Vml)

は,次の式で得られる。

)

/

mgO

(

1000

)

2

.

6

~

5

.

3

(

Mn

l

BOD

V

予想値

試料の

×

=

ここに,

V:  試料の採取量 (ml)

3.5: 20℃における溶存酸素の飽和量 (8.84mgO/l)  の 40%相当量

6.2: 20℃における溶存酸素の飽和量 (8.84mgO/l)  の 70%相当量

試料の BOD が 5mgO/以下の場合には,試料の採取量は 800ml 以上とする。

また,溶存酸素が十分に含まれていない場合には,ばっ気した後試験する。

(

12

)

  懸濁物を含む試料の場合には,懸濁物が均一になるように混ぜ合わせた後,適量をとる。

(

13

)

  メスシリンダー中に残っている希釈試料を基にして,順次希釈倍数の高い希釈試料を調製し続

けると,労力と時間を節約することができる。

(

14

)

 100 倍以上に希釈する場合には,一度に希釈せずに,あらかじめ他のメスシリンダー(有栓形)

1 000ml に試料 50∼100ml をとり,希釈水又は植種希釈水を 1 000ml の標線まで加える。この希

釈した試料を用いて

(a)

の希釈試料を調製する。

(

15

)

 BOD が 100mgO/以下の試料の場合には,次の方法によって培養瓶で直接希釈してもよい。

容量の正確に分かっている培養瓶 4 本を用意し,それぞれにあらかじめ約半量の希釈水又は

植種希釈水を入れておき,次に,希釈倍数に応じて瓶の容量に対する計算量の試料を加え,更

に,瓶内の空間を希釈水又は植種希釈水で満たす。この操作中,泡が入らないように注意する。

(

16

)

  恒温水槽を使用する場合には,培養瓶全体を水に浸す。

(

17

)

  培養瓶を水封して恒温器中におく場合には,水封水が蒸発するから,ときどき補充する。

(

18

)

  硫化物,亜硫酸塩,鉄 (II) などの還元性物質が共存する場合には,15 分間の酸素消費量

(Immediate dissolved oxygen demand,以下 IDOD と略記する。

)と BOD とを区別する。IDOD

を求めるには,次のように操作する。

あらかじめ試料と希釈水との溶存酸素を測定した後,一定の割合で試料を希釈水で薄め,15

分間放置した後,溶存酸素  (D

1

)  をはかる。初めに測定した試料と希釈水それぞれの溶存酸素

(mgO/l)  から希釈試料の溶存酸素  (D

c

)  を算出し,次の式によって試料の IDOD (mgO/l)  を算出

する。

P

D

D

IDOD

c

)

(

1

=

ここに,  IDOD

15 分間の酸素消費量 (mgO/l)

D

C

培養前の希釈試料水の溶存酸素 (mgO/l)  =  (S×P)  + 
(D

O

×p)

S: 試料の溶存酸素 (mgO/l)

D

O

希釈水の溶存酸素 (mgO/l)

p: 希釈試料中の希釈水の占める割合(希釈水/希釈試料)

P: 希釈試料中の試料の占める割合(試料/希釈試料)

D

1

希釈試料を調製してから 15 分間放置後の溶存酸素 (mgO/l)


50 
K 0101 : 1998

(

19

)

  次のような方法で算出してもよい。

100

)

1

(

)

(

)

(

1

2

2

1

1

2

1

×

×

×

×

=

n

V

n

B

B

n

D

D

BOD

ここに,  D

1

:  希釈試料を調製してから 15 分間後の溶存酸素 (mgO/l)

D

2

:  培養後の希釈試料の溶存酸素 (mgO/l)

n

1

希釈試料の希釈倍数

÷

ø

ö

ç

è

æ

試料

希釈試料

n

2

植種液の

BOD

測定時の希釈倍数

÷÷ø

ö

ççè

æ

測定における植種液

植物液の

植種液

測定における希釈した

植物液の

(ml)

BOD

(ml)

BOD

B

1

植種液の

BOD

測定における培養前の希釈した植種液の溶存

酸素

 (mgO/l)

B

2

植種液の

BOD

測定における培養後の希釈した植種液の溶存

酸素

 (mgO/l)

V

植種希釈水中に含まれる植種液のパーセント

(vol%)

通常

2

2

1

)

(

100

6

.

0

n

B

B

V

×

×

>

になるようにとる。

(

20

)

  5

日間の溶存酸素の消費量

  (D

1

D

2

)

3.5

6.2mgO/l

以内,

1

2

1

D

D

D

×

100

40

70%

の範囲内

の値のものをとり,

BOD

を算出する。この条件の中央値付近になるのが最も望ましい。ただし,

試料の

BOD

3.5mgO/l

以下のときは,希釈しない場合でも

5

日間の溶存酸素の消費量は,溶

存酸素の飽和量の

40%

以上にならない。このような場合には,その値から算出する。

備考2.

植種液の調製方法  微生物を試料にならすための培養は,次の方法で行うとよい。

ガラス水槽(約

6l

)に試料

5l

を入れ,塩酸

 (1

11)

又は水酸化ナトリウム溶液

 (40g/l)

用いて

pH

を約

7

に調節しておく。微生物が豊富に存在する下水,河川水などを植種液とし,

その

100

300ml

及び緩衝液(

A

液)

10

50ml

を加える。よくかき混ぜた後,その一部をと

り,

COD

Mn

又は有機体炭素の量を測定しておく。次に,

24

48

時間連続ばっ気した後,再び

その一部をとり,

COD

Mn

又は有機体炭素の量を測定する。前後の測定値に顕著な変化がある

場合には,試料中に生物化学反応が進行しているものと判定し,更にばっ気を続けて試料に

適応する生物を繁殖させる。もし,顕著な変化が生じない場合には,別に試料をとり,希釈

水で適当に希釈した後,前記と同様に植種を行い,

24

48

時間連続ばっ気し,

COD

Mn

又は有

機体炭素の量の変化及び懸濁物の量の変化などを試験する。その結果,これらに顕著な変化

がある場合には,生物化学反応が活発になっていることの現れである。試料中の有機物の組

成によっては,このような操作を

1

週間以上試みる必要がある。

また,試料を希釈水で

10

倍以上に希釈して上記の操作を行った場合,

COD

Mn

又は有機体

炭素の量に顕著な変化を生じたら,徐々に試料の比率を増加してみることも必要である。こ

のように試料に適応する微生物を培養し,植種液として用いる。

3.

試料操作の確認の方法  植種液,植種希釈水などの使用の適否,又は試験操作を確認するた

めに,次の方法が推奨される。

グルコース

-

グルタミン酸混合標準液[JIS K 8824 に規定する

D (

) -

グルコース

150mg

び JIS K 9047 に規定する

L-

グルタミン酸

150mg

をとり,水に溶かして全量フラスコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

5

10ml

を容量の正確に分かった培養瓶

300ml

(培養瓶

100ml

の場合には,前記の

3

1

量を用いる。

)にとり,植種希釈水を満たして密栓し,

BOD


51

K 0101 : 1998

をはかる。この標準液の

BOD

220

±

10mgO/l

である。もし,この値からの偏差が著しい場

合には,希釈水の水質又は植種液の活性度などに疑問がある。

4.

試料中に銅,クロム,水銀,銀,ひ素などの重金属元素が溶存していると正しい測定値が得

られないことがある。このような場合には,これらの重金属元素によくならした植種液を

考 2.によって培養しておく。

20.

有機体炭素 (TOC)   有機体炭素とは,水中に存在する有機物中の炭素をいう。これの定量には,燃

焼酸化

-

赤外線式

TOC

分析法及び燃焼酸化

-

赤外線式

TOC

自動計測法を適用する。

この試験は,試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合には,3.3 によって保存し,できるだけ早く試

験する。

20.1

燃焼酸化-赤外線式 TOC 分析法  少量の試料を二酸化炭素を除去した空気又は酸素とともに高温の

全炭素測定管に送り込み,有機物中の炭素及び無機物[無機体炭素(主として炭酸塩類)

]中の炭素を二酸

化炭素とした後,その濃度を非分散形赤外線ガス分析計で測定して全炭素の量を求める。

別に,試料を有機物が分解されない温度に保った無機体炭素測定管に送り込み,生成した二酸化炭素を

測定し,無機体炭素の量を求める。

全炭素の量から無機体炭素の量を差し引いて有機体炭素の量を算出する。

定量範囲:

C 1

150mg/l

,繰返し分析精度:変動係数で

3

10%

(装置,測定条件によって異なる。)

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 又は A4 の水(

1

)(

2

)(

3

)

で,炭酸を含まない水(

4

)を用いる。試薬の調製

及び操作には,この水を用いる。(5)によって空試験を行い,使用の適否を確認しておく。

(b)

TOC 標準液 (1mgC/ml)

  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のフタル酸水素カリウムを

120

℃で約

1

時間加熱し,デシケーター中で放冷する。その

2.125g

をとり,少量の水に溶かして全

量フラスコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

(c)

TOC 標準液 (0.1mgC/ml) 

TOC

標準液

 (1mgC/ml) 10ml

を全量フラスコ

100ml

にとり,水を標線

まで加える。

(d)

無機体炭素標準液 (1mgC/ml)

  JIS K 8622 に規定する炭酸水素ナトリウムをデシケーター中で約

3

時間放置し,その

3.497g

をとる。別に,JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリ

ウムを,あらかじめ

600

℃で約

1

時間加熱し,デシケーター中で放冷し,その

4.412g

をとる。両者

を少量の水に溶かして全量フラスコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

(e)

無機体炭素標準液 (0.1mgC/ml)   無機体炭素標準液

 (1mgC/ml) 10ml

を全量フラスコ

100ml

にとり,

水を標線まで加える。

(f)

全炭素測定管  全炭素定量用触媒を充てんしたもの。

(g)

無機体炭素測定管  無機体炭素定量用触媒を充てんしたもの。

(h)

キャリヤーガス  二酸化炭素を除去した空気又は JIS K 1101 に規定する酸素

(

1

)

 TOC

の濃度をできるだけ低くした水を用いる。精製した水は,容器に入れて保存すると徐々に

汚染されて

TOC

の濃度が高くなることがあるので,精製後は早く使用することが望ましい。

(

2

)

 TOC

の濃度をできるだけ低くするには,イオン交換水又は蒸留水を蒸留フラスコにとり,過マ

ンガン酸カリウム溶液

 (3g/l)

を着色するまで滴加し,水

1 000ml

当たり硫酸

 (1

1) 2

3ml

加えて蒸留する(蒸留が終わるまで過マンガン酸カリウムによる着色が残るようにする。

。初

留分(蒸留フラスコ中の水量の約

5

1

に相当する。

)を捨て,中間の

5

3

に相当する留分を採取する。


52 
K 0101 : 1998

(

3

)

イオン交換法,蒸留法,逆浸透法,紫外線照射法,活性炭吸着ろ過法,限外ろ過法及び精密ろ

過法などを適宜組み合わせて精製した水も使用できる。

(

4

)

2.(12)(b)によって精製する。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

マイクロシリンジ

20

150

µl

(b)

TOC 分析装置

(3)

準備操作  準備操作は,次のとおり行う。

(a)

 TOC

分析装置を作動できる状態にする。

(b)

 TOC

標準液

 (1mgC/ml)

又は

TOC

標準液

 (0.1mgC/ml)

の一定量(

5

)(例えば,

20

µl

)をマイクロシリ

ンジで

TOC

分析装置の全炭素測定管に注入し,指示値(ピーク高さ)を読み取る。

(c)

(b)の操作を数回繰り返して指示値が一定になることを確かめる。

(d)

試料をよく振り混ぜて均一にした後,(b)と同量をマイクロシリンジで全炭素測定管に注入して,指

示値を読み取り,(b)と比較して試料中の概略の全炭素の濃度

 (mgC/l)

を求める。

(

5

)

試料の炭素の濃度が低い場合には,注入量は

100

150

µl

とし,炭素の濃度が高い場合には,注

入量を少なくするか一定倍率で薄める。

(4)

検量線の作成  検量線の作成は,次のとおり行う。

(a)

(3)(d)で求めた試料の概略の炭素の濃度がほぼ中央になるように

TOC

標準液

 (1mgC/ml)

又は

TOC

標準液

 (0.1mgC/ml)

を全量フラスコ

100ml

に段階的にとり,水を標線まで加える。

(b)

(a)で調製した

TOC

標準液の最高濃度のものの一定量[例えば,(3)(b)と同量]をマイクロシリンジ

で全炭素測定管に注入して,指示値が最大目盛値の約

80%

になるように

TOC

分析装置の感度及び

標準液の注入量を調節する。

(c)

(a)で調製した各濃度の

TOC

標準液の一定量[(b)で定めた量]を順次マイクロシリンジで全炭素測

定管に注入して,指示値を読み取る。

(d)

空試験として,(c)と同量の水をマイクロシリンジで全炭素測定管に注入して,指示値を読み取り,

(c)の結果を補正し,有機体炭素の量と指示値との関係線を作成して,これを全炭素の検量線とする。

(e)

無機体炭素標準液

 (1mgC/ml)

又は無機体炭素標準液

 (0.1mgC/ml)

を用いて,(a)で段階的に調製し

TOC

標準液と同量の炭素を含むように無機体炭素標準液を段階的に調製する。

(f)

(e)で調製した各濃度の無機体炭素標準液の一定量[(b)で定めた量]を順次マイクロシリンジで無機

炭素測定管に注入し,指示値を読み取る。

(g)

空試験として(f)と同量の水をマイクロシリンジで無機体炭素測定管に注入して,指示値を読み取り,

(f)の結果を補正し,無機体炭素の量と指示値との関係線を作成して,これを無機体炭素の検量線と

する。

(5)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料に懸濁物が含まれている場合には,ホモジナイザー又はミキサーでよくかき混ぜてこれらを均

一に分散させる。

(b)

試料の一定量(

5

)[例えば,(4)(b)と同量]をマイクロシリンジで全炭素測定管に注入し,指示値を読

み取る。

(c)

試料の一定量[例えば,(4)(f)と同量]をマイクロシリンジで無機体炭素測定管に注入し,指示値を

読み取る。

(d)

試料を薄めた場合には,(b)及び(c)の空試験としてそれぞれ同量の水をマイクロシリンジでとり,(b)


53

K 0101 : 1998

及び(c)の操作を行って試料について得た結果を補正する。

(e)

あらかじめ作成した全炭素及び無機体炭素の検量線から注入試料中の全炭素及び無機体炭素の量を

求め,それぞれの濃度

 (mgC/l)

を算出する。

(f)

次の式によって試料の有機体炭素

  (TOC)

の濃度

 (mgC/l)

を算出する。

TOC

  (C

t

C

i

)

×

d

ここに,

  TOC

有機体炭素

 (mgC/l)

C

t

注入試料中の全炭素

 (mgC/l)

C

i

無機体炭素

 (mgC/l)

d

注入試料の希釈倍数

備考1.

全炭素の量から無機体炭素の量を差し引いて有機体炭素の量を求める方法のほか,あらかじ

め試料に塩酸を加えて

pH

2

以下にし,JIS K 1107に規定する高純度窒素

2

級を通気して無機

体炭素を除去した後,その少量を高温の全炭素測定管に送り込み,炭素の定量を行ってこれ

を有機体炭素の量とする方法がある。この方法は,無機体炭素が多い試料の場合は優れてい

る。ただし,揮発性の有機物を含む場合には誤差が大きい。

2.

 TOC

分析装置で有機体炭素を二酸化炭素とする方式には,燃焼法のほかにアンプルを用いる

湿式酸化法がある。この湿式酸化法は,試料

3

10ml

をガラス製アンプルにとり,ペルオキ

ソ二硫酸カリウムとりん酸,又は二クロム酸カリウムとりん酸を加えて酸性とした後,酸素

を十分に通気して二酸化炭素を除去する。アンプルを溶封した後,オートクレーブ中で一定

時間加熱して有機物を酸化する。アンプルを装置内で破壊し,生じた二酸化炭素を窒素で二

酸化炭素測定部に導入する。

3.

生成した二酸化炭素の定量には,赤外線分析法のほかに熱伝導度測定法が用いられる。

20.2

燃焼酸化-赤外線式 TOC 自動計測法  計測器に連続的に供給した試料に酸を加えて

pH

2

以下にし,

通気して無機体炭素を除去した後,

その一定量をキャリヤーガスとともに高温の全炭素測定管に送り込み,

有機物中の炭素を二酸化炭素とし,その濃度を非分散形赤外線ガス分析計で測定して有機体炭素

 (TOC)

の濃度を求める。

定量範囲:

C

0.05

150mg/l

,繰返し分析精度:変動係数で

3

10%

(装置,測定条件によって異な

る。)

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  20.1(1)(a)による。

(b)

TOC 標準液 (1mgC/ml)

  20.1(1)(b)による。

(c)

TOC 標準液 (0.1mgC/ml)

  20.1(1)(c)による。

(d)

ゼロ校正液  (a)の水を用いる。

(e)

スパン校正液

TOC

標準液

 (0.1mgC/ml)

[又は

TOC

標準液

 (1mgC/ml)

]の適量を全量フラスコに

とり,水を標線まで加える。同じ操作で計測器の測定範囲の約

80%

に相当する

TOC

の濃度になる

ように調製する。使用時に調製する。

(f)

酸溶液  JIS K 9005 に規定するりん酸,JIS K 8180 に規定する塩酸又は JIS K 8951 に規定する硫酸

TOC

の濃度のできるだけ少ないものを用い,所定の濃度に調製する。

(g)

キャリヤーガス  20.1(1)(h)による。

(2)

装置  装置は,次のとおりとする。

(a)

TOC 自動計測器  JIS K 0805 に規定する測定範囲が

1 000

µgC/l

以下又は

1mgC/l

以上の燃焼酸化

-


54 
K 0101 : 1998

赤外線式

TOC

自動計測器

(3)

準備操作  準備操作は,次のとおり行う。

(a)

酸溶液及びキャリヤーガスを,計測器に供給する。

(b)

計測器の暖機運転を行い,各部の機能及び指示記録部を安定させる。

(c)

ゼロ校正液及びスパン校正液を用いて計測器を校正する。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料を,計測器に供給して指示値が安定したことを確認する。

(b)

指示値から試料中の有機体炭素

 (TOC)

の濃度

 (mgC/l)

を求める。

備考4.

 TOC

自動計測器で有機体炭素を二酸化炭素とする方式には,燃焼酸化方式のほかに酸化剤

(ペルオキソ二硫酸塩)を添加して高圧高温下で湿式酸化分解(例えば,約

2MPa

200

℃)

する方式がある。この方式には,試料の

pH

2

以下の酸性とし,ばっ気して無機体炭素を除

去した後測定する方式と,試料を酸性にし酸化剤を加えて全炭素を定量し,別に,試料を酸

性にし有機物が分解されない温度(約

130

℃)で無機体炭素を定量して,全炭素の量から無機

体炭素の量を差し引いて有機体炭素の量を求める方式の二種類がある。

21.

全酸素消費量 (TOD)   全酸素消費量とは試料を燃焼させたとき,試料中の有機物の構成元素である

炭素,水素,窒素,硫黄,りんなどによって消費される酸素の量をいう。この試験には燃焼法を適用する。

少量の試料を一定量の酸素を含む不活性気体とともに高温の燃焼管に送り込み,有機物などを燃焼させ

た後,不活性気体中の酸素の濃度を定量し,その減量から全酸素消費量を求める。

この試験は,試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合には,3.3 によって保存し,できるだけ早く試

験する。

定量範囲:

O 10

500mg/l

,繰返し分析精度:変動係数で

3

10%

(装置,測定条件によって異なる。)

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 又は A4 の水(

1

)(

2

)(

3

)で,溶存酸素を含まない水(

4

)を用いる。試薬の調

製及び操作には,この水を用いる。(5)によって空試験を行い,使用の適否を確認しておく。

(b)

TOD 標準液 (1mgO/ml)

  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のフタル酸水素カリウムを

120

℃で約

1

時間加熱し,デシケーター中で放冷する。その

0.851g

をとり,水に溶かして全量フラ

スコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

(c)

TOD 標準液 (0.1mgO/ml)

TOD

標準液

 (1mgO/ml) 10ml

を全量フラスコ

100ml

にとり,水を標線

まで加える。使用時に調製する。

(d)

キャリヤーガス  JIS K 1107 に規定する高純度窒素

2

級及び JIS K 1101 に規定する酸素

(

1

)

 TOD

の濃度をできるだけ低くした水を用いる。精製した水は,容器に入れて保存すると徐々に

汚染されて

TOD

の濃度が高くなることがあるので,精製後は早く使用することが望ましい。

(

2

)

 TOD

の濃度を低くするには,20.

(

2

)の蒸留操作を行う。

(

3

)

20.の注(

3

)による。

(

4

)

2.(12)(a)によって精製する。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

マイクロシリンジ

10

20

µl

(b)

TOD 分析装置

(3)

準備操作  準備操作は,次のとおり行う。


55

K 0101 : 1998

(a)

 TOD

分析装置を作動できる状態にする。

(b)

 TOD

標準液

 (1mgO/ml)

又は

TOD

標準液

 (0.1mgO/ml)

の一定量(例えば,

20

µl

)をマイクロシリン

ジで

TOD

分析装置に注入し,指示値(ピーク高さ)が最大目盛値の約

80%

になるように

TOD

分析

装置の感度を調節する。

(c)

(b)の操作を数回繰り返して指示値が一定になることを確かめる。

(d)

試料(

5

)をよく振り混ぜて均一にした後,その定量[(b)で定めた量]をマイクロシリンジで注入して,

指示値を読み取り,(c)と比較して試料の概略の全酸素消費量を求める。

(

5

)

 TOD

500mgO/l

以上の試料の場合には,水で適当に希釈した後,試験する。

(4)

検量線の作成  検量線の作成は,次のとおり行う。

(a)

(3)(d)で求めた試料の概略の

TOD

の値がほぼ中央になるように

TOD

標準液

 (1mgO/ml)

又は

TOD

準液

 (0.1mgO/ml)

を全量フラスコ

100ml

に段階的にとり,水を標線まで加える。

(b)

(a)で調製した

TOD

標準液の最高濃度のものの一定量(例えば,

20

µl

)をマイクロシリンジで注入

し,指示値が最大目盛の約

80%

になるように感度を調節する。

(c)

(a)で調製した各濃度の

TOD

標準液の一定量[(b)で定めた量]を順次マイクロシリンジで注入し,

指示値を読み取る。

(d)

空試験として(c)と同量の水をマイクロシリンジでとり,(c)と同様に操作して指示値を読み取り,(c)

と指示値を補正して

TOD

標準液の各酸素相当量と指示値との関係線を作成する。

(5)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料に懸濁物が含まれている場合には,ホモジナイザー又はミキサーでよくかき混ぜてこれらを均

一に分散させる。

(b)

試料(

6

)の定量[例えば,4.(b)と同量]をマイクロシリンジで

TOD

分析装置に注入し,指示値を読み

取る。

(c)

試料を薄めた場合には,空試験として(b)と同量の水をマイクロシリンジでとり,(b)の操作を行って

指示値を読み取り,試料について得た結果を補正する。

(d)

あらかじめ作成した検量線から,注入した試料中の酸素消費量を求め,注入した試料の

TOD (mgO/l)

を算出する。

(e)

次の式によって試料中の全酸素消費量

 (TOD)

の濃度

 (mgO/l)

を算出する。

TOD

a

×

d

ここに,

  TOD

全酸素消費量

 (mgO/l)

a

注入試料の酸素消費量

 (mgO/l)

d

注入試料の希釈倍数

(

6

)

試料の全酸素消費量が高い場合には,一定倍数に薄める。

備考1.

溶存酸素が共存すると妨害し,特に全酸素消費量が少ない場合には影響が大きい。この場合

は,別に,試料中の溶存酸素の量を測定して補正する。

2.

試料が酸性で硫酸イオンを含む場合には,高温で加熱すると次のように分解して酸素を生じ

負の誤差となる。

2H

2

SO

4

2H

2

O

2SO

2

O

2

ただし,試料が蒸発したとき,硫酸がアルカリ金属塩となるような試料は,この反応は生

じない。このため,硫酸イオンが共存する場合には,水酸化ナトリウム溶液

 (200g/l)

を加え

pH

を約

11

に調節してから試験する。


56 
K 0101 : 1998

3.

硝酸イオンが共存する場合には,高温で加熱すると次のように分解して酸素を生じ,負の誤

差となる。

4NaNO

3

2Na

2

O

4NO

3O

2

  又は

2NaNO

3

Na

2

O

N

2

O

2O

2

4.

重金属イオンを含む試料を長時間測定すると燃焼管中の触媒が劣化し,酸化率が低下してく

る。このような場合には,触媒の交換又は再生が必要である。

5.

海水など塩類を多量に含む場合には,指示値が元に戻らないことがあるので,安定した指示

値が得られるまで測定を繰り返すか,又は試料を薄めてから試験する。

22.

フェノール類及び p-クレゾール類  フェノール類と

p

-

クレゾール類に区分する。

22.1

フェノール類  フェノール類の試験は,前処理(蒸留)した試料について,

4-

アミノアンチピリン

吸光光度法を適用する。

フェノール類はフェノール分解菌によって分解されやすい。

また,酸化性物質,還元性物質,アルカリなどの作用も受けやすいので,試験は試料採取後直ちに行う。

直ちに行えない場合は,3.3 によって保存し,できるだけ早く試験する。

22.1.1

前処理

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水(

1

)。ほうけい酸ガラス瓶に保存する。

(b)

りん酸 (19)

  JIS K 9005 に規定するりん酸を用いて調製する。

(c)

硫酸銅 (II) 溶液  JIS K 8983 に規定する硫酸銅

 (II)

五水和物

10g

を水に溶かして

100ml

とする。

(d)

メチルオレンジ溶液 (1g/l)

  JIS K 8893 に規定するメチルオレンジ

0.1g

を熱水

100ml

に溶かす。

(

1

)

石英ガラス製又はほうけい酸ガラス製の蒸留装置を用いて精製したもの。

(2)

装置  装置は,次のとおりとする。

(a)

蒸留装置  すり合わせのもの

(3)

蒸留操作  蒸留操作は,次のとおり行う。

(a)

試料

250ml

(

2

)(

3

)を蒸留フラスコ

500ml

にとり,メチルオレンジ溶液

 (1g/l)

数滴を加え,メチルオレ

ンジが変色するまでりん酸

 (1

9)

を加えて

pH

4

の酸性にした後,硫酸銅

 (II)

溶液

2.5ml

を加

える。

(b)

蒸留フラスコを蒸留装置に取り付け,受器にメスシリンダー(有栓形)

250ml

を用いて蒸留する。

(c)

メスシリンダー中の留出液が

225ml

になったとき,いったん加熱を止める。

(d)

蒸留フラスコ中の試料の沸騰がやんだ後,蒸留フラスコに水

25ml

を加え,再び蒸留を続けて更に

25ml

を留出させ,全留出液量を

250ml

とする(

4

)

(

2

)

試料中のフェノール類の濃度が

50mg/l

以上の場合には,その適量をとり,水を加えて

250ml

する。

試料中のフェノール類の濃度の概略値が分かっている場合には,試料を

100ml

,硫酸銅

 (II)

液の添加量を

1ml

にして,同じ操作で全留出液量を

100ml

としてもよい。

(

3

)

フェノール類の濃度が

25

µg/l

以下の場合には,試料

500ml

を蒸留フラスコ

1l

にとり硫酸銅

 (II)

溶液

5ml

を加え,蒸留して

450ml

が留出したとき,いったん加熱を止め,冷却した後,水

50ml

を加え,再び蒸留を続けて更に

50ml

を留出させ,

500ml

とする。

(

4

)

留出液が白濁している場合には,留出液に再びりん酸

 (1

9)

を加えて

pH

4

の酸性とし,硫

酸銅

 (II)

溶液

2.5ml

を加え,

蒸留操作を繰り返す。再蒸留を行っても白濁が消えない場合には,


57

K 0101 : 1998

22.1.2 の備考 1.(3)の油分及びタール類の除去に従って処理する。

22.1.2

4-アミノアンチピリン吸光光度法  前処理(蒸留)した試料の

pH

を約

10

に調節し,

4-

アミノアン

チピリン(

4-

アミノ

-1, 2-

ジヒドロ

-1, 5-

ジメチル

-2-

フェニル

-3H-

ピラゾール

-3-

オン)溶液とヘキサシアノ鉄

(III)

酸カリウム溶液を加えて,生成する赤い色のアンチピリン色素の吸光度を測定してフェノール類を定

量する。

この方法では,フェノールのほか

o

-

m

-

位置に置換基のあるフェノール誘導体及び多環式化合物にヒド

ロキシル基が置換したものも

4-

アミノアンチピリンと反応してアンチピリン色素を生成して定量される。

p

-

位置に置換基があるフェノール誘導体は,

4-

アミノアンチピリンと反応しにくいので,ほとんど発色し

ない。アンチピリン色素の発色の強さは,置換基の種類,位置,数などによって差がある。

この試験では,フェノール標準液による発色の強さと比較して,フェノールとして表す。

定量範囲:抽出法

C

6

H

5

OH 2.5

50

µg

,直接法

C

6

H

5

OH 50

500

µg

,繰返し分析精度:変動係数で

3

10%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

(b)

塩化アンモニウム-アンモニア緩衝液 (pH10)

  JIS K 8116 に規定する塩化アンモニウム

67.5g

JIS K 8085 に規定するアンモニア水

570ml

に溶かし,水で

1l

とする。この溶液は密栓して冷所に保

存する。

(c)

臭素酸カリウム溶液  (

60

1

mol/l)

  JIS K 8530 に規定する臭素酸カリウム

2.78g

と JIS K 8506 に規定

する臭化カリウム

10g

とを水に溶かして

1l

とする。

(d)

0.1mmol/チオ硫酸ナトリウム溶液  JIS K 8637 に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物

26g

と JIS 

K 8625 に規定する炭酸ナトリウム

0.2g

をとり,水に溶かして

1l

とし,気密容器に入れて少なくと

2

日間放置する。標定は使用時に行う。

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを

130

℃で約

2

時間加熱し,

デシケーター中で放冷する。その

0.713g

をとり,少量の水に溶かし,全量フラスコ

200ml

に移し入

れ,水を標線まで加える。この

20ml

を共栓三角フラスコ

300ml

にとり,JIS K 8913 に規定するよ

う化カリウム

2g

及び硫酸

 (1

5) 5ml

を加え,直ちに栓をして静かに振り混ぜ,暗所に約

5

分間放

置する。

100ml

を加え,遊離したよう素をこのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。溶液の黄色が薄く

なってから,指示薬としてでんぷん溶液

 (10g/l) 1ml

を加え,生じたよう素でんぷんの青い色が消え

るまで滴定する。

別に,水について同一条件で空試験を行って補正した

ml

数から次の式によって

0.1mol/l

チオ硫酸

ナトリウム溶液のファクター

  (f)

を算出する。

567

003

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

よう素酸カリウムの量

 (g)

b

よう素酸カリウムの純度

 (%)

x

滴定に要した

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

 (ml)

0.003 567

 0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

1ml

のよう素酸カリ

ウム相当量

 (g)

(e)

ヘキサシアノ鉄 (III) 酸カリウム溶液  JIS K 8801 に規定するヘキサシアノ鉄

 (III)

酸カリウムの

大きな結晶

9g

をとり,少量の水で表面を洗った後,水に溶かして

100ml

とし,必要があればろ過


58 
K 0101 : 1998

する。

1

週間ごとに調製するが,

1

週間以内でも色が暗い赤に変わったものは使用しない。

(f)

硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。

(g)

よう化カリウム  JIS K 8913 に規定するもの。

(h)

4-アミノアンチピリン溶液 (20g/l)

  JIS K 8048 に規定する

4-

アミノアンチピリン(

4-

アミノ

-1, 2-

ジヒドロ

-1, 5-

ジメチル

-2

フェニル

-3H-

ピラゾール

-3-

オン)

2.0g

を水に溶かして

100ml

とする。使用

時に調製する。

(i)

でんぷん溶液 (10g/l)

  JIS K 8659 に規定するでんぷん(溶性)

1g

を水約

5ml

に混ぜ,熱水

100ml

中にかき混ぜながら加え,約

1

分間煮沸した後,放冷する。使用時に調製する。

(j)

クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。

(k)

フェノール標準液 (1mgC

6

H

5

OH/ml)

  JIS K 8798 に規定するフェノール(

5

)

1g

を水に溶かして

1l

する。冷暗所に保存する。

標定  共栓三角フラスコ

500ml

にこの溶液

50ml

をとり,水約

100ml

を加える。これに臭素酸カリ

ウム溶液

  (

60

1

mol/l) 50ml

(反応量は約

40ml

である。)を加え,更に塩酸

5ml

を加える(このときト

リブロモフェノールの白い沈殿を生じる。)。

密栓して静かに振り混ぜ,褐色の臭素が遊離した後,約

10

分間放置する。次に,JIS K 8913 に規

定するよう化カリウム

1g

を加え,遊離したよう素を

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶

液の黄色が薄くなってから,指示薬としてでんぷん溶液

 (10g/l) 1ml

を加え,生じたよう素でんぷん

の青い色が消えるまで滴定する。これに要した

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液の滴定

ml

数を

(b)

とする。

別に,水

100ml

に臭素酸カリウム溶液

  (

60

1

mol/l) 20ml

を加えた溶液について,前と同様に操作し

て滴定に要する

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液の

ml

(a)

を求める。

次の式によってフェノール標

準液の濃度

 (mg/ml)

を算出する。

569

.

1

50

1

)

5

.

2

(

×

×

×

=

f

b

a

P

ここに,

P

フェノール標準液

 (mgC

6

H

5

OH/ml)

f

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

1.569

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

1ml

のフェノール相当量

(mg)

(l)

フェ ノール標 準液 (10

µ

gC

6

H

5

OH/ml)    フェノール

10mg

に相 当する量の フェノール標準液

(1mgC

6

H

5

OH/ml)

を全量フラスコ

1 000ml

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

(m)

フェノール標準液 (1

µ

gC

6

H

5

OH/ml)    フェノール標準液

 (10

µgC

6

H

5

OH/ml) 50ml

を全量フラスコ

500ml

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

(

5

)

ガスクロマトグラフ法で試験し,クレゾール類に相当する保持時間にピークのないものを用い

る。

次の操作を行って確認する。

フェノール標準液

 (1mgC

6

H

5

OH/ml) 10ml

を分液漏斗にとり,硫酸

 (1

3)

pH

1

2

に調

節し,JIS K 8465 に規定する

1, 2-

ジクロロエタン

5ml

を加えて振り混ぜ放置する。有機溶媒層

を分離し,硫酸ナトリウムを加え振り混ぜて脱水する。この溶液

5

µl

をガスクロマトグラフ装

置に注入してクロマトグラムを求める。

ガスクロマトグラフの条件

カラム用管  ガラス製  内径

3mm

,長さ

3m


59

K 0101 : 1998

カラム充てん剤  酸洗浄した粒径

180

250

µm

の耐火れんが(*)にエステル系固定相液体約

2.5%

を含浸させたもの。

検出器  水素炎イオン化検出器

キャリヤーガス  JIS K 1107 に規定する高純度窒素

2

級を用い,流量は

40

50ml/min

カラム槽温度

180

検出器槽温度

195

この条件で

o

-

クレゾール,フェノール,

p

-

クレゾール,

m

-

クレゾールの順にピークが出現す

る。

(*)

けい藻土を主成分とした耐火温度

1 100

℃のれんが。

参考

カラム充てん剤の市販品には,担体としてクロモゾルブ

W

又はこれと同等の性能をもつものに,

エステル系固定相液体を含浸させた

KG-02

FAP-S

などがある。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

分液漏斗

200ml

(b)

光度計  分光光度計又は光電光度計

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

22.1.1 の前処理を行った試料

100ml

(

6

)(フェノールとして

2.5

50

µg

を含む。

)を分液漏斗

200ml

とり,塩化アンモニウム

-

アンモニア緩衝液

  (pH 10) 3ml

を加えて振り混ぜ,

pH

10

±

0.2

に調節す

る。

(b)

 4-

アミノアンチピリン溶液

 (20g/l) 2ml

を加えて振り混ぜ,次に,ヘキサシアノ鉄

 (III)

酸カリウム

溶液

2ml

を加えて十分に振り混ぜた後,約

3

分間放置する(

7

)

(c)

クロロホルム

10ml

を加えて約

1

分間以上激しく振り混ぜた後静置する。クロロホルム層を乾いた

ろ紙でろ過するか,ビーカーに移した後,硫酸ナトリウム約

1g

を加えて脱水する。

(d)

これを吸収セルに移し,別に,水

100ml

について(a)(c)によって操作した空試験のクロロホルムを

対照液として波長

460nm

付近の吸光度を測定する。

(e)

検量線からフェノールの量を求め,試料中のフェノール類の濃度

 (mgC

6

H

5

OH/l)

を算出する。

検量線  フェノール標準液

 (1

µgC

6

H

5

OH/ml) 2.5

50ml

を分液漏斗

250ml

に段階的にとり,水を加え

100ml

とし,塩化アンモニウム

-

アンモニア緩衝液

 (pH10) 3ml

を加えて振り混ぜ,

pH

10

±

0.2

に調節し,(b)(d)の操作を行ってフェノール

 (C

6

H

5

OH)

の量と吸光度の関係線を作成する。

(

6

)

試料

100ml

中のフェノールの量が

2.5

µg

以下の場合には,試料

500ml

をとって蒸留し,その全量

を分液漏斗

1 000ml

にとり,塩化アンモニウム

-

アンモニア緩衝液

 (pH10) 10ml

 4-

アミノアン

チピリン溶液

 (20g/l) 3ml

,ヘキサシアノ鉄

 (III)

酸カリウム溶液

3ml

を加え,十分に振り混ぜた

3

分間放置し,クロロホルム

10ml

を加えて抽出する。

なお,検量線は同一条件で作成する。

(

7

)

このときの発色が十分に強いときは,この溶液を吸収セルに移し,別に,水

100ml

について(a)

及び(b)に従って操作した空試験の溶液を対照液として,

波長

510mm

付近の吸光度を測定する。

検量線からフェノールの量を求め,試料中のフェノール類の濃度

 (mgC

6

H

5

OH/l)

を算出する。

検量線  フェノール標準液

 (10

µgC

6

H

5

OH/ml) 5

50ml

をメスシリンダー(有栓形)

100ml

に段

階的にとり,水を

100ml

の標線まで加える。以下,(a)及び(b)の操作を行って,フェノールの量

と吸光度との関係線を作成する。

備考1.

この試験では,酸化性物質,還元性物質,金属イオン,芳香族アミン類,油分及びタール類


60 
K 0101 : 1998

などが妨害となる。

通常,蒸留操作で大部分の妨害を除くことができるが,酸化性物質,硫黄化合物,油分及

びタール類が試料中に含まれる場合には,次のように処理する。

(1)

酸化性物質  残留塩素のような酸化性物質が含まれていると,酸性でよう化カリウムを加え

たとき,よう素が遊離する。この場合は,試料採取直後に,JIS K 8978 に規定する硫酸鉄

 (II)

七水和物又は JIS K 8046 に規定するメタ亜ひ酸ナトリウムの少過剰量を加えておく。

(2)

硫黄化合物  硫化水素及び亜硫酸イオンが含まれている場合には,試料採取直後にりん酸を

加えて

pH

を約

4

とし,注意して試料に空気を吹き込むか,かき混ぜて,硫化水素,二酸化

硫黄を追い出した後,JIS K 8983 に規定する硫酸銅

 (II)

五水和物を加える。

(3)

油分及びタール類  油分及びタール類が含まれている場合には,試料採取直後に硫酸銅

 (II)

五水和物を加えずに,JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム(粒状)を加えて

pH

12

12.5

に調節し,分液漏斗に移して JIS K 8322 に規定するクロロホルムを加え,油分及びター

ル類を抽出して,クロロホルム層を捨てる。水層は,水浴上で加熱して残留するクロロホル

ムを除去した後,JIS K 9005 に規定するりん酸を加えて

pH

4

以下に調節して,硫酸銅

 (II)

溶液

2.5ml

を加える。

2.

試料に色や濁りがなく,かつ,この試験に妨害となる成分を含まない場合には,蒸留操作を

省略し,直接試験を行ってよい。

22.2

p-クレゾール類

p

-

クレゾール類の試験は,前処理(水蒸気蒸留)した試料について,

p

-

ヒドラジノ

ベンゼンスルホン酸吸光光度法を適用する。

22.2.1

p-ヒドラジノベンゼンスルホン酸吸光光度法  フェノール類を

pH 8.0

でギブス試薬と反応させて

インドフェノールに変え,アスコルビン酸酸性で水蒸気蒸留して,ギブス試薬と反応しない

p

-

クレゾール

類を留出させる。留出した

p

-

クレゾール類に,

p

-

ヒドラジノベンゼンスルホン酸と亜硝酸から生成するジ

アゾ化合物,

p

-

スルホンベンゼンジアゾニウム塩をカップリングさせて生じるアゾ色素の赤い色の吸光度

を測定して

p

-

クレゾール類を定量する。

定量範囲:

p

-CH

3

C

6

H

4

OH 10

150

µg

,繰返し分析精度:変動係数で

3

10%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

硫酸 (117)

  JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。

(b)

水酸化ナトリウム溶液 (100g/l)

  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム

10g

を水に溶かして

100ml

とする。

(c)

炭酸ナトリウム  JIS K 8625 に規定するもの。

(d)

塩化ナトリウム  JIS K 8150 に規定するもの。

(e)

メチルオレンジ溶液 (1g/l)

  22.1.1(1)(d)による。

(f)

クロロホルム又はジエチルエーテル  JIS K 8322 に規定するクロロホルム又は JIS K 8103 に規定す

るジエチルエーテル。

(g)

ギブス試薬  JIS K 8491 に規定する

2, 6-

ジブロモ

-N-

クロロ

-p-

ベンゾキノンモノイミン(

2, 6-

ジブロ

モキノンクロロイミド)

0.5g

を JIS K 8102 に規定するエタノール

 (95) 50ml

に溶かす。使用時に調

製する。

(h)

L () -アスコルビン酸  JIS K 9502 に規定するもの。

(i)

アンモニア水 (17)

  JIS K 8085 に規定するアンモニア水を用いて調製する。

(j)

p-ヒドラジノベンゼンスルホン酸溶液


61

K 0101 : 1998

液  JIS K 9525 に規定する

p

-

ヒドラジノベンゼンスルホン酸

0.5

水和物

1g

と JIS K 8625 に規定す

る炭酸ナトリウム

0.3g

とを水

80ml

に加え,水浴中で加熱して溶かし,これに JIS K 8180 に規定す

る塩酸

9ml

を加え,更に水を加えて

100ml

とする。室温では結晶が析出するから,約

37

℃の恒温槽

中に保存する。

1

週間以上経過したものは使用しない。

A

4ml

を全量フラスコ

100ml

にとり,約

10

℃に冷却した後,亜硝酸ナトリウム溶液

 (10g/l)

JIS K 8019 に規定する亜硝酸ナトリウム

1g

を水に溶かして

100ml

とする。)

5ml

を加えて約

10

3

5

分間放置する。これにあらかじめ約

10

℃に冷却した水を標線まで加える。使用時に調製す

る。

(k)

p-クレゾール標準液 (1mgCH

3

C

6

H

4

OH/ml)

  JIS K 8306 に規定する

p

-

クレゾール

1.00g

をとり,少

量の水に溶かして全量フラスコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

(l)

p-クレゾール標準液 (0.1mgCH

3

C

6

H

4

OH/ml)

p

-

クレゾール標準液

 (1mgCH

3

C

6

H

4

OH/ml) 20ml

を全

量フラスコ

200ml

にとり,水を標線まで加える。

(2)

装置  装置は,次のとおりとする。

(a)

水蒸気蒸留装置  小形,すり合わせのもの。

(b)

光度計  分光光度計又は光電光度計

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料

500ml

p

-

クレゾールとして

0.1

1.5mg

を含む。

)を分液漏斗

1 000ml

にとり,指示薬としてメ

チルオレンジ溶液

 (1g/l)

数滴を加え,溶液の色が赤になるまで硫酸

 (1

17)

を滴加して酸性[試料

が酸性の場合は,水酸化ナトリウム溶液

 (100g/l)

で溶液の色が黄色になるまで中和した後,硫酸

 (1

17)

を滴加して再び酸性にする。

]とし,これに塩化ナトリウム

150g

とクロロホルム(

8

)

40ml

を加

え,激しく振り混ぜて抽出し,クロロホルム層を別の分液漏斗

200ml

に移す。

(b)

更にクロロホルム

25ml

を用いて(a)と同様の抽出操作を

4

回繰り返し,クロロホルム層を先の分液

漏斗に合わせる。

(c)

このクロロホルム層に水酸化ナトリウム溶液

 (100g/l) 4ml

を加えて逆抽出し,更に

3ml

を加えて逆

抽出を

2

回繰り返し,逆抽出液を合わせる。

(d)

この逆抽出液を沸騰水浴上で加熱して,溶けているクロロホルムを揮散させた後,放冷する。

(e)

水約

20ml

で全量フラスコ

100ml

に移し入れる。次に,炭酸ナトリウム

2g

を加え,硫酸

 (1

17)

滴加して

pH

8

に調節し,水約

20ml

とギブス試薬

5ml

とを加えて

24

時間放置する(フェノール

類が共存すれば溶液の色は青になる。

(f)

 L

(

) -

アスコルビン酸

1g

を加え,水を標線まで加える。

(g)

この溶液

10ml

を蒸留フラスコにとり水蒸気蒸留を行い,メスシリンダー(有栓形)

50ml

30ml

を留出させる。

(h)

留出液を水で約

40ml

に薄めた後,

p

-

ヒドラジノベンゼンスルホン酸溶液の

B

5ml

を加えて振り

混ぜ,次に,アンモニア水

 (1

7) 1ml

を加え,水を

50ml

の標線まで加えて再び振り混ぜ,約

5

間放置する。

(i)

溶液の一部を吸収セルに移し,波長

495nm

付近の吸光度を測定する。

(j)

空試験として水

40ml

をとり,(h)及び(i)の操作を行って吸光度を測定し,試料について得た吸光度

を補正する。

(k)

検量線から

p

-

クレゾール類の量を求め,試料中の

p

-

クレゾール類の濃度

 (mgCH

3

C

6

H

4

OH/l)

を算出

する。


62 
K 0101 : 1998

検量線

p

-

クレゾール標準液

 (0.1mgCH

3

C

6

H

4

OH/ml) 1

15ml

を全量フラスコ

100ml

に段階的にとり,

(e)の炭酸ナトリウム

2g

を加える以降の操作,及び(f)の操作を行う。この溶液

10ml

を蒸留フラスコ

にとり,水蒸気蒸留を行って留出液

30ml

を得た後,水で約

40ml

に薄める。次に,

p

-

ヒドラジノベ

ンゼンスルホン酸の

B

5ml

を加え,(h)(j)の操作を行って

p

-

クレゾール

 (CH

3

C

6

H

4

OH)

の量と吸

光度との関係線を作成する。

(

8

)

クロロホルムの代わりに JIS K 8103に規定するジエチルエーテルを用いてもよい。この場合に

は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウムを加える必要はない。

23.

界面活性剤  界面活性剤は,陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤に区分する。

界面活性剤は,微生物によって容易に分解されるため,試験は試料採取後直ちに行う。直ちに試験が行

えない場合は,3.3 によって保存し,できるだけ早く試験する。

23.1

陰イオン界面活性剤  陰イオン界面活性剤の定量には,メチレンブルー吸光光度法,エチルバイオ

レット吸光光度法又は溶媒抽出

-

フレーム原子吸光法を適用する。

陰イオン界面活性剤には高級アルコール硫酸エステル類,脂肪酸硫酸エステル類及びスルホン酸形陰イ

オン界面活性剤[アルキルアリールスルホン酸塩類(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類,

LAS

,アル

キルスルホン酸塩類,アルケンスルホン酸塩類など]などがある。

23.1.1

メチレンブルー吸光光度法  陰イオン界面活性剤がメチレンブルー[

3, 7-

ビス(ジメチルアミノ)

フェノチアジン

-5-

イウムクロリド]と反応して生じるイオン対をクロロホルムで抽出して,その吸光度を

測定し,ドデシル硫酸ナトリウムとして表す。

定量範囲:陰イオン界面活性剤

 [NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

] 2

50

µg

,繰返し分析精度:変動係数で

5

10%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水

(b)

硫酸 (135)

  JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。

(c)

水酸化ナトリウム溶液 (40g/l)

  19.(1)(g)による。

(d)

アルカリ性四ほう酸ナトリウム溶液  JIS K 8866 に規定する四ほう酸ナトリウム十水和物

9.54g

水に溶かした後,水で

500ml

とし,これに水酸化ナトリウム溶液

 (40g/l) 50ml

を加え,水で全量を

1l

とする。

(e)

メチレンブルー溶液 (0.25g/l)

  JIS K 8897 に規定するメチレンブルー(通常は三水和物)

0.3g

を水

に溶かして

1l

とする。

(f)

脱脂綿

(g)

クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。

(h)

陰イオン界面活性剤標準液 [1mgNaO

3

SO (CH

2

11

CH

3

/ml]    ドデシル硫酸ナトリウム(

1

)をその

100%

(

2

)に対して

1.00g

をとり,水に溶かして全量フラスコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加え

る。

(i)

陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 標 準 液  [10

µ

gNaO

3

SO (CH

2

11

CH

3

/ml]    陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 標 準 液

[1mgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/ml] 10ml

を全量フラスコ

1 000ml

にとり,水を標線まで加える。使用時に

調製する。

(

1

)

純度及び平均分子量の分かった市販品を用いる。

(

2

)

純度及び平均分子量を確認する場合には,

備考 4.による。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。


63

K 0101 : 1998

(a)

分液漏斗

250ml

(b)

光度計  分光光度計又は光電光度計

(3)

準備操作  準備操作は,次のとおり行う。

(a)

分液漏斗

 (A)

に水

50ml

,アルカリ性四ほう酸ナトリウム溶液

10ml

及びメチレンブルー溶液

(0.25g/l) 5ml

を入れる。

分液漏斗

 (B)

に水

100ml

,アルカリ性四ほう酸ナトリウム溶液

10ml

及びメチレンブルー溶液

(0.25g/l) 5ml

を入れる。

(b)

それぞれにクロロホルム

10ml

を加え,約

30

秒間激しく振り混ぜた後,放置してクロロホルム層を

捨てる。この操作を更に

1

回繰り返す。

(c)

水層にクロロホルム

2

3ml

を加え,緩やかに振り混ぜた後,放置してクロロホルム層を捨てる。

この操作をクロロホルム層が無色になるまで繰り返す。

(d)

クロロホルムで洗い終わった分液漏斗

 (B)

中の水層に硫酸

 (1

35) 3ml

を加える。

なお,分液漏斗

 (A)

及び

 (B)

の脚部がぬれているときには,ろ紙などでふきとる。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

(3)

の準備操作を行った分液漏斗

 (A)

中の水層に,試料(

3

)の適量[

NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

として

2

50

µg

を含む。

]を加える。ただし,全量が

100ml

を超えないようにする。

(b)

クロロホルム

10ml

を加えて,緩やかに約

1

分間振り混ぜて放置し,クロロホルム層を(3)の準備操

作を行った分液漏斗

 (B)

に移し入れる。

(c)

分液漏斗

 (B)

を緩やかに約

1

分間振り混ぜた後放置する。分液漏斗の脚部に脱脂綿を詰め,クロロ

ホルム層を全量フラスコ

25ml

に移し入れる。

(d)

再び分液漏斗

 (A)

にクロロホルム

10ml

を加えて,(b)及び(c)の操作を繰り返して抽出を行い,クロ

ロホルム層を(c)と同様に先の全量フラスコ

25ml

に合わせ,クロロホルムを標線まで加える。

(e)

これを吸収セル(

4

)に移し,クロロホルムを対照液として波長

650nm

付近の吸光度を測定する。

(f)

空試験として水

50ml

を用い,あらかじめ(3)の準備操作を行った分液漏斗に入れ,(a)(e)の操作を

行って吸光度を測定し,試料について得た吸光度を補正する。

(g)

検量線から陰イオン界面活性剤の量を求め,試料中の陰イオン界面活性剤の濃度

 [mgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/l]

を算出する。

検量線  陰イオン界面活性剤標準液

 [10

µgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/ml] 0.2

5ml

を段階的にとり,あら

かじめ

(3)

の準備操作を行った分液漏斗に入れ,(a)(f)の操作を行って陰イオン界面活性剤

[NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

]

の量と吸光度との関係線を作成する。

(

3

)

酸性の場合には,

pH

計を用いて水酸化ナトリウム溶液

 (40g/l)

で,また,アルカリ性の場合に

は,硫酸

 (1

35)

pH

を約

7

に調節する。

(

4

)

吸収セル

50mm

を用いると

0.4

10

µg

の陰イオン界面活性剤が定量できる。

備考1.

硝酸,シアン化物,チオシアン酸などのイオンが多量に存在すると定量を妨害する。

陽イオン界面活性剤は,陰イオン界面活性剤と強く結合するため,その共存量に応じて負

の誤差を与える。しかし,通常の水ではその量は,陰イオン界面活性剤と比較して非常に少

ない。

2.

みずみみず,いとみみずなどがいる底泥付近の水では,正の誤差が生じやすい。

3.

スルホン酸形陰イオン界面活性剤(

LAS

など)を定量するには,次の操作によってアルコー

ル系などの陰イオン界面活性剤を加水分解し,残ったスルホン酸形陰イオン界面活性剤を


64 
K 0101 : 1998

(4)

の操作で定量して,ドデシル硫酸ナトリウムとして表す。

試料の適量[

NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

として

4

100

µg

を含む。

]をすり合わせ三角フラスコに

とり,

JIS K 8180 に規定する塩酸

25ml

及び沸騰石数個を加え,

水で液量を約

50ml

とした後,

還流冷却器を付けて約

2

時間静かに煮沸する。

放冷後,指示薬としてフェノールフタレイン溶液

 (5g/l)

13.2(1)(a)による。

]数滴を加え,

溶液の色が微赤になるまで,初めは水酸化ナトリウム溶液

 (400g/l)

を,中和点近くなってか

らは水酸化ナトリウム溶液

 (40g/l)

を加えて中和し,水で

100ml

とする。

以下,(3)及び(4)の操作を行ってスルホン酸形陰イオン界面活性剤の量を求め,試料中のス

ルホン酸形陰イオン界面活性剤の濃度

 [mgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/l]

を算出する。

4.

ドデシル硫酸ナトリウムの純度及び平均分子量の測定は,次の方法による。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

硫酸 (0.5mol/l)    水

1l

中に JIS K 8951 に規定する硫酸

30ml

を徐々に加える。

(b)

エタノール (95)

  JIS K 8102 に規定するもの。

(c)

フェノールフタレイン溶液 (5g/l)

  13.2(1)(a)による。

(d)

ヘキサン  JIS K 8848 に規定するもの。

(e)

硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。

(f)

1mol/水酸化ナトリウム溶液  水約

60ml

をポリエチレン瓶などの耐アルカリ容器にとり,

冷却しながら JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム

80g

(少量の水で表面を洗う。

)を少

量ずつ加えて溶かし,密栓して

4

5

日間放置する。その上澄み液

50ml

をポリエチレン製

の気密容器

1l

にとり,2.(12)(b)の炭酸を含まない水を加えて

1l

とし,混合した後,二酸化

炭素を遮断して保存する。

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸をデシケーター中に

2kPa

以下で約

48

時間放置して乾燥する。その約

2g

1mg

のけたまではかりとり,三角フラス

200ml

に入れ,水約

25ml

を加えて溶かし,これに指示薬としてブロモチモールブルー

溶液

 (1g/l)

14.

(

1

)による。]

3

5

滴を加え,この

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液で滴

定し,溶液の色が緑になったときを終点とする。次の式によって

1mol/l

水酸化ナトリウム

溶液のファクター

  (f)

を算出する。

1

097

.

0

1

100

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

アミド硫酸の量

 (g)

b

アミド硫酸の純度

 (%)

x

滴定に要した

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

0.097 1

 1mol/l

水酸化ナトリウム溶液

1ml

のアミド硫酸相当量

(g)

(g)

高級アルコール混合標準液

1-

デカノール

0.50g

と,

1-

ドデカノール

0.50g

及び

1-

テトラデ

カノール

0.50g

をはかりとり,JIS K 8848 に規定するヘキサン

15ml

に溶かす。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

還流冷却器付三角フラスコ  冷却部

200

300mm

の還流冷却器(リービッヒ冷却器,球管

冷却器)と,すり合わせ三角フラスコ

300ml

(b)

分液漏斗

300ml

(c)

ガスクロマトグラフ  次の条件を満たすもの。


65

K 0101 : 1998

カラム用管  ステンレス鋼製  内径

3

4mm

,長さ

1

2m

カラム充てん剤  粒径

150

250

µm

の耐火れんが(

*

)を担体とし,これにシリコーン系固定

相液体約

10%

を含浸させたもの。

検出器  水素炎イオン化検出器

キャリヤーガス  JIS K 1107 に規定する高純度窒素

2

級又はヘリウム

 (99.8vol%)

試料気化室温度

290

300

カラム槽温度

170

180

キャリヤーガスの流量は,高級アルコール類が約

30

分間で流出するように調節する。

(*)

けい藻土を主成分とした耐火温度

1 100

℃のれんが。

参考

カラム充てん剤の市販品には,耐火れんがとしてクロモソルブ

W

又はこれと同等の性

能をもつものを担体とし,これに固定相液体としてシリコーン

SE-30

などを含浸させ

たものがある。

(3)

純度の測定  操作は,次のとおり行う。

(a)

ドデシル硫酸ナトリウム約

4g

1mg

のけたまではかりとり,三角フラスコ

300ml

に入れ

る。

(b)

硫酸

 (0.5mol/l) 20ml

を加えた後,

還流冷却器を付けて水浴上で加熱する。

泡立ちに注意し,

時々三角フラスコを軽く揺り動かし,液が透明になるまで加熱する。

(c)

引き続き加熱板上で約

2

時間,加熱還流する。

(d)

放冷後,冷却器の上部からエタノール

 (95)

30ml

を注いで内壁を洗い,適量の水で洗っ

た後,冷却器を取り除く。

(e)

水を加えて液量を約

100ml

とし,指示薬としてフェノールフタレイン溶液

 (5g/l)

数滴を加

え,

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液で滴定し,溶液の色が微赤になった点を終点とする。

(f)

別に,同一条件で空試験を行い,次の式によってドデシル硫酸ナトリウムの純度

 (%)

を算

出する。

000

1

)

(

×

×

×

=

S

M

f

b

a

P

ここに,

P

ドデシル硫酸ナトリウムの純度

 (%)

a

滴定に要した

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

b

空試験に要した

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

f

 1mol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター

M

ドデシル硫酸ナトリウムの平均分子量

S

ドデシル硫酸ナトリウムの量

 (g)

(4)

ドデシル硫酸ナトリウムの平均分子量の測定  操作は,次のとおり行う。

(a)

(3)(e)の操作で得られた溶液中から

50ml

を分液漏斗

300ml

にとる。

(b)

エタノールと水の混合液

 (2

1) 100ml

とヘキサン

50ml

とを加えて振り混ぜ,高級アルコ

ール類を抽出する。

(c)

静置してヘキサン層を分離し,水層を別の分液漏斗

300ml

に移す。

(d)

この水層にヘキサン

50ml

を加え,振り混ぜて抽出し,静置してヘキサン層を分離する。水

層を捨て,ヘキサン層を前のヘキサン層に合わせる。

(e)

これに水

50ml

を加えて振り混ぜ,静置してヘキサン層を分離し,水層を捨てる。この洗浄

操作を再び行い,水層を完全に分離して捨てる。


66 
K 0101 : 1998

(f)

硫酸ナトリウム約

2g

を加えてヘキサン層を脱水した後,磁器蒸発皿

100ml

に移し入れ,水

浴又は加熱板上でヘキサンを揮散させる。

(g)

残留した高級アルコール類にヘキサン

15ml

を加えて溶かす(高級アルコール約

100g/l

含むヘキサン溶液になる。

(h)

ガスクロマトグラフを JIS K 0114 に従って最適条件に設定し,高級アルコール混合標準液

1

µl

をマイクロシリンジでとり,ガスクロマトグラフに注入し,各高級アルコールのクロ

マトグラムを記録し,流出位置を確認する。

(i)

次に,(g)で得た高級アルコール類のヘキサン溶液

1

µl

をマイクロシリンジでとり,ガスク

ロマトグラフに注入し,各高級アルコールのクロマトグラムを記録する。

(j)

(i)の操作を

3

回繰り返して行い,各高級アルコールのピーク面積を測定(半値幅法などで)

し,ピーク面積の平均値を求める。

(k)

炭素数

10

14

の各高級アルコールのモル百分率を次の式によって求め,ドデシル硫酸ナト

リウムの平均分子量を算出する。

100

14

14

12

12

10

10

10

10

10

×

+

+

=

C

R

C

R

C

R

C

R

m

100

14

14

12

12

10

10

12

12

12

×

+

+

=

C

R

C

R

C

R

C

R

m

100

14

14

12

12

10

10

14

14

14

×

+

+

=

C

R

C

R

C

R

C

R

m

102

100

100

100

14

14

12

12

10

10

+

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

+

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

+

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

=

m

C

m

C

m

C

M

ここに,

  m

10

m

14

炭素数

10

14

の各高級アルコールのモル百分率

 (%)

C

10

C

14

炭素数

10

14

の各高級アルコールの分子量

  (C

10

158.29, C

12

186.34, C

14

214.39)

R

10

R

14

炭素数

10

14

の各高級アルコールのピーク面積

M

ドデシル硫酸ナトリウムの平均分子量

102

ドデシル硫酸ナトリウムに換算するための補正項

SO

4

Na

の式量から

OH

の式量を差し引いた値)

23.1.2

エチルバイオレット吸光光度法  陰イオン界面活性剤がエチルバイオレット【

N-

4-

{ビス[

4-

(ジ

エチルアミノ)フェニル]メチレン}

-2, 5-

シクロヘキサジエン

-1-

イリデン〕

-N-

エチルエタンアミンイウ

ムクロリド】と反応して生じるイオン対をトルエンに抽出して,その吸光度を測定し,ドデシル硫酸ナト

リウムとして表す。

定量範囲:陰イオン界面活性剤

 [NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

] 0.5

12.5

µg

,繰返し分析精度:変動係数で

5

10%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。


67

K 0101 : 1998

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水

(b)

硫酸ナトリウム溶液 (1mol/l)

  JIS K 8987 に規定する硫酸ナトリウム

142g

を水に溶かして

1l

とす

る。

(c)

酢酸-EDTA 緩衝液 (pH5)   JIS K 8107 に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二

水和物

7.5g

を水に溶かして約

700ml

とし,これに JIS K 8355 に規定する酢酸

12.5ml

を加え,

pH

を用いて

pH

5

になるまで水酸化ナトリウム溶液

 (2mol/l)

を加えた後,水を加えて

1l

とする。

(d)

エチルバイオレット溶液 (1mmol/l)    エチルバイオレット(

5

)

0.280g

を水に溶かして

500ml

とする。

(e)

トルエン  JIS K 8680 に規定するもの。

(f)

陰イオン界面活性剤標準液 [1mgNaO

3

SO (CH

2

11

CH

3

/ml]    23.1.1(1)(h)による。

(g)

陰イオン界面活性剤標準液 [10

µ

gNaO

3

SO (CH

2

11

CH

3

/ml]    23.1.1(1)(i)による。

(h)

陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 標 準 液  [0.5

µ

gNaO

3

SO (CH

2

11

CH

3

/ml]    陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 標 準 液

[10

µgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/ml] 10ml

を全量フラスコ

200ml

にとり,水を標線まで加える。使用時に調

製する。

(

5

)

エチルバイオレットは,塩化亜鉛

2

1

モルが付加した複塩を用いる。この複塩以外を用いる場合

には,その濃度が

1mmol/l

になる量をとって調製する。

また,(3)(g)の空試験の操作を行ったときの吸光度の値が大きい(

0.04

程度以上)場合には,

別のロットのエチルバイオレットを用いて調製し直す。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

分液漏斗

200ml

(b)

光度計  分光光度計又は光電光度計

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料の適量[

NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

として

0.5

12.5

µg

を含む。

]を分液漏斗にとり,水を加えて

100ml

とする。

(b)

これに硫酸ナトリウム溶液

 (1mol/l) 5ml

,酢酸

-EDTA

緩衝液

 (pH5) 5ml

及びエチルバイオレット溶

 (1mmol/l) 2ml

を加える。

(c)

トルエン

5ml

を加え,約

10

分間振り混ぜる(

6

)

(d)

静置し,水層約

100ml

を捨てる。

(e)

更に静置し,トルエン層が完全に分離したら水層を捨てる。

(f)

トルエン層を吸収セルに移し,トルエンを対照液として波長

611nm

付近の吸光度を測定する。

(g)

空試験として水

100ml

を用い,(b)(f)の操作を行って吸光度を測定し,試料について得た吸光度を

補正する。

(h)

検量線から陰イオン界面活性剤の量を求め,試料中の陰イオン界面活性剤の濃度

 [mgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/l]

を算出する。

検量線  陰イオン界面活性剤

 [0.5

µgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/ml] 1

25ml

を段階的に分液漏斗にとり,

水を加えて

100ml

とした後,(b)(g)

の操作を行って陰イオン界面活性剤

 [NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

]

量と吸光度との関係線を作成する。

(

6

)

振り混ぜ時間が吸光度に幾分影響するから,振り混ぜ時間を守る。

備考5.

海水,又は海水が混入した試料のように多量の塩化物イオンが共存すると,その一部がエチ

ルバイオレットとイオン対を生成し,トルエンに抽出されて吸光度を増加させる。このよう

な試料の場合は,(3)(d)及び(e)の操作を行った後も,器壁に付着物が残るが,トルエン層を小


68 
K 0101 : 1998

形の分液漏斗に移し入れ,エチルバイオレット(

15

µmol/l

-

硫酸ナトリウム

 (10g/l)

の溶液

[エチルバイオレット

 (1mmol/l) 7.5ml

をとり,

硫酸ナトリウム

5g

を加え,

水で

500ml

とする。

20ml

を加え,約

1

分間振り混ぜる。静置した後,水層の大部分を捨て,再び静置してトルエ

ン層が完全に分離したら水層を捨てる。以下,(f)(h)の操作を行う。

6.

硝酸イオンは

1mgNO

3

-

/l

程度までは妨害しないが,それ以上共存すると正の誤差を与える。

通常の河川水などに含まれるそのほかのイオンは妨害しない。

陽イオン界面活性剤は,陰イオン界面活性剤と強く結合するため,その共存量に応じて負

の誤差を与える。しかし,通常の水ではその量は,陰イオン界面活性剤と比較して非常に少

ない。

23.1.3

溶媒抽出-フレーム原子吸光法  陰イオン界面活性剤をカリウムを取り込んだジベンゾ

-18-

クラウ

-6

とイオン対とし,これを

4-

メチル

-2-

ペンタノンに抽出し,抽出溶液中のカリウムをフレーム原子吸光

法で定量し,ドデシル硫酸ナトリウムとして表示する。

定量範囲:陰イオン界面活性剤

 [NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

] 2.5

50

µg

,繰返し分析精度:変動係数で

2

10%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水

(b)

硫酸カリウム (20mmol/l) -酢酸アンモニウム (50mmol/l)  混合溶液  JIS K 8962 に規定する硫酸カ

リウム

3.5g

と JIS K 8359 に規定する酢酸アンモニウム

3.9g

とを水に溶かして約

700ml

とし,

pH

を用いて硫酸

 (1

35)

を加え

pH

5

に調節して,水で

1l

とする。

(c)

硫酸カリウム (4mmol/l) -酢酸アンモニウム (10mmol/l)  混合溶液  硫酸カリウム

 (20mmol/l) -

酢酸

アンモニウム

 (50mmol/l)

混合溶液

200ml

を水で薄めて

1l

とする。

(d)

ジベンゾ-18-クラウン-6 の 4-メチル-2-ペンタノン溶液 (0.5mmol/l)    精製したジベンゾ−

18-

クラウ

ン−

6

(

7

)

90mg

を JIS K 8903 に規定する

4-

メチル−

2-

ペンタノン

500ml

に溶かす。

(e)

陰イオン界面活性剤標準液 [1mgNaO

3

SO (CH

2

11

CH

3

/ml]  

23.1.1(1)(h)による。

(f)

陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 標 準 液  [5

µ

gNaO

3

SO (CH

2

11

CH

3

/ml]    陰 イ オ ン 界 面 活 性 剤 標 準 液

[1mgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/ml] 5ml

を全量フラスコ

1 000ml

にとり,水を標線まで加える。使用時に調

製する。

(

7

)

ジベンゾ

-18-

クラウン

-6

の精製は,次による。

ジベンゾ

-18-

クラウン

-6

2.5g

を JIS K 8858 に規定するベンゼン約

200ml

中に加え,水浴上

で加熱して溶かす。これをガラスろ過器

 (1G3)

で吸引ろ過する。ろ液が冷えると直ちに結晶が

生成するが,再び水浴上で加熱して溶かし,吸引ろ過する。この操作を結晶が白くなるまで行

った(

2

3

回)後,ろ液を冷却し,吸引ろ過する。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

分液漏斗

100ml

(b)

フレーム原子吸光分析装置

(c)

カリウム中空陰極ランプ

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料の適量[

NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

として

2.5

50

µg

を含む。

]を分液漏斗

100ml

に取り,硫酸カリウ

 (20mmol/l) -

酢酸アンモニウム

 (50mmol/l)

混合溶液

10ml

を加え,水で液量を

50ml

とする。

(b)

ジベンゾ

-18-

クラウン

-6

4-

メチル

-2-

ペンタノン溶液

 (0.5mmol/l) 10ml

を加え約

1

分間振り混ぜる。


69

K 0101 : 1998

(c)

静置後水層を捨て,硫酸カリウム

 (4mmol/l) -

酢酸アンモニウム

 (10mmol/l)

混合溶液

25ml

を加えて

振り混ぜ,放置し,水層を捨てる。

(d)

 4-

メチル

-2-

ペンタノン層を JIS K 0121 の 6.(操作方法)の操作に従って,アセチレン

-

空気フレー

ム中に噴霧し,波長

766.5nm

の指示値(

8

)を読み取る。

(e)

検量線から陰イオン界面活性剤の量を求め,試料中の陰イオン界面活性剤の濃度

 [mgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/l]

を算出する。

検量線  陰イオン界面活性剤

 [5

µgNaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

/ml] 0.5

10ml

を分液漏斗に段階的にとり,

(a)(d)の操作を行って陰イオン界面活性剤

 [NaO

3

SO (CH

2

)

11

CH

3

]

の量と指示値との関係線を作成

する。検量線の作成は,試料測定時に行う。

(

8

)

吸光度又はその比例値

備考7.

カルシウム,マグネシウムは

500mg

共存しても影響しない。ナトリウムは数

10mg

の共存で

も,一部がジベンゾ

-18-

クラウン

-6

に取り込まれ,陰イオン界面活性剤とイオン対を作って抽

出され,そのまま噴霧すると負の誤差を与えるが,抽出分離後の溶媒層を(3)(c)の硫酸カリウ

 (4mmol/l) -

酢酸アンモニウム

 (10mmol/l)

混合溶液と振り混ぜることによって,ナトリウ

ムはカリウムに置換され,妨害は除かれる。

陽イオン界面活性剤は陰イオン界面活性剤と強く結合するため,その共存量に応じて負の

誤差を与える。

しかし,

通常の水ではその量は陰イオン界面活性剤と比較して非常に少ない。

非イオン界面活性剤は

400

µg

程度共存しても妨害しない。

23.2

非イオン界面活性剤  非イオン界面活性剤には,ポリオキシエチレンアルキルエーテル類,ポリオ

キシエチレンアルキルフェノールエーテル類,ポリオキシエチレンアルキルエステル類,ポリオキシエチ

レンソルビタンアルキルエステル類などがある。

非イオン界面活性剤の定量には,前処理(イオン交換分離)を行った試料について,テトラチオシアナ

トコバルト

 (II)

酸吸光光度法を適用する。

23.2.1

テトラチオシアナトコバルト (II) 酸吸光光度法  非イオン界面活性剤とテトラチオシアナトコバ

ルト

 (II)

酸アンモニウムとの錯体をベンゼンで抽出して,紫外部の吸光度を測定し,ヘプタオキシエチレ

ンドデシルエーテルとして表示する。

定量範囲:

非イオン界面活性剤

 [CH

3

 (CH

2

)

11

O (CH

2

CH

2

O)

7

H] 0.1

2mg

,繰返し分析精度:変動係

数で

3

10%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水

(b)

塩酸 (11)

  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

(c)

水酸化ナトリウム溶液 (40g/l)

  19.(1)(g)による。

(d)

テトラチオシアナトコバルト (II) 酸アンモニウム溶液  JIS K 9000 に規定するチオシアン酸アン

モニウム

310g

と JIS K 8552 に規定する硝酸コバルト

 (II)

六水和物

140g

とを水に溶かして

500ml

とする。これを分液漏斗

1 000ml

に移し,JIS K 8858 に規定するベンゼン

50ml

を加えて激しく振り

混ぜて放置する。ベンゼン層を捨て,再びベンゼン

50ml

を加えて振り混ぜ放置する。ベンゼン層

を捨て,水層を乾いたろ紙でろ過し,ベンゼンの小泡を除く。

(e)

塩化ナトリウム  JIS K 8150 に規定するもの。

(f)

硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。

(g)

エタノール (95)

  JIS K 8102 に規定するもの。


70 
K 0101 : 1998

(h)

エタノール (11)    水

1

容に,JIS K 8102 に規定するエタール

 (95) 1

容を加えて調製する。

(i)

ベンゼン  JIS K 8858 に規定するもの。

(j)

強酸性陽イオン交換樹脂  低架橋度(ジビニルベンゼン含量

4

6%

)で粒子径

300

1 180

µm

のも

の。

R-Na

形。次のように精製して用いる。

強酸性陽イオン交換樹脂

250ml

を内径

40

50mm

,高さ約

1 000mm

のカラム(ガラス製又はアク

リル樹脂製)に水とともに流し入れ気泡が混入しないように充てんする。塩酸

 (1

11) 2l

を約

5l

l-

樹脂・

h

)で流した後,水

1l

を同様に流して洗浄する。次に,水酸化ナトリウム溶液

 (40g/l) 1l

を約

5l

/(

l-

樹脂・

h

)で流し,水

1l

を同様に流して洗浄する。さらに塩酸

 (1

11) 1l

と水酸化ナト

リウム溶液

 (40g/l) 1l

とを同様に流して洗浄する。次に,フェノールフタレイン溶液

 (5g/l)

13.2(1)(a)による。

]の赤い色がほとんど認められなくなるまで水で洗浄[約

20l

/(

l-

樹脂・

h

)で

流す。

]する。

(k)

強塩基性陰イオン交換樹脂(形)  低架橋度(ジビニルベンゼン含量

4

6%

で粒子径

300

1 180

µm

のもの。

R

C

-

形。次のように精製して用いる。

強塩基性陰イオン交換樹脂(

I

形)

500ml

を内径

40

50mm

,高さ約

1 000mm

のカラム(ガラス製

又はアクリル樹脂製)に水とともに流し入れ気泡が混入しないように充てんする。水酸化ナトリウ

ム溶液

 (40g/l) 2l

を約

5l

(l-

樹脂・

h

)で流した後,水約

2l

を同様に流して洗浄する。次に,塩酸

 (1

11) 2l

を約

5l/

l-

樹脂・

h

)で流した後,水約

2l

を同様に流して洗浄する。さらに水酸化ナトリウ

ム溶液

 (40g/l) 2l

と塩酸

 (1

11) 2l

とを同様に流して洗浄する。次に,メチルレッド

-

ブロモクレゾ

ールグリーン混合溶液[13.1(1)(a)による。

]に対して青い色になるまで水で洗浄[約

20l

/(

l-

樹脂・

h

)で流す。

]する。

(l)

非イオン界面活性剤標準液 [0.1mgCH

3

 (CH

2

11

O (CH

2

CH

2

O) 

7

H/ml]    ヘプタオキシエチレンドデ

シルエーテル(

9

)をその

100%

に対して

0.100g

をはかりとり,水に溶かして全量フラスコ

1 000ml

移し入れ,水を標線まで加える。使用時に調製する。

(

9

)

品質を確認する場合には,社団法人日本油化学協会で定めた試験方法による。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

分液漏斗

200ml

(b)

イオン交換樹脂カラム  図 23.1 に一例を示す。

イオン交換樹脂カラムの作り方  強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂(

I

形)と

を体積比で

1 : 2

になるようにとる。水を加えてよく混合しながら,気泡の混入しないように

図 23.1

のガラス管に充てんし,イオン交換樹脂柱の高さを約

200mm

に調節する。エタノール

 (1

1) 100ml

を流す。このイオン交換樹脂カラムは,数回繰り返し使用してもよい。


71

K 0101 : 1998

図 23.1  イオン交換樹脂カラムの一例

(c)

光度計  分光光度計

(d)

吸収セル  石英ガラス製又は同等の品質のもの。

(3)

前処理  前処理は,次のとおり行う。

(a)

試料(

10

)

100ml

をとり,エタノール

 (95) 100ml

を加えて振り混ぜる。

(b)

この溶液をイオン交換樹脂カラムに

10

15l/

l-

樹脂・

h

)で流し,流出液をビーカー

500ml

に受け

る。

(c)

イオン交換樹脂カラムのイオン交換樹脂柱の上部に液面が近づいたら,エタノール

 (1

1) 100ml

少量ずつ加え,イオン交換樹脂カラム内の試料を流出させる。流出液は(b)のビーカー

500ml

に合わ

せる。

(d)

流出液を水浴上で約

30ml

になるまで蒸発させる。

(e)

放冷後,この溶液を全量フラスコ

100ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

(

10

)

酸性の場合には,水酸化ナトリウム溶液

 (40g/l)

で,また,アルカリ性の場合には,塩酸

 (1

11)

pH

計を用いて

pH

を約

7

に調節する。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

(3)(e)の溶液の適量[

CH

3

 (CH

2

)

11

O (CH

2

CH

2

O)

7

H

として

0.1

2mg

を含む。

]を分液漏斗

200ml

にと

り,水で

100ml

とする。

(b)

テトラチオシアナトコバルト

 (II)

酸アンモニウム溶液

15ml

と塩化ナトリウム(

11

)

35g

とを加えて約

1

分間振り混ぜた後,約

15

分間放置する。

(c)

ベンゼン(

12

)

25ml

を加えて約

1

分間激しく振り混ぜて放置する。

(d)

水層を捨て,ベンゼン層をビーカーに移し,硫酸ナトリウム約

5g

を加えて振り混ぜ,脱水する。

(e)

これを吸収セルに移し,水

100ml

について,(b)(d)の操作を行ったベンゼンを対照液とし,波長

322nm

付近の吸光度を測定する。


72 
K 0101 : 1998

(f)

空試験として(a)と同量の(3)(e)の溶液を分液漏斗

200ml

にとり,水で

100ml

とし,(b)のテトラチオ

シアナトコバルト

 (II)

酸アンモニウム溶液

15ml

の代わりに水

15ml

を用い,(b)(d)の操作を行っ

た後,ベンゼンを対照液として波長

322nm

付近の吸光度を測定し,試料について得た吸光度を補正

する。

(g)

検量線から非イオン界面活性剤の量を求め,試料中の非イオン界面活性剤の濃度

 [mgCH

3

 (CH

2

)

11

O

(CH

2

CH

2

O)

7

H/l]

を算出する。

検量線  非イオン界面活性剤標準液

 [0.1mgCH

3

 (CH

2

)

11

O (CH

2

CH

2

O)

7

H/ml] 1

20ml

を分液漏斗

200ml

に段階的にとり,水を加えて

100ml

とし,(b)(e)の操作を行って非イオン界面活性剤

 [CH

3

(CH

2

)

11

O (CH

2

CH

2

O)

7

H]

の量と吸光度との関係線を作成する。

(

11

)

塩化カリウムを用いてもよい。

(

12

)

 1, 2-

ジクロロエタンを用いてもよい。

備考8.

ポリエチレングリコールが共存すると非イオン界面活性剤として定量値に含まれて誤差とな

るので,JIS K 8810に規定する

1-

ブタノール又は JIS K 8900に規定する

2-

ブタノン(エチルメ

チルケトン)であらかじめ抽出除去した後,(3)の前処理を行う。

9.

陰イオン界面活性剤及び陽イオン界面活性剤が共存しない場合には,(3)の前処理を省略する

ことができる。

10.

非イオン界面活性剤の濃度が

1mgCH

3

 (CH

2

)

11

O (CH

2

CH

2

O)

7

H/l

以下の場合には,次のように

濃縮した後,操作する。

試料

500ml

につき塩化ナトリウム

50g

と JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム

2.5g

を加え

て溶かし,分液漏斗

1 000ml

に移し,JIS K 8361 に規定する酢酸エチル

25ml

を加えて約

2

間激しく振り混ぜて放置する。分離した酢酸エチル層をビーカーに移し,水層には酢酸エチ

25ml

を加えて再び抽出を繰り返す。分離した酢酸エチル層を先のビーカーに合わせる。

酢酸エチル層を水浴上で加熱して酢酸エチルを揮発除去し,少量のメタノールを加えて溶か

し,水を加えて一定体積とした後,(3)の前処理を行って定量する。

24.

溶存酸素  溶存酸素の定量には,ウインクラー法,ウインクラー

-

アジ化ナトリウム変法,ミラー変法

又は隔膜電極法を適用する。この試験は,試料採取後直ちに行う。

24.1

ウインクラー法  硫酸マンガン

 (II)

とアルカリ性よう化カリウムとを加えて生成した水酸化マン

ガン

 (II)

が溶存酸素によって酸化されて水酸化マンガン

 (III)

となり,

次に,

硫酸を加えて沈殿を溶かし,

遊離したよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して溶存酸素を定量する方法である。

定量範囲:

O 0.1mg/l

以上

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

アルカリ性よう化カリウム溶液  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム

700g

と JIS K 8913 に規定

するよう化カリウム

150g

とをそれぞれ水に溶かし,これらを混合し,水を加えて

1l

とする。着色

瓶に入れて保存する。

(b)

よう素溶液 (50mmol/l)

JIS K 8913 に規定するよう化カリウム

40g

を少量の水に溶かし,これに

JIS K 8920 に規定するよう素

12.7g

を加えて溶かし,水を加えて

1l

とする。

(c)

よう素−アルカリ性よう化カリウム溶液  アルカリ性よう化カリウム溶液

125ml

を全量フラスコ

250ml

にとり,よう素溶液

 (50mmol/l) 10ml

(

1

)を加えた後,アルカリ性よう化カリウム溶液を標線ま

で加える。


73

K 0101 : 1998

(d)

硫酸マンガン (II) 溶液  JIS K 8997 に規定する硫酸マンガン

 (II)

五水和物

480g

を水に溶かして

1l

とする。

(e)

硫酸 (31)    水

250ml

をビーカーにとり,これを冷却し,かき混ぜながら JIS K 8951 に規定する

硫酸

750ml

を徐々に加える。室温まで冷却した後,水を加えて

1l

とする。

(f)

でんぷん溶液 (10g/l)

  22.1.2(1)(i)による。

(g)

50mmol/チオ硫酸ナトリウム溶液  JIS K 8637 に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物

12.5g

JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム

0.2g

とを水に溶かし,水を加えて

1l

とする。少なくとも

2

日間放置する。標定は使用時に行う。

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを

130

℃で約

2

時間加熱し,

デシケーター中で放冷する。その

0.357g

をとり,少量の水に溶かし,全量フラスコ

200ml

に移し入

れ,水を標線まで加える。この

20ml

を共栓三角フラスコ

300ml

にとり,JIS K 8913 に規定するよ

う化カリウム

2g

及び硫酸

 (1

5) 5ml

を加え,直ちに栓をして静かに振り混ぜ,暗所に約

5

分間放

置する。

100ml

を加え,遊離したよう素をこのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。溶液の黄色が薄く

なってから,指示薬としてでんぷん溶液

 (10g/l) 1ml

を加え,生じたよう素でんぷんの青い色が消え

るまで滴定する。

別に,水について同一条件で空試験を行って補正した

ml

数から,次の式によって

50mmol/l

チオ

硫酸ナトリウム溶液のファクター

  (f)

を算出する。

783

001

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

x

滴定に要した

50mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液(補正

した値)

 (ml)

a

よう素酸カリウムの量

 (g)

b

よう素酸カリウムの純度

 (%)

0.001 783

50mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

1ml

のよう素酸カリ

ウム相当量

 (g)

(h)

5mmol/チオ硫酸ナトリウム溶液

50mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

25ml

を全量フラスコ

250ml

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製し,調製後

12

時間以上経過したものは使用しない。

(

1

)

通常の試験には,アルカリ性よう化カリウム溶液によう素溶液

 (50mmol/l) 10ml

を加えて調製す

る。必要があれば亜硫酸イオン,硫化物イオンなどの還元性物質の量を求め,これに相当する

よう素の量を算出して添加量を求める。

例えば,亜硫酸イオン

 (SO

3

2-

) 1mg

及びヒドラジニウムイオン

 (N

2

H

5

) 0.2mg

に対しては,ア

ルカリ性よう化カリウム溶液によう素溶液

 (50mmol/l) 16ml

を加える。

(2)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

試料採取器  図 24.1 に示すような容量

500

±

5ml

のもの

2

個。


74 
K 0101 : 1998

図 24.1  試料採取器の一例

(b)

マグネチックスターラー

(3)

配管及び装置類からの試料採取  試料採取は,次のとおり行う。

(a)

  2

個の試料採取器の出口を上方に向け,試料採取器の入口を配管の試料採取口よりも高い位置に支

持できるように組み立て,試料採取器の下端を軟質塩化ビニル管(又は肉厚ゴム管)と

Y

字管とで

試料採取口に接続する(試料採取器の出口には何も接続しない。

(b)

試料の温度が室温よりも高い場合には,試料の温度が室温より

1

2

℃低くなるように試料採取配管

中に適当な冷却蛇管を設ける(

2

)

(c)

  2

個の試料採取器とも同時に

40

60

秒間で満たされるように試料の流量を調節し,試料配管中の元

の試料が完全に入れ代わるように,連続して試料を十分に流す(

3

)

(d)

  2

個の試料採取器の

A

部のコックを閉じ,直ちに

2

個とも

B

部のコックを閉じ,接続管を外し,試

料採取器を逆にして気泡が全くないことを確かめる。もし,少しでも気泡があれば,

2

個とも試料

をとり直す。

(e)

試料採取器の

1

個を試験用,他を空試験用にする。

(

2

)

冷却蛇管を使用する場合には,冷却水調節用弁を冷却蛇管の入口に設けて冷却水を流してあふ

れさせ,試料の流量調節弁は冷却蛇管の出口に設ける。


75

K 0101 : 1998

(

3

)

試料配管を断続的に使用する場合にも,試料配管や冷却蛇管中の元の試料を完全に置換するの

に必要な時間だけ試料を流す。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試験用の試料採取器の

A

部の管の水を切り,

A

部の管の最上部の基線まで,よう素

-

アルカリ性よう

化カリウム溶液を満たす。管内に気泡のある場合には,きれいな銅線で除く。

(b)

  A

部のコックを開き,

B

部のコックで調節しながら液面が下部の基線に一致するまで,よう素

-

アル

カリ性よう化カリウム溶液を入れ,両方のコックを閉じ,洗浄瓶を用いて試料採取器の

A

部及び

B

部の管内を洗浄する。

(c)

試料採取口を逆にして,(a)の操作に準じて

B

部の管の最上部の基線まで硫酸マンガン

 (II)

溶液を

満たし,(b)の操作に準じて硫酸マンガン

 (II)

溶液を入れる。

(d)

洗浄瓶を用いて試料採取器の

A

部及び

B

部の管内を洗浄した後,試料採取器を約

1

分間繰り返し転

倒させて十分に混ぜ合わせ,しばらく放置する。

(e)

再び試料採取器を転倒して試料採取器中に生じた沈殿を均一に懸濁させ,手早く

B

部の管の最上部

の基線まで硫酸

 (3

1)

を満たし,(a)の操作に準じて硫酸

 (3

1)

を加え,転倒して混ぜ合わせる。

(f)

試薬の添加操作は正確に行い,(a)(e)までの操作は,試料採取後

15

分間以内に行う。

(g)

試料採取器の

A

部の管から

4

10ml

をメスシリンダー

10ml

中に排出し,

その量を記録して捨てる。

(h)

残りの液を磁器蒸発皿に移し,ガラス棒又はマグネチックスターラーでかき混ぜながら

5mmol/l

オ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の黄色が薄くなってから指示薬としてでんぷん溶液

 (10g/l)

3ml

を加え,生じたよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。

(i)

空試験用の試料採取容器の試料については(a)及び(b)と同じ操作で,

A

部の管からよう素−アルカリ

性よう化カリウム溶液を入れ,次に,(e)に準じた操作で,

B

部の管から硫酸

 (3

1)

を加える。よ

く混ぜ合わせた後,(c)と同じ操作で,硫酸マンガン

 (II)

溶液を入れ,十分に混ぜ合わせる。

(j)

試料の場合と同じ磁器蒸発皿を用い,(g)及び(h)の操作で滴定する。

(k)

次の式によって試料中の溶存酸素の濃度

 (mgO/l)

を算出する。

4

010

.

0

04

.

0

000

1

×

×

×

ú

û

ù

ê

ë

é

=

f

V

b

V

a

O

b

a

ここに,

O

溶存酸素

 (mgO/l)

a

滴定に要した

5mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

 (ml)

b

空試験に要した

5mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

 (ml)

V

a

滴定した試料

 (ml)

(試料採取器の容量から滴定前に捨

てた量を差し引いた量)

V

b

滴定した空試験用試料

 (ml)

(試料採取器の容量から滴

定前に捨てた量を差し引いた量)

f

5mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター(

4

)

0.04

5mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

1ml

の酸素相当量

 (mg)

0.010 4

添加試薬中の溶存酸素の補正値

(

4

)

 50mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクターを用いる。

備考1.

溶存酸素が

1mgO/l

以上ある場合には,

25mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液を用いてもよい。

2.

溶存酸素の

 (mgO/l)

 (mlO/l)

に換算するには

0.700 4

を乗じる。

24.2

ウインクラー-アジ化ナトリウム変法  ウインクラー法で妨害となる亜硝酸イオンをアジ化ナトリ

ウムを加えて分解し,溶存酸素を定量する。

定量範囲:

O 0.5mg/l

以上


76 
K 0101 : 1998

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

アルカリ性よう化カリウム-アジ化ナトリウム溶液  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム

350g

(又

は JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム

250g

)と JIS K 8913 に規定するよう化カリウム

75g

それぞれ水に溶かし,これを混合し,水を加えて

500ml

とする。別に,JIS K 9501 に規定するアジ

化ナトリウム

5g

を水

20ml

に溶かし,これも混合する。遮光したポリエチレン瓶に入れて暗所に保

存する。

(b)

硫酸マンガン (II) 溶液  24.1(1)(d)による。

(c)

硫酸  JIS K 8951 に規定するもの。

(d)

でんぷん溶液 (10g/l)

  22.1.2(1)(i)による。

(e)

25mmol/チオ硫酸ナトリウム溶液  24.1(1)(g)

50mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

100ml

を全量フ

ラスコ

200ml

にとり,これに JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム

0.1g

を水に溶かして加え,更

に水を標線まで加える。この溶液は使用時に調製し,

12

時間以上経過したものは使用しない。

(2)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

溶存酸素測定瓶  19.(2)(a)による。

(3)

試料採取  試料採取は,次のとおり行う。

(a)

採水器を使用する場合  バンドーン採水器,絶縁採水器などを用いるときは採水器の取出口に軟質

塩化ビニル管を接続し,この軟質塩化ビニル管を溶存酸素測定瓶の底まで入れ,気泡が生じないよ

うに注意して試料を溶存酸素測定瓶に

3

1

ほど手早く流し込み,溶存酸素測定瓶を洗う。同じ操作で,

改めて試料を溶存酸素測定瓶に入れ,瓶の容量の

25

50%

の試料をあふれさせてから,静かに軟質

塩化ビニル管を取り出し,気泡が残らないように密栓する。

(b)

配管及び装置類から採取する場合  配管及び装置類に取り付けてある試料採取弁に軟質塩化ビニル

管を付け,約

1l/min

で連続的に流出させる。軟質塩化ビニル管を溶存酸素測定瓶の底まで入れ,溶

存酸素測定瓶の容量の約

5

倍量の試料をあふれさせてから,軟質塩化ビニル管を取り出し,気泡が

残らないように密栓する。

(c)

直接採取する場合  河川及び水路,貯留槽などの表面水を溶存酸素測定瓶で直接採取するには,ま

ず,試料で溶存酸素測定瓶をよく洗い,溶存酸素測定瓶を水面下に入れ,満水するまで静かに試料

を流し込んで気泡が残らないように密栓する。バケツなどで採取した場合も同じ操作で流し入れて

密栓する。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

溶存酸素測定瓶の栓を取り,これに試料

100ml

について硫酸マンガン

 (II)

溶液

1ml

とアルカリ性よ

う化カリウム

-

アジ化ナトリウム溶液

1ml

とをそれぞれピペットの先端を試料中に挿入して手早く

加え,溶存酸素測定瓶中に空気が残らないように密栓する。

(b)

1

分間転倒を繰り返し,生成した沈殿が瓶の全体に広がるように十分に混ぜ合わせる。

(c)

しばらく静置し,沈殿が沈降したら再び(b)の操作を行った後,静置する。

(d)

沈殿が沈降し,上澄み液が瓶全体の

2

1

程度になったら静かに開栓し,瓶の首に沿ってピペットで試

100ml

について硫酸

1ml

を加え,再び密栓して数回転倒して沈殿を溶かす。

(e)

この溶液の適量(全量でもよい。

)を分取し,三角フラスコに入れる。

(f)

 25mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の黄色が薄くなってから指示薬としてでんぷん溶

 (10g/l) 1ml

を加え,生じたよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。

(g)

次の式によって試料中の溶存酸素の濃度

 (mgO/l)

を算出する。


77

K 0101 : 1998

2

.

0

1000

1

2

1

×

×

×

×

=

v

V

V

V

f

a

O

ここに,

O

溶存酸素

 (mgO/l)

a

滴定に要した

25mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

 (ml)

V

1

共栓を施したときの溶存酸素測定瓶の容量

 (ml)

V

2

滴定のため溶存酸素測定瓶から分取した試料

 (ml)

v

アルカリ性よう化カリウム

-

アジ化ナトリウム溶液と硫酸マ

ンガン

 (II)

溶液の合計量

 (ml)

f

 25mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター(

5

)

0.2

 25mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

1ml

の酸素相当量

 (mg)

(

5

)

24.1(1)(g)

50mmol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクターを用いる。

備考3.

酸化性物質を含む試料の場合  水に残留塩素などが含まれる場合には,空試験として別の溶

存酸素測定瓶を用い,(3)の試料採取の操作に従って試料を採取し,アルカリ性よう化カリウ

-

アジ化ナトリウム溶液と硫酸とを加えて密栓し,転倒を繰り返して混合し,次に,硫酸マ

ンガン

 (II)

溶液を加えて密栓し,転倒を繰り返して混合する。これについて(4)(e)(g)の操

作を行って滴定し,溶存酸素の量を補正する。

4.

還元性物質を含む試料の場合  アルカリ性よう化カリウム

-

アジ化ナトリウム溶液の代わり

に 24.1(1)(c)のよう素−アルカリ性よう化カリウム溶液を用いるとよい。この場合も

備考 3.

と同じように,別の溶存酸素測定瓶を用いて空試験を行い,溶存酸素の量を補正する。

5.

試料が海水の場合  海水は微生物を含む場合が多いから,反応を速めて手早く試験する。反

応促進のためにアルカリ性よう化カリウム

-

アジ化ナトリウム溶液と硫酸マンガン

 (II)

溶液

をそれぞれ

2

倍量添加する。転倒後の硫酸は

2

倍量を加える。

6.

試料中に鉄 (III) が共存する場合  硫酸の添加前に,試料

100ml

についてふっ化カリウム溶

 (300g/l) 1ml

を加えれば,鉄

 (III) 100

200mg/l

が含まれていても妨害しない。

24.3

ミラー変法  流動パラフィンで試料と空気を遮断し,酒石酸ナトリウムカリウム

-

水酸化ナトリウム

溶液と

3, 7-

ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン

-5-

イウムクロリド(メチレンブルー)溶液を加え,硫

酸アンモニウム鉄

 (II)

溶液で滴定し,溶存酸素を定量する。

定量範囲:

O 1mg/l

以上

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

酒石酸ナトリウムカリウム-水酸化ナトリウム溶液  JIS K 8536 に規定する

  (

) -

酒石酸ナトリウム

カリウム四水和物

350g

及び JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム

100g

を水に溶かして,

1l

とす

る。

(b)

メチレンブルー溶液  JIS K 8897 に規定するメチレンブルー(通常は三水和物)

0.1g

を水

100ml

溶かす。

(c)

流動パラフィン  JIS K 9003 に規定するもの。

(d)

硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液  JIS K 8951 に規定する硫酸

5ml

を水

100ml

に加え,これに JIS K 

8979 に規定する硫酸アンモニウム鉄

 (II)

六水和物

5.4g

を加えて溶かし,2.(12)(a)の溶存酸素を含ま

ない水を加えて

1l

とする。

標定  この溶液の溶存酸素相当量は 24.2 で溶存酸素の濃度を求めた水を標準とし,(3)の操作に従っ

てこの溶液で滴定し,次の式によって算出する。

b

a

f

1

1000

50

×

×

=


78 
K 0101 : 1998

ここに,

f

硫酸アンモニウム鉄

 (II)

溶液

1ml

の溶存酸素相当量

 (mgO)

a

使用した水の溶存酸素

 (mgO/l)

b

滴定に要した硫酸アンモニウム鉄

 (II)

溶液

 (ml)

この標定は,使用時に行う。

(2)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

試料採取器  注射筒

50ml

の先端に内径約

1.5mm

,長さ

250

300mm

のガラス管をすり合わせ又は

ゴム管で接続したもの。

(b)

溶存酸素測定用試験管  外径約

30mm

,高さ約

200mm

の試験管

(c)

かき混ぜ棒  直径約

3mm

,全長約

250mm

のガラス棒で,下部を約

10mm

折り曲げたもの又は下部

をらせん状にしたもの。

(d)

足長ビュレット

5

10ml

,足の先端が試験管の下部に達するもの。

(3)

操作  操作は次のとおり行う。

(a)

溶存酸素測定用試験管にメチレンブルー溶液

2

滴,酒石酸ナトリウムカリウム

-

水酸化ナトリウム溶

5ml

と流動パラフィン約

5ml

を加える。

(b)

試料採取器に試料を吸引して

2

回洗った後,気泡が入らないように徐々に吸引して試料

50ml

を採

取する。このときガラス管部分に試料が満たされた状態に保つ。

(c)

試料採取器のガラス管の先端を静かに流動パラフィン層の下の水層に入れ,流動パラフィン層が乱

れないように注意しながら,試料

50ml

を注入する。

(d)

かき混ぜ棒を静かに入れ,足長ビュレットの先端を流動パラフィン層の下の水層に入れる。

(e)

硫酸アンモニウム鉄

 (II)

溶液で,メチレンブルーの青い色が消えるまで滴定する。

(f)

次の式によって試料中の溶存酸素の濃度

 (mgO/l)

を算出する。

50

1000

×

×

=

f

a

O

ここに,

  O

溶存酸素

 (mgO/l)

a

滴定に要した硫酸アンモニウム鉄

 (II)

溶液

 (ml)

f

硫酸アンモニウム鉄

 (II)

溶液

1ml

の溶存酸素相当量

 (mg)

24.4

隔膜電極法  隔膜電極を用いて,試料中の溶存酸素の量を測定する。

定量範囲:

O 0.5mg/l

以上,繰返し分析精度:変動係数で

2

10%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

亜硫酸ナトリウム溶液  JIS K 8061 に規定する亜硫酸ナトリウム約

25g

を水に溶かし,水を加えて

500ml

とする。使用時に調製する。この溶液は,ゼロ調節に用いる(

6

)

(b)

溶存酸素飽和水(

8

)  水酸化カリウム溶液

 (250g/l)

で洗浄した空気を約

1l/min

の流量で球形又は板

状のガラスろ過器を用いて水に通気(

7

)して,溶存酸素を飽和させる(

8

)。スパン調節操作を行う直前

に調製する。

(

6

)

JIS K 8129に規定する塩化コバルト

 (II)

六水和物を微量添加すると,溶存酸素は容易に亜硫酸

ナトリウムによって還元される。

(

7

)

通常,水

200ml

の場合には

5

10

分間,

500ml

の場合には

10

20

分間通気する。

(

8

)

溶存酸素飽和水は,試料の温度と±

0.5

℃で一致する温度のものを調製する。この溶液の溶存酸

素の濃度は

表 24.1 から求める。溶存酸素の濃度は,気圧変動によっても異なるので気圧補正を

行うとよい。


79

K 0101 : 1998

また,塩類の濃度の高い試料の溶存酸素の濃度を測定する場合には,試料の塩類のモル濃度

に合わせた JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウムを添加した溶存酸素飽和水を調製する。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

溶存酸素測定容器  ガラス容器

100

300ml

にゴム栓を付け,栓に試料を採取するための注入管及

び排出するための排出管を取り付けたもの(

9

)。図 24.2 に一例を示す。

図 24.2  測定容器の一例

(b)

温度計  JIS B 7411 に規定する一般用ガラス製棒状温度計の

50

度温度計

(c)

溶存酸素計  一般に,温度補償回路を組み入れたもの

(d)

マグネチックスターラー

(

9

)

溶存酸素測定瓶,培養瓶などを用いてもよい。

(3)

準備操作  準備操作は,次のとおり行う。

(a)

溶存酸素計の電極を接続し,約

30

分間通電しておく。

(b)

測定容器に試料と同じ温度にした亜硫酸ナトリウム溶液を注入し,マグネチックスターラーで静か

にかき混ぜながら電極を挿入し,指示値が安定してから(

10

),ゼロ調節ダイヤルを回して指示値をゼ

ロに合わせる。

(c)

電極及び温度計を取り出し,水でよく洗い(

11

),別の測定容器に挿入する。

(d)

注入管の一端から測定容器の底に静かに溶存酸素飽和水(

12

)を注入し,測定容器の容量の

25

50%

流出させた後,排出管の先端を閉じる。

(e)

マグネチックスターラーでかき混ぜ(

13

)ながら,溶存酸素計の指示値が安定するのを待つ。温度を読

み取り,

対応する溶存酸素飽和量を

表 24.1 から求めスパン調節ダイヤルを回し,指示値を合わせる。

(f)

(b)(e)の操作を

2

3

回繰り返して,指示値がそれぞれゼロ及び溶存酸素の飽和量に合致している

ことを確かめる。

(

10

)

通常

2

5

分間を要する。

(

11

)

準備操作(b)から(c)に移るときには,電極を特によく洗浄する。


80 
K 0101 : 1998

(

12

)

容器内で通気して溶存酸素飽和水を調製してもよい。

(

13

)

かき混ぜ速度によって指示値に差が生じるので,できるだけスパン調節操作時と同じ条件に保

つ。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

(3)(d)に準じて,試料を測定容器の底に,泡が入らないように静かに注入する(

14

)

(b)

マグネチックスターラーでかき混ぜながら(

13

)温度計の目盛を確認し,次に,溶存酸素計の指示値が

安定するのを待って,指示値

 (mgO/l)

を読み取る。

(

14

)

溶存酸素測定瓶又は培養瓶などを測定容器として用いる場合には,サイホンを用いて静かに試

料を容器に取り,直ちに電極と温度計を挿入して測定する。

備考7.

指示値は,温度

1

℃の上昇につき約

5%

増大する。

表 24.1  水中の飽和溶存酸素

水中の塩化物イオン mgCl

-

/l

0

5 000

10 000

15 000

20 000

温度

溶存酸素  mgO/l

塩化物イオン 
100mgCl

-

/ごと

に 差 し 引 く 溶
存酸素  mgO/l

0 14.16 13.40 12.63 11.87 11.10  0.015

3

1 13.77 13.03 12.29 11.55 10.80  0.014

8

2 13.40 12.68 11.97 11.25 10.52  0.014

4

3 13.04 12.35 11.65 10.95 10.25  0.014

0

4 12.70 12.03 11.35 10.67  9.99  0.013

5

5 12.37 11.72 11.06 10.40  9.74  0.013

1

6 12.06 11.42 10.79 10.15  9.51  0.012

8

7 11.75 11.15 10.52  9.90  9.28  0.012

4

8 11.47 10.87 10.27  9.67  9.06  0.012

0

9 11.19 10.61 10.03  9.44  8.85  0.01 7

10 10.92 10.36  9.79  9.23  8.66  0.01 3

11 10.67 10.12  9.57  9.02  8.47  0.01 0

12 10.43 9.90 9.36 8.82 8.29 0.010

7

13 10.20 9.68 9.16 8.64 8.11  0.010

4

14 9.97 9.47 8.97 8.46 7.95 0.010

1

15 9.76 9.27 8.78 8.29 7.79 0.009

9

16 9.56 9.06 8.60 8.12 7.63 0.009

6

17 9.37 8.90 8.44 7.97 7.49 0.009

4

18 9.18 8.73 8.27 7.82 7.36 0.009

1

19 9.01 8.57 8.12 7.67 7.22 0.008

9

20 8.84 8.41 7.97 7.54 7.10 0.008

7

21 8.68 8.26 7.83 7.40 6.97 0.008

6

22 8.53 8.11 7.70 7.26 6.85 0.008

4

23 8.39 7.98 7.57 7.16 6.74 0.008

2

24 8.25 7.85 7.44 7.04 6.65 0.008

1

25 8.11 7.72 7.32 6.95 6.52 0.007

9

26 7.99 7.60 7.21 6.82 6.42 0.007

8

27 7.87 7.48 7.10 6.71 6.32 0.007

7

28 7.75 7.37 6.99 6.61 6.22 0.007

6

29 7.64 7.26 6.88 6.51 6.12 0.007

6

30 7.53 7.16 6.78 6.41 6.03 0.007

5

31 7.43 7.06 6.66 6.31 5.93 0.007

5

32 7.32 6.96 6.59 6.21 5.84 0.007

4


81

K 0101 : 1998

水中の塩化物イオン mgCl

-

/l

0

5 000

10 000

15 000

20 000

温度

溶存酸素  mgO/l

塩化物イオン 
100mgCl

-

/ごと

に 差 し 引 く 溶
存酸素  mgO/l

33 7.23 6.86 6.49 6.12 5.75 0.007

4

34 7.13 6.77 6.40 6.03 5.65 0.007

4

35 7.04 6.67 6.30 5.93 5.56 0.007

4

25.

全炭酸  全炭酸は,炭酸,炭酸水素イオン及び炭酸イオンの合量で二酸化炭素

 (CO

2

)

の量として表す。

全炭酸の定量には,塩化ストロンチウム

-

塩酸滴定法又は赤外線分析法を適用する。

25.1

塩化ストロンチウム-塩酸滴定法  水酸化ナトリウム溶液に試料を加えて,全炭酸を炭酸イオンに変

える。次に,塩化ストロンチウムを加えて炭酸ストロンチウムの沈殿を生成させる。塩酸を加えて過剰の

水酸化ナトリウムを中和し,更に塩酸の一定量を加えて沈殿を溶かす。通気して遊離した二酸化炭素を除

去した後,

過剰の塩酸を水酸化ナトリウム溶液で滴定して消費された塩酸の量を求め,

全炭酸を定量する。

定量範囲:

CO

2

 1

40mg

,繰返し分析精度:変動係数で

2

10%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  20.1(1)(a)による。

(b)

塩化ストロンチウム溶液  JIS K 8132 に規定する塩化ストロンチウム六水和物

17g

を水に溶かして

100ml

とする。

(c)

フェノールフタレイン溶液 (5g/l)

  13.2(1)(a)による。

(d)

0.1mol/塩酸  JIS K 8180 に規定する塩酸

10ml

を,あらかじめ水

100ml

を入れたビーカー

1 000ml

にとり,水を加えて

1l

とする。

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを

600

℃で約

1

時間加熱し,デ

シケーター中で放冷する。その約

1g

1mg

のけたまではかりとり,少量の水に溶かして,全量フ

ラスコ

200ml

に移し入れ,水を標線まで加える。これから

20ml

をとり,三角フラスコ

200ml

に入

れ,指示薬としてメチルレッド

-

ブロモクレゾールグリーン混合溶液(

1

)

2

3

滴を加え,この

0.1mol/l

塩酸で溶液の色が灰紫

 (pH4.8)

になるまで滴定する。

終点付近で煮沸して二酸化炭素を追い出し,放冷後再び灰紫になるまで滴定する。滴定に要した

0.1mol/l

塩酸の

ml

数から,次の式によって

0.1mol/l

塩酸のファクター

  (f

1

)

を算出する。

30

005

.

0

1

200

20

100

1

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

炭酸ナトリウムの量

 (g)

b

炭酸ナトリウムの純度

 (%)

x

滴定に要した

0.1mol/l

塩酸

 (ml)

0.005 30

0.1mol/l

塩酸

1ml

の炭酸ナトリウム相当量

 (g)

(

1

)

13.1(1)(a)による。

(e)

40mmol/塩酸

0.1mol/l

塩酸

100ml

を全量フラスコ

250ml

にとり,水を標線まで加える。この溶液

のファクターは,

0.1mol/l

塩酸のファクターを用いる。

(f)

40mmol/水酸化ナトリウム溶液  水約

30ml

をポリエチレン瓶にとり,冷却しながら水酸化ナトリ

ウム約

35g

を少量ずつ加えて溶かし,密栓して

4

5

日間放置する。この上澄み液

2ml

をポリエチ

レン製の気密容器

1l

にとり,2.(12)(b)の炭酸を含まない水を加えて

1l

とする。

この溶液は自動ビュレット(容量

50ml

)付試薬瓶(ポリエチレン製)に入れ,空気の出入口には,


82 
K 0101 : 1998

JIS K 8603 に規定するソーダ石灰又は JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム粒を詰めた管を取り付

けて保存する。

標定  (e)

40mmol/l

塩酸

20ml

を三角フラスコ

200ml

にとり,指示薬としてフェノールフタレイン

溶液

 (5g/l) 2

3

滴を加え溶液の色が微赤になるまで,この

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液で滴定

する。

滴定に要した

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液の

ml

数から,次の式によって

40mmol/l

水酸化ナト

リウム溶液のファクター

  (f

2

)

を算出する。

x

f

f

1

2

20

×

=

ここに,

  f

1

 40mmol/l

塩酸のファクター

x

滴定に要した

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

(2)

装置  装置は,次のとおりとする。

(a)

全炭酸測定装置  図 25.1 に一例を示す。

図 25.1  全炭酸測定装置の一例

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

三角フラスコ

500ml

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

50ml

と指示薬としてフェノールフタレイン

溶液

 (5g/l) 0.2ml

を加える。

(b)

試料

200ml

を加え(

2

)(試料中の全炭酸が多いときは

40mg

以下になるように適量をとり,水を加え


83

K 0101 : 1998

200ml

にする。

,三角フラスコ

500ml

図 25.1 のように接続して数分間放置する。

(c)

塩化ストロンチウム溶液

10ml

を加え,再び接続して十分に振り混ぜて約

10

分間放置する。

(d)

 40mmol/l

塩酸を滴加して約

1

分間無色を保つまで中和する(

3

)

(e)

 40mmol/l

塩酸

50ml

を加え,再び接続する。

(f)

空気を

1l/min

で約

5

分間通気する。

(g)

三角フラスコ

500ml

を取り外し,空気導入管を水洗する。次に,

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液で

徐々に滴定し,溶液の色がわずかに赤になった点を終点とする。

(h)

空試験として試料に代え,水

200ml

を三角フラスコ

500ml

にとり,(a)(g)の操作を行う。

(i)

次の式によって試料中の全炭酸の濃度

 (mgCO

2

/l)

を算出する。

2

880

.

0

1000

)

(

2

×

×

×

=

V

f

a

b

C

ここに,

C

全炭酸

 (mgCO

2

/l)

a

滴定に要した

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

b

空試験に要した

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

 (ml)

f

2

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター

V

試料

 (ml)

0.880 2

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液

1ml

の二酸化炭素相当量

(mg)

(

2

)

三角フラスコ中の溶液の

pH

12

以下にならないようにする。

pH

はアルカリブルー

pH

試験紙を

用いて確認する。試料が酸性の場合は,

pH

7

になるまで

40mmol/l

水酸化ナトリウム溶液を加

える。

(

3

)

マグネシウムイオンが多量に共存すると,中和のとき変色が見にくいことがあるので終点が近

づいたら徐々に滴定する。

備考1.

この方法は,次の成分ごとに以下に示す限度を超えない場合に適用できる。

Mg

2

 200mgMg/l

Fe

2

25mgFe/l

PO

4

3-

5mgPO

4

3-

/l

Fe

2

5mgFe/l

共存

PO

4

3-

10mgPO

4

3-

/l

Fe

3

2.5mgFe/l

共存

PO

4

3-

5mgPO

4

3-

/l

その他,アルミニウム,アンモニウムイオン,シリカなどが多量に共存すると妨害となる。

2.

炭酸,炭酸水素イオン及び炭酸イオンの濃度の算出。

試料中の全炭酸の濃度と試料の

pH

から,炭酸,炭酸水素イオン及び炭酸イオンのそれぞ

れの濃度は,次の式及び

表 25.1 又は図 25.2 から算出することができる。

H

2

CO

3

C

×

a

×

1.409

HCO

3

-

C

×

b

×

1.387

CO

3

2-

C

×

c

×

1.364

ここに,

  H

2

CO

3

炭酸

 (mgH

2

CO

3

/l)

HCO

3

-

炭酸水素イオン

 (mgHCO

3

-

/l)


84 
K 0101 : 1998

CO

3

2-

炭酸イオン

 (mgCO

3

2-

/l)

C

全炭酸

 (mgCO

2

/l)

a

全炭酸に対する炭酸のモル比

b

全炭酸に対する炭酸水素イオンのモル比

c

全炭酸に対する炭酸イオンのモル比

1.409

全炭酸

 (CO

2

)

の量を炭酸相当量に換算する場合の係数

(62.03/44.01)

1.387

全炭酸

 (CO

2

)

の量を炭酸水素イオン相当量に換算する

場合の係数

 (61.02/44.01)

1.364

全炭酸

 (CO

2

)

の量を炭酸イオン相当量に換算する場合

の係数

 (60.01/44.01)

表 25.1  pH に対する全炭酸の濃度分布

濃度分布 (25℃)

濃度分布 (25℃)

pH

a (H

2

CO

3

) b

(HCO

3

-

) c

(CO

3

2-

)

pH

a (H

2

CO

3

)

b  (HCO

3

-

) c

(CO

3

2-

)

2.0 1.000

0  −

8.0

0.022 6

0.972 8

0.004 6

2.5

0.999 9

0.000 1

8.5

0.007 2

0.978 3

0.014 5

3.0

0.999 6

0.000 4

9.0

0.002 2

0.953 0

0.044 8

3.5

0.998 6

0.001 4

9.5

0.000 6

0.870 1

0.129 3

4.0

0.995 7

0.004 3

10.0

0.000 2

0.680 1

0.319 7

4.5

0.986 6

0.013 4

10.5

0.000 0

0.402 2

0.507 8

5.0

0.958 7

0.041 3

− 11.0  −

0.175 4

0.824 6

5.5

0.880 0

0.120 0

− 11.5  −

0.063 0

0.937 0

6.0

0.698 8

0.301 2

0.000 0

12.0

0.020 8

0.979 2

6.5

0.423 2

0.576 7

0.000 1

12.5

0.006 7

0.993 3

7.0

0.188 3

0.811 3

0.000 4

13.0

0.002 1

0.997 9

7.5

0.068 3

0.930 3

0.001 4

図 25.2  pH に対する全炭酸の濃度分布 (25)

表 25.1 及び図 25.2 に試料の pH (25℃)  における全炭酸に対する炭酸,炭酸水素イオン及び

炭酸イオンのそれぞれのモル比を示す。

25.2

赤外線分析法  有機体炭素

 (TOC)

を赤外線分析法によって定量するときに測定される無機体炭素

の場合と同様に操作して,全炭酸を定量する。

定量範囲:

CO

2

 3

450mgCO

2

/l

,繰返し分析精度:変動係数で

3

10%


85

K 0101 : 1998

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  20.1(1)(a)による。

(b)

炭酸標準液 (0.5mgCO

2

/ml)    JIS K 8622 に規定する炭酸水素ナトリウムをデシケーター中で約

3

時間放置し,その

0.478g

をとる。別に,JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウ

ムを,あらかじめ

600

℃で約

1

時間加熱し,デシケーター中で放冷し,その

0.602g

をとる。両者を

少量の水に溶かし,全量フラスコ

1 000ml

に移し入れ,水を標線まで加える。

(c)

炭酸標準液 (0.1mgCO

2

/ml)    炭酸標準液

 (0.5mgCO

2

/ml) 20ml

を全量フラスコ

100ml

にとり,水を

標線まで加える。

(d)

無機体炭素測定管  20.1(1)(g)による。

(e)

キャリヤーガス  20.1(1)(h)による。

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

マイクロシリンジ

10

µl

及び

150

µl

(b)

全炭酸定量装置  20.1(2)(b)による。

(3)

準備操作  準備操作は,次のとおり行う。

(a)

20.1(3)(a)(c)に準じ,炭酸標準液

 (0.1mgCO

2

/ml)

[又は炭酸標準液

 (0.5mgCO

2

/ml)

20

µl

をマイク

ロシリンジで全炭酸定量装置に注入して指示計[赤外線ガス分析計(記録計)

]が示すピーク高さを

読み取る。

(b)

以下,20.1(3)(d)の操作を行う。

(4)

検量線の作成  検量線の作成は,次のとおり行う。

(a)

20.1(4)(e)(g)に準じ,炭酸標準液

 (0.1mgCO

2

/ml)

[又は炭酸標準液

 (0.5mgCO

2

/ml)

]を用いて検量

線を作成する。

(5)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

20.1(5)に準じて操作し,検量線の作成に用いた炭酸標準液と同量の試料をマイクロシリンジで全炭

酸定量装置に注入(

2

3

回繰り返す。

)し,対応するピーク高さを読み取る。

(b)

あらかじめ作成した検量線から,試料中の全炭酸の濃度

 (mgCO

2

/l)

を求める。

備考3.

検量線の作成に標準液として20.1(1)(e)を用いた場合には,次の式によって全炭酸の濃度

(mgCO

2

/l)

を算出する。

全炭酸

 (CO

2

) (mgCO

2

/l)

=無機体炭素

 (mgC/l)

×

3.664

ここに,

 3.664

炭素の量を全炭酸

 (CO

2

)

相当量に換算する場合の係数

4.

試料中の炭酸,炭酸水素イオン及び炭酸イオンの濃度を算出する場合には,

備考 2.による。

26.

ヘキサン抽出物質  ヘキサン(

n-

ヘキサン)抽出物質とは試料を微酸性とし,ヘキサン抽出を行った

後,約

80

℃でヘキサンを揮散させたときに残留する物質をいう。

この試験は,主として揮散しにくい鉱物油及び動植物油脂類の定量を目的とするが,これらのほかヘキ

サンに抽出された揮散しにくいものは,定量値に含まれる。

この試験は,抽出法を適用する。

26.1

試料採取  試料の採取は,次のとおり行う。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

塩酸 (11)

  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

(b)

メチルオレンジ溶液 (1g/l)

  22.1.1(1)(d)による。


86 
K 0101 : 1998

(2)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

試料容器  表層の水及び落下する水の場合は,共栓広口ガラス瓶

1

2l

。下層の水の場合には,採

水器に装着できる共栓ガラス瓶

1

2l

。いずれも使用前にヘキサンでよく洗っておく。

(b)

採水器  ハイロート採水器又はこれに類する適当な採水器。

(3)

採取方法  採取方法は,次のとおりとする。

(a)

落下している水の採取  水路,せき,溝,管などから落下している場合には,試料を直接試料容器

に受け,適当な空間が残る程度に採取をとどめる(

1

)

(b)

通水状態の配管装置などからの採取  配管,装置などが通水状態の場合には,試料採取弁を開き,

試料採取配管内に滞留している水の約

5

倍量を約

1l/min

で流出させてから試料容器に受け,適当な

空間が残る程度に採取をとどめる(

1

)(

2

)(

3

)(

4

)

(c)

深い水路や水槽などからの採取  深い水路や水槽の水を採取する場合には,全層試料を採取できる

採水器を使用し,全層の試料を採取する。ハイロート採取器では,採水器の枠に試料容器を取り付

けて,底部近くに降ろし,採水しながら一定速度で採水器を引き上げ,水面に達したとき適当な空

間が残るように採取する(

5

)

(d)

貯留池,湖沼,河川などからの採取  試料容器を取り付けた採水器を用い,任意の深さの試料を採

取するか,又は試験目的よって(c)に準じて採取する。

(

1

)

この場合は,試料容器を試料で洗わない。

(

2

)

高温高圧又は負圧状態にある配管装置などから試料採取する場合には,次のようにする。

高温水の場合は,冷却器を試料採取管に設けて室温以下に冷却する。高圧水(圧力が

1.96MPa

以上)の場合には,減圧器を設けて減圧した後に採取し,高温であれば冷却器を通して室温以

下に冷却する。負圧水の場合には,昇圧器で大気圧にしてから採取する(負圧水で高温の場合

は,昇圧器の前に冷却器を設けて室温にしてから大気圧にする。

JIS K 0094 の 4.3 を参照す

る。

(

3

)

装置などが停止状態にあるときは,油状物質が配管や装置中で水と分離していることが多いた

め,通水速度や通水時間によって油状物質の濃度に変動が生じる。試料採取弁や配管中に油状

物質が付着しているおそれがある場合には,試料採取弁を全開して約

10

分間通水してから,約

1l/min

で,更に

10

分間通水する。この操作を繰り返して洗浄する。

(

4

)

試料採取直前に流量を変更してはならない。

(

5

)

JIS K 2251(原油及び石油製品

-

試料採取方法)に規定する全層試料に準じて採取する。

(4)

試料の取扱い  試料の取扱いは,次のとおりとする。

(a)

(3)によって採取した試料は,他の容器に移し替え一部を採取してはならない。試験には全量を用い

る。

(b)

試料の量は,試料を入れた容器の質量から試料容器の質量を差し引いて求めるか,又は試料を採取

したときに試料容器の水面の位置に印を付けておき,試験終了時に印のところまで水を入れてその

水の体積を試料の量とする。

(c)

試料を保存したり運搬する必要がある場合には,指示薬としてメチルオレンジ溶液

 (1g/l)

数滴を加

え,溶液の色が赤くなるまで塩酸

 (1

1)

を加えて密栓する(

6

)

(

6

)

油状物質が浮上している場合には,油状物質が運搬中の振動でにじみやすいので,取扱いに注

意する。


87

K 0101 : 1998

26.2

抽出法  試料を

pH 4

以下の塩酸酸性にして,ヘキサンで抽出を行い,

80

℃でヘキサンを揮散させて

残留する物質の質量をはかってヘキサン抽出物質を定量する。

定量範囲:

5

500mg

,繰返し分析精度:変動係数で

10

20%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水

(b)

塩酸 (11)

  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

(c)

硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。

(d)

メチルオレンジ溶液 (1g/l)

  22.1.1(1)(d)による。

(e)

ヘキサン  JIS K 8848 に規定するもの。

(f)

窒素  JIS K 1107 に規定する高純度窒素

2

(2)

器具及び装置  器具及び装置は,次のとおりとする。

(a)

分液漏斗

200ml

及び

1 000

3 000ml

で脚部の短いもの。使用前にヘキサンで洗う。コックに滑剤

を塗布しない。

(b)

乾燥器

80

±

5

℃に温度調節できるもの。

(c)

加熱板又はマントルヒーター

80

±

5

℃に温度調節できるもの。温度調節ができる水浴を用いてもよ

い。

(d)

蒸留装置  共通すり合わせで,蒸留フラスコ(容量

50

100ml

,トの字形連結管とリービッヒ冷却

器(長さ

300mm

)を接続できるものを用いる。いずれも使用前にヘキサンで洗っておく。

(e)

蒸発容器  アルミニウムはく皿,白金皿,ビーカー。容量

50

100ml

で,できるだけ質量の小さい

もの。いずれも使用前にヘキサンでよく洗い,

80

±

5

℃で約

30

分間加熱してデシケーター中で放冷

した後,

0.1mg

のけたまで質量を求めておく。

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

26.1 で採取した試料(

7

)を分液漏斗

1 000

3 000ml

(

8

)に移し,指示薬としてメチルオレンジ溶液

 (1g/l)

2

  3

滴を加え,溶液の色が赤に変わるまで塩酸

 (1

1)

を滴加する。

(b)

試料容器を約

20ml

ずつのヘキサンで

2

回洗い,洗液を分液漏斗

1 000

30 00ml

に加える。約

2

間激しく振り混ぜ,放置する(

9

)

(c)

水層は試料容器に戻し,更に分液漏斗

1 000

3 000ml

を静かに揺り動かして,残った水層をできる

だけ分離して(

10

)試料容器に戻す。ヘキサン層は分液漏斗

200ml

に移す。

(d)

試料容器の水層を(a)で使用した分液漏斗

1 000

3 000ml

に入れ,再び(b)及び(c)の操作を行ってヘ

キサン層と水層を分離し,ヘキサン層を分液漏斗

200ml

に合わせる。

(e)

分液漏斗

1 000

3 000ml

を少量のヘキサンで洗い,洗液を分液漏斗

200ml

に合わせる。

(f)

分液漏斗

200ml

を静かに揺り動かして静置し,ヘキサンを損失しないように注意しながら混入した

水分を十分に分離除去する(

10

)

(g)

ヘキサン層に水約

20ml

を加え,約

1

分間振り混ぜて放置し,水層を捨てる。この洗浄操作を洗液

がメチルオレンジに対して黄色になるまで数回繰り返す。できるだけ水層を除去する。

(h)

ヘキサン層に硫酸ナトリウム

3

5g

を加えて振り混ぜ,水分を除く(

11

)

(i)

分液漏斗

200ml

の脚部を乾いたろ紙(

12

)でふきとり,脱脂綿又はろ紙(

12

)を用いてヘキサン層をろ過

し,蒸留装置の蒸留フラスコに移し入れる(

13

)

(j)

分液漏斗

200ml

を少量のヘキサンで洗い,この洗液も(i)と同じ操作でろ過し,蒸留装置の蒸留フラ

スコに移し入れる。使用した脱脂綿又はろ紙は,ヘキサン約

5ml

ずつで

2

回洗い,この洗液も蒸留


88 
K 0101 : 1998

フラスコに移し入れる。

(k)

蒸留フラスコをマントルヒーターに入れ,トの字形連結管及びリービッヒ冷却器を接続して,マン

トルヒーターの温度を約

80

℃に調節し,ヘキサンを毎秒約

1

滴の留出速度で蒸留し,留出するヘキ

サンを受器に受ける(

14

)。蒸留は,蒸留フラスコ内の液量が約

2ml

になるまで続ける。トの字形連結

管の上部口から JIS K 1107 に規定する高純度窒素

2

級を室温になるまで送入する。

(l)

蒸留フラスコの残留液を質量既知の蒸発容器に移し入れる。蒸留フラスコを少量のヘキサンで

3

洗い,この洗液も蒸発容器に加える。蒸発容器を約

80

℃に保った加熱板の上又はマントルヒーター

の中に置いてヘキサンを揮散させる(

15

)

(m)

蒸発容器の外側を湿った清浄な布などでぬぐい,次に,乾いた清浄な布などでぬぐって,

80

±

5

℃に

調節した乾燥器中に移し,

30

分間加熱する。

蒸発容器をデシケーター中で約

30

分間放冷した後,

その質量を

0.1mg

のけたまではかり,蒸発容器の質量を差し引き,ヘキサン抽出物質の質量

 (mg)

求める。

(n)

空試験として,この試験に使用した全ヘキサンと同量のヘキサンを蒸留フラスコにとり(

13

)(k)

(m)の操作を行って残留物質の質量

 (mg)

を求める。

(o)

次の式によって試料中のヘキサン抽出物質の濃度

 (mg/l)

を算出する。

V

b

a

P

000

1

)

(

×

=

ここに,

  P

ヘキサン抽出物質

 (mg/l)

a

試験におけるヘキサン抽出物質の質量

 (mg)

b

空試験における残留物質の質量

 (mg)

V

試料

 (ml)

(

7

)

試料は通常約

1l

でよいが,ヘキサン抽出物質が

5

500mg

になるように試料を採取し,全量を用

いる。

(

8

)

試料の量に応じて適当な大きさの分液漏斗を選ぶ。

(

9

)

試料の性質によっては,エマルションが生成したり,ヘキサン層が濁ることがある。このよう

な試料では,分液漏斗中の水層をできるだけ元の試料容器に戻し,JIS K 8150 に規定する塩化

ナトリウム又は JIS K 8960 に規定する硫酸アンモニウム約

10g

(ヘキサンに溶ける物質を含ま

ないもの。

)を加え,分液漏斗の口に約

300mm

の共通すり合わせリービッヒ冷却器又はジムロ

ート冷却器を取り付け,約

80

℃に保った恒温水浴中に分液漏斗を浸し,約

10

分間ヘキサンを

還流させるとエマルションがなくなることがある。この加熱還流のほか,分液漏斗中のヘキサ

ン層とエマルション層に JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム又は JIS K 8960 に規定する硫酸

アンモニウム約

10g

を加えて振り混ぜた後,少量の水で遠心分離管に移し,

8 000min

-1

以上で約

5

分間遠心分離すると,エマルション層はわずかになり,ヘキサン層の分離を容易にすること

ができる。これを分液漏斗に戻し,(c)以下の操作に移る。

(

10

)

分離する水層が

1ml

以下になるまで続ける。試料が多量のグリース類又は固体油脂を含む場合

には,水層を分離する前にヘキサンを追加する。

(

11

)

ヘキサン層が濁っていることがある。このような場合には,水層をできるだけ分離した後,硫

酸ナトリウムを加えて脱水すると透明になることがある。JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウ

ム又は JIS K 8960 に規定する硫酸アンモニウムを使用する方が効果的な場合もある。ただし,

ヘキサンに溶ける物質を含む試薬は使用しない。


89

K 0101 : 1998

(

12

)

ヘキサンで十分に洗って抽出物質を除いたもので,ろ過のときにはあらかじめ少量のヘキサン

で潤しておく。

(

13

)

蒸留フラスコに一度に入りきれないときは,

2

3

回に分割してヘキサンを留出させる。

(

14

)

蒸留によって留出したヘキサンは,再蒸留すれば,再使用できる。

(

15

)

引火しないように十分注意をする。溶媒は揮散廃棄せずに,できるだけ回収する。ヘキサンを

揮散後,蒸発容器中に水分が認められる場合には,アセトンを加えて蒸発を繰り返すと水分は

除去できる。水分中に塩類が残留すると誤差になるので注意する。もし,塩類が残留する場合

には(m)の操作を行い,ヘキサン抽出物質の質量

 (mg)

を求めた後,ヘキサン抽出物質を少量の

ヘキサンを加えて溶かし分離する。この操作を繰り返し行い,ヘキサン抽出物質を除去した後,

(m)の操作を行って残留物質の質量

 (mg)

を求めて補正する。

備考1.

ヘキサン抽出物質の質量が

5mg

以下で定量が困難な場合には,JIS K 010224.3(抽出容器に

よる抽出法)又は24.4(捕集濃縮・抽出法)によって試験するとよい。

2.

濁りが著しい試料又はエマルションが生成しやすい試料の場合は,ソックスレー抽出法を適

用するとよい。試料に指示薬としてメチルオレンジ溶液

 (1g/l) 2

3

滴を加え,溶液の色が赤

に変わるまで塩酸

 (1

1)

を加えて

pH

4

以下に調節する。次に,ブフナー漏斗にろ紙

5

A2

枚を重ねて敷き,これにけい藻土懸濁液約

100ml

を加えて吸引ろ過し,けい藻土を減圧状

態で水約

1l

で洗う。このろ過材に酸性にした試料を加えて吸引ろ過し,十分に吸引した後,

ろ過材をろ紙ごと巻いて円筒ろ紙に移し,漏斗の壁,容器,かき混ぜ棒などをヘキサンで洗

ったろ紙でふきとり,同じ円筒ろ紙に入れて

80

±

5

℃の乾燥器中で約

30

分間加熱する。

円筒ろ紙をソックスレー抽出器に移す。試料容器は十分に乾燥した後,ヘキサン約

20ml

ずつで

2

回洗い,洗液を円筒ろ紙に注ぐ。次に,抽出操作に移り,抽出を約

20

回繰り返す。

以下,26.2(3)(k)(o)の操作を行って試料中のヘキサン抽出物質の濃度

 (mg/l)

を算出する。

27.

欠番

28.

残留塩素  残留塩素とは,塩素剤が水に溶けて生成する次亜塩素酸及びこれがアンモニアと結合して

生じるクロロアミンをいい,前者を遊離残留塩素,後者を結合残留塩素,両者を合わせて残留塩素という。

残留塩素の定量は,濃度が低い場合には

o-

トリジン比色法又はジエチル

-p-

フェニレンジアミン

 (DPD)

比色法を適用し,濃度が比較的高い場合には,よう素滴定法を適用する。

また,結合残留塩素中のモノクロロアミン及びジクロロアミンなどを定量する場合には,

DPD-

硫酸アン

モニウム鉄

 (II)

滴定法又は電流滴定法を適用する。この試験は試料採取後直ちに行う。

28.1

o-トリジン比色法  試料に

3

3-

ジメチルベンジジン(

o-

トリジン)溶液を加え,残留塩素との反応

で生じる黄色を,残留塩素標準比色液と比較して残留塩素を定量する方法である。亜ひ酸ナトリウム溶液

で処理し,残留塩素,遊離残留塩素,結合残留塩素に区別することができる。

定量範囲:

Cl 0.01

2.0mg/l

,繰返し分析精度:変動係数で

5

10%

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水

(b)

o-トリジン溶液  JIS K 8669 に規定する二塩化

3

3

´

-

ジメチルベンジジニウム(

o-

トリジン二塩酸

塩)

0.14g

を水

50ml

に溶かし,塩酸

 (3

7) 50ml

中にかき混ぜながら加える。着色瓶に入れて保存

する。

6

か月以上経過したものは使用しない。


90 
K 0101 : 1998

(c)

りん酸塩緩衝液 (pH6.5)

  JIS K 9020 に規定するりん酸水素二ナトリウムを

110

℃で約

2

時間加熱

し,デシケーター中で放冷した後,その

22.86g

と,JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウム

46.14g

とを水に溶かして

1l

とする。沈殿物を生じた場合には,ろ別する。この溶液

200ml

をとり水

1l

とする。

(d)

クロム酸カリウム-二クロム酸カリウム溶液  JIS K 8312 に規定するクロム酸カリウム

3.63g

と JIS 

K 8517 に規定する二クロム酸カリウム

1.21g

とをりん酸塩緩衝液

 (pH6.5)

に溶かし,全量フラスコ

1 000ml

に移し入れ,りん酸緩衝液

 (pH6.5)

を標線まで加える。

(e)

残留塩素標準比色液  相当する残留塩素の濃度

 (mgCl/l)

に応じ,クロム酸カリウム

-

二クロム酸カ

リウム溶液及びりん酸塩緩衝液

 (pH6.5)

表 28.1 に示す割合に比色管

100ml

にとり,

混ぜ合わせる。

暗所に保存し,沈殿が生じた場合には使用しない。

(f)

亜ひ酸ナトリウム溶液 (5g/l)

  JIS K 8046 に規定するメタ亜ひ酸ナトリウム

0.5g

を水に溶かして

100ml

とする。

(2)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

比色管

100ml

,底部から

200

±

1.5mm

の高さに

100ml

の標線を付けた平底のもの。

(b)

比色管立

100ml

用,底部及び側面に乳白板を付けたもの。

表 28.1  残留塩素標準比色液(液層 200mm 用)

残留塩素

mgCl/l

ク ロ ム酸 カリ ウム -
二クロム酸カリウム
溶液  ml

りん酸塩緩衝液

(pH 6.5) ml

残留塩素

mgCl/l

ク ロ ム酸 カリ ウム -
二クロム酸カリウム
溶液  ml

りん酸塩緩衝液

(pH 6.5) ml

0.01 0.18

99.82

0.70

7.48  92.52

0.02 0.28

99.72

0.80

8.54  91.46

0.05 0.61

99.39

0.90

9.60  90.40

0.07 0.82

99.18

1.00 10.66  89.34

0.10 1.13

98.87

1.10 12.22  87.78

0.15 1.66

98.34

1.20 13.35  86.65

0.20 2.19

97.81

1.30 14.48  85.52

0.25 2.72

97.28

1.40 15.60  84.40

0.30 3.25

96.75

1.50 16.75  83.25

0.35 3.78

96.22

1.60 17.84  82.16

0.40 4.31

95.69

1.70 18.97  81.03

0.45 4.84

95.16

1.80 20.09  79.91

0.50 5.37

94.63

1.90 21.22  78.78

0.60 6.42

93.58

2.00 22.34  77.66

(3)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

比色管に

o-

トリジン溶液

5ml

をとり,これに試料(

1

)の適量(残留塩素

0.2mg

以下を含む。

)を加え,

更に水を

100ml

の標線まで加え,手早く栓をして振り混ぜる。

(b)

  5

分間(

2

)暗所に放置する。

(c)

上方から透視して残留塩素標準比色液と比較し,該当する残留塩素標準比色液を求め,これに相当

する残留塩素の濃度

a (mgCl/l)

を記録する。

(d)

別の比色管に

o-

トリジン溶液

5ml

をとり,これに(a)の操作と同量の試料を加え,手早く栓をして振

り混ぜる。

(e)

  5

秒間以内に亜ひ酸ナトリウム溶液

 (5g/l) 5ml

を加えて振り混ぜ,更に水を

100ml

の標線まで加え

て振り混ぜる。


91

K 0101 : 1998

(f)

残留塩素標準比色液と比較し,該当する残留塩素標準比色液を求め,これに相当する残留塩素の濃

b (mgCl/l)

を記録する。

(g)

空試験として比色管

100ml

に亜ひ酸ナトリウム溶液

 (5g/l) 5ml

をとり,これに(a)の操作と同量の試

料を加えて振り混ぜる。

(h)

  o-

トリジン溶液

5ml

を加えて振り混ぜ,更に水を

100ml

の標線まで加えて振り混ぜる。

(i)

  5

秒間以内に残留塩素標準比色液と比較し,該当する残留塩素標準比色液を求め,これに相当する

残留塩素の濃度

c

1

 (mgCl/l)

を記録する。

(j)

更に

5

分間暗所に放置後,残留塩素標準比色液と比較し,該当する残留塩素標準比色液を求め,こ

れに相当する残留塩素の濃度

c

2

 (mgCl/l)

を記録する。

(k)

次の式によって残留塩素,遊離残留塩素及び結合残留塩素の濃度を算出する。

V

c

a

A

100

)

(

2

×

=

V

c

b

B

100

)

(

1

×

=

C

A

B