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H 7107

:2009

(1) 

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  種類

1

5

  品質

2

5.1

  化学成分 

2

5.2

  形状回復温度 

2

5.3

  線の巻付け性 

2

5.4

  機械的性質 

2

5.5

  外観

3

6

  寸法許容差 

3

7

  測定及び試験 

4

7.1

  成分分析 

4

7.2

  形状回復温度の測定

4

7.3

  巻付試験 

5

7.4

  引張試験 

5

7.5

  寸法測定 

5

8

  検査

5

9

  表示

5


H 7107

:2009

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人大阪科学

技術センター付属ニューマテリアルセンター(OSTEC)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案

を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が

改正した日本工業規格である。

これによって,JIS H 7107:2003 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 H

7107

:2009

Ti-Ni

形状記憶合金線,条及び管

Wires, tapes and tubings of Ti-Ni shape memory alloy

適用範囲 

この規格は,形状記憶効果及び超弾性を利用した製品に使用する Ti-Ni 形状記憶合金線,条及び管(以

下,線,条及び管という。

)について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7184

  測定投影機

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS G 1256

  鉄及び鋼−蛍光 X 線分析方法

JIS H 0301

  非鉄金属地金のサンプリング,試料調製及び分析検査通則

JIS H 1292

  銅合金の蛍光 X 線分析方法

JIS H 1630

  チタンの発光分光分析方法

JIS H 7001

  形状記憶合金用語

JIS H 7101

  形状記憶合金の変態点測定方法

JIS H 7103

  Ti-Ni 系形状記憶合金線の定温引張試験方法

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS H 7001 によるほか,次による。

3.1 

 (tape) 

丸線を加工して得られる,つぶし線。

種類 

線,条及び管の種類は,2 種類とし,その記号は

表 による。


2

H 7107

:2009

   

表 1−種類

種類

特徴

記号

使用温度

主な用途

TN-SMA

室温∼80  ℃

形状記憶ばね

混合水栓,給湯器 
床下換気口

形状記憶効果

変 態 温 度 が 使 用 温 度 範 囲 内 に あ

り,この変態温度において特性が
変化する。

TN-SMAH

60

℃∼100  ℃

高温用形状記憶ばね

通電加熱用(ロボット) 
炊飯器

超弾性

変態温度が使用される温度(通常,
室温)以下にあることで,変形に
対する大きな回復効果を示す。

TN-SEA

室温

超弾性ばね 
眼鏡フレーム,アンテナ, 
歯列矯正線,ガイドワイヤ

注記  形状記憶効果における使用温度は,代表的な形状回復温度の範囲であり,使用できる温度範囲を示すものでは

ない。

品質 

5.1 

化学成分 

線,条及び管の化学成分は,

表 による。

表 2−化学成分

単位  質量分率 %

種類

記号 Ni  Ni+Cu Cu Ti

TN-SMA 53.5

以上 57.5 以下

残部

形状記憶効果

TN-SMAH

− 53.5 以上 57.5 以下

3

以上 10 以下

残部

超弾性 TN-SEA

53.5

以上 57.5 以下

残部

Cu

以外の V,Cr,Fe,Co などについては,受渡当事者間の協定による。

5.2 

形状回復温度   

線,条及び管は,7.2 の測定を行い,その形状回復温度は,

表 による。ただし,要求温度は,受渡当事

者間の協定による。

表 3−形状回復温度

種類

記号

形状回復温度

TN-SMA

要求温度に対し,± 5 ℃の範囲

形状記憶効果

TN-SMAH

要求温度に対し,±10  ℃の範囲

超弾性 TN-SEA

室温以下

5.3 

線の巻付け性 

線の巻付け性は,7.3 の試験を行い,破断してはならない。

5.4 

機械的性質 

線,条及び管の機械的性質は,7.4 の試験を行い,性質は,次による。

なお,

表 及び表 に規定されていない線,条及び管の機械的性質は,受渡当事者間の協定による。

a)

形状記憶用途に使用する場合,引張強さ及び伸びは,

表 による。


3

H 7107

:2009

表 4−引張強さ及び伸び 

記号

線径,板厚及び管の外径

mm

引張強さ

a)

N/mm

2

伸び

b)

0.1

以上  0.3 未満

1 000

以上

8

以上

0.3

以上 1.0 未満

900

以上

8

以上

TN-SMA

TN-SMAH

1.0

以上  2.0 未満 800 以上

8

以上

a)

 1

N/mm

2

=1 MPa

b)

伸びは,破断時の標点間距離の伸びをいう。

b)

超弾性用途に使用する場合,引張強さ,伸び及び残留伸び(残留ひずみ)は,

表 による。

表 5−引張強さ,伸び及び残留伸び

記号

線径,板厚及び管の外径

mm

引張強さ

a)

N/mm

2

伸び

b)

残留伸び

0.1

以上  0.3 未満 1

000

以上

8

以上

0.5

以内

0.3

以上  1.0 未満 900 以上

8

以上

0.5

以内

TN-SEA

1.0

以上  2.0 未満 800 以上

8

以上

0.5

以内

a)

 1

N/mm

2

=1 MPa

b)

伸びは,破断時の標点間距離の伸びをいう。

5.5 

外観 

外観は,受渡当事者間の協定による。

寸法許容差 

線,条及び管の寸法許容差は,次による。

ただし,a)c)  に規定されていない線,条及び管の寸法許容差は,受渡当事者間の協定による。

a)

線  線の線径許容差は,表 による。

表 6−線の線径許容差

単位  mm

線径

許容差

0.1

以上  0.3 未満

±0.015

0.3

以上  1.0 未満

±0.02

1.0

以上  2.0 未満

±0.04

b)

条  条の板厚許容差は,表 による。


4

H 7107

:2009

   

表 7−条の板厚許容差

単位  mm

板厚 0.5 未満 0.5 以上

1.0

未満

1.0

以上

2.0

未満

2.0

以上

3.0

未満

0.1

以上  0.5 未満

±0.02

±0.02

±0.02

0.5

以上  1.0 未満

±0.02

±0.02

±0.02

1.0

以上  2.0 未満

±0.03

±0.04

c)

管  管の外径及び肉厚の許容差は,表 によって,代表的な管の寸法は,図 による。

表 8−管の寸法許容差

単位  mm

外径

外径の許容差

肉厚の許容差

0.3

以上  1.0 未満

±0.02

±0.02

1.0

以上  3.0 未満

±0.03

±0.03

図 1−代表的な管の寸法 

測定及び試験 

7.1 

成分分析 

試料調製などの一般事項は,JIS H 0301 によって,成分分析は,JIS G 1256JIS H 1292 又は JIS H 1630

のいずれかによる。

なお,

表 中の Ni 濃度分析は,示差走査熱量測定(DSC)で代用してもよい。この測定は,JIS H 7101 

よる。

7.2 

形状回復温度の測定 

形状回復温度の測定は,JIS H 7101 によって行い,形状回復が終了する温度 A

f

とする。


5

H 7107

:2009

7.3 

巻付試験 

巻付試験は,冷間加工上がり線を,受渡当事者間の協定によって定められた直径の心金に,室温で 2 巻

以上巻き付けて行い,線の破断の有無及び有害なきずの発生状況を目視で調べる。

7.4 

引張試験 

引張試験は,JIS H 7103 による。

なお,線,条及び管を室温超弾性材料として使用する場合,その試験片の熱処理条件は,350  ℃∼550  ℃

の間の指定された温度±5  ℃で,1 分間∼60 分間とする。また,引張試験温度は,室温とする。

7.5 

寸法測定 

線,条及び管の寸法は,JIS B 7184 若しくは JIS B 7502 に規定する測定器,又はこれらと同等以上の精

度をもつ測定器によって測定する。

検査 

検査は,次による。

a)

化学成分は,5.1 に適合しなければならない。

b)

形状回復温度は,5.2 に適合しなければならない。

c)

線の巻付け性は,5.3 に適合しなければならない。

d)

機械的性質は,5.4 に適合しなければならない。

e)

寸法許容差は,箇条 に適合しなければならない。

表示 

材料は,1 製品ごと,1 巻ごと又は 1 包装ごとに,次の事項を表示しなければならない。

a)

この規格の規格番号及び種類の記号

b)

寸法(線:線径,条:板厚,管:外径及び肉厚)

c)

製造番号又は製造年月日

d)

製造業者又はその略号