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H 7202

:2007

(1) 

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  測定装置

2

4.1

  測定装置の構成

2

4.2

  機器の精度

4

4.3

  ガスの純度

4

4.4

  測定系容積及び空の試料系容積の算出

4

5

  測定準備

4

5.1

  試料の準備

4

5.2

  測定装置の準備

5

5.3

  試料の前処理

6

6

  測定

6

7

  反応速度特性図の作成

8

7.1

  水素化量及び脱水素化量の算出

8

7.2

  反応速度特性図の作図

8

7.3

  水素化・脱水素化反応速度特性値の算出

8

8

  報告

9


H 7202

:2007

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人大阪科学

技術センター (OSTEC) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。

これによって,JIS H 7202 : 1993 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


   

日本工業規格

JIS

 H

7202

:2007

水素吸蔵合金の水素化及び脱水素化反応速度

測定方法

Method for measurement of hydrogen absorption/desorption reaction rate

of hydrogen absorbing alloys

1

適用範囲

この規格は,水素吸蔵合金が水素を吸蔵及び放出する反応速度を求めるための一般的な測定方法につい

て規定する。

なお,この規格を適用する測定対象温度範囲は 173 K∼573 K,測定圧力範囲は 1 kPa∼5 MPa とする。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。

これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 7003

  水素吸蔵合金用語

JIS H 7201

  水素吸蔵合金の圧力−組成等温線(PCT 線)の測定方法

JIS K 0512

  水素

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8801-1

  試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるい

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS H 7003 によるほか,次による。

3.1

初圧,(0)

水素化・脱水素化反応速度測定開始直後の測定系内の水素圧力。メガパスカル (MPa) で示す。

注記  測定開始前の測定系内の圧力ではない。

3.2

終圧,(e)

水素化・脱水素化反応速度測定終了後の平衡状態での水素圧力。メガパスカル (MPa) で示す。

3.3

80 %

反応時間,t

80

水素化量又は脱水素化量が,測定後の平衡状態,すなわち,JIS H 7201 の 6 a) 4)  及び 6 b) 3)  に規定す

る平衡状態における値の 80 %に達するまでの時間。秒 (s) で示す。


2

H 7202

:2007

   

3.4

80 %

反応速度,w

80

80 %

反応時間における水素化量又は脱水素化量を 80 %反応時間で除した値。秒の逆数 (s

1

)

で示す。

4

測定装置

4.1

測定装置の構成

測定装置は,測定系,試料系,ガス供給・排気系及び温度制御用の機器並びに温度測定用の機器で構成

する。ガスと直接接触する機器は,測定中に印可するガスの最高使用圧力に耐えるに十分な強度があり,

水素と反応せず,水素を透過しない材料で構成し,室温及び測定対象温度において,水素加圧状態及び真

空状態での漏れがあってはならない。配管及びバルブは,流れ抵抗の小さいものを用い,圧力計は,応答

性のよいものを用いる。水素化・脱水素化反応速度測定装置の基本構成の例を,

図 に示す。

なお,試料容器の代わりに模擬容器を用いて,装置全体の応答性の検証試験を行い,測定に必要とする

応答性の良否を検証する。試料容器の代わりに試料の模擬体となる耐圧容器を接続して室温で水素化反応

速度を測定したとき,ほぼ無限大の速度特性,すなわち,測定中の各時間における測定系内圧力 (t)  が測

定間隔の最小値である 0.1 秒程度で終圧 (e)  に到達する場合は,配管及びバルブの流れ抵抗並びに圧力計

及び記録計の応答性は,測定に必要とする基準を十分に満たしているものとする。

測定装置を構成する機器は,次による。

a)

測定系の機器  測定系の機器は,蓄圧容器 (B),圧力計 (P),バルブ (V

1

, V

2

, V

4

)

及び配管で構成する。

圧力計 (P) は,時間計測機能をもつ。蓄圧容器 (B) の容積は,通常の試料量で測定を行うときに,

水素化初圧と水素化終圧との差が水素化終圧の 5 %以下になるように設計する。一般に,水素化の場

合と脱水素化の場合とでは,適切な蓄圧容器の大きさが異なることが多いので,容積の異なる複数の

蓄圧容器を用意し,バルブ又はコネクタで切り替えて使用するようにしてもよい。

なお,蓄圧容器の温度を測定系の温度  [T

d

 (K)]

とする。

b)

試料系の機器  試料系の機器は,試料容器 (D),バルブ (V

3

)

及び配管で構成する。試料容器 (D) は,

熱伝導率の高い金属で作製し,測定対象温度及び測定圧力での使用に耐える強度をもつとともに,試

料を厚さ 1 mm 以下の平面上に容器に密着して充てんできる構造とし,かつ,その質量は,試料の水

素化熱による試料温度の上昇を最小限に抑えるために,

測定試料の 1 000 倍以上とするのが望ましい。

測定対象温度範囲 273 K∼473 K 及び測定圧力範囲 1 kPa∼3 MPa で使用可能な試料容器の例を

図 

示す。

c)

ガス供給・排気系の機器  ガス供給・排気系の機器は,真空計 (VG),一次圧調整弁 (VL) 並びに水

素供給機器 (H),水素放出機器 (HE) 及び真空排気機器 (VE) で構成する。

d)

温度制御用及び温度測定用の機器  温度制御用及び温度測定用の機器は,恒温槽 (C) 及び温度計 (T

1

,

T

2

)

で構成する。温度計 (T

1

)

は,蓄圧容器 (B) の近傍に取り付け,温度計 (T

2

)

は,恒温槽 (C) の

槽内に取り付ける。


3

H 7202

:2007

図 1−水素化・脱水素化反応速度測定装置の基本構成の例

図 2−試料容器の例


4

H 7202

:2007

   

4.2

機器の精度

使用する機器の精度は,次による。

−  恒温槽温度保持精度:±0.5 K

−  温度測定精度      :±0.5 K

−  時間測定分解能    :0.1 s,計測誤差±5 %以内

−  圧力測定精度      :最高使用圧力で有効数字 4 けた以上あるものを使用する。

4.3

ガスの純度

測定に使用する水素の純度は,JIS K 0512 に規定する 3 級又はそれと同等以上の品質とする。また,不

活性ガス(アルゴン又はヘリウム)は工業用のものを用いる。

4.4

測定系容積及び空の試料系容積の算出

測定系容積  [v

d

 (cm

3

)]

及び空の試料系容積  [v

v

 (cm

3

)]

の算出は,それぞれ JIS H 7201 の 4.4(測定系容

積及び空の試料系容積の算出)と同様の手順によって行う。

5

測定準備

5.1

試料の準備

試料の準備は,次による。

a)

試料の調整  試料は測定直前に粉砕し,JIS Z 8801-1 に規定する公称目開き 500 µm の金属製網ふるい

を全通し,かつ,公称目開き 150 µm の金属製網ふるいを通過しない粒径に分級する。ただし,水素

化粉砕によって試料を調製した場合は,分級せずにそのまま測定に用い,測定後に粒径又は粒度分布

を測定する。

b)

圧力−組成等温線(以下,“PCT 線”という。)の算出  a)  で調整した試料を用いて測定対象温度にお

ける PCT 線を JIS H 7201 によって測定し,水素化・脱水素化反応速度測定での,水素化の初圧 (0)  及

び水素化の終圧 (e)  の予定値を,PCT 線から設定する。

c)

試料の量  試料の量  [(g)]  は,水素化の初圧 (0)  と水素化の終圧 (e)  との差が水素化の終圧の 5 %

以下になるような量とし,その質量を有効数字 3 けた以上ではかる。

なお,この条件を満たす試料の量 の上限は,水素化反応速度測定の場合は,式 (1) によって求め,

また,脱水素化反応速度測定の場合は,式 (2) によって,求めることができる。

X

)

e

(

10

H

b0

W

R

A

p

×

d

d

T

v

 (1)

ここに,

X

試料の量 (g)

p

b0

5.2 c) 1.6) 

で測定するブランク試験測定開始直前

の測定系内圧力 (MPa)

(e)

: b)  で測定した PCT 線から推定される試料系内の

圧力が (0)  から (e)  まで変化するときの水素化
量[%(質量分率)

 

v

d

4.4

で算出する測定系容積 (cm

3

) 

T

d

測定系の温度 (K)

A

H

水素の原子量=1.007 94

R

気体定数=8.314 472 (J・mol

1

・K

1

)

X

)

e

(

10

H

b0r

W

R

A

p

×

d

d

T

v

 (2)

ここに,

X

試料の量

 (g)


5

H 7202

:2007

p

b0r

5.2 c

)

 2.6

)

で測定するブランク試験測定開始直前

の試料系内圧力

 (MPa)

(e)

: b

)

で測定した

PCT

線から推定される試料系内の

圧力が

(0)

から

(e)

まで変化するときの水素化

量[

%

(質量分率)

 

v

d

4.4

で算出する試料系容積

 (cm

3

)

T

d

測定系の温度

 (K)

A

H

水素の原子量=

1.007 94

R

気体定数=

8.314 472 (J

mol

1

K

1

)

注記

 (1)

及び式

 (2)

で求める試料の量は,測定で用いる試料の量の上限値を示すものであるため,

高い精度は必要としない。したがって,式

 (1)

及び式

 (2)

では,計算の簡略化のために空の試

料系容積

  (v

v

)

を無視している。

5.2

測定装置の準備

測定装置の準備は,次による。

a

)

漏れ試験  試料を充てんした試料容器を測定装置に接続し,試料系内及び測定系内を真空脱気し,測

定する最高圧力まで水素ガスを導入し,装置の漏れ及び試料と水素との反応による圧力低下のないこ

とを確認する。試料の活性化前でも試料と水素との反応が認められる場合には,漏れ試験及び次のブ

ランク試験において水素の代わりに不活性ガス(ヘリウム又はアルゴン)を用いる。

b

)

放出圧の設定  水素化反応速度測定及び安定化処理での放出圧を一定にさせるため,バルブ

 (V

2

)

びバルブ

 (V

3

)

を開き,圧力計で測定系内の圧力を計測しながら一次圧調整弁

 (VL)

を調整して大気

圧よりもわずかに高い放出圧に設定する。この設定手順においては,必要に応じて,水素又は不活性

ガスを測定系に供給するためにバルブ

 (V

1

)

を開閉する。一次圧調整弁

 (VL)

を設定後,バルブ

 (V

2

)

及びバルブ

 (V

3

)

を閉じる。

c

)

ブランク試験  ブランク試験は,次の手順によって行う。

なお,ブランク試験は,水素化・脱水素化反応速度測定における指定温度で行う。

1

)

水素化反応速度測定の場合

1.1

)

バルブ

 (V

1

)

を開き,測定系内に,所定の水素化の初圧

(0)

よりも高い圧力の水素又は不活性ガ

スを導入し,バルブ

 (V

1

)

を閉じる。

1.2

)

ブランク試験での各時間における測定系内圧力

p

b

 (t)

を測定しながら,バルブ

 (V

2

)

を開く。

1.3

)

測定終了後

1)

,バルブ

 (V

2

)

を閉じる。

1)

ブランク試験での圧力変化は,

1

秒以内で終わるため,その後の測定系内圧力

p

b

 (t)

は実測

せずに一定値で置き換えてもよい。

1.4

)

バルブ

 (V

3

)

を開き,試料系内のガスを一次圧調整弁

 (VL)

を用いて,5.2 b

)

で設定した放出圧ま

で放出する。その後,バルブ

 (V

3

)

を閉じる。

1.5

)

測定系内圧力

p

b

 (t)

は,測定間隔の最小値である

0.1

秒程度で終圧

p

b

 (e)

に到達するため,このと

きの初圧

p

b

 (0)

と終圧

p

b

 (e)

とはほぼ等しい。ただし,この初圧

p

b

 (0)

及び終圧

p

b

 (e)

が,5.1 b

)

設定した水素化の初圧

(0)

の予定値と異なる場合には,1.1

)

でのガス導入圧力を調整しなおして

1.1

)

1.4

)

の手順を再度行う。

1.6

)

ブランク試験での初圧

p

b

 (0)

が,所定の水素化の初圧

(0)

になったとき,1.1

)

で測定系内に導入

した測定開始直前の測定系内圧力

p

b0

及び各時間における測定系内圧力

p

b

 (t)

をブランク試験デー

タとして記録する。

2

)

脱水素化反応速度測定の場合


6

H 7202

:2007

   

2.1

)

バルブ

 (V

1

)

及びバルブ

 (V

2

)

を開き,所定の水素化の初圧

p  (0)

よりも高い圧力の水素又は不活

性ガスを測定系内及び試料系内に導入し,バルブ

 (V

1

)

を閉じる。このときの測定系内の圧力を暫

定的な試料系内圧力

p

b0r

として,記録する。

2.2

)

バルブ

 (V

2

)

を閉じ,バルブ

 (V

4

)

を開いて,測定系内だけを真空排気する。

2.3

)

各時間における測定系内圧力

p

b

 (t)

を測定しながら,バルブ

 (V

2

)

を開く。

2.4

)

測定終了後

1)

,バルブ

 (V

2

)

を閉じる。

2.5

)

測定系内圧力

p

b

 (t)

は,測定間隔の最小値である

0.1

秒程度で終圧

p

b

 (e)

に到達するため,このと

きの初圧

p

b

 (0)

と終圧

p

b

 (e)

とはほぼ等しい。ただし,この初圧

p

b

 (0)

及び終圧

p

b

 (e)

が 5.1 b

)

設定した脱水素化の初圧

(0)

の予定値と異なる場合には,2.1

)

でのガス導入圧力を調整しなおし

て,2.1

)

2.4

)

の手順を再度行う。

2.6

)

ブランク試験での初圧

p

b

 (0)

が,所定の水素化の初圧

(0)

になったとき,2.1

)

で測定系内及び試

料系内に導入した測定開始直前の試料系内圧力

p

b0r

及び各時間における測定系内圧力

p

b

 (t)

をブラ

ンク試験データとして記録する。

5.3

試料の前処理

試料の前処理は,次の手順によって行う。

a

)

活性化処理  5.2 c

)

のブランク試験終了後,バルブ

 (V

2

)

及びバルブ

 (V

4

)

を開き,試料系内を真空脱

気する。バルブ

 (V

4

)

を閉じ,バルブ

 (V

1

)

を開いて,装置の最高使用圧力近くまで水素を導入する。

バルブ

 (V

1

)

を閉じ,圧力の低下が止まるまで放置して試料に水素を吸蔵させる。

なお,この状態で活性化が進まないときは,バルブ

 (V

2

)

を開いたまま,水素加圧の状態で,試料

を水素化・脱水素化反応速度測定における指定温度又はそれ以上の温度に加熱した後,室温又はそれ

以下に冷却する操作を繰り返す。

b

)

安定化処理  活性化処理終了後,水素化・脱水素化反応速度測定における指定温度で,次の手順によ

って行う。

1

)

バルブ

 (V

2

)

を閉じて,バルブ

 (V

3

)

を開き,5.2 b

)

で設定した放出圧で,試料から水素を放出させ

る。放出が完全である必要はなく,短時間で終了させる。

2

)

試料からの水素放出操作中に,バルブ

 (V

1

)

を開き,測定系に 5.2 c

)

1.1

)

で測定系内に導入した測定

開始直前の測定系内圧力

  [p

b0

 (MPa)]

又は 5.2 c

)

2.1

)

で測定系内及び試料系内に導入した測定開始

直前の試料系内圧力

  [p

b0r

 (MPa)]

以上の水素を導入する。測定系に水素を導入後,バルブ

 (V

1

)

閉じる。

3

)

1

)

の手順による水素放出を終了後,バルブ

 (V

3

)

を閉じて,バルブ

 (V

2

)

を開き,試料に水素を吸

蔵させる。吸蔵が完全である必要はなく,短時間で終了させる。

4

)

1

)

3

)

の手順を繰り返して,水素化・脱水素化反応速度特性を安定化させる。

なお,試料系内への大気及び水の混入による汚染を避けるために,できるだけ短時間に行う。

6

測定

測定は,次の手順によって行う。

a

)

水素化反応速度測定の場合

1

)

指定温度において,バルブ

 (V

3

)

を開き,試料系内のガスを一次圧調整弁

 (VL)

を用いて,5.2 b

)

設定した放出圧まで放出する。

2

)

1

)

の操作中に,バルブ

 (V

2

)

を閉じた状態で,バルブ

 (V

1

)

を開き,測定系内に 5.2 c

)

1.1

)

で測定


7

H 7202

:2007

系内に導入した測定開始直前の測定系内圧力

  [p

b0

 (MPa)]

とほぼ等しい圧力の水素を導入し,バル

 (V

1

)

を閉じる。導入した実際の測定系内の圧力を測定し,

p

0

として記録する。また,このとき,

測定系の温度

  [T

d

 (K)]

及び試料系の温度

  [T

r

 (K)]

を記録する。

3

)

1

)

の放出操作を終了した後,バルブ

(V

3

)

を閉じる。

4

)

測定系内圧力の時間変化

(t)

を記録しながらバルブ

 (V

2

)

を開いて,水素化反応を開始させる。

(t)

の測定間隔は,変化の大きい初期

5

秒間は

0.1

秒間隔とし,その後はおおむね

1

秒間隔とする。測

定中における圧力変化の模式図を

図 に示す。

5

)

水素化の終圧

(e)

への到達の判断は,

10

秒間

(t)

の変化が観測されなくなった状態を基準とする。

図 3−測定中における圧力変化の模式図

b

)

脱水素化反応速度測定の場合

1

)

測定対象温度において,バルブ

 (V

1

)

及びバルブ

 (V

2

)

を開き,測定系内に圧力

p

b0r

とほぼ等しい圧

力の水素を導入し,試料に水素を吸蔵させた後,バルブ

 (V

1

)

を閉じて,

10

秒間圧力が変化しなく

なるまで静置する。

2

)

バルブ

 (V

2

)

を閉じて,このときの測定系内の圧力を脱水素化試験開始直前の試料容器圧力

  [p

0r

(MPa)]

として記録する。また,このとき,測定系の温度

  [T

d

 (K)]

及び試料系の温度

  [T

r

 (K)]

を記

録する。

3

)

バルブ

 (V

4

)

を開いて,測定系内を排気する。

4

)

バルブ

 (V

4

)

を閉じた後,測定系内圧力の時間変化

p  (t)

を記録しながらバルブ

 (V

2

)

を開いて,脱

水素化反応を開始させる。

(t)

の測定間隔は,変化の大きい初期

5

秒間は

0.1

秒間隔とし,その後

はおおむね

1

秒間隔とする。

5

)

水素化の終圧

(e)

への到達の判断は,

10

秒間

(t)

の変化が観測されなくなった状態を基準とする。

7

反応速度特性図の作成

7.1

水素化量及び脱水素化量の算出


8

H 7202

:2007

   

各時間における水素化量及び脱水素化量

  [W  (t)]

を,それぞれ式

 (3)

及び式

 (4)

によって算出する

2)

圧縮率因子

z

d

及び

z

r

は,JIS H 7201 の式

 (4)

によって近似する。ただし,

z

d

は温度が

T

d

のときの圧縮率因

子とし,

z

r

は温度が

T

r

のときの圧縮率因子として算出する。いずれの圧縮率因子の算出にも,圧力には

p

0

p  (e)

との平均値を用いる。計算値は,有効数字

4

けたまで求めて,JIS Z 8401 の規則

A

に従って有効

数字

3

けたに丸める。

}

)]

(

[

]

)

(

[

{

2

)

(

b

b0

0

r

r

v

d

d

d

H

t

p

p

t

p

p

T

z

v

T

z

v

RX

A

t

W

÷÷ø

ö

ççè

æ

×100 %  (3)

ここに,

(t)

各時間における水素化量[%(質量分率)

}

)]

(

[

]

)

(

[

{

2

)

(

b

b0r

r

0

r

r

v

d

d

d

H

t

p

p

t

p

p

T

z

v

T

z

v

RX

A

t

W

÷÷ø

ö

ççè

æ

×100 %  (4)

ここに,

(t)

各時間における脱水素化量[%(質量分率)

また,試料の組成式が既知の場合は,合金の平均原子量 A

M

を算出し,水素対金属の原子数比の変化量

(H/M) (t)

を式 (5) によって求める。

(

)

%

100

)

(

)

(

/

t

W

t

M

H

×

H

M

A

A

 (5)

2)

試料の体積による影響は,ブランク試験データによって補正している。さらに,このブランク

試験データで補正することによって,急激なガスの流れで生じる流体の圧力変化の効果を相殺

することができる。

7.2

反応速度特性図の作図

時間 を横軸に,各時間における水素化量又は脱水素化量 W  (t)  を縦軸にとって,水素化量−時間曲線又

は脱水素化量−時間曲線を作図する。水素化時の反応速度特性図の例を,

図 に示す。

図 4−反応速度特性図の模式図

7.3

水素化・脱水素化反応速度特性値の算出

7.2

によって得られた反応速度特性図を用いて,水素吸蔵合金の反応速度を評価する代表値として,80 %

反応時間 t

80

及び 80 %反応速度 w

80

 [

W (t

80

)/t

80

]

を求める。

8

報告

報告書には,次の事項を記載する。ただし,記載する事項は,受渡当事者間の協定によって,次の事項


9

H 7202

:2007

の中から選択することができる。

a

)

試料

1

)

試料名又は組成式(試料名で組成が不明の場合は,成分などを含めた試料識別名とする。

2

)

試料履歴(入手元,製造方法,熱処理温度,熱処理時間など。

3

)

試料粒径又は粒度の分布(水素化粉砕による試料の場合。

4

)

試料の量

5

)

測定対象温度での PCT 線

b

)

前処理の条件

1

)

活性化処理の条件(真空脱気温度,真空脱気時間など。

2

)

安定化処理の条件(水素吸蔵・放出の周期,回数など。

c

)

水素ガスの純度

d

)

反応速度特性

1

)

水素化又は脱水素化の別

2

)

測定対象温度 (K)

3

)

初圧 (MPa)

4

)

終圧 (MPa)

5

)

放出圧 (MPa)

6

)

反応速度特性図

7

) 80

%

反応時間 t

80

8

) 80

%

反応速度 w

80

e

)

水素の圧縮率因子を求める式及びパラメータ,又はその出典