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H 7802

:2005

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まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣大臣が制定し

た日本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


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:2005

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  試験装置

2

4.1

  示差熱分析装置

2

4.2

  セル

2

5.

  試料

2

6.

  試験方法

2

6.1

  試料の充てん(填)

2

6.2

  ひょう量 

3

6.3

  加熱方法 

3

6.4

  発火の判定 

3

6.5

  発火温度 

3

7.

  報告

5

7.1

  記載事項 

5

7.2

  付記事項 

6

 


日本工業規格

JIS

 H

7802

:2005

示差熱分析法による金属超微粒子の

発火温度測定方法

Testing method of ultra fine metal particles for ignition temperature by

differential thermal analysis

1. 

適用範囲  この規格は,金属超微粒子の示差熱分析法による発火温度の測定方法について規定する。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 7008

  金属超微粒子用語

JIS K 0129

  熱分析通則

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a) 

金属超微粒子  平均粒径がおおよそ 100 nm 以下の金属粒子。JIS H 7008 における超微粒子と同義語。

b)

発火温度  大気中において,金属超微粒子を等速昇温した際に燃焼を開始する温度。

c) 

セル  試料及び基準物質を保持するための容器。

d)

補外開始点  示差熱分析曲線におけるピークの最大傾斜部外挿線と外挿基線との交点。図 に示差熱

分析曲線における各部の名称を示す。

e)

安定化処理  金属超微粒子の大気中における自然発火を防止するため,あらかじめ超微粒子表面に薄

い保護酸化被膜などを形成する処理。JIS H 7008 における安定化処理と同義語。


2

H 7802

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  1  示差熱分析曲線

4. 

試験装置

4.1 

示差熱分析装置  装置は,JIS K 0129 に規定されたものであって,20 K/min 以上の昇温速度,望ま

しくは 20∼100 K/min 範囲の昇温速度で昇温できる性能を備えたものを使用する。

4.2 

セル  試料セル及び基準物質セルは,いずれも同一形状の開放型セルとする。その材質は,熱伝導

性がよく,発火時においても試料と反応しない金属,例えば,白金,ステンレス鋼などが望ましい。また,

試料セルは,内径 5∼10 mm のものを使用する。

5. 

試料  試料は,次による。

a) 

金属超微粒子試料は,安定化処理済みのものとし,湿度 50 %以下のデシケーター中で 24 時間以上乾

燥保存したものを使用する。

b) 

金属超微粒子の酸素含有率は,あらかじめ化学分析によって測定する。

6. 

試験方法

6.1 

試料の充てん(填)  試料の充てん量は,試料セルの深さの 1/2∼1/5 とする。大気の通路を確保す

るため,試料には圧縮等の力を加えてはならない。

なお,試料セル中における試料の揺動を防止するためのタッピングは,3 回以内とする。


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6.2 

ひょう量  充てん試料の質量は,感度 0.1 mg 以上の化学天びんによってはかり,JIS Z 8401 によっ

てミリグラム(mg)単位で小数点第 1 位のけたに丸める。

6.3 

加熱方法  加熱方法は,次による。

a)

試料室  試料室は,大気開放とし,対流などによる大気の流出入を妨げない構造とする。

b)

昇温速度  昇温速度は,20 K/min を基準とし,測定は 3 回行う。

c) 

測定温度範囲  同一物質であっても,金属超微粒子の性状(粒径,表面酸化被膜厚さなど)によって

発火温度が異なるため,測定は,室温∼500  ℃の範囲で行う。

6.4 

発火の判定  発火の判定は,発火現象に特有な短時間で,かつ,極めて大きな発熱ピークの出現[図

2 a)

参照]によって決定する。(

1

)(

2

)

(

1

)

発火時の熱重量曲線(TG 曲線)[

図 2 a)]は,単純酸化時の熱重量曲線[図 2 b)]とは異なり,

発火による発熱ピークの出現と同時に試料質量がほぼ完全酸化に対応する質量まで急激に増加

する。また,このような発火時には,試料温度がプログラム温度軌跡から正に偏き(倚)する

異常昇温が認められる場合が多い。

(

2

)

基準昇温速度で発火が認められなかった場合には,昇温速度 50 K/min で 3 回測定し,発火の有

無を記載する。

6.5 

発火温度  発火温度は,示差熱分析曲線(DTA 曲線)に生じた急峻な発熱ピークの最大傾部外挿線

と基線外挿線とが交わる補外開始点(

図 1)の温度とする。

なお,同一測定条件において異なる測定値が得られた場合には,それらの測定値の中で最も低い温度を

発火温度とする。

a)

発火時

  2  熱重量曲線


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b)

単純酸化時

  2  熱重量曲線(続き)

7. 

報告

7.1 

記載事項  試験結果報告書に記載する事項は,次の項目とし,受渡当事者間の協定によって選択す

る。

a)

試料

1)

金属の種類

2)

平均粒径

3)

酸素含有量

b) 

試験装置

1)

示差熱分析装置の加熱炉の種類又は形式

c)

試験条件

1)

セルの材質及び大きさ

2)

試料質量

3)

基準物質

4)

昇温速度

5)

室温及び湿度

d)

試験結果  熱重量測定を同時に行った場合

1)

発火温度

備考  基準昇温速度で発火が認められなかった場合には,昇温速度 50 K/min における発火の有無を記

2)

発火後の質量増加の百分率(小数点以下 1 けた)

(熱重量測定を同時に行った場合)


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3)

測定年月日

7.2 

付記事項  試験結果報告書には,次の項目についての記録を付記することが望ましい。

a)

金属超微粒子

1)

製造方法又は製造原理

2)

製造業者名

3)

平均粒径の算出法

b)

示差熱分析装置

1)

装置の製造業者名及び形式