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K 0083

:2006

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本環境

衛生センター(JESC)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 0083:1997 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS K 0083

には,次に示す附属書がある。

附属書(規定)マイクロ波加熱圧力容器による試料の前処理方法


K 0083

:2006

(2) 

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  共通事項

1

4.

  対象物質及び分析方法の種類

1

5.

  試料採取方法 

2

5.1

  カドミウム,鉛,ニッケル,マンガン,バナジウム,クロム,ベリリウム,ひ素及びセレンの試料採

取方法 

2

5.2

  水素化ひ素,セレン化水素などのガス状化合物の試料採取方法 

7

6.

  試料溶液の調製 

8

6.1

  カドミウム,鉛,ニッケル,マンガン及びバナジウムの試料溶液の調製

8

6.2

  クロム試料溶液の調製 

9

6.3

  ベリリウム試料溶液の調製 

11

6.4

  ひ素及びセレンの試料溶液の調製 

12

6.5

  ガス状ひ素化合物及びガス状セレン化合物(水素化ひ素,セレン化水素など)の試料溶液の調製··

13

7.

  カドミウムの分析方法 

13

7.1

  フレーム原子吸光分析法 

13

7.2

  電気加熱原子吸光分析法 

15

7.3

  ICP 発光分析法 

15

7.4

  ICP 質量分析法 

17

8.

  鉛の分析方法 

19

8.1

  フレーム原子吸光分析法 

19

8.2

  電気加熱原子吸光分析法 

20

8.3

  ICP 発光分析法 

21

8.4

  ICP 質量分析法 

22

9.

  ニッケルの分析方法

23

9.1

  ジメチルグリオキシム吸光光度分析法 

23

9.2

  フレーム原子吸光測定法 

25

9.3

  電気加熱原子吸光分析法 

26

9.4

  ICP 発光分析法 

26

9.5

  ICP 質量分析法 

27

10.

  マンガンの分析方法

28

10.1

  過よう素酸吸光光度分析法

29

10.2

  フレーム原子吸光分析法 

29

10.3

  電気加熱原子吸光分析法 

30

10.4

  ICP 発光分析法

31


K 0083

:2006

(3) 

10.5

  ICP 質量分析法

32

11.

  バナジウムの分析方法

33

11.1

  N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン吸光光度法

33

11.2

  フレーム原子吸光分析法 

34

11.3

  電気加熱原子吸光分析法 

35

11.4

  ICP 発光分析法 

36

11.5

  ICP 質量分析法 

37

12.

  クロムの分析方法

38

12.1

  ジフェニルカルバジド吸光光度法 

38

12.2

  フレーム原子吸光分析法 

40

12.3

  電気加熱原子吸光分析法 

41

12.4

  ICP 発光分析法

41

12.5

  ICP 質量分析法

43

13.

  ベリリウムの分析方法 

44

13.1

  フレーム原子吸光分析法 

44

13.2

  電気加熱原子吸光分析法 

45

13.3

  ICP 発光分析法

45

13.4

  ICP 質量分析法

47

14.

  ひ素の分析方法

48

14.1

  ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度分析法 

48

14.2

  水素化合物発生原子吸光分析法

51

14.3

  電気加熱原子吸光分析法 

55

14.4

  水素化合物発生 ICP 発光分析法

56

14.5

  ICP 質量分析法

57

15.

  セレンの定量方法

58

15.1

  33′−ジアミノベンジジン吸光光度分析法

58

15.2

  水素化合物発生原子吸光分析法

60

15.3

  電気加熱原子吸光分析法 

62

15.4

  ジアミノナフタレン蛍光光度分析法 

63

15.5

  水素化合物発生 ICP 発光分析法

64

15.6

  ICP 質量分析法

65

16.

  計算

66

附属書(規定)マイクロ波加熱圧力容器による試料の前処理方法 

67

 


     

日本工業規格

JIS

 K

0083

:2006

排ガス中の金属分析方法

Methods for determination of metals in flue gas

1. 

適用範囲  この規格は,燃料及びその他の物の燃焼,金属の製錬・加工,理化学的処理などに伴って,

煙道,煙突,ダクトなどから排出されるガス中の金属のうち,粒子状物質中のカドミウム,鉛,ニッケル,

マンガン,バナジウム,クロム,ベリリウム,ひ素及びセレン並びにガス状物質中のひ素及びセレンを分

析する方法について規定する。

2. 

引用規格  付表 に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構

成する。これらの引用規格はその最新版(追補を含む。

)を適用する。

3. 

共通事項  試料ガス採取方法について共通する一般事項は,JIS K 0095 及び JIS Z 8808,化学分析法

については JIS K 0050,原子吸光分析法及び電気加熱原子吸光分析法については JIS K 0121,吸光光度分

析法については JIS K 0115,誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下,ICP 発光分析法という。

)について

は JIS K 0116,蛍光光度分析法については JIS K 0120,並びに誘導結合プラズマ質量分析法(以下,ICP

質量分析法という。

)については JIS K 0102 による。

4. 

対象物質及び分析方法の種類  この規格の対象物質及び分析方法は,表 のとおりとする。

試料採取方法は,通常,5.1 に規定する方法を用いるが,対象物質がひ素又はセレンで,分析試料が主に

水素化物などのガス状成分の場合には,5.2 に規定する方法を用いる。

  1  対象物質及び分析方法

対象物質

分析方法

カドミウム

フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光分析法,ICP 質量分析法

フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光分析法,ICP 質量分析法

ニッケル

ジメチルグリオキシム吸光光度分析法,フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,

ICP

発光分析法,ICP 質量分析法

マンガン

過よう素酸吸光光度分析法,フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光

分析法,ICP 質量分析法

バナジウム

N

−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン吸光光度分析法,フレーム原子吸光分析

法,電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光分析法,ICP 質量分析法

クロム

ジフェニルカルバジド吸光光度分析法,フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,

ICP

発光分析法,ICP 質量分析法

ベリリウム

フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光分析法,ICP 質量分析法

ひ素

ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度分析法,水素化合物発生原子吸光分析法 
電気加熱原子吸光分析法,水素化合物発生 ICP 発光分析法,ICP 質量分析法

セレン

ジアミノベンジジン吸光光度分析法,水素化合物発生原子吸光分析法,電気加熱原子吸光
分析法,ジアミノナフタレン蛍光光度分析法,水素化合物発生 ICP 発光分析法,ICP 質量
分析法


2

K 0083

:2006

     

5. 

試料採取方法

5.1 

カドミウム,鉛,ニッケル,マンガン,バナジウム,クロム,ベリリウム,ひ素及びセレンの試料

採取方法

5.1.1 

測定位置  測定位置は,JIS Z 8808 の 4.1(測定位置)による。

5.1.2 

測定点  測定点は,JIS Z 8808 の 4.3(測定点)による。

5.1.3 

試料採取装置  試料採取装置は,JIS Z 8808 の 8.1(ダスト試料採取装置の種類)に規定する

(1)

普通形試料採取装置又は(2)平衡形試料採取装置に,ガス吸収部を接続したものを用いる。

ガス吸収部は,分析成分が揮散してガス化したものを捕集する部分で,

図 1∼図 4-2 に示すように,ダ

スト捕集部とガス吸引部との間に接続する。ただし,

排ガス温度が予想される化合物の融点より十分低く,

ヒューム及びミスト状化合物が漏れ出していないことがこの規格の試料採取方法で確認された場合は,ガ

ス吸収部は接続しなくてもよい。

a) 

試料採取装置  試料採取装置は,ダスト捕集部,ガス吸収部,ガス吸引部及び吸引流量測定部で構成

する。ダスト捕集部は,ダスト捕集器の位置によって 1 形と 2 形とに区別し,1 形はダスト捕集器を

ダクト内に置き,2 形はダスト捕集器をダクト外に置く。いずれを用いてもよい。

普通形試料採取装置の構成例を,1 形の場合は

図 に,2 形の場合は図 に示す。また平衡形試料採

取装置の構成例を,手動採取の場合は

図 に,自動採取の場合は図 4-1 及び図 4-2 に示す。

  1  普通形試料採取装置の構成例(1 形)(一例)


3

K 0083

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  2  普通形試料採取装置の構成例(2 形)(一例)

  3  平衡形手動試料採取装置(動圧式)の構成例(一例)


4

K 0083

:2006

     

 4-1  平衡形自動試料採取装置(動圧式)の構成例(一例)

 4-2  平衡形自動試料採取装置(静圧式)の構成例(一例)

b) 

ダスト捕集部  JIS Z 8808 の 8.3.1(2)(ダスト捕集部)及び 8.3.2(2)(ダスト捕集部)の規定による。

ただし,ステンレス鋼を用いた吸引ノズルは,成分分析上の妨害となるおそれがあるので用いない。

1)

ダスト捕集器  ダスト捕集器は,JIS Z 8808 の 8.3.1(2.2)(ダスト捕集器)に規定するろ紙を用いる

ダスト捕集器による。ただし,ろ紙は,JIS K 0901 に規定するダスト試料捕集用ろ過材の性能試験

方法によって捕集率,圧力損失,吸湿率及び試験項目の含有量が明らかなものを選定する。


5

K 0083

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2)

吸引ノズル  吸引ノズルの例を図 に示す。この場合,材質は JIS K 0095 の 6.2(材質)に,構造

は JIS Z 8808 の 8.3.1(2.1)(吸引ノズル)による。吸引ノズルは,あらかじめ水で洗浄し,乾燥して

保存する。

単位  mm

  5  吸引ノズル(一例)

3)

導管  導管は,ダスト捕集器からガス吸収瓶までの間を接続するもので,材質は JIS K 0095 の 6.6

(導管)及び JIS K 0095 の 6.2(材質)による(

1

)

(

1

通常ほうけい酸ガラス製のものを用いる。

4)

導管,ダスト捕集器などの保温・加熱  排ガス中の水分が導管などに凝縮しないように,必要に応

じて導管,ダスト捕集器などを保温又は加熱する。

c) 

ガス吸収部  ガス吸収部は,吸収瓶及び冷却槽で構成する。

1)

試薬  試薬は,次による。

硝酸(113)  JIS K 8541 に規定する硝酸を用いて調製する。

塩酸(113)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

2)

吸収瓶  吸収瓶は,250∼300mL とし,その一例を図 に示す(材質はほうけい酸ガラスとする。)。

吸収瓶はあらかじめ硝酸 (1+13)  又は塩酸 (1+13),及び水で洗浄して乾燥しておく。吸収瓶は 2

本以上(

2

)

を用意し,分析項目によって次のような吸収液を用いる。

(

2

第 3 本目以降の吸収瓶については,ヒューム及びミスト状の化合物が漏れ出していないことを

第 1 及び第 2 吸収瓶と同様の定量操作を行うことによって確認する。第 3 以降の吸収瓶の定量

値が空試験値よりも大きくなった場合には,その結果を第 1,第 2 吸収瓶の値に加える。

また,必要に応じて吸収瓶の後段にバックアップフィルタを設置して,ヒューム及びミスト状

の化合物を捕集し,同様に定量する。

2.1) 

カドミウム,鉛,ニッケル,マンガン,バナジウム,クロム及びベリリウムの吸収液  それぞれ

の吸収瓶に硝酸 (1+13) 又は塩酸 (1+13) を,50 mL ずつ入れる(

3

)

(

3

)

分析方法として ICP 質量分析法を用いる場合は,吸収液に硝酸(1+13)を用いる。

2.2) 

ひ素の吸収液  それぞれの吸収瓶に水を 50 mL ずつ入れる。

2.3) 

セレンの吸収液  それぞれの吸収瓶に硝酸 (1+13) を 50 mL ずつ入れる。

300∼400

30∼50

φ4∼10

ほうけい酸ガラス又はシリカガラス

φ8

∼1

2


6

K 0083

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単位  mm

  6  吸収瓶(一例)

3)

冷却槽  冷却槽は,吸収瓶を収納し,吸収液を 0∼10  ℃に保つものとする(

4

)

(

4

一般に氷を入れて冷却する。

5.1.4 

試料の採取  試料の採取は,JIS Z 8808 の 9.(ダスト試料の採取方法)の規定による。

a) 

試料の採取方法の種類  試料の採取方法は,JIS Z 8808 の 9.2(ダスト試料の採取方法の種類)に規定

する方法のうち,(1)(各点採取法)又は(2)(移動採取法)のいずれかを用いる(

5

)

(

5

一般に移動採取法を用いる。

b) 

試料採取の準備は次による

1)

等速吸引のための吸引流量の計算  普通形試料採取装置を用いる場合は,JIS Z 8808 の 9.3.1(等速

吸引のための吸引流量の計算)に規定する計算式を用いる(

6

)

(

6

一般に,この計算式に用いるガスメータの圧力,温度などは,排ガスの水分量を測定したとき

の値を利用するが,ガス吸収部を設置した場合の冷却効果の影響を考慮して,高温の排ガス中

の水分量を測定するときには,吸湿瓶の後にガス吸収部を設置した状態で測定するのがよい。

2)

ダスト捕集器の準備  ダスト捕集器の準備は,JIS Z 8808 の 9.3.2(ダスト捕集器の準備)による。

分析と同時にダスト濃度を測定する場合以外は,ろ紙の乾燥,ひょう量などの操作を行う必要はな

い。

3)

ガス吸収瓶の準備  ガス吸収瓶には,分析成分によって,5.1.3 c) 1)に規定する吸収液 50mL ずつを

入れ,ダスト捕集器を通ったガスを導入し,ガス中の分析成分を吸収液に捕集するように準備する

(

7

)


7

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(

7

吸収瓶の容量は,等速吸引流量によって決定する。吸引流量が多くなれば,更に大容量の瓶と

交換し,吸収瓶のノズルが吸収液の液面に浸るように吸収液の量を調整する。発泡が激しい場

合には消泡板を用いてもよい。

c) 

試料の採取  試料の採取は,図 から図 4-2 に示す試料採取装置を用い,JIS Z 8808 の 9.4(ダスト試

料の採取)によって行う。

d) 

吸引ガス量の測定  試料採取のため吸引したガス量は,JIS Z 8808 の 9.5(吸引ガス量の測定方法)に

よって測定する。

5.2 

水素化ひ素,セレン化水素などのガス状化合物の試料採取方法

5.2.1 

測定位置の選定  測定位置は,JIS K 0095 の 5.1(採取位置)による。

5.2.2 

測定点の選定  測定点は,JIS K 0095 の 5.2(採取点)による。

5.2.3 

試料採取装置  試料採取装置は,次による。

a) 

試料採取装置の構成  試料採取装置の構成は,JIS K 0095 の 6.1(装置の構成)による。試料採取装置

の構成例を

図 に示す。

b) 

採取管  採取管は,JIS K 0095 の 6.3(採取管)に規定するものを用いる。材質は,JIS K 0095 の 6.2

による(

8

)

。採取管は,あらかじめ水で洗浄し,乾燥して保存する(

9

)

(

8

通常,ほうけい酸ガラス,シリカガラス,四ふっ化エチレン樹脂などを用いる。

(

9

水分が凝縮するおそれがある場合には,採取管からコック(P1)までの間を保温又は加熱する。

また,採取管から吸収瓶までの距離が短い場合は,

図 の P1 から P2 までの間のバイパスを付

けなくてもよい。

c) 

ろ過材  試料ガス中にばいじんなどが混入することを防ぐため,採取管の先端又は途中に適切なろ過

材を入れる(

10

)

(

10

通常は,シリカウール,無アルカリガラスウールなどを用いる。

  7  試料採取装置の構成例(一例)

d) 

吸収瓶  吸収瓶は,250∼300mL とし,例を図 に示す。この場合,材質はほうけい酸ガラスとする。

吸収瓶はあらかじめ硝酸 (1+13) 又は塩酸 (1+13),及び水で洗浄して乾燥しておく。吸収瓶は 2 本以


8

K 0083

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(

2

)

を用意し,次のような吸収液を用いる。

1)

ガス状ひ素化合物,水素化ひ素などの吸収液  それぞれの吸収瓶に吸収液(JIS K 8247 に規定する

過マンガン酸カリウム 0.5g を水に溶かして 100 mL とする。

)を 50 mL ずつ入れる。

2)

ガス状セレン化合物,セレン化水素などの吸収液  それぞれの吸収瓶に臭素飽和臭化水素酸(JIS K 

8509

に規定する臭化水素酸の 1 容に水 12 容を加えた後,JIS K 8529 に規定する臭素を加えて臭素

を飽和させたもの。

)を 50mL ずつ入れる。

e) 

冷却槽  冷却槽は,吸収瓶を収納し,吸収液の温度を 0∼10  ℃に保つものとする(

4

)

単位  mm

  8  吸収瓶(一例)

5.2.4 

試料の採取  試料の採取は,図 に示す試料採取装置を用い,JIS K 0095 の 7.(化学分析による場

合の試料採取)によって行う。

a) 

吸引ガス量の測定  試料採取のため吸引したガス量は,JIS K 0095 の 7.3.6(試料ガス採取量)によっ

て測定する。採取流量は,1L/min 程度にする。

6. 

試料溶液の調製

6.1 

カドミウム,鉛,ニッケル,マンガン及びバナジウムの試料溶液の調製

6.1.1 

試薬  試薬は,次による。

a) 

硝酸 (11)  JIS K 8541 に規定する硝酸を用いて調製する。

b) 

過酸化水素  JIS K 8230 に規定するもの。

c) 

塩酸 (298)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。


9

K 0083

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6.1.2 

操作  操作は,次による。

a) 

吸収瓶を設けないでろ紙だけに試料採取した場合

1)

試料ガスからの捕集物(

11

)

の付着したろ紙を適正な大きさに切り,ビーカー200 mL に入れ,硝酸 (1

+1) 30 mL 及び過酸化水素 5 mL を加え,

時計皿で覆い,

加熱板又は沸騰水浴上で 1 時間加熱する。

2)

室温まで放冷後,時計皿を温水 10 mL で洗い,洗液をろ紙 5 種 B でろ過する。次に,固形物がな

るべくビーカー内に残るように注意しながら,上澄み液を 6.1.2 a) 1)のろ紙を用いてろ過する。

3)

ビーカー内の残留物に硝酸  (1+1) 20 mL を加え,加熱板又は沸騰水浴上で 10 分間加熱する。

4)

放冷後,6.1.2 a) 1)のろ紙でろ過し,更にビーカー内の残留物を温水で洗い,洗液を 6.1.2 a) 1)のろ

紙でろ過する。すべてのろ液をビーカー100 mL に移す。

5)

水浴上で蒸発乾固する。

6)

温塩酸  (2+98) 10 mL を加え,加熱板又は沸騰水浴上で加熱して溶かし,冷却後,全量フラスコ 100 
mL に移し入れ,水を標線まで加え,これを試料溶液とする(

12

)

7)

別に,ろ紙について 1)6)と同様に操作して空試験溶液を調製する。

(

11

吸引ノズルからろ紙までの管の内面に付着したものも適正な方法で集める。例えば,筒内から

付着したものを振り出し,次に少量の塩酸 (2+98)又は分析方法として ICP 質量分析法を用いる

場合には少量の硝酸(2+98)で洗い,すべてをビーカーに集める。ただし,クロムの場合,水及

び水溶液は用いないで集める。

(

12

試験方法として ICP 質量分析法を用いる場合は,温硝酸(2+98)を用いる。

備考  附属書(規格)による。

b) 

吸収瓶を設けてろ紙とともに溶液にも吸収させて試料採取した場合

1)

試料ガスからの捕集物(

11

)

の付着したろ紙については,a) 1)4)による。

2)

一方,吸収瓶中の溶液については,これをビーカー300 mL に入れ,導管及び吸収瓶を水 10∼20 mL

で洗い,洗液をビーカー300 mL に合わせた後,硝酸  (1+1) 10 mL 及び過酸化水素 5 mL を加え,

加熱板又は沸騰水浴上で乾固近くまで加熱する。

3)

有機物の分解が困難なときには,液が淡黄色又は無色となるまで 2)の操作を繰り返した後,内容物

をろ過し,ろ液を a) 4)のビーカー100 mL に入れ,ビーカー300 mL 内の残留物を少量の水で洗い,

洗液もろ過してビーカー100 mL に合わせる。

4)

次に,a) 5)  ∼6)の操作を行う。

5)

別に,ろ紙及び吸収液について 1)4)と同様に操作して空試験溶液を調製する。

備考  附属書(規格)による。

6.2 

クロム試料溶液の調製

6.2.1 

試薬  試薬は,次による。

a) 

硫酸 (12)  JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。

b) 

ふっ化水素酸  JIS K 8819 に規定するものとする。

c) 

炭酸ナトリウム  JIS K 8625 に規定するものとする。

d) 

硝酸ナトリウム  JIS K 8562 に規定するものとする。

e) 

硝酸 (11)    JIS K 8541 に規定する硝酸を用いて調製する。

6.2.2 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

a) 

磁器るつぼ


10

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b) 

白金るつぼ  内容量 20∼30 mL のものとする。

c) 

電気炉

6.2.3 

操作  操作は,次による。

a) 

吸収瓶を設けないでろ紙だけに試料採取した場合

1)

試料ガスからの捕集物(

11

)

の付着したろ紙を適切な大きさに切り,磁器るつぼに入れ,電気炉を用い

て徐々に温度を上げて 550  ℃で 2 時間加熱する(

13

)

2)

るつぼの内容物を白金るつぼに移す。これにふっ化水素酸 20 mL (

14

)

硫酸数滴を徐々に加え,ドラ

フト内において加熱板上で硫酸の白煙が発生し始めるまで加熱する。放冷した後,ふっ化水素酸
10mL を加え,硫酸の白煙がほとんどなくなるまで加熱する。さらに,白金るつぼを直火で徐々に

温度を上げ,硫酸の白煙が発生しなくなるまで加熱し,放冷する。

3)

白金るつぼに炭酸ナトリウム 5 g 及び硝酸ナトリウム 0.3 g を加えよく混合し,ふたをした後,直

火で徐々に温度を上げ,約 900  ℃で時々るつぼを揺り動かし,内容物をよく混ぜ合わせ,約 20 分

間加熱する。

4)

放冷後,白金るつぼに温水を加え,融成物(

15

)

をビーカー200 mL に移す。

5)

ビーカーを水浴上で加熱してクロム酸塩を浸出する。これをろ紙 5 種 B を用いてろ過し(

16

)

,ろ紙

上の沈殿物を温水で洗浄する(

17

)

6)

ろ液と洗液とを合わせ,硫酸 (1+2) を加えて中和する。これを蒸発して(

18

)

冷却後,全量フラスコ

100 mL に移し,水を標線まで加え,試料溶液とする。

7)

別に,ろ紙について 1)6)と同様に操作して(

19

)

空試験溶液を調製する。

(

13

分析試料の灰化操作は,試料中の有機物の灰化を目的としたものであり,この操作によってア

ルカリ融解するとき,有機物の分解による激しい反応によって生じる融成物の損失を防ぐとと

もに白金るつぼの損傷を避けることができる。

(

14

灰化が終わった試料についてのふっ化水素酸処理の操作は,けい酸を四ふっ化けい素とした揮

散除去によって後に行う融解反応を促進させるものである。硫酸の白煙を発生させるときの加

熱は,突沸させないように注意し,加熱板の温度に配慮して行う。

(

15

アルカリ融成物を温水を用いて白金るつぼから取り出すのが困難なときは,白金るつぼ及びふ

たを温水約 50 mL を加えたビーカー200 mL に入れ,5)の操作を行う。ろ過する前に,るつぼ及

びふたは水洗して取り出しておく。洗液は,ビーカーに加える。

(

16

ろ過に長時間をかけると,負の誤差を生じやすいので,70∼80  ℃でろ過するとよい。

(

17

不溶解物中にクロム分が残存するおそれのあるときは,不溶解物は,ろ紙ごと乾燥した後,再

び灰化処理を行い,この灰分について融解操作を繰り返す。

(

18

液量が 100 mL を超える場合には濃縮操作が必要であるが,ろ液と洗液とを合わせても 80 mL

以下であれば,この操作を行う必要はない。

(

19

このとき 3)の加熱操作は,るつぼの内容物が融解状態となるところまででよい。

(

20

煮沸して二酸化炭素を追い出すとともに,完全に溶解し,液量を 80 mL 程度以下とする。

備考  吸光光度分析法以外によって定量するときは,6)7)の操作に代えて,次の操作を行う。

ろ液と洗液とをビーカー200 mL にとり,硝酸 (1+1) 20 mL を加え,これを蒸発し(

20

)

,冷却

後全量フラスコ 100 mL に移し,水を標線まで加え,試料溶液とする。

別に,ろ紙について同様に操作して(

19

)

空試験溶液を調製する。

b) 

吸収瓶を設けてろ紙とともに吸収液にも吸収させて試料採取した場合


11

K 0083

:2006

     

1)

試料ガスからの捕集物(

11

)

の付着したろ紙については,a)1)の操作を行った後,るつぼの内容物を白

金るつぼに移す。

2)

一方,吸収瓶中の溶液については,ビーカー300 mL に入れ,導管及び吸収瓶を水 10∼20 mL で洗

い,洗液をビーカー300 mL に合わせた後,硝酸  (1+1) 10 mL 及び硫酸  (1+2) 1 mL を加え,加熱

板で乾固近くまで加熱する。このとき,有機物の分解が困難な場合には,液が淡黄色又は無色とな

るまで硝酸 (1+1) 10 mL を加えて,加熱板上で乾固近くまで加熱を繰り返す。冷却後,内容物を

1)

の白金るつぼに合わせる。

3)

白金るつぼにふっ化水素酸 20 mL(

14

)

を徐々に加え,

ドラフト内において加熱板上で硫酸の白煙が発

生し始めるまで加熱する。放冷した後,ふっ化水素酸 10 mL を加え,硫酸の白煙がほとんどなくな

るまで加熱する。さらに,白金るつぼを直火で徐々に温度を上げ,硫酸の白煙が発生しなくなるま

で加熱し,放冷する。

4)

以下,a)の 3)6)  の操作を行う。

5)

別に,ろ紙及び吸収液について 1)4)と同様に操作して空試験溶液を調製する。

参考  採取した試料は,次の操作によって処理し,試料溶液を調製してもよい。

試料ガスからの捕集物の付着したろ紙を適切な大きさに切り,ニッケルるつぼに入れ,電気

炉を用いて徐々に温度を上げて 550  ℃で 2 時間加熱する。放冷後,過酸化ナトリウム約 5 g を

加えよく混合し,更に少量の過酸化ナトリウムで表面を覆い,バーナーの直火で初めは徐々に

加熱し,内容物が溶融状となってから温度を上げ,約 3 分間赤熱状(あまり高温にしない。

)と

して融解後,放冷する。

るつぼを,50 mL の水を加えたビーカー300 mL に入れた後,温水 50 mL を注意しながら少し

ずつ加え,加熱しているつぼの内容物を浸出する。次に,るつぼを水で洗って取り出し,浸出

液をかき混ぜながら過酸化ナトリウムを少量ずつ加えて加熱・煮沸して,クロムを完全にクロ

ム (VI) に酸化するとともに過剰の過酸化ナトリウムを分解する。

全量フラスコ 250 mL に沈殿物ごと移し,水を標線まで加えてよく振り混ぜた後,放置する。

上澄み液をろ紙 5 種 B でろ過し,初めのろ液 10 mL は捨て,次のろ液を試料溶液とする。

別に,ろ紙について同様に操作し,空試験溶液を調製する。

なお,吸収瓶を設けてろ紙とともに溶液にも吸収させて試料採取した場合には,b)の操作に

準じて,試料溶液及び空試験溶液を調製する。

ニッケルるつぼのほか,鉄,アルミナ又はジルコニア製のるつぼを用いることができる。ス

テンレス鋼製のるつぼはさみは使用しない。

6.3 

ベリリウム試料溶液の調製

6.3.1 

試薬  試薬は,次による。

a) 

硝酸  JIS K 8541 に規定するものとする。

b) 

ふっ化水素酸  JIS K 8819 に規定するものとする。

c) 

硫酸  JIS K 8951 に規定するものとする。

d) 

過塩素酸 (60%)  JIS K 8223 に規定するものとする。

e) 

塩酸 (21)    JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

6.3.2 

操作  操作は,次による。

a) 

吸収瓶を設けないでろ紙だけに試料採取した場合

1)

試料ガスからの捕集物(

11

)

の付着したろ紙を適切な大きさに切り,四ふっ化エチレン樹脂ビーカー


12

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100 mL に入れ,硝酸 30 mL,ふっ化水素酸 10 mL 及び硫酸 2 mL を加えて加熱板上で硫酸の白煙

が発生するまで穏やかに加熱する。

2)

放冷後,硝酸 10 mL 及び過塩素酸  (60 %) 5 mL を加え,徐々に温度を上げて濃厚な硫酸の白煙が

発生するまで加熱する。

3)

試料中の有機物の分解が困難なときには,

液が淡黄色又は無色となるまで 2)の操作を繰り返した後,

蒸発乾固する。

4)

放冷後,塩酸 (2+1) 10 mL を加え,時計皿で覆い,水浴上で約 1 時間加熱溶解し,ろ紙 5 種 A を

用いてろ過し,ろ液を全量フラスコ 50 mL に移す。ろ紙上の残留物を水洗し,洗液をろ液に合わせ,

水を標線まで加え,これを試料溶液とする(

21

)

5)

別に,ろ紙について 1)∼4)と同様に操作して空試験溶液を調製する。

(

21

分析方法として ICP 質量分析法を用いる場合は,硝酸(2+1)を用いる。

b) 

吸収瓶を設けてろ紙とともに吸収液にも吸収させて試料採取した場合

1)

試料ガスからの捕集物(

11

)

の付着したろ紙を適切な大きさに切り,四ふっ化エチレン樹脂ビーカー

100 mL に入れ,硝酸 30 mL,ふっ化水素酸 10 mL 及び硫酸 2 mL を加えて加熱板上で硫酸の白煙

が発生するまで穏やかに加熱した後,放冷する。

2)

一方,吸収瓶中の溶液をビーカー300 mL に入れ,導管及び吸収瓶を水 10∼20 mL で洗い,洗液を

ビーカー300 mL に合わせた後,加熱板上で加熱し,約 50 mL まで濃縮する。内容物を 1)の四ふっ

化エチレン樹脂ビーカー100 mL に入れ,少量の水で洗い,洗液も四ふっ化エチレン樹脂ビーカー

100 mL に合わせる。

3)

以下,a)2)4)の操作を行う。

4)

別に,ろ紙及び吸収液について 1)3)と同様に操作して空試験溶液を調製する。

6.4 

ひ素及びセレンの試料溶液の調製

6.4.1 

試薬  試薬は,次による。

a) 

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

b) 

硫酸 (11)    JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。

c) 

過塩素酸 (60 %)  JIS K 8223 に規定するもの。

6.4.2 

操作  操作は,次による。

a) 

試料ガスからの捕集物(

11

)

の付着したろ紙を適切な大きさに切り,ビーカー250 mL に入れ,硝酸 50 mL

及び硫酸 (1+1) 5 mL を加えて静かに 10 分間加熱分解し,温水 25 mL を加えて静置した後,その上澄

み液を別のビーカー300 mL に移す。

b) 

ビーカー250 mL 内の残留物に硝酸 50 mL を加え,徐々に温度を上げて 10 分間加熱した後,温水 25 mL

を加えてろ紙 5 種 A を用いてろ過し,ろ液を 1)のビーカー300 mL に合わせる。

c) 

一方,吸収瓶中の溶液を先のビーカー300mL に入れ,導管及び吸収瓶を水 10∼20 mL で洗い,洗液を

ビーカー300 mL に合わせる。

d) 

硝酸 5 mL 及び過塩素酸  (60 %) 5 mL を加えて,再び徐々に温度を上げ,過塩素酸の白煙が発生し始

めたら時計皿でおおい,過塩素酸がビーカーの器壁を流下する状態を保って有機物を分解する。

e) 

試料中の有機物の分解が困難な場合には,液が淡黄色又は無色となるまで d)の操作を繰り返す(

22

)

。ビ

ーカーの器壁を少量の水で洗い,再び白煙が発生するまで有機物を分解する。

f) 

放冷後,水 100 mL を加えて可溶性塩を溶かし,ろ紙 5 種 A を用いてろ過し,全量フラスコ 250 mL

にろ液を移す。ろ紙上の残留物を水洗し,洗液をろ液に合わせ,水を標線まで加え,試料溶液とする。


13

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g) 

別に,ろ紙及び吸収液について a)f)と同様に操作して空試験溶液を調製する。

(

22

硝酸及び過塩素酸の添加量は,空試験溶液調製時においても同様とする。

6.5 

ガス状ひ素化合物及びガス状セレン化合物(水素化ひ素,セレン化水素など)の試料溶液の調製

6.5.1 

試薬  試薬は,次による。

a) 

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (100 g/l)  JIS K 8201 に規定する塩化ヒドロキシルアンモニウム

10 g

を水に溶かして 100 mL とする(

23

)

(

23

)

分析方法として ICP 質量分析法を用いる場合は,

:アルゴン塩素(ArCl)の分子イオンの影響が

ないことを確かめて行う。

b) 

塩酸 (1120)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する(

24

)

(

24

)

分析方法として ICP 質量分析法を用いる場合は,硝酸(1+120)を用いる。

6.5.2 

操作  操作は,次による。

a) 

試料を採取した吸収瓶の内容液を全量フラスコ 250 mL に移し,吸収瓶,接続管などを水で洗浄して,

洗液を全量フラスコに合わせ,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (100 g/L) を過マンガン酸カリウ

ム又は臭素の色が消えるまで滴加した後,塩酸 (1+120) を標線まで加える。これを試料溶液とする。

(

25

)

分析方法として ICP 質量分析法を用いる場合は,硝酸(1+120)を用いる。

b) 

別に,吸収液について a)と同様に操作して空試験溶液を調製する。

7. 

カドミウムの分析方法  カドミウムの分析方法は,フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析

法,ICP 発光分析法又は ICP 質量分析法を用いる。

7.1 

フレーム原子吸光分析法  試料溶液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,カドミウムによる原

子吸光を波長 228.8nm で測定してカドミウムを定量する。

定量範囲:Cd  0.05∼2 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

カドミウム標準液 (Cd 0.1mg/mL)  カドミウム(99.9 %以上)0.100 g をとり,硝酸  (1+1) 20 mL

に溶かす。煮沸して窒素酸化物を追い出し,放冷した後,全量フラスコ 1 000 mL に移し,水を標

線まで加える。又は,JIS K 0012 に規定するカドミウム標準液の Cd100 を用いる。

2)

カドミウム標準液 (Cd 10

µg/mL)  1)のカドミウム標準液  (Cd 0.1 mg/mL) 50 mL を全量フラスコ

500 mL にとり,硝酸  (1+1) 10 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

フレーム原子吸光分析装置

2)

カドミウム中空陰極ランプ

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液を JIS K 0121 の 6.(操作方法)の操作に従って,フレーム中に噴霧し,分

析波長 228.8 nm で指示値(

26

)

を読みとる。

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

3)

検量線からカドミウムの量を求め,試料溶液中のカドミウムの濃度 (Cd mg/L) を算出する。検量

線は次による。

検量線  カドミウム標準液 (Cd 10

µg/mL) 0.5∼20 mL(

27

)

を全量フラスコ 100 mL に段階的にとり,


14

K 0083

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試料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える(

28

)

。この溶液について 1)の操

作を行う。別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸

を加えた後,1)の操作を行って標準液について得た指示値を補正し,カドミウム (Cd) の量と指示

値との関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

26

吸光度又はその比例値。

(

27

溶媒抽出法を適用するときは,カドミウム標準液 (Cd 10

µg/mL)  の量を適宜減らす。

(

28

次の

備考 1.  又は備考 2.によって,酢酸ブチル層,4−メチル−2−ペンタノン層又は 2,  6−ジ

エチル−4−ヘプタノン層をそのまま噴霧する場合の検量線の作成は,次による。

カドミウム標準液 (Cd 10

µg /mL)  を適切な濃度 (Cd 0.1∼1µg /mL)  に薄め,その 0.5∼20mL

を段階的にとり,約 100 mL とした後,試料溶液と同様に

備考 1.又は備考 2.並びに 1)及び 2)

行って,カドミウム (Cd) の量と指示値との関係線を作成する。

備考1.  試料溶液の適量をとり,くえん酸水素二アンモニウム溶液 (100g/L) 10mL 及び指示薬として

メタクレゾールパープル溶液 (1g/L) 2,3 滴を加えた後,アンモニア水 (1+1) を溶液の色が

わずかに紫になるまで加える。

ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム溶液 (10g/L) 5 mL を加えて振り混ぜた後,JIS K 

8377

に規定する酢酸ブチル 20 mL を加え,約 1 分間激しく振り混ぜて静置する。酢酸ブチル

層を分離し,ビーカー100 mL に入れる。

水層に酢酸ブチル 5 mL を加え抽出操作を繰り返す。

抽出した酢酸ブチル層は先のビーカーに合わせる。

抽出した酢酸ブチル層に酢酸ブチルを加えて液量を一定量にしたもの,又は抽出条件を一

定にして,1 回抽出を行った酢酸ブチル層をそのまま噴霧して原子吸光分析する。酢酸ブチ

ルに代え,JIS K 8903 に規定する 4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン)を

用いてもよい。

2. 

試料溶液の適量をとり,pH を 3.5∼4.0 に調整する。硫酸アンモニウム溶液(飽和)20 mL を

加える。1−ピロリジンカルボジチオ酸アンモニウム(ピロリジン−N−ジチオカルバミン酸

アンモニウム) (APDC) 溶液 (10g/L) 5 mL を加え,静かに振り混ぜた後,3 分間放置する。

次に,JIS K 8903 に規定する 4−メチル−2−ペンタノン 10mL を加え,3 分間激しく振り混

ぜた後,有機層と水層とを完全に分離する。有機層には,カドミウムのほかニッケル,鉛な

どが含まれる。

なお,4−メチル−2−ペンタノンの代わりに 2,  6−ジメチル−4−ヘプタノン (DIBK) を

用いてもよい。この場合は,2,  6−ジメチル−4−ヘプタノンは,水との相互溶解がほとん

どないので,その添加量を少なくしてもよい。

3. 

試料溶液中に多量の亜鉛,銅などが含まれている場合には,試料溶液の適量に JIS K 8509 

規定する臭化水素酸を加えて約 0.5 mol/L の臭化水素酸溶液とし,その 50 mL に対してトリ

オクチルアミンの 4−メチル−2−ペンタノン溶液  (1 vol%) 10 mL を加えて振り混ぜ,カドミ

ウムを抽出する。抽出した 4−メチル−2−ペンタノン層をそのまま噴霧して原子吸光分析す

る。

4. 

アルカリ金属のハロゲン化物が多量に存在すると,その分子吸収,光散乱などによって正の

誤差を生じる。このような場合には,あらかじめカドミウムを分離するか,又はバックグラ

ウンド補正装置を用いる。


15

K 0083

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7.2 

電気加熱原子吸光分析法  試料を前処理した後,マトリックスモディファイヤーとして硝酸パラジ

ウム(Ⅱ)を加え,電気加熱炉で原子化し,カドミウムによる原子吸光を波長 228.8 nm で測定してカドミ

ウムを標準添加法によって定量する。

定量範囲: Cd 0.5∼10 µg/L,

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10  %(装置及び測定条件によって異なる。)

備考  この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少ない

試料に適用し,測定時の酸濃度は一定となるように調製する。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸(1+1)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬-硝酸を用いて調製する。

3)

硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd 1 000 

µg/mL)  原子吸光分析用マトリックスモディファイヤーの硝酸

パラジウム(Ⅱ)の溶液を希釈して用いる。

4)

カドミウム標準液(Cd 0.1mg/mL)  7.1 a)2)のカドミウム標準液(Cd 10/mL)10 mL を全量フラスコ 1 
000 mL にとり,硝酸(1+1)20 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

電気加熱原子吸光分析装置  電気加熱方式でバックグラウンド補正が可能なもの。

2)

発熱体  黒鉛製又は耐熱金属製のもの。

3)

カドミウム中空陰極ランプ

4)

フローガス  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のものとする。

5)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計 10∼500l 又は自動

注入装置。

c) 

準備操作  準備操作は,次による。

1)

試料を 6.1 によって処理する。

d) 

操作  操作は,次による。

1)  c)

の準備操作を行った試料の適量をそれぞれ全量フラスコ 20 mL にとり,カドミウム標準液(Cd

0.1/mL)を加えないものと,0.1∼2 mL の範囲で段階的に 3 濃度以上添加したものとを調製し,そ

れぞれの溶液の酸の濃度が同じになるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)

この溶液の一定量(例えば,10∼50 L)及びそれと同体積の硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd 1 000/mL)

を,マイクロピペット又は自動注入装置を用いて電気加熱炉に注入する。JIS K 0121 の 6.(操作方法)

の操作に従って,乾燥(100∼120  ℃,30∼40 秒間),灰化(500∼800  ℃,30∼40 秒間),原子化(

29

)

(1 600∼2 200  ℃,3∼6 秒間)し,波長 228.8 nm の指示値(

30

)

を読みとる。

3)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

(

29

乾燥,灰化,原子化の条件は装置によって異なる。また,試料の注入量及び共存する塩類の濃

度によっても異なることがある。

(

30

引き続いて少なくとも 2)の操作を 3 回繰り返し,指示値が合うことを確認する。

7.3 ICP

発光分析法  試料溶液を誘導結合プラズマ中に噴霧し,カドミウムによる発光を波長 214.438 nm

で測定して,カドミウムを定量する。

定量範囲:Cd 0.008∼2 mg/L


16

K 0083

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繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

カドミウム標準液 (Cd 8

µg/mL)    7.1a)1)のカドミウム標準液  (Cd 0.1 mg/mL) 40 mL を全量フラ

スコ 500 mL にとり,硝酸  (1+1) 10 mL を加えた後,水を標線まで加える。

2)

混合標準液 [(Cd 8

µg Pb 10µg Ni 10µg Mn 10µg) /mL]    7.1 a)1)のカドミウム標準液 (Cd 0.1

mg/mL) 40 mL,8.1 a)1)の鉛標準液 (Pb 0.1 mg/mL) 50 mL,9.1 a)9)のニッケル標準液 (Ni 0.1 
mg/mL) 50 mL 及び 9.1 a)4)のマンガン標準液  (Mn 0.1 mg/mL) 50 mL のそれぞれを全量フラスコ
500mL にとり,硝酸 (1+1) 3 mL を加えて,水を標線まで加える。この溶液は使用の都度調製す

る。

b) 

装置  ICP 発光分析装置

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液を JIS K 0116 の 5.(ICP 発光分光分析)に従って,プラズマトーチ中に噴

霧し,波長 214.439 nm の発光強度を測定する  (

31

) (

32

) (

33

)

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)  の操作を行って,試料溶液について得た発光強

度を補正する。

3)

検量線からカドミウムの量を求め,試料溶液中のカドミウムの濃度 (Cd mg/L) を算出する。検量

線の作成は,次による。

検量線  カドミウム標準液 (Cd 8

µg/mL) 0.1∼25 mL (

34

) (

35

)

を全量フラスコ 100 mL に段階的にと

り,試料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 1)

操作を行う。別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように

酸を加えた後,1)の操作を行って,標準液について得た発光強度を補正し,カドミウム (Cd) の量

と発光強度との関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

31

内標準法によることができる。内標準法を用いるときは,試料溶液の適量を全量フラスコ 100mL

にとり,イットリウム溶液 (Y 50

µg/mL)  [酸化イットリウム  (III) 0.318 g をとり,JIS K 8180

に規定する塩酸 5mL を加え加熱して溶かし,冷却後,全量フラスコ 250 mL に移し入れ,水を

標線まで加える。この溶液 10 mL を全量フラスコ 200 mL にとり,水を標線まで加える。

]10 mL

を加え,c)1)の試料溶液と同じ条件になるように,酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶

液について c)1)の噴霧操作を行って,波長 214.438 nm 及び 371.029 nm(イットリウム)の発光

強度を測定し,カドミウムとイットリウムとの発光強度の比を求める。

別に,カドミウム標準液 (Cd 8

µg/mL) 0.1∼25 mL を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,イ

ットリウム溶液 (Y 50

µg/mL) 10 mL をそれぞれ加え,c)1)の試料溶液と同じ条件になるように

酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について c)1)の噴霧操作を行って,波長 214.438

nm

及び 371.029 nm の発光強度を測定し,カドミウムの濃度に対するカドミウムとイットリウ

ムとの発光強度比の関係線を作成し,検量線とする。この検量線から,試料溶液について得た

発光強度の比に相当するカドミウムの量を求め,試料溶液中のカドミウムの濃度 (Cd mg/mL)

を算出する。

(

32

塩の濃度が高い試料溶液で,検量線法が適用できない場合には,JIS K 0116 の 5.8.3(2)(標準添

加法)に規定する標準添加法を用いるとよい。ただし,この場合は,試料溶液の種類によらず

バックグラウンド補正を行う必要がある。

(

33

高次のスペクトル線が使用可能な装置では,高次のスペクトル線を用いて測定してもよい。ま


17

K 0083

:2006

     

た,精度,正確さを確認してあれば,他の波長を用いてもよい。

(

34

備考の操作を行い,キシレン層をそのまま噴霧する場合の検量線は,カドミウム標準液 (Cd 8 
µg/mL)  を適切な濃度 (Cd 0.1∼0.8 µg/mL)  に薄め,その 0.1∼25 mL を段階的にとり,一定量と
した後,試料溶液と同様に

備考及び c)1)と 2)の操作を行って,カドミウム (Cd) の量と発光強

度との関係線を作成する。

(

35

カドミウム,鉛,ニッケル及びマンガンを同時に試験する場合には a)2)の混合標準液を用いて,

それぞれの金属元素の試験条件で検量線を作成するとよい。

備考  試料溶液のナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウムなどの濃度が高く,カドミウム

の濃度が低い場合には,次のような操作を行った後,測定してもよい。

試料溶液の適量をビーカーにとり,酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液 (pH5) [JIS K 8371 に規定

する酢酸ナトリウム三水和物 19.2 g と JIS K 8355 に規定する酢酸 3.4 mL とを水に溶かして 1L

とする。

]10 mL を加え,アンモニア水 (1+1) 又は硝酸 (1+10) で pH を 5.2 に調整する。この

溶液を分液漏斗 1 L(又は 200∼500 mL)に移し,1−ピロリジンカルボジチオ酸アンモニウム

溶液  (20 g/L) 2 mL,ヘキサメチレンアンモニウムヘキサメチレンカルバモジチオ酸(ヘキサメ

チレンアンモニウムヘキサメチレンジチオカルバミド酸)のメタノール溶液  (20 g/L) 2 mL を加

えて混合した後,JIS K 8271 に規定するキシレンの一定量 (5∼20 mL)  を加えて約 5 分間激し

く振り混ぜ静置する。水層を捨てキシレン層を共栓試験管に入れ,カドミウムの定量に用いる。

また,この溶液は,カドミウム,鉛,ニッケル,マンガン及びバナジウムの定量に用いること

ができる。

なお,この操作に用いる酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液 (pH5) は,使用前に 1−ピロリジンカ

ルボジチオ酸アンモニウム溶液  (20 g/L) 2 mL,ヘキサメチレンアンモニウムヘキサメチレンカ

ルバモジチオ酸のメタノール溶液  (20 g/L) 2 mL 及びキシレン 5∼20 mL を加えて振り混ぜ,精

製したものを用いる。

7.4 ICP

質量分析法  試料溶液に内標準物質を加え,試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,

カドミウム及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンの電流を測定し,カドミウムのイオン

の電流と内標準物質とのイオン電流との比を求めてカドミウムを定量する。

定量範囲:Cd 0.5∼25

µg/L,Cd 10∼500 µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

3)

イットリウム溶液(Y 1 

µg/mL)  7.3 の注  (

31

)

のイットリウム溶液(Y 50

µg/mL) 20 mL を全量フラス

コ 1 000 mL にとり,硝酸(1+1) 1.5 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。7.4

  (

37

)に規定するようにイットリウム以外の適切な内標準物質を用いてもよい。

4)

カドミウム標準液(Cd 1 

µg/mL)  7.1a)1)のカドミウム標準液  (Cd 0.1mg/mL) 10 mL を全量フラス

コ 1 000 mL にとり,硝酸  (1+1) 20 mL を加えた後,水を標線まで加える。

5)

カドミウム標準液(Cd 50 ng/mL)  4)のカドミウム標準液(Cd 1

µg/mL)50 mL を全量フラスコ 1 000

mL にとり,硝酸(1+1)3 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

6)

混合標準液[(Cd 1 

µg Pb 1 µg Ni 1 µg Mn 1µg V 1 µg)/mL]  7.1a)1)のカドミウム標準液 (Cd


18

K 0083

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0.1mg/mL) 10 mL,8.1a)1)の鉛標準液  (Pb 0.1 mg/mL) 10 mL,8.1a)9)のニッケル標準液 (Ni 0.1 
mg/mL) 10 mL,10.1a)4)のマンガン標準液  (Mn 0.1 mg/mL) 10 mL 及び 11.1a)5)のバナジウム標準

液  (V 0.1 mg/mL) 10 mL をそれぞれ全量フラスコ 1 000 mL にとり,

硝酸(1+1)1.5 mL を加えた後,

水を標線まで加える。使用時に調製する。

7)

混合標準液[(Cd 50 ng  Pb 50 ng  Ni 50 ng  Mn 50 ng V 50 ng)/mL]  7.1a)2)のカドミウム標

準液 (Cd 10

µg/mL) 5 mL,8.2a)2)の鉛標準液 (Pb 10 µg/mL) 5 mL,9.3a)1)のニッケル標準液 (Ni

10 µg/mL) 5 mL,10.3a)1)のマンガン標準液 (Mn10 µg/mL) 5 mL,11.3a)1)のバナジウム標準液 (V 
10 µg/mL) 5 mL をそれぞれ全量フラスコ 1 000 mL にとり,硝酸(1+1)1.5 mL を加えた後,水を標
線まで加える。使用時に調製する。

b) 

装置  装置は,ICP 質量分析装置を用いる。

備考1.  イオン源として,誘導結合プラズマと同等の性能をもつものを用いてよい。

2. 

サンプリングコーン及びスキマーコーンの材質からの汚染が認められないことを確認する。

c) 

操作  操作は,次による(

36

) (

37

)

1)  6.1

で調製した試料溶液の適量(Cd として 0.05∼50

µg を含む。)を全量フラスコ 100 mL にとり,

イットリウム溶液(Y 1

µg/mL)1 mL を加え硝酸の最終濃度が 0.1∼0.5 mol/L の一定濃度となるよう

に硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  ICP

質量分析装置を作動できる状態にし,1)の溶液を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴

霧して,カドミウムとイットリウムの質量/荷電数(

38

における指示値(

39

を読み取り,カドミウム

の指示値とイットリウムとの指示値との比を求める。

3)

空試験として試料と同量の水をとり,同様に 1)4)の操作を行い,カドミウムの指示値とイットリ

ウムとの指示値との比を求め,試料について得たカドミウムとイットリウムとの指示値の比を補正

する。

4)

検量線からカドミウムの量を求め,試料中のカドミウムの濃度(Cd

µg/L)を算出する。

検量線  カドミウム標準液 (Cd 50ng/mL 又は Cd 1

µg/mL)1∼50 mL(

40

を全量フラスコ 100 mL に段

階的にとり,イットリウム溶液(Y 1

µg/mL)1 mL  を加え,1)の試料と同じ酸の濃度になるように硝酸

(1+1)

を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 2)の操作を行う。

別に,空試験として全量フラスコ 100 mL にイットリウム溶液(Y 1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料

と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を加え,水を標線まで加えた後,2)の操作を行って標準液に

ついて得た指示値の比を補正した後,カドミウム(Cd)の量に対する指示値とイットリウムの指示値

との比の関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

(

36

分析者からの汚染がないように注意する。JIS T 9107 に規定するゴム手袋(打粉のないもの)など

を用いるとよい。

(

37

妨害物質の存在が不明の場合には,定量の前に ICP 質量分析計による定性分析を行うことによ

って目的とする元素及び内標準物質の測定質量数に対する妨害を推定することができる。妨害

が認められる場合には,内標準物の変更及び試料の希釈又は前処理を行って妨害の軽減をはか

る。

(

38

質量数を設定するには,表 2 を参考にするとよい。安定同位体がある場合,複数の同位体の質

量/荷電数を用いて測定を行うことによってスペクトル干渉による妨害を推定することができ

る。分子イオンが妨害する場合には,コリジョンセルなどを用いて分子イオンの生成を抑えて

もよい。それでも影響を受ける場合は,適切な分離方法を用いて妨害となるマトリックスを除


19

K 0083

:2006

     

去した後,測定を行う。

(

39

)

目的元素の質量/荷電数におけるイオン電流又はその比例値。

(

40

)

カドミウム,鉛,ニッケル,マンガン及びバナジウムを同時に定量する場合には,混合標準液[(Cd

1

µg,Pb 1 µg,Ni 1 µg,Mn 1 µg,V 1 µg)/mL]  又は混合標準液[(Cd 50 ng,Pb 50 ng,Ni 50 ng,

Mn 50 ng

,V 50 ng)/mL]  を用いて,それぞれの金属元素の試験条件で検量線を作成するとよい。

備考  (

37

の操作で妨害物質の影響が無視できる試料の場合は,内標準物質の添加を省略して検量

線法によって定量してもよい。

  2  測定質量の一例

元素名

質量数

妨害イオンの例

カドミウム 111

114

MoO

+

MoO

+

, Sn

+

鉛 208

206

207

ニッケル 58

60

62

CaO

+

, Sn

++

, Fe

+

CaO

+

, Sn

++

CaO

+

, Sn

++

マンガン 55  KO+

バナジウム 51

ClO

+

, ClN

+

  クロム 53

52

50

ClO

+

SO

+

,ClOH

+

,ArO

+

,ArC

+

SO

+

, Ti

+

,  V

+

, ArN

+

ベリリウム 9

ひ素 75

ArCl

+

セレン 78

82

77

ArAr

+

, NiO

+

ZnO

+

ArCl

+

, NiO

+

8. 

鉛の分析方法  鉛の分析には,フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光分析法

又は ICP 質量分析法を適用する。

8.1 

フレーム原子吸光分析法  試料溶液をアセチレン−空気のフレーム中に噴霧し,鉛による原子吸光

を波長 283.3 nm で測定して,鉛を定量する。

定量範囲:Pb 1∼20 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

鉛標準液 (Pb 0.1mg/mL)  JIS K 8701 に規定する鉛(99.9 %以上)0.100 g をとり,硝酸 (1+3) 40 mL

を加えて溶かし,加熱して窒素化合物を追い出し,放冷した後,全量フラスコ 1 000 mL に移し入

れ,水を標線まで加えるか,又は JIS K 8563 に規定する硝酸鉛  (II) 0.160 g をとり,硝酸 (1+1) 20

mL 及び適量の水に溶かし,全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。又は,JIS 

K 0015

に規定する鉛標準液の Pb100 を用いる。

2)

鉛標準液 (Pb 10

µg /mL)  1)の鉛標準液  (Pb 0.1 mg/mL) 50 mL を全量フラスコ 500 mL にとり,

硝酸 (1+1) 10 mL を加えた後,水を標線まで加える。


20

K 0083

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b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

フレーム原子吸光分析装置

2)

鉛中空陰極ランプ

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液を JIS K 0121 の 6.の操作に従って,フレーム中に噴霧し,波長 283.3 nm の

指示値  (

26

)

を読みとる。

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

3)

検量線から鉛の量を求め,試料溶液中の鉛の濃度 (Pbmg/L) を算出する。検量線の作成は,次によ

る。

検量線  鉛標準液  (Pb 0.1 mg/mL) 1∼20 mL (

41

)

を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,試料溶液

と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える  (

42

)

。この溶液について 1)の操作を行

う。別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加え

た後,1)の操作を行って標準液について得た指示値を補正し,鉛 (Pb) の量と指示値との関係線を

作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

41

溶媒抽出を適用するときは,鉛標準液  (Pb 0.1 mg/mL)  の量を適宜減少させる。

(

42

次の

備考 1.又は備考 2.によって,酢酸ブチル層,4−メチル−2−ペンタノン層又は,2,6−ジ

メチル−4−ヘプタノン層をそのまま噴霧する場合の検量線の作成は,次による。

鉛標準液 (Pb0.1 mg/mL) を適切な濃度 (Pb 1∼5

µg/mL)  に薄め,その 1∼20 mL を段階的に

とり,一定量とした後,試料溶液と同様に, 

備考 1.又は備考 2.及び c)1)と 2)の操作を行って,

鉛 (Pb) の量と指示値との関係線を作成する。

備考1. 7.1 の備考 1.による。

2. 7.1

備考 2.による。

8.2 

電気加熱原子吸光分析法  試料を前処理した後,マトリックスモディファイヤーとして硝酸パラジ

ウム(Ⅱ)を加え,電気加熱炉で原子化し,鉛による原子吸光を波長 283.3nm で測定して鉛を標準添加法

により定量する。

定量範囲: Pb 5∼100

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10  %(装置及び測定条件によって異なる。)

備考  この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少ない

試料に適用し,測定時の酸濃度は一定となるよう調製する。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸(1+1)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬−硝酸を用いて調整する。

3)

硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd 1 000 mg/mL)  7.3a)3)による。

4)

鉛標準液(Pb 0.1 mg/mL)  8.1a)2)の鉛標準液(Pb 10g/mL)10 mL を全量フラスコ 1 000 mL にとり,

硝酸(1+1)20 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

電気加熱原子吸光分析装置  電気加熱方式でバックグラウンド補正が可能なもの。

2)

発熱体  黒鉛製又は耐熱金属製のもの。


21

K 0083

:2006

     

3)

鉛中空陰極ランプ

4)

フローガス  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

5)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計 10∼500μL 又は自

動注入装置。

c) 

準備操作  試料を 6.1 によって処理する。

d) 

操作  操作は,次による。

1) c)

の準備操作を行った試料の適量をそれぞれ全量フラスコ 20 mL にとり,鉛標準液(Pb 1 µg/mL)

を加えないものと,0.1∼2 mL の範囲で段階的に 3 濃度以上添加したものとを調製し,それぞれの

溶液の酸の濃度が同じになるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)

この溶液の一定量(例えば,10∼50 µL)及びそれと同体積の硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd 1 000

µg/mL)とを,マイクロピペット又は自動注入装置を用いて電気加熱炉に注入する。JIS K 0121 
6.(操作方法)の操作に従って,乾燥(100∼120  ℃,30∼40 秒間),灰化(500∼800  ℃,30∼40 秒間),

原子化(

29

)(1 800

∼2 500  ℃,3∼6 秒間)し,波長 283.3 nm の指示値(

30

)

を読みとる。

3)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

4)

検量線から鉛の量を求め,試料溶液中の鉛の濃度(Pb mg/mL)  を算出する。

8.3 ICP

発光分析法  試料溶液を誘導結合プラズマ中に噴霧し,鉛による発光を波長 220.351 nm で測定

して,鉛を定量する。

定量範囲:Pb 0.1∼2 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

鉛標準液 (Pb 10

µg/mL)    8.1a)2)の鉛標準液  (Pb 0.1mg/mL) 10 mL を全量フラスコ 100 mL にと

り,硝酸 (1+1) 10 mL を加え水を標線まで加える。

2)

混合標準液 [(Cd 8

µg Pb10µg Ni 10µg Mn10µg) /mL]    7.3a)2)による。

b) 

装置  装置は,ICP 発光分析装置を用いる。

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液を JIS K 0116 の 5.(ICP 発光分光分析)に従って,プラズマトーチ中に噴

霧し波長 220.351nm の発光強度を測定する  (

32

) (

33

) (

43

)

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た発光強度

補正する。

3)

検量線から鉛の量を求め,試料溶液中の鉛の濃度 (Pb mg/L) を算出する。

検量線  鉛標準液 (Pb 10

µg/mL) 1∼20 mL (

35

) (

44

)

を全量フラスコ 100 mL に段階的にとり,試料

溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 1)の操作を行

う。別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加え

た後,1)の操作を行って,標準液について得た発光強度を補正し,鉛 (Pb) の量と発光強度との関

係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

43

内標準法によることができる。内標準法を用いるときは,試料溶液の適量を全量フラスコ 100

mL

にとり,イットリウム溶液 (Y 50

µg/mL)  [注(

26

)

による。

]10mL を加え,c)1)の試料溶液と

同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について c)1)の噴霧操作

を行って波長 220.351 nm と 371.029 nm(イットリウム)の発光強度を測定し,鉛とイットリウ


22

K 0083

:2006

     

ムとの発光強度との比を求める。

別に,鉛標準液 (Pb 10

µg/mL) 1∼20mL を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,イットリウ

ム溶液 (Y 50

µg/mL) 10 mL をそれぞれ加え,c)1)の試料溶液と同じ条件になるように酸を加えた

後,

水を標線まで加える。

この溶液について c)1)の噴霧操作を行って波長 220.351 nm 及び 371.029

nm

の発光強度を測定し,鉛の濃度に対する鉛とイットリウムとの発光強度比の関係線を作成し,

検量線とする。この検量線から,試料溶液について得た発光強度比に相当する鉛の量を求め,

試料溶液中の鉛の濃度 (Pb mg/L) を算出する。

(

44

備考の操作を行い,キシレン層をそのまま噴霧する場合の検量線は,鉛標準液 (Pb 10

µg/mL)  を

適切な濃度 (Pb 0.1∼1

µg/mL)  に薄め,その 1∼20mL を段階的にとり,一定量とした後,試料

溶液と同様に次の

備考及び c)1)と 2)の操作を行って,鉛 (Pb) の量と発光強度との関係線を作成

する。

備考  試料溶液中のナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウムなどの濃度が高く,鉛の濃度

が低い場合には,7.3 

備考の操作を行って,鉛を定量してもよい。

8.4 ICP

質量分析法  試料溶液に内標準物質を加え,試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,

鉛及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンの電流を測定し,鉛のイオンの電流と内標準物

質のイオン電流との比を求めて鉛を定量する。

定量範囲:Pb 0.5∼25

µg/L

                    Pb 10

∼500

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

3)

イットリウム溶液(Y 1

µg/mL)  7.4a)3)による。

4)

鉛標準液(Pb 1 

µg/mL)  8.1a)1)の鉛標準液  (Cd 0.1 mg/mL) 10mL を全量フラスコ 1 000 mL にとり,

硝酸 (1+1) 20 mL を加えた後,水を標線まで加える。

5)

鉛標準液(Pb 50 ng/mL)  4)の鉛標準液(Pb 1

µg/mL)50mL を全量フラスコ 1 000 mL にとり,硝酸

(1+1)3 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

6)

混合標準液[(Cd 1 

µgPb 1 µgNi 1 µgMn 1 µgV 1 µg)/mL]  7.4a)6)  による。

7)

混合標準液[(Cd 50 ngPb 50 ngNi 50 ngMn 50 ngV 50 ng)/mL]  7.4a)7)  による。

b) 

装置  装置は,ICP 質量分析装置を用いる。

備考1. 7.4b)備考 1.による。

2. 7.4b)

備考 2.による。

c) 

操作  操作は,次による(

45

) (

46

)

1)  6.1

で調製した試料溶液の適量(Pb として 0.05∼50

µg を含む。)を全量フラスコ 100 mL にとり,

イットリウム溶液(Y 1

µg/mL)1 mL を加え硝酸の最終濃度が 0.1∼0.5 mol/L の一定濃度となるよう

に硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  ICP

質量分析装置を作動できる状態にし,1)の溶液を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴

霧して,鉛及びイットリウムの質量/荷電数(

47

)

における指示値(

48

)

を読み取り,鉛の指示値とイット

リウムの指示値との比を求める。


23

K 0083

:2006

     

3)

空試験として試料と同量の水をとり,同様に 1)4)の操作を行い,鉛の指示値とイットリウムの指

示値との比を求め,試料について得た鉛とイットリウムとの指示値の比を補正する。

4)

検量線から鉛の量を求め,試料中の鉛の濃度(Pb

µg/L)を算出する。

検量線  鉛標準液 (Pb 50ng/mL 又は Pb 1

µg/mL)1∼50 mL(

49

)

を全量フラスコ 100 mL に段階的にと

り,イットリウム溶液(Y 1

µg/mL)1 mL  を加え,1)の試料と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を

加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 2)の操作を行う。

別に,空試験として全量フラスコ 100 mL にイットリウム溶液(Y 1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料

と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を加え,水を標線まで加えた後,2)の操作を行って標準液に

ついて得た指示値の比を補正した後,鉛(Pb)の量に対する指示値とイットリウムの指示値との比の

関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

(

45

) 7.4

(

36

)

による。

(

46

) 7.4

(

37

)

による。

(

47

) 7.4

(

38

)

による。

(

48

) 7.4

(

39

)

による。

(

49

) 7.4

(

40

)

による。

備考 7.4c)備考による。

9. 

ニッケルの分析方法  ニッケルの分析には,ジメチルグリオキシム吸光光度分析法,フレーム原子吸

光分析法,電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光分析法又は ICP 質量分析法を適用する。

9.1 

ジメチルグリオキシム吸光光度分析法  試料溶液にくえん酸塩を加え,アンモニア水で微アルカリ

性とした後,ジメチルグリオキシム(2,3−ブタンジオンジオキシム)を加えて生成したニッケル錯体を

クロロホルムで抽出し,これを希塩酸で逆抽出する。抽出液に臭素及びアンモニア水を加えてニッケルを

酸化し,再びジメチルグリオキシムを加えて生じる赤褐色のニッケル錯体の吸光度を測定して,ニッケル

を定量する。

定量範囲:Ni 2∼50

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

塩酸 (120)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

2)

アンモニア水 (11) (15) (150)    JIS K 8085 に規定するアンモニア水を用いて調製する。

3)

臭素水(飽和)  JIS K 8529 に規定する臭素 3∼4 mL を水 100 mL に加えて激しく振り混ぜ,放置

後その上澄み液を用いる。

4)

くえん酸水素二アンモニウム溶液 (100 g/l)  7.1a)6)による。

5)

フェノールフタレイン溶液 (5 g/l)  JIS K 8799 に規定するフェノールフタレイン 0.5g をとり,JIS K 

8102

に規定するエタノール  (95 %) 50 mL に溶かし,水を加えて 100 mL とする。

6)

ジメチルグリオキシムエタノール溶液 (10g/l)  JIS K 8498 に規定するジメチルグリオキシム(2,3

−ブタンジオンジオキシム)1g を JIS K 8102 に規定するエタノール (95 %) に溶かして 100 mL と

する。

7)

ジメチルグリオキシム水酸化ナトリウム溶液 (10 g/l)  JIS K 8498 に規定するジメチルグリオキシ

ム(2,3−ブタンジオンジオキシム)1g を水酸化ナトリウム溶液 (10 g/L) に溶かし,水酸化ナト

リウム溶液 (10 g/L) を加えて 100 mL とする。不溶解物があるときはろ過する。


24

K 0083

:2006

     

8)

クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。

9)

ニッケル標準液 (Ni 0.1mg/mL)  JIS K 9062 に規定するニッケル(99.9 %以上)0.100 g をとり,硝

酸 (1+1) 20 mL に溶かし,加熱して窒素酸化物を追い出し,放冷した後,全量フラスコ 1 000 mL

に移し,水を標線まで加える。又は,JIS K 8990 に規定する硫酸ニッケル (II) アンモニウム六水和

物 0.673 g をとり,水及び硝酸 (1+1) 10 mL に溶かし,全量フラスコ 1 000 mL に移し,水を標線

まで加える。又は JIS K 0013 に規定するニッケル標準液の Ni100 を用いる。

10)

ニッケル標準液 (Ni 5

µg/mL)    9)のニッケル標準液  (Ni 0.1mg/mL) 50 mL を全量フラスコ 1 000

mL にとり,硝酸  (1+1) 20 mL を加え,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

分液漏斗

2)

吸光光度計  分光光度計又は光電光度計

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液の適量(Ni として 2∼50

µg を含む。)を分液漏斗にとり,くえん酸水素二

アンモニウム溶液  (100g/L) 5 mL と指示薬としてフェノールフタレイン溶液  (5 g/L) 2,3 滴を加え,

次にアンモニア水 (1+5) を溶液の色がわずかに赤になるまで滴加する。さらに,アンモニア水

(1+5) 2,3 滴及び水を加えて約 100 mL とする。

2)

ジメチルグリオキシムのエタノール溶液  (10 g/L) 2 mL とクロロホルム 10 mL とを加え,1 分間激

しく振り混ぜて放置した後,クロロホルム層を別の分液漏斗に入れる。水層にクロロホルム 5 mL

を加え,1 分間激しく振り混ぜて抽出し,放置後,クロロホルム層をとり,先の分液漏斗に合わせ

る。

3)  1)

4)の操作を更にもう 1 回繰り返す。

4)

クロロホルム層を入れた分液漏斗にアンモニア水 (1+50) 10∼20 mL を加えて 30 秒間振り混ぜ,

放置後,クロロホルム層を別の分液漏斗に移す。

5)

クロロホルム層を入れた分液漏斗に塩酸 (1+20) 10 mL を加え,1 分間激しく振り混ぜ,ニッケル

を逆抽出する。放置後,クロロホルム層を別の分液漏斗に入れる。クロロホルム層に,再び塩酸

(1+20) 5 mL を加え,逆抽出を繰り返す。クロロホルム層は捨て,塩酸層は先の塩酸層に合わせて

全量フラスコ 25 mL に入れる。

6)

臭素水(飽和)2 mL を加えて振り混ぜ,約 1 分間放置する。次に,アンモニア水 (1+1) を加えて

中和し,更にアンモニア水  (1+1) 2 mL を過剰に加え,流水で室温以下に冷却する。

7)

ジメチルグリオキシム水酸化ナトリウム溶液  (10 g/L) 2 mL を加えて振り混ぜ,ニッケルを発色さ

せた後,水を標線まで加える。

8)

この溶液の一部を吸収セルに移し,波長 450nm 付近の吸光度を測定する。

9)

別に,空試験溶液について 1)7)の操作を行って吸光度を求め,試料溶液について得た吸光度を補

正する。

10)

検量線からニッケルの量を求め,試料溶液中のニッケルの濃度 (Ni mg/L) を算出する。

検量線  ニッケル標準液 (Ni 5

µg/mL) 0.4∼10 mL を全量フラスコ 25mL に段階的にとり,5)8)

の操作を行ってニッケル (Ni) の量と吸光度との関係線を作成する。

備考  ニッケル含有量の多いときには,次の方法による。

6.1

で調製した試料溶液の適量(ニッケルとして 0.1∼0.5 mg を含む。

)を分液漏斗にとり,く

えん酸水素二アンモニウム溶液 (100g/L) 5 mL を加え,これにアンモニア水 (1+5) を滴加して


25

K 0083

:2006

     

わずかにアルカリ性とし,ジメチルグリオキシムエタノール溶液 (10g/L) 2 mL とクロロホルム

10 mL

とを加えて 1 分間激しく振り混ぜる。

静置後,クロロホルム層を分液漏斗 50 mL に移す。

水層に更にクロロホルム 5 mL を加え,1 分間激しく振り混ぜて抽出する。この操作を更にもう

一度繰り返し,クロロホルム層は全部を合わせる。これにアンモニア水 (1+50) 10∼20 mL を加

えて 30 秒間激しく振り混ぜ,

しばらく静置してクロロホルム層を別の分液漏斗 50 mL に移す。

これに塩酸 (1+20) 10 mL を加えて 1 分間激しく振り混ぜ,しばらく静置後,クロロホルム層を

別の分液漏斗に移す。これに再び塩酸  (1+20) 5 mL を加え,同様の操作を行ってクロロホルム

層を分離する。逆抽出した塩酸の溶液は,全量フラスコ 100 mL に入れ水で約 70 mL とし,次

に塩化アンモニウム溶液  (200 g/L) 10 mL 及び臭素水(飽和)2 mL を加えて振り混ぜ,1 分間

放置する。次に,アンモニア水 (1+1) で中和し,2mL を過剰に加え,流水中で室温以下に冷却

した後,ジメチルグリオキシム水酸化ナトリウム溶液  (10g/L) 2 mL を加え,水を標線まで加え

てよく振り混ぜる。以降,c)1)10)と同様に操作し,あらかじめ作成した検量線からニッケル

量を求める。ただし,検量線の作成には,ニッケル標準液  (Ni 0.1 mg/mL) 1∼5 mL を用いる。

9.2 

フレーム原子吸光測定法  試料溶液をアセチレン−空気のフレーム中に噴霧し,ニッケルによる原

子吸光を波長 232.0 nm で測定して,ニッケルを定量する。

定量範囲:Ni 0.3∼6 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

ニッケル標準液 (Ni 10

µg/mL)    9.1a)9)のニッケル標準液 (Ni 0.1mg/mL) 50 mL を全量フラスコ

500 mL にとり,硝酸  (1+1) 10 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

フレーム原子吸光分析装置

2)

ニッケル中空陰極ランプ

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液を JIS K 0121 の 6.の操作に従って,フレーム中に噴霧し,波長 232.0 nm の

指示値(

26

)

を読みとる。

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

3)

検量線からニッケルの量を求め,試料溶液中のニッケルの濃度 (Ni mg/L) を算出する。

検量線  ニッケル標準液 (10Ni

µg/mL) 3∼60 mL (

50

)

を全量フラスコ 100 mL に段階的にとり,試

料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 1)の操作を

行う。別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように,酸を

加えた後,1)の操作を行って標準液について得た指示値を補正し,ニッケル (Ni) の量と指示値との

関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

50

溶媒抽出法を適用するときは,ニッケル標準液の量を適宜減少させる。

備考1.  ニッケルの濃度が低い試料溶液で,抽出操作を妨害する物質を含まない場合は次の操作を行

う。

試料溶液の適量を分液漏斗にとり,9.1c)1)3)に準じて操作し,ニッケルをジメチルグリ

オキシム錯体として,クロロホルム層に抽出する。クロロホルム層を合わせ,塩酸 (1+20)

10mL

を加え,振り混ぜてニッケルを逆抽出する。水層を分離した後,クロロホルム層に塩


26

K 0083

:2006

     

酸  (1+20) 5 mL を加えて逆抽出を行う。逆抽出液を合わせ,全量フラスコ 25 mL に移し入れ,

水を標線まで加え,これをニッケルの定量に用いる。

2. 7.1

備考 1.による。

3. 7.1

備考 2.による。

9.3 

電気加熱原子吸光分析法  試料を前処理した後,電気加熱炉で原子化し,ニッケルによる原子吸光

を波長 232.0nm で測定してニッケルを標準添加法により定量する。

定量範囲:Ni 5∼50 µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10  %(装置及び測定条件によって異なる。)

備考  この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少ない

試料に適用し,測定時の酸濃度は一定となるよう調製する。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸(1+1)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬−硝酸を用いて調製する。

3)

ニッケル標準液(Ni 1µg/mL)  9.1a)9)のニッケル標準液(Ni 0.1mg/mL) 10 mL を全量フラスコ 1 000 
mL にとり,硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

4)

ニッケル標準液(Ni 0.1µg/mL)  3)のニッケル標準液(Ni1µg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL に

とり,硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

電気加熱原子吸光分析装置  電気加熱方式でバックグラウンド補正が可能なもの。

2)

発熱体  黒鉛製又は耐熱金属製のもの

3)

ニッケル中空陰極ランプ

4)

フローガス  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

5)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計 10∼500μL 又は自

動注入装置。

c)

準備操作  試料を 6.1 によって処理する。

d) 

操作  操作は,次による。

1) c)

の準備操作を行った試料の適量をそれぞれ全量フラスコ 20 mL にとり,ニッケル標準液(Ni

0.1µg/mL)を加えないものと,0.1∼2 mL の範囲で段階的に 3 濃度以上添加したものとを調製し,

それぞれの溶液の酸の濃度が同じになるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2) 1)

の操作を行った試料の一定量(例えば,10∼50 mL)をマイクロピペットで電気加熱炉に注入し,

JIS K 0121

の 6.(操作方法)の操作に従って,

乾燥(100∼120  ℃,

30∼40 秒間),灰化(600∼1 000  ℃,

30∼40 秒間)し,原子化(

29

) (2 200

∼2 700  ℃,3∼6 秒間)し,波長 232.0 nm の指示値(

30

)

を読みと

る。

3)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

9.4 ICP

発光分析法  試料溶液を誘導結合プラズマ中に噴霧し,ニッケルによる発光を波長 221.647nm

で測定して,ニッケルを定量する。

定量範囲:Ni 0.04∼2 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。


27

K 0083

:2006

     

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

ニッケル標準液 (Ni 10

µg/mL)    9.1a)9)のニッケル標準液 (Ni 0.1mg/mL) 50 mL を全量フラスコ

500 mL にとり,硝酸  (1+1) 10 mL を加えた後,水を標線まで加える。

2)

混合標準液 [(Cd 8

µgPb10µgNi 10µgMn10µg) /mL]    7.3a)2)による。

b) 

装置  装置は,ICP 発光分析装置を用いる。

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液を JIS K 0116 の 5.に従って,プラズマトーチ中に噴霧し,波長 221.647 nm

の発光強度を測定する  (

32

) (

33

) (

51

)

2)

空試験として空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た発光強度を

補正する。

3)

検量線からニッケルの量を求め,試料溶液中のニッケルの濃度 (Ni mg/mL) を算出する。検量線の

作成は次による。

検量線  ニッケル標準液 (Ni 10

µg/mL) 0.4∼20 mL (

35

) (

52

)

を全量フラスコ 100 mL に段階的にとり,

試料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 1)の操作

を行う。

別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加えた

後,1)の操作を行って,標準液について得た発光強度を補正し,ニッケル (Ni) の量と発光強度との

関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

51

内標準法によることができる。内標準法を用いるときは,試料溶液の適量を全量フラスコ 100

mL

にとり,イットリウム溶液 (Y 50

µg/mL)  [注  (

31

)

による。

]10 mL を加え,c)1)の試料溶液

と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について c)1)の噴霧操

作を行って波長 221.647 nm 及び 371.029 nm(イットリウム)の発光強度を測定し,ニッケルと

イットリウムとの発光強度の比を求める。

別に,ニッケル標準液 (Ni 10

µg/mL) 0.4∼20 mL を全量フラスコ 100 mL に段階的にとり,イ

ットリウム溶液 (Y 50

µg/mL) 10 mL をそれぞれ加え,c) 1)  の試料溶液と同じ条件になるように

酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について c) 1)  の噴霧操作を行って波長 221.647

nm

及び 371.029 nm の発光強度を測定し,ニッケルの濃度に対するニッケルとイットリウムと

の発光強度比の関係線を作成し,検量線とする。この検量線から試料溶液について得た発光強

度比に相当するニッケルの量を求め,試料溶液中のニッケルの濃度 (mg/L) を算出する。

(

52

備考の操作を行って,キシレン層をそのまま噴霧する場合の検量線はニッケル標準液 (Ni 10 
µg/mL)  を適切な濃度 (Ni 0.2∼1 µg/mL)  に薄め,その 0.4∼20 mL を段階的にとり,一定量とし
た後,試料溶液と同様に

備考及び c)1)と 2)の操作を行って,ニッケル (Ni) の量と発光強度の関

係線を作成する。

備考  試料溶液中のナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウムなどの濃度が高く,ニッケル

の濃度が低い場合には 7.3 6)

備考に準じた操作を行って,ニッケルを定量してもよい。

9.5 ICP

質量分析法  試料溶液に内標準物質を加え,試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,

ニッケル及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンの電流を測定し,ニッケルのイオンの

電流と内標準物質のイオン電流との比を求めてニッケルを定量する。

定量範囲:Ni 0.5∼25

µg/L,Ni 10∼500 µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。


28

K 0083

:2006

     

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するものとする。

3)

イットリウム溶液(Y 1 

µg/mL)  7.4a)3)による。

4)

ニッケル標準液(Ni 1 

µg/mL)  9.1a)9)のニッケル標準液(Ni 0.1 mg/mL)10mL を全量フラスコ 1 000

mL にとり,硝酸(1+1)20 mL を加え,水を標線まで加える。

5)

ニッケル標準液(Ni 50 ng/mL)  4)のニッケル標準液(Ni 1

µg/mL)50 mL を全量フラスコ 1 000 mL

にとり,硝酸(1+1)3 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

6)

混合標準液[(Cd 1 

µgPb1 µgNi1 µgMn1 µgV1 µg)/mL]  7.4a)6)  による。

7)

混合標準液[(Cd 50 ngPb 50 ngNi 50 ngMn 50 ngV 50 ng)/mL]  7.4a)7)  による。

b) 

装置  装置は,ICP 質量分析装置を用いる。

備考1. 7.4b)備考 1.による。

2. 7.4b)

備考 2.による。

c) 

操作  操作は,次による(

53

) (

54

)

1)  6.1

で調製した試料溶液の適量(Ni として 0.05∼50

µg を含む。)を全量フラスコ 100 mL にとり,イ

ットリウム溶液(Y 1

µg/mL)1 mL を加え硝酸の最終濃度が 0.1∼0.5 mol/L の一定濃度となるように

硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  ICP

質量分析装置を作動できる状態にし,1)の溶液を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴

霧して,ニッケル及びイットリウムの質量/荷電数(

55

)

における指示値(

56

)

を読み取り,ニッケルの指

示値とイットリウムの指示値との比を求める。

3)

空試験として試料と同量の水をとり,同様に 1)2)の操作を行い,ニッケルの指示値とイットリウ

ムの指示値との比を求め,試料について得たニッケルとイットリウムの指示値の比を補正する。

4)

検量線からニッケルの量を求め,試料中のニッケルの濃度(Ni

µg/L)を算出する。検量線の作成は次

による。

検量線  ニッケル標準液 (Ni50 ng/mL 又は Ni1

µg/mL)1∼50 mL(

57

)

を全量フラスコ 100 mL に段階

的にとり,イットリウム溶液(Y 1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料と同じ酸の濃度になるように硝酸

(1+1)

を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 2)の操作を行う。

別に,空試験として全量フラスコ 100 mL にイットリウム溶液(Y 1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料と

同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を加え,水を標線まで加えた後,2)の操作を行って標準液につ

いて得た指示値の比を補正した後,ニッケル(Ni)の量に対する指示値とイットリウムの指示値との

比の関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

(

53

) 7.4

(

36

)

による。

(

54

) 7.4

(

37

)

による。

(

55

) 7.4

(

38

)

による。

(

56

) 7.4

(

39

)

による。

(

57

) 7.4

(

40

)

による。

備考 7.4c)備考による。


29

K 0083

:2006

     

10. 

マンガンの分析方法  マンガンの分析には,過よう素酸吸光光度分析法,フレーム原子吸光分析法,

電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光分析法又は ICP 質量分析法を用いる。

10.1 

過よう素酸吸光光度分析法  試料溶液を硫酸酸性とした後,過よう素酸カリウムを加え,加熱して

赤紫の過マンガン酸イオンを生成させ,その吸光度を測定してマンガンを定量する。

定量範囲:Mn 40∼500

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

硫酸 (11)    水 1 容をビーカーにとり,冷却しながら JIS K 8951 に規定する硫酸 1 容をかき混ぜ

ながら徐々に加える。

2)

りん酸  JIS K 9005 に規定するもの。

3)

過よう素酸カリウム  JIS K 8249 に規定するもの。

4)

マンガン標準液 (Mn 0.1mg/mL)  JIS K 8247 に規定する過マンガン酸カリウム 0.288g をとり,水
150mL に硫酸 (1+1) 10mL を加えた溶液に溶かす。亜硫酸水素ナトリウム溶液(JIS K 8059 に規

定する亜硫酸水素ナトリウム 10g を水に溶かして 100mL とする。

)を滴加し,かき混ぜて脱色した

後,煮沸して過剰の二酸化硫黄を追い出す。放冷後,全量フラスコ 1 000mL に移し,水を標線ま

で加える。又は,マンガン(99.9%以上)0.100g をとり,硫酸 (1+3) 20mL に加熱して溶かし,放

冷後,全量フラスコ 1 000mL に移し入れ,水を標線まで加える。又は,JIS K 0027 に規定するマ

ンガン標準液の Mn100 を用いる。

5)

マンガン標準液 (Mn 20

µg/mL)    4)のマンガン標準液 (0.1mgMn/mL) 50mL を全量フラスコ

250mL にとり,水を標線まで加える。

b) 

装置  装置は,分光光度計又は光電光度計を用いる。

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液の適量(Mn として 40∼500

µg を含む。)をとり,硫酸 (1+1) 10mL を加

え,加熱して硫酸の白煙を発生させ,ハロゲン化物を除去する。

2)

放冷後,水約 20mL とりん酸 1mL とを加え,加熱して内容物を溶かす。不溶解物があるときには,

ろ別し,ろ紙及び沈殿を温水で洗った後,ろ液及び洗液を合わせ,水を加えて約 45mL にする。

3)

過よう素酸カリウム 0.5g を加え,沸騰水浴中で 30 分間加熱して(

58

)

発色させる。

4)

流水で冷却した後,全量フラスコ 50mL に移し,水を標線まで加える。

5)

この溶液の一部を吸収セルに移し,波長 525nm 付近又は 545nm 付近の吸光度を測定する。

6)

別に,空試験溶液について硫酸 (1+1) 10mL とりん酸 1mL を加えた後,3)∼5)の操作を行って吸光

度を求め,試料溶液について得た吸光度を補正する。

7)

検量線からマンガンの量を求め,試料溶液中のマンガンの濃度 (Mn mg/L) を算出する。検量線の

作成は次による。

検量線  マンガン標準液 (Mn 20

µg/mL) 2∼25mL をビーカー100mL に段階的にとり,水を加えて

液量を約 30mL とし,硫酸 (1+1) 10mL とりん酸 1mL とを加えた後,3)6)の操作を行ってマンガ

ン (Mn) の量と吸光度との関係線を作成する。

(

58

加熱時間が長すぎると,生成した過マンガン酸イオンが分解するおそれがあるから,加熱時間

は正しく守る。

10.2 

フレーム原子吸光分析法  試料溶液をアセチレン−空気のフレーム中に噴霧し,マンガンによる原

子吸光を波長 279.5nm で測定して,マンガンを定量する。


30

K 0083

:2006

     

定量範囲:Mn 0.1∼4 mgMn/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

マンガン標準液 (Mn 10

µg/mL)    10.1a)4)のマンガン標準液 (0.1mgMn/mL) 50mL を全量フラス

コ 500 mL  にとり,硝酸 (1+1) 10mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

フレーム原子吸光分析装置

2)

マンガン中空陰極ランプ

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液を JIS K 0121 の 6.の操作に従って,フレーム中に噴霧し,波長 279.5nm の

指示値(

26

)を読みとる。

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

3)

検量線からマンガンの量を求め,試料溶液中のマンガンの濃度 (Mn mg/L) を算出する。検量線の

作成は次による。

検量線  マンガン標準液 (Mn 10

µg/mL) 1∼40mL を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,試料溶

液と同じ条件になるように酸を加えた後,

水を標線まで加える。

この溶液について 1)の操作を行う。

別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加えた後,

1)

の操作を行って標準液について得た指示値を補正し,マンガン (Mn) の量と指示値との関係線を

作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

備考 1.  マンガンの濃度が低い場合には,次の鉄共沈法で濃縮した後,c)の操作を行う。

試料溶液の適量をとり,約 90℃に加熱し,硫酸アンモニウム鉄 (III) 溶液 (Fe 2mg/mL)

JIS K 8982 に規定する硫酸アンモニウム鉄 (III)十二水和物 18g をとり,硝酸 (1+6) 10mL

と水に溶かして 100mL とする。

]5mL と JIS K 8230 に規定する過酸化水素 5∼10mL とを加

え,この溶液をかき混ぜながらアンモニウム水 (1+1) 又は水酸化ナトリウム溶液 (100g/L)

を加えて,水酸化鉄 (III) の沈殿を生成させる。沈殿が沈降した後,ろ紙 5 種 A を用いてろ

過し,温水で洗う。沈殿をできるだけ元のビーカーに移し,ろ紙に付着した沈殿は,過酸化

水素水を少量加えた塩酸 (1+2) の少量に溶かし,ろ紙は温水で洗浄する。ろ液及び洗液を合

わせ,0.1∼1mol/L の塩酸酸性溶液の一定量とする。又は 7.1 

備考 2.に準じて操作してもよ

い。この場合には,pH4.5∼5.0 で抽出する。なお、マンガンの 1−ピロリジンカルボジチオ

酸錯体は水層に移行しやすいので,抽出及び層分離は手早く行う。

2.

シリカを多量に含む場合には,干渉抑制剤としてカルシウム(又はマグネシウム)を試料溶

液 1L 当たり 200mg 程度加えておくとよい。

10.3 

電気加熱原子吸光分析法  試料を前処理した後,電気加熱炉で原子化し,マンガンによる原子吸光

を波長 279.5nm で測定してマンガンを標準添加法により定量する。

定量範囲:Mn 1∼30

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。)

備考 

この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少な

い試料に適用し,測定時の酸濃度は一定となるよう調製する。

a) 

試薬  試薬は,次による。


31

K 0083

:2006

     

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸(1+1)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬−硝酸を用いて調製する。

3)

マンガン標準液(Mn 1mg/mL)  10.2a)1)のマンガン標準液(Mn 10g/mL) 10 mL を全量フラスコ
100mL にとり,硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

4)

マンガン標準液(Mn 0.1mg/mL)  マンガン標準液(Mn1g/mL)10 mL を全量フラスコ 100mL にとり,

硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

電気加熱原子吸光分析装置  電気加熱方式でバックグラウンド補正が可能なもの。

2)

発熱体  黒鉛製又は耐熱金属製のもの

3)

マンガン中空陰極ランプ

4)

フローガス  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

5)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計 10∼50µL 又は自動

注入装置。

c) 

準備操作  試料を 6.1 によって処理する。

d) (4)

操作  操作は,次のとおり行う。

1) c)

の準備操作を行った適量を,それぞれ全量フラスコ 20mL にとり,マンガン標準液(Mn 0.1µg/mL)

を加えないものと,0.1∼2 mL の範囲で段階的に 3 濃度以上添加したものとを調製し,それぞれの

溶液の酸の濃度が同じになるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  1)

の操作を行った試料の一定量(例えば,10∼50l)をマイクロピペットで発熱体に注入し,JIS K 

0121

の 6.(操作方法)に従って,乾燥(100∼120℃,30∼40 秒間),灰化(600∼1 000℃,30∼40 秒間),

原子化(

29

) (2 200∼2 700℃,3∼6 秒間)し,波長 279.5 nm の指示値(

30

)を読みとる。

3)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

10.4 ICP

発光分析法  試料溶液を誘導結合プラズマ中に噴霧し,マンガンによる発光を波長 257.610nm

で測定して,マンガンを定量する。

定量範囲:Mn0.01∼0.2 mg/L

                    Mn0.2

∼5 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

マンガン標準液 (Mn10

µg/mL)    10.1a)4)のマンガン標準液 (Mn0.1mg/mL) 50mL を全量フラスコ

500mL にとり,硝酸 (1+1) 10mL を加えた後,水を標線まで加える。

2)

混合標準液 [(Cd8

µgPb10µgNi10µgiMn10µg) /mL]    7.3a)2)による。

b) 

装置  装置は,ICP 発光分析装置を用いる。

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液を JIS K 0116 の 5.に従って,プラズマトーチ中に噴霧し,波長 257.610nm

の発光強度を測定する(

32

)(

33

)(

59

)

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に,1)の操作を行って,試料溶液について得た発光強

度を補正する。

3)

検量線からマンガンの量を求め,試料溶液中のマンガンの濃度 (Mnmg/L) を算出する。検量線は,


32

K 0083

:2006

     

次による。

検量線  マンガン標準液 (Mn10

µg/mL) 0.2∼4mL(又は,4∼100mL)(

35

)(

60

)

を全量フラスコ 200mL

に段階的にとり,試料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液に

ついて 1)の操作を行う。

別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加えた

後,1)の操作を行って,標準液について得た発光強度を補正し,マンガン (Mn) の量と発光強度と

の関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

59

内標準法によることができる。内標準法を用いるときは,試料溶液の適量を全量フラスコ 200mL

にとり,イットリウム溶液 (Y50

µg/mL)  [注(

31

)

による。

]10mL を加え,c)1)の試料溶液と同じ

条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について c)1)の噴霧操作を行

って波長 257.610nm と 371.029nm(イットリウム)の発光強度を測定し,マンガンとイットリ

ウムとの発光強度の比を求める。別に,マンガン標準液 (Mn10

µg/mL) 0.2∼4mL(又は 4∼

100mL

)を全量フラスコ 200mL に段階的にとり,イットリウム溶液 (Y50

µg/mL) 10mL をそれ

ぞれ加え,c)1)の試料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶

液について c)1)の噴霧操作を行って波長 257.610nm と 371.029nm の発光強度を測定し,マンガ

ンの濃度に対するマンガンとイットリウムとの発光強度比の関係線を作成し,検量線とする。

この検量線から試料溶液について得た発光強度比に相当するマンガンの量を求め,試料溶液中

のマンガンの濃度 (Mnmg/mL) を算出する。

(

60

次の

備考の操作を行い,キシレン層をそのまま噴霧する場合の検量線は,マンガン標準液

(Mn10

µg/mL)  を適切な濃度 (Mn0.1∼1µg/mL)  に薄め,その 0.2∼4mL(又は 4∼100mL)を段

階的にとり,一定量とした後,試料溶液と同様に

備考及び c)1)と 2)の操作を行って,マンガン

(Mn)

の量と発光強度の関係線を作成する。

備考  試料溶液中のナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウムなどの濃度が高く,マンガン

の濃度が低い場合には,7.3 の備考による操作を行って,マンガンを定量してもよい。

10.5 ICP

質量分析法  試料溶液に内標準物質を加え,試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,

マンガン及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンの電流を測定し,マンガンのイオンの電

流と内標準物質のイオン電流との比を求めてマンガンを定量する。

定量範囲:Mn0.5∼25

µg/L

                    Mn10

∼500

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置,測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するものとする。

3)

イットリウム溶液(Y1 

µg/mL)  7.4a)3)による。

4)

マンガン標準液(Mn1

µg/mL)  10.1a)4)のマンガン標準液(Mn0.1 mg/mL)10mL を全量フラスコ 1

000 mL にとり,硝酸(1+1)20 mL を加え,水を標線まで加える。

5)

マンガン標準液(Mn50 ng/mL)  4)のマンガン標準液(Mn1

µg/mL)50 mL を全量フラスコ 1 000 mL

にとり,硝酸(1+1)3 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

6)

混合標準液[(Cd1 

µgPb1 µgNi1 µgMn1 µgV1µg)/mL]  7.4a)6)  による。


33

K 0083

:2006

     

7)

混合標準液[(Cd50 ngPb50 ngNi50 ngMn50 ngV50 ng)/mL]  7.4a)7)  による。

b) 

装置  装置は,ICP 質量分析装置を用いる。

備考1. 7.4b)備考 1.による。

2. 7.4b)

備考 2.による。

c) 

操作  操作は,次による(

61

) (

62

)

1)  6.1

で調製した試料溶液の適量(Mn として 0.05∼50

µg を含む。)を全量フラスコ 100 mL にとり,

イットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え硝酸の最終濃度が 0.1∼0.5 mol/L の一定濃度となるよう

に硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  ICP

質量分析装置を作動できる状態にし,1)の溶液を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴

霧して,マンガン及びイットリウムの質量/荷電数(

63

における指示値(

64

を読み取り,マンガンの

指示値とイットリウムの指示値との比を求める。

3)

空試験として試料と同量の水をとり,同様に 1)∼4)の操作を行い,マンガンの指示値とイットリウ

ムの指示値との比を求め,試料について得たマンガンとイットリウムの指示値との比を補正する。

4)

検量線からマンガンの量を求め,試料中のマンガンの濃度(Mn

µg/L)を算出する。検量線は次による。

検量線  マンガン標準液 (Mn50 ng/mL 又は Mn1

µg/mL)1∼50 mL (

65

)

を全量フラスコ 100 mL に段

階的にとり,イットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL  を加え,1)の試料と同じ酸の濃度になるように硝酸

(1+1)

を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 2)の操作を行う。

別に,空試験として全量フラスコ 100 mL にイットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料

と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を加え,水を標線まで加えた後,2)の操作を行って標準液に

ついて得た指示値の比を補正した後,マンガン(Mn)の量に対する指示値とイットリウムの指示値と

の比の関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

(

61

) 7.4

(

36

)

による。

(

62

) 7.4

(

37

)

による。

(

63

) 7.4

(

38

)

による。

(

64

) 7.4

(

39

)

による。

(

65

) 7.4

(

40

)

による。

備考

7.4c)

備考による。

11. 

バナジウムの分析方法  バナジウムの分析には,N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン吸

光光度分析法,フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光分析法又は ICP 質量分析法

を用いる。

11.1  N

−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン吸光光度法  試料溶液を過マンガン酸カリウム

で酸化してバナジウム (V) とし,これに N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン (BPHA) を加

えて生成した赤紫のバナジウム錯体を塩酸酸性溶液からクロロホルムで抽出し,その吸光度を測定してバ

ナジウムを定量する。

定量範囲:V2∼50

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 3∼10%

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

2)

銅溶液 (10g/l)  JIS K 8660 に規定する銅(99.9%以上)1g を硝酸 (1+1) 10mL に溶解し,過塩素酸


34

K 0083

:2006

     

(60%) 20mL を加えて加熱蒸発して白煙を十分に発生させる。放冷後,水で薄めて 100mL とする。

3)  BPHA

−クロロホルム溶液 (2g/l)  JIS K 9569 に規定する BPHA0.2g を JIS K 8322 に規定するクロ

ロホルム 100mL に溶かす。

4)

過マンガン酸カリウム溶液 (3g/l)  JIS K 8247 に規定する過マンガン酸カリウム 0.3g を水に溶かし

て 100mL とする。

5)

バナジウム標準液 (V0.1mg/mL)  JIS K 8747 に規定するバナジン  (Ⅴ)  酸アンモニウム(メタバナ

ジン酸アンモニウム)

(純度が 99.0%以上)0.230g をとり,硫酸 (1+1) 10mL と熱水 200mL に溶

かす。放冷後,全量フラスコ 1 000mL に移し入れ,水を標線まで加える。

6)

バナジウム標準液 (V2

µg/mL)    5)のバナジウム標準液 (V0.1mg/mL) 20mL を全量フラスコ 1

000mL にとり,硫酸 (1+1) 10mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

分液漏斗

2)

吸光光度計  分光光度計又は光電光度計

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液の適量(V として 2∼50

µg を含む。)をビーカー100mL に取り,銅溶液

(Cu/10g/L) 1mL を加える(

66

)

2)

過マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) を溶液の色が薄い赤となるまで滴加し,更に 1 滴を過剰に加え

て約 5 分間放置し,バナジウムを酸化する(

67

)

3)

分液漏斗に移し入れ,水で約 50mL とする。

4)  BPHA

−クロロホルム溶液(2g/L) 10mL を加える。次に,塩酸 20mL(

68

)

を加えて,過剰の過マンガ

ン酸を還元し,直ちに(

69

)

約 1 分間振り混ぜてバナジウム錯体を抽出する。

5)

放置した後,クロロホルム層を乾いたろ紙でろ過する。

6)

クロロホルム層の一部を吸収セルに移し,クロロホルムを対照液として波長 530nm 付近の吸光度

を測定する。

7)

別に,空試験溶液について銅溶液 (10g/L) 1mL を加えた後,2)6)の操作を行って吸光度を求め,

試料溶液について得た吸光度を補正する。

8)

検量線からバナジウムの量を求め,試料溶液中のバナジウムの濃度 (Vmg/L) を算出する。検量線

は次による。

検量線  バナジウム標準液 (V2

µg/mL) 1∼25mL を分液漏斗に段階的にとり,銅溶液 (10g/L) 1mL

を加えた後,2)7)の操作を行って,バナジウム (V) の量と吸光度との関係線を作成する。

(

66

マンガン (II) が正の誤差の原因となるから,あらかじめ銅イオンを共存させておき,影響を除

く。

(

67

バナジウムを 5 価に酸化するために過マンガン酸カリウムを多く用いると,マンガン量が多く

なるので,必要以上には用いない。

(

68

バナジウム抽出のための塩酸最適濃度は,3.5∼4mol/L である。

(

69

)

塩酸酸性では,バナジウムが徐々に還元されて低値を示しやすいので,手早く抽出を行う。特

に高濃度の塩酸酸性では還元されやすい。

11.2 

フレーム原子吸光分析法  試料溶液をアセチレン−一酸化二窒素フレーム中に噴霧し,バナジウム

による原子吸光を波長 318.4nm で測定し,バナジウムを定量する。

定量範囲:V1∼20 mg/L


35

K 0083

:2006

     

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

2)

硝酸アルミニウム溶液 (400g/l)  JIS K 8544 に規定する硝酸アルミニウム九水和物 70g をとり,少

量の水を加え加熱して溶かす。放冷後,水を加えて 100mL にする。

3)

バナジウム標準液 (V0.1mg/mL)  11.1a)5)による。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

フレーム原子吸光分析装置

2)

バナジウム中空陰極ランプ

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液の適量(V として 0.1∼2mg を含む。

)を全量フラスコ 100mL にとり,硝

酸 1mL を加えた後,水を標線まで加える。

2)

この溶液 50mL を乾いたビーカーにとり,硝酸アルミニウム溶液 (400g/L) 1mL を加える。

3)  2)

の溶液を JIS K 0121 の 6.(操作方法)の操作に従って,アセチレン−一酸化二窒素フレーム中に

噴霧し(

70

)

,波長 318.4nm の指示値(

26

)

を読みとる。

4)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)3)の操作を行って指示値を読み取り,試料溶液

について得た指示値を補正する。

5)

検量線からバナジウムの量を求め,試料溶液中のバナジウムの濃度 (Vmg/L) を算出する。検量線

は次による。

検量線  バナジウム標準液 (V0.1mg/mL) 1∼20mL を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,試料

溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について,1)3)の操

作を行う。

別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加えた

後,1)3)の操作を行って標準液について得た指示値を補正し,バナジウム (V) の量と指示値との

関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

70

多燃料フレームの方が高感度が得られる。感度の最も高い部分は,フレームのごく限られた位

置であるから,この位置を確かめておく。

11.3 

電気加熱原子吸光分析法  試料を前処理した後,電気加熱炉で原子化し,バナジウムによる原子吸

光を波長 318.4nm で測定してバナジウムを標準添加法により定量する。

定量範囲: V 10∼200

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。)

備考  この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少ない

試料に適用し,測定時の酸濃度は一定となるよう調製する。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸(1+1)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬−硝酸を用いて調整する。

3)

バナジウム標準液(V1mg/mL)  11.1a)5)のバナジウム標準液(V0.1mg/mL) 10 mL を全量フラスコ 1 
000mL にとり,硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

4)

バナジウム標準液(V0.1mg/mL)  バナジウム標準液(V1g/mL)10 mL を全量フラスコ 100mL にとり,


36

K 0083

:2006

     

硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

電気加熱原子吸光分析装置  電気加熱方式でバックグラウンド補正が可能なもの。

2)

発熱体  黒鉛製又は耐熱金属製のもの。

3)

バナジウム中空陰極ランプ

4)

フローガス  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

5)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計 10∼50µL 又は自動

注入装置。

c) 

準備操作  試料を 6.1 によって処理する。

d) 

操作  操作は,次による。

1) c)

の準備操作を行った試料の適量をそれぞれ全量フラスコ 20mL にとり,バナジウム標準液

(V0.1µg/mL)を加えないものと,0.1∼2 mL の範囲で段階的に 3 段階以上添加したものとを調製し,

それぞれの溶液の酸の濃度が同じになるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2) 1)

の操作を行った試料の一定量(例えば,10∼50µl)をマイクロピペットで発熱体に注入し,JIS K 

0121

の 6.(操作方法)の操作に従って,乾燥(100∼120℃,30∼40 秒間),灰化(500∼600℃,30∼40

秒間),原子化(

29

) (2 700∼3 000℃,5∼10 秒間),波長 318.4 nm の指示値(

30

)

を読みとる。

3)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

11.4 ICP

発光分析法  試料溶液を誘導結合プラズマ中に噴霧し,バナジウムによる発光を波長 309.311nm

で測定して,バナジウムを定量する。

定量範囲:V0.02∼2 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

バナジウム標準液 (V10

µg/mL)    11.1a)5)のバナジウム標準液 (V0.1mg/mL) 10mL を全量フラス

コ 100mL にとり,硝酸 (1+1) 2mL を加えて,水を標線まで加える。

b) 

装置  装置は,ICP 発光分析装置を用いる。

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.1

で調製した試料溶液を JIS K 0116 の 5.に従って,プラズマトーチ中に噴霧し,波長 309.311nm

の発光強度を測定する(

32

)(

33

)(

72

)

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た発光強度

を補正する。

3)

検量線からバナジウムの量を求め,試料溶液中のバナジウムの濃度 (Vmg/L) を算出する。検量線

は次による。

検量線  バナジウム標準液 (V10

µg/mL) 0.2∼20mL(

73

)

を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,試

料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 1)の操作を

行う。

別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加えた

後,1)の操作を行って標準液について得た発光強度を補正し,バナジウム (V) の量と発光強度との

関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

71

内標準法によることができる。内標準法を用いるときは,試料溶液の適量を全量フラスコ 100mL


37

K 0083

:2006

     

にとり,イットリウム溶液 (Y50

µg/mL)  [注(

31

)

による。

]10mL を加え,c)1)の試料溶液と同じ

条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について c)1)の噴霧操作を行

って,波長 309.311nm と同時に 371.029nm(イットリウム)の発光強度を測定し,バナジウム

とイットリウムとの発光強度の比を求める。別に,バナジウム標準液 (V10

µg/mL) 0.2∼20mL

を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,

イットリウム溶液 (Y50

µg/mL) 10mL をそれぞれ加え,

c)1)

の試料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について

c)1)

の噴霧操作を行って波長 309.311nm 及び 371.029nm の発光強度を測定し,バナジウムの濃度

に対するバナジウムとイットリウムとの発光強度比の関係線を作成し,検量線とする。この検

量線から,試料溶液について得た発光強度比に相当するバナジウムの量を求め,試料溶液中の

バナジウムの濃度 (Vmg/L) を算出する。

(

72

備 考 の 操 作 を 行 い , キ シ レ ン 層 を そ の ま ま 噴 霧 す る 場 合 の 検 量 線 は バ ナ ジ ウ ム 標 準 液

(V10

µg/mL)  を適切な濃度 (V0.1∼1µg/mL)  に薄め,その 0.1∼20mL を段階的にとり,一定量と

した後,試料溶液と同様に

備考及び c)1)と 2)の操作を行ってバナジウム (V) の量と発光強度の

関係線を作成する。

備考  試料溶液中のナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウムなどの濃度が高く,バナジウ

ムの濃度が低い場合には,7.3 c)

備考に準じた操作を行って,バナジウムを定量してもよい。

11.5 ICP

質量分析法  試料溶液に内標準物質を加え,試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,

バナジウム及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンの電流を測定し,バナジウムイオンの

電流と内標準物質のイオン電流との比を求めてバナジウムを定量する。

定量範囲:V0.5∼25

µg/L

                    V10

∼500

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

3)

イットリウム溶液(Y1 

µg/mL)  7.4a)3)による。

4)

バナジウム標準液(V1 

µg/mL)  11.1a)5)のバナジウム標準液(V0.1 mg/mL)10mL を全量フラスコ 1

000 mL にとり,硝酸(1+1)20 mL を加え,水を標線まで加える。

5)

バナジウム標準液(50 ngV/mL)   4)のバナジウム標準液(1

µgV/mL)50 mL を全量フラスコ 1 000

mL にとり,硝酸(1+1)3 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

6)

混合標準液[(Cd1 

µgPb1 µgNi1 µgMn1 µgV1 µg)/mL]  7.4a)6)  による。

7)

混合標準液[(Cd50 ngPb50 ngNi50 ngMn50 ngV50 ng)/mL]  7.4a)7)  による。

b) 

装置  器具及び装置は,ICP 質量分析装置を用いる。

備考1. 7.4b)備考 1.による。

2. 7.4b)

備考 2.による。

c) 

操作  操作は,次による。(

73

)(

 74

)

1)  6.1

で調製した試料溶液の適量(V として 0.05∼50

µg を含む。)を全量フラスコ 100 mL にとり,イ

ットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え,硝酸の最終濃度が 0.1∼0.5 mol/L の一定濃度となるよう

に硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。


38

K 0083

:2006

     

2)  ICP

質量分析装置を作動できる状態にし,1)の溶液を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴

霧して,バナジウム及びイットリウムの質量/荷電数(

75

)

における指示値(

76

)

を読み取り,バナジウム

の指示値とイットリウムの指示値との比を求める。

3)

空試験として試料と同量の水をとり,同様に 1)2)の操作を行い,バナジウムの指示値とイットリ

ウムの指示値との比を求め,試料について得たバナジウムとイットリウムとの指示値の比を補正す

る。

4)

検量線からバナジウムの量を求め,試料中のバナジウムの濃度(V

µg/L)を算出する。検量線は次によ

る。

検量線  バナジウム標準液 (V50 ng/mL 又は V1

µg/mL)1∼50 mL(

77

)

を全量フラスコ 100 mL に段

階的にとり,イットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL  を加え,1)の試料と同じ酸の濃度になるように硝酸

(1+1)

を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 2)の操作を行う。

別に,空試験として全量フラスコ 100 mL にイットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料

と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を加え,水を標線まで加えた後,2)の操作を行って標準液に

ついて得た指示値の比を補正した後,バナジウム(V)の量に対する指示値とイットリウムの指示値と

の比の関係線を作成する。検量線の作成は,試料測定時に行う。

(

73

) 7.4

(

36

)

による。

(

74

) 7.4

(

37

)

による。

(

75

) 7.4

(

38

)

による。

(

76

) 7.4

(

39

)

による。

(

77

) 7.4

(

40

)

による。

備考 7.4c)備考による。

12. 

クロムの分析方法  クロムの分析には,ジフェニルカルバジド吸光光度分析法,フレーム原子吸光分

析法,電気加熱原子吸光分析法,ICP 発光分析分析法又は ICP 質量分析法を適用する。

12.1 

ジフェニルカルバジド吸光光度法  クロム (III) を過マンガン酸カリウムで酸化してクロム (VI)

とする。過剰の過マンガン酸カリウムを亜硝酸ナトリウムで分解した後,1,5−ジフェニルカルボノヒド

ラジド(ジフェニルカルバジド)を加え,生成する赤紫の錯体の吸光度を測定して定量する。

定量範囲:Cr2∼50

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 3∼10%

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

硫酸 (12)    JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。

2)

過マンガン酸カリウム溶液 (3g/l)  11.1a)4)による。

3)

亜硝酸ナトリウム溶液 (20g/l)  JIS K 8019 に規定する亜硝酸ナトリウム 2g を水に溶かして 100mL

とする。使用時に調製する。

4)

尿素溶液 (200g/l)  JIS K 8731 に規定する尿素 20g を水に溶かして 100mL とする。

5)  1

5−ジフェニルカルボノヒドラジド溶液 (10g/l)   JIS K 8488 に規定する 1,5−ジフェニルカル

ボノヒドラジド 0.5g を JIS K 8034 に規定するアセントン 25mL に溶かし,水を加えて 50mL とす

る。冷暗所に保存し,1 週間以内に使用する。

6)

クロム標準液 (Cr0.1mg/mL)  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の二クロム酸カリウムを
150℃で約 1 時間乾燥し,デシケータ中で放冷する。


39

K 0083

:2006

     

K

2

Cr

2

O

7

100%

に対してその 0.283g をとり,少量の水に溶かして,全量フラスコ 1 000mL に移し入

れ,水を標線まで加える。又は,JIS K 0024 に規定するクロム標準液の Cr100 を用いる。

7)

クロム標準液 (Cr2

µg/mL)  6)のクロム標準液  (Cr0.1mg/mL) 20mL を全量フラスコ 1 000mL にと

り,水を標線まで加える。又は,JIS K 0024 に規定するクロム標準液の Cr2 を用いる。

b) 

装置  装置は,分光光度計又は光電光度計を用いる。

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.2

で調製した試料溶液の適量(Cr として 2∼50

µg を含む。)をビーカー100mL にとり,硫酸 (1

+2) 3mL を加え(

78

)

,数分間煮沸する。

2)

溶液を静かに加熱し,過マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) を 1 滴ずつ加え着色させる。引き続き加

熱し,溶液の赤い色が消えそうになったら,更に過マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) を滴加し,常

に赤い色を保つようにして数分間煮沸を続ける。

3)

流水で冷却し,尿素溶液 (200g/L) 10mL を加え,激しくかき混ぜながら亜硝酸ナトリウム溶液

(20g/L) (

79

)1

滴ずつ加えて溶液の赤い色を消し,過剰の過マンガン酸及び酸化マンガン (IV) を分解

する。

4)

全量フラスコ 50mL に移し入れ,液温を約 15℃(

80

)

に保ち,1,5−ジフェニルカルボノヒドラジド

溶液 (10g/L) 1mL を加え,直ちに振り混ぜる。水を標線まで加え振り混ぜ,約 5 分間放置する(

81

)

5)

溶液の一部を吸収セルに移し,波長 540nm 付近の吸光度を測定する。

6)

別に空試験溶液について 1)5)の操作を行って吸光度を測定し,試料溶液について得た吸光度を補

正する。

7)

検量線からクロムの量を求め,試料溶液中のクロムの濃度 (Crmg/L) を算出する。検量線は次によ

る。

検量線  クロム標準液 (Cr2

µg/mL) 1∼25mL を段階的にビーカーにとり,それぞれに硫酸 (1+9)

3mL

を加え,水を加えて液量を約 30mL とした後,2)6)の操作を行ってクロム (Cr) の量と吸光度

との関係線を作成する。

(

78

)  1

,5−ジフェニルカルボノヒドラジドによるクロム (VI) の発色には,硫酸の濃度は 0.1mol/L

程度が適当である。

(

79

亜硝酸ナトリウム溶液 (20g/L) の代わりにアジ化ナトリウム溶液 (50g/L) を用いることができ

る。この場合,アジ化ナトリウム溶液 (50g/L) を注意して滴加しよく振り混ぜて過マンガン酸

を分解し,続いて 2∼3 分間煮沸して過剰のアジ化ナトリウムを分解する。

(

80

液温は,発色に影響するので,約 15℃に保つことが必要である。

(

81

発色は 2∼3 分程で最高となり,その後徐々に退色するが,5∼15 分間はほとんど変化しない。

備考1.  試料溶液が鉄を含むとき,鉄が多量になるに従って吸光度が低くなるが,発色液 50mL 中約

1mg

で一定となる(約 20%低値を示す。

。ただし,ジフェニルカルバジド溶液を加える前に,

二りん酸ナトリウム溶液(JIS K 8785 に規定する二りん酸ナトリウム 10 水和物 5g を水に溶

かし 100mL とする。

)2mL を加えると,鉄 2.5mg までは影響されなくなる。鉄がクロムより

少ない場合には無視してもよい。

2. 

この方法では,モリブデン,水銀,バナジウムなどが影響する。ただし,モリブデンは 0.1mg

までは影響しない。水銀は塩化物イオンの添加によって妨害しなくなる。また,バナジウム

は発色後,10∼15 分間経過してから吸光度を測定すれば,その影響は無視できる。

3. 

鉄その他の妨害が多い場合には,試料溶液の適量(Cr として 2∼50

µg を含む。)を分液漏斗


40

K 0083

:2006

     

にとり,試料 20mL につき硫酸 (1+1) 5mL を加え,硫酸の濃度を約 1.8mol/L とし,これに過

マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) を滴加し,わずかに着色させる。これに,クペロン溶液

(50g/L)

JIS K 8289 に規定するクペロン 5g を水に溶かして 100mL とする。

]5mL と JIS K 

8322

に規定するクロロホルム 10mL を加えて約 30 秒間激しく振り混ぜ,鉄その他を抽出し

静置する。クロロホルム層を分離し,水層に再びクペロン溶液 (50g/L) 1mL とクロロホルム

10mL

を加えて再び抽出し,クロロホルム層を分離する。水層をビーカー100mL に移し,蒸

発して軽く乾燥する。これに少量の硫酸と硝酸を加え,再び蒸発乾固して有機物を分解する。

硫酸 (1+1) 0.3mL に溶かす。過マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) でクロムを酸化した後,c)

よって操作する。

12.2 

フレーム原子吸光分析法  試料溶液をアセチレン−空気などのフレーム中に噴霧し,クロムによる

原子吸光を波長 357.9nm で測定して,クロムを定量する。

定量範囲:Cr0.2∼5 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置,測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

クロム標準液 (Cr 10

µ/mL)    12.1a)6)のクロム標準液 (Cr0.1mg/mL) 50mL を全量フラスコ

500mL にとり,硝酸 (1+1) 10mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

フレーム原子吸光分析装置

2)

クロム中空陰極ランプ

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.2

で調製した試料溶液を JIS K 0121 の 6.の操作に従って,フレーム(

82

)

中に噴霧し,波長 357.9nm

の指示値(

26

)

を読みとる。

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,指示値を読み取り,試料溶液に

ついて得た指示値を補正する。

3)

検量線からクロムの量を求め,試料溶液中のクロムの濃度 (Crmg/L) を算出する。検量線の作成は

次による。

検量線  クロム標準液 (Cr10

µg/mL) 2∼50mL を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,試料溶液

と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 1)の操作を行う。

別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加えた

後,1)の操作を行って標準液について得た指示値を補正し,クロム (Cr) の量と指示値との関係線を

作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

82

少燃料のアセチレン−空気又はアセチレン−一酸化二窒素フレームを用いる。

備考1.  クロムの濃度が低い試料溶液で,抽出を妨害する物質を含まない場合には,次の操作で定量

してもよい。

試料溶液の適量(Cr として 5∼100

µg を含む。)をビーカー100mL にとり,硫酸 (1+2) 2mL

を加え過マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) 数滴を加えて加熱する。過マンガン酸の色が消え

そうになったら,さらに過マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) を滴加し,常に溶液の色が微赤

を保つように数分間煮沸を続ける。流水で冷却し,これを分液漏斗に移し,水を加えて約

100mL

とする。N,  N−ジオクチルオクタンアミン(トリオクチルアミン)の酢酸ブチル溶

液 (30g/L) 20mL を加え,約 10 分間激しく振り混ぜた後放置する。酢酸ブチル層をそのまま


41

K 0083

:2006

     

フレーム中に噴霧してクロムを定量する。検量線の作成にはクロム標準液 (Cr10

µg/mL)  を適

宜に薄めて用いる。JIS K 8377 に規定する酢酸ブチルの代わりに JIS K 8903 に規定する 4−

メチル−2−ペンタノンを用いてもよい。

2. 

アセチレン−空気フレームでは,多燃料フレームにすると感度は高くなるが,鉄,ニッケル

など共存物による妨害も大きくなる。この場合,硫酸ナトリウム,二硫酸カリウム又は二ふ

っ化水素アンモニウムを 1%程度共存させる。アセチレン−一酸化二窒素フレームでは妨害

の大部分は消滅する。

12.3 

電気加熱原子吸光分析法  試料を前処理した後,マトリックスモディファイヤーとして硝酸パラジ

ウム(Ⅱ)を加え,電気加熱炉で原子化し,クロムによる原子吸光を波長 357.9nm 又は 359.3nm で測定し

て全クロムを標準添加法により定量する。

定量範囲: Cr5∼100

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。)

備考  この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少ない

試料に適用し,測定時の酸濃度は一定となるよう調製する。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸(1+1)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬−硝酸を用いて調製する。

3)

硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd 1 000mg/mL)   7.3a)3)による。

4)

クロム標準液(Cr 1mg/mL)  12.2a)1)のクロム標準液(Cr10g/mL) 10 mL を全量フラスコ 100mL に

とり,硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

5)

クロム標準液(Cr 0.1mg/mL)  クロム標準液(Cr1µg/mL)10 mL を全量フラスコ 100mL にとり,硝

酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

電気加熱原子吸光分析装置  電気加熱方式でバックグラウンド補正が可能なもの。

2)

発熱体  黒鉛製又は耐熱金属製のもの

3)

クロム中空陰極ランプ

4)

フローガス  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

5)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計 10∼50µl 又は自動

注入装置。

c) 

準備操作  試料を 6.1 によって処理する。

d) 

操作  操作は,次による。

1) c)

の 準 備 操 作 を 行 っ た 試 料 の 適 量 を そ れ ぞ れ 全 量 フ ラ ス コ 20mL に と り , ク ロ ム 標 準 液

(Cr0.1µg/mL)を加えないものと,0.1∼2 mL の範囲で段階的に 3 段階以上添加したものとを調製し,

それぞれの溶液の酸の濃度が同じになるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)

この溶液の一定量(例えば,10∼50µL)及びそれと同体積の硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd1

000µg/mL)を,マイクロピペット又は自動注入装置を用いて電気加熱炉に注入する。JIS K 0121 
6.(操作方法)の操作に従って,乾燥(100∼120℃,30∼40 秒間),灰化(500∼800℃,30∼40 秒間),

原子化(

29

) (1 800∼2 500℃,3∼6 秒間)し,波長 357.9nm 又は 359.3nm  の指示値(

30

)を読みとる。

3)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を


42

K 0083

:2006

     

補正する。

12.4 ICP

発光分析法  試料溶液を誘導結合プラズマ中に噴霧し,クロムによる発光を波長 206.149nm で

測定して,クロムを定量する。

定量範囲:Cr0.02∼4 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

クロム標準液 (Cr10

µg/mL)    12.1a)6)のクロム標準液 (Cr0.1mg/mL) 50mL を全量フラスコ

500mL にとり,硝酸 (1+1) 10mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

装置  ICP 発光分析装置を用いる。

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.2

で調製した試料溶液を JIS K 0116 の 5.に従って,プラズマトーチ中に噴霧し,波長 206.149nm

の発光強度を測定する(

32

)(

33

)(

83

)

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た発光強度

を補正する。

3)

検量線からクロムの量を求め,試料溶液中のクロムの濃度 (Crmg/L) を算出する。検量線は次によ

る。

検量線  クロム標準液 (Cr10

µg/mL) 0.2∼40mL(

84

)

を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,試料溶

液と同じ条件になるように酸を加えた後,

水を標線まで加える。

この溶液について 1)の操作を行う。

別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加えた

後,1)の操作を行って試料溶液について得た発光強度を補正し,クロム (Cr) の量と発光強度との関

係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

83

内標準法によることができる。内標準法を用いるときは,試料溶液の適量を全量フラスコ 100mL

にとり,イットリウム溶液 (Y50

µg/mL)  [注(

31

)

による。

]10mL を加え,c)1)の試料溶液と同じ

条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について c)1)の噴霧操作を行

って波長 206.149nm と同時に 371.029nm(イットリウム)の発光強度を測定し,クロムとイッ

トリウムとの発光強度との比を求める。別に,クロム標準液 (Cr10

µg/mL) 0.2∼40mL を全量フ

ラスコ 100mL に段階的にとり,イットリウム溶液 (Y50

µg/mL) 10mL をそれぞれ加え,c)1)の試

料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について c)1)

噴霧操作を行って波長 206.149nm と 371.029nm の発光強度を測定し,クロムの濃度に対するク

ロムとイットリウムとの発光強度比の関係線を作成し,検量線とする。この検量線から試料溶

液について得た発光強度比に相当するクロムの量を求め,試料溶液中のクロムの濃度 (Crmg/L)

を算出する。

(

84

次の

備考の操作を行い,酢酸ブチル層(又は,4−メチル−2−ペンタノン)をそのまま噴霧す

る場合の検量線は,クロム標準液 (Cr10

µg/mL)  を適切な濃度に薄めた後,試料溶液と同様に備

考及び c)1)と 2)の操作を行って,クロム (Cr) の量と発光強度との関係線を作成する。このとき

プラズマトーチとしては有機溶媒用のトーチを用いてもよい。

備考  試料溶液中のナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウムなどの濃度が高く,クロムの

濃度が低い場合には,次のような操作を行った後,測定してもよい。

試料溶液の適量(Cr とし 5∼100

µg を含む。)をビーカー100mL にとり,硫酸 (1+2) 2mL を

加え過マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) を滴加し,常に溶液の色が微赤を保つように数分間煮


43

K 0083

:2006

     

沸を続ける。流水で冷却し,これを分液漏斗に移し,水を加えて約 100mL とする。N,  N−ジ

オクチルオクタンアミン(トリオクチルアミン)の酢酸ブチル溶液 (30g/L) 20mL を加え,約

10

分間激しく振り混ぜた後放置する。酢酸ブチル層をそのままプラズマトーチ中に噴霧してク

ロムを定量する。

なお,JIS K 8377 に規定する酢酸ブチルの代わりに JIS K 8903 に規定する 4−メチル−2−ペ

ンタノンを用いてもよい。

12.5 ICP

質量分析法  試料溶液に内標準物質を加え,試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,

クロム及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンの電流を測定し,クロムのイオンの電流と

内標準物質のイオン電流との比を求めてクロムを定量する。

定量範囲:Cr0.5∼25

µg/L

Cr10

∼500

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

3)

イットリウム溶液(Y1 

µg/mL)  7.4a)3)による。

4)

クロム標準液(Cr1 

µg/mL)   12.1a)6)のクロム標準液(Cr0.1 mg/mL)10mL を全量フラスコ 1 000

mL にとり,硝酸(1+1)20 mL を加え,水を標線まで加える。

5)

クロム標準液(50 ngCr/mL)   4)のクロム標準液(Cr1

µg/mL)50 mL を全量フラスコ 1 000 mL にと

り,硝酸(1+1)3 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

b)

装置  ICP 質量分析装置を用いる。

備考 1.  7.4b)備考 1.による。

2.  7.4b)

備考 2.による。

c) 

操作  操作は,次による。(

85

)(

 86

)

1)  6.2

で調製した試料溶液の適量(Cr として 0.05∼50

µg を含む。)を全量フラスコ 100 mL にとり,

イットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え硝酸の最終濃度が 0.1∼0.5 mol/L の一定濃度となるよう

に硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  ICP

質量分析装置を作動できる状態にし,1)の溶液を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴

霧して,クロム及びイットリウムの質量/荷電数(

87

)

における指示値(

88

)

を読み取り,クロムの指示値

とイットリウムの指示値との比を求める。

3)

空試験として試料と同量の水をとり,同様に 1)2)の操作を行い,クロムの指示値とイットリウム

の指示値との比を求め,試料について得たクロムとイットリウムの指示値の比を補正する。

4)

検量線からクロムの量を求め,試料中のクロムの濃度(Cr

µg/L)を算出する。検量線は次による。

検量線  クロム標準液 (50 ngCr/mL 又は 1

µgCr/mL)1∼50 mL を全量フラスコ 100 mL に段階的に

とり,イットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)

を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 2)の操作を行う。

別に,空試験として全量フラスコ 100 mL にイットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料

と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を加え,水を標線まで加えた後,2)の操作を行って標準液に

ついて得た指示値の比を補正した後,クロム(Cr)の量に対する指示値とイットリウムの指示値との


44

K 0083

:2006

     

比の関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

(

85

) 7.4

(

36

)

による。

(

86

) 7.4

(

37

)

による。

(

87

) 7.4

(

38

)

による。

(

88

) 7.4

(

39

)

による。

備考 7.4c)備考による。

13. 

ベリリウムの分析方法  ベリリウムの分析には,フレーム原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,

ICP

発光分析法又は ICP 質量分析法を適用する。

13.1 

フレーム原子吸光分析法  試料溶液をアセチレン−一酸化二窒素のフレーム中に噴霧し,ベリリウ

ムによる原子吸光を波長 234.9nm で測定し,ベリリウムを定量する。

定量範囲:Be0.05∼2 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

塩酸 (11)    JIS K 8180 に規定するものを用いて調製する。

2)

ベリリウム標準液 (Be1mg/mL)   ベリリウム(99%以上)0.100g をビーカーにとり,塩酸 (1+1) 
10mL を少量ずつ加えて溶かし,時計皿で覆い静かに加熱溶解して,冷却後全量フラスコ 100mL

に移す。ビーカー及び時計皿を水で洗い,洗液を全量フラスコ中の溶液に合わせて,水を標線まで

加える。

3)

ベリリウム標準液 (Be10(g/mL)   2)のベリリウム標準液 (Be1mg/mL) 10mL を全量フラスコ
100mL にとり,塩酸 (1+1) 10mL を加えた後,水を標線まで加える。この溶液 25mL を全量フラ

スコ 250mL にとり,塩酸 (1+1) 25mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

フレーム原子吸光分析装置

2)

ベリリウム中空陰極ランプ

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.3

で調製した試料溶液を JIS K 0121 の 6.の操作に従って,フレーム中に噴霧し,波長 234.9nm の

指示値(

26

)

を読みとる。

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,指示値を読み取り,試料溶液に

ついて得た指示値を補正する。

3)

検量線からベリリウムの量を求め,試料溶液中のベリリウムの濃度 (Bemg/L) を算出する。検量線

は次による。

検量線  ベリリウム標準液 (Be10

µg/mL) 0.5∼20mL を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,試

料溶液と同じ条件になるように塩酸 (1+1) 10mL を加えた後,水を標線まで加える。この溶液につ

いて,1)の操作を行う。

別に,空試験として水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加えた

後,1)の操作を行って標準液について得た指示値を補正し,ベリリウム (Be) の量と指示値との関

係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

備考  ベリリウムの濃度が低い試料溶液で,抽出操作を妨害する物質を含まない場合には,次のよう

に行ってもよい。


45

K 0083

:2006

     

試料溶液の適量(Be として 0.2∼5

µg を含む。)を分液漏斗 100mL にとり,くえん酸水素二

アンモニウム溶液 (100g/L) 5mL 及び指示薬としてフェノーフタレイン溶液 (1g/L) 数滴を加え,

溶液の色が赤になるまでアンモニア水を加えた後,水で 50mL とする。エチレンジアミン四酢

酸二水素二ナトリウム二水和物(JIS K 8107 に規定するもの)溶液 (20g/L) 5mL 及び炭酸ナト

リウム(JIS K 8625 に規定するもの)溶液 (5g/L) 2mL を加える。これにアセチルアセトン溶液

(50g/L)

を加えてよく混合した後,JIS K 8903 に規定する 4−メチル−2−ペンタノン 10mL を

加え,3 分間激しく振り混ぜる。30 分間放置後,4−メチル−2−ペンタノン層を分離し,c)1)

2)の操作を行ってベリリウムを定量する。

検量線の作成は,ベリリウム標準液 (Be10

µg/mL) 10mL を全量フラスコ 100mL にとり,塩酸

(1+1) 10mL

を加えた後,水を標線まで加えた溶液 0.2∼0.5mL を分液漏斗にとり,以下,試料溶

液を同様に操作して,ベリリウム (Be) の量と指示値との関係線を作成する。検量線の作成は,

試料溶液測定時に行う。

13.2 

電気加熱原子吸光分析法  試料を前処理した後,電気加熱炉で原子化し,ベリリウムによる原子吸

光を波長 234.9nm で測定してベリリウムを標準添加法により定量する。

定量範囲: Be5∼50µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。)

備考    この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少な

い試料に適用し,測定時の酸濃度は一定となるよう調製する。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸(1+1)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬−硝酸を用いて調製する。

3)

ベリリウム標準液(Be1

µg/mL)  13.1a)3)のベリリウム標準液(Be10µg/mL) 10 mL を全量フラスコ

100mL にとり,硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

4)

ベリリウム標準液(Be0.1

µg/mL)  ベリリウム標準液(Be1µg/mL)10 mL を全量フラスコ 100mL にと

り,硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

電気加熱原子吸光分析装置  電気加熱方式でバックグラウンド補正が可能なもの。

2)

発熱体  黒鉛製又は耐熱金属製のもの。

3)

ベリリウム中空陰極ランプ

4)

フローガス  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

5)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計 10∼50µL 又は自動

注入装置。

c) 

準備操作  準備操作は,次による。

1)

試料を 6.1 によって処理する。

d) 

操作  操作は,次による。

1) c)

の準備操作を行った試料 15mL ずつをそれぞれ全量フラスコ 20mL にとり,ベリリウム標準液

(Be0.1µg/mL)を加えないものと,0.1∼2 mL の範囲で段階的に 3 段階以上添加したものとを調製し,

それぞれの溶液の酸の濃度が同じになるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  1)

の操作を行った試料の一定量(例えば,10∼50µL)をマイクロピペットで発熱体に注入し,JIS K 


46

K 0083

:2006

     

0121

の 6.(操作方法)の操作に従って,乾燥(100∼120℃,30∼40 秒間)  ,灰化(500∼800℃,30∼

40 秒間)  ,原子化(

29

) (2 000

∼2700℃,4∼6 秒間)し,波長 234.9 nm の指示値(

30

)

を読みとる。

3)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。

13.3 ICP

発光分析法  試料溶液を誘導結合プラズマ中に噴霧し,ベリリウムによる発光を波長 313.042nm

で測定して,ベリリウムを定量する。

定量範囲:Be 0.01∼2 mg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

ベリリウム標準液 (Be10mg/mL)  13.1a)2)のベリリウム標準液 (Be1mg/mL) 1mL を全量フラスコ
100mL にとり,硝酸 (1+1) 2mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

装置  装置は,ICP 発光分析装置を用いる。

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.3

で調製した試料溶液を JIS K 0116 の 5.に従って,プラズマトーチ中に噴霧し,波長 313.042nm

の発光強度を測定する(

32

)(

33

)(

89

)

2)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た発光強度

を補正する。

3)

検量線からベリリウムの量を求め,試料溶液中のベリリウムの濃度 (Bemg/L) を算出する。検量線

は次による。

検量線(

90

)

  ベリリウム標準液 (Be10

µg/mL) 0.1∼20mL を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,

試料溶液と同じ条件になるように酸を加えた後,水を標準線まで加える。この溶液について 1)の操

作を行う。

別に,空試験として,水について検量線の作成に用いた標準液と同じ条件になるように酸を加え

た後,1)の操作を行って標準液について得た発光強度を補正し,ベリリウム (Be) の量と発光強度

との関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

89

内標準法によることができる。内標準法を用いるときは,試料溶液の適量を全量フラスコ 100mL

にとり,イットリウム溶液 (Y50

µg/mL)  [注(

31

)

による。

]10mL を加え,c)1)の試料溶液と同じ

条件になるように酸を加えた後,水を標準線まで加える。この溶液について c)1)の噴霧操作を

行って波長 313.042nm と 371.029nm(イットリウム)の発光強度を測定し,ベリリウムとイッ

トリウムとの発光強度の比を求める。

別に,ベリリウム標準液 (Be10

µg/mL) 0.1∼20mL を全量フラスコ 100mL に段階的にとり,イ

ットリウム溶液 (Y50

µg/mL) 10mL をそれぞれ加え,c)1)の試料溶液と同じ条件になるように酸

を加えた後,水を標準線まで加える。この溶液について c)1)の噴霧操作を行って波長 313.042nm

と 371.029nm の発光強度を測定し,ベリリウムの濃度に対するベリリウムとイットリウムとの

発光強度比の関係線を作成し検量線とする。この検量線から試料溶液について得た発光強度比

に相当するベリリウムの量を求め,試料溶液中のベリリウムの濃度 (Bemg/mL) を算出する。

(

90

次の

備考の操作を行い,4−メチル−2−ペンタノン層をそのまま噴霧する場合の検量線は,ベ

リリウム標準液 (Be10

µg/mL)  を適切な濃度に薄めた後,試料溶液と同様に備考及び c)1)と 2)

の操作を行ってベリリウム (Be) の量と発光強度の関係線を作成する。

備考  試料溶液中のナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウムなどの濃度が高く,ベリリウ


47

K 0083

:2006

     

ムの濃度が低い場合には,次のような操作を行って測定してもよい。

試料溶液の適量(Be として 0.2∼5

µg を含む。)を分液漏斗 100mL にとり,くえん酸水素二

アンモニウム溶液 (100g/L) 5mL 及び指示薬としてフェノールレッド溶液 (1g/L) 数滴を加え,

溶液の色が赤になるまでアンモニア水を加えた後,水で 50mL とする。EDTA 溶液 (20g/L) 5mL

及び炭酸ナトリウム溶液 (5g/L) 2mL を加える。これに,アセチルアセトン溶液 (50g/L) を加え

てよく混合した後,JIS K 8903 に規定する 4−メチル−2−ペンタノン 10mL を加え,3 分間激

しく振り混ぜる。30 分間静置後水層を捨て,4−メチル−2−ペンタノン層を共栓試験管に入れ

る。この溶液をベリリウムの定量に用いる。

13.4 ICP

質量分析法  試料溶液に内標準物質を加え,試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,

ベリリウム及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンの電流を測定し,ベリリウムのイオン

の電流と内標準物質のイオン電流との比を求めてベリリウムを定量する。

定量範囲:Be 0.5∼25

µg/L

                    Be10

∼500

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

3)

イットリウム溶液(Y1 

µg/mL)  7.4a)3)による。

4)

ベリリウム標準液(Be1 

µg/mL)  13.2a)1)のベリリウム標準液(Be10µg/mL)10mL を全量フラスコ

100 mL にとり,硝酸(1+1)2 mL を加え,水を標線まで加える。

5)

ベリリウム標準液(Be50ng/mL)  4)のベリリウム標準液(Be1

µg/mL)50 mL を全量フラスコ 1 000

mL にとり,硝酸(1+1)3 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

b) 

装置  装置は,ICP 質量分析装置を用いる。

備考1. 7.4b)備考 1.による。

2. 7.4b)

備考 2.による。

c) 

操作  操作は,次による。(

91

)(

 92

)

1)  6.4

で調製した試料溶液の適量(Be として 0.05∼50

µg を含む。)を全量フラスコ 100 mL にとり,

イットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え,硝酸の最終濃度が 0.1∼0.5 mol/L となるように硝酸

(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  ICP

質量分析装置を作動できる状態にし,1)の溶液を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴

霧して,ベリリウム及びイットリウムの質量/荷電数(

93

)

における指示値(

94

)

を読み取り,ベリリウム

の指示値とイットリウムの指示値との比を求める。

3)

空試験として試料と同量の水をとり,同様に 1)2)の操作を行い,ベリリウムの指示値とイットリ

ウムの指示値との比を求め,試料について得たベリリウムとイットリウムの指示値の比を補正する。

4)

検量線からベリリウムの量を求め,試料中のベリリウムの濃度(Be

µg/L)を算出する。検量線は次に

よる。

検量線  ベリリウム標準液 (Be50 ng/mL 又は Be1

µg/mL)1∼50 mL を全量フラスコ 100 mL に段階

的にとり,イットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料と同じ酸の濃度になるように硝酸

(1+1)

を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 2)の操作を行う。


48

K 0083

:2006

     

別に,空試験として全量フラスコ 100 mL にイットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え,1)の試料

と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を加え,水を標線まで加えた後,2)の操作を行って標準液に

ついて得た指示値の比を補正した後,ベリリウム(Be)の量に対する指示値とイットリウムの指示値

との比の関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

(

91

) 7.4

(

36

)

による。

(

92

) 7.4

(

37

)

による。

(

93

) 7.4

(

38

)

による。

(

94

) 7.4

(

39

)

による。

備考 7.4c)備考による。

14. 

ひ素の分析方法  ひ素及びガス状ひ素化合物(水素化ひ素など)の分析には,ジエチルジチオカルバ

ミド酸銀吸光光度分析法,水素化合物発生原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,水素化合物発生 ICP

発光分析法又は ICP 質量分析法を用いる。ただしガス状ひ素化合物の分析には,電気加熱原子吸光分析法

及び ICP 質量分析法は,適用できない。

14.1 

ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度分析法  ひ素を還元して水素化ひ素として発生させ,これ

をジエチルジチオカルバミド酸銀のクロロホルム溶液に吸収させ,

生成する赤紫の溶液の吸光度を測定し,

ひ素を定量する。

定量範囲:As 2∼10

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

塩酸  JIS K 8180 に規定するひ素分析用のもの。

2)

塩酸 (11)  1)の塩酸を用いて調製する。

3)

硫酸  JIS K 8951 に規定するもの。

4)

よう化カリウム溶液 (200g/l)   JIS K 8913 に規定するよう化カリウム 20g を水に溶かして 100mL

とする。

5)

塩化すず (II) 溶液  JIS K 8136 に規定する塩化すず (II) 二水和物 40g を 1)の塩酸に溶かし,塩酸

で 100mL とし,

JIS K 8580

に規定するすずの粒状のもの 2,

3 粒を加えて着色ガラス瓶に保存する。

使用時に適量をとり,水で 10 倍に薄める。

6)

酢酸鉛 (II) 溶液 (100g/l)  JIS K 8374 に規定する酢酸鉛 (II) 三水和物 12g を JIS K 8355 に規定す

る酢酸 1,2 滴とを水に溶かし 100mL とする。

7)

亜鉛  JIS K 8012 に規定する亜鉛のひ素分析用を,JIS Z 8801 シリーズに規定する試験用ふるいで

ふるい分け,目開き 1 400

µm のふるいを通り 1 000µm のふるいに留まるもの。

8)

ジエチルジチオカルバミド酸銀溶液  JIS K 9512 に規定する

N

N

−ジエチルジチオカルバミド酸

銀(

N

N

−ジエチルカルバモジチオ酸銀)0.25g と JIS K 8832 に規定するブルシン

n

水和物 0.1g

とを JIS K 8322 に規定するクロロホルムに溶かし,クロロホルムで 100mL とする。溶解中クロロ

ホルムが揮散したときは,クロロホルムを加えて 100mL とする。

9)

クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。

10)

ひ素標準液 (As0.1mg/mL)  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の三酸化二ひ素を 105℃で

約 2 時間加熱し,デシケータ中で放冷する。As

2

O

3

100%に対してその 0.132g をとり,水酸化ナト

リウム溶液 (40g/L) 2mL に溶かした後,水を加えて 500mL とし,次に硫酸 (1+10) を加えて微酸


49

K 0083

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性とし,全量フラスコ 1 000mL に移し入れ,水を標線まで加える。又は JIS K 0026 に規定するひ

素標準液の As100 を用いる。

11)

ひ素標準液 (As1(g/mL)  10)のひ素標準液 (As0.1mg/mL) 10mL を全量フラスコ 1 000mL にとり,

水を標線まで加える。使用時に調製する。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

水素化ひ素発生装置  図 9-19-2 に一例を示す。

2)

吸光光度計  分光光度計又は光電光度計

 9-1  水素化ひ素発生装置の例

A:水素化ひ素発生瓶 100mL

b:酢酸鉛(Ⅱ)溶液(100g/L)で湿した


50

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図 9-2  水素化ひ素発生装置の例(続き)

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.4

で調製した試料溶液の適量(As として 2∼10

µg を含む。)を水素化ひ素発生瓶にとり,硫酸の

全量が 3mL となるように硫酸を加えた後,水で約 40mL とする。

2)

塩酸 (1+1) 2mL,よう化カリウム溶液 (200g/L) 15mL 及び塩化すず (II) 溶液 5mL とを加えて振

り混ぜ,約 10 分間放置する。

b:酢酸鉛(Ⅱ)溶液(100g/L)で湿した

A:水素化ひ素発生瓶 100mL


51

K 0083

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3)

水素化ひ素発生瓶,導管及びジエチルジチオカルバミド酸銀溶液 5mL を入れた水素化ひ素吸収管

を連結した後,水素化ひ素発生瓶に亜鉛約 3g を手早く投入する(

95

)

。水素化ひ素発生瓶を約 25℃の

水浴中に入れ,約 1 時間放置してジエチルジチオカルバミド酸銀溶液に水素化ひ素を吸収,発色さ

せる。

4)

この溶液にクロロホルムを加えて 5mL とする。

5)

溶液の一部を吸収セルに移し,

クロロホルムを対照液として波長 510nm 付近の吸光度を測定する。

6)

別に,空試験溶液について 1)5)の操作を行って吸光度を求め,試料溶液について得られた吸光度

を補正する。

7)

検量線からひ素の量を求め,試料溶液中のひ素の濃度 (mg/L) を算出する。検量線の作成は次によ

る。

検量線  ひ素標準液 (As1

µg/mL) 2∼10mL を水素化ひ素発生瓶に段階的にとり,硫酸 3mL と塩酸

(1+1) 2mL

と鉄 (III) 溶液 5mL を加えた後水で約 40mL とし,2)5)の操作を試料溶液と同時に行っ

て吸光度を測定し,ひ素 (As) の量と吸光度との関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に

作成する。

(

95

図 の 2)の水素化ひ素発生装置を用いるときは,亜鉛投入管に亜鉛約 3g を入れ吸収管を連結し

た後,亜鉛投入管を回転させ,亜鉛を試料中に添加する。

備考  試料溶液中のひ素の濃度が低い場合又は,水素化ひ素の発生を妨害する物質が含まれている場

合には,次の操作によって,ひ素を濃縮し分離して定量する。

試料溶液 250mL 当たり,鉄 (III) 溶液[JIS K 8142 に規定する塩化鉄 (III) 六水和物 5g 又は

JIS K 8982

に規定する硫酸アンモニウム鉄 (III) 十二水和物 9g を塩酸 5mL と水に溶かして

100mL

とする。

]2mL,メタクレゾールパープルのエタノール溶液 (1g/L) 2,3 滴を加え,液温

約 80℃でかき混ぜながら,アンモニア水 (1+2) を溶液の色が紫(pH 約 9)になるまで滴加す

る。放置して沈殿が沈降した後,小形のろ紙 5 種 B でろ別し,温水で 2,3 回洗浄する。沈殿

は,温硫酸 (1+5) 18mL 及び塩酸 (1+1) 2mL をろ紙上から滴加して溶解し,ろ紙は温水で洗浄

する。ろ液及び洗液を水素化ひ素発生瓶に入れ,水で 40mL とする。よう化カリウム溶液

(200g/L) 15mL

及び塩化すず (II) 溶液 5mL を加えて振り混ぜ,10 分間放置した後 3)5)の操作

を行って,ひ素を定量する。この方法を用いた場合には,空試験溶液についても同様の操作を

行って吸光度を求め,試料溶液について得た吸光度を補正する。

14.2 

水素化合物発生原子吸光分析法  試料溶液中のひ素を水素化ひ素とし水素−アルゴンフレーム中に

導き,ひ素による原子吸光を波長 193.7nm で測定して,ひ素を定量する。

定量範囲:As 5∼50

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 3∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

塩酸  JIS K 8180 に規定するひ素分析用のもの。

2)

塩酸 (11)    1)の塩酸を用いて調製する。

3)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

4)

硫酸 (11)  水 1 容をビーカーにとり,これを冷却し,かき混ぜながら JIS K 8951 に規定する硫酸
1 容を少しずつ加える。

5)

過マンガン酸カリウム溶液 (3g/l)  JIS K 8247 に規定する過マンガン酸カリウム 0.3g を水に溶かし


52

K 0083

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て 100mL とする。

6)

よう化カリウム溶液 (200g/l)   JIS K 8913 に規定するよう化カリウム 20g を水に溶かして 100mL

とする。

7)

塩化すず (II) 溶液  JIS K 8136 に規定する塩化すず (II) 二水和物 10g を 1)の塩酸 100mL に溶か

す。

8)

亜鉛粉末  JIS K 8013 に規定するひ素分析用のもの。

9)

 (III) 溶液  JIS K 8142 に規定する塩化鉄 (III) 六水和物 5g 又は JIS K 8982 に規定する硫酸アン

モニウム鉄 (III)十二水和物 9g と 1)の塩酸 5mL とを水に溶かして 100mL とする。

10)

ひ素標準液 (As0.1

µg/mL)  14.1a) 11)のひ素標準液 (As1µg/mL) 10mL を全量フラスコ 100mL にと

り,2)の塩酸 (1+1) 2mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

水素化ひ素発生装置  図 10 に一例を示す。

2)

原子吸光分析装置

3)

ひ素中空陰極ランプ

 10  水素化ひ素発生装置構成の一例

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.4

で調製した試料溶液(

96

)

の適量(As として 0.1∼1

µg を含む。)をビーカー(

97

)100mL

にとり,硫

酸 (1+1) 1mL 及び硝酸 2mL を加え,更に過マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) を溶液が着色するま

で添加する。

2)

加熱板上で加熱(

98

)

して硫酸の白煙を発生させる(

99

)

3)

室温まで放冷した後,塩酸 (1+1) 4mL を加え,水素化ひ素発生装置の反応容器に移し入れ,水を加

えて 20mL とする。

4)

よう化カリウム溶液 (200g/L) 2mL,塩化すず (II) 溶液 2mL 及び鉄 (III) 溶液 1mL を加えて振り

混ぜ,約 15 分間放置する。

5)

水素化ひ素発生装置と原子吸光分析装置とを連結し,系内の空気を JIS K 1105 に規定するアルゴン

2 級で置換した後,亜鉛粉末 1.0g を手早く(

100

)(

101

)

反応容器中に加え,マグネチックスターラーを作

動して水素化ひ素(及び水素)を発生させる(

102

)

6)

コックを回転して,水素化ひ素を水素−アルゴン(

103

)

フレーム中に導き,波長 193.7nm の指示値(

23

)


53

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を読みとる。

7)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)6)の操作を行い,試料溶液について得た指示値

を補正する。

8)

検量線からひ素の量を求め,試料溶液中のひ素の濃度 (Asmg/L) を算出する。検量線の作成は次に

よる。

検量線  ひ素標準液 (As0.1

µg/mL) 1∼10mL を段階的にとり,3)6)の操作を行い,ひ素 (As) の

量と指示値との関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

96

有機物及び硝酸塩を含まない試料溶液は,1)3)の代わりに次のように操作してもよい。試料溶

液の適量(As として 0.1∼1

µg を含む。)をビーカー100mL にとり,塩酸 (1+1) 4mL を加え,沸

騰しない程度に数分間加熱した後,冷却する。反応容器に移し入れ,水を加えて 20mL にする。

また,多量の有機物を含む場合は,c)1)及び 2)の代わりに次のように操作してもよい。

試料溶液の適量に硫酸 (1+1) 1mL,硝酸 2mL 及び JIS K 8223 に規定する過塩素酸 (60%) 3mL

を加え,加熱して白煙を発生させ,有機物を分解する。

(

97

硬質ガラスにはひ素を含むものがあるので四ふっ化エチレン樹脂製ビーカーを用いるとよい。

(

98

加熱中に過マンガン酸の色が消えたときは,過マンガン酸カリウム溶液 (3g/L) を追加する。

(

99

硝酸は水素化ひ素の発生を阻害するので,十分に硫酸の白煙を発生させて硝酸を除去する。

(

100

水素化ひ素は,亜鉛粉末を添加した直後に急激に発生するので,逃がさないように注意する。

(

101

亜鉛粉末中には微量のひ素が含まれているので,亜鉛粉末の添加量を一定にする。このため,

亜鉛粉末にバインダーを加えて成形した錠剤を添加・亜鉛粉末に水を加えて濃い懸濁液とし,

スポイトで添加・一定量の亜鉛粉末をオブラートで包んで添加などの方法を用いる。

亜鉛粉末の代わりに,テトラヒドロほう酸ナトリウムを用いてもよい。この場合,塩化すず

(II)

溶液及び鉄 (III) 溶液は添加しない(テトラヒドロほう酸ナトリウムによる水素化ひ素発生

装置によって異なる。

)。また,水素−アルゴンフレームの代わりに,加熱吸収セルを用いても

よい。

テトラヒドロほう酸ナトリウムの添加方法も,錠剤添加又は溶液にして少量ずつ添加する方

法などがある。添加時の酸濃度も発生装置によって異なるので注意する。通常,酸濃度は 1mol/L

程度で行うが,c)2)における硫酸の残留量に応じて a)2)の塩酸 (1+1)  の添加量を少なくする。

(

102

捕集した気体の量を知るには,圧力による方法,体積による方法などがある。

(

103

) JIS K 1105

に規定するアルゴン 2 級の代わりに,JIS K 1107 に規定する高純度窒素 2 級を用い

てもよい。

備考1.  水素化ひ素だけを濃縮するときには,ガラスビーズを充てんした U 字管を液体窒素中に浸し

たコールドトラップを用い,水素化ひ素を固定する。U 字管を引き上げて,両端を閉じた状

態で室温に戻し,気化した水素化ひ素をアルゴンでフレーム中に送り込む。

2. 

図 10 の代わりに,テトラヒドロほう酸ナトリウムを用いた連続式の水素化物発生装置を用い

て定量してもよい。

図 11 に一例を示す。この場合の操作は,次による。


54

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 11  連続式水素化物発生装置の一例

c)1)

及び 2)の操作を行った試料溶液を放冷した後,全量フラスコ 20mL に移し入れ,水を

標線まで加える。装置にアルゴンを流しながら,この溶液,塩酸 (1∼6mol/L)及びテトラヒ

ドロほう酸ナトリウム溶液[テトラヒドロほう酸ナトリウム 5g を水酸化ナトリウム溶液

(0.1mol/L) 500mL

に溶かしたもの。

]を,定量ポンプを用いて,それぞれ 1∼10mL/min の流量

(装置によって,試料溶液,塩酸,テトラヒドロほう酸ナトリウム溶液の流量,塩酸及びテ

トラヒドロほう酸ナトリウム溶液の濃度は異なる。

)で連続的に装置内に導入し,水素化ひ素

を発生させる。

発生した水素化ひ素と廃液とを分離した後,水素化ひ素を含む気体を水素−アルゴンフレ

ーム又は加熱吸収セルに導入し,波長 193.7nm の指示値を読みとる。空試験として,空試験

溶液について c)1)及び 2)の操作を行った後,試料溶液と同様に操作して指示値を読み取り,

試料溶液について得た指示値を補正する。検量線からひ素の量を求め,試料溶液中のひ素の

濃度 (Asmg/L) を算出する。

鉄,ニッケル及びコバルトは,それぞれ,ひ素の 5 倍,10 倍,80 倍量程度を超えて共存す

ると水素化ひ素の発生を阻害する。しかし,試料溶液を処理後全量フラスコに移し入れ 20mL

にするときに,よう化カリウム溶液 (20∼100g/L)  を 1∼10mL/min の流量(濃度,流量は装

置によって異なる。

)で水素化ひ素発生装置に導入することによって,鉄による妨害は 1 000

倍量共存する場合でも除去できる。

なお,検量線は,ひ素標準液 (0.1

µgAs/mL) 1∼10mL(*)を段階的に全量フラスコ 20mL にと

り,水を標線まで加えて作成する。以後,試料溶液の場合と同様に操作して,ひ素 (As) の

量と指示値との関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(*)  加熱吸収セルの場合には,水素−アルゴンフレームに比べて 10∼50 倍程度(装置及び


55

K 0083

:2006

     

操作条件によって異なる。

)感度が良いので,ひ素標準液 (As0.1

µg/mL)  の量を適宜減

らす。

14.3 

電気加熱原子吸光分析法  試料を前処理した後,マトリックスモディファイヤーとして硝酸パラジ

ウム(Ⅱ)及び硝酸マグネシウムを加え,電気加熱炉で原子化し,ひ素による原子吸光を波長 193.7nm で

測定してひ素を標準添加法によって定量する。

定量範囲: As 5∼100 µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。)

備考  この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少ない

試料に適用し,測定時の酸濃度は一定となるよう調製する。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸(1+1)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬-硝酸を用いて調製する。

3)

硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd 1 000

µg/mL)  7.3a)3)による。

4)

硝酸マグネシウム  原子吸光分析用マトリックスモディファイヤーの硝酸マグネシウム溶液を希釈

して用いる。

5)

ひ素標準液(As10

µg/mL)  14.1a)10)のひ素標準液(As0.1mg/mL) 10 mL を全量フラスコ 100mL にと

り,硝酸(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

6)

ひ素標準液(As 1

µg/mL)  ひ素標準液(As10µg/mL)10 mL を全量フラスコ 100mL にとり,硝酸

(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

電気加熱原子吸光分析装置  電気加熱方式でバックグラウンド補正が可能なもの。

2)

発熱体  黒鉛製又は耐熱金属製のもの。

3)

ひ素中空陰極ランプ

4)

フローガス  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

5)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計 5∼500µl 又は自動

注入装置。

c) 

準備操作

試料を 6.1 によって処理する。

d) 

操作  操作は,次による。

1) c)

の準備操作を行った試料の適量をそれぞれ全量フラスコ 20mL にとり,ひ素標準液(As 1µg/mL)

を加えないものと,0.1∼2 mL の範囲で段階的に 3 濃度以上添加したものとを調製し,それぞれの

溶液の酸の濃度が同じになるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)

この溶液の一定量(例えば,10∼50µl)及びそれと同体積の硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd 1

000µg/mL)及び硝酸マグネシウム溶液(Mg 1 000µg/mL) (

104

)

を,マイクロピペット又は自動注入装

置を用いて電気加熱炉に注入する。JIS K 0121 の 6.(操作方法)に従って,乾燥(100∼120℃,30∼

40 秒間),灰化(600∼1 200℃,30∼40 秒間),原子化(2 000∼2 400℃,3∼6 秒間)し,波長 193.7 nm

の指示値(

30

)

を読みとる。

3)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。


56

K 0083

:2006

     

(

104

)  

混合した溶液を用いてもよい。

14.4 

水素化合物発生 ICP 発光分析法  試料溶液中のひ素を水素化ひ素とし,試料導入部を通して誘導結

合プラズマ中に噴霧し,ひ素による発光を波長 193.696 nm で測定してひ素を定量する。

定量範囲:As 1∼10

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 3∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)  JIS K 0557

に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないことを確

認しておく。

2)

塩酸  JIS K 8180 に規定するひ素分析用のもの。

3)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

4)

臭化カリウム溶液 (1 mol/l)  JIS K 8506 に規定する臭化カリウム 11.9 g を水に溶かして 100 mL と

する。

5)

テトラヒドロほう酸ナトリウム溶液 (10 g/l)  テトラヒドロほう酸ナトリウム 5 g を水酸化ナトリ

ウム溶液(0.1 mol/L)に溶かして 500 mL とする。使用時に調製する。

6)

アルゴン  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

7)

ひ素標準液 (As0.1 (g/mL)   14.2a)10)による。

8)

混合標準液[(As 0.1 

µgSe 0.1 µg)/mL]  14.1a)11)のひ素標準液 (As 1 µg/mL) 10 mL 及び 15.1a)9)

のセレン標準液(Se 2

µg/mL) 5 mL を全量フラスコ 100 mL にとり,塩酸(1+1) 2 mL を加えた後,

水を標線まで加える。使用時に調製する。

b) 

装置  器具及び装置は,次による。

1)

水素化ひ素発生装置  連続式のもの。

2)  ICP

発光分析装置

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.4

又は 6.5(

105

)

で調製した試料溶液(

106

)

の適量(As として 0.05∼0.5

µg を含む。)をビーカーにとる。

硫酸(1+1)1 mL 及び硝酸 2 mL を加え,加熱板上で加熱して硫酸の白煙を発生させる。

2)

室温まで放冷した後,水 8 mL,塩酸 8 mL 及び臭化カリウム溶液(1 mol/L) 8 mL を加え,約 50℃

で約 50 分間加熱する。

3)

室温まで冷却した後,この溶液を全量フラスコ 50 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

4)

水素化ひ素発生装置と ICP 発光分光分析装置とを接続し,アルゴンを流しながら,3)の溶液,テト

ラヒドロほう酸ナトリウム溶液(10 g/L)(

107

)

及び塩酸(1∼6mol/L)  (

107

)

を定量ポンプで連続的に導入

(

108

)

し,水素化ひ素を発生させる。

5)

水素化ひ素を試料導入部を通してプラズマ中に噴霧し,波長 193.696 nm の発光強度を測定する。

6)

空試験として試料と同量の水をとり,1)5)の操作を行い,試料について得た発光強度を補正する。

7)

検量線からひ素の量を求め,試料中のひ素の濃度(As

µg/L)を算出する。検量線の作成は次による。

検量線  ひ素標準液 (As0.1

µg/mL) 0.5∼5 mL(

109

)

を全量フラスコ 50 mL に段階的にとり,前処理

を行った試料と同じ酸の濃度になるように酸及び臭化カリウム溶液(1 mol/L)を加えた後,水を標線

まで加える。この溶液について 4)及び 5)の操作を行う。

別に,空試験として水について前処理を行った試料と同じ酸の濃度になるように酸及び臭化カリ

ウム溶液(1 mol/L)を加えた後,4)及び 5)の操作を行って標準液について得た発光強度を補正した後,

ひ素(As)の量と発光強度との関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。


57

K 0083

:2006

     

(

105

ひ素を定量するときは 6.4 で調製した試料溶液を用い,水素化ひ素及びガス状ひ素化合物を定

量するときは 6.5 で調製した試料溶液を用いる。

(

106

試料に有機物が多量に含まれる場合には,

1)

の操作で,

硫酸(1+1)1 mL,

硝酸 2 mL 及び JIS K 8223

に規定する過塩素酸 3 mL を加えて加熱し,白煙を発生させて有機物を分解する。

(

107

装置によって塩酸及びテトラヒドロほう酸ナトリウム溶液の濃度は異なる。

(

108

装置によって,試料,塩酸及びテトラヒドロほう酸ナトリウム溶液の流量が異なる。

(

109

ひ素,セレンを同時に測定する場合には,混合標準溶液[(As0.1

µg,Se0.1 µg)/mL]を用いて,そ

れぞれの試験条件で検量線を作成するとよい。

備考1.  水素化物を発生させるときに副生する水素が,プラズマに導入されることによってプラズマ

が不安定になる場合があるので,特に導入初期には,水素の量が多くなり過ぎないように注

意する。

2. 

共存する酸及び塩の影響を受けやすいので注意する。影響がある場合には,水素化物発生原

子吸光分析法の操作にしたがって,各元素ごとの干渉抑制剤を用いる。

3.

塩類の濃度が高い試料で,検量線法が適用できない場合には,JIS K 0116 の 5.8.3(2)に規定す

る標準添加法を用いるとよい。この場合は,試料の種類によらずバックグラウンド補正を行

う。

14.5 ICP

質量分析法  試料溶液に内標準物質を加え,試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,

ひ素及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンの電流を測定し,ひ素のイオンの電流と内標

準物質のイオン電流との比を求めてひ素を定量する。

定量範囲:As0.5∼25

µg/L

                    As10

∼500

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

3)

イットリウム溶液(Y1 

µg/mL)  7.4a)3)による。

4)

ひ素標準液(As 1 

µg/mL)  14.1a)10)のひ素標準液(As0.1 mg/mL) 10 mL を全量フラスコ 1 000 mL

にとり,硝酸(1+1) 20 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

5)

ひ素標準液(As50 ng/mL)  4)のひ素標準液(As 1

µg/mL) 50 mL を全量フラスコ 1 000 mL にとり,

硝酸(1+1) 3 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

6)

混合標準液[(As 1 

µgSe 1 µg)/mL]  14.1a)10)のひ素標準液  (As 0.1 mg/mL) 10 mL,15.1a)8)のセレ

ン標準液  (Pb 0.2 mg/mL) 5 mL をそれぞれ全量フラスコ 1 000 mL にとり,硝酸(1+1)1.5 mL を加

えた後,水を標線まで加える。使用時に調製する。

7)

混合標準液[(As 50 ngSe 50 ng)/mL]  4)のひ素標準液 (As 1

µg/mL) 50 mL,15.5a)4)のセレン標準

液 (Pb 1

µg/mL) 50 mL をそれぞれ全量フラスコ 1 000 mL にとり,硝酸(1+1)1.5 mL を加えた後,

水を標線まで加える。使用時に調製する。

b) 

装置  装置は,ICP 質量分析装置を用いる。

備考1. 7.4 の備考 1.による。

2. 7.4

備考 2.による。


58

K 0083

:2006

     

c) 

操作  操作は,次による  (

110

)(

 111

)

1)  6.4

又は 6.5(

105

)

で調製した試料溶液の適量(As として 0.05∼50

µg を含む。)を全量フラスコ 100 mL

にとり,イットリウム溶液(Y1

µg/mL)1 mL を加え,硝酸の最終濃度が 0.1∼0.5 mol/L の一定濃度

となるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  ICP

質量分析装置を作動できる状態にし,1)の溶液を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴

霧し,ひ素とイットリウムの質量/荷電数(

112

)

における指示値(

113

)

を読み取り,ひ素の指示値とイット

リウムの指示値との比を求める。

3)

空試験として試料と同量の水をとり,同様に 1)4)の操作を行い,ひ素の指示値とイットリウムの

指示値との比を求め,試料について得たひ素とイットリウムの指示値の比を補正する。

4)

検量線からひ素の量を求め,試料中のひ素の濃度(As

µg/L)を算出する。検量線の作成は次による。

検量線  ひ素標準液 (As50 ng/mL 又は As1

µg/mL) 1∼50 mL(

114

)

を全量フラスコ 100 mL に段階的

にとり,イットリウム溶液(Y1

µg/mL) 1 mL  を加え,1)の試料と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)

を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 2)の操作を行う。

別に,空試験として全量フラスコ 100mL にイットリウム溶液(Y1

µg/mL) 1 mL を加え,1)の試料

と同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を加え,水を標線まで加えた後,2)の操作を行って標準液に

ついて得た指示値の比を補正した後,ひ素(As)の量に対する指示値とイットリウムの指示値との比

の関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

(

110

) 7.4

注(

36

)

による。

(

111

) 7.4

注(

37

)

による。

(

112

) 7.4

注(

38

)

による。

(

113

) 7.4

注(

39

)

による。

(

114

ひ素,セレンを同時に定量する場合には,混合標準液[(As1

µg,Se1  µg)/mL]  又は混合標準液

[(As50 ng

,Se50 ng)/mL]  を用いて,それぞれの金属元素の試験条件で検量線を作成するのがよ

い。

備考 7.4c)備考による。

15. 

セレンの定量方法  セレン及び,ガス状セレン化合物(セレン化水素など)の定量には,3,3′−ジ

アミノベンジジン吸光光度分析法,水素化合物発生原子吸光分析法,電気加熱原子吸光分析法,ジアミノ

ナフタレン蛍光光度分析法,水素化合物発生 ICP 発光分析法又は ICP 質量分析法を用いる。ただしガス状

セレン化合物の分析には,電気加熱原子吸光分析法及び ICP 質量分析法は,適用できない。

15.1 3

3′−ジアミノベンジジン吸光光度分析法  セレンを水酸化鉄 (III) と共沈させ,妨害物質から分

離して濃縮する。EDTA を加え,pH1.5∼2.0 とした後,3,3′−ジアミノベンジジンを加えてセレン錯体

を生成させる。溶液の pH を 6 に調整し,トルエンで錯体を抽出し,その黄色の吸光度を測定してセレン

を定量する。

定量範囲:Se2∼50

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

塩酸 (11)(13)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

2)

アンモニア水 (11) (12)  JIS K 8085 に規定するアンモニア水を用いて調製する。

3)

硫酸アンモニウム鉄 (III) 溶液  JIS K 8982 に規定する硫酸アンモニウム鉄 (III)・12 水和物 9g 及


59

K 0083

:2006

     

び硫酸 (1+1) 4mL を水に溶かして 100mL とする。

4)  EDTA

溶液 (40g/l)  JIS K 8107 に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物

4.4g を水に溶かして 100mL とする。

5)

トルエン  JIS K 8680 に規定するもの。

6)

ブロモチモールブルー溶液 (1g/l)  JIS K 8842 に規定するブロモチモールブルー0.1g をとり,JIS K 

8102

に規定するエタノール  (95 %) 50mL に溶かし,水で 100mL とする。

7)  3

3′−ジアミノベンジジン溶液 (5g/l)  塩化 3,3′−ジアミノベンジジニウム 0.5g を水に溶かし

て 100mL とする。この溶液は,使用時に調製する。

8)

セレン標準液 (Se0.2mg/mL)  JIS K 8598 に規定するセレン(99.5%以上)0.200g をとり,硝酸 (1+1) 
20mL を加え加熱して溶かし,煮沸して窒素酸化物を追い出す。放冷後,全量フラスコ 1 000mL に

移し,水を標線まで加える。

9)

セレン標準液 (Se2

µg/mL)  8)のセレン標準液 (Se0.2mg/mL) 10mL を全量フラスコ 1 000mL にと

り,塩酸 (1+100) を標線まで加える。この溶液は,使用時に調製する。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

分液漏斗  100mL

2)

吸光光度計  分光光度計又は光電光度計

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.4

又は 6.5(

115

)

で調製した試料溶液(

116

)

の適量(Se として 2∼50

µg を含む。)をビーカー200mL に

とる。

2)

塩酸 (1+3) 10mL を加え,沸騰水浴上で 10 分間加熱する。

3)

水を加えて液量を約 100mL とし,硫酸アンモニウム鉄 (III) 溶液 2mL(

117

)

とブロモチモールブル

ー溶液 (1g/L) 1mL とを加え,次に溶液をかき混ぜながらアンモニア水 (1+1) を溶液が青になるま

で加えた後,静かに加熱して煮沸し,かき混ぜながら溶液が黄色になるまで煮沸を続ける(

118

)

4)

生成した沈殿が沈降するまで静置し,沈殿をろ紙 5 種 A でろ別し,温水で洗浄する。

5)

沈殿は元のビーカーに洗い落とし,ろ紙に付着した沈殿は温塩酸 (1+1) 約 2mL を滴加して溶かし,

沈殿の入っているビーカーに受け,ろ紙は水洗する。加熱して沈殿を溶かし,水で液量を約 30mL

とする。

6)

放冷後,EDTA 溶液 (40g/L) 10mL を加え,アンモニア水 (1+2) を加えて溶液の pH を 1.5∼2.0

に調整した後 3,3′−ジアミノベンジジン溶液 (5g/L) 2mL を加えて振り混ぜ,沸騰水浴上で約 10

分間加熱する(

119

)

7)

流水で冷却後,アンモニア水 (1+2) を用いて溶液の pH を約 6 に調整し,分液漏斗に移し(

120

)

,ト

ルエン 10.0mL を加えて約 30 秒間振り混ぜて静置する。

8)

トルエン層の一部を吸収セルに移し,

トルエンを対照として波長 420nm 付近の吸光度を測定する。

9)

別に,空試験溶液について 1)8)の操作を行って吸光度を求め,試料溶液について得られた吸光度

を補正する。

10)

検量線からセレンの量を求め,試料溶液中のセレンの濃度 (Semg/L) を算出する。検量線の作成は

次による。

検量線  セレン標準溶液 (Se2

µg/mL) 0∼25mL を段階的にビーカーにとり,塩酸 (1+3) 10mL を加

え,沸騰水浴上で 10 分間加熱する。以後,3)8)の操作を行ってセレン (Se) の量と吸光度との関

係線を作成する。


60

K 0083

:2006

     

(

115

セレンを定量するときは 6.4 で調製した試料溶液,ガス状セレン化合物(セレン化水素など)

を定量するときは 6.5 で調製した試料溶液を用いる。

(

116

妨害イオンを含まない場合は,操作 3)5)を省略してもよい。

(

117

溶液中に鉄が 20mg 以上含む場合は加えない。

(

118

煮沸は約 30 分間必要である。煮沸後の溶液の pH は 5.4∼5.7 となる。

(

119

以後の操作は,直射日光を避けて行う。

(

120

抽出時の液量は,常に一定にする必要がある。

15.2 

水素化合物発生原子吸光分析法  試料溶液中のセレンをセレン化水素とし,水素−アルゴンフレー

ム中に導き,セレンによる原子吸光を波長 196.0nm で測定して,セレンを定量する。

定量範囲:Se2∼12

µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 3∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

2)

塩酸 (11)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

3)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

4)

硫酸 (11)  水 1 容をビーカーにとり,これを冷却し,かき混ぜながら JIS K 8951 に規定する硫酸
1 容を徐々に加える。

5)

テトラヒドロほう酸ナトリウム溶液 (10g/l)  テトラヒドロほう酸ナトリウム 1g を水酸化ナトリウ

ム溶液 (0.1mol/L) 100mL に溶かす。この溶液は,使用時に調製する。

6)

セレン標準液 (Se0.1

µg/mL)    15.1a)9)のセレン標準液 (Se2µg/mL) 5mL を全量フラスコ 100mL に

とり,硫酸 (1+100) を標線まで加える。この溶液は,使用時に調製する。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

セレン化水素発生装置  図 10 と同じもの。

2)

原子吸光分析装置

3)

セレン中空陰極ランプ

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.4

又は 6.5(

115

)

で調製した試料溶液(

121

)

の適量(Se として 0.05∼0.3

µg を含む。)をビーカー100mL

にとり,硫酸 (1+1) 1mL 及び硝酸 2mL を加える。

2)

加熱板上で乾固する直前まで加熱する。

3)

放冷した後,塩酸 (1+1) 20mL を加え,約 90∼100℃で約 10 分間加熱する。

4)

放冷した後,セレン化水素発生装置の反応容器に移し,水を加えて 25mL とする(

122

)

5)

セレン化水素発生装置と原子吸光分析装置とを連結し,系内の空気をアルゴンで置換した後,テト

ラヒドロほう酸ナトリウム溶液 (10g/L) 2mL を手早く(

123

)

反応容器中に加え,マグネチックスター

ラーを作動してセレン化水素(及び水素)を発生させる(

102

)

6)

コックを回転して,セレン化水素を水素−アルゴン(

103

)

フレーム中に導き,波長 196.0nm における

指示値(

26

)

を読みとる。

7)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)6)の操作を行って指示値を読み取り,試料溶液

について得た指示値を補正する。

8)

検量線からセレンの量を求め,試料溶液中の濃度 (Semg/L) を算出する。検量線の作成は次による。

検量線  セレン標準液 (Se0.1

µg/mL) 0.5∼3mL を段階的にとり,3)∼6)の操作を行ってセレン (Se)


61

K 0083

:2006

     

の量と指示値との関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(

121

有機物を含まない試料溶液は 1)3)の代わりに,次のように操作してもよい。

試料溶液の適量(Se として 0.05∼0.3

µg を含む。)をビーカー100mL にとり,試料溶液と同じ

量の塩酸を加えて,約 90∼100℃で約 10 分間加熱する。室温まで放冷した後,沸騰しない程度

数分間加熱した後,冷却する。反応容器に移し,水を加えて 25mL にする。

また,多量の有機物を含む場合は 1)及び 2)の代わりに,次のように操作してもよい。

試料溶液の適量(Se として 0.05∼0.3

µg を含む。)をとり,硫酸 (1+1) 1mL,硝酸 2mL 及び

JIS K 8223

に規定する過塩素酸 (60%) 3mL を加え加熱して,白煙を発生させて有機物を分解す

る。

(

122

鉄 (III) 及び銅 (II) は,それぞれセレンの 1 000 倍量,50 倍量程度以上共存すると妨害する。

このような元素を多量に含む試料溶液では,鉄の場合には,しゅう酸カリウム溶液 (300g/L)

5mL

を銅の場合にはしゅう酸カリウム溶液 (300g/L) 5mL,塩化鉄 (III) 溶液 (100g/L) 1mL 及び

JIS K 8116

に規定する塩化アンモニウム 2g を加えてセレン化水素発生装置の反応器に移し入れ,

水を加えて 25mL とする。

ひ素 (III),ニッケル及びバナジウム (V) は,セレンの 10 倍量程度まで許容できる。これら

の元素が多量に共存する試料溶液では,標準添加方法を用いる。

(

123

セレン化水素はテトラヒドロほう酸ナトリウム溶液の添加直後に急激に発生するので,逃がさ

ないようにする。

備考1.  セレン化水素の濃縮は,14.2 c)の備考 1.と同じ操作による(水素化ひ素をセレン化水素と読

み替える。

2. 

図 10 と同じ装置の代わりに,図 11 に示すような連続式の水素化合物発生装置を用いて定量

してもよい。この場合の操作は,次による。

c)1)

3)の操作を行った試料溶液を冷却した後,全量フラスコ 25mL に移し,水を標線まで

加える。装置にアルゴンを流しながら,この溶液,塩酸 (1∼6mol/L)及びテトラヒドロほう

酸ナトリウム溶液(テトラヒドロほう酸ナトリウム 5g を水酸化ナトリウム溶液 (0.1mol/L)

500mL

に溶かしたもの。

)を,定量ポンプを用いてそれぞれ 1∼10mL/min の流量(装置によ

って,試料溶液,塩酸及びテトラヒドロほう酸ナトリウム溶液の流量,塩酸及びテトラヒド

ロほう酸ナトリウム溶液の濃度は異なる。

)で連続的に装置内に導入し,セレン化水素を発生

させる。発生したセレン化水素を含む気体を水素−アルゴンフレーム又は加熱吸収セルに導

入し,波長 217.6nm の指示値を読みとる。空試験溶液については,c)1)3)の操作を行った後,

試料溶液と同様に操作して指示値を読み取り,試料溶液について得た指示値を補正する。検

量線からセレンの量を求め,試料溶液中のセレンの濃度 (Semg/L) を算出する。

鉄は,セレンの 1 000 倍量以上共存すると,セレン化水素の発生を阻害する。鉄を多量に

含む試料溶液では,試料溶液を処理した後,全量フラスコに入れて 25mL にするときに,し

ゅう酸カリウム溶液 (300g/L) 5mL,塩化鉄 (III) 溶液 (100g/L) 1mL 及び JIS K 8116 に規定す

る塩化アンモニウム 2g を加えて振り混ぜる。ひ素 (III),ニッケル及びバナジウム (V) はそ

れぞれセレンの 10 倍量程度の共存まで許容できる。これらの元素が多量に共存する場合には,

標準添加法を用いる。

検量線の作成は,セレン標準液 (Se0.1

µg/mL) 0.05∼3mL(*)を段階的に全量フラスコ 25mL

にとり,水を標線まで加える。以降,試料溶液の場合と同じに操作によってセレン (Se) の


62

K 0083

:2006

     

量と指示値との関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作成する。

(*)  加熱吸収セルの場合には,水素−アルゴンフレームに比べて 10∼50 倍(装置及び条件

によって異なる。

)感度が良いので,セレン標準液 (Se0.1

µg/mL)  の量を適宜減らす。

15.3 

電気加熱原子吸光分析法  試料を前処理した後,マトリックスモディファイヤーとして硝酸パラジ

ウム(Ⅱ)及び硝酸マグネシウムを加え,電気加熱炉で原子化し,セレンによる原子吸光を波長 196.0nm

で測定してセレンを標準添加法によって定量する。

定量範囲: Se 20∼200 µg/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。)

備考  この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少ない

試料に適用し,測定時の酸濃度は一定となるように調製する。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸(1+1)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬−硝酸を用いて調製する。

3)

硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd 1 000

µg/mL)  7.3a)3)による。

4)

硝酸マグネシウム  原子吸光分析用マトリックスモディファイヤーの硝酸マグネシウム溶液を希釈

して用いる。

5)

セレン標準液(Se10

µg/mL)  15.1a)8)のセレン標準液(Se 0.2mg/mL) 10 mL を全量フラスコ 200mL

にとり,硝酸(1 十 1)4 mL を加えた後,水を標線まで加える。

6)

セレン標準液(Se1

µg/mL)  セレン標準液(Se 10µg/mL)10 mL を全量フラスコ 100mL にとり,硝酸

(1+1)2 mL を加えた後,水を標線まで加える。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

電気加熱原子吸光分析装置  電気加熱方式でバックグラウンド補正が可能なもの。

2)

発熱体  黒鉛製又は耐熱金属製のもの。

3)

セレン中空陰極ランプ

4)

フローガス  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

5)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計 5∼500µl 又は自動

注入装置。

c) 

準備操作  試料を 6.1 によって処理する。

d) 

操作  操作は,次による。

1)  c)

の 準 備 操 作 を 行 っ た 試 料 の 適 量 を そ れ ぞ れ 全 量 フ ラ ス コ 20mL に と り , セ レ ン 標 準 液

(Se0.1µg/mL)を加えないものと 0.1∼2 mL の範囲で段階的に 3 濃度以上添加したものとを調製し,

それぞれの溶液の酸の濃度が同じになるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)

この溶液の一定量(例えば,10∼50µL)及びこれと同体積の硝酸パラジウム(Ⅱ)溶液(Pd 1

000µg/mL)及び硝酸マグネシウム溶液(1 000µgMg/mL) (

124

)

を,マイクロピペット又は自動注入装

置を用いて電気加熱炉に注入する。JIS K 0121 の 6.(操作方法)に従って,乾燥(100∼120℃,30∼

40 秒間),灰化(800∼1 300℃,30∼40 秒間),原子化(

29

) (1 900

∼2 400℃,3∼6 秒間)し,波長 196.0

nm の指示値(

30

)

を読みとる。

3)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)の操作を行って,試料溶液について得た指示値を

補正する。


63

K 0083

:2006

     

(

124

混合した溶液を用いてもよい。

15.4 

ジアミノナフタレン蛍光光度分析法  試料溶液に塩酸を加えセレンを 4 価に還元した後,pH を 1.0

∼1.5 に調整し,EDTA 溶液及びふっ化ナトリウムを加えた後,2,3−ジアミノナフタレンを加えてセレン

錯体を生成させ,シクロヘキサンに抽出し,蛍光強度を測定してセレンを定量する。

定量範囲:0.1∼1

µgSe/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10%(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

塩酸 (13) (1120)    JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。

2)

アンモニア水 (11)    JIS K 8085 に規定するアンモニア水を用いて調製する。

3)

ふっ化ナトリウム溶液 (4g/l)   JIS K 8821 に規定するふっ化ナトリウム 0.4g を水に溶かして
100mL とする。

4)  EDTA

溶液 (40g/l)  JIS K 8107 に規定する 2,  3−エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二

水和物 4g を水に溶かして 100mL とする。

5)  2

3−ジアミノナフタレン溶液  2,3−ジアミノナフタレン 0.1g をとり,JIS K 8201 に規定する塩

化ヒドロキシルアンモニウム 0.5g 及び塩酸 (1+120) 100mL を加え,50℃の水浴上で 20 分間加熱

して,溶かす。冷却後,JIS K 8464 に規定するシクロヘキサン 10mL を加え振り混ぜた後,有機層

を捨てる。さらに,シクロヘキサン 10mL を加え振り混ぜた後,有機層を捨て,水層をろ紙を用い

てろ過する。この溶液は,使用時に調製する。

6)

シクロヘキサン  JIS K 8464 に規定するもの。

7)

セレン標準液 (Se0.1

µg/mL)    15.1a)9)のセレン標準液 (2µgSe/mL) 5mL 及び JIS K 8180 に規定す

る塩酸 1mL を全量フラスコ 100mL にとり,水を標線まで加える。この溶液は,使用時に調製する。

b) 

器具及び装置  器具及び装置は,次による。

1)

蛍光分光光度計

2)

蛍光分析用 10mm セル

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.4

又は 6.5(

115

)

で調製した試料溶液の適量

(Se として 0.1∼1

µg を含む。)をビーカー200mL にとり,

塩酸 (1+3) 10mL を加える。

2)

水浴上で 10 分間加熱する。

3)  EDTA

溶液 2mL を加え,アンモニア水 (1+1) を加えて溶液の pH を 1.0∼1.5 に調整した後ふっ化

ナトリウム溶液 0.5mL を加え,更に塩酸 (1+120) を加えて液量を約 100mL とする。

4)  2

,3−ジアミノナフタレン溶液 5mL を加える。

5)

時計皿でビーカーを覆い,50℃の水浴中で 30 分間加熱する。

6)

放冷後,分液漏斗に入れ(

125

)

,シクロヘキサン 10mL を加え,5 分間激しく振り混ぜる(

126

)

。有機層

に塩酸 (1+120) 25mL を加え 30 秒間振り混ぜて分離した水層を捨て,更に,有機層に塩酸 (1+120) 
25mL を加え 30 秒間振り混ぜ,水層を分離する。

7)

有機層を乾燥させたろ紙を用いてろ過し,ろ液の一部をセルに入れる。

8)

励起波長 378nm に設定し,蛍光波長 520nm 付近における蛍光強度を測定する。

9)

空試験として,空試験溶液を試料溶液と同様に 1)8)の操作を行って蛍光強度を求め,試料につい

て得られた蛍光強度を補正する。


64

K 0083

:2006

     

10)

検量線からセレンの量を求め,試料溶液中のセレン濃度 (Semg/L) を算出する。検量線は次による。

検量線  セレン標準液 (Se0.1

µg/mL) 1∼10mL を段階的にとり,塩酸 (1+3) 10mL を加えた後,2)

8)の操作を行ってセレンの量と蛍光強度との関係線を作成する。検量線は,試料溶液測定時に作

成する。

(

125

抽出時の液量は一定にする。

(

126

以後の操作は,直射日光を避け,できるだけ速やかに行う。

15.5 

水素化合物発生 ICP 発光分析法  試料溶液中のセレンをセレン化水素とし,試料導入部を通して誘

導結合プラズマ中に噴霧し,セレンによる発光を波長 196.026 nm で測定してセレンを定量する。

定量範囲:1∼10

µgSe/L

繰返し分析精度:変動係数で 3∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)  JIS K 0557

に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないことを確

認しておく。

2)

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの(

127

)。

3)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

4)

臭化カリウム溶液 (1 mol/l)  14.4a)4)による。

5)

テトラヒドロほう酸ナトリウム溶液 (10 g/l)  14.4a)5)による。

6)

アルゴン  JIS K 1105 に規定するアルゴン 2 級のもの。

7)

セレン標準液 (Se0.1 

µg/mL)    15.2a)6)による。

8)

混合標準液[(As0.1 

µg Se0.1 µg)/mL]  14.4a)8)による。

b) 

装置  器具及び装置は,次による。

1)

セレン化水素発生装置  連続式のもの。

2)  ICP

発光分析装置

c) 

操作  操作は,次による。

1)  6.4

又は 6.5(

128

)

で調製した試料溶液(

106

)

の適量(Se として 0.05∼0.5

µg を含む。)をビーカーにとる。

硫酸(1+1)1 mL 及び硝酸 2 mL を加え,加熱板上で加熱して硫酸の白煙を発生させる。

2)

室温まで放冷した後,水 8 mL,塩酸 8 mL 及び臭化カリウム溶液(1 mol/L) 8 mL を加え,約 50  ℃

で約 50 分間加熱する。

3)

室温まで冷却した後,この溶液を全量フラスコ 50 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

4)

セレン化水素発生装置と ICP 発光分光分析装置とを接続し,アルゴンを流しながら,3)の溶液,テ

トラヒドロほう酸ナトリウム溶液(10 g/L)(

129

)

及び塩酸(1∼6 mol/L)  (

129

)

を定量ポンプで連続的に導

(

130

)

し,セレン化水素を発生させる。

5)

セレン化水素を試料導入部を通してプラズマ中に噴霧し,波長 196.026 nm の発光強度を測定する。

6)

空試験として試料と同量の水をとり,1)5)の操作を行い,試料について得た発光強度を補正する。

7)

検量線からセレンの量を求め,試料中のセレンの濃度(Se

µg/L)を算出する。検量線は次による。

検量線  セレン標準液 (Se0.1

µg/mL) 0.5∼5 mL(

131

)

を全量フラスコ 50 mL に段階的にとり,前処

理を行った試料と同じ酸の濃度になるように酸及び臭化カリウム溶液(1 mol/L)を加えた後,水を標

線まで加える。この溶液について 4)及び 5)の操作を行う。

別に,空試験として水について前処理を行った試料と同じ酸の濃度になるように酸及び臭化カリ

ウム溶液(1 mol/L)を加えた後,4)及び 5)の操作を行って標準液について得た発光強度を補正した後,


65

K 0083

:2006

     

セレン(Se)の量と発光強度との関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

(

127

ひ素を同時に定量する場合には,ひ素分析用を用いる。

(

128

セレンを定量するときは 6.4 で調製した試料溶液及びガス状セレン化合物(セレン化水素など)

を定量するときは 6.5 で調製した試料溶液を用いる。

(

129

) 14.4

(

107

)

による。

(

130

) 14.4

(

108

)

による。

(

131

) 14.4

(

109

)

による。

備考1. 14.4 

c)

の備考 1.  による。

2. 14.4 

c)

の備考 2.  による。

3. 14.4 

c)

の備考 3.  による。

15.6 ICP

質量分析法  試料溶液に内標準物質を加え,試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,

セレン及び内標準物質のそれぞれの質量/荷電数におけるイオンの電流を測定し,セレンのイオンの電流と

内標準物質のイオン電流との比を求めてセレンを定量する。

定量範囲:0.5∼25

µgSe/L

                    10

∼500

µgSe/L

繰返し分析精度:変動係数で 2∼10 %(装置及び測定条件によって異なる。

a) 

試薬  試薬は,次による。

1)

水  JIS K 0557 に規定する A3 の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障のないこと

を確認しておく。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

3)

イットリウム溶液(Y1 

µg/mL)  7.4a)3)による。

4)

セレン標準液(Se1 

µg/mL)  15.1a)8)のセレン標準液(Se0.2 mg/mL) 5 mL を全量フラスコ 1 000 mL

にとり,硝酸(1+1) 20 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

5)

セレン標準液(Se50 ng/mL)  4)のセレン標準液(Se1

µg/mL) 50 mL を全量フラスコ 1 000 mL にと

り,硝酸(1+1) 3 mL を加え,水を標線まで加える。使用時に調製する。

6)

混合標準液[(As1 

µg Se1 µg)/mL]  14.5a)6)による。

7)

混合標準液[(As50 ng Se50 ng)/mL]  14.5a)7)による。

b) 

装置  装置は,ICP 質量分析装置を用いる。

備考1. 7.4 の備考 1.による。

2. 7.4

備考 2.による。

c) 

操作  操作は,次による  (

132

)(

133

)

1)  6.4

又は 6.5(

128

)

で調製した試料溶液の適量で調製した試料溶液の適量(Se として 0.05∼50

µg を含

む。)を全量フラスコ 100 mL にとり,イットリウム溶液(Y1

µg/mL) 1 mL を加え硝酸の最終濃度が

0.1∼0.5 mol/L となるように硝酸(1+1)を加えた後,水を標線まで加える。

2)  ICP

質量分析装置を作動できる状態にし,1)の溶液を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴

霧して,セレン及びイットリウムの質量/荷電数(

134

)

における指示値(

135

)

を読み取り,セレンの指示

値とイットリウムの指示値との比を求める。

3)

空試験として試料と同量の水をとり,同様に 1)2)の操作を行い,セレンの指示値とイットリウム

の指示値との比を求め,試料について得たセレンとイットリウムの指示値の比を補正する。

4)

検量線からセレンの量を求め,試料中のセレンの濃度(Se

µg/L)を算出する。検量線は次による。


66

K 0083

:2006

     

検量線  セレン標準液 (Se50 ng/mL 又は Se1

µg/mL) 1∼50 mL(

136

)

を全量フラスコ 100 mL に段階

的にとり,イットリウム溶液(Y1

µg/mL) 1 mL を加え,1)の試料と同じ酸の濃度になるように硝酸

(1+1)

を加えた後,水を標線まで加える。この溶液について 2)の操作を行う。

別に,空試験として全量フラスコ 100mL にイットリウム溶液(Y1

µg/mL) 1 mL を加え,1)の試料と

同じ酸の濃度になるように硝酸(1+1)を加え,水を標線まで加えた後,2)の操作を行って標準液につ

いて得た指示値の比を補正した後,セレン(Se)の量に対する指示値とイットリウム(Y)の指示値との

比の関係線を作成する。検量線は,試料測定時に作成する。

(

132

) 7.4

(

36

)

による。

(

133

) 7.4

(

37

)

による。

(

134

) 7.4

(

38

)

による。

(

135

) 7.4

(

39

)

による。

(

136

) 14.5

(

114

)

による。

備考 7.4c)備考による。

16. 

計算  試料ガス中の金属濃度は,次の式によって算出する。

s

V

v

A

C

1

000

1

×

×

ここに,

C

:  標準状態における乾き排ガス中の金属濃度

[mg/m

3

(0

℃,101.325kPa)]

A

:  7.14.で求めた試料溶液中の金属濃度 (mg/L)

v

:  6.で調製した試料溶液の量 (mL)

V

s

:  5.で採取した標準状態における乾き排ガス量

[m

3

(0

℃,101.325kPa)]

付表  1  引用規格

JIS K 0012

  カドミウム標準液

JIS K 0013

  ニッケル標準液

JIS K 0015

  鉛標準液

JIS K 0024

  標準物質−標準液−クロム

JIS K 0026

  標準物質−標準液−ひ素

JIS K 0027

  標準物質−標準液−マンガン

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0095

  排ガス試料採取方法

JIS K 0102

  工場排水試験方法

JIS K 0115

  吸光光度分析通則

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS K 0120

  蛍光光度分析方法通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 0557

  揚水・排水の試験に用いる水

JIS K 0901

  気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状,寸法並びに性能試験方法

JIS K 0970

  プッシュボタン式液体用微量体積計


67

K 0083

:2006

     

JIS K 1105

  アルゴン

JIS K 1107

  高純度窒素

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8012

  亜鉛(試薬)

JIS K 8013

  亜鉛粉末(試薬)

JIS K 8019

  亜硝酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8059

  亜硫酸水素ナトリウム(試薬)

JIS K 8085

  アンモニア水(試薬)

JIS K 8102

  エタノール(95 %)(試薬)

JIS K 8107

  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)

JIS K 8116

  塩化アンモニウム(試薬)

JIS K 8136

  塩化すず (II) 二水和物(試薬)

JIS K 8142

  塩化鉄 (III) 六水和物(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8201

  塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)

JIS K 8223

  過塩素酸(試薬)

JIS K 8230

  過酸化水素水(試薬)

JIS K 8247

  過マンガン酸カリウム(試薬)

JIS K 8249

  過よう素酸カリウム(試薬)

JIS K 8271

  キシレン(試薬)

JIS K 8289

  クペロン(試薬)

JIS K 8322

  クロロホルム(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)

JIS K 8371

  酢酸ナトリウム三水和物(試薬)

JIS K 8374

  酢酸鉛 (II) 三水和物(試薬)

JIS K 8377

  酢酸ブチル(試薬)

JIS K 8464

  シクロヘキサン(試薬)

JIS K 8488

  N,  5−ジフェニルカルボノヒドラジド(試薬)

JIS K 8498

  ジメチルグリオキシム(試薬)

JIS K 8506

  臭化カリウム(試薬)

JIS K 8509

  臭化水素酸(試薬)

JIS K 8529

  臭素(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8544

  硝酸アルミニウム九水和物(試薬)

JIS K 8562

  硝酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8563

  硝酸鉛 (II) (試薬)

JIS K 8580

  すず(試薬)

JIS K 8598

  セレン(試薬)

JIS K 8625

  炭酸ナトリウム(試薬)


68

K 0083

:2006

     

JIS K 8660

  銅(試薬)

JIS K 8680

  トルエン(試薬)

JIS K 8701

  鉛(試薬)

JIS K 8731

  尿素(試薬)

JIS K 8747

  バナジン (V) 酸アンモニウム(試薬)

JIS K 8785

  二りん酸ナトリウム十水和物(試薬)

JIS K 8799

  フェノールフタレイン(試薬)

JIS K 8819

  ふっ化水素酸(試薬)

JIS K 8821

  ふっ化ナトリウム(試薬)

JIS K 8832

  ブルシン n 水和物(試薬)

JIS K 8842

  ブロモチモールブルー(試薬)

JIS K 8903

  4-メチル−2−ペンタノン(試薬)

JIS K 8913

  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8919

  ふっ化水素酸(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8982

  硫酸アンモニウム鉄 (III)十二水和物(試薬)

JIS K 8990

  硫酸ニッケル (II) アンモニウム六水和物(試薬)

JIS K 9005

  りん酸(試薬)

JIS K 9062

  ニッケル(試薬)

JIS K 9512

  N,  N−ジエチルジチオカルバミド酸銀(試薬)

JIS K 9569

  N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン(試薬)

JIS K 9901

  高純度試薬−硝酸

JIS T 9107

  使い捨て手術用ゴム手袋

JIS Z 8801-1

  試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい

JIS Z 8801-2

  試験用ふるい−第2部:金属製板ふるい

JIS Z 8801-3

  試験用ふるい−第3部:電成ふるい

JIS Z 8808

  排ガス中のダスト濃度の測定方法

 


69

K 0083

:2006

附属書(規定)マイクロ波加熱圧力容器による試料の前処理方法

1. 

適用範囲  この附属書は,本体の 6.(試料溶液の調製)のマイクロ波加熱圧力容器による試料の前処

理方法について規定する。

2.

マイクロ波加熱容器による試料溶液の調製

2.1 

試薬  試薬は,次による。

1)

ふっ化水素酸  JIS K 8919 に規定するもの。

2)

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

3)

過酸化水素  JIS K 8230 に規定するもの。

2.2 

操作  操作は,次による。

a) 

吸収瓶を設けないでろ紙だけに試料採取した場合

1)

試料ガスからの捕集物の付着したろ紙を適正な大きさにきり,密閉式四ふっ化エチレン樹脂分解容

器に入れ,ふっ化水素酸 3mL を加え,試料ろ紙の大部分を溶解した後,硝酸 6mL 及び過酸化水素

水 1mL を加え,密閉した分解容器をマイクロ波加熱によって完全に分解する(

1

)

2)

室温まで冷却後,分解容器を濃縮加熱用ローターで,おだやかに 15 分∼25 分程度蒸発乾固させる

(

2

)

  

3)

分解容器内を水で洗い,フラスコ 100mL に入れる。水を標線まで加え,これを試験溶液とする。

4)

別に,ろ紙について 1)3)と同様に操作して,空試験溶液を調製する。

(

1

分解条件は,マイクロ波の機種により異なる。低沸点酸を用いて高温・高圧条件下で加熱させる

ため,分解容器の耐圧が高圧力で,容器内部温度のモニタリングを行える機種が望ましい。

(

2

濃縮条件は,マイクロ波機種により異なる。

b) 

吸収瓶を設けて溶液に吸収させて試料採取した場合

1)

試料ガスからの捕集物の付着ろ紙については,  a)1)4)による

2)

一方,吸収瓶中の溶液については,これをビーカーに入れ,導管及び吸収瓶を水 10∼20mL で洗い,

洗液も合わせる。各密閉式四ふっ化エチレン樹脂分解容器に試料溶液約 20mL をとり,a)1)と同じ

手順で硝酸 5mL を加え,マイクロ波加熱によって処理する。

3)

室温まで放冷後,分解容器を濃縮加熱用ローターで,穏やかに 15 分∼25 分程度蒸発乾固寸前まで

加熱する。

4)

各分解容器内を水で洗い,フラスコ 100mL に合わせる。水を標線まで加え,これを試験溶液とす

る。

5)

別に,ろ紙及び吸収液について,1)4)と同様に操作して空試験溶液を調製する。


70

K 0083

:2006