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H 7304:2017 (IEC 61788-5:2013) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 2 

3 用語及び定義  2 

4 原理 2 

5 化学薬品 2 

6 装置 2 

7 測定手順 3 

7.1 試料の質量  3 

7.2 絶縁材の除去  3 

7.3 洗浄  3 

7.4 乾燥  3 

7.5 試料の質量測定及び繰返し測定  3 

7.6 銅の溶解  3 

7.7 Nb-Tiフィラメントの洗浄及び乾燥  4 

7.8 溶解した試料の質量測定及びその繰返し測定  4 

7.9 2番目の試料の測定手順  5 

8 結果の計算  5 

9 試験方法の不確かさ  5 

10 報告事項  5 

10.1 試験試料の識別  5 

10.2 複合超電導線の銅比についての報告  6 

10.3 試験状況の報告  6 

附属書A(規定)複合超電導線の銅比−銅質量法  7 

附属書B(参考)Nb-Tiの比重  9 

附属書C(参考)被覆材の機械的除去  10 

附属書D(参考)試料の2度目のエッチング  11 

附属書E(参考)不確かさの考察  12 

附属書F(参考)Cu/Nb-Ti複合超電導線の銅比の試験方法における不確かさの評価  13 

 

 


 

H 7304:2017 (IEC 61788-5:2013) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

電線工業会(JCMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS H 7304:2002は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

H 7304:2017 

 

(IEC 61788-5:2013) 

超電導−超電導体のマトリックス比試験方法− 

銅安定化ニオブ・チタン複合超電導線の銅比 

Superconductivity-Matrix to superconductor volume ratio measurement- 

Copper to superconductor volume ratio of Cu/Nb-Ti composite 

superconducting wires 

 

序文 

この規格は,2013年に第2版として発行されたIEC 61788-5を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

複合超電導線の銅比は,主に超電導線の臨界電流密度を計算するために用いられる。 

この規格による試験で得た結果は,対象とする超電導線の適合性を判断する情報となる。さらに,この

規格に規定する注意事項を守ることができる場合,この方法は品質管理,受入試験又は研究目的の試験に

適用できる。 

この規格での試験方法は,ニオブ・チタン(以下,Nb-Tiという。)の比重が分かっていることを前提と

している。 

 

適用範囲 

この規格は,銅安定化Nb-Ti複合超電導線(以下,Cu/Nb-Ti複合超電導線という。)の銅比を求めるマ

トリックス比試験方法について規定する。 

この試験方法は,断面積が0.1 mm2〜3 mm2,Nb-Tiフィラメントの直径が2 µm〜200 µmで複合超電導

線の銅比が0.5以上のCu/Nb-Ti複合超電導線に適用する。 

Cu/Nb-Ti複合超電導線は,断面が円形又は四角形のモノリス構造のものとする。試験は,硝酸で銅を溶

かす方法について規定する。この試験方法から逸脱するが,簡略試験に許容される事項及び他の特別な制

限事項についても規定する。 

断面積,フィラメント径及び銅比が範囲外のCu/Nb-Ti複合超電導線の銅比も,試験結果の不確かさが大

きくなるが,この方法で測定できる。さらに,範囲外の線に関しては他の試験方法がより適切であるが,

簡便さ及び不確かさを保つためこの規格からは除く。 

この規格で規定する試験方法は,適切な変更を施した場合,他の複合超電導線に適用してもよい。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61788-5:2013,Superconductivity−Part 5: Matrix to superconductor volume ratio measurement−

Copper to superconductor volume ratio of Cu/Nb-Ti composite superconducting wires(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ


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とを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 7005 超電導関連用語 

注記 対応国際規格:IEC 60050-815,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Part 815: 

Superconductivity(IDT) 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS H 7005によるほか,次による。 

3.1 

複合超電導線の銅比(copper to superconductor volume ratio) 

Nb-Tiフィラメント及びNbバリアで構成される銅のない部分と安定化材である銅との体積比。 

 

原理 

この規格で規定する試験方法は,Cu/Nb-Ti複合超電導線において銅が硝酸溶液で溶け,Nb-Tiフィラメ

ント及びNbバリアが溶けないという性質を用いている。 

試料の質量を量った後,硝酸溶液に漬け,銅だけを溶かす。 

次に,残ったNb-Tiフィラメント及びそのNbバリアの質量を量る。 

元の超電導体の質量及びフィラメントの質量を用いて,複合超電導線の銅比を求める。 

 

化学薬品 

試料の準備のため,次の化学薬品を用意する。 

a) 硝酸及び蒸留水による硝酸水溶液(質量分率50 %〜65 %のものが望ましい。) 

b) 有機溶剤 

c) 脱脂溶剤 

d) エチルアルコール 

e) 蒸留(純)水 

注記 質量分率65 %以上の硝酸を使用した場合,上記の濃度範囲になるように硝酸を蒸留水で希釈す

る。 

 

装置 

装置は,次による。 

・ ドラフトチャンバ 

・ 質量計 

質量計の製造業者が指定する不確かさが±0.1 mg又はそれよりも小さいもの。 

・ 乾燥器又は乾燥炉 

乾燥器又は乾燥炉は,洗浄した試料の水分を蒸発させるために用いる。 

・ ビーカー 


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・ 時計皿 

・ プラスチック製ピンセット 

・ ろ紙 

・ 温度計 

・ ゴム手袋及び保護用めがね 

ゴム手袋及び保護用めがねは,有害な酸性の液又は蒸気から人体を保護するために用いる。 

試料の溶解は,人体保護のためにドラフトチャンバの中で行う。 

 

測定手順 

7.1 

試料の質量 

試験対象材料から質量1 g〜10 gの試料を用意する。 

7.2 

絶縁材の除去 

試料の絶縁被覆を除去するために,銅を腐食させない適切な有機溶剤を用いる。最終的に,絶縁被覆が

残っていないことを目視で確認する。 

絶縁被覆を除去するための有機溶剤がない場合は,附属書Cの機械的除去を選択する。 

7.3 

洗浄 

脱脂溶剤は,被覆を除去した試料の油分及び/又はグリースを取り除くために用いる。次に,純水で洗

浄する。最後に,水分を飛ばすために試料をエチルアルコールに漬ける。代替方法として,7.4で規定する

乾燥手順によるエチルアルコールを用いない洗浄方法がある。 

7.4 

乾燥 

洗浄した試料は,時計皿に置き,温度60 ℃又はそれ以下の乾燥器又は乾燥炉で30分間以上保持し十分

に乾燥する。エチルアルコールを用いないで試料を洗浄する場合は,試料を温度100 ℃の乾燥器又は乾燥

炉で30分間以上保持し十分に乾燥する。 

7.5 

試料の質量測定及び繰返し測定 

試料の温度が35 ℃又はそれ以下に下がったとき,薬包紙に載せ,その質量を質量計の製造業者が指定

する不確かさが±0.1 mg又はそれよりも小さい質量計で量る。 

この測定(第1回測定)を終えた後,試料を質量計から下ろす。 

試料が完全に乾燥していることを確かめるため,第1回測定の約10分後に再び試料を測定する(第2

回測定)。 

第1回測定及び第2回測定の質量差は,±0.5 %以内とする。質量差が±0.5 %以内の場合,2回の測定の

平均値を試料の質量とする。 

質量差が±0.5 %を超える場合は,その差が±0.5 %以内になるまで,7.3,7.4及びこの細分箇条の規定に

従ってエチルアルコールでの洗浄及び乾燥を繰り返す。 

何度か測定を繰り返してうまく結果が得られるようになった場合,それ以降の測定では,第2回の測定

は省くことができる。ただし,6か月ごとの定期検査のとき又は器具若しくは試験者が代わったときには

第2回測定を行う。 

7.6 

銅の溶解 

次の方法で試料の銅を溶かす。 

容積300 mLのビーカーに約150 mLの硝酸水溶液を入れる。エッチングが完了したときに全てのフィラ

メントが残るように試料に結び目を作る。ドラフトチャンバの中で,温度を20 ℃〜50 ℃に保った硝酸水


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溶液に,試料全体を30分間〜1時間漬けて試料の銅を完全に溶かす。完全に銅が溶けていることを,目視

で確かめる。 

フィラメント径が10 

下の試料では,銅が完全に溶解していることを確認するために,附属書Dに

従って2度目のエッチングを推奨する。 

エッチングする試料には,その都度新しい硝酸水溶液を用いる。 

硝酸水溶液中で銅を溶かすとき,亜硝酸ガスが発生する。硝酸及び亜硝酸ガスは人体に有害なので,保

護衣を着用する。銅を溶かすときはドラフトチャンバの中で行うなどの酸の取扱いの安全対策を遵守する。

加えて,貯蔵中及び使用中に発生するガスは有害である。酸の貯蔵,使用及び廃棄に対する注意をよく守

る。 

硝酸水溶液を扱うときは,ゴム手袋,保護用めがね及びプラスチック製ピンセットを用いる。 

注記 ここでいう硝酸水溶液の温度とは,試料を漬ける前の状態のものである。銅の溶解が進むと温

度は50 ℃以上になり得る。 

水溶液を作るときは,水に硝酸を加える。 

7.7 

Nb-Tiフィラメントの洗浄及び乾燥 

次の方法で,Nb-Tiフィラメントの洗浄及び乾燥を行う。 

フィラメントの破片を失わないように,酸をビーカーから注意深くプラスチック製廃液入れに注ぎ移す。

ビーカーをすすぐために純水を満たす。同様に,この水も注意深くビーカーから注ぎ出す。次に残った水

分を飛ばすためにビーカーにエチルアルコールを注ぐ。 

全てのフィラメントを十分に乾燥させるために,プラスチック製ピンセットで拾ったフィラメント,及

びフィラメントの破片がある場合は破片をろ紙の上に置き,乾燥器又は乾燥炉に入れる(7.4参照)。 

ろ紙が緑色に変色した場合には,再びアルコールですすいでフィラメントに残った酸を落とす。 

7.4の乾燥方法の代替方法として,エチルアルコールを用いない洗浄方法がある。 

フィラメントが著しく破損した場合は,新しい試料で始めからやり直す。 

直径10 

はそれ以下のNb-Tiフィラメントは,基材を除いた後,酸から取り出して空気にさらした

場合,発火する可能性がある。炎,熱,火花,静電気などの引火源を避ける。また,ピンセットは,エッ

チングしたフィラメントを扱うもので,人体のどの部分にも触れないようにしなければならない。可燃性

金属危険物取扱いの保安規準を遵守する。 

7.8 

溶解した試料の質量測定及びその繰返し測定 

試料の温度が35 ℃又はそれ以下に下がったことを確認し,7.5と同様に,質量計の製造業者が指定する

不確かさが±0.1 mg又はそれより小さい質量計で,その質量を量る。フィラメントの破片を失わないよう

に薬包紙を用いる(第1回測定)。7.5の質量測定を終えた後,Nb-Tiフィラメントを質量計から下ろす。

Nb-Tiフィラメントが十分に乾燥していることを確かめるため,第1回測定の約10分後に再び試料を測定

する(第2回測定)。 

第1回測定及び第2回測定の質量差は,±0.5 %以内とする。質量差が±0.5 %以内の場合,2回の測定の

平均値を試料の質量とする。 

質量差が±0.5 %を超える場合は,7.7の規定に従ってエチルアルコールでの洗浄及び乾燥だけを繰り返

した後,7.5の手順を繰り返す。再び,2回の測定の質量差が±0.5 %以内であることを確認する。 

何度か測定を繰り返してうまく結果が得られるようになった場合,それ以降の測定では,第2回測定を

省くことができる。ただし,6か月ごとの定期検査のとき又は器具若しくは試験者が代わったときには第2

回測定を行う。 


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7.9 

2番目の試料の測定手順 

2番目の試料について,7.1〜7.8までの手順を繰り返す。 

何度か測定を繰り返してうまく結果が得られるようになった場合,それ以降の測定では,2回測定を省

くことができる。ただし,6か月ごとの定期検査のとき又は器具若しくは試験者が代わったときには2番

目の試料の測定を行う。 

 

結果の計算 

各々の測定について,複合超電導線の銅比は次の計算式(1)を用い,四捨五入して小数点第2位まで求め

る。平均値を試料の銅比とする。 

二つの試料を測定する場合は,二つの比の平均を複合超電導線の銅比とする。 

Cu

Ti

-

Nb

Ti

-

Nb

Ti

-

Nb

W

ρ

M

ρ

M

M

R

  (1) 

ここに, 

R: 複合超電導線の銅比 

 

MW: 試料の質量 g 

 

MNb-Ti: Nb-Tiフィラメントの質量 g 

 

ρCu: 銅の比重8.93 g/cm3 

 

ρNb-Ti: Nb-Tiフィラメントの比重 g/cm3 

Nb-Ti合金の比重は,製造業者が公表していない場合は,附属書Bの数値を内挿して求めることができ

る。 

注記 Nbのようなバリアが使われている場合,Nbバリアの分も考慮に入れて計算し,Nb-Tiフィラ

メントの質量に含める。 

 

試験方法の不確かさ 

この方法の優れている点は,試料及びNb-Tiフィラメント各々の質量だけで複合超電導線の銅比が求め

られる点である。質量はかなりの精度で量れるので,質量1 gかつ銅比10の試料の場合でも,0.05 %未満

の相対合成標準不確かさで測定できる。 

不確かさには,Nb-Tiの比重も関わっている。最初の選択肢は,合金組成によることから,製造業者が

公表している比重を使う(表B.1の注記1参照)。製造業者が比重を公表していない場合,Nb-Ti合金の比

重は,表B.1の数値を補間することによって,相対標準不確かさが0.5 %以内になるようにする。 

Nbのようなバリアが使われている場合,正確を期すためにNbバリアの分も考慮に入れて計算し,Nb-Ti

フィラメントの質量に含める。 

Nb-Tiの比重及びNb-Ti合金の比率並びに/又はNbバリアの量が不明の場合,附属書Aを用いる。附

属書Fに示すように,ラウンドロビン試験で得られたこの試験法での相対合成標準不確かさは0.06 %であ

り,また銅質量法(附属書A)によるそれが0.2 %であることから,目標の相対合成標準不確かさは適用

係数k=1を用いて2 %を超えることはない。 

 

10 報告事項 

10.1 試験試料の識別 

試験試料は,可能な場合,次の事項で識別する。 

a) 試料の製造業者名 

b) 識別番号 


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c) 製造番号 

d) 原料組成 

e) 線断面の形,構成,フィラメントの径及びNbバリア 

10.2 複合超電導線の銅比についての報告 

試験報告には,次の事項を含める。 

a) 各々の試料の複合超電導線の銅比 

b) 用いたNb-Tiの比重 

c) 試料の被覆を除いた場合は,その方法 

10.3 試験状況の報告 

次の試験状況を報告する。 

a) 気温 

b) 試験前の硝酸の温度 

c) 硝酸への浸せき時間 

d) 乾燥時間 

 


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附属書A 

(規定) 

複合超電導線の銅比−銅質量法 

 

A.1 概要 

Nb-Tiの比重及びNb-Ti合金の比率並びに/又はNbバリアの量が不明の場合,複合超電導線の銅比は次

の方法で測定する。箇条1〜箇条6も適用する。 

 

A.2 試料の質量 

試験対象試料から質量10 gを超えない範囲で約50 cmの試料を切り取る。 

 

A.3 絶縁材の除去,洗浄及び乾燥 

7.2〜7.4を参照する。 

 

A.4 試料の長さ測定 

試料の長さL(cm)を,相対合成標準不確かさが0.1 %を超えないように測る。 

 

A.5 試料の直径測定 

試料の断面積を得るために,円形の線の場合は直径を,又は四角形の線の場合は2辺の長さを,合成標

準不確かさが0.5 µmを超えないように全長に対し5か所で測る。次に,5か所で得た数値から平均の断面

積A(cm2)を計算する。 

 

A.6 試料の質量測定 

試料の質量MW(g)を,質量計の製造業者が指定する不確かさが±0.1 mg又はそれよりも小さい質量計

で量る。 

 

A.7 銅の溶解及び溶解した試料の質量測定 

7.6及び7.7の方法と同様に銅を取り除き,かつ,洗浄及び乾燥させる。 

フィラメントの質量MNb-Ti(g)を7.8の方法と同様に量る。 

 

A.8 2番目の試料の測定手順 

2番目の試料についてA.2〜A.7に従って繰り返す。 

何度か測定を繰り返してうまく結果が得られるようになった場合,それ以降の測定では,第2回測定を

省くことができる。ただし,6か月ごとの定期検査のとき又は器具若しくは試験者が代わったときには第2

回測定を行う。 

 

A.9 計算 

銅の比重(ρCu)を8.93 g/cm3として,次の計算式(A.1)を用いて銅質量法による銅比(RCu,m)を求める。 


H 7304:2017 (IEC 61788-5:2013) 

 

Cu

Ti

-

Nb

W

Cu

Ti

-

Nb

W

m

Cu,

/

/

ρ

M

M

L

A

ρ

M

M

R

  (A.1) 

注記1 円形又は四角形の細い線の測定には誤差が生じやすいので,線の測定には注意する。 

注記2 四角形の線については,製造業者の仕様にある角の半径を使って断面積A(cm2)を修正する

必要がある。四角形の線の場合,この附属書の方法に対する不確かさは,角の半径による修

正を考慮していない。 

 


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附属書B 

(参考) 

Nb-Tiの比重 

 

Nb-Tiの比重を,表B.1に要約する。 

 

表B.1−Nb-Tiの比重 

Nb-Tiの組成 

質量分率 

Nb-Tiの組成 

体積分率 

比重 

g/cm3 

Nb 

Nb 

8.57 

Nb-43.2 %Ti 

Nb-59.1 %Ti 

6.16 

Nb-45.0 %Ti 

Nb-60.9 %Ti 

6.09 

Nb-46.5 %Ti 

Nb-62.3 %Ti 

6.04 

Nb-47.0 %Ti 

Nb-62.8 %Ti 

6.02 

Nb-48.0 %Ti 

Nb-63.7 %Ti 

5.98 

Nb-53.5 %Ti 

Nb-68.6 %Ti 

5.76 

Nb-55.0 %Ti 

Nb-69.9 %Ti 

5.70 

Ti 

Ti 

4.51 

注記1 Nb-Ti合金の比重は,組成だけでなく,冷間加工の度合い,不純

物,組織(相)の状態などの要素によって異なる。 

注記2 相対合成標準不確かさ0.5 %。より詳しい内挿のために小数点2

桁目を付け加えた。Tiの質量分率fmから体積分率fvを求める場
合は,fv=(fm/4.51)/fm/4.51+(1−fm)/8.57を用いる。 

 


10 

H 7304:2017 (IEC 61788-5:2013) 

 

附属書C 
(参考) 

被覆材の機械的除去 

 

ポリイミドのように溶剤で除去できない絶縁材で試料が被覆されている場合,紙やすり等を用いて絶縁

材の除去を行う。ただし,絶縁材を機械的に除去した場合,測定に誤差が出やすいので注意する。 

 


11 

H 7304:2017 (IEC 61788-5:2013) 

 

附属書D 
(参考) 

試料の2度目のエッチング 

 

特にフィラメントが細い線材に対しては,銅が完全に溶解していることを確認するためにエッチングを

繰り返すことを推奨する。溶解試料質量測定後,7.7〜7.9に従って2度目のエッチング及び質量測定を行

う。2度の測定における質量差が,±0.5 %以内であることを確認する。 

 


12 

H 7304:2017 (IEC 61788-5:2013) 

 

附属書E 

(参考) 

不確かさの考察 

 

(対応国際規格の規定を不採用とした。) 


13 

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附属書F 

(参考) 

Cu/Nb-Ti複合超電導線の銅比の試験方法における不確かさの評価 

 

F.0A 試験方法の不確かさについて 

不確かさに関する参考情報を,次に示す。 

a) 不確かさの起因 不確かさの起因としては,測定対象,測定機器,測定方法,測定環境など様々であ

る。これらの中で,不確かさには,観測結果の統計解析によって評価されるAタイプのものと,統計

解析以外の方法によって評価されるBタイプのものとがある。例えば,電圧を測定する場合に計測器

による不確かさがあるが,これは通常その製造業者が指定する計測器の不確かさ(仕様)によって評

価され,Bタイプの不確かさである。 

b) 不確かさに関する用語 不確かさに関する用語については,JIS Z 8103及び計測における不確かさの

表現のガイド(GUM)を参照するとよいが,主な用語は,次のとおりである。 

1) 標準不確かさ 標準偏差として表された測定結果の不確かさ。 

2) 合成標準不確かさ 測定結果が多数の他の量から得られる場合の標準不確かさ。他の量について重

み付けをした(それらの変化が測定結果の変化に及ぼす影響を反映した)分散又は共分散の和の平

方根の正に等しい。 

3) 相対標準不確かさ u(x)が測定結果xに関する標準不確かさであるとき,u(x)/|x|(ただし,x≠0)。 

4) 相対合成標準不確かさ u(y)が測定結果yに関する合成標準不確かさであるとき,u(y)/|y|(ただし,

y≠0)。 

5) 拡張不確かさ(相対拡張不確かさ) 分布する正当な測定値の大部分が含まれると期待される範囲を

定める量。標準不確かさ(相対拡張不確かさ)をu(ur),包含係数をkとすると,ku(ur)で与えられる。

この規則では,k=2とし,正規分布の場合測定値の95 %がその範囲に含まれる。 

なお,測定値が含まれる割合は,k=1の場合は68 %,k=3の場合は99 %である。 

c) 工業計測における不確かさ 製品を市場に出荷するに当たっては,その製品の品質を保証するための

計測が必要である。しかし,その計測に十分な時間をかければよいとは限らない。それは製品の価格

に跳ね返るため,そうした工業計測は十分な品質の保証ができるのであれば,できるだけ簡便な方法

を採用することが望まれる。また,品質の保証を与えるという点からすれば,性能を示す値について

の不確かさについては,最悪の場合を想定し,それでも品質を保証するというものが求められる。 

 

F.1 

銅溶解法 

F.1.1 

数学的モデル 

銅溶解法で測定したCu/Ni-Ti複合超電導線の銅比(RCu,d)は,式(F.1)によって求める。 

Cu

Ti

-

Nb

Ti

-

Nb

Ti

-

Nb

W

d

Cu,

ρ

M

ρ

M

M

R

  (F.1) 

ここに, 

MW: 試料の質量 g 

 

MNb-Ti: Nb-Tiフィラメントの質量 g 

 

ρCu: 銅の比重8.93 g/cm3 

 

ρNb-Ti: Nb-Tiフィラメントの比重 g/cm3 

 


14 

H 7304:2017 (IEC 61788-5:2013) 

 

F.1.2 

感度係数の評価 

銅溶解法によるCu/Nb-Ti複合超電導線の銅比に対する合成標準不確かさは,式(F.2)によって求める。 

2

Cu

2

4

2

Tic

-

Nb

2

3

2

Tic

-

MNb

2

2

2

MWc

2

1

d

RCuc,

ρ

ρ

u

c

u

c

u

c

u

c

u

  (F.2) 

ここに, uRCuc,d: 銅溶解法による複合超電導線の銅比の合成標準不確かさ 
 

uMWc: 銅溶解法による試料質量の合成標準不確かさ 

 

MW: 5.00 g 

 

uMNb-Tic: 銅溶解法によるNb-Tiフィラメントの合成標準不確かさ 

 

MNb-Tic: 1.00 g 

 

ρNb-Ti: Nb-Tiフィラメントの比重,6.04 g/cm3 

 

cn: 式(F.1)を偏微分して得られる各変数の感度係数 

l/g

676

.0

Cu

Ti

-

Nb

Ti

-

Nb

W

d

Cu,

1

ρ

M

ρ

M

R

c

 

l/g

382

.3

Cu

2

Ti

-

Nb

Ti

-

Nb

W

Ti

-

Nb

d

Cu,

2

ρ

M

ρ

M

M

R

c

 

/g

cm

448

.0

3

Cu

Ti

-

Nb

Ti

-

Nb

W

Ti

-

Nb

d

Cu,

3

ρ

M

M

M

R

c

 

/g

cm

303

.0

3

2

Cu

Ti

-

Nb

Ti

-

Nb

Ti

-

Nb

W

Cu

d

Cu,

4

ρ

M

ρ

M

M

ρ

R

c

 

この感度係数の評価に用いられる数値は,特定の実験結果についてだけに適用する。この係数は,普遍

的に適用できるものではなく,個々の試験によって違ってくる。 

F.1.3 

各変数の合成標準不確かさ 

F.1.2の感度係数を用いて求めた結果は,次のとおりである。 

a) 試料質量の合成標準不確かさuMWc=0.004 gは,MWの測定標準不確かさ0.002 g及び質量計のBタイ

プの不確かさ0.003 g(5.00×0.001/3)から求まる。 

b) Nb-Ti質量の合成標準不確かさuMNb-Tic=0.000 8 gは,Nb-Tiの測定標準不確かさ0.000 6 g及び質量計

のBタイプの不確かさ0.000 6 gから求まる。 

c) Nb-Tiフィラメント比重の標準不確かさuρNb-Tic=0.007 0 g/cm3は,NbバリアのあるNb-Tiフィラメン

トの比重のBタイプの不確かさ0.2 %から推定した。 

d) 銅の比重の標準不確かさuρCu=0.005 2 g/cm3は,銅の比重のBタイプ不確かさ0.1 %から推定した。 

e) 合成標準不確かさuRCuc,dの評価結果は,次のとおりである。 

005

.0

2

005

.0

303

.0

0

007

.0

448

.0

8

000

.0

382

.3

004

.0

676

.0

2

/1

2

2

2

2

2

2

2

2

2

Cu

2

4

2

Tic

-

Nb

2

3

2

Tic

-

MNb

2

2

2

MWc

2

1

d

RCuc,

ρ

ρ

u

c

u

c

u

c

u

c

u

 

相対合成標準不確かさuRCurc,dは,銅比が2.7の試料に対してuRCuc,d=0.005/2.7=0.2 %と求まる。 

F.1.4 

複合超電導線の銅比の標準不確かさのラウンドロビン試験結果 

銅溶解法による複合超電導線の銅比測定に対して,ラウンドロビン試験が行われた。試験試料の仕様は,

次のとおりである。 

直径:絶縁被覆も含め2.002 mm 

銅比:5.78 


15 

H 7304:2017 (IEC 61788-5:2013) 

 

平均フィラメント直径:81 µm 

日本の8機関が参加し,取り扱った試料数は16であった。複合超電導線の銅比の平均値は5.69,試験標

準偏差は0.009,及び相対合成標準不確かさは0.06 %であった。 

したがって,銅溶解法による目標の相対合成標準不確かさは,ラウンドロビン試験による相対合成標準

不確かさを基に,適用係数k=1を用いて2 %を超えない。 

 

F.2 

銅質量法 

F.2.1 

数学的モデル 

銅質量法で測定したCu/Nb-Ti複合超電導線の銅比は,式(F.3)によって求める。 

Cu

Ti

-

Nb

W

Cu

Ti

-

Nb

W

m

Cu,

M

M

L

A

ρ

M

M

R

  (F.3) 

ここに, 

MW: 試料の質量 g 

 

MNb-Ti: Nb-Tiフィラメントの質量 g 

 

ρCu: 銅の比重8.93 g/cm3 

 

A: 試料の断面積 cm2 

 

L: 試料の長さ cm 

F.2.2 

感度係数の評価 

銅質量法によるCu/Nb-Ti複合超電導線の銅比に対する合成標準不確かさ(uRCuc,m)は,式(F.4)によって

求める。 

2

Cu

2

5

2

Lc

2

4

2

Ac

2

3

2

Tic

-

MNb

2

2

2

MWc

2

1

m

RCuc,

ρ

u

c

u

c

u

c

u

c

u

c

u

  (F.4) 

ここに, uRCuc,m: 銅質量法による複合超電導線の銅比の合成標準不確かさ 
 

MW: 6.70 g 

 

uMWc: 試料質量の合成標準不確かさ 

 

uMNb-Tic: Nb-Ti質量の合成標準不確かさ 

 

MNb-Ti: 0.70 g 

 

A: 0.03 cm2 

 

L: 25.0 cm 

l/g

67

.

13

1

2

Ti

-

Nb

W

Cu

Ti

-

Nb

W

Ti

-

Nb

W

Cu

W

m

Cu,

1

M

M

ALρ

M

M

M

M

ALρ

M

R

c

 

l/g

67

.

13

1

2

Ti

-

Nb

W

Cu

Ti

-

Nb

W

Ti

-

Nb

W

Cu

Ti

Nb

m

Cu,

2

M

M

ALρ

M

M

M

M

ALρ

M

R

c

 

2

2

Ti

-

Nb

W

Cu

Ti

-

Nb

W

Cu

m

Cu,

3

l/cm

734

2

M

M

ALρ

M

M

A

R

c

 

l/cm

3.3

2

Ti

-

Nb

W

Cu

Ti

-

Nb

W

Cu

m

Cu,

4

M

M

ALρ

M

M

L

R

c

 

/g

cm

18

.9

3

2

Ti

-

Nb

W

Cu

Ti

-

Nb

W

Cu

Cu

Cu

5

M

M

ALρ

M

M

ρ

R

c

 

この感度係数の評価に用いられる数値は,特定の実験結果についてだけに適用する。この係数は,普遍

的に適用できるものではなく,個々の試験によって違ってくる。 

F.2.3 

各変数の合成標準不確かさ 

F.2.2の感度係数を用いて求めた結果は,次のとおりである。 


16 

H 7304:2017 (IEC 61788-5:2013) 

 

a) 試料質量の合成標準不確かさuMWc=0.003 gは,MWの測定標準不確かさ0.001 g及び質量計のBタイ

プの不確かさ0.003 g(5.00×0.001/3)から求まる。 

b) Nb-Tiフィラメント質量の合成標準不確かさuMNb-Tic=0.000 6 gは,MN-Tiの測定標準不確かさ0.000 3 g

及び質量計のBタイプの不確かさ0.000 6 gから求まる。 

c) 試料断面積の合成標準不確かさuAc=0.000 02 cm2は,試料直径の測定標準不確かさuD=0.000 05 cm及

びマイクロメータのBタイプ不確かさ0.000 06 cmから求まる。 

d) 試料長さの標準不確かさuLc=0.01 cmは,長さの測定標準不確かさ0.01 cm及びキャリパのBタイプ

不確かさ0.000 5 cmから求まる。 

e) 銅の比重のBタイプ不確かさは0.005 16 g/cm3。 

f) 

合成標準不確かさuRCuc,mの評価結果は,次のとおりである。 

09

.0

16

005

.0

18

.9

01

.0

33

.0

02

000

.0

734

2

6

000

.0

67

.

13

003

.0

67

.

13

2

/1

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

Cu

5

2

Lc

2

4

2

Ac

2

3

2

Tic

-

MNb

2

2

2

MWc

2

1

m

RCuc,

ρ

u

c

u

c

u

c

u

c

u

c

u

相対合成標準不確かさuRCurc,mは,銅比が6の試料に対してuRCurc,m=0.09/6=1.5 %と求まる。 

F.2.4 

複合超電導線の銅比の標準不確かさのラウンドロビン試験結果 

銅質量法によるCu/Nb-Ti複合超電導線の銅比測定に対して,ラウンドロビン試験が行われた。試験試料

の仕様は,次のとおりである。 

直径:絶縁被覆も含め2.002 mm 

銅比:5.78 

平均フィラメント直径:81 µm 

日本の8機関が参加し,取り扱った試料数は16であった。複合超電導線の銅比の平均値は5.98,試験標

準偏差は0.038,合成標準不確かさは0.014,及び相対合成標準不確かさは0.2 %であった。 

したがって,銅質量法による目標の相対合成標準不確かさは,ラウンドロビン試験による相対合成標準

不確かさを基に,適用係数k=1を用いて2 %を超えない。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 

[1] JIS Z 8103:2000 計測用語 

[2] International Organization for Standardization (Geneva, Switzerland), “Guide to the Expression of 

Uncertainty in Measurement”(初版1993,修正版1995),飯塚 幸三 監修:ISO国際文書“計測にお

ける不確かさの表現のガイド”財団法人日本規格協会(1996)