>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 0094 - 1994

(1) 

目次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  共通事項

1

3.

  試料容器及び洗浄

2

3.1

  試料容器

2

3.2

  洗浄方法

2

4.

  試料採取の一般操作

3

4.1

  採水器による採取

3

4.2

  採水装置による採取

9

4.3

  採取弁を用いる採取

14

5.

  試験項目と試料の採取量

16

6.

  試料採取時の記録事項

16

6.1

  記録事項

16

7.

  試料の保存処理

16

8.

  流量の測定

18

8.1

  測定方法の選択

18

8.2

  容器による測定

18

8.3

  せきによる測定

19

8.4

  流速計による測定

25

8.5

  流量計による測定

27

8.6

  排水の流量測定条件及び測定値の表示

28

9.

  工業用水の試料採取

31

9.1

  取水地点での採取

31

9.2

  受水地点での採取

34

9.3

  工場及び事業所内での採取

34

10.

  工場排水の試料採取

35


日本工業規格

JIS

 K

0094

- 1994

工業用水・工場排水の試料採取方法

Sampling methods for industrial water and industrial wastewater

1.

適用範囲  この規格は,工業用水及び工場排水の試料(以下,試料という。)の採取及びこれに伴う作

業について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,付表1に示す。

2.

溶存酸素,ヘキサン抽出物質,四塩化炭素抽出物質,不揮発性炭化水素,細菌試験及び生物

試験の試験における試料採取方法は,JIS K 0101 及び JIS K 0102 による。

また,超純水の試料採取方法は,JIS K 0550JIS K 0551JIS K 0552JIS K 0553JIS K 

0554

JIS K 0555 及び JIS K 0556 による。そのほか,水質関係の個別の規格に試料採取の規

定がある場合には,それに従う。

2.

共通事項  共通事項は,次のとおりとする。

(1)

通則  化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050 による。

(2)

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0101 又は JIS K 0102 によるほかは,次によ

る。

(a)

試料  試料とは,試験を行うために採取した水。

(b)

採水器  採水器とは,試料を採取する際に用いる器具。

(c)

採水装置  採水装置とは,あらかじめ設定した条件に従って自動的に水を採取する装置。間欠採取

装置と混合試料採取装置に区分する。

(3)

水  JIS K 0557 に規定する A1A2 又は A3 の水

(4)

試薬  試薬についての共通事項は,次のとおりとする。

(a)

試薬は,該当する日本工業規格がある場合には,その種類の最上級又は適切な用途のものを用い,

該当する日本工業規格がない場合には,試験に支障のないものを用いる。

(b)

試薬類の溶液の濃度は,一般に質量濃度 g/l(化合物の場合は無水物としての質量を用いる。

)とし,

試薬類の溶液名称の後に括弧で示す。例えば,水酸化ナトリウム溶液 (200g/l)  は約 200g/の濃度で

あることを意味する。

(c)

液体試薬の濃度は,水との混合比[試薬  (ab)  ]で表す。この表し方は,試薬 aml と水 bml とを

混合したことを示し,JIS K 0050 に従い,塩酸,硝酸,硫酸,りん酸,アンモニア水,過酸化水素

などに用いる。

ただし,これらの試薬を薄めないで用いる場合は,その試薬名だけで示す。

(d)

試薬類,廃液などの取扱いについては,関係法令規則などに従い,十分に注意すること。

(5)

ガラス器具類  ガラス器具類は,原則として JIS R 3503 に規定するほうけい酸ガラス−1 又はほうけ

い酸ガラス−2 を用いる。


2

備考  シリカ,ほう素,ナトリウム,カリウム,ひ素,亜鉛などを試験する場合には,ほうけい酸ガ

ラスからのこれらの成分の溶出に十分に注意する。

(6)

注,備考,図及び表  注,備考,図及び表は,各項目ごとに一連番号を付ける。

3.

試料容器及び洗浄  共栓ポリエチレン瓶及び無色共栓ガラス瓶とし,密栓できるもので試験に支障が

ないように十分に洗浄して用いる。

備考  JIS K 0101JIS K 0102 及び JIS B 8224 の試験方法中に試料容器が規定されている場合は,そ

の規定による試料容器を用いる。

3.1

試料容器  試料容器は,次のとおりとする。

(1)

共栓ポリエチレン瓶  JIS Z 1703 に規定するもの(

1

)(

2

)(

3

)(

4

)(

5

)

(2)

無色共栓ガラス瓶  (

2

)(

6

)(

7

)(

8

)

(

1

)  JIS Z 1703

には,細口瓶が規定されているが,広口瓶や肩部を洗浄しやすくした形状のものでも

よく,共栓ポリプロピレン瓶,共栓ポリスチレン瓶又は共栓ポリカーボネート瓶を用いてもよ

い。

(

2

)

栓には,瓶の材料と同じもの,又は合成樹脂製のねじぶた(蓋)のものを用いる。ただし,ゴ

ム製のもの及びコルク製のものは使用しない。

(

3

)

ポリエチレン瓶は,製品によっては,モリブデン,クロム,チタンなどの金属がわずかに溶出

することがあるので使用目的に注意する。

(

4

)

ポリエチレン瓶は,試料中の懸濁物,りん化合物,有機物,重金属元素などを付着又は吸着す

る傾向がある。重金属元素の吸着は,JIS K 8541 に規定する硝酸又は JIS K 8180 に規定する塩

酸の添加による保存処理を行えば防止できる(7.参照)

(

5

)

ポリエチレン瓶は通気性があるため,藻類などが繁殖しやすいので注意する。

(

6

)  JIS R 3503

には広口瓶と細口瓶の規定があり,いずれを用いてもよく,肩部を洗浄しやすくし

た形状のものでもよい。

(

7

)

栓には,すり合わせのもの,又はねじぶたのものを用いる。すり合わせのものを用いる場合に

は,すり合わせのよいものを用いる。すり合わせ部は汚れが付着しやすいので注意する。

ねじぶたのものを用いる場合には,ねじぶたはポリエチレン製のもの,ポリプロピレン製の

もの,又は四ふっ化エチレン樹脂で内張りしたものなどを用いる。中ぶたにはポリエチレン製

などのものを用いると試料の汚染もなく使用しやすい。

(

8

)

ガラス瓶は試料の保存中にナトリウム,カリウム,ほう素,シリカ,アルミニウムなどがわず

かに溶出するガラス瓶の種類によっては,ひ素及び亜鉛がわずかに溶出することがある。ガラ

スの成分の溶出量は,硬質ガラス 1 級の方が少ない。

3.2

洗浄方法  洗浄の一般的な操作は,次のとおり行う。

(1)

共栓ポリエチレン瓶の洗浄

(a)

使用前(

9

)

に水道水などで洗浄し,更に A1 の水で十分に洗浄する。

(b)

金属元素及び有機物を試験する試料(

10

)

を採取する場合は,(a)の操作を行った後,温硝酸 (1+10)

又は温塩酸 (1+5)  で洗い,硝酸 (1+65)  を満杯にし,密栓して 16 時間以上放置した後,A1 の水

で十分に洗い,更に A2 の水又は A3 の水で十分に洗浄する。

(c)

陰イオンなど(b)以外の項目を試験する試料を採取する場合は,(a)の操作を行った後,A2 の水を満

杯にし,密栓して 16 時間以上放置した後,A2 の水又は A3 の水で十分に洗浄する。


3

(d)

水質関係の個別規格の試験方法で洗浄方法が規定されている場合には,それに従う。

(e)

洗浄が終了した試料容器は,水を排出した後,試料採取まで密栓して保存する。

(

9

)

一般に新品を用いる。前に使用した状態によって,次の試験に影響がない場合には,再使用す

ることができる。

(

10

)

微量の金属元素の試験に用いる試料を採取する場合には,新品を用いる。

(2)

無色共栓ガラス瓶の洗浄

(a)  (1)

による(

11

)

(

11

)

ガラス瓶を再使用する場合は,

(

9

)

による。

4.

試料採取の一般操作  試料採取の一般操作は,採水器による採取操作と,採水装置による採取操作及

び採取弁を用いる操作に区分する。

4.1

採水器による採取  採水器を用いて行う採取には,直接試料容器を用いて行う採取,ポリエチレン

製などのバケツによる採取,ハイロート採水器による採取及びバンドーン採水器による採取に区分する。

4.1.1

試料容器による採取  試料容器を用いて表層の水を採取する方法である。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

試料容器  3.による。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料容器を,採取場所の水で 3,4 回洗う(

1

)

(b)

試料容器を静かに沈めて満水(

2

)

になるまで採取場所の水を流し入れ密栓する。

(

1

)

試料容器を洗浄した水で,採取場所の水を汚染しないように注意する。

(

2

)

試料が凍結するおそれがある場合には,試料容器の容量の 10%程度の空間を残す。

4.1.2

バケツ類による採取  バケツや柄付き採水器(ひしゃく)などを用いて表層の水を採取する方法で

ある。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

採水器  バケツ又は柄付き採水器(ひしゃく)(

3

)

など,いずれもポリエチレン製(

4

)

  図 4.1 に柄付

き採水器の一例を示す。

(b)

試料容器  3.による。

(

3

)

バケツには必要に応じロープなどを付けて使用する。この際,ロープを泥などで汚さないよう

に注意する。

なお,ひしゃくは柄の長さを調節できるものを用いると便利である。

(

4

)

ポリプロピレン製など他の合成樹脂製のものを用いてもよい。ステンレス鋼製のものは,微量

の重金属類の試験に用いる試料採取以外であれば用いてもよい。


4

図 4.1  柄付き採水器の一例

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

採取場所の水で,採水器を洗う(

1

)

(b)

採水器で採取場所の水をくみ取り,その水で手早く試料容器を洗浄した後,満水(

2

)

になるまで試料

容器に流し入れ密栓する(

5

)

(

5

)

懸濁物が多い試料の場合は,懸濁物が不均一にならないように試料をよくかき混ぜながら

手早く試料容器に流し入れる。

4.1.3

ハイロート採水器による採取  ハイロート採水器を用い,貯水槽,水路,河川,湖沼,井戸,海域

などにおける各深度の試料を採取する方法である。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

ハイロート採水器  おもりを付けた枠に,試料容器(

6

)

を取り付けたもの。

図 4.2 に一例を示す。

(b)

試料容器  3.による。

(

6

)

容量は,500∼1 000ml のものがある。


5

図 4.2  ハイロート採水器の一例

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

ハイロート採水器のつり下げ用ロープ,開栓用鎖など各部に異状がないことを確かめる(

7

)(

8

)

(b)

あらかじめ採取場所の水で洗浄した試料容器を取り付け,共栓を開栓用保持金具に固定する(

9

)

(c)

つり下げ用ロープで採水器を採取位置の深度まで静かに沈め,深度を確認する。

(d)

開栓用鎖を引いて開栓し,しばらく放置して試料を採取する。

(e)

開栓用鎖を緩めて栓を閉じた後,採水器を引き上げ,試料容器を取り外し密栓する。

(

7

)

取扱い方は,採水器の取扱説明書に従う。

(

8

)

つり下げ用ロープには,あらかじめ深度ごとの目印を付けておく。

(

9

)

採水器を水中に落として失わないようにするために,つり下げ用ロープの手元は固定しておく

とよい。

備考1.  簡易なものとしては,試料容器を,おもり付きつり下げ用ロープで固定したものも用いられ

る。採水用ひもを引いて軟質塩化ビニル管を外すことによって試料を採取する。おもり付き

つり下げ用ロープによる試料容器の固定を確実に行わないと栓を抜くときに試料容器が外れ


6

やすいので注意する。

4.1.4

バンドーン採水器による採取  バンドーン採水器を用い,貯水槽,水路,河川,湖沼,井戸,海域

などにおける各深度の試料を採取する方法である。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

バンドーン採水器  合成樹脂製円筒(

10

)(

11

)

の上下に合成ゴムのふたを取り付けたもの。

図 4.3 にバン

ドーン採水器の一例を示す。

(b)

試料容器  3.による。

(

10

)

円筒には,ポリエチレン製の不透明のもの,アクリル樹脂製やポリカーボネート製などの透明

のものがある。

(

11

)

円筒の容量は,1∼20のものがある。

図 4.3  バンドーン採水器の一例 

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

バンドーン採水器のメッセンジャー受け,上下のふた,ゴムふた用ワイヤ,つり下げ用ロープなど


7

各部に異状のないことを確かめる(

7

)(

8

)

(b)

あらかじめバンドーン採水器の円筒と上下のふた,バケツ類(

1

)

を採取場所の水で洗う。

(c)

上下のふたをワイヤ止め金具に取り付ける(

9

)(

12

)

(d)

つり下げ用ロープでバンドーン採水器を採取位置の深度まで静かに沈め,深度を確認する。

(e)

バンドーン採水器を 2,

3

回上下させ,

円筒内の水を十分に入れ換えた後,メッセンジャーを落とし,

円筒の上下のふたを閉じ試料を採取する。

(f)

バンドーン採水器を引き上げ,円筒の試料取出し用ピンチコック付き軟質塩化ビニル管を開いて試

料の一部でバケツ類を洗浄した後,試料をバケツ類に移す(

13

)

(g)

試料をかき混ぜながらこの試料で試料容器を 1∼2 回洗浄した後,満水(

2

)

になるまで流し入れ密栓す

る。

(

12

)

メッセンジャー受けのばねが弱くなると,採取の途中で円筒のふたが閉じることがあるので注

意する。

(

13

)

バンドーン採水器の試料取出し口に軟質塩化ビニル管を取り付け,試料容器に流し入れてもよ

い。しかし,試料中の懸濁物が採水器の円筒に沈降し,懸濁物が不均一になることがあるので

注意する。

備考2.  採水器を用いる方法には,絶縁採水器(図4.4の一例)によって採取する方法がある。その場

合の試料容器,操作は4.1.4に準じる。


8

図 4.4  絶縁採水器の一例


9

4.2

採水装置による採取  採取場所の水を採水装置によって自動的に揚水して,試料容器に採取する方

法である。

4.2.1

間欠採取装置による採取  間欠採取装置によって試料を採取する。

(1)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

間欠採取装置  間欠採取装置(

14

)(

15

)(

16

)(

17

)(

18

)

の採取方式には,水質計連動採取方式,間欠(又は定

時)採取方式,集中採取配管方式などがある。

水質計連動採取方式  水質自動計測器と連動させ,水質の変化を検出したときに水質自動計測器か

らの信号を受けて一定量の試料を自動的に採取する。必要に応じて低温保存装置を附属させる。水

質の異常値を検出したときの水の採取に用いる。

図 4.5 に水質計連動採取方式の一例を示す。

間欠(又は定時)採取方式  水位計と連動させ,水位が一定値に達したときに水位からの信号を受

けて一定量の試料を自動的に採取する。設定した各時間ごとに一定量の水を自動的に試料容器に採

取する。必要に応じて低温保存装置を附属させる。間欠的に流出する水の採取に用いる。

集中採取配管方式  多数の採取場所の水を常時試験室などに送り込み,必要なときに必要な量の試

料を自由に採取できる方式。多数の試料を 1 か所で採取できる利点がある。工場,事業所などの水

質管理に用いる(

19

)(

20

)

図 4.6 に集中採取配管方式の一例を示す。

(b)

試料容器  3.による。

(

14

)

間欠採取装置の採取方式,採取時間などの設定条件の範囲及び記録方法,内蔵する試料容器の

種類,容量,本数及び試料容器の低温保存方法などが異なるので,使用目的に応じて選定する。

(

15

)

間欠採取装置は高湿度の場所に置かれるので,装置の本体は合成樹脂製,又は合成樹脂などの

複合材料製若しくはステンレス鋼製とし,電気回路は防湿構造とする。試料導管は,耐食性の

材料(例えば,ステンレス鋼,合成樹脂製又は合成樹脂ライニング管など)を用いる。

(

16

)

間欠採取装置による試料採取では,あらかじめ試料導管内に滞留している水を自動的に排出で

きる機構が必要である。一般には試料採取の前に採取ポンプを作動させ,試料導管内の水を流

速 0.8m/s 以上で排出させ,設定した時刻に流路切換弁を切り換えて試料を採取する。試料導管

内の水を圧縮空気によって排出させる方法もある。

(

17

)

間欠採取装置の試料導管の先端は,採取位置の下流側に向けて取り付ける。ストレーナーが必

要な場合は,粗い目のもの(試料導管の内径より小さい目開きのもの。

)を付ける。水路及び汚

水ますの場合には,流れの中央部に取り付け,表層の浮遊物質,底層の沈殿物を吸い込まない

ような位置を選び,水位の変動にも余裕のある深さとする。

(

18

)

水に懸濁物が多く含まれる場合は,採取ポンプの容量の大きいもの又は一軸偏心ポンプなどを

用いるとよく,これに逆洗機構又はポンプの逆回転洗浄機構を付け,懸濁物によるポンプなど

の閉そくを防止するとよい。配管系統は容易にスライムが付着するので定期的に洗浄する。

(

19

)

集中採取配管方式では,採取ポンプの容量を大きくし,試料導管内の水の流速を 0.8m/s 以上に

して送水する。試料導管には,試料採取の直前に分岐管を設ける。この分岐管に軟質塩化ビニ

ル管を取り付け,水を常時流出させる。試料導管と分岐管の水量比は 2 対 1∼5 対 1 の割合にす

る。試料導管の距離が長く,途中で圧力損失が大きい場合には,途中にラインポンプを設け加

圧する。試料導管は定期的に洗浄する。

(

20

)

集中採取配管方式は,試料導管の距離が長くなるので,空中配管,地中配管では水温の変化を

防止する断熱対策が必要であり,地中配管では,フレキシブルジョイントの使用による破損防

止を行い,さらに埋設深さについても注意する。配管の立上り部分には空気抜き弁を設ける。


10

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

間欠採取装置(

21

)

の試料導管は採取場所に取り付け(

22

)

,排水管は採取場所の水を汚染しない場所(

23

)

に取り付ける。間欠採取装置,試料導管などに異状がないことを確かめる。

(b)

あらかじめ間欠採取装置の試料導管系統はよく洗浄し,清浄にした試料容器を取り付け,低温保存

装置(

24

)

があればこれを作動させ,次に,試料採取の条件を設定し作動させる。

(c)

採取が終了後,間欠採取装置から試料容器を取り出す(

2

)

(

21

)

間欠採取装置の取扱い方は,それぞれの取扱説明書に従う。集中採取配管方式の場合は,4.3

準じて試料を採取する。

(

22

)

採取場所は試験目的によって選定するが,水路又は汚水ますから試料を採取する場合は,水の

流れの中心部で,水位の変動幅に合わせ,底部の沈殿物などを吸い込まない位置に試料導管を

取り付ける。試料導管の先端は下流側に向ける。ストレーナーを付ける場合は,粗い目のスト

レーナー(試料導管の内径より小さい目開きのもの。

)を取り付けるが,ストレーナーの目開き

及び試料導管の内径よりも大きな懸濁物が試料に含まれているときは,ほかの方法で採取した

試料と異なることがある。

(

23

)

排水管は,採取場所から離れた下流側に取り付ける。

(

24

)

間欠採取装置の低温保存能力は,間欠採取装置周辺の外気の温度及び直射日光の影響を受ける

ので注意する。

図 4.5  間欠(又は定時)採取方式及び水質計連動方式の一例


11

図 4.6  集中採取配管方式の一例

4.2.2

混合試料採取装置(コンポジット試料採取装置)による採取  混合試料採取装置によって試料を採

取する。

(1)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

混合試料採取装置  混合試料採取装置(

25

)(

26

)(

27

)(

28

)

は,流量に比例した量の水を連続的又は間欠的に

採取し,試料容器に入れて混合試料とするものである。排水の汚濁負荷量測定又は流量比例による

平均水質の測定に用いられる。この混合試料採取装置の方式には,流量計連動方式,独立作動方式

がある。

流量計連動方式  各種流量計の信号を受けて試料採取用ピストンポンプの上昇速度を制御するも

の,試料採取用定量容器の回転速度を制御するもの,定量容器への流入速度を制御するもの,チュ

ーブポンプのローラー回転速度を制御するものなどがある。

図 4.7 にチューブポンプ式混合試料採

取装置の一例を示す。

独立作動方式  独立作動方式は,流量計を設置せず,混合試料採取装置自体が,流量変化に応じて

試料を一定比率で採取するもので,せき利用関数容器方式及び分流せき利用容量比例方式がある。

せき利用関数容器方式  流量測定用せき又はパーシャルフリュームの上流側の水位が流量と一

定の関係にあることを利用して水路内に特殊の形状の容器(関数容器)を設置し容器内に流入し

た水を採取するもの。

分流せき利用容量比例方式  水路に数段階の分流せきを設け,採取量に応じ適当な流量の分流せ

きから容量比例器で採取するものがある。

図 4.8 に分流せき式混合試料採取装置の一例を示す。

(b)

試料容器  3.による。

(

25

)

混合試料採取装置には各種のものがあり,一般に採取積算時間は1∼24時間である。

また,試料採取量,試料容器の種類,試料の低温保存方法などが異なるので,使用目的,使


12

用場所などの条件に応じて選定する。

(

26

)

混合試料採取装置では 0∼0.2ml/s の極微量の試料を流量に比例して採取するので,試料導管及

び採取容器などに懸濁物が付着すると採取割合を正しく保てなくなる。必ず試料の採取方式に

応じた洗浄機構を設ける。重要な部分は容易に取り外し交換できるようにするとよい。

(

27

)

採取機構の中に水の調節槽を設けてある場合は,調節槽の容量と水の流入速度によって水質変

動に遅れが生じないように,また,水の懸濁物が不均一にならないように注意する。

(

28

)

その他の留意事項は,4.2.1 の項を参照。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

混合試料採取装置(

29

)(

30

)

の試料導管(又は採取容器)を採取場所に取り付け(

22

)

,排水管は,採取場

所の水を汚染しない場所に取り付ける。

(b)

混合試料採取装置を流量計(又は水位計,分流せきなど)に連動させ,各部に異状がないことを確

認する。

(c)

あらかじめ混合試料採取装置の採取系統(試料導管部)はよく洗浄し(

31

)

,清浄にした試料容器を取

り付け,混合試料採取装置を作動させる。

(d)

採取が終了後,混合試料採取装置から試料容器を取り出す(

2

)

(

29

)

混合試料採取装置は,一般に試料が混合することによって化学反応を生じ水質が変化する場合

には,使用しない。

(

30

)

混合試料採取装置の取扱い方は,それぞれの取扱説明書に従う。

(

31

)

混合試料採取装置は,採取系統(試料導管部)の汚れが試料の混合比率に影響するのでよく洗

浄しておく。


13

図 4.7  チューブポンプ式混合試料採取装置の一例


14

図 4.8  分流せき式混合試料採取装置の一例

4.3

採取弁を用いる採取  配管,装置などに設置した採取弁を用いて試料を採取する方法である。

(1)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

採取弁  採取弁(

32

)

は,ステンレス鋼製又は耐食性の材料のもの。先端に試料導管(

33

)

を接続する。

(b)

試料導管  試料導管は,ステンレス鋼製又は耐食性の材料(

33

)

のもの。配管又は装置と採取弁とを接

続し,さらに,採取弁の出口に接続し適当な位置(採取地点)まで配管しておく。

図 4.10 に一例を

示す。

(c)

試料容器  3.  による。

(

32

)

配管内,管路又は装置に試料導管をはめ込み採取弁(試料採取弁)を取り付ける。配管の直径

が大きい場合には配管内に分岐部を設けて試料導管と採取弁を接続するとよい。分岐方法は,

4.9に一例を示す。

(

33

)

内径 6∼10mm

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

配管(管路)又は装置に取り付けてある採取弁(試料採取弁)(

34

)

の先端,試料導管の先端,若しく

は水栓(

34

)

の先端に軟質塩化ビニル管を取り付ける(

35

)

(b)

採取弁を開き水を約 1l/min で約 2 分間流出させる(

36

)(

37

)(

38

)

(c)

流出水で試料容器を 3,4 回洗浄した後,試料容器の底面に塩化ビニル管の先端が接触するように挿

入し,試料容器の容量の約 5 倍量の試料を流出させた後,塩化ビニル管を抜き出し,栓を試料で十

分に洗った後,密栓する(

2

)

(

34

)

ポンプの空気抜き弁,水面計のブロー弁などを利用してもよい。


15

また,装置のブロー弁を利用する場合は,ブロー弁に沈殿物が付着している例が多いので注

意する。

(

35

)

試料が高温高圧の場合は,JIS B 8224 に準じて水を室温程度に冷却する。圧力が 2MPa 以上の

場合には,減圧装置を通して大気圧に戻して試料を採取する。

なお,溶存酸素を試験する試料を採取する場合には,試料の温度が室温より約 2℃低くなる

ように冷却する。

減圧状態にある装置及び配管など,例えば,蒸気凝縮器,真空脱気装置及びそれらの配管な

どからの試料採取は,次のように行う。

加熱状態にある場合には JIS B 8224 に準じ,冷却装置を用いて試料を室温程度(溶存酸素を

試験する試料を採取する場合には,室温より約 2℃低くする。

)に冷却する。装置の入口及び出

口配管の適当な位置(試験目的を満足するような位置)に,あらかじめ試料採取弁を取り付け

ておき,この外側のフランジに昇圧ポンプを接続して大気圧に戻して,試料を採取する。

(

36

)

配管から採取場所まで,試料導管の距離が長い場合は,試料導管の容量の 5 倍量以上の水を流

出させてから試料を採取する。

(

37

)

試料採取直前及び試料採取中に流量を変えると,配管内の付着物及び沈殿物が流出するおそれ

があるので注意する。

(

38

)

配管又は装置が稼動状態にある場合には,常時水を約 1l/min で流出しておくとよい。

図 4.9  配管からの採取の一例


16

5.

試験項目と試料の採取量  試料の採取量は,試験する項目数と試験成分の濃度及び試料の保存処理と

の組合せによって異なる。一般には,1 項目につき 0.5∼1程度であり,全体量としては 2∼10の適当量

である。直ちに試験が行えず試料を保存する場合は,試験項目で共通する保存処理のものをまとめて試料

容器の本数と採取量を決めるとよい(7.参照)

。そのほか,個別の規格で試料の採取量が規定されている場

合には,それに従う。

6.

試料採取時の記録事項  試料採取時には,次の事項を記録する。

6.1

記録事項  記録事項は,次のとおりとする。

(1)

試料の名称及び試料番号

(2)

採取場所の名称及び採取位置(表層水又は採取深度など。

(3)

採取年月日,時刻

(4)

採取時の天候

(5)

前日の天候

(6)

採取者の氏名

(7)

採取場所の状況(試料の水質に影響を与えると思われる事項。例えば,採取現場の略図など。

(8)

採取時の気温と水温

(9)

そのほか,試料の外観(試料の色,濁りなど。

,臭気の有無など参考となる事項。

備考  このほかに目的によっては,透視度の測定,pH の測定,残留塩素の測定,溶存酸素の固定など,

採取時に実施する項目もある。

7.

試料の保存処理  試料を保存する場合は,それぞれの試験項目によって次の方法で行い,なるべく早

く試験に供する。冷所に保存する場合には,凍結させないようにする。ただし,ここに規定されていない

項目で個別の規格で保存処理が規定されている場合には,それに従う。

(1)

試薬  試薬は,次のものを用いる。

(a)

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

(b)

塩酸(ひ素分析用)  JIS K 8180 に規定するもの。

(c)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

(d)

硫酸  JIS K 8951 に規定するもの。

(e)

りん酸  JIS K 9005 に規定するもの。

(f)  L (

) -アスコルビン酸  JIS K 9502 に規定するもの。

(g)

水酸化ナトリウム溶液 (200g/l) JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 20g を水に溶かして 100ml

とする。

(h)

塩基性炭酸亜鉛懸濁液  JIS K 8953 に規定する硫酸亜鉛七水和物 20g を水 100ml に溶かした溶液と,

これと等体積の炭酸ナトリウム溶液 (100g/l)  とを混合する。使用時に調製する。

(i)

硫酸銅 (II) 五水和物  JIS K 8983 に規定するもの。

(j)

クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。

(2)

保存処理  保存処理は,次のとおり行う。

(a) 100

℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量 (COD

Mn

)

,二クロム酸カリウムによる酸素

消費量 (COD

Cr

)

,アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量 (COD

OH

)

,生物化学的酸素消

費量 (BOD),有機体炭素 (TOC),全酸素消費量 (TOD) 及び界面活性剤の試験に用いる試料は,0


17

∼10℃の暗所に保存する。

(b)

アンモニウムイオン,硝酸イオン(

1

)

,有機体窒素及び全窒素の試験に用いる試料は,塩酸又は硫酸

を加え,pH を 2∼3 に調節し,0∼10℃の暗所に保存する。短い日数であれば,保存処理を行わずそ

のままの状態で 0∼10℃の暗所に保存してもよい。

(c)

亜硝酸イオン(

1

)

の試験に用いる試料は,試料 1当たりクロロホルム 1ml の割合で加えて 0∼10℃の

暗所に保存する。短い日数であれば,保存処理を行わずそのままの状態で 0∼10℃の暗所に保存し

てもよい。

(d)

よう化物イオン,臭化物イオン(

1

)

の試験に用いる試料は,水酸化ナトリウム溶液 (200g/l)  を加えて

pH

を約 10 にして保存する(試料 1当たり水酸化ナトリウム 2∼4 粒を加えてもよい。

(e)

シアン化合物及び硫化物イオンの試験に用いる試料は,水酸化ナトリウム溶液 (200g/l)  を加えて

pH

を約 12 にして保存する(試料 1当たり水酸化ナトリウム 4∼6 粒を加えてもよい。

。シアン化

合物の試験に用いる試料で,残留塩素など酸化性物質が共存する場合は,L (+) -アスコルビン酸を

加えて還元した後,pH を約 12 とする。

また,硫化物イオンの場合には,試料を溶存酸素測定瓶に採取し,塩基性炭酸亜鉛の懸濁液を試

料 100ml につき約 2ml を加え,硫化亜鉛として固定し保存してもよい。

(f)

フェノール類の試験に用いる試料は,りん酸を加えて pH を約 4 にし,試料 1につき硫酸銅 (II) 五

水和物 1g を加えて振り混ぜ,0∼10℃の暗所に保存する。

(g)

ヘキサン抽出物質,四塩化炭素抽出物質,炭化水素及び動植物油脂類を試験する試料は,塩酸を加

えて pH を 4 以下にして保存する。

(h)

農薬[パラチオン,メチルパラチオン,EPN,ペンタクロロフェノール及びエジフェンホス (EDDP)]

の試験に用いる試料は,塩酸を加えて弱酸性とする。

(i)

りん化合物及び全りんの試験に用いる試料は,次のように保存処理する。

りん化合物の試験に用いる試料  中性の状態で試料 1につきクロロホルム約 5ml を加えて 0∼10℃

の暗所に保存する。

なお,1∼2 日間であれば,クロロホルムを加えずに,中性の状態で 0∼10℃の暗所に保存して

もよい。

全りんを試験する試料  硫酸又は硝酸を加えて pH を約 2 にして保存する。

溶存りん化合物の試験に用いる試料  JIS P 3801 に規定するろ紙 5 種 C(

2

)

でろ過し,初めのろ液約

50ml

を捨て,

その後のろ液を試料とし,

これに試料 1につきクロロホルム約 5ml を加えて 0∼10℃

の暗所に保存する。

なお,1∼2 日間であれば,クロロホルムを加えずに,中性の状態で 0∼10℃の暗所に保存して

もよい。

(j)

銅,亜鉛,鉛,カドミウム,マンガン,鉄,アルミニウム,ニッケル,コバルト,ひ素,すず,ク

ロム,水銀,バナジウム,アンチモン,ビスマス,セレン,モリブデン,タングステンなどの金属

元素の試験に用いる試料は,硝酸を加えて pH を約 1 にして保存する。

ひ素及びアンチモンの試験に用いる試料で,有機物及び多量の硝酸塩,亜硝酸塩を含まず,試験

に際して硫酸と硝酸又は硝酸と過マンガン酸カリウムによる処理を行わない場合には,塩酸(ひ素

分析用)を加えて pH を約 1 にして保存する。

クロム (VI) の試験に用いる試料は,そのままの状態で 0∼10℃の暗所に保存する。

溶存状態の金属元素の試験に用いる試料は,JIS P 3801 に規定するろ紙 5 種 C(

2

)

でろ過し,初め


18

のろ液約 50ml を捨て,その後のろ液を試料とし,これに硝酸を加えて pH を約 1 にして保存する。

(

1

)

イオンクロマトグラフ法を適用する場合には,保存処理を行わず,試料採取後直ちに試験に供

する。

(

2

)  JIS P 3801

に規定するろ紙 6 種又は孔径 1

µm 以下のろ過材(ガラス繊維ろ紙など)を用いても

よい。

8.

流量の測定  流量の測定は容器による測定,せきによる測定,流量計による測定又は流速計による測

定によって行う。

備考1.  流量  (Q)  は,m

3

/s

で表すが,流量が小さい場合は,  (Q')  を m

3

/min

で示してもよい。

8.1

測定方法の選択  測定方法の選択の目安を表 8.1 に示す。

表 8.1  測定方法の選択の目安

適用流量 m

3

/S

測定方法の種類

        0.01 未満

容器による測定又は流量計による測定

0.01

以上 0.05 未満

三角せきによる測定又は流量計による測定

0.05

以上 0.15 未満

四角せきによる測定又は流量計による測定

0.15

以上

全幅せきによる測定又は流速計による測定若しくは流量計による測定

備考2.  流量の測定方法の選択は,測定する水の最大流量,測定精度,測定場所の状況及び水の性状

を考慮して行う。通常は比較的大きく開放された河川などでは流速計による測定が用いられ,

水路及び管路ではせきによる測定,流速計による測定,又は流量計による測定が用いられる。

比較的少流量の場合には,容器による測定が用いられる。

8.2

容器による測定  流水を適当な大きさの容器に導き,満水に達する時間を測定し流量を算出する。

(1)

器具  器具は,次による。

(a)

容器  バケツ類(数 l∼数十 l),石油缶(約 20l),ドラム缶(約 200l)など容量既知のもの。

(b)

ストップウォッチ  0.1 秒まで計測できるもの。

(2)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

流水を容器に受け,同時にストップウォッチを押し,満水に達するまでの時間を測定する(

1

)

これを数回繰り返し,その平均値を求める。

(b)

次の式によって流量を算出する(

2

)

t

v

Q

ここに,  Q:  流量 (m

3

/s)

v

:  容器の容量 (m

3

)

t

:  満水に達する時間の平均値 (s)

(

1

)

満水に10秒間以上20秒間程度を要する容量の容器がよい。

(

2

)

流量が少ない場合には,

備考 1.によって示してもよい。

Q'(m

3

/min)

Q (m

3

/s)

×60

備考3.  容器の代わりに水槽を用いてもよい。水槽が小さい場合は,一度水槽を空にし,流水が水槽

を満たすのに要する時間から,8.2(2)に準じて流量を求める。水槽が大きい場合は,上昇した

水位と上昇水面の平均表面積を測定して流量を算出する。測定時間は5分間程度,水位の上昇

速度は少なくとも毎分1cm 以上とする。


19

8.3

せきによる測定  所定の形状寸法のせき板を水路に取り付けてせきを設け,せきを流れる水のせき

板上流の水位から水頭 (m) を測定し,流量を算出する(

3

)

(

3

)

この方法は JIS B 8302に準拠している。

(1)

せき  せきはせき板,支え板及び水路で構成する。

(a)

せき板  せき板の断面を図 8.1 に示す。せき板内平面と上端面は直交し,その角は鋭くわずかの丸

みもないこと。上端面の幅は約 2mm とし,その外側は約 45°(度)の傾斜面にする。

せき板の内面は平面で,特に板の上端面から 100mm までは滑らかにする。100mm を超える面は流

れが乱れない程度の滑らかさでよい。

せき板の材質はさび,腐食に耐える黄銅製,ステンレス鋼製などを用いるとよい。

(b)

支え板  支え板は軟鋼製,コンクリート製などで作り,せき内の水位が四角せきではせき下縁から,

全幅せきではせき縁からそれぞれ 30mm 以上,直角三角せきでは切欠き底点から 70mm 以上とする

が,落下する水の跳ね返りでせきからのいつ(溢)流の形状を乱すことがない構造と寸法にする(

8.2

図 8.1  せき板のふち

図 8.2  せきの支え板

(c)

せき板及び支え板の取付け  せき板及び支え板の内面を水路の長軸に対して直角にし鉛直に取り付

ける。

(d)

直角三角せきの切欠き  図 8.3 に示すように切欠きは 90°(度)とし,切欠き角の二等分線は鉛直

で水路の幅  (B)  の中央に位置するように取り付ける。切欠き角度の許容差は±5'(分)とする。

図 8.3  直角三角せきの切欠き

(e)

四角せきの切欠き  図 8.4 に示すように下縁と両横縁とがそれぞれ直角とする。切欠き角度の許容

差は±5'とする。切欠きは水路の幅の中央に位置し,下縁は水平になるように取り付ける。切欠き

の幅  (b)  は切欠き下縁の長さで示す。切欠きの幅の許容差は±0.001とする。

(f)

全幅せきの幅  図 8.5 に示すように,せき縁は水路の幅全体にわたって水平とし,せき板の幅はせ

き板両端の水路壁面間に挟まれたせき縁の長さで示す。せきの幅の許容差は±0.001とする。


20

図 8.4  四角せき板の切欠き

図 8.5  全幅せきの幅

(g)

水路  水路は導入部分,整流装置部分及び整流部分によって構成する(図 8.6)。水路の各部分の長

さは

表 8.2 に示す。整流装置がない場合は,整流部分の長さ  (L

1

)

を水路の幅の 10 倍以上とする。

図 8.6  水路

表 8.2  水路の長さ

L

1

L

s

L

2

直角三角せき

>  (B+2h')

約 (2h')

>  (Bh')

四角せき

>  (B±3h')

約 (2h')

>  (B+2h')

全幅せき

>  (B+5h')

約 (2h')

>  (B+3h')

整流部分の水路は,その底面が水平で,その側面は鉛直にし,水路の軸線は直線で水路幅はほぼ

一様にする。

全幅せきの水路については,

図 8.7 に示すようにせき板から最大水頭 h'以上に長さだけ両側壁を

流下側に延長し,せきを流下する水が側方に広がるのを防ぐ。この延長壁の下端は,せき板の縁か

ら下方 150mm 以上あればよい。

なお,せき板を超えて流下する水の内側に大気が自由に出入りすることができるよう十分通路面

積をもった空気穴を設ける。

図 8.7  全幅せきの側壁


21

整流装置部分の水路の幅は整流部分の幅と等しくし,側壁の高さは導入部分の側壁と等しくする。

整流装置は波動の伝ぱ(播)を防ぐとともに,ほぼ完全に水を整流すること。通常は,水路の軸方

法に垂直に設置する 4 枚ほどの多孔板式のものがよく,多孔板は

図 8.8 のように直径 20mm の穴を

水路の横断面全部にわたって等間隔千鳥形に設け,穴の中心距離は約 30mm とする。

図 8.8  整流装置用多孔板の穴の配置例 

導入部分の貯水容量は,なるべく大きなものがよい。この部分の幅及び深さは,整流部分の水路

の幅及び深さより大きいこと。

なお,導入部の側壁の高さは,水があふれるのを防ぐため,整流部分の水路壁の高さより高くす

るのがよい。

(2)

水頭の測定装置  せきの水頭(

4

)

の測定装置は,次による。

(a)

せきの水頭の測定は,

図 8.9 に示すように水路の整流部分の側壁に設けた細孔によって水路と連通

したほかの小タンク内の水位によって行う。

(b)

上記の細孔の位置は,せき板内面から上流側に最小 3h'(h'は,せきの最大水頭)∼最大 B(水路の

幅)とし,かつ,切欠き底点,切欠き下縁又はせき縁から 50mm 以上低く,水路底面から 50mm 以

上高くする。

(c)

上記の細孔は,内径 10∼30mm とし,水路の内壁面に直角にあけ,その周囲は平たんとし,穴の縁

には,まくれがないこと。

(

4

)

水頭とは,せき板の上流の水位と切欠き底点(直角三角せき)

,切欠き下縁(四角せき)又はせ

き縁(全幅せき)中央との鉛直距離をいう。

図 8.9  水頭測定器

(3)

測定  測定は,次のとおり行う。

(a)

せき板を越えて流下する水が,せき板の縁平面及び支え板に付着しない状態であることを確認する。

(b)

せきの水頭のゼロ点の測定は,次の例によることとし,その正確度は±0.2mm とする。


22

四角せき,全幅せきの場合  補助のフックをせきの内側中央部に設け水準器を使用してせき縁の高

さに合わせた後,水をこの高さまで慎重に入れ,測定用小タンク内のフックゲージの示度を読み

取り,これをゼロ点とする。ガラス管の場合は,スケールのゼロ点をその水面に合わせる。ゼロ

点測定精度は±0.2mm。

直角三角せきの場合  補助のフックをせきの内側に設け,切欠き縁に真円の丸棒(直径 d)を水路

の長軸に平行,かつ,水平に置き,丸棒の下辺の高さを四角せき,全幅せきの場合と同じ操作で

求め,計算(

図 8.10)でゼロ点を読み取る。

図 8.10  直角三角せきの水頭のゼロ点

(c)

水頭測定器でゼロ点からの水位を測定する。水位の測定精度は直角三角せきの場合は,水頭の

250

1

四角せき及び全幅せきの場合は,水頭の

150

1

とする。

(d)

水位の測定には,規定された正確度を読むことができるフックゲージ,フロートゲージ又はこれと

同等の正確度をもつ水面計を用いる。

備考4.  水頭の測定を簡易的に物差しで行う場合は,水頭の測定場所を(2)によって決め,測定場所の

水路の側壁上面に水頭測定点を設定する。(3)によってゼロ点を求め,このゼロ点から側壁上

面の水頭測定点までの鉛直距離 を mm 単位まで測定し,これをゼロ点水頭測定値とする。

水頭は水頭測定点からの水位の距離 を mm 単位まで測定し,

その差から水頭を求める

8.11

図 8.11  物差しによる水頭測定

(4)

流量の算出(

2

)

(a)

直角三角せき  (図 8.12)の場合

60

1

2

5

×

Kh

Q

ここに,

Q

流量 (m

3

/s)

h

せきの水頭 (m)

K

流量係数

2

09

.

0

12

4

.

8

24

.

0

2

.

81

÷

ø

ö

ç

è

æ

÷÷ø

ö

ççè

æ

B

h

D

h

K


23

B

水路の幅 (m)

D

水路底面から切欠き底点までの高さ (m)

この算式の適用範囲は,次のとおりとする。

B

=0.5∼1.2m    D=0.1∼0.75m

h

=0.07∼0.26m    h

3

B

以下

図 8.12  直角三角せきの流量算出例

直角三角せきで B=0.8m,D=0.25m の場合は,次の

図 8.13 から流量を求めてもよい。

図 8.13  直角三角せきの測定水頭と流量

(b)

四角せき(図 8.14)の場合

60

1

2

3

×

Kbh

Q

ここに,

Q

流量 (m

3

/s)

b

切欠きの幅 (m)

h

せきの水頭 (m)

K

流量係数

(

)

D

B

BD

h

b

B

D

h

h

K

04

.

2

7

.

25

2

.

14

117

.

0

1

.

107

×

B

水路の幅 (m)

D

水路底面から切欠き下縁までの高さ (m)

この算式の適用範囲は,次のとおりとする。


24

B

=0.5∼6.3m    b=0.15∼5m

D

=0.15∼3.5 m

06

.

0

2

B

bD

h

=0.03∼0.45 m

図 8.14  四角せきの流量算出例

四角せきで b=0.4m,B=0.9m,D=0.2m の場合は,次の

図 8.15

から流量を求めてもよい。

図 8.15  四角せきの測定水頭と流量

(c)

全幅せき(図 8.16)の場合

60

1

2

3

×

KBh

Q

ここに,

Q

流量 (m

3

/s)

B

せきの幅 (m)

h

せきの水頭 (m)

K

流量係数

(

)

ε

1

2

.

14

177

.

0

1

.

107

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

D

h

h

K

D

水路底面からせき下縁までの高さ (m)

ε

補正項


25

D

が 1m 以下の場合は

ε

=0

D

が 1m 以上の場合は

ε

=0.55 (D−1)

この算式の適用範囲は,次のとおりとする。

B

≧0.5m  D=0.3∼2.5m

h

=0.03∼D m(ただし,は 0.8m 以下で,かつ

4

B

以下とする。

図 8.16  全幅せきの流量算出例

備考5.  せきで測定できる流量範囲の一例を示す(表8.3)。

表 8.3  せきで測定できる流量範囲の一例

せきの形式

幅 (m)

B

×b

水頭範囲 (m)

h

流量範囲 (m

3

/s)

Q

90

度三角 0.60 0.070∼0.200 0.001

8

∼ 0.025

90

度三角 0.80 0.070∼0.260 0.001

8

∼ 0.048

四    角 0.9×0.36 0.030∼0.270 0.003

5

∼ 0.092

四    角 1.2×0.48 0.030∼0.312 0.004

7

∼ 0.15

全    幅 0.6 0.030∼0.150 0.006

∼ 0.067

全    幅 1.5 0.030∼0.375 0.015

∼ 0.7

全    幅 3.0 0.030∼0.750 0.03

∼ 3.95

全    幅 8.0 0.030∼0.800 0.08

∼11.18

8.4

流速計による測定  河川や比較的大きい水路などの流量測定には,水流の横断面積とその断面での

流速を測定し,流量を算出する。

(1)

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(a)

流速計  鉛直軸に回転子を取り付けたプライス式流速計及び水平軸に回転子を取り付けたスクリュ

ー式流速計など測定範囲や測定場所の水深に応じて選択する(

5

)

(b)

横断面測定具  ロープ(又はワイヤロープ)(

6

)(

7

)

,巻尺,物差し,測深用レベリングロッド,目盛

付き竹ざおなどを測定場所の状況に応じて選択する。

(

5

)

測定範囲は流速0.1∼8m/s(微流速計では0.02∼1m/s)程度。検定済みの,よく整備されたもの

を用いる。

(

6

)

ロープは河川などの横断面の明示,測定者の保持などを兼ねるので丈夫なものを用いる。

(

7

)

合成樹脂被覆の測定用ロープ及び目盛付きの測定用ロープを用いると測定に便利である。

(2)

測定地点  測定地点の選定には,次の各項を考慮する。

(a)

水流は,できるだけ 1 本の流路であること。

(b)

測定地点の上・下流には少なくとも川幅の数倍の直流部があり,たい(堆)積や洗掘が生じない場

所であること。

(c)

河床の状態が良好(

8

)

で,適当な水深(

9

)

があること。


26

(d)

測定地点の断面と,その上・下流の断面とに大きな差異がないこと。

(e)

橋,その他の構造物の影響がなく,渦や逆流を生じない場所であること。

(f)

作業に著しい危険が伴わないこと。

(

8

)

河床が著しく不規則,又は多量のたい積物がある場所は避ける。

(

9

)

流速計の回転子が完全に水没することが必要である。

(3)

流量の測定  測定は,次のとおり行う。

(a)

断面の測定  流量測定地点で,水流の方向に直角になるようにロープ,ワイヤ(

10

)

などを固定し,こ

の線に沿って等間隔に測定点(

11

)

を定める。各測定点で水深を測定(

12

)(

13

)

するとともに,次の(b)によ

って流速を測定する。

(b)

流速の測定  各測定点で,流速計(

14

)

を用いて所定深度の流速(

15

)

を測定し,平均流速(

16

)

を求める。

(

10

)

船の固定,測定者の保持を兼ねる場合は,十分に丈夫なものを用いる。

(

11

)

ロープに直接目盛を付けておくか,目盛付きロープ,巻尺などを併用する。測定点の数は,通

常 15 以上とするが,川幅や流況によって増減する。隣り合った点の流速が,小さい方の流速に

対して 20%以上変化する場合は,測定点の間隔を狭くする。

(

12

)

測深にはレベリングロッド,目盛付きの竹ざお,測錘などを用いる。流速が大きい場合には,

測錘は誤差が大きくなる。

(

13

)

流速が大きく,水深が大きい場合などでは,測定者に危険が伴うので救命具を装着する。

(

14

)

流速及び水深によって流速計を選定する。

(

15

)

流速計には,回転式,電気式,電磁式,超音波式などの方式のものがある。

流速計は常に測定者より上流の方に置き,測定者による影響を受けないように注意する。

(

16

)

平均流速 V

m

 (m/s)

は,次のようにして求める。

水深 0.4m 未満のとき    V

m

V

0.6

水深 0.4 m 以上のとき

(

)

2

8

.

0

2

.

0

V

V

V

m

ここに,V

0.2

V

0.6

V

0.8

は,それぞれ表面から,水深の 20%,60%,80%の点での

流速 (m/s) である。

(4)

流量の算出(

2

)

  図 8.17 に示す断面についての流量算出は,次のとおり行う。

図 8.17  河川断面

÷

ø

ö

×

×

ΛΛ

ç

è

æ

×

×

×

×

×

×

+

2

2

2

2

2

2

2

2

1

1

1

1

2

1

2

1

1

0

1

0

1

2

1

m

m

m

m

n

n

n

n

m

n

V

V

H

H

b

V

V

H

H

b

V

V

H

H

b

V

V

H

H

b

q

q

q

q

Q

Λ

Λ

Λ

Λ

Λ

Λ

Λ

Λ

一般に H

m

1

=0,したがって,V

m

1

=0 であるから


27

(

)(

)

m

m

n

n

n

n

V

H

b

V

V

H

H

n

m

b

Q

×

å

4

1

4

1

1

ここに,

Q

流量 (m

3

/s)

q

区間流量 (m

3

/s)

b

b':

測定点間の間隔  (bb') (m)

H

水深 (m)

V

流速 (m/s)

8.5

流量計による測定

  水路又は管路に流量計を設置して流量を自動計測する。

(1)

装置

  装置は次による。

(a)

流量計

  せき式,フリューム式,ベンチュリ管式,電磁式,羽根車式,渦式,超音波式,フロート

形面積式などの流量計があり,流量測定範囲と測定場所などの状況に応じて選定する

(

17

)

。各種流量

計の概略を

表 8.4(1)

及び

表 8.4(2)

に示す。

(

17

)

流量計の形式と,流量計の設置条件に応じて水路又は管路を整備し,流量計の取扱説明書に従

って使用する。

(2)

流量の測定

  測定は,次のとおり行う。

(a)

流量計の測定範囲条件内で水路又は管路の流量を測定する

(

18

)

(

18

)

流量計による流量測定は,

JIS B 7554

JIS Z 8761

JIS Z 8762

JIS Z 8766

及び流量計の取扱説

明書に従う。

表 8.4(1)  流量計(開水路用)

方式

せき式

フリューム式

流速計式

使用計器

三角せき,四角せき,全幅せき

及び水位計

パーシャルフリューム及び水位

流速計及び水位計

原理

水路の途中にせき板を設け,せ

きをいつ(溢)流する水の上流

側の水位を測定する。

水路の一部を絞り,その上流側

の水位を測定する。

水路各部の流速と水位を測定し,

両者を演算して流量を求める。

測定範囲

およそ 0.002∼10m

3

/s

およそ 0.002∼2.5m

3

/s

任意(大流量用)

水位損失

大きい(300∼600mm 程度)

小さい(水頭の 30%程度一般に

200mm

以下)

ほとんどない

必要な直線水路の長さ

上流側  せき幅の 4∼5 倍

上流側  スロート幅の約 10 倍

水路幅の約 10 倍

固形物の影響

かなりある(上流側にたい積す

る。

余りない

余りない

精度の目安

±4%程度

±4%程度

使用計器及び設置条件による。

一般に精度はせき式及びフリュ

ーム式より劣る。

備考

JIS B 8302

JIS B 7553


28

表 8.4(2)  流量計(管路用)

方式

電磁式

オリフィス式

ベンチュリ管式 フロート形面積式

超音波式

渦式

羽根車式

使用計器

電磁流量計

オ リ フ ィ ス 板

及び差圧計

ベ ン チ ュ リ 管

及び差圧計

フ ロ ー ト 形 面

積流量計

超音波流量計

渦流量計

羽 根 車 式 流 量

計(ウォルトマ

ン形など)

原理

磁 界 を 導 電 性

流 体 が 横 切 る

と,流速に比例

し た 起 電 力 が

発 生 す る こ と

を利用する。

管 路 の 途 中 に

絞り(孔あき円

板)を入れ,絞

り 前 後 の 差 圧

が 流 量 と 一 定

の 関 係 が あ る

こ と を 利 用 す

る。

オ リ フ ィ ス 式

と 同 じ 。 た だ

し,絞りとして

ベ ン チ ュ リ 管

を使用する。

管 路 の 中 に テ

ー パ 管 と フ ロ

ートを入れ,下

か ら 流 体 を 流

すと,流量に応

じ て フ ロ ー ト

が 上 下 す る こ

とを利用する。

流 体 の 流 れ に

対 し 正 逆 両 方

向 に 発 射 し た

超 音 波 の 伝 ぱ

速 度 の 差 か ら

流速を知る。

管 路 内 に 棒 状

の 物 体 を 置 く

と,流速に比例

し た カ ル マ ン

渦 列 を 発 生 す

る の で 渦 の 周

波 数 を 測 定 し

て流速を知る。

管 路 内 に 挿 入

し た 羽 根 車 の

ロ ー タ が 流 量

に 比 例 し て 回

転 す る こ と を

利用する。

測定範囲

適用管径

およそ

2.5

∼3 000mm

適用管径

およそ

15

∼3 000mm

適用管径

およそ

50

∼1 200mm

最大

0.2m

3

/s

程度

適用管径

およそ

25

∼3 000mm

適用管径

およそ

25

∼200mm 程

適用管径

およそ

50

∼400mm

圧力損失

なし

大きい(差圧の

25

∼80%程度)

小さい(差圧の

5

∼20%程度)

小さい

なし

小さい

小さい

必 要 直 管 の 長

上 流 側 お よ そ

5D

上 流 側 お よ そ

10

∼50D

下流側およそ

4

∼8D

円すい(錐)形

上流側およそ 1

∼4.5D

下 流 側 ス ロ ー

ト直径の 4 倍ノ

ズル形

オ リ フ ィ ス 式

と同じ。

ほとんど不要

上 流 側 お よ そ

10

∼25D

下 流 側 お よ そ

5D

上 流 側 お よ そ

10

∼25D

下 流 側 お よ そ

5D

上 流 側 お よ そ

5D

下 流 側 お よ そ

3D

固形物の影響

なし

あり

あり

あり

あり

比較的少ない

あり

( ス ト レ ー ナ

必要)

精度の目安

 (%)

±0.5∼1.0

±2∼3

±2∼3

±2

±1∼1.5

±1

±2∼4

備考

JIS B 7554

JIS Z 8762

JIS Z 8762

JIS B 7551

JIS Z 8761

JIS Z 8766

8.6

排水の流量測定条件及び測定値の表示

(1)

調査単位

  排水の流量調査は,工場,事業場などの操業期間中又は廃水処理設備の稼動期間中におい

て,操業時間,排水処理量,稼動状態の異常のない日を選び,少なくとも操業 1 日をもって 1 単位と

して行う。

(2)

調査間隔

  調査当日は,

原則としてその日の操業開始時又は廃水処理設備の稼動開始時から 10 分間又

は 15 分間ごとに必ず一定間隔で排水量の測定を行い,

その日の操業の終了から次の日の操業開始まで,

又はその間で,排水の放流が終了するまで測定を継続する。排水流量の変化のない場合には,上記の

時間間隔を適宜延長しても差し支えない。

(3)

測定値の整理と表示

  調査単位内を等間隔で測定した流量測定値は,次のように整理し表示する。

(a)

グラフに操業時間と流量の関係を表示する。

(b)

測定値の算術平均を算出して平均流量とする。

(c)

測定値の最大値を最大流量とする。

(d)

測定継続中に工場,事業所などの操業又はその他に異常があり,排水の流量に有意な変化があって


29

測定値に影響した場合は,再測定を行う。

(4)

排水の流量測定

  排水の流量測定は,

8.2

8.5

によって行うが,これらの測定が困難な場合は

備考 7.

又は

備考 8.

による。

備考6.

排水の流量測定の際に,既に排水量の管理を目的として,

JIS B 8302

を準用して恒久的装置

を設置してある場合には,その方法で流量を測定する。

7.

せきによる測定

  沈殿池,貯水槽,排水路などのあふれ口又は流出口を利用する場合に用い

る。排水路,及びあふれ口や流出口は,測定ができる正常な状態に整備しておく必要がある。

(1)

せき板が取り付けられる場合

  せき板の作成は,四角せき,直角三角せきとも,

8.3(1)

に準じ

る。

(a)

四角せき

  流量はフランシスの流量公式によって求める。

(

)

2

3

2

.

0

84

.

1

h

h

b

Q

ここに,  Q:  流量 (m

3

/s)

b

:  測定用四角せきの切欠き下縁の幅 (m)

h

:  せきをあふれる水の水頭 (m)

(b)

全幅せき

  流量はフランシスの流量公式によって求める。

2

3

84

.

1

bh

Q

四角せきの単位を使う。

(c)

直角三角せき

  流量はトムソンの流量公式によって求める。

2

5

404

.

1

h

Q

ここに,  Q:  流量 (m

3

/s)

h

:  せきをあふれる水の水頭 (m)

(d)

水頭の測定

図 8.18

のようにせき板内面から 300mm 以上離れた点を水頭の測定点と定め

て水頭を測定する。

図 8.18  水頭測定

(e)

流量の算出

  せきの水頭から四角せきの場合は

(a)

のフランシスの流量公式,全幅せきの場

合は

(b)

のフランシスの流量公式,直角三角せきの場合は

(c)

のトムソンの流量公式によって

流量を算出する。

(2)

せき板が取り付けられない場合

  あふれ口(

図 8.19

参照)の形が四角(又は長方形)で,流

出水が水槽の外壁に付着していない状態の場合は,次の公式を使うことができる。ただし,

公式中の係数 1.7 は,ほかの測定方法による測定値によって,あふれ口に見合った係数に補

正するとよい。


30

2

3

7

.

bh

Q

=

ここに,  Q:  流量 (m

3

/s)

b

:  あふれ口の幅 (m)

h

:  あふれ口をあふれる水の水頭 (m)

図 8.19  あふれ口

備考8.

開水路による測定

  排水路を利用する場合に用いる。

(1)

構成材料及び断面の形状が一定で少なくとも 10m はまっすぐな水路の場合

(a)

直線水路のこう配と水流の横断面を測定し,次に,物差しなどで,水路幅間の水位を測定

する。次の式によって流量を換算する。平均流速は,シェジーの流速公式による。

Q

VA

ここに,  Q:  流量 (m

3

/s)

A

:  水流断面積 (m

2

)

V

:  平均流速 (m/s)

iR

C

V

(シェジーの流速公式)

C

:  流速係数

i

:  溝底のこう配

R

:  径深(水流断面積 に湿潤長さ の逆数を乗じたもの)(m)

径深 は,次の式によって求める。

S

A

R

として

図 8.20

から

図 8.20  水路


31

表 8.5

バザンの粗度定数

γ

の値

水路の性質

γ

1.

モルタルの上塗り,かんなをかけた板張り,その他丁寧な施工で,かつ,十分

維持できている非常に滑らかな壁面

0.06

2.

丁寧に施工した板張り,切石施工又はれんが施工などの滑らかな壁面 0.16

3.

コンクリート造りの水路 0.30

4.

普通の粒石積,粒コンクリート造りなどの粗雑な壁面 0.46

5.

正規な断面で張石してあるもの 0.85

6.

断面の比較的整った普通の河川 1.30

(2)

構成材料,断面の形状,こう配などが一様でない開水路の場合

(a)

水路はできるかぎり直線的で,水面が波立っていないところを選ぶ。

(b)

流れの 10m を測定区間とし,2m ごとに水流の横断面積を測定し,その平均値を水流の平

均断面積とする。

(c)

流速の測定は,おがくず又はそれに類した,水面を浮かんで流れる細かいもので,10m 区

間を流れるのに要する時間をストップウォッチで測定する。この実測流速は,表面最大流

速となる。

(d)

次の式によって水路の流量を算出する。ただし,概算しかできない。

V

=0.75V

e

ここに,

V

:  総平均流速 (m/s)

V

e

:  表面最大流速 (m/s)

Q

VA

ここに,  Q:  流量 (m

3

/s)

V

:  総平均流速 (m/s)

A

:  測定区間の水流の平均断面積 (m

2

)

9.

工業用水の試料採取

  工業用水として使用される水には,河川水,湖沼水,地下水,海水,上水道水

及び工業用水道水などがある。

工業用水の試料の採取は,工業用水の取水地点での採取方法及び工業用水を工場又は事業所などに受け

入れる受水地点での採取,工場及び事業場内での採取に区分する。

9.1

取水地点での採取

  工業用水として用いられる原水は,一般に河川水,湖沼水,地下水,海水など

の天然水のほかに,下水の高度処理水などがある。試料採取は取水地点で行うが,これらの水の水質は気

象,地理,地質などの自然環境並びに水利用,下水,工場排水などの混入による人為的環境の影響によっ

て様々に変化するので,目的によっては,これらによる水質の変化を予知できるように,取水地点以外の

採取地点,採取時間及び採取頻度を選定する必要がある。取水が行われている場合には,取水地点の水を

連続的に採取できる採水装置などを設置し,同時に流量を測定しておくことが望ましい。

9.1.1

河川水の試料採取

  工業用水として取水している河川水の水質は,その流域の地理的,地質的条件

によって異なり,さらに,降雨などの気象条件及び各種用水の取水,生活排水,工場排水の流入,河川工

事などの人為的条件によっても著しく変化する。

また,河川は多くの小河川が合流して形成されるから,これら小河川流域での条件の変化によっても変

動する。

感潮水域では,潮の干満によって河川の流下状態,海水の混入状態が変化し,河川の表層水と下層水の

水質は全く異なる場合がある。このような河川の水質に影響する条件は非常に多いので,試料採取には十


32

分な注意が必要である。

(1)

採取地点

  試料の採取地点は,工場・事業所が河川水の取水を行っている地点で同一水深とする。そ

のほかに,取水している河川水の水質の変動を事前に予知できる地点をあらかじめ選定しておく。

河川から直接採取する場合は,河川に流入する支流や排水が十分に混合している地点を採取場所に

選定する。

試料の採取は一般に流心部で行うが,川幅が広い場合や流れが一定でない場合には,左右両岸でも

採取し,水質を比較することが望ましい。

(2)

採取時期及び採取頻度

  工場,事業所が通常の状態で操業し,取水しているときに採取する。採取時

期,採取頻度は試験目的によって決める。採取日は,一般に比較的晴天が続き水質が安定した日とす

るが,増水時における流出汚濁負荷量は極めて大きいので,目的によっては降雨時又は降雨後の採取

も必要である。

感潮河川水は,

潮の干満が激しくない干潮時に採取するが,

潮の干満による水質変化も大きいので,

調査目的によってはその影響を配慮して採取時期を決める。

採取頻度は通常 1 日 3,4 回でよいが,水質変動が大きい場所では採取頻度を多くし,水質が安定し

ている場合は,採取頻度を少なくしてよい。

(3)

採取方法

  採取は,次のとおり行う。

(a)

取水配管のある場合

  取水が行われている場合は,

4.3

又は

4.2

による。

(b)

取水配管のない場合

  河川では川岸と流れの中心部とでは流速も異なり,水質も特に懸濁物の量が

異なるので,一般に河川中央部の流れの均一なところで採取する。

徒渉による採取

  徒渉できる水深の浅い河川で直接採取する場合は,河川に入り,

4.1.1

又は

4.1.2

によって試料を採取する。

船上からの採取

  人為的に汚染のないように船首を上流に向け,船首で表層水を採取する場合は,

4.1.1

又は

4.1.2

によって,

各深度の水を採取する場合には,

4.1.3

又は

4.1.4

によって試料を採取する。

橋からの採取

  特に人為的な汚染のないように注意しながら下流側で,橋脚による乱流を避けた位

置で,表層水を採取する場合は,

4.1.1

又は

4.1.2

による。各深度の水を採取する場合は,

4.1.3

又は

4.1.4

によって試料を採取する。

採水装置による採取  4.2

によって試料を採取する。

(4)

流量の測定

  流量は水質と不可分の関係があり,汚染負荷量の算出に必要である。通常は試料採取時

と同時に測定する必要があり,

8.1

のうちから適当な方法を選んで測定する。河川の流量は,通常は

8.4

によって測定する。河川によっては常時測定が行われており,その値を用いることもできる。

9.1.2

湖沼水の試料採取

  わが国の湖沼水は,一般に初冬,早春に循環するが,夏季,冬季には成層が発

達して深度によって水質が明確に異なることが多い。

また,湖沼周辺の地形,地質,気象条件,湖沼自身の形態,形状及び大きさなどが水質に影響する。さ

らに,湖沼への河川の流入,流出,生活排水及び工場排水の流入,湖沼中の生物活動などが水質に影響す

る。したがって,湖沼の沿岸部,中心部,深さ,方向などで,それぞれ水質が異なるので,試料採取には

これらのことを十分に配慮する。

試験の目的によっては,水質の変動が予知できるように,取水地点以外の採取地点,採取時期及び採取

頻度を選定する必要がある。

(1)

採取地点

  試料の採取地点は,工場及び事業所の取水地点とする。そのほかに,取水している湖沼水

の水質の変動を予知できる地点をあらかじめ選定しておく。


33

(2)

採取時期及び採取頻度

  通常の状態で取水しているときに試料を採取する。試験目的によって採取時

期及び採取頻度を決めるが,湖沼では循環期と成層期があるので注意する。

(3)

採取方法

  採取は,次のとおり行う。

(a)

取水配管のある場合

  取水が行われている場合は,

4.3

又は

4.2

によって試料を採取する。

(b)

取水配管のない場合

  比較的晴天が続き,水質の安定した日を選び,船を利用する場合は,船首を

風上に向けて人為的に汚染のないように船首で行う。表層水を採取する場合は,

4.1.1

又は

4.1.2

よって試料を採取する。各深度の水を採取する場合は,

4.1.3

又は

4.1.4

によって試料を採取する。

湖沼では循環期と成層期があり,循環期には表層から,成層期には各層から試料を採取する。

(c)

採水装置による採取

4.2

によって試料を採取する。

9.1.3

地下水の試料採取

  地下水は,河川水,湖沼水などが地下に浸透した伏流水,地表近くを流れる自

由地下水及び深い地層中にある被圧地下水に分けられる。

伏流水は河川水に比較し,有機物,アンモニウムイオン,りん化合物などの濃度が一般に低い。自由地

下水(通称,浅井戸水という。

)は,地表面に近いため降雨及び生物活動などの影響を受けやすく,水質も

変化しやすい。

被圧地下水(通称,深井戸水という。

)は地質的影響を強く受けるが,水質は安定しており,一般に水質

変動も少ない。

更に大気との接触がなく,微生物活動などで溶存酸素が消費されるため,還元性状態(嫌気性状態)に

なっている例が多い。したがって,空気と接触することによって,水質に変化が生じるので,試料採取時

に空気との接触を避けるように十分な注意が必要である。

(1)

採取地点

  試料の採取地点は,工場及び事業所の揚水ポンプ出口

(

1

)

又は砂分離装置出口とする。

(

1

)

揚水ポンプ出口配管に試料採取弁をあらかじめ取り付けておくか,揚水ポンプの空気抜き弁か

ら採取してもよい。

(2)

採取時期及び採取頻度

  通常の運転状態で揚水しているときに採取する

(

2

)(

3

)

。試験目的によって採取

頻度を決めるが,水質の変動

(

4

)

が予想される場合には,その都度採取頻度を決める。

(

2

)

過剰揚水や過少揚水時,又は休止井戸では,必ずしも通常運転状態で揚水した場合の水質と一

致しない場合がある。

休止井戸では,通常の運転状態で少なくとも数時間揚水してから採取する。

(

3

)

被圧地下水は,地下の滞水層の地質によって水質が異なるが,揚水量の大幅な変動によっても

水質が変化することがあるので注意する。

(

4

)

伏流水及び自由地下水は,河川水,湖沼水の影響を受けやすいので採取時期及び採取頻度に注

意する。

(3)

採取方法

  採取は,次のとおり行う。

(a)

試料採取弁などがある場合

  取水が行われている場合は,

4.3

又は

4.2

によって試料を採取する。

(b)

揚水ポンプ出口又は砂分離装置出口から採取する場合

  取水が行われている場合は,

4.1.1

及び

4.1.2

によって試料を採取する。

(c)

井戸から直接採取する場合

  井戸に採水器が入れられる場合は,

4.1.3

又は

4.1.4

によって試料を採

取する。

9.1.4

海水の試料採取

  工場及び事業所で取水している海水の水質は,河川水,下水及び工場排水の混入,

潮の干満,潮流,海流及び地形によって影響を受けやすい。試料採取時に日時,天候,前日の天候,潮の

状態などを記録しておく。


34

(1)

採取地点

  取水ポンプでの揚水直後の水を採取するか,取水配管口のある同一水深の海水を直接採取

する。そのほかに,取水している海水の水質の変動を事前に予知できる採取地点と,その深度をあら

かじめ選定しておく。

(2)

採取時期及び採取頻度

  工場,事業所が操業状態にあって,同一条件で取水されている時期に採取す

る。採取時期,採取頻度は,試験目的及び潮の干満,天候,風向などを考慮して決定する。

(3)

採取方法

  採取は,次のとおり行う。

(a)

取水配管のある場合

  取水が行われている場合は,

4.3

又は

4.2

によって試料を採取する。

(b)

取水配管のない場合(船上などからの採取)

  船などを使用して採取する場合は,人為的汚染のな

いように船首を風上に向け,船首で

4.1.1

4.1.2

又は

4.1.3

によって試料を採取する

(

5

)

(

5

)

使用した採取器は,試料採取が終了したら水道水などでよく洗浄して風乾する。

9.2

受水地点での採取

  取水地点で取水した水,又は工業用水道水,上水道水などを工場及び事業所内

に受け入れて使用する場合には,工場及び事業所構内の流量計出口直後を受水地点とし,この付近から採

取する。

取水地点と受水地点が極めて近い場合には,

取水地点の水質を受水地点の水質とみなすことができるが,

取水地点と受水地点が離れている場合には,送水中に水質の変動がみられる。

(1)

採取地点

  工場及び事業所の流量計出口配管

(

6

)

,受水槽の落ち口を採取地点とする。

(

6

)

流量計出口配管から採取する場合には,試料採取弁をあらかじめ取り付けておく。

(2)

採取時期及び採取頻度

  通常の流量で取水が行われているときに採取する

(

7

)

。採取頻度は,試験目的

によって決める

(

8

)

(

7

)

一定の流量で取水が行われている場合には,配管中の沈殿物,析出物などの混入はほぼ一定と

なるが,流量の急激な変動,休止状態からの取水開始直後の水は,配管から沈殿物,析出物な

どが押し出されるため,これらの量がかなり変動するので注意する。

(

8

)

取水している水源が,例えば,海水,河川水,湖沼水,地下水などの場合には,それぞれの水

源に適した採取時期及び採取頻度を選定するのがよい。

(3)

採取方法

  採取は,次のとおり行う。

(a)

試料採取弁などがある場合

  取水が行われている場合は,

4.3

又は

4.2

によって試料を採取する。

(b)

受水槽から採取する場合

  受水槽の落ち口又は受水槽から採取する場合には,

4.1.1

4.1.3

によって

試料を採取する。

9.3

工場及び事業所内での採取

  工場及び事業所では供給された水を貯留し,各生産工程に供給してい

る。各生産工程では使用目的に応じ,除濁,除鉄,軟化処理,イオン交換水製造,薬剤添加などの水処理

が行われている。生産工程内の工業用水の試験では,水処理の状況及び水の使用状況に合わせた試料採取

が必要である。

(1)

採取地点

  各生産工程の装置,配管類

(

9

)

及び水処理設備への流入・流出点などが採水地点になるが,

試験目的に応じて選定する。

(

9

)

装置,配管(管路)などには,いずれも試料採取弁をあらかじめ取り付けておく。

(2)

採取時期及び採取頻度

  工場,事業所が通常の運転状態にあるときに採取する。採取頻度は,例えば,

循環冷却水であれば夏季の蒸発水量の多い時期,洗浄水及び処理水であれば供給水の水質変動の時期,

イオン交換処理では再生時期など使用条件に応じて決めるとよい。

(3)

採取方法

  採取は,次のとおり行う。

(a)

試料採取弁などがある場合

  装置,配管,管路などが稼動状態にある場合には,

4.3

又は

4.2

によっ


35

て試料を採取する。

(b)

水槽などから採取する場合

4.1.1

4.1.2

又は

4.1.3

によって試料を採取する。

(c)

採水装置による採取

4.2

によって試料を採取する。

(4)

流量の測定

  工場及び事業所では,総使用水量の把握と各生産工程別使用水量,用途別使用水量の把

握が水管理上重要である。流量は

8.

によって使用水量に応じて測定方法を選択して測定する。

10.

工場排水の試料採取

  工場排水は工場及び事業所から放流される水であって,工場及び事業所の操業

に伴って各生産工程から排出される製品処理洗浄廃水及び冷却廃水,ボイラ廃水などを,廃水処理施設で

浄化処理した後,工場及び事業所の外に放流されている。

工場排水の水質や水量は,業種及び製品の種類,事業規模によって異なり,操業の周期変動に応じて経

時変動及び季節変動も見られるので,試料採取時期,採取頻度もこれらの条件を考慮し試験目的に応じて

選定する。

(1)

採水地点

  工場又は事業所の排水口とする。排水口での試料採取が困難な場合は,同じ水質の排水が

採取できる排水路や排水管路の汚水ます,最終調節槽又は廃水処理施設の流出口などを採取地点とし

てもよい。

なお,工程ごとの廃水を試験する場合は,試験目的に合わせて採取地点を選択する。

(2)

採取時期及び採取頻度

  採取時期は,通常の操業時間又は廃水処理設備の稼動時間などを考慮して選

定する。採取頻度は試験目的に合わせて設定する。

備考1.

採取時期と採取頻度は,水質変動に応じて決めるが,一般に,日間水質の試験の場合は,1

日の操業時間内に3回以上(2,3時間間隔)採取することとし,水質変動が少ない場合は,採

取回数を減らしてもよい。

週間水質の試験の場合は,週の 2,3 日間の日間水質を求め,これを 4 週間以上行う。

月間水質の測定の場合は隔月ごとに週の 2,3 日間の日間水質を求める。その他 1,2 日間

の間隔で時間帯をずらして 1 日 1 回採取する例もある。

2.

1

日の平均水質を求める場合は,混合試料(コンポジット試料)にしてもよい。簡易的には 1

日の操業時間内に 3 回以上(例えば,2,3 時間間隔)試料を採取し,混ぜ合わせて混合試料

とするが,工場排水の流量変動に応じた混合比率で混ぜ合わせるのがよく,排水水質の負荷

量を求める場合は,

4.2.2

によって試料を採取するとよい。

試料を混ぜ合わせることによって試験に差し支える変化を生じる場合は,混合試料とする

ことはできない。

(3)

採取方法

  採取は,次のとおり行う。

(a)

排水路又は排水管路から落下している場合

  排水路又は排水管路などの排水口

(

1

)

から落下している

場合には,

4.1.1

又は

4.1.2

によって試料を採取する。

(b)

排水路(排水溝)又は排水管路から放流されている場合

  排水路又は排水管路などの排水口

(

1

)(

2

)

4.1.1

又は

4.1.2

によって試料を採取する。排水口では,水位の変動で外部の水が逆流しているこ

とがあるので注意する。

(c)

排水管の汚水ます,調節槽からの採取

4.1.2

によって試料を採取する。

(d)

廃水処理施設の流出口からの採取

  廃水処理施設の出口配管に試料採取弁が取り付けられている場

合には,

4.3

によって試料を採取する。試料採取弁が取り付けられていない場合は,

4.1.1

又は

4.1.2

によって試料を採取する。


36

(e)

採水装置による採取

  排水路,廃水処理施設などに採水装置が取り付けられている場合は,

4.2

によ

って試料を採取する

(

3

)

(

1

)

排水路又は排水管路の放流排水であっても,途中での混合が不十分の場合は,採取位置で水質

が異なることがあるので注意する。

(

2

)

排水口にせきを設けて逆流を防止するとよい。

(

3

)

排水路及び排水管路では,途中での混合が不十分のため,採取位置によって水質が異なること

があるので,採取位置の前にせきを設けてよく混合するとよい。

(4)

流量の測定

  排水の流量は工場又は事業所の操業状況及び廃水処理施設の稼動状況などによって変動

するので,排水の日間流量,月間流量などを求め,工場又は事業所の操業状況に応じて排水流量を把

握するとよい。

(a)

測定場所

  通常は採取場所で行う。排水口での測定が困難な場合は,同じ排水が流れている排水管

路などで適当な測定場所を選定する。

(b)

測定方法

8.1

によって排水流量と測定場所の条件に適した方法を選定して測定する。通常は

8.2

8.3

8.4

又は

8.5

によって行うが,これらによる測定が困難な場合には,

8.

備考 7.

又は

備考 8.

によ

って測定する。

付表 1  引用規格

JIS B 7551

フロート形面積流量計

JIS B 7553

パーシャルフリューム式流量計

JIS B 7554

電磁流量計

JIS B 8224

ボイラの給水及びボイラ水−試験方法

JIS B 8302

ポンプ吐出し量測定方法

JIS K 0050

化学分析方法通則

JIS K 0101

工業用水試験方法

JIS K 0102

工場排水試験方法

JIS K 0550

超純水中の細菌数試験方法

JIS K 0551

超純水中の有機体炭素 (TOC) 試験方法

JIS K 0552

超純水の電気伝導率試験方法

JIS K 0553

超純水中の金属元素試験方法

JIS K 0554

超純水中の微粒子測定方法

JIS K 0555

超純水中のシリカ試験方法

JIS K 0556

超純水中の陰イオン試験方法

JIS K 0557

化学分析用の水

JIS K 8180

塩酸(試薬)

JIS K 8322

クロロホルム(試薬)

JIS K 8541

硝酸(試薬)

JIS K 8576

水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8951

硫酸(試薬)

JIS K 8953

硫酸亜鉛七水和物(試薬)


37

JIS K 8983

硫酸銅 (II) 五水和物(試薬)

JIS K 9005

りん酸(試薬)

JIS K 9502

L (

+) -アスコルビン酸(試薬)

JIS P 3801

ろ紙(化学分析用)

JIS R 3503

化学分析用ガラス器具

JIS Z 1703

ポリエチレンびん

JIS Z 8761

フロート形面積流量計による流量測定方法

JIS Z 8762

絞り機構による流量測定方法

JIS Z 8766

渦流量計による流量測定方法


38

JIS K 0094

(工業用水・工場排水試料採取方法)及び

JIS K 0550

(超純水中の細菌数試験方法)

ほか

2

件の改正原案作成調査委員会  構成表

小委員会

A B C

氏名

所属

委員長

並  木      博

横浜国立大学教育学部

○  ○  ○

倉      剛  進

*

工業技術院標準部繊維化学規格課

加  藤  裕  之

通商産業省立地公害局産業施設課

鈴  木      繁

環境庁水質保全局水質規制課

田  中  宏  明

建設省土木研究所下水道部

伊  藤  裕  康

国立環境研究所化学環境部

渡  部  欣  愛

国立環境研究所環境研修センター

番  匠  賢  治

工業技術院資源環境技術総合研究所

田  村  誠  也

工業技術院計量研究所

石  関  忠  一

横浜国立大学工学部

小  倉  光  夫

神奈川県環境科学センター

米  倉  茂  男

東京都鍍金工業組合

○  ◎  ○

坂  本      勉

財団法人日本規格協会

加  山  英  男

**

財団法人日本規格協会

浅  田  正  三

財団法人機械電子検査検定協会

梅  崎  芳  美

社団法人産業公害防止協会

森  田  羊  造

日本分析機器工業会[株式会社島津製作所工業計測事業部]

池  田  久  幸

日本分析機器工業会(横河アナリテカルシステム株式会社技術

生産本部)

田  口  富  男

日本分析機器工業会(東亜電波工業株式会社科学計測技術部)

相  澤  睦  夫

日本分析機器工業会(東亜電波工業株式会社計装技術部)

狩  野  久  直

日本錬水株式会社研究所

松  崎  晴  美

株式会社日立製作所日立研究所

中  村      忠

オルガノ株式会社研究開発本部

三  輪  良  平

栗田工業株式会社研究開発本部

岩  崎  岩  次

社団法人日本工業用水協会

山  岸  幸  子

オルガノ株式会社研究開発本部

本  多  理江子

オルガノ株式会社研究開発本部

関係者

芳  賀  良  一

株式会社日立製作所日立研究所

岩  田  照  史

トキコ株式会社研究所

讃  井  洋  一

トキコ株式会社マーケティング

Jack Y. Yamamori

Anatel Corporation President and CED

Paul Melanson

Anatel Corporation Director of Research and Development

参考人

三  浦  正  美

伯東株式会社半導体装置事業部

佐  宗  正  雄

社団法人日本工業用水協会

飛  渡  祥  弘

社団法人日本工業用水協会

事務局

本  郷  秀  昭

社団法人日本工業用水協会

注  ◎:各小委員会委員長,○:小委員会委員 
    AJIS K 0094(工業用水・工場排水の試料採取方法)小委員会 
    BJIS K 0550(超純水中の細菌数試験方法)小委員会 
    CJIS K 0551[超純水中の有機体炭素 (TOC) 試験方法]及び JIS K 0552(超純水の電気伝導率試験方法)小
        委員会 
    *  :発足当初は地崎  修(現在は倉  剛進) 
    **:発足当初は黒木勝也(現在は加山英男)