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H 8689:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 概要······························································································································· 2 

5 試験方法 ························································································································· 2 

5.1 試験面 ························································································································· 2 

5.2 試験液の作製方法 ·········································································································· 2 

5.3 手順 ···························································································································· 2 

6 試験結果の表し方 ············································································································· 2 

7 試験報告書 ······················································································································ 3 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 4 

H 8689:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人軽金

属製品協会(JAPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS H 8689:1998は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 8689:2013 

アルミニウム及びアルミニウム合金の 

陽極酸化皮膜の連続性試験方法: 

硫酸銅溶液接触方法 

Anodizing of aluminium and its alloys-Check for continuity of thin anodic 

oxidation coatings-Copper sulfate test 

序文 

この規格は,2010年に第2版として発行されたISO 2085を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金の製品(以下,製品という。)に施した厚さ5 μm未満

の陽極酸化皮膜(以下,皮膜という。)及び厚さ5 μm以上の変形加工した皮膜の連続性を硫酸銅溶液接触

方法によって試験する方法について規定する。 

注記1 この試験方法は,皮膜の連続性について迅速な確認ができる。皮膜の表面に欠陥の疑いがあ

る場合には,局部的な隙間が欠陥であるかどうかについて確認できる。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 2085:2010,Anodizing of aluminium and its alloys−Check for continuity of thin anodic 

oxidation coatings−Copper sulfate test(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 0201 アルミニウム表面処理用語 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS H 0201による。 

H 8689:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.1 

有効面(significant surface) 

製品の表面に施した皮膜が,用途に適合する品質を満たすことが不可欠な面。 

概要 

この試験方法は,陽極処理接点を避けて,無作為に選んだ試験面に硫酸銅溶液を滴下し,皮膜の連続性

を試験する方法である。皮膜に不連続部がある場合には,その部分に置換反応に基づく銅の析出及びガス

の発生が起こる。硫酸銅溶液の滴下直後に,金属素地からの瞬間的なガスの発生を目視又は拡大鏡で観察

することができ,試験後,皮膜の不連続部が黒色及び/又は赤褐色を呈することで,定量的な評価ができ

る。 

試験方法 

5.1 

試験面 

試験面は,次による。 

a) 試験面は,製品の有効面とする。ただし,試験片の端部は,有効面には含めない。試験面が水平に保

てない形状の場合には,製品から試験面として切り出してもよい。 

b) 試験面の標準面積は,100 mm2とし,その形状は平面であることが望ましい。 

c) 試験面は,汚れに応じて,水又はエタノールなどの適切な有機溶剤を浸した柔らかい布などで軽く拭

ってあらかじめ清浄にし,試験境界をワックス,クレヨン,又は速乾性の有機塗料で被覆する。 

なお,試験片が腐食したり,保護皮膜を作るような有機溶剤を用いてはならない。 

5.2 

試験液の作製方法 

試験液は,導電率2 μS/cm以下の脱イオン水又は蒸留水約200 mL中にJIS K 8983に規定する硫酸銅(II)

(CuSO4・5H2O)20 g及びJIS K 8180に規定する塩酸(密度1.18 g/cm3)20 mLを加えた後,純水で液量

を1 000 mLとする。 

5.3 

手順 

手順は,次による。 

a) 試験雰囲気が5 ℃〜35 ℃の範囲にあることを確かめる。 

b) 油分を除去し,ワックス,クレヨン,又は有機塗料で区切られた試験面が水平になるように置く。 

c) 試験面の境界線内に試験液を滴下1)して,その間に,ガスの発生の有無を観察し,試験面の全域をぬ

れた状態にして5分間保持する。 

d) 試験面に触れることなく速やかに水洗し,温風で乾燥する。 

e) 試験面を目視又は拡大鏡によって観察し,試験面積100 mm2当たりの黒色及び/又は赤褐色の点,又

は線の数を数える。必要に応じて,より定量化するために,黒色及び/又は赤褐色の点の平均直径

(mm)又は線の平均長さ(mm)を求める。 

注1) 平面を得られない製品では,試験液に浸せきしてもよい。この場合には,あらかじめ,試験

面の端面,裏面など,試験面以外の部分を被覆しておく。 

試験結果の表し方 

試験結果の表し方は,試験面積100 mm2当たりの黒色及び/又は赤褐色を呈する点,又は線の数で表す。

必要に応じて,それらの点の平均直径(mm)又は線の平均長さ(mm)を記録する。 

H 8689:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を含めなければならない。 

a) この規格の番号:JIS H 8689 

b) 試験年月日 

c) 試験片の材質及び皮膜の種類 

d) 皮膜の厚さ及び皮膜の変形加工の有無 

e) 試験面積及び試験中に認められた特記事項 

f) 

試験結果[黒色及び/又は赤褐色を呈した点の数,必要に応じて,それらの点の平均直径(mm)] 

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4

H

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6

8

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2

0

1

3

  

4

H

 8

6

8

9

2

0

1

3

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS H 8689:2013 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の連続性試
験方法:硫酸銅溶液接触方法 

ISO 2085:2010 Anodizing of aluminium and its alloys−Check for continuity of thin 
anodic oxidation coatings−Copper sulfate test 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策 

箇条番号及
び題名 

内容 

箇条
番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1適用範囲 

一致 

2引用規格 

3用語及び 
定義 

− 

− 

追加 

JISでは,“有効面”及びJIS H 0201を追加した。 
実質的な差異はない。 

− 

4 概要 

一致 

5 試験方法 

5.1 試験面 

− 

− 

追加 

JISでは,5.1を設け,試験面が水平に保たれるための措
置,及び油分が付着している場合の措置を追加した。 

ISO規格の見直しの際,
提案する。 

5.2 試験液の作製
方法 

JISとほぼ同じ。 変更 

JISでは,試験液の作製方法として文章で記載した。ま
た,ISO規格の塩酸の密度単位はg/mlであるが,JISで
は,利便性のため,g/cm3と表記した。 
技術的な差異はない。 

− 

追加 

JISでは,脱イオン水の電導率の規定を追加した。 
実質的な差異はない。 

− 
 

5.3 手順 

試験面及び手順 

変更 

ISO規格の試験温度は室温であるが,JISでは,5 ℃〜
35 ℃に規定した。 
実質的な差異はない。 

− 

変更 

ISO規格の滴下量4滴に対して,JISでは,試験面の全
域をぬれた状態にすることとした。 
技術的な差異はない。 

− 

追加 

JISでは,線状の不連続部の評価方法を追加した。また, 
JISでは,試験面が曲面で平面が得られない場合の措置
を追加するとともに,ISO規格の規定に補足事項を追加
した。 

ISO規格の見直しの際,
提案する。 

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5

H

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6

8

9

2

0

1

3

  

5

H

 8

6

8

9

2

0

1

3

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策 

箇条番号及
び題名 

内容 

箇条
番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6 試験結果 
の表し方 

追加 

JISでは,線状の不連続部の表し方を追加した。 

7 試験報告
書 

追加 

JISでは,“皮膜の厚さ及び皮膜の変形加工の有無”を追
加した。 
技術的な差異はない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 2085:2010,MOD 
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 一致……………… 技術的差異がない。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。