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H 7308

:2006 (IEC 61788-12:2002)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人国際超電導産業技術研究センター

(ISTEC)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61788-12:2002,Superconductivity

−Part 12:Matrix to superconductor volume ratio measurement−Copper to non-copper volume ratio of Nb

3

Sn

composite superconducting wires

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

JIS H 7308

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)測定−画像処理法

附属書 B(規定)測定−銅質量法

附属書 C(規定)測定−プラニメータ法

附属書 D(参考)試料研磨法

附属書 E(参考)Nb

3

Sn

生成のための熱処理前後における非銅部に対する銅部の体積比の相違

附属書 F(参考)コピー時の紙の質量誤差

附属書 G(参考)銅安定化 Nb

3

Sn

線の断面構成


H 7308

:2006 (IEC 61788-12:2002)

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  用語

2

4.

  原理

2

4.1

  体積比試験方法の概要 

2

4.2

  紙質量法の原理

2

5.

  装置

2

6.

  試験方法

3

6.1

  試料の準備 

3

6.2

  測定

3

6.3

  本目の試料の試験方法 

3

6.4

  紙の質量 

3

7.

  結果の計算 

3

8.

  試験方法の精度及び正確度 

4

9.

  試験報告

4

9.1

  非銅部に対する銅部の体積比

4

9.2

  試験試料及び試験条件の照合

4

附属書 A(規定)測定−画像処理法

5

附属書 B(規定)測定−銅質量法 

6

附属書 C(規定)測定−プラニメータ法 

7

附属書 D(参考)試料研磨法 

8

附属書 E(参考)Nb

3

Sn

生成のための熱処理前後における非銅部に対する  銅部の体積比の相違

9

附属書 F(参考)コピー時の紙の質量誤差

10

附属書 G(参考)銅安定化 Nb

3

Sn

線の断面構成

11

 


日本工業規格

JIS

 H

7308

:2006

(IEC 61788-12

:2002

)

超電導−

超電導体に対するマトリックス体積比試験方法−

ニオブ 3 すず複合超電導線の

非銅部に対する銅部体積比

Superconductivity

Part 12:Matrix to superconductor volume ratio

measurement

Copper to non-copper volume ratio of Nb

3

Sn composite

superconducting wires

序文  この規格は,2002 年に第 1 版として発行された IEC 61788-12,Superconductivity−Part 12:Matrix to

superconductor volume ratio measurement

− Copper to non-copper volume ratio of Nb

3

Sn composite

superconducting wires

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格で

ある。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

超電導線の重要な特性である臨界電流密度及びその安定性を決めるときに,銅体積比は重要な役割を果

たす。

銅安定化ニオブ 3 すず多心フィラメント複合超電導線は,

附属書 に示すように,安定化材の配置によ

って外部銅安定化形,内部銅安定化形,銅安定化材分散形及び分散バリア銅安定化形の 4 種類に分けられ

る。

この規格は,より一般的な方法として,紙質量法を規定し,補足法として,画像処理法を

附属書 A,銅

質量法を

附属書 及びプラニメータ法を附属書 にそれぞれ示す。附属書 には,試料研磨法を,附属

書 には,ニオブ 3 すず生成熱処理前後での非銅部に対する銅部の体積比の相違を,附属書 には,コピ

ー時の紙質量誤差を,及び

附属書 には,銅安定化 Nb

3

Sn

線の断面構成を示す。

1. 

適用範囲  この規格は,銅安定化ニオブ 3 すず多心フィラメント複合超電導線(以下,銅安定化 Nb

3

Sn

線という。

)の非銅部に対する銅部の体積比を決める試験方法について規定する。

この規格は,断面積が 0.1 mm

2

から 3 mm

2

,銅体積比が 0.1 以上の銅安定化 Nb

3

Sn

線に適用し,フィラ

メント径の大小及び Nb

3

Sn

生成のための熱処理の有無は問わない。ただし、フィラメント,すず,銅−す

ず合金,障壁材及びその他の非銅部分が銅部中に分散する配置のもの並びに安定化材が分散しているもの

には適用しない。

また,この規格は,銅安定化 Nb

3

Sn

線で,かつ,丸形又は角形の断面構造をもつモノリス線について規

定する。

なお,この規格は,正確度を考えなければ,適用範囲外の断面積及び銅体積比をもつ銅安定化 Nb

3

Sn


2

H 7308

:2006 (IEC 61788-12:2002)

にも適用することができる。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC  61788-12:2002

,Superconductivity−Part 12:Matrix to superconductor volume ratio measurement−

Copper to non-copper volume ratio of Nb

3

Sn composite superconducting wires (IDT)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 7005

  超電導関連用語

備考 IEC 

60050-815:2000

,International Electrotechnical Vocabulary−Part 815: Superconductivity が,

この規格と一致している。

3. 

用語  この規格で用いる主な用語は,JIS H 7005 によるほか,次による。

3.1 

銅安定化 Nb

3

Sn

線の非銅部に対する銅部の体積比  Nb

3

Sn

を構成要素とする非銅部に対する安定化

銅部の面積比をもってみなす体積比。

参考  この規格では,非銅部に対する銅部の断面積比をもって非銅部に対する銅部の体積比と定義す

る。この理由は,工業的に生産された実用銅安定化 Nb

3

Sn

線では,長手方向で非銅部と銅部と

の断面積比は同一であるとみなせるためである。

4. 

原理

4.1 

体積比試験方法の概要  銅安定化 Nb

3

Sn

線の体積比の試験方法として,次の 4 方法がある。

紙質量法  測定する超電導線の断面写真を,トレーシング紙に転写するか,コピー機を用いて複写

し,それを銅部と非銅部とに切り分け,各々の切り取った紙の質量を測定する方法。

画像処理法  超電導線の断面写真の画像をデジタル化して取り込み,銅及び非銅部の断面積をソフ

トウエアを用いて,求める方法(

附属書 に規定)。

銅質量法  外部銅安定化 Nb

3

Sn

線から,

外部の銅を溶解によって取り除き,

その質量変化を用いて,

求める方法(

附属書 に規定)。

プラニメータ法  プラニメータを用いて銅及び非銅部各々の面積を計測する方法(附属書 に規定)。

この規格では,これらの試験方法からフィラメント,すず,銅−すず合金,障壁材及びその他の非銅部

材が銅部中に分散する配置のもの並びに安定化材が分散しているものに共通して適用でき,かつ適正な精

度が得られる推奨方法として紙質量法を選択する。

4.2 

紙質量法の原理  超電導線の研磨した断面の写真を,金属顕微鏡を用いて撮影する。撮影した写真

を,トレーシング紙に書き写すか,又はコピー機を用いて断面写真をコピーする。転写した紙又はコピー

紙を,銅部と非銅部とに切り分け,各部の紙の質量をそれぞれ測定し,各部の紙の質量比から銅安定化

Nb

3

Sn

線の非銅部に対する銅部の体積比(以下,非銅部に対する銅部の体積比という。

)を求める。

5. 

装置

−  金属顕微鏡

−  カメラ


3

H 7308

:2006 (IEC 61788-12:2002)

−  研磨機

−  はかり(0.1 mg のけたまで測定できるもの)

−  はさみ又はカッタ

6. 

試験方法

6.1 

試料の準備  Nb

3

Sn

生成のための熱処理の前又は後の銅安定化 Nb

3

Sn

線から試料を切り出す。試料

は,1 本の被測定銅安定化 Nb

3

Sn

線から次工程の樹脂埋込みに必要な長さを 2 本切り出す。

備考  内部すず法により製造する分散バリア銅安定化形線材の熱処理前(Nb

3

Sn

生成前)の線材を測

定対象とする場合,安定化銅とその他の部材とを注意深く識別することが重要である。

6.1.1 

樹脂埋め込み  2 本の試料を研磨のために同時に樹脂に埋め込む。埋込材には,金属顕微鏡による

断面観察がしやすい適切な樹脂を用いる。樹脂埋込みをするとき,できるだけ研磨面が試料の長手方向に

直角になるように注意しなければならない。

6.1.2 

研磨  樹脂に埋め込んだ試料を,エメリー紙と研磨材とを用いて研磨する。良好な断面写真が撮れ

るように,研磨面が十分滑らかであることを,金属顕微鏡を用いて確認しなければならない。特に,銅部

と非銅部との境界及び試料と樹脂との境界が清浄であるかどうかに注意する。研磨きずのためにこれらの

境界が明確でないときは,再研磨する。研磨の方法を,

附属書 に示す。

6.1.3 

洗浄及び乾燥  研磨した試料を,流水,蒸留水,及びアセトン(エチルアルコールを使用してもよ

い。

)を用いて順次洗浄する。洗浄によって,試料の埋込樹脂が溶けないことを確認する。必要に応じて超

音波洗浄器を用いてもよい。洗浄後,研磨面が酸化又は変色しないように,冷風又は温風を用いて試料を

乾燥させる。

6.2 

測定

6.2.1 

断面写真の撮影  金属顕微鏡を用いて,試料研磨面の白黒写真又はカラー写真を撮影する。

撮影倍率は,試料の全断面が写真のサイズに収まるように選択する。銅部と非銅部との境界及び試料周

端部が写真に明白に鮮やかに現われるように,焦点深度ができるだけ深い顕微鏡カメラを使用する。

6.2.2 

転写  銅部と非銅部とが分離できるように,断面像をトレーシング紙に転写する。

コピー機を用いて断面写真を複写する。転写又は複写に際しては,切出作業が容易にできるように 1 枚

の紙に画像が収まる倍率を選定する。コピー機を用いて複写する場合は,指標となるスケールの複写を同

時に行い,コピー機による画像のひずみが±1  %であることを確認する(

附属書 参照)。

6.2.3 

切出し  はさみ又はカッタを用いてトレーシング紙又はコピー紙から銅部と非銅部とを切り出す。

6.2.4 

紙の質量測定  1 本目の試料について,切り出した銅部と非銅部との紙の質量を測定し,0.1 mg  の

けたまで読み取る。各部分をそれぞれ 2 回測定し,2 回の測定値の平均値を報告する。

測定中は,その測定が湿度によって影響されないように注意する。質量が変化し続ける場合には,一連

の測定を再開する前に,試料を約 10 分間測定チャンバ内に保持した後,測定する。

6.3 2

本目の試料の試験方法  6.2 の手順に従って,2 本目の試料の紙の質量を測定する。

6.4 

紙の質量  6.2 及び 6.3 で測定した各部の紙の質量を平均し,それぞれ非銅部の紙の質量(M

non

)

及び銅

部の紙の質量(M

Cu

)

とする。

7. 

結果の計算  6.4 で得た非銅部に対する銅部の体積比(R)を,次の式によって算出し,四捨五入して,

小数点 2 けたに丸める。


4

H 7308

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non

Cu

M

M

R

=

ここに,

R

非銅部に対する銅部の体積比

M

Cu

銅部の紙の質量の平均値(g)

M

non

非銅部の紙の質量の平均値(g)

8. 

試験方法の精度及び正確度  この試験方法の全体の精度は,±5  %とする。また,この試験方法の正

確度が,研磨によって生じる試料の周辺部の欠落,トレーシング紙への転写,コピー機による複写画像の

ひずみ,紙から各部分を切り出す作業習熟度などによって影響されることに留意しなければならない。

9. 

試験報告

9.1

非銅部に対する銅部の体積比   次の情報を報告書に記載しなければならない。

a) 

各試料の非銅部に対する銅部の体積比

b) 

線の直径,又は長方形の場合は,断面寸法

c) 

試料が Nb

3

Sn

生成のための熱処理の有無

9.2 

試験試料及び試験条件の照合  試験試料及び試験条件が分かっている場合には,次の情報を表示し

なければならない。

a)

試料の製作者の名前

b)

識別番号

c)

最終押出ビレットのロット番号

d)

製造方法

e)

安定化銅の配置形式

f)

断面写真

g)

測定の条件及び情報

h)  1

次測定データ

i)

測定装置の情報


5

H 7308

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附属書 A(規定)測定−画像処理法

超電導線の断面写真の画像をデジタル化して取り込み,銅部及び非銅部の断面積をソフトウエアを用い

て,求める方法(画像処理法と呼ぶ。

)を示す。

A.1 

方法

A.1.1

  本体の 6.16.2.1 の手順に従って,試料の断面写真を撮る。

A.1.2

  スキャナを用いて,断面写真の画像を計算機に取り込む。

A.1.3

  画像解析ソフトウエアを活用し,銅部及び非銅部のピクセル数(N

non

)

を求める。

A.1.4

  次の式を用いて試料の非銅部に対する銅部の体積比(R)を算出する。

non

Cu

N

N

R

=

ここに,

R

非銅部に対する銅部の体積比

N

Cu

銅部のピクセル数

N

non

非銅部のピクセル数

A.2 

試験報告  本体の 9.に規定する情報に加えて,使用した画像解析ソフトウエアの情報を報告する。

備考1.  画像処理法の測定正確度は,断面写真の画像の質によって決定される。一定レベルの正確度

を得るためには,十分に研磨された状態の試料断面の鮮明な画像を撮ることが要求される。

2.

同一写真から同一倍率で取り込んだ画像に適用した画像処理法による測定の再現性(精度)

は,±10  %と見積もることができる。


6

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附属書 B(規定)測定−銅質量法

Nb-Ti

超電導線の銅体積比の測定に採用した銅質量法(IEC 61788-5:2000 参照)を Nb

3

Sn

超電導線に適

用する方法を示す。この方法は,硝酸で銅だけを溶かすことができる構造をもつ円形断面の外部銅安定化

形 Nb

3

Sn

線[

附属書 図 の(a)及び(d)]にだけ適用可能である。特に,硝酸で銅を溶かす過程で破れや

すいバリアをもつ線材に,この方法を適用することは,避けなければならない。

B.1 

方法  長さ 300∼500 mm の試料を切り出し,質量(W

1

)

,長さ(L)及び直径を測定する。直径は長手方向

に 5 等分した点で測定し,その平均値を直径(D)とする。試料の体積(V

1

)

を次の式を用いて算出する。

(

)

L

D

V

×

×

=

π

2

1

2

/

ここに,  V

1

:  試料の体積(cm

3

D

:  直径(cm)

L

:  長さ(cm)

B.1.1

  試料は,非銅部だけを残すように硝酸で銅部だけを溶解し,同時に,銅の溶解量が最小限になるよ

うに,銅が溶解した直後に水で洗浄する。

B.1.2

  洗浄した試料を完全に乾燥させる。

B.1.3

  乾燥した非銅部の質量(W

2

)

を測定する。

B.1.4

  銅部の体積(V

2

)

を,銅の比重 8.93 g/cm

3

を用いて,次の式から算出する。

93

.

8

/

)

(

2

1

2

W

W

V

=

ここに,  V

2

:  銅部の体積(cm

3

)

W

1

:  試料の質量(g)

W

2

:  非銅部の質量(g)

B.1.5

  非銅部に対する銅部の体積比(R)を,試料の体積(V

1

)

と銅部の体積(V

2

)

とから,次の式を用いて算出

する。

(

)

2

1

2

/

V

V

V

R

ここに,

R

:  非銅部に対する銅部の体積比

V

1

:  試料の体積(cm

3

)

V

2

:  銅部の体積(cm

3

)

B.1.6

  この測定の精度は,±2  %である。

B.2 

試験報告  本体の 9.に規定する情報に加えて,IEC 61788-5:2000 の試験報告に従った必要な情報を報

告する。

参考 IEC 

61788-5:2000 Superconductivity-Part 5: Matrix to superconductor volume ratio measurement-Copper to

superconductor volume ratio of Cu/Nb-Ti composite superconductors


7

H 7308

:2006 (IEC 61788-12:2002)

附属書 C(規定)測定−プラニメータ法

アナログプラニメータ又はデジタルプラニメータを用いて銅部及び非銅部各々の面積を測る方法(プラ

ニメータ法と呼ぶ)を示す。

C.1 

方法

C.1.1

  本体の 6.16.2.1 の手順に従って,断面の写真を撮影する。

C.1.2

  コピー機を用いて断面写真の複写画像をとる。コピー機の倍率は,拡大複写画像の寸法が幅 120 mm

以上で,コピー用紙の幅以下になるように選択する。

C.1.3

  銅部と非銅部との断面積を,プラニメータを用いて測定する。測定する正確度をよくするために,

プラニメータを 5 回転させて積算することで面積を求めることが望ましい。同一の写真を 2 回測定し,測

定値の差(ばらつき)が 5  %以内に入っていれば,その平均値から断面積を求める。2 回の測定値に 5  %

以上の差(ばらつき)があるときは,測定をやり直す。

備考  プラニメータ測定の正確度が 1  %以内の場合,アナログ又はデジタルのプラニメータを用いる

ことができる。

参考  プラニメータ測定の正確度が 1  %以上の場合,このプラニメータ法は適合しない。

C.1.4

  外部銅安定化形[附属書 図 1(a)参照]の試料の場合,銅部の断面積は,試料の全断面積から非銅

部の面積を差し引いて求める。内部銅安定化形[附属書 図 1(b)参照]の試料の場合には,非銅部の断面

積は,試料の全断面積から銅部の断面積を差し引いて求める。

C.2 

試験報告  本体の 9.に規定する情報に加えて,プラニメータの型式と測定に用いた断面写真の複写倍

率とを報告する。

備考  プラニメータを用いる測定の正確度は,写真の鮮明度に依存する。鮮明な写真を撮るためには,

試料の研磨,特に試料外周部の研磨が鮮明で,かつ,写真のコントラストが一様になるように

注意しなければならない。


8

H 7308

:2006 (IEC 61788-12:2002)

附属書 D(参考)試料研磨法

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

断面写真から非銅部に対する銅部の体積比を求めるには,

鮮明な写真を撮る必要があり,そのためには,

とりわけ良好な研磨を行うことが重要である。次に研磨の手順を示す。

D.1 

エメリー紙による研磨  研磨の目的は,金属顕微鏡で観察するために,樹脂に埋め込んだ試料の研磨

面を平たん(坦)にすることにある。エメリー紙の粒度は指定しないが,例えば,120,180,400,600,

800

,1 000,1 200,1 500 そして 2 400 ヘと,粗粒度から微粒度へと順次粒度を細かくして研磨を行う。研

磨面が平たん(坦)度を得るためには,表面に一方向の均一な力を加えながら研磨し,次の細かい粒度に

変えたときは,前の粒度による研磨と同じ方向に力を加え,前の粒度での研磨面のきず(傷)が消えるよ

うに,研磨する。

D.2 

バフ研磨  この研磨は,湿式のバフパッドと Al

2

O

3

(アルミナ)

,SiO

2

又はダイヤモンド研磨材とを用

いて行う。この工程における最良の条件は,バフパッドに均一に研磨材を散布し,一様に湿らせることで

ある。試料表面が一方向からだけ研磨されることのないように,バフ研磨は,試料を回転させながら行う。

これが表面を均一に研磨する要領である。不必要に長いバフ研磨は,線材の周辺のだれ(弛れ)を作るこ

とになる。

顕微鏡で観察したときに,研磨表面にだれ(弛れ)及び明らかなきず(傷)が見られる場合には,適切

な粒度のエメリー紙の研磨からやり直す。

D.3 

洗浄及び乾燥  研磨した試料は,流水,蒸留水,アセトン又はエチルアルコールで順次洗浄する。洗

浄剤が試料埋め込み樹脂を溶かしていないことを確認する。

必要に応じて超音波洗浄器を使用してもよい。

洗浄した後,研磨表面が酸化又は変色しないように,試料を冷風又は温風で乾燥する。


9

H 7308

:2006 (IEC 61788-12:2002)

附属書 E(参考)Nb

3

Sn

生成のための熱処理前後における非銅部に対する

銅部の体積比の相違

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

Nb

3

Sn

生成のための熱処理の前後における非銅部に対する銅部の体積比の相違(差)は,±2  %である。


10

H 7308

:2006 (IEC 61788-12:2002)

附属書 F(参考)コピー時の紙の質量誤差

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

F.1 

色調に起因する紙の質量誤差  白の部分と黒の部分との単位面積当たりの質量比較によると,写真を

複写することによる色調に起因する誤差は,±2  %である。実際の測定における誤差は,銅部と非銅部と

の色調の差が白と黒よりも小さいので±2  %より更に小さいとみなされる。

参考  銅安定化 Nb

3

Sn

線の断面写真を白黒撮影又は,カラー撮影した写真をコピー機によって白黒複

写すると,銅部が白,非銅部が黒又は灰色になる。ここでは,非銅部の黒又は灰色を黒とみな

す。

F.2 

質量測定誤差を低減するための拡大複写の実例  直径 0.7 mm で非銅部に対する銅部の体積比が 0.26

の試料の写真を,

金属顕微鏡で 100 倍の倍率で写真撮影し,

更にこの写真を複写で 2 倍に拡大したときの,

銅部と非銅部との紙の質量は,それぞれ 0.1 g 及び 0.38 g であった。

拡大した複写画像の各部は,

適切に切り離すばかりでなく,

質量測定の正確度を保たなければならない。


11

H 7308

:2006 (IEC 61788-12:2002)

安定化銅

バリア

Nb

3

Snフィラメント

ブロンズ

(a) 外部銅安定化形 

Nb

3

Sn フィラメント

ブロンズ 

バリア 

安定化銅 

(c) 銅安定化材分散形 

Nb

3

Sn フィラメント

ブロンズ

バリア

安定化銅 

(b) 内部銅安定化形

Nb

3

Sn フィラメント

す ず 合金  

バリア

安定化銅 

(d)

分散バリア銅安定化形

附属書 G(参考)銅安定化 Nb

3

Sn

線の断面構成

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

安定化材の配置による 4 種類の銅安定化 Nb

3

Sn

線材の断面を

附属書 図 に示す。

附属書   1  安定化材の配置による 4 種類の銅安定化 Nb

3

Sn 線材の断面

(銅部)

(銅部)

(銅部)

(非銅

部)

(非銅部)

(非銅

部)

(非銅

部)

(銅部)