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K 0061 : 2001  

(1) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本化学

工業協会 (JCIA) /財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ

によって,JIS K 0061 : 1992は改正され,この規格に置き換えられる。 

また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS K 0061には,次に示す附属書がある。 

附属書(規定) 標準物質の密度

日本産業規格          JIS 

K 0061 : 2001 

化学製品の密度及び比重測定方法 

Test methods for density and relative density of chemical products 

序文 この規格は,1976年に第1版として発行されたISO 758, Liquid chemical products for industrial use−

Determination of density at 20 degrees Cを元に作成した日本産業規格であるが,国際規格では,液体化学製

品の密度の測定を対象としたピクノメータ法のみ規定し,市場の実態にあわないため,日本産業規格とし

て必要な方法(液体製品にあっては,浮ひょう法,ピクノメータ以外の比重瓶法,振動式密度計法,及び

天びん法,並びに固体,気体の密度測定法)を追加し,技術的内容を変更して作成している。 

1. 適用範囲 この規格は,化学製品の密度及び比重を測定するための一般的な方法について規定する。 

備考1. 化学製品は,化学反応によって生成する物質全般を指すが,個別の製品又は製品群の規格に

おいて,この規格と異なる測定方法が規定されている場合には,その規格に規定する方法に

よる。 

2. 化学製品には,揮発性,爆発性,放射性などが強いために,この規格を用いるとき試験の安

全を確保できないものもある。この規格に規定する方法は一般的な方法であり,あらかじめ

安全性を十分に確認できるものに適用する。 

3. この規格における化学製品の密度の基準温度を20℃とし,温度20℃及び試験場所の気圧下で

測定する方法について規定する。 

4. この規格における化学製品の比重測定は,比重浮ひょうによる測定であり,計算によって比

重を求める場合は,密度から求める。 

5. この規格における密度及び比重の値は,小数点以下第3位又は有効数字3けた以上の精度で

求める。 

6. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を示す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 758 : 1976, Liquid chemical products for industrial use−Determination of density at 20 degrees C 

(NEQ)  

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計 

JIS B 7525 密度浮ひょう 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

K 0061 : 2001  

JIS K 2839 石油類試験用ガラス器具 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

JIS Z 8704 温度測定方法−電気的方法 

JIS Z 8705 ガラス製温度計による温度測定方法 

JIS Z 8710 温度測定方法通則 

3. 一般的事項 

使用単位 質量,体積,温度及び圧力の単位は,それぞれg(又はkg),cm3(又はml,L及びm3),℃

及びkPaとし,密度の単位はg/cm3(又はg/ml,kg/L及びkg/m3)とする。 

4. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0211によるほか,次による。 

a) 密度 試料の単位体積当たりの質量。測定時の温度及び圧力条件を付記して,次のように表す。 

1) 密度 (t℃,pkPa)  温度t℃,圧力pkPaにおける試料の密度。 

2) 密度 (t℃)  圧力条件を省略した場合(1)の,t℃における試料の密度。 

3) 密度 (20℃)  圧力条件を省略した場合(1)の,20℃における試料の密度。 

注(1) 一般に,液体及び固体の場合は,大気圧の変動の範囲内では圧力による影響が無視できるので,

大気圧が101.325kPaであるとみなして,圧力条件の付記を省略する。 

また,気体の場合は,圧力が101.325kPa又はこの圧力に換算したとき,圧力条件の付記を省

略してもよい。 

b) 比重 固体及び液体試料の比重は,試料の密度と水の密度との比。試料及び水の温度条件を示す記号

を付記して表す。気体試料の比重は,試料の密度と乾燥空気の密度との比。試料及び空気の温度並び

に圧力条件を示す記号を付記して表す。 

1) 比重 (t1/t2℃,p1/p2kPa)  温度t1℃,圧力p1kPaにおける気体試料の密度とt2℃,圧力p2kPaにおけ

る乾燥空気の密度との比。 

2) 比重 (t1/t2℃)  t1℃の液体又は固体試料の密度とt2℃における水の密度との比又は圧力条件を省略

した場合(1)におけるt1℃の気体試料の密度とt2℃における乾燥空気の密度との比。 

3) 比重 (20/20℃)  20℃の液体又は固体試料の密度と20℃における水の密度との比又は圧力条件を

省略した場合(1)における20℃の気体試料の密度と20℃における乾燥空気の密度との比。 

備考 比重は,無次元量であり単位系が異なっても同じ数値が得られる利点があり,相対密度ともい

う。 

c) 質量 国際度量衡委員会によって選定された国際キログラム原器を単位として表される物理量。1キ

ログラムは,国際キログラム原器の質量に等しい。一般には,見掛け質量の値に,空気による浮力の

影響を補正して質量の値を得る。 

d) 見掛け質量 はかり(天びん)を用いて,空気中で物体の質量を量って得た値。この値は,質量より

も空気による浮力の影響分だけ小さい。 

備考 この規格及び一般的に“質量を量る”と記述してある場合,見掛け質量を量り,更に,空気に

よる浮力の補正を行って,質量値を得ることを意味する。 

なお,質量の量り方は,5.2b)による。 

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5. 共通事項 

5.1 

測定場所の状態 測定場所(2)の状態は,JIS Z 8703に規定する標準状態の気圧(3)のもとで,温度20

±5℃,湿度 (65±20) %とする。 

注(2) 測定場所は,温度及び湿度を許容差内で一定に保つことのできる空調設備を備えた試験室又は

それらの変動が少ない試験室が望ましい。 

(3) 標準状態の気圧とは,86〜106kPaのことである。 

5.2 

共通的な器具及び操作 測定に用いる器具及び操作の一般的な事項については,JIS K 0050による

ほか,次による。 

a) はかり(天びん) 化学はかり又は電子はかり。 

備考 化学はかりとは,測定できる最大の質量が100〜200gで,0.1mgの差を読み取れる等比式化学

はかり又は定感量直示式はかり。 

電子式はかり及び等比式化学はかりの校正には,1級分銅又は基準分銅を使用する。 

b) 質量の量り方 a)に規定するはかりを用い,空気中で対象物(4)の見掛け質量を量り,次の式によって

質量を求める(5)。 

w0=w+wρ (1/d1−1/d2)  

ここに, 

w0: 対象物の質量 (g)  

w: 対象物の見掛け質量 (g)  

ρ: 測定時の空気の密度(6) (g/cm3) 

d1: 対象物の密度(7) (g/cm3) 

d2: 化学はかりに使用している分銅の密度(8) (g/cm3)又は

電子はかりの校正に使用した分銅の密度(8) (g/cm3) 

注(4) 質量の計量に用いる容器,試料などは,誤差となる付着物があってはならないので,清浄な環

境に保管するとともに,清浄なピンセット又は手袋を付けた手で取り扱う。 

(5) 空気の浮力補正は,対象物と用いた分銅との密度の差から生じる誤差が,無視できないほど正

確な質量を必要とするときに行う。 

(6) 一般的に,空気の密度の値として,ρ=0.001 2g/cm3を用いる。さらに,厳密な値が必要な場合

には,附属書による。 

(7) 一般的に,対象物の密度値は,有効数字2けたの概数,対象物が複数の場合には,その平均密

度値とする。対象物が密度の被測定物又は被測定物を含む場合の,密度の被測定対象物の密度

値は,空気の浮力補正を行わずに計算して得た密度値を用いるとよい。 

(8) 分銅の密度は,その材質及び構造によって異なる。計量法に基づく基準分銅の密度は,8.0g/cm3

の材質を用いている。 

備考 一般的な密度及び比重の測定で,必要な測定値の精度が0.001のけたまでである場合には,空

気による浮力の補正を無視できる。すなわち,空気の密度が0.001 2g/cm3であり,試料の密度

及び比重値の0.001のけたに影響するが,種々の比重瓶法において,標準物質として水を用い,

試料密度が0.6〜1.3g/cm3の範囲にある場合には,器具,試料,標準物質などの質量値をすべて

見掛け質量値としても,それぞれに作用する空気の浮力の影響が密度及び比重の計算時にかな

り相殺され,その誤差は0.000 4g/cm3以内となる。したがって,このような場合には,見掛け

質量値を質量値に置き換えて計算しても問題ないと考えられる。これらの判断は,測定者が自

ら確認して行うか,個別の製品規格において配慮しなければならない。 

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c) 温度計 JIS B 7410に規定するSG44。 

なお,これと同等の性能をもつ温度計であって,正しく校正したものであれば,このほかのガラス

製温度計,抵抗温度計,熱電温度計などを用いてもよい。 

d) 温度の測定方法 c)の温度計を用い,JIS Z 8710,JIS Z 8704及びJIS Z 8705によって測定する(9)。 

注(9) SG44は,全侵没温度計であるから,できる限り全侵没に近い状態で用いる。 

5.3 

標準物質 この規格における標準物質は,次に示す水及び乾燥空気とする。 

a) 水 蒸留水又はイオン交換水を煮沸又は減圧して脱気したもの。 

水の密度は,附属書表1による。 

b) 乾燥空気 測定場所の空気を乾燥剤を用いて乾燥させたもの。 

校正に用いる場合,空気の密度は0.001 20g/cm3(10)とする。 

注(10) 厳密に空気の密度が必要なときは,附属書による。 

5.4 

数値の丸め方 数値の丸め方は,JIS Z 8401による。 

6. 測定方法の種類 測定方法の種類は,試料が液体,固体又は気体のいずれかによって,次による。 

6.1 

液体の密度及び比重の測定方法の種類 液体の密度及び比重の測定方法の種類は,表1による。 

表1 液体の密度及び比重測定方法の種類 

測定方法 

項目番号 

特徴(参考) 

浮ひょう法 

7.1 

浮ひょうを用いる。浮ひょうを試料に浮かべて,そのけい部に目盛られた密度
値又は比重値を直読する。浮ひょうは,計量法上の計量器であり,測定操作が
簡単である。 

比重瓶法 

7.2 

比重瓶を用いる。比重瓶の容積を校正した後,それに入れた試料の質量を量り,
密度を求める精度の高い測定ができるが,測定操作はやや煩雑である。 
比重瓶の種類を,次に示す。 
1) ワードン形比重瓶 あふれた液体の蒸発防止用のふたが付いている。瓶容

量は50mlのものを使用する。 

2) ゲーリュサック形温度計付き比重瓶 側管の標線で液量を合わせる。液あ

ふれしない。瓶容量は,25ml,50ml,100mlのものがある。 

3) ハーバート形比重瓶 瓶口が広く,粘性の高い液体にも適用できる。瓶容

量は,約25mlのものを使用する。 

4) 目盛ピクノメータ 容積目盛と校正線から容積を直読できる。容量は約

5mlであり,少量で測定ができる。粘性の高い液体には不適当である。 

5) オストワルドピクノメータ 容量は約2mlであり,少量で測定できる。粘

性の高い液体には不適当である。 

振動式密度計法 

7.3 

振動式密度計を用いる。管状の試料セルの固有振動周期は,セル内の流体の密
度に相関するので,標準物質を用いてこの関係をセル定数として求めておき,
試料の密度を求める。測定操作が簡単で,少量の試料で測定でき,感度が高い。 

天びん法 

7.4 

密度が既知の固体を液体中に沈めたときに受ける浮力を,天びん(はかり)で
測定し,試料の密度を求める。 

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6.2 

固体の密度及び比重の測定方法の種類 固体の密度及び比重の測定方法の種類は,表2による。 

表2 固体の密度及び比重測定方法の種類 

測定方法 

項目番号 

特徴(参考) 

天びん法 

8.1 

試料を,空気中及び密度が既知の液体中で,天びんを用いて,質量及び浮力を
測定し,これらから密度を求める。 
高精度な測定ができ,かなり大きな試料にも適用できるが,微粉末には不適当
である。 

比重瓶法 

8.2 

比重瓶(ピクノメータ)を用いる。 
完全な脱気と,液体の選択に注意を払う必要がある。 
ルシャテリエ比重瓶法などがある。 

ルシャテリエ比重瓶法 

8.2.1 

ルシャテリエ比重瓶を用いる。 
規定した精度の体積目盛をもち,投入した試料の体積が直読できる。操作が簡
便。測定精度は,0.01g/cm3のけたまでである。粒径が数mm以下の粒状試料
及び粉末試料用である。試料の実質の体積として,29ml以上を必要とする。 

その他の比重瓶法 

8.2.2 

液体の測定に用いる比重瓶のうち,次に示すものは,固体の測定にも用いる。 
1) ワードン形比重瓶 瓶容量50ml。粒径が数mm以下の粒状品及び粉末に

適用できる。 

2) ゲーリュサック形温度計付き比重瓶 瓶容量25ml,50ml及び100ml。粒

径が数mm以下の粒状品及び粉末に適用できる。 

3) ハーバート形比重瓶 瓶容量約25ml。瓶の開口径が約22mlと大きいので,

粒径の大きな試料にも適用できる。 

密度こうばい管法 

8.3 

密度こうばい管,すなわち,目盛付きのガラス管内に,上部から下部に向かっ
て連続直線的に密度が増加する液柱を作製したものを用いる。試料を密度こう
ばい管に投入し,それが浮遊静止した目盛位置と,標準フロートで作成した校
正曲線とから,試料の密度を読み取る。 
密度こうばい管の作製と管理には注意を要する。試料を多数測定するのに適す
る。 

6.3 

気体の密度及び比重の測定方法の種類 気体の密度及び比重の測定方法の種類は,表3による。 

表3 気体の密度及び比重測定方法の種類 

測定方法 

項目番号 

特徴(参考) 

比重瓶法(デュマ法) 

9.1 

比重瓶としてコック付きのガラス球を用いる。 
比重瓶の容積を校正した後,それに入れた試料の質量を量り,密度を求める。
操作はやや煩雑である。 
厳密な密度の校正を省略し,同一条件下で同一の比重瓶に入れた試料と乾燥空
気の質量の比から比重を求め,密度に換算することができる。 

流出法(ブンゼンシー
リング法) 

9.2 

“等温等圧の気体が同一条件の下で,細孔を通して流出する速度は,その気体
の密度の平方根に逆比例する”というグラハム (Graham) の法則に基づくブン
ゼンシーリング比重計を用いる方法である。 
本法は,測定時の温度及び圧力条件は規定せず,同一温度及び同一圧力におい
て空気の比重を1としたときの,試料の比重を求める方法である。 
正確には,比重瓶法を用いるのが望ましい。 

7. 液体の密度及び比重の測定方法 液体の密度及び比重の測定は,試料の量,性状などに応じて次のい

ずれかの方法による。 

7.1 

浮ひょう法 

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7.1.1 

要旨 液体中に浮かべた浮ひょうの目盛を読み取り,その液体の密度又は比重を求める。密度又は

比重を直読でき(11)構造が簡単ではあるが,小数点以下4けたまでの高い精度が得られる。さらに,ほとん

どの液体に用いることができる。 

なお,測定に必要な試料量は250〜500mlである。 

注(11) 浮ひょうの目盛を定めた基準の温度と,測定温度が異なる場合は温度補正が必要である。 

7.1.2 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

a) 浮ひょう JIS B 7525表1に規定するL50シリーズの浮ひょうで,密度を0.600g/cm3から2.000g/cm3

の範囲において測定できるもの,又はJIS B 7525附属書4比重浮ひょうに規定する大形19本組で,

比重を0.700から1.850の範囲において測定できるもので,ともに器差(12)が既知のものを用いる。 

浮ひょうの一例を図1に示し,浮ひょうの規格例を表4に示す。 

注(12) 器差とは,計量器固有の誤差で,計量値から真実の値を減じた値で次の式で表すことができる。 

器差=計量値−真実の値 

備考1. 密度 (15℃) で目盛られた浮ひょうで,器差が既知のものを用いてもよい。 

2. 器差の求め方,校正された密度浮ひょう又は比重浮ひょうとの比較で次の式による。 

E=R− (Rs−e)  

ここに, 

E: 器差 

R: 用いる浮ひょうの示度 

Rs: 校正された浮ひょうの示度 

e: 校正された浮ひょうの器差 

3. 測定精度を0.001のけたまで必要としないときは,器差を求めなくともよい。 

表4 浮ひょうの規格例 

JIS B 7525 

浮ひょうの種類 

L50シリーズ 

大形19本組 

全長 (mm) 

335以下 

295〜305 

けい部の直径 (mm) 

4.0以上 

4.2〜5.8 

胴部の直径 (mm) 

23〜37 

20〜25 

目量 

0.0005 

0.001 

長目盛線 

0.005ごと 

0.005ごと 

目盛数字 

0.005ごと 

0.1ごと 

目盛部の長さ (mm) 

125以上 

120〜145 

備考 例示以外に目星0.000 2,0.002の浮ひょうがある。 

図1 浮ひょうの一例 

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b) 温度計 JIS B 7410に規定するSG42又はSG44。 

c) シリンダ 流し出し口付きガラス製で,内径は浮ひょうの最大直径より25mm以上大きく,高さは浮

ひょうをシリンダに入れた場合,浮ひょうの下端がシリンダの底から25mm以上の位置にくるものを

用いる。 

備考 JIS K 2839の図35に規定するI形用ガラス製シリンダ又は透明プラスチック製シリンダ。透明

プラスチック製シリンダは,試料の性状に影響を及ぼさないものでなければならない。 

d) 恒温水槽 シリンダに入れた試料を20.0±0.1℃に保持できるもの。 

e) かきまぜ棒 試料に侵されず,その性状に影響を及ぼさない材質を用い,シリンダ中の試料の密度又

は比重を一様にするために十分にかき混ぜることのできるものを用いる。 

7.1.3 

操作 操作は,次による。 

a) 気泡が入らないように試料をシリンダに取り,恒温水槽中に保持してかきまぜ棒で試料を上下にかき

混ぜた後,温度計を全浸没(13)にして試料の温度を測る。 

b) 試料の温度が20.0±0.1℃になったら,あらかじめ20℃近くに保った清浄な(14)浮ひょうを静かに試料

中に入れて静止させた後,約2目盛だけ液中に沈めて手を離す(15)。 

注(13) 水銀球部の下端から水銀柱頂部(温度指示部)までの水銀部全部を試料に浸す。 

(14) 浮ひょうは,中性洗剤で洗い,ジエチルエーテル,エタノールなどを含ませた布又は紙でけい

部をぬぐったものを用いる。けい部が汚れていると表面張力の影響で示度が変わる。 

また,けい部は上端を手でつまみ,目盛部分には手を触れてはならない。 

(15) 手を離すときに,浮ひょうを少し回転させるとシリンダ内壁に触れずに静止することができる。 

c) 目盛の読み方は,浮ひょうが静止した後,上縁視定の浮ひょうはメニスカスの上縁において細分目盛

(目量)の1/5まで読み取り記録する。水平面視定の浮ひょうは,メニスカスの下縁において細分目

盛(目量)の1/5まで読み取り記録する。浮ひょうの目盛の読み方を,図2に示す。 

備考1. 水平面視定の浮ひょうで,透明な液体の密度又は比重を測定するときは,目を試料面のわず

か下方から静かに上げていくときに,最初長円形に見えた試料面がついに直線になったとき

に読み取る。 

2. 水平面視定の浮ひょうで,不透明試料の密度又は比重を測定するときは,試料面メニスカス

の上縁において目盛を読み,これにあらかじめ求めた補正値を用いて下縁相当値を計算する。 

図2 浮ひょうの目盛の読み方 

7.1.4 

計算 密度 (20℃),比重 (20/20℃) は,次によって小数点以下4けたまで求める。ただし,測定

精度を0.001のけたまで必要としないときは,器差の補正を省略してもよい。 

器差の補正は,浮ひょうの示度から器差を減じる。 

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a) 密度 (20℃) で目盛られた浮ひょうを用いて密度 (20℃) を求める場合は,次の式によって算出する。 

D=D20−E 

ここに, 

D: 密度 (20℃) (g/cm3) 

D20: 密度 (20℃) で目盛られた浮ひょうの示度 (g/cm3)  

E: 器差 

b) 密度 (15℃) で目盛られた浮ひょうを用いて密度 (20℃) を求める場合は,次の式によって算出する。 

D=0.999 88 (D15−E)  

ここに, 

D: 密度 (20℃) (g/cm3) 

D15: 密度 (15℃) で目盛られた浮ひょうの示度 (g/cm3)  

E: 器差 

c) 比重 (15/4℃) で目盛られた浮ひょうを用いて密度 (20℃) を求める場合は,次の式によって算出する。 

D=0.999 84 (S15−E)  

ここに, 

D: 密度 (20℃) (g/cm3) 

S15: 比重 (15/4℃) で目盛られた浮ひょうの示度 

E: 器差 

d) 密度 (20℃) から比重 (20/20℃) を求める場合は,次の式によって算出する。 

S=D/0.998 20 

ここに, 

S: 比重 (20/20℃)  

D: 密度 (20℃) (g/cm3) 

備考 浮ひょう法によって得たS又はDの値に対する空気の浮力の影響は,液面上に出ているけい部

の体積と同体積の空気の質量だけであるので,通常無視することができる。 

7.2 

比重瓶法 

7.2.1 

要旨 比重瓶に試料を満たし,恒温水槽で規定温度における体積に調整した後,比重瓶内の試料の

質量を量る。次に,同じ比重瓶を用いて同温度,同体積における水の質量を量り,その質量で試料の質量

を除した値に水の密度を乗じることによって測定温度における試料の密度を求める。 

この方法は,密度測定の基本原理に従ったもので,小数点以下4けたまでの高い精度が得られるが,操

作はやや煩雑である。 

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K 0061 : 2001  

7.2.2 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

a) 比重瓶 

1) ワードン形比重瓶 JIS R 3503の図61に規定するもの。図3に示す。 

備考1. 容量は,約50ml。 

2. 容量表示,メモ用スペースは,砂目又は焼付けを施す。 
3. 質量は,栓,キャップを含めて35g以下とする。 
4. ワードン形比重瓶の呼び方は,名称による。 

例 ワードン形比重瓶 

図3 ワードン形比重瓶50ml 

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10 

K 0061 : 2001  

2) ゲーリュサック形温度計付比重瓶 JIS R 3503の図60に規定するもの。図4に示す。 

呼び容量 (ml) 

25 

50 

100 

外径 

29±1 

38.5±1 

44±1 

高さ 

70±4 

78±4 

101.5±4 

枝高さ 

55±3 

63±3 

65±3 

中心距離 

23±3 

25±3 

26±3 

質量(温度計付き) (g) 

45以下 

55以下 

65以下 

備考1. 容量表示,メモ用スペースは,砂目又は焼付けを施す。 

2. 栓と瓶には合わせ番号を施す。 
3. ゲーリュサック形温度計付き比重瓶の呼び方は,名称及び

呼び容量による。 

例 ゲーリュサック形温度計付き比重瓶 50ml 

図4 ゲーリュサック形温度計付き比重瓶 

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11 

K 0061 : 2001  

3) ハーバート形比重瓶 JIS R 3503の図62に規定するもの。図5に示す。 

備考1. 質量(栓とも)31g以下。 

2. 口の形状は,リップ付きとする。 
3. 栓と瓶には合わせ番号を施す。 
4. 容量表示,メモ用スペースは,砂目又は焼付け

を施す。 

5. 栓のすり合わせは,水密でなければならない。 
6. 比重瓶の呼び方は,名称による。 

例 ハーバート形比重瓶 

図5 ハーバート形比重瓶 

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12 

K 0061 : 2001  

4) 目盛ピクノメータ JIS K 2839の図37に規定する目盛ピクノメータ(I形)。図6に示す。 

備考1. 品質は,硬質2級以上。 

2. 質量は,30g以下。 

図6 目盛ピクノメータ 

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13 

K 0061 : 2001  

5) オストワルドピクノメータ JIS K 2839の図39に規定するもの。図7に示す。 

備考1. 品質は,硬質2級以上。 

2. 標線(回線)までの容量2±0.2ml。 
3. 質量6g以下。 

図7 オストワルドピクノメータ 

b) 恒温水槽 比重瓶のけい部以下を水面下に保持できる構造で,温度を20.0±0.1℃(16)に調節できるも

の。 

注(16) 目盛ピクノメータの場合,温度を20.00±0.05℃に調節できるものを用いる。 

c) はかり(天びん) 5.2a)による。 

d) 温度計 5.2c)による。 

7.2.3 

校正 器具及び装置の校正は水当量の測定によって,次のとおり行う。 

a) ワードン形比重瓶,ゲーリュサック形温度計付比重瓶及びハーバート形比重瓶の校正 

1) 乾燥洗浄した比重瓶の質量を1mgのけたまで量り,これをW0とする。 

2) あらかじめ設定温度より1〜3℃低い温度に調節した水を気泡が残らないように注意深く比重瓶に

満たし,20.0±0.1℃に保った恒温水槽にそのけい部まで入れる。 

3) 30分以上放置して温度が一定になったら,ほぼ同温度に保った栓(17)を差し込み,過剰な水をピペ

ット又は細かく切ったろ紙で吸い取り,液面を標線又はふたの細孔上端に合わせる。 

注(17) ゲーリュサック形温度計付比重瓶の場合は,温度計付きの栓を差し込む。 

4) 恒温水槽から比重瓶を取り出し,外面を清浄な乾燥している布でぬぐい水分を除き,ふたのある比

重瓶の場合はふたを付けて室温近くになるまで放置する。 

5) 測定温度が室温より低い場合,比重瓶の表面に結露することがあるので,その表面をよくぬぐって

14 

K 0061 : 2001  

全質量を1mgのけたまで量り,これをW1とする。 

6) 1)及び5)から比重瓶の水当量 (W1−W0) を求める。水当量は必要に応じて測定する。 

b) 目盛ピクノメータの校正 

1) 洗浄乾燥したピクノメータの質量を0.1mgのけたまで量り,これをW0とする。 

2) ピクノメータを立てたまま,かぎ状の一端を水中に入れ,長管の端から軽く吸引した後,サイホン

作用によって球上方の細管下端を超す位置まで満たす。 

3) 指先で軽くはじいてピクノメータ内の気泡を除き,細管の端の内外に付着する水は,細かく切った

ろ紙などでぬぐい取る。 

4) 20.00±0.05℃に保った恒温水槽にその細管目盛の上まで入れ,温度が一定になって細管中の水面が

静止するまで静置する。 

5) 両細管の細分目盛の1/5まで読み取って記録し,水槽からピクノメータを取り出して外面の水をぬ

ぐい取り,室温になるまで放置する。 

6) 測定温度が室温より低いときは,ピクノメータの表面に結露することがあるので,その表面をよく

ぬぐい,質量を0.1mgのけたまで量り,これをW1とする。 

7) 次に,細管の水を次第に増加して,細管目盛の3点以上について,1)〜6)の操作を行って,両細管

の目盛の読みの合計値と,それに対応する水の質量の関係線図を作成する。この関係線図から,任

意の読み選んだ点における読みの合計値に対する水の質量,すなわち,水当量 (W1−W0) を求める。

この関係線図は必要に応じて調製する。 

c) オストワルドピクノメータの校正 

1) 乾燥したピクノメータの質量を0.1mgのけたまで量り,これをW0とする。 

2) 標線の付いている細管の端にゴム管を付け,標線を越える位置まで水を吸い上げる。指先で軽くは

じいて管内の気泡を完全に除いた後,ピクノメータを20.0±0.1℃に保った恒温水槽中にその標線付

近まで入れ,ピクノメータ内の水の温度が一定になって,細管中の液面が静止するまで保持する。 

3) 液面が静止した後,ピクノメータを水中に保持したまま標線の付いていない細管の端から細かく切

ったろ紙で過剰の水を吸い出して,液面を標線に合わせ,細管に付着する水はぬぐい取る。 

4) 恒温水槽からピクノメータを取り出し,外面を清浄な乾燥した布でぬぐい,室温になるまで放置す

る。 

5) 測定温度が室温より低い場合,ピクノメータの表面に結露することがあるので,その表面をよくぬ

ぐい,質量を0.1mgのけたまで量り,これをW1とする。 

6) 1)及び5)からオストワルドピクノメータの水当量 (W1−W0) を求める。水当量は必要に応じて測定

する。 

7.2.4 

操作 操作は,次による。 

a) ワードン形比重瓶,ゲーリュサック形温度計付比重瓶及びハーバート形比重瓶の場合 

1) 洗浄乾燥した比重瓶の質量を1mgのけたまで量り,これをW0とする。 

2) これにあらかじめ測定温度より1〜3℃低い温度に調節した試料を満たし,4.2.3a)2)〜5)によって試

料を満たした比重瓶の質量をW2とする。 

b) 目盛ピクノメータの場合 

1) 洗浄乾燥したピクノメータの質量を0.1mgのけたまで量り,これをW0とする。 

2) 校正の場合と同様に7.2.3b)2)〜6)によって任意の目盛まで試料をとった後,目盛の読みを記録して

質量を量り,これをW2とする。 

15 

K 0061 : 2001  

3) 7.2.3b)7)の関係線から試料を測定したときのピクノメータの目盛の読みの合計に対応する水の質量

(水当量=W1−W0)を読み取る。 

c) オストワルドピクノメータの場合 

1) 洗浄乾燥したピクノメータの質量を0.1mgのけたまで量り,これをW0とする。 

2) 校正の場合と同様に7.2.3c)2)〜5)によって,試料をこれに満たし,試料を満たしたピクノメータの

質量を量り,これをW2とする。 

7.2.5 

計算 

a) 密度 (20℃) は,次の式によって算出し,小数点以下3けたに丸める。 

D= [(W2−W0) / (W1−W0)] × (0.998 2−0.001 2) +0.001 2 

ここに, 

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3) 

W0: 比重瓶の見掛け質量 (g)  

W1: 比重瓶を水で満たしたときの見掛け質量 (g)  

W2: 比重瓶を試料で満たしたときの見掛け質量 (g)  

W2−W0: 比重瓶中の試料の見掛け質量 (g)  

W1−W0: 試料と同体積の水の質量=比重瓶の水当量 (g)  

 0.998 2:水の密度 (20℃) (g/cm3) 

 0.001 2:空気の密度 (g/cm3)  

b) 比重 (20/20℃) は,次の式によって算出し,小数点以下3けたに丸める。 

S=D/0.998 2 

ここに, 

S: 試料の比重 (20/20℃) 

0.998 2: 水の密度 (20℃) (g/cm3) 

7.3 

振動式密度計法 

7.3.1 

要旨 一端を固定したガラス管(以下,試料セルという。)に試料を導入し,これに初期振動を与

えると,試料セルは,試料質量の平方根に比例した固有振動周期をもって振動する。試料セルの振動部分

の体積を一定とすれば,固有振動周期の二乗は試料密度に比例する。水及び乾燥空気を密度標準物質とし,

それらの固有振動周期と密度から振動式密度計の試料セル定数を求めておくことによって,試料の密度及

び比重を求める。 

7.3.2 

装置及び器具 振動式密度計の構成は次による。 

a) 振動式密度計の構成 振動式密度計は,測定部,演算部,温度調節部,温度計及び試料導入部から構

成され,その一例を図8に示す。 

参考 試料セルの温度制御性能等によって,振動式密度計の性能は異なり,測定精度が±0.001〜0.000 

001g/cm3の範囲の装置が市販されている。 

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16 

K 0061 : 2001  

図8 振動式密度計の構成の一例 

b) 測定部 容量約1cm3の試料セル,発振器及び検出器から構成され,試料セルに初期振動を与え,生じ

る固有振動周期を検出するもの。 

c) 演算部 a)又はb)の機能をもつもの。 

1) 試料セルの固有振動周期を数値変換し,表示できるもの。 

2) 固有振動周期から,7.3.4の式及び7.3.6の式を自動演算し,試料密度を表示できるもの。 

d) 温度調節部 試料セルを,20.0±0.5℃〜20.00±0.01℃に保持することが可能なもの。 

e) 温度計 試料セル温度を測定する温度計として,±0.5℃〜±0.01℃の精度をもつもの。 

f) 

試料導入部 試料を試料セルに導入するもので,本体に内蔵している型式又は外部設置のもの(18)。 

注(18) 注射器を用い,試料セルに直接試料を導入してもよい。 

7.3.3 

測定の準備 測定の準備は,次による。 

a) 振動式密度計の準備 

1) 振動式密度計の結線,循環恒温水の配管(19)などが正しく行われていることを確認する。 

2) 温度計を所定の位置に設置する。 

3) 振動式密度計の電源を入れ,試料セル温度を20℃に調節する。 

注(19) 測温部と温度調節部が一体となっていない型式の振動式密度計の場合,循環恒温水の配管はで

きるだけ短くし,十分に保温する。 

b) 試料の準備 試料は,均一な液状で,ごみ,固形物,気泡などを含んではならない。これらのものを

試料が含む場合は,ろ紙によるろ過,遠心分離などによって除去する(20)。 

注(20) 揮発性の試料は,蒸発損失が起こらないように注意する。 

7.3.4 

振動式密度計の校正(試料セル定数の決定) 校正の手順は,次による。 

備考1. 自動校正機能をもつ振動式密度計の場合は,次のように校正する。 

a) 振動式密度計を校正の状態にする。 

b) 乾燥空気及び水を7.3.4a)〜c)によって,試料セルに導入する。 

c) 試料セル定数を演算させ振動式密度計に記憶させる。 

2. 標準物質として,乾燥空気及び水以外の物質を用いる場合は,それらの物質の測定温度にお

17 

K 0061 : 2001  

ける振動周期及び密度を求め,それらの値を代入して計算する。 

3. 振動式密度計の校正は,測定温度を変更したときのほか,必要に応じて標準物質の密度を測

定し実際の値との差が許容差(21)を超えたときは,校正し直す。 

注(21) 試料測定上の必要精度によって異なり,例えば,必要精度が±0.000 5g/cm3以内ならば許容差は,

±0.000 5g/cm3とする。 

a) 試料セルを洗浄し,乾燥(22)する。 

注(22) 溶剤を用いて洗浄した後エタノール,アセトンなどを流し,その後,乾燥空気を通す。 

b) 試料セル内の乾燥空気の流れを止め,乾燥空気の振動周期を表示させ,表示値が安定したら,その値

を記録する。 

c) 試料セルに水を導入(23)し,水の振動周期を表示させ,表不値が安定したら,その値を記録する。 

注(23) 気泡が入らないように注意する。 

d) 試料セル定数は,次の式によって計算する。 

K1= (dw−da) / (Tw2−Ta2) 

ここに, 

Kt: 20℃における試料セル定数 

dw: 20℃における水の密度 (0.998 20g/cm3)  

da: 20℃における乾燥空気の密度 (0.001 20g/cm3)  

Tw: 20℃における水の振動周期 

Ta: 20℃における乾燥空気の振動周期 

7.3.5 

測定の手順 試料密度の測定は,次による。 

a) 7.3.4a)によって,試料セルを洗浄し,乾燥する。 

b) 試料セルに試料を導入し(23),試料の振動周期を表示させ,表示が安定したら,その値を記録する。 

備考 密度演算機能をもつ振動式密度計の場合,試料の密度を記録する。 

7.3.6 

計算 計算は次による。 

a) 試料の密度 (20℃) は,次の式によって算出する。 

D=0.998 20+Kt (Ts2−Tw2)  

ここに, 

D: 20℃における試料の密度 (g/cm3) 

0.998 20: 20℃における水の密度 (g/cm3)  

Kt: 20℃における試料セル定数 

Ts: 20℃における試料の振動周期 

Tw: 20℃における水の振動周期(校正時に求めた値) 

備考 密度演算機能をもつ振動式密度計の場合は,表示された値を試料の密度 (20℃) とする。 

b) 試料の比重 (20℃/20℃) は,次の式によって算出する。 

S=D/0.998 20 

ここに, 

S: 比重 (20℃/20℃) 

D: 20℃における試料の密度 (g/cm3)  

0.998 20: 20℃における水の密度 (g/cm3)  

7.4 

天びん法 

7.4.1 

要旨 密度が既知のおもりを20℃の試料中に懸垂し,浮力を測定することによって試料の密度及

び比重を求める。 

7.4.2 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

装置の構成の例を,図9及び図10に示す。 

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18 

K 0061 : 2001  

図9 天びん法比重・密度測定装置(等比天びんを用いる例) 

図10 天びん法比重・密度測定装置(直示天びん又は電子はかりを用いる例) 

a) はかり(天びん) 5.2a)による。 

b) はかり架台 ビーカーを支え,おもりの質量を試料中で量ることができるもの。 

c) つり糸 おもりを懸垂するのに十分な強度をもち,試料中に入ったつり糸の体積の変化による誤差(24)

が無視できるもの。 

パラフィンをしみ込ませた適切な長さの絹糸,細い魚つり用てぐす,針金などがある。 

d) 温度計 5.2c)による。 

e) おもり 密度が既知で試料より密度(25)が大きく,体積が5〜10mlのもの。 

f) 

ビーカー おもりをつるすとき,おもりが壁及び底に触れないような大きさのもの。 

注(24) つり糸の直径を0.2mmとすると,蒸留水中で1cmあたり0.3mgの浮力の誤差が生じる。 

(25) あらかじめ比重及び密度を5.1を用いて測定しておく。 

備考 つり糸,おもり及びビーカーは試料に溶解しないものを用いる。 

7.4.3 

操作 操作は,次による。 

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19 

K 0061 : 2001  

a) おもりをつり糸を用いて,はかりのつりかぎに掛ける。 

b) おもりの下部が,はかり架台上20〜30mmにくるようにする。 

c) おもり及びつり糸の見掛け質量を空気中で0.1mgのけたまで量り,W1とする。 

d) 20.0±0.5℃に保った試料を入れたビーカーにおもりを浸し,このビーカーをはかり架台上に載せて,

つり糸をつりかぎに掛ける。 

e) おもりを試料中につるし,液中での見掛け質量を0.1mgのけたまで量り,W2とする。 

f) 

直ちに試料の温度を計り,20.0±0.5℃であることを確認する。もし,温度がその許容差内にない場合

はd)からやり直す。 

備考 操作中の室温は,20±1℃であることが望ましい。 

7.4.4 

計算 試料の密度 (20℃) 及び比重 (20/20℃) は,次の式によって算出する。 

D= (W1−W2) ・Dw / W1 

S=D/0.998 2 

ここに, 

D: 密度 (20℃) (g/cm3) 

S: 比重 (20/20℃)  

W1: おもり及びつり糸の空気中での見掛けの質量の合計 (g)  

W2: おもり及びつり糸の試料中での見掛けの質量の合計 (g)  

Dw: おもりの密度 (20℃) (g/cm3) 

0.998 2: 20℃における水の密度 (g/cm3)  

8. 固体の密度及び比重の測定方法 固体の密度の測定方法及び密度から比重を計算する方法は,8.1,8.2

及び8.3のいずれかの方法による。 

8.1 

天びん法 

8.1.1 

要旨 液体中の固体は,同体積の液体の質量に相当する浮力を受けていることから,試料を空気中

及び密度既知の液体中で量り,密度を求める。 

8.1.2 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

装置の構成の例を,図11及び図12に示す。 

図11 天びん法比重・密度測定装置(等比式天びんを用いる例) 

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20 

K 0061 : 2001  

図12 天びん法比重・密度測定装置(直示天びん又は電子はかりを用いる例) 

a) はかり(天びん) 5.2a)による。 

b) はかり架台 ビーカーを支え,試料を試験液中で量ることができるもの。 

c) つり糸 試料及び懸垂用フック付き容器を懸垂するのに十分な強度があり,試験液中に入ったとき,

体積の変化による誤差(24)が無視できるもの。 

パラフィンをしみ込ませた適切な長さの絹糸,細い魚つり用てぐす,針金などがある。 

d) 温度計 5.2c)による。 

e) 懸垂用フック付き容器 かご形,るつぼ形,皿形などで,懸垂用のつり糸及びフックを取り付けたも

の。 

つり糸で試料を直接結び付けられないとき又は浮上するとき,試料を入れて試験液中につるすのに

用いる。 

f) 

ビーカー 試料又は懸垂用フック付き容器をつるすとき,それらが壁及び底に触れないような大きさ

のもの。 

備考 つり糸,懸垂用フック付き容器及びビーカーは,試験液に溶解しないものを用いる。 

8.1.3 

測定用試料及び試験液 

a) 測定用試料 表面ができるだけ滑らかな試料又は溶融して気泡の伴わないように鋳型で成形して測定

用試料とする。 

備考 試料は,つり糸を直接結び付けてつり下げられる形状のものが望ましい。試料が粒状,球状の

場合,柔らかいろう質,比重が小さく浮遊するものなどは懸垂用フック付き容器を用いるとよ

い。 

b) 試験液 試料及び器具を侵さない液体で,密度及び比重が既知のもの。通常は水を用いるが,水以外

の液体を使用するときは,揮発しにくい液体を用いる。 

8.1.4 

操作 操作は,次による。 

a) つり糸又は懸垂用フック付き容器を,はかりのつりかぎに掛け,見掛け質量を空気中で0.1mgのけた

まで量り,W1とする。 

21 

K 0061 : 2001  

b) 試料約5gを量り取る。 

c) 試料を懸垂用フック付き容器に納めるか,つり糸に取り付ける(26)。 

d) 試料を取り付けたつり糸又は懸垂用フック付き容器を,つりかぎに掛け,その見掛け質量を0.1mgの

けたまで量り,W2とする。 

e) 20.0±0.5℃(27)に保った試験液を入れたビーカーに,試料を浸し(28),このビーカーをはかり架台上に

載せ,つり糸又はフックをはかりのつりかぎに掛ける。 

注(26) つり糸の長さは,はかりにつり下げたとき,試料又は懸垂用フック付き容器の下部が,はかり

架台上20〜30mmになるように調節しておく。 

(27) 試験液の温度は,20℃と室温との温度差を考慮して調節する。 

(28) 試料,つり糸及び懸垂用フック付き容器に気泡が付着しないように注意する。 

f) 

試験液中につり下げた試料とつり糸又は懸垂用フック付き容器を,液中の見掛け質量として,0.1mg

のけたまで量り,W3とする。 

g) 直ちに試験液の温度を読み,20.0±0.5℃であることを確認する。 

温度がその許容差内にない場合はe)からやり直す。 

h) つり糸又は懸垂用フック付き容器から試料を取り外した状態(29)とし,e)〜g)の操作を行い,つり糸又

は懸垂用フック付き容器の液中の見掛け質量を0.1mgのけたまで量り,W4とする。 

注(29) つり糸及び懸垂用フック付き容器が液中に浸る部分が同じになるようにする。 

備考 操作中の室温は,20±1℃が望ましい。 

8.1.5 

計算 試料の密度 (20℃) 及び比重 (20/20℃) は,次の式によって算出する。 

D= (W2−W1) ・Dw/ [(W2−W1) − (W3−W4)]  

S=0/0.998 2 

ここに, 

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3) 

S: 試料の比重 (20/20℃)  

W2−W1: 試料の見掛けの質量 (g)  

W3−W4: 試料の試験液中の見掛けの質量 (g)  

Dw: 試験液の密度 (20℃) (g/cm3) 

0.998 2: 20℃における水の密度 (g/cm3)  

8.2 

比重瓶法 

8.2.1 

ルシャテリエ比重瓶法 

a) 要旨 固体試料の質量及び比重瓶の目盛から読み取った固体試料の体積から,密度を求める。比重は

密度測定結果から計算により求める。試料は,30〜40cm3が必要である。 

b) 装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

1) ルシャテリエ比重瓶 図13に示す二つの球部A及びBと容積目盛のある管部C及びDからなるも

のを用いる。 

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22 

K 0061 : 2001  

備考 20℃における容量 

A部 250±5ml 
目盛0から40の間の容量 40.00±0.05ml 
目盛0から29の間の容量 29.00±0.05ml 
1目盛間の容積の誤差 0.025ml以下 

図13 ルシャテリエ比重瓶 

2) はかり(天びん) 5.2a)による。 

3) 温度計 5.2c)による。 

4) 恒温水槽 水槽の温度を20.0±0.2℃に調節できるもの。 

c) 測定用試料及び試験液 

1) 測定用試料 測定のできる大きさに砕いたもの。 

2) 試験液 試料より比重が小さく,試料に対し,溶解,膨潤,反応などの相互作用のない液体。通常

は,水,精製鉱油などを用いる。 

d) 操作 操作は,次による。 

1) ルシャテリエ比重瓶の管部Cにメニスカスがくるように試験液を入れる。 

2) 比重瓶を恒温水槽に浸し,液温が20.0±0.2℃になったとき,メニスカスを管部Cの目盛で読み取る。

読み取り精度は0.025mlとする。 

3) 試料を1mgのけたまで量り取り(30),その質量をWとする。 

23 

K 0061 : 2001  

4) 量り取った試料を比重瓶に入れ泡を取り除く(31)。 

5) 比重瓶を恒温水槽中に浸し,20.0±0.2℃に保ち,メニスカスを管部Dの目盛で読み取る。読み取り

精度は0.025mlとする。 

注(30) 試料量は,比重瓶に入れたとき,メニスカスが管部Dの目盛の部分にくる量とする。 

(31) 減圧装置で泡の除去を行うときは,試験液の飛散蒸発などに注意しなければならない。 

e) 計算 試料の密度 (20℃) 及び比重 (20/20℃) は,次の式によって算出し,小数点以下2けたに丸め

る。 

D=W/ (L2−L1)  

S=D/0.998 2 

ここに, 

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3) 

S: 試料の比重 (20/20℃)  

W: 試料の見掛けの質量 (g)  

L1: 試料を比重瓶に入れる前の20℃におけるメニスカスの

読み (ml)  

L2: 試料を比重瓶に入れた後の20℃におけるメニスカスの

読み (ml)  

0.998 2: 20℃における水の密度 (g/cm3)  

8.2.2 

その他の比重瓶法 

a) 要旨 液体試料の密度の測定に用いる比重瓶のうち,固体試料の測定にも使用できるものを用いる。

容量を校正した比重瓶に入れた試料の質量と比重瓶を満たした密度既知の液体の質量から,試料の体

積を求め,密度を算出する。 

b) 装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

1) 比重瓶 次に示す比重瓶のいずれかを用いる。 

1.1) 

ワードン形比重瓶 JIS R 3503に規定するワードン形比重瓶で図3に示すもの。 

1.2) 

ゲーリュサック形温度計付比重瓶 JIS R 3503に規定するゲーリュサック形温度計付比重瓶で図4

に示すもの。 

1.3) 

ハーバート形比重瓶 JIS R 3503に規定するハーバート形比重瓶で図5に示すもの。 

2) はかり(天びん) 5.2a)に規定するもの。 

3) 温度計 5.2c)に規定するもの。 

4) 恒温水槽 比重瓶をそのけい部まで入れることのできる容量で,温度を20.0±0.1℃に調節できるも

のを用いる。 

5) 脱気装置 試料と液体の間に保持される気泡を除く場合に使用する。真空デシケータと真空ポンプ

を組み合わせるか又は超音波(洗浄機)を用いる。 

c) 測定用試料及び試験液 

1) 測定用試料 測定できる大きさに砕いたもの。 

2) 試験液 試料より比重が小さく,試料に対し,溶解,膨潤,反応などの相互作用のない密度が既知

の液体。通常は,水,精製鉱油などを用いる。比重瓶の校正には水を用いる。 

d) 校正 装置及び器具の校正は,水当量の測定による。 

1) 洗浄乾燥した比重瓶の質量を1mgのけたまで量り,これをW0とする。 

2) あらかじめ測定温度より1〜3℃低い温度に調節した水を,気泡が残らないように注意深くこれに満

たし,20.0±0.1℃に保った恒温水槽にそのけい部まで入れる。 

24 

K 0061 : 2001  

3) 30分間以上放置して温度が一定になった後,ほぼ同温に保った栓(32)を差し込み,過剰な水をピペ

ット又はろ紙で吸い取って,液面を標線又はふたの細孔上端に合わせる。 

注(32) ゲーリュサック形温度付比重瓶の場合,温度計付きの栓を差し込む。 

4) 水槽から比重瓶を取り出し,外面を清浄な乾燥した布でぬぐい水分を除き,ふたのある比重瓶の場

合にはふたを付けて室温近くになるまで放置する。 

5) 測定温度が室温より低い場合,比重瓶の表面に結露することがあるので,その表面をよくぬぐって,

質量を1mgのけたまで量り,これをW1とする。 

6) 1)及び5)から比重瓶の水当量を (W1−W0) 求める。水当量は,必要に応じて測定する。 

e) 操作 操作は,次による。 

1) 洗浄乾燥した比重瓶の質量を1mgのけたまで量り,これをW0とする。 

2) 比重瓶に試料を10g以上入れ,栓をして質量を1mgのけたまで量り,これをWとする。 

3) 次に,あらかじめ測定温度より1〜3℃低い温度に調節した試験液で比重瓶の空間を満たし,振とう

又は脱気装置によって,気泡を完全に除去する。 

4) d)2)〜5)によって,質量を1mgのけたまで量り,これをW2とする。 

f) 

計算 試料の密度 (20℃) 及び比重 (20/20℃) は,次の式によって計算し,小数点以下3けたに丸め

る。 

D= (W−W0) ×D2×0.998 2/ [(W1−W0) ×D2− (W2−W) ×0.998 2]  

S=D/0.998 2 

ここに, 

D: 試験液の密度(20℃) (g/cm3) 

0.998 2: 水の密度 (20℃) (g/cm3) 

D2: 試験液の比重 (20/20℃)  

W0: 比重瓶の質量 (g)  

W: 比重瓶に試料を入れたときの質量 (g)  

W1: 比重瓶を水で満たしたときの質量 (g)  

W2: 比重瓶を試料と試験液で満たしたときの質量 (g)  

S: 試料の比重 (20/20℃)  

8.3 

密度こうばい管法 

8.3.1 

要旨 固体試料を液体中に入れたとき,固体の密度が液体の密度より,大きければ沈降し,小さけ

れば浮上し,等しければ浮遊静止する。密度こうばい管法は,この原理を利用するもので,用いる密度こ

うばい液が,固体試料に対して,反応,溶解,膨潤などの作用を及ぼさない場合で,試料の体積が0.5cm3

以下程度の固体試料に適用できる。 

密度こうばい管は,垂直に設置した目盛付きガラス円筒で,密度の異なる2種類の液体を,その混合比

を連続的に変えながら注入することによって調製する。密度こうばい管の目盛と密度の関係は,標準フロ

ートを用いて校正しておく。 

この測定方法による測定精度(33)は,標準フロートの精度,密度こうばい及びこうばいの精度に左右され

る。試料間の微小な相対的密度差を測定(34)するには,特に適した測定方法である。 

注(33) 通常の密度こうばい (0.000 5〜0.001g/cm3/mm) での測定精度は,小数点以下3けたである。 

(34) 密度こうばいを小さくして測定すれば,同時測定試験片の相対的な密度の差を小数点以下5け

た程度まで測定可能な場合もある。 

8.3.2 

装置,器具及び試薬 装置,器具及び試薬は,次による。 

a) ガラス円筒 長さ1m,内径4.5cmで,少なくとも85cmの長さにわたってmm目盛,10mmおきの全

25 

K 0061 : 2001  

周回線及び1cm,2cm,又は5cmごとの数値表示をもち,その上部にすり合わせキャップの付いてい

るもの。ただし,十分に目的を達することのできる場合には,異なる寸法のガラス円筒を使用しても

よい。 

b) 恒温水槽 ガラス円筒を入れて垂直に保持することができ,温度を20.0±0.5℃又は20.0±0.1℃に調節

できるもの。 

調節温度の許容幅は,測定精度が小数点以下3けたまでの場合には±0.5℃でよいが,小数点以下4

けたまでを測定する場合には±0.1℃とする。 

c) ガラス容器 同一直径のもの2個,それぞれ約2 000ml又は1 000mlのもの。 

d) サイホン 図14に示すもの。 

e) 標準フロート 直径2〜5mmの中空ガラス球(35)とし,その密度が測定結果に必要なけた数と同じけた

数まで正確に決められているもの。 

注(35) 密度調節のために金属などの微小片を封じ込めた中空ガラス球でもよいが,その重心は,見掛

けの中心位置に十分に近いもの。 

参考 市販の標準フロートには,小数点以下3けた又は小数点以下4けたのけた数のものがある。 

f) 

かき混ぜ機 ガラス容器内の液をかき混ぜることができるもの。電動モーターを使用する場合は,防

爆構造のものが望ましい。 

g) 金網 目開き1 680μmのステンレス鋼製の金網で,ガラス円筒の底部に沈めて置き,標準フロート及

び試験片を引き上げて回収できるように,フックを引っ掛ける取っ手の付いたかご形のもの。 

h) 密度こうばい液 固体試料を溶解又は膨潤させることなく,混合させる2液がよく混じり合うもの。

代表的な密度こうばい液系の例と,その液系可能な密度範囲を,表5に示す。種々の混合液に用いる

密度調整用試薬を表6に示す。 

備考1. 密度こうばい液に用いる液体には,危険物に相当するものや,直接に手を触れる,又はその

蒸気を吸入すると中毒障害を引き起こすものもあるので,あらかじめ調査の上,十分な注意

を払って取り扱う。 

2. 実際に作製する密度こうばい液は,表5に例示した液系において,例示した密度範囲の全域

を1本の密度こうばい管に作るのではなく,密度こうばい液の上端と下端の密度差が0.1〜

0.01g/cm3となるようにそれぞれ調製した,2種の混合液を混合して作る。 

8.3.3 

密度こうばい管の作り方 密度こうばい管の作り方は,次による。 

a) 必要とする密度こうばい管を作るために(36),次の式によって,密度こうばい液を構成する2種類の液

体の密度ρA及びρB (ρA<ρB) を決定する。 

ρA=ρB−2(ρB−ρ)VB/V 

ここに, 

ρA: ガラス容器A中の液の最初の密度 (g/cm3) 

ρB: ガラス容器B中の液の最初の密度(37) (g/cm3) 

ρ: 密度こうばい管の最上部における液の密度(38) (g/cm3) 

VB: ガラス容器B中の最初の液の量 (ml)  

V: 密度こうばい管内の全液量 (ml)  

注(36) 必要とする測定精度が小数点以下3けたまでの場合は,1本の密度こうばい管の下端の密度と上

端の密度との差が,0.2g/cm3以内(一般には0.1g/cm3以内)のものを作る必要がある。 

また,必要とする測定精度が小数点以下4けたまでの場合は,下端と上端との密度差が,

0.2g/cm3以内(一般には0.01g/cm3以内)のものを作る必要がある。 

(37) 必要とする測定精度が小数点以下3けたまでの場合は,標準フロートの密度より0.005大きい

background image

26 

K 0061 : 2001  

ように選び,小数点以下4けたまでの場合は,0.000 5大きいように選ぶ。 

(38) 必要とする測定精度が小数点以下3けたまでの場合は,標準フロートの密度より0.01大きいよ

うに選び,小数点以下4けたまでの場合は,0.001大きいように選ぶ。 

b) a)の2種類の密度の液体を,表5及び表6を利用して調製し,それらの密度を4.のいずれかの方法に

よって測定する。使用する液体は,十分に脱気されたものを用いる。水を用いる場合は,あらかじめ

煮沸又は減圧処理する。 

c) 密度の低い液を図14のガラス容器Aに,密度の高い液をガラス容器Bに入れ,両液を同じ高さにし

て密度の低い方の液で満たしたサイホンで連絡する。 

d) ガラス容器B内の液をかき混ぜ機でかき混ぜ(39)ながら,その中の液をサイホンによってガラス円筒中

へ20ml/min以下の速度(40)で,ガラス円筒の器壁を伝わらせながら,注ぎ入れる。 

注(39) かき混ぜる速度は,液面が激しく波動しない程度とし,液量の多いときには,十分にかき混ぜ

る必要がある。 

(40) 注入速度は,サイホンに取り付けたコックで調節する。 

備考 この操作によってガラス容器B中の液の高さが低下するので,ガラス容器A中の液が順次ガラ

ス容器Bに流入し,十分に混合されてガラス円筒に入るのでガラス円筒内の液は連続的な密度

こうばいを示すことになる。 

e) b)〜d)の操作を,約20℃で行う。 

f) 

ガラス円筒に,すり合わせのふたをしてから,20℃に保持した恒温水槽に静かに入れ,1時間以上静

置する。 

g) 標準フロートをガラス容器Aの液でぬらしてから円筒に静かに入れ,ふたをして,これを密度こうば

い管とする。 

備考 密度こうばい管は,測定精度を小数点以下3けたまでとする場合には,恒温水槽中で20.0±0.5℃

に保持する。標準フロートは,密度差0.01g/cm3につき1個以上が適当であり,ガラス円筒に入

れたときに,少なくとも10〜20cmの間隔に並べる。 

測定精度を小数点以下4けたまでとする場合には,密度こうばい管は,恒温水槽中で20.0±

0.1℃に保持する。標準フロートは,密度差0.001g/cm3につき1個以上が適切であり,ガラス円

筒に入れたときに,少なくとも10〜20cmの間隔に並べる。 

h) 24時間後,密度こうばい管中の標準フロートの重心の高さを1mmまで密度こうばい管の目盛から読

み取り,標準フロートの密度と密度こうばい管の目盛との関係を示す校正線を作成する。校正線の読

み取り精度は,±1mmとする。 

i) 

この校正線がジグザグを示す場合,又は著しく弓形になる場合には,再びa)〜h)の操作を繰り返す。 

表5 密度こうばい液系の例 

液系 

密度範囲g/cm3 

メタノール/ベンジルアルコール 

0.80〜0.92 

2−プロパノール/水 

0.79〜1.00 

2−プロパノール/ジエチレングリコール 

0.79〜1.11 

エタノール/水 

0.7g〜1.00 

水/臭化ナトリウム 

1.00〜1.41 

水/硝酸カルシウム 

1.00〜1.60 

塩化亜鉛/エタノール/水 

0.80〜1.70 

1,3−ジブロモプロパン/臭化エチレン 

1.99〜2.18 

臭化エチレン/ブロモフォルム 

2.18〜2.89 

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27 

K 0061 : 2001  

表6 密度調整用試薬の例 

試薬名 

密度g/cm3 

オクタン 

0.70 

ジメチルホルムアミド 

0.94 

よう化エチル 

1.93 

よう化メチレン 

3.33 

図14 密度こうばい管の作り方 

8.3.4 

測定用試料 試料を十分に乾燥させ,同一試料から3個の試料(41)を調製して測定用試料とする。

試料は,乾燥剤を入れたデシケータ中に保管する。試料の大きさは,その最大部の長さが密度こうばい管

の内径の1/4以下程度とし,その体積は0.5cm3以下程度(42)とする。 

また,同時に多数の試料を投入して,既存の校正線を使用して測定する場合には,全試料の投入による

液面の上昇が1mm以下になるように,それぞれの試料の大きさを調製する。同時に別試料の測定も行う

場合,及び既にほかの試料が密度こうばい管中に浮遊している場合には,試料の大きさ,形状の特徴など

から,試料相互の区別を付けるようにする。 

注(41) 試料は浸せきしたときに気泡が付着しにくいように,表面が平滑で,その内部に気泡や異物な

どの不均質部分を含まないものを用いる。 

試料の形状及び大きさが適切な場合は,そのまま試料とする。試料が大きい場合は,軟質の

ものであれば,ナイフ,はさみなどを用いて,適切な大きさに切り出し,硬質の物であれば,

ハンマー,乳鉢などを用いて破砕し,得た破砕片の中から適切な大きさ及び形状のものを選別

して試料とする。 

(42) 試験片の大きさは,2mm角以上,5mm角以下がよい。 

28 

K 0061 : 2001  

備考1. 密度こうばい管に試料を入れると,投入した試料の体積分だけ見掛けの液量が増して液面が

上昇し,誤差の原因となり,また,体積の大きな試料を入れると試料の沈降に伴う液の乱れ

及び試料の排除体積によって,密度こうばいの異常が生じる場合がある。したがって,個々

の試験片が識別できる限り試料の体積が小さい方が望ましく,一方,試料を金網で回収除去

して密度こうばい管を繰り返し使用するためには,試料の大きさは,金網に引っ掛かる程度

に大きいことが望ましい。 

2. 内径が4.5cmのガラス円筒の場合,液面が1mm上昇するまでの投入体積は,1.59cm3であり,

同時に投入する試料の体積の総和が,この値を超えないように注意する。 

8.3.5 

操作 操作は,次による。 

a) 1試料について試料3個(43)を,使用する密度こうばい液系の密度の低い方の液でぬらした後,密度こ

うばい管の中に静かに入れる。このとき,試料の表面に気泡が付着しないように注意する。 

注(43) 液面の上昇が1mm以内の範囲であれば,1試料当たり3個以上及び数試料の試験片を同時に投入

してもよい。この場合,それぞれの試料及び標準フロートが,液中で交互に接触したり,壁と

接触しないように注意する。 

b) 試料が液中で平衡に達して静止した後,それらの重心の位置を1mmまで密度こうばい管の目盛から

読み取る。このとき,試料が,標準フロート又は管の内壁と接触している場合には,試験をやり直さ

なければならない。 

参考 試料が静止するまでに要する時間は,試料の形状及び密度こうばい液の粘性によって異なる。2

−プロパノール/水系では,試料が静止するまでに,粒状試料で通常10分間以上を要し,試料

がフィルム状の場合には,通常1時間半以上を要する。粘度の高い液系では,長時間を要する。 

c) b)の結果を校正線と比較し,それぞれの試料の測定結果に対応する密度値を,必要とする精度と同じ

けたまで読み取る。 

d) 引き続いて別の試料を測定する場合,a)〜c)の操作を繰り返す。ただし,試料の投入による液面の上

昇などによって校正線は移動するので,測定するごとに,標準フロートの重心位置を読み取り,校正

線を作成しなければならない。 

e) 浮遊した試料が多くなり,測定に支障が生じるようになった場合,密度こうばい管の中の試験片と標

準フロートの全部を,あらかじめ管底に沈めて置いた金網に,かぎ付きの細いワイヤを静かに降ろし

て引っ掛けて,徐々(44)にすくい上げる。すくい上げた金網から測定の終了した試験片を取り除き,標

準フロートは金網に載せたままワイヤに掛けて,再び管内に静かに(45)降ろしていき,金網を管底に沈

め,ワイヤは引き上げる。 

これらの操作が終了してから6時間以上経過し,標準フロートの安定を確認してから校正線を作成

する。異常のない密度こうばい液であること(45)が確認されれば,この密度こうばい管を,続けて測定

に使用することができる。 

注(44) すくい上げ及び降ろす速度は1cm/分程度がよい。すくい上げるとき,途中で止めたり,戻す

ことのないようにし,再び引き上げるときには,前回より30分間以上経過してから行う。すく

い上げ及び降ろす操作は,恒温水槽の上部に設置できる自動昇降装置を用いて行うことが望ま

しい。 

(45) 測定に支障となるような濁り,浮遊物,気泡などがなく,校正線が連続,かつ,単調で直線又

は直線に近い形であれば,異常はない。 

8.3.6 

計算 試料の密度及び比重は,次の方法によって求める。 

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29 

K 0061 : 2001  

a) 密度は,8.3.5c)で読み取った1試料当たり3個の試料の密度を平均して求め,校正線の作成に用いた

標準フロートの校正密度と同じ小数点以下のけたに丸め,試料の密度 (20℃) とする。ただし,使用

した密度こうばい管の1mm当たりの密度こうばいが、標準フロートの校正密度の最小けた位の1の

変化に相当するよりも大きい場合には,一つ上のけたに丸める。 

b) 比重は,a)で求めた密度から,次の式によって算出し,小数点以下のけたは,密度と同じけたに丸め

る。 

S=D/0.998 20 

ここに, 

S: 試料の比重 (20/20℃)  

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3) 

0.998 20: 水の密度 (20℃) (g/cm3) 

9. 気体の密度及び比重の測定方法 気体の密度の測定は,9.1又は9.2のいずれかの方法で行う。比重は

密度から計算する。精度の高い測定結果を必要とする場合には,比重瓶法で測定することが望ましい。 

9.1 

比重瓶法(デュマ法) 

9.1.1 

要旨 比重瓶,真空にした比重瓶,乾燥空気を満たした比重瓶及び試料ガスを満たした比重瓶の見

掛け質量を量り,空気の浮力補正を行って,乾燥空気及び試料ガスの質量を算出し,密度を求める。 

備考 測定は,大気圧が十分に安定しているときに行う。 

台風が接近しているとき,前線が通過するときなど,気象変化が大きいときには,測定を行

わない方がよい。 

9.1.2 

測定用試料 試料(46)は,大気圧で測定装置に供給(47)する。比較用の乾燥空気は,空気乾燥用U字

管を通したものを用いる。 

注(46) 試料が,それと接触する装置や器具類と反応する場合又は空気中で安全に取り扱うことができ

ない場合は,測定してはならない。 

(47) 試料を,図15に示すようなプラスチックフィルム製のガス捕集袋にいったん採取してから測定

装置に接続する。又は大気圧よりわずかに高い圧力に調節した試料を,装置の試料導入部の直

前に大気開放の分岐を設けて大気開放しながら導入する。 

図15 ガス捕集袋の一例 

9.1.3 

装置及び器具 装置及び器具は,次による。図16に連結配置の例を示す。 

a) 比重瓶 硬質ガラス製で,球部,けい部及びコックからなり,真空に耐え,図17に示す形状及び寸法

のもので内容積100〜300mlのもの。 

b) はかり(天びん) 5.2a)に規定するもの。 

c) 温度計 5.2c)による。 

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30 

K 0061 : 2001  

d) 恒温水槽 比重瓶を,その球部及びけい部まで入れることができ,その状態で水槽の温度を20±0.1℃

に保持できるもの。 

e) 真空ポンプ 0.13kPa以下に排気できるもの。 

f) 

圧力計 大気圧及び真空を0.13kPaまで読み取れるもの。 

備考 図16に例示する閉管式の水銀マノメータを用いる方法のほかに,真空測定用と大気圧測定用に

別々の圧力計を用いてもよい。真空測定用には小形の水銀マノメータ,マクロードゲージ,ピ

ラニゲージなどが使用でき,大気圧測定用には,気象観測用のフォルタン形水銀気圧計及び精

密アネロイド形気圧計が使用できる。 

g) 空気乾燥用U字管 粒状水酸化ナトリウム,シリカゲル,塩化カルシウムなどの乾燥剤を充てんした

もの。 

h) 連結用配管類 図16に示す各所にコックのあるガラス製の配管及び接続用の真空用肉厚ゴム管。真空

に耐えるもの。 

図16 比重測定装置の配管図の例 

図17 比重瓶 

9.1.4 

操作 操作は,次による。 

a) 測定場所の大気圧及び温度を,圧力計及びそれに取り付けた温度計から読み取る。 

b) 比重瓶を図16のように連結し,恒温水槽を取り外した状態で真空ポンプによって排気し,続いて乾燥

空気を吸入させて内部を乾燥空気で置換した後,再び真空ポンプによって比重瓶内の圧力が0.13kPa

31 

K 0061 : 2001  

以下になるまで減圧排気する。比重瓶のコックを閉じて,比重瓶を取り外し,その見掛け質量を0.1mg

のけたまで量り(48)W1とする。 

注(48) 比重瓶の外側をガーゼなどでぬぐって清浄にし,表面に生じた摩擦電気を十分に放電させた後,

天びん室内でしばらく静置した後量る。 

c) 天びん室内で比重瓶のコックを開き,室内空気を吸入させる。コックを開いたまま比重瓶の見掛け質

量を0.1mgのけたまで量り,W2とする。 

d) 比重瓶を図16のように連結し,比重瓶の球部が恒温水槽に没するように設置した後,真空ポンプによ

る排気と乾燥空気の吸入を数回繰り返して置換し,比重瓶内に大気圧の乾燥空気を満たす。 

e) 乾燥空気の流路及び比重瓶のコックを開いたまま5分間保持し,恒温水槽の温度が20.0±0.1℃で安定

した後,比重瓶のコックを閉じる。 

f) 

比重瓶を恒温水槽から取り出し,水滴を除いて比重瓶の表面を乾燥させた後,大気圧の乾燥空気を閉

じ込めた比重瓶の見掛け質量を0.1mgのけたまで量り,W3とする。 

g) 比重瓶を図16のように連結し,比重瓶の球部が恒温水槽に没するように設置した後,真空ポンプによ

る排気と試料ガスの吸入を数回繰り返して置換し,比重瓶内に大気圧の試料ガスを満たす。 

h) 試料の流路及び比重瓶のコックを開いたまま5分間保持し,恒温水槽の温度が20.0±0.1℃で安定した

後,比重瓶のコックを閉じる。 

i) 

比重瓶を恒温水槽から取り出し,水滴を除いて比重瓶の表面を乾燥させた後,大気圧の試料を閉じ込

めた比重瓶の見掛け質量を0.1mgのけたまで量り,W4とする。 

j) 

測定場所の大気圧及び温度を,圧力計及びそれに取り付けた温度計から読み取る。 

k) a)で読み取った大気圧とj)で読み取った大気圧が,0.13kPa以内で一致しない場合は,はじめから測定

をやり直す。 

9.1.5 

計算 試料の密度 (20℃) 及び比重 (20/20℃) は,次の式によって算出する。 

a) 比重瓶が排除する空気の体積 

V0=W2/D1+ (W2−W1) /0.001 2 

b) 比重瓶の質量 

w2=W2 {1+0.001 2 (1/D1−1/D2)}  

c) 乾燥空気を満たした比重瓶の質量 

w3=W3 {1+0.001 2 (V0/W3−1/D2)}  

d) 試料を満たした比重瓶の質量 

w4=W4 {1+0.001 2 (V0/W4−1/D2)}  

e) 試料の密度 (20℃)  

D=Dair× (w4−w2) / (w3−w2)  

f) 

試料の比重 (20/20℃)  

S=D/Dair= (w4−w2) / (w3−w2)  

ここに, 

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3) 

S: 試料の比重 (20/20℃)  

V0: 比重瓶が排除する空気の体積 (cm3)  

W1: 内部を真空にした比重瓶の見掛け質量 (g) 

W2: 比重瓶の見掛け質量 (g)  

W3: 乾燥空気を満たした比重瓶の見掛け質量 (g)  

W4: 試料を満たした比重瓶の見掛け質量 (g)  

32 

K 0061 : 2001  

D1: 比重瓶素材ガラスの密度 (g/cm3)  

 (ほうけい酸ガラスの場合2.3g/cm3) 

D2: 化学はかりの分銅又は電子はかりの校正に用いた分銅の

密度 (8.0g/cm3)  

Dair: 乾燥空気の密度 (g/cm3)(附属書による。) 

 (20℃,101.325kPaでは0.001 205g/cm3) 

w2: 比重瓶の質量 (g)  

w3: 乾燥空気を満たした比重瓶の質量 (g)  

w4: 試料を満たした比重瓶の質量 (g)  

0.001 2: 20℃付近における室内空気の密度 (g/cm3) の概数値 

9.1.6 

測定結果の表示 測定結果の表示は,次による。 

a) 測定は,同一人が引き続き2回以上行い,連続2回の密度の値の差が0.000 006g/cm3以内のとき,そ

の平均値を測定値とする。 

b) 密度の測定値は,有効数字3けたに丸めて表示する。 

c) 比重の計算値は,小数点以下3けたに丸めて表示する。 

9.2 

流出法(ブンゼンシーリング法) 

9.2.1 

要旨 等量の試料ガス(比重が1.2以下のもの)と空気を細孔から流出させ,その流出時間の2乗

の比から試料ガスの比重を算出する。 

9.2.2 

装置 装置は,次による。 

a) ブンゼンシーリング比重計 図18に示すもの。オリフィスは白金又はステンレス鋼製で,その細口は

孔径が0.3mmで厚さは1mmとする。 

b) 温度計 外筒内の水の温度を測定できるもの。 

c) ストップウオッチ 0.1秒まで読み取れるもの。 

background image

33 

K 0061 : 2001  

図18 ブンゼンシーリング比重計の一例 

9.2.3 

操作 操作は,次による。 

a) 外筒内に指定された水位まで室内と同じ温度の水を満たす。このとき,三方コックはガス出口側にし

て内外筒とも同一の水位になるようにする。 

b) ガス入口コックを開き,内筒を数回上下させて,内筒内部を室内空気で置換した後,内筒下端が水中

から出ないように注意して,内筒の水位が下部標線より下になるまで内筒を持ち上げ,三方コック及

びガス入口コックを閉じる。内部に空気を充てん(49)したまま中に沈め,図18に示す位置に置く。 

注(49) 内筒の空気置換及び空気の充てんは,ポンプを用いてガス入口から送り込んでもよい。 

c) 約5分間放置した後,三方コックを流出口側に開き,細孔を通して内筒内の空気を流出させる。内筒

内の水位が下部標線と上部標線の間を通過するのに要する時間をストップウオッチで0.1秒まで計り,

空気の流出時間とする。 

d) 外筒内の水温を測定し,0.5℃の単位で丸めて記録する。 

e) b)及びc)を3回繰り返しその平均値を求め,Taとする。この場合,流出時間の最大値と最小値の差が

0.4秒以上ある場合は細孔の汚れに起因することが多いので細孔を洗浄後,はじめから試験をやり直す。 

34 

K 0061 : 2001  

f) 

ガス入口を試料導入部につなぎ,三方コックをガス出口側に開き,ガス入口側のコックを開いて,試

料を内筒内に流入させる。三方コックを閉じ試料ガスを内筒の下部標線まで充てんした後,三方コッ

クを出口側に開き試料ガスを放出する。内筒内の空気が試料で置換されるまで,この操作を数回行う。

内筒を所定の位置に置き三方コックを閉じて,内筒の水位が下部標線より下になるように試料を充て

んする。 

g) c)を行い,流出時間を試料の流出時間とする。 

h) f)及びg)を3回繰り返す。試料の流出時間の平均値を算出しTsとする。 

i) 

これらの測定中の外筒内の水温差が1℃を超えるときは,はじめから測定をやり直す。 

9.2.4 

計算 

a) 乾燥空気に対する,水の蒸気圧を考慮した試料の密度 (t ℃) は,次の式によって算出する。 

D=Dair(Ts2/Ta2+α) 

ここに, 

D: 試料の密度 (t ℃) (g/cm3) 

Ts: 試料の流出時間 (s)  

Ta: 空気の流出時間 (s)  

α: 乾燥ガス比重に換算するための補正値(表7による。) 

Dair: 乾燥空気の密度(附属書表2による。) 

なお,水の蒸気圧を無視して,試料の密度を求める場合は,α=0とする。 

b) 乾燥空気に対する,水の蒸気圧を考慮した試料の比重 (t/t ℃) は,次の式によって算出する。 

S=D/Dair 

ここに, 

S: 乾燥空気に対する試料の比重 

D: 試料の密度 (t ℃) (g/cm3) 

Dair: 乾燥空気の密度(附属書表2による。) 

9.2.5 

測定結果の表示 

a) 測定は,同一人が連続2回繰り返しで行い,2回の密度の測定値の差が0.000 01g/cm3以内であれば,

その平均値を測定値とする。 

b) 比重の測定値は,小数点以下2けたに丸めて表示する。 

10. 化学製品を取り扱うときの注意事項 化学製品を取り扱うときには,まず,その物質の名称を確認し,

その安全性について確認する。その物質の物性など情報が不十分で安全性の確認ができないときは,事前

に調査を行い,十分な安全性の対策を施したうえで取り扱う。 

危険性,有害性,放射性などに関し法規上の規制があるものについては,十分な準備と対策を施した後,

関連する法令・規則に従って取り扱わなければならない。 

background image

3

5

K

 0

0

6

1

 : 

2

0

0

1

  

表7 乾燥試料ガス比重換算のための補正値 

2

2

a

s

T

水温 

℃ 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

0.9 

1.0 

1.1 

1.2 

1.3 

1.4 

1.5 

1.6 

1.7 

1.8 

1.9 

2.0 

2

2

a

s

T

水温 

℃ 

−0.003 −0.002 −0.002 −0.002 −0.001 −0.001 −0.000 

+0.000 +0.001 +0.001 +0.002 +0.002 +0.002 +0.003 +0.003 +0.004 +0.004 

−0.003 −0.003 −0.002 −0.002 −0.001 −0.001 −0.000 

+0.000 +0.001 +0.001 +0.002 +0.002 +0.003 +0.003 +0.003 +0.004 +0.004 

−0.003 −0.003 −0.002 −0.002 −0.001 −0.001 −0.000 

+0.000 +0.001 +0.001 +0.002 +0.002 +0,003 +0.003 +0.004 +0.004 +0.005 

−0.003 −0.003 −0.002 −0.002 −0.001 −0.001 −0.000 

+0.000 +0.001 +0.001 +0.002 +0.002 +0.003 +0.003 +0.004 +0.004 +0.005 

−0.004 −0.003 −0.002 −0.002 −0.002 −0.001 −0.001 

+0.001 +0.001 +0.002 +0.002 +0.003 +0.003 +0.004 +0.004 +0.005 +0.005 

−0.004 −0.003 −0.002 −0.002 −0.002 −0.001 −0.001 

+0.001 +0.001 +0.002 +0.002 +0.003 +0.003 +0.004 +0.004 +0.005 +0.006 

−0.004 −0.004 −0.002 −0.002 −0.002 −0.001 −0.001 

+0.001 +0.001 +0.002 +0.002 +0.003 +0.004 +0.004 +0.005 +0.005 +0.006 

−0.004 −0.004 −0.003 −0.003 −0.002 −0.001 −0.001 

+0.001 +0.001 +0.002 +0.003 +0.003 +0.004 +0.004 +0.005 +0.006 +0.006 

−0.005 −0.004 −0.003 −0.003 −0.002 −0.001 −0.001 

+0.001 +0.001 +0.002 +0.003 +0.003 +0.004 +0.005 +0.005 +0.006 +0.007 

10 

−0.005 −0.004 −0.003 −0.003 −0.002 −0.001 −0.001 

+0.001 +0.001 +0.002 +0.003 +0.004 +0.004 +0.005 +0.006 +0.007 +0.007 

10 

11 

−0.005 −0.005 −0.003 −0.003 −0.002 −0.002 −0.001 

+0.001 +0.002 +0.002 +0.003 +0.004 +0.005 +0.005 +0.006 +0.007 +0.008 

11 

12 

−0.006 −0.005 −0.003 −0.003 −0.003 −0.002 −0.001 

+0.001 +0.002 +0.003 +0.003 +0.004 +0.005 +0.006 +0.007 +0.008 +0,008 

12 

13 

−0.006 −0.005 −0.004 −0.004 −0.003 −0.002 −0.001 

+0.001 +0.002 +0.003 +0.004 +0.004 +0.005 +0.006 +0.007 +0.008 +0.009 

13 

14 

−0.007 −0.006 −0.004 −0.004 −0.003 −0.002 −0.001 

+0.001 +0,002 +0.003 +0.004 +0.005 +0.006 +0.007 +0.008 +0.009 +0.010 

14 

15 

−0.007 −0.006 −0.004 −0.004 −0.003 −0.002 −0.001 

+0.001 +0.002 +0.003 +0.004 +0.005 +0.006 +0.007 +0.008 +0.009 +0.010 

15 

16 

−0.008 −0.007 −0.004 −0.004 −0.003 −0.002 −0.001 

+0.001 +0.002 +0.003 +0.004 +0.005 +0.007 +0.008 +0.009 +0.010 +0.011 

16 

17 

−0.008 −0.007 −0.005 −0.005 −0.003 −0.002 −0.001 

+0.001 +0.002 +0.003 +0.005 +0.006 +0.007 +0.008 +0.009 +0.010 +0.012 

17 

18 

−0.009 −0.007 −0.005 −0.005 −0.004 −0.002 −0.001 

+0.001 +0.002 +0.004 +0.005 +0.006 +0.007 +0.009 +0.010 +0.011 +0.012 

18 

19 

−0.009 −0.008 −0.005 −0.005 −0.004 −0.003 −0.001 

+0.001 +0.003 +0.004 +0.005 +0.007 +0.008 +0.009 +0.011 +0.012 +0.013 

19 

20 

−0.010 −0.009 −0.006 −0.006 −0.004 −0.003 −0.001 

+0.001 +0.003 +0.004 +0.006 +0.007 +0.009 +0.010 +0.011 +0.013 +0.014 

20 

21 

−0.010 −0.009 −0.006 −0.006 −0.005 −0.003 −0.002 

+0.002 +0.003 +0.005 +0.006 +0.008 +0.009 +0.010 +0.012 +0.014 +0.015 

21 

22 

−0.011 −0.010 −0.006 −0.006 −0.005 −0.003 −0.002 

+0.002 +0.003 +0.005 +0.006 +0.008 +0.010 +0.011 +0.013 +0.014 +0.016 

22 

23 

−0.012 −0.010 −0.007 −0.007 −0.005 −0.003 −0.002 

+0.002 +0.003 +0.005 +0.007 +0.009 +0.010 +0.012 +0.014 +0.015 +0.017 

23 

24 

−0.013 −0.011 −0.007 −0.007 −0.005 −0.004 −0.002 

+0.002 +0.004 +0,005 +0.007 +0.009 +0.011 +0.013 +0.014 +0.016 +0.018 

24 

25 

−0.013 −0.012 −0.008 −0.008 −0.006 −0.004 −0.002 

+0.002 +0.004 +0.006 +0.008 +0.010 +0.012 +0.013 +0.015 +0.017 +0.019 

25 

background image

3

6

K

 0

0

6

1

 : 

2

0

0

1

  

2

2

a

s

T

水温 

℃ 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

0.7 

0.8 

0.9 

1.0 

1.1 

1.2 

1.3 

1.4 

1.5 

1.6 

1.7 

1.8 

1.9 

2.0 

2

2

a

s

T

水温 

℃ 

26 

−0.014 −0.012 −0.008 −0.008 −0.006 −0.004 −0.002 

+0.002 +0.004 +0.006 +0.008 +0.010 +0.012 +0.014 +0.016 +0.018 +0.020 

26 

27 

−0.015 −0.013 −0.009 −0.009 −0.007 −0.004 −0.002 

+0.002 +0.004 +0.007 +0.009 +0.011 +0.013 +0.015 +0.017 +0.020 +0.022 

27 

28 

−0.016 −0.014 −0.009 −0.009 −0.007 −0.005 −0.002 

+0.002 +0.005 +0.007 +0.009 +0.012 +0.014 +0.016 +0.018 +0.021 +0.023 

28 

29 

−0.017 −0.015 −0.010 −0.010 −0.007 −0.005 −0.002 

+0.002 +0.005 +0.007 +0.010 +0.012 +0.015 +0.017 +0.020 +0.022 +0.025 

29 

30 

−0.018 −0.016 −0.010 −0.010 −0.008 −0.005 −0.003 

+0.003 +0.005 +0.008 +0.010 +0.013 +0.016 +0.018 +0.021 +0.023 +0.026 

30 

31 

−0.019 −0.017 −0.011 −0.011 −0.008 −0.006 −0.003 

+0.003 +0.006 +0.008 +0.011 +0.014 +0.017 +0.019 +0.022 +0.025 +0.028 

31 

32 

−0.021 −0.018 −0.012 −0.012 −0.009 −0.006 −0.003 

+0.003 +0.006 +0.009 +0.012 +0.015 +0,018 +0.021 +0.023 +0.026 +0.029 

32 

33 

−0.022 −0.019 −0.012 −0.012 −0.009 −0.006 −0.003 

+0.003 +0.006 +0.009 +0.012 +0.016 +0.019 +0.022 +0.025 +0.028 +0.031 

33 

34 

−0.023 −0.020 −0.013 −0.013 −0.010 −0.006 −0.003 

+0.003 +0.007 +0.010 +0.013 +0.017 +0.020 +0.023 +0.026 +0.030 +0.033 

34 

35 

−0.025 −0.021 −0.014 −0.014 −0.011 −0.007 −0.004 

+0.004 +0.007 +0.010 +0.014 +0.018 +0.021 +0.025 +0.028 +0.032 +0.035 

35 

備考 この表は,

(

)

1

1

621

.0

0

P

P

Sw

α

においてP=105.3kPaとしたときの値である。 

ここに, 

Sw: 流出法で得た比重値(湿潤ガス比重) 

P0: 測定温度における水蒸気圧 (kPa)  

P: 測定装置内のガスの全圧で,測定時の大気圧に装置内ガス圧を加えたもの (kPa)  

background image

37 

K 0061 : 2001 

附属書(規定) 標準物質の密度 

1. 適用範囲 この附属書は,本体に規定した各測定方法に用いる装置及び機器の校正並びに密度及び比

重の算出に必要な標準物質である水及び空気の種々の温度及び圧力条件における密度を,計算式又は表で

求める方法について規定する。 

2. 水の密度 水の密度は,附属書表1による。 

なお,0.1℃ごとの値が必要な場合には,その温度を挟む前後の温度における値から,比例配分によって

補間計算して密度を求める。 

附属書表1 水の密度 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

0.999 84 

10 

0.999 70 

20 

0.998 20 

30 

0.995 64 

0.999 90 

11 

0.999 60 

21 

0.997 99 

31 

0.995 34 

0.999 94 

12 

0.999 50 

22 

0.997 77 

32 

0.995 02 

0.999 96 

13 

0.999 38 

23 

0.997 53 

33 

0.994 70 

0.999 97 

14 

0.999 24 

24 

0.997 29 

34 

0.994 37 

0.999 96 

15 

0.999 10 

25 

0.997 04 

35 

0.994 03 

0.999 94 

16 

0.998 94 

26 

0.996 78 

36 

0.993 68 

0.999 90 

17 

0.998 77 

27 

0.996 51 

37 

0.993 32 

0.999 85 

18 

0.998 59 

28 

0.996 23 

38 

0.992 96 

0.999 78 

19 

0.998 40 

29 

0.995 94 

39 

0.992 59 

10 

0.999 70 

20 

0.998 20 

30 

0.995 64 

40 

0.992 21 

備考 この表は,H. Bettin, F. Spieweck ; Die Dichte des Wassers als Funktion der Temperatur nach 

Einfuhrung der Internationalen Tenmperaturskala von 1990, PBT−Mitteilungen 100 3/90 195に
基づく。 

温度目盛はITS-90による。 

3. 乾燥空気の密度 乾燥空気の密度は,次の式によって算出する。 

D=0.001 293 2× [273.15/ (273.15+t)] × (p/p0)  

ここに, 

D: 温度t,圧力pにおける乾燥空気の密度 (g/cm3)  

t: 乾燥空気の温度 (℃)  

p: 乾燥空気の圧力 (kPa)  

p0: 101.325kPa 

備考 乾燥空気の密度は,その測定場所の地理的条件(緯度,海抜高度など)や季節などによって空

気の組成がわずかに変化することに対応して,わずかな差異がある。 

一般にその差異は,乾燥空気の密度の有効数字4けた目で2以内である。 

4. 湿潤空気の密度 水蒸気の密度は,同一条件下で乾燥空気の密度の約5/8である。測定場所の空気は,

水蒸気を含んだ空気であり,質量の厳密な測定を行う場合の空気の浮力補正に用いる空気の密度は,厳密

には湿潤空気の密度である。湿潤空気の密度は,次の式によって算出する。 

Dw=0.001 293× [273.15/ (273.15+t)] × [(p−0.378×e)/p0]  

background image

38 

K 0061 : 2001 

ここに, 

Dw: 温度t,圧力p,水蒸気圧eにおける湿潤空気の密度 (g/cm3) 

t: 湿潤空気の温度 (℃) 

p: 湿潤空気の圧力 (kPa) 

e: 湿潤空気中の水蒸気圧(1) (kPa) 

p0: 101.325kPa 

注(1) 湿潤空気中の水蒸気圧eは,温度t ℃の測定場所の相対湿度a%及び温度t℃における飽和蒸気

圧e0 kPaから,e=0.01×a×e0として求める。飽和水蒸気圧e0は,附属書表2による。 

附属書表2 飽和水蒸気圧 

温度 

t℃ 

水蒸気圧 

e0kPa 

温度 

t℃ 

水蒸気圧 

e0kPa 

温度 

t℃ 

水蒸気圧 

e0kPa 

温度 

t℃ 

水蒸気圧 

e0kPa 

0.611 21 

10 

1.228 1 

20 

2.339 2 

30 

4.247 0 

0.657 08 

11 

1.312 9 

21 

2.488 2 

31 

4.497 0 

0.705 97 

12 

1.402 8 

22 

2.645 3 

32 

4.759 7 

0.758 06 

13 

1.498 0 

23 

2.881 0 

33 

5.035 6 

0.813 52 

14 

1.598 9 

24 

2.985 8 

34 

5.325 2 

0.872 54 

15 

1.705 7 

25 

3.169 9 

35 

5.629 2 

0.935 31 

16 

1.818 7 

26 

3.363 9 

36 

5.948 1 

1.002 0 

17 

1.938 3 

27 

3.568 1 

37 

6.282 5 

1.072 9 

18 

2.064 7 

28 

3.783 1 

38 

6.633 1 

1.148 2 

19 

2.198 2 

29 

4.009 2 

39 

7.000 5 

10 

1.228 1 

20 

2.339 2 

30 

4.247 0 

40 

7.385 3 

備考 SONNTAG (1990) による。温度目盛は,ITS-90。 

JIS改正原案作成委員会・分科会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

川 瀬   晃 

セイコーインスツルメンツ株式会社 

(委員) 

西 出 徹 雄 

通商産業省基礎産業局化学課 

○ 伊 藤   隆 

計量研究所熱物性部 

中 村   進 

物質工学工業技術研究所 

塚 田 裕 久 

製品評価技術研究所適合性評価部 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部規格開発課 

柳 原 裕 三 

社団法人日本化学会 

○ 小 野 昭 紘 

社団法人日本分析化学会 

○ 大 森 通 雄 

日本科学機器団体連合会 

伊 藤 尚 美 

日本分析機器工業会 

○ 平 井 信 次 

日本試薬連合会 

吉 田 義 章 

化成品工業協会 

○ 加 藤 弘 眞 

三菱化学株式会社 

◎ 佐々木 正 夫 

株式会社住化分析センター 

○ 荒 井   誠 

株式会社エム・シー・リサーチセンター 

○ 高   竜 麿 

昭和電工株式会社 

○ 横 田 賢次郎 

有限会社横田計器製作所 

宗 内 誠 人 

社団法人日本化学工業協会 

(事務局) 

谷 口 捷 生 

社団法人日本化学工業協会 

赤 沢 道 博 

社団法人日本化学工業協会 

備考 ◎分科会主査兼任 ○分科会委員兼任