>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

H 8687

:2013

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  絶縁破壊試験方法  

2

4.1

  概要  

2

4.2

  装置  

2

4.3

  試験片  

3

4.4

  試験条件  

3

4.5

  手順  

4

4.6

  試験結果の表し方  

4

4.7

  試験報告書  

4

5

  耐電圧試験方法  

4

5.1

  概要  

4

5.2

  装置  

4

5.3

  試験片  

4

5.4

  試験条件  

4

5.5

  手順  

4

5.6

  試験結果の表し方  

5

5.7

  試験報告書  

5

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

6


H 8687

:2013

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人軽金

属製品協会(JAPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。

これによって,JIS H 8687:1996 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 H

8687

:2013

アルミニウム及びアルミニウム合金の

陽極酸化皮膜の絶縁耐力試験方法

Anodizing of aluminium and its alloys-

Determination of electric strength

序文 

この規格は,2010 年に第 2 版として発行された ISO 2376 を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金の製品(以下,製品という。

)に施した陽極酸化処理及

び封孔処理を行った皮膜  (以下,皮膜という。

)の絶縁破壊試験方法及び耐電圧試験方法について規定す

る。

この試験方法は,試験片の切断部付近,穴加工された付近,鋭角に加工された角部の付近,及びバリが

ある付近には適用しない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 2376:2010

,Anodizing of aluminium and its alloys−Determination of electric breakdown potential

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 0201

  アルミニウム表面処理用語

JIS Z 8401

  数値の丸め方

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS H 0201 による。

3.1 

絶縁耐力(electric strength) 

絶縁材料が電圧に耐える能力を示す一般的な用語で,

絶縁破壊電圧,

絶縁破壊の強さ及び耐電圧の総称。


2

H 8687

:2013

3.2 

絶縁破壊電圧(breakdown voltage) 

一定の昇電圧速度で皮膜に電圧を印加したとき,皮膜が破壊される最小の電圧(kV)

3.3 

絶縁破壊の強さ(electric strength) 

絶縁破壊電圧(kV)を試験片の皮膜厚さ(μm)で除した値。

3.4 

耐電圧(withstand voltage) 

皮膜が破壊しないで一定時間に耐えることのできる最高の電圧(kV)

絶縁破壊試験方法 

4.1 

概要 

この試験は,一定の距離を隔てた皮膜と皮膜との間(皮膜−皮膜)

,又は皮膜と素地との間(皮膜−素地)

に一定の速度で昇圧する交流電圧を印加し,皮膜が絶縁破壊する時点の電圧を測定する。皮膜の絶縁破壊

電圧は,合金組成,表面状態,封孔度,試料の乾燥状態,経時変化,皮膜厚さ,及び試験環境の湿度に影

響される。

4.2 

装置 

4.2.1

一般  装置は,周波数 50 Hz 又は 60 Hz の交流を電源とし,交流変圧器,電圧調整器,保護抵抗,

交流電圧計,回路遮断器などで構成し,皮膜の絶縁破壊電圧を正確に測定できるものでなければならな

い。

4.2.2

交流変圧器  交流変圧器は,要求される電圧を正弦波又はそれに近い波形を出力することができる

ものとする。

4.2.3

電圧調整器  電圧調整器は,電圧を中断することなく徐々に昇圧することができ,かつ,ゆがみの

ない波形を供給できなければならない。

注記  一定の電圧上昇速度を得るためには,手動よりも機器を用い,かつ,波形の変動がないことが

望ましい。

4.2.4

保護抵抗  保護抵抗は,0.5 MΩ とする。

4.2.5

交流電圧計  交流電圧計は,10 V の単位で読み取れるものが望ましい。記録計を用いることは,

有効である。

4.2.6

回路遮断器  回路遮断器は,所定の電流が流れたときに回路を遮断できる機能をもつものとする。

4.2.7 

プローブ  プローブは,おもり及び接触棒からなり,接触棒は,黄銅又はステンレス鋼製とし,通

常,先端が直径 6 mm の球面で清浄なものを用いる。ただし,先端が直径 3 mm∼8 mm の球面のものを用

いてもよい。

プローブの球状表面と皮膜面との間の押付け力は,1.0 N±0.1 N(プローブの質量 100 g)とする。また,

プローブは,接触棒の先端を除いて,絶縁被覆を施す。試験装置及び試験方法の一例を,

図 に示す。


3

H 8687

:2013

図 1−試験装置及び試験方法の一例 

4.3 

試験片 

試験片は,次による。

a)

試験片は,製品の表面に施した皮膜が用途に適合する品質を満たすことが不可欠な有効面から採取す

る。

なお,製品から試験片を採取することができない場合は,製品と同一の材料及び同一の処理条件で

作製した試験片を用いる。製品と同一の材料とは,材料の種類・質別及び処理前の表面状態が,製品

と同じであること,また,同一の処理条件とは,前処理及び皮膜の処理が,製品と同一の浴組成及び

同一の処理条件で,製品と同一の性能を得るように処理することをいう。

b)

試験片は,汚れに応じて,水又はエタノールなどの適切な有機溶剤を浸した柔らかい布などで軽く拭

い,あらかじめ清浄にする。試験片表面に粉ふきがある場合は,水をしみこませた布でこすって拭き

取る。

なお,試験片を腐食させたり,保護皮膜を作るような有機溶剤を用いてはならない。

c)

試験片は,乾燥し密封された状態を保つ。密封できない場合は,その状態を試験報告書に記載する。

d)

試験片の寸法は,約 100 mm×約 100 mm とする。ただし,受渡当事者間の協定によって,他の寸法を

用いてもよい。

4.4 

試験条件 

試験条件は,次による。

a)

試験雰囲気の温度は,5  ℃∼35  ℃とし,相対湿度は 65 %以下とする。

b)

試験片は,試験を開始する前に,試験雰囲気中に 1 時間以上放置する。

c)

昇電圧速度は,毎秒約 25 V とする。

d)

回路遮断電流は,5 mA とする。

e)

皮膜と皮膜との試験における 2 極間の距離は,約 25 mm とする。

f)

プローブの皮膜に対する押付け力は,1.0 N±0.1 N とする。


4

H 8687

:2013

4.5 

手順 

手順は,次による。

a)

電圧計の目盛がゼロであることを確認する。

b)

図 に示すように,試験片上にプローブを垂直に設置する。皮膜と素地との間(皮膜−素地)の試験

では,対極をアースクリップで素地に取り付ける。

なお,試験片の端部及び立ち上がりがある場合には,プローブの設置位置をその部位から 5 mm 以

上離す。試験片が小さい場合には,試験片の端部から少なくとも 1 mm 以上離す。

c)

電圧調整器を操作し,一定の昇電圧速度(25 V/s)で電圧を上げる。

d)

回路遮断器が作動したときの印加電圧を読み取る。

e)

プローブの位置を替え,a)d)の手順を 5 回以上繰り返す。

f)

試験終了後は,プローブの接触面を必ず清浄にしなければならない。

4.6 

試験結果の表し方 

試験の結果は,4.5 によって行った 5 回以上の試験の実施で,絶縁破壊電圧の最低電圧(kV)及び平均

電圧(kV)で表す。平均電圧(kV)は,JIS Z 8401 の規則 によって,小数点以下 2 桁に丸める。

なお,受渡当事者間の協定によって,絶縁破壊の強さ(kV/μm)で表してもよい。

4.7 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を含めなければならない。

a)

この規格の番号:JIS H 8687

b)

試験年月日

c)

試験片の皮膜厚さ

d)

試験雰囲気の温度及び相対湿度

e)

測定方法(皮膜−皮膜又は皮膜−素地)

f)

試験条件[昇電圧速度(V/s)

,回路遮断電流(mA)及び押付け力(N)

g)

試験片の保存状態

h)

試験結果[絶縁破壊電圧の最低電圧(kV)及び平均電圧(kV)

。受渡当事者間の協定がある場合は,

絶縁破壊の強さ(kV/μm)

耐電圧試験方法 

5.1 

概要 

この試験は,一定の距離を隔てた皮膜と皮膜との間(皮膜−皮膜)

,又は皮膜と素地との間(皮膜−素地)

に一定の交流電圧を一定の時間印加し,皮膜の絶縁破壊の有無を調べる。

5.2 

装置 

装置は,4.2 による。

5.3 

試験片 

試験片は,4.3 による。

5.4 

試験条件 

試験条件は,4.4 による。ただし,押付け力は,受渡当事者間の協定による。

5.5 

手順 

手順は,次による。

a)

電圧計の目盛がゼロであることを確認する。


5

H 8687

:2013

b)

試験片上にプローブを垂直に設置する。皮膜と素地との間(皮膜−素地)の試験では,対極をアース

クリップで素地に取り付ける。

なお,試験片の端部及び立ち上がりがある場合には,その部位から 5 mm 以上離す。試験片が小さ

い場合には,試験片の端部から少なくとも 1 mm 以上離す。

c)

電圧調整器を操作し,一定の速度で所定の電圧まで上げ,一定時間保持する。受渡当事者間の協定に

よって,速度,電圧及び保持時間を決めてもよい。

d)

回路遮断器の遮断の有無によって,絶縁破壊の有無を調べる。

e)

受渡当事者間の協定によって試験を繰り返す場合は,プローブの位置を替え,a)d)の手順を繰り返

す。

5.6 

試験結果の表し方 

試験の結果は,5.5 によって行った印加電圧(kV)及び絶縁破壊の有無で表す。

5.7 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を含めなければならない。

a)

この規格の番号:JIS H 8687

b)

試験年月日

c)

試験片の皮膜厚さ

d)

試験雰囲気の温度及び相対湿度

e)

試験電圧及び印加時間

f)

測定方法(皮膜−皮膜又は皮膜−素地)

g)

試験条件[昇電圧速度(V/s)

,回路遮断電流(mA)及び押付け力(N)

h)

試験を繰り返し行った場合は,その回数

i)

試験片の保存状態

j)

試験結果(印加電圧及び絶縁破壊の有無)


6

H 8687

:2013

附属書 JA

(参考) 

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS H 8687:2013

  アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の絶縁耐力試験

方法

ISO 2376:2010

  Anodizing of aluminium and its alloys−Determinaition of electric

breakdown potential

(I)JIS の規定 (II)

国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びその内容 (V)JIS と国際規格との

技術的差異の理由及び

今後の対策

箇条番号及

び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

標題

変更

英文の標題を日本語に合わせて“electric breakdown potetial”を

“electric strength”に変更した。

1  適用範囲

追加

JIS

では,ISO 規格の内容を補足して記載した。技術的差異は

ない。

2  引用規格

3  用語及び
定義

追加

JIS

では,JIS H 0201,絶縁耐力,絶縁破壊電圧,絶縁破壊の

強さ,及び耐電圧を追加した。実質的な差異はない。

4.1  概要

2

追加

JIS

では,ISO 規格の内容を補足して記載した。技術的差異は

ない。

4.2  装置 4.2.1 一般   3

3.1

追加

JIS

では,ISO 規格の内容を補足して記載した。技術的差異は

ない。

 4.2.2 交流変圧器

3.2

一致

 4.2.3 電圧調整器

3.3

変更

JIS

では,我が国の実情に即した電圧調整器の仕様とした。

 4.2.4 保護抵抗

3.4

一致

 4.2.5 交流電圧計

3.5

変更

JIS

では,我が国の実情に即した交流電圧計の仕様とした。技

術的差異はない。

 4.2.6 回路遮断器

追加

この規格に必要なため,追加した。技術的差異はない。

 4.2.7 プローブ

3.6 
3.7

変更

追加 

JIS

では,ISO 規格の内容を補足するとともに,我が国の実情

に即したプローブの構造にした。また,ISO 規格には“試験装
置及び試験方法の図”が記載されていないが,JIS では分かり

やすくするために,記載した。技術的差異はない。

6

H

 8687


2013


7

H 8687

:2013

(I)JIS の規定 (II)

国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びその内容 (V)JIS と国際規格との

技術的差異の理由及び

今後の対策

箇条番号及

び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

4.2  装置

3.8

削除 

JIS

では,線の絶縁測定は行っていないので,

“回転機器”は

削除した。

4.3  試験片

4.1

変更

JIS

では,詳細に記載した。

実質的差異はない。

ISO

規 格 の 見 直 し の

際,変更を提案する。

4.4  試 験 条

4.2.1

追加 

JIS

では,ISO 規格の内容を補足するとともに,細別にして記

載した。技術的差異はない。

4.5  手順

4.2.1

追加 

JIS

では,ISO 規格の内容を補足するとともに,細別にして記

載した。また,受渡当事者間の協定がある場合の手順を追加し

た。技術的差異はない。

4.2.2   削除

国内では使用されていないため,削除した。

4.6 試 験 結
果の表し方

5

追加 

JIS 

では,受渡当事者間の協定によって“絶縁破壊の強さ”で

表す方法を追加した。また,JIS Z 8401 を追加した。技術的差

異はない。

4.7 試 験 報
告書

6

追加 

JIS

では,補足事項を追加した。技術的差異はない。

5  耐電圧試
験方法

追加 

ISO

規格にはない規定である。JIS では,国内で広く使用され

ているので,この試験方法を追加した。

ISO

規 格 の 見 直 し の

際,提案する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 2376:2010,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

7

H

 8687


2013